説明

薄膜蒸着用マスク・アセンブリ、及びこれを利用した有機発光装置、並びにその製造方法

【課題】薄膜蒸着用マスク・アセンブリ、及びこれを利用した有機発光装置、並びにこの製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に互いに対向するようにパターン化された第1電極並びに第2電極と、第1電極並びに第2電極間に形成された複数の有機膜とを含むが、該有機膜は、少なくとも複数個のストライプ型の有機膜と、1つの不連続的なドット型の有機膜を含む、有機発光装置、並びにこの製造方法であり、赤色、緑色及び青色の有機膜をコンパクトに配列できるので、高解像度の小型製品の製作が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光装置に係り、さらに詳細には、小型化製品において高解像度を実現でき、製造工程が単純な薄膜蒸着用マスク・アセンブリ、及びこれを利用した有機発光装置、並びにこの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ディスプレイ装置のうち有機発光装置は、視野角が広く、コントラストにすぐれるだけではなく、応答速度が速いという長所を有している。
【0003】
有機発光装置は、アノードとカソードとに注入される正孔と電子とが、発光層で再結合して発光する原理によって色相を具現できるものであり、アノードとカソードとの間に発光層を挿入した積層型構造である。しかし、前記の構造では、高効率発光を得難いために、それぞれの電極と発光層との間に、電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層及び正孔注入層のような中間層を選択的に追加挿入して利用している。
【0004】
一方、有機発光装置の電極と、発光層を含んだ中間層は、さまざまな方法によって形成することができるが、そのうち1つの方法が蒸着法である。蒸着方法を利用して有機発光装置を製造するためには、基板上に形成される薄膜などのパターンと同じパターンを有するファインメタル・マスク(FMM:fine metal mask)を整列させ、薄膜の原素材を蒸着して所望するパターンの薄膜を形成する。
【0005】
ファインメタル・マスクを利用してパターンを形成する方法において、マスクの厚さと間隔は、形成しようとするパターンの位置や、形状決定及び解像度に密接に関係している。しかし、従来のストライプ型や、ドット型のパターンを有するマスクを利用する場合、高解像度の小型の製品を製造するためには、パターンの間隔と開口領域とが小さくなければならないが、これに対応するファインメタル・マスクの製造が容易ではない。
【0006】
例えば、ストライプ型の赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の画素を構成する場合、3インチVGA(video graphics array)製品において、画素間ピッチは、ほぼ32μmであるが、20μmの画素定義膜の幅を考慮するとき、開口された領域は、12μmになるが、前記のような数値は、ファインメタル・マスクの製造限界に近い。
【0007】
さらに、発光層の素材特性上、赤色、緑色、青色の発光層の発光効率が互いに異なるので、発光領域の比率が異ならなければならない。これによって、赤色、青色の発光領域を緑色発光領域より数倍広く形成しなければならないので、小型のVGA製品を製造するのが容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、マスクのパターン形状を異ならせることによって、小型化製品で高解像度を具現できる薄膜蒸着用マスク・アセンブリ、及びこれを利用した有機発光装置、並びにこの製造方法を提供することを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面による薄膜蒸着用マスク・アセンブリを利用した有機発光装置は、基板上に互いに対向するようにパターン化された第1電極並びに第2電極と、前記第1電極並びに第2電極間に形成された複数の有機膜とを含むが、前記有機膜は、少なくとも複数個のストライプ型の有機膜と、1つの不連続的なドット型の有機膜とを含む。
【0010】
また、前記複数のストライプ型の有機膜は、前記基板の第1方向に沿って、基板の1つの縁から他の縁に延びた第1有機膜と、前記基板の第2方向に沿って、基板の1つの縁から他の縁に延び、前記第1有機膜と交差するように配列された第2有機膜とを含む。
【0011】
さらに、前記ドット型の有機膜は、前記第2有機膜に対して平行な方向に、基板の1つの縁から他の縁に不連続的に形成され、前記第1有機膜並びに第2有機膜が互いに交差する部分の内側空間にそれぞれ配列され、それらと共に1つの画素をなしている。
【0012】
さらに、相対的に発光効率が高い素材からなる少なくともいずれか1つの有機膜の発光領域に対して、相対的に発光効率が低い素材からなる残りの有機膜の発光領域は、さらに大きく形成される。
【0013】
さらに、1つの画素を構成するストライプ型の第2有機膜の発光領域に対して、ストライプ型の第1有機膜の発光領域及びドット型の有機膜の発光領域が、さらに大きく形成される。
【0014】
本発明の他の側面による薄膜蒸着用マスク・アセンブリを利用した有機発光装置の製造方法は、基板上に第1ストライプ型の第1有機膜パターンをパターン化させる段階と、前記基板上に第2ストライプ型の第2有機膜パターンをパターン化させる段階と、前記基板上にドット型の第3有機膜パターンをパターン化させる段階とを含む。
【0015】
また、前記第1有機膜パターンは、前記基板の第1方向に沿って、基板の1つの縁から他の縁に延び、前記第2有機膜パターンは、前記基板の第2方向に沿って、基板の1つの縁から他の縁に延びるが、前記第1有機膜パターンは、第2有機膜パターンに対して互いに交差する方向にパターン化させる。
【0016】
さらに、前記ドット型の第3有機膜パターンは、前記第2有機膜パターンに対して平行な方向に、基板の1つの縁から他の縁に不連続的にパターン化され、前記第1有機膜パターンと第2有機膜パターンとが互いに交差する部分の内側空間にパターン化され、それらと共に1つの画素をなしている。
【0017】
さらに、相対的に発光効率が高い素材からなる少なくともいずれか1つの第1有機膜ないし第3有機膜のパターン領域に対して、相対的に発光効率が低い素材からなる残りの有機膜のパターン領域を、さらに大きく形成する。
【0018】
本発明のさらに他の側面による薄膜蒸着用マスク・アセンブリは、基板上に有機膜パターンを蒸着するためのものであり、第1有機膜パターンを、前記基板上に蒸着させるためのストライプ型の第1スリットを有する第1有機膜形成用マスクと、第2有機膜パターンを、前記基板上に蒸着させるためのストライプ型の第2スリットを有する第2有機膜形成用マスクと、第3有機膜パターンを、前記基板上に蒸着させるためのドット型の第3スリットを有する第3有機膜形成用マスクとを含む。
【0019】
また、前記ストライプ型の第1スリットは、前記基板の第1方向に沿って、1つの縁から他の縁に延びて形成され、前記ストライプ型の第2スリットは、前記第1スリットに対して、基板上で互いに交差する方向に配列されるように、前記基板の第2方向に沿って、1つの縁から他の縁に延びて形成される。
【0020】
さらに、前記ドット型の第3スリットは、前記ストライプ型の第2スリットに対して、平行な方向に1つの縁から他の縁に不連続的に形成され、前記第1スリット及び第2スリットが互いに交差する部分の内側空間に配列されている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の薄膜蒸着用マスク・アセンブリ、及びこれを利用した有機発光装置、並びにこの製造方法によれば、複数色相の有機膜をコンパクトに配列できるので、高解像度の小型製品の製作が可能である。また、複数色相の発光領域を任意に調節可能であり、有機膜用原素材の選択が自由となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態による真空蒸着装置を図示した構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による有機発光装置の副画素を図示した断面図である。
【図3】図2の有機発光装置の画素配列を図示した構成図である。
【図4】図2の有機発光装置の画素をパターン化させるためのマスクを図示したものであり、本発明による第1有機膜形成用マスクを図示した構成図である。
【図5】図2の有機発光装置の画素をパターン化させるためのマスクを図示したものであり、本発明による第2有機膜形成用マスクを図示した構成図である。
【図6】図2の有機発光装置の画素をパターン化させるためのマスクを図示したものであり、本発明による第3有機膜形成用マスクを図示した構成図である。
【図7A】本発明の一実施形態による有機発光装置の画素を製造する方法を順次に図示したものであり、本発明による基板上に、第1有機膜パターンを形成した後の状態を図示した構成図である。
【図7B】本発明の一実施形態による有機発光装置の画素を製造する方法を順次に図示したものであり、図7Aの基板上に、第2有機膜パターンを形成した後の状態を図示した構成図である。
【図7C】本発明の一実施形態による有機発光装置の画素を製造する方法を順次に図示したものであり、図7Bの基板上に、第3有機膜パターンを形成した後の状態を図示した構成図である。
【図8】本発明の一実施形態による1つの画素での有機膜のサイズを比較した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付された図面を参照しつつ、本発明による望ましい実施形態について詳細に説明すれば、次の通りである。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による有機薄膜パターンを形成する真空蒸着装置100を図示したものである。
【0025】
図面を参照すれば、前記真空蒸着装置100には、真空チャンバ101が設けられている。前記真空チャンバ101内には、有機物質を気化させることができる少なくとも一つ以上の蒸着源102が設置されている。前記蒸着源102に対向する側には、基板装着部103が設置されている。前記基板装着部103には、被蒸着対象である基板104が装着されている。前記基板104の前には、これと所定間隔離隔され、所定パターンを有するマスク105が整列されている。一方、前記真空チャンバ101は、排気装置106によって、所定の真空度を維持することが可能である。
【0026】
このとき、蒸着される有機薄膜の膜均一度を確保するために、基板104を回転させたり、蒸着源102を線形往復動させることができる。そして、前記基板104に、所定形状の有機薄膜パターンを形成するために、形成しようとする有機薄膜パターン状の開口部パターン107が備わったマスク105を利用する。すなわち、前記蒸着源102で気化された有機物質は、マスク105の開口部パターン107を通過し、基板104に蒸着可能となる。
【0027】
図2は、図1の蒸着装置100を利用して蒸着されたアクティブ・マトリックス(AM)型有機発光装置200の副画素(sub−pixel)の一例を図示したものである。
【0028】
ここで、副画素は、少なくとも1つの薄膜トランジスタ(TFT)と、有機発光素子(OLED)とを有する。前記TFTは、必ずしも図2に図示された構造によってのみ可能なものではなく、その数と構造は、多様に変形可能である。
【0029】
図面を参照すれば、基板201上には、バッファ層202が形成されている。前記基板201は、ガラスやプラスチックからなる。前記バッファ層202上には、所定パターンの半導体活性層203が形成されている。前記半導体活性層203の上部には、ゲート絶縁膜204が形成されており、前記ゲート絶縁膜204上部の所定領域には、ゲート電極205が形成されている。
【0030】
前記ゲート電極205は、TFTのオン/オフ信号を印加するゲートライン(図示せず)と連結されている。前記ゲート電極205の上部には、層間絶縁膜206が形成されており、コンタクト・ホールを介して、ソース/ドレイン電極207が、それぞれ半導体活性層203のソース/ドレイン領域203aに接するように形成されている。
【0031】
前記ソース/ドレイン電極207の上部には、SiO、SiNなどからなるパッシベーション膜208が形成されている。前記パッシベーション膜208の上部には、アクリル、ポリイミド、ベンゾシクロブテン(BCB)のような有機物質からなる平坦化膜209が形成されている。
【0032】
前記平坦化膜209の上部には、有機発光素子のアノードになる画素電極210が形成され、これを覆うように、有機物からなる画素定義膜(PDL:pixel define layer)211が形成されている。前記画素定義膜211に所定の開口を形成した後、画素定義膜211の上部及び開口が形成され、外部に露出された画素電極210の上部に、有機膜212が形成されている。前記有機膜212は、発光層を含んだものになる。本発明は、必ずしもかような構造に限定されるものではなく、多様な有機発光装置の構造がそのまま適用されうることは、言うまでもない。
【0033】
有機発光素子(OLED)は、電流の流れによって、赤色、緑色、青色の光を発光し、所定の画像情報を表示するものであり、TFTのソース/ドレイン電極207に連結され、ここからプラス(+)電源を供給される第1電極である画素電極210、全体画素を覆うように備わり、マイナス(−)電源を供給される第2電極である対向電極213、及びそれら画素電極210と対向電極213との間に配されて発光する有機膜212を含む。
【0034】
前記画素電極210と対向電極213は、有機膜212によって互いに絶縁されており、有機膜212に、互いに異なる極性の電圧を加え、有機膜212で発光がなされる。
【0035】
前記画素電極210は、アノードの機能を行い、対向電極213は、カソードの機能を行う。もちろん、それら画素電極210と対向電極213との極性は、反対になってもよい。
【0036】
前記画素電極210は、透明電極または反射型電極として備わりうる。
【0037】
透明電極として使われる場合、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、ZnOまたはInによって備わり、反射型電極として使われる場合、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr及びそれらの化合物で反射膜を形成した後、その上に、ITO、IZO、ZnOまたはInを形成できる。
【0038】
前記対向電極213も、透明電極または反射型電極として備わりうる。
【0039】
透明電極として使われる場合、前記対向電極213がカソードとして使われるので、仕事関数が小さい金属、すなわち、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mg及びそれらの化合物が、有機膜212の方向を向くように蒸着された後、その上に、ITO、IZO、ZnOまたはInなどの透明電極形成用物質で、補助電極層やバス電極ラインを形成できる。反射型電極として使われる場合、前記のLi、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Ag、Mg及びそれらの化合物を全面蒸着して形成する。
【0040】
一方、前記画素電極210は、前記透明電極または反射型電極として形成されたとき、各副画素の開口形態に対応する形態に形成されうる。また、前記対向電極213は、前記透明電極または反射型電極を、ディスプレイ領域全体に全面蒸着して形成できる。しかし、前記対向電極213は、必ずしも全面蒸着する必要はなく、多様なパターンで形成可能であることは、言うまでもない。前記画素電極210と対向電極213は、互いに位置が反対に積層されうることも、言うまでもない。
【0041】
前記有機膜212は、低分子または高分子の有機膜が使われうる。
【0042】
低分子有機膜を使用する場合、ホール注入層(HIL:hole injection layer)、ホール輸送層(HTL:hole transport layer)、発光層(EML:emission layer)、電子輸送層(ETL:electron transport layer)、電子注入層(EIL:electron injection layer)などが、単一あるいは複合の構造に積層されて形成されうる。また、利用可能な有機材料も、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などを始めとして、多様に適用可能である。それら低分子有機膜は、真空蒸着の方法で形成される。
【0043】
高分子有機膜を使用する場合、おおむねホール輸送層(HTL)及び発光層(EML)を含む。ホール輸送層としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を使用し、発光層としては、ポリフェニレンビニレン(PPV)系及びポリフルオレン系のような高分子有機物質を使用し、これをスクリーン印刷法やインクジェット印刷法で形成できる。
【0044】
かような有機膜は、必ずしもそれらに限定されるものではなく、多様な実施形態が適用されうることは、言うまでもない。
【0045】
ここで、前記有機膜212は、特定のパターンを有したマスクを利用し、これと対応した特定のパターンの画素を形成している。
【0046】
図3は、図2の有機発光装置200の画素配列を図示したものである。
【0047】
図面を参照すれば、前記有機発光装置200の画素220は、複数のストライプ型パターンからなる第1有機膜221並びに第2有機膜222と、1つのドット型パターンからなる有機膜223とを含む。
【0048】
前記第1有機膜221は、基板201(図2)のX方向に沿って、ストライプ型にパターン化されている。前記第1有機膜221は、基板201の一縁から他の縁に延びている。前記ストライプ型の第1有機膜221は、基板のY方向に沿って、所定間隔離隔されるように反復的に配列されている。前記第1有機膜221は、青色(B)に発光する有機膜パターンである。
【0049】
前記第2有機膜222は、基板201のY方向に沿って、ストライプ型にパターン化されている。前記第2有機膜222は、前記第1有機膜221と交差する方向に、基板201の一縁から他の縁に延びている。前記ストライプ型の第2有機膜222は、基板201のX方向に沿って、所定間隔離隔されるように反復的に配列されている。前記第2有機膜222は、緑色(G)に発光する有機膜パターンである。
【0050】
このとき、前記第1有機膜221と第2有機膜222は、交差する部分で互いに重複して蒸着される領域(OL:overlap region)が生じるが、前記重複された領域(OL)には、画素電極210(図2)が連結されておらず、発光がなされない。
【0051】
前記第1有機膜221と第2有機膜222とが互いに交差するそれぞれの内側空間には、それらと共に1つの画素をなすように、第3有機膜223がパターン化されている。前記第3有機膜223は、基板201のY方向に沿って、前記第1有機膜221と隣接するように、不連続的なドット型に配列されている。前記第3有機膜223は、赤色(R)に発光する有機膜パターンである。
【0052】
このように、前記第1有機膜221、第2有機膜222及び第3有機膜223は、基板201の全体領域にわたって、前記のような配列で同一に反復的に配列されているが、これに係わる配列は、複数のストライプ型の有機膜パターンと1つのドット型有機膜パターンとを有する構造であるならば、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0053】
さらに、複数のストライプ型の有機膜パターンが交差する構造であるならば、ストライプ型の有機膜パターンとドット型有機膜パターンとの形状は、いずれか一つに限定されるものではない。さらに、赤色、緑色及び青色の有機膜パターンが配列される順序は、本実施形態とは異なって、他の順序で配列されてもよく、前記第1有機膜221、第2有機膜222及び第3有機膜222の配置は、特定の位置に制限されるものではない。
【0054】
また、本実施形態では、前記第1有機膜221は、青色に発光する有機膜パターンであり、前記第2有機膜222は、緑色に発光する有機膜パターンであり、前記第3有機膜223は、赤色に発光する有機膜パターンであるとして説明しているが、これに限定されずに、白色(white)や黄色(yellow)や紫紅色(magenta)や青緑色(cyan)のような他の色相に発光する有機膜パターンに代替可能である。
【0055】
一方、図面番号224は、前記第1有機膜221、第2有機膜222及び第3有機膜223が形成されない非発光領域である。
【0056】
図4ないし図6は、図2の有機発光装置200の画素をパターン化させるためのマスク400ないし600を図示したものである。
【0057】
図4を参照すれば、第1有機膜形成用マスク400には、ストライプ型の第1スリット401が形成されている。前記第1スリット401は、マスク400のX方向に沿って、一縁から他の縁に延びており、Y方向に沿って、所定間隔離隔されるように、反復的に配列されている。前記第1有機膜形成用マスク400は、図3の青色の第1有機膜221を形成するためのものであり、前記青色の第1有機膜221用の原素材が蒸着される通路(passage)を提供する前記第1スリット401の間隔dは、前記青色の第1有機膜221の間隔dと対応する。
【0058】
図5を参照すれば、第2有機膜形成用マスク500には、ストライプ型の第2スリット501が形成されている。前記第2スリット501は、マスク500のY方向に沿って、一縁から他の縁に延びており、X方向に沿って、所定間隔離隔されるように、反復的に配列されている。前記第2有機膜形成用マスク500は、図3の緑色の第2有機膜222を形成するためのものであり、前記緑色の第2有機膜222用の原素材が蒸着される通路を提供する第2スリット501の間隔dは、前記緑色の第2有機膜222の間隔dと対応する。
【0059】
このとき、前記第2スリット501は、図3の画素をパターンするとき、青色の第1有機膜221と交差する方向に、緑色の第2有機膜222を形成できるように、前記第1スリット401(図4)と交差する方向に配列されている。
【0060】
図6を参照すれば、第3有機膜形成用マスク600には、ドット型の第3スリット601が形成されている。前記第3スリット601は、マスク600のY方向に沿って、一縁から他の縁に、不連続的なドット型に配列されており、X方向に沿って、所定間隔離隔されるように、反復的に配列されている。
【0061】
前記第3有機膜形成用マスク600は、図3の赤色の第3有機膜223を形成するためのものであり、前記赤色の第3有機膜223用の原素材が蒸着される通路を提供する第3スリット601の間隔dは、前記赤色の第3有機膜223の間隔dと対応する。
【0062】
このとき、前記第3スリット601は、図3の画素をパターンするとき、青色の第1有機膜221と緑色の第2有機膜222とが互いに交差する部分の内側空間に、赤色の第3有機膜223が配列されうるように形成されている。
【0063】
また、前記ストライプ型の第2スリット501の間隔dに対して、前記ストライプ型の第1スリット401の間隔d、及びドット型の第3スリット601の間隔dは、それぞれ1:2以上である。
【0064】
本実施形態では、前記間隔比率が特定割合でもって例示されているが、前記第1スリット401、第2スリット501及び第3スリット601のそれぞれの間隔d1,d3,d5は、それらを介して形成される複数色相の有機膜221,222,223の各発光領域のサイズと関連しており、それらを構成する有機膜用原素材の発光効率特性によって、任意に調整可能である。
【0065】
例えば、相対的に発光効率が高い素材からなる緑色の第2有機膜222パターンを形成するための第2スリット501の間隔dに対して、相対的に発光効率が低い素材からなる青色の第1有機膜221パターンを形成するための第1スリット401の間隔d、及び赤色の第3有機膜223パターンを形成させるための第3スリット601の間隔dがさらに大きく形成される。
【0066】
一方、図3の赤色の第3有機膜223に対して、青色の第1有機膜221と、緑色の第2有機膜222との間隔は、前記第1有機膜形成用マスク400、第2有機膜形成用マスク500及び第3有機膜形成用マスク600に形成された第1スリット401、第2スリット402及び第3スリット403の間隔を選択的に調節することによって、容易に所望する通りに形成することができる。
【0067】
前記のような構成を有する有機発光装置200の画素を製造する方法について、図7Aないし図7Cを参照しつつ説明すれば、次の通りである。
【0068】
まず、図7Aに図示されているように、第1有機膜形成用マスク400(図4)を利用し、基板201のX方向に沿って、青色の第1有機膜221をパターン化させる。このとき、前記青色の第1有機膜221用の原素材は、前記第1有機膜形成用マスク400の第1スリット401を介して、基板201上に蒸着され、基板201のX方向に沿って、ストライプ型の青色の第1有機膜221が形成される。
【0069】
次に、図7Bに図示されているように、前記第2有機膜形成用マスク500(図5)を利用し、基板201のY方向に沿って、緑色の第2有機膜222をパターン化させる。このとき、前記緑色の第2有機膜222用の原素材は、前記第2有機膜形成用マスク500の第2スリット501を介して、基板201上に蒸着され、基板201のY方向に沿って、ストライプ型の緑色の第2有機膜222が形成される。
【0070】
このとき、前記緑色の第2有機膜222は、青色の第1有機膜221に対して互いに交差する方向に配列されるので、前記青色の第1有機膜221と緑色の第2有機膜222とが互いに重複して蒸着される領域(OL)が生じるが、前記重複蒸着された領域(OL)では、電極が連結されておらず、発光は発生しない。
【0071】
次に、図7Cに図示されているように、前記第3有機膜形成用マスク600(図6)を利用し、基板201上に、赤色の第3有機膜223をパターン化させる。このとき、赤色の第3有機膜223用の原素材は、前記第3有機膜形成用マスク600の第3スリット601を介して、基板201上に蒸着され、ドット型の赤色の第3有機膜223は、前記青色の第1有機膜221と、緑色の第2有機膜222とが互いに交差する部分(OL)の内側空間に形成される。
【0072】
このように、複数のストライプ型の第1有機膜形成用マスク400及び第2有機膜形成用マスク500と、1つのドット型の第3有機膜形成用マスク600とを利用し、赤色、緑色及び青色の有機膜パターンを形成すれば、互いに交差するストライプ型の青色の第1有機膜221と、緑色の第2有機膜222との内側空間に、ドット型の赤色有機膜223が配列されるので、1つの画素において、赤色、緑色及び青色の有機膜が形成された領域がさらにコンパクト化される。
【0073】
このとき、青色の第1有機膜、緑色の第2有機膜及び赤色の第3有機膜は、有機膜の発光効率によって、特定の領域割合に形成されている。
【0074】
図8は、本発明の一実施形態による1つの画素800での有機膜のサイズを比較したものである。
【0075】
図面を参照すれば、基板801の上部領域には、青色の第1有機膜821が配列されている。前記青色の第1有機膜821は、各画素ごとに位置するように、基板801のX方向に沿って延びたストライプ型の有機膜である。
【0076】
前記基板801の左側領域には、緑色の第2有機膜822が配列されている。前記緑色の第2有機膜822は、各画素ごとに位置するように、基板801のY方向に沿って延びたストライプ型の有機膜である。
【0077】
前記青色の第1有機膜821及び緑色の第2有機膜822が互いに延びて交差する部分の内側空間である前記基板801の下部領域には、赤色の第3有機膜823が配列されている。前記赤色の第3有機膜823は、各画素ごとに位置するように、基板801のY方向に沿って、不連続的に配列されたドット型の有機膜である。
【0078】
このとき、青色の第1有機膜821の発光領域、及び赤色の第3有機膜823の発光領域は、青色及び赤色の有機膜原素材の特性上、緑色の第2有機膜822の発光領域より広く形成されている。緑色の第2有機膜822の領域比率に対して、前記青色の第1有機膜821の領域及び赤色の第3有機膜823の領域の比率は、それぞれ1:2以上に形成されることが望ましい。
【0079】
例えば、3インチVGA(video graphics array)小型製品に適用可能なサイズである1つの画素800の横長Lが96μmであり、縦長Lが96μmである場合、青色の第1有機膜821領域の横長L及び縦長Lは、それぞれ64μm、24μmに形成する。これによって、前記青色の第1有機膜821領域の面積は、1,536μmになる。
【0080】
また、前記赤色の第3有機膜823領域の横長L及び縦長Lは、それぞれ44μm、32μmに形成する。これによって、前記赤色の第3有機膜821領域の面積は、1,408μmになる。
【0081】
一方、前記緑色の第2有機膜822領域の横長L及び縦長Lは、それぞれ12μm、52μmに形成する。これによって、前記緑色の第2有機膜822領域の面積は、624μmになる。
【0082】
一方、赤色の第3有機膜823領域に対して、青色の第1有機膜821領域と、緑色の第2有機膜822領域との間隔d,dは、それぞれ20μmになる。
【0083】
このように、前記緑色の第2有機膜822領域に対する、青色の第1有機膜821領域、及び赤色の第3有機膜823領域は、発光効率によってサイズを異ならせ、青色の第1有機膜領域821:緑色の第2有機膜822領域:赤色の第3有機膜823領域の比率は、2.46:1:2.25になるように形成される。
【0084】
これによって、従来のストライプ型の赤色、緑色、青色の有機膜領域の発光効率が異なる場合、赤色の有機膜領域及び青色の有機膜領域が緑色の有機膜領域より2倍以上広くならなければならないので、3インチVGA小型製品に適用し難いが、本実施形態では、青色の第1有機膜821領域、及び赤色の第3有機膜823領域が、緑色の第2有機膜822より2倍以上広くなっても、前記のようなコンパクト化された赤色、緑色及び青色の有機膜領域の配列構造により、3インチVGA小型製品の具現が可能である。
【0085】
本実施形態では、前記第1有機膜821、第2有機膜822及び第3有機膜823は、青色、緑色及び赤色に発光する有機膜パターンを指すが、それらに限定されずに、白色や黄色や紫紅色や緑青色のような他の色相に発光する有機膜パターンに代替可能である。
【0086】
また、前記第1有機膜821、第2有機膜822及び第3有機膜823の各発光領域のサイズは、それらを構成する有機膜素材の発光効率特性によって、任意に設計可能である。
【0087】
さらに、相対的に発光効率が高い素材からなる第2有機膜822領域に対して、相対的に発光効率が低い素材からなる第1有機膜821及び第3有機膜823の領域比率は、本実施形態のように、必ずしも1:2に限定されるものではなく、任意に調整が可能であり、いずれか1つの特定色相に限定されるものでは、さらにないものである。
【0088】
例えば、相対的に発光効率が高い素材からなる緑色に発光する第2有機膜822発光領域に対して、相対的に発光効率が低い素材からなる青色及び赤色にそれぞれ発光する第1有機膜821発光領域と第3有機膜823発光領域とが、さらに大きく形成される構造であるならば、いずれか一つの面積比率に限定されるものではない。
【0089】
一方、前記第1有機膜821、第2有機膜822及び第3有機膜823が配列される順序も、本実施形態とは異なり、他の配列順序に配列されてもよく、前記第1有機膜821、第2有機膜822及び第3有機膜823の配置は、特定の位置に制限されるものではない。
【0090】
本発明は、図面に図示された一実施形態を参考にして説明したが、それらは例示的なものに過ぎず、本技術分野の当業者であるならば、それらから多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解することができるであろう。よって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によってのみ決まるものである。
【符号の説明】
【0091】
100 真空蒸着装置
101 真空チャンバ
102 蒸着源
103 基板装着部
104,201,801 基板
105 マスク
106 排気装置
107 開口部パターン
200 有機発光装置
202 バッファ層
203 半導体活性層
203a ソース/ドレイン領域
204 ゲート絶縁膜
205 ゲート電極
206 層間絶縁膜
207 ソース/ドレイン電極
208 パッシベーション膜
209 平坦化膜
210 画素電極
211 画素定義膜
212 有機膜
213 対向電極
214 非発光領域
220,800 画素
221,821 第1有機膜
222,822 第2有機膜
223,823 第3有機膜
400 第1有機膜形成用マスク
401 第1スロット
500 第2有機膜形成用マスク
501 第2スロット
600 第3有機膜形成用マスク
601 第3スロット
OL 重複された領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に互いに対向するようにパターン化された第1電極並びに第2電極と、
前記第1電極並びに第2電極間に形成された複数の有機膜と、を含むが、
前記有機膜は、少なくとも複数個のストライプ型の有機膜と、1つの不連続的なドット型の有機膜と、を含む有機発光装置。
【請求項2】
前記複数のストライプ型の有機膜は、
前記基板の第1方向に沿って、基板の一縁から他の縁に延びた第1有機膜と、前記基板の第2方向に沿って、基板の一縁から他の縁に延び、前記第1有機膜と交差するように配列された第2有機膜と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光装置。
【請求項3】
前記ドット型の有機膜は、前記第2有機膜に対して平行な方向に、基板の一縁から他の縁に不連続的に形成され、
前記第1有機膜並びに第2有機膜が互いに交差する部分の内側空間にそれぞれ配列され、それらと共に1つの画素をなすことを特徴とする請求項2に記載の有機発光装置。
【請求項4】
相対的に発光効率が高い素材からなる少なくともいずれか1つの有機膜の発光領域に対して、相対的に発光効率が低い素材からなる残りの有機膜の発光領域は、さらに大きく形成されたことを特徴とする請求項1に記載の有機発光装置。
【請求項5】
1つの画素を構成するストライプ型の第2有機膜の発光領域に対して、ストライプ型の第1有機膜の発光領域及びドット型の有機膜の発光領域が、さらに大きく形成されたことを特徴とすることを特徴とする請求項4に記載の有機発光装置。
【請求項6】
基板上に、第1ストライプ型の第1有機膜パターンをパターン化させる段階と、
前記基板上に、第2ストライプ型の第2有機膜パターンをパターン化させる段階と、
前記基板上に、ドット型の第3有機膜パターンをパターン化させる段階と、を含む有機発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1有機膜パターンは、前記基板の第1方向に沿って、基板の一縁から他の縁に延び、
前記第2有機膜パターンは、前記基板の第2方向に沿って、基板の一縁から他の縁に延びるが、
前記第1有機膜パターンは、第2有機膜パターンに対して互いに交差する方向にパターン化させることを特徴とする請求項6に記載の有機発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記ドット型の第3有機膜パターンは、前記第2有機膜パターンに対して平行な方向に、基板の一縁から他の縁に不連続的にパターン化され、
前記第1有機膜パターンと第2有機膜パターンとが互いに交差する部分の内側空間にパターン化され、それらと共に1つの画素をなすことを特徴とする請求項7に記載の有機発光装置の製造方法。
【請求項9】
相対的に発光効率が高い素材からなる少なくともいずれか1つの第1有機膜ないし第3有機膜のパターン領域に対して、相対的に発光効率が低い素材からなる残りの有機膜のパターン領域を、さらに大きく形成することを特徴とする請求項6に記載の有機発光装置の製造方法。
【請求項10】
1つの画素を構成するストライプ型の第2有機膜パターン領域に対して、ストライプ型の第1有機膜のパターン領域及びドット型の有機膜のパターン領域をさらに大きく形成することを特徴とする請求項9に記載の有機発光装置の製造方法。
【請求項11】
基板上に有機膜パターンを蒸着するためのものであり、
第1有機膜パターンを、前記基板上に蒸着させるためのストライプ型の第1スリットを有する第1有機膜形成用マスクと、
第2有機膜パターンを、前記基板上に蒸着させるためのストライプ型の第2スリットを有する第2有機膜形成用マスクと、
第3有機膜パターンを、前記基板上に蒸着させるためのドット型の第3スリットを有する第3有機膜形成用マスクと、を含む薄膜蒸着用マスク・アセンブリ。
【請求項12】
前記ストライプ型の第1スリットは、前記基板の第1方向に沿って一縁から他の縁に延びて形成され、
前記ストライプ型の第2スリットは、前記第1スリットに対して、基板上で互いに交差する方向に配列されるように、前記基板の第2方向に沿って一縁から他の縁に延びて形成されたことを特徴とする請求項11に記載の薄膜蒸着用マスク・アセンブリ。
【請求項13】
前記ドット型の第3スリットは、前記ストライプ型の第2スリットに対して、平行な方向に一縁から他の縁に不連続的に形成され、
前記第1スリット及び第2スリットが互いに交差する部分の内側空間に配列されたことを特徴とする請求項12に記載の薄膜蒸着用マスク・アセンブリ。
【請求項14】
相対的に発光効率が高い素材からなる少なくともいずれか1つの第1有機膜パターンないし第3有機膜パターンを形成させるための有機膜原素材の蒸着される通路を提供するスリットの間隔に対して、相対的に発光効率が低い素材からなる残りの有機膜パターンを形成させるための有機膜原素材の通路を提供するスリットの間隔が、さらに大きく形成されたことを特徴とする請求項11に記載の薄膜蒸着用マスク・アセンブリ。
【請求項15】
1つの画素を構成するストライプ型の第2有機膜パターンを形成させるためのスリットの間隔に対して、ストライプ型の第1有機膜パターンを形成させるためのスリットの間隔及びドット型の有機膜パターンを形成させるためのスリットの間隔が、さらに大きく形成されたことを特徴とする請求項11に記載の薄膜蒸着用アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−198761(P2011−198761A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60526(P2011−60526)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】