説明

血圧情報測定装置および指標取得方法

【課題】測定された血圧情報から精度よく動脈硬化度を判定するための指標を得ることのできる血圧情報測定装置を提供する。
【解決手段】血圧情報測定装置計には、測定部位の中枢側に巻き付けられ、脈波測定に用いられる脈波測定用空気袋と、末梢側に巻き付けられ、血圧測定に用いられる血圧用空気袋とが備えられる。血圧測定用空気袋が最高血圧よりも高い圧力となるまで加圧して血圧を測定する(S3)。その後、血圧測定用空気袋内圧を維持して駆血中の脈波を測定し、その脈波から、動脈硬化度を判定するための指標を算出するのに必要な特徴点を抽出する(S11)。脈波から特徴点が抽出されなかった場合、血圧測定用空気袋内圧を最高血圧よりも低くなるよう減圧して(S15)非駆血中の脈波を測定し、その脈波から、動脈硬化度を判定するための指標を算出するのに必要な特徴点を抽出する(S17)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は血圧情報測定装置および指標取得方法に関し、特に、流体袋を内包するカフを利用して血圧情報を測定する血圧情報測定装置および該血圧情報から動脈硬化度を判定するための指標を取得する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血圧や脈波などの血圧情報を測定することは、動脈硬化度を判定に有用である。
従来、動脈硬化度を判定する装置として、たとえば特許第3140007号公報(以下、特許文献1)は、心臓から駆出された脈波の伝播する速度(以下、PWV:pulse wave velocity)を調べることによって動脈硬化度を判定する装置を開示している。動脈硬化が進むほどに脈波伝播速度は速くなるので、PWVは動脈硬化度を判定するための指標となる。PWVは、上腕および下肢などの少なくとも2箇所以上に脈波を測定するカフ等を装着して同時に脈波を測定することで、それぞれの脈波の出現時間差と、脈波を測定するカフ等を装着した2点間の動脈の長さとから算出される。PWVは測定部位によって値が異なる。代表的なPWVとしては、測定部位が上腕と足首とである場合のbaPWV、頚動脈と大腿動脈とである場合のcfPWVが挙げられる。
【0003】
上腕の脈波から動脈硬化度を判定する技術として、特開2007−44362号公報(以下、特許文献2)は、血圧測定用のカフと脈波測定用のカフとの二重構造を備えた技術を開示している。
【0004】
また、特許第3587837号公報(以下、特許文献3)は、心臓から駆出された駆出波と腸骨動脈分岐部および動脈中の硬化部位からの反射波とを分離して、それぞれの振幅差や振幅比や出現時間差等により動脈硬化度を判定する技術を開示している。
【特許文献1】特許第3140007号公報
【特許文献2】特開2007−44362号公報
【特許文献3】特許第3587837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される装置を用いてPWVを測定するためには、先述のように上腕および下肢などの少なくとも2箇所にカフ等を装着する必要がある。そのため、特許文献1に開示されている装置を用いたとしても、家庭で簡便にPWVを測定することは難しいという問題点があった。
【0006】
これに対して特許文献2によって上腕の脈波から動脈硬化度を判定する技術が開示されているが、特許文献2では血圧測定用のカフと脈波測定用のカフとの二重構造を備えた装置構成となっており、脈波測定カフのみでは、末梢からの反射などが重畳するため、反射波を正しく分離できない可能性がある。したがって、精度のよい動脈硬化度の判定が得難いという問題がある。
【0007】
また、被験者によっては、特許文献3に開示された装置で測定される、末梢側を駆血した脈波だけでは、動脈硬化度を判定するための特徴点が見えにくい場合があるという問題がある。
【0008】
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであって、測定された血圧情報から精度よく動脈硬化度を判定するための指標を得ることのできる血圧情報測定装置および指標取得方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、血圧情報測定装置は、測定部位の中枢側に巻付けられる第1流体袋、および末梢側に巻付けられる第2流体袋と、第1流体袋の内圧を測定する第1センサ、および第2流体袋の内圧を測定する第2センサと、測定部位の中枢側の動脈の圧力変化に対応する第1流体袋の内圧変化に基づいて、測定部位の脈波を検出する検出手段と、第2流体袋の内圧を制御する第1制御手段と、脈波から特徴点を抽出し、特徴点を用いて動脈硬化度を判定するための指標を算出する算出手段とを備え、検出手段は、第2流体袋の内圧が最高血圧よりも高い圧力で測定部位の末梢側を圧迫している第1の状態のときの第1の脈波と、第2流体袋の内圧が少なくとも最高血圧よりも低い圧力で測定部位の末梢側を圧迫している第2の状態のときの第2の脈波とを検出し、算出手段は、第1の脈波から抽出される第1の特徴点と、第2の脈波から抽出される第2の特徴点とを用いて指標を算出する。
【0010】
本発明の他の局面に従うと、血圧情報測定装置は、測定部位の中枢側に巻付けられる第1流体袋、および末梢側に巻付けられる第2流体袋と、第1流体袋の内圧を測定する第1センサ、および第2流体袋の内圧を測定する第2センサと、測定部位の中枢側の動脈の圧力変化に対応する第1流体袋の内圧変化に基づいて、測定部位の脈波を検出する検出手段と、第2流体袋の内圧を制御する第1制御手段と、脈波から特徴点を抽出し、特徴点を用いて動脈硬化度を判定するための指標を算出する算出手段と、検出手段で脈波が検出された際の第2流体袋の内圧と最高血圧とを比較することで、脈波が、第2流体袋の内圧が最高血圧よりも高い圧力で測定部位の末梢側を圧迫している第1の状態のときに検出された第1の脈波であるか、第2流体袋の内圧が少なくとも最高血圧よりも低い圧力で測定部位の末梢側を圧迫している第2の状態のときに検出された第2の脈波であるかを判別する判別手段とを備え、算出手段は、第1の脈波から抽出される第1の特徴点と、第2の脈波から抽出される第2の特徴点とを用いて指標を算出する。
【0011】
好ましくは、第1制御手段は、検出手段で脈波を検出する際に、第2流体袋の内圧を少なくとも最高血圧よりも高くなるように加圧し、その後、減圧するための制御を行ない、検出手段は、算出手段において、第2流体袋の内圧が少なくとも最高血圧よりも高い第1の状態のときに検出された第1の脈波から指標が算出されなかった場合に、その後の減圧過程において脈波を検出する。
【0012】
好ましくは、上述の動脈硬化度を判定するための指標は、駆出波の立ち上がりの出現時間と反射波の立ち上がりの出現時間との時間差であるTr(Traveling time to reflected wave)と、駆出波のピークの出現時間と反射波のピークの出現時間との時間差であるTppと、駆出波のピークでの振幅と反射波のピークでの振幅の割合であるAI(Augmentation Index)とのうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
好ましくは、血圧情報測定装置は、測定部位から末梢側に所定長さの位置に巻き付けられる第3流体袋と、第3流体袋の内圧を制御する第2制御手段とをさらに備え、第2制御手段は、第2流体袋の内圧が少なくとも最高血圧よりも低い圧力で測定部位の末梢側を圧迫している第2の状態のときに、第3流体袋の内圧を少なくとも最高血圧よりも高い圧力として測定部位から末梢側に所定長さの位置を圧迫するよう制御する。
【0014】
より好ましくは、血圧情報測定装置は、測定部位に巻き付けられた第1流体袋から、測定部位から末梢側に巻き付けられた第3流体袋までの、測定部位に連続する生体の長さを入力する入力手段をさらに備える。
【0015】
好ましくは、血圧情報測定装置は、測定部位としての上腕から、駆出波の反射位置としての掌までの長さを入力する入力手段をさらに備える。
【0016】
本発明のさらに他の局面に従うと、指標取得方法は血圧情報測定装置で測定された脈波より動脈硬化度を判定するための指標を取得する方法であって、血圧情報測定装置は、測定部位の中枢側に巻付けられる第1流体袋、および末梢側に巻付けられる第2流体袋と、第1流体袋の内圧を測定する第1センサ、および第2流体袋の内圧を測定する第2センサと、測定部位の中枢側の動脈の圧力変化に対応する第1流体袋の内圧変化に基づいて、測定部位の脈波を検出する検出手段と、第2流体袋の内圧を制御する制御手段と、脈波から特徴点を抽出し、特徴点を用いて動脈硬化度を判定するための指標を算出する算出手段とを備え、制御手段が、第2流体袋の内圧が少なくとも最高血圧よりも高い圧力で測定部位の末梢側を圧迫している第1の状態となるよう第2流体袋の内圧を制御するステップと、第1の状態において、検出手段で第1の脈波を測定するステップと、算出手段が、第1の脈波より指標を算出するステップと、算出手段において第1の脈波より指標が算出されなかった場合に、制御手段が、第2流体袋の内圧が少なくとも最高血圧よりも低い圧力で測定部位の末梢側を圧迫している第2の状態となるよう第2流体袋の内圧を制御するステップと、第2の状態において、検出手段で第2の脈波を測定するステップと、算出手段が、第2の脈波より指標を算出するステップとを備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明による血圧情報測定装置を用いることで、測定された血圧情報から精度よく動脈硬化度を判定するための指標を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0019】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる血圧情報測定装置(以下、測定装置と略する)の外観の具体例を示す斜視図である。図2は、図1に示す測定装置を用いて血圧情報を測定する際の測定姿勢を示す模式断面図である。ここで「血圧情報」とは、生体から測定して得られる、血圧に関連する情報を指し、具体的には、血圧値、脈波波形、心拍数、などが該当する。
【0020】
図1に示すように、第1の実施の形態にかかる測定装置1Aは、基体2と、基体2に接続され、測定部位である上腕に装着される腕帯9とを含み、これらがエアチューブ10で接続されている。基体2の正面には、測定結果を含む各種の情報を表示する表示部4および測定装置1Aに対して各種の指示を与えるために操作される操作部3が配される。操作部3は電源をON/OFFするために操作される電源スイッチ31、および測定の開始を指示するために操作される測定開始スイッチ32を含む。
【0021】
上述の測定装置1Aを用いた脈波の測定に際しては、図2(A)に示すように、腕帯9を測定部位である上腕100に巻き回す。その状態で測定開始スイッチ32が押下されることで、血圧情報が測定される。
【0022】
図2(A)を参照して、腕帯9は、生体を圧迫するための流体袋としての空気袋を備える。上記空気袋は、血圧情報としての血圧を測定するために用いられる流体袋である血圧測定用空気袋(以下、血圧用空気袋と略する)13A、および血圧情報としての脈波を測定するために用いられる流体袋である脈波測定用空気袋(以下、脈波用空気袋と略する)13Bとを含む。図2(B)に示されるように、脈波用空気袋13Bのサイズは一例として20mm×200mm程度である。また、好ましくは、袋脈波用空気袋13Bの空気容量は、図2(B)にも示されるように、血圧用空気袋13Aの空気容量に比べ、1/5以下である。
【0023】
測定装置1Aは、1箇所の測定部位から得られた血圧情報としての脈波波形に基づいて、動脈硬化度を判定するための指標を得る。本実施の形態においては、動脈硬化度の判定を行なうための指標としては、Tpp(ΔTpとも表わされる)や、Tr(Traveling time to reflected wave)や、AI(Augmentation Index)が挙げられる。Tppは、進行波である駆出波のピーク(最大点)の出現時間と反射波のピーク(最大点)の出現時間との時間間隔で表わされる指標である。図3においては、A点とB点との間の時間間隔で表わされる。Trは、駆出波の出現時間と進行波が腸骨動脈の分岐部から反射して戻ってくる反射波の出現時間との間の時間間隔で表わされる指標である。図3においては、駆出波の立ち上がり点からA点までの時間間隔で表わされる。測定部位を上腕とし、反射波が末梢としての足首からの反射波である場合、指標Trと測定部位が上腕と足首とである場合のPWVであるbaPWVとの相関は、身長や性別などの個人パラメータが得られることが、London GM et al.著の文献「Hypertension 1992 Jul;20(1):」(1992年7月20日発行)のp10−p19に記載されている。したがって、出現時間差Trを動脈硬化度の判定を行なうための指標とすることができる。Tppについても同様である。AIは、主に動脈硬化に対応する脈波の反射強度(脈波の反射現象であって、送出し血流量の受入れやすさを表わしている)を反映する特徴量を指標化したものであり、進行波である駆出波の最大点での振幅に対する反射波の最大点での振幅の割合で表わされる指標である。図3においては、A点での振幅P1に対するB点での振幅P2の割合で表わされる。
【0024】
図3にも示されるように、測定された脈波からこれら指標を得るには、測定された脈波から駆出波のピークであるA点、および反射波のピークであるB点を抽出することが必要となる。A点およびB点は図3に示されるように脈波波形の変局点であり、これらを特徴点と称する。変局点であるA点およびB点は、測定された脈波波形の多次微分(たとえば4次微分)を演算するなどによって得られる。
【0025】
測定によって得られる脈波波形から変曲点である上述の特徴点を得るためには、精度のよい脈波波形を得る必要がある。そこで、測定装置1Aは、上述の生体圧迫用空気袋を、測定部位の動脈の方向に沿って並べて配置された2つの空気袋13A,13Bを含む、二重構造としている。血圧用空気袋13Aは上腕100の末梢側(心臓に遠い側)に配置される。脈波用空気袋13Bは中枢側(心臓に近い側)に配置される。上腕100が圧迫固定された後、これら空気袋13A,13Bが膨張・収縮する。血圧用空気袋13Aが膨張することで血圧用空気袋13Aが上腕100に押付けられ、血圧用空気袋13Aの内圧に動脈圧の変化が重畳して検出される。また、血圧用空気袋13Aが膨張することで動脈の末梢側が駆血される。その状態で脈波用空気袋13Bが膨張することで、駆血状態において動脈内に生じる動脈圧脈波が検出される。つまり、末梢側を駆血しながら脈波測定が可能となる。これにより、精度のよい脈波を測定することが可能とする。その結果、測定された脈波波形より特徴点が精度よく得られ、精度のよい指標を得ることができる。
【0026】
しかしながら、先述のように、被験者によっては、末梢側を駆血した脈波から特徴点が見えにくい場合がある。図5は、末梢側が駆血された状態で測定される脈波と、駆血されていない状態で測定される脈波とを表わす図である。図5に示されるように、脈波1で表わされる、駆血された状態で測定される脈波からは、駆出波のピークであるA1点は抽出される。反射波のピークであるB1点は見え難く、抽出されない。しかしながら、脈波2で表わされる、駆血されない状態で測定される脈波には末梢側からの反射波が駆血されている状態よりも多く影響するため、駆出波のピークであるA2点と共に反射波のピークであるB2点が抽出される。被験者が同一人である場合には、これらの脈波を図5のように重ねた場合には、A1点の発生時間とA2点の発生時間とは、ほぼ同じであると考えられる。同様に、B1点の発生時間とB2点の発生時間とも、ほぼ同じであると考えられる。
【0027】
図6は、測定装置1Aの機能ブロックを示す図である。図6を参照して、測定装置1Aは、血圧用空気袋13Aにエアチューブ10を介して接続されるエア系20A、および脈波用空気袋13Bにエアチューブ10を介して接続されるエア系20Bと、CPU(Central Processing Unit)40とを含む。
【0028】
エア系20Aは、エアポンプ21Aと、エアバルブ22Aと、圧力センサ23Aとを含む。エア系20Bは、エアバルブ22Bと、圧力センサ23Bとを含む。エアポンプ21Aは血圧用空気袋13Aを加圧するための手段である。エアポンプ21Aは、CPU40からの指令を受けたエアポンプ駆動回路26Aによって駆動されて、血圧用空気袋13Aに圧縮気体を送り込む。エアバルブ22A,22Bは、各々、血圧用空気袋13Aおよび脈波用空気袋13B内の圧力を維持したり、減圧したりするための手段である。エアバルブ22A,22Bは、CPU40からの指令を受けたエアバルブ駆動回路27A,27Bによってその開閉状態が制御される。エアバルブ22A,22Bの開閉状態が制御されることで、血圧用空気袋13Aおよび脈波用空気袋13B内の圧力が制御される。圧力センサ23A,23Bは、各々、血圧用空気袋13Aおよび脈波用空気袋13B内の圧力を検出するための手段である。圧力センサ23A,23Bは、各々、血圧用空気袋13Aおよび脈波用空気袋13B内の圧力を検出し、その検出値に応じた信号を増幅器28A,28Bに対して出力する。増幅器28A,28Bは、各々、圧力センサ23A,23Bから出力される信号を増幅し、A/D変換器29A,29Bに出力する。A/D変換器29A,29Bは、各々、増幅器28A,28Bから出力されたアナログ信号をデジタル化し、CPU40に出力する。
【0029】
血圧用空気袋13Aと脈波用空気袋13Bとは2ポート弁51で接続されている。2ポート弁51は2ポート弁駆動回路53に接続されて、弁の開閉が制御される。2ポート弁駆動回路53はCPU40に接続されて、CPU40からの制御信号に従って、2ポート弁51の上記2つの弁の開閉を制御する。
【0030】
CPU40は、測定装置の基体2に設けられた操作部3に入力された指令に基づいてエア系20A,20Bおよび2ポート弁駆動回路53を制御する。また、測定結果を表示部4やメモリ41に出力する。メモリ41は、測定結果を記憶するための手段である。また、CPU40で実行されるプログラムを記憶するための手段でもある。
【0031】
図7は、測定装置1Aでの測定動作の第1の具体例を示すフローチャートである。測定動作の第1の具体例は、第1の演算アルゴリズムでの演算がなされるときの測定動作を表わしている。図7に示される動作は、被験者等が基体2の操作部3に設けられた測定ボタンを押下することにより、開始し、CPU40がメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して図6に示される各部を制御することによって実現されるものである。また、図8は、測定装置1Aでの測定動作中の空気袋13A,13B内の圧力変化を示す図である。図8(A)は脈波用空気袋13B内の圧力P1の時間変化を示し、図8(B)は血圧用空気袋13A内の圧力P2の時間変化を示している。図8(A),図8(B)で時間軸に付してあるS3〜S17は、後述する測定装置1Aでの測定動作の各動作と一致している。
【0032】
図7を参照して、動作が開始すると、始めに、CPU40において、各部の初期化が行なわれる(ステップS1)。次に、CPU40はエア系20Aに対して制御信号を出力して血圧用空気袋13Aの加圧を開始し、加圧過程において血圧を測定する(ステップS3)。ステップS3での血圧の測定は、通常の血圧計で行なわれている測定方法が採用され得る。具体的には、CPU40は、圧力センサ23Aから得られる圧力信号に基づいて、最高血圧(SYS)および最低血圧(DIA)を算出する。図8(B)の例では、血圧用空気袋13A内の圧力P2は、ステップS3の区間で最高血圧を超えるまで増加している。脈波用空気袋13B内の圧力P1は、図8(A)に示されるように、上記区間では初期の圧力が維持されている。
【0033】
ステップS3での血圧の測定が完了すると、CPU40は2ポート弁駆動回路53に制御信号を出力して2ポート弁51の血圧用空気袋13A側の弁と脈波用空気袋13B側の弁との両方を開放させる(ステップS5)。これにより、血圧用空気袋13A内の空気の一部が脈波用空気袋13Bに移動し、脈波用空気袋13Bが加圧される。
【0034】
図8(A)の例では、上記ステップS5で2ポート弁51の上記弁が開放されることで、血圧用空気袋13A内の空気の一部が脈波用空気袋13Bに移動して、圧力P2が減少している。同時に、図8(B)に示されるように、脈波用空気袋13B内の圧力P1が急激に増加している。そして、圧力P1と圧力P2とが一致した時点で、つまりこれら空気袋13A,13Bの内圧がつりあった時点で、血圧用空気袋13Aから脈波用空気袋13Bへの空気の移動が終了する。この時点で、CPU40は、2ポート弁駆動回路53に制御信号を出力して、上記ステップS5で開放した2ポート弁51の上記弁を閉塞する(ステップS7)。図8(A),図8(B)において、ステップS7の時点で圧力P1と圧力P2とが一致していることが示されている。
【0035】
その後、CPU40はエアバルブ駆動回路27Bに制御信号を出力して、脈波用空気袋13B内の圧力P1を減圧調整する(ステップS9)。ここでの減圧調整量は、好ましくは5.5mmHg/sec程度である。また、好ましくは、圧力P1が脈波測定に適した圧力である50〜150mmHg内となるよう減圧調整する。また、このとき、血圧用空気袋13Aの圧力P2は、最大圧迫圧である、少なくとも最高血圧よりも高い圧力が維持されている。これにより、血圧用空気袋13Aは測定部位の末梢側で動脈を駆血している状態となる。この状態を駆血状態と称するものとする。言い換えると、駆血状態とは、血圧用空気袋13A内の圧力P2が少なくとも最高血圧よりも高い圧力で測定部位の末梢側を圧迫している状態を指す。その後、つまり、駆血状態で、CPU40は、圧力センサ23Bからの圧力信号に基づいて脈波用空気袋13B内の圧力P1を測定することで脈波を測定し特徴点を抽出する(ステップS11)。図5の例では、ステップS11では駆血中の脈波である脈波1が測定され、脈波1より、特徴点であるA1点およびB1点が抽出される。なお、以降の説明のために、ステップS11で測定される脈波を脈波1とし、抽出される特徴点を特徴点1とする。
【0036】
ステップS11において脈波1から特徴点1が抽出されなかった場合には(ステップS13でNO)、CPU40は、次のような制御を行なう。ここでは、先述のように、特に反射波のピークであるB1点が抽出されないことが考えられる。そこで、CPU40はエアバルブ駆動回路27Aに制御信号を出力して、血圧用空気袋13A内の圧力P2をさらに減圧調整する(ステップS15)。または、エアバルブ22Aを開放してもよい。ステップS15でCPU40は、圧力P2が少なくと最高血圧よりも低くなるよう、たとえば55mmHg程度となるよう減圧調整する。これにより、血圧用空気袋13Aは動脈を駆血していない状態、または、上記ステップS11の時点よりも弱い圧力での駆血状態となる。これらの状態を非駆血状態と称するものとする。言い換えると、非駆血状態とは、血圧用空気袋13A内の圧力P2が少なくとも最高血圧よりも低い圧力で測定部位の末梢側を圧迫している状態を指す。図8(B)の例では、血圧用空気袋13Aの圧力P2は、ステップS15の区間で最高血圧よりも低くなるまで減少している。その後、つまり、非駆血状態で、CPU40は、ステップS11と同様にして、圧力センサ23Bからの圧力信号に基づいて脈波用空気袋13B内の圧力P1を測定することで脈波を測定し、先述の特徴点を抽出する(ステップS17)。図5の例では、ステップS17では非駆血中の脈波である脈波2が測定され、脈波2より、特徴点であるA2点およびB2点が抽出される。以降の説明のために、ステップS17で測定される脈波を脈波2とし、抽出される特徴点を特徴点2とする。なお、ステップS17でCPU40は、ステップS11で抽出されなかった特徴点のみを脈波2から抽出するようにしてもよい。先述のように、ステップS11では、脈波1からB1点が抽出されないことが考えられる。その場合、ステップS17でCPU40は、脈波2から特徴点2としてB2点のみを抽出するようにしてもよい。上記ステップS15,S17は、ステップS11において特徴点1がすべて抽出された場合には(ステップS13でYES)スキップされる。
【0037】
CPU40は、上記ステップS11で特徴点1が抽出された場合には特徴点1より、上記ステップS11で特徴点1が抽出されずにステップS17で特徴点2が抽出された場合には特徴点2より、先述の指標を算出し、動脈硬化度を判定する(ステップS19−1)。その後、CPU40はエアバルブ駆動回路27A,27Bに制御信号を出力してエアバルブ22A,20Bを開放し、血圧用空気袋13A、および脈波用空気袋13Bの圧力を大気圧に解放する(ステップS21)。図8(A),図8(B)の例では、血圧用空気袋13A、および脈波用空気袋13B内の圧力P1,P2は、ステップS21の区間で、大気圧まで急速に減少している。
【0038】
その後、CPU40は、算出された最高血圧(SYS)および最低血圧(DIA)や測定された脈波などの測定結果や動脈硬化度の判定結果などを基体2に設けられた表示部4で表示するための処理を行ない、測定結果を表示する(ステップS23)。
【0039】
第1の具体例にかかる測定動作では、上記ステップS17で特徴点2が抽出されなかった場合に、さらに脈波用空気袋13Bの内圧P1が減圧調整されてもよい。つまり、すべての特徴点が抽出されるまで減圧調整が繰り返されてもよい。さらにその際、内圧P1が所定圧に達したら測定動作を終了するようにしてもよいし、所定回数減圧調整された時点で測定動作を終了するようにしてもよい。
【0040】
測定装置1Aで図7に示される第1の具体例にかかる測定動作が実現されることで、図5の脈波1に示されるように、駆血状態で測定された脈波(脈波1)において特徴点が見え難く、特徴点が抽出されなかった場合であっても、非駆血状態として脈波(脈波2)を測定する。先述のように、特に末梢側が駆血された状態では末梢からの反射波の大部分が遮断されてしまうために、反射波のピークに相当する特徴点(B1点)が抽出されない場合が有り得る。しかしながら、測定装置1Aでは、その場合に末梢側を非駆血状態として脈波を測定するため、特に反射波のピークに相当する特徴点(B2点)を抽出しやすくなる。そのため、指標を精度よく算出することができ、動脈硬化度の判定に有用な指標を得ることができる。
【0041】
図9は、測定装置1Aでの測定動作の第2の具体例を示すフローチャートである。測定動作の第2の具体例は、第2の演算アルゴリズムでの演算がなされるときの測定動作を表わしている。図9に示される動作もまた、被験者等が基体2の操作部3に設けられた測定ボタンを押下することにより、開始し、CPU40がメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して図6に示される各部を制御することによって実現されるものである。図9において、図7のフローチャートに示された第1の具体例にかかる測定動作と同様の測定動作については、同じステップ番号が付されている。そのため、図8(A),図8(B)で時間軸に付してあるS3〜S17は、図9に示される測定動作の各動作にも一致している。
【0042】
図9を参照して、第2の具体例にかかる測定動作では、上記ステップS11で駆血状態において脈波1が測定され、特徴点1が抽出された後、上記ステップS15の動作がなされて脈波用空気袋13B内の圧力P1がさらに減圧調整される。そして、ステップS17で非駆血状態において脈波2が測定され、特徴点2が抽出される。次に、第2の具体例にかかる測定動作では、第1の具体例にかかる測定動作とは異なり、CPU40は、上記ステップS11で抽出された特徴点1と、上記ステップS17で抽出された特徴点2との平均値を算出し、該平均値より、先述の指標を算出して動脈硬化度を判定する(ステップS19−2)。つまり、指標としてTppを算出する場合、CPU40は、ステップS11で脈波1から抽出されたA1点の発生時間とステップS17で脈波2から抽出されたA2点の発生時間との平均、およびステップS11で脈波1から抽出されたB1点の発生時間とステップS17で脈波2から抽出されたB2点の発生時間との平均を算出し、これらの差分でTppを得る。指標としてAIを算出する場合、CPU40は、ステップS11で脈波1から抽出されたA1点の振幅とステップS17で脈波2から抽出されたA2点の振幅との平均、およびステップS11で脈波1から抽出されたB1点の振幅とステップS17で脈波2から抽出されたB2点の振幅との平均を算出し、これらの割合でAIを得る。以降、上記ステップS21,S23の動作が行なわれる。
【0043】
測定装置1Aで図9に示される第2の具体例にかかる測定動作が実現されることで、駆血状態で測定された脈波(脈波1)から抽出された特徴点(A1点、B1点)と非駆血状態で測定された脈波(脈波2)から抽出された特徴点(A2点、B2点)との平均を用いて指標が算出される。そのため、より精度の高い指標を算出することができ、動脈硬化度の判定により有用な指標を得ることができる。
【0044】
図10は、測定装置1Aでの測定動作の第3の具体例を示すフローチャートである。測定動作の第3の具体例は、第3の演算アルゴリズムでの演算がなされるときの測定動作を表わしている。図10に示される動作もまた、被験者等が基体2の操作部3に設けられた測定ボタンを押下することにより、開始し、CPU40がメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して図6に示される各部を制御することによって実現されるものである。図9において、図7のフローチャートに示された第1の具体例にかかる測定動作、図8のフローチャートに示された第2の具体例にかかる測定動作と同様の測定動作については、同じステップ番号が付されている。そのため、図8(A),図8(B)で時間軸に付してあるS3〜S17は、図10に示される測定動作の各動作にも一致している。
【0045】
図10を参照して、第3の具体例にかかる測定動作では、上記ステップS11で駆血状態において脈波1が測定され、特徴点1が抽出された後、上記ステップS15の動作がなされて脈波用空気袋13B内の圧力P1がさらに減圧調整される。そして、上記ステップS17で非駆血状態において脈波2が測定され、特徴点2が抽出される。次に、第3の具体例にかかる測定動作では、第1,第2の具体例にかかる測定動作とは異なり、CPU40は、上記ステップS11で抽出された特徴点1と上記ステップS17で抽出された特徴点2とを比較して、これらの差分が許容値以上であるか否かを判断する(ステップS18A)。具体的には、ステップS11で脈波1から抽出されたA1点の発生時間とステップS17で脈波2から抽出されたA2点の発生時間との差分、および/またはステップS11で脈波1から抽出されたB1点の発生時間とステップS17で脈波2から抽出されたB2点の発生時間との差分が許容値以上であるか否かを判断する。ここでの許容値としては、たとえば10ms程度が挙げられ、予めCPU40に記憶されているものとする。または、所定の操作(たとえば医師等の予め指定されたユーザにのみ知らされている操作方法)によって、登録や更新がされるものであってもよい。先述のように、被験者が同一人である場合には、A1点の発生時間とA2点の発生時間とは、ほぼ同じであると考えられる。同様に、B1点の発生時間とB2点の発生時間とも、ほぼ同じであると考えられる。そのため、これら発生時間の差分が許容値以上である場合には、いずれかの脈波が正しく測定されていない、または正しく特徴点が抽出されていないことが考えられる。
【0046】
そこで、ステップS18Aにおいて、特徴点1と特徴点2との差分が許容値以上であると判断された場合、または特徴点1と特徴点2との一方でも抽出されなかった場合には(ステップS18AでNO)、CPU40は再測定を報知する画面を表示部4で表示するための動作を行ない、再測定を報知した後(ステップS18B)、測定動作をステップS5に戻して、再度、2ポート弁51を開放させる。
【0047】
上記ステップS11で特徴点1が抽出され、上記ステップS17で特徴点2が抽出され、かつそれらの差分が上述の許容値以内である場合には(ステップS18AでYES)、CPU40は、第2の具体例にかかる測定動作と同様に、上記ステップS11で抽出された特徴点1と、上記ステップS17で抽出された特徴点2との平均値を算出し、該平均値より、先述の指標を算出して動脈硬化度を判定する(ステップS19−2)。または、上記ステップS11で抽出された特徴点1と、上記ステップS17で抽出された特徴点2とのいずれか一方を用いて先述の指標を算出してもよいし、上記ステップS11で駆血状態で測定された脈波1から抽出された特徴点1を用いて先述の指標を算出してもよい。
【0048】
測定装置1Aで図10に示される第3の具体例にかかる測定動作が行なわれることで、駆血状態で測定された脈波(脈波1)から抽出された特徴点(A1点、B1点)と非駆血状態で測定された脈波(脈波2)から抽出された特徴点(A2点、B2点)との差分が許容値以上である場合には、再測定が行なわれる。そのため、より精度の高い指標を算出することができ、動脈硬化度の判定により有用な指標を得ることができる。
【0049】
図11は、測定装置1Aでの測定動作の第4の具体例を示すフローチャートである。測定動作の第4の具体例は、第4の演算アルゴリズムでの演算がなされるときの測定動作を表わしている。図11に示される動作もまた、被験者等が基体2の操作部3に設けられた測定ボタンを押下することにより、開始し、CPU40がメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して図6に示される各部を制御することによって実現されるものである。図9において、図7のフローチャートに示された第1の具体例にかかる測定動作、図8のフローチャートに示された第2の具体例にかかる測定動作、および図9のフローチャートに示された第3の具体例にかかる測定動作と同様の測定動作については、同じステップ番号が付されている。そのため、図8(A),図8(B)で時間軸に付してあるS3〜S17は、図11に示される測定動作の各動作にも一致している。
【0050】
図11を参照して、第4の具体例にかかる測定動作では、ステップS18Aにおいて、特徴点1と特徴点2との差分が許容値以上であると判断された場合、または特徴点1と特徴点2との一方でも抽出されなかった場合には(ステップS18AでNO)、CPU40は、判定結果の信頼性が低い旨を報知する画面を表示部4で表示するための処理を行ない、その旨を報知した上で(ステップS18C)、測定動作を進め、第2の具体例にかかる測定動作、および第3の具体例にかかる測定動作と同様に、上記ステップS11で抽出された特徴点1と、上記ステップS17で抽出された特徴点2との平均値を算出し、該平均値より、先述の指標を算出して動脈硬化度を判定する(ステップS19−2)。
【0051】
測定装置1Aで図11に示される第4の具体例にかかる測定動作が実現されることで、駆血状態で測定された脈波(脈波1)から抽出された特徴点(A1点、B1点)と非駆血状態で測定された脈波(脈波2)から抽出された特徴点(A2点、B2点)との差分が許容値以上であった場合にも、信頼性が低い旨が報知された上でこれら特徴点を用いて指標が算出される。そのため、たとえば第3の具体例にかかる測定動作により得られる指標よりも信頼性は低い指標が算出されることにはなるが、再測定が行なわれず、1回の測定動作で指標が算出されるために、動脈硬化度の判定に要する時間を短縮することができる。
【0052】
さらに、上述のように、本実施の形態にかかる測定装置1Aでは、血圧用空気袋13Aと脈波用空気袋13Bとが2ポート弁51を介して接続されている。そして、ステップS3で血圧測定が完了すると、上記ステップS5で2ポート弁51を開放することで、血圧用空気袋13A内の空気を脈波用空気袋13Bに移動させている。2ポート弁51が開放されることで、血圧用空気袋13A内の空気は、圧力差をなくすために脈波用空気袋13Bに急速に流入する。これにより、脈波用空気袋13Bに空気をポンプによって流入するために要する時間を大幅に短縮することができ、全体の測定時間を短縮することができる。従って、被験者の負担を軽減することができる。また、測定に要する時間が長くなることで長時間動脈が圧迫されることになって交感神経が刺激され、血管の特性が損なわれてしまうおそれがあるものであるが、測定に要する時間を短縮することで動脈が圧迫される時間を短縮することができる。さらに、測定に要する時間が長くなることで体動が発生する可能性が高くなるものであるが、測定に要する時間を短縮することで、体動が発生する可能性も抑えることができる。これにより、脈波等の血圧情報の測定精度を向上させることができる。また、測定結果から得られる動脈硬化の指標の精度も向上させることができる。
【0053】
また、図6にも示されるように、脈波用空気袋13Bに空気を流入するための機構(エアポンプ、エアポンプ駆動回路)を搭載しなくてもよい。これにより、装置の小型化、軽量化、低価格化にも貢献できる。
【0054】
しかしながら、上述の測定動作は、図6に示されたような構成の測定装置のみならず、図12に示されたような、通常の構成の測定装置でも行なうことができる。そこで、第2の実施の形態として、図12に示される構成の測定装置1Bでの測定動作について説明する。
【0055】
[第2の実施の形態]
図12は測定装置1Bの機能ブロックを示す図である。測定装置1Bの概観は、図1に示された測定装置1Aの概観と同様である。図12を参照して、測定装置1Bは、図6に示された測定装置1Aの構成のうち、2ポート弁51および2ポート弁駆動回路53に加えて、エア系30Bにエアポンプ21Bが含まれ、エアポンプ21Bを駆動するためのエアポンプ駆動回路26Bを含む。エアポンプ21Bは、CPU40からの指令を受けたエアポンプ駆動回路26Bによって駆動されて、脈波用空気袋13B内に圧縮気体を送り込む。
【0056】
図13は、測定装置1Bでの測定動作の第1の具体例を示すフローチャートである。測定動作の第1の具体例は、第1の実施の形態で説明された第1の演算アルゴリズムでの演算がなされるときの測定動作を表わしている。図13に示される動作は、被験者等が基体2の操作部3に設けられた測定ボタンを押下することにより、開始し、CPU40がメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して図12に示される各部を制御することによって実現されるものである。また、図14は、測定装置1Bでの測定動作中の空気袋13A,13B内の圧力変化を示す図である。図14(A)は脈波用空気袋13B内の圧力P1の時間変化を示し、図14(B)は血圧用空気袋13A内の圧力P2の時間変化を示している。図14(A),図14(B)で時間軸に付してあるS103〜S121は、後述する測定装置1Bでの測定動作の各動作と一致している。
【0057】
図13を参照して、動作が開始すると、始めに、CPU40において、各部の初期化が行なわれる(ステップS101)。次に、CPU40はエア系20Bに対して制御信号を出力して脈波用空気袋13Bを所定圧となるまで加圧する(ステップS103)。図14(A)の例では、脈波用空気袋13B内の圧力P1はステップS103の区間で増加している。そして、それ以降、圧力P1が維持されている。ステップS103では、圧力P1が脈波測定に適した圧力である50〜150mmHgの範囲となるよう加圧する。圧力P1が所定圧に達した時点で、CPU40はエア系20Aに対して制御信号を出力して血圧用空気袋13Aの圧力P2を所定圧となるまで加圧して、血圧用空気袋13Aで測定部位の末梢側を圧迫する(ステップS105)。図14(B)の例では、血圧用空気袋13A内の圧力P2はステップS105の区間で増加している。ステップS105でCPU40は、圧力P2が一般的な最高血圧値よりも高くなるまで加圧する。好ましくは、最高血圧値+40mmHg程度の圧力に達するまで加圧する。これにより、血圧用空気袋13Aは動脈を駆血している状態となる。その後、CPU40はエア系20Aに対して制御信号を出力して血圧用空気袋13A内の圧力P2の減圧を開始する(ステップS107)。ここでの減圧調整量は、好ましくは4mmHg/sec程度であり、徐々に減圧される。
【0058】
血圧用空気袋13A内の圧力P2の減圧過程において、血圧用空気袋13A内の圧力P2が最大圧から最高血圧に達するまでの間(ステップS111でYES)で、つまり、駆血状態で、CPU40は圧力センサ23Bからの圧力信号に基づいて脈波用空気袋13B内の圧力P1を測定することで脈波を測定し特徴点を抽出する(ステップS109)。図14(A),図14(B)にステップS109に示される区間において、脈波が測定されて特徴点が抽出される。図5の例では、ステップS109では駆血中の脈波である脈波1が測定され、脈波1より、特徴点であるA1点およびB1点が抽出される。なお、以降の説明のために、ステップS109で測定される脈波を脈波1とし、抽出される特徴点を特徴点1とする。
【0059】
血圧用空気袋13A内の圧力P2の減圧過程において、血圧用空気袋13A内の圧力P2が最高血圧値に達するまでの間に脈波1から特徴点1が抽出されなかった場合には(ステップS113でNO)、CPU40は、血圧用空気袋13A内の圧力P2の減圧過程において、血圧用空気袋13A内の圧力P2が最高血圧値よりも低くなっている間で、つまり、非駆血状態で、CPU40は圧力センサ23Bからの圧力信号に基づいて脈波用空気袋13B内の圧力P1を測定することで脈波を測定し特徴点を抽出する(ステップS115)。図14(A)および図14(B)にステップS115に示される区間において、脈波が測定されて特徴点が抽出される。図5の例では、ステップS115では非駆血中の脈波である脈波2が測定され、脈波2より、特徴点であるA2点およびB2点が抽出される。以降の説明のために、ステップS115で測定される脈波を脈波2とし、抽出される特徴点を特徴点2とする。上記ステップS115は、上記ステップS109において特徴点1がすべて抽出された場合には(ステップS113でYES)スキップされる。
【0060】
CPU40は、上記ステップS109以降の、血圧用空気袋13Aの内圧が最高血圧値に達した時点付近から、減圧過程において、上記脈波の測定と共に血圧を測定している。血圧の測定は、通常の血圧計で行なわれている測定方法が採用され得る。具体的には、CPU40は、圧力センサ23Aから得られる圧力信号に基づいて、最高血圧(SYS)および最低血圧(DIA)を算出する。CPU40は、最高血圧値および最低血圧値が算出された時点、または血圧用空気袋13Aの内圧が最低血圧値よりも低くなった時点などで、血圧の測定を完了する(ステップS117)。
【0061】
CPU40は、上記ステップS109で特徴点1が抽出された場合には特徴点1より、上記ステップS109で特徴点1が抽出されずにステップS115で特徴点2が抽出された場合には特徴点2より、先述の指標を算出し、動脈硬化度を判定する(ステップS119)。その後、CPU40はエアバルブ駆動回路27A,27Bに制御信号を出力してエアバルブ22A,20Bを開放し、血圧用空気袋13A、および脈波用空気袋13Bの圧力を大気圧に解放する(ステップS121)。図14(A),図14(B)の例では、血圧用空気袋13A、および脈波用空気袋13B内の圧力P1,P2は、ステップS121の区間で、大気圧まで急速に減少している。
【0062】
その後、CPU40は、算出された最高血圧(SYS)および最低血圧(DIA)や測定された脈波などの測定結果や動脈硬化度の判定結果などを基体2に設けられた表示部4で表示するための処理を行ない、測定結果を表示する(ステップS123)。
【0063】
測定装置1Bで図13に示される第1の具体例にかかる測定動作が実現されることで、図5の脈波1に示されるように、駆血状態で測定された脈波(脈波1)において特徴点が見え難く、特徴点が抽出されなかった場合であっても、非駆血状態として脈波(脈波2)を測定する。先述のように、特に末梢側が駆血された状態では末梢からの反射波の大部分が遮断されてしまうために、反射波のピークに相当する特徴点(B1点)が抽出されない場合が有り得る。しかしながら、測定装置1Bでは、その場合に末梢側を非駆血状態として脈波を測定するため、特に反射波のピークに相当する特徴点(B2点)を抽出しやすくなる。そのため、指標を精度よく算出することができ、動脈硬化度の判定に有用な指標を得ることができる。
【0064】
図15は、測定装置1Bでの測定動作の第2の具体例を示すフローチャートである。測定動作の第2の具体例は、第1の実施の形態で説明された第2の演算アルゴリズムでの演算がなされるときの測定動作を表わしている。図15に示される動作もまた、被験者等が基体2の操作部3に設けられた測定ボタンを押下することにより、開始し、CPU40がメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して図12に示される各部を制御することによって実現されるものである。図15において、図13のフローチャートに示された第1の具体例にかかる測定動作と同様の測定動作については、同じステップ番号が付されている。
【0065】
図15を参照して、第2の具体例にかかる測定動作では、上記ステップS107で血圧用空気袋13A内の圧力P2の減圧が開始されると、CPU40は、減圧過程において圧力センサ23Bからの圧力信号に基づいて脈波用空気袋13B内の圧力P1を測定することで脈波を測定する(ステップS108)。その際、CPU40は、圧力センサ23Aから得られる圧力信号に基づいて血圧用空気袋13A内の圧力P2を測定し、測定された脈波を、測定時の血圧用空気袋13A内の圧力P2と共にメモリ41の所定領域に記憶する。図14(A),図14(B)の例では、上記ステップS108はステップS109,S115の区間に相当する。
【0066】
上記ステップS108での脈波の測定が終了すると、CPU40は最高血圧(SYS)を取得する。最高血圧(SYS)は、圧力センサ23Aから得られる圧力信号に基づいて算出することで取得されてもよいし、操作部3に設けられた所定のボタン等での入力を受付けることで取得されてもよいし、予め一般的な値としてメモリ41に記憶されていて、メモリ41から取得されてもよい。CPU40は、測定された脈波に関連付けて記憶されている測定時の血圧用空気袋13A内の圧力P2と、取得した最高血圧とを比較することで、測定された脈波が、駆血状態で測定されたものであるか、非駆血状態で測定されたものであるかを判別する。つまり、最高血圧は、駆血状態であるか非駆血状態であるかを判別するためのしきい値として用いられる。なお、血圧用空気袋13A内の圧力P2が最高血圧よりも低い最低血圧(DIA)よりも低い場合を非駆血状態としてもよい。その場合には、しきい値として最低血圧も用いて、最低血圧とを比較することで、測定された脈波が、非駆血状態で測定されたものであることを判別するものとする。
【0067】
そして、測定された脈波から特徴点を抽出し(ステップS118)、その特徴点より、先述の指標を算出し、動脈硬化度を判定する(ステップS119)。ここでは、先述の第1の演算アルゴリズムでの演算と同様に、駆血状態で測定された脈波1から特徴点であるA1点およびB1点が抽出されると、それらを用いて指標を算出してもよい。また、先述の第2の演算アルゴリズムでの演算と同様に、駆血状態で測定された脈波1から抽出された特徴点であるA1点およびB1点と、非駆血状態で測定された脈波2から抽出された特徴点であるA2点およびB2点との、各々の平均を用いて指標を算出してもよい。また、第3の演算アルゴリズムでの演算と同様に、駆血状態で測定された脈波1から抽出された特徴点であるA1点およびB1点と、非駆血状態で測定された脈波2から抽出された特徴点であるA2点およびB2点との、各々の差分が許容値内である場合に、いずれかの特徴点、またはこれらの平均値を用いて指標を算出してもよい。以降、上記ステップS121,S123の動作が行なわれる。
【0068】
測定装置1Bで図15に示される第2の具体例にかかる測定動作が実現されることで、測定部位の抹消側が駆血状態となるよう、または非駆血状態となるように、血圧用空気袋13A内の圧力P2を所定圧力とするための調整をする必要がない。つまり、たとえば4mmHg/sec程度などの一定の減圧調整量で圧力P2を減圧し、その過程で測定した脈波を、測定時の圧力P2と血圧値とを比較することで、駆血中の脈波(脈波1)か非駆血中の脈波(脈波2)であるかを判定している。そのため、煩雑な制御を必要とせずに、精度の高い指標を算出することができ、動脈硬化度の判定により有用な指標を得ることができる。また圧力P2を調整する時間が不要となるために、測定動作に要する時間を短縮することができる。
【0069】
なお、上述の第2の具体例にかかる測定動作の変形例として、測定装置1Bで、図16に示されるような測定動作が行なわれてもよい。図16は、測定装置1Bでの測定動作の第2の具体例の変形例を示すフローチャートである。測定動作の第2の具体例の変形例は、第2の実施の形態で説明された第1の演算アルゴリズムでの演算がなされるときの測定動作の変形例を表わしている。図16に示される動作もまた、被験者等が基体2の操作部3に設けられた測定ボタンを押下することにより、開始し、CPU40がメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して図12に示される各部を制御することによって実現されるものである。また、図17は、測定装置1Bでの測定動作中の空気袋13A,13B内の圧力変化を示す図である。図17(A)は脈波用空気袋13B内の圧力P1の時間変化を示し、図17(B)は血圧用空気袋13A内の圧力P2の時間変化を示している。図17(A),図17(B)で時間軸に付してあるS103〜S121は、測定装置1Bでの測定動作の各動作と一致している。
【0070】
図16を参照して、第2の具体例の変形例にかかる測定動作では、上記ステップS103で脈波用空気袋13B内の圧力P1が、脈波測定に適した圧力である50〜150mmHgの範囲となるよう加圧された状態であって、その後のステップS105で血圧用空気袋13Aが測定部位の末梢側を圧迫するよりも前の段階で、つまり非駆血状態で、CPU40は圧力センサ23Bからの圧力信号に基づいて脈波用空気袋13B内の圧力P1を測定することで脈波を測定する(ステップS104)。ステップS105で測定される脈波は上述のように非駆血中の脈波であるため、上の説明と同じようにして、測定される脈波を説明のために脈波2とする。図17(A),図17(B)の例では、ステップS104の区間において脈波2が測定される。図17(B)に示されるように、血圧用空気袋13A内の圧力P2は、ステップS104の区間では加圧されず、初期の圧力が維持されている。
【0071】
その後、CPU40はエア系20Aに対して制御信号を出力して血圧用空気袋13Aの圧力P2を所定圧となるまで加圧して、血圧用空気袋13Aで測定部位の末梢側を圧迫する(ステップS105)。上記所定圧は、上述のように、好ましくは最高血圧値+40mmHg程度の圧力である。圧力P2が上記所定圧に達した後、CPU40はエア系20Aに対して制御信号を出力して血圧用空気袋13A内の圧力P2の減圧を開始する(ステップS107)。ここでの減圧調整量は、好ましくは4mmHg/sec程度である。
【0072】
血圧用空気袋13A内の圧力P2の減圧過程において、CPU40は圧力センサ23Bからの圧力信号に基づいて脈波用空気袋13B内の圧力P1を測定することで脈波を測定し特徴点を抽出する(ステップS108’)。その際、CPU40は、圧力センサ23Aから得られる圧力信号に基づいて血圧用空気袋13A内の圧力P2を測定し、測定された脈波を、測定時の血圧用空気袋13A内の圧力P2と共にメモリ41の所定領域に記憶する。なお、ステップS108’での測定動作は、上記ステップS104で非駆血状態で脈波2が測定されているため、駆血状態での脈波1を測定することを主な目的としている。そのため、上記ステップS108’での測定動作は、上述のステップS108に比べて短い区間、好ましくは血圧用空気袋13A内の圧力P2が最大圧から最高血圧に達するまでの間に行なわれる。図17(A),図17(B)の例ではステップS108’の区間に脈波の測定が行なわれている。ステップS108’の区間は、図14(A),図14(B)の例ではステップS109の区間に相当する。一方、先述のように、上述のステップS108は図14(A),図14(B)の例ではステップS109,S115の区間に相当する。つまり、図14,図17にも示されているように、ステップS108’の測定動作はステップS108の測定動作よりも短い区間で行なわれる。
【0073】
その後の減圧過程においては、つまり、血圧用空気袋13A内の圧力P2が最低血圧に達するまでの減圧過程において、CPU40は血圧測定のみを行なう。そのため、上記ステップS108’よりも後の減圧過程において、CPU40は、減圧調整量を増加させる。好ましくは減圧調整量を4mmHg/sec以上とする。
そして、血圧測定が完了すると(ステップS117)、CPU40は、上記ステップS108’で測定された脈波に関連付けて記憶されている測定時の血圧用空気袋13A内の圧力P2と、取得した最高血圧(SYS)および最低血圧(DIA)とを比較することで、測定された脈波が、駆血状態で測定されたものであるか、非駆血状態で測定されたものであるかを判別する(ステップS118’)。そして、測定された脈波から特徴点を抽出し(ステップS118)、その特徴点より、先述の指標を算出し、動脈硬化度を判定する(ステップS119)。先述のように、上記ステップS104において非駆血状態で脈波2が測定されている。従って、上記ステップS118’でCPU40は、ステップS108’で測定された脈波の中から駆血状態で測定された脈波1を抽出してもよい。以降、上記ステップS119,S121,S123の測定動作が行なわれる。
【0074】
測定装置1Bで図16に示される第2の具体例の変形例にかかる測定動作が実現されることで、さらに、上記ステップS108’で脈波の測定が終了した後には、血圧用空気袋13A内の圧力P2の減圧速度を速めることができる。そのため、測定動作に要する時間をより短縮することができる。
【0075】
図18は、測定装置1Bでの測定動作の第3の具体例を示すフローチャートである。測定動作の第3の具体例は、第1の実施の形態で説明された第4の演算アルゴリズムでの演算がなされるときの測定動作を表わしている。図16に示される動作もまた、被験者等が基体2の操作部3に設けられた測定ボタンを押下することにより、開始し、CPU40がメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して図12に示される各部を制御することによって実現されるものである。図15において、図13のフローチャートに示された第1の具体例にかかる測定動作、図15のフローチャートに示された第2の具体例にかかる測定動作と同様の測定動作については、同じステップ番号が付されている。
【0076】
図18を参照して、第3の具体例にかかる測定動作では、CPU40は、上記ステップS108と同様にして、血圧用空気袋13A内の圧力P2の減圧過程において脈波を測定し、測定時の血圧用空気袋13A内の圧力P2と共にメモリ41の所定領域に記憶する。そして、CPU40は、上記ステップS109と同様にして、測定時の圧力P2と最高血圧(SYS)および最低血圧(DIA)とを比較することで、測定された脈波が、駆血状態で測定されたものであるか、非駆血状態で測定されたものであるかを判別する。そして、測定された脈波から特徴点を抽出する(ステップS118)。さらに、第3の具体例にかかる測定動作では、CPU40は、上記ステップS18Aと同様に、駆血状態で測定された脈波から抽出された特徴点1と非駆血状態で測定された脈波から抽出された特徴点2とを比較して、これらの差分が許容値以上であるか否かを判断する(ステップS118−1)。ステップS118−1において、特徴点1と特徴点2との差分が許容値以上であると判断された場合には(ステップS118−1でNO)、CPU40は、上記ステップS18Cと同様に、判定結果の信頼性が低い旨を報知する画面を表示部4で表示するための処理を行ない、その旨を報知した上で(ステップS118−2)、測定動作を進め、第2の具体例にかかる測定動作と同様に、抽出された特徴点より、先述の指標を算出し、動脈硬化度を判定する。
【0077】
測定装置1Bで図18に示される第3の具体例にかかる測定動作が実現されることで、駆血状態で測定された脈波(脈波1)から抽出された特徴点(A1点、B1点)と非駆血状態で測定された脈波(脈波2)から抽出された特徴点(A2点、B2点)との差分が許容値以上であった場合にも、信頼性が低い旨が報知された上でこれら特徴点を用いて指標が算出される。そのため、再測定が行なわれず、1回の測定動作で指標が算出されるために、動脈硬化度の判定に要する時間を短縮することができる。
【0078】
なお、測定装置1Aおよび測定装置1Bでは、血圧用空気袋13Aが駆血用と血圧値算出用とに兼用されている。そして、血圧用空気袋13Aの内圧変化に基づいて血圧値が算出され、脈波用空気袋13Bの内圧変化に基づいて脈波を測定されている。しかしながら、血圧用空気袋13Aは駆血用にのみ用いられて、脈波用空気袋13Bの内圧変化に基づいて血圧値が算出されてもよい。
【0079】
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態、および第2の実施の形態においては、測定部位の末梢側を駆血して反射波の影響を抑えた状態で測定された脈波(脈波1)からは、特に、反射波に由来する特徴点が抽出されにくい場合があるために、末梢側を駆血しない非駆血状態で脈波(脈波2)を測定し、非駆血状態での脈波から特徴点を抽出するものとしている。その場合、心臓からの駆出波に掌部などの末梢からの反射波が合成された脈波波形が測定される。しかしながら、測定部位である上腕から掌までの長さは被験者によって異なる。測定部位である上腕から掌までの長さは、駆出波と反射波との位置関係、つまり合成波である測定される脈波の波形に影響する。これにより、得られる指標の精度が影響を受け、動脈硬化度の判定にも影響することもある。
【0080】
この影響を抑える1つの方法として、操作部3などにより、予め測定部位である上腕から大きな反射が発生する位置である掌までの長さを入力し、該長さを用いて測定された脈波を補正する方法が挙げられる。他の方法として、測定部位から反射位置までの長さを所定の長さに固定する方法が挙げられる。
【0081】
そこで、第3の実施の形態では、測定部位から反射位置までの長さを所定の長さに固定し、駆出波に測定部位から規定された長さにある末梢からの反射波を合成させるために、測定部位に装着する測定用の空気袋とは別に、末梢に装着するカフを備える構成とする。第3の実施の形態として、血圧用空気袋13Aとは別に、駆血用の空気袋を備える構成である測定装置1Cでの測定動作について説明する。
【0082】
図19(A)は、第3の実施の形態にかかる測定装置1Cを用いて脈波を測定する際の測定姿勢を示す模式断面図である。
【0083】
図19(A)を参照して、測定装置1Cには、測定部位よりも末梢側として、たとえば手首に巻き付ける腕帯8が備えられる。腕帯8には、図19(B)に示されるように駆血用空気袋13Cが含まれる。腕帯8は、先述のように、血圧用空気袋13Aおよび脈波用空気袋13Bを含む腕帯9から末梢側に所定の長さの位置である手首に装着される。装着位置は、測定者によって判断されるものであってもよい。好ましくは、腕帯8と腕帯9とを接続する上記所定の長さのベルトなど、腕帯8の装着位置を特定し得る構成が備えられる。駆血用空気袋13Cは、膨張することによって手首を圧迫する。
【0084】
図20は、測定装置1Cの機能ブロックを示す図である。図20を参照して、測定装置1Cは、図5に示された測定装置1Aの構成に加えて、駆血用空気袋13Cにエアチューブを介して接続されるエア系30Cを含む。
【0085】
エア系30Cは、エアポンプ21Cと、エアバルブ22Cと、圧力センサ23Cとを含む。エアポンプ21Cは、駆血用空気袋13Cを加圧するための手段である。エアポンプ21Cは、CPU40からの指令を受けたエアポンプ駆動回路26Cによって駆動されて、駆血用空気袋13C内に圧縮気体を送り込む。エアバルブ22Cは、駆血用空気袋13C内の圧力の維持したり、減圧したりするための手段である。エアバルブ22Cは、CPU40からの指令を受けたエアバルブ駆動回路27Cによってその開閉状態が制御される。エアバルブ22Cの開閉状態が制御されることで、駆血用空気袋13C内の圧力が制御される。圧力センサ23Cは、駆血用空気袋13C内の圧力を検出するための手段である。圧力センサ23Cは、駆血用空気袋13C内の圧力を検出し、その検出値に応じた信号を増幅器28Cに対して出力する。増幅器28Cは、圧力センサ23Cから出力される信号を増幅し、変換器29Cに出力する。変換器29Cは、増幅器28Cから出力されたアナログ信号をデジタル化し、CPU40に出力する。
【0086】
CPU40は、測定装置の基体2に設けられた操作部3に入力された指令に基づいてエア系20A,20B,20Cおよび2ポート弁駆動回路53を制御する。
【0087】
さらに、測定装置1Cは、好ましくは、脈波用空気袋13Bから駆血用空気袋13Cまで動脈の長さを入力する手段を備える。脈波用空気袋13Bから駆血用空気袋13Cまで動脈の長さは、簡単には、脈波用空気袋13Bから駆血用空気袋13Cまでの腕の長さ、つまり腕帯8と腕帯9との間の腕の長さとすることができる。この長さを入力する手段の具体的な構成は限定されない。たとえば、操作部3に、当該長さを入力するためのスイッチが含まれてもよく、測定者が当該スイッチを用いて入力することで、当該長さが入力される構成であってもよい。またたとえば、上述のように腕帯8と腕帯9とはベルトで接続されて、上記ベルトには長さを検出する機構が設けられており、腕帯8と腕帯9とを装着した後に当該ベルトを腕に沿って弛まないように長さを調整することで上記機構で腕帯8と腕帯9との間の腕の長さが入力される構成であってもよい。
【0088】
図21は、測定装置1Cでの測定動作の第1の具体例を示すフローチャートである。測定動作の第1の具体例は、第1の実施の形態で説明された第1の演算アルゴリズムでの演算がなされるときの測定動作を表わしている。図21に示される動作は、被験者等が基体2の操作部3に設けられた測定ボタンを押下することにより、開始し、CPU40がメモリ41に記憶されるプログラムを読み出して図20に示される各部を制御することによって実現されるものである。また、図22は、測定装置1Aでの測定動作中の空気袋13A,13B,13C内の圧力変化を示す図である。図22(A)は駆血用空気袋13C内の圧力P3の時間変化を示し、図22(B)は脈波用空気袋13B内の圧力P1の時間変化を示し、図22(C)は血圧用空気袋13A内の圧力P2の時間変化を示している。図22(A),図22(B),図22(C)で時間軸に付してあるS3〜S21は、後述する測定装置1Cでの測定動作の各動作と一致している。
【0089】
図21を参照して、測定装置1Cでは、測定装置1Aでの測定動作の第1の具体例での、ステップS1〜S13と同様の動作が行なわれる。その間、測定装置1Cでは、図22(A)に示されるように、駆血用空気袋13C内の圧力P3は初期の圧力が維持されている。
【0090】
ステップS11で駆血中の脈波1から特徴点1が抽出されなかった場合(ステップS13でNO)、CPU40はステップS15で血圧用空気袋13Aの圧力P2が少なくと最高血圧よりも低くなるよう、たとえば55mmHg程度となるよう減圧調整すると共に、エア系20Cに対して制御信号を出力して、駆血用空気袋13C内の圧力P3を所定圧となるよう加圧する(ステップS16)。ステップS16でCPU40は、圧力P3が少なくとも最高血圧よりも高くなるよう、たとえば最高血圧+40mmHg程度の圧力となるよう加圧する。これにより、血圧用空気袋13Aは測定部位近傍の末梢側の動脈を駆血しておらず、駆血用空気袋13Cは測定部位から所定の長さの位置に装着された腕帯8の位置で動脈を駆血している状態となる。その後、つまり、測定部位から末梢側に上記所定長さの分だけ駆血されていない状態で、ステップS17でCPU40は、圧力センサ23Bからの圧力信号に基づいて脈波用空気袋13B内の圧力P1を測定することで脈波を測定し特徴点を抽出する。以降、測定装置1Aと同様の測定動作が行なわれる。
【0091】
測定装置1Cでの測定動作の、第1の実施の形態で説明された第2の演算アルゴリズム〜第4の演算アルゴリズムがなされるときの測定動作でも同様にすることができる。
【0092】
図23のフローチャートは測定装置1Cでの測定動作の第2の具体例を示し、図24のフローチャートは第3の具体例を示し、図25のフローチャートは第4の具体例を示している。これらフローチャートに示された測定動作は、各々、図9〜図11に示された測定装置1Aでの測定動作の第2の具体例〜第4の具体例にかかる測定動作とほぼ同様である。いずれも、ステップS17で非駆血状態で脈波2を測定する際に、ステップS16で駆血用空気袋13C内の圧力P3を少なくとも最高血圧よりも高くなるよう加圧して、血圧用空気袋13Aは測定部位近傍の末梢側の動脈を駆血しておらず、駆血用空気袋13Cは測定部位から所定の長さの位置に装着された腕帯8の位置で動脈を駆血している状態としている。
【0093】
測定装置1Cで図21,図23〜図25に示される測定動作が実現されることで、非駆血状態として脈波(脈波2)を測定する際、駆出波が反射する位置を調整することができる。これにより、非駆血状態で測定される脈波の波形から、被験者ごとに異なる、測定部位から駆出波が反射する位置までの長さに由来する影響を抑えることができる。そのため、指標をより精度よく算出することができ、動脈硬化度の判定に有用な指標を得ることができる。
【0094】
なお、上の例では、上腕を測定部位として、上腕から所定の長さの位置に該当する手首にのみ駆血用の空気袋を含む腕帯を装着するものとしているが、測定部位が異なるなどして抹消側の反射位置が複数想定される場合等、各々駆血用の空気袋を含む複数の腕帯を装着するようにしてもよい。そのようにすることで、指標をより精度よく算出することができる。
【0095】
さらに、上の例では、測定装置1Cは測定装置1Aの構成に加えて駆血用空気袋13Cを含んでいるものとしている。しかしながら、測定装置1Cは、測定装置1Bの構成に加えて駆血用空気袋13Cを含む構成であってもよい。この場合、血圧用空気袋13A内の圧力P2が最高血圧よりも低くなった場合(ステップS111でNO)や、ステップS104で加圧過程において脈波を測定する際に、駆血用空気袋13C内の圧力P3を少なくとも最高血圧よりも高くし、測定部位から所定の長さの位置で駆血する。
【0096】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる測定装置の外観の具体例を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる測定装置を用いて血圧情報を測定する際の測定姿勢と、腕帯の構成との具体例を示す模式断面図である。
【図3】動脈硬化度を判定するための指標と脈波波形との関係を説明する図である。
【図4】駆出波と反射波との間の時間差TrとPWVとの相関の具体例を示す図である。
【図5】末梢側が駆血された状態で測定される脈波と、駆血されていない状態で測定される脈波とを表わす図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる測定装置の機能ブロックを示す図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる測定装置での測定動作の第1の具体例を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態にかかる測定装置での測定動作中の各空気袋内の圧力変化を示す図である。
【図9】第1の実施の形態にかかる測定装置での測定動作の第2の具体例を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態にかかる測定装置での測定動作の第3の具体例を示すフローチャートである。
【図11】第1の実施の形態にかかる測定装置での測定動作の第4の具体例を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態にかかる測定装置の機能ブロックを示す図である。
【図13】第2の実施の形態にかかる測定装置での測定動作の第1の具体例を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態にかかる測定装置での測定動作中の各空気袋内の圧力変化を示す図である。
【図15】第2の実施の形態にかかる測定装置での測定動作の第2の具体例を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施の形態にかかる測定装置での測定動作の第2の具体例の変形例を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態にかかる測定装置での測定動作中の各空気袋内の圧力変化を示す図である。
【図18】第2の実施の形態にかかる測定装置での測定動作の第3の具体例を示すフローチャートである。
【図19】第3の実施の形態にかかる測定装置を用いて血圧情報を測定する際の測定姿勢と、腕帯の構成との具体例を示す模式断面図である。
【図20】第3の実施の形態にかかる測定装置の機能ブロックを示す図である。
【図21】第3の実施の形態にかかる測定装置での測定動作の第1の具体例を示すフローチャートである。
【図22】第3の実施の形態にかかる測定装置での測定動作中の各空気袋内の圧力変化を示す図である。
【図23】第3の実施の形態にかかる測定装置での測定動作の第2の具体例を示すフローチャートである。
【図24】第3の実施の形態にかかる測定装置での測定動作の第3の具体例を示すフローチャートである。
【図25】第3の実施の形態にかかる測定装置での測定動作の第4の具体例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0098】
1A,1B,1C 測定装置、2 基体、3 操作部、4 表示部、8,9 腕帯、10 エアチューブ、13A 血圧用空気袋、13B 脈波用空気袋、13C 駆血用空気袋、20A,20B,20C エア系、21A,21B,21C エアポンプ、22A,22B,22C エアバルブ、23A,23B,23C 圧力センサ、26A,26B,26C エアポンプ駆動回路、27A,27B,27C エアバルブ駆動回路、28A,28B,28C 増幅器、29A,29B,29C A/D変換器、40 CPU、41 メモリ、51 2ポート弁、53 2ポート弁駆動回路、100 上腕。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定部位の中枢側に巻付けられる第1流体袋、および末梢側に巻付けられる第2流体袋と、
前記第1流体袋の内圧を測定する第1センサ、および前記第2流体袋の内圧を測定する第2センサと、
前記測定部位の中枢側の動脈の圧力変化に対応する前記第1流体袋の内圧変化に基づいて、前記測定部位の脈波を検出する検出手段と、
前記第2流体袋の内圧を制御する第1制御手段と、
前記脈波から特徴点を抽出し、前記特徴点を用いて動脈硬化度を判定するための指標を算出する算出手段とを備え、
前記検出手段は、前記第2流体袋の内圧が最高血圧よりも高い圧力で前記測定部位の末梢側を圧迫している第1の状態のときの第1の脈波と、前記第2流体袋の内圧が少なくとも最高血圧よりも低い圧力で前記測定部位の末梢側を圧迫している第2の状態のときの第2の脈波とを検出し、
前記算出手段は、前記第1の脈波から抽出される第1の特徴点と、前記第2の脈波から抽出される第2の特徴点とを用いて前記指標を算出する、血圧情報測定装置。
【請求項2】
測定部位の中枢側に巻付けられる第1流体袋、および末梢側に巻付けられる第2流体袋と、
前記第1流体袋の内圧を測定する第1センサ、および前記第2流体袋の内圧を測定する第2センサと、
前記測定部位の中枢側の動脈の圧力変化に対応する前記第1流体袋の内圧変化に基づいて、前記測定部位の脈波を検出する検出手段と、
前記第2流体袋の内圧を制御する第1制御手段と、
前記脈波から特徴点を抽出し、前記特徴点を用いて動脈硬化度を判定するための指標を算出する算出手段と、
前記検出手段で脈波が検出された際の前記第2流体袋の内圧と最高血圧とを比較することで、前記脈波が、前記第2流体袋の内圧が最高血圧よりも高い圧力で前記測定部位の末梢側を圧迫している第1の状態のときに検出された前記第1の脈波であるか、前記第2流体袋の内圧が少なくとも最高血圧よりも低い圧力で前記測定部位の末梢側を圧迫している第2の状態のときに検出された前記第2の脈波であるかを判別する判別手段とを備え、
前記算出手段は、前記第1の脈波から抽出される第1の特徴点と、前記第2の脈波から抽出される第2の特徴点とを用いて前記指標を算出する、血圧情報測定装置。
【請求項3】
前記第1制御手段は、前記検出手段で脈波を検出する際に、前記第2流体袋の内圧を少なくとも最高血圧よりも高くなるように加圧し、その後、減圧するための制御を行ない、
前記検出手段は、前記算出手段において、前記第2流体袋の内圧が少なくとも最高血圧よりも高い前記第1の状態のときに検出された前記第1の脈波から前記指標が算出されなかった場合に、その後の減圧過程において脈波を検出する、請求項1または2に記載の血圧情報測定装置。
【請求項4】
前記指標は、駆出波の立ち上がりの出現時間と反射波の立ち上がりの出現時間との時間差であるTr(Traveling time to reflected wave)と、駆出波のピークの出現時間と反射波のピークの出現時間との時間差であるTppと、駆出波のピークでの振幅と反射波のピークでの振幅の割合であるAI(Augmentation Index)とのうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の血圧情報測定装置。
【請求項5】
前記測定部位から末梢側に所定長さの位置に巻き付けられる第3流体袋と、
前記第3流体袋の内圧を制御する第2制御手段とをさらに備え、
前記第2制御手段は、前記第2流体袋の内圧が少なくとも最高血圧よりも低い圧力で前記測定部位の末梢側を圧迫している前記第2の状態のときに、前記第3流体袋の内圧を少なくとも最高血圧よりも高い圧力として前記測定部位から末梢側に前記所定長さの位置を圧迫するよう制御する、請求項1〜4のいずれかに記載の血圧情報測定装置。
【請求項6】
前記測定部位に巻き付けられた前記第1流体袋から、前記測定部位から末梢側に巻き付けられた前記第3流体袋までの、前記測定部位に連続する生体の長さを入力する入力手段をさらに備える、請求項5に記載の血圧情報測定装置。
【請求項7】
前記測定部位としての上腕から、駆出波の反射位置としての掌までの長さを入力する入力手段をさらに備える、請求項1〜6のいずれかに記載の血圧情報測定装置。
【請求項8】
血圧情報測定装置で測定された脈波より動脈硬化度を判定するための指標を取得する方法であって、
前記血圧情報測定装置は、
測定部位の中枢側に巻付けられる第1流体袋、および末梢側に巻付けられる第2流体袋と、
前記第1流体袋の内圧を測定する第1センサ、および前記第2流体袋の内圧を測定する第2センサと、
前記測定部位の中枢側の動脈の圧力変化に対応する前記第1流体袋の内圧変化に基づいて、前記測定部位の脈波を検出する検出手段と、
前記第2流体袋の内圧を制御する制御手段と、
前記脈波から特徴点を抽出し、前記特徴点を用いて動脈硬化度を判定するための指標を算出する算出手段とを備え、
前記制御手段が、前記第2流体袋の内圧が少なくとも最高血圧よりも高い圧力で前記測定部位の末梢側を圧迫している第1の状態となるよう前記第2流体袋の内圧を制御するステップと、
前記第1の状態において、前記検出手段で第1の脈波を測定するステップと、
前記算出手段が、前記第1の脈波より前記指標を算出するステップと、
前記算出手段において前記第1の脈波より前記指標が算出されなかった場合に、前記制御手段が、前記第2流体袋の内圧が少なくとも最高血圧よりも低い圧力で前記測定部位の末梢側を圧迫している第2の状態となるよう前記第2流体袋の内圧を制御するステップと、
前記第2の状態において、前記検出手段で第2の脈波を測定するステップと、
前記算出手段が、前記第2の脈波より前記指標を算出するステップとを備える、指標取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−284966(P2009−284966A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138385(P2008−138385)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】