説明

薬服用管理袋及び薬服用管理具

【課題】 薬の管理が容易であるとともに、薬を入れた状態での取り扱いが容易である薬服用管理袋を提供すること。
【解決手段】 折り畳み可能な材料から形成された台本体4と、台本体4の表側に配設された複数個の薬収容ポケット6と、台本体4に取り付けられた保持バンド14と、を備えた薬服用管理袋。複数の薬収容ポケット6は、横方向に列状に1日分の薬を収容するように設けられているとともに、縦方向に段状に1週間分の薬を収容するように設けられている。この台本体4を収容するときには、台本体4を縦方向に折り畳んだ後に横方向に二つに折り畳み、このように折り畳んだ状態にて保持バンド14で保持し、このように収納状態に保持することによって、薬服用管理袋の取扱い、持運びなどが容易となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者などが服用する薬を管理するための薬服用管理袋及び薬服用管理具に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤などの薬を管理するための薬服用管理袋として、壁などに取り付けられた係止具(例えば、ねじなど)に吊り下げられる台本体と、この台本体の表面側に設けられた複数の薬収容ポケットとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この薬服用管理袋では、複数の薬収容ポケットは、横方向に列状に1日分の薬を収容するように設けられているとともに、縦方向に段状に1週間分の薬を収容するように設けられ、これら薬収容ポケットに薬を所要の通りに入れることによって、1週間分の服用すべき薬を容易に管理することができ、薬の飲み忘れなどを防止することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2003ー52793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した薬服用管理袋では、壁などに吊り下げた状態においては、服用の曜日と服用の時刻(例えば、朝、昼、夜)から服用したか否かを容易に把握することができ、薬の服用の管理を容易に行うことができるが、このような状態では、取り扱いが容易でなく、例えば病院、介護老人ホームなどにおいて多数の患者に服用すべき薬を入れて渡すようにする場合などにおいては一度に多数の薬服用管理袋を取り扱うことが難しいという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、薬の管理が容易であるとともに、薬を入れた状態での取り扱いが容易である薬服用管理袋を提供することである。
また、本発明の他の目的は、病院、介護老人ホームなどにおいて多数の患者に服用すべき薬を入れて渡すような場合に好都合に適用することができる薬服用管理具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の薬服用管理袋は、折り畳み可能な材料から形成された台本体と、前記台本体の表側に配設された複数個の薬収容ポケットと、前記台本体に取り付けられた保持バンドと、を備えており、
前記複数の薬収容ポケットは、横方向に列状に1日分の薬を収容するように設けられているとともに、縦方向に段状に1週間分の薬を収容するように設けられており、
前記台本体を収容するときには、前記台本体を前記縦方向に折り畳んだ後に前記横方向に二つに折り畳み、このように折り畳んだ状態にて保持バンドで保持することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の薬服用管理袋では、前記複数の薬収容ポケットは、前記横方向に列状に4個配設され、前記縦方向に段状に7個配設され、前記複数の薬収容ポケットの上側に1段分の薬収容ポケットとほぼ同じ大きさの服用時表示部が設けられ、前記複数の薬収容ポケットの下側に2段分の薬収容ポケットと同じ大きさの補助収容ポケットが設けられ、前記台本体は、2段分の薬収容ポケットの幅でもって前記縦方向に折り畳まれることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の薬服用管理袋では、前記保持バンドは伸縮自在なゴムバンドから構成され、前記ゴムバンドが、前記台本体の裏側の上端部に2段分の薬収容ポケットの幅に対応して設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の薬服用管理具は、貫通孔が設けられた台本体及び前記台本体の表面側に配設された複数個の薬収容ポケットを備えた薬服用管理袋と、前記薬服用管理袋を吊り下げるための吊下げ具と備え、前記吊下げ具は、これを掛けるための掛け部と、前記薬服用管理袋を吊り下げるための吊下げ部とを有し、前記台本体の前記貫通孔を利用して前記薬服用管理袋が前記吊下げ部の前記吊下げ部に着脱自在に吊り下げられることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項5に記載の薬服用管理具では、前記薬服用管理袋の前記貫通孔には係止部材が装着され、前記薬服用管理袋は前記係止部材を介して前記吊下げ具の前記吊下げ部に吊り下げられることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項6に記載の薬服用管理具では、前記係止部材は略リング状の係止部を有し、前記吊下げ具の前記吊下げ部は直線状であり、前記吊下げ具の前記吊下げ部が前記係止部材の前記係止部に挿通されることを特徴とする。
【0012】
更に、本発明の請求項7に記載の薬服用管理具では、前記係止部材は略逆U字状の係止部を有し、前記吊下げ具の前記吊下げ部にはリング状部が設けられ、前記係止部材の前記係止部が前記吊下げ具の前記リング状部に係止されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載の薬服用管理袋によれば、複数の薬収容ポケットを有する台本体に保持バンドが設けられているので、台本体を縦方向に折り畳んだ後に横方向に二つに折り畳み、このように折り畳んだ状態にて保持バンドで保持することができ、このように保持することによって、台本体を小な収容状態に保つことができる。そして、このような収容状態に保つことによって、その取り扱いが容易になるとともに、例えばバッグなどに収容することによって、多くの薬服用管理袋を持ち運びすることができる。また、台本体の表面側に薬収容ポケットが横方向に列状に1日分の薬を収容するように設けられているとともに、縦方向に段状に1週間分の薬を収容するように設けられているので、台本体を展開して例えば壁などに吊り下げることによって、服用すべき薬を簡単に且つ容易に管理することができる。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載の薬服用管理袋によれば、複数の薬収容ポケットは縦方向に段状に7個配設され、複数の薬収容ポケットの上側に1段分の薬収容ポケットとほぼ同じ大きさの服用時表示部が設けられ、複数の薬収容ポケットの下側に2段分の薬収容ポケットと同じ大きさの補助収容ポケットが設けられているので、この台本体を2段分の薬収容ポケットの幅でもって上下方向に4つに折り畳むことができ、台本体をコンパクトに収容することができる。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の薬服用管理袋によれば、保持バンドが伸縮自在なゴムバンドから構成されているので、このゴムバンドの弾性を利用して折り畳んだ台本体を簡単に収容状態に保持することができる。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載の薬服用管理具によれば、複数の薬収容ポケットを備えた薬服用管理袋と、これを吊り下げるための吊下げ具から構成され、台本体に設けられた貫通孔を利用して薬服用管理袋が吊下げ部の吊下げ部に着脱自在に吊り下げられるので、薬服用管理袋を展開した状態で吊下げ具に吊り下げることができ、このような状態に保つことによって、複数の薬収容ポケットに服用すべき薬を簡単に且つ容易に収容することができる。また、薬服用管理袋を吊した吊下げ具を例えばキャスター付き移動具などに吊り下げることによって、病院、老人介護ホームなどにおいて多数の薬服用管理袋を患者などに容易に運ぶことができる。
【0017】
また、本発明の請求項5に記載の薬服用管理具によれば、薬服用管理袋はその貫通孔に装着された係止部材を介して吊下げ具の吊下げ部に吊り下げるので、薬服用管理袋を簡単に吊り下げることができる。
【0018】
また、本発明の請求項6に記載の薬服用管理具によれば、係止部材は略リング状の係止部を有しているので、吊下げ具の直線状の吊下げ部を係止部材のこの係止部に挿通することによって、薬服用管理袋を吊下げ具に着脱自在に係止することができる。
【0019】
更に、本発明の請求項7に記載の薬服用管理具によれば、係止部材は略逆U字状の係止部を有しているので、吊下げ具の吊下げ部に設けられたリング状部に係止部材の係止部を係止することによって、薬服用管理袋を吊下げ具に着脱自在に係止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う薬服用管理袋及び薬服用管理具の一実施形態について説明する。
薬服用管理袋の実施形態
図1〜図5を参照して、一実施形態の薬服用管理袋について説明する。図1は、一実施形態の袋服用管理袋を示す正面図であり、図2は、図1の薬服用管理袋の一部を拡大して示す部分拡大図であり、図3は、図2におけるIII−III線による断面図であり、図4は、図1の薬服用管理袋を縦方向に4つに折り畳んだ状態を示す図であり、図5は、図4に示す状態から更に横方向に2つに折った後に保持バンドで保持した状態を示す斜視図である。
【0021】
図1おいて、図示の薬服用管理袋2は、折り畳み可能な材料、例えば合成樹脂材料のシートから形成される台本体4を備えている。この台本体4は、縦方向(図1において上下方向)に細長い矩形状に形成され、壁などに後述するように吊り下げたときににも形状が保てるようにある程度の強度を有している。
【0022】
この薬服用管理袋2は1週間の薬を管理することができるように構成され、その台本体4の表面側には複数個の薬収容ポケット6が配設されている。薬収容ポケット6は、横方向(図1において左右方向)に列状に1日分の薬を収容するように4つ設けられ、また縦方向に段状に1週間分の薬を収容するように7段設けられ、合計28個の薬収容ポケット6が設けられている。
【0023】
この実施形態では、列状の薬収容ポケット6は、図1において左から右に順に、朝に服用する薬を収容するもの(即ち、朝用薬収容ポケット)、昼に服用する薬を収容するもの(即ち、昼用薬収容ポケット)、夜に服用する薬を収容するもの(即ち、夜用薬収容ポケット)及び寝る前に服用する薬を収容するもの(即ち、寝る前用薬収容ポケット)となっている。尚、寝る前に服用する薬がないときには、朝用、昼用及び夜用薬収容ポケットと列状に3つの薬収容ポケット6を備えたものとすることができる。
【0024】
また、段状の薬収容ポケット6は、図1において上から下に順に、月曜日に服用する薬を収容するもの(即ち、月曜日用薬収容ポケット)、火曜日(又は水曜日、木曜日、金曜日、土曜日、日曜日)に服用する薬を収容するもの〔即ち、火曜日用薬収容ポケット(又は水曜日用薬収容ポケット、木曜日用薬収容ポケット、金曜日用薬収容ポケット、土曜日用薬収容ポケット、日曜日用薬収容ポケット)〕となっている。尚、この形態では、最上段の薬収容ポケット6が月曜日用薬収容ポケットとなっているが、これに限定されず、最上段のものを例えば日曜日用薬収容ポケットなどにすることもできる。
【0025】
このような構成に関連して、複数の薬収容ポケット6の上側に服用時表示部8が設けられている。この服用時表示部8は、列状の薬収容ポケット6の数に対応して4つの表示部8a,8b,8c,8dが設けられている。図1において左側の表示部8aは、朝用薬収容ポケット6に対応して設けられ、「あさ」の表示が施されている。図1において左中の表示部8bは、昼用薬収容ポケット6に対応して設けられ、「ひる」の表示が施されている。図1において右中の表示部8cは、夜用薬収容ポケット6に対応して設けられ、「よる」の表示が施されている。また、図1において右側の表示部8dは、寝る前用薬収容ポケット6に対応して設けられ、「ねる前」の表示が施されている。
【0026】
また、複数の薬服用ポケット6の下側に、一対の補助収容ポケット10が設けられている。図1において左側の一方の補助収容ポケット10は、左側の2つの薬収容ポケット6(朝用薬収容ポケット及び昼用薬収容ポケット)に対応して設けられ、また図1において右側の他方の補助収容ポケット10は右側の2つの薬収容ポケット6に対応して設けられ、これら補助収容ポケット10には、例えば健康保険証、薬の処方箋、診察カードなどが収容できるように構成される。尚、補助収容ポケット10の開口部には、例えばファスナー(図示せず)などを設けて開閉自在とするのが望ましい。
【0027】
更に、台本体4の幅方向中央部には服用曜日表示部12が設けられている。この服用曜日表示部12は台本体4の一端(図1において上端)から他端(図1において下端)まで伸びており、この服用曜日表示部12の片側(図1において左側)に左側の2つの薬収容ポケット6(朝用薬収容ポケット及び昼用薬収容ポケット)が設けられ、その図1において右側に右側の2つの薬収容ポケット6(夜用薬収容ポケット及び寝る前用薬収容ポケット)が設けられている。
【0028】
この服用曜日表示部12は、段状の薬収容ポケット6の数に対応して7つの表示部12a,12b,12c,12d,12e,12f,12gが設けられている。図1において最上段の表示部12aは、月曜日用薬収容ポケット6に対応して設けられ、「月」の表示が施されている。図1において上から2段目の表示部12bは、火曜日用薬収容ポケット6に対応して設けられ、「火」の表示が施されている。また、上から3段目(又は4段目、5段目、6段目、7段目)の表示部12c(又は12d,12e,12f,12g)は、水曜日用薬収容ポケット6に対応して設けられ、「水」(又は「木」、「金」、「土」、「日」)の表示が施されている。
【0029】
この実施形態では、服用時表示部8及び服用曜日表示部12が上述したように設けられているので、薬収容ポケット6に収容された薬は、どの曜日の何時服用すべきものであるかを容易に把握することができ、薬の服用の管理が容易となり、飲み忘れなどを防止することができる。
【0030】
この実施形態では、収納が容易となるように、更に、次の通りに構成されている。各薬服用ポケット6の大きさは同じ大きさに形成されている。また、服用時表示部8の幅(図1において上下方向の幅)は、1段分の薬収容ポケット6とほぼ同じ大きさ(図1において上下方向の大きさ)に形成されている。更に、補助収容ポケット10の幅(図1において上下方向の幅)は、2段分の薬収容ポケット6とほぼ同じ大きさ(図1において上下方向の大きさ)に形成されている。
【0031】
このことに関連して、この薬服用管理袋2は、2段分の薬収容ポケット6の幅でもって内側に折り畳むことができるように構成されている。即ち、収納する時には、台本体4の他端側から一端側に向けて縦方向に、図1における一点鎖線A,B,C,Dの部位にて折り畳むことができる。そして、このように折り畳んだ状態にて、更に、横方向中央部にて半分に、即ち図1における一点鎖線Eの部位にて折り畳むことができ、このように折り畳むことによって、面積的に展開した台本体4の8分の1(1/8)の大きさに折り畳むことができる。
【0032】
この薬服用管理袋2は、上述したように折り畳んだ状態を保持するための保持バンド14が設けられている。この保持バンド14は、台本体4の裏側に設けられ、服用時表示部8及び最上段の薬服用ポケット6に対応してその一側端(図1において左側端)に対応して設けられている。保持バンド14は伸縮自在なゴムバンドから構成され、その一端部が台本体4の裏側における服用時表示部8の上端部に縫い付けられ、その他端部が台本体4の裏側における最上段の薬収容ポケット6の底部に縫い付けられている。
【0033】
この薬服用管理袋2では、服用時表示部8の上端部に、横方向に間隔をおいて3つの孔が設けられ、これら孔にリング状の金具16が取り付けられている。この薬服用管理袋2を用いるときには、壁、柱などに係止金具(図示せず)が取り付けられ、かかる係止金具にリング状金具16が係止され、このようにして薬服用管理袋2が展開した状態で係止金具に吊り下げられる。
【0034】
この薬服用管理袋2では、各薬収容ポケット6に関連して、次のように構成されている。図1とともに図2及び図3を参照して、各薬収容ポケット6は、台本体4とこの台本体4の表面側に配設された透明乃至半透明の樹脂シート18との間に規定される。この樹脂シート18の下端部(図1〜図3において下端部)には、これを両側から挟むようにして下補強シート20が設けられ、下補強シート20及び樹脂シート18が台本体4に縫い付けられている。また、樹脂シート18の上端部(図1〜3において上端部であって、薬収容ポケット6の開口部)には、下端部と同様に、これを両側から挟むようにして上補強シート22が設けられ、この上補強シート22が樹脂シート18に縫い付けられている。このように構成されているので、各薬収容ポケット6の開口部の内側に上補強シート22が存在し、この上補強シートが薬収容ポケット6の開口部にて内側に突出しており(図3参照)、それ故に、収容した薬(薬剤など)が開口部から出ようとすると、この薬が内側の上補強シート22の端面に当たり、収容した薬が不注意に出るのを防止することができる。
【0035】
このような薬服用管理袋2では、上側の薬収容ポケット6の下補強シート20と下側の薬収容ポケット6の上補強シート22との間隔を収容する薬の大きさとほど同様又はこれよりも小さくするのが好ましく、このような間隔にすることによって、下側の薬収容ポケット6の開口部を通して出ようとする薬は、上側の薬収容ポケット6の下補強シート20の下端に当たり、収容した薬が不注意に出ようとするのをより効果的に防止することができる。
【0036】
尚、この形態では、樹脂シート18が台本体4に縫い付けられ、このように縫い付けて朝用薬収容ポケット6と昼用薬収容ポケット6とが仕切られ、また夜用薬収容ポケット6と寝る前用薬収容ポケット6とが仕切られている。
【0037】
この薬服用管理袋2を例えば持ち運ぶために収納する場合には、図1及び図4から理解されるように、台本体4の他端部から一端部に向けて、一点鎖線A(即ち、補助収容ポケット10と日曜日用薬収容ポケット6との間の部位)で内側に折り、次に一点鎖線B(即ち、土曜日用薬収容ポケット6と金曜日用薬収容ポケット6との間の部位)で内側に折り、次に一点鎖線C(即ち、木曜日用薬収容ポケット6と水曜日用薬収容ポケット6との間の部位)で内側に折り、更に一点鎖線D(即ち、火曜日用薬収容ポケット6と月曜日用薬収容ポケット6との間の部位)で内側に折り、こようにして縦方向に重なるように4つ折りをする(図4参照)。
【0038】
その後、図5に示すように、縦方向に四つ折りした状態の薬服用管理袋2を一点鎖線E(即ち、服用曜日表示部12)で二つ折りにし、かく二つ折りした状態で保持バンド14を引き延ばして反対側に掛け、上述したように折り畳んだ状態の薬服用管理袋2を保持バンド14でもって弾性的に保持し、このように保持することによって、その取り扱いが非常に容易となり、バッグなどに収容して容易に持ち運ぶことができるとともに、多数であっても容易に持ち運ぶことができる。
【0039】
薬服用管理具の実施形態
次に、図6〜図8を参照して、一実施形態の薬服用管理具について説明する。図6は、一実施形態の薬服用管理具の一部を示す正面図であり、図7は、図6の薬服用管理具を移動具に吊した状態を示す斜視図であり、図8は、他の実施形態の薬服用管理具の一部を示す正面図である。
【0040】
図6及び図7において、図示の薬服用管理具は、服用すべき薬の服用を所要の通りに管理するための薬服用管理袋52と、この薬服用管理袋52を吊り下げるための吊下げ具54とを備えている。薬服用管理袋52は、図1〜図5に示す上述したものと実質上同一のものでよく、その台本体56の表面側に複数の薬収容ポケット58が設けられ、これら薬収容ポケット58は、横方向(図6において左右方向)に列状に1日分の薬を収容することができるように4つ設けられるとともに、縦方向(図6において上下方向)に段状に1週間分の薬を収容することができるように7段設けられている。
【0041】
この薬服用管理具50においては、台本体56に装着されたリング状金具60(このリング状金具60の内側孔が貫通孔として機能する)に係止部材62が装着される。係止部材62は略リング状で、その一部にリング状金具60に装着するための切断部を有している。この係止部材62は、その全体が略リング状の係止部として機能し、この切断部を通して薬服用管理具50のリング状金具60に着脱自在に装着される。
【0042】
吊下げ具54は、略逆U字状の掛け部64と、直線状に延びる吊下げ部66とを有し、掛け部64がその一端部に設けられ、吊下げ部66がその他端部に設けられている。このような吊下げ具54は、例えば合成樹脂などから形成される。
【0043】
この吊下げ具54は、図6及び図7に示すように用いられる。即ち、図6に示すように、薬服用管理袋52に装着された係止部材62に吊下げ具54の吊下げ部66を挿通し、この吊下げ具54に係止部材62を介して薬服用管理袋52を吊り下げる。尚、吊り下げた薬服用管理袋52が滑り落ちないようにするために、吊下げ部66の先端部に上方に突出する落下防止部68を設けることができる。
【0044】
その後、図7に示すように、薬服用管理袋52を吊り下げた吊下げ具54を移動具70に吊り下げる。この移動具70は、間隔を配設される一対の支柱部72,74と、これら一対の支柱部72,74の上端部間を接続する吊下げ接続部76とを備え、各支柱部72,74のベース部78,80に一対のキャスター82,84が取り付けられている。吊下げ具54は、その掛け部64を移動具70の吊下げ接続部76に引っ掛けるようにして吊り下げられ、このように吊り下げることによって、多数の薬服用管理袋52を吊り下げた状態で運ぶことができ、これらの取扱いが非常に容易となり、薬を服用する患者が多くいる病院、老人介護ホームなどにおいて好適に用いることができる。尚、患者などに薬を渡すときには薬服用管理袋52の薬収容ポケット58に薬が入っているが、服用後に患者などから回収するときには、薬服用管理袋52の薬収容ポケット58には薬は入っていない。
【0045】
薬服用管理具は、図8に示すように構成することもできる。尚、以下の説明において、図6及び図7に示す部材と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0046】
図8において、この薬服用管理具50Aにおいては、係止部材62A及び吊下げ具54Aに修正が施されている。即ち、係止部材62Aは略C字状であり、その上端部に略逆U字状の係止部92を有し、その下端部に略U字状の装着部94を有し、その装着部94に薬服用管理袋52のリング状金具60が装着される。また、吊下げ具54Aの吊下げ部66には、薬服用管理袋52のリング状金具60に対応してリング状部96が設けられ、かかるリング状部96に係止部材62Aの係止部92が係止され、このようにして薬服用管理袋52が係止部材62Aを介して吊下げ具54Aに着脱自在に装着される。
【0047】
このような薬服用管理具においても、上述したと同様にして吊下げ具54Aの掛け部64を移動具の吊下げ接続部に引っ掛け吊り下げることができ、上述したと同様の作用効果が達成することができる。加えて、係止部材62Aの係止部92が吊下げ具54Aの吊下げ部66のリング状部96に係止されるので、この係止部材62Aが吊下げ部66を滑って移動することがなく、薬服用管理袋52を吊下げ具54Aにより確実に吊り下げることができる。
【0048】
薬服用管理具は、図9に示すように構成することもできる。図9において、この薬服用管理具50Bにおいては、吊下げ具54Bに修正が施されている。即ち、吊下げ具54Bの吊下げ部66には、薬服用管理袋52のリング状金具60の一部(この実施形態では、両側のリング状金具)に対応して、略U字状の下げ部98が設けられ、かかる下げ部98に薬服用管理袋52のリング状金具60が引っ掛けられ、このようにして薬服用管理袋52が直接的に吊下げ具54Bに着脱自在に装着される。
【0049】
このような薬服用管理具50Bにおいても、上述したと同様にして吊下げ具54Bの掛け部64を移動具の吊下げ接続部に引っ掛け吊り下げることができ、上述したと同様の作用効果が達成することができる。加えて、薬服用管理袋52のリング状金具60が吊下げ具54Bの吊下げ部66の下げ部98に掛けるので、薬服用管理袋52が滑って移動することがなく、薬服用管理袋52を吊下げ具54Bに確実に吊り下げることができる。
【0050】
上述した実施形態では、薬服用管理袋52のリング状金具60の一部に対応して吊下げ具54Bに下げ部98を設けているが、この下げ部98については、薬服用管理袋52のリング状金具60の全てに対応して設けるようにしてもよい。
【0051】
尚、図9における吊下げ具54Bにおいては、吊下げ部66に下げ部98を設けているが、このような下げ部98を省略し、吊下げ部66を薬服用管理袋のリング状金具60に直接的に挿通して吊り下げるようにしてもよく、このようにすることによって、薬服用管理具の構成をより簡単にすることができる。
【0052】
以上、本発明に従う薬服用管理袋及び薬服用管理具の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】一実施形態の袋服用管理袋を示す正面図。
【図2】図1の薬服用管理袋の一部を拡大して示す部分拡大図。
【図3】図2におけるIII−III線による断面図。
【図4】図1の薬服用管理袋を縦方向に4つに折り畳んだ状態を示す図。
【図5】図4に示す状態から更に横方向に2つに折った後に保持バンドで保持した状態を示す斜視図。
【図6】一実施形態の薬服用管理具の一部を示す正面図。
【図7】図6の薬服用管理具を移動具に吊した状態を示す斜視図。
【図8】他の実施形態の薬服用管理具の一部を示す正面図。
【図9】更に他の実施形態の薬服用管理具の一部を示す正面図。
【符号の説明】
【0054】
2,52 薬服用管理袋
4,56 台本体
6,58 薬収容ポケット
8 服用時表示部
10 補助収容ポケット
12 服用曜日表示部
14 保持ハンド
16 リング状金具
18 樹脂シート
50,50A,50B 薬服用管理具
54,56A,54B 吊下げ具
62,62A 係止部材
66 吊下げ部
70 移動具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能な材料から形成された台本体と、前記台本体の表側に配設された複数個の薬収容ポケットと、前記台本体に取り付けられた保持バンドと、を備えており、
前記複数の薬収容ポケットは、横方向に列状に1日分の薬を収容するように設けられているとともに、縦方向に段状に1週間分の薬を収容するように設けられており、
前記台本体を収容するときには、前記台本体を前記縦方向に折り畳んだ後に前記横方向に二つに折り畳み、このように折り畳んだ状態にて保持バンドで保持することを特徴とする薬服用管理袋。
【請求項2】
前記複数の薬収容ポケットは、前記横方向に列状に4個配設され、前記縦方向に段状に7個配設され、前記複数の薬収容ポケットの上側に1段分の薬収容ポケットとほぼ同じ大きさの服用時表示部が設けられ、前記複数の薬収容ポケットの下側に2段分の薬収容ポケットと同じ大きさの補助収容ポケットが設けられ、前記台本体は、2段分の薬収容ポケットの幅でもって前記縦方向に折り畳まれることを特徴とする請求項1に記載の薬服用管理袋。
【請求項3】
前記保持バンドは伸縮自在なゴムバンドから構成され、前記ゴムバンドが、前記台本体の裏側の上端部に2段分の薬収容ポケットの幅に対応して設けられていることを特徴とする請求項2に記載の薬服用管理袋。
【請求項4】
貫通孔が設けられた台本体及び前記台本体の表面側に配設された複数個の薬収容ポケットを備えた薬服用管理袋と、前記薬服用管理袋を吊り下げるための吊下げ具と備え、前記吊下げ具は、これを掛けるための掛け部と、前記薬服用管理袋を吊り下げるための吊下げ部とを有し、前記台本体の前記貫通孔を利用して前記薬服用管理袋が前記吊下げ部の前記吊下げ部に着脱自在に吊り下げられることを特徴とする薬服用管理具。
【請求項5】
前記薬服用管理袋の前記貫通孔には係止部材が装着され、前記薬服用管理袋は前記係止部材を介して前記吊下げ具の前記吊下げ部に吊り下げられることを特徴とする請求項4に記載の薬服用管理具。
【請求項6】
前記係止部材は略リング状の係止部を有し、前記吊下げ具の前記吊下げ部は直線状であり、前記吊下げ具の前記吊下げ部が前記係止部材の前記係止部に挿通されることを特徴とする請求項5に記載の薬服用管理具。
【請求項7】
前記係止部材は略逆U字状の係止部を有し、前記吊下げ具の前記吊下げ部にはリング状部が設けられ、前記係止部材の前記係止部が前記吊下げ具の前記リング状部に係止されることを特徴とする請求項5に記載の薬服用管理具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−88771(P2010−88771A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263850(P2008−263850)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(503292311)株式会社ウィードプランニング (5)
【出願人】(396015220)株式会社遠興 (1)
【出願人】(508305177)シンコハンガー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】