説明

蓄電装置,蓄電池管理制御装置及びモータ駆動装置

【課題】複数のセルコントローラとバッテリーコントローラとが数珠繋ぎのシリアル通信で接続された構成をとるとき、シリアル通信の信頼性を向上させる。
【解決手段】複数のセルコントローラとバッテリーコントローラ3とが、数珠繋ぎのシリアル通信で接続される。バッテリーコントローラ3若しくはセルコントローラは、他のコントローラから入力するデータの通信速度を検出する通信速度検出手段36と、通信速度検出手段によって検出された通信速度に基づいて、前記他の制御装置から入力するデータの受信タイミングを補正する受信タイミング補正手段37を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載又は電源用2次電池(蓄電池:リチウム電池)の状態を管理する蓄電装置,蓄電池管理制御装置,蓄電池モジュール用制御装置及びこの蓄電装置を用いたモータ駆動装置に係り、特に、蓄電池を構成する単位電池を管理する複数のセルコントローラと、蓄電池全体を管理するバッテリーコントローラをディジーチェンで接続したものに用いるに好適な蓄電装置,蓄電池管理制御装置及びモータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車或いは電気自動車では、複数の単位電池(セル)から成る組電池が蓄電装置に用いられる。組電池の各セルはモジュールと呼ばれる所定数のセル毎に区分される。区分されたひとまとめは、蓄電モジュールと称される。
【0003】
従来の蓄電装置は、複数のセルを直列に接続した蓄電モジュールをさらに直列接続した複数の蓄電モジュールと、複数の蓄電モジュールのそれぞれに対応して設けられ、蓄電モジュールを構成する複数のセルを制御する複数の下位コントローラ(セルコントローラ)と、複数の下位コントローラ(セルコントローラ)を制御する上位コントローラ(バッテリーコントローラ)から構成される。セルコントローラおよびバッテリーコントローラ間は、シリアル通信により相互にデータが送受信される。
【0004】
複数のセルコントローラとバッテリーコントローラとが、環状に,すなわち、数珠繋ぎ(ディジーチェーン)のシリアル通信で接続された蓄電装置について種々知られている(例えば、特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4,特許文献5など)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−74786号公報
【特許文献2】特開2000−299939号公報
【特許文献3】特開2003−70179号公報
【特許文献4】特開2005−318750号公報
【特許文献5】特開2005−318751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数のセルコントローラとバッテリーコントローラとが数珠繋ぎ(ディジーチェーン)のシリアル通信で接続された構成を取ると、各コントローラ間でシリアル通信を行うことにより、送信側コントローラのクロックと受信側コントローラのクロックとのずれがあるため、通信速度(ボーレート)が変化する。また、シリアル通信の信号波形エッジのなまりや、信号のHigh/Low閾値の違いなどにより、信号のHigh/Lowレベルの期間がずれることによっても通信速度が変化する。
【0007】
これらのシリアル通信速度のずれは、複数のセルコントローラを数珠繋ぎ(ディジーチェーン)で接続することにより、更に増大する。ずれが増大した状態でシリアル通信信号がバッテリーコントローラに戻ってきた場合、バッテリーコントローラからセルコントローラへの送信時の通信速度と異なるため、ビットの読み間違いや受信エラーの恐れが生じる。
【0008】
本発明の目的は、複数のセルコントローラとバッテリーコントローラとが数珠繋ぎ(ディジーチェーン)のシリアル通信で接続された構成をとっても、確実なシリアル通信の可能な蓄電装置,蓄電池管理制御装置及びモータ駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、複数の電池セルを直列に接続した組電池が複数個直列に接続された蓄電モジュールと、前記複数の組電池のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記組電池の前記複数の電池セルを制御する複数の制御回路を備えた電池セル制御装置と、前記蓄電池モジュールを管理する蓄電池管理制御装置と、を有し、前記複数の制御回路及び前記蓄電池管理制御装置は環状に接続され、前記制御回路或いは前記蓄電池管理制御装置は、他の制御装置或いは他の制御回路から入力するデータの通信速度を検出する通信速度検出手段、及び該通信速度検出手段によって検出された通信速度に基づいて、前記他の制御装置或いは他の制御回路から入力されるデータの受信タイミングを補正する受信タイミング補正手段を備えるようにしたものである。
かかる構成により、複数の蓄電池モジュール用制御装置と蓄電池管理制御装置とが数珠繋ぎ(ディジーチェーン)のシリアル通信で接続された構成をとっても、確実なシリアル通信が可能となる。
【0010】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記複数の制御回路は、それぞれ、対応する前記組電池の前記複数のセルの蓄電状態を検出し、この検出された蓄電状態を前記蓄電池管理制御装置にシリアル通信で伝達するようにしたものである。
【0011】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記蓄電状態は少なくとも前記電池セルの電圧及び前記電池セルの異常の有無であり、前記蓄電池管理制御装置は、前記各電池セルの電圧に関する情報と全ての前記電池セルの異常の有無の情報とを交互に、前記制御回路からシリアル通信で入手するようにしたものである。
【0012】
(4)また、上記目的を達成するために、本発明は、複数の電池セルを直列に接続した組電池が複数個直列に接続された蓄電モジュール、及び前記複数の組電池のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記組電池の前記複数の電池セルを制御する複数の制御回路を備えた電池セル制御装置を有する蓄電装置に搭載されて、前記蓄電池モジュールを管理する制御装置であって、前記複数の制御回路及び前記蓄電池管理制御装置は環状に接続されていると共に、前記制御回路から入力するデータの通信速度を検出する通信速度検出手段と、該通信速度検出手段によって検出された通信速度に基づいて、前記他の制御装置或いは他の制御回路から入力されるデータの受信タイミングを補正する受信タイミング補正手段と、を有するものである。
かかる構成により、複数の蓄電池モジュール用制御装置と蓄電池管理制御装置とが数珠繋ぎ(ディジーチェーン)のシリアル通信で接続された構成をとっても、確実なシリアル通信が可能となる。
【0013】
(5)また、上記目的を達成するために、本発明は、複数の電池セルを直列に接続した組電池が複数個直列に接続された蓄電モジュール、及び該蓄電モジュールを管理する蓄電池管理制御装置を有する蓄電装置に搭載され、前記複数の組電池のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記組電池の前記複数の電池セルを制御する複数の制御回路を備えた制御装置であって、前記複数の制御回路及び前記蓄電池管理制御装置は環状に接続され、かつ前記蓄電池管理制御装置或いは他の前記制御回路から入力されるデータの通信速度を検出する通信速度検出手段、該通信速度検出手段によって検出された通信速度に基づいて、前記他の制御装置或いは他の制御回路から入力されるデータの受信タイミングを補正する受信タイミング補正手段を有するものである。
かかる構成により、複数の蓄電池モジュール用制御装置と蓄電池管理制御装置とが数珠繋ぎ(ディジーチェーン)のシリアル通信で接続された構成をとっても、確実なシリアル通信が可能となる。
【0014】
(6)さらに、上記目的を達成するために、本発明は、複数の電池セルを直列に接続した組電池が複数個直列に接続された蓄電モジュール、前記複数の組電池のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記組電池の前記複数の電池セルを制御する複数の制御回路を備えた電池セル制御装置、及び前記蓄電モジュールを管理する蓄電池管理制御装置を有する蓄電装置と、前記蓄電装置から供給された電力を制御する制御器と、該制御器によって制御された電力を受けて回転動力を発生するモータと、を有し、前記蓄電装置は、前記複数の制御回路及び前記蓄電池管理制御装置は環状に接続されていると共に、前記制御回路或いは前記蓄電池管理制御装置に、他の制御装置或いは他の制御回路から入力されるデータの通信速度を検出する通信速度検出手段、及び該通信速度検出手段によって検出された通信速度に基づいて、前記他の制御装置或いは他の制御回路から入力されるデータの受信タイミングを補正する受信タイミング補正手段を備えるようにしたものである。
かかる構成により、複数の蓄電池モジュール用制御装置と蓄電池管理制御装置とが数珠繋ぎ(ディジーチェーン)のシリアル通信で接続された構成をとっても、確実なシリアル通信が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数のセルコントローラとバッテリーコントローラとが数珠繋ぎ(ディジーチェーン)のシリアル通信で接続された構成をとっても、確実なシリアル通信が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図1〜図8を用いて、本発明の一実施形態の蓄電装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態の蓄電装置の全体構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態の蓄電装置の全体構成を示すブロック図である。
【0017】
図1において、4個の電池セル1A,1B,1C,1Dが直列に接続されて1単位となり、単位電池セル(組電池)1−1を構成する。電池セル1A,1B,1C,1Dとしては、例えば、リチウム電池が用いられる。その場合、各電池セル1A,1B,1C,1Dの電圧は、3.6Vであり、単位電池セル1−1の電圧は、14.4Vとなる。
【0018】
図示の例では、3個の単位電池セル1−1,1−2,1−3が直列接続されているが、接続される単位電池セル1の数は、例えば、12個である。12個直列接続された単位電池セル1によって、蓄電モジュールが構成される。この場合、蓄電モジュールの電圧は、約170Vである。例えば300V以上の電圧が必要な場合には、2個の蓄電モジュールが直列接続される。
【0019】
セルコントローラ(CC)2−1は、単位電池セル1−1に対応して設けられている。セルコントローラ2−1は、単位電池セル1−1を監視する。セルコントローラ2−2,2−3は、単位電池セル1−2,1−3を監視する。セルコントローラ2−1の入力端子V1,V2,V3,V4は、それぞれ、単位電池セル1−1の電池セルの1A,1B,1C,1Dの正端子に接続されている。セルコントローラ2−1の入力端子GNDは、電池セルの1Dの負端子に接続されている。また、セルコントローラ2−1の入力端子B1,B2,B3,B4は、それぞれ、抵抗R1,R2,R3,R4を介して、単位電池セル1−1の電池セルの1A,1B,1C,1Dの正端子に接続されている。セルコントローラ2−1の電源端子VCCは、電池セル1Aの正端子に接続されている。
【0020】
また、セルコントローラ2−1の信号入力端子RXには、フォトカプラのような絶縁手段4A及びシリアル通信ラインSL1,SL2を介して、バッテリーコントローラ3の信号出力端子TXが接続されている。セルコントローラ2−1の信号出力端子TXには、シリアル通信ラインSL3,SL4を介して、セルコントローラ2−1の信号入力端子RXが接続されている。さらに、セルコントローラ2−2の信号出力端子TXには、シリアル通信ラインSL5,SL6を介して、セルコントローラ1−3の信号入力端子RXが接続されている。セルコントローラ2−3の信号出力端子TXには、フォトカプラのような絶縁手段4B及びシリアル通信ラインSL7,SL8を介して、を介して、バッテリーコントローラ3の信号入力端子RXが接続されている。
【0021】
このように、バッテリーコントローラ3と、複数のセルコントローラ2−1,2−2,2−3は、環状に,すなわち、数珠繋ぎ(ディジーチェーン)のシリアル通信で接続されている。
【0022】
セルコントローラ2は、4個の電池セルで構成される単位電池セル毎に設けられている。図1においては、セルコントローラが3つ示してあるが、各セルコントローラ間に多数のセルコントローラが設けられており、このセルコントローラは、リチウム電池の全電池セルを4個の電池セルを単位とする数だけ設けられている。
【0023】
なお、図1において、4個の電池セル1A,1B,1C,1Dが直列に接続されて1単位を構成する単位電池セル1−1にセルコントローラ2−1が対応して設けられているが、4個という数に必ずしも限定されず、例えば6個または8個に対応するセルコントローラも可能である。
【0024】
電圧検出手段6は、直列接続された単位電池セル1−1,1−2,1−3からなる蓄電モジュールの全体の電圧を検出する。検出された電圧は、フォトカプラのような絶縁手段4Cを介して、バッテリーコントローラ3の電圧入力端子VALLに入力する。電流検出手段7は、直列接続された単位電池セル1−1,1−2,1−3からなる蓄電モジュールに流れる電流を検出する。検出された電流は、バッテリーコントローラ3は、電流入力端子CURに入力する。
【0025】
バッテリーコントローラ3は、通信端子COMを備える。バッテリーコントローラ3は、通信端子COMを介して、上位のコントローラに蓄電モジュールの状態を通報する。
【0026】
直列接続された単位電池セル1−1,1−2,1−3からなる蓄電モジュールには、負荷Lが接続されている。負荷は、例えば、ハイブリッド自動車或いは電気自動車に用いられるモータ・ジェネレータである。モータ・ジェネレータを電動機として用いる場合、電動機は、蓄電モジュールの蓄電圧によって駆動される。また、モータ・ジェネレータを発電機として用いる場合、発電機よって発生した電力は、蓄電モジュールに蓄積される。
【0027】
セルコントローラ2は、演算手段であるマイクロコンピュータICの他に、電源電圧生成のための電圧レギュレータIC、クロック生成のための水晶またはセラミック振動子部品、電圧検出手段の1つであるA/D(Analog Digital)変換部品と、その基準電圧生成用部品といった複数の部品により構成可能だが、部品点数の削減のため集積化し、1チップまたはSiP(System in Package)化することでセルコントローラに必要な電圧検出手段,通信手段,演算手段等を1つの半導体装置(IC)で構成することが可能である。同様にバッテリーコントローラに必要な電圧検出手段,電流検出手段,通信手段,演算手段等を1つの半導体装置(IC)で構成することが可能である。
【0028】
次に、図2を用いて、本実施形態の蓄電装置に用いられるセルコントローラ2の構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態の蓄電装置に用いられるセルコントローラの構成を示すブロック図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。また、図1に示したセルコントローラ2−1,2−2,2−3は、全て同一の構成であるため、ここでは、セルコントローラ2として図示している。さらに、セルコントローラ2は、1つの半導体装置(セルコントローラIC)で構成している。また、図1に示した単位電池セル1−1,1−2,1−3は、全て同一の構成であるため、ここでは、単位電池セル1として図示している。単位電池セル1は、電池セル1A,1B,1C,1Dから構成されている。
【0029】
図2において、単位電池セル1の電池セル1Aの正端子は、入力端子V1を介して選択手段20に接続されている。選択手段20は、例えばマルチプレクサで構成されている。選択手段20には、スイッチ20A,20B,20C,20D,20Eが設けられている。そして、入力端子V1には、スイッチ20Aの一方の端子が接続され、スイッチ20Aの他方の端子は、電圧検出手段22に接続されている。また、単位電池セル1の電池セル1Aの負端子で、電池セル2Bの正端子には、入力端子V2を介して選択手段20のスイッチ20Bの一方の端子が接続され、スイッチ20Bの他方の端子は、電圧検出手段22に接続されている。
【0030】
また、単位電池セル1の電池セル1Bの負端子で、電池セル1Cの正端子には、入力端子V3を介して、選択手段20のスイッチ20Cの一方の端子が接続され、スイッチ20Cの他方の端子は、電圧検出手段22に接続されている。さらに、単位電池セル1の電池セル2Cの負端子で、電池セル2Dの正端子には、入力端子V4を介して、選択手段20のスイッチ20Dの一方の端子が接続され、スイッチ20Dの他方の端子は、電圧検出手段22に接続されている。
【0031】
そして、単位電池セル1の電池セル2Dの負端子には、GND(グランド)端子を介して、選択手段20のスイッチ20Eの一方の端子が接続され、スイッチ20Eの他方の端子は、電圧検出手段22に接続されている。
【0032】
電源21は、入力端子VCCを入力とするDC/DCコンバータ等で構成される。電源21は、単位電池セル1の電力を所定の電圧に変換して、セルコントローラICチップ内の各回路の駆動電源を供給する。
【0033】
また、電圧検出手段22は、単位電池セル1の電池セル1A,1B,1C,1Dの各端子間電圧を検出する。検出した電池セル1A,1B,1C,1Dの各端子間電圧は、演算手段23に出力される。
【0034】
演算手段23には、電源管理手段24と、記憶手段25と、補正手段26とが設けられている。電源管理手段24は、電源21のON/OFF制御をする。記憶手段25は、電圧検出手段22で検出した単位電池セル1の電池セル1A,1B,1C,1Dの各端子間電圧を、各電池セル1A,1B,1C,1D毎に記憶する。補正手段26は、電圧検出手段22において検出した単位電池セル1の電池セル1A,1B,1C,1Dの各端子間電圧を補正する。
【0035】
演算手段23には、通信手段27が接続されている。通信手段27は、バッテリーコントローラ3から送出されてきた通信コマンド(8bit,10bit,12bit等のHigh/Lowレベル信号)を絶縁手段4Aを介してRX端子から受信する。すなわち、バッテリーコントローラ3は、各電池セル1A,1B,1C,1D間の電圧を読む通信コマンドであるとか、特定の単位電池セル1に各電池セル1A,1B,1C,1D間の電圧を調整する通信コマンド等、特定のセルコントローラICに動作させる指令を絶縁手段4Aに送信する。絶縁手段4Aでは、バッテリーコントローラ3から入力した通信コマンドを直接送信せず、絶縁した上で通信手段27に送信する。絶縁手段4Aは、例えばフォトカプラICで構成され、電源を必要とする。
【0036】
また、単位電池セル1の電池セル1Aの正端子は、抵抗R1を介してB1端子に接続されている。単位電池セル1の電池セル1Aの両端子間には、抵抗R1と直列に接続されたバランシングスイッチ28Aが挿入接続されている。
【0037】
また、単位電池セル1の電池セル1Bの正端子は、抵抗R2を介してB2端子に接続されている。単位電池セル1の電池セル1Bの両端子間には、抵抗R2と直列に接続されたバランシングスイッチ28Bが挿入接続されている。
【0038】
また、単位電池セル1の電池セル2Cの正端子は、抵抗R3を介してB3端子に接続されている。単位電池セル1の電池セル1Cの両端子間には、抵抗R3と直列に接続されたバランシングスイッチ28Cが挿入接続されている。
【0039】
さらに、単位電池セル1の電池セル1Dの正端子は、抵抗R4を介してB4端子に接続されている。単位電池セル1の電池セル1Dの両端子間には、抵抗R4と直列に接続されたバランシングスイッチ28Dが挿入接続されている。
【0040】
バランシングスイッチ28A,28B,28C,28Dは、単位電池セル1を構成している各直列に接続された電池セル1A,1B,1C,1Dを放電し、単位電池セルを構成する4個の電池セル1A,1B,1C,1Dの各電池セル電圧を合わせるため、抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4をそれぞれ介して電池セル間を短絡するスイッチである。バランシングスイッチ28A,28B,28C,28Dは、演算手段23の指令により、スイッチ駆動手段29によって、オンオフされる。
【0041】
次に、図3を用いて、本実施形態の蓄電装置に用いられるバッテリーコントローラ3の構成について説明する。
図3は、本発明の一実施形態の蓄電装置に用いられるバッテリーコントローラの構成を示すブロック図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。なお、バッテリーコントローラ3は、1つの半導体装置(バッテリーコントローラIC)で構成している。
【0042】
選択手段30は、図1の電流検出手段7及び電圧測定手段6によって検出された組み電池の電流と総電圧を選択する。A/D変換器32は、選択された組み電池の電流若しくは総電圧をディジタル信号に変換し、演算手段33に出力する。演算手段33は、これらの測定データを処理し、通信手段35を用いて、上位システムに送信する。上位システムは、例えば、ハイブリッド自動車用途においては、ビークルコントローラやモータコントローラ等の蓄電池の状態に基づき蓄電池を使用する上位のコントローラである。
【0043】
通信速度検出手段36は、通信手段34によって受信したシリアル通信のデータを取得して、そのときの通信速度を検出する。演算手段33は、通信速度検出手段36によって検出された通信速度に応じて、受信タイミング補正手段37に出力するクロック信号CLKの周期を可変する。クロック信号CLKは、シリアル通信のデータの受信タイミングを規定するものである。受信タイミング補正手段37は、入力する可変クロックCLKのタイミングで、受信したデータを読み込む。なお、通信速度検出手段36の詳細については、図6及び図7を用いて説明する。
【0044】
通信手段35は、CANやLIN(Local Interconnect Network)やUARTやブルートゥース等のシリアル信号を通信する回路、または、フォトカプラやリレーなどのON−OFF信号を通信する回路からなる。
【0045】
電源31は、端子VC12から入力する電力を用いて、バッテリーコントローラICの内部に給電する。
【0046】
次に、図4及び図5を用いて、本実施形態の蓄電装置におけるバッテリーコントローラと各セルコントローラの間のシリアル通信の内容について、説明する。
図4は、本発明の一実施形態の蓄電装置におけるバッテリーコントローラと各セルコントローラの間のシリアル通信の内容の説明ブロック図である。図5は、本発明の一実施形態の蓄電装置におけるバッテリーコントローラと各セルコントローラの間のシリアル通信の際のデータ構成図である。
【0047】
図4に示すように、最初に、バッテリーコントローラ3は、セルコントローラ1−1に対して、データ取得要求CC1−D−Reqを送信すると、それに応えて、セルコントローラ1−1は、取得したデータCC1−Dを、バッテリーコントローラ3に送信する。データCC1−Dとしては、セルコントローラ1−1が管理する各セル電池1A,1B,1C,1Dの電池電圧の他に、温度等の測定データが含まれる。
【0048】
次に、バッテリーコントローラ3は、全てのセルコントローラ1−1,1−2,1−3に対して、異常フラグ取得要求ALL−AF−Reqを送信すると、それに応えて、全てのセルコントローラ1−1,1−2,1−3は、それぞれ、取得した異常フラグAFを、バッテリーコントローラ3に送信する。異常フラグは、各セル電池1A,1B,1C,1Dの異常(過充電、過放電)の有無が含まれる。
【0049】
次に、バッテリーコントローラ3は、セルコントローラ1−2に対して、データ取得要求CC2−D−Reqを送信すると、それに応えて、セルコントローラ1−2は、取得したデータCC2−Dを、バッテリーコントローラ3に送信する。
【0050】
次に、バッテリーコントローラ3は、全てのセルコントローラ1−1,1−2,1−3に対して、異常フラグ取得要求ALL−AF−Reqを送信すると、それに応えて、全てのセルコントローラ1−1,1−2,1−3は、それぞれ、取得した異常フラグAFを、バッテリーコントローラ3に送信する。
【0051】
このように、各セルコントローラに対して順次データ取得要求を送信するとともに、それぞれのデータ取得要求の間に、全てのセルコントローラに対する、異常フラグ取得要求を送信する処理を繰り返す。
【0052】
このように、各セルコントローラにより取得される各セル電池電圧、温度等の測定データを取得しつつ、その間にセル電池の異常(過充電、過放電)の有無の取得を行うことができる。その結果、バッテリーコントローラは、緊急性が高いセル電池における異常の有無の検知と各セル電池電圧取得による内部抵抗バラツキの影響を加味したバッテリー制御の両方を実現できる。
【0053】
従来は、複数個のセル電圧の中で1つでもセル電池の過充電、過放電といったある所定値を超えた場合または小さい場合、各セルコントローラは異常フラグをバッテリーコントローラに送信することでセル電池の異常(過充電、過放電)の有無を最低1回のシリアル通信ラインを用いた送受信により知ることができた。しかしながら、異常フラグの取得のみでは、各セル電池電圧の取得ができないため、各セル電池の内部抵抗バラツキの影響を加味したバッテリー制御ができないという問題があった。しかし、このような問題は、上述のように、各セル電池電圧を取得しつつ、その間にセル電池の異常の有無を取得することで解消することができる。
【0054】
図5(A)は、バッテリーコントローラ3から、各セルコントローラ1−1,1−2,1−3に送信されるシリアル通信のデータ構成を示している。バッテリーコントローラ3から送られるデータは、ブレークフィールドBrk−Fと、シンクロナスフィールドSync−Fと、アイディンティファイアIdと、データバイトDB1と、チェックサムCSとから構成されている。
【0055】
ブレークフィールドBrk−Fは、送信されるデータの先頭を表すフィールドであり、所定時間連続するローレベルの信号で構成される。
【0056】
シンクロナスフィールドSync−Fは、ローレベルと、ハイレベルの信号が交互に繰り返される信号であり、データの同期を取るために用いられる。
【0057】
アイディンティファイアIdは、問い合わせ先のセルコントローラ1−1,1−2,1−3を特定するためのデータである。各セルコントローラ1−1,1−2,1−3には固有のID番号が割り当てられている。アイディンティファイアIdには、そのID番号が記述される。なお、全てのセルコントローラ1−1,1−2,1−3に同時に問い合わせるためのID番号も決められている。
【0058】
データバイトDB1は、問い合わせ内容を示すデータである。例えば、セルコントローラ1−1が管理するセル電池の電圧を要求したり、全てのセルコントローラに対して異常フラグの有無を要求する。
【0059】
チェックサムCSは、送信されるデータのチェックのために用いられるパリティビットのような情報である。
【0060】
図5(B)は、各セルコントローラ1−1,1−2,1−3から、バッテリーコントローラ3に送信されるシリアル通信のデータ構成を示している。各セルコントローラ1−1,1−2,1−3から送られるデータは、ブレークフィールドBrk−Fと、シンクロナスフィールドSync−Fと、アイディンティファイアIdと、データバイトDB2と、チェックサムCSとから構成されている。ブレークフィールドBrk−Fと、シンクロナスフィールドSync−Fと、アイディンティファイアIdとは、バッテリーコントローラ3から送られたデータをコピーしたものである。
【0061】
データバイトDB2は、バッテリーコントローラ3から送られた問い合わせデータに加えて、それに対する回答であるセル電池の電圧や、異常フラグの有無のデータを有している。
【0062】
チェックサムCSは、送信されるデータのチェックのために用いられるパリティビットのような情報である。
【0063】
次に、図6を用いて、本実施形態の蓄電装置のバッテリーコントローラに用いる通信速度検出手段36及び受信タイミング補正手段37の動作について説明する。
図6は、本発明の一実施形態の蓄電装置におけるバッテリーコントローラに用いる通信速度検出手段の動作説明図である。図7は、本発明の一実施形態の蓄電装置におけるバッテリーコントローラに用いる受信タイミング補正手段の動作説明図である。
【0064】
通信速度検出手段36は、入力端子RXから入力したデータの内、シンクロナスフィールドSync−Fに着目して、各ハイレベルとローレベルの時間を計測する。
【0065】
通信速度検出手段36は、例えば、図6に示すように、各ハイレベルの時間をtH1,tH2,tH3,tH4として計測し、各ローレベルの時間tL1,tL2,tL3,tL4として計測する。その上で、各ハイレベルの時間の平均値t及び各ローレベルの時間の平均値tとして算出する。さらに、ハイローの平均値の和から周期t=t+tを算出する。周期tは、演算手段33に送られる。
【0066】
ここで、バッテリーコントローラ3から送られた問い合わせデータの周期を19.2kbpsとすると、データの1周期は、52μsとなる。
【0067】
演算手段33は、通信速度検出手段36から得た周期tのデータを用いて、受信タイミング補正手段37に送出するクロック信号CLKの周期を可変する。
【0068】
ここで、図7を用いて、受信タイミング補正手段37の動作について説明する。
【0069】
図7(A)は、入力端子RXから入力して、通信手段34から出力し、受信タイミング補正手段37に入力したデータ信号を示している。図7(B)は、演算手段33が出力し、受信タイミング補正手段37に入力したクロック信号CLKを示している。
【0070】
本来のデータの周期が52μsであったにも拘わらず、通信速度検出手段36が検出したデータ周期がtが50μsであったとすると、演算手段33は、出力するクロック信号CLKの周期tを50μsとする。クロック信号CLKは、図7(B)に示すように、ハイ・ローの繰り返し信号であり、その周期がtである。
【0071】
そして、受信タイミング補正手段37は、図7(A)に示す入力データ信号を、クロック信号CLKのハイレベルの立ち上がりタイミングで、取り込む。従って、図7に示す例では、L,L,L,H,H,Lの信号と読み取ることができる。読み取ったデータ信号は、演算手段33に入力する。
【0072】
図1に示したように、複数のセルコントローラ2−1,2−2,2−3と、バッテリーコントローラ3とが、数珠繋ぎ(ディジーチェン)でシリアル通信SL1〜SL8で接続された構成をとるとき、シリアル通信SL1〜SL8の速度のずれは、セルコントローラ2−1,2−2,2−3を複数直列接続することにより、増大するため、シリアル通信信号がバッテリーコントローラに戻ってきた場合、バッテリーコントローラからセルコントローラへの送信時の通信速度と異なるため、ビットの読み間違いや受信エラーの恐れがある。
【0073】
しかしながら、本実施形態のように、通信速度検出手段36と、演算手段33と、受信タイミング補正手段37とにより、通信速度補正機能を持つことにより確実なシリアル通信の実現が可能である。
【0074】
なお、通信速度検出手段36と、受信タイミング補正手段37とは、図3に破線で示すように、セルコントローラ2に備えることもできる。
【0075】
次に、図8を用いて、本実施形態の蓄電装置を搭載したハイブリッド自動車の構成について説明する。
図8は、本発明の一実施形態の蓄電装置を搭載したハイブリッド自動車の構成を示すシステムブロック図である。
【0076】
ハイブリッド自動車は、第1の駆動力源であるエンジンENGと、第2の駆動力源であるモータ・ジェネレータM/Gとを備えている。モータ・ジェネレータM/Gは、駆動力源であるモータとして動作するともに、発電機としても動作する。エンジンENG及びモータ・ジェネレータM/Gから発生した駆動力は、変速機T/Mによって変速され、後輪RR,RLに伝達され、後輪RR,RLを駆動する。
【0077】
エンジンENGは、エンジン・コントロール・ユニットECUによって、その発生する駆動力が制御される。エンジン・コントロール・ユニットECUは、エンジンENGに吸入される空気量に応じて、燃料噴射量,燃料噴射時期,点火時期等を制御する。
【0078】
モータ・ジェネレータM/Gは、例えば、3相同期モータである。モータ・ジェネレータM/Gをモータとして動作させるとき、バッテリーBaに蓄積された電力は、インバータINVにより、直流電力から3相交流電力に変換され、モータ・ジェネレータM/Gに供給される。モータ・ジェネレータM/Gを発電機として動作させるとき、モータ・ジェネレータM/Gの発電電力は、インバータINVにより、3相交流電力から直流電力に変換され、バッテリーBaに蓄電される。モータコントローラMCは、インバータINVの動作を制御する。
【0079】
バッテリーBaは、図1に示したように、複数の電池セルが直列に接続されている。そして、例えば、4個の電池セルが1単位となり、単位電池セルを構成する。セルコントローラ(CC)は、単位電池セルに対応して設けられている。セルコントローラは、単位電池セル1−1を監視する。
【0080】
バッテリコントローラ(BC)3は、図2に示したように構成され、セルコントローラを介して、バッテリーBaの状態を監視する。
【0081】
ビークル・コントロール・ユニットVCUは、エンジン・コントロール・ユニットECU,モータコントローラMC,バッテリコントローラ(BC)3を統合制御する。
【0082】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数のセルコントローラとバッテリーコントローラとが数珠繋ぎのシリアル通信で接続された構成をとるとき、バッテリーコントローラに通信速度補正機能を持つことにより確実なシリアル通信の実現が可能であり、通信の信頼性を向上させることができる。
【0083】
また、セルコントローラとバッテリーコントローラとが数珠繋ぎのシリアル通信で接続された構成をとるとき、各セルコントローラにより取得される各セル電池電圧、温度等の測定データを取得しつつ、間にセル電池の異常(過充電、過放電)の有無の取得を行うことで、バッテリーコントローラは緊急性が高いセル電池における異常の有無の検知と各セル電池の内部抵抗バラツキの影響を加味したバッテリー制御の両方を実現可能とする。これにより、蓄電池システムの信頼性向上と蓄電池の長寿命化が可能となる。
【0084】
本発明は、単セルを複数組み合わせた組み電池を備える電源システムへの適用を目的としており、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両に限定されることなく幅広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施形態の蓄電装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の蓄電装置に用いられるセルコントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態の蓄電装置に用いられるバッテリーコントローラの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態の蓄電装置におけるバッテリーコントローラと各セルコントローラの間のシリアル通信の内容の説明ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態の蓄電装置におけるバッテリーコントローラと各セルコントローラの間のシリアル通信の際のデータ構成図である。
【図6】本発明の一実施形態の蓄電装置におけるバッテリーコントローラに用いる通信速度検出手段の動作説明図である。
【図7】本発明の一実施形態の蓄電装置におけるバッテリーコントローラに用いる受信タイミング補正手段の動作説明図である。
【図8】本発明の一実施形態の蓄電装置を搭載したハイブリッド自動車の構成を示すシステムブロック図である。
【符号の説明】
【0086】
1…単位電池セル
1A,1B,1C,1D…電池セル
3…バッテリーコントローラ
2…セルコントローラ
SL1〜SL8…シリアル通信ライン
20…選択手段
21,31…電源
22,32…電圧検出手段
23,33…演算手段
24…電池管理手段
25…記憶手段
26…補正手段、
27,34,35…通信手段
29…スイッチ駆動手段
30…選択手段
36…通信速度検出手段
37…受信タイミング補正手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルを直列に接続した組電池が複数個直列に接続された蓄電モジュールと、
前記複数の組電池のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記組電池の前記複数の電池セルを制御する複数の制御回路を備えた電池セル制御装置と、
前記蓄電池モジュールを管理する蓄電池管理制御装置と、を有し、
前記複数の制御回路及び前記蓄電池管理制御装置は環状に接続され、
前記制御回路或いは前記蓄電池管理制御装置は、他の制御装置或いは他の制御回路から入力するデータの通信速度を検出する通信速度検出手段、及び
該通信速度検出手段によって検出された通信速度に基づいて、前記他の制御装置或いは他の制御回路から入力されるデータの受信タイミングを補正する受信タイミング補正手段を備えることを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
請求項1記載の蓄電装置において、
前記複数の制御回路は、それぞれ、対応する前記組電池の前記複数のセルの蓄電状態を検出し、この検出された蓄電状態を前記蓄電池管理制御装置にシリアル通信で伝達することを特徴とする蓄電装置。
【請求項3】
請求項2記載の蓄電装置において、
前記蓄電状態は少なくとも前記電池セルの電圧及び前記電池セルの異常の有無であり、
前記蓄電池管理制御装置は、前記各電池セルの電圧に関する情報と全ての前記電池セルの異常の有無の情報とを交互に、前記制御回路からシリアル通信で入手することを特徴とする蓄電装置。
【請求項4】
複数の電池セルを直列に接続した組電池が複数個直列に接続された蓄電モジュール、及び前記複数の組電池のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記組電池の前記複数の電池セルを制御する複数の制御回路を備えた電池セル制御装置を有する蓄電装置に搭載されて、前記蓄電池モジュールを管理する制御装置であって、
前記複数の制御回路及び前記蓄電池管理制御装置は環状に接続されていると共に、
前記制御回路から入力するデータの通信速度を検出する通信速度検出手段と、
該通信速度検出手段によって検出された通信速度に基づいて、前記他の制御装置或いは他の制御回路から入力されるデータの受信タイミングを補正する受信タイミング補正手段と、を有することを特徴とする蓄電池管理制御装置。
【請求項5】
複数の電池セルを直列に接続した組電池が複数個直列に接続された蓄電モジュール、及び該蓄電モジュールを管理する蓄電池管理制御装置を有する蓄電装置に搭載され、前記複数の組電池のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記組電池の前記複数の電池セルを制御する複数の制御回路を備えた制御装置であって、
前記複数の制御回路及び前記蓄電池管理制御装置は環状に接続され、かつ前記蓄電池管理制御装置或いは他の前記制御回路から入力されるデータの通信速度を検出する通信速度検出手段、該通信速度検出手段によって検出された通信速度に基づいて、前記他の制御装置或いは他の制御回路から入力されるデータの受信タイミングを補正する受信タイミング補正手段を有することを特徴とする蓄電池管理制御装置。
【請求項6】
複数の電池セルを直列に接続した組電池が複数個直列に接続された蓄電モジュール、前記複数の組電池のそれぞれに対応して設けられ、対応する前記組電池の前記複数の電池セルを制御する複数の制御回路を備えた電池セル制御装置、及び前記蓄電モジュールを管理する蓄電池管理制御装置を有する蓄電装置と、
前記蓄電装置から供給された電力を制御する制御器と、
該制御器によって制御された電力を受けて回転動力を発生するモータと、を有し、
前記蓄電装置は、前記複数の制御回路及び前記蓄電池管理制御装置は環状に接続されていると共に、前記制御回路或いは前記蓄電池管理制御装置に、他の制御装置或いは他の制御回路から入力されるデータの通信速度を検出する通信速度検出手段、及び該通信速度検出手段によって検出された通信速度に基づいて、前記他の制御装置或いは他の制御回路から入力されるデータの受信タイミングを補正する受信タイミング補正手段を備えることを特徴とするモータ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−220074(P2008−220074A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55516(P2007−55516)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(505083999)日立ビークルエナジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】