説明

蓄電池装置及び蓄電池装置の運転方法

【課題】電池モジュールに含まれる複数の電池の監視、複数の電池モジュールを含む組電池ユニットの管理、複数の組電池ユニットを含む蓄電池装置の管理及び制御を行い、起動及び運転の安全性を向上させた蓄電池装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、組電池ユニット(20−1)が電池モジュール(30−1・・・)、電流センサ(41)、スイッチ回路(42)、電池管理装置(44)、第1の充放電端子(51)、第2の充放電端子(52)、電池管理装置(44)を有する。関門制御装置(60)は、複数の組電池ユニット内の各電池管理装置と相互通信を行う。電池管理装置(44)は、前記電池監視ユニットからの監視データ及び又は前記電流センサからの計測データが、予め設定した異常値を示すときは、前記スイッチ回路をオフし、ユニットを切り離するとともに、前記関門制御装置に異常通知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は蓄電池装置及び蓄電池装置の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン2次電池等を用いた蓄電池装置が実用化されている。蓄電池装置は、例えば、車両のモータを駆動するための電源装置、或いは停電時の非常用電源装置など、様々な分野で用いることが可能である。
【0003】
現在実用化されているリチウムイオン2次電池は単電池としての蓄電容量は、約100Wh程度の蓄電容量である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−193757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今後の蓄電池装置として、大電力を供給可能な大規模蓄電池装置の開発が要望されている。そこで蓄電容量の100Wh程度の電池を利用し、MWhクラスの電池容量の大規模蓄電池装置を設計することを考えてみる。この場合の設計は、要求されている出力電圧や電流容量に応じて、1000乃至10000個の電池が直列及び又は並列に組み合わせられて計画される必要がある。
【0006】
上記のような大規模蓄電池装置の設計が行われる場合、設計者は以下のような点に特に注意を払う必要がある。リチウムイオン2次電池は、過充電或いは過放電に対して電池の安全性が損われる場合ある。また過充電或いは過放電が繰り返されると、寿命も短くなる。
【0007】
さらにまた、リチウムイオン2次電池は出力抵抗が低い。このために、複数のリチウムイオン2次電池が、並列接続された装置において、何れかの電池が内部短絡すると、電流経路に過大電流が流れ、装置全体の安全性を損なう恐れがある。
【0008】
そこで、本実施形態では、大規模容量を実現するために接続電池の数が大きい状態で、(a)電池モジュールに含まれる複数の電池(セル)の監視、(b)複数の電池モジュールを含む組電池ユニットの管理、(c)複数の組電池ユニットを含む蓄電池装置の管理及び制御を行い、上記(a),(b)及び(c)の項目を連携させて起動及び運転の安全性を向上させる大規模蓄電池装置、大規模蓄電池装置の運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、直列接続された複数の電池と前記複数の電池の電圧及び温度を監視する電池監視ユニットを含む電池モジュールと、
前記電池モジュールを複数直列接続された電池モジュール回路と、
前記電池モジュール回路に流れる電流を検出するための電流センサと、
前記直列電池モジュール回路の正極端子を正極充放電端子に接続する経路と前記直列電池モジュール回路の負極端子を負極充放電端子に接続する経路との何れか若しくは両方の経路に設けられ、充放電路をオン又はオフするスイッチ回路と、
複数の前記電池監視ユニットからの監視データ及び前記電流センサの検出データを判定し、判定結果に基づいて前記スイッチ回路を制御するとともに通知データを出力する電池管理装置と、
前記電池モジュール回路、前記電流センサ、前記スイッチ回路及び前記電池管理装置をそれぞれが含む複数の組電池ユニットと、
前記複数の組電池ユニットに接続される前記複数の前記組電池ユニット内の複数の前記電池管理装置と相互通信を行う関門制御装置とを備え、
前記複数の電池管理装置のそれぞれは、管理対象の電池監視ユニットから送られてきた監視データ及び又は電流センサから送られてきた計測データを参照して、予め設定している異常状態を判定した場合、異常を生じている組電池ユニット内のスイッチ回路をオフし、この組電池ユニットを他の組電池ユニットとの接続状態から非接続状態とした解列状態にするとともに、前記関門制御装置に異常通知を行うようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態である大規模蓄電池装置の構成の一例を示すブロック構成図である。
【図2】図1に示した電池モジュールの内部を簡略的に示す図である。
【図3A】図1に示した装置の起動時の動作の代表的な手順を示す図である。
【図3B】図1に示した装置の起動時の動作の代表的な手順を示す図であり、図3Aの続きを示す図である。
【図3C】図1に示した装置の起動時の動作の代表的な手順を示す図であり、図3Bの続きを示す図である。
【図3D】図1に示した装置の起動時の動作の代表的な手順を示す図であり、図3Cの続きを示す図である。
【図4】図1に示した装置の停止時の動作の代表的な手順を示す図である。
【図5】図1に示した装置において過充電が検出されたときの動作の代表的な手順を示す図である。
【図6】図1に示した装置において過充電トリップ時の動作の代表的な手順を示す図である。
【図7】図1に示した装置において過温度時の動作の代表的な手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1を用いて、本実施形態に関する大規模蓄電池装置の全体系統の概要を説明する。
【0012】
図1において、10−1、10−2、・・・10−nは、蓄電池装置(電池盤と称しても良い)である。蓄電池装置10−1、10−2、・・・10−nは、同じ構成であり、例えば16個が用意されている。図では、1つの蓄電池装置10−1の内部構成が代表して示されている。
【0013】
蓄電池装置10−1は、充放電端子51、52を有する。例えば充放電端子51、がプラス端子、充放電端子52がマイナス端子である。充放電端子51、52は、電池端子盤12の遮断器12−1に接続されている。電池端子盤12は、蓄電池装置10−1、10−2、・・・10−nに対応する遮断器12−1、12−2、・・・12−nを有する。遮断器12−1、12−2、・・・12−nは、それぞれ手動で開閉操作される。遮断器12−1、12−2、・・・12−nのプラス端子は共通接続され、またマイナス端子は共通接続されている。プラス端子の共通接続とは、プラス端子同士が1つに束ねられている状態、マイナス端子の共通接続とはマイナス端子が1つに束ねられている状態である。電池端子盤12のプラス・マイナス端子間の直流(DC)電圧は、例えば490V乃至778V程度になるよう設定されている。また電池端子盤12は、後述するマスター制御装置80を含む。
【0014】
電池端子盤12から出力されるDC電圧は、パワーコンディショナ(PCS)14に供給される。パワーコンディショナ14は、DC電圧をスッチングすることで昇圧し、交流(AC)出力を生成している。AC出力は、例えば50Hzで6.6kVである。パワーコンディショナ14の出力が、外部の電力系統の電力供給ラインに供給される。パワーコンディショナ14は、電力系統と電池間の電力の出し入れを行う双方向交直流変換機能を持つ。またパワーコンディショナ14は、無停電電源装置14−1を含むことができる。無停電電源装置の出力は、マスター制御装置80を介して、蓄電池装置10−1、10−2、・・・10−nの直流電源装置に供給される。図1では、蓄電池装置10−1内の直流電源装置70が代表して示されている。
【0015】
次に、蓄電池装置10−1の内部構成を説明する。蓄電池装置10−1は、並列接続された複数(例えば16個)の組電池ユニット20−1、20−2、・・・20−16を有する。組電池ユニット20−1、20−2、・・・20−16は、同じ構成であるから、組電池ユニット20−1の内部構成を代表して図1に示している。
【0016】
組電池ユニット20−1の構成を説明する。組電池ユニット20−1は、直列接続された複数(例えば22個)の電池モジュール30−1、30−2、・・・・30−22を有する。電池モジュール30−1、30−2、・・・・30−22で構成される直列回路の途中に、スイッチ46が設けられてもよい。このスイッチ46は、例えば、何れかの電池モジュールが点検のために取り離されるときに、直列回路をオフするために利用される。またスイッチ46は、断路器(サービスディスコネクト)と兼ねている場合があり、ヒューズである場合もある。そして挿抜状態やヒューズの状態を、後述する電池管理装置44へ通知するための配線がされている場合もある。
【0017】
上記したそれぞれの電池モジュール30−1、30−2、・・・・30−22は、同じ構成である。それぞれの電池モジュール30−1、30−2、・・・・30−22は、少なくとも直列接続された複数の電池と、複数の電池の温度及び電圧を監視する電池監視ユニット32を含む。電池モジュール30−1を代表して電池モジュールの簡単な内部構成を図2に示している。電池モジュール30−1内では、直列接続された複数(例えば12個)の電池Ca1−Ca12による第1の電池回路と、直列接続された複数(例えば12個)の電池Cb1−Cb12による第2の電池回路とが並列接続され、並列回路を構成している。電池は、例えばリチウムイオン2次電池であり、蓄電容量が数十Wh〜数百Wh程度(例えば、平均電圧2[V]〜5V×出力電流3[Ah]〜100Ah)の電池が利用されている。並列回路のプラス端子と、マイナス端子が導出されている。さらに電池モジュール30−1内に、電池監視ユニット(BMU:Battery Monitoring Unit)32が設けられている。電池監視ユニット32は、各電池の端子電圧をモニタ(検知または検出)する。またこの電池監視ユニット32は、各電池の温度又は電池モジュール内の温度を検出することができる。またこの電池監視ユニット32は、内部にマイクロプロセッサを含む制御部を有するとともに、外部と通信を行うための送受信器を備える。
【0018】
図1に戻り、組電池ユニット20−1内部の構成をさらに説明する。複数の電池モジュール30−1、・・・30−21、30−22を直列接続した直列回路の一方の端子に電流センサ41が接続される。また直列回路の一方の端子に、スイッチ回路42(電磁接触器)の一方の入出端子が接続されている。そして、スイッチ回路42の他方の入出力端子に第1の充放電端子51が設けられている。また、複数の電池モジュール30−1、・・・30−21、30−22を直列接続した直列回路の他方の端子に第2の充放電端子52が設けられている。
【0019】
スイッチ回路42は、抵抗を持たないスイッチS1と、抵抗R2を直列に接続したスイッチS1が並列接続されている。
【0020】
図ではスイッチ回路42は、充放電端子51と電流センサ41との間に設けられている。しかしさらなるスイッチ回路が、充放電端子52と電池モジュール30−22間に設けられる。これは、一方のスイッチ回路が接点溶着などで開かなくなっても、他方のスイッチ回路を「開」にして安全を図るためである。
【0021】
ここで、電池モジュール30−1、30−2、・・・・30−22内の電池監視ユニット32は、通信バスラインを介して、電池管理装置44に接続され、相互に通信を行うことができる。また、電池管理装置44には、電流センサ41が接続されている。電池管理装置44は、電流センサ41が計測した電流データを受け取ることができる。
【0022】
電池管理装置44は、マイクロプロセッサを含む制御部を有し、また、電池監視ユニット32と通信を行うための送受信部を含む。さらに電池管理装置44は、スイッチ回路42のスイッチS1,S2を制御するために制御信号を出力することができる。また電池管理装置44は、関門制御装置60(Gateway(ゲートウェイ)装置と称してもよい)と接続されており、相互間で、各種のデータの送受信を行うことができる。関門制御装置60は、電池管理装置44の動作、直流電源装置70の動作を制御することができる。つまり、関門制御装置60は、各組電池ユニット20−1・・・20−16を統括制御する。
【0023】
関門制御装置60は、各蓄電池装置10−1、10−2、・・・10−nに設けられている。各蓄電池装置10−1、10−2、・・・10−n内の関門制御装置は、マスター制御装置80と通信バスラインを介して接続されて、相互に通信を行うことができる。マスター制御装置80は、内部にマイクロプロセッサを含む制御部を有するとともに、外部と通信を行うための送受信器を備える。またマスター制御装置80は、遮断器12−1、12−2・・・12−nの状態も監視している。
【0024】
上記したように、この(大規模)蓄電池装置は、組電池ユニット毎に独立したスイッチ回路42(電磁接触器)を持つ。このために直流母線(組電池ユニット出力端子を並列接続している配線)に対して組電池ユニット毎に独立して投入・解列(開放)を行うことができる。開列或いは開放とは、他の電池ユニットとの接続状態から、非接続状態に設定する、或いは切り離すことである。
【0025】
従って、起動時に組電池ユニットの出力電圧(電流センサ41の検出値から求める電圧)と直流母線の電圧差が大きい組電池ユニットが検出された場合、この検出された組電池ユニットだけ起動を中止することができる。例えば、ある組電池ユニット内の電池モジュールが取り離されていたり、あるいは短絡していたり、故障していたような場合、この電池モジュールを含まない組電池ユニットを構成することができる。また、ある組電池ユニットまたは組電池ユニット内の電池モジュールに障害が発生したとき、障害が発生した組電池ユニットだけを解列し、蓄電池装置全体としては、運転を継続することが可能になる。
【0026】
異常状態(障害)が発生した場合(例えば異常な温度情報、異常な電流、異常な電圧降下)、このことは、電池管理装置44により検出される。そして、組電池ユニット内のスイッチ回路42がオフされ、装置全体の安全が得られる。
【0027】
さらに、運転状態にある組電池ユニット数またはそれらの合計出力容量、残容量の情報を関門制御装置を経由してパワーコンディショナ14やマスター制御装置80へ伝達することができる。この伝達経路は、イーサーネット(登録商標)など各種通信ネットワークを利用することができる。パワーコンディショナ14は、各組電池ユニット20−1・・・20−16から送られてくる直流電流を交流電流に変換する。
【0028】
本実施形態のパワーコンディショナ14は、その受信した情報に応じて電力出力制限を行ったり、組電池ユニット若しくは蓄電装置の動作を停止したりして、蓄電システムの保護動作を行うことができる。例えば、出力を一定に維持する必要がある場合、組電池ユニット側から異常な電流が出力されているような場合、出力を抑制また停止することができる。さらには、組電池ゆn側の出力が弱くなり、逆潮流を生じる可能性がある場合は、動作を停止させることができる。
【0029】
上記した様に、組電池ユニット毎に独立して起動・停止が可能で、かつ、それらの状態を上位システムである関門制御装置、マスター制御装置、パワーコンディショナ14へ伝達する手段を設けている。よって、マスター制御装置、関門制御装置とそれらを結ぶ通信線の情報処理量を超えない範囲で、任意の数だけ組電池ユニットを接続しても安全を保つことが可能である。
【0030】
この結果、ユニット毎に自立して、出力のオンオフ制御ができる組電池ユニットの並列接続を可能とする手段により、任意容量の大規模蓄電池装置を得られるようになった。
【0031】
図3A−図3Dは上記大規模蓄電池装置が起動されるときの起動シーケンスを説明する図である。パワーコンディショナ14の電源装置14−1の電源がオンされる(t1)。すると、電源装置14−1からマスター制御装置80及び各関門制御装置60に電源が供給される(t2)。関門制御装置60は、自己診断を行う(t3)。自己診断は、入出力のデータチェックなどがある。また幾つかのチェック項目、例えば点検箇所の電圧が正常か否かのチェック項目(データテーブル)、データ処理ルーチンが正常か否かの追跡チェック項目が用意されている。関門制御装置60は、自己診断の結果、正常であることが判定された場合、ライフ信号をマスター制御装置80に返信する(t4)。マスター制御装置80は、次に、電池端子盤12の遮断器12−1、12−2・・・12−nがすべて閉じているどうかを判定する(t5)。
【0032】
次に、マスター制御装置80は、最初に起動する任意の蓄電池装置(電池盤)を選択する(t6)。この選択は、最初(t1の時点)に行われてもよい。そして、選択した蓄電池装置(例えば10−1が選択されたとして説明する)の関門制御装置60へ遮断器12−1が閉状態であることを通知するとともに、停電停止・トリップ(取り外し)解除通知を行う(t7)。停電停止・トリップ(取り外し)解除通知は、例えば、蓄電池装置10−1を解列していることの取り消しを行う通知である。
【0033】
関門制御装置60は、任意の組電池ユニット(例えば20−1)の電池管理装置44への電源を投入することを指令する(t8)。すると、電池管理装置44は、自己診断を行う(t9)。電池管理装置44は、例えば点検箇所の電圧が正常か否かのチェック、データ処理ルーチンが正常か否かの追跡チェックを行う。電池管理装置44は、自己診断の結果、正常であることが判定された場合、電池管理装置の起動を待っている、関門制御装置60へ、正常であることの返信を行う。関門制御装置60は、電池管理装置44が正常であることを認識すると、当該電池管理装置44に対して、自動付番の指示を行う(t10)。自動付番は、例えば、電池管理装置44の固有の識別データであり、電池管理装置44は、予め設定されている自動付番プログラムにより、自己の識別データを生成する。そして、電池管理装置44は、固有の識別データを付番完了通知と共に関門制御装置60に送信する(t11)。これにより、関門制御装置60は、電池管理装置44を介して、組電池ユニット20−1を、識別することが可能となる。
【0034】
関門制御装置60は、電池管理装置44の固有の識別データを管理するとともに、電池管理装置44との相互通信を行うことができる(t12)。このとき、関門制御装置60は、通信する予定の全データの通信が可能であるか確認する(全CAN通信確認)。
【0035】
一方、電池管理装置44は、次に、任意の電池監視ユニット32の電源を投入する(t13)。電源を投入された電池監視ユニット32は、自己診断を行う(t14)。電池監視ユニット32は、例えば点検箇所の電圧が正常か否かのチェック、データ処理ルーチンが正常か否かの追跡チェックを行う。電池監視ユニット32は、自己診断の結果、正常であることが判定された場合、電池監視ユニット32の起動を待っている、電池管理装置44へ正常であることの返信を行う。
【0036】
電池管理装置44は、電池監視ユニット32が正常であることを認識すると、当該電池監視ユニット32に対して、自動付番の指示を行う(t15)。自動付番は、例えば、電池監視ユニット32の固有の識別データであり、電池監視ユニット32は、予め設定されている自動付番プログラムにより、自己の識別データを生成する。そして、電池監視ユニット32は、固有の識別データを付番完了通知と共に電池管理装置44に送信する(t16)。
【0037】
これにより、電池管理装置44は、電池監視ユニット32の固有の識別データを管理するとともに、電池監視ユニット32との相互通信を行うことができる。このとき、通信する予定の全データの通信が可能であるか確認する(全CAN通信確認)。そして電池モジュール内の電池の温度、電池の電圧などの情報を収集することができる(t17)。
【0038】
電池管理装置44は、1つの電池監視ユニットとの相互通信路が成立したら、次の電池モジュールに自動付番の指示を行う。そして、各電池モジュールの固有の識別データを認識し管理するとともに、相互間の通信を行う。このように、電池管理装置44は、すべての電池モジュール30−1、・・・30−21、30−22内の電池監視ユニット32との相互通信を可能とする。
【0039】
なお、電池監視ユニットに識別データを割り当てる方法は、各種の方法がある。例えば電池管理装置44は、予め電池監視ユニットに割り当てるための識別データを複数用意してもよい。そして、電池管理装置44の制御の元で、この複数の識別データの中から1つの識別データを、個々の電池監視ユニットに割り当てるようにしてもよい。また、電池モジュール30−1乃至30−22は、通信バスラインへ接続されたとき、接続箇所に応じて自動的にアドレスが決まり、かつこのアドレスが電池監視ユニット32の識別データとして利用されてもよい。また、電池管理装置44と、電池監視ユニット32間で相互認証機能を有し、この認証処理において、識別データが各電池監視ユニットに付されてもよい。また関門制御装置60が、各組電池ユニット内の電池管理装置に識別データを割り当てるときも上記と同様な手法が採用される。さらに、マスター制御装置80が各関門制御装置に識別データを割り当てるときも上記と同様な手法が採用される。
【0040】
電池管理装置44がすべての電池モジュール30−1、・・・30−21、30−22内の電池監視ユニット32との相互通信を可能となったとき、電池管理装置44は、組電池ユニット20−1内の電圧データを関門制御装置60へ送信する(t18)。
【0041】
なお上記の手順t8−t18までの処理は点検処理であるから、組電池ユニット20−1から20−6は、それぞれの内部において独自に点検処理を実施することができる。しかし組電池ユニット20−1から20−6の各スイッチ回路はオフであるから、各組電池ユニットの出力が取り出されることはない。
【0042】
関門制御装置60は、電圧の異常が示されているときは、当該組電池ユニット例えば20−1が異常であることを認識した場合、他の組電池ユニットの電圧データを点検する。
【0043】
また、関門制御装置60は、組電池ユニット20−1が正常であることを認識した場合は、組電池ユニット20−1に対し運転指令を出力する(t20)。これに応答して、電池管理装置44は、準備中フラグを関門制御装置60へ通知し、次にスイッチ回路42の閉処理を実施する(t21)。このときは、関門制御装置60は、母線の電圧がゼロであることを確認し、組電池ユニット20−1が最初の起動ユニットであることを確認している(t19)。
【0044】
このとき、電池管理装置44は、電池モジュールの直列回路の端子電圧と母線(第1の充放電端子)の電圧との差が閾値より大きい場合は、抵抗R2を直列接続しているスイッチS2をはじめにオンする。そして、電池管理装置44は、前記差が前記閾値以下になると、スイッチS1をオン、スイッチS2をオフする。
【0045】
次に、電池管理装置44は、スイッチ回路42の状態を、関門制御装置60に通知し、準備中フラグの解除を通知する(t22)。この通知に応答して、関門制御装置60は、蓄電池装置10−1内の組電池ユニットの運転数をマスター制御装置80へ伝達する(t23)。マスター制御装置80は、主回路の電圧データを関門制御装置60に通知する(t24)。主回路の電圧データとは、例えば、電池端子盤12の出力電圧値、或いは、パワーコンディショナ14の出力電力を現す。主回路の電圧が所定の閾値以上であり、マスター制御装置80からの制限指令が入力した場合、関門制御装置60は、これ以上の組電池ユニットの起動は止めることができる。
【0046】
図3C−図3Dは、システム起動時に、例えば組電池ユニット20−1が起動状態となった後、次の組電池ユニット(例えば組電池ユニット20−2、20−16など)を起動する際(スイッチ回路をオンする際)の動作シーケンスを示している。なお、各組電池ユニットの内部では、先のt8−t18の点検処理及び準備処理が完了しているものとする。関門制御装置60は残りの組電池ユニットを確認する(t31)。関門制御装置60は、残りの組電池ユニットの中の任意の組電池ユニット(例えば組電池ユニット20−2)に運転指令を与える(t32)。
【0047】
これに応答して、組電池ユニット20−2内の電池管理装置は、準備中フラグを関門制御装置60へ通知し、次に組電池ユニット20−2内のスイッチ回路の閉処理を実施する(t33)。このときは、組電池ユニット20−2内の電池管理装置は、電池モジュールの直列回路の端子電圧と母線(第1の充放電端子)の電圧との差が閾値より小さいので(既に組電池ユニット20−1が運転状態にあるから)、スイッチS1をオンする。
【0048】
次に、組電池ユニット20−2内の電池管理装置は、スイッチ回路の状態を関門制御装置60に通知し、準備中フラグの解除を通知する(t34)。この通知に応答して、関門制御装置60は、蓄電池装置10−2内の組電池ユニットの運転数をマスター制御装置80へ伝達する(t35)。マスター制御装置80は、主回路の電圧データを関門制御装置60に通知する。またマスター制御装置80は、運転可能な蓄電池装置の数をパワーコンディショナ14へ伝達する(t36)。
【0049】
上記した手順t31−t36が繰り返されて、蓄電池装置10−2内の各組電池ユニット20−1乃至20−16が起動される。ただし、マスター制御装置80から運転する組電池ユニットの数の制限情報が関門制御装置60に設定されている場合もある。このときは、関門制御装置60は、組電池ユニットの起動及び運転数が、指定数に達したら、その情報をマスター制御装置80へ伝送する。
【0050】
マスター制御装置80は、次の蓄電池装置(例えば10−2)の関門制御装置へ、電源供給を行うとともに、選択した蓄電池装置(例えば10−2)の関門制御装置へ遮断器12−1が閉状態であることを通知するとともに、停電停止・トリップ(取り外し)解除通知を行う(t41)。停電停止・トリップ(取り外し)解除通知は、例えば、蓄電池装置10−2を解列していることの取り消しを行う通知である。主回路の電圧データとは、例えば、電池端子盤12の出力電圧値、或いは、パワーコンディショナ14の出力電力を現す。
【0051】
組電池ユニット20−2内の関門制御装置は、組電池ユニット20−2内の電池管理装置への電源を投入することを指令する(t48)。以後、先の組電池ユニット20−2における手順(t8−t18)と同様な手順が実行される。即ち、組電池ユニット20−2内の電池管理装置は、自己診断を行う(t49)。組電池ユニット20−2内の電池管理装置は、点検箇所の電圧が正常か否かのチェック、データ処理ルーチンが正常か否かの追跡チェックを行う。組電池ユニット20−2内の電池管理装置は、自己診断の結果、正常であることが判定された場合、関門制御装置へ、正常であることの返信を行う。関門制御装置は、組電池ユニット20−2内の電池管理装置44が正常であることを認識すると、当該電池管理装置44に対して、自動付番の指示を行う(t50)。自動付番は、例えば、組電池ユニット20−2内の電池管理装置の固有の識別データであり、電池管理装置は、予め設定されている自動付番プログラムにより、自己の識別データを生成する。そして、組電池ユニット20−2内の電池管理装置は、固有の識別データを付番完了通知と共に関門制御装置に送信する(t51)。これにより、関門制御装置は、電池管理装置を介して、組電池ユニット20−2を、識別することが可能となる。
【0052】
関門制御装置は、電池管理装置の固有の識別データを管理するとともに、電池管理装置との相互通信を行うことができる(t52)。このとき、関門制御装置は、通信する予定の全データの通信が可能であるか確認する(全CAN通信確認)。
【0053】
一方、電池管理装置は、次の電池監視ユニットの電源を投入する(t53)。電源を投入された電池監視ユニット32は、自己診断を行う(t54)。電池監視ユニットは、点検箇所の電圧が正常か否かのチェック、データ処理ルーチンが正常か否かの追跡チェックを行う。電池監視ユニットは、自己診断の結果、正常であることが判定された場合、電池管理装置へ正常であることの返信を行う。
【0054】
電池管理装置は、電池監視ユニットが正常であることを認識すると、当該電池監視ユニットに対して、自動付番の指示を行う(t55)。自動付番は、例えば、電池監視ユニットの固有の識別データであり、電池監視ユニットは、予め設定されている自動付番プログラムにより、自己の識別データを生成する。そして、電池監視ユニットは、固有の識別データを付番完了通知と共に電池管理装置に送信する(t56)。
【0055】
これにより、電池管理装置は、電池監視ユニットの固有の識別データを管理するとともに、電池監視ユニットとの相互通信を行うことができる。このとき、通信する予定の全データの通信が可能であるか確認する(全CAN通信確認)。そして電池モジュール内の電池の温度、電池の電圧などの情報を収集することができる(t57)。
【0056】
電池管理装置がすべての電池モジュールの電池監視ユニットとの相互通信を可能となったとき、電池管理装置は、組電池ユニット20−2内の電圧データを関門制御装置60へ送信する(t58)。
【0057】
次に、組電池ユニット20−2の起動が始まる。以後の手順は、先の組電池ユニット20−1の起動時手順t32−t36と同様な手順t62−t66が実施される。
【0058】
図4は、大規模蓄電池装置の何れか又はすべてが起動停止されるときの動作手順を示す図である。遮断機12−1〜12−nの何れか又はすべては、手動により「開」状態とされる。この状態は、マスター制御装置80により検出される。マスター制御装置80は、パワーコンディショナ14へ運転可能な蓄電池装置の数を通知する(t71)。
【0059】
マスター制御装置80は、遮断機が「開」になったことを、対応する蓄電池装置の関門制御装置(例えば60)へ通知する(t72)。すると関門制御装置60は、対応する電池管理装置44へ、通信バスラインを介して運転停止指令を送信する(t73)。電池管理装置44は、対応するスイッチ回路42の「開」を実行し、各電池監視ユニット33の電源をオフする(t74)。電池管理装置44は、各電池監視ユニット33の電源がオフされたことを確認すると、関門制御装置60へスイッチ回路42が「開」であること、を通知する(t75)。すると、関門制御装置60は、電池管理装置44の電源オフを実施する(t76)。関門制御装置60は、次の組電池ユニット20−2を、組電池ユニット20−1の場合と同様に制御し、組電池ユニット20−2を停止する。このように次々と組電池ユニットが停止されると、関門制御装置60は、マスター制御装置80へ、蓄電池装置10−1の運転が停止したことを通知する(t77)。
【0060】
マスター制御装置80は、上記の手順で、すべての蓄電池装置の運転が停止したことを認識すると、例えば停止ランプを点灯する。これにより、パワーコンディショナ14で電源オフ処理(手動であってもよい)、マスター制御装置、関門制御装置への電源オフが実行される(t78)。
【0061】
図5は、電池モジュール内の電池電圧に異常(過充電)が生じた際の動作手順を示している。電池監視ユニットが電池電圧を測定し、その結果を電池管理装置(例えば44)に通知する(t81、t82)。電池管理装置44は、過充電電圧値が設定電圧範囲内であるかどうかの判定を行う(t83)。この判定は、例えば過充電電圧値が、組電池ユニットを取り外さなければならないほどの異常な状態であるか、あるいは組電池ユニットを取り外すまでもない電圧(きわめて異常な電圧ではない設定範囲内)であるかを判断している。この判定のための基準は、予め電池管理装置に設定されている。
【0062】
今、過充電電圧値が、設定範囲内の電圧であれば、電池管理装置44は、過充電電池に関する判定情報を、関門制御装置60へ伝達する(t84)。また電池管理装置44は、対応するスイッチ回路42の「開」処理を実行する。さらに電池管理装置44は、過充電電池の存在のためにスイッチ回路42を「開」したことの情報(ログ)を保存し、スイッチ回路42が「開」であることを関門制御装置60へ伝達する(t87)。関門制御装置60は、マスター制御装置80へ、過充電電池の情報の通知、スイッチ回路42「開」の通知、問題が発生している組電池ユニットの識別データの通知、運転可能な組電池ユニット数の通知を行う(t88)。するとマスター制御装置80は、パワーコンディショナ14に運転可能な組電池ユニットに数を通知する。
【0063】
パワーコンディショナ14は、上記の各種報告を受けて、表示器に軽故障状態を表示する。
【0064】
一方、電池管理装置44は、対象とする電池モジュール内の電池監視ユニットに、過充電電池と他の電池との電圧バランスをとるように、指令する(t91)。電池監視ユニットは、複数の電池の端子電圧を均等化する均等化処理回路を含む。均等化処理では、過充電されている電池の放電を行い、他の電池と同等の電位に調整する。対象とする電池モジュール内の電池電圧が通常状態に復帰したら、電池監視ユニットは、対象とする電池モジュールが正常状態であることを電池管理装置に通知する(t92)。電池管理装置は、今度は、複数の電池モジュール間で電池電圧バランスが得られているかどうかを判定し、全体電池電圧の均等化処理を実施すべく、管轄している全電池監視ユニットに動作指令を出力する(t93)。
【0065】
図6は、電池モジュール内の電池電圧に電池の取り替えを要する程度の過充電が生じた際の動作手順を示している。電池監視ユニットが電池電圧を測定し、その結果を電池管理装置(例えば44)に通知する(t101、t102)。今、電池管理装置44が、過充電電圧値が組電池ユニット(又は電池モジュール)を取り外さなければならないほどの異常な状態であると判断したものとする(t103)。
【0066】
電池管理装置44は、取り外すべき電池及びこの電池を含む電池モジュールを決定し、その情報を保存する。さらに電池管理装置44は、所属する組電池ユニット20−1の識別データと共にトリップ(取り離し)要求データを関門制御装置60へ伝送する(t105)。関門制御装置60は、取り離すべき組電池ユニット(及び或いは電池モジュール)の識別情報をトリップ要求データとともにマスター制御装置80に伝送する(t106)。マスター制御装置80は、受け取った取り離すべき部品の識別情報をトリップ要求データとともにパワーコンディショナ14に伝送する(t107)。パワーコンディショナ14は、マスター制御装置80からの情報を、重故障の情報と判断し、対応する蓄電池装置(例えば10−1)の遮断機12−1が「開」されるように例えば非常ランプを点滅させる。
【0067】
なおこの場合、自動で遮断機12−1が「開」されるように構成してもよい。さらに、電池管理装置44はさきの保存された情報を参照して、必要なメンテナンス作業、例えば以上が生じた電池モジュールの交換が行われるまで、スイッチ回路42の「閉」処理を行わないように構成してもよい。
【0068】
一方、電池への過充電が生じている組電池ユニット内においては、電池電圧のバランスを得るべく均等化処理が実施される(t110,t111、t112)。対象とする電池モジュール内の電池電圧が通常状態に復帰したら、電池監視ユニットは、対象とする電池モジュールが正常状態であることを電池管理装置に通知する。電池管理装置は、電池電圧の均等化処理を停止すべく電池監視ユニットへ指令を与える。
【0069】
図7は、電池モジュールの温度が予め設定している閾値以上に上昇した際の処理手順を示している。電池監視ユニットは、受け持ちの電池モジュールの温度が閾値以上に上昇した場合、その情報(電池及び電池モジュールの識別データ)を電池管理装置に通知する(t121,t122)。
【0070】
電池管理装置は、異常状態の電池モジュールを認識し(t123)、異常状態の電池モジュールの識別データを関門制御装置へ伝送する(t124)。また電池管理装置は、対応するスイッチ回路を「開」に切換え(t125)、スイッチ回路が「開」であることのログを保存する(t126)。そして、スイッチ回路が「開」であることを、関門制御装置へ通知する(t127)。
【0071】
関門制御装置は、異常となっている組電池ユニット内で、過温度になっている電池の識別データ、スイッチ回路が「開」であること、当該組電池ユニットの識別データ、さらに、運転しているユニットの数、又は出力、残容量の何れかの合計をマスター制御装置へ通知する(t128)。または、現在運転可能な組電池ユニットの数を計算して、これらをマスター制御装置へ通知してもよい。この通知を受けたマスター制御装置は、現在運転可能な組電池ユニット数を計算して、パワーコンディショナに通知する(t129)。
【0072】
上記の実施形態においては、複数の蓄電池装置10−1、10−2、・・・が、組み合わせられたシステムを説明した。しかし、単独の蓄電池装置が利用される大規模蓄電池装置であっても良い。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
10−1、10−2、10−n・・・蓄電池装置、12・・・電池端子盤、21−1、12−2、12−n・・・遮断機、14・・・パワーコンディショナ、20−1、20−2、20−16・・・組電池ユニット、30−1、30−21、30−22・・・電池モジュール、32・・・電池監視ユニット、44・・・電池管理装置、51・・・第1の充放電端子、52・・・第2の充放電端子、60・・・関門制御装置、80・・・マスター制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された複数の電池と前記複数の電池の電圧及び温度を監視する電池監視ユニットを含む電池モジュールと、
前記電池モジュールを複数直列接続された電池モジュール回路と、
前記電池モジュール回路に流れる電流を検出するための電流センサと、
前記直列電池モジュール回路の正極端子を正極充放電端子に接続する経路と前記直列電池モジュール回路の負極端子を負極充放電端子に接続する経路との何れか若しくは両方の経路に設けられ、充放電路をオン又はオフするスイッチ回路と、
複数の前記電池監視ユニットからの監視データ及び前記電流センサの検出データを判定し、判定結果に基づいて前記スイッチ回路を制御するとともに通知データを出力する電池管理装置と、
前記電池モジュール回路、前記電流センサ、前記スイッチ回路及び前記電池管理装置をそれぞれが含む複数の組電池ユニットと、
前記複数の組電池ユニットに接続される前記複数の前記組電池ユニット内の複数の前記電池管理装置と相互通信を行う関門制御装置とを備え、
前記複数の電池管理装置のそれぞれは、管理対象の電池監視ユニットから送られてきた監視データ及び又は電流センサから送られてきた計測データを参照して、予め設定している異常状態を判定した場合、異常を生じている組電池ユニット内のスイッチ回路をオフし、この組電池ユニットを他の組電池ユニットとの接続状態から非接続状態とした解列状態にするとともに、前記関門制御装置に異常通知を行う蓄電池装置。
【請求項2】
前記複数の電池管理装置のそれぞれは、管理対象の電池監視ユニットからの監視データが、過充電電池が存在し、その電圧が所定の範囲内であること示す場合、前記電池監視ユニットに対応するスイッチ回路をオフし、所属している組電池ユニットを解列状態にするとともに、前記前記過充電の電池を含む電池モジュールに対して複数電池の電池電圧がほぼ等しい電圧となるよう均等化処理を行うよう指令する請求項1記載の蓄電池装置。
【請求項3】
前記複数の電池管理装置のそれぞれは、対応する電池監視ユニットからの監視データが、過充電電池が存在し、その電圧が所定値以上であること示す場合、対応するスイッチ回路をオフし、所属している組電池ユニットを解列状態にするとともに、対応する関門制御装置に前記所属している組電池ユニットの異常電池モジュールの取り外しを要求する通知を行う請求項1記載の蓄電池装置。
【請求項4】
前記複数の電池管理装置のそれぞれは、対応する電池監視ユニットからの監視データが、過温度の電池モジュールがあること示す場合、対応するスイッチ回路をオフし、所属している組電池ユニットを解列状態にするとともに、対応する関門制御装置に異常通知を行う請求項1記載の蓄電池装置。
【請求項5】
前記複数の電池管理装置のそれぞれは、対応するスイッチ回路をオフした場合、該スイッチ回路の状態を前記関門制御装置へ通知する請求項1記載の蓄電池装置。
【請求項6】
さらに、前記正極充放電端子と前記負極充放電端子をパワーコンディショナに対して接続した状態又は切断した状態にする遮断器と、
前記遮断器の状態情報を対応する関門制御装置に伝達するマスター制御装置を有する請求項1記載の蓄電池装置。
【請求項7】
前記パワーコンディショナは、前記関門制御装置及び又は前記マスター制御装置からの情報に応じて、安全のために電力出力制限及び又は前記組電池ユニットの動作停止を実行する請求項6記載の蓄電池装置。
【請求項8】
前記関門制御装置は、前記マスター制御装置に対して、管轄している組電池ユニットの運転しているユニットの数、又は出力、残容量の何れかの合計を通知する請求項6記載の蓄電池装置。
【請求項9】
直列接続された複数の電池と前記複数の電池の電圧及び温度を監視する電池監視ユニットを含む電池モジュールと、
前記電池モジュールを複数直列接続された電池モジュール回路と、
前記電池モジュール回路に流れる電流を検出するための電流センサと、
前記直列電池モジュール回路の正極端子を正極充放電端子に接続する経路と前記直列電池モジュール回路の負極端子を負極充放電端子に接続する経路との何れか若しくは両方の経路に設けられ、充放電路をオン又はオフするスイッチ回路と、
複数の前記電池監視ユニットからの監視データ及び前記電流センサの検出データを判定し、判定結果に基づいて前記スイッチ回路を制御するとともに通知データを出力する電池管理装置と、
前記電池モジュール回路、前記電流センサ、前記スイッチ回路及び前記電池管理装置をそれぞれが含む複数の組電池ユニットと、
前記複数の組電池ユニットに接続される前記複数の前記組電池ユニット内の複数の前記電池管理装置と相互通信を行う関門制御装置と備える蓄電装置の運転方法であって、
前記スイッチ回路がオフ状態で、前記関門制御装置に起動信号が供給されると、前記関門制御装置は、前記複数の前記組電池ユニット内の各電池管理装置を起動し、かつ通信バスを介して各電池管理装置に識別データを付与する蓄電池装置の運転方法。
【請求項10】
前記組電池ユニット内の各電池管理装置は、管理下にある前記組電池ユニット内の各電池管理ユニットを起動し、かつ通信バスを介して各電池管理ユニットに対して識別データを付与する請求項9記載の蓄電池装置の運転方法。
【請求項11】
前記スイッチ回路は、抵抗を持たない第1のスイッチと、抵抗を直列に有したスイッチとが並列接続されており、
電池管理装置は、前記組電池ユニットの起動時には、前記第2のスイッチを先にオンし、任意の時間で前記第1のスイッチをオンする請求項9記載の蓄電池装置の運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−70441(P2013−70441A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204988(P2011−204988)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】