薬剤送達デバイス
薬剤送達デバイスは、少なくとも１つのセグメントを有する表示手段（１５）を含み、ここでそのセグメントは第一の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１）及び第二の表示エレメント（１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）を含む。表示手段（１５）は第一の表示層（２１２）及び第二の表示層（２２２）を含む。第一の表示層（２１２）は第二の表示層（２２２）の上に配置され、ここで第一の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１）及び第二の表示エレメント（１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）の一方は第一の表示層（２１２）に位置し、そして第一の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１）及び第二の表示エレメント（１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）の他方は第二の表示層（２２２）に位置する。薬剤送達デバイスは更に、少なくとも１つのセグメントを選択的に活性化するように構成されたセグメント制御手段を含み、ここでそのセグメントの表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１、１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）は活性化され、そして状態情報又は操作情報を視覚的に表し、第一及び第二の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１、１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）は、同じ情報が両方の表示エレメントによって同時に表示されるように配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、セグメント表示手段を含む薬剤送達デバイスに関する。薬剤送達デバイスは医薬品の用量を投与するのに適している。
【背景技術】
【０００２】
特許文献１は、セグメントの部分の１つが機能しなくなったときに、他の部分をまだ見ることができるように、部分においてセグメントスリットを有する冗長表示文字を示す。
【０００３】
特許文献２は、第一の液晶ディスプレイ、及び第一の液晶ディスプレイの真下に配置された第二の液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）を有する表示を示す。両方の液晶ディスプレイとも同じ文字を同時に表示するために構成される。もし第一ＬＣＤのセグメントが機能しなくなったら、このセグメントの真下の第二ＬＣＤの対応するセグメントはまだ目に見える。
【０００４】
薬剤送達デバイスの表示手段は、注射されるべき医薬品の量である用量値を表示するのに適し得る。もし、薬剤の誤った用量が注射されると、表示エラーは致命的な結果を有し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】ＵＳ５，５５９，５２８号公報
【特許文献２】ＤＥ２０５９４２７号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の目的は、誤った用量が設定されそして注射されることを防ぐための手段を有する薬剤送達デバイスを供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
この目的のために、薬剤送達デバイスは、少なくとも１つのセグメントを有する表示手段を含み、ここでそのセグメントは第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントを含む。表示手段は第一の表示層及び第二の表示層を含む。第一の表示層は第二の表示層の上に配置され、ここで第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントの一方は第一の表示層に位置し、そして第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントの他方は第二の表示層に位置する。セグメント制御手段は、少なくとも１つのセグメントを選択的に活性化するように構成される。セグメントの表示エレメントは活性化され、そして状態情報又は操作情報を視覚的に表す。第一及び第二の表示エレメントは、同じ情報が両方の表示エレメントによって同時に表示されるように位置する。
【発明の効果】
【０００８】
もし第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントの１つが機能しなくなったら、同じ情報が目に見える。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
薬剤送達デバイスの１つの実施態様は、多くのセグメントを有する表示手段を含む。各セグメントは第一の表示エレメントを含み、そしてセグメントの少なくとも１つは第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントを含む。セグメント制御手段はセグメントのグループを選択的に活性化するために構成され、ここでセグメントのグループの表示エレメントは活性化され、そして状態情報又は操作情報を視覚的に表す。セグメントの活性化されたグループは、もし、第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントの１つが機能しなくなったら、同じ情報が目に見えるように配置された第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントを有する少なくとも１つのセグメントを含む。第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントの一方は第一の表示層に位置し、そして第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントの他方は第二の表示層に位置する。
【００１０】
情報はアルファベット文字、数字、記号及び／又は印によって特別に表示される。表示エレメントの１つが機能しなくなるときに、たとえ情報を表している表示されたアルファベット文字、数字、記号及び／又は印が少しばかり変化しても、第一及び第二の表示エレメントの配置故に、情報は未だ認識できる。
【００１１】
好ましい実施態様において、表示手段は、使用者にとって重要な情報である、選択された薬剤用量値を表示するために構成される。
【００１２】
好ましい実施態様において、薬剤送達デバイスは、セグメント制御手段に連結された検出デバイスを更に含む。検出デバイスは、表示手段によって表示することができる、薬剤送達デバイスのデバイス関連状態情報又は操作情報を検出するように構成される。
【００１３】
薬剤送達デバイスの１つの実施態様において、もし、活性化されたセグメントの他の表示エレメントが機能しなくなったら、セグメントの第一及び第二の表示エレメントの１つが目に見える。第一及び第二の表示エレメントは、もしそれらの１つが機能しなくなったら情報の損失がないように、複製される。
【００１４】
１つの実施態様において、第一及び第二の表示エレメントは、第一及び第二の表示エレメントが重ならないように配置される。
【００１５】
代替の実施態様において、第一及び第二の表示エレメントが少なくとも部分的に重なるように、第一及び第二の表示エレメントは配置される。１つの実施態様において、もし第一及び第二の表示エレメントが活性化されるならば、活性化されたセグメントの第一及び第二の表示エレメントの１つは目に見えない。１つの実施態様において、第一の表示エレメントは第二の表示エレメントを覆う。もし、第一及び第二の表示エレメントが、一方が他方の上に配置されると、１つの実施態様において、トップの情報エレメントのみが視覚的に認識できる。
【００１６】
１つの実施態様において、表示手段は、（例えば、第一の表示層に位置する）１つの表示エレメントのみを有するセグメントを含む。これらのセグメントは、送達デバイスの安全な使用に対してそれほど重要でない更なる情報を表示するために設計される。
【００１７】
１つの実施態様において、異なる層に位置する、セグメントの１つの第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントは、セグメントが活性化されたときに目に見える。
【００１８】
好ましい実施態様において、異なる層に位置する１つのセグメントの第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントは互いに隣接し、そして同じ方向に延びる。言い換えると、セグメントは少なくとも２つの表示エレメントに分割される。１つの実施態様において、表示エレメントは実質的に平行に配置される。別の実施態様において、セグメントの表示エレメントは、それらが共通軸に沿って整列されるように連続的に配置される。
【００１９】
代替の実施態様は、各々が第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントを含む多数のセグメントを有する。セグメントの第一の表示エレメントは各々、第一位置に置かれた第一の所定のパターンで配置された第一及び第二の表示エレメントを含み、そして、同じセグメントの第二の表示エレメントは第二位置に置かれた第二の所定のパターンで配置される。第一及び第二のパターンは好ましくは類似している。この場合、セグメントの１つの第一及び第二の表示エレメントはパターンの対応する位置に配置される。情報、特に文字、数字又は記号は二度表示される。
【００２０】
１つの実施態様において、表示手段は第一パターンの表示エレメントを表示するために構成された第一の表示、及び第二パターンの表示エレメントを表示するために構成された第二の表示を含む。
【００２１】
１つの実施態様において、セグメントは７−セグメントインジケータ（indicator）パターンとして配置される。セグメント制御手段は、数字０〜９を表すための７つのセグメントの少なくとも１つのグループを選択的に活性化するために構成される。７−セグメントインジケータパターンは薬剤用量値を表示するために適している。
【００２２】
好ましい実施態様において、表示手段はＬＣＤを含む。
【００２３】
更に好ましい実施態様において、薬剤送達デバイスはペン−型注射器である。
【００２４】
薬剤送達デバイスの設計は、インスリン送達デバイスとして一般的であるペン型注射器に限定されない。代替の実施態様、特に、電子薬剤送達デバイスは代替設計を有する。
【００２５】
薬剤送達デバイスは、正式な医療訓練を受けていない人、例えば、患者によって定期的な注射が行われる場合に適用される。これは、自己治療によって患者が自らの糖尿病の効果的な管理を実施することが可能な、糖尿病の治療分野において一般的である。
【００２６】
デバイスは、構造上堅固であり、そして部材の操作、使用者による理解及び要求される薬剤の用量の送達の点において使用し易くなければならない。特に、用量設定は容易かつ明瞭であらねばならない。糖尿病の場合、多くの使用者が、用量設定表示を容易に読み取るために要求される視力を損傷している可能性がある。
【００２７】
薬剤送達デバイスは、例えば、インスリン、ヒト成長ホルモン、ヘパリン、特に、低分子量ヘパリン、それらの類似体及びそれらの誘導体のような、液体又はゲル状薬剤を送達するために使用することができる。
【００２８】
１つの実施態様において、薬剤は針によって注射される。薬剤送達デバイスの代替の実施態様は針無しである。
【００２９】
薬剤の幾つかの用量を注射するために使用される薬剤送達デバイスは、通常、用量の注射前に取り付けられ、そして注射の実施後に取り外される取り外し可能なニードルユニットを有する。薬剤送達デバイスの代替の実施態様は、患者の表皮を貫通させるために、注射液体の高圧の狭いジェットが使用されるジェット注射器として構成される。
【００３０】
他の特徴は、添付図面と併せて考慮するとき、以下の詳細な記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】ペン−型注射器である薬剤送達デバイスの実施態様を示す図である。
【図２】２つの最新式７−セグメントインジケータパターンを含む表示手段の実施態様の詳細領域を示す図である。
【図３Ａ】２つの表示層を有する、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）の実施態様の分解組立図を示す。
【図３Ｂ】図３Ａにおいて示された実施態様の断面を示す図である。
【図４Ａ】２つの表示層を有する、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）の実施態様の分解組立図を示す。
【図４Ｂ】図４Ａにおいて示された実施態様の断面を示す図である。
【図５】表示手段の実施態様に関して、用量値を表示するのに適した表示エレメントを有する多数のセグメントを含むインジケータパターンを示す図である。
【図６】用量値、単位記号及び状態表示記号を表示するための、表示エレメントを有する多数のセグメントを含むインジケータパターンを有する表示手段の実施態様を示す図である。
【図７】表示手段の実施態様に関して、用量値を表示するのに適した表示エレメントを有する多数のセグメントを含むインジケータパターンを示す図である。
【図８】表示手段の実施態様に関して、用量値を表示するのに適した冗長インジケータパターンの実施態様を示す図である。
【００３２】
図１はペン−型注射器である薬剤送達デバイスの実施態様を示す。薬剤送達デバイスはハウジング１１を含む。ハウジング１１は、薬剤送達デバイスの安全で、正確でそして快適な取り扱いができるように設計され得る。ハウジング１１は、環状又は非管状の形の単体の又はマルチパートの部材であり得る。
【００３３】
ハウジング１１は、交換式又は非交換式であってよいカートリッジ１２を収容する機能を有する。患者の体内に注射することができる液状医薬品を含有するカートリッジ１２はハウジング１１の遠位端近くに配列される。カートリッジ１２は、液状医薬品を充填したシリンダー、及びシリンダー内部を可動のピストン１４を含む。ハウジング１１の部分を含むカートリッジの遠位端には、医薬品がカートリッジ１２から投与されることを可能にするのに適切な（示されていない）針組立品を取り付けるように設計された遠位のねじが切られた領域１８が備わっている。ピストン１４が遠位方向内に移動すると、医薬品が投与される。
【００３４】
この実施態様において、ハウジング１１は、ハウジング１１内に挿入されたカートリッジ１２を、通して見ることができる窓１３を含む。シリンダー中のピストン１４の位置によって、カートリッジ１２中の医薬品の残量が表示される。
【００３５】
薬剤送達デバイスは、ハウジング１１の近位端近くに配置された電子表示手段１５を含む。表示手段１５は状態情報又は操作情報を表示するように構成される。状態情報は投薬デバイスの状態、例えばデバイスの操作に必要な電池の充電、又はカートリッジ１２中の医薬品の残量に関する。操作情報は、例えば設定される用量値又は用量の設定若しくは用量の送達に関するインストラクション情報を含む。ハウジング１１の内部に位置する（示されていない）検出デバイスはセグメント制御手段に連結される。検出デバイスは、薬剤送達デバイスのデバイスに関する状態情報又は操作情報を検出するように構成される。１つの実施態様において、表示手段１５はＬＣＤを含む。
【００３６】
薬剤送達デバイスは、患者が注射したい用量値を調整するように構成された入力手段を含む。１つの実施態様において、入力手段は更なる情報、例えば時間及びデータ情報を入力するのに適している。図１に示された実施態様において、入力手段はボタン１６Ａ、１６Ｂとして形成される。代替の実施態様において、入力手段は回転ノブ（示されていない）として設計される。薬剤送達デバイスは更に投与ボタン１７を含む。１つの実施態様において、投与ボタンはハウジングの近位端に配置される。ハウジング１１中にある投与手段（示されていない）は、投与ボタン１７が押されたら、調整された用量が投与されるように、入力手段、投与ボタン１７及びピストン１４に連動される。投与手段の１つの実施態様は、投与ボタン１７が押されるときに、医薬品の選択された量が投与されるように、選択された用量値を読み又は受け、そしてピストンを遠位方向に動かすように構成された電子機械デバイスを含む。
【００３７】
用量を設定するために、使用者は用量値を入力する。１つの実施態様において、用量値はボタン１６Ａ、１６Ｂによって調整される。ボタン１６Ａ、１６Ｂの一方を押すと、用量値が増大し、そして他方を押すと、用量値が減少する。実際に選択された用量値は表示手段１５によって表示される。投与ボタン１７を押すことにより、用量が投与される。
【００３８】
別の実施態様において、用量値は事前設定され、そして情報目的の表示手段によって表示されるだけである。
【００３９】
図２は表示手段の実施態様の詳細領域を示す。薬剤送達デバイスのＬＣＤ２０の詳細な領域は、２つの最新式の７−セグメントインジケータパターン１、２を含む。各インジケータパターンは数字０〜９を表すのに適している。
【００４０】
表示は各々が７つの表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ及び２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇを含む第一の７−セグメントインジケータパターン１、及び第二の７−セグメントインジケータパターン２を含む。セグメント制御手段（示されていない）は、表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ及び２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇの各々を個別に活性化するように構成される。それらはアラビア数字の単純化された表示を作りだすために組み合わすことができる。１つの実施態様において、７つの表示エレメントは、斜めの又はイタリックの配置で配置され、それによって読みやすさが改善される。
【００４１】
数字０〜９の各々は、２つの又はそれ以上の異なる活性化された表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ又は２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇによって表され得る。７つの表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ又は２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇは、最上部に１つの水平表示エレメント１Ａ又は２Ａを、そして最下部に１つの水平表示エレメント１Ｄ又は２Ｄを有する各々の側に、２つの垂直表示エレメント１Ｆ、１Ｅ；１Ｂ、１Ｃ又は２Ｆ、２Ｅ；２Ｂ、２Ｃによって形成される矩形として配置される。加えて、７番目の表示エレメント１Ｇ又は２Ｇは矩形を水平に二等分する。以下においては、この配置パターンは７−セグメントインジケータパターンと称される。更なる実施態様において、完全な英数字を表示するのに適している１４−セグメント表示及び１６−セグメント表示もある。
【００４２】
ＬＣＤの１つの実施態様において、ＬＣＤの各々の表示エレメントは、２つの透明電極と２つの偏光フィルターの間に整列された分子の層を含む。偏光フィルターの伝達軸は互いに直角をなしている。偏光フィルターの間に液晶が存在しないと、第一フィルターを通過する光は第二の交差している偏光子によってブロックされるであろう。
【００４３】
電極の表面は液晶材料と接触している。液晶分子は特定の方向に整列される。
【００４４】
液晶分子の配向は表面での整列によって定められる。捩じられたネマチックデバイスにおいて、２つの電極での表面整列方向は互いに直角をなっていて、従って分子が自身を螺旋構造に配置する又は捩じれる。液晶材料は複屈折性であるので、１つの偏光フィルターを通過する光は、それが液晶層を通過するにつれて、液晶螺旋によって回転させられる。このように、光は第二偏光フィルターを通過する。入射光の半分は第一偏光フィルターによって吸収されるが、さもなければ全体の組立品は適度に透明である。
【００４５】
電極を横断して電圧がかけられると、液晶分子を電場と平行に整列させるためにトルクが作用し、そのことによって螺旋構造がゆがめられる。これによって入射光の偏光の回転が減少し、そしてデバイスは灰色に見える。もしかけられた電圧が十分に大きければ、層の中心にある液晶分子はほとんど完全に捩じりを戻され、そして入射光の偏光は回転されない。次いで、この光は主として第二フィルターに直角に偏光されるであろうし、そしてそのようにしてブロックされ、そしてセグメントは黒く見えるであろう。
【００４６】
従来のＬＣＤは二層の透明ガラス、又はその間に１つの表示層のみを有する別の透明な誘電材料で作られている。
【００４７】
（示されていない）セグメント制御手段は、表示エレメントのグループが目に見えるように、表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ又は２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇを個々に活性化するように構成される。例えば、数字「８８」は、全ての表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ又は２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇを活性化することによって表示される。数字「４２」は、表示エレメント１Ｆ、１Ｇ、１Ｂ、１Ｃ、２Ａ、２Ｂ、２Ｇ、２Ｅ、２Ｄを活性化することによって表示される。
【００４８】
表示エレメントの故障が原因で、誤った表示によって誤って導かれる使用者が正しくない用量の選択に導かれるというリスクが常にある。例えば、全ての表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ又は２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇを活性化することによって表示される用量値「８８」は、もし表示エレメント１Ｂが機能しなければ、単一エレメントの誤りを有して「６８」として表示される恐れがある。このように、使用者は著しい過剰用量を受ける恐れがある。
【００４９】
図３Ａは２つの表示層を有する、ＬＣＤの実施態様の分解図を示す。図３Ｂは図３Ａにおいて示された実施態様の断面を示す。
【００５０】
１つの表示層を含む従来の表示とは対照的に、図３Ａ及び３Ｂにおいて示された実施態様は２つの表示層を含む。
【００５１】
表示は第一ＬＣＤ２１及び第二ＬＣＤ２２を含む。第一ＬＣＤ２１は、第一の上部ガラス２１１又は別の透明誘電材料のシート、第一の下部ガラス２１３又は別の透明誘電材料のシート、及び第一の上部ガラス２１１と第一の下部ガラス２１３の間に挟まれた第一の表示面２１２を含む。第二ＬＣＤ２２は、第二の上部ガラス２２１又は別の透明誘電材料のシート、第二の下部ガラス２２３又は別の透明誘電材料のシート、及び第二の上部ガラス２２１と第二の下部ガラス２２３の間に挟まれた第二の表示面２２２を含む。第一ＬＣＤ２１は第二ＬＣＤ２２の上に配置される。
【００５２】
第一の表示面２１２は多くの情報を表示するように構成される。それは、用量値、警報記号５及び電池６の低い充電を表示する記号を表示するために、第一の７−セグメントインジケータパターン１及び第二の７−セグメントインジケータパターン２を含む。それは他の状態及び操作の情報を表示するために、時間及び更なる記号を表示するために、更なる７−セグメントインジケータパターン７を含む。
【００５３】
第二の表示面２２２は、薬剤送達デバイスの安全な操作にとって重大なものと考えられ得る情報のみを表示するために構成される。第二の表示面２２２は、用量値、警報記号５５及び電池６６の低い充電を表示する記号を表示するために、第三７−セグメントインジケータパターン３及び第四７−セグメントインジケータパターン４を含む。
【００５４】
第二の表示面２２２中の表示エレメントは第一の表示面２１２中の表示エレメントのグループに対して重複している。同じ形を有する重複した表示エレメントは、第一の表示面２１２で配置された類似の表示エレメントの真下に配置される。
【００５５】
冗長エレメントは同じセグメントに割り当てられる。例えば、セグメントの１つは、第一の表示面２１２に置かれた警報記号５、及び第二の表示面２２２に置かれた警報記号５５を含む。別のセグメントは第二のインジケータパターン２の最上垂直表示エレメント２Ａ１及び第四インジケータパターン４の最上垂直表示エレメント２Ａ２を含む。
【００５６】
セグメントが活性化されると、このセグメントに割り当てられた表示エレメントが活性化される。もし、第一の表示面に位置する表示エレメントの１つが活性化されると、この表示エレメントの冗長表示エレメントが同時に活性化される。
【００５７】
（示されていない）セグメント制御手段は、表示されるべき情報に依存してセグメントを活性化するように構成される。「活性化する」は、セグメントが灰色又は黒に見えるように、セグメントに割り振られた表示エレメントの半透明性が低減することを意味する。一方が他方に亘って配置される冗長表示エレメント、例えば、警報記号５及び５５の場合、冗長配置が半透明性を二倍も低減するので、見ることができる表示エレメントは、冗長表示エレメントを持たない表示エレメントよりももっと暗くなり得る。
【００５８】
もし、第一の表示面２１２に位置する活性化された冗長表示エレメントが機能しなくなったら、第二の表示面２２２に位置する冗長表示エレメントが依然として視覚的に認識できる。
【００５９】
図４Ａは２つの表示層を有するＬＣＤの実施態様の分解図を示す。図４Ｂは４Ａにおいて示された実施態様の断面を示す。
【００６０】
以下において、図３Ａ及び図３Ｂにおいて示された実施態様と図４Ａ及び４Ｂにおいて示された実施態様の間の違いのみが述べられる。
【００６１】
ＬＣＤは上部ガラス２１１又は別の透明誘電材料のシート、第一の表示面２１２、透明分離層２３０、第二の表示面２２２及び下部ガラス２１３又は別の透明誘電材料のシートを含む。
【００６２】
第一の表示面２１２は上部ガラス２１１と分離層２３０の間に挟まれている。第二の表示面２２２は分離層２３０と下部ガラス２１３の間に挟まれている。
【００６３】
図３Ａ及び３Ｂにおいて示された実施態様において供されるような、第一及び第二の表示面の間に置かれる二層のガラス層の代わりに、表示面２１２と２２２の間に１つだけの分離層２３０が供される。
【００６４】
図５は、表示手段の実施態様についての、用量値を表示するのに適する表示エレメントを有する多数のセグメントを含む２つの７−セグメントインジケータパターン１、２の実施態様を示す。
【００６５】
各インジケータパターン１、２は１４の表示エレメント１Ａ１、１Ａ２、１Ｂ１、１Ｂ２、１Ｃ１、１Ｃ２、１Ｄ１、１Ｄ２、１Ｅ１、１Ｅ２、１Ｆ１、１Ｆ２、１Ｇ１、１Ｇ２及び２Ａ１、２Ａ２、２Ｂ１、２Ｂ２、２Ｃ１、２Ｃ２、２Ｄ１、２Ｄ２、２Ｅ１、２Ｅ２、２Ｆ１、２Ｆ２、２Ｇ１、２Ｇ２を含む。各々の場合、表示エレメントの２つは互いに一般的に平行に延びている一対の表示エレメントとして配置される。各インジケータパターン１、２は、最上部の１つの水平対１Ａ又は２Ａ及び最下部の１つの水平対１Ｄ又は２Ｄを有して各々の辺に、２つの垂直対１Ｆ、１Ｅ；１Ｂ、１Ｃ又は２Ｆ、２Ｅ；２Ｂ、２Ｃによって各々の場合に形成された矩形として配置された表示エレメントの７つの対１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ及び２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇを含む。加えて、各々の場合、７番目の対１Ｇ又は２Ｇは矩形を水平に二等分する。
【００６６】
各表示パターン１、２は、各々が一対の表示エレメントを含む７つのセグメントを含む。１つの実施態様において、表示エレメントの少なくとも１つが第一の表示層に位置し、そして別の表示エレメントが別の表示層に位置し、例えば、第一の表示エレメントが第一の表示エレメント層に位置し、そして第二の表示エレメントが第二の表示層に位置する。１つの実施態様において、セグメントの第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントは、それらが少なくとも部分的に重なるように配置される。或いは、セグメントの第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントは重ならない。
【００６７】
通常、セグメントの各々１つの表示エレメントは、少なくとも故障によって表示エレメントの１つが不適切に操作される結果とならない限り常に活性であって、又は同時に活性でない。もし、活性化されたセグメントの１つの表示エレメントの１つが機能しなくなったら、セグメントの他の表示エレメントが依然として視覚的に認識可能である。２つの目に見える表示エレメントを含む他の活性化されたセグメントと比べて、そのセグメントはより狭く見える。しかし、用量値は依然として読み取れる。
【００６８】
図６は用量値、単位記号８及び状態表示記号９を表示するための、インジケータパターン１、２を有するＬＣＤ２０の実施態様を示す。
【００６９】
各インジケータパターン１、２は７つのセグメントを含む。セグメントの幾つかは１つの表示エレメント１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆのみを含む。他のセグメントは、表示エレメントの対として配置された２つの表示エレメント１Ａ１、１Ａ２；１Ｂ１、１Ｂ２；１Ｇ１、１Ｇ２を含み、ここで各対の２つの表示エレメントは一般に、互いに平行に延びている。各表示パターン１、２のセグメントは７−セグメントインジケータパターンで配置される。
【００７０】
７−セグメントインジケータパターンの幾つかのセグメントのみが分割される。その故障が誤った数字を表示することを引き起こすセグメントが分割される。以下の例はこの態様を説明する。数字７は活性化されたセグメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ（図２に使用された参照番号を参照）によって表される。もし、セグメント１Ａが機能しなくなったら、他のセグメント１Ｂ及び１Ｃが数字１を表す。数字８は活性化されたセグメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇによって表される。もし、セグメント１Ｂが機能しなくなったら、他のセグメント１Ｂ及び１Ｃが数字６を表す。もし、セグメント１Ｇが機能しなくなったら、他のセグメントが数字０を表す。
【００７１】
（示されていない）セグメント制御手段は、これらのセグメントの表示エレメントが視覚的に認識可能なように、セグメントの幾つかを活性化するように供される。セグメント制御手段は、各セグメントの表示エレメントを活性化するための別の制御系列を含む。もし、セグメントの２つの表示エレメントの１つが機能しなくなったら、又は対応する制御系列に故障があったら、他の表示エレメントは活性化された状態に留まる。このように、単独の故障はセグメントが完全になくなることには繋がらない。
【００７２】
用量値を表示するインジケータパターンのみが冗長表示エレメントを有する。用量値は、注射される医薬品の量である。もし、薬剤の誤った用量が注射されると、表示エラーは致命的な結果を有し得る。冗長表示エレメントは、表示エラーによっておそらく引き起こされる注射エラーを防ぐであろう。単位記号インジケータ８及び状態インジケータ９は冗長表示エレメントを有しない。これらのインジケータは致命的な注射エラーを引き起こし得ない情報を表示する。
【００７３】
図７は１つの実施態様の表示手段について、用量を表示するのに適するインジケータパターン１、２の実施態様を示す。
【００７４】
各表示パターン１、２は７対の表示エレメントを含む。各対は、互いにに隣接して同じ方向に延びているがスペースを開けられた２つの表示エレメントを含む。例えば、対１Ａの１つは表示エレメント１Ａ１及び１Ａ２を含む。別の対１Ｄは表示エレメント１Ｄ１及び１Ｄ２を含む。
【００７５】
対は、２つの垂直対１Ｆ、１Ｅ；１Ｂ、１Ｃによって、最上部の１つの水平対１Ａ、及び最下部の１つの水平対１Ｄを有する各辺に形成された矩形として配置される。加えて、７番目の対１Ｇは矩形を水平に二等分する。
【００７６】
図５及び６に示されるように、各々が、互いに平行に延びている２つの表示エレメントを有する表示エレメントの対の代わりに、冗長表示エレメントのこれらの対は、連続して配置される２つの表示エレメントを各々有する。対を形成する２つの表示エレメントは、それらが一緒にセグメントを画成するように、端から端まで配置される。各セグメントの２つの表示エレメントは、それらが共通軸２５０に沿って整列されるように、連続的に配置される。表示エレメント２Ａ１及び２Ａ２は共通の水平軸２５０に沿って整列される。表示エレメント２Ｃ１及び２Ｃ２は、例えば、共通の垂直軸２５０に沿って整列される。
【００７７】
１つの実施態様において、表示エレメントの少なくとも１つが第一の表示層に位置し、そして別の表示エレメントが別の表示層に位置し、例えば、第一の表示エレメントが第一の表示エレメント層に位置し、そして第二の表示エレメントが第二の表示層に位置する。１つの実施態様において、セグメントの第一及び第二の表示エレメントは、それらが少なくとも部分的に重なるように配置される。或いは、セグメントの第一及び第二の表示エレメントは重ならない。
【００７８】
もし、１つの活性化されたセグメントの表示エレメントの１つが機能しなくなったら、他のエレメントは依然として視覚的に認識可能である。表示エレメントの１つの故障の場合、１つのセグメントの部分は目に見えないが、表示された用量値は依然として認識可能である。
【００７９】
図８は１つの実施態様の表示手段について、用量を表示するのに適する冗長
インジケータパターンの実施態様を示す。
【００８０】
表示エレメントは、第一の７−セグメントインジケータパターン１で配置された７つの表示エレメント１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１、及び第二の７−セグメントインジケータパターン２で配置された異なる７つの表示エレメント２Ａ１、２Ｂ１、２Ｃ１、２Ｄ１、２Ｅ１、２Ｆ１、２Ｇ１を有する第一の用量インジケータパターン１、２を含む。第二の用量インジケータパターン３、４は、第三の７−セグメントインジケータパターン３で配置された７つの表示エレメント１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２、及び第四の７−セグメントインジケータパターン４で配置された更なる７つの表示エレメント２Ａ２、２Ｂ２、２Ｃ２、２Ｄ２、２Ｅ２、２Ｆ２、２Ｇ２を有する。
【００８１】
セグメントは、第一パターン１の表示エレメントの１つ、及び第三パターン３の表示エレメントの１つを含む。更に、セグメントは、第二パターン２の表示エレメントの１つ、及び第四パターン４の表示エレメントの１つを含む。セグメントの表示エレメントはそれらのそれぞれのパターン中の同じ位置に配置される。例えば、１つのセグメントは、第一パターン１中の表示エレメント１Ａ１、及び第三パターン３中の表示エレメント１Ａ２を含む。別のセグメントは、第二パターン２中の表示エレメント２Ｅ１、及び第四パターン４中の表示エレメント２Ｅ２を含む。
【００８２】
１つの実施態様において、表示エレメントの少なくとも１つが第一の表示層に位置し、そして別の表示エレメントが別の表示層に位置し、例えば、第一用量パターン１、２が第一の表示エレメント層に位置し、そして第二用量パターン３、４が第二の表示層に位置する。
【００８３】
（示されていない）セグメント制御手段は、セグメントの表示エレメントが視覚的に認識可能なように、セグメントの幾つかを又は全てを活性化するように構成される。言い換えれば、第一用量インジケータパターン１、２及び第二用量インジケータパターン３、４における同じ位置に配置された表示エレメントは視覚的に認識可能である。セグメントの２つの表示エレメントは、第二用量インジケータパターンにおいて表示された、例えば、用量値などの冗長数が、第一用量インジケータパターンにおいて表示された数字と同じであるように、常に活性であるか又は同時に不活性である。
【００８４】
もし故障によってセグメントの表示要の１つが不適切に操作される結果となるならば、第一及び第二の用量インジケータパターンによって表示された文字は異なる。表示手段を使用する患者は、第一及び第二の用量インジケータパターンによって表示された文字が同じであるかどうかをチェックする。もし、それらが同じでないならば、患者はデバイスの誤作動を認識することができる。患者は、少なくとも１つの表示エレメントが機能していないことを認識する。もし、それらが１つの目に見える表示エレメントによってのみ異なるならば、正確な用量値は、より目に見える表示エレメントを有する値である。例えば、もし、第一の用量インジケータパターン１、２が、陰影がつけられた表示エレメント１Ａ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１、２Ａ１、２Ｂ１、２Ｃ１、２Ｄ１、２Ｅ１、２Ｆ１、２Ｇ１によって表示されたように、「６８」を表示し、そして第二の用量インジケータパターン３、４が、陰影がつけられた表示エレメント１Ａ２、１Ｃ２、１Ｂ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２、２Ａ２、２Ｂ２、２Ｃ２、２Ｄ２、２Ｅ２、２Ｆ２、２Ｇ２によって表示されたように、「８８」を表示するならば、使用者は、「８８」がより活性化された表示エレメントを有し、そして正確な用量値は「８８」であると認識する。この認識は、セグメントの１つの表示エレメントが機能しなくなるという仮定に基づいている。
【００８５】
第一の用量インジケータパターン１、２における第一位置に位置付けられた第一の表示エレメント、及び第二の用量インジケータパターン３、４における別の位置に位置付けられた第二の表示エレメントが機能しなくなるという稀な場合、表示される文字は、少なくとも第一及び第二の表示エレメントの１つにおいて目に見える表示エレメントから構成される文字である。言い換えると、第一の用量インジケータパターン１、２及び第二の用量インジケータパターン３、４のどちらも正確な情報を示さない。使用者はデバイスに何か間違いが起きていると認識し、従って使用者はそれを使用しないであろう。
【００８６】
この実施態様において、表示された情報、例えば、用量値は、表示の第一場所上及び表示の第二場所上で同時に目に見える。代替の実施態様において、用量値は別々である薬剤送達デバイスの第一及び第二の表示上に表示される。
【００８７】
１つの実施態様において、用量値は少なくとも三回表示される。
【００８８】
本発明は７−セグメントインジケータパターンに限定されず、如何なる記号にも適している。薬剤送達デバイスの安全な取り扱いのために重要であり得る、状態表示情報及び／又は操作情報を表示する如何なる記号も、冗長表示エレメントを有するセグメントによって表示することができる。
【００８９】
他の実行例は本特許請求の範囲の範囲内にある。本明細書に具体的に述べられていない実行例を形成するために、異なる実施態様のエレメントが組合せられ得る。
【符号の説明】
【００９０】
１、２、３、４ インジケータパターン
１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ
２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇ
１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１
２Ａ１、２Ｂ１、２Ｃ１、２Ｄ１、２Ｅ１、２Ｆ１、２Ｇ１
１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２
２Ａ２、２Ｂ２、２Ｃ２、２Ｄ２、２Ｅ２、２Ｆ２、２Ｇ２ 表示エレメント
５、５５ 警告記号
６、６６ 電池の低い充電を表示する記号７ インジケータ
８ 単位記号
９ 状態表示記号
１１ ハウジング
１２ カートリッジ
１３ 窓
１４ ピストン
１６Ａ、１６Ｂ ボタン
１７ 投与ボタン
１８ 遠位でのねじがきられた領域２０、２１、２２ ＬＣＤ
２１１、２２１ 上部ガラス
２１３、２２３ 下部ガラス
２１２、２２２ 表示面
２３０ 分離層
２５０ 軸
【技術分野】
【０００１】
本発明は、セグメント表示手段を含む薬剤送達デバイスに関する。薬剤送達デバイスは医薬品の用量を投与するのに適している。
【背景技術】
【０００２】
特許文献１は、セグメントの部分の１つが機能しなくなったときに、他の部分をまだ見ることができるように、部分においてセグメントスリットを有する冗長表示文字を示す。
【０００３】
特許文献２は、第一の液晶ディスプレイ、及び第一の液晶ディスプレイの真下に配置された第二の液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）を有する表示を示す。両方の液晶ディスプレイとも同じ文字を同時に表示するために構成される。もし第一ＬＣＤのセグメントが機能しなくなったら、このセグメントの真下の第二ＬＣＤの対応するセグメントはまだ目に見える。
【０００４】
薬剤送達デバイスの表示手段は、注射されるべき医薬品の量である用量値を表示するのに適し得る。もし、薬剤の誤った用量が注射されると、表示エラーは致命的な結果を有し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】ＵＳ５，５５９，５２８号公報
【特許文献２】ＤＥ２０５９４２７号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の目的は、誤った用量が設定されそして注射されることを防ぐための手段を有する薬剤送達デバイスを供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
この目的のために、薬剤送達デバイスは、少なくとも１つのセグメントを有する表示手段を含み、ここでそのセグメントは第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントを含む。表示手段は第一の表示層及び第二の表示層を含む。第一の表示層は第二の表示層の上に配置され、ここで第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントの一方は第一の表示層に位置し、そして第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントの他方は第二の表示層に位置する。セグメント制御手段は、少なくとも１つのセグメントを選択的に活性化するように構成される。セグメントの表示エレメントは活性化され、そして状態情報又は操作情報を視覚的に表す。第一及び第二の表示エレメントは、同じ情報が両方の表示エレメントによって同時に表示されるように位置する。
【発明の効果】
【０００８】
もし第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントの１つが機能しなくなったら、同じ情報が目に見える。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
薬剤送達デバイスの１つの実施態様は、多くのセグメントを有する表示手段を含む。各セグメントは第一の表示エレメントを含み、そしてセグメントの少なくとも１つは第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントを含む。セグメント制御手段はセグメントのグループを選択的に活性化するために構成され、ここでセグメントのグループの表示エレメントは活性化され、そして状態情報又は操作情報を視覚的に表す。セグメントの活性化されたグループは、もし、第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントの１つが機能しなくなったら、同じ情報が目に見えるように配置された第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントを有する少なくとも１つのセグメントを含む。第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントの一方は第一の表示層に位置し、そして第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントの他方は第二の表示層に位置する。
【００１０】
情報はアルファベット文字、数字、記号及び／又は印によって特別に表示される。表示エレメントの１つが機能しなくなるときに、たとえ情報を表している表示されたアルファベット文字、数字、記号及び／又は印が少しばかり変化しても、第一及び第二の表示エレメントの配置故に、情報は未だ認識できる。
【００１１】
好ましい実施態様において、表示手段は、使用者にとって重要な情報である、選択された薬剤用量値を表示するために構成される。
【００１２】
好ましい実施態様において、薬剤送達デバイスは、セグメント制御手段に連結された検出デバイスを更に含む。検出デバイスは、表示手段によって表示することができる、薬剤送達デバイスのデバイス関連状態情報又は操作情報を検出するように構成される。
【００１３】
薬剤送達デバイスの１つの実施態様において、もし、活性化されたセグメントの他の表示エレメントが機能しなくなったら、セグメントの第一及び第二の表示エレメントの１つが目に見える。第一及び第二の表示エレメントは、もしそれらの１つが機能しなくなったら情報の損失がないように、複製される。
【００１４】
１つの実施態様において、第一及び第二の表示エレメントは、第一及び第二の表示エレメントが重ならないように配置される。
【００１５】
代替の実施態様において、第一及び第二の表示エレメントが少なくとも部分的に重なるように、第一及び第二の表示エレメントは配置される。１つの実施態様において、もし第一及び第二の表示エレメントが活性化されるならば、活性化されたセグメントの第一及び第二の表示エレメントの１つは目に見えない。１つの実施態様において、第一の表示エレメントは第二の表示エレメントを覆う。もし、第一及び第二の表示エレメントが、一方が他方の上に配置されると、１つの実施態様において、トップの情報エレメントのみが視覚的に認識できる。
【００１６】
１つの実施態様において、表示手段は、（例えば、第一の表示層に位置する）１つの表示エレメントのみを有するセグメントを含む。これらのセグメントは、送達デバイスの安全な使用に対してそれほど重要でない更なる情報を表示するために設計される。
【００１７】
１つの実施態様において、異なる層に位置する、セグメントの１つの第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントは、セグメントが活性化されたときに目に見える。
【００１８】
好ましい実施態様において、異なる層に位置する１つのセグメントの第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントは互いに隣接し、そして同じ方向に延びる。言い換えると、セグメントは少なくとも２つの表示エレメントに分割される。１つの実施態様において、表示エレメントは実質的に平行に配置される。別の実施態様において、セグメントの表示エレメントは、それらが共通軸に沿って整列されるように連続的に配置される。
【００１９】
代替の実施態様は、各々が第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントを含む多数のセグメントを有する。セグメントの第一の表示エレメントは各々、第一位置に置かれた第一の所定のパターンで配置された第一及び第二の表示エレメントを含み、そして、同じセグメントの第二の表示エレメントは第二位置に置かれた第二の所定のパターンで配置される。第一及び第二のパターンは好ましくは類似している。この場合、セグメントの１つの第一及び第二の表示エレメントはパターンの対応する位置に配置される。情報、特に文字、数字又は記号は二度表示される。
【００２０】
１つの実施態様において、表示手段は第一パターンの表示エレメントを表示するために構成された第一の表示、及び第二パターンの表示エレメントを表示するために構成された第二の表示を含む。
【００２１】
１つの実施態様において、セグメントは７−セグメントインジケータ（indicator）パターンとして配置される。セグメント制御手段は、数字０〜９を表すための７つのセグメントの少なくとも１つのグループを選択的に活性化するために構成される。７−セグメントインジケータパターンは薬剤用量値を表示するために適している。
【００２２】
好ましい実施態様において、表示手段はＬＣＤを含む。
【００２３】
更に好ましい実施態様において、薬剤送達デバイスはペン−型注射器である。
【００２４】
薬剤送達デバイスの設計は、インスリン送達デバイスとして一般的であるペン型注射器に限定されない。代替の実施態様、特に、電子薬剤送達デバイスは代替設計を有する。
【００２５】
薬剤送達デバイスは、正式な医療訓練を受けていない人、例えば、患者によって定期的な注射が行われる場合に適用される。これは、自己治療によって患者が自らの糖尿病の効果的な管理を実施することが可能な、糖尿病の治療分野において一般的である。
【００２６】
デバイスは、構造上堅固であり、そして部材の操作、使用者による理解及び要求される薬剤の用量の送達の点において使用し易くなければならない。特に、用量設定は容易かつ明瞭であらねばならない。糖尿病の場合、多くの使用者が、用量設定表示を容易に読み取るために要求される視力を損傷している可能性がある。
【００２７】
薬剤送達デバイスは、例えば、インスリン、ヒト成長ホルモン、ヘパリン、特に、低分子量ヘパリン、それらの類似体及びそれらの誘導体のような、液体又はゲル状薬剤を送達するために使用することができる。
【００２８】
１つの実施態様において、薬剤は針によって注射される。薬剤送達デバイスの代替の実施態様は針無しである。
【００２９】
薬剤の幾つかの用量を注射するために使用される薬剤送達デバイスは、通常、用量の注射前に取り付けられ、そして注射の実施後に取り外される取り外し可能なニードルユニットを有する。薬剤送達デバイスの代替の実施態様は、患者の表皮を貫通させるために、注射液体の高圧の狭いジェットが使用されるジェット注射器として構成される。
【００３０】
他の特徴は、添付図面と併せて考慮するとき、以下の詳細な記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】ペン−型注射器である薬剤送達デバイスの実施態様を示す図である。
【図２】２つの最新式７−セグメントインジケータパターンを含む表示手段の実施態様の詳細領域を示す図である。
【図３Ａ】２つの表示層を有する、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）の実施態様の分解組立図を示す。
【図３Ｂ】図３Ａにおいて示された実施態様の断面を示す図である。
【図４Ａ】２つの表示層を有する、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）の実施態様の分解組立図を示す。
【図４Ｂ】図４Ａにおいて示された実施態様の断面を示す図である。
【図５】表示手段の実施態様に関して、用量値を表示するのに適した表示エレメントを有する多数のセグメントを含むインジケータパターンを示す図である。
【図６】用量値、単位記号及び状態表示記号を表示するための、表示エレメントを有する多数のセグメントを含むインジケータパターンを有する表示手段の実施態様を示す図である。
【図７】表示手段の実施態様に関して、用量値を表示するのに適した表示エレメントを有する多数のセグメントを含むインジケータパターンを示す図である。
【図８】表示手段の実施態様に関して、用量値を表示するのに適した冗長インジケータパターンの実施態様を示す図である。
【００３２】
図１はペン−型注射器である薬剤送達デバイスの実施態様を示す。薬剤送達デバイスはハウジング１１を含む。ハウジング１１は、薬剤送達デバイスの安全で、正確でそして快適な取り扱いができるように設計され得る。ハウジング１１は、環状又は非管状の形の単体の又はマルチパートの部材であり得る。
【００３３】
ハウジング１１は、交換式又は非交換式であってよいカートリッジ１２を収容する機能を有する。患者の体内に注射することができる液状医薬品を含有するカートリッジ１２はハウジング１１の遠位端近くに配列される。カートリッジ１２は、液状医薬品を充填したシリンダー、及びシリンダー内部を可動のピストン１４を含む。ハウジング１１の部分を含むカートリッジの遠位端には、医薬品がカートリッジ１２から投与されることを可能にするのに適切な（示されていない）針組立品を取り付けるように設計された遠位のねじが切られた領域１８が備わっている。ピストン１４が遠位方向内に移動すると、医薬品が投与される。
【００３４】
この実施態様において、ハウジング１１は、ハウジング１１内に挿入されたカートリッジ１２を、通して見ることができる窓１３を含む。シリンダー中のピストン１４の位置によって、カートリッジ１２中の医薬品の残量が表示される。
【００３５】
薬剤送達デバイスは、ハウジング１１の近位端近くに配置された電子表示手段１５を含む。表示手段１５は状態情報又は操作情報を表示するように構成される。状態情報は投薬デバイスの状態、例えばデバイスの操作に必要な電池の充電、又はカートリッジ１２中の医薬品の残量に関する。操作情報は、例えば設定される用量値又は用量の設定若しくは用量の送達に関するインストラクション情報を含む。ハウジング１１の内部に位置する（示されていない）検出デバイスはセグメント制御手段に連結される。検出デバイスは、薬剤送達デバイスのデバイスに関する状態情報又は操作情報を検出するように構成される。１つの実施態様において、表示手段１５はＬＣＤを含む。
【００３６】
薬剤送達デバイスは、患者が注射したい用量値を調整するように構成された入力手段を含む。１つの実施態様において、入力手段は更なる情報、例えば時間及びデータ情報を入力するのに適している。図１に示された実施態様において、入力手段はボタン１６Ａ、１６Ｂとして形成される。代替の実施態様において、入力手段は回転ノブ（示されていない）として設計される。薬剤送達デバイスは更に投与ボタン１７を含む。１つの実施態様において、投与ボタンはハウジングの近位端に配置される。ハウジング１１中にある投与手段（示されていない）は、投与ボタン１７が押されたら、調整された用量が投与されるように、入力手段、投与ボタン１７及びピストン１４に連動される。投与手段の１つの実施態様は、投与ボタン１７が押されるときに、医薬品の選択された量が投与されるように、選択された用量値を読み又は受け、そしてピストンを遠位方向に動かすように構成された電子機械デバイスを含む。
【００３７】
用量を設定するために、使用者は用量値を入力する。１つの実施態様において、用量値はボタン１６Ａ、１６Ｂによって調整される。ボタン１６Ａ、１６Ｂの一方を押すと、用量値が増大し、そして他方を押すと、用量値が減少する。実際に選択された用量値は表示手段１５によって表示される。投与ボタン１７を押すことにより、用量が投与される。
【００３８】
別の実施態様において、用量値は事前設定され、そして情報目的の表示手段によって表示されるだけである。
【００３９】
図２は表示手段の実施態様の詳細領域を示す。薬剤送達デバイスのＬＣＤ２０の詳細な領域は、２つの最新式の７−セグメントインジケータパターン１、２を含む。各インジケータパターンは数字０〜９を表すのに適している。
【００４０】
表示は各々が７つの表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ及び２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇを含む第一の７−セグメントインジケータパターン１、及び第二の７−セグメントインジケータパターン２を含む。セグメント制御手段（示されていない）は、表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ及び２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇの各々を個別に活性化するように構成される。それらはアラビア数字の単純化された表示を作りだすために組み合わすことができる。１つの実施態様において、７つの表示エレメントは、斜めの又はイタリックの配置で配置され、それによって読みやすさが改善される。
【００４１】
数字０〜９の各々は、２つの又はそれ以上の異なる活性化された表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ又は２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇによって表され得る。７つの表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ又は２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇは、最上部に１つの水平表示エレメント１Ａ又は２Ａを、そして最下部に１つの水平表示エレメント１Ｄ又は２Ｄを有する各々の側に、２つの垂直表示エレメント１Ｆ、１Ｅ；１Ｂ、１Ｃ又は２Ｆ、２Ｅ；２Ｂ、２Ｃによって形成される矩形として配置される。加えて、７番目の表示エレメント１Ｇ又は２Ｇは矩形を水平に二等分する。以下においては、この配置パターンは７−セグメントインジケータパターンと称される。更なる実施態様において、完全な英数字を表示するのに適している１４−セグメント表示及び１６−セグメント表示もある。
【００４２】
ＬＣＤの１つの実施態様において、ＬＣＤの各々の表示エレメントは、２つの透明電極と２つの偏光フィルターの間に整列された分子の層を含む。偏光フィルターの伝達軸は互いに直角をなしている。偏光フィルターの間に液晶が存在しないと、第一フィルターを通過する光は第二の交差している偏光子によってブロックされるであろう。
【００４３】
電極の表面は液晶材料と接触している。液晶分子は特定の方向に整列される。
【００４４】
液晶分子の配向は表面での整列によって定められる。捩じられたネマチックデバイスにおいて、２つの電極での表面整列方向は互いに直角をなっていて、従って分子が自身を螺旋構造に配置する又は捩じれる。液晶材料は複屈折性であるので、１つの偏光フィルターを通過する光は、それが液晶層を通過するにつれて、液晶螺旋によって回転させられる。このように、光は第二偏光フィルターを通過する。入射光の半分は第一偏光フィルターによって吸収されるが、さもなければ全体の組立品は適度に透明である。
【００４５】
電極を横断して電圧がかけられると、液晶分子を電場と平行に整列させるためにトルクが作用し、そのことによって螺旋構造がゆがめられる。これによって入射光の偏光の回転が減少し、そしてデバイスは灰色に見える。もしかけられた電圧が十分に大きければ、層の中心にある液晶分子はほとんど完全に捩じりを戻され、そして入射光の偏光は回転されない。次いで、この光は主として第二フィルターに直角に偏光されるであろうし、そしてそのようにしてブロックされ、そしてセグメントは黒く見えるであろう。
【００４６】
従来のＬＣＤは二層の透明ガラス、又はその間に１つの表示層のみを有する別の透明な誘電材料で作られている。
【００４７】
（示されていない）セグメント制御手段は、表示エレメントのグループが目に見えるように、表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ又は２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇを個々に活性化するように構成される。例えば、数字「８８」は、全ての表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ又は２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇを活性化することによって表示される。数字「４２」は、表示エレメント１Ｆ、１Ｇ、１Ｂ、１Ｃ、２Ａ、２Ｂ、２Ｇ、２Ｅ、２Ｄを活性化することによって表示される。
【００４８】
表示エレメントの故障が原因で、誤った表示によって誤って導かれる使用者が正しくない用量の選択に導かれるというリスクが常にある。例えば、全ての表示エレメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ又は２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇを活性化することによって表示される用量値「８８」は、もし表示エレメント１Ｂが機能しなければ、単一エレメントの誤りを有して「６８」として表示される恐れがある。このように、使用者は著しい過剰用量を受ける恐れがある。
【００４９】
図３Ａは２つの表示層を有する、ＬＣＤの実施態様の分解図を示す。図３Ｂは図３Ａにおいて示された実施態様の断面を示す。
【００５０】
１つの表示層を含む従来の表示とは対照的に、図３Ａ及び３Ｂにおいて示された実施態様は２つの表示層を含む。
【００５１】
表示は第一ＬＣＤ２１及び第二ＬＣＤ２２を含む。第一ＬＣＤ２１は、第一の上部ガラス２１１又は別の透明誘電材料のシート、第一の下部ガラス２１３又は別の透明誘電材料のシート、及び第一の上部ガラス２１１と第一の下部ガラス２１３の間に挟まれた第一の表示面２１２を含む。第二ＬＣＤ２２は、第二の上部ガラス２２１又は別の透明誘電材料のシート、第二の下部ガラス２２３又は別の透明誘電材料のシート、及び第二の上部ガラス２２１と第二の下部ガラス２２３の間に挟まれた第二の表示面２２２を含む。第一ＬＣＤ２１は第二ＬＣＤ２２の上に配置される。
【００５２】
第一の表示面２１２は多くの情報を表示するように構成される。それは、用量値、警報記号５及び電池６の低い充電を表示する記号を表示するために、第一の７−セグメントインジケータパターン１及び第二の７−セグメントインジケータパターン２を含む。それは他の状態及び操作の情報を表示するために、時間及び更なる記号を表示するために、更なる７−セグメントインジケータパターン７を含む。
【００５３】
第二の表示面２２２は、薬剤送達デバイスの安全な操作にとって重大なものと考えられ得る情報のみを表示するために構成される。第二の表示面２２２は、用量値、警報記号５５及び電池６６の低い充電を表示する記号を表示するために、第三７−セグメントインジケータパターン３及び第四７−セグメントインジケータパターン４を含む。
【００５４】
第二の表示面２２２中の表示エレメントは第一の表示面２１２中の表示エレメントのグループに対して重複している。同じ形を有する重複した表示エレメントは、第一の表示面２１２で配置された類似の表示エレメントの真下に配置される。
【００５５】
冗長エレメントは同じセグメントに割り当てられる。例えば、セグメントの１つは、第一の表示面２１２に置かれた警報記号５、及び第二の表示面２２２に置かれた警報記号５５を含む。別のセグメントは第二のインジケータパターン２の最上垂直表示エレメント２Ａ１及び第四インジケータパターン４の最上垂直表示エレメント２Ａ２を含む。
【００５６】
セグメントが活性化されると、このセグメントに割り当てられた表示エレメントが活性化される。もし、第一の表示面に位置する表示エレメントの１つが活性化されると、この表示エレメントの冗長表示エレメントが同時に活性化される。
【００５７】
（示されていない）セグメント制御手段は、表示されるべき情報に依存してセグメントを活性化するように構成される。「活性化する」は、セグメントが灰色又は黒に見えるように、セグメントに割り振られた表示エレメントの半透明性が低減することを意味する。一方が他方に亘って配置される冗長表示エレメント、例えば、警報記号５及び５５の場合、冗長配置が半透明性を二倍も低減するので、見ることができる表示エレメントは、冗長表示エレメントを持たない表示エレメントよりももっと暗くなり得る。
【００５８】
もし、第一の表示面２１２に位置する活性化された冗長表示エレメントが機能しなくなったら、第二の表示面２２２に位置する冗長表示エレメントが依然として視覚的に認識できる。
【００５９】
図４Ａは２つの表示層を有するＬＣＤの実施態様の分解図を示す。図４Ｂは４Ａにおいて示された実施態様の断面を示す。
【００６０】
以下において、図３Ａ及び図３Ｂにおいて示された実施態様と図４Ａ及び４Ｂにおいて示された実施態様の間の違いのみが述べられる。
【００６１】
ＬＣＤは上部ガラス２１１又は別の透明誘電材料のシート、第一の表示面２１２、透明分離層２３０、第二の表示面２２２及び下部ガラス２１３又は別の透明誘電材料のシートを含む。
【００６２】
第一の表示面２１２は上部ガラス２１１と分離層２３０の間に挟まれている。第二の表示面２２２は分離層２３０と下部ガラス２１３の間に挟まれている。
【００６３】
図３Ａ及び３Ｂにおいて示された実施態様において供されるような、第一及び第二の表示面の間に置かれる二層のガラス層の代わりに、表示面２１２と２２２の間に１つだけの分離層２３０が供される。
【００６４】
図５は、表示手段の実施態様についての、用量値を表示するのに適する表示エレメントを有する多数のセグメントを含む２つの７−セグメントインジケータパターン１、２の実施態様を示す。
【００６５】
各インジケータパターン１、２は１４の表示エレメント１Ａ１、１Ａ２、１Ｂ１、１Ｂ２、１Ｃ１、１Ｃ２、１Ｄ１、１Ｄ２、１Ｅ１、１Ｅ２、１Ｆ１、１Ｆ２、１Ｇ１、１Ｇ２及び２Ａ１、２Ａ２、２Ｂ１、２Ｂ２、２Ｃ１、２Ｃ２、２Ｄ１、２Ｄ２、２Ｅ１、２Ｅ２、２Ｆ１、２Ｆ２、２Ｇ１、２Ｇ２を含む。各々の場合、表示エレメントの２つは互いに一般的に平行に延びている一対の表示エレメントとして配置される。各インジケータパターン１、２は、最上部の１つの水平対１Ａ又は２Ａ及び最下部の１つの水平対１Ｄ又は２Ｄを有して各々の辺に、２つの垂直対１Ｆ、１Ｅ；１Ｂ、１Ｃ又は２Ｆ、２Ｅ；２Ｂ、２Ｃによって各々の場合に形成された矩形として配置された表示エレメントの７つの対１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ及び２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇを含む。加えて、各々の場合、７番目の対１Ｇ又は２Ｇは矩形を水平に二等分する。
【００６６】
各表示パターン１、２は、各々が一対の表示エレメントを含む７つのセグメントを含む。１つの実施態様において、表示エレメントの少なくとも１つが第一の表示層に位置し、そして別の表示エレメントが別の表示層に位置し、例えば、第一の表示エレメントが第一の表示エレメント層に位置し、そして第二の表示エレメントが第二の表示層に位置する。１つの実施態様において、セグメントの第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントは、それらが少なくとも部分的に重なるように配置される。或いは、セグメントの第一の表示エレメント及び第二の表示エレメントは重ならない。
【００６７】
通常、セグメントの各々１つの表示エレメントは、少なくとも故障によって表示エレメントの１つが不適切に操作される結果とならない限り常に活性であって、又は同時に活性でない。もし、活性化されたセグメントの１つの表示エレメントの１つが機能しなくなったら、セグメントの他の表示エレメントが依然として視覚的に認識可能である。２つの目に見える表示エレメントを含む他の活性化されたセグメントと比べて、そのセグメントはより狭く見える。しかし、用量値は依然として読み取れる。
【００６８】
図６は用量値、単位記号８及び状態表示記号９を表示するための、インジケータパターン１、２を有するＬＣＤ２０の実施態様を示す。
【００６９】
各インジケータパターン１、２は７つのセグメントを含む。セグメントの幾つかは１つの表示エレメント１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆのみを含む。他のセグメントは、表示エレメントの対として配置された２つの表示エレメント１Ａ１、１Ａ２；１Ｂ１、１Ｂ２；１Ｇ１、１Ｇ２を含み、ここで各対の２つの表示エレメントは一般に、互いに平行に延びている。各表示パターン１、２のセグメントは７−セグメントインジケータパターンで配置される。
【００７０】
７−セグメントインジケータパターンの幾つかのセグメントのみが分割される。その故障が誤った数字を表示することを引き起こすセグメントが分割される。以下の例はこの態様を説明する。数字７は活性化されたセグメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ（図２に使用された参照番号を参照）によって表される。もし、セグメント１Ａが機能しなくなったら、他のセグメント１Ｂ及び１Ｃが数字１を表す。数字８は活性化されたセグメント１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇによって表される。もし、セグメント１Ｂが機能しなくなったら、他のセグメント１Ｂ及び１Ｃが数字６を表す。もし、セグメント１Ｇが機能しなくなったら、他のセグメントが数字０を表す。
【００７１】
（示されていない）セグメント制御手段は、これらのセグメントの表示エレメントが視覚的に認識可能なように、セグメントの幾つかを活性化するように供される。セグメント制御手段は、各セグメントの表示エレメントを活性化するための別の制御系列を含む。もし、セグメントの２つの表示エレメントの１つが機能しなくなったら、又は対応する制御系列に故障があったら、他の表示エレメントは活性化された状態に留まる。このように、単独の故障はセグメントが完全になくなることには繋がらない。
【００７２】
用量値を表示するインジケータパターンのみが冗長表示エレメントを有する。用量値は、注射される医薬品の量である。もし、薬剤の誤った用量が注射されると、表示エラーは致命的な結果を有し得る。冗長表示エレメントは、表示エラーによっておそらく引き起こされる注射エラーを防ぐであろう。単位記号インジケータ８及び状態インジケータ９は冗長表示エレメントを有しない。これらのインジケータは致命的な注射エラーを引き起こし得ない情報を表示する。
【００７３】
図７は１つの実施態様の表示手段について、用量を表示するのに適するインジケータパターン１、２の実施態様を示す。
【００７４】
各表示パターン１、２は７対の表示エレメントを含む。各対は、互いにに隣接して同じ方向に延びているがスペースを開けられた２つの表示エレメントを含む。例えば、対１Ａの１つは表示エレメント１Ａ１及び１Ａ２を含む。別の対１Ｄは表示エレメント１Ｄ１及び１Ｄ２を含む。
【００７５】
対は、２つの垂直対１Ｆ、１Ｅ；１Ｂ、１Ｃによって、最上部の１つの水平対１Ａ、及び最下部の１つの水平対１Ｄを有する各辺に形成された矩形として配置される。加えて、７番目の対１Ｇは矩形を水平に二等分する。
【００７６】
図５及び６に示されるように、各々が、互いに平行に延びている２つの表示エレメントを有する表示エレメントの対の代わりに、冗長表示エレメントのこれらの対は、連続して配置される２つの表示エレメントを各々有する。対を形成する２つの表示エレメントは、それらが一緒にセグメントを画成するように、端から端まで配置される。各セグメントの２つの表示エレメントは、それらが共通軸２５０に沿って整列されるように、連続的に配置される。表示エレメント２Ａ１及び２Ａ２は共通の水平軸２５０に沿って整列される。表示エレメント２Ｃ１及び２Ｃ２は、例えば、共通の垂直軸２５０に沿って整列される。
【００７７】
１つの実施態様において、表示エレメントの少なくとも１つが第一の表示層に位置し、そして別の表示エレメントが別の表示層に位置し、例えば、第一の表示エレメントが第一の表示エレメント層に位置し、そして第二の表示エレメントが第二の表示層に位置する。１つの実施態様において、セグメントの第一及び第二の表示エレメントは、それらが少なくとも部分的に重なるように配置される。或いは、セグメントの第一及び第二の表示エレメントは重ならない。
【００７８】
もし、１つの活性化されたセグメントの表示エレメントの１つが機能しなくなったら、他のエレメントは依然として視覚的に認識可能である。表示エレメントの１つの故障の場合、１つのセグメントの部分は目に見えないが、表示された用量値は依然として認識可能である。
【００７９】
図８は１つの実施態様の表示手段について、用量を表示するのに適する冗長
インジケータパターンの実施態様を示す。
【００８０】
表示エレメントは、第一の７−セグメントインジケータパターン１で配置された７つの表示エレメント１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１、及び第二の７−セグメントインジケータパターン２で配置された異なる７つの表示エレメント２Ａ１、２Ｂ１、２Ｃ１、２Ｄ１、２Ｅ１、２Ｆ１、２Ｇ１を有する第一の用量インジケータパターン１、２を含む。第二の用量インジケータパターン３、４は、第三の７−セグメントインジケータパターン３で配置された７つの表示エレメント１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２、及び第四の７−セグメントインジケータパターン４で配置された更なる７つの表示エレメント２Ａ２、２Ｂ２、２Ｃ２、２Ｄ２、２Ｅ２、２Ｆ２、２Ｇ２を有する。
【００８１】
セグメントは、第一パターン１の表示エレメントの１つ、及び第三パターン３の表示エレメントの１つを含む。更に、セグメントは、第二パターン２の表示エレメントの１つ、及び第四パターン４の表示エレメントの１つを含む。セグメントの表示エレメントはそれらのそれぞれのパターン中の同じ位置に配置される。例えば、１つのセグメントは、第一パターン１中の表示エレメント１Ａ１、及び第三パターン３中の表示エレメント１Ａ２を含む。別のセグメントは、第二パターン２中の表示エレメント２Ｅ１、及び第四パターン４中の表示エレメント２Ｅ２を含む。
【００８２】
１つの実施態様において、表示エレメントの少なくとも１つが第一の表示層に位置し、そして別の表示エレメントが別の表示層に位置し、例えば、第一用量パターン１、２が第一の表示エレメント層に位置し、そして第二用量パターン３、４が第二の表示層に位置する。
【００８３】
（示されていない）セグメント制御手段は、セグメントの表示エレメントが視覚的に認識可能なように、セグメントの幾つかを又は全てを活性化するように構成される。言い換えれば、第一用量インジケータパターン１、２及び第二用量インジケータパターン３、４における同じ位置に配置された表示エレメントは視覚的に認識可能である。セグメントの２つの表示エレメントは、第二用量インジケータパターンにおいて表示された、例えば、用量値などの冗長数が、第一用量インジケータパターンにおいて表示された数字と同じであるように、常に活性であるか又は同時に不活性である。
【００８４】
もし故障によってセグメントの表示要の１つが不適切に操作される結果となるならば、第一及び第二の用量インジケータパターンによって表示された文字は異なる。表示手段を使用する患者は、第一及び第二の用量インジケータパターンによって表示された文字が同じであるかどうかをチェックする。もし、それらが同じでないならば、患者はデバイスの誤作動を認識することができる。患者は、少なくとも１つの表示エレメントが機能していないことを認識する。もし、それらが１つの目に見える表示エレメントによってのみ異なるならば、正確な用量値は、より目に見える表示エレメントを有する値である。例えば、もし、第一の用量インジケータパターン１、２が、陰影がつけられた表示エレメント１Ａ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１、２Ａ１、２Ｂ１、２Ｃ１、２Ｄ１、２Ｅ１、２Ｆ１、２Ｇ１によって表示されたように、「６８」を表示し、そして第二の用量インジケータパターン３、４が、陰影がつけられた表示エレメント１Ａ２、１Ｃ２、１Ｂ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２、２Ａ２、２Ｂ２、２Ｃ２、２Ｄ２、２Ｅ２、２Ｆ２、２Ｇ２によって表示されたように、「８８」を表示するならば、使用者は、「８８」がより活性化された表示エレメントを有し、そして正確な用量値は「８８」であると認識する。この認識は、セグメントの１つの表示エレメントが機能しなくなるという仮定に基づいている。
【００８５】
第一の用量インジケータパターン１、２における第一位置に位置付けられた第一の表示エレメント、及び第二の用量インジケータパターン３、４における別の位置に位置付けられた第二の表示エレメントが機能しなくなるという稀な場合、表示される文字は、少なくとも第一及び第二の表示エレメントの１つにおいて目に見える表示エレメントから構成される文字である。言い換えると、第一の用量インジケータパターン１、２及び第二の用量インジケータパターン３、４のどちらも正確な情報を示さない。使用者はデバイスに何か間違いが起きていると認識し、従って使用者はそれを使用しないであろう。
【００８６】
この実施態様において、表示された情報、例えば、用量値は、表示の第一場所上及び表示の第二場所上で同時に目に見える。代替の実施態様において、用量値は別々である薬剤送達デバイスの第一及び第二の表示上に表示される。
【００８７】
１つの実施態様において、用量値は少なくとも三回表示される。
【００８８】
本発明は７−セグメントインジケータパターンに限定されず、如何なる記号にも適している。薬剤送達デバイスの安全な取り扱いのために重要であり得る、状態表示情報及び／又は操作情報を表示する如何なる記号も、冗長表示エレメントを有するセグメントによって表示することができる。
【００８９】
他の実行例は本特許請求の範囲の範囲内にある。本明細書に具体的に述べられていない実行例を形成するために、異なる実施態様のエレメントが組合せられ得る。
【符号の説明】
【００９０】
１、２、３、４ インジケータパターン
１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ
２Ａ、２Ｂ、２Ｃ、２Ｄ、２Ｅ、２Ｆ、２Ｇ
１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１
２Ａ１、２Ｂ１、２Ｃ１、２Ｄ１、２Ｅ１、２Ｆ１、２Ｇ１
１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２
２Ａ２、２Ｂ２、２Ｃ２、２Ｄ２、２Ｅ２、２Ｆ２、２Ｇ２ 表示エレメント
５、５５ 警告記号
６、６６ 電池の低い充電を表示する記号７ インジケータ
８ 単位記号
９ 状態表示記号
１１ ハウジング
１２ カートリッジ
１３ 窓
１４ ピストン
１６Ａ、１６Ｂ ボタン
１７ 投与ボタン
１８ 遠位でのねじがきられた領域２０、２１、２２ ＬＣＤ
２１１、２２１ 上部ガラス
２１３、２２３ 下部ガラス
２１２、２２２ 表示面
２３０ 分離層
２５０ 軸
【特許請求の範囲】
【請求項１】
薬剤送達デバイスであって：
少なくとも１つのセグメントを有する表示手段（１５）；ここでそのセグメントが第一の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１）及び第二の表示エレメント（１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）を含み、表示手段（１５）は第一の表示層（２１２）及び第二の表示層（２２２）を含み、第一の表示層（２１２）は第二の表示層（２２２）の上に配置され、第一の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１）及び第二の表示エレメント（１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）の一方が第一の表示層（２１２）に位置し、そして第一の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１）及び第二の表示エレメント（１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）の他方が第二の表示層（２２２）に位置し；及び
少なくとも１つのセグメントを選択的に活性化するように構成されたセグメント制御手段；ここでそのセグメントの表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１、１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）が活性化され、そして状態情報又は操作情報を視覚的に表し、第一及び第二の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１、１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）は、同じ情報が両方の表示エレメントによって同時に表示されるように配置される；
を含む、上記薬剤送達デバイス。
【請求項２】
表示手段（１５）が多数のセグメントを含む、請求項１に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項３】
表示手段が、選択された薬剤用量値を表示するように構成される、請求項１または２に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項４】
セグメント制御手段に連結された検出デバイスを更に含み、ここで検出デバイスは、薬剤送達デバイスのデバイス関連状態情報又は操作情報を検出するように構成される、請求項１または３に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項５】
第一及び第二の表示エレメント（１Ｂ１、１Ｂ２）は、その第一及び第二の表示エレメントが重ならないように配置される、請求項１〜４の何れか１項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項６】
第一及び第二の表示エレメント（２Ａ１、２Ａ２）は、その第一及び第二の表示エレメントが少なくとも部分的に重なるように配置される、請求項１〜４の何れか１項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項７】
第一の表示層（２１２）に位置する表示エレメント（２Ａ１）は、第二の表示層（２２２）に位置する表示エレメント（２Ａ２）を覆う、請求項６に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項８】
少なくとも２つのセグメントを有する請求項１〜７の何れか１項に記載の薬剤送達デバイスであって、
少なくとも１つのセグメントが、第一の表示層（２１２）に位置する表示エレメント（７）のみを有する薬剤送達デバイス。
【請求項９】
セグメントの第一の表示エレメント（１Ｂ１）及び第二の表示エレメント（１Ｂ２）は、セグメント（１Ｂ）が活性化されたときに目に見える、請求項１〜６の何れか１項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１０】
第一の表示エレメント（１Ｂ１）及び第二の表示エレメント（１Ｂ２）が互いに隣接し、そして同じ方向に伸びる、請求項１〜９の何れか１項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１１】
セグメントの第一の表示エレメント（１Ｂ１）及び第二の表示エレメント（１Ｂ２）が実質的に平行に配置される、請求項１０に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１２】
セグメントの第一の表示エレメント（１Ｂ１）及び第二の表示エレメント（１Ｂ２）は、それらが共通軸に沿って整列されるように連続的に配置される、請求項１０に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１３】
各々が第一及び第二の表示エレメントを含む多数のセグメントを有する、請求項１〜９の何れか１項に記載の薬剤送達デバイスであって：
それらセグメントの第一の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１）は、第一の位置にある第一の所定パターン（１）で配置され、そして同じそれらセグメントの第二の表示エレメント（１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）は、第二の位置にある第二の所定パターン（３）で配置され、ここでそれらの１つのセグメントの第一及び第二の表示エレメントは、対応する位置に配置される；薬剤送達デバイス。
【請求項１４】
表示手段（５）が第一のパターン（１）の表示エレメントを表示するように構成された第一の表示デバイス、及び第二のパターン（３）の表示エレメントを表示するように構成された第二の表示デバイスを含む、請求項１３に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１５】
多数のセグメントを有する、請求項１〜１４の何れか１項に記載の薬剤送達デバイスであって、
セグメント（１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ）が７−セグメントインジケータパターンで配置され、そしてセグメント制御手段が、数字０〜９を表すための７つのセグメントの少なくとも１つのグループを選択的に活性化するように構成される、
上記薬剤送達デバイス。
【請求項１６】
表示手段がＬＣＤを含む、請求項１〜１５の何れか１項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１７】
ペン−型注射器である、請求項１〜１６の何れか１項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１】
薬剤送達デバイスであって：
少なくとも１つのセグメントを有する表示手段（１５）；ここでそのセグメントが第一の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１）及び第二の表示エレメント（１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）を含み、表示手段（１５）は第一の表示層（２１２）及び第二の表示層（２２２）を含み、第一の表示層（２１２）は第二の表示層（２２２）の上に配置され、第一の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１）及び第二の表示エレメント（１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）の一方が第一の表示層（２１２）に位置し、そして第一の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１）及び第二の表示エレメント（１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）の他方が第二の表示層（２２２）に位置し；及び
少なくとも１つのセグメントを選択的に活性化するように構成されたセグメント制御手段；ここでそのセグメントの表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１、１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）が活性化され、そして状態情報又は操作情報を視覚的に表し、第一及び第二の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１、１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）は、同じ情報が両方の表示エレメントによって同時に表示されるように配置される；
を含む、上記薬剤送達デバイス。
【請求項２】
表示手段（１５）が多数のセグメントを含む、請求項１に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項３】
表示手段が、選択された薬剤用量値を表示するように構成される、請求項１または２に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項４】
セグメント制御手段に連結された検出デバイスを更に含み、ここで検出デバイスは、薬剤送達デバイスのデバイス関連状態情報又は操作情報を検出するように構成される、請求項１または３に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項５】
第一及び第二の表示エレメント（１Ｂ１、１Ｂ２）は、その第一及び第二の表示エレメントが重ならないように配置される、請求項１〜４の何れか１項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項６】
第一及び第二の表示エレメント（２Ａ１、２Ａ２）は、その第一及び第二の表示エレメントが少なくとも部分的に重なるように配置される、請求項１〜４の何れか１項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項７】
第一の表示層（２１２）に位置する表示エレメント（２Ａ１）は、第二の表示層（２２２）に位置する表示エレメント（２Ａ２）を覆う、請求項６に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項８】
少なくとも２つのセグメントを有する請求項１〜７の何れか１項に記載の薬剤送達デバイスであって、
少なくとも１つのセグメントが、第一の表示層（２１２）に位置する表示エレメント（７）のみを有する薬剤送達デバイス。
【請求項９】
セグメントの第一の表示エレメント（１Ｂ１）及び第二の表示エレメント（１Ｂ２）は、セグメント（１Ｂ）が活性化されたときに目に見える、請求項１〜６の何れか１項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１０】
第一の表示エレメント（１Ｂ１）及び第二の表示エレメント（１Ｂ２）が互いに隣接し、そして同じ方向に伸びる、請求項１〜９の何れか１項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１１】
セグメントの第一の表示エレメント（１Ｂ１）及び第二の表示エレメント（１Ｂ２）が実質的に平行に配置される、請求項１０に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１２】
セグメントの第一の表示エレメント（１Ｂ１）及び第二の表示エレメント（１Ｂ２）は、それらが共通軸に沿って整列されるように連続的に配置される、請求項１０に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１３】
各々が第一及び第二の表示エレメントを含む多数のセグメントを有する、請求項１〜９の何れか１項に記載の薬剤送達デバイスであって：
それらセグメントの第一の表示エレメント（１Ａ１、１Ｂ１、１Ｃ１、１Ｄ１、１Ｅ１、１Ｆ１、１Ｇ１）は、第一の位置にある第一の所定パターン（１）で配置され、そして同じそれらセグメントの第二の表示エレメント（１Ａ２、１Ｂ２、１Ｃ２、１Ｄ２、１Ｅ２、１Ｆ２、１Ｇ２）は、第二の位置にある第二の所定パターン（３）で配置され、ここでそれらの１つのセグメントの第一及び第二の表示エレメントは、対応する位置に配置される；薬剤送達デバイス。
【請求項１４】
表示手段（５）が第一のパターン（１）の表示エレメントを表示するように構成された第一の表示デバイス、及び第二のパターン（３）の表示エレメントを表示するように構成された第二の表示デバイスを含む、請求項１３に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１５】
多数のセグメントを有する、請求項１〜１４の何れか１項に記載の薬剤送達デバイスであって、
セグメント（１Ａ、１Ｂ、１Ｃ、１Ｄ、１Ｅ、１Ｆ、１Ｇ）が７−セグメントインジケータパターンで配置され、そしてセグメント制御手段が、数字０〜９を表すための７つのセグメントの少なくとも１つのグループを選択的に活性化するように構成される、
上記薬剤送達デバイス。
【請求項１６】
表示手段がＬＣＤを含む、請求項１〜１５の何れか１項に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項１７】
ペン−型注射器である、請求項１〜１６の何れか１項に記載の薬剤送達デバイス。
【図１】
【図２】
【図３Ａ】
【図３Ｂ】
【図４Ａ】
【図４Ｂ】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３Ａ】
【図３Ｂ】
【図４Ａ】
【図４Ｂ】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公表番号】特表２０１２−５１１３５４（Ｐ２０１２−５１１３５４Ａ）
【公表日】平成２４年５月２４日（２０１２．５．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−５４００５７（Ｐ２０１１−５４００５７）
【出願日】平成２１年１２月８日（２００９．１２．８）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＥＰ２００９／０６６６４６
【国際公開番号】ＷＯ２０１０／０６６７４６
【国際公開日】平成２２年６月１７日（２０１０．６．１７）
【出願人】（３９７０５６６９５）サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２４年５月２４日（２０１２．５．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１２月８日（２００９．１２．８）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＥＰ２００９／０６６６４６
【国際公開番号】ＷＯ２０１０／０６６７４６
【国際公開日】平成２２年６月１７日（２０１０．６．１７）
【出願人】（３９７０５６６９５）サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Ｆターム（参考）】
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