説明

蓄電装置及びその作製方法

【課題】放電容量を高めることが可能な蓄電装置及びその作製方法を提供する。
【解決手段】集電体上に、金属元素を分散させ、該金属元素が分散された集電体表面に、シリコンを含む堆積性ガスを用いて加熱する低圧化学蒸着法により、ウィスカーを含む結晶性シリコン層を活物質層として形成する蓄電装置の作製方法である。活物質層中にウィスカーを含むことで、活物質層の表面積が増大するため、蓄電装置の放電容量を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置及びその作製方法に関する。
【0002】
なお、蓄電装置とは、蓄電機能を有する素子及び装置全般を指すものである。
【背景技術】
【0003】
近年、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、空気電池など、蓄電装置の開発が行われている。
【0004】
蓄電装置用の電極は、集電体の一表面に活物質を形成することにより作製される。活物質としては、例えば、炭素やシリコンなどの、キャリアとなるイオンの貯蔵及び放出が可能な材料が用いられる。特に、シリコン、または、リンがドープされたシリコンは、炭素に比べ理論容量が大きく、これらの材料を活物質として用いることは、蓄電装置の大容量化という点において好ましい(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−210315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、シリコンを負極活物質に用いても、現実的には、理論容量ほど高い放電容量を得ることは困難であった。
【0007】
そこで、本発明の一態様では、放電容量を高めることが可能な蓄電装置及びその作製方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態は、集電体上に、金属元素を分散させ、該金属元素が分散された集電体表面に、シリコンを含む堆積性ガスを用いて加熱する低圧化学蒸着(LPCVD:Low Pressure Chemical vapor deposition)法により、ウィスカーを含む結晶性シリコン層を活物質層として形成する蓄電装置の作製方法である。
【0009】
上記において、低圧化学蒸着法は、580℃より高い温度で行うことが好ましい。また、シリコンを含む堆積性ガスとして、水素化シリコン、フッ化シリコン、または塩化シリコンを用いることが好ましい。
【0010】
上記において、基板上に集電体を、スパッタリング法または化学蒸着(CVD:Chemical vapor deposition)法により形成する。また、集電体は、箔状、板状、または網状であることが好ましい。
【0011】
また、上記において、金属元素の分散は、1000ppm以上の金属元素を含む薬液を塗布することにより行うことが好ましい。金属元素は、シリサイドを形成する元素であり、例えば、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、及びニッケルのいずれか一または複数である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一形態により、放電容量の高い蓄電装置を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】蓄電装置の負極の作製方法を説明するための断面図である。
【図2】蓄電装置の負極の作製方法を説明するための断面図である。
【図3】蓄電装置の一形態を説明するための平面図及び断面図である。
【図4】蓄電装置の応用の形態を説明するための斜視図である。
【図5】二次電池の作製方法の例である。
【図6】無線給電システムの構成を示す図である。
【図7】無線給電システムの構成を示す図である。
【図8】結晶性シリコン層のSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではないとする。なお、説明中に図面を参照するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる場合がある。また、同様のものを指す際には同じハッチパターンを使用し、特に符号を付さない場合がある。
【0015】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である蓄電装置の電極及びその作製方法について、図1及び図2を用いて説明する。
【0016】
図1(A)に示すように、集電体101上に、スピンコーティング法に代表される塗布法により金属元素を分散させて、金属元素を分散させた領域102を形成する。
【0017】
集電体101は、電極の集電体として機能する。このため、箔状、板状、または網状の導電性部材を用いる。例えば、白金、アルミニウム、銅、チタン等に代表される導電性の高い金属元素を用いて集電体101を形成することができる。また、シリコン、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金を用いても良い。または、集電体101としてシリコンウェハを用いてもよい。また、集電体101を、シリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。集電体101は、スパッタリング法または化学蒸着法(CVD法)により形成することができる。
【0018】
金属元素を分散させた領域102は、活物質層103の結晶性を制御する機能を有する。例えば、活物質層103の結晶性を向上させる金属元素を分散させた層とすることができる。金属元素は、ディップコーティング法、スピンコーティング法、液滴吐出法、プラズマスプレー法、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷)などによって分散させることができる。金属元素を分散させた領域102中において、金属元素を適切に分散させるためには、スピンコーティング法に代表される塗布法を用いて金属元素を分散させた領域102を形成すると良い。この際、用いる薬液中における金属元素の濃度は、1000ppm以上とすることが望ましい。薬液中の金属元素の濃度を高めることにより、活物質層103に含まれるウィスカーの数密度を高めることができるからである。当該金属元素は、活物質層103の結晶性を向上させる触媒として機能する元素であれば特に限定されないが、活物質層103を結晶性のシリコン層とする場合には、シリサイドを形成する元素、例えば、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等のいずれか一または複数を用いることができる。
【0019】
次に、金属元素を分散させた領域102上に、化学蒸着法(CVD法)、好ましくは低圧化学蒸着法(LPCVD法)により、結晶性シリコン層を活物質層103として形成する(図1(B)参照)。当該金属元素を分散させた領域中の金属元素は、結晶性シリコン層の形成の際に、当該結晶性シリコン層中に拡散する。このため、金属元素を分散させた領域102は、結晶性シリコン層の形成後にはその大部分が失われることになる。よって、図1(B)、図1(C)、及び図1(D)において、金属元素を分散させた領域102は図示しない。
【0020】
活物質層103は結晶性のシリコン層である。当該結晶性シリコン層は、例えば、LPCVD法により形成することができる。結晶性シリコン層の形成は、例えば、580℃より高い温度で且つLPCVD装置または集電体101が耐えうる温度以下、好ましくは600℃以上650℃未満の加熱をしつつ、原料ガスとしてシリコンを含む堆積性ガスを用いることで実現される。シリコンを含む堆積性ガスとしては、水素化シリコン、フッ化シリコン、塩化シリコンなどがあり、代表的には、SiH、Si、SiF、SiCl、SiCl等がある。なお、原料ガスに、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガスや水素を混合させてもよい。
【0021】
なお、活物質層103には、不純物として、LPCVD装置のチャンバーに起因する酸素などが含まれている場合がある。
【0022】
なお、結晶性シリコン層には、リン、ボロン等の一導電型を付与する不純物元素が添加されていてもよい。リン、ボロン等の一導電型を付与する不純物元素が添加された結晶性シリコン層は、導電性が高くなるため、電極の導電率を高めることができる。このため、放電容量をさらに高めることができる。
【0023】
なお、チタン等の金属の集電体101上に活物質層103としてシリコンを形成した後、シリコンを結晶化するために熱処理をおこなうと集電体101と活物質層103との間に低密度な領域が形成されることがある。このため、集電体101と活物質層103との間の導電性が低下し、また、集電体101と活物質層103とが剥離しやすくなる。これに対し、活物質層103として、LPCVD法を用いて結晶性シリコン層を形成すると、集電体101及び活物質層103の間に低密度な領域が形成されず、集電体101及び活物質層103の界面における電子の移動が容易となると共に、集電体101と活物質層103との密着性を高めることができる。これは、結晶性シリコン層の堆積工程において、常に原料ガスの活性種が堆積中の結晶性シリコン層に供給されるため、結晶性シリコン層から集電体101にシリコンが拡散し、シリコン不足領域(粗な領域)が形成されても、当該領域に原料ガスの活性種が常に供給され、結晶性シリコン層中に低密度領域が形成されにくくなるためである。また、気相成長により集電体101上に結晶性シリコン層を形成するため、蓄電装置の生産性が高まる。
【0024】
ここで、集電体101及び活物質層103の、破線で囲まれた領域105の拡大図を図1(C)に示す。
【0025】
図1(C)に示すように、集電体101と活物質層103との間には、混合層107が形成されることがある。この場合、混合層107は、集電体101に含まれる金属元素やシリコンで形成される。なお、混合層107は、活物質層103としてLPCVD法で結晶性シリコン層を形成する際の加熱により、シリコンが集電体101に拡散することで形成される。
【0026】
集電体101に、シリサイドを形成する金属元素を用いる場合、混合層107には、該金属元素のシリサイド、代表的には、ジルコニウムシリサイド、チタンシリサイド、ハフニウムシリサイド、バナジウムシリサイド、ニオブシリサイド、タンタルシリサイド、クロムシリサイド、モリブデンシリサイド、タングステンシリサイド、コバルトシリサイド、及びニッケルシリサイドの一以上が形成される。または、金属元素とシリコンの合金層が形成される。
【0027】
なお、混合層107には、LPCVD装置のチャンバーに起因する不純物として酸素などが含まれる場合がある。
【0028】
集電体101と活物質層103との間に混合層107を有することで、集電体101と活物質層103との間の抵抗を低減させることができるため、電極の導電率を高めることができる。このため、放電容量をさらに高めることができる。また、集電体101と活物質層103との密着性を高めることが可能であり、蓄電装置の劣化を低減することができる。
【0029】
混合層107上には、集電体101に含まれる金属元素の酸化物を含む金属酸化物層109が形成される場合がある。なお、LPCVD法で結晶性シリコン層を形成する際、チャンバー内に、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガスを充填することで、当該金属酸化物層109の形成を抑制することもできる。
【0030】
集電体101に、シリサイドを形成する金属元素を用いる場合、形成される金属酸化物の代表例としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化コバルト、酸化ニッケル等がある。なお、集電体101を、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タングステンなどの金属元素を分散させた領域とすると、金属酸化物層109は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化タングステン等の酸化物導電体を含むことになるため、集電体101及び活物質層103の間の抵抗を低減することが可能であり、電極の導電率を高めることができる。このため、放電容量をさらに高めることができる。
【0031】
活物質層103は、結晶性シリコン領域103aと、当該領域上の、ウィスカーを含む結晶性シリコン領域103bとを有する。なお、結晶性シリコン領域103a及びウィスカーを含む結晶性シリコン領域103bは、その境界が明確ではない。ここでは、ウィスカーを含む結晶性シリコン領域103bのウィスカーとウィスカーの間に形成される谷底を含む面を、結晶性シリコン領域103aとウィスカーを含む結晶性シリコン領域103bとの一応の境界として扱う。
【0032】
結晶性シリコン領域103aは、集電体101を覆うように設けられている。また、結晶性シリコン領域103bにおけるウィスカーは、結晶性の突起であれば、円柱状、角柱状などの柱状、円錐状、角錐状などの針状でもよい。なお、ウィスカーは、頂部が湾曲していてもよい。ウィスカーの径は、50nm以上10μm以下、好ましくは500nm以上3μm以下である。また、ウィスカーの長さは、0.5μm以上1000μm以下、好ましくは1μm以上100μm以下である。
【0033】
ここで、ウィスカーの長さとは、ウィスカーの成長方向(長手方向)の大きさをいう。例えば、ウィスカーを柱状と仮定する場合には、上面と底面との距離をいい、錐状と仮定する場合には、頭頂点と底面との距離をいうものとする。また、結晶性シリコン層の厚さは、結晶性シリコン領域103aの厚さと、ウィスカーを含む結晶性シリコン領域103bの厚さの和を言い、ウィスカーを含む結晶性シリコン領域103bの厚さとは、ウィスカーにおいて高さが最大となる点から、結晶性シリコン領域103aとウィスカーを含む結晶性シリコン領域103bとの境界までの距離をいう。
【0034】
なお、以下では、ウィスカーの成長方向(結晶性シリコン領域103aから伸張する方向)を長手方向といい、長手方向に沿った断面の形状を長手断面形状という場合がある。また、長手方向が法線方向となる断面の形状を輪切り断面形状という場合がある。
【0035】
図1(C)に示すように、ウィスカーの長手方向は一方向、例えば、結晶性シリコン領域103aの表面に対して法線の方向に伸張していてもよい。なお、この場合、ウィスカーの長手方向は、結晶性シリコン領域103aの表面に対して法線の方向と、略一致していればよい。つまり、図1(C)においては、主にウィスカーの長手断面形状が示されていることになる。
【0036】
または、図1(D)に示すように、ウィスカーの長手方向は不揃いであってもよい。代表的には、長手方向が結晶性シリコン領域103aの表面に対して法線の方向と略一致する第一のウィスカー113aと、長手方向が法線の方向とは異なる第二のウィスカー113bとを有してもよい。さらには、第一のウィスカーより第二のウィスカーが長くても良い。また、図1(D)においては、ウィスカーの長手断面形状と共に、領域103dで示すように、ウィスカーの輪切り断面形状が混在する。領域103dは、円柱状または円錐状のウィスカーの輪切り断面形状であるため円形であるが、ウィスカーが角柱状または角錐状であれば、領域103dは、多角形状である。ウィスカーの長手方向が不揃いであると、ウィスカー同士が絡む場合があるため、蓄電装置の充放電においてウィスカーが剥離しにくい。
【0037】
本実施の形態に示す蓄電装置の電極は、スピンコーティング法などの塗布法を用いてウィスカーの成長の制御を行った結晶性シリコン層を活物質層として含む。このように活物質層中にウィスカーを含むことで、活物質層の表面積が増大するため、蓄電装置の放電容量が高まる。特に、ウィスカーの成長の制御法としてスピンコーティング法などの塗布法を用いる場合には、活物質層中のウィスカーの数密度を高めることが容易であり、蓄電装置における放電容量を高めることが容易になるというメリットがある。
【0038】
また、本実施の形態に示す蓄電装置の電極は、集電体101と活物質層103(結晶性シリコン層)との間に、少なくとも混合層107を有する。このため、集電体101と活物質層103との界面に起因する電気抵抗を低減することが可能であり、また、集電体101と活物質層103との密着性を高めることが可能であるため、放電容量を高めると共に、蓄電装置の劣化を低減することができる。
【0039】
なお、図1においては、集電体101は、箔状、板状、または網状の導電性部材で形成される形態を示したが、図2に示すように、基板115上に、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、インクジェット法、CVD法等を適宜用いて、集電体111を形成することもできる。
【0040】
以上により、放電容量の高い蓄電装置の電極を作製することができる。
【0041】
〈実験例〉
本実験例では、金属元素を分散させた領域上に、LPCVD法を用いてシリコン層を成膜した場合のシリコンウィスカーの成長について説明する。
【0042】
本実験例で用いた試料について説明する。ガラス基板上に、金属元素を含む薬液(酢酸ニッケル)を塗布することにより金属元素を分散させた。このとき、酢酸ニッケルの濃度は、100ppm、1000ppmの2条件を採用した。
【0043】
その後、金属元素を分散させた領域上にLPCVD法により結晶性シリコン層を形成した。LPCVD法による結晶性シリコン層の形成は、材料ガスとしてシランを用い、シランの流量を300sccmとして反応室内に材料ガスを導入し、反応室内の圧力を20Paとし、反応室内の温度を600℃として行った。また、成膜時間は2時間15分とした。
【0044】
形成された結晶性シリコン層のSEM(Scanning Electron Microscope)写真を図8(A)及び図8(B)に示す。図8(A)は、ニッケルの濃度が100ppmの場合のSEM写真であり、図8(B)は、ニッケルの濃度が1000ppmの場合のSEM写真である。
【0045】
図8(A)に示す結晶性シリコン層には、結晶性シリコン領域として0.1〜0.3μmの微小グレインが形成され、ウィスカーは形成されなかった。これに対し、図8(B)に示す結晶性シリコン層には、結晶性シリコン領域として0.1〜0.3μmの微小グレインが形成され、該結晶性シリコン領域にウィスカーが形成されていることが確認された。
【0046】
以上により、1000ppm以上の金属元素を分散させた領域上に結晶性シリコン層を形成することにより、結晶性シリコン領域にウィスカーを成長させることができることが示された。
【0047】
なお、本実験例では、結晶性シリコン層の被形成部材としてガラス基板を用いているが、集電体を用いる場合も当然に、ウィスカーの発生を制御可能である。
【0048】
以上、本実施の形態により、放電容量の高い蓄電装置の電極が実現される。本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0049】
(実施の形態2)
本実施の形態では、蓄電装置の構造について、図3を用いて説明する。
【0050】
はじめに、蓄電装置の一例である二次電池の構造について説明する。二次電池の中でも、LiCoO等のリチウム含有金属酸化物を用いたリチウムイオン電池は、放電容量が高く、安全性が高い。よって、ここでは、二次電池の代表例であるリチウムイオン電池の構造について説明する。
【0051】
図3(A)は、蓄電装置151の平面図であり、図3(A)の一点鎖線A−Bの断面図を図3(B)に示す。
【0052】
図3(A)に示す蓄電装置151は、外装部材153の内部に蓄電セル155を有する。また、蓄電セル155に接続する端子部157、159を有する。外装部材153には、ラミネートフィルム、高分子フィルム、金属フィルム、金属ケース、プラスチックケース等を用いることができる。
【0053】
図3(B)に示すように、蓄電セル155は、負極163と、正極165と、負極163及び正極165の間に設けられるセパレータ167と、外装部材153中に満たされる電解質169とで構成される。
【0054】
負極163は、負極集電体171及び負極活物質層173を含んで構成される。正極165は、正極集電体175及び正極活物質層177を含んで構成される。負極活物質層173は、負極集電体171の一方の面または対向する二つの面に形成される。正極活物質層177は、正極集電体175の一方の面または対向する二つの面に形成される。
【0055】
また、負極集電体171は、端子部159と接続する。また、正極集電体175は、端子部157と接続する。また、端子部157、端子部159は、それぞれ一部が外装部材153の外側に導出されている。
【0056】
なお、本実施の形態では、蓄電装置151として、パウチされた薄型蓄電装置を示したが、ボタン型蓄電装置、円筒型蓄電装置、角型蓄電装置等、様々な構造の蓄電装置を実現しうる。また、本実施の形態では、正極、負極、及びセパレータが積層された構造を示したが、正極、負極、及びセパレータが捲回された構造であってもよい。
【0057】
負極集電体171には、実施の形態1に示す集電体101、集電体111を用いることができる。
【0058】
負極活物質層173には、実施の形態1に示す結晶性シリコン層で形成される活物質層103を用いることができる。なお、結晶シリコン層にリチウムをドープしてもよい。また、LPCVD装置において、負極集電体171を枠状のサセプターで保持しながら結晶性シリコン層で形成される活物質層103を形成することで、負極集電体171の両面に同時に活物質層103を形成することが可能であるため、工程数を削減することができる。
【0059】
正極集電体175には、アルミニウム、ステンレス等を用いる。正極集電体175には、箔状、板状、網状等の形状を適用することができる。
【0060】
正極活物質層177には、LiFeO、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiFePO、LiCoPO、LiNiPO、LiMnPO、V、Cr、MnO、その他のリチウム化合物を材料として用いることができる。なお、キャリアイオンを、リチウム以外のアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオン、ベリリウムイオン、マグネシウムイオン、とする場合には、正極活物質層177の上記リチウム化合物において、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)やアルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等)、ベリリウム、マグネシウム等を用いることもできる。
【0061】
電解質169の溶質は、キャリアイオンであるリチウムイオンを移送可能で、且つリチウムイオンが安定に存在する材料を用いる。電解質169の溶質の代表例としては、LiClO、LiAsF、LiBF、LiPF、Li(CSON等のリチウム塩がある。なお、キャリアイオンを、リチウム以外のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ベリリウムイオン、またはマグネシウムイオンとする場合には、電解質169の溶質として、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩等を適宜用いることができる。
【0062】
また、電解質169の溶媒としては、キャリアイオンであるリチウムイオンの移送が可能な材料を用いる。電解質169の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましい。非プロトン性有機溶媒の代表例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等があり、これらの一つまたは複数を用いることができる。また、電解質169の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性を含めた安全性が高まる。また、蓄電装置151の薄型化及び軽量化が可能である。ゲル化される高分子材料の代表例としては、シリコンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、フッ素系ポリマー等がある。
【0063】
また、電解質169として、LiPO等の固体電解質を用いることができる。
【0064】
セパレータ167には、絶縁性の多孔体を用いる。セパレータ167の代表例としては、セルロース(紙)、ポリエチレン、ポリプロピレン等がある。
【0065】
リチウムイオン電池は、メモリー効果が小さく、エネルギー密度が高く、放電容量が大きい。また、動作電圧が高い。そして、これらによって、小型化及び軽量化が可能である。また、充放電の繰り返しによる劣化が少なく、長期間の使用が可能であり、コスト削減が可能である。
【0066】
次に、蓄電装置の別の例であるキャパシタの構造について説明する。キャパシタの代表例としては、二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等がある。
【0067】
キャパシタの場合は、図3(B)に示す二次電池の正極活物質層177の代わりに、リチウムイオン及び/またはアニオンを可逆的に吸蔵できる材料を用いればよい。正極活物質層177の代表例としては、活性炭、導電性高分子、ポリアセン有機半導体(PAS)がある。
【0068】
リチウムイオンキャパシタは、充放電の効率が高く、急速充放電が可能であり、繰り返し利用による寿命も長い。
【0069】
これらのキャパシタにおいても、負極として実施の形態1に示す集電体及び活物質層を含む電極を用いることで、放電容量の高い蓄電装置を作製することができる。
【0070】
なお、開示する発明の一形態である電極を用いる蓄電装置は、上述のものに限られない。例えば、蓄電装置の別の一形態である空気電池の負極として実施の形態1に示す集電体及び活物質層を含む電極を用いることも可能である。この場合にも、放電容量の高い蓄電装置を作製することができる。
【0071】
本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0072】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態2で説明した蓄電装置の応用形態について図4を用いて説明する。
【0073】
実施の形態2で説明した蓄電装置は、デジタルカメラやビデオカメラ等のカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置等の電子機器に用いることができる。また、電気自動車、ハイブリッド自動車、鉄道用電気車両、作業車、カート、車椅子等の電気推進車両に用いることができる。ここでは、電気推進車両の代表例として車椅子を用いて説明する。
【0074】
図4は電動式の車椅子501の斜視図である。電動式の車椅子501は、使用者が座る座部503、座部503の後方に設けられた背もたれ505、座部503の前下方に設けられたフットレスト507、座部503の左右に設けられたアームレスト509、背もたれ505の上部後方に設けられたハンドル511を有する。アームレスト509の一方には、車椅子の動作を制御するコントローラ513が設けられる。座部503の下方のフレーム515を介して、座部503前下方には一対の前輪517が設けられ、座部503の後下方には一対の後輪519が設けられる。後輪519は、モータ、ブレーキ、ギア等を有する駆動部521に接続される。座部503の下方には、バッテリー、電力制御部、制御手段等を有する制御部523が設けられる。制御部523は、コントローラ513及び駆動部521と接続しており、使用者によるコントローラ513の操作により、制御部523を介して駆動部521が駆動し、電動式の車椅子501の前進、後進、旋回等の動作及び速度を制御する。
【0075】
実施の形態2で説明した蓄電装置を制御部523の電源として用いることができる。制御部523の電源は、プラグイン技術や非接触給電による外部からの電力供給により充電をすることができる。なお、電気推進車両が鉄道用電気車両の場合、架線や導電軌条からの電力供給により充電をすることもできる。
【0076】
本実施の形態は、他の実施の形態などと組み合わせて実施することが可能である。
【0077】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1で示した放電容量の高い蓄電装置の電極の応用形態について図5を用いて説明する。
【0078】
図5はコイン型の二次電池の構造を示す模式図である。
【0079】
なお、図5に示すように、コイン型の二次電池は、負極204、正極232、セパレータ210、電解液(図示せず)、筐体206及び筐体244を有する。このほかにはリング状絶縁体220、スペーサー240及びワッシャー242を有する。
【0080】
電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒にLiPFを溶解させたものを用いるとよいが、これに限られない。
【0081】
負極204は、負極集電体200上に負極活物質層202を有する。負極集電体200としては、例えば銅を用いるとよい。また、実施の形態1に示す集電体101、及び集電体111を用いることができる。負極活物質としては、グラファイトやポリアセン等を用い、これを単独、あるいはバインダーで混合したものを負極活物質層202として用いるとよい。また、実施の形態1に示す結晶性シリコン層で形成される活物質層103を用いることができる。
【0082】
セパレータ210には、空孔が設けられた絶縁体(例えば、ポリプロピレン)を用いてもよいが、リチウムイオンを透過させる固体電解質を用いてもよい。
【0083】
筐体206、筐体244、スペーサー240及びワッシャー242は、金属(例えば、ステンレス)製のものを用いるとよい。筐体206及び筐体244は、負極204及び正極232を外部と電気的に接続する機能を有している。
【0084】
これら負極204、正極232及びセパレータ210を電解液に含浸させ、図5に示すように、筐体206内の負極204、セパレータ210、リング状絶縁体220、正極232、スペーサー240、ワッシャー242、筐体244をこの順で積層し、筐体206と筐体244とを圧着してコイン型の二次電池を作製する。
【0085】
本実施の形態は、他の実施の形態などと組み合わせて実施することが可能である。
【0086】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る放電容量の高い蓄電装置を、無線給電システム(以下、RF給電システムと呼ぶ。)の二次電池に用いた場合の一例を、図6及び図7のブロック図を用いて説明する。なお、各ブロック図では、受電装置および給電装置内の構成要素を機能ごとに分類し、互いに独立したブロックとして示しているが、実際の構成要素は機能ごとに完全に切り分けることが困難であり、一つの構成要素が複数の機能に係わることもあり得る。
【0087】
はじめに、図6を用いてRF給電システムについて説明する。
【0088】
受電装置600は、給電装置700から供給された電力で駆動する電子機器または電気推進車両であるが、この他電力で駆動する装置に適宜適用することができる。電子機器の代表例としては、デジタルカメラやビデオカメラ等のカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、表示装置、コンピュータ等がある。また、電気推進車両の代表例としては、電気自動車、ハイブリッド自動車、鉄道用電気車両、作業車、カート、車椅子等がある。また、給電装置700は、受電装置600に電力を供給する機能を有する。
【0089】
図6において、受電装置600は、受電装置部601と、電源負荷部610とを有する。受電装置部601は、受電装置用アンテナ回路602と、信号処理回路603と、二次電池604とを少なくとも有する。また、給電装置700は、給電装置用アンテナ回路701と、信号処理回路702とを少なくとも有する。
【0090】
受電装置用アンテナ回路602は、給電装置用アンテナ回路701が発信する信号を受け取る、あるいは、給電装置用アンテナ回路701に信号を発信する役割を有する。信号処理回路603は、受電装置用アンテナ回路602が受信した信号を処理し、二次電池604の充電、二次電池604から電源負荷部610への電力の供給を制御する。また、信号処理回路603は、受電装置用アンテナ回路602の動作を制御する。すなわち、受電装置用アンテナ回路602から発信する信号の強度、周波数などを制御することができる。電源負荷部610は、二次電池604から電力を受け取り、受電装置600を駆動する駆動部である。電源負荷部610の代表例としては、モータ、駆動回路等があるが、その他の電力を受け取って受電装置を駆動する装置を適宜用いることができる。また、給電装置用アンテナ回路701は、受電装置用アンテナ回路602に信号を送る、あるいは、受電装置用アンテナ回路602からの信号を受け取る役割を有する。信号処理回路702は、給電装置用アンテナ回路701が受信した信号を処理する。また、信号処理回路702は、給電装置用アンテナ回路701の動作を制御する。すなわち、給電装置用アンテナ回路701から発信する信号の強度、周波数などを制御することができる。
【0091】
本発明の一態様に係る二次電池は、図6で説明したRF給電システムにおける受電装置600が有する二次電池604として利用される。
【0092】
RF給電システムに本発明の一態様に係る二次電池を利用することで、従来の二次電池に比べて蓄電量を増やすことができる。よって、無線給電の時間間隔を延ばすことができる(何度も給電する手間を省くことができる)。
【0093】
また、RF給電システムに本発明の一態様に係る二次電池を利用することで、電源負荷部610を駆動することができる蓄電量が従来と同じであれば、受電装置600の小型化及び軽量化が可能である。従って、トータルコストを減らすことができる。
【0094】
次に、RF給電システムの他の例について図7を用いて説明する。
【0095】
図7において、受電装置600は、受電装置部601と、電源負荷部610とを有する。受電装置部601は、受電装置用アンテナ回路602と、信号処理回路603と、二次電池604と、整流回路605と、変調回路606と、電源回路607とを、少なくとも有する。また、給電装置700は、給電装置用アンテナ回路701と、信号処理回路702と、整流回路703と、変調回路704と、復調回路705と、発振回路706とを、少なくとも有する。
【0096】
受電装置用アンテナ回路602は、給電装置用アンテナ回路701が発信する信号を受け取る、あるいは、給電装置用アンテナ回路701に信号を発信する役割を有する。給電装置用アンテナ回路701が発信する信号を受け取る場合、整流回路605は受電装置用アンテナ回路602が受信した信号から直流電圧を生成する役割を有する。信号処理回路603は受電装置用アンテナ回路602が受信した信号を処理し、二次電池604の充電、二次電池604から電源回路607への電力の供給を制御する役割を有する。電源回路607は、二次電池604が蓄電している電圧を電源負荷部610に必要な電圧に変換する役割を有する。変調回路606は受電装置600から給電装置700へ何らかの応答信号を送信する場合に使用される。
【0097】
電源回路607を有することで、電源負荷部610に供給する電力を制御することができる。このため、電源負荷部610に過電圧が印加されることを低減することが可能であり、受電装置600の劣化や破壊を低減することができる。
【0098】
また、変調回路606を有することで、受電装置600から給電装置700へ信号を送信することが可能である。このため、受電装置600の充電量を判断し、一定量の充電が行われた場合に、受電装置600から給電装置700に信号を送信し、給電装置700から受電装置600への給電を停止させることができる。この結果、二次電池604の受電量を100%としないことで、二次電池604の充電回数を増加させることが可能である。
【0099】
また、給電装置用アンテナ回路701は、受電装置用アンテナ回路602に信号を送る、あるいは、受電装置用アンテナ回路602から信号を受け取る役割を有する。受電装置用アンテナ回路602に信号を送る場合、信号処理回路702は、受電装置に送信する信号を生成する。発振回路706は一定の周波数の信号を生成する。変調回路704は、信号処理回路702が生成した信号と発振回路706で生成された一定の周波数の信号に従って、給電装置用アンテナ回路701に電圧を印加する役割を有する。このようにすることで、給電装置用アンテナ回路701から信号が出力される。一方、受電装置用アンテナ回路602から信号を受け取る場合、整流回路703は受け取った信号を整流する役割を有する。復調回路705は、整流回路703が整流した信号から受電装置600が給電装置700に送った信号を抽出する。信号処理回路702は復調回路705によって抽出された信号を解析する役割を有する。
【0100】
なお、RF給電を行うことができれば、各回路の間に他のどのような回路を設けてもよい。例えば、受電装置600が信号を受信し整流回路605で直流電圧を生成したあとに、後段に設けられたDC−DCコンバータやレギュレータといった回路によって、定電圧を生成してもよい。このようにすることで、受電装置600内部に過電圧が印加されることを抑制することができる。
【0101】
本発明の一態様に係る二次電池は、図7で説明したRF給電システムにおける受電装置600が有する二次電池604として利用される。
【0102】
RF給電システムに本発明の一態様に係る二次電池を利用することで、従来の二次電池に比べて蓄電量を増やすことができるので、無線給電の間隔を延ばすことができる(何度も給電する手間を省くことができる)。
【0103】
また、RF給電システムに本発明の一態様に係る二次電池を利用することで、電源負荷部610を駆動することができる蓄電量が従来と同じであれば、受電装置600の小型化及び軽量化が可能である。従って、トータルコストを減らすことができる。
【0104】
なお、RF給電システムに本発明の一態様に係る二次電池を利用し、受電装置用アンテナ回路602と二次電池604を重ねる場合は、二次電池604の充放電による二次電池604の形状の変形と、当該変形に伴うアンテナの形状の変形によって、受電装置用アンテナ回路602のインピーダンスが変化しないようにすることが好ましい。アンテナのインピーダンスが変化してしまうと、十分な電力供給がなされない可能性があるためである。例えば、二次電池604を金属製あるいはセラミックス製の電池パックに装填するようにすればよい。なお、その際、受電装置用アンテナ回路602と電池パックは数十μm以上離れていることが望ましい。
【0105】
また、充電用の信号の周波数に特に限定はなく、電力が伝送できる周波数であればどの帯域であっても構わない。充電用の信号は、例えば、135kHzのLF帯(長波)でも良いし、13.56MHzのHF帯でも良いし、900MHz〜1GHzのUHF帯でも良いし、2.45GHzのマイクロ波帯でもよい。
【0106】
また、信号の伝送方式として電磁結合方式、電磁誘導方式、共鳴方式、マイクロ波方式など様々な種類があるが、適宜選択すればよい。ただし、雨や泥などの、水分を含んだ異物によるエネルギーの損失を抑えるためには、周波数が低い帯域、具体的には、超長波である3kHz〜30kHz、長波である30kHz〜300kHz、中波である300kHz〜3MHz、および短波である3MHz〜30MHzの周波数を利用した電磁誘導方式や共鳴方式を用いることが望ましい。
【0107】
本実施の形態は、他の実施の形態などと組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0108】
101 集電体
102 金属元素を分散させた領域
103 活物質層
103a 結晶性シリコン領域
103b 結晶性シリコン領域
103d 領域
105 領域
107 混合層
109 金属酸化物層
111 集電体
113a ウィスカー
113b ウィスカー
115 基板
151 蓄電装置
153 外装部材
155 蓄電セル
157 端子部
159 端子部
163 負極
165 正極
167 セパレータ
169 電解質
171 負極集電体
173 負極活物質層
175 正極集電体
177 正極活物質層
200 負極集電体
202 負極活物質層
204 負極
206 筐体
210 セパレータ
220 リング状絶縁体
232 正極
240 スペーサー
242 ワッシャー
244 筐体
501 車椅子
503 座部
505 背もたれ
507 フットレスト
509 アームレスト
511 ハンドル
513 コントローラ
515 フレーム
517 前輪
519 後輪
521 駆動部
523 制御部
600 受電装置
601 受電装置部
602 受電装置用アンテナ回路
603 信号処理回路
604 電池
605 整流回路
606 変調回路
607 電源回路
610 電源負荷部
700 給電装置
701 給電装置用アンテナ回路
702 信号処理回路
703 整流回路
704 変調回路
705 復調回路
706 発振回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電体上に、金属元素を分散させ、
前記金属元素が分散された前記集電体表面に、シリコンを含む堆積性ガスを原料ガスに用い、低圧化学蒸着法によりウィスカーを含む結晶性シリコン層を活物質層として形成する蓄電装置の作製方法。
【請求項2】
前記低圧化学蒸着法は、580℃より高い温度で行う請求項1に記載の蓄電装置の作製方法。
【請求項3】
前記シリコンを含む堆積性ガスとして、水素化シリコン、フッ化シリコン、または塩化シリコンを用いる請求項1または2に記載の蓄電装置の作製方法。
【請求項4】
前記集電体は、箔状、板状、または網状である請求項1乃至3のいずれか一に記載の蓄電装置の作製方法。
【請求項5】
基板上に前記集電体を、スパッタリング法または化学蒸着法により形成する請求項1乃至4のいずれか一に記載の蓄電装置の作製方法。
【請求項6】
前記金属元素の分散は、1000ppm以上の前記金属元素を含む薬液を塗布することにより行う請求項1乃至5のいずれか一に記載の蓄電装置の作製方法。
【請求項7】
前記金属元素は、シリサイドを形成する元素である請求項1乃至6のいずれか一に記載の蓄電装置の作製方法。
【請求項8】
前記金属元素は、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、及びニッケルのいずれか一または複数である請求項7に記載の蓄電装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−9432(P2012−9432A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117708(P2011−117708)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】