蛍光検知装置
【課題】1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することができ、コンパクトで高性能な蛍光検知装置を提供する。
【解決手段】蛍光検知装置は、複数の異なる波長の励起光に対して、それぞれ励起光とは異なる複数の波長で発光する蛍光体印刷部11を検出する蛍光検知装置であって、蛍光体印刷部をそれぞれ励起する波長の異なる複数の励起光を蛍光体印刷部に照射する照明装置12と、蛍光体印刷部から発光する複数の波長帯域の発光を検出する検出器20と、検出器により検出された発光に基づいて、蛍光体印刷部の真偽を判定する真偽判定部16と、を備えている。
【解決手段】蛍光検知装置は、複数の異なる波長の励起光に対して、それぞれ励起光とは異なる複数の波長で発光する蛍光体印刷部11を検出する蛍光検知装置であって、蛍光体印刷部をそれぞれ励起する波長の異なる複数の励起光を蛍光体印刷部に照射する照明装置12と、蛍光体印刷部から発光する複数の波長帯域の発光を検出する検出器20と、検出器により検出された発光に基づいて、蛍光体印刷部の真偽を判定する真偽判定部16と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は紙葉類等に付された蛍光体を検知し、紙葉類の真偽を判定する蛍光検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙幣等の紙葉類には、その真偽判定を目的とする蛍光体印刷が施されている。このような紙葉類に付された蛍光体印刷を検知する装置として、特許文献1に開示された「セキュリティ情報媒体読取装置が提案されている。この情報媒体読取装置は、赤外発光LED、紫外発光LED、可視光発光LEDを備え、これらのLEDの発光順序を切り替え、かつこれらのLEDを組み合わせて発光させることにより、蛍光体印刷の励起画像を撮像装置にて読み取っている。
【0003】
特許文献2に開示された「セキュリティ情報媒体読取装置」は、赤外発光LED、紫外発光LED、可視光発光LEDを順次、蛍光体印刷に照射し、CCDカメラで撮像し、蛍光パターン像、微細・高精細パターンをパーソナルコンピュータのモニタに表示する技術を提案している。
【0004】
特許文献3に開示された「セキュリティ情報目視判定装置」は、前述の特許文献2に開示された「セキュリティ情報媒体読取装置」により得られた情報を、目視で読み取る技術を提案している。
【0005】
特許文献4には、紫色光と赤色光と赤外光を放射する発光ダイオードを用いて紙幣に塗布された蛍光体を励起させる「紙幣識別装置」が開示されている。
【0006】
特許文献5には、2つ以の異なる発光特性及び/または残光特性スペクトルを同時に測定する「識別方法及び識別装置」が提案されている。
【0007】
特許文献6に開示された「画像検出装置及びそれを用いた現金自動読取装置」は、複数の波長の異なる光を照射する複数の発光手段と、発光手段からの光照射により物体から放出または反射される光を受光する複数の受光手段と、を備えている。
【0008】
特許文献7に開示された「識別マークによる識別方法および識別装置」では、識別マークに対し、2種類またはそれ以上の種類の励起光源からの励起光を照射して蛍光スペクトルを得て、この蛍光スペクトルに基づく2次元パターンを表示する。
【特許文献1】特開2007−328551号公報
【特許文献2】特開2007−193387号公報
【特許文献3】特開2007−193386号公報
【特許文献4】特開2006−318252号公報
【特許文献5】特開2006−275578号公報
【特許文献6】特開2003−208650号公報
【特許文献7】特開2001−356689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しなしながら、前述した種々の識別装置、読取装置では、1つの励起発光特性を有する蛍光体に対して、1つの検出ユニットが設けられている。複数の異なる励起発光特性を持つ蛍光体を混合、または重ね印刷した蛍光体を検出する場合、1つの検出ユニットでこれらすべての発光を検出し、真偽判定を行うことはできない。そのため、複数の異なる励起発光特性を持つ蛍光体を混合、または重ね印刷した蛍光体の付された紙葉類の真偽を検出する場合、複数の異なる励起発光特性に合致した検出系が必要となり、複数の検出ユニットを設ける必要がある。このことから、装置全体が大型となっていた。
【0010】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することができ、コンパクトで高性能な蛍光検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の態様に係る蛍光検知装置は、複数の異なる波長の励起光に対して、それぞれ前記励起光とは異なる複数の波長で発光する蛍光体印刷部を検出する蛍光検知装置であって、前記蛍光体印刷部をそれぞれ励起する波長の異なる複数の励起光を前記蛍光体印刷部に照射する照明装置と、前記蛍光体印刷部から発光する複数の波長帯域の発光を検出する検出器と、前記検出器により検出された発光状態に基づいて、前記蛍光体印刷部の真偽を判定する真偽判定部と、を備えている。
【0012】
この発明の他の態様に係る蛍光検知装置は、複数の異なる波長の励起光に対して、それぞれ前記励起光とは異なる複数の波長で発光する蛍光体印刷部を検出する蛍光検知装置であって、前記蛍光体印刷部をそれぞれ励起する波長の異なる複数の励起光を前記蛍光体印刷部に照射する照明装置と、前記蛍光体印刷部から発光する複数の波長帯域の発光を検出する検出器と、前記検出器により検出された発光を元に色差を用いて、前記蛍光体印刷部の真偽を判定する真偽判定部と、を備えている。
【発明の効果】
【0013】
上記構成によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となるとともに、コンパクトな蛍光検知装置が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る蛍光検知装置について説明する。
図1は、実施形態に係る蛍光検知装置を概略的に示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、蛍光検知装置は、検査媒体として、例えば、蛍光体印刷部11が貼付された定型の紙葉類8を所定の搬送方向Bに沿って搬送する搬送機構10、蛍光体印刷部11を励起する照明光を紙葉類8に照射する照明装置12、蛍光体印刷部11からの蛍光発光を検出する検出系14、検出系14により検出された蛍光発光に基づいて紙葉類8の真偽を判定する真偽判定処理部16を備えている。
【0016】
搬送機構10は、紙葉類8を挟持して搬送する複数の搬送ローラ7、および図示しないベルト、複数のガイド等を有している。定型の紙葉類8は搬送ローラ7により矢印B方向に搬送される。ここで、紙葉類8上に貼付された蛍光体印刷部11は、複数の異なる励起発光特性を有する複数の蛍光体が混合、または重ね印刷がなされている。一例として、蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体を含んでいるものとする。
【0017】
照明装置12は、紙葉類8に対して所定の角度位置に配設され、紙葉類8に貼付された蛍光体印刷部11全体に励起光を照射する。照明装置12から出射される光は、蛍光体印刷部11が励起発光する波長帯域、すなわち、少なくとも励起波長λx1、λx2の波長帯域を含んでいる。
【0018】
照明光によって励起された蛍光体印刷部11は、蛍光発光波長λm1とλm2で蛍光発光し、その光は検出系14にて検出される。検出系14にて検出された光は、電気信号に変換され、真偽判定処理部16に送られ、紙葉類8、つまり、蛍光体印刷部11の真偽の判定が行われる。
【0019】
なお、本実施形態では、紙葉類8は、搬送機構10によって搬送されている構成としたが、これに限られるわけではなく、紙葉類8は所定の検査位置に静止して設けられてもよい。
【0020】
以下、上述した一連の検出動作を実現するために、照明光の数、検出する受光センサの数、照明光の点灯方式、を種々組合せた以下の複数の実施形態について説明する。
【0021】
1)複数の照明光、複数の受光センサ、照明個別点灯方式
2)複数の照明光、複数の受光センサ、照明同時点灯方式
3)複数の照明光、1つの受光センサ、照明個別点灯方式
4)複数の照明光、1つの受光センサ、照明同時点灯方式
5)1つの照明光、複数の受光センサ、照明同時点灯方式
6)1つの照明光、1つの受光センサ、照明同時点灯方式。
【0022】
(第1の実施形態)
複数の照明光、複数の受光センサ、照明個別点灯方式を用いる第1の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0023】
図2は、蛍光検知装置の照明装置12、検出系14、および紙葉類8を示している。図2に示すように、照明装置12は、2つの光源2a、2bを有している。光源2aは波長λx1の光を照射し、光源2bは波長λx2の光を照射する。これらの光源2a、2bは1つの筐体内に配置されている。光源2a、2bは、所定波長のLEDやレーザを用いることにより実現できるが、これに限られるものではない。
【0024】
検出系14を構成する検出器20は、2つの受光センサ5a、5bを有し、これらの受光センサ5a、5bは、1つの筐体内に配設されている。受光センサ5aは、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長λm1に感度を有し、受光センサ5bは、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長λm2に感度を有している。
【0025】
図3に示すように、真偽判定処理部16は、例えば、受光センサ5a、5bからの出力信号をそれぞれ保持するサンプルホールド回路21a、21b、これらサンプルホールド回路21a、21bからの出力信号をラッチするラッチ回路22、このラッチ回路22からの出力に応じて応答信号を出力するアンド回路23、および、アンド回路23からの出力に応じて、真偽判定を行うCPU24を備えている。CPU24には、所定のデータを記憶するメモリ25が接続されている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置12における光源2a、2bの交互点灯、同時点灯を制御する。
【0026】
上記のように構成された蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図4は、各信号の出力タイミングを示すタイミングチャート、図5は、検出動作を示すフローチャートである。
【0027】
図4および図5に示すように、搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。照明個別点灯方式では、まず、CPU24の制御の下、光源2aのみが点灯する。光源2aから発せられた波長λx1の光により蛍光体印刷部11は波長λm1で蛍光発光する。この蛍光発光は、受光センサ5a、5bでともに受光される。受光センサ5aは波長λm1に感度を有し、受光した波長λm1の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。受光センサ5bは波長λm1に感度を持たないため、電気信号の出力はない。
【0028】
次に、光源2aを消灯し、光源2bを点灯する。光源2bから発せられた波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm2で蛍光発光する。この蛍光発光は、受光センサ5a、5bでともに受光される。受光センサ5bは波長λm2に感度を有し、受光した波長λm2の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。受光センサ5aは波長λm2に感度を持たないため、電気信号の出力はない。
【0029】
次に、真偽判定処理部16では、光源2a、2bを個別に点灯した際、受光センサ5a、5bでそれぞれ出力が得られているか否かを識別することにより蛍光体印刷部11が貼付されている紙葉類8の真偽を判定する。図6に示すように、光源2aのみ点灯したときに受光センサ5aのみ出力が得られ、かつ、光源2bのみが点灯したときに受光センサ5bのみ出力が得られた場合のみ、蛍光体印刷部11は真、すなわち、紙葉類8は真であり、それ以外は偽である。本実施形態において、ラッチ回路22から受光センサ5aの出力および受光センサ5bの出力の両方が出力された場合のみ、アンド回路23が検出信号を出力し、CPU24は、この検出信号に応じて、紙葉類8は真であると判定する。
【0030】
上記のように構成された蛍光検知装置によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となる。同時に、コンパクトな蛍光検知装置が得られる。
【0031】
(第2の実施形態)
複数の照明光、複数の受光センサ、照明同時点灯方式を用いる第2の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0032】
図2に示すように、前述した第1の実施形態と同様に、照明装置12は、2つの光源2a、2bを有している。光源2aは波長λx1の光を照射し、光源2bは波長λx2の光を照射する。これらの光源2a、2bは1つの筐体内に配置されている。光源2a、2bは、所定波長のLEDやレーザを用いることにより実現できるが、これに限られるものではない。
【0033】
検出系14を構成する検出器20は、2つの受光センサ5a、5bを有し、これらの受光センサ5a、5bは、1つの筐体内に配設されている。受光センサ5aは、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長λm1に感度を有し、受光センサ5bは、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長λm2に感度を有している。
【0034】
図7に示すように、真偽判定処理部16は、例えば、受光センサ5a、5bからの出力信号に応じて応答信号を出力するアンド回路23、および、アンド回路23からの出力に応じて、真偽判定を行うCPU24を備えている。CPU24には、所定のデータを記憶するメモリ25が接続されている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置12における光源2a、2bの点灯を制御する。
【0035】
蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図8は、検出動作を示すフローチャートであり、図9は、判定テーブルを示している。
【0036】
紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、図8に示すように、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。同時点灯方式では、CPU24の制御の下、光源2a、2bを同時に点灯し、受光センサ5a、5bにより蛍光体印刷部11からの蛍光発光を受光する。光源2aから発せられた波長λx1の光により蛍光体印刷部11は波長λm1で蛍光発光し、受光センサ5aは波長λm1に感度を有し、受光した波長λm1の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。光源2bから発せられた波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm2で蛍光発光し、受光センサ5bは波長λm2に感度を有し、受光した波長λm2の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。
【0037】
真偽判定処理部16は、光源2a、2bを同時点灯した際、受光センサ5a、5bでそれぞれ出力が得られているか否かを識別することにより蛍光体印刷部11が貼付されている紙葉類8の真偽を判定する。図9に示すように、光源2a、2bを同時点灯した際、受光センサ5aおよび受光センサ5bの両方から信号出力が得られたときのみ、紙葉類8は真であり、それ以外は偽である。本実施形態において、アンド回路23は、受光センサ5aおよび受光センサ5bの両方から信号出力が入力された場合のみ検出信号を出力し、CPU24は、この検出信号に応じて、紙葉類8は真であると判定する。
【0038】
上記のように構成された蛍光検知装置によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となる。同時に、コンパクトな蛍光検知装置が得られる。また、2つの光源を同時点灯するため、光源制御が容易となる。
【0039】
(第3の実施の形態)
複数の照明光、1つの受光センサ、照明個別点灯方式を用いる第3の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0040】
図10に示すように、照明装置12は、2つの光源2a、2bを有している。光源2aは波長λx1の光を照射し、光源2bは波長λx2の光を照射する。これらの光源2a、2bは1つの筐体内に配置されている。光源2a、2bは、所定波長のLEDやレーザを用いることにより実現できるが、これに限られるものではない。
【0041】
検出系14を構成する検出器20は、ブロードな帯域に感度を有する1つの受光センサ5と、受光センサ5に入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタ6と、を有している。受光センサ5は、蛍光体印刷部11からの波長λm1および波長λm2の蛍光発光に感度を有している。これはフィルタワークを用いて実現できる。
【0042】
図11に示すように、真偽判定処理部16は、例えば、受光センサ5からの出力信号をそれぞれ保持するサンプルホールド回路21a、21b、光源点灯制御信号に応じて、受光センサ5からの出力信号をサンプルホールド回路21a、21bに振分けるスイッチ26、サンプルホールド回路21a、21bからの出力信号をラッチするラッチ回路22、このラッチ回路22からの出力に応じて応答信号を出力するアンド回路23、および、アンド回路23からの出力に応じて、真偽判定を行うCPU24を備えている。CPU24には、所定のデータを記憶するメモリ25が接続されている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置12における光源2a、2bの交互点灯、同時点灯を制御する。
【0043】
上記のように構成された蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図12は、各信号の出力タイミングを示すタイミングチャート、図13は、検出動作を示すフローチャートである。
【0044】
図12および図13に示すように、搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。照明個別点灯方式では、まず、CPU24の制御の下、光源2aのみが点灯する。光源2aから発せられた波長λx1の光により蛍光体印刷部11は波長λm1で蛍光発光する。この蛍光発光は、フィルタ6を透過し受光センサ5で受光される。受光センサ5は波長λm1に感度を有し、受光した波長λm1の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。
【0045】
次に、光源2aを消灯し、光源2bを点灯する。光源2bから発せられた波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm2で蛍光発光する。この蛍光発光は、フィルタ6を透過し受光センサ5で受光される。受光センサ5は波長λm2に感度を有し、受光した波長λm2の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。
【0046】
次に、真偽判定処理部16では、光源2a、2bを個別に点灯した際、受光センサ5で波長λm1、λm2にそれぞれ対応する出力が得られているか否かを識別することにより蛍光体印刷部11が貼付されている紙葉類8の真偽を判定する。図14に示すように、光源2aのみ点灯したときに受光センサ5の出力が得られ、かつ、光源2bのみが点灯したときに受光センサ5の出力が得られた場合のみ、蛍光体印刷部11は真、すなわち、紙葉類8は真であり、それ以外は偽である。
【0047】
本実施形態において、光源2a、2bの点灯に応じてスイッチ26を切換えることにより、光源2aが点灯している際に得られた受光センサ5の信号出力は一方のサンプルホールド回路21aに送られ、光源2bが点灯している際に得られた受光センサ5の信号出力は他方のサンプルホールド回路21bに送られる。ラッチ回路22からサンプルホールド回路21a、21bの両方から信号出力された場合のみ、アンド回路23が検出信号を出力し、CPU24は、この検出信号に応じて、紙葉類8は真であると判定する。
【0048】
上記のように構成された蛍光検知装置によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となる。同時に、よりコンパクトな蛍光検知装置が得られる。
【0049】
(第4の実施形態)
複数の照明光、1つの受光センサ、照明同時点灯方式を用いる第4の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0050】
図10に示すように、照明装置12は、2つの光源2a、2bを有している。光源2aは波長λx1の光を照射し、光源2bは波長λx2の光を照射する。これらの光源2a、2bは1つの筐体内に配置されている。光源2a、2bは、所定波長のLEDやレーザを用いることにより実現できるが、これに限られるものではない。
【0051】
検出器20は、ブロードな帯域に感度を有する1つの受光センサ5と、受光センサ5に入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタ6と、を有している。これにより、受光センサ5は、蛍光体印刷部11からの波長λm1および波長λm2の蛍光発光に感度を有している。
【0052】
図15に示すように、真偽判定処理部16は、例えば、受光センサ5からの出力信号レベルと所定の閾値とを比較するコンパレータ30、コンパレータからの出力に応じて、真偽判定を行うCPU24、上述した閾値等の所定のデータを記憶するメモリ25を備えている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置12における光源2a、2bの点灯を制御する。
【0053】
蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図16は、検出動作を示すフローチャートであり、図17は、判定テーブルを示している。
紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、図16に示すように、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。照明同時点灯方式では、CPU24の制御の下、光源2a、2bを同時に点灯し、受光センサ5により蛍光体印刷部11からの蛍光発光を受光する。光源2a、2bから発せられた波長λx1、λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm1および波長λm2で蛍光発光する。蛍光発光は、フィルタ6を透過して受光センサ5に受光される。受光センサ5は、受光した蛍光発光を電気信号に変換して出力する。
【0054】
真偽判定処理部16は、光源2a、2bを同時点灯した際、受光センサ5の出力レベルを判定することにより、蛍光体印刷部11が貼付されている紙葉類8の真偽を判定する。図9に示すように、光源2a、2bを同時点灯した際、受光センサ5の信号出力が所定の閾値を超えている場合のみ紙葉類8は真であり、それ以外は偽である。本実施形態において、コンパレータ30は、受光センサ5からの信号出力レベルと閾値とを比較し、比較結果に応じた検出信号を出力し、CPU24は、この検出信号に応じて、紙葉類8の真偽を判定する。
【0055】
上記のように構成された蛍光検知装置によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となる。同時に、受光センサを1つとすることにより、よりコンパクトな蛍光検知装置が得られる。また、2つの光源を同時点灯するため、光源制御が容易となる。
【0056】
(第5の実施形態)
1つの照明光、複数の受光センサ、照明同時点灯方式を用いる第5の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0057】
図18に示すように、照明装置12は、1つの光源2と、所定の複数の異なる波長帯域の光のみを透過するフィルタ9と、を有している。光源2は、ハロゲンなどのブロードな波長帯域を有し、この光源から出射された光の内、フィルタ9により、波長λx1、波長λx2の光のみを透過することにより、所定の照明装置が得られる。但し、照明装置は、これに限られるものではない。
【0058】
検出系14を構成する検出器20は、2つの受光センサ5a、5bを有し、これらの受光センサ5a、5bは、1つの筐体内に配設されている。受光センサ5aは、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長λm1に感度を有し、受光センサ5bは、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長λm2に感度を有している。
【0059】
図19に示すように、真偽判定処理部16は、例えば、受光センサ5a、5bからの出力信号に応じて応答信号を出力するアンド回路23、および、アンド回路23からの出力に応じて、真偽判定を行うCPU24を備えている。CPU24には、所定のデータを記憶するメモリ25が接続されている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置12における光源2の点灯を制御する。
【0060】
蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図20は、検出動作を示すフローチャートであり、図21は、判定テーブルを示している。
【0061】
紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、図18、図20に示すように、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。同時点灯方式では、CPU24の制御の下、光源2を点灯し、受光センサ5a、5bにより蛍光体印刷部11からの蛍光発光を受光する。光源2から発せられた波長λx1および波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm1およびλm2で蛍光発光する。受光センサ5aは波長λm1に感度を有し、受光した波長λm1の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。ただし、受光センサ5aは、波長λm2の光に関しては感度を持たないため、この分の出力はない。受光センサ5bは波長λm2に感度を有し、受光した波長λm2の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。ただし、受光センサ5bは、波長λm1の光に関しては感度を持たないため、この分の出力はない。
【0062】
真偽判定処理部16は、光源2を点灯した際、受光センサ5a、5bでそれぞれ信号出力が得られているか否かを識別することにより蛍光体印刷部11が貼付されている紙葉類8の真偽を判定する。図21に示すように、光源2を点灯した際、受光センサ5aおよび受光センサ5bの両方から信号出力が得られたときのみ、紙葉類8は真であり、それ以外は偽である。本実施形態において、アンド回路23は、受光センサ5aおよび受光センサ5bの両方から信号出力が入力された場合のみ検出信号を出力し、CPU24は、この検出信号に応じて、紙葉類8は真であると判定する。
【0063】
上記のように構成された蛍光検知装置によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となる。同時に、光源が1つであるため、よりコンパクトな蛍光検知装置が得られるとともに、光源制御が容易となる。
【0064】
(第6の実施形態)
1つの照明光、1つの受光センサ、照明同時点灯方式を用いる第6の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0065】
図22に示すように、照明装置12は、1つの光源2と、所定の複数の異なる波長帯域の光のみを透過するフィルタ9と、を有している。光源2は、ハロゲンなどのブロードな波長帯域を有し、この光源から出射された光の内、フィルタ9により、波長λx1、波長λx2の光のみを透過することにより、所定の照明装置が得られる。但し、照明装置は、これに限られるものではない。
【0066】
検出系14を構成する検出器20は、ブロードな帯域に感度を有する1つの受光センサ5と、受光センサ5に入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタ6と、を有している。受光センサ5は、蛍光体印刷部11からの波長λm1および波長λm2の蛍光発光に感度を有している。これはフィルタワークを用いて実現できる。
【0067】
図23に示すように、真偽判定処理部16は、例えば、受光センサ5からの出力信号レベルと所定の閾値とを比較するコンパレータ30、コンパレータからの出力に応じて、真偽判定を行うCPU24、上述した閾値等の所定のデータを記憶するメモリ25を備えている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置12における光源2の点灯を制御する。
【0068】
蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図24は、検出動作を示すフローチャートであり、図25は、判定テーブルを示している。
紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、図22、図24に示すように、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。照明同時点灯方式では、CPU24の制御の下、光源2を点灯し、受光センサ5により蛍光体印刷部11からの蛍光発光を受光する。光源2から発せられた波長λx1、λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm1および波長λm2で蛍光発光する。蛍光発光は、フィルタ6を透過して受光センサ5に受光される。受光センサ5は、受光した蛍光発光を電気信号に変換して出力する。
【0069】
真偽判定処理部16は、光源2を点灯した際、受光センサ5の出力レベルを判定することにより、蛍光体印刷部11が貼付されている紙葉類8の真偽を判定する。図25に示すように、光源2を点灯した際、受光センサ5の信号出力が所定の閾値を超えている場合のみ紙葉類8は真であり、それ以外は偽である。本実施形態において、コンパレータ30は、受光センサ5からの信号出力レベルと閾値とを比較し、比較結果に応じた検出信号を出力し、CPU24は、この検出信号に応じて、紙葉類8の真偽を判定する。
【0070】
上記のように構成された蛍光検知装置によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となる。同時に、光源を1つ、受光センサを1つ、とすることにより、よりコンパクトな蛍光検知装置が得られる。また、光源制御が容易となる。
【0071】
なお、上述した第1ないし第6の実施形態では、蛍光体印刷部11の発光波長が2波長の場合について説明したが、これに限られるものではなく、発光波長が3波長以上の蛍光体の検知にも適用可能である。
【0072】
次に、励起波長、蛍光波長に制限がある蛍光体印刷部11を検出する場合の蛍光体検出装置について説明する。
【0073】
(第7の実施形態)
一例として、検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0074】
図26に示すように、蛍光体印刷部11を形成する両蛍光体が波長下方変換(ダウンコンバージョン)蛍光体である場合、つまり
(λx1、λx2)<(λm1、λm2)
の関係が成り立つ場合、蛍光検知装置の照明装置12は、光源と、光源から出射された光の内、図26のλc以下の波長を透過するフィルタとを用いる。また、検出器20は、λc以上の波長を透過するフィルタと、このフィルタを透過した光を受光する受光センサとを用いる。これにより、フィルタワークが単純ですむこととなり、前述した実施形態と同様に、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能な蛍光検知装置が得られる。
【0075】
(第8の実施形態)
一例として、検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0076】
図27に示すように、蛍光体印刷部11を形成する蛍光体の一方が波長下方変換(ダウンコンバージョン)蛍光体であり、他方が波長上方変換(アップコンバージョン)蛍光体である場合、つまり
λx1<(λm1、λm2)<λx2
の関係が成り立つ場合、蛍光検知装置の検出器20は、図27に示すλc1以上λc2以下の波長のみを透過するフィルタと、このフィルタを透過した光を受光する受光センサとを用いる。これにより、フィルタワークが単純ですむこととなり、前述した実施形態と同様に、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能な蛍光検知装置が得られる。
【0077】
(第9の実施形態)
一例として、検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0078】
図28に示すように、蛍光体印刷部11を形成する両蛍光体が波長上方変換(アップコンバージョン)蛍光体である場合、つまり
(λx1、λx2)>(λm1、λm2)
の関係が成り立つ場合、蛍光検知装置の照明装置12は、光源と、光源から出射された光の内、図27のλc以上の波長を透過するフィルタとを用いる。また、検出器20は、λc以下の波長を透過するフィルタと、このフィルタを透過した光を受光する受光センサとを用いる。これにより、フィルタワークが単純ですむこととなり、前述した実施形態と同様に、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能な蛍光検知装置が得られる。
【0079】
(第10の実施形態)
次に、検出系としてカラーセンサを用いた第10の実施形態に係る蛍光検知装置について説明する。蛍光検知装置は、前述した実施形態と同様、図1で示したように、検査媒体として、例えば、蛍光体印刷部11が貼付された定型の紙葉類8を所定の搬送方向Bに沿って搬送する搬送機構10、蛍光体印刷部11を励起する照明光を紙葉類8に照射する照明装置12、蛍光体印刷部11からの蛍光発光を検出する検出系14、検出系14により検出された蛍光発光に基づいて紙葉類8の真偽を判定する真偽判定処理部16を備えている。真偽判定処理部16では、得られた情報を元に蛍光発光の色差を計算し、真偽の判定が行われる。
【0080】
本実施形態では、複数の照明光、照明個別点灯方式を用いる。
一例として、検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0081】
図29に示すように、照明装置12は、2つの光源2a、2bを有している。光源2aは波長λx1の光を照射し、光源2bは波長λx2の光を照射する。これらの光源2a、2bは1つの筐体内に配置されている。光源2a、2bは、所定波長のLEDやレーザを用いることにより実現できるが、これに限られるものではない。
検出系14を構成する検出器20は、カラーセンサとして、例えば、RGBカラーセンサ32を備えている。カラーセンサはこれに限られるものではない。
【0082】
図30は、励起波長の照明光により励起された蛍光発光のR、G、B分布を示し、図31は、蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート、図32は、判定テーブルを示している。
【0083】
搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。図31に示すように、照明個別点灯方式では、まず、光源2aのみが点灯する。光源2aから発せられた波長λx1の光により蛍光体印刷部11は波長λm1で蛍光発光する。この蛍光発光は、RGBカラーセンサ32で受光する。RGBカラーセンサ32は、図30(a)に示すように、蛍光発光特有のR、G、B成分それぞれの出力を得ることができる。RGBカラーセンサ32は、この出力値を電気信号に変換し、真偽判定処理部16に送る。
【0084】
真偽判定処理部16では、R、G、Bそれぞれの出力値を元に色差ΔE1を計算する。色差は、一例として次の計算式(1)で求めるが、この計算式に限られたものではなく、色差の特徴が表せれば他の式を用いてもよい。
【数1】
【0085】
真偽判定処理部16では、あらかじめ求められている蛍光発光λm1の基準色差ΔEref1、および蛍光発光λm2の基準色差ΔEref2の値を真偽判定処理部16内部のメモリに記憶している。
【0086】
次に、真偽判定処理部16は、先に求めた色差ΔE1とメモリから読み出した基準色差ΔEref1の値とを比較し、その差が所定の許容誤差範囲α1以内に収まっていれば蛍光発光λm1があったことを認識する。
【0087】
続いて、光源2aを消灯し、光源2bを点灯する。光源2bから発せられた波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm2で蛍光発光する。この蛍光発光は、RGBカラーセンサ32で受光する。RGBカラーセンサ32は、図30(b)に示すように、蛍光発光特有のR、G、B成分それぞれの出力を得ることができる。RGBカラーセンサ32は、この出力値を電気信号に変換し、真偽判定処理部16に送る。
【0088】
真偽判定処理部16は、R、G、Bそれぞれの出力値を元に前記式(1)を用いて色差ΔE2を計算する。更に、真偽判定処理部16は、先に求めた色差ΔE2とメモリから読み出した基準色差ΔEref2の値とを比較し、その差が所定の許容誤差範囲α2以内に収まっていれば蛍光発光λm2があったことを認識する。
【0089】
真偽判定処理部3では、以上の処理を行い、図32に示すように、蛍光発光λm1かつ蛍光発光λm2の両方が認識できた場合、紙葉類8の蛍光体印刷部11を真と判定し、それ以外の場合は偽と判定する。
【0090】
色差を判定する際に用いる許容誤差範囲α1およびα2の値は、本装置のパラメータとして任意に設定できるようにしておき、なおかつ任意に可変できるようにしておく。
【0091】
また、許容誤差範囲α1およびα2の値は、蛍光体印刷部11が真である媒体を所定の数サンプリングし、その結果から決定する方法もある。
【0092】
本実施形態によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能でコンパクトな蛍光検知装置が得られる。
【0093】
(第11の実施形態)
複数の照明光、照明同時点灯方式を用いる第11の実施形態について説明する。
一例として、検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0094】
図29で示すように、本実施形態においても、照明装置12は、2つの光源2a、2bを有している。光源2aは波長λx1の光を照射し、光源2bは波長λx2の光を照射する。これらの光源2a、2bは1つの筐体内に配置されている。光源2a、2bは、所定波長のLEDやレーザを用いることにより実現できるが、これに限られるものではない。
検出系14を構成する検出器20は、カラーセンサとして、例えば、RGBカラーセンサ32を備えている。カラーセンサはこれに限られるものではない。
【0095】
図33は、励起波長の照明光により励起された蛍光発光のR、G、B分布を示し、図34は、蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート、図35は、判定テーブルを示している。
【0096】
搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。図34に示すように、照明同時点灯方式では、まず、光源2a、2bを同時に点灯する。光源2a、2bから発せられた波長λx1の光および波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm1、λm2で蛍光発光する。この蛍光発光は、RGBカラーセンサ32で受光する。RGBカラーセンサ32では、図33に示すように、蛍光発光λm1とλm2が合成された光λmが入力することとなり、合成された光特有のR、G、Bそれぞれの出力を得ることができる。RGBカラーセンサ32は、この出力値を電気信号に変換し、真偽判定処理部16に送る。
【0097】
真偽判定処理部16では、R、G、Bそれぞれの出力値を元に色差ΔEを計算する。色差の計算式は、前述した式(1)を用いるが、これに限られるものではない。
真偽判定処理部16では、あらかじめ求められていた蛍光発光λm1と蛍光発光λm2の合成光であるλmの基準色差ΔErefの値を真偽判定処理部3内部のメモリに保存している。
【0098】
次に、真偽判定処理部16は、先に求めた色差ΔEとメモリから読み出した基準色差ΔErefの値とを比較し、その差が所定の許容誤差範囲α以内に収まっていれば蛍光発光λm1と蛍光発光λm2があったことを認識する。
【0099】
真偽判定処理部16は、以上の処理を行い、図35に示すように、合成光λmが認識できた場合、つまり、蛍光発光λm1と蛍光発光λm2の両方が存在した場合、蛍光体印刷部11を真と判定し、それ以外の場合は偽と判定する。
【0100】
色差を判定する際に用いる許容誤差範囲αの値は、本装置のパラメータとして任意に設定できるようにしておき、なおかつ任意に可変できるようにしておく。また、許容誤差範囲αの値は、蛍光体印刷部11が真である媒体を所定の数サンプリングし、その結果から決定する方法もある。
【0101】
本実施形態によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能でコンパクトな蛍光検知装置が得られる。また、照明同時点灯とすることにより、光源制御が容易となる。
【0102】
(第12の実施形態)
1つの照明光、1つのカラーセンサ、照明同時点灯方式を用いる第12の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0103】
図36に示すように、照明装置12は、1つの光源2と、所定の複数の異なる波長帯域の光のみを透過するフィルタ9と、を有している。光源2は、ハロゲンなどのブロードな波長帯域を有し、この光源から出射された光の内、フィルタ9により、波長λx1、波長λx2の光のみを透過することにより、所定の照明装置が得られる。但し、照明装置は、これに限られるものではない。
【0104】
検出系14を構成する検出器20は、カラーセンサとして、例えば、RGBカラーセンサ32を備えている。カラーセンサはこれに限られるものではない。
【0105】
図37は、蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート、図38は、判定テーブルを示している。
【0106】
搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。図37に示すように、照明同時点灯方式では、まず、光源2を点灯する。光源2から発せられた波長λx1の光および波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm1、λm2で蛍光発光する。この蛍光発光は、RGBカラーセンサ32で受光する。RGBカラーセンサ32では、図33で示すように、蛍光発光λm1とλm2が合成された光λmが入力することとなり、合成された光特有のR、G、Bそれぞれの出力を得ることができる。RGBカラーセンサ32は、この出力値を電気信号に変換し、真偽判定処理部16に送る。
【0107】
真偽判定処理部16では、R、G、Bそれぞれの出力値を元に色差ΔEを計算する。色差の計算式は、前述した式(1)を用いるが、これに限られるものではない。
真偽判定処理部16では、あらかじめ求められていた蛍光発光λm1と蛍光発光λm2の合成光であるλmの基準色差ΔErefの値を真偽判定処理部3内部のメモリに保存している。
【0108】
次に、真偽判定処理部16は、先に求めた色差ΔEとメモリから読み出した基準色差ΔErefの値とを比較し、その差が所定の許容誤差範囲α以内に収まっていれば蛍光発光λm1と蛍光発光λm2があったことを認識する。
【0109】
真偽判定処理部16は、以上の処理を行い、図38に示すように、合成光λmが認識できた場合、つまり、蛍光発光λm1と蛍光発光λm2の両方が存在した場合、蛍光体印刷部11を真と判定し、それ以外の場合は偽と判定する。
【0110】
色差を判定する際に用いる許容誤差範囲αの値は、本装置のパラメータとして任意に設定できるようにしておき、なおかつ任意に可変できるようにしておく。また、許容誤差範囲αの値は、蛍光体印刷部11が真である媒体を所定の数サンプリングし、その結果から決定する方法もある。
【0111】
本実施形態によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能でコンパクトな蛍光検知装置が得られる。また、照明装置の光源を1つとすることにより、よりコンパクトな装置にすることができるとともに、光源制御が容易となる。
【0112】
なお、上述した第10ないし第12の実施形態では、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長が2波長の場合について説明したが、これに限られるものではなく、発光波長が3波長以上の蛍光体の検知にも適用可能である。
【0113】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、検査対象となる検査媒体は、前述した紙葉類に限らず、カード、商品券、有価証券等の他の検査媒体としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る蛍光検知装置全体を概略的に示す斜視図。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る蛍光検知装置の照明装置および検知器を示す側面図。
【図3】図3は、第1の実施形態に係る蛍光検知装置の真偽判定処理部を示すブロック図。
【図4】図4は、第1の実施形態に係る蛍光検知装置における各部の信号出力タイミングを示すタイミングチャート。
【図5】図5は、第1の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図6】図6は、第1の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図7】図7は、第2の実施形態に係る蛍光検知装置の真偽判定処理部を示すブロック図。
【図8】図8は、第2の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図9】図9は、第2の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図10】図10は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置の照明装置および検知器を示す側面図。
【図11】図11は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置の真偽判定処理部を示すブロック図。
【図12】図12は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置における各部の信号出力タイミングを示すタイミングチャート。
【図13】図13は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図14】図14は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図15】図15は、第4の実施形態に係る蛍光検知装置の真偽判定処理部を示すブロック図。
【図16】図16は、第4の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図17】図17は、第4の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図18】図18は、第5の実施形態に係る蛍光検知装置の照明装置および検知器を示す側面図。
【図19】図19は、第5の実施形態に係る蛍光検知装置の真偽判定処理部を示すブロック図。
【図20】図20は、第5の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図21】図21は、第5の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図22】図22は、第6の実施形態に係る蛍光検知装置の照明装置および検知器を示す側面図。
【図23】図23は、第6の実施形態に係る蛍光検知装置の真偽判定処理部を示すブロック図。
【図24】図24は、第6の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図25】図25は、第6の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図26】図26は、第7の実施形態における励起波長と蛍光波長の制限を示す図。
【図27】図27は、第8の実施形態における励起波長と蛍光波長の制限を示す図。
【図28】図28は、第9の実施形態における励起波長と蛍光波長の制限を示す図。
【図29】図29は、第10の実施形態に係る蛍光検知装置の照明装置および検知器を示す側面図。
【図30】図30は、RGBカラーセンサにおける蛍光発光のRGB出力を示す図。
【図31】図31は、第10の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図32】図32は、第10の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図33】図33は、第11の実施形態に係る蛍光検知装置のRGBカラーセンサにおける蛍光発光のRGB出力を示す図。
【図34】図34は、第11の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図35】図35は、第11の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図36】図36は、第12の実施形態に係る蛍光検知装置の照明装置および検知器を示す側面図。
【図37】図37は、第12の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図38】図38は、第12の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【符号の説明】
【0115】
2、2a、2b…光源、5、5a、5b…受光センサ、6、9…フィルタ、
8…紙葉類、10…搬送機構、11…蛍光体印刷部、12…照明装置、
14…検出系、16…真偽判定処理部、20…検出器、24…CPU、25…メモリ、
32…RGBカラーセンサ
【技術分野】
【0001】
この発明は紙葉類等に付された蛍光体を検知し、紙葉類の真偽を判定する蛍光検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙幣等の紙葉類には、その真偽判定を目的とする蛍光体印刷が施されている。このような紙葉類に付された蛍光体印刷を検知する装置として、特許文献1に開示された「セキュリティ情報媒体読取装置が提案されている。この情報媒体読取装置は、赤外発光LED、紫外発光LED、可視光発光LEDを備え、これらのLEDの発光順序を切り替え、かつこれらのLEDを組み合わせて発光させることにより、蛍光体印刷の励起画像を撮像装置にて読み取っている。
【0003】
特許文献2に開示された「セキュリティ情報媒体読取装置」は、赤外発光LED、紫外発光LED、可視光発光LEDを順次、蛍光体印刷に照射し、CCDカメラで撮像し、蛍光パターン像、微細・高精細パターンをパーソナルコンピュータのモニタに表示する技術を提案している。
【0004】
特許文献3に開示された「セキュリティ情報目視判定装置」は、前述の特許文献2に開示された「セキュリティ情報媒体読取装置」により得られた情報を、目視で読み取る技術を提案している。
【0005】
特許文献4には、紫色光と赤色光と赤外光を放射する発光ダイオードを用いて紙幣に塗布された蛍光体を励起させる「紙幣識別装置」が開示されている。
【0006】
特許文献5には、2つ以の異なる発光特性及び/または残光特性スペクトルを同時に測定する「識別方法及び識別装置」が提案されている。
【0007】
特許文献6に開示された「画像検出装置及びそれを用いた現金自動読取装置」は、複数の波長の異なる光を照射する複数の発光手段と、発光手段からの光照射により物体から放出または反射される光を受光する複数の受光手段と、を備えている。
【0008】
特許文献7に開示された「識別マークによる識別方法および識別装置」では、識別マークに対し、2種類またはそれ以上の種類の励起光源からの励起光を照射して蛍光スペクトルを得て、この蛍光スペクトルに基づく2次元パターンを表示する。
【特許文献1】特開2007−328551号公報
【特許文献2】特開2007−193387号公報
【特許文献3】特開2007−193386号公報
【特許文献4】特開2006−318252号公報
【特許文献5】特開2006−275578号公報
【特許文献6】特開2003−208650号公報
【特許文献7】特開2001−356689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しなしながら、前述した種々の識別装置、読取装置では、1つの励起発光特性を有する蛍光体に対して、1つの検出ユニットが設けられている。複数の異なる励起発光特性を持つ蛍光体を混合、または重ね印刷した蛍光体を検出する場合、1つの検出ユニットでこれらすべての発光を検出し、真偽判定を行うことはできない。そのため、複数の異なる励起発光特性を持つ蛍光体を混合、または重ね印刷した蛍光体の付された紙葉類の真偽を検出する場合、複数の異なる励起発光特性に合致した検出系が必要となり、複数の検出ユニットを設ける必要がある。このことから、装置全体が大型となっていた。
【0010】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することができ、コンパクトで高性能な蛍光検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の態様に係る蛍光検知装置は、複数の異なる波長の励起光に対して、それぞれ前記励起光とは異なる複数の波長で発光する蛍光体印刷部を検出する蛍光検知装置であって、前記蛍光体印刷部をそれぞれ励起する波長の異なる複数の励起光を前記蛍光体印刷部に照射する照明装置と、前記蛍光体印刷部から発光する複数の波長帯域の発光を検出する検出器と、前記検出器により検出された発光状態に基づいて、前記蛍光体印刷部の真偽を判定する真偽判定部と、を備えている。
【0012】
この発明の他の態様に係る蛍光検知装置は、複数の異なる波長の励起光に対して、それぞれ前記励起光とは異なる複数の波長で発光する蛍光体印刷部を検出する蛍光検知装置であって、前記蛍光体印刷部をそれぞれ励起する波長の異なる複数の励起光を前記蛍光体印刷部に照射する照明装置と、前記蛍光体印刷部から発光する複数の波長帯域の発光を検出する検出器と、前記検出器により検出された発光を元に色差を用いて、前記蛍光体印刷部の真偽を判定する真偽判定部と、を備えている。
【発明の効果】
【0013】
上記構成によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となるとともに、コンパクトな蛍光検知装置が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る蛍光検知装置について説明する。
図1は、実施形態に係る蛍光検知装置を概略的に示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、蛍光検知装置は、検査媒体として、例えば、蛍光体印刷部11が貼付された定型の紙葉類8を所定の搬送方向Bに沿って搬送する搬送機構10、蛍光体印刷部11を励起する照明光を紙葉類8に照射する照明装置12、蛍光体印刷部11からの蛍光発光を検出する検出系14、検出系14により検出された蛍光発光に基づいて紙葉類8の真偽を判定する真偽判定処理部16を備えている。
【0016】
搬送機構10は、紙葉類8を挟持して搬送する複数の搬送ローラ7、および図示しないベルト、複数のガイド等を有している。定型の紙葉類8は搬送ローラ7により矢印B方向に搬送される。ここで、紙葉類8上に貼付された蛍光体印刷部11は、複数の異なる励起発光特性を有する複数の蛍光体が混合、または重ね印刷がなされている。一例として、蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体を含んでいるものとする。
【0017】
照明装置12は、紙葉類8に対して所定の角度位置に配設され、紙葉類8に貼付された蛍光体印刷部11全体に励起光を照射する。照明装置12から出射される光は、蛍光体印刷部11が励起発光する波長帯域、すなわち、少なくとも励起波長λx1、λx2の波長帯域を含んでいる。
【0018】
照明光によって励起された蛍光体印刷部11は、蛍光発光波長λm1とλm2で蛍光発光し、その光は検出系14にて検出される。検出系14にて検出された光は、電気信号に変換され、真偽判定処理部16に送られ、紙葉類8、つまり、蛍光体印刷部11の真偽の判定が行われる。
【0019】
なお、本実施形態では、紙葉類8は、搬送機構10によって搬送されている構成としたが、これに限られるわけではなく、紙葉類8は所定の検査位置に静止して設けられてもよい。
【0020】
以下、上述した一連の検出動作を実現するために、照明光の数、検出する受光センサの数、照明光の点灯方式、を種々組合せた以下の複数の実施形態について説明する。
【0021】
1)複数の照明光、複数の受光センサ、照明個別点灯方式
2)複数の照明光、複数の受光センサ、照明同時点灯方式
3)複数の照明光、1つの受光センサ、照明個別点灯方式
4)複数の照明光、1つの受光センサ、照明同時点灯方式
5)1つの照明光、複数の受光センサ、照明同時点灯方式
6)1つの照明光、1つの受光センサ、照明同時点灯方式。
【0022】
(第1の実施形態)
複数の照明光、複数の受光センサ、照明個別点灯方式を用いる第1の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0023】
図2は、蛍光検知装置の照明装置12、検出系14、および紙葉類8を示している。図2に示すように、照明装置12は、2つの光源2a、2bを有している。光源2aは波長λx1の光を照射し、光源2bは波長λx2の光を照射する。これらの光源2a、2bは1つの筐体内に配置されている。光源2a、2bは、所定波長のLEDやレーザを用いることにより実現できるが、これに限られるものではない。
【0024】
検出系14を構成する検出器20は、2つの受光センサ5a、5bを有し、これらの受光センサ5a、5bは、1つの筐体内に配設されている。受光センサ5aは、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長λm1に感度を有し、受光センサ5bは、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長λm2に感度を有している。
【0025】
図3に示すように、真偽判定処理部16は、例えば、受光センサ5a、5bからの出力信号をそれぞれ保持するサンプルホールド回路21a、21b、これらサンプルホールド回路21a、21bからの出力信号をラッチするラッチ回路22、このラッチ回路22からの出力に応じて応答信号を出力するアンド回路23、および、アンド回路23からの出力に応じて、真偽判定を行うCPU24を備えている。CPU24には、所定のデータを記憶するメモリ25が接続されている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置12における光源2a、2bの交互点灯、同時点灯を制御する。
【0026】
上記のように構成された蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図4は、各信号の出力タイミングを示すタイミングチャート、図5は、検出動作を示すフローチャートである。
【0027】
図4および図5に示すように、搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。照明個別点灯方式では、まず、CPU24の制御の下、光源2aのみが点灯する。光源2aから発せられた波長λx1の光により蛍光体印刷部11は波長λm1で蛍光発光する。この蛍光発光は、受光センサ5a、5bでともに受光される。受光センサ5aは波長λm1に感度を有し、受光した波長λm1の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。受光センサ5bは波長λm1に感度を持たないため、電気信号の出力はない。
【0028】
次に、光源2aを消灯し、光源2bを点灯する。光源2bから発せられた波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm2で蛍光発光する。この蛍光発光は、受光センサ5a、5bでともに受光される。受光センサ5bは波長λm2に感度を有し、受光した波長λm2の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。受光センサ5aは波長λm2に感度を持たないため、電気信号の出力はない。
【0029】
次に、真偽判定処理部16では、光源2a、2bを個別に点灯した際、受光センサ5a、5bでそれぞれ出力が得られているか否かを識別することにより蛍光体印刷部11が貼付されている紙葉類8の真偽を判定する。図6に示すように、光源2aのみ点灯したときに受光センサ5aのみ出力が得られ、かつ、光源2bのみが点灯したときに受光センサ5bのみ出力が得られた場合のみ、蛍光体印刷部11は真、すなわち、紙葉類8は真であり、それ以外は偽である。本実施形態において、ラッチ回路22から受光センサ5aの出力および受光センサ5bの出力の両方が出力された場合のみ、アンド回路23が検出信号を出力し、CPU24は、この検出信号に応じて、紙葉類8は真であると判定する。
【0030】
上記のように構成された蛍光検知装置によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となる。同時に、コンパクトな蛍光検知装置が得られる。
【0031】
(第2の実施形態)
複数の照明光、複数の受光センサ、照明同時点灯方式を用いる第2の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0032】
図2に示すように、前述した第1の実施形態と同様に、照明装置12は、2つの光源2a、2bを有している。光源2aは波長λx1の光を照射し、光源2bは波長λx2の光を照射する。これらの光源2a、2bは1つの筐体内に配置されている。光源2a、2bは、所定波長のLEDやレーザを用いることにより実現できるが、これに限られるものではない。
【0033】
検出系14を構成する検出器20は、2つの受光センサ5a、5bを有し、これらの受光センサ5a、5bは、1つの筐体内に配設されている。受光センサ5aは、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長λm1に感度を有し、受光センサ5bは、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長λm2に感度を有している。
【0034】
図7に示すように、真偽判定処理部16は、例えば、受光センサ5a、5bからの出力信号に応じて応答信号を出力するアンド回路23、および、アンド回路23からの出力に応じて、真偽判定を行うCPU24を備えている。CPU24には、所定のデータを記憶するメモリ25が接続されている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置12における光源2a、2bの点灯を制御する。
【0035】
蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図8は、検出動作を示すフローチャートであり、図9は、判定テーブルを示している。
【0036】
紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、図8に示すように、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。同時点灯方式では、CPU24の制御の下、光源2a、2bを同時に点灯し、受光センサ5a、5bにより蛍光体印刷部11からの蛍光発光を受光する。光源2aから発せられた波長λx1の光により蛍光体印刷部11は波長λm1で蛍光発光し、受光センサ5aは波長λm1に感度を有し、受光した波長λm1の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。光源2bから発せられた波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm2で蛍光発光し、受光センサ5bは波長λm2に感度を有し、受光した波長λm2の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。
【0037】
真偽判定処理部16は、光源2a、2bを同時点灯した際、受光センサ5a、5bでそれぞれ出力が得られているか否かを識別することにより蛍光体印刷部11が貼付されている紙葉類8の真偽を判定する。図9に示すように、光源2a、2bを同時点灯した際、受光センサ5aおよび受光センサ5bの両方から信号出力が得られたときのみ、紙葉類8は真であり、それ以外は偽である。本実施形態において、アンド回路23は、受光センサ5aおよび受光センサ5bの両方から信号出力が入力された場合のみ検出信号を出力し、CPU24は、この検出信号に応じて、紙葉類8は真であると判定する。
【0038】
上記のように構成された蛍光検知装置によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となる。同時に、コンパクトな蛍光検知装置が得られる。また、2つの光源を同時点灯するため、光源制御が容易となる。
【0039】
(第3の実施の形態)
複数の照明光、1つの受光センサ、照明個別点灯方式を用いる第3の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0040】
図10に示すように、照明装置12は、2つの光源2a、2bを有している。光源2aは波長λx1の光を照射し、光源2bは波長λx2の光を照射する。これらの光源2a、2bは1つの筐体内に配置されている。光源2a、2bは、所定波長のLEDやレーザを用いることにより実現できるが、これに限られるものではない。
【0041】
検出系14を構成する検出器20は、ブロードな帯域に感度を有する1つの受光センサ5と、受光センサ5に入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタ6と、を有している。受光センサ5は、蛍光体印刷部11からの波長λm1および波長λm2の蛍光発光に感度を有している。これはフィルタワークを用いて実現できる。
【0042】
図11に示すように、真偽判定処理部16は、例えば、受光センサ5からの出力信号をそれぞれ保持するサンプルホールド回路21a、21b、光源点灯制御信号に応じて、受光センサ5からの出力信号をサンプルホールド回路21a、21bに振分けるスイッチ26、サンプルホールド回路21a、21bからの出力信号をラッチするラッチ回路22、このラッチ回路22からの出力に応じて応答信号を出力するアンド回路23、および、アンド回路23からの出力に応じて、真偽判定を行うCPU24を備えている。CPU24には、所定のデータを記憶するメモリ25が接続されている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置12における光源2a、2bの交互点灯、同時点灯を制御する。
【0043】
上記のように構成された蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図12は、各信号の出力タイミングを示すタイミングチャート、図13は、検出動作を示すフローチャートである。
【0044】
図12および図13に示すように、搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。照明個別点灯方式では、まず、CPU24の制御の下、光源2aのみが点灯する。光源2aから発せられた波長λx1の光により蛍光体印刷部11は波長λm1で蛍光発光する。この蛍光発光は、フィルタ6を透過し受光センサ5で受光される。受光センサ5は波長λm1に感度を有し、受光した波長λm1の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。
【0045】
次に、光源2aを消灯し、光源2bを点灯する。光源2bから発せられた波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm2で蛍光発光する。この蛍光発光は、フィルタ6を透過し受光センサ5で受光される。受光センサ5は波長λm2に感度を有し、受光した波長λm2の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。
【0046】
次に、真偽判定処理部16では、光源2a、2bを個別に点灯した際、受光センサ5で波長λm1、λm2にそれぞれ対応する出力が得られているか否かを識別することにより蛍光体印刷部11が貼付されている紙葉類8の真偽を判定する。図14に示すように、光源2aのみ点灯したときに受光センサ5の出力が得られ、かつ、光源2bのみが点灯したときに受光センサ5の出力が得られた場合のみ、蛍光体印刷部11は真、すなわち、紙葉類8は真であり、それ以外は偽である。
【0047】
本実施形態において、光源2a、2bの点灯に応じてスイッチ26を切換えることにより、光源2aが点灯している際に得られた受光センサ5の信号出力は一方のサンプルホールド回路21aに送られ、光源2bが点灯している際に得られた受光センサ5の信号出力は他方のサンプルホールド回路21bに送られる。ラッチ回路22からサンプルホールド回路21a、21bの両方から信号出力された場合のみ、アンド回路23が検出信号を出力し、CPU24は、この検出信号に応じて、紙葉類8は真であると判定する。
【0048】
上記のように構成された蛍光検知装置によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となる。同時に、よりコンパクトな蛍光検知装置が得られる。
【0049】
(第4の実施形態)
複数の照明光、1つの受光センサ、照明同時点灯方式を用いる第4の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0050】
図10に示すように、照明装置12は、2つの光源2a、2bを有している。光源2aは波長λx1の光を照射し、光源2bは波長λx2の光を照射する。これらの光源2a、2bは1つの筐体内に配置されている。光源2a、2bは、所定波長のLEDやレーザを用いることにより実現できるが、これに限られるものではない。
【0051】
検出器20は、ブロードな帯域に感度を有する1つの受光センサ5と、受光センサ5に入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタ6と、を有している。これにより、受光センサ5は、蛍光体印刷部11からの波長λm1および波長λm2の蛍光発光に感度を有している。
【0052】
図15に示すように、真偽判定処理部16は、例えば、受光センサ5からの出力信号レベルと所定の閾値とを比較するコンパレータ30、コンパレータからの出力に応じて、真偽判定を行うCPU24、上述した閾値等の所定のデータを記憶するメモリ25を備えている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置12における光源2a、2bの点灯を制御する。
【0053】
蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図16は、検出動作を示すフローチャートであり、図17は、判定テーブルを示している。
紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、図16に示すように、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。照明同時点灯方式では、CPU24の制御の下、光源2a、2bを同時に点灯し、受光センサ5により蛍光体印刷部11からの蛍光発光を受光する。光源2a、2bから発せられた波長λx1、λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm1および波長λm2で蛍光発光する。蛍光発光は、フィルタ6を透過して受光センサ5に受光される。受光センサ5は、受光した蛍光発光を電気信号に変換して出力する。
【0054】
真偽判定処理部16は、光源2a、2bを同時点灯した際、受光センサ5の出力レベルを判定することにより、蛍光体印刷部11が貼付されている紙葉類8の真偽を判定する。図9に示すように、光源2a、2bを同時点灯した際、受光センサ5の信号出力が所定の閾値を超えている場合のみ紙葉類8は真であり、それ以外は偽である。本実施形態において、コンパレータ30は、受光センサ5からの信号出力レベルと閾値とを比較し、比較結果に応じた検出信号を出力し、CPU24は、この検出信号に応じて、紙葉類8の真偽を判定する。
【0055】
上記のように構成された蛍光検知装置によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となる。同時に、受光センサを1つとすることにより、よりコンパクトな蛍光検知装置が得られる。また、2つの光源を同時点灯するため、光源制御が容易となる。
【0056】
(第5の実施形態)
1つの照明光、複数の受光センサ、照明同時点灯方式を用いる第5の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0057】
図18に示すように、照明装置12は、1つの光源2と、所定の複数の異なる波長帯域の光のみを透過するフィルタ9と、を有している。光源2は、ハロゲンなどのブロードな波長帯域を有し、この光源から出射された光の内、フィルタ9により、波長λx1、波長λx2の光のみを透過することにより、所定の照明装置が得られる。但し、照明装置は、これに限られるものではない。
【0058】
検出系14を構成する検出器20は、2つの受光センサ5a、5bを有し、これらの受光センサ5a、5bは、1つの筐体内に配設されている。受光センサ5aは、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長λm1に感度を有し、受光センサ5bは、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長λm2に感度を有している。
【0059】
図19に示すように、真偽判定処理部16は、例えば、受光センサ5a、5bからの出力信号に応じて応答信号を出力するアンド回路23、および、アンド回路23からの出力に応じて、真偽判定を行うCPU24を備えている。CPU24には、所定のデータを記憶するメモリ25が接続されている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置12における光源2の点灯を制御する。
【0060】
蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図20は、検出動作を示すフローチャートであり、図21は、判定テーブルを示している。
【0061】
紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、図18、図20に示すように、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。同時点灯方式では、CPU24の制御の下、光源2を点灯し、受光センサ5a、5bにより蛍光体印刷部11からの蛍光発光を受光する。光源2から発せられた波長λx1および波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm1およびλm2で蛍光発光する。受光センサ5aは波長λm1に感度を有し、受光した波長λm1の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。ただし、受光センサ5aは、波長λm2の光に関しては感度を持たないため、この分の出力はない。受光センサ5bは波長λm2に感度を有し、受光した波長λm2の蛍光発光を電気信号に変換して出力する。ただし、受光センサ5bは、波長λm1の光に関しては感度を持たないため、この分の出力はない。
【0062】
真偽判定処理部16は、光源2を点灯した際、受光センサ5a、5bでそれぞれ信号出力が得られているか否かを識別することにより蛍光体印刷部11が貼付されている紙葉類8の真偽を判定する。図21に示すように、光源2を点灯した際、受光センサ5aおよび受光センサ5bの両方から信号出力が得られたときのみ、紙葉類8は真であり、それ以外は偽である。本実施形態において、アンド回路23は、受光センサ5aおよび受光センサ5bの両方から信号出力が入力された場合のみ検出信号を出力し、CPU24は、この検出信号に応じて、紙葉類8は真であると判定する。
【0063】
上記のように構成された蛍光検知装置によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となる。同時に、光源が1つであるため、よりコンパクトな蛍光検知装置が得られるとともに、光源制御が容易となる。
【0064】
(第6の実施形態)
1つの照明光、1つの受光センサ、照明同時点灯方式を用いる第6の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0065】
図22に示すように、照明装置12は、1つの光源2と、所定の複数の異なる波長帯域の光のみを透過するフィルタ9と、を有している。光源2は、ハロゲンなどのブロードな波長帯域を有し、この光源から出射された光の内、フィルタ9により、波長λx1、波長λx2の光のみを透過することにより、所定の照明装置が得られる。但し、照明装置は、これに限られるものではない。
【0066】
検出系14を構成する検出器20は、ブロードな帯域に感度を有する1つの受光センサ5と、受光センサ5に入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタ6と、を有している。受光センサ5は、蛍光体印刷部11からの波長λm1および波長λm2の蛍光発光に感度を有している。これはフィルタワークを用いて実現できる。
【0067】
図23に示すように、真偽判定処理部16は、例えば、受光センサ5からの出力信号レベルと所定の閾値とを比較するコンパレータ30、コンパレータからの出力に応じて、真偽判定を行うCPU24、上述した閾値等の所定のデータを記憶するメモリ25を備えている。また、CPU24は、光源発光制御部として機能し、図示しないドライバを介して、照明装置12における光源2の点灯を制御する。
【0068】
蛍光検知装置の検出動作について説明する。
図24は、検出動作を示すフローチャートであり、図25は、判定テーブルを示している。
紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、図22、図24に示すように、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。照明同時点灯方式では、CPU24の制御の下、光源2を点灯し、受光センサ5により蛍光体印刷部11からの蛍光発光を受光する。光源2から発せられた波長λx1、λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm1および波長λm2で蛍光発光する。蛍光発光は、フィルタ6を透過して受光センサ5に受光される。受光センサ5は、受光した蛍光発光を電気信号に変換して出力する。
【0069】
真偽判定処理部16は、光源2を点灯した際、受光センサ5の出力レベルを判定することにより、蛍光体印刷部11が貼付されている紙葉類8の真偽を判定する。図25に示すように、光源2を点灯した際、受光センサ5の信号出力が所定の閾値を超えている場合のみ紙葉類8は真であり、それ以外は偽である。本実施形態において、コンパレータ30は、受光センサ5からの信号出力レベルと閾値とを比較し、比較結果に応じた検出信号を出力し、CPU24は、この検出信号に応じて、紙葉類8の真偽を判定する。
【0070】
上記のように構成された蛍光検知装置によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能となる。同時に、光源を1つ、受光センサを1つ、とすることにより、よりコンパクトな蛍光検知装置が得られる。また、光源制御が容易となる。
【0071】
なお、上述した第1ないし第6の実施形態では、蛍光体印刷部11の発光波長が2波長の場合について説明したが、これに限られるものではなく、発光波長が3波長以上の蛍光体の検知にも適用可能である。
【0072】
次に、励起波長、蛍光波長に制限がある蛍光体印刷部11を検出する場合の蛍光体検出装置について説明する。
【0073】
(第7の実施形態)
一例として、検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0074】
図26に示すように、蛍光体印刷部11を形成する両蛍光体が波長下方変換(ダウンコンバージョン)蛍光体である場合、つまり
(λx1、λx2)<(λm1、λm2)
の関係が成り立つ場合、蛍光検知装置の照明装置12は、光源と、光源から出射された光の内、図26のλc以下の波長を透過するフィルタとを用いる。また、検出器20は、λc以上の波長を透過するフィルタと、このフィルタを透過した光を受光する受光センサとを用いる。これにより、フィルタワークが単純ですむこととなり、前述した実施形態と同様に、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能な蛍光検知装置が得られる。
【0075】
(第8の実施形態)
一例として、検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0076】
図27に示すように、蛍光体印刷部11を形成する蛍光体の一方が波長下方変換(ダウンコンバージョン)蛍光体であり、他方が波長上方変換(アップコンバージョン)蛍光体である場合、つまり
λx1<(λm1、λm2)<λx2
の関係が成り立つ場合、蛍光検知装置の検出器20は、図27に示すλc1以上λc2以下の波長のみを透過するフィルタと、このフィルタを透過した光を受光する受光センサとを用いる。これにより、フィルタワークが単純ですむこととなり、前述した実施形態と同様に、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能な蛍光検知装置が得られる。
【0077】
(第9の実施形態)
一例として、検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0078】
図28に示すように、蛍光体印刷部11を形成する両蛍光体が波長上方変換(アップコンバージョン)蛍光体である場合、つまり
(λx1、λx2)>(λm1、λm2)
の関係が成り立つ場合、蛍光検知装置の照明装置12は、光源と、光源から出射された光の内、図27のλc以上の波長を透過するフィルタとを用いる。また、検出器20は、λc以下の波長を透過するフィルタと、このフィルタを透過した光を受光する受光センサとを用いる。これにより、フィルタワークが単純ですむこととなり、前述した実施形態と同様に、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能な蛍光検知装置が得られる。
【0079】
(第10の実施形態)
次に、検出系としてカラーセンサを用いた第10の実施形態に係る蛍光検知装置について説明する。蛍光検知装置は、前述した実施形態と同様、図1で示したように、検査媒体として、例えば、蛍光体印刷部11が貼付された定型の紙葉類8を所定の搬送方向Bに沿って搬送する搬送機構10、蛍光体印刷部11を励起する照明光を紙葉類8に照射する照明装置12、蛍光体印刷部11からの蛍光発光を検出する検出系14、検出系14により検出された蛍光発光に基づいて紙葉類8の真偽を判定する真偽判定処理部16を備えている。真偽判定処理部16では、得られた情報を元に蛍光発光の色差を計算し、真偽の判定が行われる。
【0080】
本実施形態では、複数の照明光、照明個別点灯方式を用いる。
一例として、検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0081】
図29に示すように、照明装置12は、2つの光源2a、2bを有している。光源2aは波長λx1の光を照射し、光源2bは波長λx2の光を照射する。これらの光源2a、2bは1つの筐体内に配置されている。光源2a、2bは、所定波長のLEDやレーザを用いることにより実現できるが、これに限られるものではない。
検出系14を構成する検出器20は、カラーセンサとして、例えば、RGBカラーセンサ32を備えている。カラーセンサはこれに限られるものではない。
【0082】
図30は、励起波長の照明光により励起された蛍光発光のR、G、B分布を示し、図31は、蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート、図32は、判定テーブルを示している。
【0083】
搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。図31に示すように、照明個別点灯方式では、まず、光源2aのみが点灯する。光源2aから発せられた波長λx1の光により蛍光体印刷部11は波長λm1で蛍光発光する。この蛍光発光は、RGBカラーセンサ32で受光する。RGBカラーセンサ32は、図30(a)に示すように、蛍光発光特有のR、G、B成分それぞれの出力を得ることができる。RGBカラーセンサ32は、この出力値を電気信号に変換し、真偽判定処理部16に送る。
【0084】
真偽判定処理部16では、R、G、Bそれぞれの出力値を元に色差ΔE1を計算する。色差は、一例として次の計算式(1)で求めるが、この計算式に限られたものではなく、色差の特徴が表せれば他の式を用いてもよい。
【数1】
【0085】
真偽判定処理部16では、あらかじめ求められている蛍光発光λm1の基準色差ΔEref1、および蛍光発光λm2の基準色差ΔEref2の値を真偽判定処理部16内部のメモリに記憶している。
【0086】
次に、真偽判定処理部16は、先に求めた色差ΔE1とメモリから読み出した基準色差ΔEref1の値とを比較し、その差が所定の許容誤差範囲α1以内に収まっていれば蛍光発光λm1があったことを認識する。
【0087】
続いて、光源2aを消灯し、光源2bを点灯する。光源2bから発せられた波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm2で蛍光発光する。この蛍光発光は、RGBカラーセンサ32で受光する。RGBカラーセンサ32は、図30(b)に示すように、蛍光発光特有のR、G、B成分それぞれの出力を得ることができる。RGBカラーセンサ32は、この出力値を電気信号に変換し、真偽判定処理部16に送る。
【0088】
真偽判定処理部16は、R、G、Bそれぞれの出力値を元に前記式(1)を用いて色差ΔE2を計算する。更に、真偽判定処理部16は、先に求めた色差ΔE2とメモリから読み出した基準色差ΔEref2の値とを比較し、その差が所定の許容誤差範囲α2以内に収まっていれば蛍光発光λm2があったことを認識する。
【0089】
真偽判定処理部3では、以上の処理を行い、図32に示すように、蛍光発光λm1かつ蛍光発光λm2の両方が認識できた場合、紙葉類8の蛍光体印刷部11を真と判定し、それ以外の場合は偽と判定する。
【0090】
色差を判定する際に用いる許容誤差範囲α1およびα2の値は、本装置のパラメータとして任意に設定できるようにしておき、なおかつ任意に可変できるようにしておく。
【0091】
また、許容誤差範囲α1およびα2の値は、蛍光体印刷部11が真である媒体を所定の数サンプリングし、その結果から決定する方法もある。
【0092】
本実施形態によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能でコンパクトな蛍光検知装置が得られる。
【0093】
(第11の実施形態)
複数の照明光、照明同時点灯方式を用いる第11の実施形態について説明する。
一例として、検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0094】
図29で示すように、本実施形態においても、照明装置12は、2つの光源2a、2bを有している。光源2aは波長λx1の光を照射し、光源2bは波長λx2の光を照射する。これらの光源2a、2bは1つの筐体内に配置されている。光源2a、2bは、所定波長のLEDやレーザを用いることにより実現できるが、これに限られるものではない。
検出系14を構成する検出器20は、カラーセンサとして、例えば、RGBカラーセンサ32を備えている。カラーセンサはこれに限られるものではない。
【0095】
図33は、励起波長の照明光により励起された蛍光発光のR、G、B分布を示し、図34は、蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート、図35は、判定テーブルを示している。
【0096】
搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。図34に示すように、照明同時点灯方式では、まず、光源2a、2bを同時に点灯する。光源2a、2bから発せられた波長λx1の光および波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm1、λm2で蛍光発光する。この蛍光発光は、RGBカラーセンサ32で受光する。RGBカラーセンサ32では、図33に示すように、蛍光発光λm1とλm2が合成された光λmが入力することとなり、合成された光特有のR、G、Bそれぞれの出力を得ることができる。RGBカラーセンサ32は、この出力値を電気信号に変換し、真偽判定処理部16に送る。
【0097】
真偽判定処理部16では、R、G、Bそれぞれの出力値を元に色差ΔEを計算する。色差の計算式は、前述した式(1)を用いるが、これに限られるものではない。
真偽判定処理部16では、あらかじめ求められていた蛍光発光λm1と蛍光発光λm2の合成光であるλmの基準色差ΔErefの値を真偽判定処理部3内部のメモリに保存している。
【0098】
次に、真偽判定処理部16は、先に求めた色差ΔEとメモリから読み出した基準色差ΔErefの値とを比較し、その差が所定の許容誤差範囲α以内に収まっていれば蛍光発光λm1と蛍光発光λm2があったことを認識する。
【0099】
真偽判定処理部16は、以上の処理を行い、図35に示すように、合成光λmが認識できた場合、つまり、蛍光発光λm1と蛍光発光λm2の両方が存在した場合、蛍光体印刷部11を真と判定し、それ以外の場合は偽と判定する。
【0100】
色差を判定する際に用いる許容誤差範囲αの値は、本装置のパラメータとして任意に設定できるようにしておき、なおかつ任意に可変できるようにしておく。また、許容誤差範囲αの値は、蛍光体印刷部11が真である媒体を所定の数サンプリングし、その結果から決定する方法もある。
【0101】
本実施形態によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能でコンパクトな蛍光検知装置が得られる。また、照明同時点灯とすることにより、光源制御が容易となる。
【0102】
(第12の実施形態)
1つの照明光、1つのカラーセンサ、照明同時点灯方式を用いる第12の実施形態について説明する。
検出対象の蛍光体印刷部11は、励起波長λx1に励起され蛍光発光波長λm1で発光する蛍光体と、励起波長λx2に励起され蛍光発光波長λm2で発光する蛍光体と、を混合して、あるいは、重ねて形成されているものとする。
【0103】
図36に示すように、照明装置12は、1つの光源2と、所定の複数の異なる波長帯域の光のみを透過するフィルタ9と、を有している。光源2は、ハロゲンなどのブロードな波長帯域を有し、この光源から出射された光の内、フィルタ9により、波長λx1、波長λx2の光のみを透過することにより、所定の照明装置が得られる。但し、照明装置は、これに限られるものではない。
【0104】
検出系14を構成する検出器20は、カラーセンサとして、例えば、RGBカラーセンサ32を備えている。カラーセンサはこれに限られるものではない。
【0105】
図37は、蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート、図38は、判定テーブルを示している。
【0106】
搬送機構10により紙葉類8が所定の検出位置に搬送されると、蛍光検知装置は蛍光体印刷部11の蛍光検知を開始する。図37に示すように、照明同時点灯方式では、まず、光源2を点灯する。光源2から発せられた波長λx1の光および波長λx2の光により蛍光体印刷部11は波長λm1、λm2で蛍光発光する。この蛍光発光は、RGBカラーセンサ32で受光する。RGBカラーセンサ32では、図33で示すように、蛍光発光λm1とλm2が合成された光λmが入力することとなり、合成された光特有のR、G、Bそれぞれの出力を得ることができる。RGBカラーセンサ32は、この出力値を電気信号に変換し、真偽判定処理部16に送る。
【0107】
真偽判定処理部16では、R、G、Bそれぞれの出力値を元に色差ΔEを計算する。色差の計算式は、前述した式(1)を用いるが、これに限られるものではない。
真偽判定処理部16では、あらかじめ求められていた蛍光発光λm1と蛍光発光λm2の合成光であるλmの基準色差ΔErefの値を真偽判定処理部3内部のメモリに保存している。
【0108】
次に、真偽判定処理部16は、先に求めた色差ΔEとメモリから読み出した基準色差ΔErefの値とを比較し、その差が所定の許容誤差範囲α以内に収まっていれば蛍光発光λm1と蛍光発光λm2があったことを認識する。
【0109】
真偽判定処理部16は、以上の処理を行い、図38に示すように、合成光λmが認識できた場合、つまり、蛍光発光λm1と蛍光発光λm2の両方が存在した場合、蛍光体印刷部11を真と判定し、それ以外の場合は偽と判定する。
【0110】
色差を判定する際に用いる許容誤差範囲αの値は、本装置のパラメータとして任意に設定できるようにしておき、なおかつ任意に可変できるようにしておく。また、許容誤差範囲αの値は、蛍光体印刷部11が真である媒体を所定の数サンプリングし、その結果から決定する方法もある。
【0111】
本実施形態によれば、1つの検出系で、複数の波長特徴を高性能に検出することが可能となり、精度の高い真偽判定処理が可能でコンパクトな蛍光検知装置が得られる。また、照明装置の光源を1つとすることにより、よりコンパクトな装置にすることができるとともに、光源制御が容易となる。
【0112】
なお、上述した第10ないし第12の実施形態では、蛍光体印刷部11の蛍光発光波長が2波長の場合について説明したが、これに限られるものではなく、発光波長が3波長以上の蛍光体の検知にも適用可能である。
【0113】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、検査対象となる検査媒体は、前述した紙葉類に限らず、カード、商品券、有価証券等の他の検査媒体としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る蛍光検知装置全体を概略的に示す斜視図。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る蛍光検知装置の照明装置および検知器を示す側面図。
【図3】図3は、第1の実施形態に係る蛍光検知装置の真偽判定処理部を示すブロック図。
【図4】図4は、第1の実施形態に係る蛍光検知装置における各部の信号出力タイミングを示すタイミングチャート。
【図5】図5は、第1の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図6】図6は、第1の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図7】図7は、第2の実施形態に係る蛍光検知装置の真偽判定処理部を示すブロック図。
【図8】図8は、第2の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図9】図9は、第2の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図10】図10は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置の照明装置および検知器を示す側面図。
【図11】図11は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置の真偽判定処理部を示すブロック図。
【図12】図12は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置における各部の信号出力タイミングを示すタイミングチャート。
【図13】図13は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図14】図14は、第3の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図15】図15は、第4の実施形態に係る蛍光検知装置の真偽判定処理部を示すブロック図。
【図16】図16は、第4の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図17】図17は、第4の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図18】図18は、第5の実施形態に係る蛍光検知装置の照明装置および検知器を示す側面図。
【図19】図19は、第5の実施形態に係る蛍光検知装置の真偽判定処理部を示すブロック図。
【図20】図20は、第5の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図21】図21は、第5の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図22】図22は、第6の実施形態に係る蛍光検知装置の照明装置および検知器を示す側面図。
【図23】図23は、第6の実施形態に係る蛍光検知装置の真偽判定処理部を示すブロック図。
【図24】図24は、第6の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図25】図25は、第6の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図26】図26は、第7の実施形態における励起波長と蛍光波長の制限を示す図。
【図27】図27は、第8の実施形態における励起波長と蛍光波長の制限を示す図。
【図28】図28は、第9の実施形態における励起波長と蛍光波長の制限を示す図。
【図29】図29は、第10の実施形態に係る蛍光検知装置の照明装置および検知器を示す側面図。
【図30】図30は、RGBカラーセンサにおける蛍光発光のRGB出力を示す図。
【図31】図31は、第10の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図32】図32は、第10の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図33】図33は、第11の実施形態に係る蛍光検知装置のRGBカラーセンサにおける蛍光発光のRGB出力を示す図。
【図34】図34は、第11の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図35】図35は、第11の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【図36】図36は、第12の実施形態に係る蛍光検知装置の照明装置および検知器を示す側面図。
【図37】図37は、第12の実施形態に係る蛍光検知装置の検出動作を示すフローチャート。
【図38】図38は、第12の実施形態に係る蛍光検知装置における判定テーブルを示す図。
【符号の説明】
【0115】
2、2a、2b…光源、5、5a、5b…受光センサ、6、9…フィルタ、
8…紙葉類、10…搬送機構、11…蛍光体印刷部、12…照明装置、
14…検出系、16…真偽判定処理部、20…検出器、24…CPU、25…メモリ、
32…RGBカラーセンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる波長の励起光に対して、それぞれ前記励起光とは異なる複数の波長で発光する蛍光体印刷部を検出する蛍光検知装置であって、
前記蛍光体印刷部をそれぞれ励起する波長の異なる複数の励起光を前記蛍光体印刷部に照射する照明装置と、
前記蛍光体印刷部から発光する複数の波長帯域の発光を検出する検出器と、
前記検出器により検出された発光状態に基づいて、前記蛍光体印刷部の真偽を判定する真偽判定部と、
を具備した蛍光検知装置。
【請求項2】
前記照明装置は、複数の異なる励起波長毎に独立した複数の光源を有している請求項1に記載の蛍光検知装置。
【請求項3】
前記照明装置は、所定の波長帯域を有する光を出射する1つの光源と、前記光源から出射された出射光の内、所定の複数の異なる励起波長の励起光のみを透過するフィルタと、を備えている請求項1に記載の蛍光検知装置。
【請求項4】
前記検出器は、それぞれ異なる蛍光発光波長帯域に感度を有する複数の受光センサを備えている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の蛍光検知装置。
【請求項5】
前記検出器は、1つの受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備えている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の蛍光検知装置。
【請求項6】
前記複数の光源を切り替えて交互点灯を繰り返す光源発光制御部を更に備え、
前記検出器は、それぞれ異なる蛍光発光波長帯域に感度を有する複数の受光センサを備え、
前記真偽判定部は、前記複数の受光センサにより得られる異なる複数の発光波長の検出の有無の組み合わせに基づいて前記蛍光印刷部の真偽を判定する請求項2に記載の蛍光検知装置。
【請求項7】
前記複数の光源を切り替えて交互点灯を繰り返す光源発光制御部を更に備え、
前記検出器は、1つの受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備え、
前記真偽判定部は、前記光源の交互点灯により前記1つの受光センサよって得られるタイミングの異なる蛍光検出の有無の組み合わせに基づいて前記蛍光体印刷部の真偽を判定する請求項2に記載の蛍光検知装置。
【請求項8】
前記複数の光源を同時に点灯させる光源発光制御部を更に備え、
前記検出器は、それぞれ異なる蛍光発光波長帯域に感度を有する複数の受光センサを備え、
前記真偽判定部は、前記複数の受光センサにより得られる異なる複数の発光波長の検出の有無の組み合わせに基づいて前記蛍光体印刷部の真偽を判定する請求項2に記載の蛍光検知装置。
【請求項9】
前記複数の光源を同時に点灯する光源発光制御部を更に備え、
前記検出器は、1つの受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備え、
前記真偽判定部は、前記1つの受光センサより得られる蛍光検出の有無及び出力レベルに応じて前記蛍光体印刷部の真偽を判定する請求項2に記載の蛍光検知装置。
【請求項10】
前記検出器は、それぞれ異なる蛍光発光波長帯域に感度を有する複数の受光センサを備え、
前記真偽判定部は、前記複数の受光センサにより得られる異なる複数の発光波長の検出の有無の組み合わせに基づいて前記蛍光体印刷部の真偽を判定する請求項3に記載の蛍光検知装置。
【請求項11】
前記検出器は、1つの受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備え、
前記真偽判定部は、前記1つの受光センサより得られる蛍光検出の有無及び出力レベルに応じて前記蛍光体印刷部の真偽を判定する請求項3に記載の蛍光検知装置。
【請求項12】
前記照明装置は、所定の波長帯域を有する光を出射する光源と、前記光源から出射された出射光の内、所定の複数の異なる励起波長の励起光のみを透過するフィルタと、を備え、
前記検出器は、受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備え、
すべての励起発光がダウンコンバージョンが対象であり、すべての励起波長λxとすべての発光波長λmが、ある特定の波長λcに対して
λc>λx かつ λc<λm
である場合において、
前記照明装置のフィルタは、λc以下の波長帯域を透過するように形成され、前記検出器のフィルタは、λc以上の波長帯域を透過するように形成されている請求項1に記載の蛍光検知装置。
【請求項13】
前記検出器は、受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備え、
励起発光がダウンコンバージョンとアップコンバージョンの混在が対象であり、すべての励起波長λxがある特定の波長λc1及びλc2(ただし、λc1<λc2)で
λc1>λxもしくはλc2<λx
かつ、すべての発光波長λmが
λc1<λm<λc2
である場合において、
前記検知器のフィルタは、λc1以上、λc2以下の波長帯域を透過するように形成されている請求項1に記載の蛍光検知装置。
【請求項14】
前記照明装置は、所定の波長帯域を有する光を出射する光源と、前記光源から出射された出射光の内、所定の複数の異なる励起波長の励起光のみを透過するフィルタと、を備え、前記検出器は、受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備え、
すべての励起発光がアップコンバージョンが対象であり、すべての励起波長λxとすべての発光波長λmがある特定の波長λcで
λc<λx かつ λc>λm
である場合において、
前記照明装置のフィルタは、λc以上の波長帯域を透過するように形成され、前記検出器のフィルタは、λc以下の波長帯域を透過するように形成されている請求項1に記載の蛍光検知装置。
【請求項15】
複数の異なる波長の励起光に対して、それぞれ前記励起光とは異なる複数の波長で発光する蛍光体印刷部を検出する蛍光検知装置であって、
前記蛍光体印刷部をそれぞれ励起する波長の異なる複数の励起光を前記蛍光体印刷部に照射する照明装置と、
前記蛍光体印刷部から発光する複数の波長帯域の発光を検出する検出器と、
前記検出器により検出された発光を元に色差を用いて、前記蛍光体印刷部の真偽を判定する真偽判定部と、
を具備した蛍光検知装置。
【請求項16】
前記照明装置は、複数の異なる励起波長毎に独立した複数の光源を有している請求項15に記載の蛍光検知装置。
【請求項17】
前記照明装置は、所定の波長帯域を有する光を出射する1つの光源と、前記光源から出射された出射光の内、所定の複数の異なる励起波長の励起光のみを透過するフィルタと、を備えている請求項15に記載の蛍光検知装置。
【請求項18】
前記複数の光源を切り替えて交互点灯を繰り返す光源発光制御部を備えている請求項16に記載の蛍光検知装置。
【請求項19】
前記複数の光源を同時に点灯、消灯する光源発光制御部を備えている請求項16に記載の蛍光検知装置。
【請求項20】
前記色差を用いて真偽を判定する許容誤差値は、パラメータとして可変である請求項15ないし19のいずれか1項に記載の蛍光検知装置。
【請求項21】
前記許容誤差値は、検出媒体を所定の数サンプリングし、その結果から値が決定されている請求項20に記載の蛍光検知装置。
【請求項1】
複数の異なる波長の励起光に対して、それぞれ前記励起光とは異なる複数の波長で発光する蛍光体印刷部を検出する蛍光検知装置であって、
前記蛍光体印刷部をそれぞれ励起する波長の異なる複数の励起光を前記蛍光体印刷部に照射する照明装置と、
前記蛍光体印刷部から発光する複数の波長帯域の発光を検出する検出器と、
前記検出器により検出された発光状態に基づいて、前記蛍光体印刷部の真偽を判定する真偽判定部と、
を具備した蛍光検知装置。
【請求項2】
前記照明装置は、複数の異なる励起波長毎に独立した複数の光源を有している請求項1に記載の蛍光検知装置。
【請求項3】
前記照明装置は、所定の波長帯域を有する光を出射する1つの光源と、前記光源から出射された出射光の内、所定の複数の異なる励起波長の励起光のみを透過するフィルタと、を備えている請求項1に記載の蛍光検知装置。
【請求項4】
前記検出器は、それぞれ異なる蛍光発光波長帯域に感度を有する複数の受光センサを備えている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の蛍光検知装置。
【請求項5】
前記検出器は、1つの受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備えている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の蛍光検知装置。
【請求項6】
前記複数の光源を切り替えて交互点灯を繰り返す光源発光制御部を更に備え、
前記検出器は、それぞれ異なる蛍光発光波長帯域に感度を有する複数の受光センサを備え、
前記真偽判定部は、前記複数の受光センサにより得られる異なる複数の発光波長の検出の有無の組み合わせに基づいて前記蛍光印刷部の真偽を判定する請求項2に記載の蛍光検知装置。
【請求項7】
前記複数の光源を切り替えて交互点灯を繰り返す光源発光制御部を更に備え、
前記検出器は、1つの受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備え、
前記真偽判定部は、前記光源の交互点灯により前記1つの受光センサよって得られるタイミングの異なる蛍光検出の有無の組み合わせに基づいて前記蛍光体印刷部の真偽を判定する請求項2に記載の蛍光検知装置。
【請求項8】
前記複数の光源を同時に点灯させる光源発光制御部を更に備え、
前記検出器は、それぞれ異なる蛍光発光波長帯域に感度を有する複数の受光センサを備え、
前記真偽判定部は、前記複数の受光センサにより得られる異なる複数の発光波長の検出の有無の組み合わせに基づいて前記蛍光体印刷部の真偽を判定する請求項2に記載の蛍光検知装置。
【請求項9】
前記複数の光源を同時に点灯する光源発光制御部を更に備え、
前記検出器は、1つの受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備え、
前記真偽判定部は、前記1つの受光センサより得られる蛍光検出の有無及び出力レベルに応じて前記蛍光体印刷部の真偽を判定する請求項2に記載の蛍光検知装置。
【請求項10】
前記検出器は、それぞれ異なる蛍光発光波長帯域に感度を有する複数の受光センサを備え、
前記真偽判定部は、前記複数の受光センサにより得られる異なる複数の発光波長の検出の有無の組み合わせに基づいて前記蛍光体印刷部の真偽を判定する請求項3に記載の蛍光検知装置。
【請求項11】
前記検出器は、1つの受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備え、
前記真偽判定部は、前記1つの受光センサより得られる蛍光検出の有無及び出力レベルに応じて前記蛍光体印刷部の真偽を判定する請求項3に記載の蛍光検知装置。
【請求項12】
前記照明装置は、所定の波長帯域を有する光を出射する光源と、前記光源から出射された出射光の内、所定の複数の異なる励起波長の励起光のみを透過するフィルタと、を備え、
前記検出器は、受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備え、
すべての励起発光がダウンコンバージョンが対象であり、すべての励起波長λxとすべての発光波長λmが、ある特定の波長λcに対して
λc>λx かつ λc<λm
である場合において、
前記照明装置のフィルタは、λc以下の波長帯域を透過するように形成され、前記検出器のフィルタは、λc以上の波長帯域を透過するように形成されている請求項1に記載の蛍光検知装置。
【請求項13】
前記検出器は、受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備え、
励起発光がダウンコンバージョンとアップコンバージョンの混在が対象であり、すべての励起波長λxがある特定の波長λc1及びλc2(ただし、λc1<λc2)で
λc1>λxもしくはλc2<λx
かつ、すべての発光波長λmが
λc1<λm<λc2
である場合において、
前記検知器のフィルタは、λc1以上、λc2以下の波長帯域を透過するように形成されている請求項1に記載の蛍光検知装置。
【請求項14】
前記照明装置は、所定の波長帯域を有する光を出射する光源と、前記光源から出射された出射光の内、所定の複数の異なる励起波長の励起光のみを透過するフィルタと、を備え、前記検出器は、受光センサと、前記受光センサに入射する光の内、所定の複数の異なる蛍光発光波長帯域の光のみを透過するフィルタと、を備え、
すべての励起発光がアップコンバージョンが対象であり、すべての励起波長λxとすべての発光波長λmがある特定の波長λcで
λc<λx かつ λc>λm
である場合において、
前記照明装置のフィルタは、λc以上の波長帯域を透過するように形成され、前記検出器のフィルタは、λc以下の波長帯域を透過するように形成されている請求項1に記載の蛍光検知装置。
【請求項15】
複数の異なる波長の励起光に対して、それぞれ前記励起光とは異なる複数の波長で発光する蛍光体印刷部を検出する蛍光検知装置であって、
前記蛍光体印刷部をそれぞれ励起する波長の異なる複数の励起光を前記蛍光体印刷部に照射する照明装置と、
前記蛍光体印刷部から発光する複数の波長帯域の発光を検出する検出器と、
前記検出器により検出された発光を元に色差を用いて、前記蛍光体印刷部の真偽を判定する真偽判定部と、
を具備した蛍光検知装置。
【請求項16】
前記照明装置は、複数の異なる励起波長毎に独立した複数の光源を有している請求項15に記載の蛍光検知装置。
【請求項17】
前記照明装置は、所定の波長帯域を有する光を出射する1つの光源と、前記光源から出射された出射光の内、所定の複数の異なる励起波長の励起光のみを透過するフィルタと、を備えている請求項15に記載の蛍光検知装置。
【請求項18】
前記複数の光源を切り替えて交互点灯を繰り返す光源発光制御部を備えている請求項16に記載の蛍光検知装置。
【請求項19】
前記複数の光源を同時に点灯、消灯する光源発光制御部を備えている請求項16に記載の蛍光検知装置。
【請求項20】
前記色差を用いて真偽を判定する許容誤差値は、パラメータとして可変である請求項15ないし19のいずれか1項に記載の蛍光検知装置。
【請求項21】
前記許容誤差値は、検出媒体を所定の数サンプリングし、その結果から値が決定されている請求項20に記載の蛍光検知装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2010−72933(P2010−72933A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239455(P2008−239455)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]