説明

薄型表示装置

【課題】 薄型の表示部ユニットの左右の両端にスピーカーを内蔵したパネルを設け、このスピーカーを内蔵したパネルが、表示部ユニットを卓上等に載せる際のスタンドとして機能する薄型表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 この発明は、スピーカーが内蔵された一対のパネルのうち、一方のパネルの中間部と表示部ユニットの左端と他方のパネルの中間部と表示部ユニットの右端とを、パネルの底面が表示部ユニットの底面より下方又は同じ位置となるようにヒンジで連結することによって、スピーカーが内蔵されたパネルで表示部ユニットを安定して支持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型の表示部ユニットを有する薄型表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている一般的なテレビ(表示装置)の構成は、大きく分けて、表示部ユニットと卓上スタンドの2つに分けられる。スピーカーは、表示部ユニット(画像を表示する表示部とそれを覆うカバーを含む)に内蔵されているか、または、別体で表示部ユニットの両サイドもしくは下に、ネジ等で固定されている。表示部ユニットは、卓上スタンドを取付けて、家具や床上に置くのが一般的である。
一方、近年では、表示部ユニットの表示部の薄型化に伴い、壁掛け需要も増加している。壁掛けの際は、市販の取り付け金具を別途購入し、壁に固定することが多い。
【0003】
【特許文献1】特開平4−261579
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の表示装置の表示部ユニットを支持する手段として、複数の表示部ユニット(フラット・ディスプレイ)を回動可能なように接続・一体的に連結し、不要時は折りたたむようにしたものがある(特許文献1)。
しかし、この表示装置では、本体の後方にスタンドがないことから、表示部ユニットの後方への転倒防止が考慮されていないという問題がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、薄型の表示部ユニットの左右の両端にスピーカーを内蔵したパネルを連結し、このパネルが、表示部ユニットを卓上等に載せる際のスタンドとして機能する薄型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る薄型表示装置は、薄型の表示部ユニット、スピーカーが内蔵された1対のパネル、前記表示部ユニットの左端部と一方の前記パネルの横方向の中間部とを、前記パネルの底面が前記表示部ユニットの底面より下方又は同じ位置となるように連結する第1のヒンジ、前記表示部ユニットの右端部と他方の前記パネルの横方向の中間部とを、前記パネルの底面が前記表示部ユニットの底面より下方又は同じ位置となるように連結する第2のヒンジ、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、スピーカーが内蔵された一対のパネルのうち、一方のパネルの中間部と表示部ユニットの左端と他方のパネルの中間部と表示部ユニットの右端とを、パネルの底面が表示部ユニットの底面より下方又は同じ位置となるようにヒンジで連結することによって、スピーカーが内蔵されたパネルで表示部ユニットを安定して支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1における薄型表示装置1の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1における薄型表示装置1のヒンジ3の取り付け箇所周辺を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1における薄型表示装置1のヒンジ3の構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1における薄型表示装置1のヒンジ3を表示部ユニット2に取り付けた状態の図である。
【図5】この発明の実施の形態1における薄型表示装置1のパネル4を表示部ユニット2に対して回動する時のヒンジ3の取り付け拡大図である。
【図6】この発明の実施の形態1における薄型表示装置1の寸法を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1における薄型表示装置1の壁掛け設置を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1における薄型表示装置1の卓上設置の状態と壁掛け設置の状態の正面図である。
【図9】この発明の実施の形態1における薄型表示装置1の壁掛け設置を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1における薄型表示装置1の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における薄型表示装置1の構成図である。
まず、薄型表示装置1を卓上等に設置する場合について説明する。
図1の上面図で、薄型表示装置1は、表示部ユニット2の背面の左端と右端のそれぞれに1つずつ取り付けられたヒンジ3によって、板状の1対のパネル4が表示部ユニット2の両端にそれぞれ連結されて構成されている。また、図1の正面図で、パネル4には、薄型のスピーカー5が内蔵されている。
【0010】
表示部ユニット2は、内部に画像を表示する薄型の表示部を有し、表示部の表側を覆うフロントケース(図示せず)と表示部の後側を覆うバックケース(図示せず)とを備えている。なお、表示部は液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの薄型のディスプレイである。
ヒンジ3は、表示部ユニット2の背面の左端と右端にそれぞれ1つずつ、パネル4を表示部ユニット2に対して回動可能にするように取り付けられている。
【0011】
パネル4は、図1の正面図のように薄型のスピーカー5が内蔵されている1対のパネルである。
図1の正面図において、左側(一方)のパネル4の前面(スピーカー5が内蔵されている面)の右端の部分が表示部ユニット2の前面に向かって左端の背面の部分と重なる様に、また、右側(もう一方)のパネル4の前面の左端の部分と表示部ユニット2の前面に向かって右端の背面の部分が重なる様にヒンジ3で取り付けられ、1対のパネル4が表示部ユニット2を左右の両端で支持している。
【0012】
図1の正面図、側面図において、表示部ユニット2はパネル4により浮くように支持されている。ここでは、表示部ユニット2がパネル4により浮くように支持される構成で説明するが、表示部ユニット2の底面が設置面に着く位置に、パネル4を表示部ユニット2にヒンジ3で連結する構成にしてもよい。
【0013】
次に、ヒンジ3の構成について詳細に説明する。
図2は、この発明の実施の形態1における薄型表示装置1の背面図でヒンジ3の取り付け箇所周辺を示す図である。
ヒンジ3は、ヒンジ3aとヒンジ3bから構成されている。
表示部ユニット2の背面の左端と右端には、表示部ユニット2に対して上下方向に移動するスライド式取り付け部6が1つずつ設けられている。そして、このスライド式取り付け部6にヒンジ3bがネジ止めされている。
【0014】
そして、このヒンジ3bにヒンジ3aが嵌め込まれ、そのヒンジ3aがパネル4のスピーカー5が内蔵されている前面の中間部(端部とスピーカー部分を除く)にネジ止めされて取り付けられている。ここでは、ネジ止めされているとして説明しているが、ヒンジ3bとスライド式取り付け部6が固定できればネジ止めでなくてもよい。
【0015】
また、ヒンジ3が取り付けられたスライド式取り付け部6は、リリースボタン7を押下するとロック機能が解除される。そして、ロック機能が解除されると、スライド式取り付け部6は、表示部ユニット2に対して上下方向にスライド可能となり、上方向の最大または下方向の最大位置で再びロックがかかり固定されるようになっている。
このような構造により、スライド式取り付け部6に取り付けられているヒンジ3で連結されているパネル4は、表示部ユニット2を浮かせるような位置で支持した状態で、薄型表示装置1を卓上等に設置または壁掛けすることができる。また、パネル4と表示部ユニット2の底面を揃えた状態で、卓上等に設置または壁掛けすることもできる。
ここでは、上下方向の最大位置でロックがかかり固定されると説明しているが、上下方向の最大位置ではなく中間位置で固定されてもよい。
【0016】
次に、ヒンジ3の構造の詳細について説明する。
図3は、この発明の実施の形態1における薄型表示装置1のヒンジ3の構成図である。
パネル4に取り付けられたヒンジ3aは、パネル4の回転中心となる回転軸3a1と、回転軸3a1の両端に設けられた半長円柱を変形させた一対の半長円柱変形部3a2から構成されている。
【0017】
この半長円柱変形部3a2は、半長円柱の片側の側面e(曲面が平面と接している曲面側の側面)を半長円柱変形部3a2がパネル4に取り付けられる平面fと角度α=90°をなすように変形している。そして、この半長円柱変形部3a2の片側の端部と回転軸3a1の片側の端部を接続している。
また、表示部ユニット2に取り付けられるヒンジ3bは、ヒンジ3aの回転軸部3a1が貫通する円筒部3b1と円筒部3b1の両端に設けられた凹部3b2から構成されている。凹部3b2は、ヒンジ3aの半長円柱変形部3a2が勘合する形状となっている。
【0018】
次にヒンジ3を表示部ユニット2の背面の左側に取り付ける取り付け方について説明する。
まず、図3のヒンジ3bの凹部3b2の平面gを図2の表示部ユニット2の背面の左端に配置したスライド式取り付け部6に、凹部3b2の凹面j側からネジ止めして取り付ける。この時、表示部ユニット2に配置されているスライド式取り付け部6の位置は、表示部ユニット2の背面の左端で、パネル4の底面が表示部ユニット2の底面の下方にくる位置に取り付けられている。
【0019】
次に、ヒンジ3aの半長円柱変形部3a2の一方が取り付けられた回転軸3a1をヒンジ3bの円筒部3b1に貫通させ、貫通させた先の回転軸3a1の端面にもう一方の半長円柱変形部3a2を取り付ける。
この時、半長円柱変形部3a2の平面fと角度α=90°をなしている側面eが、表示部ユニット2の背面に向かって左端側にくるように、ヒンジ3aの回転軸3a1に半長円柱変形部3a2を取り付ける。
ヒンジ3は、ヒンジ3aの回転軸3a1がヒンジ3bの円筒部3b1に貫通された状態で、ヒンジ3aの半長円柱変形部3a2とヒンジ3bの凹部3b2が嵌合している。
同様に、ヒンジ3を表示部ユニット2の背面に向かって右端側にも取り付ける。
【0020】
図4は、ヒンジ3を表示部ユニット2の背面に向かって右端に取り付けた状態の図である。
図4のように、ヒンジ3aとヒンジ3bを嵌め合わせた状態で、ヒンジ3aの半長円柱変形部3a2の平面fとパネル4がネジ止めされて取り付けられる。
この時、パネル4の薄型のスピーカーが内蔵されている前面の横方向の右側の端部(右端部)と表示部ユニット2の背面の横方向の右端部が重なるように、パネル4がヒンジ3aに取り付けられる。
【0021】
即ち、パネル4の前面の横方向の右端部を除く(パネル4のスピーカー部分も除く)中間部と表示部ユニット2の背面の右端部がヒンジ3で連結される。また、パネル4の底面が、表示部ユニット2の底面よりも下方になるように連結されている。
パネル4の前面と表示部ユニット2の背面は、平行な状態でヒンジ3によって取り付けられている。
【0022】
次に、パネル4が表示部ユニット2に対して平行な状態から、パネル4を回動して表示部ユニット2に角度を付けて卓上等に設置する動作について説明する。また、この時のヒンジの構造について詳細に説明する。
図5は、この発明の実施の形態1における薄型表示装置1のパネル4を表示部ユニット2に対して回動する時のヒンジ3の拡大図である。
図5のパネル平行状態上面図は、パネル4が表示部ユニット2に対して平行な状態の時の上面図である。
そして、この時のヒンジ3の拡大図が、図5のパネル平行状態ヒンジ拡大図である。
【0023】
図5のパネル平行状態ヒンジ拡大図で、ヒンジ3aの回転軸部3a1がヒンジ3bの円筒部3b1に貫通し、ヒンジ3aの半長円柱変形部3a2とヒンジ3bの凹部3b2が嵌合している。
そして、半長円柱変形部3a2の平面fとの角度αが90°をなしている半長円柱を変形した側面eが、表示部ユニット2の背面の右端の側面m側となるようにヒンジ3が取り付けられている。そして、ヒンジ3の半長円柱変形部3a2の平面fに、パネル4が取り付けられている。
半長円柱変形部3a2の平面fがパネル4に取り付けられるため、半長円柱変形部3a2の半長円柱の側面eとパネル4との角度も90°となる。
【0024】
次に、半長円柱変形部3a2の平面fとの角度αが90°をなしている側面eと、その側面e側で半長円柱変形部3a2と嵌合している凹部3b2の端の面nとの角度β1は22°をなしている。
また、半長円柱変形部3a2の側面e側で半長円柱変形部3a2と嵌合している凹部3b2の端の面nと、表示部ユニット2の背面2aから垂直な面u1との角度β2も22°をなす。
【0025】
また、半長円柱変形部3a2の半長円柱の側面eと反対の側面wと、半長円柱の側面wとパネル4との接点で、パネル4と垂直な面u2との角度β3も22°をなす。
また、半長円柱変形部3a2の半長円柱の側面w(凹部3b2と嵌合している面w)と表示部ユニット2から垂直な面u3との角度β4も22°をなす。
【0026】
この状態から、パネル4を回動して表示部ユニット2と角度を付け、卓上に設置できるようにしたときのヒンジ3の構造を詳細に説明する。(パネル4を回動する時には、パネル4が勢いよく開かない様にラチェット機構を備えている(図示せず))。
図5のパネル角度付き上面図は、卓上等に設置する時に、パネル4を回動させて表示部ユニット2と角度を付けた時の上面図である。
【0027】
この時のヒンジ3の拡大図が、図5のパネル角度付きヒンジ拡大図である。
図5のパネル角度付きヒンジ拡大図で、ヒンジ3aの回転軸部3a1がヒンジ3bの円筒部3b1に貫通し、ヒンジ3aの半長円柱変形部3aとヒンジ3bの凹部3b2が嵌合している。
パネル4を表示部ユニット2に対して角度を付ける様に最大限に回動して停止した状態の時、表示部ユニット2の背面とパネル4の前面との鋭角の角度β5は22°をなしている。
【0028】
この時、半長円柱変形部3a2の平面fとの角度αが90°をなしている側面eと、その側面e側で半長円柱変形部3a2と嵌合している凹部3b2の凹面nとの角度が0°で、これ以上パネル4が回動できない状態となっている。
つまり、ヒンジ3aの半長円柱変形部3a2の側面eが受け側のヒンジ3bの凹部3b2の壁にあたることによって、パネル4と表示部ユニット2との角度β5が22°になる位置で回動させていたパネル4が止まる。
【0029】
このようなヒンジの構造によって、パネル4の前面と表示部ユニット2の背面が平行な状態からパネル4の前面と表示部ユニット2の背面との鋭角の角度が22度になるまで、パネル4を表示部ユニット2に対して回動および回動を停止させることができる。
ここでは、ヒンジ3がパネル4と表示部ユニット2を連結することを説明したが、パネル4と表示部ユニット2との電気的な接続は、例えば、パネル4と表示部ユニット2にそれぞれ1つずつ端子を設け、電線を介して行う方法が一般的である。しかし、パネル4と表示部ユニット2とが電気的に接続できれば他の方法でもよい。
【0030】
次に、薄型表示装置1の具体的な寸法の1例について詳細に説明する。
図6は、この発明の実施の形態1における薄型表示装置1の寸法を示す図である。
表示部ユニット2は、図6の正面図で横幅S1が1074.6mm、高さS2が632.8mm、図6の側面図で奥行きS3が35mmである。
パネル4は、図6の上面図で横幅S4が450.8mm、厚さS5が25mm、図6の正面図で高さS6が632.8mmである。パネル4の左右の寸法は同じである。
【0031】
図6の上面図で、パネル4が表示部ユニット2と平行な状態から、左のパネル4は反時計回りに回動し、右のパネル4は時計回りに回動して、パネル4が表示部ユニット2から前後左右にせり出すようにヒンジ3によって連結されている。
表示部ユニット2の前面に向かって右側のパネル4は、図6の側面図で、表示部ユニット2に対して右側の前方向にS7=78.403mm、左側の後方向にS8=78.649mmせり出している。また、図6の正面図で、表示部ユニット2の前側の右外方向にS9=314.1mm、表示部ユニット2の後側の左内方向にS10=136.7mmせり出している。
【0032】
また、図6の正面図でパネル4の高さS6は、表示部ユニット2の高さS2と同じである。
また、図6の上面図で表示部ユニット2の背面とパネル4の前面との鋭角の角度β5は22°である。
そして、図6の上面図で右側のパネル4の横方向の右端からパネル4に内蔵されている薄型のスピーカー5の中心までの長さS11は171mmである。この薄型のスピーカー5の中心位置で右のパネル4の垂直線S12は、左のパネル4の薄型のスピーカー5の中心位置の垂直線S13と約1.7mで交差する。この交差する位置Pは、表示部ユニット2の高さ632.8mmの約3倍の位置になる。
【0033】
表示装置の視聴者が画面を見やすい最適な位置(最適視聴位置または最適視聴距離)は、表示装置から画面の高さの約3倍の位置とされている。
薄型表示装置1は、左側のパネル4に内蔵されている薄型のスピーカー5の中心位置の垂直線と右側のパネル4に内蔵されている薄型のスピーカー5の中心位置の垂直線が交差する位置P(視聴者に最適な音響効果のある位置P)が最適視聴位置になる。
この様に、パネル4の前面が表示部ユニット2の背面に対して鋭角の角度β5=22°をなしていることによって、視聴者の最適視聴位置を最適な音響効果となる位置Pにすることができる。
【0034】
また、図6の上面図で、表示部ユニット2の背面の左端のヒンジ3と右端のヒンジ3にそれぞれ取り付けられた一対のパネル4は、図6の正面図で表示部ユニット2を設置面から高さS14=40mmの位置で浮かせるように支持している。
この様に、パネル4が表示部ユニット2を浮いた状態で支持するため、薄型表示装置1の設置面はパネル4の底面だけとなり、設置面積が少なくてすむ。また、表示部ユニット2の下のスペースが空いているため清掃が容易となる。また、設置面(家具など)の変色や傷つきを軽減することができる。
【0035】
また、図6の背面図で、リリースボタン7が押下されると、ヒンジ3が取り付けられたスライド式取り付け部6は、S15=40mmの範囲で表示部ユニット2に対して上下方向にスライドさせることができる。
スライド式取り付け部6が表示部ユニット2に対して最も下方向にスライドして、ロックされた状態の時、パネル4は表示部ユニット2を設置面から40mm浮かせた状態で支持している。即ち、表示部ユニット2の底面は、設置面から40mmの位置にある。
一方、スライド式取り付け部6が表示部ユニット2に対して最も上方向にスライドして、ロックされた状態の時、パネル4の底面は、表示部ユニット2の底面と同じ位置になる。
【0036】
次に、薄型表示装置1を壁に掛ける場合について説明する。
図7は、この発明の実施の形態1における薄型表示装置1を壁に掛けて設置する時の正面図、上面図、側面図、壁掛け器具構成図である。
また、図8は、この発明の実施の形態1における薄型表示装置1の卓上設置の状態と壁掛け設置の状態の正面図である。
図7の上面図に示す薄型表示装置1は、図8に示した卓上設置の状態からパネル4の前面と表示部ユニット2の前面が平行な状態(壁掛け設置の状態)になるまで、左のパネル4を時計回りに回動し、右のパネル4を反時計回りに回動し、回動が停止した状態で壁9に設置している。
【0037】
図7の壁掛け器具構成図において、壁掛け器具8は、市販されている一般的なものであり、部品取り付け器具8aと壁側取り付け器具8bから構成されている。
そして、この壁掛け器具8aを薄型表示装置1側に取り付け、壁掛け器具8bを壁9側に取り付ける。この状態で壁掛け器具8aを壁掛け器具8bに引っ掛けて取り付けると、図7の上面図および側面図に示す様に、壁掛け器具8によって薄型表示装置1を壁9に掛けて設置することができる。
ここでは、パネル4と表示部ユニット2を平行にして壁にかける場合について説明するが、パネル4が表示部ユニット2に対して角度をつけて連結されている状態のまま壁にかけてもよい。
【0038】
次に、パネル4の上面と底面を表示部ユニット2の上面と底面の位置に揃えて設置する場合について説明する。
図9は、この発明の実施の形態1における薄型表示装置1の壁掛け設置の際に、パネル4と表示部ユニット2の上面と底面を揃えて設置した構成図である。
また、図10は、この発明の実施の形態1における薄型表示装置1の背面図である。
図7の正面図のように、表示部ユニット2とパネル4の上面と底面に段差がある状態から、図9の正面図または側面図のように、表示部ユニット2とパネル4の上面と底面を揃えた状態で壁にかける手順について説明する。
【0039】
図10の背面図に示すように、図6の背面図で示した表示部ユニット2の背面にあるリリースボタン7を押下する。リリースボタン7を押下すると、図6の背面図で示したスライド式取り付け部6のロック機能が解除されるので、スライド式取り付け部6に取り付けられたヒンジ3を表示部ユニットに対して上下方向に動かすことができる。そのため、ヒンジ3によって連結されているパネル4を表示部ユニット2の表示部ユニットに対して上方向に動かすことができる。
そして、スライド式取り付け部6は、可動範囲の最端の位置にくるとリリースボタン7にロックがかかり、動かない状態になる。(再び動かすためには、リリースボタン7を押下する。)
【0040】
つまり、表示部ユニット2の背面のリリースボタン7を押下することにより、図6の高さS14=S15=40mm分、ヒンジ3で連結されたパネル4を表示部ユニットに対して上方向に動かすことができる。
そのため、図9の正面図に示す様に、表示部ユニット2とパネル4の上面と底面を揃えた状態で、図9の側面図に示す様に薄型表示装置1を壁9に掛けて設置することができる。
【0041】
この様に、壁に掛けて設置する際には、市販の壁掛け器具8を用いて設置することができる。そして、卓上等に設置する時にスピーカー付きのスタンドとして使用していたパネル4を、表示部ユニット2に連結したまま、スピーカーとして使用することができる。この時、パネル4をヒンジ3によって回動して、表示部ユニット2の背面と平行にすると、壁からの厚みを減らすことができ、省スペースとなる。また、パネル4によって壁掛け器具が隠れる状態となり、側面の美観を損なうことがない。
【0042】
また、壁に掛けて設置する際に、表示部ユニット2の背面にあるリリースボタン7を押下することによって、表示部ユニット2に設けられたスライド式取り付け部に取り付けたヒンジ3が表示部ユニット2に対して上下可動になり、表示部ユニット2とパネル4との上下辺をそろえて壁に掛けることができる。
【0043】
以上のように、スピーカーが内蔵された一対のパネルのうち、一方のパネルのスピーカーが内蔵されている前面の横方向の中間部と表示部ユニットの背面の左端、他方のパネルの前面の横方向の中間部と表示部ユニットの背面の右端とを、パネルの底面が表示部ユニットの底面より下方又は同じ位置となるようにヒンジで連結することによって、スピーカーが内蔵されたパネルで表示部ユニットを安定して支持することができる。
【0044】
また、ヒンジ3によって連結されたパネル4を回動させて、表示部ユニット2に対して角度をつけた状態で停止させることができるため、パネル4に内蔵されているスピーカー5の正面を最適視聴位置に向けて設置することができる。そのため、表示部に対して垂直に音を出す一般的な方式に比べ、音がしっかりと視聴位置に届き、より臨場感のある音響効果を提供することができる。
【0045】
また、薄型表示装置1は板状のパネル4の底面で自立しているため、広い面積で床と接地する一般的な卓上スタンドに比べ、設置面積が少なくてすむ。そのため、設置面の清掃が容易となる。また、変色や傷つきを軽減することもできる。
また、パネル4はヒンジ3によって連結されていて取り外しが可能であるため、表示部ユニット2またはパネル4に内蔵している薄型のスピーカー5を個別にメンテナンスすることができる。
【0046】
また、壁に掛けて設置する際にも、市販の壁掛け器具8を用いて設置することができる。卓上等に設置する時にスピーカー付きのスタンドとして使用していたパネル4は、表示部ユニット2に連結したままスピーカーとして使用することができる。この時、パネル4をヒンジ3によって回動して、表示部ユニット2の背面と平行にすると、壁からの厚みを減らすことができ、省スペースとなる。また、パネル4によって壁掛け器具が隠れる状態となり、側面の美観を損なうことがない。
【0047】
また、壁に掛けて設置する際に、表示部ユニット2の背面にあるリリースボタン7を押下することによって、表示部ユニット2に設けられたスライド式取り付け部に取り付けたヒンジ3が表示部ユニット2に対して上下可動になり、表示部ユニット2とパネル4との上下辺をそろえて壁に掛けることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 薄型表示装置、2 表示部ユニット、3 ヒンジ、4 パネル、5 スピーカー、6 スライド式取り付け部、7 リリースボタン、8 壁掛け器具、9 壁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄型の表示部ユニット、
スピーカーが内蔵された1対のパネル、
前記表示部ユニットの左端部と一方の前記パネルの横方向の中間部とを、前記パネルの底面が前記表示部ユニットの底面より下方又は同じ位置となるように連結する第1のヒンジ、
前記表示部ユニットの右端部と他方の前記パネルの横方向の中間部とを、前記パネルの底面が前記表示部ユニットの底面より下方又は同じ位置となるように連結する第2のヒンジ、
を備えたことを特徴とする薄型表示装置。
【請求項2】
前記第1のヒンジは、前記一方のパネルと前記表示部ユニットの背面の左端部とを連結し、
前記第2のヒンジは、前記他方のパネルと前記表示部ユニットの背面の右端部とを連結することを特徴とする請求項1記載の薄型表示装置。
【請求項3】
前記第1のヒンジ及び前記第2のヒンジは、前記パネルの前面と前記表示部ユニットの背面との鋭角が22度になるまで、前記パネルを前記表示部ユニットに対して回動可能にすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄型表示装置。
【請求項4】
前記第1のヒンジ及び前記第2のヒンジは、前記パネルの前面と前記表示部ユニットの背面が平行になるまで、前記パネルを前記表示部ユニットに対して回動可能にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄型表示装置。
【請求項5】
前記表示部ユニットは、前記表示部ユニットに対して上下方向に移動するスライド式取り付け部を備え、
前記ヒンジは、前記表示部ユニットの前記スライド式取り付け部と前記パネルとを連結することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄型表示装置。
【請求項6】
前記スライド式取り付け部を前記表示部ユニットに対して移動可能にするリリースボタンを更に備えたことを特徴とする請求項5記載の薄型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−34089(P2013−34089A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168985(P2011−168985)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】