説明

蓄電セル

【課題】蓄電セルにおける内部抵抗を低減すること。
【解決手段】セパレータ20を介して積層される複数の電極体10を備え、電極体10の間に充填される電解液を介して充放電可能なキャパシタ100であって、隣り合うセパレータの間に設けられる電極体10は、多孔質材によって形成されセパレータ20Aに臨んで設けられる集電箔11と、多孔質材によって形成されセパレータ20Aと隣り合うセパレータBに臨んで設けられる集電箔12と、集電箔11と集電箔12との間に設けられる活物質15と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電荷を蓄えることが可能な蓄電セルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気二重層キャパシタやリチウムイオン電池などの蓄電セルが用いられている。
【0003】
特許文献1には、電気二重層コンデンサ用電極が開示されている。この電極が用いられる電気二重層コンデンサでは、アルミ箔製の集電体の表面に活物質を貼り付けて形成された電極が、セパレータを介して積層されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−135555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の電気二重層コンデンサでは、活物質がセパレータと当接する面は、活物質の厚さの分だけ集電体から離間しているため、集電体からの距離の分だけ電荷の移動距離が長くなって内部抵抗が大きくなる。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、蓄電セルにおける内部抵抗を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、セパレータを介して積層される複数の電極体を備え、前記電極体の間に充填される電解液を介して充放電可能な蓄電セルであって、隣り合う前記セパレータの間に設けられる前記電極体は、多孔質材によって形成され、第一のセパレータに臨んで設けられる第一の集電箔と、多孔質材によって形成され、前記第一のセパレータと隣り合う第二のセパレータに臨んで設けられる第二の集電箔と、前記第一の集電箔と前記第二の集電箔との間に設けられる活物質と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、隣り合うセパレータの間に設けられる電極体は、多孔質材によって形成される第一の集電箔と第二の集電箔とが活物質を挟むように形成される。そのため、活物質から移動する電荷は、活物質の中央を境に第一の集電箔と第二の集電箔とに移動することとなる。よって、同じ厚さの活物質を用いた場合、活物質から第一の集電箔又は第二の集電箔に移動する電荷の移動距離は、単一の集電箔の面上に活物質を設けて電極体を形成する場合と比較すると半減する。したがって、蓄電セルにおける内部抵抗を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電気二重層キャパシタの断面図である。
【図2】図1における集電箔の正面図である。
【図3】(a)は、従来の電気二重層キャパシタにおける内部抵抗について説明する図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る電気二重層キャパシタにおける内部抵抗について説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る電気二重層キャパシタの断面図である。
【図5】図4における電極体を構成する集電箔の分解図である。
【図6】(a)から(d)は、電極体の組立方法の例を示す図である。
【図7】(a)から(e)は、電極体の組立方法の他の例を示す図である。
【図8】(a)及び(b)は、図6の組立方法によって組み立てられた電極体への電極端子の接続例について説明する図である。
【図9】(a)及び(b)は、電極端子の他の接続例について説明する図である。
【図10】電極体の製造方法を示す図である。
【図11】(a)及び(b)は、電極体の他の製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
以下、図1から図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る蓄電セルとしての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と称する。)100について説明する。蓄電セルは、電気二重層キャパシタではなく、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの電池であってもよい。
【0011】
まず、図1及び図2を参照して、キャパシタ100の構成について説明する。
【0012】
キャパシタ100は、積層される複数の電極体10と、電極体10の間に介在するセパレータ20とを備える。キャパシタ100は、セパレータ20を介して積層された電極体10が、電解液とともにケース(図示省略)内に収容されて形成される。図1には、二つの電極体10のみが示されているが、キャパシタ100は、セパレータ20を介して多数の電極体10が厚さ方向(図1では左右方向)に積層されるものである。
【0013】
キャパシタ100は、電極体10の間に充填される電解液を介して充放電可能である。キャパシタ100は、一対の電極体10の間に充填された電解液のイオンが電気二重層を構成し、充放電可能に電気を蓄えるものである。
【0014】
電極体10は、隣り合う一対のセパレータ20の間に設けられる。電極体10は、正極を形成する正極電極体10Aと、負極を形成する負極電極体10Bとからなる。正極電極体10Aと負極電極体10Bとは、セパレータ20を介して交互に積層される。
【0015】
正極電極体10Aは、セパレータ20Aとセパレータ20Bとの間に設けられる。正極電極体10Aの場合には、セパレータ20Aが第一のセパレータに該当し、セパレータ20Bが第二のセパレータに該当する。
【0016】
一方、負極電極体10Bは、セパレータ20Bとセパレータ20Cとの間に設けられる。負極電極体10Bの場合には、セパレータ20Bが第一のセパレータに該当し、セパレータ20Cが第二のセパレータに該当する。
【0017】
正極電極体10Aと負極電極体10Bとは、同様の構成であるため、ここでは正極電極体10Aについてのみ構成を詳細に説明する。
【0018】
正極電極体10Aは、多孔質材によって形成される集電箔11及び集電箔12と、集電箔11と集電箔12との間に設けられる活物質15とを備える。集電箔11が第一の集電箔に該当し、集電箔12が第二の集電箔に該当する。
【0019】
集電箔11は、セパレータ20Aに臨んで設けられる。集電箔12は、セパレータ20Aと隣り合うセパレータ20Bに臨んで設けられる。集電箔11及び集電箔12は、図2に示すように、全面に孔14が無数に形成される多孔質材の板である。集電箔11及び集電箔12は、アルミニウムの薄板によって形成される。
【0020】
孔14は、数十μmから数百μmの直径に形成される微細な孔である。孔14が形成されることによって、活物質15にて電気二重層を構成するイオンが、集電箔11及び集電箔12を通過し、負極電極体10Bとの間で移動することが可能となる。
【0021】
集電箔11は、活物質15が設けられる集電部11aと、集電部11aから延設される延設部11bとを備える。
【0022】
集電部11aは、矩形に形成され、セパレータ20Aと当接する面とは反対の面に、活物質15が貼り付け又は塗布によって設けられる。
【0023】
延設部11bは、集電箔12における延設部12bと一体に束ねられる。
【0024】
同様に、集電箔12は、活物質15が設けられる集電部12aと、集電部12aから延設される延設部12bとを備える。
【0025】
集電部12aは、矩形に形成され、セパレータ20Bと当接する面とは反対の面に、活物質15が貼り付け又は塗布によって設けられる。
【0026】
延設部12bは、集電箔11における延設部11bと一体に束ねられる。
【0027】
活物質15は、活性炭粒子と導電性カーボン粒子とバインダーとによって形成され、これらの間の空間や、粒子内部の空間とに電解液が満たされるものである。
【0028】
セパレータ20は、一対の電極体10の間に介在し、電極体10どうしを隔離する。セパレータ20は、正極電極体10Aと負極電極体10Bとの間での電気的な短絡を防止するとともに、充填される電解液を保持して、正極電極体10Aと負極電極体10Bとの間でのイオンの移動を可能とするものである。
【0029】
次に、主に図3を参照して、キャパシタ100の作用について説明する。
【0030】
図3(a)に示すように、従来のキャパシタ500では、集電箔511の面上に活物質15を設けて電極体510を形成していた。この電極体510の場合には、活物質15に蓄積された電荷は、全て集電箔511に移動することとなる。よって、活物質15における内部抵抗は、R1からRnまでのn個の抵抗が直列に連結された状態と等価である。
【0031】
これに対して、キャパシタ100では、図3(b)に示すように、活物質15の両面に集電箔11と集電箔12とが当接するため、活物質15に蓄積された電荷は、活物質15の中央を境として、集電箔11と集電箔12とにそれぞれ移動することとなる。よって、同じ厚さの活物質15を用いた場合、活物質15から集電箔11又は集電箔12に移動する電荷の移動距離は、従来のキャパシタ500のように単一の集電箔511の面上に活物質15を設けて電極体510を形成する場合と比較すると半減する。
【0032】
即ち、従来のキャパシタ500における活物質15と同じ厚さの活物質15をキャパシタ100に用いた場合、活物質15における内部抵抗は、R1からRn/2までのn/2個の抵抗が直列に連結された状態と等価である。
【0033】
したがって、キャパシタ100では、集電箔11と集電箔12とが活物質15を挟むように電極体10を構成することによって、内部抵抗を低減することができる。
【0034】
以上の第1の実施の形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0035】
隣り合う一対のセパレータ20間に設けられる電極体10は、集電箔11と集電箔12とが活物質15を挟むように形成される。そのため、活物質15から移動する電荷は、活物質15の中央を境に集電箔11と集電箔12とに移動することとなる。よって、同じ厚さの活物質15を用いた場合、活物質15から集電箔11又は集電箔12に移動する電荷の移動距離は、単一の集電箔511の面上に活物質15を設けて電極体510を形成する場合と比較すると半減する。したがって、キャパシタ100における内部抵抗を低減できる。
【0036】
なお、集電箔11と集電箔12とは、孔14が無数に形成される多孔質材の板であるため、セパレータ20と活物質15との間に介在しても、イオンの通過を妨げることなく、キャパシタ100の充放電が可能である。
(第2の実施の形態)
以下、図4から図11を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る蓄電セルとしての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と称する。)200について説明する。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0037】
第2の実施の形態では、集電箔11と集電箔12との間に集電箔13が更に設けられる点で、第1の実施の形態とは相違する。
【0038】
まず、図4及び図5を参照して、キャパシタ200の構成について説明する。
【0039】
キャパシタ200は、セパレータ20を介して積層される複数の電極体210を備える。キャパシタ200は、セパレータ20を介して積層された電極体210が、電解液とともにケース(図示省略)内に収容されて形成される。
【0040】
電極体210は、隣り合う一対のセパレータ20の間に設けられる。電極体210は、正極を形成する正極電極体210Aと、負極を形成する負極電極体210Bとからなる。正極電極体210Aと負極電極体210Bとは、セパレータ20を介して交互に積層される。
【0041】
正極電極体210Aは、セパレータ20Aとセパレータ20Bとの間に設けられる。一方、負極電極体210Bは、セパレータ20Bとセパレータ20Cとの間に設けられる。正極電極体210Aと負極電極体210Bとは、同様の構成であるため、ここでもまた正極電極体210Aについてのみ構成を詳細に説明する。
【0042】
正極電極体210Aは、多孔質材によって形成される集電箔11及び集電箔12と、集電箔11と集電箔12との中間に設けられる集電箔13と、集電箔11と集電箔13との間及び集電箔12と集電箔13との間に設けられる活物質215とを備える。集電箔11が第一の集電箔に該当し、集電箔12が第二の集電箔に該当し、集電箔13が第三の集電箔に該当する。
【0043】
集電箔11は、セパレータ20Aに臨んで設けられる。集電箔12は、セパレータ20Aと隣り合うセパレータ20Bに臨んで設けられる。集電箔11及び集電箔12は、全面に孔14が無数に形成される多孔質材の板である。集電箔11及び集電箔12は、アルミニウムの薄板によって形成される。
【0044】
集電箔13は、集電箔11とからの距離と集電箔12とからの距離が等しくなる位置に設けられる。集電箔13は、集電箔11,12に設けられるような孔が形成されない板であり、アルミニウムの薄板によって形成される。
【0045】
集電箔13の両面は、それぞれの反対側に位置する負極電極体210Bに対向し、負極電極体210Bとの間でイオンの移動を可能としている。よって、集電箔13は、イオンを通過させる必要が無い。そのため、集電箔13には、孔が形成されず、電荷が通過する面積を大きくすることができるため、集電箔13の断面積に起因する内部抵抗を小さくすることができる。
【0046】
なお、集電箔13を、全面に孔14が無数に形成される多孔質材の板によって形成してもよい。この場合、ロール状の金属箔を切断することによって集電箔11〜13を形成することが可能である。
【0047】
図5に示すように集電箔13は、集電箔11及び集電箔12と同様に、活物質215が設けられる集電部13aと、集電部13aから延設される延設部13bとを備える。
【0048】
集電部13aは、矩形に形成され、その両面に、活物質215が貼り付け又は塗布によって設けられる。
【0049】
延設部13bは、図4に示すように、集電箔11における延設部11bと、集電箔12における延設部12bと一体に束ねられる。
【0050】
活物質215は、活性炭粒子と導電性カーボン粒子とバインダーとによって形成され、これらの間の空間や、粒子内部の空間とに電解液が満たされるものである。
【0051】
活物質215は、第1の実施の形態における活物質15と比較して、半分の厚さに形成される。第1の実施の形態における活物質15は、比較的厚く形成されるため、貼り付けによって形成することが望ましい。これに対して活物質215は、比較的薄く形成されるため、塗布によって形成することが望ましい。
【0052】
集電箔11と集電箔13との間に設けられる活物質215と、集電箔12と集電箔13との間に設けられる活物質215とは、同一の厚さに形成される。これにより、集電箔11と集電箔13との間と、集電箔12と集電箔13との間における活物質215の厚さに起因する内部抵抗は等しくなる。
【0053】
次に、図5を参照して、電極体210の組立方法の例について説明する。
【0054】
この例では、集電箔11〜13は、それぞれ別体に形成される。集電箔13における集電部13aの表裏両面には、それぞれ活物質215が塗布されており、集電箔11,12には、活物質215は塗布されていない。
【0055】
集電箔11と集電箔13との組み立てにおいては、集電箔11と対向する面の活物質215は、集電箔11における集電部11aに貼り付けられる。一方、集電箔12と集電箔13の組み立てにおいては、集電箔12と対向する面の活物質215は、集電箔12における集電部12aに貼り付けられる。これにより、集電箔11〜13は、それぞれの間に活物質215を挟んで一体となる。
【0056】
また、集電箔11〜13の組み立てにおいて、集電箔11〜13における延設部11b〜13bは一体に束ねられる。
【0057】
以上の組立工程を経て、それぞれ別体に形成される集電箔11〜13と、活物質215とが組み立てられ、電極体210が形成される。
【0058】
次に、キャパシタ200の作用について説明する。
【0059】
キャパシタ200では、集電箔11と集電箔13との間と、集電箔12と集電箔13との間とのそれぞれに活物質215が設けられる。集電箔11と集電箔13との間の活物質215に蓄積された電荷は、活物質215の中央を境として、集電箔11と集電箔13とにそれぞれ移動することとなる。よって、活物質215から集電箔11又は集電箔13に移動する電荷の移動距離が小さくなる。
【0060】
同様に、集電箔12と集電箔13との間の活物質215に蓄積された電荷は、活物質215の中央を境として、集電箔12と集電箔13とにそれぞれ移動することとなる。よって、活物質215から集電箔12又は集電箔13に移動する電荷の移動距離が小さくなる。
【0061】
したがって、キャパシタ200では、集電箔11と集電箔13との間と、集電箔12と集電箔13との間とによって活物質215を挟むように電極体210を構成することによって、内部抵抗を低減することができる。
【0062】
以上の第2の実施の形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0063】
隣り合う一対のセパレータ20間に設けられる電極体210は、集電箔11と集電箔13とが活物質215を挟むように、また、集電箔11と集電箔13とが活物質215を挟むように形成される。そのため、活物質215から移動する電荷は、活物質215の中央を境に集電箔11と集電箔13とに、また、集電箔12と集電箔13とに移動することとなる。よって、活物質215から集電箔11,集電箔12,又は集電箔13に移動する電荷の移動距離が小さくなるため、キャパシタ200における内部抵抗を低減できる。
【0064】
次に、図6を参照して、電極体210の組立方法の他の例について説明する。
【0065】
図6(a)に示すように、集電箔11〜13は、それぞれ連続した一枚のシート状に形成される。集電箔11と集電箔12とは、それぞれ集電箔13の両端から連続して形成される。集電箔13の表裏両面には、それぞれ活物質215が塗布されており、集電箔11,12には、活物質215は塗布されていない。
【0066】
図6(b)に示すように、集電箔11及び集電箔12は、集電箔13に向けて、それぞれ反対方向に折りたたまれる。図6(c)に示すように、集電箔11及び集電箔12は、集電箔13に塗布された活物質215と当接することとなる。活物質215は、集電箔11及び集電箔12に貼り付けられる。これにより、図6(d)に示すように、集電箔11〜13は、それぞれの間に活物質215を挟んで一体となる。
【0067】
以上より、連続したシート状に形成される集電箔11〜13が折り曲げられて積層されることによって、集電箔11〜13と活物質215とが組み立てられ、電極体210が形成される。
【0068】
次に、図7を参照して、電極体210の組立方法の更に他の例について説明する。
【0069】
図7(a)に示すように、集電箔11〜13は、それぞれ連続した一枚のシート状に形成される。集電箔11は、集電箔13から連続して形成され、集電箔12は、集電箔11から連続して形成される。つまり、集電箔12と集電箔13とが、それぞれ集電箔11の両端から連続して形成される。集電箔13の表裏両面には、それぞれ活物質215が塗布されており、集電箔11,12には、活物質215は塗布されていない。
【0070】
図7(b)に示すように、集電箔11及び集電箔12は、集電箔13に向けて、それぞれ同じ方向に折り曲げられる。まず、図7(c)に示すように、集電箔11は、集電箔13に向けて折りたたまれ、集電箔13に塗布された活物質215と当接することとなる。続いて、図7(d)に示すように、集電箔12は、集電箔13に向けて折りたたまれ、集電箔13に塗布された活物質215と当接することとなる。これにより、図7(e)に示すように、集電箔11〜13は、それぞれの間に活物質215を挟んで一体となる。
【0071】
以上より、連続したシート状に形成される集電箔11〜13が折り曲げられて積層されることによって、集電箔11〜13と活物質215とが組み立てられ、電極体210が形成される。
【0072】
次に、図8を参照して、電極体210における電極端子30の接続例について説明する。
【0073】
図8(a)に示すように、集電箔11〜13は、それぞれ連続した一枚のシート状に形成される。集電箔11と集電箔12とは、それぞれ集電箔13の両端から連続して形成される。集電箔13の表裏両面には、それぞれ活物質215が塗布されており、集電箔11,12には、活物質215は塗布されていない。図8(a)に示す電極体210は、図6に示す組立方法によって図8(b)に示すように組み立てられるものである。
【0074】
集電箔11及び集電箔12は、それぞれ延設部11b及び延設部12bを備える。図8(a)では、集電箔13には延設部が形成されないが、延設部13bを設けてもよい。
【0075】
延設部11bと延設部12bとは、組み立てられたときに重なる位置に形成される。これにより、電極体210を組み立てたときに、延設部11bと延設部12bとを一体に束ねることが可能となる。
【0076】
図8(b)に示すように、一体に折りたたまれた延設部11b,12bには、電極端子30が取り付けられ、電気的に接続される。これにより、キャパシタ200は、電極端子30を介して充放電可能となる。なお、正極電極体210Aに取り付けられる電極端子30どうしと、負極電極体210Bに取り付けられる電極端子30どうしとは、それぞれが一体に束ねられて、キャパシタ200の正極端子と負極端子とを形成することとなる。
【0077】
次に、図9を参照して、電極体210における電極端子30の他の接続例について説明する。
【0078】
図9(a)に示すように、集電箔11〜13は、それぞれ連続した一枚のシート状に形成される。集電箔11と集電箔12とは、それぞれ集電箔13の両端から連続して形成される。集電箔13における集電部13aの表裏両面には、それぞれ活物質215が塗布されており、集電箔11,12には、活物質215は塗布されていない。図9(a)に示す電極体210は、図6に示す組立方法によって図9(b)に示すように組み立てられるものである。
【0079】
集電箔11,集電箔12,及び集電箔13は、それぞれ集電部11a〜13aと、延設部11b〜13bとを備える。延設部11b〜13bは、集電部11a〜13aと同じ幅に形成される。
【0080】
図9(b)に示すように、一体に折りたたまれた延設部11b〜13bには、電極端子30が取り付けられ、電気的に接続される。これにより、キャパシタ200は、電極端子30を介して充放電可能となる。なお、正極電極体210Aに取り付けられる電極端子30どうしと、負極電極体210Bに取り付けられる電極端子30どうしとは、それぞれが一体に束ねられて、キャパシタ200の正極端子と負極端子とを形成することとなる。
【0081】
次に、図10及び図11を参照して、集電箔11〜13の製造方法の例について説明する。
【0082】
集電箔11〜13は、ロール状の金属箔によって形成される。図10においては、金属箔のロール方向は、上下方向であり、図11においては、金属箔のロール方向は左右方向である。
【0083】
図10に示す例では、横方向に連続して形成された集電箔11〜13が、縦方向(ロール方向)に連続して形成される。集電箔13における集電部13aには、活物質215が塗布される。活物質215は、ロール状の金属箔における集電部13aに対応する位置に間歇的に塗布される。ロール状の金属箔に活物質215が塗布された後、切断されることによって電極体210が形成される。
【0084】
図10に示すように、図8に示す電極体210と、図9に示す電極体210とを連続して形成することも可能である。
【0085】
図11に示す例では、集電箔11〜13は、ロール方向に連続して形成される。集電箔13における集電部13aには、活物質215が塗布される。活物質215は、ロール状の金属箔における集電部13aに対応する位置に間歇的に塗布される。ロール状の金属箔に活物質215が塗布された後、切断されることによって電極体210が形成される。
【0086】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の蓄電セルは、電気二重層キャパシタ、及びリチウムイオン電池やニッケル水素電池などの電池に利用することができる。
【符号の説明】
【0088】
100 キャパシタ
10 電極体
11 集電箔(第一の集電箔)
11a 集電部
11b 延設部
12 集電箔(第二の集電箔)
12a 集電部
12b 延設部
13 集電箔(第三の集電箔)
13a 集電部
13b 延設部
14 孔
15 活物質
20 セパレータ
30 電極端子
200 キャパシタ
210 電極体
215 活物質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セパレータを介して積層される複数の電極体を備え、前記電極体の間に充填される電解液を介して充放電可能な蓄電セルであって、
隣り合う前記セパレータの間に設けられる前記電極体は、
多孔質材によって形成され、第一のセパレータに臨んで設けられる第一の集電箔と、
多孔質材によって形成され、前記第一のセパレータと隣り合う第二のセパレータに臨んで設けられる第二の集電箔と、
前記第一の集電箔と前記第二の集電箔との間に設けられる活物質と、を備えることを特徴とする蓄電セル。
【請求項2】
前記第一の集電箔及び前記第二の集電箔は、
前記活物質が設けられる集電部と、
前記集電部から延設される延設部と、を備え、
前記第一の集電箔及び前記第二の集電箔における前記延設部は、一体に束ねられることを特徴とする請求項1に記載の蓄電セル。
【請求項3】
前記電極体は、前記第一の集電箔と前記第二の集電箔との中間に設けられる第三の集電箔を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の蓄電セル。
【請求項4】
前記第一から第三の集電箔は、
前記活物質が設けられる集電部と、
前記集電部から延設される延設部と、をそれぞれ備え、
前記第一から第三の集電箔における前記延設部は、一体に束ねられることを特徴とする請求項3に記載の蓄電セル。
【請求項5】
前記第一の集電箔と前記第三の集電箔との間に位置する活物質と、前記第二の集電箔と前記第三の集電箔との間に位置する活物質とは、同一の厚さに形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載の蓄電セル。
【請求項6】
前記活物質は、前記第三の集電箔の表裏両面に設けられ、
前記電極体は、連続したシート状に形成される前記第一から第三の集電箔が折り曲げられて積層されることを特徴とする請求項3から5のいずれか一つに記載の蓄電セル。
【請求項7】
前記第一から第三の電極体における前記延設部に接合される電極端子を更に備えることを特徴とする請求項3から6のいずれか一つに記載の蓄電セル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−129477(P2012−129477A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282196(P2010−282196)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000003908)UDトラックス株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】