説明

薬物送達システム、薬物送達デバイス、ニードルアセンブリ及びプライミング方法

薬物送達システムは、ハウジング(1)及びカートリッジ(2)を含む薬物送達デバイス(22)を含む。薬物送達デバイス(22)は、近位端及び遠位端を有する。薬物送達システムはさらに、薬物送達デバイス(22)に取り付け可能なニードルアセンブリ(10)を含む。ニードルアセンブリ(10)及び薬物送達デバイス(22)は、ニードルアセンブリ(10)が薬物送達デバイス(22)に取り付けられるとき、カートリッジ(2)がハウジング(1)に対して近位方向に移動するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
薬物送達デバイスは、薬物をカートリッジからカニューレを経由して送達するように作動する。薬物送達デバイスの駆動機構は、所定の投与量が送達されるように、栓をカートリッジ内に押し込む。
【背景技術】
【0002】
投与量は、可変でも又は固定でもよい。薬物送達デバイス又はその部品は使い捨て又は再使用可能であり得る。薬物送達デバイスが組み立てられる又は薬物送達デバイスの部品、例えばカートリッジが交換されるとき、駆動機構の部品は、カートリッジ又は薬物送達デバイスのハウジングに対して所定の位置に置かれなくてもよい。その部品が、所定の位置に置かれるなら、その薬物送達デバイスが組み立て後初めて使用されるとき、それは、所定の投与量が送達されることを確実にする。換言すれば、正確な投与量の送達を確保するために互いに接触していなければならない薬物送達デバイスの部品間に内部ギャップがあってもよい。そのギャップは、全ての組み立てられた部品に関する許容範囲の結果であり、そして組み立てられたデバイスに栓を事前装填しないための必要条件であり、その理由は、事前装填はカートリッジ内の薬物を加圧するからである。
【0003】
プライミング操作は、駆動機構の部品が他の部品に対して所定の位置に移動することを確認するために行われる。
【0004】
薬物送達デバイスに不慣れなユーザーは、最初の投与量を投与する前に、彼らの薬物送達デバイスのプライミングに失敗又は不正確なプライミングをする可能性がある。もしこれが起きると、ユーザーは、プライミングの液体を注射する、即ち薬物の正確な投与量が送達されないことになり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、薬物送達システム、薬物送達デバイス、ニードルアセンブリ及びプライミングする前の薬物をユーザーが投与することを防止する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のため、ハウジング及びカートリッジを含む薬物送達デバイスを含む薬物送達システムが提供される。薬物送達デバイスは、近位端及び遠位端を有する。薬物送達システムはさらに、薬物送達デバイスに取り付け可能なニードルアセンブリを含む。ニードルアセンブリ及び薬物送達デバイスは、ニードルアセンブリが薬物送達デバイスに取り付けられるとき、ハウジングに対して近位方向に移動するように構成される。
【0007】
ハウジング、ピストンロッド及び栓の付いたカートリッジを含む薬物送達デバイスをプライミングする方法は、次の工程を含む。ニードルアセンブリは薬物送達デバイスに取り付けられ、それによってカートリッジはハウジングに対して近位方向に移動し、その結果栓がピストンロッドに接触する。
【0008】
ニードルアセンブリはプライミングツールの働きをする。薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスのニードルアセンブリが取り付けられる間に、ニードルアセンブリによってプライミングされる。ニードルアセンブリは、カートリッジを薬物送達デバイスの駆動機構に向けて押すのに好適であり、それによってカートリッジと薬物送達デバイスの駆動機構の間に位置し得るギャップが埋められる。薬物送達システム及びその方法は、ユーザーがプライミング流体を注射することを防止し、彼又は彼女に使用前に薬物送達デバイスを正しくプライミングさせようとする。
【0009】
薬物送達デバイスは、カートリッジに入った1つ又はそれ以上の投与量の薬物の送達に好適である。投与量は、固定又は可変であってもよい。薬物送達デバイスは、注入に好適な注射器型であればよい。或いは、薬物送達デバイスは、例えば試料トレーにピペッティングするために使われてもよい。薬物送達デバイスは、再使用可能又は使い捨てである。1つの実施態様では、薬物送達デバイスは、ペン型の薬物送達デバイスである。ペン型の薬物送達デバイスは、管状又は非管状の細長い形態を有する。1つの実施態様は、主に楕円の形をしている。代りの実施態様は、主に立方体である。
【0010】
ハウジングは、外部又は内部ハウジング部品を含み、それらは薬物送達デバイスの取り扱いを安全、正確、そして快適にできるように設計される。ハウジングは、単一又は複数部品の構成材であればよい。ハウジングは、薬物を入れるように構成されたカートリッジを含む。カートリッジは、ハウジングの外側部分又は内側部分の部品に固定又は係合されればよい。薬物の多数の投与量がカートリッジから投与されればよい。ほかのカートリッジの実施態様は、単回投与の送達に好適である。
【0011】
ニードルアセンブリは、カニューレを含む。ニードルアセンブリは、カートリッジがハウジングに係合されるとき、プライミング工程中に薬物が送達されるように、プライミング作業が行われる間取り付けられる。プライミングの投与量は、カートリッジが駆動機構に向けて押されたとき、カニューレを通して送達されればよい。
【0012】
1つの実施態様では、ニードルアセンブリ及び薬物送達デバイスは、ニードルアセンブリが薬物送達デバイスに取り付けられているとき、ハウジングに対して遠位方向へのカートリッジの移動は阻止されるように構成される。取り付けられたニードルアセンブリは、カートリッジを駆動機構と接触する位置に係止する役目を果たす。1つの実施態様で、ニードルアセンブリは、その位置にカートリッジを係止するのに好適な分離可能な部品を含み、その分離可能な部品は、プライミング後にニードルアセンブリが取り外されたとき、薬物送達デバイス上に残る。分離可能な部品の1つの実施態様は、プライミング後の最初の注射に使用するのに好適であり得るニードルユニットを含む。これは、ニードルアセンブリが、薬物送達デバイスのプライミングに好適であり、同時にニードルユニットを取り付けるのに好適であることを意味する。
【0013】
薬物送達デバイスは、ピストンロッドを含んでもよい。カートリッジは栓を含んでもよい。一般に、薬物送達デバイスが組み立てられるとき、ピストンロッドの遠位端と栓の間に内部ギャップがある。このギャップは、全ての組み立てられた部品に付随する許容範囲、及び組み立てるデバイスに前もって栓を装填するとカートリッジ内の薬物を加圧するので、前もって栓を装填しないという必要条件の結果である。カートリッジは、針アッセンブリが薬物送達デバイスに取り付けられたとき、栓がピストンロッドに接触できるように、ピストンロッドに対して可動である。それによって、ピストンロッドの遠位端と栓の間のギャップは閉じられる。
【0014】
ニードルアセンブリは、プライミング工程の間ピストンロッドが栓と接触できるように、カートリッジを押すために好適である。この工程は、栓がカートリッジ内に押込まれそれによって薬物が投与されるようにカートリッジの栓がピストンロッドに向かって移動したとき、カニューレを通してカートリッジから薬物を投与することと一緒に行われればよい。
【0015】
ユーザーがプライミングの前に薬物を投与することを防止する目的のため、薬物送達デバイスは、ハウジング、カートリッジ及びハウジング及びカートリッジの少なくとも1つの遠位部分に取り付けられる保護部材を含む。保護部材は、プライミング工程中又はプライミング工程後の間は取り外されるように構成される。
【0016】
薬物送達デバイスに取り付けられる保護部材の存在は、その薬物送達デバイスは未だプライミングされていないことを明確に示す。保護部材の1つの実施態様は、注射のために薬物送達デバイスの使用を防止する。保護部材は、注射に好適なニードルユニットが薬物送達デバイスに取り付けできないように、薬物送達デバイスの遠位端に取り付けられればよい。或いは、保護部材は、駆動機構を妨害してもよい。保護部材の1つの実施態様は、基本的に円筒の形状である。
【0017】
保護部材の1つの実施態様は、ハウジング及びカートリッジの少なくとも1つの連結手段と解除可能に係合する係合手段を含む。1つの実施態様では、連結手段は、ハウジングの開口部を含み、係合手段は、ハウジングの開口部に内向きに半径方向に伸びるフィンガを含む。係合手段は、ニードルアセンブリが取り付けられている間を意味するプライミング工程の間、連結手段から分離することができる。
【0018】
ニードルアセンブリは、薬物送達デバイスに取り付けられるように構成され、そのニードルアセンブリは、薬物送達デバイスに取り付け可能なニードルハブ及びカニューレを含むニードルユニットを含む。ニードルユニットは、ニードルハブに解除可能に連結可能である。
【0019】
ニードルアセンブリは、ニードルユニット及びニードルハブを薬物送達デバイスに取り付ける役目をする。ニードルハブは、ニードルユニットと薬物送達デバイスの間の接続部品として働く。ニードルユニットは、薬物送達デバイスと接続したままであるニードルハブから取り外し可能である。1つの実施態様では、ニードルアセンブリは、ニードルハブに解除可能に連結されるニードルユニットを備える。他の実施態様では、ニードルユニットは、取り付け工程の間、ニードルハブに取り付けられている。ニードルユニットは、カニューレを通して薬物を送達するのに好適である。
【0020】
1つの実施態様では、ニードルハブ及びニードルユニットは、ねじ連結される。換言すれば、ニードルユニットは、ねじ、好ましくは雌ねじを有し、それはニードルハブのねじ、好ましくは雄ねじと係合する。
【0021】
1つの実施態様では、ニードルアセンブリは、ニードルユニット及びニードルハブを少なくとも部分的に覆うカバーを含み、そのカバーは、ニードルハブの取り付けの間、ニードルユニット及びニードルハブを支えるために好適である。カバーは、ニードルユニット及びニードルハブを薬物送達デバイスに取り付けるための道具の役目をする。1つの実施態様では、カバーは、少なくとも部分的にカバーの内側に位置するニードルユニット及びニードルハブを保護する。
【0022】
ニードルアセンブリの1つの実施態様は、カニューレを通して投与される流体を捕捉するのに好適な薬物捕捉手段を含む。薬物捕捉手段は、吸収手段の役目をしてもよい。そのような吸収手段は、スポンジ又は流体吸収顆粒を含んでもよい。
【0023】
ニードルアセンブリは、ニードルアセンブリが取り付けられるとき、ハウジング及びハウジングに対して近位方向に移動するカートリッジを含む薬物送達デバイスに取り付けることができる。換言すると、ニードルアセンブリは、プライミング道具としての役目をする。薬物送達デバイスは、ニードルアセンブリによってニードルユニット及びニードルハブが取り付けられる間にプライミングされる。
【0024】
1つの実施態様では、ニードルハブは、薬物送達デバイスと係合するように構成される取り付け手段を含む。取り付け手段の1つの実施態様は、バネ手段として設計される。ニードルアセンブリは、上記のように薬物送達デバイスに取り付け可能であればよい。ニードルアセンブリは、使い捨ての固定又は可変式薬物送達デバイス、例えばペン注射器、と連結して使用することができる。薬物送達デバイスは、投与量の設定及び投与のためのプッシュ・プル機構を有してもよい。ニードルアセンブリは、限定する訳ではないが、使い捨ての固定投与量注射器に適用可能であり、その場合、新しいデバイスのセットアップに関連する使いやすさの問題に遭遇するかも知れない。
【0025】
ニードルアセンブリの1つの実施態様は、ニードルアセンブリが薬物送達デバイスに取り付けられる間保護部材を取り外すように構成される連結を解除する手段を含む。その連結解除手段は、保護部材を切り離すのに好適である。1つの実施態様では、保護部材は、ニードルユニット及びニードルハブが薬物送達デバイスに取り付けられるとき、保護部材は切り離される。解除手段は、ニードルアセンブリが薬物送達デバイスに取り付けられるとき、保護部材の係合手段を、連結手段との係合から離すように構成されればよい。1つの実施態様では、解除手段は、ニードルハブを薬物送達デバイスと連結させるように構成されるフィンガを含む。これは、ニードルユニット及びニードルハブの搭載は保護部材の分離をもたらすことを意味する。そのフィンガは、薬物送達デバイスと接続可能なバネ手段を有してもよい。
【0026】
ニードルアセンブリの1つの実施態様は、ニードルアセンブリが薬物送達デバイスに取り付けられるとき、保護部材を少なくとも部分的に受け取るように構成される保持手段を含む。保護部材は、ニードルユニット及びニードルハブの取り付けの間、ニードルアセンブリの中に挿入される。好ましくは、保持手段は、取り外された保護部材を保持するのに適している。1つの実施態様では、カバーは、カバーの空洞として形成されてもよい保持手段を含む。従って、保護部材は、取り外しの後カバー内に留まる。
【0027】
その他の特徴は、添付図面と併せて検討されるとき、次の詳細な説明から明らかになる。
【0028】
本明細書で使われる用語の「薬物」は、好ましくは、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含有する医薬製剤を意味し、
ここで、1つの実施態様では、薬学的に活性な化合物は、1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、タンパク質、多糖、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体、ホルモン若しくはオリゴヌクレオチド、又は上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり;
ここで、さらなる実施態様では、薬学的に活性な化合物は、糖尿病又は糖尿病性網膜症のような糖尿病に伴う合併症、深部静脈又は肺血栓性塞栓症などの血栓性塞栓性疾患、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、花粉症、アテローム性動脈硬化症及び/又は関節リュウマチの処置及び/又は予防のために有用であり;
ここで、さらなる実施態様では、薬学的に活性な化合物は、糖尿病又は糖尿病性網膜症のような糖尿病に伴う合併症の処置及び/又は予防のための少なくとも1つのペプチドを含み;
ここで、さらなる実施態様では、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3若しくはエキセンジン−4又はエキセンジン−3若しくはエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0029】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンが、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位におけるLysは、Proで代替されてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0030】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0031】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、配列がH−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2のペプチドを意味する。
【0032】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28] エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体;
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28] エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,
Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のエキセンジン−4誘導体のいずれか1つの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0033】
ホルモンは、例えば、Rote Liste,ed. 2008, Chapter 50に表示されているような、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、絨毛性ゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トレプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は調節活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0034】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカンのヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン又は超低分子量ヘパリン若しくはそれらの誘導体、又はスルホン化された、例えば、上述の多糖類のポリスルホン化形態、及び/又は、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0035】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又はK+、又はCa2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素、場合により置換されたC1−C6アルキル基、場合により置換されたC2−C6アルケニル基、場合により置換されたC6−C10アリール基、又は場合により置換されたC6−C10ヘテロアリール基を意味する。薬学的に許容される塩の更なる例は、‘Remington's Pharmaceutical Sciences'17.ed., Alfonso R.Gennaro (Ed.), Mark Publishing Company, Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical
Technologyに記載されている。
【0036】
薬学的に許容される溶媒和物は、例えば、水和物である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】初回使用前の薬物送達デバイスの実施態様及び薬物送達デバイスのプライミングに好適なニードルアセンブリの三次元断面(cut-away)図を示す。
【図2】薬物送達デバイスのハウジングに取り付けられた保護部材の三次元図を示す。
【図3】シールを含む使用前のニードルアセンブリの三次元図を示す。
【図4】シールを除去した後のニードルアセンブリの三次元図を示す。
【図5】使用前の薬物送達デバイス及びニードルアセンブリの断面図を示す。
【図6】ニードルアセンブリが薬物送達デバイスに取り付けられた、薬物送達デバイス及びニードルアセンブリの断面図を示す。
【図7】ニードルアセンブリが薬物送達デバイスから取り外された、薬物送達デバイス及びニードルアセンブリの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、初回使用前の薬物送達デバイス22の実施態様及び薬物送達デバイス22のプライミングに好適なニードルアセンブリ10の三次元断面図を示す。
【0039】
薬物送達デバイス22は、遠位部分及び近位部分を有するハウジング1を含む。デバイス22の遠位端は矢印51で示され、それは薬物送達デバイス1の投与末端に最も近い薬物送達デバイス22の末端を指す。デバイス22の近位端は矢印50で示され、デバイス22の投与末端から最も離れたデバイス22の末端を指す。
【0040】
薬物送達デバイス22は、固定投与量の注射用に設計されればよい。或いは、薬物送達デバイスは可変投与量の注射用に設計されてもよい。
【0041】
送達される薬物を含むカートリッジ2は、カートリッジホールダの役目をするハウジング1の遠位部分に設置される。固定投与量の薬物送達デバイスでは、カートリッジ2は多数投与量の流体薬物を含む。1つの実施態様では、カートリッジは、単に単回投与量の薬物を含むだけである。カートリッジ2は、さまざまな流体薬物、例えばグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、ヘパリンなどを送達する薬物送達デバイス22で使用されてもよい。
【0042】
カートリッジ2の遠位端は、セプタム3で覆われた開口部を有する。セプタム3は、カニューレによって穿刺することができ、それを通して薬物が放出される。栓4は、カートリッジ2の内側側壁に沿って遠位方向に可動である。
【0043】
1つの実施態様では、カートリッジ2は使い捨てであり、それは、カートリッジ2がハウジング1から取り除くことができ、新しいカートリッジ2がハウジング1に嵌めることができることを意味する。1つの実施態様では、ハウジング1の遠位及び近位部分は、カートリッジ2を交換するために分解することができる。別の実施態様では、カートリッジホールダの役目をするハウジング1の遠位部分は、ハウジング1の近位部分に恒久的に取り付けられる。カートリッジは、交換するとき、ハウジング1の開口部を通して、ハウジング1からの除去又は挿入がなされればよい。代りの実施態様では、ハウジング1の遠位部分もまた取り外し可能であり、それはカートリッジ1及びハウジング1の遠位部分は交換可能であることを意味する。
【0044】
薬物送達デバイス22は、さらに、ハウジング1の内側に位置するピストンロッド5を有する駆動機構(全体は示されない)を含む。駆動機構は、所定の量の薬物がカートリッジ2からカニューレを通して放出できるように、注射する間栓4を移動させるのに好適である。ピストンロッド5は、ハウジング1に対して可動であり、ピストンロッド5がハウジング1に対して遠位方向に動かされる場合、栓4をカートリッジ2の内壁に沿って遠位方向に押すのに好適である。送達される投与量は、投与量設定機構(示されない)によって設定する。投与量を設定した後、その投与量は、ボタン部材(示されない)の動きに反応して送達される。
【0045】
通常の作動中(図1に示されない)は、カニューレの付いたニードルユニットはカニューレがセプタム3に穿刺できるように薬物送達デバイスの遠位端に取り付けられる。ピストンロッド5の遠位端は栓4に接する。ピストンロッド5がハウジング1に対して遠位方向に所定の距離だけ移動するとき、それによって栓4を遠位方向に所定の距離だけ押し進め、薬物の投与量はカニューレを通して送達される。もし、ピストンロッド5が栓4に接していなかったら、正確な投与量の容量は送達されない可能性がある。
【0046】
しかし、薬物送達デバイスが組み立てられるとき、一般にピストンロッド5の遠位端と栓4の間に内部ギャップ6がある。ピストンロッド5は、薬物送達デバイス22の最初の使用前は栓4に接触してなくてもよい。この場合、ピストンロッド5が移動した距離は、栓4が移動した距離と一致しないだろうし、その結果不正確な投与量が送達される。
【0047】
このギャップ6は、全ての組み立てられた部品に付随する許容範囲、及び組み立てる薬物送達デバイスに前もって栓4を搭載しないという必要条件の結果である。図1は、ピストンロッド5の遠位端と栓4の間のギャップ6を示す。最初の使用前、ピストンロッド5は栓4に対して接しなければならない。このプライミング工程は、薬物送達デバイス22の最初の使用時の不正確な容量の投与量の送達を防止する。
【0048】
さらに、薬物送達デバイス22は、保護部材7を含み、それはハウジング1の遠位端に取り付けられる。ほかの実施態様(示されない)では、保護部材7はカートリッジ2の遠位端に取り付けられる。保護部材7は、人又は動物の体に薬物を注射するために使われる使い捨てのニードルユニットのカートリッジ2への取り付けを防止する。換言すると、もし、保護部材7がハウジング1に取り付けられているなら、薬物送達デバイス22は注射のために使用できない。
【0049】
保護部材7のこの実施態様は、主に管の形状を有し、カートリッジ2の遠位端及びセプタム3を取り巻く。保護部材は、ハウジング1の遠位部分に位置する連結手段9と解除可能に係合する係合手段8を含む。ほかの実施態様(示されない)では、連結手段は、カートリッジ2に置かれる。図1に示される実施態様では、係合手段8はフィンガ26を含み、それはハウジングの開口部27の内側に半径方向に伸びる。保護部材7は、後で説明するように、保護部材7がニードルアセンブリ10内のスプライン20に沿って移動できるように、スロット25を有する。
【0050】
図2は、薬物送達デバイス22のハウジング1に取り付けられた保護部材7の三次元図を示す。さらに、図4は、ハウジング1の遠位部分に切り抜いたように形成された窓28を示す。カートリッジ2は、その窓28を通して見ることができる。もしカートリッジ2が透明な素材、例えばガラスで出来ているなら、カートリッジ4内の栓4の位置を見ることができ、それはカートリッジ2内の薬物の液面を示す。
【0051】
保護手段7は、薬物送達デバイス22がプライミングされるまで、ユーザーが薬物を投与することを防止する。これは、ユーザーが薬物の最初の投与量を送達する前にプライミング操作を開始せざるを得ないことを確実にする。
【0052】
保護部材の存在は、薬物送達デバイスが未だ使われていないこと、そして最初の使用前にプライミングが必要であることを示す。
【0053】
保護手段7は、ハウジング1と相対的に移動できずそして注射に使用されるニードルユニットのカートリッジ2の遠位端への取り付けを阻止するように、ハウジング1の遠位端に外部から取り付けられる。1つの実施態様では、保護手段7は、多くのペン注射器に使われてもよい標準のA型ニードルユニットの取り付けを阻止する。
【0054】
さらに、図1は、薬物送達デバイス22と分離した、プライミングするニードルアセンブリ10を示す。ニードルアセンブリ10は、空洞を有する基本的に管状のキャップとして形成されてもよいカバー11を含む。カバー11の空洞は、滅菌シール12で密封される。
【0055】
図3は、使用前のニードルアセンブリ10の三次元図を示し、ここでカバー11の空洞は滅菌シール12で密封され、それはユーザーがシール12を取り除くとき掴むのに好適な耳23を含む。
【0056】
図1に戻って三勝すると、ニードルアセンブリ10もまた、ニードルハブ14と解除可能に接続するニードルユニット13を含み、ニードルユニット13及びニードルハブ14はカバー11の空洞の内側に位置する。カバー11は、ニードルユニット13及びニードルハブ14を覆う。シール12は、カバー11の近位端に貼られ、ニードルユニット13及びニードルハブ14をカバー11内に封入する働きをする。これは、カバー11の内容物をユーザーに送達する前に滅菌することを可能にする。
【0057】
カバー11は、ニードルユニット13及びニードルハブ14を保持し、ニードルユニット13及びニードルハブ14を取り付けるための道具として働く。針保持手段は、ニードルアセンブリ10の主軸に沿った位置にニードルユニット13及びニードルハブ14を保持するのに好適である。針保持手段は、ニードルハブ14上に取り付けられたニードルユニット13とカバー11の内側の側壁の間に空間があるように、ニードルユニット13及びニードルハブ14を主軸に沿って保持するのに好適なスプライン20として形成される。スプライン20は、カバー11の内側の側壁に沿って伸びる。それらは、ニードルユニット13及びニードルハブ14が内側にありながら、保護部材7がカバー11の空洞の中に挿入することができる様式で配置される。
【0058】
カバー11は、カバー11に対して遠位方向へのニードルユニット13及びニードルハブ14の動きを阻止するために好適な停止手段を含む。この実施態様では、停止手段は、カバー11の遠位端からニードルアセンブリ10の主軸に沿って伸長する停止シリンダー24として設計される。停止シリンダー24の近位端はニードルユニット13と接する、又はニードルユニット13の近くに位置する。それでもなお、ニードルユニットのカニューレ15の遠位部分は停止シリンダー24の内側に位置する。
【0059】
ニードルアセンブリ10は、プライミング工程中に送達される薬物を捕捉するために好適な薬物捕捉手段21を含む。この実施態様では、薬物捕捉手段21は、停止シリンダー24内に置かれたスポンジ挿入物として形成される。1つの実施態様では、スポンジ挿入物はカバー11の中に固定される。
【0060】
ニードルユニット13は、カニューレ15を含み、それを通して薬物は投与される。ニードルユニット13の1つの実施態様は、プライミング工程のときにだけ使用される。ニードルユニット13の1つの実施態様は、プライミング工程後の最初の注射のために使用される。通常、ニードルユニット13は、無菌性の理由から注射の後に廃棄され、次の投与量の注射の前に新しいニードルユニットが取り付けられる。通常ニードルユニット13は毎注射後に取り除かれるが、ニードルハブ14はカートリッジ2上に留まる。
【0061】
ニードルハブ14は、ハウジング1の遠位端と接続することができる。一旦ニードルハブ14がハウジング1に取り付けられてしまうと、ニードルハブ14は、カートリッジ2の耐用期間ハウジング1上に留まる。注射に使用するニードルユニットは、注射前にニードルハブ14に取り付けられ、注射後にニードルハブ14から取り除かれる。
【0062】
1つの実施態様では、ニードルハブ14は、ハウジング1に恒久的に取り付けられる。他の実施態様では、ニードルハブ14は、直接カートリッジ2に取り付けられ、使い果たしたときカートリッジ2と共に廃棄され、それは毎回新しいニードルアセンブリを必要とする。
【0063】
ニードルハブ14は、ニードルアセンブリ10の主軸に沿ってカバー11の内側に設置され、使い捨てのニードルユニット13を搭載するための外側螺旋ねじ17をもつデザインで、基本的にシリンダー状である。押しシリンダー29は、シリンダー状ニードルハブ14の内側に設置される。このシリンダー29は、ニードルアセンブリ10が取り付けられるとき、カートリッジを押し、それによってカートリッジ2をピストンロッド5に向かって進める。ニードルハブ14の遠位端の穴は、ニードルハブ14の内側の内部シリンダー29を通してカニューレ15の挿入を可能にする。ニードルハブ14は、薬物送達デバイスと係合するように構成された取り付け手段を含む。1つの実施態様では、ニードルハブ14は、ニードルハブ14の近位端に位置するスナップ式係合手段16を含み、そのスナップ式係合手段16は、ニードルハブ14をカートリッジ2の遠位端に搭載するのに好適である。スナップ式係合手段16の近位端は、薬物送達デバイス22のハウジング1から保護部材7を分離するのに好適なアーム30の形態をとる。ニードルユニット13及びニードルハブ14は、カバー11内の保持のスプライン20上に、相対的な軸移動はできるが相対的な回転運動は出来ないように、取り付けられる。1つの実施態様では、ニードルユニット13は溝を有し、そこにスプライン20が係合する。
【0064】
ニードルユニット13は、取り付け台18を含み、それはニードルハブ14と解除可能な連結に好適である。シリンダーの形態であってもよい取り付け台18は、取り付け台18の内側に沿って位置する雌ねじ19を含む。雌ねじ19は、ニードルハブ14の雄ねじ17と係合している。
【0065】
図4は、シール12を除去した後のニードルアセンブリ11の三次元図を示し、ここで、カバー11の内側のスナップ式係合手段16の付いたニードルハブ14が見える。
【0066】
図1を振り返ると、ニードルユニット13は、ニードルアセンブリ12の主軸に沿って取り付けられる。カニューレ15の遠位端は、薬物捕捉手段21内に位置するが、一方近位端はニードルユニットの取り付け台18内に位置する。
【0067】
薬物送達デバイス22及びニードルアセンブリ10がユーザーに届けられるとき、保護部材7を含む薬物送達デバイス22は、ニードルアセンブリ10と分かれて供給される。薬物送達デバイス22は、最初の使用の前にプライミングされなければならず、それはピストンロッド5が栓4に接しなければならないことを意味する。
【0068】
図5は、最初の使用前の薬物送達デバイス及びニードルアセンブリの断面図を示す。参照の数字は、図1におけるのと同じ機能に関係する。
【0069】
薬物送達デバイス22とニードルアセンブリ10が提供されるとき、それはユーザーに届けられる意味であり、薬物送達デバイス22はニードルアセンブリ10と別々に供給される。この状態では、保護部材7は、ニードルアセンブリ10に備えられたニードルハブ14に取り付けられたニードルユニット13以外のニードルユニットの取り付け物を阻止する。これは、言い換えると、薬物送達デバイス22から薬物の投与量がユーザーに投与されることを阻止する。
【0070】
プライミング工程は、ニードルアセンブリ10を使って行われる。薬物送達デバイス22は、ニードルアセンブリ10が薬物送達デバイス22に取り付けられた時プライミングされ、それは今から説明する。
【0071】
最初の使用に先立って、ユーザーは、カバー11の空洞上に置かれた無菌シール12を取り除き、それによって、カバー11の内側に(図4に示されるように)ニードルハブ13が露出される。
【0072】
保護部材7がカバー11の空洞内に挿入されるように、カバー11は、軸方向にハウジング1の遠位端に向けて押される。カバー11は保護部材7をはめ込み、カバー11内のスプライン20は、軸方向に、保護部材7のスロット25に入り込む。
【0073】
また、薬物送達デバイス22の近位端に向けたカバー11の軸方向の動きは、カニューレ15の近位端を押し進めてセプタム3に穿孔し、薬物にカニューレ15を介する薬物捕捉手段21との伝達をもたらす。さらに、軸方向の動きは、ニードルハブ14の内部シリンダー29にカートリッジ2の遠位端との接触をもたらす。継続した軸方向の運動は、カートリッジ2を駆動機構に対して近位に、栓4が駆動機構のピストンロッド5と接するまで、押し戻す。カートリッジ2が、今や駆動機構と接して静止した栓4に対して軸方向の動きを継続するにつれて、プライミング薬物はカートリッジ2からカニューレ15を通して薬物捕捉手段21に押し出され、そこでスポンジ挿入物が薬物を吸収する。プライミング中に投与される薬物は薬物送達デバイス22内に収容され、プライミングの投与量が誤ってユーザーに注射されないことを確保するようにコントロールされる。薬物は、適切に設計された容器内に安全に入れられる。
【0074】
図6は、ニードルアセンブリ10が薬物送達デバイス22に取り付けられるときの、薬物送達デバイス22及びニードルアセンブリ10の断面図を示す。
【0075】
カバー11の軸方向の動きの終点で、ニードルハブ14のスナップ式係合機構16はハウジング1と恒久的に係合する。同時にニードルハブ14のアーム30は、保護部材7をハウジング1と接続するスナップ式係合しているフィンガ26の下に通し、そしてそれらを半径方向に移動させ、保護手段7をハウジング1から分離させる。これは、保護部材7は、プライミングの投与量が完全に投与されそしてニードルハブ14が薬物送達デバイスに確保されるまで、薬物送達デバイス22から取り除くことができないことを確実にする。
【0076】
引き続き、カバー11をハウジング1の遠位方向に、軸方向に引く。
【0077】
図7は、プライミングした後、カバー11が薬物送達デバイス22から取り外された薬物送達デバイス及びニードルアセンブリの断面図を示す。
【0078】
保護部材7及び薬物捕捉手段21として働くスポンジ挿入物は、カバー11内に保持される。保護部材は、少なくとも部分的にカバー11の空洞に置かれ、その空洞は、保護部材7を保持するのに好適な保持手段として働く。保護部材7はカバーに、例えばクリップ又は摩擦によって接続されてもよい。スポンジ挿入物はカバー11に、例えば摩擦、糊又はクリップによって接続されればよい。
【0079】
取り付けられたニードルユニット13の付いたニードルハブ14は、ハウジング1上に保持される。カバー11の除去は、ニードルハブ14に嵌めこまれたそしてハウジング1内の薬物と連通しているニードルユニット13を露出させ、それ故、薬物送達デバイス22を、最初の投与量をユーザーに注射する用意ができるようにする。ニードルハブ14は、ハウジング1に恒久的に取りつけたままにし、必要に応じてさらなるニードルユニットの取り付けに対して準備が整えられる。
【0080】
要約すると、薬物送達デバイス22及びニードルアセンブリ10は、従来の薬物送達デバイスと比べると比較的少数の構成材を有する。デバイス及びニードルアセンブリは、誤ってプライミング投与量を注射するリスクを排除する。ニードルアセンブリ及び保護部材は、いかなる駆動機構及びいかなる薬物送達デバイスにも当て嵌めることができ、それは広範な薬物送達デバイスにとって好適にする。
【0081】
他の実施は、クレームの範囲内である。異なる実施態様の要素は組み合わせて、本明細書に具体的に記載されない実施を形成してもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 ハウジング;
2 カートリッジ;
3 セプタム;
4 栓;
5 ピストンロッド;
6 ギャップ;
7 保護部材;
8 係合手段;
9 連結手段;
10 ニードルアセンブリ;
11 カバー;
12 シール;
13 ニードルユニット;
14 ニードルハブ;
15 カニューレ;
16 スナップ式係合機構;
17 雄ねじ;
18 取り付け台;
19 雌ねじ;
20 スプライン;
21 薬物捕捉手段;
22 薬物送達デバイス;
23 耳;
24 停止シリンダー;
25 スロット;
26 フィンガ;
27 開口部;
28 窓;
29 押しシリンダー;
30 アーム;
50,51 矢印。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達システムであって:
近位端及び遠位端を有し、ハウジング(1)及びカートリッジ(2)を含む薬物送達デバイス(22)、及び
薬物送達デバイス(22)に取り付け可能なニードルアセンブリ(10)、を含んでなり、
ニードルアセンブリ(10)及び薬物送達デバイス(22)は、ニードルアセンブリ(10)が薬物送達デバイス(22)に取り付けられたとき、カートリッジ(2)がハウジング(1)に対して近位方向に移動するように構成される、上記薬物送達システム。
【請求項2】
ニードルアセンブリ(10)及び薬物送達デバイス(22)は、ニードルアセンブリ(10)が薬物送達デバイス(22)に取り付けられたとき、ハウジング(1)に対して遠位方向へのカートリッジ(2)の動きが阻止されるように構成される、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項3】
薬物送達デバイス(22)はピストンロッド(5)を含み、そしてカートリッジ(2)は栓(4)を含み、カートリッジ(2)は、ピストンロッド(5)に対して可動であることにより、ニードルアセンブリ(10)が薬物送達デバイス(22)に取り付けられたとき、栓(4)がピストンロッド(5)と接触する、請求項1又は2に記載の薬物送達システム。
【請求項4】
ハウジング(1)、カートリッジ(2)、及びハウジング(1)及びカートリッジ(2)の少なくとも1つの遠位部分に取り付けられる保護部材(7)を含んでなる薬物送達デバイス(22)であって、保護部材(7)がプライミング工程の間又はプライミング工程後に取り外されるように構成される、上記薬物送達デバイス(22)。
【請求項5】
保護部材(7)が、ハウジング(1)及びカートリッジ(2)の少なくとも1つの連結手段(9)と解除可能に係合される係合手段(8)を含む、請求項4に記載の薬物送達デバイス(22)。
【請求項6】
連結手段(8)がハウジング(1)の開口部(27)を含み、そして係合手段(8)がハウジング(1)の開口部(27)の半径方向内側に伸びるフィンガ(26)を含む、請求項5に記載の薬物送達デバイス(22)。
【請求項7】
薬物送達デバイス(22)に取り付けられるように構成されるニードルアセンブリ(10)であって、そのニードルアセンブリ(10)は、薬物送達デバイス(22)に取り付け可能なニードルハブ(14)、及びカニューレ(15)を含むニードルユニット(13)を含んでなり、そのニードルユニット(13)は、ニードルハブ(14)に解除可能に連結可能である、上記ニードルアセンブリ(10)。
【請求項8】
ニードルアセンブリ(10)が、少なくとも部分的にニードルユニット(13)及びニードルハブ(14)を覆い、ニードルハブ(14)が取り付けられる間ニードルユニット(13)及びニードルハブ(14)を保持するために適したカバー(11)を含む、請求項7に記載のニードルアセンブリ(10)。
【請求項9】
ニードルハブ(14)及びニードルユニット(13)は、ねじ連結される、請求項7又は8に記載のニードルアセンブリ(10)。
【請求項10】
カニューレ(15)を通して投与される流体を捕捉するために適した薬物捕捉手段(21)を含んでなる、請求項7〜9のいずれか1項に記載のニードルアセンブリ(10)。
【請求項11】
ニードルアセンブリ(10)は、ハウジング(1)、及びニードルアセンブリ(10)が取り付けられたときハウジング(1)に対して近位方向に動くカートリッジ(2)を含んでなる薬物送達デバイス(22)に取り付け可能である、請求項7〜10のいずれか1項に記載のニードルアセンブリ(10)。
【請求項12】
ニードルハブ(14)は、薬物送達デバイス(22)と係合するように構成された取り付け手段(16)を含む、請求項11に記載のニードルアセンブリ(10)。
【請求項13】
請求項4〜6のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス(22)に取り付け可能な、請求項7〜12のいずれか1項に記載のニードルアセンブリ(10)。
【請求項14】
ニードルアセンブリ(10)の薬物送達デバイス(22)への取り付け中に、保護部材(7)を取り外すように構成される連結解除手段を含んでなる、請求項13に記載のニードルアセンブリ(10)。
【請求項15】
ニードルアセンブリ(10)が薬物送達デバイス(22)に取り付けられるとき、少なくとも部分的に保護部材(7)を受けるように構成される保持手段を含んでなる、請求項13又は14に記載のニードルアセンブリ(10)。
【請求項16】
保持手段が、取り外された保護部材(7)を保持するのに適した、請求項15に記載のニードルアセンブリ(10)。
【請求項17】
カバー(11)が保持手段を含む、請求項15又は16に記載のニードルアセンブリ(10)。
【請求項18】
ニードルアセンブリ(10)が薬物送達デバイス(22)に取り付けられるとき、保護部材(7)の係合手段(8)を、連結手段(9)との係合から外すように構成される解除手段を含んでなる、請求項15〜17のいずれか1項に記載のニードルアセンブリ(10)。
【請求項19】
解除手段が、ニードルハブ(14)を薬物送達デバイス(22)に連結させるように構成されるフィンガを含む、請求項18に記載のニードルアセンブリ(10)。
【請求項20】
ハウジング(1)、ピストンロッド(5)及び栓(4)を備えたカートリッジ(2)を含む薬物送達デバイス(22)をプライミングする方法であって、ニードルアセンブリ(10)を薬物送達デバイス(22)に取り付け、それによってカートリッジ(2)をハウジング(1)に対して近位方向に動かすことにより、栓(4)がピストンロッド(5)に接触する工程を含む、上記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−506462(P2013−506462A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531394(P2012−531394)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064423
【国際公開番号】WO2011/039230
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】