説明

蓋用パイ生地の巻締め装置及びその巻締め方法

【課題】ぱらつきを生じることなく高品質の焼きパイ蓋付きカップ食品を、人手をかけることなく低コストで合理的に製造することができる蓋用パイ生地の巻締め装置を提供する。
【構成】スープ等が所定量充填されたカップ15の上面開口部を覆うように、その外周部分が前記上面開口部からはみ出した状態で載せられたパイ生地12の前記はみ出し外周部分12aを下方に押し下げる押し下げ機構40と、該押し下げ機構40により押し下げられた前記はみ出し外周部分12aを前記カップ15の外周面に押し付ける押し付け機構60と、前記押し下げ機構40から前記押し付け機構60へ前記はみ出し外周部分12aが押し下げられているパイ生地付きカップ15を搬送する搬送機構20と、を具備して構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼きパイ蓋付きカップ食品の製造に用いられる蓋用パイ生地の巻締め装置及びその巻締め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
焼きパイ蓋付きカップ食品の製造は、下記特許文献1等にも見られるように、通常、カップの中にシチュー等のスープ、ソース類、麺類、煮込み料理、コーヒー等のホットドリンク類等(以下、スープ等と略称する)を所定量充填した後、カップの上面開口部を覆うように、パイ生地をその外周部分が前記上面開口部からはみ出した状態で載せ、そのはみ出し外周部分を人手でカップ外周面に押し付けてカップの上部を包み込むように巻締め、しかる後、焼成して、パイ生地を膨張変性させることにより、パイ生地をカップ(のフランジ)にしっかりと固化係着させるようになされている。
【0003】
【特許文献1】特願2001−178353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のように、従来においては、焼きパイ蓋付きカップ食品の製造は人手に頼っているのが実状であり、特に、パイ生地のカップへの巻締めは、個人差が生じやすく、品質にばらつきが生じるとともに、手間がかかるので、人件費も嵩むという問題があった。
【0005】
本発明は、前記した如くの事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ぱらつきを生じることなく高品質の焼きパイ蓋付きカップ食品を、人手をかけることなく低コストで合理的に製造することができ、もって、省力化を図ることができて、生産性を高めることのできる蓋用パイ生地の巻締め装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成すべく、本発明に係る蓋用パイ生地の巻締め装置は、基本的には、焼きパイ蓋付きカップ食品の製造に用いられるもので、スープ等が所定量充填されたカップの上面開口部を覆うように、その外周部分が前記上面開口部からはみ出した状態で載せられたパイ生地の前記はみ出し外周部分を下方に押し下げる押し下げ機構と、該押し下げ機構により押し下げられた前記はみ出し外周部分を前記カップの外周面に押し付ける押し付け機構と、前記押し下げ機構から前記押し付け機構へ前記はみ出し外周部分が押し下げられているパイ生地付きカップを搬送する搬送機構と、を具備して構成される。
【0007】
前記押し下げ機構は、好ましくは、前記カップの上部及びそれに載せられているパイ生地が嵌め込まれる筒状の押し下げ体と、該押し下げ体を昇降させる昇降機構と、を備える。
【0008】
前記押し下げ体として、好ましくは、スポンジ等の、柔軟性及び弾性復元力を合わせ持った材料が用いられる。
【0009】
前記押し付け機構は、好ましくは、前記カップの水平断面外形と相似形をなす押し付け面を有する、左右方向に開閉駆動される一対の押し付けアームと、該押し付けアームを昇降させる昇降機構と、を備える。
【0010】
前記搬送機構は、好ましくは、前記パイ生地が載せられているカップを押送する押送具と、該押送具に前進、左行もしくは右行、後退、及び、右行もしくは左行からなる矩形運動を行わせる押送駆動機構と、を備え、前記パイ生地が載せられている複数個のカップを同時に1ピッチずつ間欠的に搬送可能とされる。
【0011】
一方、本発明に係る蓋用パイ生地の巻締め方法は、スープ等が所定量充填されたカップの上面開口部を覆うように、その外周部分が前記上面開口部からはみ出した状態で載せられたパイ生地の前記はみ出し外周部分を筒状部材もしくはリング状部材により下方に押し下げる巻締め前工程を行い、その後、前記巻締め前工程で押し下げられている前記はみ出し外周部分を、前記カップの水平断面外形と相似形をなす押し付け面を有する、左右方向に開閉可能な一対のアーム部材により前記カップの外周面に押し付けて巻締める巻締め本工程を行うようにされる。
【0012】
他の好ましい態様では、前記巻締め前工程及び巻締め本工程に供すべく、パイ生地が載せられた複数個のカップを同時に1ピッチずつ間欠的に搬送するとともに、前記巻締め前工程と前記巻締め本工程とを同時並列的に行うようにされる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る蓋用パイ生地の巻締め装置及び方法では、押し下げ機構により、パイ生地のはみ出し外周部分が押し下げられて巻締め前工程が行われ、押し付け機構により、前記巻締め前工程が行われたカップにおける前記はみ出し外周部分をカップ外周面に押し付けて巻締める巻締め本工程が行われるようにされ、また、搬送機構により、少なくとも押し下げ機構−押し付け機構間のパイ生地が載せられているカップの搬送が行われるので、ぱらつきを生じることなく高品質の焼きパイ蓋付きカップ食品を、人手をかけることなく低コストで合理的に製造することができ、その結果、省力化を図れ、生産性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の蓋用パイ生地の巻締め装置の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1、図2は、本発明に係る蓋用パイ生地の巻締め装置の一実施形態の平面図、正面図である。
【0016】
本実施形態の蓋用パイ生地の巻締め装置10は、スープ等14が所定量充填された有底円筒状ないし逆円錐台状のフランジ付きカップ15が載置されるテーブル11と、カップ15の上面開口部を覆うように、その外周部分12aが前記上面開口部15aからはみ出した状態で載せられた円板状のパイ生地12の前記はみ出し外周部分12aを下方に押し下げて巻締め前工程を行う押し下げ機構40と、パイ生地12が載せられている複数個のカップ15を、テーブル11上を左右方向に滑らせて、同時に1ピッチずつ間欠的に搬送する搬送機構20と、押し下げ機構40により押し下げられた前記はみ出し外周部分12aを前記カップ15の外周面に押し付けて巻締める巻締め本工程を行う押し付け機構60と、を備えている。
【0017】
前記テーブル11の右端部上面には、カップ15の外周面と同形状の位置決め用半円弧状体18が固着されるとともに、この半円弧状体18により位置決めされたカップ15の上面開口部を覆うようにパイ生地12をその上から同心的に位置決めして載せるための位置決め板19が配置されている。位置決め板19には、パイ生地12より若干大きめの円形の位置決め開口19aが形成されており、パイ生地12を略水平状態で前記位置決め開口19aを通してカップ15上に落とし込むことにより、パイ生地12の中央部にカップ15の上面開口部を対接させることができ、これにより、カップ15とパイ生地12(の中央部)との位置ずれを小さくすることができる。なお、テーブル11の前後方向一端側(前記搬送機構20とは反対側)には、搬送時の便宜を図るべく、カップ11を受け止めるガイドストッパ13が敷設されている。
【0018】
前記搬送機構20は、パイ生地12が載せられた複数個のカップ15を、前記巻締め前工程及び巻締め本工程に順次供すべく、テーブル11の右端側(位置決め板12がある方)から左方向に同時に1ピッチずつ間欠的に搬送するようにされており、パイ生地12が載せられたカップ15を押送する押送具22と、この押送具22に前進、左行、後退、及び、右行からなる矩形運動を行わせる押送駆動機構25と、を備えている。押送具22は、側面視で横倒しL形状の可動支持体32及び後述する前後方向スライダ33に保持固定されて左右方向に伸びる搬送バー23と、この搬送バー23に一定間隔(1ピッチ分)をあけて設けられた、前記カップ15を底辺部まで入れ込むことができる、5個のU字状部24(左端のものは半分のみ)と、からなっている。
【0019】
前記押送駆動機構25は、図1、図2に加えて図3及び図7を参照すればよくわかるように、矩形の案内溝26aが設けられている支持テーブル26と、駆動源となる電動モータ30と、このモータ30の回転駆動力が一対のベベルギヤ29A、29B(図3)を介して伝達される、前記支持テーブル26を鉛直に貫通するように配在された回転軸31と、この回転軸31に一体に固着されて水平面内で回転するようにされた長穴27a付きレバー27と、側面視で横倒しL形とされてその一端部(下端部)が前記搬送バー23及びテーブル26の下側に配在されている前後方向スライダ33に連結固定された可動支持体32と、を有し、可動支持体32の他端部にはピン28が下向きに突設されている。ピン28は、前記レバー27の長穴27aに挿入されるとともに、その下端部が前記案内溝26aに摺動自在に嵌め込まれている。
【0020】
支持テーブル26の下側には、左右方向に伸びる前後一対のガイドバー35、35が水平に配設され、このガイドバー35、35に左右方向スライダ34が左右方向に摺動自在に外挿されている。左右方向スライダ34には、前後方向に伸びるレール36が保持固定され、このレール36に、前記搬送バー22及び可動支持体32が一体に連結固定された前後方向スライダ33が前後方向に摺動自在に支持されている。
【0021】
かかる構成の搬送機構20においては、例えば、レバー27及びピン28が図1及び図7において実線で示される位置にあるときを始点として、モータ30により回転軸31及びレバー27が平面視で反時計回りに回転せしめられると、前後方向スライダ33がレール36に案内され、また、可動支持体32が案内溝26aに案内されて前進し、これに伴って押送具22も前進する。これにより、テーブル11上のパイ生地12が載せられている5個のカップ25がU字状部24に同時に捕捉され、さらに、回転軸31及びレバー27が回転せしめられると、図7において一点鎖線で示される如くに、押送具22が左行せしめられて、前記5個のカップ15が、前記ガイドストッパ13とU字状部24とで挟まれた状態で、同時に1ピッチ分だけ左方向に搬送され、さらに回転せしめられると、押送具22が後退(カップ15から離間)した後、右行せしめられて元の始点に戻される。
【0022】
このように、搬送機構20においては、前記巻締め前工程及び巻締め本工程に供すべく、押送駆動機構25が押送具22に前進、左行、後退、及び、右行からなる矩形運動を行わせ、パイ生地12が載せられた複数個のカップ15を同時に1ピッチずつ間欠的に搬送するようにされ、これにより、各カップ15は、前記巻締め前工程及び巻締め本工程が行われる位置へ正確に送られて位置決めされる。
【0023】
前記押し下げ機構40は、図1、図2に加えて図4を参照すればよくわかるように、支持基台41と、前記カップ15の上部及びそれに載せられているパイ生地12が嵌め込まれる円柱状ないし円錐台状の穴42aを有する有底筒状の押し下げ体42と、該押し下げ体42を昇降させる昇降機構45と、を備えている。前記押し下げ体42として、ここではスポンジ等の、柔軟性及び弾性復元力を合わせ持った材料が用いられている。
【0024】
昇降機構45は、駆動源としてのモータ(図示省略)の回転駆動力がスプロケットホイールやチェーン等からなる巻掛伝動機構46を介して伝達される回転軸47と、この回転軸47に一体回転可能に保持固定されたレバー48と、このレバー48の先端部にピン49で回転自在に連結されたリンクロッド51と、このリンクロッド51の下端部にピン52で連結された昇降バー53と、を備え、この昇降バー53に前記押し下げ体42が前後方向に伸びるステー56を介して保持されている。前記昇降バー53は、その両端部が前記支持基台41におけるテーブル11側に鉛直に立設された左右一対のガイドロッド54、54に摺動自在に外挿されている。
【0025】
かかる構成を有する押し下げ機構40においては、前記回転軸47が例えば反時計回りに回転せしめられて、レバー48が上向きの状態(図2の実線で示される状態)から下向きの状態(図4の実線で示される状態に)に180°回転せしめられると、リンクロッド51を介して昇降バー53が下降せしめられ、これに伴い、押し下げ体42は、最上昇位置(図2に示される位置)から、最下降位置(図4に示される位置)まで下降せしめられ、この状態からさらに回転軸47が回転せしめられると、上昇して元の最上昇位置に戻される。
【0026】
ここで、押し下げ体42が下降せしめられるときには、パイ生地12のはみ出し外周部分12aに押し下げ体42(の下端部)が当たり、そのはみ出し外周部分12a(及びカップ15上部)が押し下げ体42の穴42a内に入り込んでカップ15の外周面に沿うよう押し下げられる(図4参照)。この場合、押し下げ体42は、スポンジ等の、柔軟性及び弾性復元力を合わせ持った材料が用いられているので、パイ生地12に傷を付けることはなく、また、多少の位置ずれ等を吸収することができる。このように、パイ生地12のはみ出し外周部分12aをカップ15の外周面に沿うように押し下げて巻締め前工程を行うことにより、押し付け機構60による巻締め本工程が格段にやりやすくなり、品質にばらつきを生じさせることなく高品質の焼きパイ蓋付きカップ食品を得ることができるようになる。
【0027】
前記押し付け機構60は、図1、図2に加えて、図5及び図6を参照すればよくわかるように、支持基台61と、前記カップ15の水平断面外形(円形)と相似形をなす押し付け面62aを有するゴムないし合成樹脂からなる多少の弾力性を持つ内周部62Aを備え、左右方向に開閉可能な一対の押し付けアーム62、62と、該押し付けアーム62、62を左右方向に開閉駆動するための前後一対のエアーシリンダ63、63と、前記押し付けアーム62、62を昇降させる昇降機構65と、を備えている。
【0028】
昇降機構65は、前記押し下げ機構40の昇降機構45と略同じ構成であり、共通の駆動源であるモータ(図示省略)及び巻掛伝動機構46から回転駆動力が伝達される、支持基台61上に配在された回転軸67と、この回転軸67に一体回転可能に保持固定されたレバー68と、このレバー68の先端部にピン69で回転自在に連結されたリンクロッド71と、このリンクロッド71の下端部にピン72で連結された昇降バー76を含む昇降体75と、を備える。この昇降体75は、その両端部が前記支持基台61におけるテーブル11側に鉛直に立設された左右一対のガイドロッド74、74に摺動自在に外挿された昇降バー76と、この昇降バー76の両端部に保持固定されて前後方向(水平)に伸びる左右一対の側板部材77、77と、この側板部材77、77間を橋絡するように架設された前後一対の水平ガイドバー78、78と、この水平ガイドバー78、78が挿通せしめられた左右一対の水平可動体80と、を備える。なお、押し下げ機構40の昇降バー53と押し付け機構60の昇降体75は同期して昇降せしめられる。
【0029】
前記左右一対の水平可動体80、80の下方には、それぞれの対向面側に配在された前後一対のブラケット81、81及び連結ロッド82、82を介して前記押し付けアーム62、62が水平に保持固定されている。また、水平可動体80、80の上方には、それぞれ左右方向に伸縮するエアーシリンダ63、63(のシリンダ本体部)が相互に逆向きで水平に保持固定されている。エアシリンダ63、63のピストンロッド63a、63aの先端部は、それぞれ前記側板部材77、77上に配設されたブラケット84に固定されており、エアシリンダ63、63は、エアーが例えば左室に供給されるとともに右室から排除されたときには伸張して、水平可動体80、80を同時に相互に接近させる方向、すなわち、前記押し付けアーム62、62を同時に閉じる方向に駆動し、エアーが例えば右室に供給されるとともに左室から排除されたときには収縮して、水平可動体80、80を相互に離隔させる方向、すなわち、前記押し付けアーム62、62を開く方向に駆動する。
【0030】
前記押し付けアーム62、62間には、図6(A)に示される如くに、それらがパイ生地12のはみ出し外周部分12aをカップ15の外周面に押し付けるべく、前記エアーシリンダ63、63により開状態から閉状態に駆動されるとき、それらの両端部間に形成される間隙部分において前記はみ出し外周部分12aが外側に膨らむのを防いで綺麗にカップ15に沿わせるための、前後一対の補助成形板85、85が配在されている。この補助成形板85、85は、平面視概略へ字状とされ、それぞれ左側の押し付けアーム62の上面両端部にその一端部85Aがピン86で軸支されている。補助成形板85、85は、前記押し付けアーム62,62の押し付け面62a、62aと協同して画成される内周面が、押し付けアーム62、62が閉方向に移動(接近)するに従って、平面視楕円(ないし小判形)から円形に変化するように(図6(A)から(B)への変化)、前記ピン86を支点にして、水平面内で揺動するようにされ、一端部85A側には内方への揺動規制(ガイド)を行う左側の連結ロッド82が通される切欠開口85aが形成され、他端部85B側は、三日月(カム)形状とされて、その外側面が外方への揺動規制(ガイド)を行う右側の押し付けアーム62の連結ロッド82に当接せしめられている。また、補助成形板85、85の一端部85A−85A間には、引っ張りコイルばね88が配在されており、この引っ張りコイルばね88により、補助成形板85、85は、その他端部85Bの外側面が常時右側の押し付けアーム62の連結ロッド82、82に圧接するように付勢されている。
【0031】
かかる構成の押し付け機構60においては、押し付けアーム62、62は、昇降機構65により、図2に示される最上昇位置と図5に示される最下降位置との間を開状態で昇降せしめられ、最下降位置においては、押し付けアーム62、62は、押し下げ機構40による巻締め前工程で前記はみ出し外周部分12aが押し下げられているカップ15の上部のフランジより若干下方の部位に対向した状態で停止せしめられる。この対向状態において、押し付けアーム62、62は、エアーシリンダ63、63により閉方向に駆動され、それによって、図5及び図6(B)に示される如くに、前記はみ出し外周部分12aがカップ15の外周面に押し付けられて巻締め本工程が行われる。この巻締め本工程が完了したカップ15は、その後、パイ生地12への液卵噴霧等が行われ、しかる後、加熱焼成が行われ,これによって、パイ生地を膨張変性させ、パイ生地をカップ(のフランジ)にしっかりと固化係着させる。
【0032】
なお、搬送機構20によるカップ15の搬送、押し下げ機構40によるはみ出し外周部分12aの押し下げ(巻締め前工程)、押し付け機構60によるはみ出し外周部分12aのカップ15への押し付け(巻締め本工程)のタイミングは、コントローラにより要所に配在されたリミットスイッチ等からの信号に基づいて
自動的に制御される。
【0033】
以上のような構成とされた本実施形態の蓋用パイ生地の自動巻締め装置10においては、押し下げ機構40により、パイ生地12のはみ出し外周部分12aが押し下げられて巻締め前工程が行われ、押し付け機構60により、前記巻締め前工程が行われたカップ15における前記はみ出し外周部分12aをカップ外周面に押し付けて巻締める巻締め本工程が行われるようにされ、また、搬送機構20により、パイ生地12が載せられているカップ15の自動搬送が行われるので、ぱらつきを生じることなく高品質の焼きパイ蓋付きカップ食品を、人手をかけることなく低コストで合理的に製造することができ、その結果、省力化を図れ、生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る蓋用パイ生地の巻締め装置の一実施形態を示す平面図。
【図2】図1に示される蓋用パイ生地の巻締め装置の正面図。
【図3】図1に示される巻締め装置の搬送機構の主要部を示す正面図。
【図4】図1に示される巻締め装置の押し下げ機構の説明に供される拡大正面図。
【図5】図1に示される巻締め装置の押し付け機構の説明に供される拡大正面図。
【図6】図1に示される巻締め装置の押し付け機構の要部の説明に供される拡大平面図。
【図7】図1に示される巻締め装置の搬送機構の説明に供される平面図。
【符号の説明】
【0035】
10…蓋用パイ生地の巻締め装置
11…テーブル
12…パイ生地
12a…はみ出し外周部分
15…カップ
20…搬送機構
22…押送具
25…押送駆動機構
40…押し下げ機構
42…押し下げ体
60…押し付け機構
62…押し付けアーム
65…昇降機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼きパイ蓋付きカップ食品の製造に用いられる蓋用パイ生地の巻締め装置であって、
スープ等が所定量充填されたカップの上面開口部を覆うように、その外周部分が前記上面開口部からはみ出した状態で載せられたパイ生地の前記はみ出し外周部分を下方に押し下げる押し下げ機構と、該押し下げ機構により押し下げられた前記はみ出し外周部分を前記カップの外周面に押し付ける押し付け機構と、前記押し下げ機構から前記押し付け機構へ前記はみ出し外周部分が押し下げられているパイ生地付きカップを搬送する搬送機構と、を具備して構成された蓋用パイ生地の巻締め装置。
【請求項2】
前記押し下げ機構は、前記カップの上部及びそれに載せられているパイ生地が嵌め込まれる筒状もしくはリング状の押し下げ体と、該押し下げ体を昇降させる昇降機構と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の蓋用パイ生地の巻締め装置。
【請求項3】
前記押し下げ体として、スポンジ等の、柔軟性及び弾性復元力を合わせ持った材料が用いられていることを特徴とする請求項2に記載の蓋用パイ生地の巻締め装置。
【請求項4】
前記押し付け機構は、前記カップの水平断面外形と相似形をなす押し付け面を有する、左右方向に開閉駆動される一対の押し付けアームと、該押し付けアームを昇降させる昇降機構と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の蓋用パイ生地の巻締め装置。
【請求項5】
前記搬送機構は、前記パイ生地が載せられているカップを押送する押送具と、該押送具に前進、左行もしくは右行、後退、及び、右行もしくは左行からなる矩形運動を行わせる押送駆動機構と、を備え、前記パイ生地が載せられている複数個のカップを同時に1ピッチずつ間欠的に搬送可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の蓋用パイ生地の巻締め装置。
【請求項6】
焼きパイ蓋付きカップ食品を製造するための蓋用パイ生地の巻締め方法であって、
スープ等が所定量充填されたカップの上面開口部を覆うように、その外周部分が前記上面開口部からはみ出した状態で載せられたパイ生地の前記はみ出し外周部分を筒状部材もしくはリング状部材により下方に押し下げる巻締め前工程を行い、その後、前記巻締め前工程で押し下げられている前記はみ出し外周部分を、前記カップの水平断面外形と相似形をなす押し付け面を有する、左右方向に開閉可能な一対のアーム部材により前記カップの外周面に押し付けて巻締める巻締め本工程を行うことを特徴とする蓋用パイ生地の巻締め方法。
【請求項7】
前記巻締め前工程及び巻締め本工程に供すべく、パイ生地が載せられた複数個のカップを同時に1ピッチずつ間欠的に搬送するとともに、前記巻締め前工程と前記巻締め本工程とを同時並列的に行うことを特徴とする請求項6に記載の蓋用パイ生地の自動巻締め方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−158235(P2006−158235A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−351160(P2004−351160)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000118497)伊藤ハム株式会社 (57)
【Fターム(参考)】