説明

蛍光検知装置

【課題】特定波長で発光する蛍光体、あるいは、複数の特定波長で発光する蛍光体を精度よく検出し、容易に判定処理を行うことが可能な蛍光検知装置を提供する。
【解決手段】蛍光検知装置は、蛍光体11を励起する励起光を蛍光体に照射する照明装置L1と、特定波長の光のみを受光する特性を有し、蛍光体から励起された発光を受光する第1受光部16と、特定波長帯域を包括し、さらにそれ以上に広い帯域の光を受光する特性を有し、蛍光体から励起された発光を受光する第2受光部18と、第1受光部からの検出信号と第2受光部からの検出信号とに基づいて蛍光体の真偽を判定する判定部20と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は紙葉類等の被検査媒体に付された蛍光体を検知し、被検査媒体の真偽を判定する蛍光検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙幣等の紙葉類には、その真偽判定を目的とする蛍光体印刷が施されている。このような紙葉類に付された蛍光体印刷を検知する装置として、特許文献1に開示された「セキュリティ情報媒体読取装置が提案されている。このセキュリティ情報媒体読取装置は、赤外発光LED、紫外発光LED、可視光発光LEDを順次、情報媒体に照射し、情報媒体が発する蛍光発光をCCDカメラで撮像し、蛍光パターン像、微細・高精細パターンをパーソナルコンピュータのモニタに表示する。この装置によれば、特定の波長帯域で発光する蛍光体を検出する際、この特定波長のみを透過させるフィルタを通して、蛍光を受光素子で検出する方法を用いている。
【0003】
特許文献2には、印刷物に付与された蛍光体及び/又は燐光体から発する二つ以上の発光特性及び/又は残光特性スペクトルを取得し、取得したスペクトルを分光測定し、蛍光体及び/または燐光体の特定パターンを検出し、印刷物を識別する識別方法及び識別装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−193387号公報
【特許文献2】特開2006−275578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたセキュリティ情報媒体読取装置のように、その特定波長のみを透過させるフィルタを用いて受光素子で検出する場合、この特定波長帯域を包括し、さらにそれ以上に広い波長帯域の蛍光体も検出されてしまうため、正確な真偽判定を行うことが困難となる。
【0006】
特許文献2に開示されている識別方法及び識別装置は、上記のような問題を解決可能であるが、発光特性スペクトルから分光測定し識別を行なう方法であり、装置や処理が複雑になってしまう。
【0007】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、特定波長で発光する蛍光体、あるいは、複数の特定波長で発光する蛍光体を精度よく検出し、容易に判定処理を行うことが可能な蛍光検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の態様に係る蛍光検知装置は、被検査媒体に付された特定の波長で発光する蛍光体を検出する蛍光検知装置であって、前記蛍光体を励起する励起光を前記被検査媒体に照射する照明装置と、前記特定波長の光のみを受光する特性を有し、前記被検査媒体の蛍光体から励起された光を受光する第1受光部と、前記特定波長帯域を含むそれ以上に広い帯域の光を受光する特性を有し、前記被検査媒体の蛍光体から励起された光を受光する第2受光部と、前記第1受光部からの検出信号と前記第2受光部からの検出信号とに基づいて前記蛍光体の真偽を判定する判定部と、を備えている。
【0009】
この発明の他の態様に係る蛍光検知装置は、被検査媒体に付された複数の異なる特定波長で発光する蛍光体を検出する蛍光検知装置であって、前記蛍光体をそれぞれ励起する波長の異なる複数の励起光を前記被検査媒体に照射する照明装置と、前記複数の異なる特定波長のうちの第1特定波長のみを受光する特性を有し、前記被検査媒体の蛍光体から励起された光を受光する第1受光部と、前記複数の異なる特定波長のうちの第2特定波長のみを受光する特性を有し、前記被検査媒体の蛍光体から励起された光を受光する第3受光部と、前記第1の特定波長及び第2の特定波長を含みそれ以上の広い帯域の光を受光する特性を有し、前記被検査媒体の蛍光体から励起された光を検出する第2受光部と、前記第1受光部、第3受光部及び第2受光部からの検出信号に基づいて前記蛍光体の真偽を判定する判定部と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
上記構成によれば、特定波長で発光する蛍光体、あるいは、複数の特定波長で発光する蛍光体を精度よく検出し、容易に判定処理を行うことが可能な蛍光検知装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る蛍光検知装置全体を概略的に示す側面図。
【図2】図2は、前記蛍光体検知装置によって検知される蛍光体の発光特性、および受光部の受光特性を示すグラフ。
【図3】図3は、前記蛍光検知装置の判定部を示すブロック図。
【図4】図4は、前記蛍光体検知装置により検出した蛍光体の発光特性、受光部の受光特性を示すグラフ。
【図5】図5は、前記蛍光体検知装置により検出したブロードな蛍光体の発光特性、受光部の受光特性を示すグラフ。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態に係る蛍光検知装置全体を概略的に示す側面図。
【図7】図7は、第2の実施形態に係る蛍光体検知装置によって検知される蛍光体の発光特性、および受光部の受光特性を示すグラフ。
【図8】図8は、第2の実施形態に係る蛍光検知装置の判定部を示すブロック図。
【図9】図9は、第2の実施形態に係る蛍光体検知装置により検出した蛍光体の発光特性、受光部の受光特性を示すグラフ。
【図10】図10は、第2の実施形態に係る蛍光体検知装置により検出したブロードな蛍光体の発光特性、受光部の受光特性を示すグラフ。
【図11】図11は、本発明の第3の実施形態に係る蛍光検知装置全体を概略的に示す側面図。
【図12】図12は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置の判定部を示すブロック図。
【図13】図13は、第3の実施形態に係る蛍光体検知装置の第1受光部の信号出力と光学フィルタの透過特定とを示すグラフ。
【図14】図14は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置全体を概略的に示す側面図。
【図15】図15は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置の判定部を示すブロック図。
【図16】図16は、第3の実施形態に係る蛍光体検知装置の第2受光部の信号出力と光学フィルタの透過特定とを示すグラフ。
【図17】図17は、第3の実施形態に係る蛍光体検知装置の制御部から出力されるランプコントロール信号を示す図。
【図18】図18は、第3の実施形態に係る蛍光体検知装置により検知される蛍光体の発光特性、および受光部の受光特性を示すグラフ。
【図19】図19は、第3の実施形態に係る蛍光体検知装置により検知される蛍光体の発光特性、および受光部の受光特性を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る蛍光検知装置について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る蛍光検知装置を概略的に示す側面図である。
図1に示すように、蛍光検知装置は、被検査媒体として、例えば、特定波長で発光する蛍光体印刷部11が付与された定型の紙葉類8を所定の搬送方向Bに沿って搬送する搬送機構10、蛍光体印刷部11を励起する照明光を紙葉類8に照射する照明装置L1、蛍光体印刷部11からの蛍光発光を受光する受光系14、受光系14により検出された蛍光発光に基づいて紙葉類8の真偽を判定する判定部20を備えている。
【0013】
搬送機構10は、紙葉類8を挟持して搬送する複数の搬送ローラ7、および図示しないベルト、複数のガイド等を有している。定型の紙葉類8は搬送ローラ7により矢印B方向に搬送される。なお、紙葉類8は、搬送機構10によって搬送されている構成としたが、これに限らず、所定の検査位置に静止して設けられてもよい。
【0014】
紙葉類8上に付された蛍光体印刷部11は、例えば、励起波長λx1の光で励起され特定波長λm1で発光する蛍光体を含んでいるものとする。照明装置L1は、紙葉類8に対して所定の角度位置に配設され、紙葉類8に貼付された蛍光体印刷部11全体に励起光を照射する。照明装置L1から出射される光は、蛍光体印刷部11が励起する波長帯域、すなわち、少なくとも励起波長λx1の波長帯域を含んでいる。
【0015】
照明光によって励起される蛍光体印刷部11は、特定波長λm1で蛍光発光し、その光は受光系14にて検出される。図2は、蛍光発光波長λm1の発光特性を示している。
【0016】
図1に示すように、受光系14は、第1受光部16および第2受光部18を備えている。第1受光部16は、波長λm1の光のみを受光する特性を有している。ここでは、第1受光部16は、光学センサS1と、この光学センサと被検査媒体との間に配置された光学フィルタf1と、を有し、光学フィルタf1は、特定波長λm1の光のみを透過する特性を有している。
【0017】
上記特性を有する第1受光部16は、光学フィルタの組合せに限らず、他の光学部材を用いても容易に実現することができる。光学センサは、フォトセンサ、CCD等を用いることが考えられるが、特定波長λm1に感度を有していればよくこれに限られるものではない。
【0018】
第2受光部18は、特定波長λm1を包括し、さらにそれ以上に広い帯域の波長をブロードに受光する特性を有している。ここでは、第2受光部18は、光学センサS2と、光学センサS2と被検査媒体との間に配置された光学フィルタf3と、を有し、光学フィルタf3は、特定波長λm1を含む広い帯域の波長を透過する特性を有している。上記特性を有する第2受光部18は、光学フィルタの組合せに限らず、他の光学部材を用いても容易に実現することができる。光学センサは、フォトセンサ、CCD等を用いることが考えられるが、光学フィルタf3を透過する広波長帯域をブロードに受光する感度を有していればよく、これに限られるものではない。
【0019】
蛍光体印刷部11から蛍光発光した特定波長λm1の光は、第1受光部16および第2受光部18に入射し、受光される。第1受光部16により受光された光は、電気信号に変換され、判定部20に送られる。第2受光部18に受光された光は、電気信号に変換され、判定部20に送られる。
【0020】
図3に示すように、判定部20は、例えば、光学センサS1、S2からの出力信号(検出信号)を受け、これらを比較演算するコンパレータ22と、コンパレータ22からの出力に応じて、蛍光体印刷部の真偽判定を行うCPU24と、を備えている。なお、第1受光部16からの出力信号は、直接、CPU24に送ることもできる。CPU24には、所定のデータ、例えば、正しい発光波長λm1の出力レベル等を記憶するメモリ25が接続されている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置L1を制御する。
【0021】
上記のように構成された蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図1に示すように、搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。まず、CPU24の制御の下、照明装置L1が点灯する。照明装置L1から出射された励起波長λx1の光が蛍光体印刷部11に所定の角度で照射され、蛍光体印刷部11は特定波長λm1で蛍光発光する。この蛍光発光は、第1受光部16および第2受光部18でそれぞれ受光される。
【0022】
第1受光部16の光学センサS1は、光学フィルタf1を透過した特定波長λm1の光のみを受光し、受光した波長λm1の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。光学センサS1からの出力信号は、CPU24に送られ、メモリ25に格納されている波長λm1の正規データと比較され、真偽判定される。ここで、第1受光部16からの信号出力が、波長λm1の正規データと異なる場合、蛍光体印刷部11は偽と判定され、すなわち、紙葉類8は偽と判定される。第1受光部16からの出力信号が、波長λm1の正規データと同一である場合、この出力信号はコンパレータ22へ入力される。
【0023】
一方、第2受光部18の光学センサS2は、光学フィルタf3を透過した特定波長λm1を含む広波長帯域の光を受光し、受光した波長λm1の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。光学センサS2からの出力信号はコンパレータ22へ入力され、コンパレータ22は、光学センサS1の出力レベルと光学センサS2の出力レベルとの比較演算を行う。ここで、出力レベルは、図4に示すように、光学フィルタf1、f2を透過する光の面積と考えることができる。蛍光体印刷部11から発する特定波長λm1と光学フィルタf1の透過特性が同等であるため、光学センサS1からの出力レベルと光学センサS2からの出力レベルは等しくなる。コンパレータ22による比較演算のデータは、CPU24に送られ、CPU24は、出力レベルが等しいことから蛍光体印刷部11は真、すなわち、紙葉類8は真であると判定する。光学センサS1からの出力レベルと光学センサS2からの出力レベルとが異なる場合、CPU24は、蛍光体印刷部11は偽であると判定する。
【0024】
次に、図5に示すように、蛍光体印刷部11が、特定波長λm1を包括し、さらにそれ以上に広い帯域を有する蛍光発光特性λm1−2を有する蛍光体である場合について説明する。
照明装置L1からの励起光により蛍光体印刷部11から蛍光発光した波長λm1−2の光は、第1受光部16および第2受光部18に入射する。第1受光部16の光学フィルタf1は、その透過特性により、特定波長λm1の光のみを透過し、光学センサS1は波長λm1の光のみを受光する。光学センサS1により変換される電気信号出力レベルは、光学フィルタf1透過分のみ、すなわち、特定波長λm1の光に相当する分のみとなる。
【0025】
第2受光部18の光学フィルタf2は、特定波長λm1を包括し、さらにそれ以上に広い波長帯域の光を透過する特性を有している。そのため、第2受光部18の光学センサS2には、蛍光発光特性λm1−2すべての光が入射することとなり、光学センサS2により変換される電気信号出力レベルは、蛍光発光λm1−2分となる。
【0026】
このことから、第1受光部16の出力レベルと第2受光部18の出力レベルをコンパレータ22にて比較演算を行なうと、これらの信号出力レベルは一致せず、第2受光部18の光学センサS2からの信号出力レベルの方が高い結果となる。
【0027】
つまり、蛍光体印刷部11からの蛍光発光が正規の特定波長λm1である場合、第1受光部16と第2受光部18の信号出力レベルS1、S2は等しくなり、特定波長λm1を包括し、さらにそれ以上に広い帯域を有する蛍光発光波長λm1−2の場合、信号出力レベルS1、S2は互いに異なり、S1<S2となる。
判定部20は、比較した信号出力レベルS1、S2が等しければ、所望の蛍光体であると判定し、等しくなければ、所望の蛍光体でないと判定する。
【0028】
以上のように、第1の実施形態によれば、簡単な構成により、特定波長で発光する蛍光体を精度よく検出でき、所望の蛍光体の有無の容易に判定可能な蛍光体検知装置が得られる。
【0029】
なお、本実施形態では、1)第1受光部16からの出力信号をCPU24に入力し、受光した蛍光発光の真偽を判定した後、2)コンパレータ22で第1および第2受光部16、18からの出力信号を比較する構成としたが、1)の処理を省略し、2)の処理のみで蛍光発光の真偽を判定してもよい。
【0030】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る蛍光検知装置について説明する。この蛍光検知装置は、複数の異なる特定波長で発光する蛍光体印刷部11が付された紙葉類8を検出する。一例として、検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1の光に励起され特定波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2の光に励起され特定波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0031】
図6は、第2の実施形態に係る蛍光検知装置を概略的に示す側面図である。
図6に示すように、蛍光検知装置は、被検査媒体として、蛍光体印刷部11が付与された定型の紙葉類8を所定の搬送方向Bに沿って搬送する搬送機構10、蛍光体印刷部11を励起する照明光を紙葉類8にそれぞれ照射する2つの独立した光源を有する照明装置L1、L2、蛍光体印刷部11からの蛍光発光を受光する受光系14、受光系14により検出された蛍光発光に基づいて紙葉類8の真偽を判定する判定部20を備えている。
【0032】
搬送機構10は、紙葉類8を挟持して搬送する複数の搬送ローラ7、および図示しないベルト、複数のガイド等を有している。定型の紙葉類8は搬送ローラ7により矢印B方向に搬送される。なお、紙葉類8は、搬送機構10によって搬送されている構成としたが、これに限らず、所定の検査位置に静止して設けられてもよい。
【0033】
図7は、照明装置L1、L2から出射される励起光の特性、および蛍光体印刷部11からの蛍光発光の特性を示している。照明装置L1は、紙葉類8に対して所定の角度位置に配設され、紙葉類8に貼付された蛍光体印刷部11全体に励起光を照射する。照明装置L1の光源から出射される光は、蛍光体印刷部11が励起発光する波長帯域、すなわち励起波長λx1の波長帯域を含んでいる。この照明光によって励起される蛍光体印刷部11は、特定波長λm1で蛍光発光し、その光は受光系14にて検出される。
【0034】
照明装置L2は、紙葉類8に対して所定の角度位置に配設され、紙葉類8に貼付された蛍光体印刷部11全体に励起光を照射する。照明装置L2の光源から出射される光は、蛍光体印刷部11が励起発光する励起波長λx2の波長帯域を含んでいる。この照明光によって励起される蛍光体印刷部11は、特定波長λm2で蛍光発光し、その光は受光系14にて検出される。
照明装置L1、L2としてLEDあるいはレーザ光源を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0035】
図6に示すように、受光系14は、複数、例えば、第1受光部16、第3受光部28、および第2受光部18を備えている。第1受光部16は、特定波長(第1特定波長)λm1の光のみを受光する特性を有している。ここでは、第1受光部16は、光学センサS1と、この光学センサS1と被検査媒体との間に配置された光学フィルタf1と、を有し、光学フィルタf1は、特定波長λm1の光のみを透過する特性を有している。
【0036】
上記特性を有する第1受光部16は、光学フィルタの組合せに限らず、他の光学部材を用いても容易に実現することができる。光学センサは、フォトセンサ、CCD等を用いることが考えられるが、特定波長λm1に感度を有していればよくこれに限られるものではない。
【0037】
第3受光部28は、特定波長(第2特定波長)λm2の光のみを受光する特性を有している。ここでは、第3受光部28は、光学センサS3と、この光学センサS3と被検査媒体との間に配置された光学フィルタf3と、を有し、光学フィルタf3は、特定波長λm2の光のみを透過する特性を有している。
【0038】
上記特性を有する第3受光部28は、光学フィルタの組合せに限らず、他の光学部材を用いても容易に実現することができる。光学センサS3は、フォトセンサ、CCD等を用いることが考えられるが、特定波長λm2に感度を有していればよくこれに限られるものではない。
【0039】
第2受光部18は、特定波長λm1および特定波長λ2を含む帯域、あるいは、さらにそれ以上に広い帯域の波長をブロードに受光する特性を有している。ここでは、第2受光部18は、光学センサS2と、この光学センサS2と被検査媒体との間に配置された光学フィルタf2と、を有し、光学フィルタf2は、特定波長λm1および特定波長λm2を含む広い帯域の波長を透過する特性を有している。
【0040】
上記特性を有する第2受光部18は、光学フィルタの組合せに限らず、他の光学部材を用いても容易に実現することができる。光学センサS2は、フォトセンサ、CCD等を用いることが考えられるが、光学フィルタf2を透過する広波長帯域をブロードに受光する感度を有していればよく、これに限られるものではない。
【0041】
蛍光体印刷部11から蛍光発光した特定波長λm1の光は、第1受光部16および第2受光部18に入射し、受光される。蛍光体印刷部11から蛍光発光した特定波長λm2の光は、第3受光部28および第2受光部18に入射し、受光される。第1受光部16により受光された光および第2受光部18により受光された光は、それぞれ電気信号に変換され、判定部20に送られる。第3受光部28に受光された光は、電気信号に変換され、判定部20に送られる。
【0042】
図8に示すように、判定部20は、例えば、光学センサS1、S3、S2からの出力信号を受け、これらを比較演算するコンパレータ22と、コンパレータ22からの出力に応じて、蛍光体印刷部11の真偽判定を行うCPU24と、を備えている。CPU24には、所定のデータ、例えば、正しい発光波長λm1、λm2の出力レベル等を記憶するメモリ25が接続されている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置L1、L2を制御する。
【0043】
上記のように構成された蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図6に示すように、搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。CPU24の制御の下、照明装置L1、L2が点灯する。照明装置L1から出射された波長λx1の光が蛍光体印刷部11に所定の角度で照射され、蛍光体印刷部11は特定波長λm1で蛍光発光する。この蛍光発光は、第1受光部16および第2受光部18でそれぞれ受光される。
【0044】
照明装置L2から出射された波長λx2の光が蛍光体印刷部11に所定の角度で照射され、蛍光体印刷部11は特定波長λm2で蛍光発光する。この蛍光発光は、第3受光部28および第2受光部18でそれぞれ受光される。
【0045】
第1受光部16の光学センサS1は、光学フィルタf1を透過した特定波長λm1の光のみを受光し、受光した波長λm1の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。第3受光部28の光学センサS3は、光学フィルタf3を透過した特定波長λm2の光のみを受光し、受光した波長λm2の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。第2受光部18の光学センサS2は、光学フィルタf2を透過した特定波長λm1および特定波長λm2を含む広波長帯域の光を受光し、受光した波長λm1および波長λm2の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。
【0046】
第1受光部16の出力信号と第3受光部28の出力信号が加算され、加算された出力レベルがコンパレータ22に入力される。また、第2受光部18の出力信号はコンパレータ22に入力され、上記加算された出力信号とコンパレータにて比較演算が行なわれる。ここで、信号出力レベルは、図9に示すフィルタを透過する光の面積と考えることができる。蛍光体印刷部11から発する特定波長λm1の光と光学フィルタf1とは特性が同等であり、かつ、特定波長λm2と光学フィルタf3は特性が同等である。そのため、光学センサS1の出力と光学センサS3の出力を加算した出力レベルは、光学センサS2の出力レベルと等しくなる。
【0047】
コンパレータ22による比較演算のデータはCPU24に送られ、CPU24は、出力レベルが等しいことから蛍光体印刷部11は真、すなわち、紙葉類8は真であると判定する。光学センサS1、S3からの出力を加算した加算出力レベルと光学センサS2からの出力レベルとが異なる場合、CPU24は、蛍光体印刷部11は偽であると判定する。
【0048】
次に、図10に示すように、蛍光体印刷部11が、特定波長λm1および特定波長λm2を包括し、さらにそれ以上に広い帯域を有する蛍光発光特性λm1−2を有する蛍光体であった場合について説明する。
照明装置L1、L2から照射される波長λm1、λm2の励起光により蛍光体印刷部11から蛍光発光した波長λm1−2の光は、第1受光部16、第3受光部28、および第2受光部18に入射する。第1受光部16の光学フィルタf1は、その透過特性により、特定波長λm1の光のみを透過し、従って、光学センサS1は特定波長λm1の光のみを受光する。光学センサS1により変換される電気信号出力レベルは、光学フィルタf1透過分のみ、すなわち、特定波長λm1の光の分のみとなる。第3受光部28の光学フィルタf3は、その透過特性により、特定波長λm2の光のみを透過し、従って、光学センサS3は特定波長λm2の光のみを受光する。光学センサS3により変換される電気信号出力レベルは、光学フィルタf3透過分のみ、すなわち、特定波長λm2の光の分のみとなる。
【0049】
第2受光部18の光学フィルタf2は、特定波長λm1および特定波長λm2を包括し、さらにそれ以上に広い波長帯域の光を透過する特性を有している。そのため、第2受光部18の光学センサS2は、光学フィルタf2の透過特性と蛍光発光特性λm1−2が重複する部分の光を受光し、光学センサS2により変換される電気信号出力レベルは、光学フィルタf2の透過特性と蛍光発光特性λm1−2が重複分となる。
【0050】
このことから、第1受光部16および第3受光部28の加算出力レベルと、第2受光部18の出力レベルをコンパレータ22にて比較演算を行なうと、これらの出力レベルは一致せず、第2受光部18の光学センサS2からの出力レベルの方が高い結果となる。
【0051】
つまり、蛍光体印刷部11からの蛍光発光が特定波長λm1および特定波長λm2のみの場合、第1受光部16の出力と第3受光部28の出力を加算した出力レベル(S1+S3)と、第2受光部18の出力レベルS2とは等しくなる。蛍光体印刷部11からの蛍光発光が特定波長λm1、λm2を包括し、さらにそれ以上に広い帯域を有する蛍光発光波長λm1−2の場合、第1および第2受光部からの出力レベルは、(S1+S3)<S2となる。
判定部20は、比較した出力レベルが互いに等しければ、所望の蛍光体印刷部11であると判定し、等しくなければ、所望の蛍光体印刷部でないと判定する。
【0052】
以上のように、第2の実施形態によれば、簡単な構成により、複数の異なる特定の波長で発光する蛍光体を精度よく検出でき、所望の蛍光体の有無の容易に判定可能な蛍光体検知装置が得られる。
【0053】
第2の実施形態では、2つの異なる特定波長で発光する蛍光体を検出する場合について説明したが、これに限られるものではなく、発光波長が3つ以上の異なる特定波長である蛍光体の検知にも適用可能である。検知波長の数が増える場合、増えた波長のみを透過する特性を有する受光部を追加し、更に、第2受光部を、上記増えた波長をも包括する波長の光を受光する構成とすることにより、実現が可能である。
【0054】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施形態に係る蛍光検知装置について説明する。この蛍光検知装置は、複数の異なる特定波長で発光する蛍光体印刷部11が付された紙葉類8を検出する。一例として、検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1の光に励起され特定波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2の光に励起され特定波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0055】
第2の実施形態に係る蛍光検知装置は、判定部20の構成を除いて、前述した第2の実施形態と同様に構成されている。すなわち、蛍光検知装置は、図11に示すように、被検査媒体として、蛍光体印刷部11が付与された定型の紙葉類8を所定の搬送方向Bに沿って搬送する搬送機構10、蛍光体印刷部11を励起する照明光を紙葉類8にそれぞれ照射する2つの照明装置L1、L2、蛍光体印刷部11からの蛍光発光を受光する第1受光部16、第3受光部28、第2受光部18を有する受光系14、受光系14により検出された蛍光発光に基づいて紙葉類8の真偽を判定する判定部20を備えている。
【0056】
図12に示すように、判定部20は、例えば、光学センサS1、S3、S2からの出力信号を受け、これらを比較演算するコンパレータ22と、コンパレータ22からの出力に応じて、蛍光体印刷部11の真偽判定を行うCPU24と、を備えている。CPU24には、所定のデータ、例えば、正しい特定波長λm1、λm2の出力レベル等を記憶するメモリ25が接続されている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、ランプコントロール信号を照明装置L1、L2に出力し、図示しないドライバを介して、照明装置L1、L2を制御する。また、判定部20は、光学センサS1および光学センサS3をコンパレータ22に選択的に接続する切換えスイッチ30を有し、この切換えスイッチ30は、CPU24からのランプコントロール信号に連動して、切換えられる。
【0057】
上記のように構成された蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図11に示すように、搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。まず、CPU24の制御の下、照明装置L1が点灯し、照明装置L2は消灯する。照明装置L1から出射された波長λx1の光が蛍光体印刷部11に所定の角度で照射され、蛍光体印刷部11は特定波長λm1で蛍光発光する。この蛍光発光は、第1受光部16および第2受光部18でそれぞれ受光される。
【0058】
第1受光部16に入射し、光学センサS1で受光された特定波長λm1の光は、電気信号に変換される。第3受光部28は特定波長λm1に感度を有していないため、電気信号の出力は得られない。第2受光部18に入射した特定波長λm1の光は、光学センサS2により受光され、電気信号に変換される。
【0059】
図12に示すように、CPU24からのランプコントロール信号により、照明装置L1が点灯すると、これに連動して、切換えスイッチ30が切換えられ、第1受光部16が選択される。これにより、光学センサS1の出力信号および光学センサS2の出力信号がコンパレータ22に入力され、コンパレータ22にて比較演算が行なわれる。ここで、出力レベルは、図13に示すように、光学フィルタf1、光学フィルタf2を透過する光の面積と考えることができる。蛍光体印刷部11から発する波長λm1と光学フィルタf1は特性が同等であるため、光学センサS1の出力レベルは、光学センサS2の出力レベルと等しくなる。
【0060】
次に、図14に示すように、CPU24の制御の下、照明装置L2が点灯し、照明装置L1は消灯する。照明装置L2から出射された波長λx2の光が蛍光体印刷部11に所定の角度で照射され、蛍光体印刷部11は特定波長λm2で蛍光発光する。この蛍光発光は、第3受光部28および第2受光部18でそれぞれ受光される。
【0061】
第3受光部28に入射し、光学センサS3で受光された特定波長λm2の光は、電気信号に変換される。第1受光部16は特定波長λm2に感度を有していないため、電気信号の出力は得られない。第2受光部18に入射した特定波長λm2の光は、光学センサS2により受光され、電気信号に変換される。
【0062】
図15に示すように、CPU24からのランプコントロール信号により、照明装置L2が点灯すると、これに連動して、切換えスイッチ30が切換えられ、第3受光部28が選択される。これにより、光学センサS3の出力信号および光学センサS2の出力信号がコンパレータ22に入力され、コンパレータ22にて比較演算が行なわれる。ここで、出力レベルは、図16に示すように、光学フィルタf3、光学フィルタf2を透過する光の面積と考えることができる。蛍光体印刷部11から発する特定波長λm2の光と光学フィルタf3は特性が同等であるため、光学センサS3の出力レベルは、光学センサS2の出力レベルと等しくなる。これら照明装置L1、L2の点灯、消灯動作を図17に示すCPU24からのライトコントロール信号により繰り返す。
【0063】
コンパレータ22による比較演算のデータは、CPU24に送られ、CPU24は、光学センサS1の出力レベルと光学センサS2の出力レベルとが等しく、かつ、光学センサS3の出力レベルと光学センサS2の出力レベルとが等しい場合、蛍光体印刷部11は真、すなわち、紙葉類8は真であると判定する。光学センサS1の出力レベルと光学センサS2の出力レベルとが異なる場合、あるいは、光学センサS3の出力レベルと光学センサS2の出力レベルとが異なる場合、CPU24は、蛍光体印刷部11は偽、すなわち、紙葉類8は偽であると判定する。
【0064】
次に、蛍光体印刷部11が、特定波長λm1を包括し、さらにそれ以上に広い帯域を有する蛍光発光特性λm1−2−1を有する蛍光体である場合、あるいは、特定波長λm2を包括し、さらにそれ以上に広い帯域を有する蛍光発光特性λm1−2−2を有する蛍光体である場合、の蛍光検知について説明する。
まず、図11に示すように、照明装置L1が点灯し、照明装置L2が消灯する。図18に示すように、励起光λx1により蛍光体印刷部11から蛍光発光したλm1−2−1の光は、第1受光部16および第2受光部18に入射する。第1受光部16は、光学フィルタf1の透過特性があるため、光学フィルタf1の透過帯域λm1のみの光が入射することとなり、変換された電気信号出力レベルは、光学フィルタf1を透過した特定波長λm1の光に対応する分のみとなる。
【0065】
第2受光部18は、光学フィルタf1及びf2を包括する、もしくは、さらにそれ以上に広い帯域をブロードに透過する特性を有しているため、光学フィルタf2を透過する波長λm1−2−1の光を受光し、光学センサS2により変換された電気信号出力レベルはλm1−2−1と光学フィルタf2の重なった部分となる。
このとき、第1受光部16の出力レベルと第2受光部18の出力レベルとをコンパレータ22にて比較演算を行なうと、第2受光部18の出力レベルが高い結果となる。
【0066】
次に、図14に示すように、照明装置L1が消灯し、照明装置L2が点灯する。図19に示すように、励起光λx2により蛍光体蛍光発光したλm1−2−2の光は、第3受光部28および第2受光部18に入射する。第3受光部28は、光学フィルタf3の透過特性があるため、光学フィルタf3の透過帯域λm2のみの光が光学センサS3に入射することとなり、光学センサS3により変換された電気信号出力レベルは、光学フィルタf3を透過した特定波長λm2の光に対応する分のみとなる。
【0067】
第2受光部18は、光学フィルタf1及びf3を包括する、もしくは、さらにそれ以上に広い帯域をブロードに透過する特性を有しているため、第2受光部18の光学センサS2は、光学フィルタf2を透過する波長λm1−2−2の光を受光する。光学センサS2により変換された電気信号出力レベルは、λm1−2−2と光学フィルタf2の重なった部分に相当するレベルとなる。
【0068】
このとき、第3受光部28の光学センサS3の出力レベルと、第2受光部18の光学センサS2の出力レベルをコンパレータ22にて比較演算を行なうと、光学センサS2の出力レベルが高い結果となる。
【0069】
以上のように、蛍光体印刷部11からの蛍光発光が正規の特定波長λm1および特定波長λm2のみの場合、第1受光部16の出力レベルと第2受光部18の出力レベルは等しくなり、かつ、第3受光部28の出力レベルと第2受光部18の出力レベルは等しくなる。これに対して、蛍光体印刷部11からの蛍光発光が特定波長λm1、λm2を包括し、さらにそれ以上に広い帯域を有する蛍光発光波長λm1−2−1あるいはλm1−2−2の場合、第1、第3、第2受光部16、28、18の出力レベルは、S1<S2かつS3<S2となる。判定部20は、比較した出力レベルが互いに等しければ、所望の蛍光体であると判定し、等しくなければ、所望の蛍光体でないと判定する。
【0070】
以上のように、第3の実施形態によれば、簡単な構成により、複数の異なる特定の波長で発光する蛍光体を精度よく検出でき、所望の蛍光体の有無の容易に判定可能な蛍光体検知装置が得られる。更に、複数の特定波長λm1、λm2の各々について、別々に検出し比較することにより、第2の実施形態に比較して、蛍光体印刷部の蛍光発光をより高い精度で検出することができる。
【0071】
第3の実施形態では、2つの異なる特定波長で発光する蛍光体を検出する場合について説明したが、これに限られるものではなく、発光波長が3つ以上の異なる特定波長である蛍光体の検知にも適用可能である。検知波長の数が増える場合、増えた波長のみを透過する特性を有する受光部を追加し、更に、第2受光部を、上記増えた波長をも包括する波長の光を受光する構成とすることにより、実現が可能である。
【0072】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、検査対象となる被検査媒体は、前述した紙葉類に限らず、カード、商品券、有価証券等の他の被検査媒体としてもよい。
【符号の説明】
【0073】
8…紙葉類、10…搬送機構、11…蛍光体印刷部、L1、L2…照明装置、
14…受光系、16…第1受光部、18…第2受光部、28…第3受光部
20…判定部、22…コンパレータ、24…CPU、30…切換えスイッチ
f1、f3、f2…光学フィルタ、S1、S3、S2…光学センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査媒体に付された特定の波長で発光する蛍光体を検出する蛍光検知装置であって、
前記蛍光体を励起する励起光を前記被検査媒体に照射する照明装置と、
前記特定波長の光のみを受光する特性を有し、前記被検査媒体の蛍光体から励起された光を受光する第1受光部と、
前記特定波長帯域を含むそれ以上に広い帯域の光を受光する特性を有し、前記被検査媒体の蛍光体から励起された光を受光する第2受光部と、
前記第1受光部からの検出信号と前記第2受光部からの検出信号とに基づいて前記蛍光体の真偽を判定する判定部と、
を具備する蛍光検知装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記第1受光部からの検出信号と前記第2受光部からの検出信号とを比較し、等しい場合に、前記蛍光体は真であると判定し、異なる場合に偽であると判定する判定手段を備えている請求項1に記載の蛍光検知装置。
【請求項3】
前記第1受光部は、前記特定波長の光のみを透過する光学フィルタと、前記光学フィルタを透過した光を受光する光学センサとを有し、
前記第2受光部は、前記特定波長帯域を含むそれ以上に広い帯域の光を透過する光学フィルタと、この光学フィルタを透過した光を受光する光学センサとを有している請求項1または請求項2に記載の蛍光検知装置。
【請求項4】
被検査媒体に付された複数の異なる特定波長で発光する蛍光体を検出する蛍光検知装置であって、
前記蛍光体をそれぞれ励起する波長の異なる複数の励起光を前記被検査媒体に照射する照明装置と、
前記複数の異なる特定波長のうちの第1特定波長のみを受光する特性を有し、前記被検査媒体の蛍光体から励起された光を受光する第1受光部と、
前記複数の異なる特定波長のうちの第2特定波長のみを受光する特性を有し、前記被検査媒体の蛍光体から励起された光を受光する第3受光部と、
前記第1の特定波長及び第2の特定波長を含みそれ以上の広い帯域の光を受光する特性を有し、前記被検査媒体の蛍光体から励起された光を検出する第2受光部と、
前記第1受光部、第3受光部及び第2受光部からの検出信号に基づいて前記蛍光体の真偽を判定する判定部と、
を具備する蛍光検知装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記第1受光部及び第3受光部からの検出信号の合計と前記第1受光部からの検出信号とを比較し、等しい場合に、前記蛍光体は真であると判定し、異なる場合に偽であると判定する判定手段を備えている請求項4に記載の蛍光検知装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記第1受光部からの検出信号と前記第2受光部からの検出信号とを比較するとともに、前記第3受光部からの検出信号と前記第2受光部からの検出信号とを比較し、いずれも等しい場合に、前記蛍光体は真であると判定し、いずれかが異なる場合に偽であると判定する判定手段を備えている請求項4に記載の蛍光検知装置。
【請求項7】
前記第1受光部及び第3受光部は、それぞれ対応する第1特定波長及び第2特定波長の光のみを透過する光学フィルタと、前記光学フィルタを透過した光を受光する光学センサとを有し、
前記第5受光部は、前記第1の定波長及び第2の特定波長を含むそれ以上の広い帯域の光を透過する光学フィルタと、この光学フィルタを透過した光を受光する光学センサとを有している請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の蛍光検知装置。
【請求項8】
前記照明装置は、複数の異なる励起波長毎に独立した複数の光源を有し、前記判定部は、前記複数の光源を切換えて交互に点灯を繰り返す光源制御部を備えている請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載の蛍光検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−243363(P2010−243363A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93217(P2009−93217)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】