説明

蓄電管理装置

【課題】蓄電ユニットの各モジュールの劣化状態に応じた制御及び管理を行うことが可能な蓄電管理装置を提供する。
【解決手段】各モジュール管理部3が対応するモジュール2の温度情報を含む蓄電状態情報を、通信線5を介して中央管理部4に通知する蓄電管理装置1において、中央管理部4に、各モジュール管理部3から取得した温度情報に基づいて各モジュール管理部3の識別番号を更新する識別番号更新手段を設けた。これにより、各モジュール2の劣化の進み具合によって識別番号の優先度を変更することができ、各モジュール2の劣化状況に応じた制御及び管理を行うことができる。また、高い温度を通知しているモジュール管理部3から順に優先度の高い識別番号を選択することにより、高温が原因で劣化の進んでいるモジュール2を優先的に検知することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電セルを有するモジュールが複数個配置された蓄電ユニットを管理する蓄電管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車や船舶等の駆動用電源として、複数の蓄電セルを有するモジュールが複数個配置された充放電可能な蓄電ユニットが使用されている。このような蓄電ユニットは、充電と放電を繰り返すことによる寿命性能の劣化に加え、温度環境も劣化の要因となり、各モジュールの搭載位置により劣化の進み具合が異なる。このため、蓄電ユニットの蓄電管理装置においては、どのモジュールがどの程度劣化しているのかを判断し、各モジュールの劣化状態に応じた制御を行う必要がある。
【0003】
蓄電管理装置が複数のモジュールの劣化の進み具合を判断する方法として、各モジュールに識別番号を付与し、各モジュールから送信された温度情報及び電圧情報と前記識別番号を関連付けて管理する方法がある。例えば、特許文献1に提示された電気自動車の電源管理装置では、各モジュールに電圧と温度を検知するモジュール状態検出手段を搭載し、各モジュール状態検出手段は、付番通信線を介して直列(数珠繋ぎ)に接続され、接続上流のモジュール状態検出手段から送信されたID情報を基にして自身に識別番号を付与し、その識別番号を含むID情報を接続下流のモジュール状態検出手段に送信する機能を有している。
【0004】
なお、上記のような蓄電管理装置の通信手段として、車両や船舶の制御で一般的に用いられているネットワーク規格であるCAN(Controller Area Network)を用いる場合、各モジュールに付与された識別番号をCAN通信のメッセージ識別に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−89521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、CAN通信のように優先度の高い識別番号を有するメッセージが優先的に送信される通信方式の場合、優先度の低い識別番号を有するメッセージは送信が遅延する可能性がある。特許文献1で提示された電源管理装置においても、蓄電ユニット内での温度分布に関係なく、数珠繋ぎに接続された順に識別番号が割り当てられ、劣化の進み具合によって識別番号の優先度を変更することはできない。その結果、劣化の進んだモジュールのメッセージが送信されず、検知が遅れるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、蓄電ユニットの各モジュールの劣化状態に応じた制御及び管理を行うことが可能な蓄電管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る蓄電管理装置は、複数の蓄電セルを有するモジュールが複数個配置された蓄電ユニットの蓄電管理装置であって、各モジュールに対応して設けられ、対応するモジュールの蓄電状態を検知するモジュール管理部と、モジュール管理部から送信
されたメッセージによりモジュールの蓄電状態情報を取得しこれを管理する中央管理部と、モジュール管理部と中央管理部を接続するバス接続の通信線を備え、通信線は、複数のメッセージが同時に送信された際には優先度の高い識別番号を有するメッセージを優先的に送信する通信方式であり、モジュール管理部は、中央管理部から通知された識別番号を自身に設定する識別番号設定手段と、自身の識別番号を有するメッセージにより対応するモジュールの蓄電状態情報を中央管理部に通知する蓄電状態情報通知手段を有し、中央管理部は、各モジュール管理部から取得した蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、各モジュール管理部に割り当てる識別番号を重複なく選択し、モジュール管理部の識別番号を更新する識別番号更新手段と、識別番号更新手段により更新された識別番号を各モジュール管理部に通知する識別番号通知手段を有するものである。
【0009】
また、本発明の請求項10に係る蓄電管理装置は、複数の蓄電セルを有するモジュールが複数個配置された蓄電ユニットの蓄電管理装置であって、各モジュールに対応して設けられ、対応するモジュールの蓄電状態を検知するモジュール管理部と、モジュール管理部から送信されたメッセージによりモジュールの蓄電状態情報を取得しこれを管理する中央管理部と、モジュール管理部と中央管理部を接続するバス接続の通信線を備え、通信線は、複数のメッセージが同時に送信された際には優先度の高い識別番号を有するメッセージを優先的に送信する通信方式であり、モジュール管理部は、他のモジュール管理部から蓄電状態情報を取得し、該蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて自身の識別番号を選択し、自身の識別番号を更新、設定する識別番号更新・設定手段と、自身の識別番号を有するメッセージにより対応するモジュールの蓄電状態情報を中央管理部に通知する蓄電状態情報通知手段を有するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に係る蓄電管理装置によれば、その中央管理部に、各モジュール管理部から取得した蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、各モジュール管理部の識別番号を更新する識別番号更新手段を設けたので、各モジュールの劣化の進み具合によって識別番号の優先度を変更することが可能となり、各モジュールの劣化状況に応じた制御及び管理を行うことができる。
【0011】
また、本発明の請求項10に係る蓄電管理装置によれば、各モジュール管理部に、他のモジュール管理部から取得した蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、自身の識別番号を選択し、自身の識別番号を更新、設定する識別番号更新・設定手段を設けたので、各モジュールの劣化の進み具合によって識別番号の優先度を変更することが可能となり、各モジュールの劣化状況に応じた制御及び管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1に係る蓄電管理装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る蓄電管理装置の中央管理部における識別番号更新処理の流れを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る蓄電管理装置のモジュール管理部における識別番号更新処理の流れを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る蓄電管理装置における識別番号更新処理による各モジュール管理部の識別番号の推移を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る蓄電管理装置の中央管理部における識別番号更新処理の流れを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る蓄電管理装置の中央管理部における識別番号更新処理の流れを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る蓄電管理装置のモジュール管理部における識別番号更新処理の流れを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る蓄電管理装置における識別番号更新処理による各モジュール管理部の識別番号の推移を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る蓄電管理装置のモジュール管理部における識別番号更新処理の流れを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態5に係る蓄電管理装置のモジュール管理部における識別番号更新処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態1に係る蓄電管理装置について、図面に基づいて説明する。本実施の形態1に係る蓄電管理装置は、複数の蓄電セルを有するモジュールが複数個配置された蓄電ユニットの蓄電管理を行うものであり、図1に示す要素により構成されている。ただし、図1では、本発明に直接関与しない構成要素については、図示を省略している。
【0014】
蓄電管理装置1は、複数の蓄電セルを有するモジュール2A、2B、・・、2F(総称してモジュール2)に対応して設けられ、対応するモジュール2の蓄電状態を検知するモジュール管理部3A、3B、・・、3F(総称してモジュール管理部3)と、モジュール管理部3から送信されたメッセージによりモジュール2の蓄電状態情報(温度情報、電圧情報等を含む)を取得しこれを管理する中央管理部4と、各モジュール管理部3と中央管理部4を接続するバス接続の通信線5を備えている。
【0015】
通信線5は、複数のメッセージが同時に送信された際には優先度の高い識別番号を有するメッセージを優先的に送信する通信方式である。本実施の形態1では、車両や船舶の制御で一般的に用いられているネットワーク規格であるCAN通信を用いているが、これに限定されるものではなく、メッセージの衝突を検出し、衝突を回避する際には優先度の高い識別番号を有するメッセージが優先的に送信される通信方式であれば良い。
【0016】
各モジュール管理部3には、予め識別番号が設定されているが、この識別番号は、中央管理部4により更新されるものである。モジュール管理部3は、中央管理部4から通知された識別番号を自身に設定する識別番号設定手段(図示せず)と、自身の識別番号を有するメッセージにより対応するモジュール2の蓄電状態情報を中央管理部4に通知する蓄電状態情報通知手段(図示せず)を有している。なお、モジュール管理部3は、対応するモジュール2の異常を検出した場合、蓄電状態情報通知手段による蓄電状態情報の送信の頻度を通常よりも高く設定する。
【0017】
中央管理部4は、各モジュール管理部3から取得した蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、各モジュール管理部3に割り当てる識別番号を重複なく選択し、モジュール管理部3の識別番号を更新する識別番号更新手段(図示せず)を有している。さらに、識別番号更新手段により更新された識別番号を、各モジュール管理部3に通知する識別番号通知手段(図示せず)を有している。
【0018】
本実施の形態1では、中央管理部4の識別番号更新手段は、全てのモジュール管理部3から温度情報を取得した後に、各モジュール管理部3に割り当てる識別番号を選択する。また、識別番号更新手段は、各モジュール管理部3から取得した温度情報を比較し、高い温度を通知しているモジュール管理部3から順に、優先度の高い識別番号を選択し、2つ以上のモジュール管理部3が同一温度を通知している場合には、現在の識別番号の優先度の高い順に、優先度の高い識別番号を選択する。
【0019】
次に、本実施の形態1に係る蓄電管理装置1における識別番号更新処理の流れについて
、図2及び図3のフローチャートを用いて説明する。なお、図2は中央管理部4における処理の流れ、図3はモジュール管理部3における処理の流れを示し、図中、S1〜S4及びS11〜S15は、動作手順(ステップ)の番号を示している。
【0020】
図2に示すように、中央管理部4は、ステップ1(S1)において、通信線5に接続された全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を受信しているか否かを判断する。全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を受信していないと判断した場合(NO)、S1に戻り、全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を受信するのを待つ。
【0021】
S1において全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を受信したと判断した場合(YES)、ステップ2(S2)に進み、受信した蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、各モジュール管理部3に新たな識別番号を選択する。識別番号の選択においては、各モジュール管理部3から取得した温度情報を比較し、高い温度を通知しているモジュール管理部3から順に優先度の高い識別番号を選択する。なお、同一温度を通知しているモジュール管理部3については、現在の識別番号の優先度の高い順に優先度の高い識別番号を選択する。
【0022】
続いてステップ3(S3)において、各モジュール管理部3の識別番号を更新し、ステップ4(S4)において、各モジュール管理部3へ更新した識別番号を通知する。なお、図2に示す中央管理部4の動作は、電源投入後、所定のタイミングで1回のみ実行するようにしてもよいし、所定期間毎に実行してもよい。
【0023】
また、各モジュール管理部3は、図3に示すように、ステップ11(S11)において、中央管理部4から更新された識別番号を受信したか否かを判断する。中央管理部4から更新された識別番号を受信したと判断した場合(YES)は、ステップ12(S12)に進み、受信していないと判断した場合(NO)は、ステップ13(S13)に進む。
【0024】
S12に進んだモジュール管理部3は、中央管理部4から通知された識別番号を自身の新たな識別番号として設定する。続いて、S13では、対応するモジュール2の蓄電状態を検知し、正常であるか否かを判断する。正常であると判断した場合(YES)は、ステップ14(S14)へ進み、蓄電状態情報通知手段による蓄電状態情報の通知を通常の送信パターンに設定する。
【0025】
一方、S13において、対応するモジュール2の蓄電状態が異常であると判断した場合(NO)は、ステップ15(S15)に進み、蓄電状態情報通知手段による蓄電状態情報の送信の頻度を、通常の送信パターンよりも高く設定する。なお、図3に示すモジュール管理部3の動作は、電源投入中、所定期間毎に実行される。
【0026】
次に、本実施の形態1における識別番号更新処理による各モジュール管理部3の識別番号の推移について、図4の例を用いて説明する。図4は、各モジュール管理部3A、3B、・・、3Fの識別番号と、各モジュール管理部3が対応するモジュール2から取得した温度情報を示し、図4(a)は更新前の識別番号、図4(b)は中央管理部4の識別番号更新手段により更新された識別番号を示している。なお、識別番号の優先度は、1>2>3>4>5>6とする。
【0027】
まず、識別番号更新前は、図4(a)に示すように、モジュール管理部3Aに最も優先度の高い識別番号1が設定され、以下順に、モジュール管理部3Bに識別番号2、モジュール管理部3Cに識別番号3、モジュール管理部3Dに識別番号4、モジュール管理部3Eに識別番号5、さらにモジュール管理部3Fに識別番号6が設定されている。各モジュール管理部3は、対応するモジュール2の温度情報を含む蓄電状態情報を、識別番号を有するメッセージとして中央管理部4に通知する。
【0028】
全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を取得した中央管理部4の識別番号更新手段は、蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、各モジュール管理部3に割り当てる新たな識別番号を選択する。本実施の形態1では、識別番号更新手段は、高い温度を通知しているモジュール管理部3から順に、優先度の高い識別番号を選択し、2つ以上のモジュール管理部3が同一温度を通知している場合には、現在の識別番号の優先度の高い順に、優先度の高い識別番号を選択する。
【0029】
これにより、図4(b)に示すように、最も高い温度である25℃を通知しているモジュール管理部3Fに識別番号1を選択し、次に高い温度である22℃を通知しているモジュール管理部3B、3Cについては、現在の識別番号の優先度の順にモジュール管理部3Bに識別番号2、モジュール管理部3Cに識別番号3を選択する。次に高い温度を通知しているモジュール管理部3Aに識別番号4、以下同様に、モジュール管理部3Dに識別番号5、モジュール管理部3Eに識別番号6を選択する。
【0030】
以上のように、本実施の形態1によれば、複数のモジュール管理部3と中央管理部4が通信線5で接続され、各モジュール管理部3が対応するモジュール2の温度情報を含む蓄電状態情報を中央管理部4に通知する蓄電管理装置1において、その中央管理部4に、各モジュール管理部3から取得した蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、各モジュール管理部3の識別番号を更新する識別番号更新手段を設けたので、各モジュール2の劣化の進み具合によって識別番号の優先度を変更することが可能となり、各モジュール2の劣化状況に応じた制御及び管理を行うことができる。
【0031】
また、高い温度を通知しているモジュール管理部3から順に優先度の高い識別番号を選択することにより、温度の高いモジュール2の蓄電状態情報が優先的に通知されるようになり、高温が原因で劣化の進んでいるモジュール2を優先的に検知することができる。
【0032】
また、識別番号更新手段は、同一温度を通知しているモジュール管理部3については、現在の識別番号の優先度の高い順に優先度の高い識別番号を選択するようにしたので、複数のモジュール管理部3が同一温度を通知している場合でも、識別番号を重複することなく選択することができる。また、全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を取得してから識別番号更新処理を行うことにより、蓄電状態情報を通知していないモジュール管理部3への識別番号更新漏れや、識別番号更新漏れによる識別番号の重複を防止することができる。
【0033】
さらに、モジュール管理部3が対応するモジュール2の異常を検出した場合、中央管理部4への蓄電状態情報の送信の頻度を、通常の送信パターンよりも高く設定するようにしたので、高温が原因で劣化の進んでいるモジュール2の蓄電状態情報を速やかに検知することができる。
【0034】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る蓄電管理装置の構成は、上記実施の形態1と同様であるので、図1の符号を流用して説明する。本実施の形態2に係る蓄電管理装置1の中央管理部4は、電源が投入され起動した後に、前回起動時に各モジュール管理部3から取得した蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、識別番号更新手段により各モジュール管理部3に割り当てる識別番号を選択するものである。
【0035】
図5は、本実施の形態2における蓄電管理装置1の中央管理部4における識別番号更新処理の流れを示すフローチャートである。図5中、S3及びS4は図2と同じ処理内容を
示している。なお、図5に示す中央管理部4の動作は、電源の投入(またはリセット)後、所定のタイミングで1回のみ実行される。また、本実施の形態2に係る蓄電管理装置1のモジュール管理部3における識別番号更新処理の流れは、上記実施の形態1(図3)と同様であるので説明を省略する。
【0036】
電源の投入またはリセットで蓄電管理装置1が初期化されると、中央管理部4は、ステップ5(S5)において、前回起動中に、通信線5に接続された全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を取得しているか否かを判断する。全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を取得していないと判断した場合(NO)、識別番号更新処理を終了する。
【0037】
S5において、全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を取得したと判断した場合(YES)、ステップ6(S6)に進み、前回起動中に取得した蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、各モジュール管理部3に新たな識別番号を選択する。識別番号の選択においては、各モジュール管理部3から取得した温度情報を比較し、高い温度を通知しているモジュール管理部3から順に優先度の高い識別番号を選択する。その後、S3において各モジュール管理部3の識別番号を更新し、S4において各モジュール管理部3へ更新した識別番号を通知する。
【0038】
本実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様の効果に加え、電源の投入またはリセットにより蓄電管理装置1が初期化されたタイミングで識別番号更新処理を実行するようにしたので、前回起動時の蓄電状態情報に基づいた蓄電管理を継続して行うことが可能である。
【0039】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る蓄電管理装置の構成は、上記実施の形態1と同様であるので、図1の符号を流用して説明する。本実施の形態3では、中央管理部4の識別番号更新手段は、全てのモジュール管理部3から温度情報を取得できない場合、温度情報を取得できたモジュール管理部3に対してのみ新たな識別番号を選択する。また、識別番号更新手段は、各モジュール管理部3から取得した温度情報を比較し、低い温度を通知しているモジュール管理部3から順に優先度の高い識別番号を選択し、2つ以上のモジュール管理部3が同一温度を通知している場合には、現在の識別番号の優先度の高い順に、優先度の高い識別番号を選択する。
【0040】
また、モジュール管理部3は、自身の識別番号が他のモジュール管理部3の識別番号と重複しているか否かを判定する識別番号重複判定手段(図示せず)を備えている。これにより、自身に設定した識別番号が他のモジュール管理部3の識別番号と重複していると判定された場合には、他のモジュール管理部3に対して識別番号重複発生通知を送信し、自身の識別番号を前回の識別番号に戻す。識別番号重複発生通知を受信した他のモジュール管理部3も同様に、自身の識別番号を前回の識別番号に戻す。
【0041】
本実施の形態3に係る蓄電管理装置1における識別番号更新処理の流れについて、図6及び図7のフローチャートを用いて説明する。なお、図6は中央管理部4における処理の流れ、図7はモジュール管理部3における処理の流れを示している。
【0042】
図6に示すように、中央管理部4は、S1において、通信線5に接続された全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を受信しているか否かを判断する。全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を受信していないと判断した場合(NO)、ステップ7(S7)に進み、所定期間が経過しているか否かを判断し、所定期間が経過していない場合(NO)はS1に戻り、所定期間が経過している場合(YES)は、ステップ8(S8)に進む。
【0043】
S1において全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を受信したと判断した場合(YES)、またはS7において所定期間が経過した場合、S8に進み、受信した蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、すなわち温度情報を取得できたモジュール管理部3に対して新たな識別番号を選択する。識別番号の選択においては、低い温度を通知しているモジュール管理部3から順に優先度の高い識別番号を選択する。なお、温度情報を通知していないモジュール管理部3に対しては、温度情報を通知しているモジュール管理部3の中の最も低い優先度よりも低い優先度を選択する。
【0044】
その後、S3において各モジュール管理部3の識別番号を更新し、S4において各モジュール管理部3へ更新した識別番号を通知する。なお、図6に示す中央管理部4の動作は、電源投入後、所定のタイミングで1回のみ実行してもよいし、所定期間毎に実行してもよい。
【0045】
また、各モジュール管理部3は、図7に示すように、S11において、中央管理部4から更新された識別番号を受信したか否かを判断する。中央管理部4から更新された識別番号を受信したと判断した場合(YES)は、S12に進み、受信していないと判断した場合(NO)は、ステップ16(S16)に進む。S12に進んだモジュール管理部3は、中央管理部4から通知された識別番号を自身の新たな識別番号として設定し、S16に進む。
【0046】
続いて、S16では、識別番号重複判定手段により、自身の識別番号が他のモジュール管理部3の識別番号と重複しているか否かを判定する。通信線5を介して検知した他のモジュール管理部3の識別番号が、自身の識別番号を重複していると判定した場合(YES)は、ステップ18(S18)へ進み、他のモジュール管理部3に対して識別番号重複発生通知を送信し、さらにステップ19(S19)において自身の識別番号を前回の識別番号に設定する。
【0047】
また、S16において、他のモジュール管理部3の識別番号が自身の識別番号と重複していないと判定した場合(NO)は、ステップ17(S17)に進み、他のモジュール管理部3から識別番号重複発生通知を受信しているか否かを判断する。S17において、他のモジュール管理部3から識別番号重複発生通知を受信している場合(YES)は、S19において自身の識別番号を前回の識別番号に設定する。また、S17において、他のモジュール管理部3から識別番号重複発生通知を受信していない場合(NO)は、識別番号更新処理を終了する。なお、図7に示すモジュール管理部3の動作は、電源投入中、所定期間毎に実行される。
【0048】
次に、本実施の形態3における識別番号更新処理による各モジュール管理部3の識別番号の推移について、図8の例を用いて説明する。図8は、各モジュール管理部3A、3B、・・、3Fの識別番号と、各モジュール管理部3が対応するモジュール2から取得した温度情報を示し、図8(a)は更新前の識別番号、図8(b)は中央管理部4の識別番号更新手段により更新された識別番号を示している。なお、識別番号の優先度は、1>2>3>4>5>6とする。
【0049】
まず、識別番号更新前は、図8(a)に示すように、モジュール管理部3Aに最も優先度の高い識別番号1が設定され、モジュール管理部3Bに識別番号2が設定されている。モジュール管理部3Cからは、温度情報及び識別番号の通知がなく、モジュール管理部3Dに識別番号4、モジュール管理部3Eに識別番号5、さらにモジュール管理部3Fに識別番号6が設定されている。
【0050】
中央管理部4は、温度情報を取得できたモジュール管理部3に対して、識別番号更新手段により新たな識別番号を選択する。本実施の形態3では、識別番号更新手段は、各モジュール管理部3から取得した温度情報を比較し、低い温度を通知しているモジュール管理部3から順に、優先度の高い識別番号を選択する。
【0051】
これにより、図8(b)に示すように、最も低い温度である18℃を通知しているモジュール管理部3Eに識別番号1を選択し、次に低い温度を通知しているモジュール管理部3Dに識別番号2、以下同様に、モジュール管理部3Aに識別番号3、モジュール管理部3Bに識別番号4、モジュール管理部3Fに識別番号5を選択する。なお、温度情報を通知していないモジュール管理部3Cには、最も優先度の低い識別番号6を選択する。
【0052】
本実施の形態3によれば、各モジュール管理部3に識別番号重複判定手段を備え、複数のモジュール管理部3において識別番号が重複していた場合に、自身の識別番号を前回の識別番号に設定するとともに、識別番号重複発生通知を送信するようにしたので、全てのモジュール管理部3の識別番号が重複していない正常な状態に、速やかに戻すことが可能である。
【0053】
また、低い温度を通知しているモジュール管理部3から順に、優先度の高い識別番号を選択するようにしたので、温度の低いモジュール2の蓄電状態情報が優先的に通知され、劣化の進んでいないモジュール2を優先的に検知することができる。さらに、全てのモジュール管理部3から温度情報を取得できない場合でも、温度情報を取得できたモジュール管理部3に対して識別番号を選択し、識別番号を更新するようにしたので、正常に動作し劣化の進んでいないモジュール2を優先的に検知することができる。
【0054】
実施の形態4.
上記実施の形態1〜実施の形態3に係る蓄電管理装置1は、その中央管理部4に、各モジュール管理部3から取得した温度情報に基づいて、各モジュール管理部3に新たな識別番号を選択する識別番号更新手段を有するものであった。これに対し、以下に説明する実施の形態4及び実施の形態5では、蓄電管理装置1の各モジュール管理部3に、他のモジュール管理部3から温度情報を含む蓄電状態情報を取得し、該温度情報に基づいて自身の新たな識別番号を選択し、自身の識別番号を更新、設定する識別番号更新・設定手段(図示せず)を有するものである。
【0055】
本実施の形態4に係る蓄電管理装置の構成は、上記実施の形態1と同様であるので、図1の符号を流用して説明する。モジュール管理部3の識別番号更新・設定手段は、通信線5を介して他のモジュール管理部3から取得した温度情報と自身の温度情報を比較し、高い温度を通知しているモジュール管理部3から順に優先度の高い識別番号となるよう自身の識別番号を選択する。なお、他のモジュール管理部3が自身と同一温度を通知している場合には、現在の識別番号の優先度の高い順に優先度の高い識別番号となるよう自身の識別番号を選択する。
【0056】
モジュール管理部3の識別番号更新・設定手段は、中央管理部4からの識別番号更新指示を受信した後、選択した新たな識別番号を自身に設定する。これにより、全てのモジュール管理部3の識別番号が、任意のタイミングで一斉に更新される。また、自身以外の全てのモジュール管理部3から温度情報を取得できない場合、自身の識別番号を更新せず、現在の識別番号を選択する。さらに、上記実施の形態1と同様に、モジュール管理部3は、対応するモジュール2の異常を検出した場合、中央管理部4への蓄電状態情報の送信の頻度を通常の送信パターンよりも高く設定する。
【0057】
次に、本実施の形態4に係る蓄電管理装置1のモジュール管理部3における識別番号更
新処理の流れについて、図9のフローチャートを用いて説明する。なお、図9中、S13〜S15は、実施の形態1で説明した図3と同じ処理内容であるので説明を省略する。
【0058】
図9に示すように、モジュール管理部3は、ステップ20(S20)において、通信線5に接続された自身以外の全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を受信しているか否かを判断する。他の全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を受信していないと判断した場合(NO)、ステップ22(S22)に進み、現在自身に設定されている識別番号を選択し、ステップ23(S23)に進む。
【0059】
S20において他の全てのモジュール管理部3から蓄電状態情報を受信したと判断した場合(YES)、ステップ21(S21)に進み、受信した蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、自身の新たな識別番号を選択する。識別番号の選択においては、他のモジュール管理部3から取得した温度情報と自身の温度情報を比較し、高い温度を通知しているモジュール管理部3から順に優先度の高い識別番号となるよう自身の識別番号を選択する。なお、他のモジュール管理部3が自身と同一温度を通知している場合には、現在の識別番号の優先度の高い順に優先度の高い識別番号となるよう自身の識別番号を選択する。
【0060】
さらに、S23において、中央管理部4からの識別番号更新指示を受信しているか否かを判断し、受信している場合(YES)にはステップ24(S24)に進み、選択した識別番号を自身に設定する。S23において、中央管理部4からの識別番号更新指示を受信していない場合(NO)は、識別番号更新処理を終了する。なお、図9に示すモジュール管理部3の動作は、電源投入中、所定期間毎に実行される。
【0061】
本実施の形態4では、モジュール管理部3の識別番号更新・設定手段は、自身以外の全てのモジュール管理部3から温度情報を取得できない場合に、現在の自身の識別番号を選択するようにした。これにより、蓄電状態情報を通知していないモジュール管理部3と識別番号が重複することを避けることができる。ただし、上記実施の形態3と同様に、取得できた温度情報に基づいて自身の新たな識別番号を選択するようにしてもよい。
【0062】
本実施の形態4によれば、蓄電管理装置1の各モジュール管理部3に、他のモジュール管理部3から取得した温度情報に基づいて自身の新たな識別番号を選択する識別番号更新・設定手段を備えることにより、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0063】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る蓄電管理装置1は、上記実施の形態4と同様に、各モジュール管理部3に、他のモジュール管理部3から温度情報を含む蓄電状態情報を取得し、該温度情報に基づいて自身の新たな識別番号を選択し、自身の識別番号を更新、設定する識別番号更新・設定手段を有するものである。本実施の形態5に係る蓄電管理装置1の構成は、上記実施の形態1と同様であるので、図1の符号を流用して説明する。
【0064】
本実施の形態5では、モジュール管理部3の識別番号更新・設定手段は、電源が投入され起動した後に、前回起動時に他のモジュール管理部3から取得した温度情報に基づいて、自身の新たな識別番号を選択する。なお、識別番号更新・設定手段は、前回起動時に他のモジュール管理部3から取得した温度情報と自身の温度情報を比較し、低い温度を通知しているモジュール管理部3から順に優先度の高い識別番号となるよう自身の識別番号を選択する。
【0065】
また、モジュール管理部3は、自身の識別番号が他のモジュール管理部3の識別番号と重複しているか否かを判定する識別番号重複判定手段を備えている。これにより、自身に
設定した識別番号が他のモジュール管理部3の識別番号と重複していると判定した場合には、他のモジュール管理部3に対して識別番号重複発生通知を送信し、自身の識別番号を前回の識別番号に戻す。識別番号重複発生通知を受信した他のモジュール管理部3も同様に、自身の識別番号を前回の識別番号に戻す。
【0066】
本実施の形態5に係る蓄電管理装置1のモジュール管理部3における識別番号更新処理の流れについて、図10のフローチャートを用いて説明する。なお、図10中、S16〜S19は、上記実施の形態3で説明した図7と同じ処理内容であるので説明を省略する。
【0067】
電源の投入またはリセットで蓄電管理装置1が初期化されると、モジュール管理部3は、ステップ25(S25)において、前回起動中に、通信線5に接続された他のモジュール管理部3から蓄電状態情報を取得しているか否かを判断する。他のモジュール管理部3から蓄電状態情報を取得していないと判断した場合(NO)、識別番号更新処理を終了する。
【0068】
S25において、少なくとも1つ以上の他のモジュール管理部3から蓄電状態情報を取得していると判断した場合(YES)、ステップ26(S26)に進み、前回起動中に取得した蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、自身の新たな識別番号を選択する。識別番号の選択においては、低い温度を通知しているモジュール管理部3から順に優先度の高い識別番号となるよう自身の識別番号を選択する。以下、S16〜S19の処理を実行する。
【0069】
本実施の形態5によれば、上記実施の形態4と同様の効果に加え、電源の投入またはリセットにより蓄電管理装置1が初期化されたタイミングで識別番号更新処理を実行するようにしたので、中央管理部4からの識別番号更新指示が無くても識別番号を更新することができるとともに、前回起動時の蓄電状態情報に基づいた蓄電管理を継続して行うことが可能である。
【0070】
なお、上記実施の形態1〜実施の形態5では、6個のモジュール2で構成された蓄電ユニットの蓄電管理装置1を例に挙げて説明したが、本発明はモジュール2の個数に関係なく適用可能であり、同様の効果を奏するものである。また、識別番号として1〜6の連番を示したが、識別番号は連番でなくてもよく、優先度の高低を示すことができるものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、複数の蓄電セルを有するモジュールが複数個配置された蓄電ユニットの蓄電管理装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 蓄電管理装置、2、2A、2B、2C、2D、2E、2F モジュール、
3、3A、3B、3C、3D、3E、3F モジュール管理部、4 中央管理部、
5 通信線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電セルを有するモジュールが複数個配置された蓄電ユニットの蓄電管理装置であって、前記各モジュールに対応して設けられ、対応する前記モジュールの蓄電状態を検知するモジュール管理部と、前記モジュール管理部から送信されたメッセージにより前記モジュールの蓄電状態情報を取得しこれを管理する中央管理部と、前記モジュール管理部と前記中央管理部を接続するバス接続の通信線を備え、前記通信線は、複数のメッセージが同時に送信された際には優先度の高い識別番号を有するメッセージを優先的に送信する通信方式であり、
前記モジュール管理部は、前記中央管理部から通知された識別番号を自身に設定する識別番号設定手段と、自身の識別番号を有するメッセージにより対応する前記モジュールの蓄電状態情報を前記中央管理部に通知する蓄電状態情報通知手段を有し、
前記中央管理部は、前記各モジュール管理部から取得した蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて、前記各モジュール管理部に割り当てる識別番号を重複なく選択し、前記モジュール管理部の識別番号を更新する識別番号更新手段と、前記識別番号更新手段により更新された識別番号を前記各モジュール管理部に通知する識別番号通知手段を有することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄電管理装置であって、前記識別番号更新手段は、前記各モジュール管理部から取得した温度情報を比較し、高い温度を通知している前記モジュール管理部から順に優先度の高い識別番号を選択することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の蓄電管理装置であって、前記識別番号更新手段は、前記各モジュール管理部から取得した温度情報を比較し、低い温度を通知している前記モジュール管理部から順に優先度の高い識別番号を選択することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の蓄電管理装置であって、前記識別番号更新手段は、2つ以上の前記モジュール管理部が同一温度を通知している場合には、現在の識別番号の優先度の高い順に優先度の高い識別番号を選択することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の蓄電管理装置であって、前記モジュール管理部は、対応する前記モジュールの異常を検出した場合、前記蓄電状態情報通知手段による蓄電状態情報の送信の頻度を通常よりも高く設定することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の蓄電管理装置であって、前記識別番号更新手段は、全ての前記モジュール管理部から温度情報を取得した後に、前記各モジュール管理部に割り当てる識別番号を選択することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の蓄電管理装置であって、前記識別番号更新手段は、電源が投入され起動した後に、前回起動時に前記各モジュール管理部から取得した温度情報に基づいて、前記各モジュール管理部に割り当てる識別番号を選択することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の蓄電管理装置であって、前記中央管理部は、全ての前記モジュール管理部から温度情報を取得できない場合、温度情報を取得できた前記モジュール管理部に対して割り当てる識別番号を選択することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項9】
請求項1に記載の蓄電管理装置であって、前記モジュール管理部は、自身の識別番号が他の前記モジュール管理部の識別番号と重複しているか否かを判定する識別番号重複判定手段を備え、前記識別番号重複判定手段により、自身に設定した識別番号が他の前記モジュール管理部の識別番号と重複していると判定した場合には、他の前記モジュール管理部に対して識別番号重複発生通知を送信するとともに自身の識別番号を前回の識別番号に戻し、前記識別番号重複発生通知を受信した他の前記モジュール管理部は、自身の識別番号を前回の識別番号に戻すことを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項10】
複数の蓄電セルを有するモジュールが複数個配置された蓄電ユニットの蓄電管理装置であって、前記各モジュールに対応して設けられ、対応する前記モジュールの蓄電状態を検知するモジュール管理部と、前記モジュール管理部から送信されたメッセージにより前記モジュールの蓄電状態情報を取得しこれを管理する中央管理部と、前記モジュール管理部と前記中央管理部を接続するバス接続の通信線を備え、前記通信線は、複数のメッセージが同時に送信された際には優先度の高い識別番号を有するメッセージを優先的に送信する通信方式であり、
前記モジュール管理部は、他の前記モジュール管理部から蓄電状態情報を取得し、該蓄電状態情報に含まれる温度情報に基づいて自身の識別番号を選択し、自身の識別番号を更新、設定する識別番号更新・設定手段と、自身の識別番号を有するメッセージにより対応する前記モジュールの蓄電状態情報を前記中央管理部に通知する蓄電状態情報通知手段を有することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の蓄電管理装置であって、前記識別番号更新・設定手段は、前記中央管理部からの識別番号更新指示を受信した後、選択した識別番号を自身に設定することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項12】
請求項10に記載の蓄電管理装置であって、前記識別番号更新・設定手段は、他の前記モジュール管理部から取得した温度情報と自身の温度情報を比較し、高い温度を通知している前記モジュール管理部から順に優先度の高い識別番号となるよう、自身の識別番号を選択することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項13】
請求項10に記載の蓄電管理装置であって、前記識別番号更新・設定手段は、他の前記モジュール管理部から取得した温度情報と自身の温度情報を比較し、低い温度を通知している前記モジュール管理部から順に優先度の高い識別番号となるよう、自身の識別番号を選択することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の蓄電管理装置であって、前記識別番号更新・設定手段は、他の前記モジュール管理部が自身と同一温度を通知している場合には、現在の識別番号の優先度の高い順に優先度の高い識別番号となるよう、自身の識別番号を選択することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項15】
請求項10に記載の蓄電管理装置であって、前記モジュール管理部は、自身の識別番号が他の前記モジュール管理部の識別番号と重複しているか否かを判定する識別番号重複判定手段を備え、前記識別番号重複判定手段により、自身に設定した識別番号が他の前記モジュール管理部の識別番号と重複していると判定した場合には、他の前記モジュール管理部に対して識別番号重複発生通知を送信するとともに自身の識別番号を前回の識別番号に戻し、前記識別番号重複発生通知を受信した他の前記モジュール管理部は、自身の識別番号を前回の識別番号に戻すことを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項16】
請求項10に記載の蓄電管理装置であって、前記識別番号更新・設定手段は、自身以外の全ての前記モジュール管理部から温度情報を取得できない場合、自身の識別番号を更新しないことを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項17】
請求項10に記載の蓄電管理装置であって、前記識別番号更新・設定手段は、自身以外の全ての前記モジュール管理部から温度情報を取得できない場合、取得できた温度情報に
基づいて自身の識別番号を選択することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項18】
請求項10に記載の蓄電管理装置であって、前記識別番号更新・設定手段は、電源が投入され起動した後に、前回起動時に他の前記モジュール管理部から取得した温度情報に基づいて自身の識別番号を選択することを特徴とする蓄電管理装置。
【請求項19】
請求項10に記載の蓄電管理装置であって、前記モジュール管理部は、対応する前記モジュールの異常を検出した場合、前記蓄電状態情報通知手段による蓄電状態情報の送信の頻度を通常よりも高く設定することを特徴とする蓄電管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−181131(P2012−181131A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44985(P2011−44985)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】