説明

蛍光混和材、蛍光スクリーン及びイメージング組立体

【課題】蛍光混和材、蛍光スクリーン及びイメージング組立体を提供する。
【解決手段】蛍光混和材は、蛍光体粉末(12)と多数の放射線捕獲電子エミッタ(10)とを含む。エミッタは、蛍光体粉末中に分散される。蛍光スクリーン(20)は、蛍光体粒子、放射線捕獲電子エミッタ及びバインダ(14)を含む。エミッタ及び蛍光体粒子は、バインダ中に分散される。イメージング組立体(40)は、入射放射線を受けて対応する光信号を放出するように構成された蛍光スクリーン(20)を含む。電子装置(42)は、蛍光スクリーンに結合される。電子装置は、蛍光スクリーンから光信号を受信してイメージング信号を生成するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にイメージング組立体に関し、より具体的には、イメージング組立体用の蛍光混和材及び蛍光スクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、一部の放射線撮影システムでは、放射線(X線などの)は対象物を通して送出され、光生成層を用いて対応する強度の光に変換される。例示的な光生成層は、蛍光スクリーンを含む。光生成層によって生成された光は、電子装置に供給される。電子装置は、光生成層によって生成された光信号を対応する電気信号に変換するようになっている。電気信号は次に、対象物の画像を構成するために用いられる。
【0003】
放射線撮影は、異なる用途では異なる放射線エネルギーを用いて行われる。一般的に、非破壊検査及び手荷物検査用途などの産業用途では、医療用途で必要とするよりも高い放射線エネルギーレベルを必要とする。高い放射線エネルギー(例えば、1MeV以上)の場合には、蛍光スクリーンがX線ビームの大部分を吸収するような高い原子番号及び十分な厚さの両方を有するときにのみ、適正な放射線を捕獲することができる。しかしながら、重質発光材料は一般的に、X線下では非効率的なエミッタである。従って、電子強化は一般的に、高エネルギー(>150kV)用途では必要とされる一方、電子強化は一般的に、低エネルギー(<150kV)用途では必要とされない。さらに、より厚いスクリーンの使用は、得られた変換画像の空間分解能を低下させる。
【0004】
電子強化を得る従来の方法は、蛍光スクリーンに密接させて金属プレートを配置することを含む。この方法の場合には、電子が蛍光体上に付着して、電子強化が発生する。しかしながら、電子の多くは、金属プレートのバルク内に捕捉され、従って蛍光スクリーンを強化しない。加えて、電子はまた、活性蛍光体層に達する前に、典型的にはMylar(商標)である支持層内にも捕捉されることになる。Mylar(商標)は、デュポンテイジンフィルムズ(DuPont Teijin Films)の商標である。
【特許文献1】米国特許第3,389,255号明細書
【特許文献2】米国特許第3,872,309号明細書
【特許文献3】米国特許第4,549,083号明細書
【特許文献4】米国特許第5,663,005号明細書
【特許文献5】米国特許第5,882,547号明細書
【特許文献6】米国特許第6,093,347号明細書
【特許文献7】米国特許第6,391,434号明細書
【特許文献8】米国特許第6,744,056号明細書
【特許文献9】欧州特許出願公開第0393662号公報
【特許文献10】欧州特許出願公開第0648254号公報
【特許文献11】国際特許出願公開第0071637号パンフレット
【特許文献12】国際特許出願公開第1994/00531号パンフレット
【特許文献13】米国特許出願公開第2003/0111955号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2004/0262536号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2005/0002490号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2005/0029462号明細書
【特許文献17】国際公開第2004/41964号パンフレット
【非特許文献1】D. ヘレニアク、外、 「STRUCTURAL AND SPECTROSCOPIC STUDIES OF Lu2o3/Eu3+NANOCRYSTALLITES EMBEDDED IN SiO2 SOL-GEL CERAMICS」Journal of Physics and Chemistry of Solids, 2003, p111-119.
【非特許文献2】J. トロジャン−ピエグザ、外、「PREPARATION OF NANOCRYSTALLING Lu2O3:Eu PHOSPHOR VIA A MOLTEN SALTS ROUTE」 Journal of Alloys and compounds, 2004, p118-122
【非特許文献3】C. ブレチャー、外、「HOLE TRAPS IN Lu2O3:Eu CERAMIC SCINTILLATORS.I.PERSISTENT AFTERGLOW」 Journal of Luminescence, 2004, p159-168
【非特許文献4】A. レムピキ、外、「SCINTILLATION MATERIALS FOR MEDICAL APPLICATIONS」 Final Report, Boston University Department of Chemistry, Grant No: DE-FG02-90ER60133, 1997年12月1日〜1999年11月30日, p1-26
【非特許文献5】カレル W E ヴァン エイク, 「INORGANIC SCINTILLATORS IN MEDICAL IMAGING」 Institute of Physics Publishing, Physics Med. Biol. 47 (2002) R-85-R106, Topical Review, R85-R106.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、電子強化を備えた改良型の光生成層を提供することは望ましいといえる。さらに、高エネルギー放射線での使用に適した光生成層は、望ましいといえる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様は、蛍光体粉末と多数の放射線捕獲電子エミッタとを含む蛍光混和材にある。エミッタは、蛍光体粉末中に分散される。
【0007】
本発明の別の態様は、蛍光体粒子と放射線捕獲電子エミッタとバインダとを含む蛍光スクリーンにある。エミッタ及び蛍光体粒子は、バインダ中に分散される。
【0008】
本発明のさらに別の態様は、入射放射線を受けて対応する光信号を放出するように構成された蛍光スクリーンを含むイメージング組立体にある。蛍光スクリーンは、蛍光体粒子と放射線捕獲電子エミッタとバインダとを含む。エミッタ及び蛍光体粒子は、バインダ中に分散される。イメージング組立体はさらに、蛍光スクリーンに結合された電子装置を含む。電子装置は、蛍光スクリーンから光信号を受信してイメージング信号を生成するように構成される。
【0009】
本発明のこれらの及び他の特徴、態様及び利点は、図面を通して同じ符合が同様の部分を表す添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むとき、さらに理解されるようになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の蛍光混和材の実施形態を、図1及び図2を参照して説明する。例えば図1及び図2に示すように、蛍光混和材は、蛍光体粉末12と、多数の放射線捕獲電子エミッタ(「エミッタ」)10とを含む。エミッタは、蛍光体粉末中に分散される。エミッタは混和材全体にわたって良好に分散され、凝集していないのが好ましい。図1に示す例示的な実施形態では、例えば、蛍光混和材20はさらにバインダ14を含み、蛍光体粉末12及びエミッタ10は、バインダ14中に懸濁される。例示的なバインダには、シリコーンバインダ、ケイ酸カリウム、耐高温性のセラミックバインダ及びガラスが含まれる。図2は、蛍光混和材のバインダなしの実施例を示す。
【0011】
エミッタ及び蛍光体粉末のバインダに対する望ましい比率は、用途及び用いる特定の材料に基づいて変化することになる。しかしながら、1つの例示的な実施形態では、エミッタ及び蛍光体粉末のバインダに対する比率は、体積で約0.1〜約0.75の範囲内にある。本明細書で用いる場合、「約」という用語は、記載した値の10パーセント(10%)を意味すると理解されたい。より具体的な実施形態によると、エミッタ及び蛍光体粉末のバインダに対する比率は、体積で約0.3〜約0.5の範囲内にある。
【0012】
同様に、エミッタの蛍光体粉末に対する望ましい比率は、用途及び用いる特定の蛍光体粉末及びエミッタに基づいて変化することになる。しかしながら、1つの例示的な実施形態では、エミッタの蛍光体粉末に対する比率は、体積で約0.1〜約0.9の範囲内にある。より具体的な実施形態によると、エミッタの蛍光体粉末に対する比率は、体積で約0.3〜約0.5の範囲内にある。
【0013】
エミッタは、幾つかの異なる蛍光体と混合するのが有利であり、蛍光体の実例には、それに限定されないが、GdS:(Tb3+)、GdS:(Tb3+,Pr3+)、Y1.34Gd0.60:(Eu3+,Pr3+0.06(HILIGHT(商標))、BaFBr:Eu2+(輝尽性蛍光体)、Lu:(Eu3+,Tb3+)、CsI:Tl、NaI:Tl、CsI:Na、Y:Eu3+、Gd:Eu3+及びそれらの組合せが含まれる。このリストは例示的なものであり、全てを示すものではないことを意図している。他の多くの蛍光体粉末が適用可能であり、その一般的な実例には、それに限定されないが、CdWO、BGO(BiGe12)、LSO(LuSiO:Ce)、GSO(GdSiO:Ce)、YAP(YAlO:Ce)、LuAP(LuAlO:Ce)及びLPS(LuSi:Ce)が含まれる。
【0014】
様々な材料を用いてエミッタ10を形成することができる。一般的に、高原子番号の粒子が使用される。本明細書で用いる場合、「高原子番号」という語句は、少なくとも原子番号26を示す。高原子番号の高密度エミッタは、得られたスクリーン組立体をX線で照射したとき、X線吸収及び蛍光体粒子に対する電子励起の両方をもたらす。従って、このエミッタの蛍光体粒子との混合により、いずれかの成分だけを用いて達成可能なものに比較して改善したX線又はガンマ線イメージング特性が得られる。エミッタ10は、強化及び散乱阻止性をもたらす利点がある。具体的には、蛍光体12のエミッタ10との緊密な接触により、従来技術の金属発光体プレートの場合よりも電子セルフトラッピングの発生が少ないので、放出電子の使用が増強される。その結果、改善した画像コントラスト、より高速のイメージング速度及びより均一な画像を得ることができる。
【0015】
一部の実施形態では、エミッタ10は発光性である。例示的な発光性エミッタには、HfO、LuO:Eu3+及びそれらの組合せが含まれる。高Z蛍光体との混合により利点を得ることになる低Z蛍光体の幾つかの実例には、ZnS:Ag、ZnS:ZnCdS:Cu、Alが含まれる。発光性エミッタの使用により、光及び電子放出の二重性が得られる利点がある。さらに、混合蛍光体は、高X線吸収効率の低変換高Z蛍光体と混合された高変換効率の低Z蛍光体を含むことになる。高変換効率の低Z蛍光体は、光を供給するのに役立つ一方、中度から低効率の高Z蛍光体は、高変換効率の低Z蛍光体によって捕獲することができる2次放射線の吸収及び再放出に役立つ。
【0016】
他の実施形態では、エミッタは非発光性であり、その実例には、それに限定されないが、酸化鉛(PbO、PbO、Pb及びPb)、酸化タンタル(TaO、TaO及びTa)、酸化タングステン(WO及びWO)、酸化ビスマス(Bi)及びそれらの組合せが含まれる。この実施形態には幾つかの利点がある。例えば、高Z元素は電子を吸収しかつ再放出する。さらに、これら材料は、蛍光体の放出光波長において光透過性であり、蛍光スクリーンの効率に有害なものとなる蛍光体放出光の吸収を行わない。
【0017】
他の例示的なエミッタは、酸化ハフニウム(HfO)、酸化タンタル(TaO、TaO及びTa)、酸化タングステン(WO及びWO)、酸化レニウム(ReO、ReO、Re及びRe)及びそれらの組合せからなる群から選択される。前段落で説明したものと同様の利点が、この実施形態にも当てはまる。
【0018】
一部の実施形態では、エミッタは、希土類酸化物群から選択される。本明細書で用いる場合、「希土類酸化物群」という用語は、周期表の原子番号57〜71にわたるランタニド系列に対応する希土類元素の酸化物に相当する。希土類酸化物の実例には、酸化ルテチウム(LuO)及び酸化ランタン(La)が含まれる。これらの実例は、ZnSなどの低Z蛍光体と共に機能することになる。Lu:(Eu3+,Tb3+)、Gd:(Eu3+又はTb3+)又はLa:(Eu3+又はTb3+)のような添加した希土類はまた、電離又は透過性放射線下で活性化されて発光性になることができる
他の実施形態では、エミッタは、酸化ストロンチウム(SrO及びSrO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ニオブ(NbO、NbO、Nb)、酸化モリブデン(MoO、MoO、MoO、Mo及びMo)及びそれらの組合せからなる群から選択される。より具体的な実施形態によると、酸化物は白く、生成された光を吸収しないで反射する。多くの酸化物は、このカテゴリーに入る。
【0019】
特定の実施形態によると、エミッタは、少なくとも2つの材料を含む。より具体的には、材料の少なくとも1つは発光性であり、材料の少なくとも別の1つは非発光性である。1つの実施例において、発光性材料はLuO:Eu3+であり、非発光性材料はPbOである。LuO:Eu3+は比較的良好なX線(放射線)阻止能及び良好なX線・光変換効率をもたらす一方、重Z番号非発光性PbOはさらに、X線吸収を増強して次に電子を放出し、この電子は、次に発光性蛍光体粒子によって捕獲されて次に光を放出することができる利点がある。この場合、捕獲時間長さは短く、得られた画像の空間分解能を高く維持することができる。
【0020】
例示的な実施形態では、エミッタはナノ粒子である。本明細書で用いる場合、「ナノ粒子」というのは、約10−9〜約10−6の範囲内の粒径によって特徴付けられる。特定の実施形態によると、エミッタの粒径は、約300nmよりも小さい。より具体的には、エミッタは、ナノ酸化物(又は、他の光透過性ナノ粒子)として装填した高原子番号の粒子を含み、エミッタが、X線吸収及び電子放出をもたらすが、発光性粒子から放出された光を遮断しないようにする。ナノ粒子エミッタを形成することによって、X線吸収は改善される一方、光散乱はあまり大きな影響を受けない利点がある。これは、増強された発光性により、得られた蛍光スクリーンからの光放出発散度を改善し、蛍光スクリーンから出る光の非吸収通路をもたらす。
【0021】
本発明の蛍光スクリーンの実施形態を、図1を参照して説明する。例えば図1に示すように、蛍光スクリーン20は、多数の蛍光体粒子12と、多数の放射線捕獲電子エミッタ10と、バインダ14とを含む。バインダは、蛍光体システムに適合するあらゆるバインダとすることができる。幾つかの例示的な実施形態では、シリコーンバインダが用いられる。シリコーンバインダは、蛍光体粒子との良好な屈折率整合特性をもたらし、光を深層から放出することができ、従って厚い蛍光体プレートの使用を可能にする。エミッタ10及び蛍光体粒子12は、バインダ14中に分散される。特定の実施形態によると、バインダ14、エミッタ10及び蛍光体粒子12は、自立形蛍光スクリーン20として構成される。
【0022】
図3に示す例示的な実施形態では、蛍光スクリーン20は、放射線源30に面するように構成された線源側面22と、装置側面24とを含む。放射線源は、用途に基づいて変化し、その実例には、X線、ガンマ線、熱中性子線及び高エネルギー素粒子放射線源が含まれる。熱中性子線では、高い捕獲断面を有するが、この放射線下では良好に蛍光を発しないベータ又はガンマエミッタのような他のエミッタを用いることができることに注目されたい。これらの実例には、水素化合物、有機材料又は金属水素化物、酸化ガドリニウム及び他の高熱中性子断面を含むことができる。これらは、単に実例であり、用いることができる放射線の種類を制限するように解釈すべきでない。線源側面22におけるエミッタの濃度は、装置側面24におけるエミッタの濃度よりも大きい。線源側面22におけるエミッタ濃度を高めることによって、線源側面22において電子強化の増強及び放射線散乱の減少が得られる利点がある。特定の実施形態によると、エミッタはナノ粒子である。この実施形態では、蛍光体粒子が非常に大きいので(一般的に、約1〜約10ミクロンの範囲内)、沈降法を用いてスクリーン20全体にわたるエミッタの濃度を変化させることができる。別の調製法では、エミッタ/蛍光体濃度を変化させた薄いフィルム(図示せず)を、スクリーン印刷するか又は他の方法(例えば、ドクタブレードを用いて)で形成し、次に、得られたフィルムを積層するか又は他の方法で共に圧縮成形してスクリーン20を形成する。
【0023】
蛍光スクリーンの他の特定の実施形態では、上述のように、エミッタはナノ粒子でありかつ/又は少なくとも2つの材料を含む。
【0024】
本発明のイメージング組立体40の実施形態を、図3を参照して説明する。イメージング組立体40は、放射線撮影又は断層撮影を行うのに使用することができる。例えば、イメージング組立体40は、構成部品を検査するのに使用することができ、構成部品の実例には、それに限定されないが、タービンブレード、鋳造品、溶接組立体及び航空機体フレームが含まれる。図3に示すように、イメージング組立体40は、入射放射線を受けて対応する光信号を放出するように構成された蛍光スクリーン20を含む。蛍光スクリーンは上に説明している。本明細書で用いる場合、「光信号」という語句は、光を意味すると理解されたい。蛍光スクリーンによって放出された光の波長は、用いる1つ又は複数の蛍光体(あらゆる発光性エミッタを含む)の種類によって決まる。イメージング組立体40はさらに、蛍光スクリーン20に結合された電子装置42を含む。電子装置42は、蛍光スクリーン20から光信号を受信してイメージング信号を生成するように構成される。電子装置42は、光結合(例えば、光ファイバプレートを用いて)、直接結合及びレンズ結合を含む幾つかの方法で蛍光スクリーン20に結合することができる。例示的な電子装置には、CCD、CMOS、光ダイオードアレイ、光アバランシェアレイ及びアモルファスシリコンアレイが含まれる。一般的に、電子装置42は、アレイの形態で配置された多数の感光性ピクセルを含む。アレイは、線形又は領域アレイとすることができる。他の実施形態では、光電子増倍管(PMT)のような単一ピクセル装置を使用することができる。蛍光スクリーン20は、電子装置42に対して高いコントラスト光信号を供給する利点がある。加えて、蛍光スクリーン20は、高速のイメージング速度を可能にし、より均一な画像を生成する散乱阻止性をもたらす。さらに、蛍光スクリーン20全体にわたって分散されたエミッタ10は、電子装置42への入射放射線からの付加的遮蔽をもたらすことができる。
【0025】
本明細書で説明した本イメージャ組立体は、広範な用途を有することができる。例えば、本イメージャ組立体は、高エネルギー放射線の電気信号への変換を含むあらゆるシステムにおいて使用することができる。具体的には、本イメージャ組立体は、X線撮影、マンモグラフィ、口腔放射線撮影(歯科)、透視法、X線コンピュータ断層撮影、陽電子放射断層撮影のような放射線核種イメージング、工業用非破壊検査、荷物及びコンテナの受動的及び能動的スクリーニングを含む様々な産業用及び医療用イメージング用途において有用なものとすることができる。
【0026】
本明細書では本発明の一部の特徴のみを示しかつ説明してきたが、当業者は多くの修正及び変更を思いつくであろう。従って、特許請求の範囲は、全てのそのような修正及び変更を本発明の技術思想の範囲内に属するものとして保護しようとしていることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】バインダを含む、本発明の例示的な実施形態を示す図。
【図2】バインダを含まない、本発明の別の例示的な実施形態を示す図。
【図3】変化するエミッタ濃度を有する蛍光スクリーンを備えたイメージング組立体を示す図。
【符号の説明】
【0028】
10 エミッタ
12 蛍光体
14 バインダ
20 蛍光スクリーン
22 線源側面
24 装置側面
30 放射線源
40 イメージング組立体
42 電子装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光体粉末と、
前記蛍光体粉末中に分散された複数の放射線捕獲電子エミッタと、
を含む蛍光混和材。
【請求項2】
前記蛍光混和材はバインダを更に含み、
前記蛍光体粉末及びエミッタが前記バインダに懸濁され、
前記エミッタ及び蛍光体粉末の前記バインダに対する比率が、体積で約0.1〜約0.75の範囲内にある、
請求項1記載の蛍光混和材。
【請求項3】
前記エミッタの前記蛍光体粉末に対する比率が、体積で約0.1〜約0.9の範囲内にある、請求項1又は2に記載の蛍光混和材。
【請求項4】
前記蛍光体粉末が、GdS:(Tb3+)、GdS:(Tb3+,Pr3+)、Y1.34Gd0.60:(Eu3+,Pr3+0.06、BaFBr:Eu2+、Lu:(Eu3+,Tb3+)、CsI:Tl、NaI:Tl、CsI:Na、Y:Eu3+、Gd:Eu3+及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蛍光混和材。
【請求項5】
前記エミッタが発光性である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蛍光混和材。
【請求項6】
前記エミッタが非発光性である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蛍光混和材。
【請求項7】
前記エミッタが少なくとも2つの材料を含み、前記材料の少なくとも1つが発光性であり、前記材料の少なくとも別の1つが非発光性である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蛍光混和材。
【請求項8】
前記エミッタがナノ粒子である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の蛍光混和材。
【請求項9】
複数の蛍光体粒子(12)と、
複数の放射線捕獲電子エミッタ(10)と、
前記エミッタ及び蛍光体粒子がその中に分散されたバインダ(14)と、を含み、
前記バインダ、エミッタ及び蛍光体粒子が、自立形蛍光スクリーン(20)として構成される、
蛍光スクリーン(20)。
【請求項10】
複数の蛍光体粒子(12)と、複数の放射線捕獲電子エミッタ(10)と、前記エミッタ及び蛍光体粒子がその中に分散されたバインダ(14)とを含み、入射放射線を受けて複数の対応する光信号を放出するように構成された蛍光スクリーン(20)と、
前記蛍光スクリーンに結合され、前記蛍光スクリーンから前記光信号を受信してイメージング信号を生成するように構成された電子装置(42)と、を含み、
前記バインダ(14)、エミッタ(10)及び蛍光体粒子(12)が、自立形蛍光スクリーン(20)として構成される、
イメージング組立体(40)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−328397(P2006−328397A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142644(P2006−142644)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】