説明

薬剤用自動注射器のための容器およびそれに適合した自動注射器

【課題】 自動注射器のための容器およびこの容器に適応させた自動注射器を提供する。
【解決手段】 この容器(10)は、使用後の自動注射器を容器内に挿入したときに、自動注射器の針を保持し、更に所望の場合には不能にするようにした構造のものである。実施例によっては、表示部(80)が容器の一部又は自動注射器の一部として設けられていて、自動注射器が使用済みのものか否かを表示するようになっている。この表示部を自動注射器の一部として設けた場合は、容器の対応部分が光透過性材料から作られる。この容器は更に、閉塞端の覗き孔、自動注射器を緩衝させるものなど、種々の特徴を有するものであってもよい。クッション部材および衝撃吸収性は容器内に設けてもよい。更にクリップも開示されている。このクリップは2又はそれ以上の容器を一緒に固定するよう設計される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用前後の薬剤用自動注射器を携帯、貯蔵するための外装容器又はハウジングに関する。本発明は更に、1又は2以上の容器を携帯するためのクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤用自動注射器は、通常、緊急の場合に、使用者が予め決められた用量の薬剤組成物を皮下又は筋内に自己投与できるように設計された装置である。自動注射器は例えば、過敏症性(重度のアレルギー性)反応を治療したり、或る種の毒(化学的神経ガスなど)のための解毒剤を投与するために使用される。最も周知の自動注射器の1つは、EPIPEN(商標、Meridian Medical Technologies Inc.;コロンビア州、メリーランド、米国)の名で販売されているエピネフリン投与用自動注射器である。
【0003】
典型的な自動注射器は、ハウジングと、その内部に収納されたカートリッジとを具備してなるものである。このカートリッジは1又は数個のチャンバーを有し、薬剤組成物又はその成分を収容し、針アッセンブリーに取着されるようになっている。この自動注射器には、予め混合された薬剤の用量、注射の直前に混合される液状調剤、注射の直前に輸液内に溶解される固体薬剤が収容されるようになっている。このハウジングには、蓄積されたエネルギー源(例えば、圧縮バネ)を備えた作動アッセンブリーが担持されている。この作動アッセンブリーの稼動により一連の動きを生じさせ、薬剤配合物が後に強制的に針を通って使用者に投与されるようになっている。もしも、自動注射器が、薬剤組成物の複数の成分を別々に封止した状態で担持するようにしたタイプである場合は、作動アッセンブリーが稼動されたときに、これらの成分を強制的に混合させる構造を含むことができる。この自動注射器を使用するときは、一般に、針が前記ハウジングから延出するように設けられる。
【0004】
自動注射器は一般に、清潔性が保たれ、損傷から自動注射器を保護するように容器内に包装される。しかし、一般的な自動注射器用容器は、使用後の自動注射器を収納するようにはなっていない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1形態として、本発明は自動注射器の包装体に関するものである。この自動注射器の包装体は、ハウジングと、このハウジング内に収納されたカートリッジアッセンブリーと、該カートリッジアッセンブリーに操作自在に関連させた針アッセンブリーと、該ハウジングにより担持された作動アッセンブリーとを具備してなる。この作動アッセンブリーは、蓄積エネルギー源と、この蓄積エネルギー源により駆動される駆動アッセンブリーとを含む。この駆動アッセンブリーはカートリッジアッセンブリーおよび針アッセンブリーに対し操作自在に関連されていて、自動注射器を稼動させたとき、薬剤をカートリッジから排出させ、針アッセンブリーを通過させるようになっている。前記容器は、自動注射器の使用前後において、自動注射器を受理するように構築、配置されるようになっている。この容器の少なくとも一部は、光透過性材料から形成されている。表示部をハウジングおよび容器の少なくとも一方に設け、使用後に自動注射器を容器内に置いたときに使用者が目視できるようにする。この表示部は、自動注射器が既に使用されたことを示す指示部を指すようにする。
【0006】
本発明の他の形態は自動注射器のための容器に関するものである。この容器は、開口端と、その反対側の閉塞端とを有する。キャップがこの開口端と着脱自在に係合するように構築、配置され、この開口端を解放自在に閉塞するようにする。前記閉塞端に近い容器内に針保持具が装着されている。この針保持具の前記閉塞端との関連での位置は、この針保持具と、閉塞端と間の距離が自動注射器の突出針の長さよりも短くなるように設定される。
【0007】
本発明の更なる他の形態は、カートリッジと、蓄積エネルギー源を有する作動アッセンブリーに接続された針アッセンブリーとを含む自動注射器の使用方法に関するものである。その方法は、自動注射器を未使用状態で容器内に収納することを含む。自動注射器が使用されると、針が延出することになる。使用後、この自動注射器を上記容器内に戻し、それにより自動注射器を容器内に保持させるが、それが延出した針と、この容器内に設けられた保持構造との係合によってなされるようになっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の他の形態および利点は以下の記載から明らかとなり得る。本発明を、図面を参照して説明するが、これら図面において、同様の部材には同一の符号が付されている。
【0009】
図1は、本発明に係わる容器の斜面図であって、大略的に10で示されている。この容器10はほぼ円筒状をなし、自動注射器(図1に示されていない)を収納し得る大きさのものである。この容器10は公知の任意のタイプの種々の自動注射器に対して使用することができる。
【0010】
通常は、この容器10はその中に自動注射器を収納した状態で配布され、従って、少なくとも一部は、自動注射器の包装ための製品として用いられる。そのため、容器10の中央外面12は、製品のラベル貼り、使用説明書又は他の必要な表示のための空間として提供される。このようなラベル貼りおよび表示はラベルに印刷し、外面12に接着させてもよい。若しくは、これらを、容器10の製造過程において外面12に形成又は印刷してもよい。
【0011】
一般に、容器10はポリプロピレン(PP)のような従来のプラスチック材料から作ることができる。しかし、以下に詳述するように、容器10又はその一部を、より耐貫通性材料、例えばポリ(エチレンテレフタェート)(PET)などから作ることもできる。
【0012】
容器10は、閉塞した針受理端部(大略的に14として示した)と、この針受理端部14と反対側の開口端16とを有する。開口端16中の開口部24は自動注射器を取り除いたり、戻したりすることを可能にする十分なサイズのものである。図1において、開口端16は着脱自在なキャップ18により覆われる。図2は、このキャップ18を取り除いたときの容器10の側面図である。図3は、この分離したキャップ18の斜視図である。図示のように、容器10の開口端16にはネジ20が設けられていて、これがキャップ18の内部の対応するネジ22と係合し、キャップ18と容器10とを着脱自在に係合させている。6つの個々の非連続的らせん形ネジ20が2セット、容器10上に設けられていて、キャップにも対応する数のセットからなる従来の連続ネジ22が設けられている。この構成により、キャップ18を容器10に嵌めたとき、容器10へのネジ込みの開始を幾つか進んだネジ位置から始めることができ、容器10へのキャップ18のネジ込みがより容易となる。しかし、従来のネジのセットをキャップ18および容器10に対し使用することも可能である。キャップ18の外面にも数個の凹凸部を周方向に離間させて設け、キャップ18の開閉時に、使用者がキャップ18を良好につかめるようにしてもよい。
【0013】
容器10は自動注射器を収納するよう設計され、自動注射器の針支持端部が容器10の針受理端14に向けて配置される。容器10の針受理端14は、収納されるべき自動注射器の直径に従って、容器10の他の部分よりも小さい直径を有するもので、これは使用者が自動注射器を正しい方向で容器10内に収納するよう促すものである。図1に示すように、図示の実施例の容器10は、より狭い針受理端14から、より広いキャップ18近傍部へとテーパーをなしている。このテーパー形状は自動注射器の1つのタイプの形状に即応したものであり、その他の種々の形状を採ることも可能である。
【0014】
特に、容器10は自動注射器の針支持端部を容器10の針受理端14に向けて収納するようになっているが、自動注射器が誤って又はわざと、その針支持端部をキャップ18に向けて容器10内に置かれることもあり得る。この理由のため、キャップ18は十分な厚みと、耐久性と、耐貫通性とを有する材料から作ることが好ましく、たとえ誤って自動注射器がその針支持端部をキャップ18に向けて稼動された場合でも、突出する針がキャップ18を貫通することの無いようにする。その他、キャップ18の1面、例えば上面(図4で19として示す部分)を特別に厚くし、あるいは、その部分の内面に耐貫通性材料(プラスチック又は金属)からなる“パッド”を取着させてもよい。
【0015】
針受理端14を形成する材料は少なくとも部分的に半透明とし、実施例によっては、完全に透明なものとしてもよい。他の実施例として、この針受理端14は半透明、部分的に半透明又は不透明なものとし、その特定の部分が完全に、又は部分的に透明なものとしてもよい。容器10全体を半透明又は透明材料から作ってもよい。このような特徴およびその使用効果については以下に詳述する。容器10、キャップ18、その他の部分の光透過性の程度に関係なく、容器10およびキャップ18は紫外線(UV)をブロック又は吸収するものであってもよい。例えば、紫外線吸収剤をポリマー混合物に添加し、それを用いて容器10を作製してもよい。このような紫外線吸収剤の多くはポリマー業界および成型業界で公知である。この紫外線ブロッキング又は吸収機能は、たとえ容器10が非常に光透過性のものであっても、紫外線への露出により自動注射器内の薬剤が損なわれないことを確保するのに役立つ。
【0016】
針受理端14の底部26には衝撃吸収性覗き孔28が設けられている。この覗き孔28は、針受理端14の底部26を横切って延びた弧形のものである。この覗き孔28は、たとえ容器10を落とし、針受理端14の底部26が他の表面と衝突したとしても、その衝撃の少なくとも一部を吸収する衝撃吸収体として作用する。覗き孔28は更に、使用者が携帯用ストラップをそこに取着させることを可能にし、それにより容器を都合よく携帯することができる。すなわち、この弧形のピークにおいて、覗き孔28が約1mmないし約5mmの間隙を提供し携帯用ストラップの取付けために利用される。本発明の他の実施例として、覗き孔28と、底部26との間にかなりの間隙があってもよい。
【0017】
図1に示す実施例において、覗き孔28は針受理端14の底部26のほぼ3分の1をカバーしている。他の実施例として、覗き孔28は針受理端14の底部26を約10%からほぼ全領域をカバーするものであってもよい。もし、覗き孔28が針受理端14の底部26を僅かにカバーするものであるとすると、容器10が中心から外れて衝撃を受けた場合、衝撃吸収効果が僅かなものとなる。覗き孔28は厚みが約0.5mmないし約2mmのものでよく、この厚みが弧形に沿って変化していてもよい。
【0018】
図4は容器10の縦断面図であって、自動注射器50がその中に収納されている状態を示している。図4に示す自動注射器50は単一のチャンバーを有し、単一成分液状薬剤組成物を収容し、注射するようになっている。しかし、容器10は、2成分ウェット/ウェット混合用自動注射器、2成分ウェット/ドライ混合用自動注射器、あるいは公知の任意のタイプの自動注射器と共に使用することもできる。
【0019】
自動注射器50は図4において概略的に示されており、説明の都合上、幾つかの構成は省略されている。なぜならば、自動注射器50の動作は、この実施例の容器10の機能にとって重要でないからである。なお、自動注射器50のような自動注射器の操作の詳細は、本出願人と同一出願人による米国特許第5,391,151号および米国特許第6,210,369号(いずれも参照としてここに組み込まれるものとする)に記載されている。この自動注射器50は、外側ハウジング52と、この外側ハウジング52内に配置されたカートリッジ54とを具備してなる。このカートリッジ54は、薬剤貯蔵区域56と、取付けられた針アッセンブリー58と、薬剤貯蔵区域56の頂部に設けられたプランジャー60とを具備してなる。自動注射器50のタイプによっては、カートリッジ54は1又は2つの区域を有し、ウェット成分と、ドライ成分とからなる複数の薬剤を収容するもの(いわゆるウェット/ドライ自動注射器)、ウェット成分と、他種のウェット成分とからなる複数の薬剤を収容するもの(いわゆるウェット/ウェット自動注射器)であってもよい。ウェット/ドライ自動注射器の幾つかの適当なタイプについての詳細は、本出願人と同一出願人による米国特許である米国特許第6,641,561号および米国特許第6,770,052号(いずれも参照としてここに組み込まれるものとする)に記載されている。
【0020】
自動注射器50は更に作動アッセンブリーを有し、その一部が図4にしめされている。典型的には、圧縮バネなどの蓄積エネルギー源(図4には示されていない)はプランジャー60の上の空間に担持される。安全キャップ62が、この蓄積エネルギー源の解放を防止し、この装置の稼動を防止するようになっている。自動注射器50の正確な稼動様式は容器10にとって重要ではない。しかし、典型的な自動注射器50においては、この安全キャップ62は除去され、自動注射器50の針端部64が投与部位(例えば、使用者の大腿部)に対し押圧され、ハウジング52の上部66および下部68を相対的に移動させ、それにより蓄積エネルギー源が自動注射器50を展開し、稼動させる。(図示のように、ハウジング52の上部66は内側に延びた肩部70を含み、これに対しハウジング52の下部68が支えられている)。自動注射器が一旦稼動されると、蓄積エネルギー源が針の保護スリーブ74およびハウジング52の底部76を介して針72を推進させ、ついで、プランジャー60を下向きに移動させ、カートリッジ54内の薬剤配合物を針72を介して分配させる。殆どの自動注射器において、一旦使用されると、針72に対して印加された内部バネ力により、針72がハウジング52内に戻されるのを防止するようになっている。
【0021】
図4は、使用前の容器10内の自動注射器50の位置を示している。図示のように、自動注射器50は完全に容器10内にあり、容器10は自動注射器50よりも若干長くなっている。従って、使用者がキャップ18を取り除いたとき、自動注射器50を容器10から取り出すために容器10を傾ける必要がある。これは有利なことである。なぜならば、もしも自動注射器50が容器10から突出しなかった場合は、使用者は安全キャップ62部分又はその近傍を引っ張ることにより自動注射器を容器10から取り出そうとするからであり、そのことにより、安全キャップ62が弛んだり、結果的に自動注射器50の時期尚早又は意図しない稼動を生じさせることになる。
【0022】
しかし、容器10と、自動注射器50との間の長さの違いは、使用者が安全キャップ62を誤って取り除くのを防止させるのに十分な最小の差であることが最も望ましい。すなわち、この差は数ミリ以下とする。一般に、容器10はできるだけ小さいことが望ましく、それにより使用者が簡便、かつ、堅実に携帯することが可能となる。容器10が大きすぎる場合は、使用者は容器10を携帯することをためらうことになり、その場合、自動注射器50が必要な時に利用できないことになる。
【0023】
図5Aは、自動注射器50の一部の縦断面図であり、容器10内の“投与端部”を示している。容器10の内部には、その針受理端14の頂部に内側に延出する周方向肩部又は棚部78が設けられている。表示スリーブ80には、この棚部78に着座する外向きのリップ82が設けられている。この表示スリーブ80は、明るい色のもので、針72により刺通可能な材料(例えば、赤色のプラスチック)から形成されている。図5Aに示されている位置において、表示スリーブ80はカバースリーブ84により覆われている。すなわち、カバースリーブ84は表示スリーブ80を囲み、覆っている。この表示スリーブ80は凸部又は一連の凸部を有し、これらはカバースリーブ84の端部の対応するクリップ88と係合し、カバースリーブ84を図5Aに示す位置に保持させている。表示スリーブ80およびカバースリーブ84も、ある程度は自動注射器50の衝撃や衝突を緩衝させている。
【0024】
使用者が自動注射器50の使用を必要とする場合、上述のように、使用者はキャップ18を容器10から取り除き、自動注射器50を容器10から取り出す。ついで、メーカーの指示書に従って自動注射器50を使用する。自動注射器50を使用し終わったときは、使用者がその自動注射器50を容器10内に戻す。この場合、針72を容器10の針受理端14に向けて自動注射器50を挿入する。自動注射器50の再挿入が困難な場合は、使用者はキャップ18を容器10に配置し、キャップ18を容器10との係合のため回転させる。使用者がキャップ18を回転させたとき、キャップ18に印加されるトルクにより、軸方向の力が自動注射器50に作用し、自動注射器50を容器10内に強制的に挿入させることになる。キャップ18は、使用済みの自動注射器50を容器10内にこのようにして“配置”させるのに使用する場合、使用者にとって非常に機械的な利点を提供するものとなる。
【0025】
針72が容器10の針受理端14に入れられるとき、針72の動作が一連の動きを生じさせ、その結果、図5Bに示すような配置を採ることになる。具体的には、針72が容器内に導入されるとき、表示スリーブ80の底部を刺通し、カバースリーブ84を表示スリーブ80から離脱させ、カバースリーブ84を下方の容器10の底部に向けて駆動させる。
【0026】
カバースリーブ84がこの下方位置にあるとき、表示スリーブ80は露出している。容器10の針受理端14が少なくとも部分的に半透明であるため、表示スリーブ80は容器10の外側から見ることができる。従って、使用者は、容器10の外側を見るだけで容器10内の自動注射器50が使用済みか否かを判断することができる。図6Aおよび図6Bは、使用済みの自動注射器を容器10内に戻す前および戻した後の容器10をそれぞれ示す斜視図である。図6Bにおいて、表示スリーブ80は針受理端14の半透明窓88を介して明瞭に見ることができ、これに対し、図6Aでは、無着色のカバースリーブ84のみが半透明窓88中に見えるだけである。
【0027】
本発明の利点の1つは、種々のサイズの針を収容することができる機能である。自動注射器50のタイプ(並びに目的とする注射のタイプ)によって、自動注射器の針72は長さが約0.4インチ(約10mm)から0.975インチ(約24.8mm)の範囲で選択される。針72が十分に長い場合、針72が容器10の底部に当たって、自動注射器50は容器10内に完全に収納させることができない。その場合、使用者は自動注射器50を容器10内に十分に押し込むことにより、図5Bに示すように針72が折れて不能となる。
【0028】
容器10の底部26およびカバースリーブ84を、針を不能にするのに利用することができるため、これらの部材が刺通抵抗を示す強靭な材料、例えばPETから作られ、又は裏打ちされていることが好ましい。その他、プラスチック又は金属の強化プレートをカバースリーブ84又は容器10の内側底部26に固定することも可能である。容器の底部に補強部材を使用した本発明の実施例については以下に詳述する。
【0029】
自動注射器50の使用後に、使用者が容器10を開けようとする場合、自動注射器50を容器から取り出すのが困難であることに気づくであろう。その理由は、刺通された表示スリーブ80が保持部材として作用し、針72に対して摩擦力が働き、それが自動注射器50を容器から取り出そうとする試みを妨害するからである。表示スリーブ80又はその底部81は比較的高い摩擦係数を有する熱可塑性エラストマーから作製することができ、それにより針72との係合時に可及的最大の摩擦を生じさせるようにする。更に、針72の長さが、容器10の底部26に当接することにより針72が不能になるようなものである場合は、その不能になった針72自体が容器10からの使用済み自動注射器50の取り出しを困難にさせるものとなるであろう。
【0030】
容器10においては、カバースリーブ84が自動注射器50の針72により移動するようになっているが、他の構成も可能である。例えば、容器10におけるのと同様の原理を利用する本発明の他の実施例として、使用済み自動注射器50が容器10内に挿入されるまで、緑色表示フラッグが窓88を介して見えるようにしてもよい。そして、使用済み自動注射器50が容器10内に挿入されたときに、自動注射器50の針72により緑色表示フラッグを移動させ、白色又は赤色の“使用済み”表示フラッグが現れるようにする。これは例えば、カバースリーブ84を緑色にし、下層の表示スリーブ80を白色又は赤色にすることにより実現することができる。その他、緑色表示フラッグ又はスリーブを他の可動スリーブで覆うようにしてもよい。一般に、この表示機構およびその色は、使用済みの表示を使用者が即座に認識することができるように選択されるべきである。
【0031】
容器10において、窓88を介しての表示スリーブ80の目視性により、自動注射器50が使用済みであるという表示が提供される。しかし、本発明の他の実施例において、針72自体が自動注射器50の使用済み表示を提供するものであってもよい。図7は本発明の他の実施例に係わる容器100の針受理端114の立面図である。この針受理端114は十分に透明であって、自動注射器50の針72が容器110の外側から見ることができるようになっている。従って、針72自体が自動注射器50の使用済みを表示する表示媒体として作用している。
【0032】
この容器100は針受理端114の外面に記された強調表示115を有し、自動注射器50が使用済みとなった場合に、針72を視認できる針受理端114の部分に使用者を注目させるようになっている。他の実施例として、この強調表示115は針受理端114に対し塗布したもの、マークしたもの、一体的に形成したもの、又はラベルとして適用したものでもよい。所望により、この強調表示115は省くことも可能である。
【0033】
図8Aおよび図8Bは、図7に示す容器100の部分の縦断面図である。この容器100において、その内部機構は前述の実施例の容器10のものよりも、より簡単である。図8Aは、稼動前の容器100内の自動注射器50の位置を示している。この自動注射器50の底部は針保持具180上に載置されている。この針保持具180は可撓性、弾性部材(一般的には熱可塑性エラストマー)から作られていて、使用前の自動注射器50に対しクッション作用を付与している。
【0034】
自動注射器50が使用後に容器100に戻されるとき(自動注射器50に対し、より大きい機械的利点を作用させるために、容器キャップ18を適宜、使用することにより)、針72が針保持具180を刺通し、前進する。ついで、針72は針受理端114の透明窓188を通して見ることができ、自動注射器が使用済みであることが示される。この針保持具180は針72に対し摩擦力を与え、これが自動注射器を容器から取り出す試みを妨害するものとなる。もし、針72が十分に長い場合、それが針受理端114の底部182に当接し、図8Bに示すように不能となる。この不能になった針72もまた、使用済み自動注射器50を容器100から取り出すことを困難にさせるであろう。容器10の場合と同様に、容器100の底部182は耐刺通性材料又はそのような材料で強化されたものから作ることができ、それにより針の不能化を容易にすることができる。
【0035】
本発明の容器の他の実施例として、前述の2つの実施例の特徴を組合せ、それにより着色され、視認性を高めた“使用済み”表示具を、使用済み自動注射器を保持するようにした簡素化容器と組合わせたものを提供することができる。或る実施例として、この表示具の機能を自動注射器自体の一部として提供してもよい。
【0036】
例えば、図9Aおよび9Bは、本発明の他の実施例に係わる容器(大略的に200として示す)の縦断面図である。図9Aは、1例としての自動注射器202を備えた容器200を縦断面で示すものであり、図9Bは、この自動注射器202が存在しない容器200を示している。
【0037】
この容器200は、前述の容器10および100の特徴の多くを含むものである。図9Aおよび9Bに示されていない或る種の特徴、例えば覗き孔を容器200内に含ませてもよい。
【0038】
自動注射器202は、作動アッセンブリー(大略的に250として示す)と、ガラス、プラスチック又は他の適当な材料からなり、薬剤溶液を収容するように構成されたチャンバー(大略的に252として示す)と、ハブ/針アッセンブリー(大略的に254として示す)とを具備してなる。しかし、薬剤のための単一チャンバー252の代わりに、自動注射器202は、2成分ウェット/ドライ薬剤又は2成分ウェット/ウェット薬剤を担持するようにしたタイプのものであってもよい。この場合、自動注射器202は適当な封止構造により分離された2つのチャンバーを有するものとなる。このような自動注射器の構造およびその封止構造および混合構造についての詳細は前記米国特許第6,641,561号および米国特許第6,770,052号に記述されている。
【0039】
作動アッセンブリー250は、自動注射器202の後端に装着された安全キャップ256を有する。この安全キャップ256は下方に延びた安全ピン258を含み、これはキャップ256の上面の内側に形成されている。図9Aに示す位置において、自動注射器202は未使用のものであり、安全キャップ256は装着され、安全ピン258はコレット262の割り型後部に形成された複数のフィンガーバネ260間に延び、係合している。このフィンガーバネ260はそれぞれ半円錐形端部表面264を有し、これらは自動注射器202の内側ハウジング部270後部の孔268の周りに配置された対応する半円錐面266と係合するように構築、配置されている。安全ピン258のフィンガーバネ260との係合により、フィンガーバネ260相互を離間させ、これらが内側に偏り、孔268に導入されるのを防止している。
【0040】
コレット262は、後端に内方延出フランジを有する円筒状スリーブにより囲まれている。このコレット262は前方環状フランジ272を有する。このコレット262の周りにコイルバネ274が設けられ、これは前記円筒状スリーブのフランジと、環状フランジ272との間にて圧縮されている。前方端部において、このコレット262はスペーサー表示部材276と係合している。
【0041】
このスペーサー表示部材276は明るく着色された部材であり、通常は、赤色プラスチック又はその均等物から作られていて、その一端はコレット262を受理、係合するよう形成され、その他端はプランジャー278を受理、係合するよう形成されている。このプランジャー278はチャンバー252内に配置、封止され、かつ、その内部にて摺動自在となっている。(その他、スペーサー表示部材276はプランジャー278に接続されたインサートと係合するものでもよい)。このスペーサー表示部材276はほぼ円筒状のもので、その全体的長さは、プランジャー278がチャンバー252内の所望の位置に最初に配置されるよう変化させることができる。例えば、チャンバー252内に収容される薬剤の用量がチャンバー252の総容積を必要としない場合は、スペーサー表示部材276をより長く形成し、プランジャー278をチャンバー252の長手方向に沿って最初に大きく配置し、チャンバー252の有効容積が減少されるようにする。従って、薬剤の用量の容積がチャンバー252の容積よりも小さい場合に、適当な長さのスペーサー表示部材276を用いることにより、チャンバー252の未使用の容積内に気泡が蓄積される可能性を減少させることができる。
【0042】
自動注射器202を稼動させる場合、安全キャップ256を手で自動注射器202から取り除き、安全ピン258を、フィンガーバネ264と分離している最初の位置から取り除く。ハウジング280の前方部分を投与部位に対して押圧すると、フィンガーバネ262(複数)が強制的に上昇し、半円錐面266との相互作用により、フランジの保持面から離れて互いに接近する。ついで、圧縮されているバネ274が自由となり、その蓄積エネルギーが解放され、コレット262をバネ262の応力により前方に移動させる。それにより針72がハウジング280の前方部分を通って延び、薬剤が注射される。
【0043】
図10Aおよび10Bは使用前後の自動注射器202を収納した容器200をそれぞれ示す側面図である。図10Aおよび10Bに示すように、もし、スペーサー表示部材276を自動注射器202で使用する場合、容器200および自動注射器202の双方を、少なくとも部分的に半透明の材料、より好ましくは少なくとも部分的に透明な材料、例えば透明又は実質的に透明なプラスチックから作製する。図10Aおよび10Bに示すように、識別情報、患者用説明書、他の必要な表示を含むラベル282を自動注射器202の表面に配置し、自動注射器202の使用後にスペーサー表示部材276が移動される位置に隣接する位置に透明窓284を残す。図10Aに示すように、透明窓284は空で何もない。しかし、図10Bにおいては、スペーサー表示部材276が透明窓284に移動し、使用者に対し、自動注射器202が使用済みである旨の高視認性の表示が提供される。他の実施例において、自動注射器202のハウジングの部分は不透明なプラスチックからなるものでもよく、透明窓284は透明なプラスチックからなるものでもよい。スペーサー表示部材276は一般に、自動注射器202が一旦使用されたときは、透明窓284の中心がくるように形成されていなくともよい。むしろ、図10Bに示すように、スペーサー表示部材276は中央よりも若干下方に配置されるようにし、それにより許容極限での視認性をより良好なものにする。
【0044】
容器200は、図7、8Aおよび8Bに示す容器100のものと同様の容器200の針72を保持するための機構を有する。容器200の針受理端204には内側周方向の棚部206が設けられている。この内側周方向の棚部206には針保持具208が載置されている。この針保持具208は直径が容器200自体の直径より若干大きくなっていて、針保持具208が容器200の内壁と絞り嵌めで係合している。その他の構成も可能である。すなわち、実施例によっては、針保持具208を所定位置で融着したり、接着剤で固定したり、所定位置でスナップ嵌めしたり、溶接したりしてもよい。針保持具208は弾性材料から形成され、その厚みおよび弾性により、使用前の自動注射器202に対し、衝撃吸収材又はクッション材として作用させる。針保持具208の緩衝作用により、覗き孔28のような外部構造の必要性を減少若しくは無くすことができる。
【0045】
図11,12,13は針保持具208の斜視図、平面図および側面図を夫々示す。図示のように、針保持具208はほぼ円形をなしている。この針保持具208は、2つの通気スロット211を有し、これらは針保持具208の周縁に沿って互いに180°の角度で離間している。これら通気スロット211は針保持具208の一側での圧力の蓄積を防止し、内部の気体又は蒸気を容器200から排出させるようにしている。(容器200も図9Bに示すように通気孔210を有する。)。針保持具208の上面中央には中央突起部214が形成されている。図13に示すように、同様の中央突起部216が針保持具208の下面にも設けられている。これらの中央突起部214,216は、針72が挿入される領域により大きな有効厚みを針保持具208にもたらし、それにより針72に対する摩擦的“グリップ”を増大させると共に、製造プロセスにおいて器具のゲート部を提供している。これら中央突起部214,216に加えて、針保持具208は更に、周方向に沿って規則的に離間させた多数の突起部219を有する。これら突起部219は容器200の製造容易性および組立てプロセスを改善するものである。すなわち、製造時又は組立て時において、針保持具208を積み重ねた状態から分離するのを容易にしている。しかし、これらの中央突起部214,216および突起部219なしで針保持具208を作製するようにしてもよい。
【0046】
容器200の針受理端204において、針保持具208の下方にはシールド212が設けられており、これは内方周縁棚部206との係合およびその上の針保持具208との嵌合の双方により所定位置にて保持されている。このシールド212はほぼキャップ形をなし、容器の針受理端204の底部に、その開口端を上向きにして載置されている。一般的には、このシールド212は針72が容器200を刺通するのを防止するためのものである。通常、このシールド212はステンレス鋼又は自動注射器202内の薬剤との適合性のよい(すなわち、腐食又はその他の損傷を生じさせない)他の金属から作られる。しかし、実施例によっては、シールド212をPET又は他の耐刺通性プラスチックから作製してもよい。
【0047】
図14は、分離状態のシールド212の斜視図を示している。図15は分離状態のシールド212の一部切欠斜視図を示している。図14,15に示すように、シールド212の中央部は上向きに延びた円錐部220となっている。この円錐部220は、より短い針が容器200への挿入後に不能になる可能性を増大するものである。一般に、上向きに延びた円錐部220は更に、針72を折曲、不能にするのに必要な応力の大きさを減少させる。もちろん、シールド212が円錐状突起220自体を含む必要はなく、シールド212の上向きの突起は、仮に設ける場合は、実質的に任意の形状であってもよい。
【0048】
針72が十分な長さのもので、シールド212と当接し、不能となった場合、シールド212との当接後の、その最終的な状態は図16に示すようなものとなるであろう。この図16は容器200の針受理端204の一部の一部切欠側面図である。図14−16に示すように、円錐部220に加えて、シールド212は更に、上向きに延びたフランジ222を有する。このフランジ222は、不能になり、変形した針72の一部がシールド212および針保持具208により囲まれた領域から飛び出すのを防止するものである。
【0049】
針保持具208と、シールド212との間の空間は、ある程度、針保持具208のクッション作用および衝撃吸収作用を補強するものとなる。なぜならば、針保持具208が反ったり、跳ね返ったりして衝撃を消散させるからである。
【0050】
図9Aおよび9Bの実施例において、容器200は、その底部から上向きに延び、シールド212の円錐状突起220と位置的に一致する上向き中央突起部224を有する。この突起部224は、上記シールドを容器200内に挿入する際に、シールド212をセンタリングするのに使用することができる。同時に、この突起部224は円錐状突起220を補強することにもなる。これは特に、円錐状突起220が針72との最初の接触により下方に反ってしまう場合である。図16に示す他の実施例において、突起部224は設けなくともよい。
【0051】
図17は容器200の外観の側面図である。容器200の外部にもある種の有利な特徴を含めることができる。例えば、つや消しグリップ領域300は表面の触知性を増強し、グリップをしっかりとさせることができる。平滑な窪み面302は、容器200の周面に取着されるクリップ、その他の保持具のための場所を提供するものである。この窪み面302は更に、好ましくは透明のものとし、窓部として使用し、使用者又は医療技術者が、自動注射器202が容器200内に存在するか否か、更に存在する場合に、薬剤が収容されているか否かを確認するのに利用できる。一般に、自動注射器202に対するラベル(薬剤を記載したもの)は、この窪み面302の位置に合致させて配置される。なぜならば、この表面302が窪んでいるから、掻き消されたり、容器200の内部が見えなくなったりする可能性が少ないからである。更に、自動注射器202上のラベルは、つや消しグリップ領域300以外に、容器200の部分から見えるようにしてもよい。
【0052】
容器200の上部のフランジ304は、針72を容器200内に収容させた後に不能になることを確実にするため、使用者がキャップ18をねじ込むことを必要とする位置を画成するものである。(一般に、容器200およびキャップ18の配置は、キャップ18を下まで十分にねじ込んだときに、この両者間に小さな通気用間隙が残るようにする)。
【0053】
容器200は更に、2つの回転防止用突起306を容器200の外面下方部分に互いに離間させて設けたものを含むものでもよい。この回転防止用突起306は容器200がその置かれた位置から約180°を超えて回転する可能性を少なくするものである。この容器200は覗き孔28を有していないが、その底面は丸くなっていて、それを下にして容器200を落下させたとしても、その衝撃が消散されるようにしている。
【0054】
上述のように、窪み面302は、複数の容器200を互いに取着させため、クリップを配置させる表面を提供している。このクリップは、本発明の他の容器10,100に対しても使用することができる。しかし、窪み面302は、クリップが容器200の長手方向に沿って摺動するのを実質的に防止させるものである。
【0055】
図18はS−クリップの斜視図であり、大略的に308として示されている。このクリップは本発明の容器10,100,200に対して使用することができる。図19,20はクリップ308の平面図および側面図を夫々示すものである。このクリップ308は2つのクリップ開口部310を有し、その夫々が1つの容器10,100,200を受理することができるように構成されている。この2つのクリップ開口部310は互いに反対に向けられ、各クリップ開口部310を画成するクリップ308の部分が中央ウェブ材料311により連結されている。このクリップ308は可撓性で、容器10,100,200の側面と係合し得る任意の適当な材料から形成することができる。
【0056】
図19に最も明瞭に示すように、各クリップ開口部310の内部を画成する係合面312は、容器10,100,200の曲率半径と異なる曲率半径を有する。この係合面312および容器10,100,200の曲率半径の違いは、この係合面312と、容器10,100,200との間の接触を小さくして、クリップ308を容器と係合させることを可能にするものである。この係合面312と、容器200との間の小さな接触は、クリップ308の係合面312が容器200の透明な窪み面302を引掻く可能性を減少させるものである。
【0057】
クリップ308の総体的“S”形は、緊急の場合に容器10,100,200をクリップ308から取り出すのに必要な力の大きさを、従来のダブルC−クリップの場合と比較して、より減少させるものとなる。更に、クリップ308の外面のエンボス面314はクリップ308をより掴み易くし、自動注射器50、202を使用した後に、クリップ308内の容器10,100,200を使用者が置換し易くするものである。なお、クリップ308は、それをベルト上に携帯させたり、衣服に固定したり、あるいは任意の表面又は物品に固定したりするための適当な取着用アッセンブリーを含むものであってもよい。
【0058】
以上、本発明を或る種の実施例に基づいて説明したが、これらの実施例は単なる例示であり限定を意図するものではない。添付した特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない範囲において、これらの実施例に対する種々の変更、改良も可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の1実施例による自動注射器用容器の斜視図である。
【図2】図1に示す自動注射器用容器の側面図であって、容器のキャップを除いた状態を示す図である。
【図3】キャップの斜視図である。
【図4】図1の容器の縦断面図であって、容器内に収納されている未使用の自動注射器を示す図である。
【図5A】図4に示すものと同様の容器の一部の縦断面図であって、使用前の容器内の自動注射器の投与側端部を示す図である。
【図5B】図5Aに示すものと同様の縦断面図であって、自動注射器が使用されて容器内に戻されたときの自動注射器の投与側端部を示す図である。
【図6A】図5Aに示す位置に自動注射器を置いたときの容器の外部を示す斜視図である。
【図6B】図5Bに示す使用済み位置に自動注射器を置いたときの容器の外部を示す斜視図であって、使用済み注射器表示フラッグが容器外から見えている状態を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例による容器の外観を示す側面図である。
【図8A】容器の一部を示す縦断面図であって、容器内にある未使用の自動注射器を示す図である。
【図8B】図8Aに示すものと同様の縦断面図であって、自動注射器が使用されて容器内に戻されたときの自動注射器の投与側端部を示す図である。
【図9A】本発明の他の実施例による容器の縦断面図であって、容器内に自動注射器が配置されている状態を示す図である。
【図9B】図9Aに示す容器の縦断面図であって、容器内に自動注射器がない状態を示す図である。
【図10A】使用前の自動注射器を収納した容器の側面図である。
【図10B】使用後の自動注射器を収納した容器の側面図である。
【図11】図9Aおよび9Bの容器内に設けられる針保持具の斜視図である。
【図12】図11の針保持具の上面を示す平面図である。
【図13】図11の針保持具の側面図である。
【図14】図9Aおよび9Bの容器内に設けられるシールドを分離した状態を示す斜視図である。
【図15】図14のシールドの一部切欠斜視図である。
【図16】図9Aおよび9Bの容器の一部切欠側面図であって、使用後の自動注射器が内部に設けられ、その針を不能にした状態を示す図である。
【図17】図9Aおよび9Bの容器の外観を示す斜視図である。
【図18】本発明の2つの容器を取着させるのに使用されるS−クリップの斜視図である。
【図19】図18のS−クリップの上面を示す平面図である。
【図20】図18のS−クリップの側面図である。
【符号の説明】
【0060】
10,100,200…容器、14,114,204…針受理端部、16…開口端、18…キャップ、26…底部、28…覗き孔、50,202…自動注射器、52…ハウジング、54…カートリッジ、60…プランジャー、62…安全キャップ、72…針、80…表示スリーブ、84…カバースリーブ、88…窓,308…クリップ、180,208…針保持具、188…透明窓、206…棚部、212…シールド、214…中央突起部、220…円錐部、222…フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)自動注射器であって:
ハウジングと;
このハウジング内に担持されたカートリッジアッセンブリーと;
該カートリッジアッセンブリーに操作自在に関連させた針アッセンブリーと;
該ハウジングにより担持された作動アッセンブリーであって、蓄積エネルギー源と、この蓄積エネルギー源により駆動される駆動アッセンブリーとを含み、この駆動アッセンブリーがカートリッジアッセンブリーおよび針アッセンブリーに対し操作自在に関連されていて、自動注射器を稼動させたとき、薬剤をカートリッジから排出させ、針アッセンブリーを通過させるものと;
(ii)自動注射器の使用前後において、自動注射器を受理するように構築、配置された容器であって、その少なくとも一部は、光透過性材料から形成されているものと;
(iii)前記ハウジングおよび容器の少なくとも一方に設けられ、使用後に自動注射器を容器内に置いたときに使用者が目視できるようにした表示部であって、自動注射器が既に使用されたことを示す指示部を指すようにしたものと;
を具備してなる自動注射器の包装体。
【請求項2】
前記表示部が前記容器を通して目視できる露出した針を含む請求項1記載の自動注射器の包装体。
【請求項3】
前記表示部が前記容器により担持された可動スリーブを含み、使用済みの自動注射器を該容器内に挿入したとき、この自動注射器の針により表示位置に移動するようになっている請求項1記載の自動注射器の包装体。
【請求項4】
前記ハウジングが光透過性材料から作られ、前記指示部が該ハウジング内に設けられた指示部材である請求項1記載の自動注射器の包装体。
【請求項5】
前記指示部材がスペーサーであって、自動注射器の稼動後に、前記ハウジング内の指示位置に移動するようにした請求項4記載の自動注射器の包装体。
【請求項6】
前記スペーサーが駆動アッセンブリー内に設けられている請求項5記載の自動注射器の包装体。
【請求項7】
前記スペーサーが明るく着色されている請求項5記載の自動注射器の包装体。
【請求項8】
前記容器内に配置された針係合保持構造であって、使用後の自動注射器の露出した針と係合させることにより、自動注射器を前記容器内に保持させるようにしたものを更に具備してなる請求項1記載の自動注射器の包装体。
【請求項9】
前記針係合保持構造が弾性部材を具備してなるものである請求項8記載の自動注射器の包装体。
【請求項10】
前記針保持具がその上下面に中央突起部を有する請求項9記載の自動注射器の包装体。
【請求項11】
前記針保持具が上部の中央突起部に下方に延びた案内面を有する請求項10記載の自動注射器の包装体。
【請求項12】
前記針保持具がその上下面に多数の突起を有する請求項11記載の自動注射器の包装体。
【請求項13】
前記自動注射器容器が前記容器の底部にシールドを更に含む請求項1記載の自動注射器の包装体。
【請求項14】
前記シールドが上向き延出部を更に含む請求項13記載の自動注射器の包装体。
【請求項15】
前記上向き延出部が、上向きに延びたほぼ円錐形のものである請求項14記載の自動注射器の包装体。
【請求項16】
前記シールドがフランジ部を更に有し、該シールドにより囲まれた容器本体領域から前記針が離脱するのを防止するようにした請求項13記載の自動注射器の包装体。
【請求項17】
前記容器本体の開口端部と係合するように構築、配置されたキャップを更に有し、該開口端部を閉塞するようにした請求項1記載の自動注射器の包装体。
【請求項18】
前記容器本体が、延出位置にある前記カートリッジの針および針アッセンブリーを備えた自動注射器の長さよりも長いものである請求項1記載の自動注射器の包装体。
【請求項19】
開口端と;
該開口端と反対側の閉塞端と;
該開口端と着脱自在に係合するように構築、配置され、この開口端を解放自在に閉塞するキャップと;
前記閉塞端に近い容器内に装着された針保持具と;
を具備してなる自動注射器用容器。
【請求項20】
前記針保持具と、前記容器の閉塞端との間の容器内に設けられたシールドを更に含む請求項19記載の容器。
【請求項21】
前記シールドが上向き延出部を更に含む請求項20記載の容器。
【請求項22】
前記上向き延出部が、上向きに延びたほぼ円錐形のものである請求項21記載の容器。
【請求項23】
前記シールドが金属から形成されている請求項20記載の容器。
【請求項24】
前記容器が光透過性材料から形成されている請求項19記載の容器。
【請求項25】
前記容器の一部内に装着された表示用スリーブであって、その下部が前記針保持具を含むものと;
該表示用スリーブと、前記容器の壁部との間に移動自在に装着されたカバースリーブであって、該カバースリーブの針接触面が該表示用スリーブの針保持具下方部分の下方に延出するものと;
を更に具備してなり;
自動注射器を前記容器内に戻したとき、前記自動注射器の延出した針が該表示用スリーブの針保持具下方部分を通って前進し、該カバースリーブの針接触面と接触し、該カバースリーブを強制的に移動させ、それにより該表示用スリーブが該容器を介して目視可能としたことを特徴とする請求項19記載の容器。
【請求項26】
前記容器の閉塞端が外方に丸みを帯びている請求項19記載の容器。
【請求項27】
前記容器の閉塞端に配置された覗き孔を更に具備してなり、該覗き孔の大きさが該閉塞端の少なくとも20%を占めるものである請求項26記載の容器。
【請求項28】
前記容器の外面に回転防止用突起を更に有する請求項19記載の容器。
【請求項29】
前記容器の開口端に隣接し、かつ、前記キャップの完全係合位置に相当する位置に設けられたフランジを更に有する請求項19記載の容器。
【請求項30】
通気孔が更に前記容器に設けられている請求項19記載の容器。
【請求項31】
前記針保持具が1又は2以上の通気孔を有する請求項19記載の容器。
【請求項32】
前記容器の外面に窪み部分が更に設けられている請求項19記載の容器。
【請求項33】
カートリッジと、蓄積エネルギー源を有する作動アッセンブリーに接続された針アッセンブリーとを含む自動注射器の使用方法であって:
自動注射器を未使用状態で容器内に収納する段階と;
自動注射器を使用し、針を延出させる段階と;
使用後、該自動注射器を該容器内に戻し、それにより、延出した針と、該容器内に設けられた保持構造との係合によって自動注射器を容器内に保持させる段階と;
を具備してなる使用方法。
【請求項34】
開口端と;
該開口端と反対側の閉塞端と;
該開口端と着脱自在に係合するように構築、配置され、この開口端を解放自在に閉塞するキャップと;
前記閉塞端に近い容器内に装着された針保持具であって、該針保持具が弾性材料から形成され、該弾性材料が、使用前に該容器内に収納された自動注射器をクッションで支えるのに十分で、かつ、延出した針により針入されたとき自動注射器の延出した針を保持するのに十分な特性を有するものと;
を具備してなる自動注射器用容器。
【請求項35】
耐貫通シールドを更に具備してなり、これが該針保持具と、該容器の閉塞端との間に配置されている請求項34記載の容器。
【請求項36】
請求項34の容器の外面に取着されるよう構築、配置されるクリップ。
【請求項37】
S-クリップからなる請求項36記載のクリップ。
【請求項38】
前記クリップの係合面が、前記容器の外面の曲率半径と異なる曲率半径を有する請求項36記載のクリップ。
【請求項39】
前記S-クリップが、一対の容器を受理するよう形成されている請求項37記載のクリップ。
【請求項40】
前記S-クリップが係合面を含み、該係合面の1つが前記容器の1つと係合し、該係合面の他方のものが前記容器の他方と係合し、更に、該クリップの各係合面が、前記容器の外面の曲率半径と異なる曲率半径を有する請求項38記載のクリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2007−510465(P2007−510465A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538443(P2006−538443)
【出願日】平成16年11月3日(2004.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/036497
【国際公開番号】WO2005/046765
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(506135453)メリディアン メディカル テクノロジーズ,インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】