説明

蛍光表示管及び駆動方法

【課題】フィラメント長さの短い蛍光表示管に於いても3〜8Vの蛍光表示管用フィラメント電源を使用可能とし、フィラメントの消費電力を低減するためのフィラメント本数を低減しても熱電子を十分放出すること蛍光表示管を提供する。
【解決手段】フィラメント状陰極と並行する側面板と陽極基板の間に挟持し、支持板の前記側面板と前記陽極基板の挟持部の他端に支持板抑え部材を有し、フィラメント状陰極の一端を第一支持板に固定し他端を第三支持板に固定して張架し、前記第一支持板と前記第三支持板の間に張架した前記フィラメント状陰極と同じ長さのフィラメント状陰極を前記第三支持板と前記第二支持板に固定して張架した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空気密容器内に蛍光体層を形成した陽極並びにフィラメント状陰極を有する蛍光表示管のフィラメント支持構造、及び、前記蛍光表示管のフィラメント支持構造を活かした前記蛍光表示管の駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蛍光表示管は、消費電力を低くすることが求められている。そのために、フィラメント状陰極を分割して駆動できるようにし、表示しない部分のフィラメント状陰極に通電しないようにすることで、消費電力を下げる工夫がなされている。
図7に示すように、蛍光表示管は、絶縁性基板上面に蛍光体層130が形成された陽極層を有する陽極基板と側面板と前面板を低融点ガラスで接着して気密容器を構成し、前記気密容器内に熱電子を放出するフィラメント状陰極430、431を有し、前記フィラメント状陰極430、431から放出される熱電子を受けた蛍光体が発光する自発光素子である。
前記蛍光体層130と前記フィラメント430、431の間にグリッド電極を設けて、前記フィラメント430、431から放出される熱電子を加速制御する蛍光表示管もある。
前記フィラメント430、431を複数のブロック430、431に分けて張架した構成として、前記フィラメントをブロック毎にフィラメント電圧印加が出来るようにした蛍光表示管が開示されている。(例えば特許文献1)
【0003】
前記気密容器内に張架した熱電子を放出するフィラメント状陰極は、例えばφ14.6μmに相当するタングステン細線の表面三元酸化物(Ba,Sr,Ca)Oからなる電子放出物質層を形成している。
前記フィラメント状陰極は600〜650℃に過熱して使用する。そのためには前記φ14.6μmに相当するタングステン細線を通電加熱するために、蛍光表示管は前記フィラメント陰極一本当り3〜6Vを印加すると、フィラメント陰極一本当り約25mAの電流が流れる。(例えば非特許文献1)
【0004】
また他の例として、矩形の陽極基板1の一端部の上には、2個の陰極取り付け板が設けられている。陰極取り付け板は陰極の長手方向(即ち陽極基板1の長手方向)と直交する方向を長手方向とする細長い板材であり、陰極の長手方向に沿って間隔をおいて並んでいる。陰極取り付け板は熱膨張係数がガラスに近い426合金(42%Ni、6%Cr、他Feの合金)からなる支持部材に固定され、前記陰極の他端は1本毎に、前記426合金からなる支持部材に固定されたアンカー部材によって固定され、各陰極に適当な張力を与えている。この陰極取り付け板は外囲器外に導出されて陰極駆動回路に接続される技術も開示されている。(例えば特許文献2)
【0005】
このほか、隣接する傍熱型熱電子源の発熱細線の一端を共通の金属支持板に接続して支持し、他端は他の隣接する傍熱型電子源の発熱細線の一端と共通の金属支持板に接続して支持し、かつ両端の傍熱型熱電子源の発熱細線の他の傍熱型熱電子源の発熱細線と共通の金属支持板に接続されていない一端側は各々独立した外部リードに一体連結した金属支持板に接続して支持し、かつ各金属支持板はお互いに離間し、かつ各金属支持板の根本端部付近は真空外囲器の封着部にて固定し、また、各傍熱型熱電子源の基体金属の少なくとも一端は前記各金属支持板及び外部リードとは離間した外部リードに接続した共通の金属支持体に押圧接触させて電気的に接続する構造も開示されている。(例えば特許文献3)
【0006】
【特許文献1】実開平2−5872号公報
【特許文献2】特開平9−147766号公報
【特許文献3】実開昭63−18750号公報
【非特許文献1】書籍名「蛍光表示管」第19項〜第21項等発行所「産業図書株式会社」発行日「平成2年10月31日」初版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フィラメント状陰極はタングステン細線使用するため印加電圧はフィラメント状陰極の長さに比例する。従来の方式では、蛍光表示管の大きさが小さくなるとフィラメント状陰極の長さも短くなる。従って、特にフィラメント長さの短い蛍光表示管に於いては、通常の蛍光表示管用フィラメント電源として使用されている3Vよりも低い電圧、例えば2V程度となってしまい取り扱い難くなる。
蛍光表示管用フィラメント電源として使用される3〜8Vのフィラメント用電源を使用可能とすると供に、平行張架したフィラメントに流れる電流を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者は鋭意検討した結果、フィラメント支持板を複数に分割し、フィラメント状陰極を平行に2以上のブロックに分割し、ブロック毎に前記フィラメント状陰極を直列に接続可能な構成とした。
前記分割したフィラメント状陰極は、ブロック毎にフィラメント電圧を印加可能とし、熱電子の必要なブロックのみ通電することとした。
【0009】
請求項1の蛍光表示管は、電子線励起蛍光体を有する蛍光体層を絶縁性基板上面に形成した陽極基板と、側面板と、前面板を低融点ガラスで接着した気密容器内に前記蛍光体を励起発光させる熱電子を放出するフィラメント状陰極を有する蛍光表示管において、
前記気密容器内に、第一支持板と、前記第一支持板と隣接する2以上の第二支持板と、前記第二支持板と離間する前記第二支持板と同数の第三支持板とを有し、前記フィラメント状陰極の一端を前記第一支持板に固定し他端を前記第三支持板に固定して張架し、前記第一支持板と前記第三支持板の間に張架した前記フィラメント状陰極と同じ長さのフィラメント状陰極を前記第三支持板と前記第二支持板に固定して張架したことを特徴とする。
【0010】
請求項2の蛍光表示管は、請求項1の支持板の少なくとも一つの支持板は、フィラメント状陰極と並行する側面板と陽極基板の間に一端を挟持し他端を前記気密容器を構成する前記フィラメント状陰極と並行する他の側面板と前記陽極基板の間に一端を挟持した支持板であり、請求項1の支持板の少なくとも一つの支持板は、フィラメント状陰極と並行する側面板と陽極基板の間に挟持し、前記支持板の前記側面板と前記陽極基板の挟持部の他端に支持板抑え部材を有し、前記支持板抑え部材を前記陽極基板及び前面板により挟持した支持板である特徴とする。
【0011】
請求項3の蛍光表示管は、前記第一支持板は、前記支持板に取り付けた基部と前記基部と同一薄板を谷折りとした板ばねと前記板ばねの先端を山折りとした固定部とする張設部材を有し、
前記第二支持板には、該板ばね及び前記第一支持板と離間して上方に基体と固定部を連結する連結部を有する張架部材を有介して先端に前記フィラメント状陰極の一端を保持する固定部を有する張設部材を有し、前記フィラメント状陰極の一端を前記第一支持板に固定し他端を前記第三支持板に固定して張架し、前記第一支持板と前記第三支持板の間に張架した前記フィラメント状陰極と同じ長さのフィラメント状陰極を前記第三支持板と前記第二支持板に固定して張架して前記フィラメント状陰極を平行に複数本張架したことを特徴とする。
【0012】
請求項4の蛍光表示管は、電子線励起蛍光体を有する蛍光体層を絶縁性基板上面に形成した陽極基板と、側面板と、前面板を低融点ガラスで接着した気密容器内に前記蛍光体を励起発光させる熱電子を放出するフィラメント状陰極を有する蛍光表示管において、前記気密容器内に、第一支持板と、前記第一支持板と隣接する2以上の第二支持板と、前記第二支持板と離間する前記第二支持板と同数の第三支持板とを有し、前記支持板の少なくとも一つの支持板は、フィラメント状陰極と並行する側面板と陽極基板の間に一端を挟持し他端を前記気密容器を構成する前記フィラメント状陰極と並行する他の側面板と前記陽極基板の間に一端を挟持した支持板であり、前記支持板の少なくとも一つの支持板は、フィラメント状陰極と並行する側面板と陽極基板の間に挟持し、前記支持板の前記側面板と前記陽極基板の挟持部の他端に支持板抑え部材を有し、前記支持板抑え部材を前記陽極基板及び前面板により挟持した支持板であり、前記第一支持板は、前記支持板に取り付けた基部と、前記基部と同一薄板を谷折りとした板ばねと、前記板ばねの先端を山折りとした固定部とする張設部材を有し、前記第二支持板には、該板ばね及び前記第一支持板と離間して上方に基体と固定部を連結する連結部を有する張架部材を介して先端に前記フィラメント状陰極の一端を保持する固定部を有する張設部材を有し、前記フィラメント状陰極の一端を前記第一支持板に固定し他端を前記第三支持板に固定して張架し、前記第一支持板と前記第三支持板の間に張架した前記フィラメント状陰極と同じ長さのフィラメント状陰極を前記第三支持板と前記第二支持板に固定して張架して 前記フィラメント状陰極を平行に複数本張架し、前記第一の金属支持板及び前記第二の金属支持板を介して前記フィラメント状陰極にフィラメント電圧を印加することを特徴とする。
【0013】
請求項5の蛍光表示管は、前記第一の金属支持板及び前記第二の金属支持板支持板を介して前記フィラメント状陰極のブロック毎に電圧を印加する蛍光表示管の駆動方法に関する。
【0014】
請求項6の蛍光表示管は、前記第二の金属支持板及び前記第三の金属支持板支持板を介して前記フィラメント状陰極のブロック毎に電圧を印加する蛍光表示管の駆動方法に関する。
【0015】
請求項7の蛍光表示管は、前記第一の金属支持板及び前記第三の金属支持板支持板を介して前記フィラメント状陰極のブロック毎に電圧を印加する蛍光表示管の駆動方法に関する。
【発明の効果】
【0016】
フィラメント状陰極を第一支持板から第三支持板を介して第二支持体に直列に張架出来ることから、フィラメント印加電圧を通常の2倍以上にでき、フィラメント電流を半分以下に低減できる。
即ち、特にフィラメント長さの短い蛍光表示管に於いても3〜8Vの蛍光表示管用フィラメント電源を使用可能になり、フィラメント本数を例えば一本で張架したとき、フィラメント陰極一本当り約25mAの電流蛍光表示管を点灯できる。
上述の通り、フィラメント電流を低減できることから蛍光表示管のフィラメントの点灯・非点灯の制御を容易にきる。
前記フィラメント電気信号と、陽極信号・グリッド信号を入力するリードを、異なるブロックとして配置した蛍光表示管を提供でき、回路基板のレイアウトを容易にすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本願発明の蛍光表示管は、絶縁性基板の上に導電材からなる配線層(陽極配線層、グリッド配線層)を所定パターン形状に形成する。蛍光表示管に於いて熱電子を受けて発光する蛍光体からなる陽極セグメントに対応して位置する絶縁層のスルーホール上面に導体層を積層し、その上面に蛍光体層を積層形成した陽極基板を形成する。
前記表示パターンを構成する陽極セグメントの上方には、メッシュ状のグリッドを設けている。
ここで、上記作業とは別工程でフィラメント状陰極、支持板抑え部材、リード、ゲッターその他の金属製部品を取り付けたフレームを組み立てておく。
更に、全面板と側面板を低融点ガラスを介して接着した箱型容器を組み立てておく。
そして、気密容器における側面板を、低融点ガラスが塗布された陽極基板の外周部に配置し、陽極基板及び容器部を上下から加圧し、500℃以下の雰囲気で、陽極基板の外周部と容器部との間を封着して外囲器を組み立てる。その後、外囲器内を高真空状態に排気して封止して、蛍光表示管が完成する。
【0018】
(実施例1)
以下図1、2、3、4に示す第一の実施例について説明する。
図1に第1の実施例の蛍光表示管の概略を示し、図2で第1の実施例のフレームに付いて説明し、図3及び図4で図1の補足説明をする。
第一の実施例に使用するフレーム200は、第一支持板201と、前記第一支持板201と隣接して第二支持板202、203を有し、前記第二支持板202、203と離間して第三支持板204、205とを有する。前記第二支持板と第三支持板の間には、陽極及びグリッドに外部から電気信号を入力するリード206を有して連結部207で連結し、連結部207の前記第二支持板と第三支持板を介して反対側に連結部208を有してフレームを構成する。
【0019】
前記第一支持板201は前記連結部207と前記連結部208連結されている。前記第一支持板201と間隙を置いて前記連結部207と連結して前記連結部207、208の中間まで延在した前記第二支持板202を有し、前記第二支持板202と間隙を置いて前記連結部207、208と連結した前記第二支持板203を有する。
前記第三支持板204は前記連結部207と前記連結部208連結してフレーム200を構成し、前記第三支持板205は前記第三支持板204と間隙を置いて前記連結部207と連結して前記連結部207、208の中間まで延在している。
【0020】
前記張設部材301を前記第一支持部材201に固定する基部と前記基部と同一薄板を谷折りとし、前記谷折り部を支点とする板ばねと前記板ばねの先端を山折りとした固定部とする張設部材301を前記第一支持板201に設けている。
前記張設部材301の固定部をフィラメント状陰極と平行する側面板104側に設け、該固定部からフィラメント状陰極400に直行する方向に板ばねを設け、前記板ばねの支点である前記谷折り部を当該フィラメント状陰極400の反対側に設けている。
【0021】
前記第二支持板202には、前記張設部材301の板ばね及び前記第一支持板201と離間した上方に基体と固定部を連結した連結部を有する張架部材301を介して先端に前記フィラメント状陰極400の一端を保持する固定部を有する張設部材302を設けている。
前記第二支持板202の先端には支持板押え部材303を設けている。
【0022】
前記連結部207と208に連結する前記第二支持板203には前記張設部材301の板ばね及び前記第一支持板201と離間して上方に基体と固定部を連結した連結部を有する張架部材を介して先端に前記フィラメント状陰極400の一端を保持する固定部を有する張設部材303を設けている。
【0023】
前記連結部207と前記連結部208に連結する前記第三支持板204には前記張設部材301の板ばねと対をなしてフィラメント状陰極400を張架する張架部材305を設けている。
前記張設部材305は、前記第三支持板204に固定する基部と同一薄板を谷折りとし、前記谷折り部を支点とする板ばねと前記板ばねの先端を山折りとした固定部を有する張設部材である。
【0024】
前記第三支持板205は前記第三支持板204と間隙を置いて前記連結部207と連結して前記連結部207、208の中間まで延在している。
前記第三支持部205の先端には、前記張設部材301の板ばね及び前記第一支持板204と離間して上方に基体と固定部を連結した連結部を有する張架部材を有介して先端に前記フィラメント状陰極400の一端を保持する固定部を有する張設部材306を設けている。
前記張設部材306は、前記第二支持板203に固定する基部と同一薄板を谷折りとし、前記谷折り部を支点とする板ばねと前記板ばねの先端を山折りとした固定部を有する張設部材である。
前記第三支持板202の先端には支持板押え部材307を設けている。
【0025】
前記第一の実施例のマウントと、前記陽極基板、前記箱型容器を低融点ガラスにより気密容器を作製して本願発明の蛍光表示管1が完成する。
本願発明の第一の実施例を示す蛍光表示管のリード側(図面1の下側)から見た第一支持板及び第二支持板の部分の側面図を図3に示す。
本願発明の第一の実施例を示す図1の右から見た第一支持板及び第二支持板の部分の側面図を図4に示す。
前記第二支持板202に設けた張設部材302は、第一支持板201及び張設部材301と離間して配置しており、前記第二支持板202の先端には支持板押え部材303を設けていることから、フィラメントを張架しても張架部材の変形が起こらない。
合わせて、全面板内面に透明導電膜を形成して外部電界を遮蔽するときの遮蔽電極を兼ねることも出来る。
【0026】
(実施例1の蛍光表示管の駆動)
図4に示す実施例2の蛍光表示管の、第一支持板201と第二支持板202の間にフィラメント陰極駆動電圧を印加すると、第一支持板201から第三支持板204を介して第二支持板203にフィラメント駆動電圧が加わることになる。
このとき、実施例1の蛍光表示管はフィラメント401、402が第三支持板204を介して直列に接続駆動することから、フィラメント長さは2倍と成り、電流一本でブロック1の(a,b,c,d,e,f,g)の蛍光体を発光させることとなる。
【0027】
図1に示す実施例1の蛍光表示管の、第一支持板201と第二支持板202及び第三支持板205の間にフィラメント陰極駆動電圧を印加すると、第一支持板201から第三支持板205を介して第二支持板202にフィラメント駆動電圧が加わることになる。
このとき、蛍光表示管はフィラメント401、402、403、404が駆動できることから、フィラメント長さは2倍で且つ電流2本分でブロック1の(A,B,C,D,E,F,G)の蛍光体を発光させることが出来る。
更に、第三支持板204、205に抵抗を介して直流電圧を印加すると、前記蛍光体と第三支持板204、205の間隔を低減することが出来る。
【0028】
例えば、図1に示す実施例1の蛍光表示管の、支持板201と支持板204にフィラメント電圧を印加するとフィラメント401のみが点灯でき、支持板203と支持板204にフィラメント電圧を印加するとフィラメント402のみが点灯でき、支持板202と支持板205にフィラメント電圧を印加するとフィラメント403のみが点灯でき、支持板201と支持板205にフィラメント電圧を印加するとフィラメント404のみが点灯できる。
【0029】
(実施例2の蛍光表示管)
前記第一の実施例の蛍光表示管の蛍光体パターンを上下2段としてフィラメント本数を2倍にした蛍光表示管を図5に示す。
本願発明は実施例1の蛍光表示管におけるフィラメント状陰極405、406、並びに、409、410を二本並列にして、第一支持板211から第三支持板214、215を介して第二支持板212、213にフィラメント電圧を印加するための実施例である。
このとき、フィラメント状陰極405、406、並びに、409、410を二本並列に、第一支持板211から第三支持板214、215を介して第二支持板212、213にフィラメント電圧を印加して蛍光表示管を駆動できることから、フィラメント長さは2倍と成り、電流2本分で上段1段の(A,B,C,D,E,F,G)の蛍光体を発光させることが出来る。
【0030】
例えば、図5に示す実施例1の蛍光表示管の、支持板211と支持板214にフィラメント電圧を印加するとフィラメント405と406のみが点灯でき、支持板213と支持板214にフィラメント電圧を印加するとフィラメント407、408のみが点灯でき、支持板212と支持板215にフィラメント電圧を印加するとフィラメント409、410のみが点灯でき、支持板211と支持板215にフィラメント電圧を印加するとフィラメント411、412のみが点灯できる。
【0031】
(実施例3の蛍光表示管)
前記第一の実施例の蛍光表示管の一対のフィラメントを、(413、414)(415、416)(417、418)3組上下方向に張架した蛍光表示管を図6に示す。
本願発明は実施例1の蛍光表示管における第一支持板221を起点として、第三支持板225、226、227を介して、第二支持板222、223、224を終点としてフィタメント電圧を印加する実施例である。
ブロックごとに、蛍光表示管は実質一本のフィラメントで蛍光体を発光させることが出来る。
【0032】
例えば、図6に示す実施例1の蛍光表示管の、支持板221と支持板225にフィラメント電圧を印加するとフィラメント413のみが点灯でき、支持板224と支持板225にフィラメント電圧を印加するとフィラメント414のみが点灯でき、支持板221と支持板226にフィラメント電圧を印加するとフィラメント415のみが点灯でき、支持板223と支持板226にフィラメント電圧を印加するとフィラメント416のみが点灯でき、支持板222と支持板227にフィラメント電圧を印加するとフィラメント417のみが点灯でき、支持板221と支持板227にフィラメント電圧を印加するとフィラメント417のみが点灯できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本願発明の第一の実施例の実施の形態を示す正面図
【図2】本願発明の第一の実施例の実施の形態を示す正面図
【図3】本願発明の第一の実施例リード側から見た側面図
【図4】本願発明の第一の実施例の正面図右から見た側面図
【図5】本願発明の本発明の第二の実施例の形態を示す正面
【図6】本願発明の本発明の第三の実施例の形態を示す正面
【図7】従来技術を示す正面図
【符号の説明】
【0034】
100…陽極基板、102…前面板、103、104、105…側面板
200…フレーム、201、202、203、204、205…支持板
301…フラメント状陰極張架部材 400…フラメント状陰極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子線励起蛍光体を有する蛍光体層を絶縁性基板上面に形成した陽極基板と、側面板と、前面板を低融点ガラスで接着した気密容器内に前記蛍光体を励起発光させる熱電子を放出するフィラメント状陰極を有する蛍光表示管において、
前記気密容器内に、第一支持板と、前記第一支持板と隣接する2以上の第二支持板と、前記第二支持板と離間する前記第二支持板と同数の第三支持板とを有し、
前記フィラメント状陰極の一端を前記第一支持板に固定し他端を前記第三支持板に固定して張架し、前記第一支持板と前記第三支持板の間に張架した前記フィラメント状陰極と同じ長さのフィラメント状陰極を前記第三支持板と前記第二支持板に固定して張架した蛍光表示管。
【請求項2】
請求項1の支持板の少なくとも一つの支持板は、フィラメント状陰極と並行する側面板と陽極基板の間に一端を挟持し他端を前記気密容器を構成する前記フィラメント状陰極と並行する他の側面板と前記陽極基板の間に一端を挟持した支持板であり、
請求項1の支持板の少なくとも一つの支持板は、フィラメント状陰極と並行する側面板と陽極基板の間に挟持し、前記支持板の前記側面板と前記陽極基板の挟持部の他端に支持板抑え部材を有し、前記支持板抑え部材を前記陽極基板及び前面板により挟持した支持板である蛍光表示管。
【請求項3】
前記第一支持板は、前記支持板に取り付けた基部と前記基部と同一薄板を谷折りとした板ばねと前記板ばねの先端を山折りとした固定部とする張設部材を有し、
前記第二支持板には、該板ばね及び前記第一支持板と離間して上方に基体と固定部を連結する連結部を有する張架部材を有介して先端に前記フィラメント状陰極の一端を保持する固定部を有する張設部材を有し、
前記フィラメント状陰極の一端を前記第一支持板に固定し他端を前記第三支持板に固定して張架し、前記第一支持板と前記第三支持板の間に張架した前記フィラメント状陰極と同じ長さのフィラメント状陰極を前記第三支持板と前記第二支持板に固定して張架して 前記フィラメント状陰極を平行に複数本張架した請求項2の蛍光表示管。
【請求項4】
電子線励起蛍光体を有する蛍光体層を絶縁性基板上面に形成した陽極基板と、側面板と、前面板を低融点ガラスで接着した気密容器内に前記蛍光体を励起発光させる熱電子を放出するフィラメント状陰極を有する蛍光表示管において、
前記気密容器内に、第一支持板と、前記第一支持板と隣接する2以上の第二支持板と、前記第二支持板と離間する前記第二支持板と同数の第三支持板とを有し、
前記支持板の少なくとも一つの支持板は、フィラメント状陰極と並行する側面板と陽極基板の間に一端を挟持し他端を前記気密容器を構成する前記フィラメント状陰極と並行する他の側面板と前記陽極基板の間に一端を挟持した支持板であり、前記支持板の少なくとも一つの支持板は、フィラメント状陰極と並行する側面板と陽極基板の間に挟持し、前記支持板の前記側面板と前記陽極基板の挟持部の他端に支持板抑え部材を有し、前記支持板抑え部材を前記陽極基板及び前面板により挟持した支持板であり、
前記第一支持板は、前記支持板に取り付けた基部と、前記基部と同一薄板を谷折りとした板ばねと、前記板ばねの先端を山折りとした固定部とする張設部材を有し、
前記第二支持板には、該板ばね及び前記第一支持板と離間して上方に基体と固定部を連結する連結部を有する張架部材を介して先端に前記フィラメント状陰極の一端を保持する固定部を有する張設部材を有し、前記フィラメント状陰極の一端を前記第一支持板に固定し他端を前記第三支持板に固定して張架し、前記第一支持板と前記第三支持板の間に張架した前記フィラメント状陰極と同じ長さのフィラメント状陰極を前記第三支持板と前記第二支持板に固定して張架して 前記フィラメント状陰極を平行に複数本張架し、前記第一の金属支持板及び前記第二の金属支持板を介して前記フィラメント状陰極にフィラメント電圧を印加する蛍光表示管。
【請求項5】
請求項1乃至3の蛍光表示管において、
前記第一の金属支持板及び前記第二の金属支持板支持板を介して前記フィラメント状陰極のブロック毎に電圧を印加する蛍光表示管の駆動方法。
【請求項6】
請求項1乃至3の蛍光表示管において、
前記第二の金属支持板及び前記第三の金属支持板支持板を介して前記フィラメント状陰極のブロック毎に電圧を印加する蛍光表示管の駆動方法。
【請求項7】
請求項1乃至3の蛍光表示管において、
前記第一の金属支持板及び前記第三の金属支持板支持板を介して前記フィラメント状陰極のブロック毎に電圧を印加する蛍光表示管の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−114036(P2010−114036A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287715(P2008−287715)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000201814)双葉電子工業株式会社 (201)
【Fターム(参考)】