説明

蛍光灯用コネクタ

【課題】コンデンサの基板へのはんだ付け、コンデンサと蛍光灯とのはんだ付けを共に不要とし、コンデンサを含めた基板への実装面積を縮小化した蛍光灯用コネクタを提供する。
【解決手段】ハウジング30と、ハウジング30に軸支され、蛍光灯Kをハウジング30にセットするときの開位置と、セットした蛍光灯Kを保持する閉位置とに回動されるアクチュエータ50と、ハウジング30に装着され、ハウジング30に蛍光灯Kを保持したとき、蛍光灯Kの芯線Krと接触する蛍光灯用端子40と、ハウジング30に凹設され、コンデンサCが挿抜されるポケット60と、ハウジング30に装着され、ポケット60にコンデンサCを挿入したとき、コンデンサCの導通部Cs1、Cs2と接触するコンデンサ用端子70(70a、70b)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ等にバックライトとして用いられる蛍光灯が装着される蛍光灯用コネクタに係り、特に、コンデンサが装着される蛍光灯用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶テレビのディスプレイの背面には、そこを照射するバックライトとして冷陰極蛍光灯(以下、蛍光灯)が複数配置されている。
【0003】
この種のバックライト装置は、一般に、複数(例えば2本)の蛍光灯を1個のインバータトランスで点灯させるようにしている(特許文献1)。この場合、共通のインバータトランスから各蛍光灯に供給される電流を安定化するため、インバータトランスと各蛍光灯との間を接続する導線に、コンデンサ(バラストコンデンサ)を各蛍光灯毎に介設している。
【0004】
具体的には、インバータトランスの一端(高圧側)に接続された導線が蛍光灯の数に応じて分岐され、それら分岐線にコンデンサの一端が夫々はんだ付けされ、それらコンデンサの他端に各蛍光灯の一端(高圧側)から引き出された引出線が夫々はんだ付けされ、各蛍光灯の他端(低圧側)から引き出された引出線が纏められて接地され、インバータトランスの他端(低圧側)に導通されている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−177170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記バックライト装置においては、インバータトランスと各蛍光灯との間に、蛍光灯の数の分だけのコンデンサを介設する必要がある。従来、それらコンデンサは、夫々基板に実装(はんだ付け)されていた。よって、これらコンデンサの実装スペースにより基板が大型化し、液晶ディスプレイの小型化、薄型化の妨げとなっていた。
【0007】
また、上記バックライト装置を備えた液晶ディスプレイを生産する際には、蛍光灯の数と同数のコンデンサを基板にはんだ付けし、それらコンデンサに各蛍光灯の一端の引出線をはんだ付けし、各蛍光灯の他端の引出線を基板に接地するはんだ付けをしなければならず、生産性が悪かった。
【0008】
また、検査工程等で蛍光灯の不点灯が発見された場合、その原因として蛍光灯の不良又はコンデンサの不良が考えられ、蛍光灯又はコンデンサを交換する必要が生じる。コンデンサを交換する場合、コンデンサの基板に対するはんだ付けを外す必要があり、蛍光灯を交換する場合、蛍光灯の一方の引出線とコンデンサとのはんだ付けを外し、蛍光灯の他方の引出線の接地部分のはんだ付けを外す必要がある。これらは極めて煩雑な作業であるため、蛍光灯の不点灯の修復は、実質的には実施し得なかった。
【0009】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、コンデンサの基板へのはんだ付け、コンデンサと蛍光灯とのはんだ付けを共に不要とし、コンデンサ及び蛍光灯の装着及び交換作業が簡単であり、液晶ディスプレイの生産性及びメンテナンス性を飛躍的に向上でき、加えてコンデンサを含めた基板への実装面積を縮小でき、液晶ディスプレイの小型化、薄型化を推進できる蛍光灯用コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、バックライトとしての蛍光灯が取り付けられる蛍光灯用コネクタであって、ハウジングと、該ハウジングに軸支され、上記蛍光灯を上記ハウジングにセットするときの開位置と、セットした蛍光灯を保持する閉位置とに回動されるアクチュエータと、上記ハウジングに装着され、上記ハウジングに上記蛍光灯を保持したとき、その蛍光灯の芯線と接触する蛍光灯用端子と、上記ハウジングに凹設され、コンデンサが挿抜されるポケットと、上記ハウジングに装着され、上記ポケットに上記コンデンサを挿入したとき、そのコンデンサの導通部と接触するコンデンサ用端子とを備えたものである。
【0011】
上記アクチュエータは、開位置に回動されたとき上記ポケットの開口を開放し、閉位置に回動されたとき上記ポケットの開口を覆う蓋部を有することが好ましい。
【0012】
上記ポケットは、上記ハウジングの、上記蛍光灯がセットされる部分よりも上記アクチュエータの回動軸に近い部分に、凹設されることが好ましい。
【0013】
上記コンデンサ用端子は、上記蛍光灯用端子と一体化された第1コンデンサ用端子と、上記蛍光灯用端子から離間された第2コンデンサ用端子とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る蛍光灯用コネクタによれば、コンデンサの基板へのはんだ付け、コンデンサと蛍光灯とのはんだ付けを共に不要とし、コンデンサ及び蛍光灯の装着及び交換作業が簡単であり、液晶ディスプレイの生産性及びメンテナンス性を飛躍的に向上できる。また、コンデンサを含めた基板への実装面積を縮小でき、液晶ディスプレイの小型化、薄型化を推進できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る蛍光灯用コネクタ及びそれに装着される蛍光灯とコンデンサとの斜視図であり、図2は、図1の蛍光灯用コネクタにコンデンサを組み込んで蛍光灯を保持した状態の斜視図である。
【0017】
この蛍光灯用コネクタ20は、ハウジング30と、ハウジング30に軸支されたアクチュエータ50と、ハウジング30に装着された蛍光灯用端子40と、ハウジング30に凹設されたポケット60と、ハウジング30に装着されたコンデンサ用端子70とを備えている。
【0018】
ハウジング30は、略直方体状に形成された基部35と、基部35の上面の後部(蛍光灯Kがセットされる側を前部とする)に一体成形された後部ブロック38と、基部35の上面の中部に一体成形された中部ブロック39と、基部35の上面の前部に間隔を隔てて一体成形されたアクチュエータ係止部材36とを有する。
【0019】
後部ブロック38の上面には、コンデンサCが挿抜されるポケット60が、下方に窪ませて形成されている。中部ブロック39の中央には、蛍光灯Kの芯線Krが上方から収容される芯線収容溝31が形成されており、中部ブロック39の内部には、蛍光灯用端子40が収容される端子スリット32が形成されている。
【0020】
アクチュエータ係止部材36は、柱部36aとその先端に設けられたフック部36bとを有し、図2に示すようにアクチュエータ50が下方に閉じられたとき、柱部36aが内方に撓んでアクチュエータ50の下降が許容され、フック部36bがアクチュエータ50に設けられた被係止部55と係合し、アクチュエータ50を閉状態にロックする。これらアクチュエータ係止部材36と被係止部55とは、ロック機構を構成する。
【0021】
図3は、図1に示す蛍光灯用コネクタ20の分解斜視図である。
【0022】
アクチュエータ50は、全体が断面略コ字状に形成されており、一対の後部側壁56と、それらを繋ぐ天井部54と、天井部54に設けられた一対の前部側壁57とを有する。アクチュエータ50は、後部側壁56の内面に設けられた回動軸52が、ハウジング30の後部ブロック38の側面に形成された軸受部34に軸支され、蛍光灯Kをハウジング30にセットすることを許容する開位置(図1参照)と、セットした蛍光灯Kを保持する閉位置(図2参照)との間で回動可能となっている。
【0023】
すなわち、図1に示すように、アクチュエータ50を上方に回動させて開位置としたとき、その天井部54が起立した状態となってハウジング30の芯線収容溝31が開放され、図2に示すように、アクチュエータ50を下方に回動させて閉位置としたとき、天井部54が芯線収容溝31を覆い、前部側壁57の上縁に設けた被係止部55が、ハウジング30に設けたアクチュエータ係止部材36のフック部36bと係合する。
【0024】
また、アクチュエータ50は、図1に示す開位置に回動されたとき天井部54がポケット60の開口を開放し、図2に示す閉位置に回動されたとき天井部54でポケット60の開口を覆う。すなわち、アクチュエータ50の天井部54は、アクチュエータ50の開閉に応じてハウジング30のポケット60を開放又は覆う、蓋部(請求項2参照)を構成する。
【0025】
アクチュエータ50の天井部54によって開放又は覆われるポケット60は、ハウジング30の、アクチュエータ50の軸受部34近傍の部分、すなわちハウジング30の後部ブロック38に凹設されている。詳しくは、ポケット60は、ハウジング30の、蛍光灯Kがセットされる部分(基部35の前部)よりもアクチュエータ50の軸受部34に近い部分(後部ブロック38)に、凹設されている。
【0026】
コンデンサCは、略直方体形状に形成されており、ハウジング30のポケット60に挿抜される。コンデンサCは、その両側部に導通部Cs1、Cs2を有し、ハウジング30のポケット60に挿入されたとき、一方の導通部Cs1(図3の右方のもの)が蛍光灯Kに導通され、他方の導通部Cs2(図3の左方のもの)が基板に導通される。
【0027】
ポケット60を備えたハウジング30の基部35の正面には、圧入溝81が形成されており、その圧入溝81には、補強端子80が圧入固定されている。補強端子80は、そのテール部82が基板にはんだ付けされ、蛍光灯用コネクタ20の実装強度を高める。
【0028】
このハウジング30には、蛍光灯用端子40とコンデンサ用端子70とが、下方から圧入される。
【0029】
蛍光灯用端子40は、平板状の基部49と、基部49の左右から上方に延出された一対のアーム部47と、アーム部47の外側部に略三角状に形成された被押圧部46と、アーム部47に接続され幅方内側に略S字状に蛇行して形成された蛇行部42と、蛇行部42に接続され上方に延出されると共に幅方向外側に傾斜された接触部41とを有する。左右の接触部41は、下方から上方に延出される途中で幅方向外側への傾斜角度が急になっており、先端部が逆ハ字状を呈している。基部49の両端部には矢尻48が形成されている。接触部41には、蛍光灯Kの芯線Krが接触される。
【0030】
コンデンサ用端子70は、蛍光灯用端子40と一体化された第1コンデンサ用端子70aと、蛍光灯用端子40から離間された第2コンデンサ用端子70bとからなる。第1コンデンサ用端子70aは、コンデンサCの一方の導通部Cs1と接触し、コンデンサCと蛍光灯Kとを電気的に接続し基板にはんだ付けされる。第2コンデンサ用端子70bは、コンデンサCの他方の導通部Cs2と接触し、コンデンサCを基板に導通する。
【0031】
第1コンデンサ用端子70aは、蛍光灯用端子40の基部49の側端に直角に接続された基部79aと、基部79aの下部に接続されたテール部78aと、基部79aの上部から上方に延出されたアーム部76aと、アーム部76aの先端に設けられた接触部71aとを有する。基部79aの側端には、矢尻77aが形成されている。テール部78aは、基板にはんだ付けされ、蛍光灯用端子40のテール部を兼ねる。アーム部76aは、基部79aから鉛直に延出された鉛直部と、鉛直部から上方に延出されると共に僅かに幅方向内側に傾斜された傾斜部とを有する。接触部71aは、アーム部76aから上方に延出されると共に幅方向外側に傾斜されており、コンデンサCの一方の導通部Cs1と接触する。
【0032】
第1コンデンサ用端子70aと蛍光灯用端子40とが一体となったものを、以下、ハイブリッド端子90という。なお、第1コンデンサ用端子70aを、蛍光灯用端子40と別体としても構わない。この場合、蛍光灯用端子40には、第1コンデンサ用端子70aのテール部78aとは別のテール部が必要となる。
【0033】
第2コンデンサ用端子70bは、平板状の基部79bと、基部79bの下部に接続されたテール部78bと、基部79bの上部から上方に延出されたアーム部76bと、アーム部76bの先端に設けられた接触部71bとを有する。テール部78bは、基板にはんだ付けされる。基部79bの側端には、矢尻77bが形成されている。アーム部76bは、基部79bから鉛直に延出された鉛直部と、鉛直部から上方に延出されると共に僅かに幅方向内側に傾斜された傾斜部とを有する。接触部71bは、アーム部76bから上方に延出されると共に幅方向外側に傾斜されており、コンデンサCの他方の導通部Cs2と接触する。
【0034】
図4は、図1のIV−IV線断面図(蛍光灯Kを装着しアクチュエータ50を閉じた状態)であり、図5は、図1のV−V線断面図(コンデンサCを挿入しアクチュエータ50を開いた状態)である。
【0035】
ハウジング30の内部には、蛍光灯用端子40が下方から挿入される蛍光灯用端子圧入溝33が上下方向に形成され、第1コンデンサ用端子70aが下方から挿入される第1コンデンサ用端子圧入溝68aが上下方向に形成され、第2コンデンサ用端子70bが下方から挿入される第2コンデンサ用端子圧入溝68bが上下方向に形成されている。蛍光灯用端子圧入溝33と第1コンデンサ用端子圧入溝68aとは上方から見てL字状に繋がっており、そこには、蛍光灯用端子40と第1コンデンサ用端子70aとが一体化されたハイブリッド端子90が下方から圧入される。
【0036】
図4に示すように、蛍光灯用端子圧入溝33は、ハウジング30の中部ブロック39内に形成された端子スリット32に繋がっている。この蛍光灯用端子圧入溝33に、ハイブリッド端子90の蛍光灯用端子40の部分が下方から挿入されると、蛍光灯用端子40の基部49の矢尻48が蛍光灯用端子圧入溝33の内壁に食い込んで固定され、蛍光灯用端子40のアーム部47と蛇行部42と接触部41とが端子スリット32内に位置される。
【0037】
蛍光灯用端子40のアーム部47に形成された略三角形状の被押圧部46は、図1に示すように、端子スリット32内から中部ブロック39の側面の外側に突出する。この被押圧部46は、アクチュエータ50を閉位置に回動させると、その前部側壁57によって内方に押圧され、図4に示すように、アーム部47が内方に撓むことで端子スリット32内に押し込められる。
【0038】
蛍光灯用端子40の接触部41は、図1に示すように、中部ブロック39に形成された芯線収容溝31に臨んでいる。接触部41は、芯線収容溝31内に突出していてもよいし、突出していなくても構わない。要は、アクチュエータ50が開かれてその前部側壁57が被押圧部46から離間したとき、蛍光灯Kの芯線Krが無抵抗で上方から芯線収容溝31内に進入でき、アクチュエータ50が閉じられてその前部側壁57が被押圧部46を押圧したとき、左右の接触部41で芯線Krを挟持できればよい。
【0039】
図5に示すように、第1コンデンサ用端子圧入溝68aと第2コンデンサ用端子圧入溝68bとは、ハウジング30の後部ブロック38内に、ポケット60を挟むようにして下方から上方に向けて夫々形成されており、上部にてポケット60と連通している。
【0040】
第1コンデンサ用端子圧入溝68aにハイブリッド端子90の第1コンデンサ用端子70aの部分が下方から挿入されると、挿入された第1コンデンサ用端子70aは、その基部79aの矢尻77a(図3参照)が第1コンデンサ用端子圧入溝68aの内壁に食い込んで固定され、接触部71aがポケット60内に僅かに突出する。この接触部71aには、コンデンサCの一方の導通部Cs1が接触する。
【0041】
第2コンデンサ用端子圧入溝68bに第2コンデンサ用端子70bが下方から挿入されると、挿入された第2コンデンサ用端子70bは、その基部79bの矢尻77b(図3参照)が第2コンデンサ用端子圧入溝68bの内壁に食い込んで固定され、接触部71bがポケット60内に僅かに突出する。この接触部71bには、コンデンサCの他方の導通部Cs2が接触する。
【0042】
また、ハウジング30の内部には、ポケット60に挿入されるコンデンサCのストッパとなる台部301が形成されている。
【0043】
本実施形態に係る蛍光灯用コネクタ20は、図3に示すハウジング30に、蛍光灯用端子40と第1コンデンサ用端子70aとが一体化されたハイブリッド端子90を下方から装着し、第2コンデンサ用端子70bを下方から装着し、補強端子80を下方から装着し、アクチュエータ50を上方から装着して完成となる。
【0044】
以上の構成からなる蛍光灯用コネクタ20に、蛍光灯K及びコンデンサCを装着する手順を述べる。
【0045】
図1に示すように、蛍光灯用コネクタ20を基板(図示せず)に実装する。すなわち、蛍光灯用コネクタ20の第1コンデンサ用端子70aのテール部78a、第2コンデンサ用端子70bのテール部78b、補強端子80のテール部82を、基板にはんだ付けする。
【0046】
アクチュエータ50を開いた状態として、コンデンサCをポケット60に挿入する。挿入されたコンデンサCは、図5に示すように、その一方の導通部Cs1が第1コンデンサ用端子70aの接触部71aに接触し、他方の導通部Cs2が第2コンデンサ用端子70bの接触部71bに接触し、それら接触部71a、71bの間に弾性的に挟持される。このとき、第1コンデンサ用端子70aのアーム部76aと、第2コンデンサ用端子70bのアーム部76bとは、幅方向外側に撓む。なお、蛍光灯用コネクタ20を基板に実装する前にコンデンサCをポケット60に挿入しておいてもよい。
【0047】
図1に示すように、蛍光灯Kをハウジング30の上方から下降させ、蛍光灯Kの端部Ktをハウジング30の基部35のアクチュエータ係止部材36間に着座させ、蛍光灯Kの芯線Krをハウジング30の芯線収容溝31に上方から進入させる。このとき、蛍光灯用端子40の左右の接触部41(図3参照)の間隔は、蛍光灯Kの芯線Krの直径以上となっているため、芯線Krは、無抵抗で芯線収容溝31に進入できる。
【0048】
図2に示すように、アクチュエータ50を閉位置に回動させる。これにより、アクチュエータ50の天井部54によってハウジング30のポケット60が覆われ、アクチュエータ50の被係止部55がハウジング30のアクチュエータ係止部材36に係止される。この結果、アクチュエータ50が閉状態にロックされる。
【0049】
また、図4に示すように、アクチュエータ50の前部側壁57の内面によって蛍光灯用端子40の被押圧部46が押圧されてアーム部47が内方に撓み、左右の接触部41の間隔が蛍光灯Kの芯線Krの直径以下となり、蛇行部42が弾性変形し、芯線Krが左右の接触部41により挟持される。
【0050】
これにより、蛍光灯KとコンデンサCの一方の導通部Cs1とが、ハイブリッド端子90(図3参照)を介して電気的に接続されて基板に導通され、コンデンサCの他方の導通部Cs2が第2コンデンサ用端子70bを介して基板に導通される。
【0051】
他方、蛍光灯Kを取り外すときには、図1に示すように、アクチュエータ50を開く。これにより、アクチュエータ50の前部側壁57が蛍光灯用端子40の被押圧部46から離間するので、図3に示す蛍光灯用端子40のアーム部47及び蛇行部42が自然状態に復元し、接触部41同士の間隔が蛍光灯Kの芯線Krの直径以上となる。よって、蛍光灯Kを無抵抗で取り外すことができる。
【0052】
また、このときアクチュエータ50の天井部54がポケット60を開放するので、ポケット60からコンデンサCを取り出すことができる。なお、コンデンサCは、第1コンデンサ用端子70aの接触部71aと第2コンデンサ用端子70bの接触部71bとの間に弾性的に挟持されているので、その挟持力を上回る力でポケット60から引き出す必要がある。
【0053】
本実施形態に係る蛍光灯用コネクタ20によれば、次のような効果を発揮できる。
【0054】
コンデンサCの基板へのはんだ付け、コンデンサCと蛍光灯Kとのはんだ付けが共に不要であるので、コンデンサC及び蛍光灯Kの装着及び交換作業が簡単となる。よって、液晶ディスプレイの生産性が向上し、また蛍光灯Kの不点灯が検査工程で発見された場合には、蛍光灯K、コンデンサCを容易に交換でき、メンテナンス性が向上する。
【0055】
蛍光灯用コネクタ20のハウジング30にコンデンサCを収容するポケット60を形成したので、コンデンサCを含めた基板への実装面積を縮小でき、液晶ディスプレイの小型化、薄型化を推進できる。
【0056】
アクチュエータ50を閉位置に回動させて被係止部55をアクチュエータ係止部材36に係止させてロックしたとき、アクチュエータ50の天井部54がポケット60の開口を覆うので、コンデンサCが不意に外れることがない。すなわち、アクチュエータ55の天井部54がポケット60の蓋部となる。
【0057】
コンデンサCを収容するポケット60が、ハウジング30の後部ブロック38に形成されており、蛍光灯Kの芯線Krと接触する蛍光灯用端子40が中部ブロック39内の端子スリット32に収容されているので、蛍光灯Kのセット又は取り外しに際して、コンデンサCが邪魔にならない。
【0058】
蛍光灯用端子40と第1コネクタ用端子70aとを一体化してハイブリッド端子90とし、テール部78aが両端子40、70aのテール部を兼ねるようにしたので、基板へのはんだ付け箇所を減らせることになり、実装作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本実施形態に係る蛍光灯用コネクタ及びそれに装着される蛍光灯とコンデンサとの斜視図である。
【図2】図1の蛍光灯用コネクタにコンデンサを組み込んで蛍光灯を保持した状態の斜視図である。
【図3】図1に示す蛍光灯用コネクタの分解斜視図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図(蛍光灯Kを装着しアクチュエータ50を閉じた状態)である。
【図5】図1のV−V線断面図(コンデンサCを挿入しアクチュエータ50を開いた状態)である。
【符号の説明】
【0060】
20 蛍光灯用コネクタ
30 ハウジング
40 蛍光灯用端子
50 アクチュエータ
54 蓋部としての天井部
60 ポケット
70 コンデンサ用端子
70a 一方のコンデンサ用端子
70b 他方のコンデンサ用端子
90 ハイブリッド端子
C コンデンサ
CS1 一方の導通部
Cs2 他方の導通部
K 蛍光灯
Kr 芯線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトとしての蛍光灯が取り付けられる蛍光灯用コネクタであって、
ハウジングと、
該ハウジングに軸支され、上記蛍光灯を上記ハウジングにセットするときの開位置と、セットした蛍光灯を保持する閉位置とに回動されるアクチュエータと、
上記ハウジングに装着され、上記ハウジングに上記蛍光灯を保持したとき、その蛍光灯の芯線と接触する蛍光灯用端子と、
上記ハウジングに凹設され、コンデンサが挿抜されるポケットと、
上記ハウジングに装着され、上記ポケットに上記コンデンサを挿入したとき、そのコンデンサの導通部と接触するコンデンサ用端子と
を備えたことを特徴とする蛍光灯用コネクタ。
【請求項2】
上記アクチュエータは、開位置に回動されたとき上記ポケットの開口を開放し、閉位置に回動されたとき上記ポケットの開口を覆う蓋部を有する請求項1に記載の蛍光灯用コネクタ。
【請求項3】
上記ポケットは、上記ハウジングの、上記蛍光灯がセットされる部分よりも上記アクチュエータの回動軸に近い部分に、凹設された請求項1又は2に記載の蛍光灯用コネクタ。
【請求項4】
上記コンデンサ用端子は、上記蛍光灯用端子と一体化された第1コンデンサ用端子と、上記蛍光灯用端子から離間された第2コンデンサ用端子とを有する請求項1〜3いずれかに記載の蛍光灯用コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−218164(P2009−218164A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62863(P2008−62863)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000205122)大宏電機株式会社 (78)
【Fターム(参考)】