説明

薬液吐出弁及び薬液供給システム

【課題】液滴化を抑制しつつ薬液の滴下流量を減少させる技術を提供する。
【解決手段】本発明は、回転するウェハ上に薬液を供給するための薬液吐出弁を提供する。本薬液吐出弁は、閉弁状態と最大リフト量との間でリフト量を操作することによって、薬液供給口と薬液吐出口との間の流路状態を変化させる当接部を有するダイアフラム弁と、作動ガスの供給量を操作するための第1開度を連続的に調整可能な第1比例制御弁51と、作動ガスの排出量を操作するための第2開度を連続的に調整可能な第2比例制御弁52と、前記第1比例制御弁51と前記第2比例制御弁52とを接続する中間流路に設けられている作動ガス供給口とを有する作動ガス供給部と、作動ガス供給口から供給された作動ガスの供給圧力に応じてリフト量を操作するアクチュエータ部と、を備える。アクチュエータ部は、最大リフト量を調整可能に制限するリフト量制限部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプによって薬液を供給する薬液供給システムに関し、特に薬液を間欠的に供給する薬液吐出弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置の薬液使用工程においては、薬液供給システムから供給されたフォトレジスト液等の種々の薬液が半導体ウェハに所定量だけ塗布される。塗布方法は、たとえばフォトリソグラフィでは、スピンコータによって感光性有機物質であるフォトレジスト(レジスト液)が塗布される。スピンコータとは、半導体ウェハの回転によってフォトレジストを薄く均一に塗布する装置である。フォトレジストの膜厚は、スピンコータの回転数、レジストの粘性、温度環境などにより数10nmから数μmに調整することができる。薬液供給システムは、正確な量の薬液をノズルから半導体ウェハ上に滴下することによって薬液を供給する。
【0003】
従来は、薬液供給については、正確な量の滴下を実現するためにサックバックバルブの装備や閉弁速度の調整といった方法が提案されている。サックバックバルブは、閉弁後に薬液をノズルから引き戻すことによって液だれを防止することができるので、液だれに起因する過滴下の問題を解決することができる。閉弁速度の調整は、閉弁速度をウォーターハンマー現象(圧力脈動)に起因する薬液流路の内部における気泡発生を抑制して、気泡に起因する滴下不足の問題を解決することができる。一方、予め設定された流量制御パターンに基づいて薬液の流量を制御して液だれを抑制する技術(特許文献1)や開閉バルブの閉弁操作とサックバックバルブの吸引動作とを、別の駆動信号に基づいて独立して制御することによって液だれを防止する技術(特許文献2)も提案されている。このように従来は、ノズルからの薬液の吐出特性の改善を図ってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−161514号公報
【特許文献2】特開2010−171295号公報
【特許文献3】特開平11−82763号公報
【特許文献4】特開2005−128816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、レジスト液の塗布の薄膜化の要請に伴って薬液の滴下量を減少させると、液だれや気泡が発生しなくても塗布膜の厚さに不均一な部分が発生することが本発明者によって新たに見出された。本発明者は、従来のようにノズルからの薬液の吐出特性だけに着目するのではなく、高速度カメラを使用してノズルから吐出された空中の薬液の物理的特性にまで分析対象を拡大してその原因を突き止めることに成功した。
【0006】
本発明は、上述の従来の課題の少なくとも一部を解決するために創作されたものであり、液滴化を抑制しつつ薬液の滴下流量を減少させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
【0008】
手段1.回転するウェハ上に薬液を供給するための薬液吐出弁であって、
前記薬液が供給される薬液供給口と、前記薬液を吐出する薬液吐出口とが形成されている弁室を有するバルブ本体と、
前記薬液供給口と前記薬液吐出口のいずれか一方との距離であるリフト量を閉弁状態と最大リフト量との間で操作することによって、前記薬液供給口と前記薬液吐出口との間の流通状態を変化させる当接部を有するダイアフラム弁と、
作動ガスの供給量を操作するための第1開度を連続的に調整可能な第1比例制御弁と、作動ガスの排出量を操作するための第2開度を連続的に調整可能な第2比例制御弁と、前記第1比例制御弁と前記第2比例制御弁とを接続する中間流路に接続されている作動ガス供給口とを有する作動ガス供給部と、
前記作動ガス供給口から供給された作動ガスの供給圧力に応じて前記当接部を駆動し、前記当接部の駆動によって前記リフト量を操作するアクチュエータ部と、
を備え、
前記アクチュエータ部は、前記最大リフト量を調整可能に制限するリフト量制限部を有する薬液吐出弁。
【0009】
手段1では、リフト量の開閉操作は、第1比例制御弁と第2比例制御弁とを接続する中間流路に接続されている作動ガス供給口から供給された作動ガスの供給圧力に応じてダイアフラム弁の当接部を駆動することによって行なわれる。第1比例制御弁と第2比例制御弁とは連続的にバルブ開度を操作可能なので、一般的に使用されている電磁弁のオンオフ動作に起因する薬液流の脈流を排除することができる。これにより、特に閉弁操作時における薬液流の擾乱を抑制して表面張力による空中での液滴化を低減することができるので、薬液の少量供給の安定化を実現することができる。
【0010】
一方、アクチュエータ部は、最大リフト量を調整可能に制限するリフト量制限部を有するので、定常的な流量状態を実現するためのリフト量として最大リフト量を調整し、閉弁操作の制御内容を調整後の最大リフト量から閉弁状態までのリフト操作に限定することもできる。このようなハードウェア構成は、定常的な流量状態におけるリフト操作の停止と、定位置(最大リフト量)からのリフト操作による閉弁操作とが利用可能な制御対象として構成されていることになるので、簡易な制御系の実装で再現性の高い安定した動作を実現することができる。これにより、高い信頼性で液滴化を低減することができるので、薬液の少量供給の安定化を実現することができる。この結果、高い信頼性で液滴の発生に起因するプロセスの劣化を簡易に抑制することができる。
【0011】
手段1のアクチュエータ部は、作動ガスの供給圧力に応じてリフト量を操作する機能を有しているにも関わらず、最大リフト量を調整可能に制限するリフト量制限部をも有している。このような構成の組合せは、薬液の少量供給に起因する液滴化を薬液流中の擾乱の抑制で防止するための固有の組合せであり、出願時の当業者の技術常識に反するものであるといえる。
【0012】
手段2.前記アクチュエータ部は、前記作動ガスの供給圧力に応じて前記当接部を駆動するためのピストンと、前記ピストンを収容するシリンダ室が形成されているシリンダとを有し、
前記ピストンは、前記シリンダ室をOリングで封止する摺動部を有する手段1記載の薬液吐出弁。
【0013】
手段2では、ピストンがシリンダ室をOリングで封止する摺動部を有するので、ピストンは、薬液吐出弁に一般的に使用されるYパッキン等と比較してシリンダ室に対して大きなヒステリシスで摺動することになる。すなわち、本摺動は、動摩擦力と静摩擦力との差が顕著に大きい摩擦状態となるので、閉弁操作においては、一度動摩擦状態に入ると静摩擦状態に遷移し難い状態となる。
【0014】
このような特性は、ピストン位置の操作でバルブ開度を制御する薬液吐出弁の構成には一般的には好ましくないというのが出願時の当業者の一般的な技術常識である。しかしながら、本構成は、静摩擦状態への遷移を防止して動摩擦状態での安定した開弁操作や閉弁操作を実現することができるので、スティックスリップ現象を予防して液滴化の原因である薬液流の擾乱を抑制することができる。
【0015】
手段3.前記薬液は、フォトリソグラフィープロセスに使用されるレジスト液である手段1又は2に記載の薬液吐出弁。
【0016】
フォトリソグラフィープロセスでは、平坦面に均一に極めて薄い高品質の薄膜の形成が要請される一方、レジスト液Rの効率的な利用も望まれている。したがって、微小流量のレジスト液を安定的かつ液滴化することなく、ウェハ上に滴下することが好ましいので、本発明は顕著な効果を奏することになる。
【0017】
手段4.薬液供給システムであって、
手段1乃至3のいずれか1項に記載の薬液吐出弁と、
前記第1開度と前記第2開度の連続的な調整によって、前記作動ガスの供給圧力を操作して前記薬液の供給量を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記閉弁状態で維持させる閉弁維持操作と、前記閉弁状態から前記最大リフト量となるように前記リフト量を増大させる開弁操作と、前記リフト量を前記最大リフト量に維持する開弁維持操作と、前記最大リフト量から前記閉弁状態となるように前記リフト量を減少させる閉弁操作とを順に前記アクチュエータ部に実行させることによって間欠的に前記薬液を吐出する薬液供給システム。
【0018】
手段4の薬液供給システムでは、閉弁維持操作と、開弁操作と、開弁維持操作と、閉弁操作とを順にアクチュエータ部に実行させることによって間欠的に薬液が吐出される。閉弁維持操作と開弁維持操作は、いずれも底付き状態の動作なので、目標値近傍におけるリフト量の制御や静摩擦状態と動摩擦状態との間の遷移に起因するリフト量の脈動を生じさせない。
【0019】
開弁操作と閉弁操作は、いずれも停止を前提とする動作ではなく、閉弁状態と閉弁状態との間の動作におけるリフト量操作である。したがって、本構成は、目標値近傍におけるリフト量の制御や静摩擦状態と動摩擦状態との間の遷移に起因するリフト量の脈動を生じさせないことになる。このように、本薬液供給システムは、リフト量の脈動が発生しない動作によって間欠的に薬液を吐出することができるので、薬液の少量供給の安定化を実現することができる。
【0020】
手段5.手段4記載の薬液供給システムであって、
前記第2比例制御弁は、非通電で閉状態となる弁であり、
前記制御部は、前記開弁維持操作においては前記第2比例制御弁を非通電とする薬液供給システム。
【0021】
手段5の薬液供給システムでは、制御部が開弁維持操作においては第2比例制御弁を非通電として閉状態とされるので、作動ガスの供給圧力を高い状態で維持することができる。開弁維持操作では、作動ガスの供給圧力を高い状態で維持するだけで、リフト量制限部によって最大リフト量に維持されるので、第2比例制御弁への電力供給を停止した状態で開弁維持操作が実現されている。これにより、電力消費を抑制するとともに、薬液吐出弁の温度上昇を低減させることができる。
【0022】
なお、第1比例制御弁の動作は、運用形態に応じて、非通電による閉状態としても良いし、小さなリフト量で開状態に制御しても良い。これにより、さらに電力消費や熱発生を抑制することができる。開弁維持操作は底付き状態における動作なので、作動ガスの供給圧力が脈動してもよいからである。
【0023】
本発明は、薬液供給システムだけでなく、たとえば薬液供給システムの制御機能を具現化するコンピュータプログラム、そのプログラムを格納するプログラム媒体といった形で具現化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態の薬液供給システム90とスピンコータ60とを示す回路図。
【図2】薬液吐出バルブ100の内部構成を示す断面図。
【図3】閉状態におけるエアオペレートバルブ120の内部構成を示す拡大断面図。
【図4】開状態におけるエアオペレートバルブ120の内部構成を示す拡大断面図。
【図5】実施形態における薬液吐出バルブ100の制御ブロック図。
【図6】実施形態と比較例の薬液吐出バルブの作動エアの圧力を対比して示すグラフ。
【図7】比較例における薬液の吐出状態を高速度カメラで撮影した様子を示す図。
【図8】実施例における薬液の吐出状態を高速度カメラで撮影した様子を示す図。
【図9】エアオペレートバルブ120とサックバック装置130の作動シーケンスを示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具現化した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施の形態では、半導体装置等の製造ラインにて使用される薬液供給システムについて具体化しており、それを図1乃至図4に基づいて説明する。本実施形態では、薬液の供給流量の脈動を抑制するための構成と、薬液の脈動の抑制で薬液の少量供給を安定させるメカニズムの順で説明される。
【0026】
(実施形態の薬液供給システムの構成)
図1は、本発明の実施形態の薬液供給システム90とスピンコータ60とを示す回路図である。薬液供給システム90は、スピンコータ60に薬液としてのレジスト液Rを供給するシステムである。スピンコータ60は、半導体ウェハW上にレジスト液Rで薄膜を形成する装置である。スピンコータ60は、回転板61と、回転板61上に載置された半導体ウェハWの中心位置に薬液としてのレジスト液Rを供給(滴下)する薬液吐出ノズル62と、薬液吐出ノズル62に薬液を供給する薬液流路63とを備えている。
【0027】
レジスト液Rは、本実施形態では、フォトリソグラフィに使用される薬液である。フォトリソグラフィは、感光性有機物質であるフォトレジストを塗布した基板表面に、フォトマスクを通してパターン状に露光させることによって微細パターンを作製するプロセスである。フォトリソグラフィープロセスでは、平坦面に均一に極めて薄い薄膜が形成され、その後に露光装置(図示せず)に送られて微細な回路パターンが転写される。薄膜形成工程では、特に環境保護と省資源化の観点から、廃液量を低減させるとともにレジスト液Rを節約するためにレジスト液Rの効率的な利用が好ましい。
【0028】
スピンコータ60による薄膜形成プロセスは以下のとおりである。スピンコータ60は、レジスト液Rの滴下前においては半導体ウェハWを一定の回転数で回転させている。スピンコータ60は、レジスト液Rの滴下させた後に回転数を上昇させて遠心力でレジスト液Rを半導体ウェハW上に広げる。これにより、半導体ウェハW上から余分なレジスト液Rが除かれて適量のレジスト液Rが残ることになる。スピンコータ60は、さらに回転させることで、溶媒を蒸発させて感光性有機物質のみを半導体ウェハW上に均一にコーティングすることができる。レジストの膜厚は、回転板61の回転速度、レジストの粘性、および温度環境などを制御することにより数10nmから数μmに調整することができる。レジストの膜厚は、一般的に回転板61の回転速度を速くするほど薄くすることができる。
【0029】
薬液供給システム90は、薬液供給貯留装置20と、ポンプ装置30と、薬液吐出バルブ100と、これらを制御するコントローラ10とを備えている。薬液供給貯留装置20は、レジスト液Rを貯留するレジストボトル21と、レジストボトル21からポンプ装置30にレジスト液Rを供給する吸入配管22と、吸入配管22を開閉操作する吸引側バルブ23と、吸引側バルブ23に作動エアを供給する作動エア供給源25と、作動エアの供給圧力を操作する圧力制御弁24とを備えている。圧力制御弁24は、コントローラ10によって制御されている。
【0030】
ポンプ装置30は、薬液供給貯留装置20の吸入配管22からレジスト液Rを吸引して薬液吐出バルブ100に吐出する装置である。コントローラ10は、吸引側バルブ23を操作して吸入配管22を開とし、ポンプ装置30を操作して薬液吐出バルブ100の入口側流路111に吐出圧を印加させる。ポンプ装置30は、たとえば作動エアによって駆動されるダイアフラム(図示せず)を有するダイアフラムポンプとして構成することができる。
【0031】
薬液吐出バルブ100は、エアオペレートバルブ120と作動エア供給部50とサックバック装置130とを備えている。エアオペレートバルブ120は、作動エア供給部50から供給される作動エアの供給圧力に応じてバルブ開度が操作されるバルブである。作動エア供給部50は、エアオペレートバルブ120に対して作動エアを供給する装置である。
【0032】
作動エア供給部50は、第1比例制御弁51と第2比例制御弁52と圧力センサ53とサブコントローラ190とを備えている。第1比例制御弁51は、作動エア供給流路55を介して作動エア供給源25に接続され、作動エア中間流路54を介してエアオペレートバルブ120に接続されている。第2比例制御弁52は、作動エア中間流路54を介してエアオペレートバルブ120に接続され、作動エア排出流路56を介して作動エア排気口に接続されている。圧力センサ53は、作動エア中間流路54に接続され、エアオペレートバルブ120への作動エアの供給圧力を計測する。
【0033】
サックバック装置130は、エアオペレートバルブ120の閉弁時のレジスト液Rの液だれを防止するための装置である。サックバック装置130は、エアオペレートバルブ(図示せず)とそのエアオペレートバルブに作動エアを供給する装置(図示せず)とを備えている。
【0034】
図2は、実施形態における薬液吐出バルブ100の内部構成を示す断面図である。図3は、閉状態におけるエアオペレートバルブ120の内部構成を示す拡大断面図である。図4は、開状態におけるエアオペレートバルブ120の内部構成を示す拡大断面図である。薬液吐出バルブ100は、スピンコータ60(図1参照)にレジスト液Rを供給するための内部流路110を備えている。内部流路110には、レジスト液Rの流れを制御するエアオペレートバルブ120と、エアオペレートバルブ120の閉弁時のレジスト液Rの液だれを防止するためのサックバック装置130とが直列に接続されている。
【0035】
内部流路110は、ポンプ装置30から吐出されたレジスト液Rをエアオペレートバルブ120に供給する入口側流路111と、エアオペレートバルブ120から吐出されたレジスト液Rをサックバック装置130に供給する中間流路112と、サックバック装置130から吐出されたレジスト液Rを薬液吐出ノズル62に供給する出口側流路113と、を備えている。入口側流路111、中間流路112、および出口側流路113は、本実施形態では直線状に配置されている。
【0036】
エアオペレートバルブ120は、入口側流路111と中間流路112とに連通する弁室121を備え、弁室121と中間流路112の連通孔112h(図2及び図3参照)を開閉することによって内部流路110におけるレジスト液Rの流れを制御するバルブである。エアオペレートバルブ120は、連通孔112hを開閉する当接部122tを有するダイアフラム122と、シリンダ室127と作動エア供給口128とが形成されているバルブ本体129と、ピストンロッド123と、ピストン124と、付勢バネ125と、リフト量制限機構126と、シリンダ室127を封止する膜体127mとを備えている。なお、連通孔112hは、薬液吐出口とも呼ばれる。入口側流路111と弁室121の連通口は、薬液供給口とも呼ばれる。作動エア供給口128は作動ガス供給口とも呼ばれる。
【0037】
リフト量制限機構126は、ピストンロッド123の移動量を制限することによって、リフト量Lの最大値を調整可能に制限する機構である。リフト量Lは、図4に示されるようにダイアフラム122の当接部122tと連通孔112hとの間の距離であり、エアオペレートバルブ120のバルブ開度に相当する。リフト量制限機構126は、螺合によって装着されているので回転させることに微調整が可能である。これにより、薬液吐出バルブ100等の個体差を吸収して薬液供給システム90における定常流量を設定することができる。
【0038】
これにより、薬液供給システム90は、ポンプ装置30の吐出圧が所定の値に設定された状態において、リフト量制限機構126によるリフト量Lの最大値の調整によってレジスト液Rの定常的な吐出量が調整可能に構成されている。なお、リフト量Lの最大値は、本発明者による実施例では、0.2mm程度に設定された。
【0039】
ピストンロッド123は、以下の構成を有している。ピストンロッド123は、移動方向に中心軸線を有する円柱状のピストンロッド本体123aと、締結ナット123cと、2個のワッシャ123wとを備えている。ピストンロッド本体123aは、その一端にピストン124が装着される装着軸部123dと、雄ネジ部123bとを有し、これらはピストンロッド本体123aと一体をなしている。装着軸部123dには、ピストン124が装着され、それが締結ナット123cで雄ネジ部123bに締結されている。一方、ピストンロッド本体123aには、ダイアフラム122が装着されるための雌ネジ部123eが形成されている。
【0040】
なお、雄ネジ部123bとリフト量制限機構126との間の閉弁時のギャップは、開弁時におけるリフト量Lの最大値である最大リフト量Lmaxに相当することになる(0.2mm程度に設定)。
【0041】
ピストンロッド123は、ダイアフラム122が装着されるための雌ネジ部123eから雄ネジ部123bまで一体的に構成されているピストンロッド本体123aを有していることになる。雄ネジ部123bは、リフト量Lの増大に応じてリフト量制限機構126に当接するように構成されている。雄ネジ部123bは、ピストンロッド本体123aと雌ネジ部123eと中心軸を共有して一直線上に構成されているので、ダイアフラム122のリフト量Lを高い剛性で制限することができる。これにより、ピストンロッド123の底付き時の過度の振動を防止することができる。
【0042】
ピストンロッド123は、その摺動面123gが嵌合孔123hに摺動する状態で装着されている。ピストンロッド123の摺動面123gと嵌合孔123hの間は、Oリング123fで封止されている。Oリング123fから漏れた作動エアは、排気流路129hを介して排出されるように構成されている。Oリング123fは、エアオペレーテッドバルブに一般的に使用される低ヒステリシスのYパッキン等と比較して大きなヒステリシスを有している。すなわち、Oリング123fは、静摩擦力と動摩擦力との間に大きな差を有している。
【0043】
本発明者は、一般的な技術常識に反し、ピストンロッド123に対してOリング123fで封止することによってスティックスリップ現象を抑制することに成功している。スティックスリップ現象は、「びびり」とも俗称される振動現象であり、たとえば静摩擦状態(静止状態)と動摩擦状態(移動状態)とを繰り返すことによって発生する現象である。ピストンロッド123は、Oリング123fによる封止で大きなヒステリシスを有しているので、いったん動摩擦状態となると、静摩擦状態になりにくいという特質を有している。すなわち、Oリング123fは、ピストンロッド123が一度動き始めると止まりにくい性質を実現するので、開弁操作や閉弁操作においてスティックスリップ現象を抑制できることになる。
【0044】
ただし、このような性質は、ピストンロッド123の位置を中間位置に止める制御を困難とするので、バルブ開度を調整することが望まれる一般的なエアオペレーテッドバルブには適さないことが当業者の技術常識となっている。本実施形態は、エアオペレーテッドバルブであるにも関わらず、リフト量制限機構126によるリフト量Lの最大値の調整によってレジスト液Rの定常的な吐出量が調整されるように構成されているので、ピストンロッド123の位置を中間位置に止めることを必要としない点に着目して一般的な技術常識に反する方向に創作されたものである。
【0045】
このように、本構成は、Oリング123fを使用することによって、ピストンロッド123の移動中における摩擦の非線形性(動摩擦力と静摩擦力の大きな差)に起因するヒステリシスを敢えて利用して、スティックスリップ現象という非線形現象を防止しているのである。この結果、エアオペレートバルブ120は、その開閉におけるダイアフラム122の脈動を抑制することができるという固有の特徴を有していることになる。
【0046】
エアオペレートバルブ120の開閉は、ダイアフラム122の駆動によって操作される。ダイアフラム122は、ピストンロッド123を介してピストン124によって駆動される。ピストン124は、シリンダ室127の内部の作動エアの圧力によってリフト量Lを大きくする方向に駆動される。一方、ピストン124は、付勢バネ125によってリフト量Lを小さくする方向に付勢されている。なお、ダイアフラム122を駆動するピストンロッド123、ピストン124、付勢バネ125、リフト量制限機構126及びシリンダ室127は、アクチュエータ部とも呼ばれる。
【0047】
これにより、ピストン124は、作動エア供給口128からシリンダ室127に供給される作動エアの圧力による駆動力と付勢バネ125の付勢力の差としての荷重と、ピストンロッド123及びピストン124等の慣性力とが釣り合う加速度で操作されることになる。
【0048】
作動エア供給口128には、エアオペレートバルブ120に装着されている作動エア供給部材57を介して作動エア供給部50から作動エアが供給される。作動エア供給部材57には、作動エア供給路58が形成され、作動エア供給路58と作動エア供給口128との間にはオリフィス59が装着されている。オリフィス59は、作動エア供給路58と作動エア供給口128との間で最も小さなオリフィス径を有し、作動エア供給口128に供給される作動エアの脈動を抑制している。
【0049】
(実施形態の薬液吐出バルブの制御内容)
図5は、実施形態における薬液吐出バルブ100の制御ブロック図である。サブコントローラ190は、エアオペレートバルブ120への作動エアの供給圧力を圧力指令値Ptに近づけるように制御する。本制御は、第1比例制御弁51と第2比例制御弁52とのバルブ開度を連続的に操作することによって行なわれる。コントローラ10及びサブコントローラ190は制御部とも呼ばれる。
【0050】
サブコントローラ190は、偏差増幅器191と、バイアス発生部193と、反転器192と、2個の比較器194,195と、コントローラ10との通信と電力供給のためのコネクタ199(図2参照)とを備えている。偏差増幅器191は、圧力指令値Ptと圧力センサ53の計測値Pmの偏差δ1を増幅して増幅値δ2とする。比較器194は、増幅値δ2とバイアス値Bの加算値と閾値とを比較し、その加算値が閾値よりも大きいときには第2比例制御弁52の開度を小さくする。一方、比較器195は、反転器192で反転(正負逆転)された負の増幅値δ2とバイアス値Bとの加算値と閾値とを比較し、その加算値が閾値よりも大きいときには第2比例制御弁52の開度を小さくする。
【0051】
これにより、第1比例制御弁51及び第2比例制御弁52は、圧力指令値Ptに圧力センサ53の計測値Pmが近づくように操作されることになる。バイアス発生部193は、2個の比較器194,195に入力される制御信号をいずれも正の値とするとともに、第1比例制御弁51及び第2比例制御弁52での圧力操作時の排気速度を調整する役割を果たすことができる。なお、第1比例制御弁51と第2比例制御弁52の開度は、それぞれ第1開度と第2開度とも呼ばれる。
【0052】
図6は、実施形態の薬液吐出バルブ100と比較例の薬液吐出バルブの作動エアの圧力を対比して示すグラフである。比較例の薬液吐出バルブは、第1比例制御弁51と第2比例制御弁52とに対応する一対の電磁弁(図示せず)が比例制御弁からオンオフ弁に置き換えられ、パルス幅変調によってバルブ開度の制御が行なわれるバルブである。本図から分かるように、比較例の薬液吐出バルブでは、曲線Aに示されるように一対のオンオフ弁(図示せず)の開閉に伴って作動エアの脈動が発生している。これに対して、本実施形態の作動エア供給部50は、第1比例制御弁51と第2比例制御弁52の連続的な開度調整によって作動エアの供給圧力を操作するので、曲線Bに示されるようにパルス幅変調に起因する脈動を発生させずに連続的に作動エアの供給圧力を操作することができる。
【0053】
一方、ピストンロッド123は、前述のようにOリング123fを使用することによって移動中のスティックスリップ現象の発生を抑制し、これによりエアオペレートバルブ120の開閉時のダイアフラム122の脈動を抑制することができる。作動エア供給部50は、オリフィス59を介してエアオペレートバルブ120に操作エアを供給するので、目標値としての圧力指令値Ptの近傍における制御(修正動作)に起因する脈動も顕著に抑制することができる。
【0054】
これにより、薬液吐出バルブ100は、ダイアフラム122の脈動を抑制することができる。ダイアフラム122の脈動は弁室121の内部の薬液に対して薬液の脈動の原因となる圧力振動を印加するので、ダイアフラム122の脈動の抑制は、薬液吐出バルブ100から吐出される薬液の脈動の抑制につながることとなる。
【0055】
このように、本発明者は、(1)作動エアの圧力制御に起因する脈動抑制、(2)作動エアの供給流路のオリフィス59による脈動低減、および(3)ピストンロッド123のスティックスリップ現象の予防といった様々な観点から対策を施すことによって、薬液吐出バルブ100の開閉作動時における薬液の脈動を抑制することに成功した。さらに、本発明者は、薬液の定常吐出時には、リフト量制限機構126によってダイアフラム122を停止することによって薬液の脈動を抑制する構成としている。
【0056】
(薬液の脈動の抑制で薬液の少量供給が安定するメカニズム)
図7は、比較例における薬液の吐出状態を高速度カメラで撮影した様子を示す図である。図8は、実施例における薬液の吐出状態を高速度カメラで撮影した様子を示す図である。図6(a)は比較例の薬液吐出バルブの閉弁開始時の状態を示している。図6(b)(c)(d)は、順に薬液の供給流量がゼロ(液切れ時)になるまでの過程を示している。図7(a)は実施例の薬液吐出バルブの閉弁開始時の状態を示している。図7(b)(c)(d)は、順に薬液の供給流量がゼロ(液切れ時)になるまでの過程を示している。
【0057】
比較例における薬液の吐出状態は、図7から分るように薬液の供給流量がゼロに近づくに従って液滴化が進み薬液の流れが乱れていることがわかる。薬液流の乱れは、本発明者の解析によればレジスト液Rの表面張力に起因するものである。これに対して、実施例における薬液の吐出状態は、図8から分るように薬液の供給流量がゼロに近づいても液滴化が抑制されて薬液の流れが殆ど乱れていないことがわかる。
【0058】
比較例における薬液の液滴化は、レジスト液Rが高速で滴下されているので、肉眼で認識することが難しく当業者による研究も進んでいなかった。一方、表面張力の問題は、仮に認識されたとしてもレジスト液Rの特性の調整によって表面張力を小さくすることが通例であり技術常識であった。しかし、本発明者は、表面張力による液滴化が薬液の吐出時において発生する擾乱によって促進され、その擾乱の主要因がダイアフラム122の脈動に起因していることを実験によって突き止めたのである。すなわち、本発明者は、ダイアフラム122の脈動を抑制すれば、表面張力による液滴化を抑制できることを本実験によって確認したことになる。
【0059】
図9は、エアオペレートバルブ120とサックバック装置130の作動シーケンスを示すタイムチャートである。コントローラ10(図1参照)は、薬液吐出バルブ100に開弁操作を指令する。開弁操作の指令は、薬液吐出バルブ100への圧力指令値Ptを上昇させることによって行われる。すなわち、コントローラ10は、圧力指令値Ptを上昇させ、時刻t1からリフト量Lがゼロから一定の速度で大きくなる。
【0060】
このような開弁操作によって、エアオペレートバルブ120は、圧力の急変を発生させること無く円滑に薬液の流通を開始することができる。本実施形態の開弁操作は、閉弁状態から開弁状態へのリフト量の動作なので、前述のように目標値近傍におけるリフト量の制御や静摩擦状態と動摩擦状態との間の遷移に起因するリフト量の脈動を生じさせることがない。
【0061】
一方、コントローラ10は、時刻t1においてサックバック装置130にセットアップ工程を開始させる。セットアップ工程とは、エアオペレートバルブ120の閉弁時の液だれを防止するためのサックバック工程を行なうための準備工程である。サックバック工程は、サックバック弁室131からダイアフラム133を後退させてサックバック弁室131を拡張し、これにより薬液を薬液吐出ノズル62の側から吸引して液だれを防止する工程である。準備工程は、サックバック弁室131側にダイアフラム133を予め移動させてサックバック弁室131を縮小させる工程である。
【0062】
エアオペレートバルブ120は、時刻t2においてリフト量Lが最大リフト量Lmaxとなってリフト量Lが安定(固定)する。このような閉弁維持操作によって、エアオペレートバルブ120は、予め設定された薬液の流量で正確かつ安定して薬液を薬液吐出ノズル62に供給することができる。この際には、ダイアフラム122は、リフト量制限機構126によって位置が拘束されているので、リフト量Lも機械的に固定されていることになる。
【0063】
なお、薬液吐出バルブ100は、リフト量Lも機械的に固定されているので、第2比例制御弁52を停止して電力消費を低減させるように構成しても良い。こうすれば、薬液吐出バルブ100における熱発生を抑制することができる。一方、第1比例制御弁の動作は、運用形態に応じて、非通電による閉状態としても良いし、小さなリフト量で開状態に制御しても良い。これにより、さらに電力消費や熱発生を抑制することができる。開弁維持操作は底付き状態における動作なので、作動エアの供給圧力が脈動しても良いからである。
【0064】
コントローラ10(図1参照)は、薬液吐出バルブ100に閉弁操作を指令する。閉弁操作の指令は、薬液吐出バルブ100への圧力指令値Ptを下降させることによって行われる。圧力指令値Ptの下降によって、リフト量Lは、時刻t3からリフト量Lが最大リフト量Lmaxから一定の速度で小さくなる。
【0065】
このような閉弁操作によって、エアオペレートバルブ120は、過度のウォーターハンマー現象を発生させること無く薬液の流通を停止することができる。本実施形態の閉弁操作は、開弁状態から閉弁状態へのリフト量の動作なので、目標値近傍におけるリフト量の制御や静摩擦状態と動摩擦状態との間の遷移に起因するリフト量の脈動を生じさせない。
【0066】
コントローラ10は、時刻t4においてサックバック装置130にサックバック工程を開始させる。時刻t4は、薬液吐出バルブ100に閉弁操作の開始時期(時刻t3)の近傍のタイミングである。サックバック工程の開始時期(時刻t4)は、薬液吐出バルブ100の閉弁操作の開始時期(時刻t3)の前後の所定の範囲で設定できるようにしてもよい。サックバック工程は、時刻t4において急激にレジスト液Rを吸引して薬液吐出ノズル62から薬液を吸い戻す工程である。これにより、良好な液切れを実現し、時刻t6までゆっくりと吸引することによって薬液吐出ノズル62からの液だれを防止することができる。
【0067】
このように、本発明の実施形態は、薬液吐出バルブ100の全ての動作で薬液の脈動を顕著に低減させて薬液流の擾乱を抑制することができる。これにより、レジスト液Rの表面張力を弱めることなく、薬液流の擾乱に誘起されて表面張力によって発生する液滴化を抑制しつつレジスト液Rの吐出流量を小さくすることができる。
【0068】
なお、実施の形態は上記した内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記の実施形態では、(イ)作動エアの圧力制御に起因する脈動抑制、(ロ)作動エアの供給流路のオリフィス59による脈動低減、および(ハ)ピストンロッド123のスティックスリップ現象の予防といった様々な観点から対策を施しているが、必ずしも全てを装備する必要はなく、少なくとも一つを実装すればよい。
(2)上記実施の形態では、フォトリソグラフィにおいて、薬液としてレジスト液Rを半導体ウェハWに塗布する例が示されているが、プロセスや薬液の種類はこれに限られず、薬液の供給が行われるシステムに適用することができる。
(3)上記実施の形態では、作動エアによって駆動されているが、たとえば窒素ガスで駆動するようにしてもよく、一般に作動ガスで駆動されるものであれば良い。
【符号の説明】
【0069】
10…コントローラ、20…薬液供給貯留装置、30…ポンプ装置、50…作動エア供給部、51…第1比例制御弁、52…第2比例制御弁、53…圧力センサ、59…オリフィス、60…スピンコータ、61…回転板、62…薬液吐出ノズル、123f…Oリング、126…リフト量制限機構、127…シリンダ室、127m…膜体、130…サックバック装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するウェハ上に薬液を供給するための薬液吐出弁であって、
前記薬液が供給される薬液供給口と、前記薬液を吐出する薬液吐出口とが形成されている弁室を有するバルブ本体と、
前記薬液供給口と前記薬液吐出口のいずれか一方との距離であるリフト量を閉弁状態と最大リフト量との間で操作することによって、前記薬液供給口と前記薬液吐出口との間の流通状態を変化させる当接部を有するダイアフラム弁と、
作動ガスの供給量を操作するための第1開度を連続的に調整可能な第1比例制御弁と、作動ガスの排出量を操作するための第2開度を連続的に調整可能な第2比例制御弁と、前記第1比例制御弁と前記第2比例制御弁とを接続する中間流路に接続されている作動ガス供給口とを有する作動ガス供給部と、
前記作動ガス供給口から供給された作動ガスの供給圧力に応じて前記当接部を駆動し、前記当接部の駆動によって前記リフト量を操作するアクチュエータ部と、
を備え、
前記アクチュエータ部は、前記最大リフト量を調整可能に制限するリフト量制限部を有する薬液吐出弁。
【請求項2】
前記アクチュエータ部は、前記作動ガスの供給圧力に応じて前記当接部を駆動するためのピストンと、前記ピストンを収容するシリンダ室が形成されているシリンダとを有し、
前記ピストンは、前記シリンダ室をOリングで封止する摺動部を有する請求項1記載の薬液吐出弁。
【請求項3】
前記薬液は、フォトリソグラフィープロセスに使用されるレジスト液である請求項1又は2に記載の薬液吐出弁。
【請求項4】
薬液供給システムであって、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の薬液吐出弁と、
前記第1開度と前記第2開度の連続的な調整によって、前記作動ガスの供給圧力を操作して前記薬液の供給量を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記閉弁状態で維持させる閉弁維持操作と、前記閉弁状態から前記最大リフト量となるように前記リフト量を増大させる開弁操作と、前記リフト量を前記最大リフト量に維持する開弁維持操作と、前記最大リフト量から前記閉弁状態となるように前記リフト量を減少させる閉弁操作とを順に前記アクチュエータ部に実行させることによって間欠的に前記薬液を吐出する薬液供給システム。
【請求項5】
請求項4記載の薬液供給システムであって、
前記第2比例制御弁は、非通電で閉状態となる弁であり、
前記制御部は、前記開弁維持操作においては前記第2比例制御弁を非通電とする薬液供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−145164(P2012−145164A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3828(P2011−3828)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】