説明

血圧情報測定装置用カフおよびこれを備えた血圧情報測定装置

【課題】上腕に対する装着が容易に行なえるとともに、安定的に上腕に対する装着が再現でき、加えて構成が簡素で安価に製作することができる血圧計用カフを提供する。
【解決手段】カフは、生体を圧迫するための空気袋34と、空気袋34を内包する外装カバー30と、外装カバー30に設けられた固定ユニット40とを備える。外装カバー30の他端部30b寄りの部分は、固定ユニット40に設けられたローラ44とストッパ46との間を挿通しており、ストッパ46によってローラ44に向けて押し付けられることで固定される。ローラ44は、外装カバー30の環状の部分の大きさが減じる方向にのみ回転可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧値等の血圧情報を測定する際に被測定部位に装着されて使用される血圧情報測定装置用カフおよびこれを備えた血圧情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被験者の血圧情報を取得することは、被験者の健康状態を知る上で非常に重要なことである。近年では、従来から健康管理の代表的な指標として広くその有用性が認められている収縮期血圧値(最高血圧値)、拡張期血圧値(最低血圧値)等を取得することに限られず、被験者の脈波を取得することによって心臓負荷や動脈の硬さの変化を捉える試み等がなされている。血圧情報測定装置は、取得した血圧情報に基づいてこれら健康管理のための指標を得るための装置であり、循環器系の疾患の早期発見や予防、治療等の分野においてさらなる活用が期待されている。なお、上述した血圧情報には、収縮期血圧値、拡張期血圧値、平均血圧値、脈波、脈拍、AI(Augmentation Index)値等、循環器系の種々の情報が広く含まれる。
【0003】
一般に、血圧情報の測定には、流体袋を内包する血圧情報測定装置用カフ(以下、単にカフとも称する)が利用される。ここで、カフとは、内腔を有する帯状の構造物であって生体の一部に巻き付けが可能なものを意味し、気体や液体等の流体を内腔に注入したり内腔から排出したりすることにより流体袋を膨張・収縮させて血圧情報の測定に利用されるもののことを指す。たとえば、収縮期血圧値や拡張期血圧値等の血圧値を測定するための血圧情報測定装置(以下、単に血圧計とも称する)においては、動脈を圧迫するための流体袋を内包するカフを生体の体表面に巻き付け、巻き付けられた流体袋を膨張・収縮させて動脈圧脈波を流体袋の内圧の変化として捉えることにより、血圧値の測定が行なわれる。なお、特に腕に巻き付けられて使用されるカフは、腕帯あるいはマンシェットとも呼ばれる。
【0004】
通常、カフは、流体袋としての空気袋と、当該空気袋を内包するとともに表面に面ファスナが設けられてなる帯状の外装カバーとによって主として構成されている。従来、普及しているカフは、外装カバーの長手方向の一端部に取付けられた環状のリングに外装カバーの長手方向の他端部が挿通されて折り返されることで環状の形態とされ、この外装カバーの環状の部分に被測定部位を挿入して被測定部位にカフを巻き回した状態とし、外装カバーを締め付けてこれを面ファスナを用いて固定することにより、空気袋を被測定部位に巻き付け固定した状態とすることで血圧情報の測定が可能となるように構成されている(たとえば、実開昭63−56003号公報(特許文献1)の第2図参照)。
【0005】
しかしながら、上述の如くのカフにあっては、巻き付け作業が被験者の手に委ねられているため、確実な巻き付けが必ずしも再現されるとは限らない。この確実な巻き付けが再現されない場合には、測定値にばらつきが生じ、精度よく安定的に血圧情報を測定することが困難になる。
【0006】
そこで、再現性よくカフが確実に被測定部位に巻き付けられることとなるように、種々の構成のカフが提案されている。たとえば、特開2002−209858号公報(特許文献2)には、流体袋としての空気袋に加え、カーラと呼ばれる湾曲弾性板からなる芯材を内部に収容した構成のカフが開示されている。このようなカーラを備えたカフにおいては、装着後においてカーラによって空気袋が被測定部位に対して適度な押圧力にて押し付けられて固定されることになるため、被測定部位に対する確実な空気袋の固定が再現されるようになる。
【0007】
しかしながら、上述のカーラを内包させたカフにおいては、巻き付け作業が煩雑になる問題がある。これは、カフがある程度の剛性を有する部材にて構成されることによりその取扱いが困難になるためであり、カフの装着に際してカーラを押し広げて被測定部位に宛がうことに煩雑さが生じてしまうためである。
【0008】
そこで、上述のカーラを内包させたカフにおいてさらなる装着の容易化を図るために、特開2006−68318号公報(特許文献3)には、ワンタッチ動作で被測定部位に着脱が可能なカフの構成が開示されている。当該特許文献3に開示のカフにおいては、付勢バネ等の弾性部材やスライダ等の動力伝達機構をカフの内部に組み込み、付勢バネの付勢力によって最適な締付け力で再現性よくカフが被測定部位に装着されるように構成するとともに、使用者の操作に連動してカーラの径方向の大きさが可変となるようにし、これによりワンタッチ動作でのカフの着脱を可能にしている。
【0009】
また、特開2007−268052号公報(特許文献4)には、シート状の第1コア(カーラ)の外側に重ねて取付けることで当該第1コアを湾曲させる第2コアをカフの内部に組み込み、当該第2コアにラチェット機構と類似の固定手段を設けて締め付け動作時に第2コアが拡径しないように構成するとともに、使用者の操作に連動して第2コアの径方向の大きさが可変となるようにし、これによりワンタッチ動作でのカフの着脱を可能にしている。
【0010】
さらに、特開2007−75294号公報(特許文献5)や国際公開第03/101290号パンフレット(特許文献6)には、付勢バネおよび巻取りローラからなる巻取り装置をカフの内部に組み込み、空気袋が取付けられた帯状のベルト部材の一端をこの巻取り装置にて巻き取ることにより、付勢バネの付勢力によって最適な締付け力で再現性よくカフが被測定部位に装着されるように構成されたカフが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実開昭63−56003号公報
【特許文献2】特開2002−209858号公報
【特許文献3】特開2006−68318号公報
【特許文献4】特開2007−268052号公報
【特許文献5】特開2007−75294号公報
【特許文献6】国際公開第03/101290号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献5および6に開示のカフにあっては、非装着状態においてカフが非環状の形態を有しているため、カフを被測定部位に環状に巻き回した状態においてこれを被測定部位に固定することが必要であり、帯状のベルト部材の一端と他端とに係合のための係合部が設けられた構成とされている。このような構成のカフとした場合には、装着に際して帯状のベルト部材を被測定部位に宛がった状態を維持しつつ上記係合部を係合させる作業が必要であり、片手での操作が困難となって両手での操作が強いられることになる。したがって、被験者自らがカフを一方の腕に巻き付けることが必要となる家庭用の血圧計において上述の如くの構成を採用した場合には、そもそもカフの装着が1人では容易には行なえないという問題が生じてしまう。
【0013】
一方、上記特許文献3および4に開示のカフにおいては、非装着状態においてカフが環状の形態を有しているため、その中空開口部に被測定部位を挿入することで片手でのワンタッチ動作でのカフの着脱が可能にはなるものの、装置構成の都合上、カーラを含むカフの径方向の大きさを制限なく可変に構成することができず、適用が可能な被測定部位の周長に制限が生じてしまうといった問題や、装置構成が複雑になり、製造コストが大幅に増加してしまうといった問題を招来していた。
【0014】
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、被測定部位に対する装着が容易に行なえるとともに、安定的に被測定部位に対する装着が再現でき、加えて構成が簡素で安価に製作することができる血圧情報測定装置用カフおよびこれを備えた血圧情報測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に基づく血圧情報測定装置用カフは、流体袋と、外装カバーと、固定手段とを備えている。上記流体袋は、生体を圧迫するためのものであり、上記外装カバーは、生体に巻き付けられる環状の部分と当該環状の部分に重ね合わされた重なり部分とを有し、上記流体袋を内包する帯状の部材からなる。上記固定手段は、上記外装カバーの重なり部分を上記外装カバーの環状の部分に固定するものであり、一方向にのみ回転可能なローラと、上記ローラと対峙するストッパと、上記ストッパを上記ローラ側に向けて押動可能な押動手段とを含んでいる。上記外装カバーの重なり部分は、上記ローラと上記ストッパとの間に挿通され、上記押動手段により上記ストッパが上記ローラ側に向けて押動されることで上記ローラの表面に向けて押し付けられ、これにより上記ローラとの間に生じる摩擦力によって上記外装カバーの環状の部分に固定される。上記ローラは、上記ストッパとの間で上記外装カバーの重なり部分を挟み込んだ状態において上記外装カバーの環状の部分の大きさが減じる方向にのみ回転可能である。
【0016】
上記本発明に基づく血圧情報測定装置用カフにあっては、上記押動手段が、上記ストッパを上記ローラに向けて付勢するバネにて構成されていることが好ましい。
【0017】
上記本発明に基づく血圧情報測定装置用カフにあっては、上記押動手段が、通電状態において収縮し、非通電状態において伸張する形状記憶合金からなる部材にて構成されていてもよい。
【0018】
上記本発明に基づく血圧情報測定装置用カフは、さらに、上記ローラと上記ストッパとを離間させることにより、上記外装カバーの重なり部分が上記外装カバーの環状の部分に固定されることを解除可能にする解除手段を備えていることが好ましい。
【0019】
上記本発明に基づく血圧情報測定装置用カフにあっては、上記解除手段が、上記ローラに対する上記ストッパの位置を相対的に可変に調節する位置調節機構にて構成されていることが好ましく、その場合に、上記位置調節機構が、手動操作可能なストッパ位置操作部を有していることが好ましい。
【0020】
上記本発明に基づく血圧情報測定装置用カフにあっては、上記解除手段が、通電状態において収縮し、非通電状態において伸張する形状記憶合金からなる部材にて構成されていてもよい。
【0021】
上記本発明に基づく血圧情報測定装置用カフは、さらに、上記流体袋の外側に沿って位置するように上記外装カバーに内包され、上記外装カバーの環状の部分の径方向に沿って弾性変形可能な可撓性の湾曲弾性板を備えていることが好ましい。
【0022】
上記本発明に基づく血圧情報測定装置用カフは、さらに、上記外装カバーの長手方向の一端部に設けられ、上記外装カバーの長手方向の他端部が挿通されることで上記外装カバーを環状の形態に維持するとともに、上記外装カバーの上記他端部寄りの部分を上記外装カバーの環状の部分の周方向に沿って折り返し可能にする引っ掛け部材を備えていることが好ましく、その場合に、上記外装カバーの重なり部分が、上記引っ掛け部材を用いて折り返された部分の上記外装カバーにて構成されていることが好ましい。
【0023】
上記本発明に基づく血圧情報測定装置用カフにあっては、上記ローラの表面が、凹凸形状を有していることが好ましい。
【0024】
上記本発明に基づく血圧情報測定装置用カフにあっては、上記ローラの表面が、ゴム材によって覆われていることが好ましい。
【0025】
上記本発明に基づく血圧情報測定装置用カフにあっては、上記外装カバーの上記他端部に引き手が設けられていることが好ましい。
【0026】
上記本発明に基づく血圧情報測定装置は、上述したいずれかの血圧情報測定装置用カフと、上記流体袋を膨縮させる膨縮機構と、血圧情報を取得する血圧情報取得部とを備えている。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、被測定部位に対する装着が容易に行なえるとともに、安定的に被測定部位に対する装着が再現でき、加えて構成が簡素で安価に製作することができる血圧情報測定装置用カフおよびこれを備えた血圧情報測定装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態1における血圧計用カフおよびこれを備えた血圧計の外観構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1における血圧計の機能ブロックの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1における血圧計の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1における血圧計用カフの詳細な構造を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1における血圧計用カフに具備される固定手段の構成および動作を説明するための概略斜視図および模式側面図である。
【図6】本発明の実施の形態1における血圧計用カフに具備される固定手段の構成および動作を説明するための概略斜視図および模式側面図である。
【図7】第1変形例に係る血圧計用カフの固定手段の構成および動作を説明するための模式側面図である。
【図8】第2変形例に係る血圧計用カフの固定手段の構成および動作を説明するための模式側面図である。
【図9】本発明の実施の形態2における血圧計用カフの外観構造を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態2における血圧計用カフの固定手段の構成および動作を説明するための概略斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態3における血圧計用カフの詳細な構造を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態4における血圧計用カフの外観構造を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態4における血圧計用カフの詳細な構造を示す断面図である。
【図14】本発明の実施の形態5における血圧計の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、血圧情報測定装置用カフおよびこれを備えた血圧情報測定装置として、上腕に巻き付けられて使用されることが企図された血圧計用カフおよびこれを用いて収縮期血圧値および拡張期血圧値等の血圧値を測定可能とした血圧計を例示して説明を行なう。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における血圧計の外観構造を示す斜視図であり、図2は、本実施の形態における血圧計の機能ブロックの構成を示す図である。まず、これら図1および図2を参照して、本実施の形態における血圧計の外観構造および機能ブロックの構成について説明する。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態における血圧計1は、本体10と、カフ20Aと、エア管80とを備えている。本体10は、箱状の筐体を有しており、その上面に表示部13および操作部14が設けられている。本体10は、測定時においてテーブル等の載置面に載置されて使用される。カフ20Aは、外装カバー30と、空気袋34(図2、図4等参照)を主として有しており、上腕が軸方向から挿入可能な環状の部分を含んでいる。カフ20Aは、測定時において上腕に装着されて使用される。エア管80は、分離して構成された本体10とカフ20Aとを接続している。
【0032】
図2に示すように、本体10は、上述した表示部13および操作部14に加え、制御部11と、メモリ部12と、電源部15と、加圧ポンプ17と、排気弁18と、圧力センサ19と、加圧ポンプ駆動回路17aと、排気弁駆動回路18aと、発振回路19aとを有している。加圧ポンプ17、排気弁18および圧力センサ19は、血圧計1に具備されるエア系コンポーネント16に相当し、特に加圧ポンプ17および排気弁18は、空気袋34を膨張および収縮させるための膨縮機構に相当する。
【0033】
空気袋34は、装着状態において上腕を圧迫するための流体袋であり、その内部に内腔としての膨縮空間を有している。空気袋34は、上述したエア管80を介して上述したエア系コンポーネント16である加圧ポンプ17、排気弁18および圧力センサ19のそれぞれに接続されている。
【0034】
制御部11は、たとえばCPU(Central Processing Unit)にて構成され、血圧計1の全体を制御するための手段である。メモリ部12は、たとえばROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)にて構成され、血圧値測定のための処理手順を制御部11等に実行させるためのプログラムを記憶したり、測定結果等を記憶したりするための手段である。表示部13は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)にて構成され、測定結果等を表示するための手段である。操作部14は、被験者等による操作を受付けてこの外部からの命令を制御部11や電源部15に入力するための手段である。電源部15は、制御部11に電源としての電力を供給するための手段である。
【0035】
制御部11は、加圧ポンプ17および排気弁18を駆動するための制御信号を加圧ポンプ駆動回路17aおよび排気弁駆動回路18aにそれぞれ入力したり、測定結果としての血圧値をメモリ部12や表示部13に入力したりする。また、制御部11は、圧力センサ19によって検出された圧力値に基づいて被験者の血圧値を取得する血圧情報取得部(不図示)を含んでおり、この血圧情報測定部によって取得された血圧値が、測定結果として上述したメモリ部12や表示部13に入力される。なお、血圧計1は、測定結果としての血圧値を外部の機器(たとえばPC(Personal Computer)やプリンタ等)に出力する出力部を別途有していてもよい。出力部としては、たとえばシリアル通信回線や各種の記録媒体への書き込み装置等が利用可能である。
【0036】
加圧ポンプ駆動回路17aは、制御部11から入力された制御信号に基づいて加圧ポンプ17の動作を制御する。排気弁駆動回路18aは、制御部11から入力された制御信号に基づいて排気弁18の開閉動作を制御する。加圧ポンプ17は、空気袋34の内腔に空気を供給することにより空気袋34の内部の圧力(以下、「カフ圧」とも称する)を加圧するためのものであり、その動作が上述した加圧ポンプ駆動回路17aによって制御される。排気弁18は、空気袋34の内部の圧力を維持したり、空気袋34の内腔を外部に開放してカフ圧を減圧したりするためのものであり、その動作が上述した排気弁駆動回路18aによって制御される。圧力センサ19は、空気袋34の内部の圧力に応じた出力信号を発振回路19aに入力する。発振回路19aは、圧力センサ19から入力された信号に応じた発振周波数の信号を生成し、生成した信号を制御部11に入力する。
【0037】
図3は、本実施の形態における血圧計の処理の流れを示すフローチャートである。次に、この図3を参照して、本実施の形態における血圧計の処理の流れについて説明する。なお、このフローチャートに従うプログラムは、メモリ部12に予め記憶されており、制御部11がメモリ部12からこのプログラムを読み出して実行することにより、その処理が実行されるものである。
【0038】
血圧値を測定する際には、被験者は予めカフ20Aを上腕に装着し、この状態において本体10に設けられた操作部14を操作して血圧計1の電源をオンにする。これにより、電源部15から制御部11に対して電源としての電力が供給されて制御部11が駆動する。図3に示すように、制御部11は、その駆動後において、まず血圧計1の初期化を行なう(ステップS101)。
【0039】
次に、制御部11は、被験者の測定開始の指示を待ち、被験者が測定開始の指示を操作部14を操作することによって与えた場合に、排気弁18を閉塞させるとともに加圧ポンプ17の駆動を開始し、空気袋34のカフ圧を上昇させる(ステップS102)。この空気袋34を加圧する過程において、血圧値測定のための所定レベルにまでカフ圧が達すると、制御部11は、加圧ポンプ17を停止し、次いで閉じていた排気弁18を徐々に開放させて空気袋34内の空気を徐々に排気し、カフ圧を徐々に減圧させる(ステップS103)。本実施の形態における血圧計1においては、このカフ圧の微速減圧過程において血圧値を測定する。
【0040】
次に、制御部11は、公知の手順で収縮期血圧値および拡張期血圧値等の血圧値を算出する(ステップS104)。具体的には、制御部11は、空気袋34のカフ圧が徐々に減圧する過程において発振回路19aから得られる発振周波数に基づき脈波情報を抽出する。そして、制御部11は、抽出された脈波情報に基づいて血圧値を算出する。ステップS104において血圧値が算出されると、制御部11は、測定結果としての血圧値を表示部13に表示する(ステップS105)とともに、当該血圧値をメモリ部12に格納する。
【0041】
その後、制御部11は、空気袋34を開放して空気袋34内の空気を完全に排気し(ステップS106)、被験者の電源オフの指令を待ってその動作を終了する。なお、以上において説明した測定方式は、空気袋34の減圧時に脈波を検出するいわゆる減圧測定方式に基づいたものであるが、空気袋34の加圧時に脈波を検出するいわゆる加圧測定方式を採用することも当然に可能である。
【0042】
図4は、本実施の形態における血圧計用カフの詳細な構造を示す断面図であり、図5および図6は、当該血圧計用カフに具備される固定手段の構成および動作を説明するための図である。ここで、図5(A)および図5(B)は、外装カバーが固定手段によって固定された状態を示す概略斜視図および模式側面図であり、図6(A)および図6(B)は、外装カバーの固定手段による固定が解除された状態を示す概略斜視図および模式側面図である。次に、これら図4ないし図6を参照して、本実施の形態における血圧計用カフの詳細な構造および動作について説明する。
【0043】
図4に示すように、本実施の形態におけるカフ20Aは、空気袋34と、外装カバー30と、引っ掛け部材としての環状リング36と、引き手38と、固定手段としての固定ユニット40とを主として備えている。
【0044】
空気袋34は、好適には樹脂シートを用いて形成された袋状の部材からなり、内部に膨縮空間を有している。空気袋34としては、たとえば2枚の樹脂シートを重ね合わせ、その周縁を溶着することによって袋状に形成されたものが利用される。空気袋34の膨縮空間は、上述したエア管80を介して上述した加圧ポンプ17および排気弁18に接続されており、これら加圧ポンプ17および排気弁18よってその加減圧が行なわれる。なお、空気袋34を構成する樹脂シートの材質としては、伸縮性に富んでおり溶着後において膨縮空間からの漏気がないものであればどのようなものでも利用可能である。このような観点から、樹脂シートの好適な材質としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、軟質塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、天然ゴム(NR)等が挙げられる。
【0045】
外装カバー30は、装着状態において上腕の表面に接触することとなる内側カバー31と、装着状態において上記内側カバー31よりも外側に位置することとなる外側カバー32とを重ね合わせてその周縁を接合(たとえば縫合や溶着等)することによって袋状の帯状部材として形成されており、その長手方向に一端部30aおよび他端部30bを有している。外装カバー30には、上述した空気袋34が内包されている。外装カバー30のうち、内側カバー31としては、空気袋34の膨張によって上腕に加えられる圧迫力が当該内側カバー31によって阻害されないように、十分に伸縮性に富んだ部材が好適に利用される。一方、外側カバー32としては、内側カバー31に比して伸縮性に乏しい部材が利用される。このような観点から、外装カバー30としては、伸縮性の大小を比較的容易に調整することができるポリアミド(PA)、ポリエステル等の合成繊維からなる布地等が利用される。
【0046】
外装カバー30の一端部30aには、環状リング36が取付けられている。より詳細には、外装カバー30の一端部30a寄りの部分を環状リング36に挿通させて折り返して縫合することにより、外装カバー30の一端部30aに環状リング36が取付けられている。環状リング36は、外装カバー30との間に摩擦が生じ難いたとえば金属製の部材にて構成され、外装カバー30の他端部30b寄りの部分を挿通可能な挿通孔を有している。
【0047】
外装カバー30の他端部30bには、引き手38が取付けられている。より詳細には、外装カバー30の他端部30b寄りの部分を引き手38に挿通させて折り返して縫合することにより、外装カバー30の他端部30bに引き手38が取付けられている。引き手38は、たとえば樹脂材料を原料とした射出成形によって形成されており、手で把持することが可能なグリップを有している。
【0048】
図4ないし図6に示すように、固定ユニット40は、外装カバー30の外表面の所定位置に設けられている。固定ユニット40は、外装カバー30に固定されたハウジング41と、当該ハウジング41の内部に配設された支持枠42と、当該支持枠42によって支持されたローラ44、ストッパ46および従動ローラ47と、ローラ44およびストッパ46に組み付けられた押動手段としてのコイルバネ45とを主として備えている。
【0049】
ハウジング41は、カフ20Aの軸方向に沿って延びる箱状の部材からなり、外装カバー30の他端部30b寄りの部分が挿通する開口部41a,41bを有している。支持枠42は、たとえば金属製の平板部材の両端をプレス加工することによって形成されており、ハウジング41の内部に収容された状態でハウジング41に固定されている。支持枠42は、その長手方向(カフ20Aの軸方向に沿う方向)の両端に側壁部42aを一対有している。
【0050】
ローラ44は、カフ20Aの軸方向に沿って延びるようにハウジング41の内部に配設されており、支持枠42の一対の側壁部42aによって回転可能に支持されている。より具体的には、支持枠42の一対の側壁部42aのそれぞれには、正円状の軸支穴42a1が設けられており、当該軸支穴42a1にローラ44のシャフト44aが挿通されることにより、ローラ44が支持枠42によって回転可能に支持されている。
【0051】
ローラ44の両端部近傍の所定位置には、それぞれクラッチ板44bが配設されており、当該クラッチ板44bの各々は、ローラ44のシャフト44aに固定されている。クラッチ板44bは円盤状の部材からなり、その外周面に楔状の歯が周方向に沿って連設されている。支持枠42の一対の側壁部42aの所定位置には、それぞれクラッチ爪43が配設されており、当該クラッチ爪43の各々は、上述したクラッチ板44bの歯にそれぞれ歯合している。クラッチ板44bおよびクラッチ爪43は、いわゆるワンウェイクラッチとして機能するものであり、クラッチ板44bにクラッチ爪43が歯合することによりローラ44を所定の方向にのみ回転可能とするものである。
【0052】
また、ローラ44の表面44cは、好ましくはゴム材にて覆われている。ゴム材の材質としては、外装カバー30が押し付けられた状態において当該外装カバー30との間で大きな摩擦力を生じるものが好ましく、好適には、スチレンブタジエンゴム(SBR)やブタジエンゴム(BR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)等のゴムが利用可能である。
【0053】
ストッパ46は、カフ20Aの軸方向に沿って延びるようにハウジング41の内部に配設されており、支持枠42の一対の側壁部42aによって移動可能かつ回転可能に支持されている。より具体的には、支持枠42の一対の側壁部42aのそれぞれには、長円状の軸支穴42a2が設けられており、当該軸支穴42a2にストッパ46のシャフト46aが挿通されることにより、ローラ44が支持枠42によって移動可能かつ回転可能に支持されている。ストッパ46としては、その表面46cが上述したローラ44と同様にゴム材にて覆われているものを使用することが好ましいが、これに限られず金属製や樹脂製の部材にて構成されていてもよい。
【0054】
ここで、軸支穴42a2は、ストッパ46が上述したローラ44に近接した位置と離間した位置との間で移動可能になるように構成されており、これにより、ストッパ46は、ローラ44に近接した位置に配置された状態(図5(A)および図5(B)に示す状態)と、ローラ44から離間した位置に配置された状態(図6(A)および図6(B)に示す状態)とを採り得ることになる。
【0055】
従動ローラ47は、カフ20Aの軸方向に沿って延びるようにハウジング41の内部に配設されており、支持枠42の一対の側壁部42aによって回転可能に支持されている。より具体的には、支持枠42の一対の側壁部42aのそれぞれには、正円状の軸支穴42a3が設けられており、当該軸支穴42a3に従動ローラ47のシャフト47aが挿通されることにより、従動ローラ47が支持枠42によって回転可能に支持されている。従動ローラ47としては、その表面が滑らかなものを使用することが好ましく、たとえば金属製や樹脂製の部材にて構成されている。
【0056】
また、図5(B)および図6(B)に示すように、ローラ44とストッパ46とには、コイルバネ45(図5(A)および図6(B)においては不図示)が組み付けられている。コイルバネ45は、ストッパ46をローラ44側に向けて付勢するためのものであり、一端がローラ44のシャフト44aに固定されており、他端がストッパ46のシャフト46aに固定されている。これにより、ストッパ46は、上述した2状態のうち、何ら外力が加えられていない状態においてローラ44に近接した位置に配置された状態(すなわち、図5(A)および図5(B)に示す状態)を採ることになる。
【0057】
図4に示すように、本実施の形態におけるカフ20Aにおいては、外装カバー30の他端部30bが、外装カバー30の一端部30aに取付けられた環状リング36の挿通孔に挿通されることで環状の形態に維持されるとともに、外装カバー30の他端部30b寄りの部分が、上記外装カバー30の環状の部分の周方向に沿って環状リング36を基点に折り返され、上記環状の部分に重ね合わされている。したがって、この環状リング36を基点に折り返されて上記環状の部分に重ね合わされた外装カバー30の他端部30b寄りの部分が、重なり部分に相当することになる。そして、折り返された外装カバー30の他端部30b寄りの部分は、外装カバー30の上記環状の部分に取付けられた固定ユニット40を経由して固定ユニット40の外部へと引き出されている。この固定ユニット40から引き出された部分の外装カバー30の先端には、上述した引き手38が取付けられている。
【0058】
ここで、外装カバー30の折り返された部分(すなわち重なり部分)は、固定ユニット40のハウジング41に設けられた開口部41a,41bを挿通しており、固定ユニット40のハウジング41の内部において上述した従動ローラ47に接するとともに上述したローラ44とストッパ46との間を挿通している。
【0059】
図5(A)および図5(B)に示すように、ストッパ46がローラ44に近接した位置に配置された状態においては、外装カバー30の折り返された部分がストッパ46によってローラ44に押し付けられることで外装カバー30の表面とローラ44の表面44cとの間に大きな摩擦力が生じ、外装カバー30の折り返された部分が固定ユニット40を介して外装カバー30の環状の部分に固定されることになる。ここで、上述したクラッチ板44bおよびクラッチ爪43が歯合することでローラ44の回転方向が規制されているため、外装カバー30の折り返された部分は、図中矢印A方向に移動が可能であるものの、図中矢印B方向には移動ができない。そのため、カフ20Aの環状の部分の大きさが小さくなるように操作はできるものの、カフ20Aの環状の部分の大きさが大きくなるように操作することはできない。
【0060】
一方、図6(A)および図6(B)に示すように、ストッパ46がローラ44から離間した位置に配置された状態においては、外装カバー30の折り返された部分がストッパ46によってローラ44に押し付けられた状態にはなく、外装カバー30の折り返された部分が環状の部分に固定されることはない。したがって、外装カバー30の折り返された部分は、図中矢印A方向のみならず図中矢印B方向にも移動が可能となる。そのため、カフ20Aの環状の部分の大きさが小さくなるようにも大きくなるようにも操作することができる。
【0061】
なお、上述した図6(A)および図6(B)に示す如くの状態とするためには、図5(A)および図5(B)に示す状態において、コイルバネ45の付勢力に抗して外装カバー30の折り返された部分がローラ44から遠ざかるように、引き手38を用いて外装カバー30の他端部30b寄りの部分を図6(A)および図6(B)中において示す矢印C方向に引き上げればよく、また図5(A)および図5(B)に示す状態に戻す場合には、上記引き手38の上方に向けての操作をやめればよい。
【0062】
以上において説明したカフ20Aにおいては、以下の装着手順に従って上腕への装着が行なわれる。まず、カフ20Aの環状の部分に軸方向から一方の手を挿入し、カフ20Aの環状の部分を当該挿入した腕の上腕に宛がう。次に、他方の手でカフ20Aの引き手38を握り、当該引き手38を引っ張ることでカフ20Aの環状の部分を縮径させ、上腕に隙間なくぴったりとフィットした状態にする。なお、その際、上述したクラッチ板44bおよびクラッチ爪43からなるワンウェイクラッチの作用により、引き手38を引っ張る力を緩めてもカフ20Aの環状の部分が拡径して緩むことはない。これにより、カフ20Aの上腕への装着が完了する。
【0063】
一方、上腕からカフ20Aを取り外す際には、上述したように引き手38を握って外装カバー30の他端部30b寄りの部分を上方に引き上げ、上腕とカフ20Aの環状の部分との間に隙間を生じさせ、カフ20Aの環状の部分から上腕を抜き出すことでその取り外しが完了する。
【0064】
以上において説明したように、本実施の形態における血圧計用カフ20Aおよびこれを備えた血圧計1とすることにより、引き手38を操作するという非常に簡単な操作でカフ20Aを上腕に対して装着することが可能になる。その際、特別の操作を行なわない限りカフ20Aの環状の部分の径が大きくなってカフ20Aが緩むことはなく、非常に容易にカフ20Aを上腕に対して装着することができる。したがって、上記構成を採用することにより、カフ20Aを上腕に対してぴったりと装着させることが容易となり、再現性よく安定的にカフを上腕に装着させることが可能になる。
【0065】
また、本実施の形態における血圧計用カフ20Aおよびこれを備えた血圧計1においては、ローラ44と当該ローラ44に向けて付勢されたストッパ46とを用いた簡素な構成でカフの締め付け状態を維持する固定手段が構成されている。したがって、複雑な構成の固定手段を採用しなくとも再現性よく安定的に装着が可能なカフが製作可能となり、非常に安価にカフを製作することができる。
【0066】
また、簡単な操作でカフの装着が行なえるようになるため、比較的力の弱い高齢者や女性等であっても容易にカフ20Aを装着することが可能となり、非常に取扱い性に優れた血圧計用カフおよびこれを備えた血圧計とできる。また、装着が容易に行なえるため、上腕の適切な位置にカフ20Aの環状の部分を位置決めして装着させることが比較的簡単に行なえることにもなり、装着位置ずれによる測定誤差の発生が減少し、正確な血圧値の測定が可能になる。また、外装カバー30の長さを十分に長くしておくことにより、上腕の周囲長が長い被験者から上腕の周囲長が短い被験者までどのような被験者に対しても適用が可能なカフおよびこれを備えた血圧計とすることもできる。
【0067】
このように、本実施の形態の如くの血圧計用カフ20Aおよびこれを備えた血圧計1とすることにより、被測定部位としての上腕に対する装着が容易に行なえるとともに、安定的に上腕に対する装着が再現でき、加えて構成が簡素で安価に製作することができる血圧計用カフおよびこれを備えた血圧計とすることができる。
【0068】
図7および図8は、本実施の形態の第1および第2変形例に係る血圧計用カフの固定手段の構成および動作を示す図であり、図7(A)および図8(A)は、外装カバーが固定手段によって固定された状態を示す模式側面図、図7(B)および図8(B)は、外装カバーの固定手段による固定が解除された状態を示す模式側面図である。なお、第1および第2変形例に係る血圧計用カフおよび血圧計は、以下において説明する点を除き上述の本実施の形態における血圧計用カフおよび血圧計と同様の構成を有しているため、その説明はここでは繰り返さない。
【0069】
図7(A)および図7(B)に示すように、第1変形例に係る血圧計用カフにあっては、ローラ44およびストッパ46の表面44c,46cに凹凸が形成されている。ローラ44およびストッパ46の表面44c,46cに設けられる凹凸としては、カフの軸方向に沿って延びる複数の溝としてもよいし、当該表面44c,46cを平面視した場合に全面にわたって均等に配置された凹凸としてもよい。ここで、ローラ44の表面44cおよびストッパ46の表面46cは、上述した本実施の形態における血圧計用カフの場合と同様にゴム材で覆われていることが好ましいが、ゴム材以外の部材にて覆われていてもよい。
【0070】
当該凹凸は、これらローラ44およびストッパ46の間に挿通される外装カバー30と、当該凹凸が設けられたローラ44およびストッパ46の表面44c,46cとの間の摩擦力を高めるためのものであり、ローラ44およびストッパ46のいずれかの表面のみに凹凸が付与されていてもよい。このように構成することにより、外装カバー30がより確実に固定可能となるため、より確実にカフ20Aを上腕にぴったりと装着することが可能になる。
【0071】
図8(A)および図8(B)に示すように、第2変形例に係る血圧計用カフにあっては、ローラ44とストッパ46とに押動手段としての押動部材48が組み付けられている。当該押動部材48は、通電状態において収縮してその長手方向の長さが減少し、非通電状態において伸張してその長手方向の長さが増大する形状記憶合金(SMA)からなる。また、ローラ44とストッパ46とには、ローラ44とストッパ46との間の隙間を広げる方向に向けて付勢するコイルバネ45が組み付けられている。
【0072】
具体的には、形状記憶合金からなる押動部材48は、長手方向の一端がローラ44のシャフト44aに固定されており、長手方向の他端がストッパ46のシャフト46aに固定されている。これにより、押動部材48に電流が印加された通電状態においては、図8(A)に示すようにコイルバネ45の付勢力に抗して押動部材48が収縮してストッパ46がローラ44に近接し、これにより外装カバー30がローラ44に押し付けられた状態とされ、押動部材48に電流が印加されていない非通電状態においては、図8(B)に示すようにコイルバネ45の付勢力も合間って押動部材48が伸張してストッパ46がローラ44から離間し、これにより外装カバー30がローラ44に押し付けられていない状態とされる。
【0073】
したがって、上記構成とした場合には、押動部材48に対する通電/非通電状態を切り替えることにより、外装カバー30の折り返された部分が外装カバー30の環状の部分に固定されるかあるいは固定されないかを電気的に制御することが可能になる。そのため、カフまたは本体のいずれかに上記押動部材48に対する通電/非通電状態を切り替えるスイッチ等を設けることにより、容易にカフの固定状態を切り替えることが可能になり、さらに操作性よくカフを装着することが可能になる。上記押動部材48に対する通電/非通電状態を切り替えるスイッチとしては、本体の電源のオン/オフを切り替える電源ボタンと共通化させることも可能である。なお、コイルバネ45は、押動部材48の動作を補助的にサポートするものであり、場合によってはコイルバネ45を設けずに押動部材48のみを設ける構成としてもよい。
【0074】
また、図8(A)および図8(B)に示した如くの構成において、ローラ44およびストッパ46に組み付けられるコイルバネ45をローラ44とストッパ46との間の隙間を減じる方向に向けて付勢するコイルバネに変更した場合には、形状記憶合金からなる部材を外装カバー30の固定の解除を行なう解除手段(解除部材48)として利用することも可能である。その場合、解除部材48に電流が印加された通電状態においては、図8(A)に示すようにコイルバネ45の付勢力も合間って解除部材48が収縮してストッパ46がローラ44に近接し、これにより外装カバー30がローラ44に押し付けられた状態とされ、解除部材48に電流が印加されていない非通電状態においては、図8(B)に示すようにコイルバネ45の付勢力に抗して解除部材48が伸張してストッパ46がローラ44から離間し、これにより外装カバー30がローラ44に押し付けられていない状態とされる。このように構成した場合にも、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0075】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における血圧計用カフの外観構造を示す斜視図であり、図10は、本実施の形態における血圧計用カフの固定手段の構成および動作を説明するための概略斜視図である。なお、本実施の形態における血圧計用カフは、以下において説明する点を除き、上述した本発明の実施の形態1における血圧計用カフと同様の構成を有しおり、また、本実施の形態における血圧計用カフが具備される血圧計の構成も、上述した本発明の実施の形態1における血圧計と同様であるため、その説明はここでは繰り返さない。
【0076】
図9および図10に示すように、本実施の形態における血圧計用カフ20Bにあっては、固定ユニット40に一対の回動部材50,51と、軸支部材52とが取り付けられている。軸支部材52は、固定ユニット40の支持枠42の一対の側壁部42aを橋渡しするように取り付けられており、その両端に軸支部52aを有している。軸支部52aは、支持枠42の一対の側壁部42aから外側に向けて突出して位置しており、当該軸支部52aに回動部材50,51がそれぞれ嵌め込まれている。これにより、一対の回動部材50,51のそれぞれは、軸支部材52の軸支部52aを回転軸として支持枠42に回動可能に取り付けられることになる。
【0077】
一対の回動部材50,51のそれぞれは、その所定位置がストッパ46のシャフト46aに遊嵌されている。そして、一対の回動部材50,51のうちの一方の回動部材50には、当該回動部材50から連続して延びるように操作レバー部50aが設けられており、当該操作レバー部50aは、固定ユニット40のハウジング41に設けられた開口部を介して外部へと達している。
【0078】
ここで、一対の回動部材50,51および軸支部材52は、ローラ44に対するストッパ46の位置を相対的に可変に調節する位置調節機構に相当し、このうちの回動部材50に設けられた操作レバー部50aは、手動操作にて上記ストッパ46の位置を可変に調節するためのストッパ位置操作部に相当する。
【0079】
具体的には、図10(A)に示すように、操作レバー部50aを操作していない状態においては、ストッパ46がコイルバネ45の付勢力に基づいてローラ44に近接して位置することで、外装カバー30がローラ44に押し付けられた状態とされ、操作レバー部50aが操作されて横方向に倒された状態においては、コイルバネ45の付勢力に抗して回動部材が回動し、これによってストッパ46がローラ44から離間して位置することで、外装カバー30がローラ44に押し付けられていない状態とされる。
【0080】
したがって、本実施の形態の如くの血圧計用カフ20Bおよびこれを備えた血圧計とした場合には、操作レバー部50aを操作することにより、外装カバー30の折り返された部分の外装カバー30の環状の部分に対する固定が容易に解除できるようになり、さらに操作性よくカフを装着することが可能になる。
【0081】
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3における血圧計用カフの詳細な構造を説明するための模式断面図である。なお、本実施の形態における血圧計用カフは、以下において説明する点を除き、上述した本発明の実施の形態1における血圧計用カフと同様の構成を有しおり、また、本実施の形態における血圧計用カフが具備される血圧計の構成も、上述した本発明の実施の形態1における血圧計と同様であるため、その説明はここでは繰り返さない。
【0082】
図11に示すように、本実施の形態における血圧計用カフ20Cにあっては、空気袋34に加え、湾曲弾性板としてのカーラ35が外装カバー30に内包されている。ここで、カーラ35は、空気袋34の外側に沿って配置されており、環状に巻き回されることによって径方向に弾性変形可能に構成された可撓性の部材からなる。カーラ35は、空気袋34の外周面に両面テープ等の接着部材を介して接着・固定されていてもよく、自身の環状形態を維持することによって上腕に沿うように構成されてカフ20Cの芯材となる。
【0083】
カーラ35は、被験者自身がカフ20Cを上腕に装着する際にその装着をし易くするためのものであるとともに、カフ20Cの上腕への装着状態において空気袋34を上腕側に向けて付勢するためのものである。なお、カーラ35は、十分な弾性力を発現するように、たとえばポリプロピレン(PP)等の樹脂部材にて形成される。
【0084】
このように構成することにより、上述したように、装着状態において空気袋34が上腕に対して確実に押し付けられて安定的な巻き付けが再現されるのみならず、カフ20Cを上腕から取り外すために引き手38を握って外装カバー30の他端部30b寄りの部分を下方に引き下げた際に(図6およびその説明を参照)、カーラ35が拡径しようとする復元力により、上述の実施の形態1の如くの構成の血圧計用カフとした場合よりもより大きな隙間が上腕とカフ20Cの環状の部分との間に生じることになり、より容易にカフ20Cを上腕から取り外すことが可能になる。
【0085】
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4における血圧計用カフの外観構造を示す斜視図であり、図13は、本実施の形態における血圧計用カフの詳細な構造を説明するための模式断面図である。なお、本実施の形態における血圧計用カフは、以下において説明する点を除き、上述した本発明の実施の形態1における血圧計用カフと同様の構成を有しおり、また、本実施の形態における血圧計用カフが具備される血圧計の構成も、上述した本発明の実施の形態1における血圧計と同様であるため、その説明はここでは繰り返さない。
【0086】
図12および図13に示すように、本実施の形態における血圧計用カフ20Dにあっては、上述の実施の形態1における血圧計用カフ20Aと異なり、外装カバー30の一端部30aに環状リング36が設けられていない。これに代えて、本実施の形態における血圧計用カフ20Dにおいては、外装カバー30の内部に上述した実施の形態3における血圧計用カフ20Cにおいて具備されていたカーラ35が内包されている。これにより、本実施の形態における血圧計用カフ20Dにおいては、カーラ35によってその環状形態が維持され、外装カバー30の他端部30b寄りの部分が外装カバー30の環状の部分に重ね合わされることで外装カバー30に重なり部分が形成されている。そして、この外装カバー30の重なり部分が、固定ユニット40に挿通された構成とされている。
【0087】
以上において説明した本実施の形態における血圧計用カフ20Dおよびそれを備えた血圧計とした場合にも、上述の実施の形態1および3において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0088】
(実施の形態5)
上述した本発明の実施の形態1においては、カフ20Aの装着後に加圧ポンプ17等を駆動して血圧値を測定する処理を行なうように血圧計1を構成した場合を例示して説明を行なったが、カフ20Aの装着に先立って空気袋34を僅かに予備加圧しておくことにより、カフ20Aの巻き付け状態が最適な巻き付け状態にあるか否かを検知することも可能である。以下においては、そのように血圧計を構成した場合について実施の形態5として説明する。
【0089】
図14は、本発明の実施の形態5における血圧計の処理の流れを示すフローチャートであ。なお、本実施の形態における血圧計用カフおよびこれを備えた血圧計の構成は、上述した本発明の実施の形態1における血圧計のそれと同様であるため、その説明はここでは繰り返さない。
【0090】
図14に示すように、本実施の形態における血圧計にあっては、カフ20Aの装着に先立って、まず本体10に設けられた操作部14を操作して血圧計の電源をオンにする。これにより、電源部15から制御部11に対して電源としての電力が供給されて制御部11が駆動し、血圧計の初期化が行なわれる(ステップS201)。この初期化の後、制御部11は、排気弁18を閉塞させるとともに加圧ポンプ17を駆動し、空気袋34の予備加圧を開始する(ステップS202)。そして、所定容量の空気が空気袋34に導入された後、制御部11は、加圧ポンプ17の駆動を停止して予備加圧を終了する(ステップS203)。
【0091】
次に、制御部11は、発振回路19aから入力される信号に基づきカフ20Aが所定の締付け状態にあるか否かを判断する。制御部11において行なわれるカフ20Aが所定の締付け状態にあるか否かの判断は、カフ20Aが上腕にぴったりと装着された状態において空気袋34の内圧が所定の圧に達することを利用し、上述した発振回路19aから入力される信号が所定の閾値以上に達したか否かで判断する。
【0092】
制御部11は、カフ20Aが所定の締付け状態にないと判断した場合(ステップS204においてNOの場合)に表示部13においてエラー表示を行い(ステップS205)、再度ステップS204に戻ってカフ20Aが所定の締付け状態にあるか否かを判断する。
【0093】
この制御部11による判断の間に、被験者はカフ20Aの装着作業を行なう。具体的には、表示部13の表示を参考にし、カフ20Aの引き手38を引っ張ることでカフ20Aの環状の部分を縮径させ、エラー表示が消失するまで締め付け作業を行って上腕に隙間なくぴったりとカフ20Aをフィットさせた状態にする。
【0094】
制御部11は、カフ20Aが所定の締付け状態にあると判断した場合(ステップS204においてYESの場合)には、加圧ポンプ17の駆動を開始し、空気袋34のカフ圧を徐々に上昇させ(ステップS206)、血圧値測定のための所定レベルにまでカフ圧が達すると加圧ポンプ17を停止し、次いで閉じていた排気弁18を徐々に開放させて空気袋34内の空気を徐々に排気し、カフ圧を徐々に減圧させ(ステップS207)、そのカフ圧の微速減圧過程において血圧値を測定する。
【0095】
次に、制御部11は、公知の手順で収縮期血圧値および拡張期血圧値等の血圧値を算出し(ステップS208)、測定結果としての血圧値を表示部13に表示する(ステップS209)とともに、当該血圧値をメモリ部12に格納し、空気袋34を開放して空気袋34内の空気を完全に排気し(ステップS210)、被験者の電源オフの指令を待ってその動作を終了する。
【0096】
以上の如くの処理手順を踏む血圧計とすることにより、カフ20Aが上腕にぴったりとフィットした状態に巻き付けられてはじめて血圧値測定が行なわれることになるため、高精度の血圧値測定が可能な血圧計とすることができる。
【0097】
以上において説明した本発明の実施の形態1ないし5においては、ローラの表面がゴム材で覆われている場合、あるいはローラの表面に凹凸が付与されている場合を例示して説明を行なったが、必ずしもこのように構成されている必要はなく、外装カバーの表面とローラの表面との間に外装カバーを固定するだけの摩擦力が生じていれば、ローラの表面はゴム材以外の部材で覆われていてもよく、またローラの表面に特に凹凸が付与されていなくてもよい。
【0098】
また、上述した本発明の実施の形態1ないし5においては、ストッパが支持枠に移動可能に支持されるのみならず回転可能に支持された場合を例示して説明を行なったが、必ずしもストッパは支持枠に回転可能に支持されている必要はなく、支持枠によって回転不能に支持されていてもよい。また、ストッパが支持枠に回転可能に支持されている場合には、当該ストッパについてもローラの場合と同様に一方向にのみ回転可能となるように支持されていてもよい。その場合のストッパの回転方向としては、ローラの場合と同様に、ストッパとローラとの間で外装カバーの重なり部分を挟み込んだ状態において外装カバーの環状の部分の大きさが減じる方向である。
【0099】
また、上述した本発明の実施の形態1ないし5においては、ストッパが支持枠に移動可能に支持された場合を例示して説明を行なったが、何らかの解除部材を設ける構成とした場合には、ストッパが移動不能に支持枠に固定され、ローラが移動可能に支持枠に固定された構成としてもよい。すなわち、解除部材を設ける構成とした場合には、ローラおよびストッパの少なくともいずれか一方が移動可能に構成されていればよい。
【0100】
また、上述した本発明の実施の形態1ないし5においては、ワンウェイクラッチとしてクラッチ板およびこれに歯合するクラッチ爪を用いた構成のものを使用した場合を例示して説明を行なったが、他の構成のワンウェイクラッチを使用することも当然に可能である。他の構成のワンウェイクラッチとしては、たとえばベアリング形態のものが使用可能である。ここで、ベアリング形態のワンウェイクラッチとは、軸に対して外挿された外輪と、当該外輪と軸との間に配置されたコロおよびスプリングとを備えてなるものであり、たとえば、所定の方向に向けて外輪が回転した場合には、スプリングの作用によってコロが外輪と軸との双方に噛み合うことで軸が同一の方向に向けて従動回転し、上記所定の方向とは反対方向に向けて外輪が回転した場合には、コロが外輪および軸のいずれかから離れて軸が空転するように構成された如くのものである。
【0101】
また、上述した本発明の実施の形態1ないし5においては、血圧値の測定に際して上腕にカフが装着されるいわゆる上腕式の血圧計およびこれに具備される血圧計用カフを例示して説明を行なったが、特にこれに限定されるものではなく、血圧値の測定に際して手首にカフが装着されるいわゆる手首式の血圧計およびこれに具備される血圧計用カフや、血圧値の測定に際して足首にカフが装着されるいわゆる足首式の血圧計およびこれに具備される血圧計用カフ等に本発明を適用することも当然に可能である。
【0102】
また、上述した本発明の実施の形態1ないし5においては、収縮期血圧値および拡張期血圧値等の血圧値が測定可能な血圧計およびこれに具備される血圧計用カフに本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、収縮期血圧値および拡張期血圧値等の血圧値以外の他の血圧情報(たとえば、平均血圧値、脈波、脈拍、AI(Augmentation Index)値等)が測定可能な血圧情報測定装置およびこれに具備される血圧情報測定装置用カフに本発明を適用することも可能である。
【0103】
このように、今回開示した上記各実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0104】
1 血圧計、10 本体、11 制御部、12 メモリ部、13 表示部、14 操作部、15 電源部、16 エア系コンポーネント、17 加圧ポンプ、17a 加圧ポンプ駆動回路、18 排気弁、18a 排気弁駆動回路、19 圧力センサ、19a 発振回路、20A〜20D カフ、30 外装カバー、30a 一端部、30b 他端部、31 内側カバー、32 外側カバー、34 空気袋、35 カーラ、36 環状リング、38 引き手、40 固定ユニット、41 ハウジング、41a,41b 開口部、42 支持枠、42a 側壁部、42a1〜42a3 軸支穴、43 クラッチ爪、44 ローラ、44a シャフト、44b クラッチ板、44c 表面、45 コイルバネ、46 ストッパ、46a シャフト、46c 表面、47 従動ローラ、47a シャフト、48 押動部材(解除部材)、50,51 回動部材、50a 操作レバー部、52 軸支部材、52a 軸支部、80 エア管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体を圧迫するための流体袋と、
生体に巻き付けられる環状の部分および当該環状の部分に重ね合わされた重なり部分を有し、前記流体袋を内包する帯状の外装カバーと、
前記外装カバーの重なり部分を前記外装カバーの環状の部分に固定可能な固定手段とを備え、
前記固定手段は、一方向にのみ回転可能なローラと、前記ローラと対峙するストッパと、前記ストッパを前記ローラ側に向けて押動可能な押動手段とを含み、
前記外装カバーの重なり部分は、前記ローラと前記ストッパとの間に挿通され、前記押動手段により前記ストッパが前記ローラ側に向けて押動されることで前記ローラの表面に向けて押し付けられ、これにより前記ローラとの間に生じる摩擦力によって前記外装カバーの環状の部分に固定され、
前記ローラは、前記ストッパとの間で前記外装カバーの重なり部分を挟み込んだ状態において前記外装カバーの環状の部分の大きさが減じる方向にのみ回転可能である、血圧情報測定装置用カフ。
【請求項2】
前記押動手段は、前記ストッパを前記ローラに向けて付勢するバネにて構成されている、請求項1に記載の血圧情報測定装置用カフ。
【請求項3】
前記押動手段は、通電状態において収縮し、非通電状態において伸張する形状記憶合金からなる部材にて構成されている、請求項1に記載の血圧情報測定装置用カフ。
【請求項4】
前記ローラと前記ストッパとを離間させることにより、前記外装カバーの重なり部分が前記外装カバーの環状の部分に固定されることを解除可能にする解除手段をさらに備えた、請求項1から3のいずれかに記載の血圧情報測定装置用カフ。
【請求項5】
前記解除手段が、前記ローラに対する前記ストッパの位置を相対的に可変に調節する位置調節機構にて構成されており、
前記位置調節機構が、手動操作可能なストッパ位置操作部を有している、請求項4に記載の血圧情報測定装置用カフ。
【請求項6】
前記流体袋の外側に沿って位置するように前記外装カバーに内包され、前記外装カバーの環状の部分の径方向に沿って弾性変形可能な可撓性の湾曲弾性板をさらに備えた、請求項1から5のいずれかに記載の血圧情報測定装置用カフ。
【請求項7】
前記外装カバーの長手方向の一端部に設けられ、前記外装カバーの長手方向の他端部が挿通されることで前記外装カバーを環状の形態に維持するとともに、前記外装カバーの前記他端部寄りの部分を前記外装カバーの環状の部分の周方向に沿って折り返し可能にする引っ掛け部材をさらに備え、
前記外装カバーの重なり部分が、前記引っ掛け部材を用いて折り返された部分の前記外装カバーにて構成されている、請求項1から6のいずれかに記載の血圧情報測定装置用カフ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の血圧情報測定装置用カフと、
前記流体袋を膨縮させる膨縮機構と、
血圧情報を取得する血圧情報取得部とを備えた、血圧情報測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−207520(P2010−207520A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59503(P2009−59503)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】