蓋装置、及び携帯端末装置
【課題】 筐体に対して簡単、かつ、強固に装着可能とすると共に、取り外しも簡単な蓋装置を提供する。
【解決手段】 挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入し、固定カバー本体40の挿入孔部44に設けられたスペーサ部50を、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入すし、固定カバー本体40を上筐体1にネジ止めする。この作業により、固定カバー3を、簡単、かつ、強固に上筐体1に固定することができる。また、上筐体1に固定カバー3をネジ止めしているネジを取り外し、次に、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入されているスペーサ部50を引き抜き、挿入脚部収納部48の開口端部48aから、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを引き抜き、該挿入脚部収納部48から挿入脚部42を取り外す。この作業により、上筐体1から固定カバー3を簡単に取り外すことができる。
【解決手段】 挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入し、固定カバー本体40の挿入孔部44に設けられたスペーサ部50を、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入すし、固定カバー本体40を上筐体1にネジ止めする。この作業により、固定カバー3を、簡単、かつ、強固に上筐体1に固定することができる。また、上筐体1に固定カバー3をネジ止めしているネジを取り外し、次に、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入されているスペーサ部50を引き抜き、挿入脚部収納部48の開口端部48aから、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを引き抜き、該挿入脚部収納部48から挿入脚部42を取り外す。この作業により、上筐体1から固定カバー3を簡単に取り外すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話機、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機、デジタルカメラ装置、ノート型或いはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置等の電子機器の、カード状記憶媒体や二次電池等の収納部の蓋部、或いはイヤホン端子の蓋部等に適用して好適な蓋装置、及びこの蓋装置を備えた携帯端末装置に関する。
特には、蓋装置本体を電子機器に装着した際に、該蓋装置本体に設けられている蓋部が、該蓋部装置本体から脱落しないように固定される構造とすることで、機器に対する蓋装置本体の装着や取り外しの際の作業性の向上を図った蓋装置、及びこの蓋装置を備えた携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2006−217001号の公開特許公報に、通常の使用時と同じ操作を可能にしつつ、収納されている記録媒体が簡単に取り外されてしまうことを防止した携帯電話機が開示されている。
【0003】
この携帯電話機の場合、筐体と収納部と蓋部と樹脂フィルムとを備えており、筺体には、移動体通信ネットワークを介して無線通信を行う無線通信部が格納されている。収納部は、略板状の形状を有する記録媒体を収納するように筐体の内部に設けられ、記録媒体を筐体の外部から受け入れるための受入口を有している。蓋部は、上記受入口から受け入れられ収納部に収納された記録媒体を覆うように筐体に設けられている。樹脂フィルムは、加熱されて熱収縮し、蓋部の少なくとも一部と筐体の外壁面の少なくとも一部とに密着することにより、筺体に向かう力を蓋部に付与する。これにより、収納されている記録媒体が簡単に取り外されてしまうことを防止可能となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−217001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に開示されている携帯電話機を含め、収納部を備えた機器に設けられている蓋装置に対して全般的に言えることであるが、蓋装置は、上記収納部に収納されている記録媒体等の脱落を防止する必要があるため、機器本体に対して強固に固定する必要がある。
【0006】
しかし、機器本体に対して強固に固定するためには、手間の掛かる取り付け作業を必要とする問題がある。また、機器本体に対して強固に固定するために、一度機器本体に固した後は、蓋装置を機器本体から取り外すことが困難となる構造としてしまうと、例えば修理時や部品交換時等に、機器本体に固定して設けられた蓋装置の取り外しに手間取り、該修理や部品交換等の作業性が悪くなる問題を生ずる。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、機器に対して強固に固定することができ、また、機器に対する取り付け作業、及び取り外し作業を簡単に行うことができ、修理時や部品交換時等に作業性の向上を図ることができるような蓋装置、及び携帯端末装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る蓋装置は、上述の課題を解決するために、
略鉤形状とされた先端部を備えた略棒状の挿入脚部と、
上記鉤形状とされた先端部に対して反対側となる上記挿入脚部の端部が接続された蓋部と、
機器本体側に設けられ、開口端部を介して挿入された上記挿入脚部を収納する挿入脚部収納部と、
上記挿入脚部収納部の上記開口端部に設けられ、上記鉤形状の先端部よりも若干広めの幅となるように上記開口端部の幅を狭小させる開口端狭小用突出部と、
上記鉤形状とされた先端部を介して上記挿入脚部が挿入される挿入孔部と、該挿入孔部に挿入された上記挿入脚部に設けられている上記鉤形状の先端部が突出する側に対して反対側の位置関係となるように上記挿入孔部に設けられ、上記挿入脚部と共に上記挿入脚部収納部の上記開口端部に挿入されることで、該挿入脚部の幅を、上記開口端狭小用突出部により狭小された上記開口端部の幅と略同じ幅とするスペーサ部とを備えた蓋部本体と、
上記蓋部本体に設けられ、当該蓋部本体を上記機器本体に固定するための固定部と
を有する。
【0009】
このような本発明は、蓋部に接続された挿入脚部の先端部を略鉤形状に加工し、この挿入脚部を、機器本体側に設けられた挿入脚部収納部に挿入する。この挿入脚部収納部の開口端部の幅は、開口端狭小用突出部により上記鉤形状の先端部よりも若干広めの幅となるように狭小されている。このため、上記鉤形状の先端部を介して挿入脚部を挿入脚部収納部に、簡単に挿入することができる。
【0010】
次に、蓋部本体の挿入孔部に設けられたスペーサ部を、上記挿入脚部収納部の開口端部に挿入する。挿入脚部収納部の開口端部の幅は、挿入脚部の幅とスペーサ部の幅とを合わせた幅と略同じ幅となっている。また、スペーサ部は、上記鉤形状の先端部が突出する側に対して反対側の位置関係となるように上記挿入孔部に設けられている。このため、スペーサ部を上記挿入脚部収納部の開口端部に挿入することで、当該スペーサ部と共に開口端部に挿入されている挿入脚部が、鉤形状の先端部の突出方向に移動した状態となる。
【0011】
スペーサ部により、鉤形状の先端部が突出する方向に挿入脚部が移動すると、この突出した鉤形状の先端部が、挿入脚部収納部の開口端部に設けられている開口端狭小用突出部に引っ掛かり、挿入脚部収納部から挿入脚部が脱落しない状態となる。そして、挿入脚部収納部から挿入脚部が脱落しない状態としたうえで、固定部を介して蓋部本体を機器本体に固定する。
【0012】
すなわち、装着の際には、まず、鉤形状の先端部を介して挿入脚部を挿入脚部収納部の開口端部に挿入し、次に、蓋部本体の挿入孔部に設けられたスペーサ部を挿入脚部収納部の開口端部に挿入する。そして、固定部を介して蓋部本体を機器本体に固定する。このような作業を行うだけで、蓋部本体を、簡単、かつ、強固に機器本体に固定することができる。
【0013】
また、取り外しの際には、まず、機器本体に蓋部本体を固定している固定部を取り外し、次に、挿入脚部収納部の開口端部に挿入されているスペーサ部を引き抜く。そして、挿入脚部収納部の開口端部から鉤形状の先端部を引き抜くことで、挿入脚部収納部から挿入脚部を取り外す。このような作業を行うだけで、機器本体から蓋部本体を、簡単に取り外すことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、機器に対して強固に固定することができ、また、機器に対する装着、及び取り外しを簡単に行うことができる。このため、修理や部品交換等の作業性の向上に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、折り畳み型の携帯電話機に適用することができる。
【0016】
[携帯電話機の外観構成]
この本発明の実施の形態となる携帯電話機は、略長方形状の上筐体の短手方向の一端部、及び上筐体と略々同じ大きさの略長方形状の下筐体の短手方向の一端部をヒンジ部を介して相互に接続することで、上筐体及び下筐体の折り畳み操作及び開操作が可能となっている。
【0017】
図1に、本発明を適用した実施の形態となる携帯電話機の上筐体1、この上筐体1に装着する筐体パネル2、及び上筐体1の端部1a(反ヒンジ部側の端部)に装着して、該上筐体1に筐体パネル2を固定する固定カバー3の斜視図を示す。
【0018】
この図1に示すように、上筐体1には、当該携帯電話機を折り畳んだ際に露出する面部1a(以下、筐体パネルを装着する面部の意味で「装着面部1a」という。)のヒンジ部4近傍に、外部出力用のスピーカ部である、右出力用及び左出力用の一対の外部スピーカ部5R,5Lが、当該上筐体1の短手方向に沿って並設されている。
【0019】
また、この上筐体1の装着面部1aには、各外部スピーカ部5R,5Lと、当該上筐体1の反ヒンジ部4側の端部1bとの間に、例えば液晶表示部、EL表示部(EL:Electro-Luminescence)、有機EL表示部等の補助表示部6が設けられている。一例ではあるが、この補助表示部6は、当該上筐体1の短手方向に沿った楕円形状を有している。
【0020】
図2に、筐体パネル2及び固定カバー3を装着した状態の上筐体1を、当該携帯電話機を開操作した際に露出する面部1c(以下、メイン表示部が設けられている面部との意味で「表示面部1c」という。)側から見た状態の斜視図を示す。
【0021】
この図2からわかるように、当該上筐体1の、上記装着面部1aに対して反対側の面部となる表示面部1cには、反ヒンジ部4側の端部1b近傍に、主に受話音声を出力するための受話音声用スピーカ部7が設けられている。また、この上筐体1の表示面部1cには、受話音声用スピーカ部7とヒンジ部4との間の領域を略々専有する大きさのメイン表示部8が設けられている。このメイン表示部8は、上記補助表示部6と同様に、液晶表示部、EL表示部(EL:Electro-Luminescence)、或いは有機EL表示部等となっている。
【0022】
図3に、この上筐体1のみを上記装着面部1a側から見た斜視図を示す。この図3からわかるように、上筐体1の装着面部1aには、上筐体1の両側面部近傍に、該上筐体1の長手方向に沿って延設され、該上筐体1の長手方向に対して垂直方向に装着面部1aから突出した一対の間隙形成用凸部9が設けられている。この間隙形成用凸部9は、上筐体1に筐体パネル2が装着された際に、上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部との間に所定の間隙部(図5の符号25)を形成するように機能するが、詳しくは後述する。
【0023】
次に、同じく図3に示すように、上筐体1は、当該上筐体1の上半分を形成する上ハーフ10、及び当該上筐体1の下半分を形成する下ハーフ11とを貼り合わせることで形成されている。上ハーフ10及び下ハーフ11の長手方向の両側面部には、該上ハーフ10及び該下ハーフ11を貼り合わせた際に、該両側面部が丸みを帯びた形状となるように、いわゆるR加工が施されている。
【0024】
すなわち、近年、筐体に対する薄型化の要求が強い。筐体を薄型化するには、該筐体を物理的に薄型化したうえで、両側面部の角を削って丸みを帯びた形状にR加工することで、ユーザに対して、見た目上、さらに筐体を薄く見せることができる。ただ、筐体の両側面部に対してR加工を施すと、ユーザに対して、見た目上、さらに筐体を薄く見せることができることはよいが、必然的に両側面部の面積が小さくなるため、筐体として必要な強度を得ることができるように、上ハーフ10及び下ハーフ11を貼り合わせることが困難となる。
【0025】
このため、当該実施の形態の携帯電話機の場合、図3に示すように上筐体1の上ハーフ10及び下ハーフ11の各側面部を、見た目が台形状の凹凸を繰り返すように切り欠き加工し、上ハーフ10の台形状の凹部には、下ハーフ11の台形状の凸部が挿入され、同様に上ハーフ10の台形状の凸部が、下ハーフ11の台形状の凹部に挿入されるように、該上ハーフ10及び下ハーフ11を貼り合わせている。
【0026】
これにより、上筐体1を物理的に薄型化し、見た目上、該筐体をさらに薄く見せるように該上筐体1の両側面部に対してR加工を施した場合でも、該上筐体1の上ハーフ10及び下ハーフ11を強固に貼り合わせる可能として、上筐体1としての必要な強度を保持している。
【0027】
次に、図4に筐体パネル2を裏面部側から見た斜視図を示す。この図4からわかるように、筐体パネル2は、例えば楕円の筒形状部材の周面部の一部を、径方向に対して直交する方向に沿って切り欠いて形成することで、当該筐体パネル2を端部側から見た際に、略U字形状を有するように形成されている。この筐体パネル2の材質は、例えばアルミニウム等の金属部材となっており(鉄部材等の他の金属部材や、ABS樹脂等の強化プラスチックでもよい。)、上筐体1の端部1bが挿入される空隙部20の大きさは、該上筐体1の端部1bの大きさよりも若干大きめとなっている。
【0028】
また、この筐体パネル2の両側面部2aには、当該筐体パネル2が上筐体1に装着された際に、上記R加工が施されている上筐体1の両側面部を被覆すると共に、図2に示すように該上筐体1の表示面部1cにおける、該上筐体1の両側面部近傍に相当する部分までをも被覆するように巻き加工(ラウンド加工)が施されている。
【0029】
また、この筐体パネル2には、上筐体1に装着された際に、該上筐体1の装着面部1aに設けられている補助表示部6を露出させるための開口部15が設けられている。この開口部15は、上筐体1の装着面部1aに設けられている補助表示部6と同じ楕円形状を有しており、該補助表示部6の外周部と当該開口部15の内周部15aとの間に所定の間隙部を形成するように、上記補助表示部6よりも若干大きめとなっている。
【0030】
次に、固定カバー3は、図1に示すように略楕円形状の有底円筒形状を有している。全体的な大きさは、上筐体1の端部1bを被覆可能なように、該端部1bと略々同じ大きさとなっている。また、この固定カバー3の両側面部近傍には、一対のネジ孔17が設けられている。固定カバー3は、ネジ18により、この各ネジ孔17を介して下筐体1の端部1bにネジ止めされることで、図2に示すように上筐体1に装着された筐体パネル2が該上筐体1に固定されるようになっている。
【0031】
[筐体パネルの装着工程]
次に、上筐体1に対する筐体パネル2の装着工程の説明をする。上筐体1に対して筐体パネル2を装着する場合、まず、図1に示すように筐体パネル2の空隙部20に対して上筐体1の端部1bを挿入し、この状態で、筐体パネル2の開口部15側の端部2bが、上筐体1のヒンジ部4側の端部1dに当接するまで、筐体パネル2に対して図1中矢印に示す上筐体1方向の力を加える。これにより、筐体パネル2の空隙部20に対して、上筐体1全体が挿入されるかたちで、該上筐体1に筐体パネル2が装着されることとなる。
【0032】
次に、このように上筐体1に筐体パネル2を装着した状態で、上筐体1の反ヒンジ部4側の端部1bに固定カバー3を装着する。そして、固定カバー3の各ネジ孔17を介してネジ18により、該固定カバー3を上筐体1の端部1bに固定する。これにより、上筐体1に装着された筐体パネル2が、この固定カバー3と上筐体1のヒンジ部4側の端部1dとの間で挟持されるかたちで該上筐体1に固定され、当該筐体パネルの装着工程が完了する。
【0033】
すなわち、当該実施の形態の携帯電話機の場合、筐体パネル2の空隙部20に対して、上筐体1の端部1bを挿入したうえで、上筐体1の反ヒンジ部4側の端部1bに固定カバー3をネジ止めするだけで、上筐体1に対して筐体パネル2を簡単に装着することができる。このため、デザインや模様、色彩等の異なる筐体パネル2に交換することも簡単に行うことができ、筐体の外観を簡単に一新させることができる。
【0034】
〔ラウンド構造による筐体補強機能〕
ここで、上述のように筐体パネル2の両側面部2aにはラウンド加工が施されており、筐体パネル2を上筐体1に装着した際に、図2に示すようにこの筐体パネル2の両側面部2aにより、上筐体2の表示面部1c側までも被覆するようになっている。図5は、上筐体1に筐体パネル2を装着した状態で、該上筐体1及び筐体パネル2を、該上筐体1の短手方向に沿って切断した状態の断面図である。この図5からもわかるように、上筐体1に筐体パネル2を装着することで、該筐体パネル2の両側面部2aにより、上筐体1の表示面部1c側まで被覆されていることがわかる。
【0035】
図3を用いて説明したように、上筐体1は、物理的に薄型化されており、見た目上、該筐体をさらに薄く見せるように該上筐体1の両側面部に対してR加工が施されている。そして、上筐体1の上ハーフ10及び下ハーフ11の各側面部を、見た目が台形状の凹凸を繰り返すように切り欠き加工し、上ハーフ10の台形状の凹部には、下ハーフ11の台形状の凸部が挿入され、同様に上ハーフ10の台形状の凸部が、下ハーフ11の台形状の凹部に挿入されるように、該上ハーフ10及び下ハーフ11を貼り合わせることで、上ハーフ10及び下ハーフ11の強固な貼り合わせを可能とし、このように薄型化された上筐体1の必要な強度を保持している。
【0036】
しかも、アルミニウム等の金属部材で形成された筐体パネル2を装着することで、上筐体1の装着面部1a、両側面部、及び表示面部1cにおける上筐体1の両側面部近傍に相当する部分を被覆し、固定カバー3により、上筐体1の反ヒンジ部4側の端部1bを被覆している。換言すれば、筐体パネル2及び固定カバー3により、上筐体1のメイン表示部8以外の部分を全て被覆している。これにより、薄型化された上筐体1の強度を十分に補強可能とすることができる。
【0037】
また、筐体パネル2及び固定カバー3により、上筐体1のメイン表示部8以外の部分が全て被覆されるということは、上筐体1全体の面積うち、筐体パネル2で占められる面積が大半であることを意味する。このため、筐体パネル2を交換することで、上筐体1のデザイン、色彩、模様等を一新させることを可能とすることができる。
【0038】
〔間隙形成用凸部の貼り付き防止機能〕
次に、上筐体1に装着された筐体パネル2は、図5の断面図に示すように上筐体1の装着面部1aに設けられている一対の間隙形成用凸部9上に乗り上げるかたちとなる。これにより、上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間に所定の間隙部25を形成する。すなわち、上筐体1に装着された筐体パネル2は、上筐体1の両側面部の部分と各間隙形成用凸部9との少ない面積で該上筐体1と接触していることとなる(上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとは接触していない。)。
【0039】
上筐体1と筐体パネル2との接触面積が大きい場合、時間の経過と共に上筐体1と筐体パネル2とが貼り付いた状態となり、上筐体1から筐体パネル2が取り外し難くなるのであるが、当該実施の形態の携帯電話機の場合、各間隙形成用凸部9により、上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの接触を防止し、上筐体1と筐体パネル2との接触面積を極小さなものとしているため、時間の経過と共に上筐体1と筐体パネル2とが貼り付いた状態となる不都合を防止することができ、時間が経過した場合でも、上筐体1から筐体パネル2を簡単に取り外し可能とすることができる。
【0040】
〔音声の放音構造〕
次に、この実施の形態の携帯電話機の場合、各間隙形成用凸部9で上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間に形成される間隙部25、及び筐体パネル2の開口部15の内周部と補助表示部6の外周部との間に形成される間隙部を用いて、上筐体1に設けられた各スピーカ部5R,5Lから出力された音声を、筐体パネル2外に放音するようになっている。
【0041】
図6に、筐体パネル2を装着した上筐体1を、該上筐体1の長手方向に沿ってスピーカ部5L及び補助表示部6の部分を切断した状態の断面図を示す。この図6からわかるように、筐体パネル2の開口部15の大きさは、上筐体1の装着面部1aに設けられた補助表示部6の大きさよりも若干大きめとなっている。このため、上筐体1に筐体パネル2を装着した場合、筐体パネル2の開口部15から補助表示部6が露出すると共に、筐体パネル2の開口部15の内周部15aと補助表示部6の外周部6aとの間に所定の間隙部30が形成される。
【0042】
さらに具体的には、筐体パネル2の開口部15の内周部15aには、該筐体パネル2の表面部2d側の開口面積が、裏面部2c側の開口面積よりも若干小さくなるようテーパ加工が施されている。これに対して、補助表示部6の外周部6a(及び上筐体1の補助表示部6が設けられる部分)には、当該外周部6aを、上記テーパ加工が施された開口部15の内周部15aと略々平行とするテーパ加工が施されている。このため、筐体パネル2の開口部15の内周部15aと補助表示部6の外周部6aとの間には、所定の間隙部30が形成されることとなる。そして、上述のように上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間には、各間隙形成用凸部9により、間隙部25が形成されているため、この間隙部25と、開口部15の内周部15aと補助表示部6の外周部6aとの間に形成された間隙部30とは連通することとなる。
【0043】
この状態で、スピーカ部5Lから音声出力がなされると、該スピーカ部5Lから出力された音声は、図6中矢印で示すように、スピーカ部5Lの放音用孔部31を介して上筐体1外に放音されると共に、上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間に形成された間隙部25を介して、該上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間を伝達し、開口部15の内周部15aと補助表示部6の外周部6aとの間に形成された間隙部30を介して筐体パネル2外に放音される。なお、スピーカ部5Rから出力された音声も、このスピーカ部5Lから出力された音声と同様に、上記間隙部30を介して筐体パネル2外に放音される。
【0044】
これにより、上筐体1に筐体パネル2を装着することで、上筐体1に設けられているスピーカ部5R,5L上を筐体パネル2で被覆する場合でも、各スピーカ部5R,5Lから出力される音声を該筐体パネル2で遮音することなく、上記各間隙部25,30を介して筐体パネル2外に放音することができ、良好な音響出力を得ることができる。
【0045】
また、各スピーカ部5R,5Lから出力される音声を上記各間隙部25,30を介して筐体パネル2外に放音することができるため、筐体パネル2に対して放音用の孔部を設ける等の加工処理を不要とすることができ、筐体パネル2の製作工程の簡素化を図ることができる。さらに、筐体パネル2に対する放音用の孔部を設ける等の加工処理を不要とすることができるため、筐体パネル2の表面部2dを、上記補助表示部6用の開口部15が設けられていることを除き、全体的に平面状とすることができる。このため、筐体パネル2に対して模様や色彩等のデザインを付す加工を施し易くすることができる。
【0046】
[固定カバーの構成]
次に、上筐体1に対して筐体パネル2を固定する固定カバー3は、カード状の記憶媒体が挿入されるカードスロット収納部の蓋装置を兼ねている。図12(a)〜図12(c)に、略中央から延設方向に沿って切断した固定カバー3を、この切断面側から見た図を示す。このうち、図12(a)は、上筐体1に装着される前の固定カバー3の上記断面図を、図12(b)は、上筐体1に装着された状態の固定カバー3の上記断面図を、図12(c)は、上筐体1に装着された状態の固定カバー3から蓋部を引き出した状態の上記断面図を、それぞれ示している。
【0047】
まず、図12(a)において、この固定カバー3は、固定カバー本体40と、この固定カバー本体40に装着された蓋部41とを有している。蓋部41の、固定カバー本体40に相対向する面部41aには、所定の間隔をあけて2つの係止用突出部43が設けられており、また、この面部41aの一端部41b近傍には、略鉤形状とされた先端部42aを備えた略棒状の挿入脚部42の反先端部側の端部が接続されている。
【0048】
この蓋部41と挿入脚部42は、図12(a)に示すように互いに直交する関係(=互いに垂直の関係)となるように、例えばABS樹脂やポリプロピレン樹脂等の樹脂部材により一体成型されている。また、挿入脚部42の略鉤形状の先端部42aは、係止用突出部43が設けられている方向(=一端部41bの反対方向)に突出する形状となっている。
【0049】
固定カバー本体40は、蓋部41に接続されている挿入脚部42が挿入された挿入孔部44と、蓋部41に設けられた2つの係止用突出部43がそれぞれ挿入される各係止用孔部45とを有している。なお、固定カバー本体40に設けられた各係止用孔部45は、後述するように挿入脚部42及びスペーサ部50が、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入された状態において、上記各係止用突出部43の挿入が可能となる該固定カバー本体40上の位置に設けられている。
【0050】
また、この固体カバー本体40は、2つの上記ネジ孔17を有しており、図1を用いて説明したように、このネジ孔17を介してネジ18により上筐体1にネジ止めされるようになっている。
【0051】
また、この固定カバー本体40の上記挿入脚部42が挿入されている挿入孔部44には、上記鉤形状の先端部が突出する側に対して反対側の位置関係となるようにスペーサ部50が設けられている。さらに、この固定カバー本体40には、上記各係止用突出部43と各各係止用孔部45との嵌合を解除し、蓋部41を所定分引き出し操作した際に露出する上記カード状の記憶媒体の着脱孔部46を有している。
【0052】
一方、上筐体1には、固定カバー本体40に設けられている着脱孔部46を介して挿入されたカード状の記憶媒体を収納するためのカードスロット収納部47と、このカードスロット収納部47に隣接して、上記挿入脚部42を収納するための挿入脚部収納部48が設けられている。
【0053】
挿入脚部収納部48の開口端部48aには、カードスロット収納部47側から、上筐体1の短手方向に沿って突出した開口端狭小用突出部49が設けられている。この開口端狭小用突出部49は、挿入脚部収納部48の開口端部48aの幅を、挿入脚部42の上記鉤形状の先端部42aの幅よりも若干広めの幅となるように、該開口端部48aの幅を狭小させている。
【0054】
また、後述するが、この開口端狭小用突出部49で狭小された開口端部48aの幅は、挿入脚部42の先端部42a以外の部分の幅と上記スペーサ部50の幅とを合わせた幅と、略々同じ幅となっている。
【0055】
[上筐体に対する固定カバーの装着工程]
このような固定カバー3を上筐体1に装着する場合、まず、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入する。上述のように、挿入脚部収納部48の開口端部48aの幅は、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aの幅よりも若干広めの幅となっている。このため、この開口端部48aに対して、挿入脚部42の先端部42aを簡単に挿入することができる。
【0056】
次に、固定カバー本体40の挿入孔部44に設けられたスペーサ部50を、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入する。挿入脚部収納部48の開口端部48aの幅は、挿入脚部48の幅とスペーサ部50の幅とを合わせた幅と略同じ幅となっている。また、スペーサ部50は、上記鉤形状の先端部48aが突出する側に対して反対側の位置関係となるように上記挿入孔部44に設けられている。このため、スペーサ部50を挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入すると、当該スペーサ部50と共に開口端部48aに挿入されている挿入脚部42が、図12(b)に矢印で示すように、鉤形状の先端部42aの突出方向に移動した状態となる。
【0057】
スペーサ部50により、鉤形状の先端部42aの突出方向に挿入脚部42が移動すると、図12(c)に示すように、この突出した鉤形状の先端部42aが、挿入脚部収納部48の開口端部48aに設けられている開口端狭小用突出部49に引っ掛かり、挿入脚部収納部48から挿入脚部42が脱落しない状態となる。
【0058】
最後に、固定カバー本体40に設けられた各ネジ孔17を介して、ネジ18により上筐体1にネジ止めすることで、この固定カバー3が上筐体1に固定される。
【0059】
このように、当該実施の形態の携帯電話機の場合、まず、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入し、次に、固定カバー本体40の挿入孔部44に設けられたスペーサ部50を、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入する。そして、ネジ18で、固定カバー本体40を上筐体1にネジ止めする。このような作業を行うだけで、固定カバー3を、簡単、かつ、強固に上筐体1に固定することができる。
【0060】
[上筐体にネジ止めされた固定カバーの取り外し工程]
次に、このように上筐体1にネジ止めされた固定カバー3を取り外す場合、まず、上筐体1に固定カバー3をネジ止めしているネジ18を取り外し、次に、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入されているスペーサ部50を引き抜く。これにより、挿入脚部収納部48に挿入されている挿入局部42は、図12(a)に示す矢印の方向に対して反対方向に移動可能となる。
【0061】
最後に、挿入脚部収納部48の開口端部48aから、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを引き抜き、該挿入脚部収納部48から挿入脚部42を取り外す。当該実施の形態の携帯電話機は、このような作業を行うだけで、上筐体1から固定カバー3を簡単に取り外すことができる。
【0062】
[実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、この実施の形態の携帯電話機は、筐体パネル2の空隙部20に対して、上筐体1の端部1bを挿入したうえで、上筐体1の反ヒンジ部4側の端部1bに固定カバー3をネジ止めするだけで、上筐体1に対して筐体パネル2を簡単に装着することができる。このため、デザインや模様、色彩等の異なる筐体パネル2に交換することも簡単に行うことができ、筐体の外観を簡単に一新させることができる。
【0063】
また、筐体パネル2の両側面部2aには巻き加工(ラウンド加工)が施されており、この筐体パネル2を上筐体1に装着することで、上筐体の装着面部1aのみならず、上筐体1の両側面部、及び上筐体の表示面部1cの両端部近傍まで被覆することができる。このため、上筐体1に筐体パネル2を装着することで、薄型化された上筐体1の強度を筐体パネル2により十分に補強可能とすることができる。
【0064】
また、上筐体1に筐体パネル2を装着することで、上筐体1のメイン表示部8以外の部分を該筐体パネル2で被覆することができる。これは、上筐体1全体の面積うち、筐体パネル2で占められる面積が大半であることを意味する。このため、筐体パネル2を交換することで、上筐体1のデザイン、色彩、模様等を一新させることを可能とすることができる。
【0065】
また、上筐体1に設けられた各間隙形成用凸部9により、該上筐体1に筐体パネル2が装着された際に、上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間に間隙部25を形成するようになっている。このため、時間の経過と共に上筐体1と筐体パネル2とが貼り付いた状態となる不都合を防止することができ、時間が経過した場合でも、上筐体1から筐体パネル2を簡単に取り外し可能とすることができる(迅速に筐体パネル2の交換を可能とすることができる。)。
【0066】
また、各間隙形成用凸部9により、上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間に形成される間隙部25は、筐体パネル2の開口部15の内周部と補助表示部6の外周部との間に形成される間隙部30と連通しており、この間隙部25及び間隙部30を介して、各スピーカ部5R,5Lからの音声出力を、筐体パネル2外に放音するようになっている。
【0067】
これにより、上筐体1に筐体パネル2を装着することで、上筐体1に設けられているスピーカ部5R,5L上を筐体パネル2で被覆する場合でも、各スピーカ部5R,5Lから出力される音声を該筐体パネル2で遮音することなく、上記各間隙部25,30を介して筐体パネル2外に放音することができ、良好な音響出力を得ることができる。
【0068】
また、各スピーカ部5R,5Lから出力される音声を上記各間隙部25,30を介して筐体パネル2外に放音することができるため、筐体パネル2に対して放音用の孔部を設ける等の加工処理を不要とすることができ、筐体パネル2の製作工程の簡素化を図ることができる。さらに、筐体パネル2に対する放音用の孔部を設ける等の加工処理を不要とすることができるため、筐体パネル2の表面部2dを、上記補助表示部6用の開口部15が設けられていることを除き、全体的に平面状とすることができる。このため、筐体パネル2に対して模様や色彩等のデザインを付す加工を施し易くすることができる。
【0069】
また、この実施の形態の携帯電話機は、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入し、次に、固定カバー本体40の挿入孔部44に設けられたスペーサ部50を、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入する。そして、ネジ18で、固定カバー本体40を上筐体1にネジ止めする。このような作業を行うだけで、固定カバー3を、簡単、かつ、強固に上筐体1に固定することができる。
【0070】
また、上筐体1にネジ止めされた固定カバー3を取り外す場合、まず、上筐体1に固定カバー3をネジ止めしているネジ18を取り外し、次に、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入されているスペーサ部50を引き抜き、最後に、挿入脚部収納部48の開口端部48aから、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを引き抜き、該挿入脚部収納部48から挿入脚部42を取り外す。このような作業を行うだけで、上筐体1から固定カバー3を簡単に取り外すことができる。
【0071】
このように当該実施の形態の携帯電話機は、上筐体1に対して固定カバー3を簡単、かつ、強固に固定することができ、また、上筐体1から固定カバー3を簡単に取り外すことができる。このため、筐体パネル2の装着や取り外しにおける作業性の向上を図ることができる。また、修理や部品交換等の際の作業性の向上も図ることができる。
【0072】
[変形例]
上述の実施の形態の説明では、上筐体1の長手方向に沿って一対の間隙形成用凸部9を設けることとしたが、これは、図7に示すように上筐体1の長手方向に対して垂直方向に装着面部1aから突出する間隙形成用凸部9を、上筐体1の短手方向に沿って、所定間隔(或いはランダムの間隔)で複数設けるようにしてもよい。この場合でも、筐体パネル2の裏面部2cと上筐体1の装着面部1aとの間に上述の間隙部25を形成することができ、上述と同様に、上筐体1と筐体パネル2との貼り付き防止や、各スピーカ部5R,5Lからの音声を、間隙部25等を介した筐体パネル2外に放音する等の効果を得ることができる。
【0073】
また、間隙形成用凸部9は、図3や図7において角柱状として図示したが、図8に示すように間隙形成用凸部9を略半円球形状とし、この略半円球形状とした間隙形成用凸部9を図3に示したように上筐体1の長手方向に沿って並設し、図7に示したように上筐体1の短手方向に沿って並設し、或いは上筐体1上にランダムに設けるようにしてもよい。この場合でも、上述と同様に、上筐体1と筐体パネル2との貼り付き防止や、各スピーカ部5R,5Lからの音声を、間隙部25等を介した筐体パネル2外に放音する等の効果を得ることができる。すなわち、筐体パネル2の裏面部2cと上筐体1の装着面部1aとの間に上述の間隙部25を形成することができる形状であれば、間隙形成用凸部9の形状は任意の形状でよい。
【0074】
また、上述の実施の形態の説明では、間隙形成用凸部9を上筐体1側に設けることとしたが、間隙形成用凸部9を筐体パネル2の裏面部2c側に設けるようにしてもよい。具体的には、図9に示すように筐体パネル2の裏面部2c側に、該筐体パネル2の長手方向に沿って一対の間隙形成用凸部9を設けてもよいし、図10に示すように筐体パネル2の長手方向に沿って複数の間隙形成用凸部9を所定間隔(或いはランダムの間隔)で設けてもよい。さらには、図11に示すように筐体パネル2の裏面部2c側に、略半円球形状の間隙形成用凸部9を、筐体パネル2の長手方向や短手方向に沿って、或いはランダムに設けるようにしてもよい。いずれの場合でも、この筐体パネル2を上筐体1に装着した際に、筐体パネル2の裏面部2cと上筐体1の装着面部1aとの間に上記間隙部25を形成することができ、上述と同じ効果を得ることができる。
【0075】
また、上述の実施の形態の説明では、筐体パネル2は上筐体1に装着することとしたが、該筐体パネル2を下筐体に装着してもよい。この場合でも、デザインを一新することができ、また、下筐体と筐体パネル2の貼り付きを防止できる他、下筐体にスピーカ部が設けられている場合には、例えば下筐体に設けられたカメラ部と開口部との間の間隙部を介してスピーカ部からの音声を放音することができる等、上述と同様の効果を得ることができる。
【0076】
また、上述の実施の形態の説明では、本発明を折り畳み型の携帯電話機に適用することとしたが、この他、本発明をストレート型(=スティック型)の携帯電話機に適用してもよい。この場合でも、外観を簡単に変更可能である等の、上述と同様の効果を得ることができる。
【0077】
また、上述の実施の形態の説明では、本発明を携帯電話機に適用することとしたが、この他、例えばPHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機、デジタルカメラ装置、ノート型のパーソナルコンピュータ装置等の携帯機器に本発明を適用してもよい。いずれの場合も、上述と同様の効果を得ることができる。
【0078】
また、上述の実施の形態の説明では、本発明をカードスロット収納部47の蓋装置に適用することとしたが、この他、本発明を、筐体に対してスロットインされる二次電池の蓋装置に適用してもよいし、イヤホン端子が収納されたイヤホン端子収納部の蓋装置等に適用してもよい。いずれの場合も、上述と同様の効果を得ることができる。
【0079】
最後に、本発明は、一例として説明した上述の実施の形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明を適用した実施の形態となる携帯電話機の上筐体、筐体パネル及び固定カバーの斜視図である。
【図2】実施の形態の携帯電話機において、筐体パネルが装着された状態の上筐体を、メイン表示部側から見た斜視図である。
【図3】実施の形態の携帯電話機における、筐体パネルが装着されていない状態の上筐体の斜視図である。
【図4】実施の形態の携帯電話機の上筐体に装着される筐体パネルの斜視図である。
【図5】実施の形態の携帯電話機において、筐体パネルが装着された状態の上筐体を、該上筐体の短手方向に沿って切断した切断面の断面図である。
【図6】実施の形態の携帯電話機において、筐体パネルが装着された状態の上筐体を、該上筐体の長手方向に沿って切断し、補助表示部の部分を拡大して示す断面図である。
【図7】実施の形態の携帯電話機において、上筐体に設けられる間隙形成用凸部の他の設置例を示す図である。
【図8】実施の形態の携帯電話機において、上筐体に設けられる間隙形成用凸部の他の形状を説明するための図である。
【図9】実施の形態の携帯電話機において、筐体パネル側に間隙形成用凸部を設けた例を示す図である。
【図10】実施の形態の携帯電話機において、筐体パネル側に間隙形成用凸部を設けた他の例を示す図である。
【図11】実施の形態の携帯電話機において、筐体パネル側に設けられる間隙形成用凸部の他の形状を説明するための図である。
【図12】実施の形態の携帯電話機の上筐体に対する固定カバーの装着及び取り外しを説明するための図である。
【符号の説明】
【0081】
1 上筐体、1a 上筐体の装着面部、1b 上筐体の反ヒンジ部側の端部、1c 上筐体の表示面部、1d 上筐体のヒンジ部側の端部、2 筐体パネル、2a 筐体パネルの側面部、2b 筐体パネルの開口部側の端部、2c 筐体パネルの裏面部、2d 筐体パネルの表面部、3 固定カバー、4 ヒンジ部、5R スピーカ部(右用)、5L スピーカ部(左用)、6 補助表示部、6a 補助表示部の外周部、7 受話音声用のスピーカ部、8 メイン表示部、9 間隙形成用凸部、10 上筐体の上ハーフ、11 上筐体の下ハーフ、15 筐体パネルの開口部、15a 筐体パネルの開口部の内周部、17 固定カバーのネジ孔、18 ネジ、20 筐体パネルの空隙部、25 上筐体の装着面部と筐体パネルの裏面部との間に形成される間隙部、30 上筐体の補助表示部の外周部と筐体パネルの開口部の内周部との間に形成される間隙部、31 スピーカ部の放音用孔部、40 固定カバー本体、41 蓋部、42 挿入脚部、42a 挿入脚部の先端部、43 係止用突出部、44 挿入孔部、45 係止用孔部、46 カード状の記憶媒体の着脱孔部、47 カードスロット収納部、48 挿入脚部収納部、48a 挿入脚部収納部の開口端部、49 開口端狭小用突出部、50 スペーサ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話機、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機、デジタルカメラ装置、ノート型或いはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置等の電子機器の、カード状記憶媒体や二次電池等の収納部の蓋部、或いはイヤホン端子の蓋部等に適用して好適な蓋装置、及びこの蓋装置を備えた携帯端末装置に関する。
特には、蓋装置本体を電子機器に装着した際に、該蓋装置本体に設けられている蓋部が、該蓋部装置本体から脱落しないように固定される構造とすることで、機器に対する蓋装置本体の装着や取り外しの際の作業性の向上を図った蓋装置、及びこの蓋装置を備えた携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2006−217001号の公開特許公報に、通常の使用時と同じ操作を可能にしつつ、収納されている記録媒体が簡単に取り外されてしまうことを防止した携帯電話機が開示されている。
【0003】
この携帯電話機の場合、筐体と収納部と蓋部と樹脂フィルムとを備えており、筺体には、移動体通信ネットワークを介して無線通信を行う無線通信部が格納されている。収納部は、略板状の形状を有する記録媒体を収納するように筐体の内部に設けられ、記録媒体を筐体の外部から受け入れるための受入口を有している。蓋部は、上記受入口から受け入れられ収納部に収納された記録媒体を覆うように筐体に設けられている。樹脂フィルムは、加熱されて熱収縮し、蓋部の少なくとも一部と筐体の外壁面の少なくとも一部とに密着することにより、筺体に向かう力を蓋部に付与する。これにより、収納されている記録媒体が簡単に取り外されてしまうことを防止可能となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−217001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に開示されている携帯電話機を含め、収納部を備えた機器に設けられている蓋装置に対して全般的に言えることであるが、蓋装置は、上記収納部に収納されている記録媒体等の脱落を防止する必要があるため、機器本体に対して強固に固定する必要がある。
【0006】
しかし、機器本体に対して強固に固定するためには、手間の掛かる取り付け作業を必要とする問題がある。また、機器本体に対して強固に固定するために、一度機器本体に固した後は、蓋装置を機器本体から取り外すことが困難となる構造としてしまうと、例えば修理時や部品交換時等に、機器本体に固定して設けられた蓋装置の取り外しに手間取り、該修理や部品交換等の作業性が悪くなる問題を生ずる。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、機器に対して強固に固定することができ、また、機器に対する取り付け作業、及び取り外し作業を簡単に行うことができ、修理時や部品交換時等に作業性の向上を図ることができるような蓋装置、及び携帯端末装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る蓋装置は、上述の課題を解決するために、
略鉤形状とされた先端部を備えた略棒状の挿入脚部と、
上記鉤形状とされた先端部に対して反対側となる上記挿入脚部の端部が接続された蓋部と、
機器本体側に設けられ、開口端部を介して挿入された上記挿入脚部を収納する挿入脚部収納部と、
上記挿入脚部収納部の上記開口端部に設けられ、上記鉤形状の先端部よりも若干広めの幅となるように上記開口端部の幅を狭小させる開口端狭小用突出部と、
上記鉤形状とされた先端部を介して上記挿入脚部が挿入される挿入孔部と、該挿入孔部に挿入された上記挿入脚部に設けられている上記鉤形状の先端部が突出する側に対して反対側の位置関係となるように上記挿入孔部に設けられ、上記挿入脚部と共に上記挿入脚部収納部の上記開口端部に挿入されることで、該挿入脚部の幅を、上記開口端狭小用突出部により狭小された上記開口端部の幅と略同じ幅とするスペーサ部とを備えた蓋部本体と、
上記蓋部本体に設けられ、当該蓋部本体を上記機器本体に固定するための固定部と
を有する。
【0009】
このような本発明は、蓋部に接続された挿入脚部の先端部を略鉤形状に加工し、この挿入脚部を、機器本体側に設けられた挿入脚部収納部に挿入する。この挿入脚部収納部の開口端部の幅は、開口端狭小用突出部により上記鉤形状の先端部よりも若干広めの幅となるように狭小されている。このため、上記鉤形状の先端部を介して挿入脚部を挿入脚部収納部に、簡単に挿入することができる。
【0010】
次に、蓋部本体の挿入孔部に設けられたスペーサ部を、上記挿入脚部収納部の開口端部に挿入する。挿入脚部収納部の開口端部の幅は、挿入脚部の幅とスペーサ部の幅とを合わせた幅と略同じ幅となっている。また、スペーサ部は、上記鉤形状の先端部が突出する側に対して反対側の位置関係となるように上記挿入孔部に設けられている。このため、スペーサ部を上記挿入脚部収納部の開口端部に挿入することで、当該スペーサ部と共に開口端部に挿入されている挿入脚部が、鉤形状の先端部の突出方向に移動した状態となる。
【0011】
スペーサ部により、鉤形状の先端部が突出する方向に挿入脚部が移動すると、この突出した鉤形状の先端部が、挿入脚部収納部の開口端部に設けられている開口端狭小用突出部に引っ掛かり、挿入脚部収納部から挿入脚部が脱落しない状態となる。そして、挿入脚部収納部から挿入脚部が脱落しない状態としたうえで、固定部を介して蓋部本体を機器本体に固定する。
【0012】
すなわち、装着の際には、まず、鉤形状の先端部を介して挿入脚部を挿入脚部収納部の開口端部に挿入し、次に、蓋部本体の挿入孔部に設けられたスペーサ部を挿入脚部収納部の開口端部に挿入する。そして、固定部を介して蓋部本体を機器本体に固定する。このような作業を行うだけで、蓋部本体を、簡単、かつ、強固に機器本体に固定することができる。
【0013】
また、取り外しの際には、まず、機器本体に蓋部本体を固定している固定部を取り外し、次に、挿入脚部収納部の開口端部に挿入されているスペーサ部を引き抜く。そして、挿入脚部収納部の開口端部から鉤形状の先端部を引き抜くことで、挿入脚部収納部から挿入脚部を取り外す。このような作業を行うだけで、機器本体から蓋部本体を、簡単に取り外すことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、機器に対して強固に固定することができ、また、機器に対する装着、及び取り外しを簡単に行うことができる。このため、修理や部品交換等の作業性の向上に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、折り畳み型の携帯電話機に適用することができる。
【0016】
[携帯電話機の外観構成]
この本発明の実施の形態となる携帯電話機は、略長方形状の上筐体の短手方向の一端部、及び上筐体と略々同じ大きさの略長方形状の下筐体の短手方向の一端部をヒンジ部を介して相互に接続することで、上筐体及び下筐体の折り畳み操作及び開操作が可能となっている。
【0017】
図1に、本発明を適用した実施の形態となる携帯電話機の上筐体1、この上筐体1に装着する筐体パネル2、及び上筐体1の端部1a(反ヒンジ部側の端部)に装着して、該上筐体1に筐体パネル2を固定する固定カバー3の斜視図を示す。
【0018】
この図1に示すように、上筐体1には、当該携帯電話機を折り畳んだ際に露出する面部1a(以下、筐体パネルを装着する面部の意味で「装着面部1a」という。)のヒンジ部4近傍に、外部出力用のスピーカ部である、右出力用及び左出力用の一対の外部スピーカ部5R,5Lが、当該上筐体1の短手方向に沿って並設されている。
【0019】
また、この上筐体1の装着面部1aには、各外部スピーカ部5R,5Lと、当該上筐体1の反ヒンジ部4側の端部1bとの間に、例えば液晶表示部、EL表示部(EL:Electro-Luminescence)、有機EL表示部等の補助表示部6が設けられている。一例ではあるが、この補助表示部6は、当該上筐体1の短手方向に沿った楕円形状を有している。
【0020】
図2に、筐体パネル2及び固定カバー3を装着した状態の上筐体1を、当該携帯電話機を開操作した際に露出する面部1c(以下、メイン表示部が設けられている面部との意味で「表示面部1c」という。)側から見た状態の斜視図を示す。
【0021】
この図2からわかるように、当該上筐体1の、上記装着面部1aに対して反対側の面部となる表示面部1cには、反ヒンジ部4側の端部1b近傍に、主に受話音声を出力するための受話音声用スピーカ部7が設けられている。また、この上筐体1の表示面部1cには、受話音声用スピーカ部7とヒンジ部4との間の領域を略々専有する大きさのメイン表示部8が設けられている。このメイン表示部8は、上記補助表示部6と同様に、液晶表示部、EL表示部(EL:Electro-Luminescence)、或いは有機EL表示部等となっている。
【0022】
図3に、この上筐体1のみを上記装着面部1a側から見た斜視図を示す。この図3からわかるように、上筐体1の装着面部1aには、上筐体1の両側面部近傍に、該上筐体1の長手方向に沿って延設され、該上筐体1の長手方向に対して垂直方向に装着面部1aから突出した一対の間隙形成用凸部9が設けられている。この間隙形成用凸部9は、上筐体1に筐体パネル2が装着された際に、上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部との間に所定の間隙部(図5の符号25)を形成するように機能するが、詳しくは後述する。
【0023】
次に、同じく図3に示すように、上筐体1は、当該上筐体1の上半分を形成する上ハーフ10、及び当該上筐体1の下半分を形成する下ハーフ11とを貼り合わせることで形成されている。上ハーフ10及び下ハーフ11の長手方向の両側面部には、該上ハーフ10及び該下ハーフ11を貼り合わせた際に、該両側面部が丸みを帯びた形状となるように、いわゆるR加工が施されている。
【0024】
すなわち、近年、筐体に対する薄型化の要求が強い。筐体を薄型化するには、該筐体を物理的に薄型化したうえで、両側面部の角を削って丸みを帯びた形状にR加工することで、ユーザに対して、見た目上、さらに筐体を薄く見せることができる。ただ、筐体の両側面部に対してR加工を施すと、ユーザに対して、見た目上、さらに筐体を薄く見せることができることはよいが、必然的に両側面部の面積が小さくなるため、筐体として必要な強度を得ることができるように、上ハーフ10及び下ハーフ11を貼り合わせることが困難となる。
【0025】
このため、当該実施の形態の携帯電話機の場合、図3に示すように上筐体1の上ハーフ10及び下ハーフ11の各側面部を、見た目が台形状の凹凸を繰り返すように切り欠き加工し、上ハーフ10の台形状の凹部には、下ハーフ11の台形状の凸部が挿入され、同様に上ハーフ10の台形状の凸部が、下ハーフ11の台形状の凹部に挿入されるように、該上ハーフ10及び下ハーフ11を貼り合わせている。
【0026】
これにより、上筐体1を物理的に薄型化し、見た目上、該筐体をさらに薄く見せるように該上筐体1の両側面部に対してR加工を施した場合でも、該上筐体1の上ハーフ10及び下ハーフ11を強固に貼り合わせる可能として、上筐体1としての必要な強度を保持している。
【0027】
次に、図4に筐体パネル2を裏面部側から見た斜視図を示す。この図4からわかるように、筐体パネル2は、例えば楕円の筒形状部材の周面部の一部を、径方向に対して直交する方向に沿って切り欠いて形成することで、当該筐体パネル2を端部側から見た際に、略U字形状を有するように形成されている。この筐体パネル2の材質は、例えばアルミニウム等の金属部材となっており(鉄部材等の他の金属部材や、ABS樹脂等の強化プラスチックでもよい。)、上筐体1の端部1bが挿入される空隙部20の大きさは、該上筐体1の端部1bの大きさよりも若干大きめとなっている。
【0028】
また、この筐体パネル2の両側面部2aには、当該筐体パネル2が上筐体1に装着された際に、上記R加工が施されている上筐体1の両側面部を被覆すると共に、図2に示すように該上筐体1の表示面部1cにおける、該上筐体1の両側面部近傍に相当する部分までをも被覆するように巻き加工(ラウンド加工)が施されている。
【0029】
また、この筐体パネル2には、上筐体1に装着された際に、該上筐体1の装着面部1aに設けられている補助表示部6を露出させるための開口部15が設けられている。この開口部15は、上筐体1の装着面部1aに設けられている補助表示部6と同じ楕円形状を有しており、該補助表示部6の外周部と当該開口部15の内周部15aとの間に所定の間隙部を形成するように、上記補助表示部6よりも若干大きめとなっている。
【0030】
次に、固定カバー3は、図1に示すように略楕円形状の有底円筒形状を有している。全体的な大きさは、上筐体1の端部1bを被覆可能なように、該端部1bと略々同じ大きさとなっている。また、この固定カバー3の両側面部近傍には、一対のネジ孔17が設けられている。固定カバー3は、ネジ18により、この各ネジ孔17を介して下筐体1の端部1bにネジ止めされることで、図2に示すように上筐体1に装着された筐体パネル2が該上筐体1に固定されるようになっている。
【0031】
[筐体パネルの装着工程]
次に、上筐体1に対する筐体パネル2の装着工程の説明をする。上筐体1に対して筐体パネル2を装着する場合、まず、図1に示すように筐体パネル2の空隙部20に対して上筐体1の端部1bを挿入し、この状態で、筐体パネル2の開口部15側の端部2bが、上筐体1のヒンジ部4側の端部1dに当接するまで、筐体パネル2に対して図1中矢印に示す上筐体1方向の力を加える。これにより、筐体パネル2の空隙部20に対して、上筐体1全体が挿入されるかたちで、該上筐体1に筐体パネル2が装着されることとなる。
【0032】
次に、このように上筐体1に筐体パネル2を装着した状態で、上筐体1の反ヒンジ部4側の端部1bに固定カバー3を装着する。そして、固定カバー3の各ネジ孔17を介してネジ18により、該固定カバー3を上筐体1の端部1bに固定する。これにより、上筐体1に装着された筐体パネル2が、この固定カバー3と上筐体1のヒンジ部4側の端部1dとの間で挟持されるかたちで該上筐体1に固定され、当該筐体パネルの装着工程が完了する。
【0033】
すなわち、当該実施の形態の携帯電話機の場合、筐体パネル2の空隙部20に対して、上筐体1の端部1bを挿入したうえで、上筐体1の反ヒンジ部4側の端部1bに固定カバー3をネジ止めするだけで、上筐体1に対して筐体パネル2を簡単に装着することができる。このため、デザインや模様、色彩等の異なる筐体パネル2に交換することも簡単に行うことができ、筐体の外観を簡単に一新させることができる。
【0034】
〔ラウンド構造による筐体補強機能〕
ここで、上述のように筐体パネル2の両側面部2aにはラウンド加工が施されており、筐体パネル2を上筐体1に装着した際に、図2に示すようにこの筐体パネル2の両側面部2aにより、上筐体2の表示面部1c側までも被覆するようになっている。図5は、上筐体1に筐体パネル2を装着した状態で、該上筐体1及び筐体パネル2を、該上筐体1の短手方向に沿って切断した状態の断面図である。この図5からもわかるように、上筐体1に筐体パネル2を装着することで、該筐体パネル2の両側面部2aにより、上筐体1の表示面部1c側まで被覆されていることがわかる。
【0035】
図3を用いて説明したように、上筐体1は、物理的に薄型化されており、見た目上、該筐体をさらに薄く見せるように該上筐体1の両側面部に対してR加工が施されている。そして、上筐体1の上ハーフ10及び下ハーフ11の各側面部を、見た目が台形状の凹凸を繰り返すように切り欠き加工し、上ハーフ10の台形状の凹部には、下ハーフ11の台形状の凸部が挿入され、同様に上ハーフ10の台形状の凸部が、下ハーフ11の台形状の凹部に挿入されるように、該上ハーフ10及び下ハーフ11を貼り合わせることで、上ハーフ10及び下ハーフ11の強固な貼り合わせを可能とし、このように薄型化された上筐体1の必要な強度を保持している。
【0036】
しかも、アルミニウム等の金属部材で形成された筐体パネル2を装着することで、上筐体1の装着面部1a、両側面部、及び表示面部1cにおける上筐体1の両側面部近傍に相当する部分を被覆し、固定カバー3により、上筐体1の反ヒンジ部4側の端部1bを被覆している。換言すれば、筐体パネル2及び固定カバー3により、上筐体1のメイン表示部8以外の部分を全て被覆している。これにより、薄型化された上筐体1の強度を十分に補強可能とすることができる。
【0037】
また、筐体パネル2及び固定カバー3により、上筐体1のメイン表示部8以外の部分が全て被覆されるということは、上筐体1全体の面積うち、筐体パネル2で占められる面積が大半であることを意味する。このため、筐体パネル2を交換することで、上筐体1のデザイン、色彩、模様等を一新させることを可能とすることができる。
【0038】
〔間隙形成用凸部の貼り付き防止機能〕
次に、上筐体1に装着された筐体パネル2は、図5の断面図に示すように上筐体1の装着面部1aに設けられている一対の間隙形成用凸部9上に乗り上げるかたちとなる。これにより、上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間に所定の間隙部25を形成する。すなわち、上筐体1に装着された筐体パネル2は、上筐体1の両側面部の部分と各間隙形成用凸部9との少ない面積で該上筐体1と接触していることとなる(上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとは接触していない。)。
【0039】
上筐体1と筐体パネル2との接触面積が大きい場合、時間の経過と共に上筐体1と筐体パネル2とが貼り付いた状態となり、上筐体1から筐体パネル2が取り外し難くなるのであるが、当該実施の形態の携帯電話機の場合、各間隙形成用凸部9により、上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの接触を防止し、上筐体1と筐体パネル2との接触面積を極小さなものとしているため、時間の経過と共に上筐体1と筐体パネル2とが貼り付いた状態となる不都合を防止することができ、時間が経過した場合でも、上筐体1から筐体パネル2を簡単に取り外し可能とすることができる。
【0040】
〔音声の放音構造〕
次に、この実施の形態の携帯電話機の場合、各間隙形成用凸部9で上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間に形成される間隙部25、及び筐体パネル2の開口部15の内周部と補助表示部6の外周部との間に形成される間隙部を用いて、上筐体1に設けられた各スピーカ部5R,5Lから出力された音声を、筐体パネル2外に放音するようになっている。
【0041】
図6に、筐体パネル2を装着した上筐体1を、該上筐体1の長手方向に沿ってスピーカ部5L及び補助表示部6の部分を切断した状態の断面図を示す。この図6からわかるように、筐体パネル2の開口部15の大きさは、上筐体1の装着面部1aに設けられた補助表示部6の大きさよりも若干大きめとなっている。このため、上筐体1に筐体パネル2を装着した場合、筐体パネル2の開口部15から補助表示部6が露出すると共に、筐体パネル2の開口部15の内周部15aと補助表示部6の外周部6aとの間に所定の間隙部30が形成される。
【0042】
さらに具体的には、筐体パネル2の開口部15の内周部15aには、該筐体パネル2の表面部2d側の開口面積が、裏面部2c側の開口面積よりも若干小さくなるようテーパ加工が施されている。これに対して、補助表示部6の外周部6a(及び上筐体1の補助表示部6が設けられる部分)には、当該外周部6aを、上記テーパ加工が施された開口部15の内周部15aと略々平行とするテーパ加工が施されている。このため、筐体パネル2の開口部15の内周部15aと補助表示部6の外周部6aとの間には、所定の間隙部30が形成されることとなる。そして、上述のように上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間には、各間隙形成用凸部9により、間隙部25が形成されているため、この間隙部25と、開口部15の内周部15aと補助表示部6の外周部6aとの間に形成された間隙部30とは連通することとなる。
【0043】
この状態で、スピーカ部5Lから音声出力がなされると、該スピーカ部5Lから出力された音声は、図6中矢印で示すように、スピーカ部5Lの放音用孔部31を介して上筐体1外に放音されると共に、上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間に形成された間隙部25を介して、該上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間を伝達し、開口部15の内周部15aと補助表示部6の外周部6aとの間に形成された間隙部30を介して筐体パネル2外に放音される。なお、スピーカ部5Rから出力された音声も、このスピーカ部5Lから出力された音声と同様に、上記間隙部30を介して筐体パネル2外に放音される。
【0044】
これにより、上筐体1に筐体パネル2を装着することで、上筐体1に設けられているスピーカ部5R,5L上を筐体パネル2で被覆する場合でも、各スピーカ部5R,5Lから出力される音声を該筐体パネル2で遮音することなく、上記各間隙部25,30を介して筐体パネル2外に放音することができ、良好な音響出力を得ることができる。
【0045】
また、各スピーカ部5R,5Lから出力される音声を上記各間隙部25,30を介して筐体パネル2外に放音することができるため、筐体パネル2に対して放音用の孔部を設ける等の加工処理を不要とすることができ、筐体パネル2の製作工程の簡素化を図ることができる。さらに、筐体パネル2に対する放音用の孔部を設ける等の加工処理を不要とすることができるため、筐体パネル2の表面部2dを、上記補助表示部6用の開口部15が設けられていることを除き、全体的に平面状とすることができる。このため、筐体パネル2に対して模様や色彩等のデザインを付す加工を施し易くすることができる。
【0046】
[固定カバーの構成]
次に、上筐体1に対して筐体パネル2を固定する固定カバー3は、カード状の記憶媒体が挿入されるカードスロット収納部の蓋装置を兼ねている。図12(a)〜図12(c)に、略中央から延設方向に沿って切断した固定カバー3を、この切断面側から見た図を示す。このうち、図12(a)は、上筐体1に装着される前の固定カバー3の上記断面図を、図12(b)は、上筐体1に装着された状態の固定カバー3の上記断面図を、図12(c)は、上筐体1に装着された状態の固定カバー3から蓋部を引き出した状態の上記断面図を、それぞれ示している。
【0047】
まず、図12(a)において、この固定カバー3は、固定カバー本体40と、この固定カバー本体40に装着された蓋部41とを有している。蓋部41の、固定カバー本体40に相対向する面部41aには、所定の間隔をあけて2つの係止用突出部43が設けられており、また、この面部41aの一端部41b近傍には、略鉤形状とされた先端部42aを備えた略棒状の挿入脚部42の反先端部側の端部が接続されている。
【0048】
この蓋部41と挿入脚部42は、図12(a)に示すように互いに直交する関係(=互いに垂直の関係)となるように、例えばABS樹脂やポリプロピレン樹脂等の樹脂部材により一体成型されている。また、挿入脚部42の略鉤形状の先端部42aは、係止用突出部43が設けられている方向(=一端部41bの反対方向)に突出する形状となっている。
【0049】
固定カバー本体40は、蓋部41に接続されている挿入脚部42が挿入された挿入孔部44と、蓋部41に設けられた2つの係止用突出部43がそれぞれ挿入される各係止用孔部45とを有している。なお、固定カバー本体40に設けられた各係止用孔部45は、後述するように挿入脚部42及びスペーサ部50が、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入された状態において、上記各係止用突出部43の挿入が可能となる該固定カバー本体40上の位置に設けられている。
【0050】
また、この固体カバー本体40は、2つの上記ネジ孔17を有しており、図1を用いて説明したように、このネジ孔17を介してネジ18により上筐体1にネジ止めされるようになっている。
【0051】
また、この固定カバー本体40の上記挿入脚部42が挿入されている挿入孔部44には、上記鉤形状の先端部が突出する側に対して反対側の位置関係となるようにスペーサ部50が設けられている。さらに、この固定カバー本体40には、上記各係止用突出部43と各各係止用孔部45との嵌合を解除し、蓋部41を所定分引き出し操作した際に露出する上記カード状の記憶媒体の着脱孔部46を有している。
【0052】
一方、上筐体1には、固定カバー本体40に設けられている着脱孔部46を介して挿入されたカード状の記憶媒体を収納するためのカードスロット収納部47と、このカードスロット収納部47に隣接して、上記挿入脚部42を収納するための挿入脚部収納部48が設けられている。
【0053】
挿入脚部収納部48の開口端部48aには、カードスロット収納部47側から、上筐体1の短手方向に沿って突出した開口端狭小用突出部49が設けられている。この開口端狭小用突出部49は、挿入脚部収納部48の開口端部48aの幅を、挿入脚部42の上記鉤形状の先端部42aの幅よりも若干広めの幅となるように、該開口端部48aの幅を狭小させている。
【0054】
また、後述するが、この開口端狭小用突出部49で狭小された開口端部48aの幅は、挿入脚部42の先端部42a以外の部分の幅と上記スペーサ部50の幅とを合わせた幅と、略々同じ幅となっている。
【0055】
[上筐体に対する固定カバーの装着工程]
このような固定カバー3を上筐体1に装着する場合、まず、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入する。上述のように、挿入脚部収納部48の開口端部48aの幅は、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aの幅よりも若干広めの幅となっている。このため、この開口端部48aに対して、挿入脚部42の先端部42aを簡単に挿入することができる。
【0056】
次に、固定カバー本体40の挿入孔部44に設けられたスペーサ部50を、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入する。挿入脚部収納部48の開口端部48aの幅は、挿入脚部48の幅とスペーサ部50の幅とを合わせた幅と略同じ幅となっている。また、スペーサ部50は、上記鉤形状の先端部48aが突出する側に対して反対側の位置関係となるように上記挿入孔部44に設けられている。このため、スペーサ部50を挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入すると、当該スペーサ部50と共に開口端部48aに挿入されている挿入脚部42が、図12(b)に矢印で示すように、鉤形状の先端部42aの突出方向に移動した状態となる。
【0057】
スペーサ部50により、鉤形状の先端部42aの突出方向に挿入脚部42が移動すると、図12(c)に示すように、この突出した鉤形状の先端部42aが、挿入脚部収納部48の開口端部48aに設けられている開口端狭小用突出部49に引っ掛かり、挿入脚部収納部48から挿入脚部42が脱落しない状態となる。
【0058】
最後に、固定カバー本体40に設けられた各ネジ孔17を介して、ネジ18により上筐体1にネジ止めすることで、この固定カバー3が上筐体1に固定される。
【0059】
このように、当該実施の形態の携帯電話機の場合、まず、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入し、次に、固定カバー本体40の挿入孔部44に設けられたスペーサ部50を、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入する。そして、ネジ18で、固定カバー本体40を上筐体1にネジ止めする。このような作業を行うだけで、固定カバー3を、簡単、かつ、強固に上筐体1に固定することができる。
【0060】
[上筐体にネジ止めされた固定カバーの取り外し工程]
次に、このように上筐体1にネジ止めされた固定カバー3を取り外す場合、まず、上筐体1に固定カバー3をネジ止めしているネジ18を取り外し、次に、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入されているスペーサ部50を引き抜く。これにより、挿入脚部収納部48に挿入されている挿入局部42は、図12(a)に示す矢印の方向に対して反対方向に移動可能となる。
【0061】
最後に、挿入脚部収納部48の開口端部48aから、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを引き抜き、該挿入脚部収納部48から挿入脚部42を取り外す。当該実施の形態の携帯電話機は、このような作業を行うだけで、上筐体1から固定カバー3を簡単に取り外すことができる。
【0062】
[実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、この実施の形態の携帯電話機は、筐体パネル2の空隙部20に対して、上筐体1の端部1bを挿入したうえで、上筐体1の反ヒンジ部4側の端部1bに固定カバー3をネジ止めするだけで、上筐体1に対して筐体パネル2を簡単に装着することができる。このため、デザインや模様、色彩等の異なる筐体パネル2に交換することも簡単に行うことができ、筐体の外観を簡単に一新させることができる。
【0063】
また、筐体パネル2の両側面部2aには巻き加工(ラウンド加工)が施されており、この筐体パネル2を上筐体1に装着することで、上筐体の装着面部1aのみならず、上筐体1の両側面部、及び上筐体の表示面部1cの両端部近傍まで被覆することができる。このため、上筐体1に筐体パネル2を装着することで、薄型化された上筐体1の強度を筐体パネル2により十分に補強可能とすることができる。
【0064】
また、上筐体1に筐体パネル2を装着することで、上筐体1のメイン表示部8以外の部分を該筐体パネル2で被覆することができる。これは、上筐体1全体の面積うち、筐体パネル2で占められる面積が大半であることを意味する。このため、筐体パネル2を交換することで、上筐体1のデザイン、色彩、模様等を一新させることを可能とすることができる。
【0065】
また、上筐体1に設けられた各間隙形成用凸部9により、該上筐体1に筐体パネル2が装着された際に、上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間に間隙部25を形成するようになっている。このため、時間の経過と共に上筐体1と筐体パネル2とが貼り付いた状態となる不都合を防止することができ、時間が経過した場合でも、上筐体1から筐体パネル2を簡単に取り外し可能とすることができる(迅速に筐体パネル2の交換を可能とすることができる。)。
【0066】
また、各間隙形成用凸部9により、上筐体1の装着面部1aと筐体パネル2の裏面部2cとの間に形成される間隙部25は、筐体パネル2の開口部15の内周部と補助表示部6の外周部との間に形成される間隙部30と連通しており、この間隙部25及び間隙部30を介して、各スピーカ部5R,5Lからの音声出力を、筐体パネル2外に放音するようになっている。
【0067】
これにより、上筐体1に筐体パネル2を装着することで、上筐体1に設けられているスピーカ部5R,5L上を筐体パネル2で被覆する場合でも、各スピーカ部5R,5Lから出力される音声を該筐体パネル2で遮音することなく、上記各間隙部25,30を介して筐体パネル2外に放音することができ、良好な音響出力を得ることができる。
【0068】
また、各スピーカ部5R,5Lから出力される音声を上記各間隙部25,30を介して筐体パネル2外に放音することができるため、筐体パネル2に対して放音用の孔部を設ける等の加工処理を不要とすることができ、筐体パネル2の製作工程の簡素化を図ることができる。さらに、筐体パネル2に対する放音用の孔部を設ける等の加工処理を不要とすることができるため、筐体パネル2の表面部2dを、上記補助表示部6用の開口部15が設けられていることを除き、全体的に平面状とすることができる。このため、筐体パネル2に対して模様や色彩等のデザインを付す加工を施し易くすることができる。
【0069】
また、この実施の形態の携帯電話機は、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入し、次に、固定カバー本体40の挿入孔部44に設けられたスペーサ部50を、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入する。そして、ネジ18で、固定カバー本体40を上筐体1にネジ止めする。このような作業を行うだけで、固定カバー3を、簡単、かつ、強固に上筐体1に固定することができる。
【0070】
また、上筐体1にネジ止めされた固定カバー3を取り外す場合、まず、上筐体1に固定カバー3をネジ止めしているネジ18を取り外し、次に、挿入脚部収納部48の開口端部48aに挿入されているスペーサ部50を引き抜き、最後に、挿入脚部収納部48の開口端部48aから、挿入脚部42の鉤形状の先端部42aを引き抜き、該挿入脚部収納部48から挿入脚部42を取り外す。このような作業を行うだけで、上筐体1から固定カバー3を簡単に取り外すことができる。
【0071】
このように当該実施の形態の携帯電話機は、上筐体1に対して固定カバー3を簡単、かつ、強固に固定することができ、また、上筐体1から固定カバー3を簡単に取り外すことができる。このため、筐体パネル2の装着や取り外しにおける作業性の向上を図ることができる。また、修理や部品交換等の際の作業性の向上も図ることができる。
【0072】
[変形例]
上述の実施の形態の説明では、上筐体1の長手方向に沿って一対の間隙形成用凸部9を設けることとしたが、これは、図7に示すように上筐体1の長手方向に対して垂直方向に装着面部1aから突出する間隙形成用凸部9を、上筐体1の短手方向に沿って、所定間隔(或いはランダムの間隔)で複数設けるようにしてもよい。この場合でも、筐体パネル2の裏面部2cと上筐体1の装着面部1aとの間に上述の間隙部25を形成することができ、上述と同様に、上筐体1と筐体パネル2との貼り付き防止や、各スピーカ部5R,5Lからの音声を、間隙部25等を介した筐体パネル2外に放音する等の効果を得ることができる。
【0073】
また、間隙形成用凸部9は、図3や図7において角柱状として図示したが、図8に示すように間隙形成用凸部9を略半円球形状とし、この略半円球形状とした間隙形成用凸部9を図3に示したように上筐体1の長手方向に沿って並設し、図7に示したように上筐体1の短手方向に沿って並設し、或いは上筐体1上にランダムに設けるようにしてもよい。この場合でも、上述と同様に、上筐体1と筐体パネル2との貼り付き防止や、各スピーカ部5R,5Lからの音声を、間隙部25等を介した筐体パネル2外に放音する等の効果を得ることができる。すなわち、筐体パネル2の裏面部2cと上筐体1の装着面部1aとの間に上述の間隙部25を形成することができる形状であれば、間隙形成用凸部9の形状は任意の形状でよい。
【0074】
また、上述の実施の形態の説明では、間隙形成用凸部9を上筐体1側に設けることとしたが、間隙形成用凸部9を筐体パネル2の裏面部2c側に設けるようにしてもよい。具体的には、図9に示すように筐体パネル2の裏面部2c側に、該筐体パネル2の長手方向に沿って一対の間隙形成用凸部9を設けてもよいし、図10に示すように筐体パネル2の長手方向に沿って複数の間隙形成用凸部9を所定間隔(或いはランダムの間隔)で設けてもよい。さらには、図11に示すように筐体パネル2の裏面部2c側に、略半円球形状の間隙形成用凸部9を、筐体パネル2の長手方向や短手方向に沿って、或いはランダムに設けるようにしてもよい。いずれの場合でも、この筐体パネル2を上筐体1に装着した際に、筐体パネル2の裏面部2cと上筐体1の装着面部1aとの間に上記間隙部25を形成することができ、上述と同じ効果を得ることができる。
【0075】
また、上述の実施の形態の説明では、筐体パネル2は上筐体1に装着することとしたが、該筐体パネル2を下筐体に装着してもよい。この場合でも、デザインを一新することができ、また、下筐体と筐体パネル2の貼り付きを防止できる他、下筐体にスピーカ部が設けられている場合には、例えば下筐体に設けられたカメラ部と開口部との間の間隙部を介してスピーカ部からの音声を放音することができる等、上述と同様の効果を得ることができる。
【0076】
また、上述の実施の形態の説明では、本発明を折り畳み型の携帯電話機に適用することとしたが、この他、本発明をストレート型(=スティック型)の携帯電話機に適用してもよい。この場合でも、外観を簡単に変更可能である等の、上述と同様の効果を得ることができる。
【0077】
また、上述の実施の形態の説明では、本発明を携帯電話機に適用することとしたが、この他、例えばPHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機、デジタルカメラ装置、ノート型のパーソナルコンピュータ装置等の携帯機器に本発明を適用してもよい。いずれの場合も、上述と同様の効果を得ることができる。
【0078】
また、上述の実施の形態の説明では、本発明をカードスロット収納部47の蓋装置に適用することとしたが、この他、本発明を、筐体に対してスロットインされる二次電池の蓋装置に適用してもよいし、イヤホン端子が収納されたイヤホン端子収納部の蓋装置等に適用してもよい。いずれの場合も、上述と同様の効果を得ることができる。
【0079】
最後に、本発明は、一例として説明した上述の実施の形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明を適用した実施の形態となる携帯電話機の上筐体、筐体パネル及び固定カバーの斜視図である。
【図2】実施の形態の携帯電話機において、筐体パネルが装着された状態の上筐体を、メイン表示部側から見た斜視図である。
【図3】実施の形態の携帯電話機における、筐体パネルが装着されていない状態の上筐体の斜視図である。
【図4】実施の形態の携帯電話機の上筐体に装着される筐体パネルの斜視図である。
【図5】実施の形態の携帯電話機において、筐体パネルが装着された状態の上筐体を、該上筐体の短手方向に沿って切断した切断面の断面図である。
【図6】実施の形態の携帯電話機において、筐体パネルが装着された状態の上筐体を、該上筐体の長手方向に沿って切断し、補助表示部の部分を拡大して示す断面図である。
【図7】実施の形態の携帯電話機において、上筐体に設けられる間隙形成用凸部の他の設置例を示す図である。
【図8】実施の形態の携帯電話機において、上筐体に設けられる間隙形成用凸部の他の形状を説明するための図である。
【図9】実施の形態の携帯電話機において、筐体パネル側に間隙形成用凸部を設けた例を示す図である。
【図10】実施の形態の携帯電話機において、筐体パネル側に間隙形成用凸部を設けた他の例を示す図である。
【図11】実施の形態の携帯電話機において、筐体パネル側に設けられる間隙形成用凸部の他の形状を説明するための図である。
【図12】実施の形態の携帯電話機の上筐体に対する固定カバーの装着及び取り外しを説明するための図である。
【符号の説明】
【0081】
1 上筐体、1a 上筐体の装着面部、1b 上筐体の反ヒンジ部側の端部、1c 上筐体の表示面部、1d 上筐体のヒンジ部側の端部、2 筐体パネル、2a 筐体パネルの側面部、2b 筐体パネルの開口部側の端部、2c 筐体パネルの裏面部、2d 筐体パネルの表面部、3 固定カバー、4 ヒンジ部、5R スピーカ部(右用)、5L スピーカ部(左用)、6 補助表示部、6a 補助表示部の外周部、7 受話音声用のスピーカ部、8 メイン表示部、9 間隙形成用凸部、10 上筐体の上ハーフ、11 上筐体の下ハーフ、15 筐体パネルの開口部、15a 筐体パネルの開口部の内周部、17 固定カバーのネジ孔、18 ネジ、20 筐体パネルの空隙部、25 上筐体の装着面部と筐体パネルの裏面部との間に形成される間隙部、30 上筐体の補助表示部の外周部と筐体パネルの開口部の内周部との間に形成される間隙部、31 スピーカ部の放音用孔部、40 固定カバー本体、41 蓋部、42 挿入脚部、42a 挿入脚部の先端部、43 係止用突出部、44 挿入孔部、45 係止用孔部、46 カード状の記憶媒体の着脱孔部、47 カードスロット収納部、48 挿入脚部収納部、48a 挿入脚部収納部の開口端部、49 開口端狭小用突出部、50 スペーサ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略鉤形状とされた先端部を備えた略棒状の挿入脚部と、
上記鉤形状とされた先端部に対して反対側となる上記挿入脚部の端部が接続された蓋部と、
機器本体側に設けられ、開口端部を介して挿入された上記挿入脚部を収納する挿入脚部収納部と、
上記挿入脚部収納部の上記開口端部に設けられ、上記鉤形状の先端部よりも若干広めの幅となるように上記開口端部の幅を狭小させる開口端狭小用突出部と、
上記鉤形状とされた先端部を介して上記挿入脚部が挿入される挿入孔部と、該挿入孔部に挿入された上記挿入脚部に設けられている上記鉤形状の先端部が突出する側に対して反対側の位置関係となるように上記挿入孔部に設けられ、上記挿入脚部と共に上記挿入脚部収納部の上記開口端部に挿入されることで、該挿入脚部の幅を、上記開口端狭小用突出部により狭小された上記開口端部の幅と略同じ幅とするスペーサ部とを備えた蓋部本体と、
上記蓋部本体に設けられ、当該蓋部本体を上記機器本体に固定するための固定部と
を有する蓋装置。
【請求項2】
上記蓋部本体に対して相対向する上記蓋部側の面部に設けられた係止用突出部と、
上記挿入脚部及び上記スペーサ部が、上記機器本体側に設けられた上記挿入脚部収納部の上記開口端部に挿入された際に、上記係止用突出部の挿入を可能とする上記蓋部本体上の位置に設けられ、上記係止用突出部が挿入されることで、上記蓋部本体に対して上記蓋部を固定する係止用孔部と
を有する請求項1に記載の蓋装置。
【請求項3】
機器本体側に設けられた収納部と、
略鉤形状とされた先端部を備えた略棒状の挿入脚部と、
上記鉤形状とされた先端部に対して反対側となる上記挿入脚部の端部が接続された蓋部と、
上記機器本体側に設けられ、開口端部を介して挿入された上記挿入脚部を収納する挿入脚部収納部と、
上記挿入脚部収納部の上記開口端部に設けられ、上記鉤形状の先端部よりも若干広めの幅となるように上記開口端部の幅を狭小させる開口端狭小用突出部と、
上記鉤形状とされた先端部を介して上記挿入脚部が挿入される挿入孔部と、該挿入孔部に挿入された上記挿入脚部に設けられている上記鉤形状の先端部が突出する側に対して反対側の位置関係となるように上記挿入孔部に設けられ、上記挿入脚部と共に上記挿入脚部収納部の上記開口端部に挿入されることで、該挿入脚部の幅を、上記開口端狭小用突出部により狭小された上記開口端部の幅と略同じ幅とするスペーサ部とを備えた蓋部本体と、
上記機器本体に設けられた上記収納部を被覆するように、上記蓋部本体を上記機器本体に固定するための固定部と
を有する携帯端末装置。
【請求項1】
略鉤形状とされた先端部を備えた略棒状の挿入脚部と、
上記鉤形状とされた先端部に対して反対側となる上記挿入脚部の端部が接続された蓋部と、
機器本体側に設けられ、開口端部を介して挿入された上記挿入脚部を収納する挿入脚部収納部と、
上記挿入脚部収納部の上記開口端部に設けられ、上記鉤形状の先端部よりも若干広めの幅となるように上記開口端部の幅を狭小させる開口端狭小用突出部と、
上記鉤形状とされた先端部を介して上記挿入脚部が挿入される挿入孔部と、該挿入孔部に挿入された上記挿入脚部に設けられている上記鉤形状の先端部が突出する側に対して反対側の位置関係となるように上記挿入孔部に設けられ、上記挿入脚部と共に上記挿入脚部収納部の上記開口端部に挿入されることで、該挿入脚部の幅を、上記開口端狭小用突出部により狭小された上記開口端部の幅と略同じ幅とするスペーサ部とを備えた蓋部本体と、
上記蓋部本体に設けられ、当該蓋部本体を上記機器本体に固定するための固定部と
を有する蓋装置。
【請求項2】
上記蓋部本体に対して相対向する上記蓋部側の面部に設けられた係止用突出部と、
上記挿入脚部及び上記スペーサ部が、上記機器本体側に設けられた上記挿入脚部収納部の上記開口端部に挿入された際に、上記係止用突出部の挿入を可能とする上記蓋部本体上の位置に設けられ、上記係止用突出部が挿入されることで、上記蓋部本体に対して上記蓋部を固定する係止用孔部と
を有する請求項1に記載の蓋装置。
【請求項3】
機器本体側に設けられた収納部と、
略鉤形状とされた先端部を備えた略棒状の挿入脚部と、
上記鉤形状とされた先端部に対して反対側となる上記挿入脚部の端部が接続された蓋部と、
上記機器本体側に設けられ、開口端部を介して挿入された上記挿入脚部を収納する挿入脚部収納部と、
上記挿入脚部収納部の上記開口端部に設けられ、上記鉤形状の先端部よりも若干広めの幅となるように上記開口端部の幅を狭小させる開口端狭小用突出部と、
上記鉤形状とされた先端部を介して上記挿入脚部が挿入される挿入孔部と、該挿入孔部に挿入された上記挿入脚部に設けられている上記鉤形状の先端部が突出する側に対して反対側の位置関係となるように上記挿入孔部に設けられ、上記挿入脚部と共に上記挿入脚部収納部の上記開口端部に挿入されることで、該挿入脚部の幅を、上記開口端狭小用突出部により狭小された上記開口端部の幅と略同じ幅とするスペーサ部とを備えた蓋部本体と、
上記機器本体に設けられた上記収納部を被覆するように、上記蓋部本体を上記機器本体に固定するための固定部と
を有する携帯端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−288743(P2009−288743A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144295(P2008−144295)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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