蓋付き側溝の改修方法
【課題】一次蓋を固定するため接着剤を注入する際の漏れ止め作業を容易にできるようにし、側溝の改修作業の能率を向上する。
【解決手段】既存側溝の既存蓋に代えて、平行な2本の蓋受部材の一部を連結部材で連結したフレーム状の一次蓋と、該一次蓋の開口部に装着した二次蓋を有する新たな蓋を側溝本体に装着する蓋付き側溝の改修方法であって、側溝本体の蓋受部にその長さ方向に沿って、接着剤の漏れを防止する弾性体でなる帯状部材を設置した後、帯状部材の上に一次蓋を載置して蓋受部に装着し、一次蓋と蓋受部の間に接着剤を注入することで、接着剤の漏れが防止される。
【解決手段】既存側溝の既存蓋に代えて、平行な2本の蓋受部材の一部を連結部材で連結したフレーム状の一次蓋と、該一次蓋の開口部に装着した二次蓋を有する新たな蓋を側溝本体に装着する蓋付き側溝の改修方法であって、側溝本体の蓋受部にその長さ方向に沿って、接着剤の漏れを防止する弾性体でなる帯状部材を設置した後、帯状部材の上に一次蓋を載置して蓋受部に装着し、一次蓋と蓋受部の間に接着剤を注入することで、接着剤の漏れが防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路に沿って、又は道路を横断して埋設設置された既存の蓋付き側溝の改修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
埋設設置された側溝は、設置直後でもガタツキによる騒音の問題に悩ませられたり、年月が経過するに従って老朽化し、強度が低下していたり、地上に露出している部分や蓋受部が磨り減ったり欠けたりするので、このような騒音を発する側溝や老朽化した側溝の蓋受部を補修する必要がある。また、従来の側溝の蓋は、厚さが100mm程度あり、その重さは45kg程度であった。したがって、蓋はかなり重く、側溝内の清掃作業をする場合などにおいて、蓋を着脱する作業が困難を極める。そこで、このような既存の蓋を騒音防止型や厚さの薄い軽量の蓋に交換したいという要望もある。
【0003】
下記特許文献1には、既存の蓋と交換するための軽量な薄い蓋が開示されている。
また、下記特許文献2には、既存側溝の既存蓋に代えて新たな蓋を装着する側溝の改修方法であって、新たな蓋が、フレーム状の一次蓋と、該一次蓋の開口部に脱着自在の二次蓋からなる技術が開示されている。二次蓋としては、既存蓋よりも薄く、軽量のものを用いることができる。一次蓋を、既存側溝の蓋受部に接着一体化することで、既存側溝が強化される。
これにより、既存側溝の蓋受部分の補修を省略し、容易に新たな軽量蓋を装着でき、現場での工期も短縮できるようになった。
【0004】
図11,12は、前記特許文献2に記載された工法に関し、図11はコンクリート製一次蓋2及び二次蓋5の例を示す斜視図、図12は一次蓋2を既存側溝本体1に装着した断面図である。
図11において、一次蓋2は、所定間隔を隔てて平行に対向する2本の蓋受部材3と、その2本の蓋受部材3を連結する幅方向の連結部材4とからなり、全体が四辺形のフレーム状をなし、中央部分が2枚の二次蓋5を装着する開口部となっている。
図12に示すように、既存の側溝本体1の既存蓋を取り外し、その蓋受部を清掃した後、一次蓋を既存の側溝本体1の蓋受部に装着する。側溝本体の蓋受部と一次蓋の間には接着剤を注入し、一次蓋を固定する。
【0005】
一次蓋2の開口部には、二次蓋5が着脱自在に装着される。二次蓋5はレジンコンクリート製又は繊維補強コンクリート製とすることが望ましいが、ダクタイル鋳鉄製や鋼製グレーチング等にすることもできる。レジンコンクリートは曲げ強度、引張強度を有するので、必要強度を得るのに蓋の厚さを薄くすることができる。さらにレジンコンクリートは可使時間の制御が可能であり、早期に高強度を発現し、接着性、水密性、耐凍結融解性、耐薬品性、耐摩耗性、電気絶縁性等に優れる。繊維補強コンクリートは、ガラス繊維、鋼繊維、カーボン繊維などの繊維をコンクリート中に分散させたものである。繊維補強コンクリートも曲げ強度、引張強度を有するので、蓋の厚さを薄くすることができる。このようにすることで、二次蓋5の厚さ、重量共に既存の蓋の1/2〜1/3程度とすることができる。したがって、側溝の清掃作業時などにおける蓋の着脱作業を容易にすることが可能となる。二次蓋5には、雨水の流入のため、また蓋を取り外すときの手掛とするため、多数のスリット6が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】第3108053号登録実用新案公報
【特許文献2】特開2008−255612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記の一次蓋を側溝本体の蓋受部に接着固定する場合、一般的には図13に示すような方法で行われる。
長期間使用された既存の側溝本体1の蓋受部11には、通常欠けなどの損傷部12があるので、一次蓋2を蓋受部11に装着し、一次蓋と蓋受部の間に接着剤8を注入すると接着剤が側溝本体内部に流れ込んでしまう。
これを防ぐため、側溝の側壁内面上部にせき板9を設ける。せき板9を支持するためには、突っ張り棒10を使用する。突っ張り棒10はターンバックル部(図示せず)を有し、対向する側壁間に、せき板9を側壁内面に押し付けるように設けられ、せき板9を支持するものである。
【0008】
上記従来のせき板を設け、突っ張り棒で支持する作業は非常に煩雑で、作業性が悪かった。
また、図5に示すような、いわゆる自由勾配型の側溝では、側壁上部内面の形状が複雑で、せき板を設置するのが困難であった。
本発明は、一次蓋を固定するため接着剤を注入する際の漏れ止め作業を容易にできるようにし、側溝の改修作業の能率を向上することを課題とするものである。
また、二次蓋がダクタイルや鋼製グレーチングなどの金属製の場合、盗難に遭う危険がある。本発明は、二次蓋の盗難を容易に防止できるようにすることも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔請求項1〕
本発明は、既存側溝の既存蓋に代えて、平行な2本の蓋受部材の一部を連結部材で連結したフレーム状の一次蓋と、該一次蓋の開口部に装着した二次蓋を有する新たな蓋を側溝本体に装着する蓋付き側溝の改修方法であって、
前記側溝本体の蓋受部にその長さ方向に沿って、接着剤の漏れを防止する弾性体でなる帯状部材を設置するステップと、該帯状部材の上に前記一次蓋を載置し、一次蓋を前記蓋受部に装着するステップと、前記一次蓋と蓋受部の間に接着剤を注入するステップを有することを特徴とする蓋付き側溝の改修方法である。
【0010】
接着剤の漏れ止め作業は、側溝本体の蓋受部にゴム、発泡樹脂、エラストマーなどの弾性体でなる帯状部材を設置するだけなので、きわめて容易であり、作業能率が飛躍的に向上する。帯状部材の上に一次蓋を載置したときに、一次蓋の重量で帯状部材が変形し、蓋受部にある損傷部の中に入り込んで損傷部を塞ぐので、優れた漏れ止め効果を生じる。
弾性帯状部材の硬度は任意であるが、例えば20°〜60°にすると漏れ止め効果が大きくなる。
帯状部材の断面形状は四辺形、円形など任意であるが、四辺形とするのが安定性がよく好ましい。
帯状部材の幅、厚みも接着剤の漏れ止め効果を発揮できることを条件に任意であるが、例えば幅10〜50mm、厚み5〜20mm程度とすることができる。
【0011】
〔請求項2〕
また本発明は、前記帯状部材が、片面が予め接着剤を塗布された接着面となっており、該接着面が保護紙によって覆われ、該保護紙を剥がすことで容易に前記蓋受部に接着することができるものである請求項2に記載の蓋付き側溝の改修方法である。
【0012】
本発明において、蓋受部に設置された帯状部材は蓋受部に接着されることが望ましい。接着することにより、一次蓋を装着する際に帯状部材が位置ずれするのを防止できる。
この場合、帯状部材は、片面が予め接着剤を塗布された接着面となっており、その接着面が保護紙によって覆われているものを使用できる。保護紙を剥がすことで容易に側溝本体の蓋受部に接着することができ、漏れ止め防止作業がさらに容易になる。
【0013】
〔請求項3〕
また本発明は、前記一次蓋の蓋受部材の上面の蓋受部のレベルが連結部材上面のレベルよりも、二次蓋の厚みだけ低くなっており、前記二次蓋の幅が前記一次蓋の幅と実質的に等しい金属製である請求項1又は2に記載の蓋付き側溝の改修方法である。
【0014】
〔請求項4〕
また本発明は、前記二次蓋が、前記一次蓋の蓋受部に植設したインサートにボルト又はナットを螺略して固定され、二次蓋上面に該ボルト頭部又はナットを収納する凹部を形成し、前記ボルトの全部又は一部に対して、該ボルト頭部又はナット外周と凹部内周の間にリング部材を装入する二次蓋盗難防止機構を施した請求項1〜3のいずれかに記載の蓋付き側溝の改修方法である。
【0015】
インサートがメス(インサートナット)の場合はボルトで固定し、オス(インサートボルト)の場合はナットで固定する。
二次蓋はボルト等で一次蓋に固定されるので、蓋のガタツキがなくなり、無騒音側溝となる。
二次蓋盗難防止機構を設けることで、金属製二次蓋の盗難を最小限に抑制できる。二次蓋盗難防止機構は、清掃時に蓋開けを行わない個所に設け、蓋開けを行う個所には設けないことが望ましい。
【0016】
〔請求項5〕
また本発明は、前記リング部材の内周平面形状が前記ボルト頭部又はナットの外周平面形状に対応する非円形形状で、前記リング部材の外周平面形状が前記凹部の内周面平面形状と対応する非円形形状であり、前記リング部材を前記凹部に挿入すると、前記ボルト又はナットが実質的に回転不能になる請求項4に記載の蓋付き側溝の改修方法である。
【0017】
本発明における「対応」の意味は、ボルト又はナットがリング部材に対して、又はリング部材が凹部に対して実質的に回転できない関係であり、対応する形状としては、例えば、同一又は相似の形状等である。非円形形状は、多角形など円形以外の形状である。
リング部材を凹部内に挿入すると、ボルト又はナットの回転が防止され、ボルト又はナットの緩み止めとなり、さらに盗難防止効果が高まる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の蓋付き側溝の改修方法は、接着剤の漏れ止め作業がきわめて容易になるので、既存側溝の改修工事の能率が飛躍的に向上する。
さらに、盗難防止機構を採用することで、二次蓋の盗難を有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】側溝本体の蓋受部に帯状部材を設置した状態の断面説明図である。
【図2】帯状部材の上に一次蓋を載置した状態の断面説明図である。
【図3】接着剤を注入した状態の断面説明図である。
【図4】一次蓋に二次蓋を装着した状態の断面説明図である。
【図5】自由勾配型の側溝本体を改修した状態の断面説明図である。
【図6】一次蓋の斜視図である。
【図7】一次蓋に二次蓋を装着した状態の斜視図である。
【図8】盗難防止機構の断面説明図である。
【図9】盗難防止機構の平面説明図である。
【図10】盗難防止機構の断面詳細図である。
【図11】従来改修方法における一次蓋及び二次蓋の斜視図である。
【図12】従来の改修完了状態の断面説明図である。
【図13】従来改修方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜4に基づいて、本発明の改修方法を順を追って説明する。
図1は、既存の側溝から既存の蓋を取り外し、帯状部材7を側溝の長さ方向に沿って蓋受部11に設置したところである。
既存の側溝本体1の蓋受部11は、側壁上部内側を切欠した形状に設けられ、通常は欠けなどの損傷部12を有する。
帯状部材7を設置する前に、必要に応じて蓋受部11の清掃を行うことが望ましい。また、甚だしい損傷部がある場合は、これを補修してもよい。
帯状部材7は弾性体で、断面が四辺形の長尺のもので、片面が予め接着剤を塗布した接着面となっており、該接着面を覆う保護紙を剥がして蓋受部11に接着される。
【0021】
図2は、図1の状態から、一次蓋2を帯状部材7の上に載置し、蓋受部11に装着した状態である。
帯状部材7は一次蓋の重量で変形し、下面が損傷部12の中に食い込んでいる。
一次蓋2は、例えば図6のような蓋受部材3と連結部材4で四辺形のフレーム状に形成されたものや、2本の平行する蓋受部材の中間部を1本又は複数本の連結部材で連結してフレーム状にしたものを用いることができる。また、一次蓋2はコンクリート製に限らず金属製とすることもできる。
【0022】
図3は、図2の状態から蓋受部11と一次蓋2の間に接着剤8を注入した状態である。これにより、一次蓋2は側溝本体1の側壁にしっかりと固定される。
接着剤8は、矢印Aに示す隙間から注入する。接着剤は、一次蓋2と側溝本体1の側壁を所望の強度で固定できるものであればよく、セメントミルクなどの無機系接着剤、各種樹脂など有機系接着剤の中から必要に応じて任意に選択できる。
【0023】
図4は、図3の状態から二次蓋5を一次蓋2の蓋受部31に装着し、蓋付き側溝の改修が完了した状態である。二次蓋5は一次蓋2の蓋受部31に単に載置、支持されているだけなので、容易に着脱自在である。
一次蓋2の蓋受部31は、蓋受部材3の上部内面を切欠した形状に設けられている。同図の場合、蓋受部31と二次蓋5は平面接触となっているが、これらの接触部の一方又は双方を曲面とする各種の無騒音構造となるように蓋受部31と二次蓋5を形成することもできる。
本実施態様の場合、二次蓋は接着剤を注入した後に装着しているが、接着剤を注入する前に一次蓋に装着してもよい。
【0024】
二次蓋の材質はコンクリート製に限らず、金属製(例えば鋼板、鋳鉄製)、木製、プラスチック製やこれらの組み合わせなど、種々の材質を用いることができる。また、二次蓋としてグレーチングを採用することもできる。1つの一次蓋に装着する二次蓋の数は自由であり、所望の枚数を装着するように自由に設計することができる。
【0025】
図5は、いわゆる自由勾配型側溝に本発明を適用した例で、前記実施態様と同様の手順で改修を行うことができる。自由勾配型側溝は、対向する2枚の側壁の上部を梁部材で一体に接続した形状の側溝本体1を有するものである。底部は現場打ちコンクリートで自由な勾配に施工される。自由勾配型側溝の場合、側壁上部内面の形状が複雑で、せき板を設置するのが困難であったが、本発明の場合は帯状部材7により容易に接着剤の漏れ止め作業を行うことができる。
【0026】
図6〜10に示す実施例は、一次蓋2がコンクリート製で、二次蓋5を金属製とした例で、前記実施態様と同様の手順で改修を行うことができる。
一次蓋2は、平行する2本の蓋受部材3の両端を連結部材4で一体的に接続した枠状をなし、蓋受部材3の上面の蓋受部31のレベルが連結部材4上面のレベルよりも、二次蓋5の厚みだけ低くなっている。なお、連結部材で連結する位置は蓋受部材の両端に限らず、例えば中央部1個所にすることもできる。
蓋受部31の所定位置には、二次蓋5をボルト止めするためのインサートナット32が植設されている。なお、インサートナットに代えてインサートボルトを植設し、ナットで二次蓋を固定することもできる。
【0027】
二次蓋5は金属製で、板状をなし、四隅にボルト頭部を収納するための凹部51が設けられ、凹部51内にはボルト孔が設けられている。また、雨水を側溝内に流入させるためのスリットが複数設けられている。金属製二次蓋としては、鋳鉄製のもの(いわゆるダクタイル)、及び鋼製グレーチング等を使用できる。
図7に示すように、二次蓋5を一次蓋2の蓋受部31に装着すると、一次蓋の連結部材4の上面と二次蓋5の上面のレベルがほぼ同じになる。
二次蓋5の幅は一次蓋2の上面の幅と実質的に等しくなっており、二次蓋5は蓋受部材3の上面及びその間の開口全体を覆うようになる。
【0028】
図8,9に、本発明における盗難防止機構の一例を示す。
二次蓋5をボルト52で一次蓋2に固定した後、凹部51内のボルト頭部外周と凹部内周の間にリング部材53を装入する。リング部材53は、内周面の平面形状がボルト頭部の外周平面形状とほぼ同一の非円形形状(ボルト頭部の六角形よりやや大きい径の六角形)で、外周部に突出部53bを有するリング状をなす。凹部51の内周面は、突出部53bとほぼ同じ平面形状の切欠部51aが形成され、リング部材53の外周平面形状に対応する非円形の内周平面形状になっている。リング部材53を凹部51内に装入すると、ボルトを回転する工具を凹部内に入れられなくなり、ボルトを回転して二次蓋を取り外すことが困難になる。したがって、凹部に装入されたリング部材は蓋の盗難防止機構となっている。また、図9に示すように、突出部53bが切欠部51a内に嵌合するので、ボルト52の回転が防止され、ボルトの緩み止めとなり、さらに盗難防止効果が高まる。リング部材53は、接着剤で固定し、容易に抜けないように装入することが望ましい。リング部材の素材は、プラスチック又は金属が好適である。
リング部材は、天板を設けて上部を閉塞し、キャップ状としてもよい。
【0029】
図10に盗難防止機構の他例を示す。リング部材の内周面形状、外周面形状、及び凹部の平面形状は図9と同様である。また、内周面下端には突起53aが形成されている。ワッシャー54はカラー付ワッシャーで、カラーによりボルト頭部下端とワッシャー本体の円板の間に隙間が生じる。リング部材53を凹部51内に装入すると、突起53aがボルト頭部下端に係合し、リング部材53が容易に抜けないようになっている。この例は、接着剤を用いることなく、リング部材53を凹部51内に押し込むだけで装入できるので、装入作業がきわめて簡単である。
【0030】
本発明は、断面がU字状に一体成形された側溝、自由勾配型側溝の他、暗渠型側溝などあらゆる種類の蓋付き側溝の改修に適用できる。
【符号の説明】
【0031】
1 側溝本体
11 蓋受部
12 損傷部
2 一次蓋
3 蓋受部材
31 蓋受部
32 インサートナット
4 連結部材
5 二次蓋
51 凹部
51a 切欠部
52 ボルト
53 リング部材
53a 突起
53b 突出部
54 ワッシャー
6 スリット
7 帯状部材
8 接着剤
9 せき板
10 突っ張り棒
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路に沿って、又は道路を横断して埋設設置された既存の蓋付き側溝の改修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
埋設設置された側溝は、設置直後でもガタツキによる騒音の問題に悩ませられたり、年月が経過するに従って老朽化し、強度が低下していたり、地上に露出している部分や蓋受部が磨り減ったり欠けたりするので、このような騒音を発する側溝や老朽化した側溝の蓋受部を補修する必要がある。また、従来の側溝の蓋は、厚さが100mm程度あり、その重さは45kg程度であった。したがって、蓋はかなり重く、側溝内の清掃作業をする場合などにおいて、蓋を着脱する作業が困難を極める。そこで、このような既存の蓋を騒音防止型や厚さの薄い軽量の蓋に交換したいという要望もある。
【0003】
下記特許文献1には、既存の蓋と交換するための軽量な薄い蓋が開示されている。
また、下記特許文献2には、既存側溝の既存蓋に代えて新たな蓋を装着する側溝の改修方法であって、新たな蓋が、フレーム状の一次蓋と、該一次蓋の開口部に脱着自在の二次蓋からなる技術が開示されている。二次蓋としては、既存蓋よりも薄く、軽量のものを用いることができる。一次蓋を、既存側溝の蓋受部に接着一体化することで、既存側溝が強化される。
これにより、既存側溝の蓋受部分の補修を省略し、容易に新たな軽量蓋を装着でき、現場での工期も短縮できるようになった。
【0004】
図11,12は、前記特許文献2に記載された工法に関し、図11はコンクリート製一次蓋2及び二次蓋5の例を示す斜視図、図12は一次蓋2を既存側溝本体1に装着した断面図である。
図11において、一次蓋2は、所定間隔を隔てて平行に対向する2本の蓋受部材3と、その2本の蓋受部材3を連結する幅方向の連結部材4とからなり、全体が四辺形のフレーム状をなし、中央部分が2枚の二次蓋5を装着する開口部となっている。
図12に示すように、既存の側溝本体1の既存蓋を取り外し、その蓋受部を清掃した後、一次蓋を既存の側溝本体1の蓋受部に装着する。側溝本体の蓋受部と一次蓋の間には接着剤を注入し、一次蓋を固定する。
【0005】
一次蓋2の開口部には、二次蓋5が着脱自在に装着される。二次蓋5はレジンコンクリート製又は繊維補強コンクリート製とすることが望ましいが、ダクタイル鋳鉄製や鋼製グレーチング等にすることもできる。レジンコンクリートは曲げ強度、引張強度を有するので、必要強度を得るのに蓋の厚さを薄くすることができる。さらにレジンコンクリートは可使時間の制御が可能であり、早期に高強度を発現し、接着性、水密性、耐凍結融解性、耐薬品性、耐摩耗性、電気絶縁性等に優れる。繊維補強コンクリートは、ガラス繊維、鋼繊維、カーボン繊維などの繊維をコンクリート中に分散させたものである。繊維補強コンクリートも曲げ強度、引張強度を有するので、蓋の厚さを薄くすることができる。このようにすることで、二次蓋5の厚さ、重量共に既存の蓋の1/2〜1/3程度とすることができる。したがって、側溝の清掃作業時などにおける蓋の着脱作業を容易にすることが可能となる。二次蓋5には、雨水の流入のため、また蓋を取り外すときの手掛とするため、多数のスリット6が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】第3108053号登録実用新案公報
【特許文献2】特開2008−255612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記の一次蓋を側溝本体の蓋受部に接着固定する場合、一般的には図13に示すような方法で行われる。
長期間使用された既存の側溝本体1の蓋受部11には、通常欠けなどの損傷部12があるので、一次蓋2を蓋受部11に装着し、一次蓋と蓋受部の間に接着剤8を注入すると接着剤が側溝本体内部に流れ込んでしまう。
これを防ぐため、側溝の側壁内面上部にせき板9を設ける。せき板9を支持するためには、突っ張り棒10を使用する。突っ張り棒10はターンバックル部(図示せず)を有し、対向する側壁間に、せき板9を側壁内面に押し付けるように設けられ、せき板9を支持するものである。
【0008】
上記従来のせき板を設け、突っ張り棒で支持する作業は非常に煩雑で、作業性が悪かった。
また、図5に示すような、いわゆる自由勾配型の側溝では、側壁上部内面の形状が複雑で、せき板を設置するのが困難であった。
本発明は、一次蓋を固定するため接着剤を注入する際の漏れ止め作業を容易にできるようにし、側溝の改修作業の能率を向上することを課題とするものである。
また、二次蓋がダクタイルや鋼製グレーチングなどの金属製の場合、盗難に遭う危険がある。本発明は、二次蓋の盗難を容易に防止できるようにすることも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔請求項1〕
本発明は、既存側溝の既存蓋に代えて、平行な2本の蓋受部材の一部を連結部材で連結したフレーム状の一次蓋と、該一次蓋の開口部に装着した二次蓋を有する新たな蓋を側溝本体に装着する蓋付き側溝の改修方法であって、
前記側溝本体の蓋受部にその長さ方向に沿って、接着剤の漏れを防止する弾性体でなる帯状部材を設置するステップと、該帯状部材の上に前記一次蓋を載置し、一次蓋を前記蓋受部に装着するステップと、前記一次蓋と蓋受部の間に接着剤を注入するステップを有することを特徴とする蓋付き側溝の改修方法である。
【0010】
接着剤の漏れ止め作業は、側溝本体の蓋受部にゴム、発泡樹脂、エラストマーなどの弾性体でなる帯状部材を設置するだけなので、きわめて容易であり、作業能率が飛躍的に向上する。帯状部材の上に一次蓋を載置したときに、一次蓋の重量で帯状部材が変形し、蓋受部にある損傷部の中に入り込んで損傷部を塞ぐので、優れた漏れ止め効果を生じる。
弾性帯状部材の硬度は任意であるが、例えば20°〜60°にすると漏れ止め効果が大きくなる。
帯状部材の断面形状は四辺形、円形など任意であるが、四辺形とするのが安定性がよく好ましい。
帯状部材の幅、厚みも接着剤の漏れ止め効果を発揮できることを条件に任意であるが、例えば幅10〜50mm、厚み5〜20mm程度とすることができる。
【0011】
〔請求項2〕
また本発明は、前記帯状部材が、片面が予め接着剤を塗布された接着面となっており、該接着面が保護紙によって覆われ、該保護紙を剥がすことで容易に前記蓋受部に接着することができるものである請求項2に記載の蓋付き側溝の改修方法である。
【0012】
本発明において、蓋受部に設置された帯状部材は蓋受部に接着されることが望ましい。接着することにより、一次蓋を装着する際に帯状部材が位置ずれするのを防止できる。
この場合、帯状部材は、片面が予め接着剤を塗布された接着面となっており、その接着面が保護紙によって覆われているものを使用できる。保護紙を剥がすことで容易に側溝本体の蓋受部に接着することができ、漏れ止め防止作業がさらに容易になる。
【0013】
〔請求項3〕
また本発明は、前記一次蓋の蓋受部材の上面の蓋受部のレベルが連結部材上面のレベルよりも、二次蓋の厚みだけ低くなっており、前記二次蓋の幅が前記一次蓋の幅と実質的に等しい金属製である請求項1又は2に記載の蓋付き側溝の改修方法である。
【0014】
〔請求項4〕
また本発明は、前記二次蓋が、前記一次蓋の蓋受部に植設したインサートにボルト又はナットを螺略して固定され、二次蓋上面に該ボルト頭部又はナットを収納する凹部を形成し、前記ボルトの全部又は一部に対して、該ボルト頭部又はナット外周と凹部内周の間にリング部材を装入する二次蓋盗難防止機構を施した請求項1〜3のいずれかに記載の蓋付き側溝の改修方法である。
【0015】
インサートがメス(インサートナット)の場合はボルトで固定し、オス(インサートボルト)の場合はナットで固定する。
二次蓋はボルト等で一次蓋に固定されるので、蓋のガタツキがなくなり、無騒音側溝となる。
二次蓋盗難防止機構を設けることで、金属製二次蓋の盗難を最小限に抑制できる。二次蓋盗難防止機構は、清掃時に蓋開けを行わない個所に設け、蓋開けを行う個所には設けないことが望ましい。
【0016】
〔請求項5〕
また本発明は、前記リング部材の内周平面形状が前記ボルト頭部又はナットの外周平面形状に対応する非円形形状で、前記リング部材の外周平面形状が前記凹部の内周面平面形状と対応する非円形形状であり、前記リング部材を前記凹部に挿入すると、前記ボルト又はナットが実質的に回転不能になる請求項4に記載の蓋付き側溝の改修方法である。
【0017】
本発明における「対応」の意味は、ボルト又はナットがリング部材に対して、又はリング部材が凹部に対して実質的に回転できない関係であり、対応する形状としては、例えば、同一又は相似の形状等である。非円形形状は、多角形など円形以外の形状である。
リング部材を凹部内に挿入すると、ボルト又はナットの回転が防止され、ボルト又はナットの緩み止めとなり、さらに盗難防止効果が高まる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の蓋付き側溝の改修方法は、接着剤の漏れ止め作業がきわめて容易になるので、既存側溝の改修工事の能率が飛躍的に向上する。
さらに、盗難防止機構を採用することで、二次蓋の盗難を有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】側溝本体の蓋受部に帯状部材を設置した状態の断面説明図である。
【図2】帯状部材の上に一次蓋を載置した状態の断面説明図である。
【図3】接着剤を注入した状態の断面説明図である。
【図4】一次蓋に二次蓋を装着した状態の断面説明図である。
【図5】自由勾配型の側溝本体を改修した状態の断面説明図である。
【図6】一次蓋の斜視図である。
【図7】一次蓋に二次蓋を装着した状態の斜視図である。
【図8】盗難防止機構の断面説明図である。
【図9】盗難防止機構の平面説明図である。
【図10】盗難防止機構の断面詳細図である。
【図11】従来改修方法における一次蓋及び二次蓋の斜視図である。
【図12】従来の改修完了状態の断面説明図である。
【図13】従来改修方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜4に基づいて、本発明の改修方法を順を追って説明する。
図1は、既存の側溝から既存の蓋を取り外し、帯状部材7を側溝の長さ方向に沿って蓋受部11に設置したところである。
既存の側溝本体1の蓋受部11は、側壁上部内側を切欠した形状に設けられ、通常は欠けなどの損傷部12を有する。
帯状部材7を設置する前に、必要に応じて蓋受部11の清掃を行うことが望ましい。また、甚だしい損傷部がある場合は、これを補修してもよい。
帯状部材7は弾性体で、断面が四辺形の長尺のもので、片面が予め接着剤を塗布した接着面となっており、該接着面を覆う保護紙を剥がして蓋受部11に接着される。
【0021】
図2は、図1の状態から、一次蓋2を帯状部材7の上に載置し、蓋受部11に装着した状態である。
帯状部材7は一次蓋の重量で変形し、下面が損傷部12の中に食い込んでいる。
一次蓋2は、例えば図6のような蓋受部材3と連結部材4で四辺形のフレーム状に形成されたものや、2本の平行する蓋受部材の中間部を1本又は複数本の連結部材で連結してフレーム状にしたものを用いることができる。また、一次蓋2はコンクリート製に限らず金属製とすることもできる。
【0022】
図3は、図2の状態から蓋受部11と一次蓋2の間に接着剤8を注入した状態である。これにより、一次蓋2は側溝本体1の側壁にしっかりと固定される。
接着剤8は、矢印Aに示す隙間から注入する。接着剤は、一次蓋2と側溝本体1の側壁を所望の強度で固定できるものであればよく、セメントミルクなどの無機系接着剤、各種樹脂など有機系接着剤の中から必要に応じて任意に選択できる。
【0023】
図4は、図3の状態から二次蓋5を一次蓋2の蓋受部31に装着し、蓋付き側溝の改修が完了した状態である。二次蓋5は一次蓋2の蓋受部31に単に載置、支持されているだけなので、容易に着脱自在である。
一次蓋2の蓋受部31は、蓋受部材3の上部内面を切欠した形状に設けられている。同図の場合、蓋受部31と二次蓋5は平面接触となっているが、これらの接触部の一方又は双方を曲面とする各種の無騒音構造となるように蓋受部31と二次蓋5を形成することもできる。
本実施態様の場合、二次蓋は接着剤を注入した後に装着しているが、接着剤を注入する前に一次蓋に装着してもよい。
【0024】
二次蓋の材質はコンクリート製に限らず、金属製(例えば鋼板、鋳鉄製)、木製、プラスチック製やこれらの組み合わせなど、種々の材質を用いることができる。また、二次蓋としてグレーチングを採用することもできる。1つの一次蓋に装着する二次蓋の数は自由であり、所望の枚数を装着するように自由に設計することができる。
【0025】
図5は、いわゆる自由勾配型側溝に本発明を適用した例で、前記実施態様と同様の手順で改修を行うことができる。自由勾配型側溝は、対向する2枚の側壁の上部を梁部材で一体に接続した形状の側溝本体1を有するものである。底部は現場打ちコンクリートで自由な勾配に施工される。自由勾配型側溝の場合、側壁上部内面の形状が複雑で、せき板を設置するのが困難であったが、本発明の場合は帯状部材7により容易に接着剤の漏れ止め作業を行うことができる。
【0026】
図6〜10に示す実施例は、一次蓋2がコンクリート製で、二次蓋5を金属製とした例で、前記実施態様と同様の手順で改修を行うことができる。
一次蓋2は、平行する2本の蓋受部材3の両端を連結部材4で一体的に接続した枠状をなし、蓋受部材3の上面の蓋受部31のレベルが連結部材4上面のレベルよりも、二次蓋5の厚みだけ低くなっている。なお、連結部材で連結する位置は蓋受部材の両端に限らず、例えば中央部1個所にすることもできる。
蓋受部31の所定位置には、二次蓋5をボルト止めするためのインサートナット32が植設されている。なお、インサートナットに代えてインサートボルトを植設し、ナットで二次蓋を固定することもできる。
【0027】
二次蓋5は金属製で、板状をなし、四隅にボルト頭部を収納するための凹部51が設けられ、凹部51内にはボルト孔が設けられている。また、雨水を側溝内に流入させるためのスリットが複数設けられている。金属製二次蓋としては、鋳鉄製のもの(いわゆるダクタイル)、及び鋼製グレーチング等を使用できる。
図7に示すように、二次蓋5を一次蓋2の蓋受部31に装着すると、一次蓋の連結部材4の上面と二次蓋5の上面のレベルがほぼ同じになる。
二次蓋5の幅は一次蓋2の上面の幅と実質的に等しくなっており、二次蓋5は蓋受部材3の上面及びその間の開口全体を覆うようになる。
【0028】
図8,9に、本発明における盗難防止機構の一例を示す。
二次蓋5をボルト52で一次蓋2に固定した後、凹部51内のボルト頭部外周と凹部内周の間にリング部材53を装入する。リング部材53は、内周面の平面形状がボルト頭部の外周平面形状とほぼ同一の非円形形状(ボルト頭部の六角形よりやや大きい径の六角形)で、外周部に突出部53bを有するリング状をなす。凹部51の内周面は、突出部53bとほぼ同じ平面形状の切欠部51aが形成され、リング部材53の外周平面形状に対応する非円形の内周平面形状になっている。リング部材53を凹部51内に装入すると、ボルトを回転する工具を凹部内に入れられなくなり、ボルトを回転して二次蓋を取り外すことが困難になる。したがって、凹部に装入されたリング部材は蓋の盗難防止機構となっている。また、図9に示すように、突出部53bが切欠部51a内に嵌合するので、ボルト52の回転が防止され、ボルトの緩み止めとなり、さらに盗難防止効果が高まる。リング部材53は、接着剤で固定し、容易に抜けないように装入することが望ましい。リング部材の素材は、プラスチック又は金属が好適である。
リング部材は、天板を設けて上部を閉塞し、キャップ状としてもよい。
【0029】
図10に盗難防止機構の他例を示す。リング部材の内周面形状、外周面形状、及び凹部の平面形状は図9と同様である。また、内周面下端には突起53aが形成されている。ワッシャー54はカラー付ワッシャーで、カラーによりボルト頭部下端とワッシャー本体の円板の間に隙間が生じる。リング部材53を凹部51内に装入すると、突起53aがボルト頭部下端に係合し、リング部材53が容易に抜けないようになっている。この例は、接着剤を用いることなく、リング部材53を凹部51内に押し込むだけで装入できるので、装入作業がきわめて簡単である。
【0030】
本発明は、断面がU字状に一体成形された側溝、自由勾配型側溝の他、暗渠型側溝などあらゆる種類の蓋付き側溝の改修に適用できる。
【符号の説明】
【0031】
1 側溝本体
11 蓋受部
12 損傷部
2 一次蓋
3 蓋受部材
31 蓋受部
32 インサートナット
4 連結部材
5 二次蓋
51 凹部
51a 切欠部
52 ボルト
53 リング部材
53a 突起
53b 突出部
54 ワッシャー
6 スリット
7 帯状部材
8 接着剤
9 せき板
10 突っ張り棒
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存側溝の既存蓋に代えて、平行な2本の蓋受部材の一部を連結部材で連結したフレーム状の一次蓋と、該一次蓋の開口部に装着した二次蓋を有する新たな蓋を側溝本体に装着する蓋付き側溝の改修方法であって、
前記側溝本体の蓋受部にその長さ方向に沿って、接着剤の漏れを防止する弾性体でなる帯状部材を設置するステップと、該帯状部材の上に前記一次蓋を載置し、一次蓋を前記蓋受部に装着するステップと、前記一次蓋と蓋受部の間に接着剤を注入するステップを有することを特徴とする蓋付き側溝の改修方法。
【請求項2】
前記帯状部材が、片面が予め接着剤を塗布された接着面となっており、該接着面が保護紙によって覆われ、該保護紙を剥がすことで容易に前記蓋受部に接着することができるものである請求項2に記載の蓋付き側溝の改修方法。
【請求項3】
前記一次蓋の蓋受部材の上面の蓋受部のレベルが連結部材上面のレベルよりも、二次蓋の厚みだけ低くなっており、前記二次蓋の幅が前記一次蓋上面の幅と実質的に等しい金属製である請求項1又は2に記載の蓋付き側溝の改修方法。
【請求項4】
前記二次蓋が、前記一次蓋の蓋受部に植設したインサートにボルト又はナットを螺略して固定され、二次蓋上面に該ボルト頭部又はナットを収納する凹部を形成し、前記ボルトの全部又は一部に対して、該ボルト頭部又はナット外周と凹部内周の間にリング部材を装入する二次蓋盗難防止機構を施した請求項1〜3のいずれかに記載の蓋付き側溝の改修方法。
【請求項5】
前記リング部材の内周平面形状が前記ボルト頭部又はナットの外周平面形状に対応する非円形形状で、前記リング部材の外周平面形状が前記凹部の内周面平面形状と対応する非円形形状であり、前記リング部材を前記凹部に挿入すると、前記ボルト又はナットが実質的に回転不能になる請求項4に記載の蓋付き側溝の改修方法。
【請求項1】
既存側溝の既存蓋に代えて、平行な2本の蓋受部材の一部を連結部材で連結したフレーム状の一次蓋と、該一次蓋の開口部に装着した二次蓋を有する新たな蓋を側溝本体に装着する蓋付き側溝の改修方法であって、
前記側溝本体の蓋受部にその長さ方向に沿って、接着剤の漏れを防止する弾性体でなる帯状部材を設置するステップと、該帯状部材の上に前記一次蓋を載置し、一次蓋を前記蓋受部に装着するステップと、前記一次蓋と蓋受部の間に接着剤を注入するステップを有することを特徴とする蓋付き側溝の改修方法。
【請求項2】
前記帯状部材が、片面が予め接着剤を塗布された接着面となっており、該接着面が保護紙によって覆われ、該保護紙を剥がすことで容易に前記蓋受部に接着することができるものである請求項2に記載の蓋付き側溝の改修方法。
【請求項3】
前記一次蓋の蓋受部材の上面の蓋受部のレベルが連結部材上面のレベルよりも、二次蓋の厚みだけ低くなっており、前記二次蓋の幅が前記一次蓋上面の幅と実質的に等しい金属製である請求項1又は2に記載の蓋付き側溝の改修方法。
【請求項4】
前記二次蓋が、前記一次蓋の蓋受部に植設したインサートにボルト又はナットを螺略して固定され、二次蓋上面に該ボルト頭部又はナットを収納する凹部を形成し、前記ボルトの全部又は一部に対して、該ボルト頭部又はナット外周と凹部内周の間にリング部材を装入する二次蓋盗難防止機構を施した請求項1〜3のいずれかに記載の蓋付き側溝の改修方法。
【請求項5】
前記リング部材の内周平面形状が前記ボルト頭部又はナットの外周平面形状に対応する非円形形状で、前記リング部材の外周平面形状が前記凹部の内周面平面形状と対応する非円形形状であり、前記リング部材を前記凹部に挿入すると、前記ボルト又はナットが実質的に回転不能になる請求項4に記載の蓋付き側溝の改修方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−231460(P2011−231460A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99925(P2010−99925)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(300030277)中越製陶株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(300030277)中越製陶株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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