説明

血圧計測装置

【課題】血圧の連続測定を高精度になしうる血圧計測装置を提供する。
【解決手段】第一カフ10によって圧迫された前記心肺近傍箇所から前記心肺側圧脈波を検出する第一圧力センサ15と、第二カフ20によって圧迫された末梢箇所から末梢側圧脈波を検出する第二圧力センサ25とを備えた血圧計測装置であって、予備測定にて得られた第二圧力センサ25の出力と前記第一圧力センサ15の出力に基づいて心肺側圧脈波と末梢側圧脈波の出力比を決定する出力比決定手段45と、前記第二カフ20のカフ圧を、前記本測定にて少なくとも前記末梢箇所を閉塞させない圧力値に設定するカフ圧設定手段45と、前記本測定にて第二圧力センサ25より計測された末梢側圧脈波と前記出力比決定手段にて決定した出力比とを少なくとも含む計測データに基づいて被験者の血圧波形を決定する血圧決定手段45とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より知られるデジタル式血圧測定の手法は、オシロメトリック法と呼ばれる圧脈波振動法によるものが一般的である。これは、カフ(腕帯)に空気を送り込んで、動脈を圧迫しつつ一旦閉塞状態にした後、徐々に減圧を過程で血圧を測定する方法であって、心臓の拍動に同期した血管壁の振動をカフに内蔵されたゴム袋の圧力変動(圧脈波)としてとらえるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−095502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構造では、血圧を連続的に測定しようとすると、被験者に対して動脈を閉塞状態にさせるような加圧をカフにより繰り返し行う必要があり、被験者に負担を強いることとになる。また、血圧は周囲の環境や体内の状態によっても変動しているため、数度の断続的な測定よりは一心拍毎の連続測定ができることが望まれるが、係る要請にも応えることができない。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、血圧の連続測定を高精度になしうる血圧計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、被験者の心肺に近い心肺近傍箇所に装着され前記心肺近傍箇所の血管を圧迫する第一カフと、前記第一カフによって圧迫された前記心肺近傍箇所から前記心肺側圧脈波を検出する第一圧力センサと、心肺から離れた末梢箇所に装着されて前記末梢箇所の血管を圧迫する第二カフと、前記第二カフによって圧迫された前記末梢箇所から末梢側圧脈波を検出する第二圧力センサとを備えた血圧計測装置であって、前記第一圧力センサと前記第二圧力センサを同時に使用して前記心肺側圧脈波と前記記末梢側圧脈波とを同時計測する予備測定の後、前記第二圧力センサを使用して前記末梢側圧脈波を連続して計測する本測定を行うものにおいて、前記予備測定にて得られた第二圧力センサの出力と前記第一圧力センサの出力に基づいて、心肺側圧脈波と末梢側圧脈波の出力比を決定する出力比決定手段と、前記第二カフのカフ圧を、前記本測定にて、少なくとも前記末梢箇所を閉塞させない圧力値に設定するカフ圧設定手段と、前記本測定にて第二圧力センサより計測された末梢側圧脈波と、前記出力比決定手段にて決定した出力比と、を少なくとも含む計測データに基づいて被験者の血圧波形を決定する血圧決定手段と、を備えたところに特徴を有する。
【0006】
この発明の実施態様として、以下の構成とすることが好ましい。
・前記血圧決定手段は、前記第二カフによる前記末梢箇所の圧迫値の誤差に応じた補正をして前記血圧波形を決定する。このようにすれば、被験者の血圧値を正確に決定できる。
【0007】
本発明は、被験者の心肺に近い心肺近傍箇所に装着され前記心肺近傍箇所の血管を圧迫する第一カフと、前記第一カフによって圧迫された前記心肺近傍箇所から前記心肺側圧脈波を検出する第一圧力センサと、心肺から離れた末梢箇所に装着されて前記末梢箇所の血管を圧迫する第二カフと、前記第二カフによって圧迫された末梢箇所から末梢側光電容積脈波を検出する光電センサとを備え、前記第一圧力センサと前記光電センサを同時に使用して前記心肺側圧脈波と前記末梢側光電容積脈波とを同時計測する予備測定の後、前記光電センサを使用して前記末梢側光電容積脈波を連続して計測する血圧計測装置であって、前記第一カフのカフ圧と前記心肺側圧脈波とに基づいて基準血圧値を決定する基準血圧決定手段と、前記第二カフのカフ圧を、前記本測定にて、少なくとも前記末梢箇所を閉塞させない圧力値に設定するカフ圧設定手段と、前記基準血圧決定手段にて決定した前記基準血圧値と、前記本測定にて前記光電センサにより計測された前記末梢側光電容積脈波とを少なくとも含む計測データに基づいて被験者の血圧値を心拍ごとに決定する血圧決定手段と、を備えたところに特徴を有する。
【0008】
この発明の実施態様として、以下の構成とすることが好ましい。
・前記血圧決定手段は、前記第二カフによる前記末梢箇所の圧迫値の誤差に応じた補正をして前記血圧波形を決定する。このようにすれば、被験者の血圧値を正確に決定できる。
【0009】
・前記予備測定にて得られる前記光電センサの出力と前記第一圧力センサの出力に基づいて、前記光電センサを校正する校正手段を備える。光電センサを校正することで、血圧値を一層正確に算出できる。
【0010】
・前記基準血圧値は基準最低血圧値と、基準最高血圧値であり、前記基準血圧決定手段は、前記予備測定にて前記第一カフによる加圧時に計測される最高血圧値と減圧時に計測される最高血圧値の平均値を前記基準最高血圧値とし、前記予備測定にて前記第一カフによる加圧時に計測される最低血圧値と減圧時に計測される最低血圧値の平均値を前記基準最低血圧値とする。このようにしておけば、基準最低血圧値、基準最高血圧値についても、正確に決定できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、血圧の連続測定を高精度になしうる血圧計測装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態1に適用の血圧計測装置の全体構成を示す図
【図2】血圧計測装置の電気的構成を示すブロック図
【図3】心肺側圧脈波S1、末梢側圧脈波S2の波形を示す図(予備測定)
【図4】血圧波形Pを示す図(本測定)
【図5】実施形態2に適用の血圧計測装置の全体構成を示す図
【図6】血圧計測装置の電気的構成を示すブロック図
【図7】心肺側圧脈波S1、末梢側光電容積脈波S3の波形を示す図
【図8】血圧面積を示す図
【図9】脈波面積を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態1>
本発明に係る血圧計測装置を図1ないし図4を参照して説明する。
血圧計測装置1は図1に示すように、第一カフ10と、第一圧力センサ15と、第二カフ20と、第二圧力センサ25と、データ処理装置40と、エア供給用のポンプ5と、2つの開閉弁B1、B2を備える。
【0014】
第一カフ10は被験者の前腕(本発明の「心肺近傍箇所」の一例)に取り付け可能な帯状をなし、内部にゴム袋を内蔵している。第一カフ10のゴム袋にはポンプ5より引き出された第一チューブ13が接続されている。この第一チューブ13は途中に第一開閉弁B1を介在させており、その開閉動作によって第一カフ10のゴム袋に対するエアの供給と排気を行うことが出来る。すなわち、第一カフ10のゴム袋内にエアを充填させことで、被験者の前腕を圧迫でき、エアを排気することで圧迫を解くことができる。
【0015】
そして、この第一カフ10内に感圧素子より構成される第一圧力センサ15が内蔵してあり、この第一圧力センサ15により、第一カフ10にて圧迫された前腕から、前腕動脈の圧力変動である心肺側圧脈波S1を検出できる構成となっている。
【0016】
一方、第二カフ20は被験者の手首(本発明の「末梢箇所」の一例)に取り付け可能な帯状をなし、内部にゴム袋を内蔵している。第二カフ20のゴム袋にはポンプ5より引き出された第二チューブ23が接続されている。この第二チューブ23は途中に第二開閉弁B2を介在させており、その開閉動作によって第二カフ20のゴム袋に対するエアの供給と排気を行うことが出来る。すなわち、第二カフ20のゴム袋内にエアを充填させことで、被験者の手首を圧迫でき、エアを排気することで圧迫を解くことができる。
【0017】
そして、この第二カフ20内に感圧素子より構成される第二圧力センサ25が内蔵してあり、この第二圧力センサ25により、第二カフ10にて圧迫された手首から、末梢動脈の圧力変動である末梢側圧脈波S2を検出できる構成となっている。
【0018】
データ処理装置40は図2に示すように、A/D変換部44、増幅器41、43、CPU45、メモリ47から構成されている。A/D変換部44はCPU45の入力段にあって、第一圧力センサ15の出力ライン、第二圧力センサ25の出力ラインがそれぞれ接続されている。そして、第一圧力センサ15側の出力ラインにはフィルタF1と増幅器41が介挿され、また第二圧力センサ25側の出力ラインには、フィルタF2と増幅器43が介挿されている。
【0019】
これにより、第一圧力センサ15から出力された信号(心拍側圧脈波S1)は、フィルタF1によってノイズ成分が除去され増幅器41にて増幅された後、A/D変換部44に取り込まれてアナログ信号からデジタル信号に変換され、CPU45に入力される。これに対して、第二圧力センサ25から出力された信号(末梢側圧脈波S3)はフィルタF2によってノイズ成分が除去され増幅器43にて増幅された後、A/D変換部44によってアナログ信号からデジタル信号に変換され、CPU45に入力される。
【0020】
CPU45はA/D変換部44を通じて入力される各計測データをデータ処理して被験者の血圧波形Pを決定する血圧決定処理を行う共に、第一開閉弁B1、第二開閉弁B2、増幅器41、43に対して電気的に連なっており、第一開閉弁B1、第二開閉弁B2を開閉制御する処理、増幅器41、43のゲインを調整する処理を行う。
【0021】
上記の如く構成された血圧計測装置1では、第一圧力センサ15と第二圧力センサ25を同時に使用して心肺側圧脈波S1と末梢側圧脈波S2とを同時計測する予備測定の後、第二圧力センサ25を使用して末梢側圧脈波S2を連続して計測することで、被験者の血圧波形Pを決定している。
【0022】
<予備測定の手順と、CPUの処理>
予備測定では、まず、第一カフ10が被験者の前腕に取り付けられ、また第二カフ20が被験者の手首に取り付けられる。そして、これら両カフ10、20の装着に続いてポンプ5が駆動させる。そして、ポンプ5の駆動に続いて、CPU45により第一開閉弁B1が「閉」状態から「開」状態に制御され、また第二開閉弁B1が「閉」状態から「開」状態に制御される。
【0023】
これにより、ポンプ5から第一チューブ13を通じて第一カフ10のゴム袋にエアが供給され、また、ポンプ5から第二チューブ23を通じて第二カフ20のゴム袋にエアが供給される。これにより、被験者の前腕が第一カフ10により次第に圧迫され、手首が第二カフ20により次第に圧迫されてゆく。
【0024】
そして、図3に示すように、被験者の前腕と手首を加圧する過程で、前腕に装着された第一圧力センサ15から心肺側圧脈波S1が出力され、手首に装着された第二圧力センサ25から末梢側圧脈波S2が出力される。そして、これらの心肺側圧脈波S1、末梢側圧脈波S2がそれぞれCPU45に取り込まれる。
【0025】
エアの供給は、少なくとの第一カフ10による圧力が最高血圧値Po1を上回るまで継続される。これにより、血管が閉塞された状態となり、心肺側圧脈波S1、末梢側圧脈波S2は一旦、計測されない状態になる。そして、前腕部の脈動が停止された時点で、第一カフ10、第二カフ20へのエア供給を停止し、両開閉弁B1、B2を開いて減圧を開始する。
【0026】
そして、両カフ10、20のカフ圧が減圧されると、血管の閉塞が解かれるので、前腕に装着された第一圧力センサ15から心肺側圧脈波S1が出力され、手首に装着された第二圧力センサ25から末梢側圧脈波S2が出力される。そして、これらの心肺側圧脈波S1、末梢側圧脈波S2がそれぞれCPU45に取り込まれる。
【0027】
このように、本実施形態では、被験者の前腕と手首を第一カフ10と第二カフ20により、同じ圧力推移で同時に加減圧して、心肺側圧脈波S1、末梢側圧脈波S2を取得するようにしている。
【0028】
以上により予備測定は終了する。そして、CPU45は予備測定にて得たデータに基づいて、被験者の最高血圧値Po1、最低血圧値Po2、平均血圧値Pvを、オシロメトリック法に基づいてそれぞれ決定する。
【0029】
具体的には、以下の(a)式により最高血圧値Po1を決定し、以下の(b)式により平均血圧値Pvを決定し、以下の(c)式により最低血圧値Po2を決定する。
【0030】
Po1=(Pc+Pc’)/2・・・・・・・・・(a)式
Pv=(Pb+Pb’)/2・・・・・・・・・・(b)式
Po2=(Pa+Pa’)/2・・・・・・・・・(c)式
【0031】
尚、Paは、図3中のA点(加圧の過程で心肺側圧脈波S1が出現する時点)の圧力値であり、Pa’は、図3中のA’点(減圧の過程で心肺側圧脈波S1が消滅する時点)の圧力値である。また、Pbは、図3中のB点(加圧の過程で心肺側圧脈波S1が最大となる時点)の圧力値であり、Pb’は、図3中のB’点(減圧の過程で心肺側圧脈波S1が最大となる時点)の圧力値である。また、Pcは、図3中のC点(加圧の過程で心肺側圧脈波S1が消滅する時点)の圧力値であり、Pc’は、図3中のC’点(減圧の過程で心肺側圧脈波S1が出現する時点)の圧力値である。
【0032】
さて、図3に示すように、末梢側圧脈波S2の最大振幅値V2は心肺側圧脈波S1の最大振幅値V1に比べて小さくなっている。これは、血液が血管内を末梢側へと伝ってゆく過程で、血圧が次第に減衰するからである。
【0033】
そこで、本実施形態ではCPU45にて、以下の(d)式により、心肺側圧脈波S1と末梢側圧脈波S2の出力比を決定するようにしている。
【0034】
K=V1/V2・・・・・・・・・・・・・・・・(d)式
尚、V1は予備測定にて計測された心肺側圧脈波S1の最大振幅値であり、V2は予備測定にて計測された末梢側圧脈波S2の最大振幅値である。CPU45が上記(d)式に従って出力比Kを決定することにより、本発明の「出力比決定手段」の果たす処理機能が実現されている。
【0035】
<本測定時の処理>
本測定では前腕の第一カフ10は取り外され、手首側に第二カフ20が装着される。そして、CPU45による開閉弁B2の開閉制御がなされ、第二カフ20のカフ圧が、少なくとも手首の血管を閉塞させない圧力値に設定される。この実施例では、カフ圧を、80mmHg(予備測定にて計測した平均血圧値Pv)に設定することとしている。
【0036】
尚、カフ圧が80mmHgになるように、CPU45が開閉弁B2を制御する機能により、本発明の「カフ圧設定手段」の果たす処理機能が実現されている。
【0037】
あとは、第二圧力センサ25により末梢側圧脈波S2を連続して計測してやれば、データ処理装置40にて、被験者の心拍あたりの最低血圧血、最高血圧値を自動的に決定できる。
【0038】
すなわち、第二圧力センサ25により出力された末梢側圧脈波S2は、予備測定の場合と同様にフィルタ8によってノイズ成分が除去され増幅器23で増幅された後、A/D変換部21によってデジタル信号に変換され、その後、CPU25に入力される。
【0039】
そして、CPU45では以下の(e)式の演算を行い、末梢側圧脈波S2から血圧波形Pを決定する。
P=S2×K±U・・・・・・・・・・・・・・(e)式
S2・・・末梢側圧脈波(計測データの一例)
K・・・・出力比(計測データの一例)
U・・・・誤差
【0040】
尚、誤差Uとは、第二カフ20による手首の圧迫値(カフ圧の実値)の誤差(設定値に対する誤差)のことである。本実施形態では、設定値は80mmHgであるから圧迫値(カフ圧の実値)が85mmHgであれば、U=5mmHgとなる。尚、圧迫値は、第二圧力センサ25の出力する末梢側圧脈波S2の直流成分から検出できる。
【0041】
そして、上記した(e)式に基づいて決定された血圧波形Pは、CPU25からの表示指令によりモニタ30にその推移が表示される(図4)。この血圧波形Pは血圧値そのものであるから、波形の各ピークPu点が心拍ごとの最高血圧値となり、各ボトム点Pdが心拍ごとの最低血圧値となる。
【0042】
尚、被験者の血圧波形Pを上記(e)式に基づいて決定するCPUの機能により、本発明の「血圧決定手段」の果たす処理機能が実現されている。また、血圧波形Pを求める(e)式を、誤差Uを含めた計算式にすることで本発明の「前記血圧決定手段は、前記第二カフによる前記末梢箇所の圧迫値の誤差に応じた補正をして前記血圧波形を決定する」が実現されている。
【0043】
このように、本実施形態によれば、被験者の血圧波形Pを連続して計測できる。しかも、このものでは、本測定を行うとき、第二カフ20のカフ圧(圧力値)を、少なくとも手首の血管を閉塞させない圧力に設定している。このようにしておけば、手首の血管を閉塞しない程度の適度な圧迫状態で本測定を行うことが可能となり、血圧波形Pを正確に計測できる。
【0044】
また、出願人によれば、カフ圧を80mmHg、又はその近辺の値(70mmHg〜90mmHg)に設定しておくと、振幅が大きく、安定した末梢側圧脈波S2が計測されることが解っており、そのようなカフ圧にしておくことで、血圧波形Pをより一層、正確に計測できる。尚、80mmHgは一般的な人の平均血圧値(血管の外圧と内圧が一致し、心拍側圧脈波S1が最大の振幅を得る圧力)である。
【0045】
加えて、本実施形態のものは、圧迫値の誤差Uに応じた補正をして血圧波形Pを含めている。このようにすれば、血圧波形Pを正確に求めることが可能であり、効果的である。
【0046】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図5ないし図9によって説明する。尚、この実施形態2に適用の血圧計測装置100は、実施形態1に適用の血圧計測装置1に対して、第二圧力センサ25を光電センサ110に置き換えている点、CPU45の内部処理が主に異なっている。
【0047】
血圧計測装置100は図5に示すように、第一カフ10と、第一圧力センサ15と、第二カフ20と、光電センサ110と、データ処理装置40と、エア供給用のポンプ5と、2つの開閉弁B1、B2を備える。
【0048】
第一カフ10は被験者の前腕(本発明の「心肺近傍箇所」の一例)に取り付け可能な帯状をなし、内部にゴム袋を内蔵している。第一カフ10のゴム袋にはポンプ5より引き出された第一チューブ13が接続されている。この第一チューブ13は途中に第一開閉弁B1を介在させており、その開閉動作によって第一カフ10のゴム袋に対するエアの供給と排気を行うことが出来る。すなわち、第一カフ10のゴム袋内にエアを充填させことで、被験者の前腕を圧迫でき、エアを排気することで圧迫を解くことができる。
【0049】
そして、この第一カフ10内に感圧素子より構成される第一圧力センサ15が内蔵してあり、この第一圧力センサ15により、第一カフ10にて圧迫された前腕から、前腕動脈の圧力変動である心肺側圧脈波S1を検出できる構成となっている。
【0050】
一方、第二カフ20は被験者の手首(本発明の「末梢箇所」の一例)に取り付け可能な帯状をなし、内部にゴム袋を内蔵している。第二カフ20のゴム袋にはポンプ5より引き出された第二チューブ23が接続されている。この第二チューブ23は途中に第二開閉弁B2を介在させており、その開閉動作によって第二カフ20のゴム袋に対するエアの供給と排気を行うことが出来る。すなわち、第二カフ20のゴム袋内にエアを充填させことで、被験者の手首を圧迫でき、エアを排気することで圧迫を解くことができる。
【0051】
そして、この第二カフ20の裏面(すなわち被験者の手首表面に向かう合う面側)に、光電センサ110が備えて付けられている。光電センサ110としては、近赤外光波長(例えば640nm)をもった光を皮膚へ向けて照射可能な発光赤色LED113とその反射光を受光するフォトトランジスタ115とからなっている。
【0052】
赤外光は皮膚深部にある撓骨動脈に至ることができ、フォトトランジスタ115の出力は血管の容量変動に伴う吸光度の変化が血流量の相対変化として検出される。これにて、第二カフ20にて圧迫された手首からフォトトランジスタ115により末梢側光電容積脈波S3を検出する構成となっている。
【0053】
データ処理装置40は図6に示すように、A/D変換部44、増幅器41、43、CPU45、メモリ47から構成されている。A/D変換部44はCPU45の入力段にあって、第一圧力センサ15の出力ライン、光電センサ110のフォトトランジスタ115の出力ラインがそれぞれ接続されている。そして、第一圧力センサ15側の出力ラインにはフィルタF1と増幅器41が介挿され、またフォトトランジスタ115側の出力ラインには、フィルタF2と増幅器43が介挿されている。
【0054】
これにより、第一圧力センサ15から出力された信号(心拍側圧脈波S1)は、フィルタF1によってノイズ成分が除去され増幅器41にて増幅された後、A/D変換部44に取り込まれてアナログ信号からデジタル信号に変換され、CPU45に入力される。これに対して、フォトトランジスタ115から出力された信号(末梢側光電容積脈波S3)はフィルタF2によってノイズ成分が除去され増幅器43にて増幅された後、A/D変換部44によってアナログ信号からデジタル信号に変換され、CPU45に入力される。
【0055】
CPU45はA/D変換部44を通じて入力されるデータをデータ処理して被験者の血圧値を算出する血圧決定処理を行う共に、第一開閉弁B1、第二開閉弁B2、増幅器41、43に対して電気的に連なっており、第一開閉弁B1、第二開閉弁B2を開閉制御する処理、増幅器41、43のゲインを調整する処理を行う。
【0056】
上記の如く構成された血圧計測装置1では、第一圧力センサ15と光電センサ110を同時に使用して心肺側圧脈波S1と末梢側光電容積脈波S3とを同時計測する予備測定の後、光電センサ100を使用して末梢側光電容積脈波S3を連続して計測することで、被験者の心拍ごとの最高血圧値、最低血圧値を決定している。
【0057】
<予備測定の手順と、CPUの処理>
予備測定では、まず、第一カフ10が被験者の前腕に取り付けられ、また第二カフ20が被験者の手首に取り付けられる。そして、これら両カフ10、20の装着に続いてポンプ5が駆動させる。そして、ポンプ5の駆動に続いて、CPU45により第一開閉弁B1が「閉」状態から「開」状態に制御され、また第二開閉弁B1が「閉」状態から「開」状態に制御される。
【0058】
これにより、ポンプ5から第一チューブ13を通じて第一カフ10のゴム袋にエアが供給され、また、ポンプ5から第二チューブ23を通じて第二カフ20のゴム袋にエアが供給される。これにより、被験者の前腕が第一カフ10により次第に圧迫され、手首が第二カフ20により次第に圧迫されてゆく。
【0059】
そして、図7に示すように、被験者の前腕と手首を加圧する過程で、前腕に装着された第一圧力センサ15から心肺側圧脈波S1が出力され、手首に装着されたフォトトランジスタ115から末梢側光電容積脈波S3が出力される。そして、これらの心肺側圧脈波S1のデータ、末梢側光電容積脈波S3のデータがそれぞれCPU45に取り込まれる。
【0060】
エアの供給は、少なくとの第一カフ10による圧力が最高血圧値Po1を上回るまで継続される。これにより、血管が閉塞された状態となり、心肺側圧脈波S1、末梢側光電容積脈波S3は一旦、計測されない状態になる。そして、前腕部の脈動が停止された時点で、第一カフ10、第二カフ20へのエア供給を停止し、両開閉弁B1、B2を開いて減圧を開始する。
【0061】
そして、両カフ10、20のカフ圧が減圧されると、血管の閉塞が解かれるので、前腕に装着された第一圧センサ25から心肺側圧脈波S1が出力され、手首に装着されたフォトトランジスタ115から末梢側光電容積脈波S3が出力される。そして、これらの心肺側圧脈波S1、末梢側光電容積脈波S3がそれぞれCPU45に取り込まれる。
【0062】
このように、本実施形態では、被験者の前腕と手首を第一カフ10と第二カフ20により、同じ圧力推移で同時に加減圧して、心肺側圧脈波S1、末梢側光電容積脈波S3を取得するようにしている。
【0063】
以上により予備測定は終了する。そして、CPU45は予備測定にて得たデータに基づいて、被験者の基準最高血圧値Po1、基準最低血圧値Po2、平均血圧値Pvを、オシロメトリック法に基づいてそれぞれ決定する。
【0064】
具体的には、以下の(a)式により基準最高血圧値Po1を決定し、以下の(b)式により平均血圧値Pvを決定し、以下の(c)式により基準最低血圧値Po2を決定する。
【0065】
Po1=(Pc+Pc’)/2・・・・・・・・・(a)式
Pv=(Pb+Pb’)/2・・・・・・・・・・(b)式
Po2=(Pa+Pa’)/2・・・・・・・・・(c)式
尚、Paは、図3中のA点(加圧の過程で心肺側圧脈波S1が出現する時点)の圧力値であり、Pa’は、図3中のA’点(減圧の過程で心肺側圧脈波S1が消滅する時点)の圧力値である。また、Pbは、図3中のB点(加圧の過程で心肺側圧脈波S1が最大となる時点)の圧力値であり、Pb’は、図3中のB’点(減圧の過程で心肺側圧脈波S1が最大となる時点)の圧力値である。また、Pcは、図3中のC点(加圧の過程で心肺側圧脈波S1が消滅する時点)の圧力値であり、Pc’は、図3中のC’点(減圧の過程で心肺側圧脈波S1が出現する時点)の圧力値である。
【0066】
尚、CPU45が(a)式、(c)式にて、基準最高血圧値Po1、基準最低血圧値Po2を算出する演算処理機能により、本発明の「基準血圧決定手段」の果たす処理機能が実現されている。
【0067】
次に、血圧面積(基準血圧面積Ao)の算出がなされる。基準血圧面積Aoは、図8に示すように、時間を横軸に、血圧を縦軸にとって、一心拍の時間To内における最高・最低の両血圧値によって定まる平面図形の面積によって決定される。具体的には、図8に示すように、基準血圧面積Aoは横の辺が1心拍時間To、縦の辺が最低血圧値Po2によって形成される長方形の領域(下部領域面積Aop2)と、底辺が1心拍時間To、高さが最高血圧値Po1と最低血圧値Po2の差となって表される三角形の領域(上部領域面積Aop1)との和、すなわち以下の(1)式から(3)式に基づいて算出される。
Aop1=(Po1−Po2)/2×To・・・・・・・・(1)
Aop2=Po2×To・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
Ao=Aop1+Aop2・・・・・・・・・・・・・・・(3)
ここで、Aop1とAop2との比をKとする。
Aop1:Aop2=K・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
【0068】
また、CPU45は、末梢側光電容積脈波S3から、脈波面積(基準脈波面積)Voを求める。具体的には、図6に示すような1心拍時間To内の血流量変化の積分値として基準脈波面積Voが求められる。
【0069】
そして、CPU45は、得た面積比(Ao/Vo)をキャリブレーション値として、発光赤色LED113の光量を調整する。具体的には、すなわち、算出された面積比(Ao/Vo)が閾値に比べて大きい場合(基準脈波面積Voが小さい場合)には、フォトトランジスタ115の出力信号のレベルが大きくなるようにLED113の投光レベルを上昇させ、これとは反対に算出された面積比(Ao/Vo)が閾値に比べて小さい場合(基準脈波面積Voが大きい場合)には、フォトトランジスタ115の出力信号のレベルが小さくなるようにLED113の投光レベルをダウンさせる。
【0070】
尚、CPU45が行う上記の発光赤色LED113の光量を調整する処理により、本発明の「校正手段」の果たす処理機能が実現されている。
【0071】
<本測定時の処理>
本測定では前腕の第一カフ10は取り外され、手首側に第二カフ20が装着される。そして、CPU45による開閉弁B2の開閉制御がなされ、第二カフ20のカフ圧が、少なくとも手首の血管を閉塞させない圧力値に設定される。この実施例では、カフ圧を、80mmHg(予備測定にて計測した平均血圧値Pv)に設定することとしている。
【0072】
尚、カフ圧が80mmHgになるように、CPU45が開閉弁B2を制御する機能により、本発明の「カフ圧設定手段」の果たす処理機能が実現されている。
【0073】
あとは、フォトトランジスタ115により末梢側光電容積脈波S3を連続して計測してやれば、データ処理装置40にて、被験者の心拍あたりの最低血圧血、最高血圧値を自動的に決定できる。
【0074】
具体的に説明すると、CPU45では末梢側光電容積脈波S3より1心拍毎の脈波面積Vtが基準脈波面積Voと同じ要領で算出される。そして、脈波面積Vtに前記した面積比(Ao/Vo)が乗ぜられて血圧面積Atが算出される。
【0075】
そして、上記した血圧面積Atの算出に続いて、血圧値の最大、最小値がCPU25において算出される。具体的には、血圧値の最大値をPt1、最小値をPt2、心拍時間をTtとすると、血圧面積At、上部領域面積Atp1、下部領域面積Atp2は以下の(5)〜(7)式によって表すことが出来る。
Atp1=(Pt1−Pt2)/2×Tt・・・・・・・・(5)
Atp2=Pt2×Tt・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
At=Atp1+Atp2・・・・・・・・・・・・・・・(7)
ここで、血圧面積Atの上部領域面積Atp1と下部領域面積Atp2との比率が、基準血圧面積Aoの上部領域面積Aop1と下部領域面積Aop2との比率Kと等しいと仮定すると次の(8)式が得られる。
Atp1:Atp2=K・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
【0076】
したがって、(7)式、(8)式より、以下の(9)式、(10)式が得られる。
Atp1=K/(1+K)×At・・・・・・・・・・・・(9)
Atp2=1/(1+K)×At・・・・・・・・・・・・(10)
【0077】
そして、得られた(10)式を(6)式に代入すると最低血圧値Pt2が得られ、更に、(5)式、(9)式、(11)式より最高血圧値Pt1が得られる。
Pt2=At/((1+K)×Tt)・・・・・・・・・・(11)
Pt1=(2K+1)×At/((1+K)×Tt)・・・(12)
【0078】
そして、CPU45は、(11)式にて得た最低血圧値Pt2に対して誤差Uの補正を行って最低血圧値Pt2’を決定し、(12)式にて得た最高血圧値Pt1に対して誤差Uの補正を行って最高血圧値Pt1’を決定する。
【0079】
Pt2’=Pt2±U・・・・・・・・・・・・・(13)
Pt1’=Pt1±U・・・・・・・・・・・・・(14)
【0080】
尚、誤差Uとは、第二カフ20による手首の圧迫値(カフ圧の実値)の誤差(設定値に対する誤差)のことである。本実施形態では、設定値は80mmHgであるから圧迫値(カフ圧の実値)が85mmHgであれば、U=5mmHgとなる。尚、圧迫値(カフ圧の実値)は、第二カフ20に内蔵される圧力センサ(図略)により検出することが可能である。
【0081】
以上のように、本実施形態によれば、フォトトランジスタ115の出力する末梢側光電容積脈波S3に基づいて一心拍毎の血圧を連続して測定することができる。しかも、このものでは、本測定を行うとき、第二カフ20のカフ圧(圧力値)を、少なくとも手首の血管を閉塞させない圧力に設定している。このようにしておけば、手首の血管を閉塞しない程度の適度な圧迫状態で本測定を行うことが可能となり、末梢側光電容積脈波S3を正確に計測でき、正確な血圧決定が可能となる。
【0082】
また、第二カフ20のカフ圧は被験者の平均血圧値としておくことが好ましい。というのも、平均血圧値は血管の外圧と内圧が一致する圧力であり、基準化できるからである。
【0083】
加えて、本実施形態のものは、圧迫値の誤差Uに応じた補正をして血圧値Pt1’、Pt2’を含めている。このようにすれば、血圧値Pt1’、Pt2’を正確に求めることが可能であり、効果的である。
【0084】
尚、被験者の血圧波形Pを上記(13)式、(14式)に基づいて決定するCPUの機能により、本発明の「血圧決定手段」の果たす処理機能が実現されている。また、血圧値を求める(13)、(14)式を、誤差Uを含めた計算式にすることで本発明の「前記血圧決定手段は、前記第二カフによる前記末梢箇所の圧迫値の誤差に応じた補正をして前記血圧値を決定する」が実現されている。
【0085】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0086】
(1)実施形態1では、出力比の一例として、心肺側圧脈波S1の最大振幅A1と、末梢側圧脈波S2の最大振幅A2の比とした。出力比は必ずしも振幅比とする必要はなく面積比とすることが可能である。すなわち、心肺側圧脈波S1の1心拍あたりの脈波面積と末梢側圧脈波S2の1心拍あたりの脈波面積の比とすることができる。
【符号の説明】
【0087】
1…血圧計測装置
10…第一カフ
15…第一圧力センサ
20…第二カフ
25…第二圧力センサ
40…データ処理装置
45…CPU(「カフ圧設定手段」、「出力比決定手段」、「血圧決定手段」、「基準血圧決定手段」、「校正手段」)
100…血圧計測装置
110…光電センサ
113…LED
115…フォトトランジスタ
S1…心肺側圧脈波
S2…末梢側圧脈波
S3…末梢側光電容積脈波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の心肺に近い心肺近傍箇所に装着され前記心肺近傍箇所の血管を圧迫する第一カフと、
前記第一カフによって圧迫された前記心肺近傍箇所から前記心肺側圧脈波を検出する第一圧力センサと、
心肺から離れた末梢箇所に装着されて前記末梢箇所の血管を圧迫する第二カフと、
前記第二カフによって圧迫された前記末梢箇所から末梢側圧脈波を検出する第二圧力センサとを備えた血圧計測装置であって、
前記第一圧力センサと前記第二圧力センサを同時に使用して前記心肺側圧脈波と前記記末梢側圧脈波とを同時計測する予備測定の後、前記第二圧力センサを使用して前記末梢側圧脈波を連続して計測する本測定を行うものにおいて、
前記予備測定にて得られた第二圧力センサの出力と前記第一圧力センサの出力に基づいて、心肺側圧脈波と末梢側圧脈波の出力比を決定する出力比決定手段と、
前記第二カフのカフ圧を、前記本測定にて、少なくとも前記末梢箇所を閉塞させない圧力値に設定するカフ圧設定手段と、
前記本測定にて第二圧力センサより計測された末梢側圧脈波と、前記出力比決定手段にて決定した出力比と、を少なくとも含む計測データに基づいて被験者の血圧波形を決定する血圧決定手段と、を備えたことを特徴とする血圧計測装置。
【請求項2】
前記血圧決定手段は、前記第二カフによる前記末梢箇所の圧迫値の誤差に応じた補正をして前記血圧波形を決定することを特徴とする請求項1に記載の血圧計測装置。
【請求項3】
被験者の心肺に近い心肺近傍箇所に装着され前記心肺近傍箇所の血管を圧迫する第一カフと、
前記第一カフによって圧迫された前記心肺近傍箇所から前記心肺側圧脈波を検出する第一圧力センサと、
心肺から離れた末梢箇所に装着されて前記末梢箇所の血管を圧迫する第二カフと、
前記第二カフによって圧迫された末梢箇所から末梢側光電容積脈波を検出する光電センサとを備え、前記第一圧力センサと前記光電センサを同時に使用して前記心肺側圧脈波と前記末梢側光電容積脈波とを同時計測する予備測定の後、前記光電センサを使用して前記末梢側光電容積脈波を連続して計測する血圧計測装置であって、
前記第一カフのカフ圧と前記心肺側圧脈波とに基づいて基準血圧値を決定する基準血圧決定手段と、
前記第二カフのカフ圧を、前記本測定にて、少なくとも前記末梢箇所を閉塞させない圧力値に設定するカフ圧設定手段と、
前記基準血圧決定手段にて決定した前記基準血圧値と、前記本測定にて前記光電センサにより計測された前記末梢側光電容積脈波とを少なくとも含む計測データに基づいて被験者の血圧値を心拍ごとに決定する血圧決定手段と、を備えたことを特徴とする血圧計測装置。
【請求項4】
前記血圧決定手段は、前記第二カフによる前記末梢箇所の圧迫値の誤差に応じた補正をして前記血圧値を決定することを特徴とする請求項3に記載の血圧計測装置。
【請求項5】
前記予備測定にて得られる前記光電センサの出力と前記第一圧力センサの出力に基づいて、前記光電センサを校正する校正手段を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の血圧計測装置。
【請求項6】
前記基準血圧値は基準最低血圧値と、基準最高血圧値であり、
前記基準血圧決定手段は、
前記予備測定にて前記第一カフによる加圧時に計測される最高血圧値と減圧時に計測される最高血圧値の平均値を前記基準最高血圧値とし、
前記予備測定にて前記第一カフによる加圧時に計測される最低血圧値と減圧時に計測される最低血圧値の平均値を前記基準最低血圧値とすることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか一項に記載の血圧計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−234876(P2011−234876A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108620(P2010−108620)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(395016349)株式会社ケーアンドエス (3)
【Fターム(参考)】