説明

薄板状フィルムの貼付装置および貼付方法

【課題】薄板状フィルムの接着層側にリリースフィルムが貼着されている柔軟性基材から前記リリースフィルムを剥離し、前記薄板状フィルムを別の基材に連続して貼着する際に、薄板状フィルムに波打ちやしわを発生させることなく、簡単な機構で位置ずれがなく、短時間で連続的にリリースフィルムの剥離および薄板状フィルムの貼着ができるようにする。
【解決手段】シート状に裁断された柔軟性基材3aはリリースフィルム2を上側にして位置合わせテーブル9に吸着固定する。一部の吸着パッド8aにてリリースフィルム2の一端を吸着し持ち上げれば、位置合わせテーブル9に吸着固定されたカバーレイ1からリリースフィルム2が捲り起こされる。このリリースフィルム2をチャック機構11で挟持し、リリースフィルム2とカバーレイ1との間にノズル12から気体を噴射して、カバーレイ1からリリースフィルム2を剥離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄板状フィルムの貼付装置および貼付方法に関するものであり、特に、薄板状フィルムの接着層側にリリースフィルムが貼着されている柔軟性基材からリリースフィルムを剥離する剥離機構と、シート状の薄板状フィルムを搬送して別の基材に連続して貼着する貼着機構を備えた薄板状フィルムの貼付装置および貼付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なプリント回路基板は、基板上に形成された回路を絶縁保護するために、カバーレイと称される薄板状フィルムをプリント回路基板の表面に貼着している。従来、プリント回路基板へカバーレイを貼着する際には、基台に数本のガイドピンを立設しておき、プリント回路基板に設けた位置決め用孔を前記ガイドピンに挿入するとともに、カバーレイに設けた位置決め用孔を前記ガイドピンに挿入し、プリント回路基板とカバーレイの位置合わせを行って仮止めしていた。
【0003】
しかし、上記方法は位置ずれが生じやすい。特に、フレキシブルプリント基板などにおいては、屈曲特性の良好な製品の要求があり、より薄いカバーレイを使用することが多くなり、カバーレイの波打ちやしわなどによる位置ずれが問題となっている。
【0004】
これに対して、絶縁基板上の導電パターンに影響を与えない位置に位置決め用ランドを形成し、カバーレイには前記位置決め用ランドに対応する位置に少し大きめの位置決め孔を設けたプリント回路基板が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、カバーレイ用ステージにカバーレイを吸着させた状態で、作業者がカバーレイの保護シート(リリースフィルム)を剥離し、画像処理手段を用いてプリント回路基板とカバーレイを位置合わせしてから、プリント回路基板にカバーレイを仮止めする貼り合わせ方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
ここで、フレキシブルプリント基板にシート状のカバーレイを貼り合わせる場合には、その前段階で予めカバーレイに貼着してあるリリースフィルムを剥離して、該カバーレイを位置合わせテーブルに載置する工程が必要である。リリースフィルムの剥離を自動化した機構としては、剥離紙(リリースフィルム)をテーブルに固定し、必要となるシール部品(カバーレイ)と前記剥離紙との間に分離爪を挿入して、前記シール部品をクランプ爪で把持して剥離するようにした装置が知られている(例えば特許文献3参照)。
【0007】
これに類似する機構としては、搬送吸着板によって搬送された基板を下側吸着盤に吸着させた状態で、上側引っ張り剥離装置の剥離ロールをフィルムの表面に往復動させて捲り起こす装置が知られている(例えば特許文献4参照)。
【0008】
また、柔軟性薄板状基板を補助治具から剥離する装置として、吸着テーブルに補助治具側を下にして柔軟性薄板状基板を吸着固定し、突き上げ機構によって柔軟性薄板状基板を補助治具から一部を剥離して吸着パッドで持ち上げるとともに、該柔軟性薄板状基板と補助治具との間に流体を噴射しつつスクレイパーを入れて剥離する装置が提案されている(例えば特許文献5および特許文献6参照)。
【特許文献1】特開昭58−164292号公報
【特許文献2】特開2004−319688号公報
【特許文献3】特開2002−274516号公報
【特許文献4】特開2000−233867号公報
【特許文献5】特開平8−108966号公報
【特許文献6】特開2001−328039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1記載の発明は、絶縁基板上に形成した位置決め用ランドに位置決め孔を合致させてカバーレイを貼り付けているが、この方法も位置ずれの発生を防止することはできない。
【0010】
特許文献2記載の発明は、画像処理手段を用いてプリント回路基板とカバーレイの位置合わせから仮止めまでを自動化することができるが、保護シートの剥離は作業者の手作業で行われる。しかし、最近使用されるカバーレイとしては、12.5μmの厚みの絶縁フィルムに18μmの接着層をコーティングした30μm近辺の厚みのものが使用されることが多く、このようなカバーレイを保護シートから剥すと、少しの風でも煽られて接着層同士が接触して接着され、あるいはしわが発生するという不具合がある。また、カバーレイはフレキシブルプリント基板の部品実装位置などを予め打ち抜き除去しておくことが多く、さらに、屈曲しやすい状態となっており、手作業で保護シートを剥離することは歩留まりを悪化させる要因でもある。
【0011】
特許文献3記載の発明は、リリースフィルムの剥離を自動化した機構であるが、シール部品をクランプ爪で把持して持ち上げると、前述の特許文献2と同様に、少しの風でも煽られて接着層同士が接触して接着され、あるいはしわが発生するという不具合がある。また、クランプ爪で把持したシール部品が分離爪に引っ掛かるおそれがあり、その場合はシール部品が破断して使用不可能となる。
【0012】
特許文献4記載の発明は、剥離ロールをフィルムの表面に往復動させて捲り起こすため、薄いフィルムが摺動作用によって引き伸ばされてしわが発生しやすい。
【0013】
特許文献5および特許文献6記載の発明は、突き上げ機構により柔軟性薄板状基板の一部を剥離して吸着パッドで持ち上げ、流体を噴射しつつスクレイパーを入れて剥離する工数であるため、薄物フィルムを連続して貼り合せる場合は所望するタクトタイムに間に合わないこともある。
【0014】
そこで、本発明は薄板状フィルムの接着層側にリリースフィルムが貼着されている柔軟性基材からリリースフィルムを剥離する剥離機構と、シート状の薄板状フィルムを搬送して別の基材に連続して貼着する貼着機構を備えた柔軟性基材の製造において、薄板状フィルムに波打ちやしわを発生させることなく、簡単な機構で位置ずれがなく、短時間で連続的にリリースフィルムの剥離および薄板状フィルムの貼着ができる薄板状フィルムの貼付装置および貼付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、薄板状フィルムの接着層側にリリースフィルムが貼着されている柔軟性基材から前記リリースフィルムを剥離し、前記薄板状フィルムを別の基材に連続して貼着する薄板状フィルムの貼付装置において、前記リリースフィルムを上側にした前記柔軟性基材をシート状に裁断する裁断機構と、裁断されたシート状の柔軟性基材のリリースフィルム側を複数の吸着パッドにて吸着状態で搬送する搬送機構と、搬送された前記シート状の柔軟性基材を所定位置に載置する位置合わせテーブルと、該位置合わせテーブルの下部に設けられて前記シート状の柔軟性基材の薄板状フィルム側を吸着固定する吸着機構と、前記搬送機構の一部の吸着パッドのみの吸着にて前記薄板状フィルムから捲り起こされたリリースフィルムの一端を挟持するチャック機構と、前記チャック機構で挟持した前記リリースフィルムと前記位置合わせテーブルに吸着固定された前記薄板状フィルムとの間に気体を噴射し、前記薄板状フィルムから前記リリースフィルムを剥離する剥離機構とを備えたことを特徴とする薄板状フィルムの貼付装置を提供する。
【0016】
この構成によれば、柔軟性基材のリリースフィルムを上側にして裁断機構にてシート状に裁断する。裁断されたシート状の柔軟性基材は、搬送機構に設けられた複数の吸着パッドにてリリースフィルム側を吸着し、位置合わせテーブルまで搬送して所定位置に載置し、吸着機構にてシート状の柔軟性基材の薄板状フィルム側を位置合わせテーブルに吸着固定する。そして、前記吸着パッドのうち一部の吸着パッドでリリースフィルムを吸着し、リリースフィルムの一端をシート状の柔軟性基材から捲り起こしてチャック機構で挟持する。この状態で、リリースフィルムと薄板状フィルムとの間に気体を噴射すれば、薄板状フィルムからリリースフィルムが剥離する。
【0017】
請求項2記載の発明は、上記薄板状フィルムと上記別の基材には予め位置決めターゲットが設けられ、上記位置合わせテーブルには、前記薄板状フィルムの位置決めターゲットと前記別の基材の位置決めターゲットとを照合して位置合わせを行う画像認識機構と、リリースフィルムが剥離された薄板状フィルムを吸着固定したまま前記別の基材下部へ移動する移動機構と、前記別の基材下部へ移動した薄板状フィルムを上昇させて前記別の基材の所定位置に仮止めする昇降機構とを備えたことを特徴とする薄板状フィルムの貼付装置を提供する。
【0018】
この構成によれば、リリースフィルムが剥離された薄板状フィルムは、位置合わせテーブルに吸着固定されたまま移動機構にて別の基材下部へ移動し、画像認識機構により、薄板状フィルムの位置決めターゲットと別の基材の位置決めターゲットとを照合して位置合わせが行われる。そして、昇降機構により位置合わせテーブルが上昇して、薄板状フィルムが別の基材の所定位置に仮止めされる。
【0019】
請求項3記載の発明は、絶縁ベース材上に形成された回路からなるプリント回路基材を絶縁保護するために、カバーレイを前記プリント回路基材上に連続して貼着する薄板状フィルムの貼付方法において、カバーレイの接着層側にリリースフィルムが貼着された柔軟性基材がロール状に巻回されており、リリースフィルムを上側にして前記柔軟性基材を搬送クランプにより所定長さに引き出し、裁断機構によってシート状に裁断し、裁断されたシート状の柔軟性基材のリリースフィルム側を、搬送機構に設けられている複数の吸着パッドにて吸着状態で搬送し、該シート状の柔軟性基材を位置合わせテーブルに載置するとともに、該シート状の柔軟性基材のカバーレイ側を吸着機構にて位置合わせテーブルに吸着固定させ、前記搬送機構の複数の吸着パッドのうち、チャック機構側にある一部の吸着パッドのみがリリースフィルムを吸着したまま前記搬送機構を上昇させて、リリースフィルムの一端を前記シート状の柔軟性基材から捲り起こすとともに、捲り起こされたリリースフィルムをチャック機構で挟持し、前記チャック機構で挟持したリリースフィルムと前記位置合わせテーブルに吸着固定されたカバーレイとの間に気体を噴射して、カバーレイからリリースフィルムを剥離し、剥離されたリリースフィルムをチャック機構でリリースフィルム回収箱に搬送し、前記カバーレイとプリント回路基材には予め位置決めターゲットが設けられ、位置合わせテーブルはカバーレイを吸着固定したまま、ロールから繰り出されたプリント回路基材下部へ移動し、画像認識機構により前記カバーレイの位置決めターゲットと前記プリント回路基材の位置決めターゲットとを照合して位置合わせを行い、位置合わせテーブルを上昇させてカバーレイをプリント回路基材の所定位置に仮止めし、さらに、積層プレスでプリント回路基材とカバーレイを圧着して別なロールに巻き戻すことを特徴とする薄板状フィルムの貼付方法を提供する。
【0020】
この構成によれば、ロール状に巻回された柔軟性基材が、リリースフィルムを上側にして搬送クランプで引き出され、裁断機構にてシート状に裁断される。裁断されたシート状の柔軟性基材は、搬送機構に設けられた複数の吸着パッドにてリリースフィルム側が吸着され、位置合わせテーブルの所定位置に載置されてカバーレイ側が位置合わせテーブルに吸着固定される。そして、一部の吸着パッドでリリースフィルムを吸着し、リリースフィルムの一端がシート状の柔軟性基材から捲り起こされてチャック機構で挟持される。この状態で、リリースフィルムとカバーレイとの間に気体を噴射し、カバーレイからリリースフィルムが剥離する。剥離されたリリースフィルムはリリースフィルム回収箱に回収され、リリースフィルムが剥離されたカバーレイは、位置合わせテーブルに吸着固定されたままプリント回路基材の下部へ移動する。そして、画像認識機構により位置合わせが行われ、位置合わせテーブルが上昇して、カバーレイがプリント回路基材の所定位置に仮止めされ、積層プレスでプリント回路基材とカバーレイが圧着されて別なロールに巻き取られる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上述したように、薄板状フィルムの接着層側にリリースフィルムが貼着されている柔軟性基材からリリースフィルムを剥離する際に、リリースフィルムを上側にして位置合わせテーブルに載置し、搬送機構の吸着パッドにてリリースフィルムの一端を捲り起こし剥離するので、効率よくリリースフィルムを剥離することができる。
【0022】
また、薄板状フィルムに直接的に接触することなくリリースフィルムを剥離するため、接着層同士が接触して接着するのを防止でき、薄板状フィルムに波打ちやしわを発生させることがない。かくして、簡単な機構で位置ずれがなく、短時間で連続的にリリースフィルムの剥離および薄板状フィルムの貼着を行うことができ、薄板状フィルムの貼付における歩留まりを向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る薄板状フィルムの貼付装置および貼付方法について、好適な実施例をあげて説明する。柔軟性基材からリリースフィルムを剥離する際に、薄板状フィルムに波打ちやしわを発生させることなく、短時間で連続的にリリースフィルムの剥離および薄板状フィルムの貼着を行うという目的を達成するために、本発明はリリースフィルムを上側にした柔軟性基材をシート状に裁断する裁断機構と、裁断されたシート状の柔軟性基材のリリースフィルム側を複数の吸着パッドにて吸着状態で搬送する搬送機構と、搬送されたシート状の柔軟性基材を所定位置に載置する位置合わせテーブルと、位置合わせテーブルの下部に設けられてシート状の柔軟性基材の薄板状フィルム側を吸着固定する吸着機構と、搬送機構の一部の吸着パッドのみの吸着にて薄板状フィルムから捲り起こされたリリースフィルムの一端を挟持するチャック機構と、チャック機構で挟持したリリースフィルムと位置合わせテーブルに吸着固定された薄板状フィルムとの間に気体を噴射し、薄板状フィルムからリリースフィルムを剥離する剥離機構とを備えたことにより実現した。
【実施例1】
【0024】
図1は薄板状フィルムの貼付装置の概略図、図2は図1のA方向から見た説明図、図3〜図6はリリースフィルムの剥離工程を図1のB方向から見た説明図である。薄板状フィルムであるカバーレイ1の接着層側にリリースフィルム2が貼着された柔軟性基材3がロール状に巻回されている。
【0025】
先ず、図1および図2に従って、ロール状の柔軟性基材3が裁断されて位置合わせテーブル9へ搬送される工程について説明する。ロール状に巻回された柔軟性基材3は、リリースフィルム2を上側にして搬送クランプ4,5により所定長さに引き出され、裁断機構6によってシート状に裁断される。
【0026】
裁断されたシート状の柔軟性基材3aは、搬送機構7に設けられている複数の吸着パッド8にてリリースフィルム2側が吸着され、前記搬送機構7の昇降と移動によって吸着状態で搬送され、前記柔軟性基材3の引き出し方向(矢印α)の前方位置にある位置合わせテーブル9に載置される。
【0027】
なお、図示は省略するが、前記搬送機構7には吸着パッド8の外に、前記柔軟性基材3のα方向および反対方向へ搬送装置7を移動させる移動機構と、搬送装置7を上下動させる昇降機構が具備されている。また、前記位置合わせテーブル9には、前記柔軟性基材3の引き出しラインと後述する別の基材であるプリント回路基材21の繰り出しラインとの間を、矢印βに示すように往復動させるための移動機構と、位置合わせテーブル9を上下動させる昇降機構を有している。
【0028】
次に、図3〜図6に従って、リリースフィルム2の剥離工程について説明する。なお、説明の都合上、搬送機構7全体の記載は省略して吸着パッド8のみを図示する。シート状の柔軟性基材3aは、図3に示すように、搬送機構7の吸着パッド8にてリリースフィルム2側が吸着されて位置合わせテーブル9まで搬送され、図4に示すように、搬送機構7を下降してシート状の柔軟性基材3aが位置合わせテーブル9に載置されるとともに、該位置合わせテーブル9の下部に設けられている吸着機構10により、シート状の柔軟性基材3aのカバーレイ1側が位置合わせテーブル9に吸着固定される。
【0029】
ここで、前記搬送機構7の複数の吸着パッド8のうち、チャック機構11側にある一部の吸着パッド8aのみがリリースフィルム2側の吸着を継続し、他の吸着パッド8は吸着動作を解除する。この状態で搬送機構7を上昇すれば、図5に示すように、一部の吸着パッド8aの吸着によりリリースフィルム2の一端が持ち上げられて捲り起こされる。このとき、チャック機構11がリリースフィルム2の一端に接近し、捲り起こされたリリースフィルム2を把持する。なお、チャック機構11側にある吸着パッド8aの位置は、リリースフィルム2の直端ではなく、直端から10〜30mm離した位置が最も確実に捲り起こしができて好ましい。
【0030】
つづいて、図6に示すように、捲り起こされたリリースフィルム2とカバーレイ1との間に、剥離機構のノズル12から気体を噴射すれば、位置合わせテーブル9に吸着しているカバーレイ1からリリースフィルム2が剥離する。前記ノズル12から噴射する気体は、通常の圧縮空気であってもよいが、静電気を中和するイオンを含んだ圧縮空気であれば、カバーレイ1からリリースフィルム2を剥離するときに静電気が帯電するのを防止することができる。このようにして、剥離されたリリースフィルム2は、図1に示すリリースフィルム回収箱13に回収される。
【0031】
次に、図1に従って、カバーレイ1の貼着工程について説明する。前記カバーレイ1と前記プリント回路基材21には予め位置決めターゲット(図示せず)が設けられ、前記位置合わせテーブル9には、前記カバーレイ1の位置決めターゲットと前記プリント回路基材21の位置決めターゲットとを照合して位置合わせを行う画像認識機構14が備えられている。
【0032】
前記リリースフィルム2が剥離されたカバーレイ1は、位置合わせテーブル9に吸着固定されたまま、ロールから繰り出されたプリント回路基材21の下部(C位置)へ、移動機構(図示せず)によって移動する。そして、前記画像認識機構14により、カバーレイ1の位置決めターゲットと前記プリント回路基材21の位置決めターゲットとを照合して位置合わせが行われ、位置合わせ完了後に昇降機構の作動で位置合わせテーブル9が上昇し、カバーレイ1がプリント回路基材21の所定位置に仮止めされる。
【0033】
さらに、プリント回路基材21が矢印γ方向へ繰り出されるのに伴って、前記仮止めされたカバーレイ1が積層プレス15の位置へ移動し、該積層プレス15にてプリント回路基材21とカバーレイ1が圧着されて別なロールに巻き取られる。
【0034】
これらの動作を繰り返すことにより、前記柔軟性基材3からリリースフィルム2を剥離して、シート状に裁断されたカバーレイ1を波打ちやしわを発生させることなく、かつ位置ずれなく正確にプリント回路基材21へ連続して貼着することができる。
【0035】
なお、本実施例では薄板状フィルムの一例であるカバーレイを、別の基材の一例としてフレキシブルプリント基板などの可撓柔軟性の回路基板に貼着する工程を示したが、別の基材としては、例えばガラスエポキシ基板のような硬質基板に対しても応用することができ、さらに液晶パネルやプラズマパネル、あるいはアクリル板やガラス板など、種々の基材に対しても応用することができる。
【0036】
そして、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る薄板状フィルムの貼付装置の概略平面図。
【図2】図1のA方向から見た説明図。
【図3】リリースフィルムの剥離工程を図1のB方向から見た説明図。
【図4】リリースフィルムの剥離工程を図1のB方向から見た説明図。
【図5】リリースフィルムの剥離工程を図1のB方向から見た説明図。
【図6】リリースフィルムの剥離工程を図1のB方向から見た説明図。
【符号の説明】
【0038】
1 カバーレイ
2 リリースフィルム
3 柔軟性基材
4,5 搬送クランブ
6 裁断機構
7 搬送装置
8,8a 吸着パッド
9 位置合わせテーブル
10 吸着機構
11 チャック機構
12 ノズル
13 リリースフィルム回収箱
14 画像認識機構
15 積層プレス
21 プリント回路基材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板状フィルムの接着層側にリリースフィルムが貼着されている柔軟性基材から前記リリースフィルムを剥離し、前記薄板状フィルムを別の基材に連続して貼着する薄板状フィルムの貼付装置において、
前記リリースフィルムを上側にした前記柔軟性基材をシート状に裁断する裁断機構と、
裁断されたシート状の柔軟性基材のリリースフィルム側を複数の吸着パッドにて吸着状態で搬送する搬送機構と、
搬送された前記シート状の柔軟性基材を所定位置に載置する位置合わせテーブルと、
該位置合わせテーブルの下部に設けられて前記シート状の柔軟性基材の薄板状フィルム側を吸着固定する吸着機構と、
前記搬送機構の一部の吸着パッドのみの吸着にて前記薄板状フィルムから捲り起こされたリリースフィルムの一端を挟持するチャック機構と、
前記チャック機構で挟持した前記リリースフィルムと前記位置合わせテーブルに吸着固定された前記薄板状フィルムとの間に気体を噴射し、前記薄板状フィルムから前記リリースフィルムを剥離する剥離機構とを備えたことを特徴とする薄板状フィルムの貼付装置。
【請求項2】
上記薄板状フィルムと上記別の基材には予め位置決めターゲットが設けられ、
上記位置合わせテーブルには、前記薄板状フィルムの位置決めターゲットと前記別の基材の位置決めターゲットとを照合して位置合わせを行う画像認識機構と、リリースフィルムが剥離された薄板状フィルムを吸着固定したまま前記別の基材下部へ移動する移動機構と、前記別の基材下部へ移動した薄板状フィルムを上昇させて前記別の基材の所定位置に仮止めする昇降機構とを備えたことを特徴とする薄板状フィルムの貼付装置。
【請求項3】
絶縁ベース材上に形成された回路からなるプリント回路基材を絶縁保護するために、カバーレイを前記プリント回路基材上に連続して貼着する薄板状フィルムの貼付方法において、
カバーレイの接着層側にリリースフィルムが貼着された柔軟性基材がロール状に巻回されており、リリースフィルムを上側にして前記柔軟性基材を搬送クランプにより所定長さに引き出し、裁断機構によってシート状に裁断し、
裁断されたシート状の柔軟性基材のリリースフィルム側を、搬送機構に設けられている複数の吸着パッドにて吸着状態で搬送し、
該シート状の柔軟性基材を位置合わせテーブルに載置するとともに、該シート状の柔軟性基材のカバーレイ側を吸着機構にて位置合わせテーブルに吸着固定させ、
前記搬送機構の複数の吸着パッドのうち、チャック機構側にある一部の吸着パッドのみがリリースフィルムを吸着したまま前記搬送機構を上昇させて、リリースフィルムの一端を前記シート状の柔軟性基材から捲り起こすとともに、捲り起こされたリリースフィルムをチャック機構で挟持し、
前記チャック機構で挟持したリリースフィルムと前記位置合わせテーブルに吸着固定されたカバーレイとの間に気体を噴射して、カバーレイからリリースフィルムを剥離し、
剥離されたリリースフィルムをチャック機構でリリースフィルム回収箱に搬送し、
前記カバーレイとプリント回路基材には予め位置決めターゲットが設けられ、位置合わせテーブルはカバーレイを吸着固定したまま、ロールから繰り出されたプリント回路基材下部へ移動し、
画像認識機構により前記カバーレイの位置決めターゲットと前記プリント回路基材の位置決めターゲットとを照合して位置合わせを行い、位置合わせテーブルを上昇させてカバーレイをプリント回路基材の所定位置に仮止めし、
さらに、積層プレスでプリント回路基材とカバーレイを圧着して別なロールに巻き戻すことを特徴とする薄板状フィルムの貼付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−106531(P2007−106531A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−297577(P2005−297577)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(000230249)日本メクトロン株式会社 (216)
【Fターム(参考)】