血液成分の分光分析を改善するための突起、ヒートシンク、および遮蔽
医療患者の1つ以上の生理パラメータを測定するための非侵襲生理センサは光源と光検出器の間に挿入されたバンプを含むことができる。バンプは患者の体組織に接触して配置することができ、それによって体組織の厚さを低減する。結果として、光源と光検出器の間の光路長を縮小することができる。さらに、センサは光源から熱を導き除くことのできるヒートシンクを含むことができる。さらに、センサは光源と光検出器の間の光路中に遮蔽を含むことができる。遮蔽は光検出器によって受け取られたノイズを低減することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は35U.S.C.第119条(e)項に基づき以下の米国特許仮出願の優先権を主張する。
出願番号 出願日付 標題 特許事務所整理番号
61/086,060、2008年8月4日、グルコースおよび他の検体の非侵襲測定のための複数流のデータ収集システム(Multi-Stream Data Collection System For Non-Invasive Measurement of Glucose and other Analytes)、MLHUM.002PR
61/086,108、2008年8月4日、グルコースおよび他の検体の非侵襲測定のための複数流センサのフロントエンド(Multi-Stream Sensor Front Ends For Non-Invasive Measurement of Glucose and other Analytes)、MLHUM.003PR
61/086,063、2008年8月4日、グルコースおよび他の検体の非侵襲測定のための複数流検出器(Multi-Stream Detector For Non-Invasive Measurement of Glucose and other Analytes)、MLHUM.004PR
61/086,057、2008年8月4日、グルコースおよび他の検体の非侵襲測定のための複数流エミッタ(Multi-Stream Emitter For Non-Invasive Measurement of Glucose and other Analytes)、MLHUM.005PR
61/078,228、2008年7月3日、非侵襲装置のためのノイズ遮蔽(Noise Shielding For A Non−Invasive Device)、MLHUM.006PR
61/078,207、2008年7月3日、血液成分の分光測定を改善するための突起形状(Contoured Protrusion for Improving Spectroscopic Measurement o Blood Constituents)、MLHUM.007PR
61/091,732、2008年8月25日、血液成分の測定を改善するためのセンサ(Sensor For Improving Measurement Of Blood Constituents)MLHUM.011PR
【0002】
また、本出願は35U.S.C.第120条に基づき以下の米国意匠特許出願の部分継続を主張する。
出願番号 出願日付 標題 特許事務所整理番号
29/323,409、2008年8月25日、患者監視センサ(Patient Monitoring Sensor)、MLHUM.009DA
29/323,408、2008年8月25日、患者監視(Patient Monitor)、MLHUM.010DA
【0003】
前述の出願はその全体の参照により本出願に援用される。
【背景技術】
【0004】
看護環境中の看護基準は、例えばパルス酸素濃度計を用いる分光分析による患者監視を含む。分光分析のできる装置は、一般に脈流血液を運ぶ体組織などの測定部位に光放射を伝えまたは反射する光源を含む。測定部位の組織および流体による減衰の後、光検出装置は減衰した光を検出し、検出した減衰光に対応する検出信号を出力する。信号処理装置は検出器信号を処理し、グルコース、酸素、メトヘモグロビン、総ヘモブロビンなどの対象血液成分、他の生理パラメータ、または患者の健康の状態または傾向を決定するのに有用な他のデータまたはデータの組み合わせを示す測定値を出力する。
【0005】
非侵襲装置および方法において、センサはしばしば指を光源および光検出器近くに置くよう適応される。例えば、非侵襲センサは、一般に指の形状に合致する形状の台を含む洗濯バサミ状筺体を含む。形状に合わせた台は測定用の指を位置決めし、それを安定化させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
残念ながら、この型の形状は、特にグルコースなどの血液成分の測定には理想的ではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は酸素、一酸化炭素、メトヘモグロビン、総ヘモグロビン、グルコース、プロテイン、グルコース、リピド、およびそのパーセント(例えば飽和)などの血液検体を測定するため、または他の多くの生理に関する患者の特性を測定するための非侵襲方法、装置、およびシステムの実施形態を説明する。これらの特性は、例えば、パルス速度、水和、傾向情報および分析等に関する。いくつかの実施形態において、非侵襲センサは測定部位の組織と相互作用して組織を変形させ、ある望ましい波長の信号利得を増加させる。一実施形態において、患者の指用の非侵襲センサの指台に突起を設けることができる。突起は組織の厚さを減少させ、それによって、場合によって信号利得を十倍以上増加することができる。この突起は、組織部位および測定すべき血液検体に応じて異なるサイズと形状を含むことができる。
【0008】
開示される実施形態において、さまざまな検体の測定および検出を助ける非侵襲センサに突起が用いられる。また、開示される非侵襲センサは、中でも、複数流センサ情報を生成するように配置されたエミッタと検出器を含むことができる。非侵襲センサは異なるアーキテクチャを有することができ、ディスプレイ装置、ネットワークインターフェースなど他の部品を含み、または結合することができる。突起は任意の種類の非侵襲センサに用いることができる。
【0009】
いくつかの実施形態において、治療患者の1つ以上の生理パラメータを測定するための非侵襲生理センサは、光源と光検出器の間に挿入されたバンプを含むことができる。バンプは患者の体組織に接触して配置され、それによって体組織の厚さを低減することができる。結果として、光源と光検出器の間の光路長を減少することができる。さらに、センサは光源から熱を導いて散逸するヒートシンクを含むことができる。さらに、センサは光源と光検出器の間の光路の遮蔽を含むことができる。遮蔽は光検出器が受け取るノイズを低減することができる。
【0010】
いくつかの実施形態において、治療患者の体組織によって減衰した光を検出することのできる非侵襲医療センサは、互いに回転可能に接続された上部シェルと下部シェルを有するセンサ筺体を含むことができ、上部および下部シェルは各々治療患者の体組織を受け取る形状にされる。また、センサは患者の体組織上に光を当てることのできる筺体中に配設された1つ以上のエミッタを含むことができる。また、センサは筺体中に配設された1つ以上の検出器を含むことができ、これは患者の体組織によって減衰した後の光を受け取り、減衰光に応じた1つ以上の強度信号を出力することができる。また、センサは筺体中に配設された組織厚さ調節器を含むことができ、これは組織厚さ調節器上に患者の体組織を置くことで体組織の厚さが減少し、それによって1つ以上の強度信号の利得が増加するように配置することができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、治療患者の1つ以上の生理パラメータを測定するための非侵襲生理センサは、光源および光検出器を含み、治療患者の体組織によって減衰した後、前記光源からの光を検出することができ、検出された光に対応する生理信号を発生することができる。生理信号は治療患者の1つ以上の生理パラメータを反映することができる。また、センサは光源と光検出器の間に挿入されたバンプを含むことができ、バンプは表面に接触する組織から突出する。バンプは、光源と光検出器の間の光路長が減少するように光源と光検出器の間の体組織の厚さを減少させることができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、治療患者の1つ以上の生理パラメータを測定するための非侵襲生理センサは、光源と、治療患者の体組織によって減衰した後に前記光源からの光を検出し検出された光に対応する生理信号を発生することのできる1つ以上の光検出器と、光源と光検出器の間に挿入された部分的に円筒状のレンズを含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態において、監視される患者に存在する血液検体に対応する信号を出力することの可能な生理センサは、治療患者の体組織上に光放射を発することのできる光源を有するセンサ筺体を含むことができる。また、センサはセンサに付属するヒートシンクを含むことができ、これは光源からの熱エネルギーを受け取り、熱エネルギーをセンサ筺体の外に放出することができる。また、センサは各々治療患者の体組織によって減衰した後に光源からの光放射を検出し、検出された光放射に応じた信号を出力することのできる複数の光検出器を含むことができ、信号は治療患者の1つ以上の生理パラメータを反映する。
【0014】
いくつかの実施形態において、監視される患者に存在する血液検体に対応する信号を出力することのできる生理センサは、治療患者の体組織上に光放射を発することのできる光源を有するセンサ筺体を含むことができる。光源はサブマウント上に配設された1つ以上のエミッタを有することができる。また、センサは、伝導性遮蔽が1つ以上のエミッタのために少なくとも部分的にヒートシンクとして働くように、サブマウントに電気的に伝達することのできる医療ケーブルの伝導性遮蔽を含むことができる。また、センサは治療患者の体組織によって減衰した後に、光源からの光放射を検出し、検出された光放射に対応する信号を出力することのできる複数の光検出器を含むことができ、信号は治療患者の1つ以上の生理パラメータを反映する。
【0015】
いくつかの実施形態において、体組織によって減衰した光を検出することのできる非侵襲光医療センサのヒートシンクは、電気装置の熱生成部および熱生成部と熱的に伝達するケーブルを含むことができる。ケーブルは熱生成部から熱を引き抜くことのできる導体を含むことができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、治療患者の体組織によって減衰した光を検出することのできる光医療センサは、互いに回転可能に接続された第1シェルと第2シェルを有するセンサ筺体を含むことができる。第1シェルおよび第2シェルは各々治療患者の体組織を受容する形状とすることができる。また、センサは第1シェル上に配設されたエミッタを含むことができ、これは治療患者の体組織上に光を発することができる。センサは第2シェル上に配設された検出器をさらに含むことができ、これは光路に沿って配設された体組織によって減衰した光を受け取ることができる。さらに、センサはエミッタと検出器の間に配設された遮蔽を含むことができ、これは光路中に実質的に透明な導電性材料を含むことができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、光感受性検出器からのノイズの相互作用を遮蔽することのできる伝導性遮蔽は、実質的に透明な材料と、実質的に透明な材料の少なくとも一部に配設された導電性材料を含むことができる。伝導性遮蔽は、前記光源からの光の少なくともいくらかが前記伝導性遮蔽を通過して光検出器上に照射するように、光源と光検出器の間に配設することができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、1つ以上の光通信装置を遮蔽するためのシステムは、光放射を発することのできるエミッタ、およびエミッタと検出器の間に配設された遮蔽装置を含むことができる。遮蔽装置は実質的に透明な導電性材料を含むことができる。遮蔽装置は光放射の少なくとも一部を通過させて、検出器の受け取るノイズを低減することができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、治療患者の体組織によって減衰した光を検出することのできる光医療センサは光を発することのできるエミッタと、検出器と、検出器の受け取るノイズを低減することのできる実質的に透明な導電性材料、および実質的に透明な導電性材料中の窓を有するノイズ遮蔽とを含むことができる。窓は光放射の少なくとも一部を検出器に通過させることができる。
【0020】
本開示の要約の目的のために、本発明のいくつかの態様、利点および新規な特徴を本明細書で説明する。それらの全ての利点が、必ずしも本明細書に開示される特定の実施形態によって達成できるものではないことを理解されたい。したがって、本明細書に開示される本発明は、必ずしも本明細書に教示または示唆することのできる他の利点を達成することなく、本明細書に教示される1つの利点または利点の群を達成し最適化することによって具現化または実施することができる。
【0021】
図面を通じて参照番号は参照された要素間の一致を示すために再使用することができる。図面は本明細書に説明される本発明の実施形態を示すために提供され、その範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本開示の一実施形態による、監視される患者の1つ以上の血液検体を非侵襲的に測定することのできる例示的データ収集システムのブロック図を示す図である。
【図2A】本開示の実施形態による、図1の患者監視システムの例示的手持ちモニタおよび例示的非侵襲光センサを示す図である。
【図2B】本開示の実施形態による、図1の患者監視システムの例示的手持ちモニタおよび例示的非侵襲光センサを示す図である。
【図2C】本開示の実施形態による、図1の患者監視システムの例示的手持ちモニタおよび例示的非侵襲光センサを示す図である。
【図2D】本開示の実施形態による、図1の患者監視システムの例示的手持ちモニタおよび例示的非侵襲光センサを示す図である。
【図3A】本開示の実施形態による、指台突起とヒートシンクを含む例示的非侵襲センサ筺体の側面図および透視図を示す。
【図3B】本開示の実施形態による、指台突起とヒートシンクを含む例示的非侵襲センサ筺体の側面図および透視図を示す。
【図3C】本開示の実施形態による、指台突起とヒートシンクを含む例示的非侵襲センサ筺体の側面図および透視図を示す。
【図3D】本開示の一実施形態による、ヒートシンクを含む他の例示的非侵襲センサ筺体の側面図を示す。
【図3E】本開示の一実施形態による、例示的検出器を含む例示的非侵襲センサ検出器シェルの透視図を示す。
【図3F】本開示の一実施形態による、指台突起とヒートシンクを含む例示的非侵襲センサ筺体の側面図を示す。
【図4A】本開示の一実施形態による、例示的突起の上部立面図、側面図、および上部透視図を示す。
【図4B】本開示の一実施形態による、例示的突起の上部立面図、側面図、および上部透視図を示す。
【図4C】本開示の一実施形態による、例示的突起の上部立面図、側面図、および上部透視図を示す。
【図5】本開示の一実施形態による、光透過に対する突起の可能な影響を描く例示的グラフを示す。
【図6A】本開示の一実施形態による、他の例示的突起の透視図、前部立面図、側面および上部平面図を示す。
【図6B】本開示の一実施形態による、他の例示的突起の透視図、前部立面図、側面および上部平面図を示す。
【図6C】本開示の一実施形態による、他の例示的突起の透視図、前部立面図、側面および上部平面図を示す。
【図6D】本開示の一実施形態による、他の例示的突起の透視図、前部立面図、側面および上部平面図を示す。
【図6E】本開示の一実施形態による、図6A〜6Dの突起を組み込む例示的センサを示す図である。
【図7A】本開示の一実施形態による、図1のシステムに使用することのできる伝導性ガラスの例示的配置を示す図である。
【図7B】本開示の一実施形態による、図1のシステムに使用することのできる伝導性ガラスの例示的配置を示す図である。
【図8A】本開示の一実施形態による、図1のシステムに使用することのできる伝導性ガラスの例示的上部立面図、側面図、および底部立面図を示す。
【図8B】本開示の一実施形態による、図1のシステムに使用することのできる伝導性ガラスの例示的上部立面図、側面図、および底部立面図を示す。
【図8C】本開示の一実施形態による、図1のシステムに使用することのできる伝導性ガラスの例示的上部立面図、側面図、および底部立面図を示す。
【図8D】本開示の一実施形態による、図1のシステムに使用することのできる伝導性ガラスの例示的上部立面図、側面図、および底部立面図を示す。
【図9】センサの一実施形態によって得られる例示的比較結果を示す図である。
【図10A】本開示のさまざまな実施形態の例示的比較ノイズフロアを示す図である。
【図10B】本開示のさまざまな実施形態の例示的比較ノイズフロアを示す図である。
【図11】本開示の一実施形態による、センサの一実施形態を含むことのできるいくつかの部品のブロック図である。
【図12】本開示の一実施形態による、センサの一実施形態に使用することのできる例示的検出器部分を示す図である。
【図13】本開示の一実施形態による、図1のシステムの例示的複数流運転を示す図である。
【図14A】本開示の一実施形態による、センサの一実施形態に使用することのできる部分的に円筒状の突起を有する他の例示的検出器部分を示す図である。
【図14B】図14Aの部分的に円筒状突起の前部立面図である。
【図14C】検出器サブマウントの実施形態を示す図である。
【図14D】検出器サブマウントの実施形態を示す図である。
【図14E】検出器サブマウントの実施形態を示す図である。
【図14F】検出器シェルの部分の実施形態を示す図である。
【図14G】検出器シェルの部分の実施形態を示す図である。
【図14H】検出器シェルの部分の実施形態を示す図である。
【図14I】センサの一実施形態の断面図を示す。
【図15A】ヒートシンクの特徴を含むセンサの実施形態を示す図である。
【図15B】ヒートシンクの特徴を含むセンサの実施形態を示す図である。
【図15C】ヒートシンクの特徴を含むセンサの実施形態を示す図である。
【図15D】ヒートシンクの特徴を含むセンサの実施形態を示す図である。
【図15E】ヒートシンクの特徴を含むセンサの実施形態を示す図である。
【図15F】ヒートシンクの特徴を含むセンサの実施形態を示す図である。
【図15G】本明細書に説明される任意のセンサと一緒に使用することのできるコネクタの特徴の実施形態を示す図である。
【図15H】本明細書に説明される任意のセンサと一緒に使用することのできるコネクタの特徴の実施形態を示す図である。
【図16A】廃棄可能な光センサの実施形態を示す図である。
【図16B】廃棄可能な光センサの実施形態を示す図である。
【図17】例示的センサのいくつかの部品の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は一般に非侵襲医療装置に関する。一実施形態において、生理センサは患者の指などの測定部位に結合することのできる検出器筺体を含む。センサ筺体は一般に測定部位の形状に一致することのできる湾曲した台を含むことができる。さらに、湾曲した台は測定部位からの光放射の量を増加させる形状にした突起を含むことができる。一実施形態において、突起は測定部位を薄くするために用いられる。これは光放射が、少ない組織を通過し、したがって減衰が少なくなる。一実施形態において、突起は減衰した光を測定することのできる面積を増加させるために用いることができる。一実施形態において、これは測定部位を出て1つ以上の検出器上に合焦する減衰した光を収集するレンズの使用によって行われる。突起は、光のノイズを低減するのに有用な黒または他の着色プラスチックなど、硬質の不透明プラスチックを含んで、プラスチックを有利に含む。一実施形態において、このような光ノイズは、患者の測定部位の組織によって減衰せずに光検出器で検出される、患者の1つ以上の生理パラメータを示す情報を含むのに十分な光を含む。それらの光ノイズはライトパイプを含む。
【0024】
一実施形態において、突起は湾曲した台から形成することができ、または台に配置することの可能な別の部品とすることができる。一実施形態において、任意の適切な材料から作られたレンズを突起として使用することができる。突起は凸形状とすることができる。また、突起は測定部位に一致するように平坦または比較的平坦な表面の寸法および形状にすることができる。また、突起は測定部位に一致するように、例えば凹または凸表面などの丸い表面にすることができる。突起は円筒状または部分的に円筒状の形状を含むことができる。突起は成人、子供または幼児などの異なる種類の患者のために異なるサイズまたは形状とすることができる。また、突起は、例えば、指、足指、手、足、耳、額等を含んで異なる測定部位のために異なるサイズまたは形状とすることができる。したがって、突起は任意の種類の非侵襲センサに役立つことができる。突起の外部表面は1つ以上の開口部または窓を含むことができる。開口部は指などの測定部位からの減衰した光を1つ以上の検出器に通過させることが可能なように、ガラスから作ることができる。代わりに、全ての突起のいくつかは部分的に円筒状レンズなどのレンズとすることができる。
【0025】
また、センサは、ノイズを低減するために、以下に説明する金属製のエンクロージャまたは突起内の埋め込みなどの遮蔽を含むことができる。遮蔽は銅などの伝導性材料から箱などの金属ケージまたはエンクロージャの形に作ることができる。遮蔽は第2の組の1つ以上の開口部または窓を含むことができる。第2の組の開口部はガラスから作ることができ、突起の外部表面の第1の組の窓を通過した光が、例えば以下に説明する収容することのできる1つ以上の検出器を通過することを可能にする。
【0026】
さまざまな実施形態において、遮蔽はエミッタと検出器の間の光路に配置された任意の実質的に透明な伝導性材料を含むことができる。遮蔽は、ガラス、プラスチック等などの透明材料から作ることができる。遮蔽は少なくとも部分的に透明な導電性材料またはコーティングを有することができる。導電性コーティングは遮蔽の片側または両側、または遮蔽の本体内部に配置することができる。さらに、導電性コーティングは遮蔽全体に均一に分散することができ、またはパターン形成することができる。さらに、コーティングはその遮蔽効果を増加または最適化するために、均一なまたは変化する厚さを有することができる。遮蔽は任意の種類の分光を用いる非侵襲センサに役立つことができる。
【0027】
一実施形態において、センサはヒートシンクを有することもできる。一実施形態において、ヒートシンクはその過剰の熱を放散する能力および着用者に美的快適さを与える形状を含むことができる。例えば、ヒートシンクは表面積を最大化して熱のより高い放散を可能にするように構成することができる。一実施形態において、ヒートシンクは、熱伝導性と放散性を向上させるカーボンおよびアルミニウムを含むプラスチックなど、金属化プラスチックを含む。一実施形態において、ヒートシンクは審美的および機能的目的のために望ましい形状および構成に安価に成型できるのが有利である。例えば、ヒートシンクの形状は一般に湾曲した表面とすることができ、1つ以上のフィン、波状起伏、溝またはチャンネル、または櫛を含むことができる。
【0028】
本開示において、センサは複数流の分光を用いてさまざまな血液の検体を非侵襲的に測定することができる。一実施形態において、複数流分光は可視、赤外、および近赤外波長を用いることができる。本明細書において開示されるように、センサは特徴と部品のさまざまな組み合わせに基づいて血液検体またはそのパーセント(例えば飽和)を非侵襲的に測定することが可能である。
【0029】
センサはエミッタ、検出器、および他の部品などの光通信部品を含むことができる。エミッタは、一実施形態において互いに点源として配置された複数の組みの光源を含むことができる。さまざまな光源は異なる波長の一連の光放射パルスを、患者の指などの測定部位に向けて発する。次いで、検出器は測定部位からの光放射を検出することができる。光源および光放射検出器は本明細書において論じられるように、赤外、近赤外、可視光、および紫外性を含んで任意の適切な波長で運転することができる。さらに、光源および光放射検出器は任意の適切な波長で運転することができ、当業者であれば、任意の波長で運転するための望ましい実施形態の修正は明らかであろう。いくつかの実施形態において、複数の検出器が用いられ、空間的な幾何形状に配置される。この空間的な幾何形状は少なくともいくつかの検出器の間の路長の多様性を提供し、複数のバルク測定およびパルス状の安定した測定を可能にする。検出器の各々は検出した光放射に基づいてそれぞれの出力流を提供することができ、または出力流の合計を複数の検出器から提供することができる。また、いくつかの実施形態において、センサは1つ以上のヒートシンクおよび1つ以上のサーミスタなど他の部品を含むことができる。
【0030】
センサはセンサの出力を処理および/または表示する1つ以上のモニタに結合することができる。モニタはセンサフロントエンド、信号プロセッサ、ディスプレイ等などのさまざまな部品を含むことができる。
【0031】
センサはモニタと一体化して、例えば、センサ、ディスプレイ、および使用者制御器を含む手持ちユニットにすることができる。他の実施形態において、センサは、1つ以上の処理装置と通信することができる。通信は、ワイヤ、ケーブル、可撓性回路、ワイアレス技術、または他の適切なアナログまたはデジタル通信伝達方法およびこれらの方法を実行する装置によることができる。前述の構成の多くは、装置を患者の腕など患者の他の場所に取り付け、またはベッド、棚、またはテーブルなど患者に近い場所に配置している間に、センサを測定部位に取り付けることを可能にする。また、センサまたはモニタは記憶装置またはネットワークインターフェースに出力することができる。
【0032】
ここで、本開示の実施形態を論ずるために図面を参照する。
【0033】
図1はデータ収集システム100の一例を示す。いくつかの実施形態において、データ収集システム100は、酸素、一酸化炭素、メトヘモグロビン、総ヘモグロビン、グルコース、プロテイン、グルコース、リピド、そのパーセント(例えば飽和)などの血液検体を非侵襲的に測定し、または他の多くの生理に関する患者の特性を測定する。また、システム100は、追加の血液検体および/または患者の健康の状態または傾向を決定するのに有用な他の生理パラメータを測定することができる。
【0034】
データ収集システム100は測定部位からの光放射を測定することが可能である。例えば、いくつかの実施形態において、データ収集システム100は面積に関して画定したフォトダイオードを用いることができる。一実施形態において、面積は、フルスケールで測定された光から得られる約100ナノアンペア(nA)以下の電流を検出できる約1mm2〜5mm2(またはそれ以上)である。通常の意味に加えて、句「フルスケールで」は、フォトダイオード増幅器(図示されない)の光飽和を意味することができる。無論、当業者であれば本開示から理解するように、本開示の実施形態と一緒に、さまざまな他のサイズおよび種類のフォトダイオードを使用することができる。
【0035】
データ収集システム100はフルスケールで約2nA〜約100nAの範囲を測定することができる。また、データ収集システム100は、さまざまな望ましい検体を測定するために、約100デシベル(dB)以上、約120デシベルなどの信号対ノイズ比(SNR)で検出器からの電流を処理および増幅することのできるセンサのフロントエンドを含むことができる。データ収集システム100は、グルコースなどの検体用に低い精度が望ましければ、低いSNRで運転することができる。
【0036】
データ収集システム100は、測定部位102によって減衰した光を少なくとも部分的に検出することによって、グルコースを含んで検体の濃度を測定することができる。測定部位102は、指、足、耳たぶ等、患者の体の任意の位置とすることができる。便宜的に、本開示は主として指の測定部位102の文脈で説明される。しかし、本明細書に説明される実施形態の特徴は他の測定部位で使用することができる。
【0037】
示した実施形態において、システム100は場合によって厚さ調節器または組織成形器105を含み、これは1つ以上の突起、バンプ、レンズ、または他の適切な組織成形機構を含むことができる。いくつかの実施形態において、組織成形器105は測定部位102の近くに配置することができ、十分な圧力を加えて測定部位102の組織を平坦または実質的に平坦にすることのできる平坦または実質的に平坦な表面である。他の実施形態において、組織成形器105は、測定部位102に対して凸状または実質的に凸状の表面である。多くの他の形状の組織成形器105が可能である。有利なことに、いくつかの実施形態において、組織成形器105は測定部位102での閉塞を回避または低減しながら、測定部位102の厚さを減少する。部位の厚さが減少することによって、光が通過しなければならない組織が少なくなり、光の減衰量が有利に低減する。また、組織を凸状(または代わりに凹状)表面に成形することは、光を検出することのできるより多くの表面積を提供する。
【0038】
また、示したデータ収集システム100の実施形態は、自由選択的なノイズ遮蔽103を含む。一実施形態において、ノイズ遮蔽103は、測定部位102から1つ以上の検出器106への光の透過を増加させながら、有利に電磁気ノイズを低減するようにされる(以下に説明される)。例えば、ノイズ遮蔽103は、センサ101の1つ以上の他の遮蔽と電気的に伝達する伝導性被覆ガラスまたは金属グリッドを有利に含むことができる、ノイズ遮蔽103が伝導性被覆ガラスを含む一実施形態において、コーティングはインジウムスズ酸化物を有利に含むことができる。一実施形態において、インジウムスズ酸化物は約30オーム/平方インチ〜500オーム/平方インチの表面抵抗を含む。一実施形態において、抵抗は約30、200、500オーム/平方インチである。本開示から当業者であれば理解するように、30オーム未満または500オーム以上の他の抵抗を用いることもできる。代わりに、光に透明なまたは実質的に透明な他の伝導性材料を使用することができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、測定部位102は利き腕または利き手ではないどこかの場所、例えば、右利きの人の左腕または左手とすることができる。ある患者において、非利き腕または非利き手は、少ない筋肉および高い脂肪含有率を有することができ、これはその患者の組織中に水の含有率が少ないという結果になる。水含有率の低い組織は、グルコースなどの血液検体によって有用に吸収される特定の波長との干渉が少ない。したがって、いくつかの実施形態において、データ収集システム100は人の非利き手または非利き腕上で用いることができる。
【0040】
データ収集システム100は、処理装置または生理モニタ109に結合したセンサ101(または複数のセンサ)を含むことができる。一実施形態において、センサ101およびモニタ109は互いに単一のユニットへ一体化される。他の実施形態において、センサ101およびモニタ109は互いに離れており、配線または無線接続など互いに任意の適切な方法によって互いに伝達する。センサ101およびモニタ109は、使用者または看護者の便宜上、貯蔵の容易さ、滅菌性の問題等のために互いに取り付け取り外すことができる。ここで、センサ101およびモニタ109をさらに説明する。
【0041】
図1に示した実施形態において、センサ101はエミッタ104と、組織成形器105と、1組の検出器106と、フロント・エンド・インターフェース108を含む。エミッタ104は、測定部位102に向かって送られる光放射源として働く。以下でさらに詳細に説明するように、エミッタ104は、LED、レーザーダイオード、適切な周波数選択フィルタを備える白熱電球、その組み合わせ等など、1つ以上の光放射源を含むことができる。一実施形態において、エミッタ104は可視および近赤外光放射を発することの可能な光源の組を含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、エミッタ104は点光源として使用され、したがって、エミッタ104の1つ以上の光源は約2mm〜約4mm内の互いに近い距離で配置することができる。エミッタ104は、その開示がその全体を参照により本明細書に組み込まれている、2006年9月21日に「複数波長センサエミッタ(Multiple Wavelength Sensor Emitters)」の名称で出願された米国特許公開第2006/0211924号に記載されるように、アレイに配置することができる。詳細には、エミッタ104は前述の刊行物のパラグラフ[0061]から[0068]に少なくとも部分的に記載されているように配置することができ、このパラグラフは参照により特に本明細書に組み込まれている。エミッタ104を配置するために、他の相対的な空間関係を用いることができる。
【0043】
グルコースなどの検体については、現在入手可能な非侵襲技術はしばしば最小約1600nmの水吸収に近い光の使用を試みる。典型的に、これらの装置および方法は、約1600nmの単一波長または単一波長帯域を用いる。しかし、現在まで、これらの技術は分光に基づいてグルコースなどの検体を十分且つ安定して測定することはできなかった。
【0044】
対照的に、データ収集システム100のエミッタ104は、いくつかの実施形態において、対象のさまざまな帯域の光放射の組み合わせを発することができる。例えば、いくつかの実施形態において、グルコースなどの検体については、エミッタ104は約1600nm〜約1700nmの間の3つ以上の波長で光放射を発することができる。詳細には、エミッタ104は約1610nm、約1640nm、約1665nmの光放射を発することができる。いくつかの場合に、約1600nm〜約1700nm内の3つの波長の使用は約100dBの十分なSNRが可能であり、これはグルコースなどの検体について、約20mg/DLまたはそれ以上の測定精度を得ることができる。
【0045】
他の実施形態において、エミッタ104は約1600nm〜約1700nm内の2つ(2)の波長を用いて、有利に約85dBのSNRを可能にすることができ、これはグルコースなどの検体について約25〜30mg/DL以上の測定精度を得ることができる。さらに、いくつかの実施形態において、エミッタ104は約1670nmを超える波長の光を発することができる。これらの波長での測定を用いて、約1600nm〜約1700nmの間で行われるグルコースなどの検体の測定において示されるプロテイン、水、および他の非ヘモグロビン種の寄与を補正または確認することができる。無論、他の波長または波長の組み合わせを用いて、検体の測定、および/または他の種類の組織、流体、組織特性、流体特性、その組み合わせ等を識別することができる。
【0046】
例えば、エミッタ104は、他の検体のために他のスペクトルの光放射を発することができる。詳細には、エミッタ104は、様々な血液検体またはそのパーセント(例えば飽和)を測定するために複数の波長を用いることができる。例えば、一実施形態において、エミッタ104は約905nm、約1200nm、約1300nm、約1330nm、約1610nm、約1640nm、約1665nmの波長でパルスの形の光放射を発することができる。他の実施形態において、エミッタ104は約860nm〜約950nm、約950nm〜約1100nm、約1100nm〜約1270nm、約1250nm〜約1350nm、約1300nm〜約1360nm、約1590nm〜約1700nmの光放射を発することができる。無論、エミッタ104は可視または近赤外光放射の任意のさまざまな波長を発することができる。
【0047】
異なる波長に対して検体の応答が異なるため、データ収集システム100のいくつかの実施形態は、これらの異なる波長を有利に用いて測定の精度を高めることができる。例えば、可視光および赤外光からの水の測定を用いて、近赤外波長に示される水吸収を補償することができる。
【0048】
上で概略を説明したように、エミッタ104はその光源として発光ダイオード(LED)の組を含むことができる。エミッタ104は1つ以上の上部発光LEDを用いることができる。詳細には、いくつかの実施形態において、エミッタ104は約850nm〜1350nmの光を発する上部発光LEDを含むことができる。
【0049】
また、エミッタ104は、スーパー発光LED(SLED)または側部発光LEDを用いることができる。いくつかの実施形態において、エミッタ104はSLEDまたは側部発光LEDを用いて約1600nm〜約1800nmの光放射を発することができる。これらの種類の光源は高エネルギーまたは比較的高エネルギー、例えば、約40mW〜約100mWの光を発することができるので、エミッタ104はSLEDまたは側部放射LEDを用いて近赤外光放射を発することができる。このより高いエネルギーの能力は組織および水におけるこれらの波長の光の大きな減衰を補償しまたは打ち勝つために用いることができる。例えば、より高いエネルギーの放射は、吸収後に1つ以上の光検出器によって検出することのできる他の波長と同じ強度および/または効率であるように、前述の波長における光の吸収信号を効率的に補償および/または正規化することができる。代わりに、エミッタ104はレーザーダイオードなどの他の種類の光放射源を用いて測定部位102に近赤外光を発することができる。
【0050】
さらに、いくつかの実施形態において、LED間の望ましいエネルギー出力の相対的なバランスを達成するのを助けるために、エミッタ104中のいくつかのLEDは、特定のLEDまたはLEDの群からの光放射を低減および/または清浄化するフィルタまたは被覆を有することができる。例えば、いくつかの光の波長は比較的良く組織を透過することができるので、上部発光LEDのいくつかまたは全てなどのLEDは、キャップまたは着色染料などのフィルタまたは被覆を用いることができる。これはエミッタ104により高い出力を有するLEDを使用することを可能にし、および/またはLEDの強度を等しくするために使用することを可能にする。
【0051】
また、データ収集システム100はエミッタ104を駆動するドライバ111を含む。ドライバ111はモニタ109によって制御される回路等とすることができる。例えば、ドライバ111はエミッタ104に電流のパルスを提供することができる。一実施形態において、ドライバ111は交流など漸進的にエミッタ104を駆動する。ドライバ111は、比較的良好に組織を透過することのできるいくつかの波長については約1ミリワット(mW)、組織に大きく吸収されやすい他の波長については約40mW〜約100mWの一連のパルスでエミッタ104を駆動することができる。さまざまな実施形態において、さまざまな他の駆動エネルギーおよび駆動方法を用いることができる。
【0052】
ドライバ111はセンサ101の他の部品と同期させることができ、エミッタ104から発する光放射のパルスタイミングにおけるジッタを最小化または減少することができる。いくつかの実施形態において、ドライバ111はエミッタ104に100万分の10部未満の変化でパターン化された光放射を発光させることが可能である。
【0053】
検出器106は測定部位からの光を捕捉し測定する。例えば、検出器106はエミッタ104から発光して測定部位102で減衰した、または反射した光を捕捉し測定することができる。検出器106は捕捉または測定された光に対応する検出器信号107を出力することができる。検出器106は1つ以上のフォトダイオード、フォトトランジスタ等を用いて実施することができる。
【0054】
さらに、検出器106は、少なくともいくつかの検出器106の間の路長変化を提供する空間的構成で配置することができる。すなわち、いくつかの検出器106は、実質的に、または処理アルゴリズムの見地から効率的にエミッタ104から同じ路長を有することができる。しかし、一実施形態によれば、少なくともいくつかの検出器106は他の検出器106に比べてエミッタ104から異なる路長を有することができる。路長の変化は検出器106からの多くの信号流を用いることを可能にする。
【0055】
フロント・エンド・インターフェース108は、望ましい生理パラメータに対応する検出器106の出力に適合するインターフェースを提供する。例えば、フロント・エンド・インターフェース108は、1つ以上の検出器106から受け取った信号107を、モニタ109によって、例えば、モニタ109の信号プロセッサ110によって処理することのできる形に適合させることができる。フロント・エンド・インターフェース108は、センサ101、モニタ109、接続配線(使用される場合)、その組み合わせ等に組み立てられたその部品を有することができる。フロント・エンド・インターフェース108の位置は、部品に望まれる空間、望ましいノイズ低減または制限、望ましい熱低減または制限等を含むさまざまな要因に基づいて選択することができる。
【0056】
フロント・エンド・インターフェース108は、バス、ワイヤ、電気的または光学的ケーブル、可撓性回路、または信号接続の他の形を用いて、検出器106および信号プロセッサ110に結合することができる。また、フロント・エンド・インターフェース108は、検出器106などのさまざまな部品と少なくとも部分的に一体化することができる。例えば、フロント・エンド・インターフェース108は、検出器106と同じ回路基板上にある1つ以上の集積回路を含むことができる。また、他の構成も用いることができる。
【0057】
フロント・エンド・インターフェース108は、シグマ−デルタADCなど、1つ以上のアナログ−デジタル変換器(ADC)(モニタ109中に存在することができる)に結合したトランスインピーダンス増幅器などの1つ以上の増幅器を用いて実施することができる。トランスインピーダンスに基づくフロント・エンド・インターフェース108はシングルエンド回路、ディファレンシャル回路、および/またはハイブリッド構成を用いることができる。トランスインピーダンスに基づくフロント・エンド・インターフェース108は、そのサンプリングレート能力および変調/復調のアルゴリズムにおける自由度のため、有用である。例えば、この型のフロント・エンド・インターフェース108は、エミッタ104から発したパルスと同期するADCのサンプリングを有利に促進する。
【0058】
ADCまたは複数のADCは、1つ以上の出力をモニタ109の信号プロセッサ110によって処理するためにデジタル情報の複数のチャンネル中に提供することができる。各チャンネルは検出器106からの信号出力に対応することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、トランスインピーダンスに基づくフロント・エンド・インターフェース108と組みわせてプログラム可能な利得増幅器(PGA)を用いることができる。例えば、トランスインピーダンスに基づくフロント・エンド・インターフェース108の出力はモニタ109中のADCと結合したPGAに出力することができる。PGAは、他のレベルの増幅および検出器106からの信号流の制御を提供するのに有用である。代わりに、PGAおよびADCの部品は、センサ101中でトランスインピーダンスに基づくフロント・エンド・インターフェース108と一体化することができる。
【0060】
他の実施形態において、フロント・エンド・インターフェース108はスイッチングキャパシタ回路を用いて実施することができる。スイッチングキャパシタに基づくフロント・エンド・インターフェース108は、いくつかの実施形態において、その抵抗体のない設計およびアナログ平均化特性のため有用である。さらに、スイッチングキャパシタに基づくフロント・エンド・インターフェース108は、それがモニタ109中の信号プロセッサ110にデジタル信号を提供できるので有用である。
【0061】
図1に示したように、モニタ109は信号プロセッサ110およびディスプレイ112などのユーザーインターフェースを含むことができる。また、モニタ109は場合によって単独またはディスプレイ112と組み合わせて記憶装置114およびネットワークインターフェース116などの出力を含むことができる。一実施形態において、信号プロセッサ110は、検出器106から受け取った信号に基づいてグルコースなどの望ましい検体についての測定を決定する処理ロジックを含む。信号プロセッサ110は1つ以上のマイクロプロセッサまたはサブプロセッサ(例えばコア)、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、現場書き換え可能ゲートアレイ(FPGA)、その組み合わせ等を用いて実施することができる。
【0062】
信号プロセッサ110はセンサ101の運転を制御するさまざまな信号を提供することができる。例えば、信号プロセッサ110はドライバ111にエミッタ制御信号を提供することができる。この制御信号はエミッタ104から発するパルスのタイミングのジッタを同期化し、最小化し、低減するために有用である。したがって、この制御信号は、エミッタ104から発する光放射パルスを正確なタイミングおよび安定したパターンにするために有用である。例えば、トランスインピーダンスに基づくフロント・エンド・インターフェース108が用いられるとき、信号プロセッサ110からの制御信号はエイリアシングやクロストーク等を避けるためにADCとの同期化を提供することができる。また、示したように、フロント・エンド・インターフェース108および/または信号プロセッサ110が任意のメモリ113を含むことができる。このメモリ113は、他の用途の中でも、フロント・エンド・インターフェース108および/または信号プロセッサ110のためのバッファまたは記憶位置として働くことができる。
【0063】
ユーザーインターフェース112は、データ収集システム100の使用者への提示のために、例えばディスプレイ上に出力を提供することができる。ユーザーインターフェース112は、タッチスクリーンディスプレイ、LCDディスプレイ、有機LEDディスプレイ等として実施することができる。さらに、ユーザーインターフェース112は患者の主要ではない側の測定を可能にするよう操作することができる。例えば、ユーザーインターフェース112は、モニタ109上で一方の側から他方側へ動かすことのできるスクリーンである反転スクリーンを含むことができ、または使用者の入力または装置の配列に応じてその表示を再配列する能力を含むことができる。代替の実施形態において、データ収集システム100はユーザーインターフェース112なしで提供することができ、分離したディスプレイまたはシステムに単純に出力信号を提供することができる。
【0064】
記憶装置114およびネットワークインターフェース116はモニタ109に含むことのできる自由選択的な他の出力コネクタを表す。記憶装置114は、メモリ装置、ハードディスクドライブ、EEPROM、フラッシュドライブ等などの任意のコンピュータ読み取り可能な媒体を含むことができる。記憶装置114にはさまざまなソフトウェアおよび/またはファームウェアアプリケーションを記憶することができ、これはモニタ109の信号プロセッサ110または他のプロセッサによって実行することができる。ネットワークインターフェース116は、シリアル・バス・ポート(RS−232/RS−485)、ユニバーサル・シリアル・バス・ポート(USB)、イーサネット(登録商標)ポート、無線インターフェース(例えば、内部無線カードを含んで任意の802.1×インターフェースなどのWiFi)、またはモニタ109が他の装置と通信しデータを共有することの可能な他の適切な通信装置とすることができる。また、モニタ109は、マイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、または、ユーザーインターフェース112に出力し、データ通信を制御し、データ動向を計算し、または他の運転の実行するための制御器など、図示されないさまざまな他の部品を含むことができる。
【0065】
記述された実施形態には示されないが、データ収集システム100はさまざまな他の部品を含むことができ、または異なる方法で構成することができる。例えば、センサ101は測定部位102の同じ側にエミッタ104と検出器106の両方を有することができ、検体測定に反射を用いることができる。また、データ収集システム100は、エミッタ104から発する光のエネルギーを測定するセンサを含むことができる。
【0066】
図2A〜2Dはデータ収集システム100を収容することのできる例示的監視装置200を示す。いくつかの実施形態において、示した例示的監視装置200のいくつかまたは全ては、使用者がそれを片手で運転し、またはそれを例えば患者の体または手足に取り付けることができるような形状およびサイズを有利に有することができる。いくつかの例を図示したが、データ収集システム100を収容するために多くの他の監視装置構成を用いることができる。さらに、図2A〜2Dに示した監視装置200のいくつかの特徴は図示した他の監視装置200の特徴と組み合わせることができる。
【0067】
詳細に図2Aを参照すれば、例示的監視装置200Aが示され、センサ201aおよびモニタ209aが単一ユニットへ一体化される。示された監視装置200Aは、患者の指のグルコースおよび他の検体を測定することのできる手持ちまたは携帯装置である。センサ201aはエミッタシェル204aおよび検出器シェル206aを含む。また、監視装置200Aの描かれた実施形態は、さまざまな制御ボタン208aおよびディスプレイ210aを含む。
【0068】
センサ201aは反射の目的のために用いられた白い材料(白いシリコーンまたはプラスチックなど)から作られ、これは光をセンサ201aに戻すことによって、検出器106で使用可能な信号を増加させる。エミッタシェル204aおよび検出器シェル206a中のパッドは例えば、患者の指上の分離した四半分からの光信号の混合を防止または低減するために分離した窓を含むことができる。さらに、これらのパッドは、例えば患者の指の形状に一致するために、ゲルまたは発泡体などの比較的柔らかい材料から作ることができる。また、エミッタシェル204aおよび検出器シェル206aは、環境の光がセンサ201aに入るのを防止または低減するために吸収性の黒色または灰色部分を含むことができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、エミッタシェル204aおよび/または検出器シェル206aのいくつかまたは全ては取り外し可能および/または廃棄可能とすることができる。例えば、シェル204aおよび206aのいくつかまたは全ては取り外し可能とすることができる。シェル204aおよび206aが取り外し可能であることは滅菌目的またはセンサ201aを異なる患者のサイズにするために有用である。モニタ209aは、センサ201cをモニタ209aに取り外し可能に取り付けるのを可能にする、固定具、溝、磁石、または他の接続機構を含むことができる。
【0070】
また、監視装置200aは、使用者が装置の運転を制御できるように、自由選択的な制御ボタン208aおよびディスプレイ210aを含むことができる。例えば、使用者は制御ボタン208aを操作してグルコースなどのさまざまな検体の1つ以上の測定値を見ることができる。さらに、使用者は制御ボタン208aを操作して、グラフ、ヒストグラム、測定データ、トレンド測定データ、パラメータ組み合わせ表示、健康表示等などの他の情報の形を見ることができる。多くのパラメータ、トレンド、警告、およびパラメータ表示は、カリフォルニア州のアーバイン、Masimo(登録商標)Corporation製のさまざまな非侵襲監視装置から市場で入手可能なものなどのディスプレイ210aに出力することができる。
【0071】
さらに、制御208aおよび/またはディスプレイ210aは、警告設定、エミッタ設定、検出器設定等など、監視装置200aの設定を操作する使用者のための機能を提供することができる。監視装置200aは、フレーム、メニュー、タッチスクリーン、および任意の種類のボタンなど任意のさまざまなユーザーインターフェース設計を用いることができる。
【0072】
図2Bは監視装置200Bの他の例を示す。描かれた実施形態において、監視装置200Bはケーブル212を経由してモニタ209bに接続された指クリップセンサ201bを含む。示された実施形態において、モニタ209bは、ディスプレイ210b、制御ボタン208b、および電源ボタンを含む。さらに、モニタ209bは、前記センサ201bからの信号データを受け取り、信号データを処理して監視される患者の1つ以上の生理パラメータを示す1つ以上の測定値を決定し、測定値、測定値の傾向、測定値の寄与を表示することのできる電気処理、信号処理、およびデータ記憶装置を有利に含むことができる。
【0073】
センサ201bとモニタ209bを接続するケーブル212は、1つ以上のワイヤ、光ファイバ、可撓性回路等を用いて実施することができる。いくつかの実施形態において、ケーブル212は、センサ201bからモニタ209bへ伝送されるデータのクロストークを最小化または低減するために、ねじった対の導体を用いることができる。さまざまな長さのケーブル212を用いて、センサ201bとモニタ209bの間の分離を可能にすることができる。ケーブル212は、センサ201bとモニタ209bを互いに接続し分離することができるようにケーブル212のいずれの端部にもコネクタ(雄または雌)を固定することができる。代わりに、センサ201bとモニタ209bは、赤外リンク、無線周波数チャンネル、または任意の他の無線通信プロトコルおよびチャンネルなどの無線通信リンクによって互いに結合することができる。
【0074】
モニタ209bは患者に取り付けることができる。例えば、モニタ209bは、患者のベルト、腕、脚等への取り付けを容易にするベルトクリップまたはストラップを含むことができる(例えば、図2C参照)。また、モニタ209bは、ケーブル212とセンサ201bをモニタ209bに取り付けることを可能にする固定具、溝、磁石、LEMOスナップクリック・コネクタ、または他の接続機構を含むことができる。
【0075】
また、モニタ209bは、スピーカー、電源ボタン、取り外し可能な記憶またはメモリ(例えばフラッシュ・カード・スロット)、AC電源ポート、および1つ以上のネットワークインターフェース、ユニバーサル・シリアル・バス・インターフェースまたはイーサネット(登録商標)ポートなどの他の部品を含むことができる。例えば、モニタ209bはグルコースの測定を例えばmg/dLで示すことのできるディスプレイ210bを含むことができる。また、他の検体およびディスプレイの形はモニタ209b上に表示することができる。
【0076】
さらに、単一モニタ209bを備える単一センサ201bが図示されるが、センサと装置の対の異なる組み合わせを実施することができる。例えば、複数の異なる種類の患者または測定部位または患者の指のために複数のセンサを提供することができる。
【0077】
図2Cは、データ収集システム100を収容することのできる監視装置200cのさらに他の例を示す。監視装置200Bのように、監視装置200Cは、ケーブル212によってモニタ209cに接続された指クリップセンサ201cを含む。ケーブル212は図2Bに関して上に説明した特徴の全てを有することができる。モニタ209cは上に説明したモニタ200Bの特徴の全てを含むことができる。例えば、モニタ209cはボタン208とディスプレイ210cを含む。また、示したモニタ209cはモニタ209cを患者の手足に取り付けることを可能にするストラップ214cを含む。
【0078】
図2Dはデータ収集システム100を収容することのできる監視装置200Dのさらに他の例を示す。監視装置200Bおよび200Cのように、監視装置200Dは、ケーブル212によってモニタ209dに接続された指クリップセンサ201dを含む。ケーブル212は図2Bに関して上に説明した特徴の全てを有することができる。図2Bおよび2Cに関して上に説明した特徴のいくつかまたは全てを有することに加えて、監視装置200Dは、自由選択的なユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート216およびイーサネット(登録商標)ポート218を含む。USBポート216およびイーサネット(登録商標)ポート218を用いて、例えば、ケーブルを経由してモニタ209dとコンピュータ(図示されない)の間の情報を伝送することができる。コンピュータに記憶されたソフトウェアは、使用者が、例えば、生理データおよび傾向、調節設定およびダウンロードファームウェア更新をモニタ209b上に見る機能を提供し、さまざまな他の機能を実行することができる。上に説明した他の監視装置200A、200B、200Cと一緒にUSBポート216およびイーサネット(登録商標)ポート218を含むことができる。
【0079】
図3A〜3Cはセンサ301aのさらに詳細な例を示す。図示したセンサ301aは上に説明したセンサ100および200の特徴の全てを含むことができる。
【0080】
図3Aを参照すれば、描かれた実施形態におけるセンサ301aは、患者の指を受け入れるためのエンクロージャ302aを含む洗濯バサミ形状のクリップセンサである。エンクロージャ302aは、下部部分または検出器シェル306aと回転可能に接続された上部部分またはエミッタシェル304aによって形成される。エミッタシェル304aは、旋回点303aの周りで互いに閉じることができるように検出器シェル306aにバイアスさせることができ、それによってエミッタシェル304aと検出器シェル306aの間に指組織を挟むことができる。
【0081】
一実施形態において、旋回点303aは、組織部位に用いられた時にエミッタシェル304aと検出器306aの間の関係を調節して部分を効率的に水平にすることのできるピボットを有利に含む。他の実施形態において、センサ301aは、指クリップの力を指に沿って配分するスプリングなど、上に組み込まれた米国特許公開第2006/0211924号に説明された指クリップの特徴のいくつかまたは全てを含む。この特徴を説明するパラグラフ[0096]〜[0105]は、特に参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
エミッタシェル304aは、センサ301aのさまざまなエミッタ部品を配置し収容することができる。それは反射性材料(例えば、白いシリコーンまたはプラスチック)から作ることができ、および/またはヒートシンクとして働くことの可能な金属製または金属化プラスチック(例えば、カーボンおよびアルミニウムを含んで)とすることができる。また、エミッタシェル304aは、センサ301aに入る環境の光を低減するために、1つ以上のフラップ307aの上などのさまざまな領域に、例えば、黒色または灰色に着色した材料など、吸収性不透明材料を含むことができる。
【0083】
検出器シェル306aはセンサ301aの1つ以上の検出器部分を配置し収容することができる。検出器シェル306aは白いシリコーンまたはプラスチックなどの反射性材料から作ることができる。述べたように、それらの材料は組織および測定部位中に光を戻すことによって、検出器での使用可能な信号を増加させることができる(図1を参照)。また、検出器シェル306aは、センサ301aに入る周囲の光を低減するために、下部領域308aなどのさまざまな領域で吸収性の不透明な材料を含むことができる。
【0084】
図3Bおよび3Cを参照すれば、センサ301b中に指台310が示される。指台310は、一般にヒトの指などの組織を受け取るように全体的に湾曲した表面形状を含む。指台310は1つ以上の隆起またはチャンネル314を含む。隆起314の各々は一般に患者の指を指台に引き付けまたは握るのを容易にすることのできる凸形状を有する。隆起314は、いくつかの実施形態において、センサ301aの内部での測定部位の緩やかな動きまたは振動に起因するノイズを低減することによって、分光分析の精度を高めることができる。いくつかの実施形態において、隆起314はさらにSNRを高めるために反射性または不透明な材料から作ることができる。他の実施において、例えば、全体的に平坦な、凹状の、または凸状の指台310など、他の表面形状を用いることができる。
【0085】
また、指台310は組織厚さ調節器または突起305の実施形態を含むことができる。突起305は測定部位の体組織に接触することのできる測定部位接触領域370(図3C参照)を含む。突起305は指台310から取り外しまたは一体化することができる。また、交換可能な異なる形状の突起305を提供することができ、これは異なる指の形状、特徴、不透明度、サイズ等に対応することができる。
【0086】
詳細に図3Cを参照すれば、突起305の接触領域370は開口部または窓320、321、322、および323を含むことができる。測定部位からの光が窓320、321、322、323を通過するとき、光は1つ以上の光検出器に到達することができる(図3E参照)。一実施形態において、窓320、321、322、323は、光が突起305を経由して光検出器に入射できるように、特定の検出器配置レイアウトを再現する。測定部位からの光を光検出器に通過させるように、突起305中に任意の数の窓320、321、322、323を使用することができる。
【0087】
また、窓320、321、322、323は、埋め込まれたワイヤの格子または伝導性ガラスコーティングなどの遮蔽を含むことができ、環境の光からのノイズまたは他の電磁気ノイズを減少させる。窓320、321、322、323は、プラスチックまたはガラスなどの材料から作ることができる。いくつかの実施形態において、窓320、321、322、323は、インジウムスズ酸化物(ITO)を被覆したガラスなど伝導性ガラスから作ることができる。伝導性ガラスはその遮蔽が透明であり、したがってワイヤの埋め込み格子を備える窓に対して大きな開口部を可能にするので、有用である。さらに、いくつかの実施形態において、伝導性ガラスはその遮蔽に開口部を必要とせず(それが透明であるので)、これはその遮蔽性能を高める。例えば、伝導性ガラスを用いるいくつかの実施形態は遮蔽格子を備える非伝導性ガラスよりも約40%〜約50%大きな信号を得ることができる。さらに、いくつかの実施形態に置いて、伝導性ガラスは、遮蔽格子を備える非伝導性ガラスよりも多方向からのノイズを遮蔽するのに有用である。
【0088】
図3Bに戻って、センサ301aは金属ケージ、箱、金属シート、孔明き金属シート、非金属材料上の金属層等などの遮蔽315aを含むこともできる。遮蔽315aは描かれた実施形態においてノイズを低減するために突起305の下部または内部に埋め込まれて提供される。遮蔽315aは銅などの伝導性材料から作ることができる。遮蔽315aは、1つ以上の開口部または窓(図示されない)を含むことができる。窓は、ガラスまたはプラスチックから作ることができ、それによって突起305の外部表面上の窓320、321、322、323(図3C参照)を通過した光は、下部に収容または提供することのできる1つ以上の光検出器(図3E参照)を通過することができる。
【0089】
一実施形態において、光検出器は突起305(図3E参照)の内部または直接下部に配置することができる。その場合、エミッタから検出器への平均光路長は縮小することができ、血液検体測定の精度を高めることができる。例えば、一実施形態において、高さ約1mm〜約3mmで約10mm2〜約60mm2の凸状バンプは、他の形状に対して信号強度を約1桁高めることが見出された。無論、他の実施形態において、他の寸法およびサイズを用いることができる。望ましい特性に応じて、突起305の長さ、幅、および高さを選択することができる。それらの決定をするために、突起305は測定部位の血液の流れおよび開口部320、321、322、323を通過する光放射の平均路長に影響を与えることを考慮することができる。また、突起のサイズと形状を決定するには患者の快適さを勘案することができる。
【0090】
一実施形態において、突起305は、柔らかいプラスチックまたはゴムを含んで、測定部位にいくらか適応することのできる柔軟な材料を含むことができる。柔軟な材料は、測定部位の接触領域370を測定部位に適応させることによって、患者の快適さおよび接触を改善することができる。さらに、柔軟な材料は環境光などのノイズを最小化または低減することができる。代わりに、突起305は硬質プラスチックまたは金属などの硬質材料から作ることができる。
【0091】
硬質材料は測定部位を接触領域370に順応させることによって血液検体の測定精度を高めることができる。接触領域370は精度の向上またはノイズ低減のために理想的な形状とすることができる。突起305の材料の選択は、測定部位で大きく血液流を変えない材料を配慮することを含む。突起305および接触領域370はさまざまな特性を有する材料の組み合わせを含むことができる。
【0092】
接触領域370は測定部位のための接触表面として働く。例えば、いくつかの実施形態において、接触領域370は患者の指と接触する形状とすることができる。したがって、接触領域370は異なるサイズの指のためのサイズおよび形状とすることができる。接触領域370は、反射の目的ならびに患者の快適さのために異なる材料から作ることができる。例えば、接触領域370はプラスチック、ゲル、発砲体等などのさまざまな硬度およびテクスチャを有する材料から作ることができる。
【0093】
図5に関して、続く数式および解析は、これらの変数の選択がいかにして、測定部位に適用された光放射の透過度と強度を変えることができるかの洞察を提供する。これらの例は本開示の範囲を制限するものではない。
【0094】
図5を参照すれば、さまざまな光の波長で、突起305の実施形態のSNRに対する効果を示すプロット500が示される。上述のように、突起305は組織への適応を助けることができ、その平均路長を効果的に縮小する。いくつかの実施形態において、この突起305による効果はSNRを高める顕著な影響を有する。
【0095】
Beer Lambertの法則によれば、光の透過度(I)は次のように表わすことができる。I=I0*e−m*b*c
式中、I0は透過される光の初期エネルギーであり、mは光が移動する路長であり、(b*c)成分は光の特定の波長での光の総吸収である。例えば、約1600nm〜約1700nmの光について、総吸収成分は一般に約0.7mm−1である。約12mmの典型的な指の厚さ、および組織分散による平均路長を20mmと仮定すれば、I=I0*e(−20*0.7)である。
【0096】
突起305が凸状バンプである一実施形態において、指の厚さはいくつかの指について(12mmから)10mmへ縮小することができ、有効光平均路は20mmから約16.6mmに縮小される(ボックス510を参照)。この結果は新しい透過度I=I0*e(−16.6*0.7)を与える。さまざまな波長での典型的な指の湾曲(20mmの平均路長を有する)は図5のプロット500に示される。プロット500は突起305の透過度に対する潜在的な効果を示す。図示したように、IとI1を比較すれば、強度利得e(−16.6*0.7)/e(−20*0.7)が得られ、これは約1600nm〜約1700nmの光について約10倍の増加である。それらの増加はセンサの運転できるSNRに影響を与えることができる。前の利得は少なくとも部分的に高い総吸収値(水、プロテイン等)、例えば約0.7mm−1を有する約1600nm〜約1700nmの範囲に起因する。また、プロット500は可視/近赤外範囲(約600nm〜約1300nm)における改善を示す。
【0097】
SNRの増加に対する突起305の寄与は、現在入手可能な装置が主として患者の快適さのために測定部位に適応することが努力されたので、従来は少なくとも部分的に当業者には認識されなかった。さらに、可視および赤外範囲の光について、言い換えれば、多くの従来装置の波長で、指における光成分の総吸収は一般に約0.1mm−1ではるかに低い。したがって、同じ厚さの変化は、例えばe(−16.6*0.7)/e(−20*0.7)だけ強度を高め、これは約1.5倍の増加になる。現在入手可能な装置において、それらの影響は、患者の快適さなど、他の課題の克服を保証するには十分大きくない。しかし、本明細書に開示されるさまざまな突起305の設計は患者の快適さを保持しながらSNRを高めることができる。
【0098】
再び図3A〜3Cに戻って、例示的ヒートシンク350aが示される。ヒートシンク350aはセンサ301aの外部表面に取り付け、または突起することができ、それによってさまざまなセンサ部品の過剰熱の放散能力を高める。いくつかの実施形態において、センサ301aの外部表面上にあることによって、ヒートシンク350aは空気に露出することができ、それによってより多くの効果的な冷却を促進する。一実施形態において、1つ以上のエミッタ(図1参照)は十分な熱を発生し、ヒートシンクを含むことによってセンサ301aは安全に冷却されて維持される。ヒートシンク350aは、例えば、アルミニウム、鋼、銅、カーボン、その組み合わせ等など、熱の放散を助ける1つ以上の材料を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、エミッタシェル304aは容易に且つ比較的安価に望ましい形状および形態に成形可能な熱伝導性材料を含むことができる。
【0099】
いくつかの実施形態において、ヒートシンク350aは金属化プラスチックを含む。金属化プラスチックは例えばアルミニウムおよびカーボンを含むことができる。材料は熱伝導性および放散性を向上させることができ、これはヒートシンクの市場性を高めることができる。いくつかの実施形態において、ヒートシンク350aを作るために選択された材料はロードアイランドのワ―ウィック、CoolPoly(登録商標),Incから市場で入手可能なCoolPoly(登録商標)D5506などの熱伝導性液晶ポリマーを含むことができる。それらの材料は、例えば、電気的遮蔽を助けるように、その非伝導性および誘電特性のために選択することができる。一実施形態において、センサ301aが1日未満の短い使用間隔で活性であるとき、ヒートシンク350aは改善された熱伝導特性を提供する。一実施形態において、ヒートシンク350aは、例えば、約3分から約4分の間隔で改善された熱伝導性を有利に提供することができるが、ヒートシンク350aはより短いまたは長い間隔で有効に働くように選択することができる。
【0100】
さらに、ヒートシンク350aは美的ならびに機能的な目的のために異なる形状および構成を有することができる。一実施形態において、ヒートシンクは、例えば表面積を最大化することによって、熱放散を最大化するように構成される。一実施形態において、ヒートシンク350aは全体的に湾曲した表面に成形され、1つ以上のフィンと、波状起伏と、溝またはチャンネルを含む。示した例示的ヒートシンク350aはフィン351a(図3A参照)を含む。
【0101】
センサ301bおよびヒートシンク350bの代替の形状は図3Dに示される。センサ301bはセンサ301aの特徴のいくつかまたは全てを含むことができる。例えば、センサ301bは、旋回軸303aの周りに回転可能に接続されたエミッタシェル304bと検出器シェル306bによって形成されたエンクロージャ302bを含む。また、エミッタシェル304bは1つ以上のフラップ307b上に吸収性不透明材料を含むことができ、検出器シェル306aは下部領域308bなどのさまざまな領域に吸収性不透明材料を含むことができる。
【0102】
しかし、この実施形態において、センサ301bの形状は異なる。詳細には、ヒートシンク350bは櫛状突起351bを含む。櫛状突起351bはヒートシンク350aのフィン351aと同じように空気に露出され、それによってセンサ301bの効率的な冷却を促進する。
【0103】
図3Eはセンサ301bの検出器シェル306bのより詳細な例を示す。検出器シェル306bに関して説明した特徴はセンサ301aの検出器シェル306aで用いることができる。
【0104】
示したように、検出器シェル306bは検出器316を含む。検出器316は互いに予め定めた間隔340または空間構成をもたらす互いの中の空間関係を有することができる。この空間構成は検出器316と上で論じたエミッタの中の路長の変化を意図的に作り出す。
【0105】
描かれた実施形態において、検出器シェル316は2次元格子パターンに配置された複数(例えば、2、3、4等)のフォトダイオードアレイを保持することができる。また、複数のフォトダイオードアレイはライトパイプ(例えば、測定部位102を迂回する光)を検出するのに用いることができる。検出器シェル316において、個々のフォトダイオードアレイを分離する壁を提供して、明らかな四半分からの光信号の混合を防止または低減することができる。さらに、検出器シェル316は、捕捉されたエネルギー光の伝導を最大化しまたは増加させるために、ガラス、プラスチック等などの透明な材料の窓で被覆することができる。また、さまざまな実施形態において、使用される透明材料は部分的に透明または半透明とすることができ、またはさもなければそれを通過する光放射のいくらかまたは全てを通過させることができる。述べたように、この窓は埋め込まれたワイヤ格子、または伝導性層またはコーティングの形でいくつかの遮蔽を含むことができる。
【0106】
さらに図3Eで示したように、検出器316は格子の空間構成を有することができる。しかし、検出器316は路長を変化させる他の構成に配置することができる。例えば、検出器316は直線アレイ、ロガリズムアレイ、2次元アレイ等に配置することができる。さらに、いくつかの実施形態において、任意の数の検出器316を用いることができる。
【0107】
図3Fはセンサ301fの他の実施形態を示す。センサ301fは上に説明した図3Aの特徴のいくつかまたは全てを含むことができる。例えば、センサ301fは、旋回点303fの周りに下部部分または検出器シェル306fと回転可能に接続された上部部分またはエミッタシェル304fによって形成されたエンクロージャ302fを含む。また、エミッタシェル304fは、センサ301fに入る環境光を低減するために、1つ以上のフラップ307f上などのさまざまな領域に吸収性不透明材料を含むことができる。また、検出器シェル306fは下部領域308fなどのさまざまな領域に吸収性不透明材料を含むことができる。また、センサ301fはヒートシンク350fを含むことができ、これはフィン351fを含む。
【0108】
これらの特徴に加えて、センサ301fは可撓性回路カバー360を含み、これはプラスチックまたは他の適切な材料から作ることができる。可撓性回路カバー360は被覆することができ、それによってエミッタシェル304fから検出器シェル306fへ伸びる可撓性回路を保護する。それらの可撓性回路の例は、上に組み込まれた米国特許公開第2006/0211924号(図46および本明細書に特に参照により組み込まれている関連説明を参照されたい)に示される。可撓性回路カバー360は下の図17により詳細に示される。
【0109】
図4A〜4Cは突起405の例示的配置を示し、これは上で説明した突起305の一実施形態である。一実施形態において、突起405は測定部位接触領域470を含むことができる。測定部位接触領域470は、指などの測定部位の体組織を平坦または比較的平坦な表面に成形する表面を含むことができる。
【0110】
突起405は患者の指などの測定部位に適した寸法を有することができる。図示したように、突起405は長さ400、幅410、および高さ430を有することができる。長さ400は、約9〜約11ミリメートル、例えば約10ミリメートルとすることができる。幅410は、約7〜約9ミリメートル、例えば約8ミリメートルとすることができる。高さ430は、約0.5〜約3ミリメートル、例えば約2ミリメートルとすることができる。一実施形態において、寸法400、410、430は、測定部位接触領域470が約80平方ミリメートルの面積を含むように選択することができるが、成人、青年期、幼児、または他の配慮のために、異なるサイズの組織により大きなまたはより小さな面積を用いることができる。
【0111】
また、測定部位接触領域470は測定部位を異なる形状に適合させる異なる形状の表面を含むことができる。例えば、測定部位接触領域470は全体的に湾曲することができ、および/または測定部位に対して凸状とすることができる。測定部位接触領域470は、突起405および/または測定部位の間の空気を低減または最小化する他の形状とすることができる。さらに、測定部位接触領域470の表面パターンは、例えば握りのさまざまなレベルを提供するために平滑から凹凸状に変化することができる。
【0112】
図4Aおよび4Cにおいて、開口部または窓420、421、422、423は、例えば、全体的に四角、円形、三角形、またはその組み合わせを含んで、さまざまな形状とサイズを含むことができる。窓420、421、422、423は不均一な形状とサイズにすることができる。図示したように、窓420、421、422、423は格子状配置中に均一な間隔を有することができる。窓420、421、422、423の配置は、他の配置またはパターンが可能である。例えば、窓420、421、422、423は三角形、円形、または直線状配置に配置することができる。いくつかの実施形態において、窓420、421、422、423は、図3の指台310に対して異なる高さに配置することができる。また、窓420、421、422、423は、複数の検出器の構成を模倣または概略模倣することができ、または収容することさえできる。
【0113】
図6A〜6Dは上で説明した組織成形器105として、または上で説明した突起305、405の代わりに用いることのできる突起605の他の実施形態を示す。描かれた突起605は、部分的な円筒608と延長部610を有する部分的に円筒状のレンズである。いくつかの実施形態において、部分的な円筒608は半円筒とすることができるが、円筒の半分よりも小さなまたは大きな部分を用いることができる。いくつかの実施形態において、部分的に円筒状の突起605は光をより小さな領域に合焦し、測定部位によって減衰した光をより小さな検出器を用いて検出することができる。
【0114】
図6Aは部分的に円筒状の突起605の透視図を示す。図6Bは部分的に円筒状の突起605の前部立面図を示す。図6Cは部分的に円筒状の突起605の側面図を示す。図6Dは部分的に円筒状の突起605の平面図を示す。
【0115】
いくつかの実施形態において、上で説明した任意のセンサ中のフォトダイオードの上に部分的に円筒状の突起605を配置することは、上で説明下任意のセンサに複数の利点を加える。一実施形態において、部分的に円筒状の突起605は組織中に侵入し、上で説明した突起と同様に、組織中を移動する光の路長を縮小する。
【0116】
また、部分的に円筒状の突起605は大面積から光を集め、より小さな面積に光を合焦する。結果として、いくつかの実施形態において、フォトダイオードの面積あたりの信号強度を高めることができる。したがって、いくつかの実施形態において、部分的に円筒状の突起605は、少ないフォトダイオードの面積を用いて同じ信号強度を得ることができるので、低コストのセンサを促進する。少ないフォトダイオードの面積はより小さなフォトダイオードまたはより少ないフォトダイオードを用いることによって実現することができる(例えば、図14参照)。より少ないまたはより小さなフォトダイオードが使われるならば、より少ないまたは小さなフォトダイオードは暗電流をより少なくすることができるので、部分的に円筒状の突起605はセンサのSNRの向上を促進することができる。
【0117】
部分的に円筒状の突起605の寸法は、例えば、センサと一緒に用いられるフォトダイオードの数に基づいて変化することができる。図6Cを参照すれば、いくつかの実施形態において、部分的に円筒状の突起605の全体的な高さ(寸法「a」)は約1〜約3mmである。この範囲の高さは部分的に円筒状の突起605を指または他の組織のパッド中に侵入することを可能にし、組織を通る光の距離を縮小する。しかし、部分的に円筒状の突起605の他の高さもこの目的を達成することができる。例えば、部分的に円筒状の突起605の選択された高さは、患者が成人か小人であるかによる測定部位のサイズに基づいて選択することができる。一実施形態において、突起605の高さは、組織中の血管の閉塞を低減または防止しながら、できるだけ組織厚さを縮小するように選択される。
【0118】
図6Dを参照すれば、複数の円筒状突起605の幅(寸法「b」)は約3〜約5mmとすることができる。一実施形態において、幅は約4mmである。一実施形態において、この範囲の幅は組織中へ部分的に円筒状の突起605を良好に侵入させ、光の路長を縮小する。しかし、部分的に円筒状の突起605の他の幅もこの目的を達成することができる。例えば、部分的に円筒状の突起605の幅は、患者が成人であるか小人であるか等による測定部位のサイズに基づいて変化することができる。さらに、突起605の長さは約10mm、または約8mm〜約12mmまたは8mmよりも短く、または12mmよりも長くすることができる。
【0119】
いくつかの実施形態において、部分的に円筒状の突起605の焦点長さ(f)は、f=R/(n−1)で表わすことができ、式中、Rは部分的に円筒状の突起605の湾曲の半径であり、nは使用される材料の屈折率である。いくつかの実施形態において、湾曲の半径は約1.5〜約2mmとすることができる。他の実施形態において、部分的に円筒状の突起605は、屈折率が1300nmで約1.5であるnBK7ガラスなどの材料を含むことができ、これは約3mm〜約4mmの焦点長さを提供することができる。
【0120】
nSF11ガラス(例えば、1300nmでn=1.75)などのより高い屈折率の材料を有する部分的に円筒状の突起605は、より短い焦点長さおよびより小さなフォトダイオードチップを提供することができるが、空気と一致しない屈折率のためにより高い反射を招く。例えば、約1.4〜約1.9の範囲の屈折率を有する多くの種類のガラスまたはプラスチックを用いることができる。突起605の光合焦特性を向上させ最適化するために、突起605の材料の屈折率を選択することができる。プラスチック製の部分的に円筒状の突起605は大量に最も安価な選択肢を提供するが、1500nmより高い波長でいくらかの望ましくない光吸収ピークを有することがある。部分的に円筒状の突起605用に他の焦点長さおよび異なる屈折率を有する材料を用いることができる。
【0121】
部分的に円筒状の突起605の下部に所与の距離でフォトダイオードを配置することによって、フォトダイオードの活性領域内のレンズに垂直に移動する光のいくらかまたは全ての捕捉を促進することができる(図14参照)。異なるサイズの部分的に円筒状の突起605は異なるサイズのフォトダイオードを用いることができる。いくつかの実施形態において、部分的に円筒状の突起605の高さを増加するために部分的円筒608の底部に加えられた延長部610が用いられる。一実施形態において、加えられた高さは、フォトダイオードが、部分的に円筒状の突起605の焦点長さとなる、あるいはほぼ焦点長さとなるような高さである。一実施形態において、加えられた高さは測定部位をより薄くする。一実施形態において、加えられた高さはセンサを通して配分される光の偏向を助ける。これは、センサの周りに配分された光が検出器に向かって導かれずに加えられた高さの側壁を通るからである。また、延長部610は突起605が検出器に提供される光の量を増加または最大化するのをさらに促進することができる。いくつかの実施形態において、延長部610は省略することができる。
【0122】
図6Eは図3Fの他のセンサ301fの他の図を示し、これは部分的に円筒状の突起605bの一実施形態を含む。図3Bおよび3Cに示したセンサ301Aのように、センサ301fは指台310fを含む。指台310fは、一般にヒトの指などの組織を受け取るように全体的に湾曲した表面形状を含む。また、指台310fは図3Bおよび3Cに関して上で説明した隆起またはチャンネルを含む。
【0123】
また、図示した指台310fの例は突起605bを含み、これは上で説明した突起605の特徴を含む。さらに、突起605bは各端部に面取り縁部607を含み、指が滑り横断するためにより快適な表面を提供する(図14Dも参照されたい)。他の実施形態において、突起605bは、代わりに隆起314に隣接した単一の面取り縁部607を含むことができる。他の実施形態において、1つまたは両方の面取り縁部607を丸めることができる。
【0124】
また、突起605bは測定部位の体組織に接触することのできる測定部位接触領域670を含む。突起605bは指台310fから取り外しまたは一体化することができる。また、交換可能な異なる形状の突起605bを提供することができ、異なる指の形状、特徴、不透明さ、サイズ等に対応することができる。
【0125】
図7Aおよび7Bは、遮蔽のための伝導性ガラスまたは伝導性コートされたガラスの例示的配置を含むセンサ701のブロック図を示す。いくつかの実施形態において、遮蔽は高められたSNRを有利に提供することができる。センサ701の特徴は上に説明した任意のセンサ101、201、301で実施することができる。また、図示されないが、いくつかの実施形態において、図6の部分的に円筒状の突起605はセンサ701と一緒に用いることができる。
【0126】
例えば、特に図7Aを参照すれば、センサ701aはエミッタ筺体704aおよび検出器筺体706を含む。エミッタ筺体704aはLED104を含む。検出器筺体706aは組織台710aと、開口部または窓703aと、伝導性ガラス730aと、およびサブマウント707a上に提供される検出器106用の1つ以上のフォトダイオードを含む。
【0127】
運転中に、指102は組織台710a上に置くことができ、LED104から光放射を発することができる。次いで、光が指102の組織を通過しまたは反射すると減衰させることができる。次いで、減衰した光は組織台710a中の開口部703を通過することができる。受け取った光に基づいて、検出器106は、例えば、フロント・エンド・インターフェース108に検出器信号107を提供することができる(図1参照)。
【0128】
描かれた実施形態において、伝導性ガラス730が開口部703中に提供される。したがって、伝導性ガラス730は指からの光を検出器106に通すだけでなく、検出器106をノイズから遮蔽することも補う。伝導性ガラス730は層の積み重ねまたは組を含むことができる。図7Aにおいて、指102に隣接したガラス層731および遮蔽790aに電気的に結合した伝導性層733を有する伝導性ガラス730aが示される。
【0129】
一実施形態において、伝導性ガラス730aは、インジウムスズ酸化物(ITO)の薄膜などの伝導性の透明または部分的に透明な材料でコーティングすることができる。遮蔽エンクロージャ790aの遮蔽効果を補うために、伝導性ガラス730aは遮蔽エンクロージャ790aと電気的に結合することができる。伝導性ガラス730aは直接接触に基づいて、またはワイヤまたは他の部品などの他の接続装置によって、遮蔽704aと電気的に接続することができる。
【0130】
検出器106を包含してノイズを低減または防止するために遮蔽エンクロージャ790aを提供することができる。例えば、遮蔽エンクロージャ790aは銅などの伝導性材料から金属ケージの形に作ることができる。遮蔽またはエンクロージャは、電気的ノイズを低減するだけでなく、環境の光ノイズを低減するために、不透明材料を含むことができる。
【0131】
図7Bを参照すれば、例示的センサ701bの他のブロック図が示される。センサ701bの組織台710bは、突起705bを含み、これは凸状バンプの形である。突起705bは上で説明した突起または組織成形材料の特徴の全てを含むことができる。例えば、突起705bは指102と接触する接触領域370を含み、1つ以上の開口部703bを含むことができる。伝導性ガラス730bの1つ以上の部品を開口部703中に提供することができる。例えば、一実施形態において、開口部703の各々は伝導性ガラス730bの分離した窓を含むことができる。一実施形態に置いて、単一の伝導性ガラス片730bを開口部703bのいくつかまたは全てに用いることができる。この特別な実施形態において、伝導性ガラス730bは伝導性ガラス730aよりも小さい。
【0132】
また、遮蔽エンクロージャ790aの特徴の全てを有することのできる遮蔽エンクロージャ790bが提供される。遮蔽エンクロージャ790bは遮蔽エンクロージャ790aよりも小さいが、遮蔽エンクロージャ790用にさまざまなサイズを選択することができる。
【0133】
図8A〜8Dは、センサ701a、701bに関して上で説明した伝導性ガラスの透視図、側面図、底部立面図を示す。図8Aの透視図および図8Bの側面図に示したように、伝導性ガラス730は上で説明したガラス層731上のコーティングとして上で説明した導電性材料733を含み、積み重ねを形成する。導電性材料733がインジウムスズ酸化物を含む一実施形態において、導電性材料733の表面抵抗は、平方インチ当たり30オーム〜平方インチ当たり500オーム、または平方インチあたり約30、200、または500オームとすることができる。当業者であれば本開示から理解するように、30オーム未満または500オーム以上の他の抵抗も用いることができる。他の透明な導電性材料を材料733として用いることができる。
【0134】
伝導性材料733はガラス層731の上に広がって示されるが、伝導性材料733はガラス層731の選択された部分にパターン形成または提供されることができる。さらに、伝導性材料733は光の望ましい透過、望ましい遮蔽効果、および他の配慮に応じて均一な、または変化する厚さを有することができる。
【0135】
図8Cにおいて、導電性材料733がガラス層731、835の間の中間層として提供される一実施形態を示すために、伝導性ガラス830aの側面図が示される。ガラスと導電性材料733との一体化のさまざまな組み合わせが可能である。例えば、導電性材料733は層の積み重ね内の一層とすることができる。この層の積み重ねは1層以上のガラス731、835ならびに1つ以上の伝導性材料733を含むことができる。積み重ねは望ましい特性を達成するために他の材料の層を含むことができる。
【0136】
図8Dにおいて、伝導性ガラス830bがガラス層839の一部を占拠または被覆する伝導性材料837を含むことのできる一実施形態を示すために、底部透視図が示される。この実施形態は、例えば検出器106用に図3Cに示したものなどの個々の遮蔽された窓を作るのに有用である。伝導性材料837は、光が検出器106へ通過し、1つ以上のストリップ841が図7の遮蔽704に結合することを可能にするために、領域838を含むようにパターン形成することができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、伝導性材料用の他の構成およびパターンは、例えば、周辺縁部をライニングする伝導性コーティング、格子または他のパターンを含むパターンで施された伝導性コーティング、斑点状伝導性コーティング、いずれかの方向または斜めに線状に施されたコーティング、中央からまたは周辺から変化する厚さ、または他の適切なパターンまたは遮蔽特性と透明性の配慮をバランスさせたコーティングなどで用いることができる。
【0138】
図9は、図7および8に関して上で論じたものに類似した部品を有する例示的センサによって得られた比較結果を示す例示的グラフ900を描く。グラフ900は上で説明したセンサに用いられた異なる種類の窓について、変動する波長の光の透過パーセントの結果を示す。
【0139】
グラフ900上の線915は平ガラスから作られた窓の例示的光透過を示す。示したように、変動する波長の光の光透過パーセントは平ガラスから作られた窓については約90%である。グラフ900上の線920は、窓が平方インチ当たり500オームの表面抵抗のITOコーティングを有するガラスから作られた実施形態について、例示的光透過を示す。グラフ900上の線925は、平方インチ当たり200オームの表面抵抗を備えるITO酸化物のコーティングを含むガラスから作られた一実施形態についての例示的光透過を示す。グラフ900上の線930は、平方インチ当たり30オームの表面抵抗を備えるITO酸化物のコーティングを含むガラスから作られた一実施形態についての例示的光透過を示す。
【0140】
現在入手可能な埋め込み配線を備える窓についての光透過パーセントは約70%の光透過を有する。この低い光透過パーセントは、現在入手可能な配線を備える窓に用いられた配線の不透明さに起因し得る。したがって、本明細書に説明されるガラスコーティングのいくつかの実施形態は、例えば、望ましい光透過、測定に用いられる光の波長、望ましい遮蔽効果、および他の規準に応じて、異なる表面抵抗を備えるITOコーティングを用いることができる。
【0141】
図10A〜10Bは上で説明したセンサの例示的実施の比較ノイズフロアを示す。ノイズは環境光からの光学的ノイズと、例えば周囲の電子装置からの電磁ノイズを含むことができる。図10Aにおいて、グラフ1000は、上で説明したセンサの1つが4個の検出器106に対する分離した窓を含む一実施形態について、異なるノイズ周波数での可能なノイズフロアを示す。1つ以上の窓はノイズ遮蔽として埋め込まれた配線の格子を含んだ。記号1030〜1033はこの実施形態についてのノイズフロア性能を示す。分かるように、ノイズフロア性能は開口部の各々について、ノイズの周波数に基づいて変化することができる。
【0142】
図10Bにおいて、グラフ1050は、センサが4つの検出器106用に分離した開口部およびITOコーティングを含む1つ以上の窓を含んだ一実施形態について、ノイズ1070の周波数でのノイズフロアを描く。この実施形態において、使用されたITOの表面抵抗は平方インチあたり約500オームである。記号1080〜1083はこの実施形態についてのノイズフロア性能を示す。分かるように、この実施形態のノイズフロア性能は開口部の各々について変動が少なく、図10Aの実施形態に比べてより低いノイズフロアを提供することができる。
【0143】
図11は上で説明したエミッタの光源の組みを構成するための例示的構造を示す。示したように、エミッタ1104はドライバ1111、サーミスタ1120、赤および/または赤外光を発するための1組の上部発光LED1102、近赤外を発するための1組の側部発光LED、およびサブマウント1106を含むことができる。
【0144】
温度変動の補償のためにサーミスタ1120を提供することができる。例えば、サーミスタ1120は加熱によるLED1102と1104の波長重心およびエネルギーのドリフトを可能にするために提供することができる。さらに、他のサーミスタ(図示されない)を用いて、例えば、測定部位の温度を測定することができる。それらの温度は、温度依存性のある水吸収の変化による波長ドリフトを修正する助けになり、それによってグルコースなどの血液検体を検出するのに有用なより正確なデータを提供する。
【0145】
ドライバ1105は、エミッタ1104に電流のパルスを提供することができる。一実施形態において、ドライバ1105は、例えば、プロセッサ(例えばプロセッサ110)からの制御信号に基づいて交流でエミッタ1104を漸進的に駆動する。例えば、ドライバ1105は、可視光〜約1300nmの光について1ミリワット、約1600nm〜約1700nmの光について約40mW〜約100mWの一連のパルスでエミッタ1104を駆動することができる。しかし、広範囲の駆動エネルギーおよび駆動方法を用いることができる。ドライバ1105はセンサの他の部品と同期することができ、エミッタ1104から発する光放射のパルスのタイミング中のいかなるジッタも最小化し減少することができる。いくつかの実施形態において、ドライバ1105はエミッタ1104を駆動して約百万分の10部未満変化するパターンで光照射を発することが可能であるが、他の変化量を用いることもできる。
【0146】
いくつかの実施形態において、サブマウント1106は、その光放射が全体的に測定部位に向かって伝わるように、上部発光LED1102および側部発光LED1104を整列するための支持構造を提供する。また、いくつかの実施形態において、サブマウント1106は熱放散のために窒化アルミニウム(AlN)または酸化ベリリウム(BEO)から作られるが、サブマウント1106に適した他の材料または材料の組み合わせを用いることができる。
【0147】
図12は、検出器サブマウント1200上に格子パターンに配置された、測定部位からの異なる四半分での光を捕捉するフォトダイオード検出器を有する検出器サブマウント1200を示す。1つの検出器サブマウント1200は上で説明したセンサの各窓の下に配置することができ、または複数の窓を単一の検出器サブマウント1200の上に配置することができる。また、検出器サブマウント1200は、図6に関して上で説明した部分的に円筒状の突起605と一緒に用いることができる。
【0148】
検出器は、測定部位の異なる四半分の光を捕捉するためにサブマウント上に格子パターンに配置されたフォトダイオード検出器1〜4を含む。また、述べたように、いくつかの実施形態において、直線列、または斜め列などの他のパターンのフォトダイオードを用いることができる。
【0149】
図13は例示的複数流プロセス1300を示す。複数流プロセス1300はデータ収集システム100および/または上で説明した任意のセンサによって実施することができる。図示したように、信号プロセッサ1310からの制御信号はドライバ1305を制御する。これに応答して、エミッタ1304はそのエミッタ(例えばLED)から測定部位または複数の部位1302にパルス列1303を発生する。上で説明したように、いくつかの実施形態において、パルス列1303は百万分の10部以下の変動を有するように制御される。無論、望ましい検体に応じてパルス列1303の許容される変動は大きく(または小さく)することができる。
【0150】
パルス列1300に応答して、検出器1306中の検出器1〜n(nは整数)は測定部位1302からの光放射を捕捉し、それぞれの出力信号の流れを提供する。検出器1〜nの1つからの各信号は、エミッタ1304中のエミッタ1〜nの組からの光パルスに対応するそれぞれの時間スロットを有する流れであると考えることができる。n個のエミッタおよびn個の検出器が図示されているが、エミッタおよび検出器の数はいくつかの実施において同じである必要はない。
【0151】
フロント・エンド・インターフェース1308は検出器1〜nからのこれらの複数の流れを受け取り、1つ以上の信号または複合信号を信号プロセッサ1310に戻すことができる。したがって、検出器1〜nからの流れは、エミッタ1304から発する光パルスに対応する測定された光強度を含むことができる。
【0152】
次いで、信号プロセッサ1310は、これらの複数の信号流れに基づいてグルコースおよび他の検体の量を測定するためにさまざまな計算を行うことができる。ここで、信号プロセッサ1310がどのようにしてグルコースなどの検体を測定できるかの説明を助けるために、これらの実施形態に用いられた分光学の手引きを提供する。
【0153】
分光学はBeer−Lambertの法則を前提とする。この法則によれば、材料の特性、例えば測定部位に存在するグルコースのパーセントは材料を通る光の吸収から決定論的に計算することができる。詳細には、材料を通る光の透過と基体の濃度の間、および透過と光が移動する路長の間には対数関係がある。述べたように、この関係はBeer−Lambertの法則として知られる。
【0154】
Beer−Lambertの法則は通常、以下のように書かれる。
【0155】
吸収A=m*b*c
【0156】
ただし、mは波長依存性モル吸収係数(通常M−1cm−1で表わされる)であり、
【0157】
bは平均路長であり、
【0158】
cは検体濃度(例えば望ましいパラメータ)である。
【0159】
分光学において、機器は吸収(A)を透過(T)に関係付けることによって検体濃度(c)を得ることを試みる。透過は、以下のように定義される比例値である。
【0160】
T=I/I0
【0161】
ただし、Iは測定部位から機器によって測定された光の強度であり、
【0162】
I0はエミッタからの初期の光強度である。
【0163】
吸収(A)は、透過(T)と、以下の式で等式化することができる。
【0164】
A=−logT
【0165】
したがって、上式は以下のように置換される。
【0166】
A=−log(I/I0)
【0167】
したがって、この関係から、分光学は比例に基づく−log(I/I0)の計算および検体濃度について解くことに依存する。
【0168】
典型的に、計算を簡略化するために、分光学は、路長(b)を固定の既知の定数に維持するために、同じ位置にある検出器を用いるであろう。さらに、分光学は、光源に配置されたフォトダイオードなどの透過エネルギー(I0)を明確に知るためにさまざまな機構を用いるであろう。この構成は、検出器が単一の位置にあるので、単一チャンネルまたは単一流のセンサとして見ることができる。
【0169】
しかし、このスキームはグルコースなどの検体の測定においていくつかの困難に出会う。これは、グルコースに関する波長での水による光の吸収の高い重なり合い、ならびに部品の高い自己ノイズなどの他の要因によるものである。
【0170】
本開示の実施形態はグルコースなどの検体の測定を部分的に可能にする異なる手法を用いることができる。いくつかの実施形態は、パルス状測定を確認しまたは実証するためにパルス状ではないバルク測定を用いることができる。さらに、非パルス状測定およびパルス状測定の両方とも、十分なSNRを得るために、中でも上で説明した複数流運転を用いることができる。詳細には、複数のエミッタを有する単一光源は空間構成を有する複数の検出器に光を伝達するのに用いることができる。
【0171】
複数のエミッタを有する単一の光源は使用される所定範囲の光波長を可能にする。例えば、可視、赤外、および近赤外波長を用いることができる。また、異なる波長で変動する光の強度を用いることもできる。
【0172】
第2に、空間的構成における複数の検出器の使用によって、センサが正しく配置されていることをバルク測定で確認または実証することを可能にする。これは、空間構成の複数の配置が、例えば、センサが配置された場所を示すトポロジー情報を提供できるからである。現在入手可能なセンサはそれらの情報を提供しない。例えば、バルク測定が予め定めた値の範囲であるならば、これは、グルコースなどの検体のパルス状測定を行うためにセンサが正しく配置されていることを示すことができる。バルク測定がある範囲外または予期しない値であるならば、これは、センサは調節すべきであることを示し、またはパルス状測定が、補償のために、異なる較正カーブの使用または較正カーブの調節など異なる処理を行えることを示すことができる。これらの特徴は実施形態にノイズキャンセルおよびノイズ低減を達成させ、これは現在入手可能な技術によって達成される数倍の大きさになり得る。
【0173】
複数流測定の手法の態様を示すのを助けるために以下の例示的導出が提供される。透過度(T)は、以下のように表わすことができる。
【0174】
T=e−m*b*c
【0175】
光強度に関しては、この式は、以下のように書き換えることもできる。
【0176】
I/I0=e−m*b*c
【0177】
または、検出器で測定された光(I)は、以下のように表わすことができる。
【0178】
I=I0*e−m*b*c
【0179】
述べたように、本開示において、複数の検出器(1〜n)を用いることができ、これはI1・・・Inの測定値の流れになる。これらの検出器の各々が、光源からその自分の路長b1・・・bnを有すると仮定すれば、測定された光の強度は、以下のように表わすことができる。
【0180】
In=I0*e−m*bn*c
【0181】
任意の2つの異なる検出器で測定された光の強度は互いに基準とすることができる。例えば、
【0182】
I1/In=(I0*e−m*b1*c)/(I0*e−mbnc)
【0183】
分かるように、I0の項を消去し、指数代数学に基づいて、式は、以下のように書き換えることができる。
【0184】
I1/In=e−m(b1−bn)c
【0185】
この式から、検体濃度(c)は、ここでバルク信号I1・・・Inおよびそれぞれの平均路長b1およびbnを知ることから導くことができる。また、この方式はI0の消去を可能にし、したがって、エミッタ1304によって発生したノイズを消去または低減することができる。さらに、方式が平均路長の差を用いるので、平均路長の変化と患者ごとのトポロジー的な変動を計算することが容易である。さらに、このバルク測定の方式は複数の波長に展延することができる。この柔軟性および他の特徴によって本開示の実施形態はグルコースなどの血液検体の測定を可能にする。
【0186】
例えば、述べたように、非パルス状のバルク測定はパルス状測定と組み合わせてグルコースなどの検体をより正確に測定することができる。詳細には、非パルス状のバルク測定は、測定部位1302の組織で行われるパルス状測定において、グルコース、プロテイン等の量を確認または実証するのに用いることができる。パルス状測定は血液中に存在するグルコース、ヘモグロビン等の量を測定するのに用いることができる。したがって、これらの異なる測定を組み合わせて、血液グルコースなどの検体を決定することができる。
【0187】
図14Aは、図6の部分的に円筒状の突起605(または代わりに突起605b)の下に配置された検出器サブマウント1400aの実施形態を示す。検出器サブマウント1400aは2列1408aの検出器1410aを含む。部分的に円筒状の突起605は、突起605が光をより小さな領域に合焦するレンズとして働くことができるので、センサ中に使用される検出器の数および/またはサイズの縮小化を促進することができる。
【0188】
例示すれば、部分的に円筒状の突起605を含まないいくつかのセンサにおいて、4列で各4つの検出器を含む16個の検出器を使用することができる。複数の列の検出器を用いて、中でもグルコースまたはヘモグロビンなどのいくつかの検体を測定することができる。また、複数の列の検出器はライトパイプ(例えば、測定部位を迂回する光)を検出するのに用いることができる。しかし、センサ中により多くの検出器を用いるのはコスト、複雑さ、およびノイズをセンサに付加することになる。
【0189】
しかし、部分的に円筒状の突起605をそれらのセンサに適用することは、突起605の合焦特性(図14B参照)により、実質的に同じ量の光を受け取りながら、使用される検出器の数または検出器の列を低減することができる。これは図14に示した例示的場合であり、4つの代わりに2列1408aの検出器1410aが使用される。いくつかの実施形態において、より少ないおよび/またはより小さなフォトダイオードのため、得られるセンサはコスト効率が良く、複雑さがなく、改善されたSNRを有利に有する。
【0190】
他の実施形態において、部分的に円筒状の突起605を使用することは、検出器列の数を4個の検出器で1列または3列に低減することを可能にする。また、各列中の検出器の数も低減することができる。代わりに、列の数は低減することができなくても検出器のサイズを縮小することができる。また、多くの他の検出器列およびサイズの構成を提供することができる。
【0191】
図14Bは部分的に円筒状の突起605(または代わりに突起605b)の前部立面図を描き、エミッタ(図示されない)からの光が突起605によって検出器上にどのようにして合焦することができるかを示す。突起605は、その上に配設された1つ以上の検出器を有する検出器サブマウント1400b上に置かれる。サブマウント1400bは任意の数の検出器1410の列を含むことができるが、1列だけが示される。
【0192】
光線1420で表わされる光は、エミッタから突起605上に発する。これらの光線1420は体組織(図示されない)によって減衰することができる。光線1420が突起605に入るとき、突起605は光線を光線1422に屈折させるレンズとして働く。この屈折はいくつかの実施形態において突起605の部分的に円筒状の形状によって起きる。屈折は光線1422を1つ以上の検出器1410b上に合焦または実質的に合焦させる。光はより小さな領域に合焦するので、突起を含むセンサは、他のセンサと比べて、同じ光量を捕捉するのにより少ない検出器を含むことができる。
【0193】
図14Cは検出器サブマウント1400cの他の実施形態を示し、突起605b(または代わりに突起605)の下に配設することができる。検出器のサブマウント1400cは単一列1408cの検出器1410cを含む。検出器は導体1412cに電気的に接続され、これは金、銀、銅、または任意の他の適切な伝導性材料とすることができる。
【0194】
検出器のサブマウント1400cは、図14Dに示された検出器サブアセンブリ1450中の突起605bの下に配置されて示される。また、検出器サブアセンブリ1450の上から下に見た図も図14Eに示される。検出器サブアセンブリ1450において、円筒状筺体1430がサブマウント1400c上に配設される。円筒状筺体1430は、透明なカバー1432を含み、その上に突起605bが配設される。したがって、図14Dに示すように、検出器1410cと突起605bの間に間隙1434が存在する。間隙1434の高さは検出器1410cに当たる光の量を増加または最大化するように選択することができる。
【0195】
円筒状筺体1430は、金属、プラスチック、または他の適切な材料から作ることができる。透明なカバー1432は材料の中でもガラスまたはプラスチックから作ることができる。円筒状筺体1430は、製造コストを低減するために、検出器1410cと同時に、または実質的に同時にサブマウント1400cに取り付けることができる。さまざまな実施形態において、筺体1430用に円筒状以外の形状を選択することができる。
【0196】
いくつかの実施形態において、円筒状筺体1430(および透明カバー1432)はサブマウント1400cと気密または実質的に気密または密封シールを形成する。結果として、円筒状筺体1430は腐食を招き得る流体および蒸気から検出器1410と導体1412cを保護することができる。いくつかの実施形態において、円筒状筺体1430は、検出器1410cおよび導体1412cをしばしば導体と検出器の間のハンダ接合に加えられる現在入手可能な樹脂エポキシよりも有利に効率的に保護することができる。
【0197】
円筒状筺体1430が少なくとも部分的に金属から作られる実施形態において、円筒状筺体1430は検出器1410cに対してノイズ遮蔽を提供することができる。例えば、円筒状筺体1430はサブマウント1400c上の接地接続またはグランドプレーンにハンダ付けすることができ、これは円筒状筺体1430のノイズ低減を可能にする。他の実施形態において、透明カバー1432は、伝導性ガラスまたはプラスチックなどの伝導性材料または伝導性層を含むことができる。透明カバー1432は上で説明したノイズ遮蔽790の任意の特徴を含むことができる。
【0198】
突起605bは、図6Eに関して上で説明した面取り縁部607を含む。これらの面取り縁部607は、患者が指をセンサ301fに挿入するとき、指を突起605b上でより快適に滑らせることを可能にする。
【0199】
図14Fは、検出器シェル306fの一部を示し、これは基板1400c上に検出器1410cを含む。基板1400cは、遮蔽エンクロージャ1490によって囲まれ、これは上で説明した遮蔽エンクロージャ790a、790bの特徴を含むことができる(図17も参照)。遮蔽エンクロージャ1490は金属から作ることができる。遮蔽エンクロージャ1490は検出器1410cの上に窓1492aを含み、これは検出器1410cの上に光を透過させる。
【0200】
ノイズ遮蔽1403は遮蔽エンクロージャ1490の上に配設される。いくつかの実施形態において、ノイズ遮蔽1403は窓1492aに対応する窓1492aを含む。窓1492a、1492bの各々はガラス、プラスチックを含むことができ、またはガラスまたはプラスチックのない開口部とすることができる。いくつかの実施形態において、窓1492a、1492bは互いに異なるサイズまたは形状を有するように選択することができる。
【0201】
ノイズ遮蔽1403は、上で説明した伝導性ガラスの任意の特徴を含むことができる。描かれた実施形態において、ノイズ遮蔽1403は検出器シェル306fの長さの約3/4展延する。他の実施形態において、ノイズ遮蔽1403はより小さく、またはより大きくすることができる。ノイズ遮蔽1403は、例えば、検出器1410c、サブマウント1400c、またはその一部だけを被覆すことができる。また、ノイズ遮蔽1403は測定部位をセンサ301f内に配置するための停止1413を含む。いくつかの実施形態において、ノイズ遮蔽1403はライトパイプによるノイズを低減することができる。
【0202】
サーミスタ1470も図示される。サーミスタ1470はサブマウント1400cに取り付けられ、ノイズ遮蔽1403の上に突出する。上で説明したように、サーミスタ1470を用いて測定部位の温度を測定することができる。それらの温度は、温度依存性のある水の吸収の変化による波長ドリフトを修正するのに役立ち、それによってグルコースなどの血液検体の検出に有用なより正確なデータを提供する。
【0203】
描かれた実施形態において、検出器1410は円筒状筺体1430に収容されない。代替の実施形態において、円筒状筺体1430は検出器1410cを収容し、ノイズ遮蔽1403の下に配設される。他の実施形態において、円筒状筺体1430は検出器1410cを収容しノイズ遮蔽1403は使用されない。円筒状筺体1403とノイズ遮蔽1403の両方とも使用される場合、いずれか一方、または両方ともノイズ遮蔽特徴を有することができる。
【0204】
図14Gはその上に配設された指台310fと一緒に、図14Fの検出器シェル306fを示す。図14Hは、指台310f中に配設された突起605bと一緒に、図14Gの検出器シェル306fを示す。
【0205】
図14Iはセンサ301fの断面図を示す。突起605bなどのセンサ301fの特徴の全ては図示されない。示した特徴はエミッタと検出器シェル304f、306f、フラップ307f、ヒートシンク350fおよびフィン351f、指台310f、およびノイズ遮蔽1403を含む。
【0206】
これらの特徴に加えて、エミッタシェル304f中のエミッタ1404が描かれる。エミッタ1404はサブマウント1401上に配設され、これは回路基板1419に接続される。また、エミッタ1404は円筒状筺体1480内に収容される。円筒状筺体1480は上で説明した円筒状筺体1430の特徴の全てを含むことができる。例えば、円筒状筺体1480は金属から作ることができ、サブマウント1401の接地プレーンに接続してノイズ遮蔽を提供することができ、透明カバー1482を含むことができる。
【0207】
また、円筒状筺体1480は腐食を招き得る流体および蒸気からエミッタ1404を保護することができる。さらに、円筒状筺体1480はエミッタ1404と測定部位(図示されない)の間の間隙を提供することができ、これはエミッタ1404からの光を測定部位に到達する前に均一化または平均化することができる。
【0208】
フィン351fを含むのに加えて、ヒートシンク350fはフィン351fから下方に展延してサブマウント1401に接触する隆起352fを含む。隆起352fは、例えば熱ペースト等でサブマウント1401に接続することができる。隆起352fはエミッタ1404から熱を吸い込み、フィン351fを経由して熱を散逸させることができる。
【0209】
図15Aおよび15Bは、上で説明したものの代替のヒートシンク特徴を含むセンサ部分1500A、1500Bの実施形態を示す。これらの特徴は上に説明した任意のセンサに組み込むことができる。例えば、上の任意のセンサは上で説明したセンサのヒートシンク特徴の代わりに、またはそれに加えて、以下に説明するヒートシンク特徴を用いるように修正することができる。
【0210】
図示したセンサ部分1500A、1500BはLEDエミッタ1504を含むが、図示を容易にするために、検出器は省略されている。示したセンサ部分1500A、1500Bは例えば、上で説明した任意のエミッタシェルに含むことができる。
【0211】
センサ部分1500A、1500BのLED1504は、基板またはサブマウント1502に接続される。サブマウント1502は上で説明した任意のサブマウントの代わりに用いることができる。サブマウント1502は任意のさまざまな材料から作られたセラミック、ガラス等などの非導電性材料とすることができる。ケーブル1512はサブマウント1502に取り付けられ、LED1504と伝達するためにより線等などの電気配線1514を含む。ケーブル1512は上で説明したケーブル212に相当することができる。
【0212】
図示されないが、ケーブル1512は検出器への電気接続を含むこともできる。明瞭さのためにケーブル1512の一部分のみが示される。ケーブル1512を描いた実施形態は、外部ジャケット1510および外部ジャケット1510内に配設された伝導性遮蔽1506を含む。伝導性遮蔽1506は、織った銅またはアルミニウムなどの金属から作られる接地遮蔽等とすることができる。伝導性遮蔽1506または伝導性遮蔽の一部分はサブマウント1502に電気的に接続することができ、ワイヤ1514に結合するRFを低減することによって、センサ1500A、1500Bに発生する信号中のノイズを低減することができる。代替の実施形態において、ケーブル1512は伝導性遮蔽をもたない。例えば、ケーブル1512は対のより線ケーブル等とすることができ、より線の1本はヒートシンクとして用いられる。
【0213】
詳細に図15Aを参照すれば、いくつかの実施形態において、伝導性遮蔽1506は、LED1504および/またはサブマウント1502からの熱エネルギーを吸収することによって、LED1504のヒートシンクとして働くことができる。また、自由選択のサブマウント1502と伝達する熱絶縁体1520は伝導性遮蔽1506に向かって熱を導くのを助けることができる。熱絶縁体1520はプラスチックまたは他の適切な材料から作ることができる。いくつかの実施形態において、ケーブル1512中の伝導性遮蔽1506をヒートシンクとして使用することによって、センサのコストを低減することができる。
【0214】
図15Bを参照すれば、伝導性遮蔽1506は、サブマウント1502およびサブマウント1502と自由選択的な絶縁体1520の間に挟まれたヒートシンク層1530の両方に取り付けることができる。互いに、ヒートシンク層1530およびケーブル1512中の伝導性遮蔽1506はLEDおよび/またはサブマウント1502からの熱エネルギーの少なくとも一部を吸収することができる。
【0215】
図15Cおよび15Dは図15Aに関して上で説明したセンサ部分1500Aのヒートシンクの特徴を含むセンサ部分1500Cの実施形態を示す。センサ部分1500Cは、自由選択的な絶縁体1520が示されないことを除いて、センサ部分1500Aの特徴を含む。図15Dはエミッタ1504を示すセンサ部分1500Cの側部断面図である。
【0216】
ケーブル1512は外部ジャケット1510と伝導性遮蔽1506を含む。伝導性遮蔽1506はサブマウント1502にハンダ付けされ、ハンダ接合1561が示される。いくつかの実施形態において、より大きなハンダ接合1561はエミッタ1594から熱をより迅速に取り除くのを助けることができる。サブマウント1502と回路基板1519の間のさまざまな接続1563が示される。さらに、回路基板1519を通って突き出た、図14Iの円筒状筺体に相当する円筒状筺体1580が示される。エミッタ1504は円筒状筺体1580中に収容される。
【0217】
図15Eおよび15Fは、図15Bに関して上で説明したセンサ部分1500Bのヒートシンク特徴を含むセンサ部分1500Eの実施形態を示す。センサ部分1500Eはヒートシンク層1530を含む。ヒートシンク層1530は銅プレート等などの金属プレートとすることができる。自由選択的な絶縁体1520は示されない。図15Fはエミッタ1504を示すセンサ部分1500Eの側部断面図である。
【0218】
描かれた実施形態において、ケーブル1512の伝導性遮蔽1506はサブマウント1502の代わりにヒートシンク層1530にハンダ付けされる。ハンダ接合1565が示される。いくつかの実施形態において、より大きなハンダ接合1565はエミッタ1504から熱をより迅速に取り除くのを助けることができる。サブマウント1502と回路基板1519の間のさまざまな接続1563が示される。さらに、回路基板1519を通って突き出た、図14Iの円筒状筺体に相当する円筒状筺体1580が示される。エミッタ1504は円筒状筺体1580中に収容される。
【0219】
図15Gおよび15Hは、図1〜15Fに関して上で説明した任意のセンサと一緒に用いることのできるコネクタ特徴の実施形態を示す。図15Gを参照すれば、回路基板1519は、ドーターボード1587に接続された雄コネクタ1577に嵌合する雌コネクタ1575を含む。ドーターボード1587はケーブル1512の電気配線1514への接続を含む。図15Hに、接続された基板1519、1587が示される。上で説明した円筒状筺体1580を受け取ることのできる孔1573も示される。
【0220】
いくつかの実施形態において、回路基板1519に接続するためのドーターボード1587を使用することによって、回路基板1519への接続をより容易にすることができる。さらに、分離した基板を用いることは、回路基板1519にハンダ付けされた全ての接続を有する単一回路基板1519よりも製造が容易である。
【0221】
図16Aおよび16Bは、廃棄可能な光センサ1600の実施形態を示す。一実施形態において、突起、遮蔽、およびまたはヒートシンク特徴などの上で説明した任意の特徴は、図示した廃棄可能なセンサ1600に組み込むことができる。例えば、センサ1600は、図1に関して上で説明したシステム100中のセンサ101として用いることができる。さらに、突起、遮蔽、およびまたはヒートシンク特徴などの上で説明した任意の特徴は、本明細書に図示されない他の廃棄可能なセンサ設計に実施することができる。
【0222】
センサ1600は指を置くための成人/小児センサ1610、および足指、足または手を置くための廃棄可能な幼児/新生児センサ1602を含む。各センサ1600は、可撓性結合部1630によって電気的および機械的に相互接続されたテープ端部1610と反対側のコネクタ端部1620を有する。テープ端部1610はエミッタと検出器を組織部に取り付ける。また、図示されないが、テープ端部1610は、上で説明した突起、遮蔽、および/またはヒートシンク特徴を含むことができる。エミッタは組織部位を照明し、検出器は、組織部位内のパルス状の動脈血液流による吸収など、組織吸収の後の光に応答してセンサ信号を発生する。
【0223】
センサ信号は可撓性結合部1630によってコネクタ端部1620に伝達される。コネクタ端部1620は、図2A〜2Dに関して上に示した任意のケーブルまたはモニタなどのモニタ(図示されない)にセンサ信号を伝達するケーブル(図示されない)と嵌合することができる。代わりに、コネクタ端部1620はモニタと直接嵌合することができる。
【0224】
図17は上で説明したセンサ301fのいくつかの部品の展開図を示す。ヒートシンク1751およびケーブル1781はエミッタシェル1704に取り付けられる。エミッタシェルはフラップ筺体1707に取り付けられる。フラップ筺体1707は、エミッタサブマウント1702に取り付けられた円筒状筺体1480/1580(図示されない)を受容する受容器1709を含み、これは回路基板1719に取り付けられる。
【0225】
スプリング1787は、エミッタと検出器シェル1704、1706を互いに保持するピン1783、1785によって検出器シェル1706に取り付けられる。遮蔽エンクロージャ1790用の支持を提供する支持構造1791は検出器シェル1706に取り付けられる。ノイズ遮蔽1713は遮蔽エンクロージャ1790に取り付けられる。検出器サブマウント1700は遮蔽エンクロージャ1790の内部に配設される。指台1710はノイズ遮蔽1703に取り付けられる。部分的に円筒状の突起1705は指台1710に配設される。さらに、可撓性回路カバー1706はピン1783、1785に取り付けられる。また、図示されないが、回路基板1719をサブマウント1700と接続する可撓性回路(またはサブマウント1700が接続される回路基板)を提供することができる。
【0226】
本明細書に用いられる条件言語、中でも、「できる(can)」、「できるであろう(could)」、「かもしれない(might)」、「できる(may)」、「例えば(e.g.)」などは、特記されない限り、または用いられた文脈内で理解される限り、一般に、ある実施形態が、ある特徴、要素、および/または状態を含み、他の実施形態は含まないことを意図する。したがって、それらの条件言語は、一般に、特徴、要素、および/または状態がいずれにしても1つ以上の実施形態に必要であることを意味せず、または、著者の意見または注意があってもなくても、1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素、および/または状態が含まれるか、または任意の特定の実施形態で実行されるかを決定する論理を必然的に含むものではない。
【0227】
開示された本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例示によってのみ提示され、本明細書に開示された本発明の範囲を制限するものではない。実際に、本明細書で説明した新規な方法およびシステムは、さまざまな形態で実施することができ、さらに、本明細書に開示した本発明の精神から逸脱することなく、本明細書に説明した方法およびシステムの形態における省略、置き換え、および変更を行うことができる。請求項およびその等価は、本明細書に開示された本発明のいくつかの範囲および精神内にそれらの形態または修正を包含する。
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は35U.S.C.第119条(e)項に基づき以下の米国特許仮出願の優先権を主張する。
出願番号 出願日付 標題 特許事務所整理番号
61/086,060、2008年8月4日、グルコースおよび他の検体の非侵襲測定のための複数流のデータ収集システム(Multi-Stream Data Collection System For Non-Invasive Measurement of Glucose and other Analytes)、MLHUM.002PR
61/086,108、2008年8月4日、グルコースおよび他の検体の非侵襲測定のための複数流センサのフロントエンド(Multi-Stream Sensor Front Ends For Non-Invasive Measurement of Glucose and other Analytes)、MLHUM.003PR
61/086,063、2008年8月4日、グルコースおよび他の検体の非侵襲測定のための複数流検出器(Multi-Stream Detector For Non-Invasive Measurement of Glucose and other Analytes)、MLHUM.004PR
61/086,057、2008年8月4日、グルコースおよび他の検体の非侵襲測定のための複数流エミッタ(Multi-Stream Emitter For Non-Invasive Measurement of Glucose and other Analytes)、MLHUM.005PR
61/078,228、2008年7月3日、非侵襲装置のためのノイズ遮蔽(Noise Shielding For A Non−Invasive Device)、MLHUM.006PR
61/078,207、2008年7月3日、血液成分の分光測定を改善するための突起形状(Contoured Protrusion for Improving Spectroscopic Measurement o Blood Constituents)、MLHUM.007PR
61/091,732、2008年8月25日、血液成分の測定を改善するためのセンサ(Sensor For Improving Measurement Of Blood Constituents)MLHUM.011PR
【0002】
また、本出願は35U.S.C.第120条に基づき以下の米国意匠特許出願の部分継続を主張する。
出願番号 出願日付 標題 特許事務所整理番号
29/323,409、2008年8月25日、患者監視センサ(Patient Monitoring Sensor)、MLHUM.009DA
29/323,408、2008年8月25日、患者監視(Patient Monitor)、MLHUM.010DA
【0003】
前述の出願はその全体の参照により本出願に援用される。
【背景技術】
【0004】
看護環境中の看護基準は、例えばパルス酸素濃度計を用いる分光分析による患者監視を含む。分光分析のできる装置は、一般に脈流血液を運ぶ体組織などの測定部位に光放射を伝えまたは反射する光源を含む。測定部位の組織および流体による減衰の後、光検出装置は減衰した光を検出し、検出した減衰光に対応する検出信号を出力する。信号処理装置は検出器信号を処理し、グルコース、酸素、メトヘモグロビン、総ヘモブロビンなどの対象血液成分、他の生理パラメータ、または患者の健康の状態または傾向を決定するのに有用な他のデータまたはデータの組み合わせを示す測定値を出力する。
【0005】
非侵襲装置および方法において、センサはしばしば指を光源および光検出器近くに置くよう適応される。例えば、非侵襲センサは、一般に指の形状に合致する形状の台を含む洗濯バサミ状筺体を含む。形状に合わせた台は測定用の指を位置決めし、それを安定化させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
残念ながら、この型の形状は、特にグルコースなどの血液成分の測定には理想的ではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は酸素、一酸化炭素、メトヘモグロビン、総ヘモグロビン、グルコース、プロテイン、グルコース、リピド、およびそのパーセント(例えば飽和)などの血液検体を測定するため、または他の多くの生理に関する患者の特性を測定するための非侵襲方法、装置、およびシステムの実施形態を説明する。これらの特性は、例えば、パルス速度、水和、傾向情報および分析等に関する。いくつかの実施形態において、非侵襲センサは測定部位の組織と相互作用して組織を変形させ、ある望ましい波長の信号利得を増加させる。一実施形態において、患者の指用の非侵襲センサの指台に突起を設けることができる。突起は組織の厚さを減少させ、それによって、場合によって信号利得を十倍以上増加することができる。この突起は、組織部位および測定すべき血液検体に応じて異なるサイズと形状を含むことができる。
【0008】
開示される実施形態において、さまざまな検体の測定および検出を助ける非侵襲センサに突起が用いられる。また、開示される非侵襲センサは、中でも、複数流センサ情報を生成するように配置されたエミッタと検出器を含むことができる。非侵襲センサは異なるアーキテクチャを有することができ、ディスプレイ装置、ネットワークインターフェースなど他の部品を含み、または結合することができる。突起は任意の種類の非侵襲センサに用いることができる。
【0009】
いくつかの実施形態において、治療患者の1つ以上の生理パラメータを測定するための非侵襲生理センサは、光源と光検出器の間に挿入されたバンプを含むことができる。バンプは患者の体組織に接触して配置され、それによって体組織の厚さを低減することができる。結果として、光源と光検出器の間の光路長を減少することができる。さらに、センサは光源から熱を導いて散逸するヒートシンクを含むことができる。さらに、センサは光源と光検出器の間の光路の遮蔽を含むことができる。遮蔽は光検出器が受け取るノイズを低減することができる。
【0010】
いくつかの実施形態において、治療患者の体組織によって減衰した光を検出することのできる非侵襲医療センサは、互いに回転可能に接続された上部シェルと下部シェルを有するセンサ筺体を含むことができ、上部および下部シェルは各々治療患者の体組織を受け取る形状にされる。また、センサは患者の体組織上に光を当てることのできる筺体中に配設された1つ以上のエミッタを含むことができる。また、センサは筺体中に配設された1つ以上の検出器を含むことができ、これは患者の体組織によって減衰した後の光を受け取り、減衰光に応じた1つ以上の強度信号を出力することができる。また、センサは筺体中に配設された組織厚さ調節器を含むことができ、これは組織厚さ調節器上に患者の体組織を置くことで体組織の厚さが減少し、それによって1つ以上の強度信号の利得が増加するように配置することができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、治療患者の1つ以上の生理パラメータを測定するための非侵襲生理センサは、光源および光検出器を含み、治療患者の体組織によって減衰した後、前記光源からの光を検出することができ、検出された光に対応する生理信号を発生することができる。生理信号は治療患者の1つ以上の生理パラメータを反映することができる。また、センサは光源と光検出器の間に挿入されたバンプを含むことができ、バンプは表面に接触する組織から突出する。バンプは、光源と光検出器の間の光路長が減少するように光源と光検出器の間の体組織の厚さを減少させることができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、治療患者の1つ以上の生理パラメータを測定するための非侵襲生理センサは、光源と、治療患者の体組織によって減衰した後に前記光源からの光を検出し検出された光に対応する生理信号を発生することのできる1つ以上の光検出器と、光源と光検出器の間に挿入された部分的に円筒状のレンズを含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態において、監視される患者に存在する血液検体に対応する信号を出力することの可能な生理センサは、治療患者の体組織上に光放射を発することのできる光源を有するセンサ筺体を含むことができる。また、センサはセンサに付属するヒートシンクを含むことができ、これは光源からの熱エネルギーを受け取り、熱エネルギーをセンサ筺体の外に放出することができる。また、センサは各々治療患者の体組織によって減衰した後に光源からの光放射を検出し、検出された光放射に応じた信号を出力することのできる複数の光検出器を含むことができ、信号は治療患者の1つ以上の生理パラメータを反映する。
【0014】
いくつかの実施形態において、監視される患者に存在する血液検体に対応する信号を出力することのできる生理センサは、治療患者の体組織上に光放射を発することのできる光源を有するセンサ筺体を含むことができる。光源はサブマウント上に配設された1つ以上のエミッタを有することができる。また、センサは、伝導性遮蔽が1つ以上のエミッタのために少なくとも部分的にヒートシンクとして働くように、サブマウントに電気的に伝達することのできる医療ケーブルの伝導性遮蔽を含むことができる。また、センサは治療患者の体組織によって減衰した後に、光源からの光放射を検出し、検出された光放射に対応する信号を出力することのできる複数の光検出器を含むことができ、信号は治療患者の1つ以上の生理パラメータを反映する。
【0015】
いくつかの実施形態において、体組織によって減衰した光を検出することのできる非侵襲光医療センサのヒートシンクは、電気装置の熱生成部および熱生成部と熱的に伝達するケーブルを含むことができる。ケーブルは熱生成部から熱を引き抜くことのできる導体を含むことができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、治療患者の体組織によって減衰した光を検出することのできる光医療センサは、互いに回転可能に接続された第1シェルと第2シェルを有するセンサ筺体を含むことができる。第1シェルおよび第2シェルは各々治療患者の体組織を受容する形状とすることができる。また、センサは第1シェル上に配設されたエミッタを含むことができ、これは治療患者の体組織上に光を発することができる。センサは第2シェル上に配設された検出器をさらに含むことができ、これは光路に沿って配設された体組織によって減衰した光を受け取ることができる。さらに、センサはエミッタと検出器の間に配設された遮蔽を含むことができ、これは光路中に実質的に透明な導電性材料を含むことができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、光感受性検出器からのノイズの相互作用を遮蔽することのできる伝導性遮蔽は、実質的に透明な材料と、実質的に透明な材料の少なくとも一部に配設された導電性材料を含むことができる。伝導性遮蔽は、前記光源からの光の少なくともいくらかが前記伝導性遮蔽を通過して光検出器上に照射するように、光源と光検出器の間に配設することができる。
【0018】
いくつかの実施形態において、1つ以上の光通信装置を遮蔽するためのシステムは、光放射を発することのできるエミッタ、およびエミッタと検出器の間に配設された遮蔽装置を含むことができる。遮蔽装置は実質的に透明な導電性材料を含むことができる。遮蔽装置は光放射の少なくとも一部を通過させて、検出器の受け取るノイズを低減することができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、治療患者の体組織によって減衰した光を検出することのできる光医療センサは光を発することのできるエミッタと、検出器と、検出器の受け取るノイズを低減することのできる実質的に透明な導電性材料、および実質的に透明な導電性材料中の窓を有するノイズ遮蔽とを含むことができる。窓は光放射の少なくとも一部を検出器に通過させることができる。
【0020】
本開示の要約の目的のために、本発明のいくつかの態様、利点および新規な特徴を本明細書で説明する。それらの全ての利点が、必ずしも本明細書に開示される特定の実施形態によって達成できるものではないことを理解されたい。したがって、本明細書に開示される本発明は、必ずしも本明細書に教示または示唆することのできる他の利点を達成することなく、本明細書に教示される1つの利点または利点の群を達成し最適化することによって具現化または実施することができる。
【0021】
図面を通じて参照番号は参照された要素間の一致を示すために再使用することができる。図面は本明細書に説明される本発明の実施形態を示すために提供され、その範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本開示の一実施形態による、監視される患者の1つ以上の血液検体を非侵襲的に測定することのできる例示的データ収集システムのブロック図を示す図である。
【図2A】本開示の実施形態による、図1の患者監視システムの例示的手持ちモニタおよび例示的非侵襲光センサを示す図である。
【図2B】本開示の実施形態による、図1の患者監視システムの例示的手持ちモニタおよび例示的非侵襲光センサを示す図である。
【図2C】本開示の実施形態による、図1の患者監視システムの例示的手持ちモニタおよび例示的非侵襲光センサを示す図である。
【図2D】本開示の実施形態による、図1の患者監視システムの例示的手持ちモニタおよび例示的非侵襲光センサを示す図である。
【図3A】本開示の実施形態による、指台突起とヒートシンクを含む例示的非侵襲センサ筺体の側面図および透視図を示す。
【図3B】本開示の実施形態による、指台突起とヒートシンクを含む例示的非侵襲センサ筺体の側面図および透視図を示す。
【図3C】本開示の実施形態による、指台突起とヒートシンクを含む例示的非侵襲センサ筺体の側面図および透視図を示す。
【図3D】本開示の一実施形態による、ヒートシンクを含む他の例示的非侵襲センサ筺体の側面図を示す。
【図3E】本開示の一実施形態による、例示的検出器を含む例示的非侵襲センサ検出器シェルの透視図を示す。
【図3F】本開示の一実施形態による、指台突起とヒートシンクを含む例示的非侵襲センサ筺体の側面図を示す。
【図4A】本開示の一実施形態による、例示的突起の上部立面図、側面図、および上部透視図を示す。
【図4B】本開示の一実施形態による、例示的突起の上部立面図、側面図、および上部透視図を示す。
【図4C】本開示の一実施形態による、例示的突起の上部立面図、側面図、および上部透視図を示す。
【図5】本開示の一実施形態による、光透過に対する突起の可能な影響を描く例示的グラフを示す。
【図6A】本開示の一実施形態による、他の例示的突起の透視図、前部立面図、側面および上部平面図を示す。
【図6B】本開示の一実施形態による、他の例示的突起の透視図、前部立面図、側面および上部平面図を示す。
【図6C】本開示の一実施形態による、他の例示的突起の透視図、前部立面図、側面および上部平面図を示す。
【図6D】本開示の一実施形態による、他の例示的突起の透視図、前部立面図、側面および上部平面図を示す。
【図6E】本開示の一実施形態による、図6A〜6Dの突起を組み込む例示的センサを示す図である。
【図7A】本開示の一実施形態による、図1のシステムに使用することのできる伝導性ガラスの例示的配置を示す図である。
【図7B】本開示の一実施形態による、図1のシステムに使用することのできる伝導性ガラスの例示的配置を示す図である。
【図8A】本開示の一実施形態による、図1のシステムに使用することのできる伝導性ガラスの例示的上部立面図、側面図、および底部立面図を示す。
【図8B】本開示の一実施形態による、図1のシステムに使用することのできる伝導性ガラスの例示的上部立面図、側面図、および底部立面図を示す。
【図8C】本開示の一実施形態による、図1のシステムに使用することのできる伝導性ガラスの例示的上部立面図、側面図、および底部立面図を示す。
【図8D】本開示の一実施形態による、図1のシステムに使用することのできる伝導性ガラスの例示的上部立面図、側面図、および底部立面図を示す。
【図9】センサの一実施形態によって得られる例示的比較結果を示す図である。
【図10A】本開示のさまざまな実施形態の例示的比較ノイズフロアを示す図である。
【図10B】本開示のさまざまな実施形態の例示的比較ノイズフロアを示す図である。
【図11】本開示の一実施形態による、センサの一実施形態を含むことのできるいくつかの部品のブロック図である。
【図12】本開示の一実施形態による、センサの一実施形態に使用することのできる例示的検出器部分を示す図である。
【図13】本開示の一実施形態による、図1のシステムの例示的複数流運転を示す図である。
【図14A】本開示の一実施形態による、センサの一実施形態に使用することのできる部分的に円筒状の突起を有する他の例示的検出器部分を示す図である。
【図14B】図14Aの部分的に円筒状突起の前部立面図である。
【図14C】検出器サブマウントの実施形態を示す図である。
【図14D】検出器サブマウントの実施形態を示す図である。
【図14E】検出器サブマウントの実施形態を示す図である。
【図14F】検出器シェルの部分の実施形態を示す図である。
【図14G】検出器シェルの部分の実施形態を示す図である。
【図14H】検出器シェルの部分の実施形態を示す図である。
【図14I】センサの一実施形態の断面図を示す。
【図15A】ヒートシンクの特徴を含むセンサの実施形態を示す図である。
【図15B】ヒートシンクの特徴を含むセンサの実施形態を示す図である。
【図15C】ヒートシンクの特徴を含むセンサの実施形態を示す図である。
【図15D】ヒートシンクの特徴を含むセンサの実施形態を示す図である。
【図15E】ヒートシンクの特徴を含むセンサの実施形態を示す図である。
【図15F】ヒートシンクの特徴を含むセンサの実施形態を示す図である。
【図15G】本明細書に説明される任意のセンサと一緒に使用することのできるコネクタの特徴の実施形態を示す図である。
【図15H】本明細書に説明される任意のセンサと一緒に使用することのできるコネクタの特徴の実施形態を示す図である。
【図16A】廃棄可能な光センサの実施形態を示す図である。
【図16B】廃棄可能な光センサの実施形態を示す図である。
【図17】例示的センサのいくつかの部品の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は一般に非侵襲医療装置に関する。一実施形態において、生理センサは患者の指などの測定部位に結合することのできる検出器筺体を含む。センサ筺体は一般に測定部位の形状に一致することのできる湾曲した台を含むことができる。さらに、湾曲した台は測定部位からの光放射の量を増加させる形状にした突起を含むことができる。一実施形態において、突起は測定部位を薄くするために用いられる。これは光放射が、少ない組織を通過し、したがって減衰が少なくなる。一実施形態において、突起は減衰した光を測定することのできる面積を増加させるために用いることができる。一実施形態において、これは測定部位を出て1つ以上の検出器上に合焦する減衰した光を収集するレンズの使用によって行われる。突起は、光のノイズを低減するのに有用な黒または他の着色プラスチックなど、硬質の不透明プラスチックを含んで、プラスチックを有利に含む。一実施形態において、このような光ノイズは、患者の測定部位の組織によって減衰せずに光検出器で検出される、患者の1つ以上の生理パラメータを示す情報を含むのに十分な光を含む。それらの光ノイズはライトパイプを含む。
【0024】
一実施形態において、突起は湾曲した台から形成することができ、または台に配置することの可能な別の部品とすることができる。一実施形態において、任意の適切な材料から作られたレンズを突起として使用することができる。突起は凸形状とすることができる。また、突起は測定部位に一致するように平坦または比較的平坦な表面の寸法および形状にすることができる。また、突起は測定部位に一致するように、例えば凹または凸表面などの丸い表面にすることができる。突起は円筒状または部分的に円筒状の形状を含むことができる。突起は成人、子供または幼児などの異なる種類の患者のために異なるサイズまたは形状とすることができる。また、突起は、例えば、指、足指、手、足、耳、額等を含んで異なる測定部位のために異なるサイズまたは形状とすることができる。したがって、突起は任意の種類の非侵襲センサに役立つことができる。突起の外部表面は1つ以上の開口部または窓を含むことができる。開口部は指などの測定部位からの減衰した光を1つ以上の検出器に通過させることが可能なように、ガラスから作ることができる。代わりに、全ての突起のいくつかは部分的に円筒状レンズなどのレンズとすることができる。
【0025】
また、センサは、ノイズを低減するために、以下に説明する金属製のエンクロージャまたは突起内の埋め込みなどの遮蔽を含むことができる。遮蔽は銅などの伝導性材料から箱などの金属ケージまたはエンクロージャの形に作ることができる。遮蔽は第2の組の1つ以上の開口部または窓を含むことができる。第2の組の開口部はガラスから作ることができ、突起の外部表面の第1の組の窓を通過した光が、例えば以下に説明する収容することのできる1つ以上の検出器を通過することを可能にする。
【0026】
さまざまな実施形態において、遮蔽はエミッタと検出器の間の光路に配置された任意の実質的に透明な伝導性材料を含むことができる。遮蔽は、ガラス、プラスチック等などの透明材料から作ることができる。遮蔽は少なくとも部分的に透明な導電性材料またはコーティングを有することができる。導電性コーティングは遮蔽の片側または両側、または遮蔽の本体内部に配置することができる。さらに、導電性コーティングは遮蔽全体に均一に分散することができ、またはパターン形成することができる。さらに、コーティングはその遮蔽効果を増加または最適化するために、均一なまたは変化する厚さを有することができる。遮蔽は任意の種類の分光を用いる非侵襲センサに役立つことができる。
【0027】
一実施形態において、センサはヒートシンクを有することもできる。一実施形態において、ヒートシンクはその過剰の熱を放散する能力および着用者に美的快適さを与える形状を含むことができる。例えば、ヒートシンクは表面積を最大化して熱のより高い放散を可能にするように構成することができる。一実施形態において、ヒートシンクは、熱伝導性と放散性を向上させるカーボンおよびアルミニウムを含むプラスチックなど、金属化プラスチックを含む。一実施形態において、ヒートシンクは審美的および機能的目的のために望ましい形状および構成に安価に成型できるのが有利である。例えば、ヒートシンクの形状は一般に湾曲した表面とすることができ、1つ以上のフィン、波状起伏、溝またはチャンネル、または櫛を含むことができる。
【0028】
本開示において、センサは複数流の分光を用いてさまざまな血液の検体を非侵襲的に測定することができる。一実施形態において、複数流分光は可視、赤外、および近赤外波長を用いることができる。本明細書において開示されるように、センサは特徴と部品のさまざまな組み合わせに基づいて血液検体またはそのパーセント(例えば飽和)を非侵襲的に測定することが可能である。
【0029】
センサはエミッタ、検出器、および他の部品などの光通信部品を含むことができる。エミッタは、一実施形態において互いに点源として配置された複数の組みの光源を含むことができる。さまざまな光源は異なる波長の一連の光放射パルスを、患者の指などの測定部位に向けて発する。次いで、検出器は測定部位からの光放射を検出することができる。光源および光放射検出器は本明細書において論じられるように、赤外、近赤外、可視光、および紫外性を含んで任意の適切な波長で運転することができる。さらに、光源および光放射検出器は任意の適切な波長で運転することができ、当業者であれば、任意の波長で運転するための望ましい実施形態の修正は明らかであろう。いくつかの実施形態において、複数の検出器が用いられ、空間的な幾何形状に配置される。この空間的な幾何形状は少なくともいくつかの検出器の間の路長の多様性を提供し、複数のバルク測定およびパルス状の安定した測定を可能にする。検出器の各々は検出した光放射に基づいてそれぞれの出力流を提供することができ、または出力流の合計を複数の検出器から提供することができる。また、いくつかの実施形態において、センサは1つ以上のヒートシンクおよび1つ以上のサーミスタなど他の部品を含むことができる。
【0030】
センサはセンサの出力を処理および/または表示する1つ以上のモニタに結合することができる。モニタはセンサフロントエンド、信号プロセッサ、ディスプレイ等などのさまざまな部品を含むことができる。
【0031】
センサはモニタと一体化して、例えば、センサ、ディスプレイ、および使用者制御器を含む手持ちユニットにすることができる。他の実施形態において、センサは、1つ以上の処理装置と通信することができる。通信は、ワイヤ、ケーブル、可撓性回路、ワイアレス技術、または他の適切なアナログまたはデジタル通信伝達方法およびこれらの方法を実行する装置によることができる。前述の構成の多くは、装置を患者の腕など患者の他の場所に取り付け、またはベッド、棚、またはテーブルなど患者に近い場所に配置している間に、センサを測定部位に取り付けることを可能にする。また、センサまたはモニタは記憶装置またはネットワークインターフェースに出力することができる。
【0032】
ここで、本開示の実施形態を論ずるために図面を参照する。
【0033】
図1はデータ収集システム100の一例を示す。いくつかの実施形態において、データ収集システム100は、酸素、一酸化炭素、メトヘモグロビン、総ヘモグロビン、グルコース、プロテイン、グルコース、リピド、そのパーセント(例えば飽和)などの血液検体を非侵襲的に測定し、または他の多くの生理に関する患者の特性を測定する。また、システム100は、追加の血液検体および/または患者の健康の状態または傾向を決定するのに有用な他の生理パラメータを測定することができる。
【0034】
データ収集システム100は測定部位からの光放射を測定することが可能である。例えば、いくつかの実施形態において、データ収集システム100は面積に関して画定したフォトダイオードを用いることができる。一実施形態において、面積は、フルスケールで測定された光から得られる約100ナノアンペア(nA)以下の電流を検出できる約1mm2〜5mm2(またはそれ以上)である。通常の意味に加えて、句「フルスケールで」は、フォトダイオード増幅器(図示されない)の光飽和を意味することができる。無論、当業者であれば本開示から理解するように、本開示の実施形態と一緒に、さまざまな他のサイズおよび種類のフォトダイオードを使用することができる。
【0035】
データ収集システム100はフルスケールで約2nA〜約100nAの範囲を測定することができる。また、データ収集システム100は、さまざまな望ましい検体を測定するために、約100デシベル(dB)以上、約120デシベルなどの信号対ノイズ比(SNR)で検出器からの電流を処理および増幅することのできるセンサのフロントエンドを含むことができる。データ収集システム100は、グルコースなどの検体用に低い精度が望ましければ、低いSNRで運転することができる。
【0036】
データ収集システム100は、測定部位102によって減衰した光を少なくとも部分的に検出することによって、グルコースを含んで検体の濃度を測定することができる。測定部位102は、指、足、耳たぶ等、患者の体の任意の位置とすることができる。便宜的に、本開示は主として指の測定部位102の文脈で説明される。しかし、本明細書に説明される実施形態の特徴は他の測定部位で使用することができる。
【0037】
示した実施形態において、システム100は場合によって厚さ調節器または組織成形器105を含み、これは1つ以上の突起、バンプ、レンズ、または他の適切な組織成形機構を含むことができる。いくつかの実施形態において、組織成形器105は測定部位102の近くに配置することができ、十分な圧力を加えて測定部位102の組織を平坦または実質的に平坦にすることのできる平坦または実質的に平坦な表面である。他の実施形態において、組織成形器105は、測定部位102に対して凸状または実質的に凸状の表面である。多くの他の形状の組織成形器105が可能である。有利なことに、いくつかの実施形態において、組織成形器105は測定部位102での閉塞を回避または低減しながら、測定部位102の厚さを減少する。部位の厚さが減少することによって、光が通過しなければならない組織が少なくなり、光の減衰量が有利に低減する。また、組織を凸状(または代わりに凹状)表面に成形することは、光を検出することのできるより多くの表面積を提供する。
【0038】
また、示したデータ収集システム100の実施形態は、自由選択的なノイズ遮蔽103を含む。一実施形態において、ノイズ遮蔽103は、測定部位102から1つ以上の検出器106への光の透過を増加させながら、有利に電磁気ノイズを低減するようにされる(以下に説明される)。例えば、ノイズ遮蔽103は、センサ101の1つ以上の他の遮蔽と電気的に伝達する伝導性被覆ガラスまたは金属グリッドを有利に含むことができる、ノイズ遮蔽103が伝導性被覆ガラスを含む一実施形態において、コーティングはインジウムスズ酸化物を有利に含むことができる。一実施形態において、インジウムスズ酸化物は約30オーム/平方インチ〜500オーム/平方インチの表面抵抗を含む。一実施形態において、抵抗は約30、200、500オーム/平方インチである。本開示から当業者であれば理解するように、30オーム未満または500オーム以上の他の抵抗を用いることもできる。代わりに、光に透明なまたは実質的に透明な他の伝導性材料を使用することができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、測定部位102は利き腕または利き手ではないどこかの場所、例えば、右利きの人の左腕または左手とすることができる。ある患者において、非利き腕または非利き手は、少ない筋肉および高い脂肪含有率を有することができ、これはその患者の組織中に水の含有率が少ないという結果になる。水含有率の低い組織は、グルコースなどの血液検体によって有用に吸収される特定の波長との干渉が少ない。したがって、いくつかの実施形態において、データ収集システム100は人の非利き手または非利き腕上で用いることができる。
【0040】
データ収集システム100は、処理装置または生理モニタ109に結合したセンサ101(または複数のセンサ)を含むことができる。一実施形態において、センサ101およびモニタ109は互いに単一のユニットへ一体化される。他の実施形態において、センサ101およびモニタ109は互いに離れており、配線または無線接続など互いに任意の適切な方法によって互いに伝達する。センサ101およびモニタ109は、使用者または看護者の便宜上、貯蔵の容易さ、滅菌性の問題等のために互いに取り付け取り外すことができる。ここで、センサ101およびモニタ109をさらに説明する。
【0041】
図1に示した実施形態において、センサ101はエミッタ104と、組織成形器105と、1組の検出器106と、フロント・エンド・インターフェース108を含む。エミッタ104は、測定部位102に向かって送られる光放射源として働く。以下でさらに詳細に説明するように、エミッタ104は、LED、レーザーダイオード、適切な周波数選択フィルタを備える白熱電球、その組み合わせ等など、1つ以上の光放射源を含むことができる。一実施形態において、エミッタ104は可視および近赤外光放射を発することの可能な光源の組を含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、エミッタ104は点光源として使用され、したがって、エミッタ104の1つ以上の光源は約2mm〜約4mm内の互いに近い距離で配置することができる。エミッタ104は、その開示がその全体を参照により本明細書に組み込まれている、2006年9月21日に「複数波長センサエミッタ(Multiple Wavelength Sensor Emitters)」の名称で出願された米国特許公開第2006/0211924号に記載されるように、アレイに配置することができる。詳細には、エミッタ104は前述の刊行物のパラグラフ[0061]から[0068]に少なくとも部分的に記載されているように配置することができ、このパラグラフは参照により特に本明細書に組み込まれている。エミッタ104を配置するために、他の相対的な空間関係を用いることができる。
【0043】
グルコースなどの検体については、現在入手可能な非侵襲技術はしばしば最小約1600nmの水吸収に近い光の使用を試みる。典型的に、これらの装置および方法は、約1600nmの単一波長または単一波長帯域を用いる。しかし、現在まで、これらの技術は分光に基づいてグルコースなどの検体を十分且つ安定して測定することはできなかった。
【0044】
対照的に、データ収集システム100のエミッタ104は、いくつかの実施形態において、対象のさまざまな帯域の光放射の組み合わせを発することができる。例えば、いくつかの実施形態において、グルコースなどの検体については、エミッタ104は約1600nm〜約1700nmの間の3つ以上の波長で光放射を発することができる。詳細には、エミッタ104は約1610nm、約1640nm、約1665nmの光放射を発することができる。いくつかの場合に、約1600nm〜約1700nm内の3つの波長の使用は約100dBの十分なSNRが可能であり、これはグルコースなどの検体について、約20mg/DLまたはそれ以上の測定精度を得ることができる。
【0045】
他の実施形態において、エミッタ104は約1600nm〜約1700nm内の2つ(2)の波長を用いて、有利に約85dBのSNRを可能にすることができ、これはグルコースなどの検体について約25〜30mg/DL以上の測定精度を得ることができる。さらに、いくつかの実施形態において、エミッタ104は約1670nmを超える波長の光を発することができる。これらの波長での測定を用いて、約1600nm〜約1700nmの間で行われるグルコースなどの検体の測定において示されるプロテイン、水、および他の非ヘモグロビン種の寄与を補正または確認することができる。無論、他の波長または波長の組み合わせを用いて、検体の測定、および/または他の種類の組織、流体、組織特性、流体特性、その組み合わせ等を識別することができる。
【0046】
例えば、エミッタ104は、他の検体のために他のスペクトルの光放射を発することができる。詳細には、エミッタ104は、様々な血液検体またはそのパーセント(例えば飽和)を測定するために複数の波長を用いることができる。例えば、一実施形態において、エミッタ104は約905nm、約1200nm、約1300nm、約1330nm、約1610nm、約1640nm、約1665nmの波長でパルスの形の光放射を発することができる。他の実施形態において、エミッタ104は約860nm〜約950nm、約950nm〜約1100nm、約1100nm〜約1270nm、約1250nm〜約1350nm、約1300nm〜約1360nm、約1590nm〜約1700nmの光放射を発することができる。無論、エミッタ104は可視または近赤外光放射の任意のさまざまな波長を発することができる。
【0047】
異なる波長に対して検体の応答が異なるため、データ収集システム100のいくつかの実施形態は、これらの異なる波長を有利に用いて測定の精度を高めることができる。例えば、可視光および赤外光からの水の測定を用いて、近赤外波長に示される水吸収を補償することができる。
【0048】
上で概略を説明したように、エミッタ104はその光源として発光ダイオード(LED)の組を含むことができる。エミッタ104は1つ以上の上部発光LEDを用いることができる。詳細には、いくつかの実施形態において、エミッタ104は約850nm〜1350nmの光を発する上部発光LEDを含むことができる。
【0049】
また、エミッタ104は、スーパー発光LED(SLED)または側部発光LEDを用いることができる。いくつかの実施形態において、エミッタ104はSLEDまたは側部発光LEDを用いて約1600nm〜約1800nmの光放射を発することができる。これらの種類の光源は高エネルギーまたは比較的高エネルギー、例えば、約40mW〜約100mWの光を発することができるので、エミッタ104はSLEDまたは側部放射LEDを用いて近赤外光放射を発することができる。このより高いエネルギーの能力は組織および水におけるこれらの波長の光の大きな減衰を補償しまたは打ち勝つために用いることができる。例えば、より高いエネルギーの放射は、吸収後に1つ以上の光検出器によって検出することのできる他の波長と同じ強度および/または効率であるように、前述の波長における光の吸収信号を効率的に補償および/または正規化することができる。代わりに、エミッタ104はレーザーダイオードなどの他の種類の光放射源を用いて測定部位102に近赤外光を発することができる。
【0050】
さらに、いくつかの実施形態において、LED間の望ましいエネルギー出力の相対的なバランスを達成するのを助けるために、エミッタ104中のいくつかのLEDは、特定のLEDまたはLEDの群からの光放射を低減および/または清浄化するフィルタまたは被覆を有することができる。例えば、いくつかの光の波長は比較的良く組織を透過することができるので、上部発光LEDのいくつかまたは全てなどのLEDは、キャップまたは着色染料などのフィルタまたは被覆を用いることができる。これはエミッタ104により高い出力を有するLEDを使用することを可能にし、および/またはLEDの強度を等しくするために使用することを可能にする。
【0051】
また、データ収集システム100はエミッタ104を駆動するドライバ111を含む。ドライバ111はモニタ109によって制御される回路等とすることができる。例えば、ドライバ111はエミッタ104に電流のパルスを提供することができる。一実施形態において、ドライバ111は交流など漸進的にエミッタ104を駆動する。ドライバ111は、比較的良好に組織を透過することのできるいくつかの波長については約1ミリワット(mW)、組織に大きく吸収されやすい他の波長については約40mW〜約100mWの一連のパルスでエミッタ104を駆動することができる。さまざまな実施形態において、さまざまな他の駆動エネルギーおよび駆動方法を用いることができる。
【0052】
ドライバ111はセンサ101の他の部品と同期させることができ、エミッタ104から発する光放射のパルスタイミングにおけるジッタを最小化または減少することができる。いくつかの実施形態において、ドライバ111はエミッタ104に100万分の10部未満の変化でパターン化された光放射を発光させることが可能である。
【0053】
検出器106は測定部位からの光を捕捉し測定する。例えば、検出器106はエミッタ104から発光して測定部位102で減衰した、または反射した光を捕捉し測定することができる。検出器106は捕捉または測定された光に対応する検出器信号107を出力することができる。検出器106は1つ以上のフォトダイオード、フォトトランジスタ等を用いて実施することができる。
【0054】
さらに、検出器106は、少なくともいくつかの検出器106の間の路長変化を提供する空間的構成で配置することができる。すなわち、いくつかの検出器106は、実質的に、または処理アルゴリズムの見地から効率的にエミッタ104から同じ路長を有することができる。しかし、一実施形態によれば、少なくともいくつかの検出器106は他の検出器106に比べてエミッタ104から異なる路長を有することができる。路長の変化は検出器106からの多くの信号流を用いることを可能にする。
【0055】
フロント・エンド・インターフェース108は、望ましい生理パラメータに対応する検出器106の出力に適合するインターフェースを提供する。例えば、フロント・エンド・インターフェース108は、1つ以上の検出器106から受け取った信号107を、モニタ109によって、例えば、モニタ109の信号プロセッサ110によって処理することのできる形に適合させることができる。フロント・エンド・インターフェース108は、センサ101、モニタ109、接続配線(使用される場合)、その組み合わせ等に組み立てられたその部品を有することができる。フロント・エンド・インターフェース108の位置は、部品に望まれる空間、望ましいノイズ低減または制限、望ましい熱低減または制限等を含むさまざまな要因に基づいて選択することができる。
【0056】
フロント・エンド・インターフェース108は、バス、ワイヤ、電気的または光学的ケーブル、可撓性回路、または信号接続の他の形を用いて、検出器106および信号プロセッサ110に結合することができる。また、フロント・エンド・インターフェース108は、検出器106などのさまざまな部品と少なくとも部分的に一体化することができる。例えば、フロント・エンド・インターフェース108は、検出器106と同じ回路基板上にある1つ以上の集積回路を含むことができる。また、他の構成も用いることができる。
【0057】
フロント・エンド・インターフェース108は、シグマ−デルタADCなど、1つ以上のアナログ−デジタル変換器(ADC)(モニタ109中に存在することができる)に結合したトランスインピーダンス増幅器などの1つ以上の増幅器を用いて実施することができる。トランスインピーダンスに基づくフロント・エンド・インターフェース108はシングルエンド回路、ディファレンシャル回路、および/またはハイブリッド構成を用いることができる。トランスインピーダンスに基づくフロント・エンド・インターフェース108は、そのサンプリングレート能力および変調/復調のアルゴリズムにおける自由度のため、有用である。例えば、この型のフロント・エンド・インターフェース108は、エミッタ104から発したパルスと同期するADCのサンプリングを有利に促進する。
【0058】
ADCまたは複数のADCは、1つ以上の出力をモニタ109の信号プロセッサ110によって処理するためにデジタル情報の複数のチャンネル中に提供することができる。各チャンネルは検出器106からの信号出力に対応することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、トランスインピーダンスに基づくフロント・エンド・インターフェース108と組みわせてプログラム可能な利得増幅器(PGA)を用いることができる。例えば、トランスインピーダンスに基づくフロント・エンド・インターフェース108の出力はモニタ109中のADCと結合したPGAに出力することができる。PGAは、他のレベルの増幅および検出器106からの信号流の制御を提供するのに有用である。代わりに、PGAおよびADCの部品は、センサ101中でトランスインピーダンスに基づくフロント・エンド・インターフェース108と一体化することができる。
【0060】
他の実施形態において、フロント・エンド・インターフェース108はスイッチングキャパシタ回路を用いて実施することができる。スイッチングキャパシタに基づくフロント・エンド・インターフェース108は、いくつかの実施形態において、その抵抗体のない設計およびアナログ平均化特性のため有用である。さらに、スイッチングキャパシタに基づくフロント・エンド・インターフェース108は、それがモニタ109中の信号プロセッサ110にデジタル信号を提供できるので有用である。
【0061】
図1に示したように、モニタ109は信号プロセッサ110およびディスプレイ112などのユーザーインターフェースを含むことができる。また、モニタ109は場合によって単独またはディスプレイ112と組み合わせて記憶装置114およびネットワークインターフェース116などの出力を含むことができる。一実施形態において、信号プロセッサ110は、検出器106から受け取った信号に基づいてグルコースなどの望ましい検体についての測定を決定する処理ロジックを含む。信号プロセッサ110は1つ以上のマイクロプロセッサまたはサブプロセッサ(例えばコア)、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、現場書き換え可能ゲートアレイ(FPGA)、その組み合わせ等を用いて実施することができる。
【0062】
信号プロセッサ110はセンサ101の運転を制御するさまざまな信号を提供することができる。例えば、信号プロセッサ110はドライバ111にエミッタ制御信号を提供することができる。この制御信号はエミッタ104から発するパルスのタイミングのジッタを同期化し、最小化し、低減するために有用である。したがって、この制御信号は、エミッタ104から発する光放射パルスを正確なタイミングおよび安定したパターンにするために有用である。例えば、トランスインピーダンスに基づくフロント・エンド・インターフェース108が用いられるとき、信号プロセッサ110からの制御信号はエイリアシングやクロストーク等を避けるためにADCとの同期化を提供することができる。また、示したように、フロント・エンド・インターフェース108および/または信号プロセッサ110が任意のメモリ113を含むことができる。このメモリ113は、他の用途の中でも、フロント・エンド・インターフェース108および/または信号プロセッサ110のためのバッファまたは記憶位置として働くことができる。
【0063】
ユーザーインターフェース112は、データ収集システム100の使用者への提示のために、例えばディスプレイ上に出力を提供することができる。ユーザーインターフェース112は、タッチスクリーンディスプレイ、LCDディスプレイ、有機LEDディスプレイ等として実施することができる。さらに、ユーザーインターフェース112は患者の主要ではない側の測定を可能にするよう操作することができる。例えば、ユーザーインターフェース112は、モニタ109上で一方の側から他方側へ動かすことのできるスクリーンである反転スクリーンを含むことができ、または使用者の入力または装置の配列に応じてその表示を再配列する能力を含むことができる。代替の実施形態において、データ収集システム100はユーザーインターフェース112なしで提供することができ、分離したディスプレイまたはシステムに単純に出力信号を提供することができる。
【0064】
記憶装置114およびネットワークインターフェース116はモニタ109に含むことのできる自由選択的な他の出力コネクタを表す。記憶装置114は、メモリ装置、ハードディスクドライブ、EEPROM、フラッシュドライブ等などの任意のコンピュータ読み取り可能な媒体を含むことができる。記憶装置114にはさまざまなソフトウェアおよび/またはファームウェアアプリケーションを記憶することができ、これはモニタ109の信号プロセッサ110または他のプロセッサによって実行することができる。ネットワークインターフェース116は、シリアル・バス・ポート(RS−232/RS−485)、ユニバーサル・シリアル・バス・ポート(USB)、イーサネット(登録商標)ポート、無線インターフェース(例えば、内部無線カードを含んで任意の802.1×インターフェースなどのWiFi)、またはモニタ109が他の装置と通信しデータを共有することの可能な他の適切な通信装置とすることができる。また、モニタ109は、マイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、または、ユーザーインターフェース112に出力し、データ通信を制御し、データ動向を計算し、または他の運転の実行するための制御器など、図示されないさまざまな他の部品を含むことができる。
【0065】
記述された実施形態には示されないが、データ収集システム100はさまざまな他の部品を含むことができ、または異なる方法で構成することができる。例えば、センサ101は測定部位102の同じ側にエミッタ104と検出器106の両方を有することができ、検体測定に反射を用いることができる。また、データ収集システム100は、エミッタ104から発する光のエネルギーを測定するセンサを含むことができる。
【0066】
図2A〜2Dはデータ収集システム100を収容することのできる例示的監視装置200を示す。いくつかの実施形態において、示した例示的監視装置200のいくつかまたは全ては、使用者がそれを片手で運転し、またはそれを例えば患者の体または手足に取り付けることができるような形状およびサイズを有利に有することができる。いくつかの例を図示したが、データ収集システム100を収容するために多くの他の監視装置構成を用いることができる。さらに、図2A〜2Dに示した監視装置200のいくつかの特徴は図示した他の監視装置200の特徴と組み合わせることができる。
【0067】
詳細に図2Aを参照すれば、例示的監視装置200Aが示され、センサ201aおよびモニタ209aが単一ユニットへ一体化される。示された監視装置200Aは、患者の指のグルコースおよび他の検体を測定することのできる手持ちまたは携帯装置である。センサ201aはエミッタシェル204aおよび検出器シェル206aを含む。また、監視装置200Aの描かれた実施形態は、さまざまな制御ボタン208aおよびディスプレイ210aを含む。
【0068】
センサ201aは反射の目的のために用いられた白い材料(白いシリコーンまたはプラスチックなど)から作られ、これは光をセンサ201aに戻すことによって、検出器106で使用可能な信号を増加させる。エミッタシェル204aおよび検出器シェル206a中のパッドは例えば、患者の指上の分離した四半分からの光信号の混合を防止または低減するために分離した窓を含むことができる。さらに、これらのパッドは、例えば患者の指の形状に一致するために、ゲルまたは発泡体などの比較的柔らかい材料から作ることができる。また、エミッタシェル204aおよび検出器シェル206aは、環境の光がセンサ201aに入るのを防止または低減するために吸収性の黒色または灰色部分を含むことができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、エミッタシェル204aおよび/または検出器シェル206aのいくつかまたは全ては取り外し可能および/または廃棄可能とすることができる。例えば、シェル204aおよび206aのいくつかまたは全ては取り外し可能とすることができる。シェル204aおよび206aが取り外し可能であることは滅菌目的またはセンサ201aを異なる患者のサイズにするために有用である。モニタ209aは、センサ201cをモニタ209aに取り外し可能に取り付けるのを可能にする、固定具、溝、磁石、または他の接続機構を含むことができる。
【0070】
また、監視装置200aは、使用者が装置の運転を制御できるように、自由選択的な制御ボタン208aおよびディスプレイ210aを含むことができる。例えば、使用者は制御ボタン208aを操作してグルコースなどのさまざまな検体の1つ以上の測定値を見ることができる。さらに、使用者は制御ボタン208aを操作して、グラフ、ヒストグラム、測定データ、トレンド測定データ、パラメータ組み合わせ表示、健康表示等などの他の情報の形を見ることができる。多くのパラメータ、トレンド、警告、およびパラメータ表示は、カリフォルニア州のアーバイン、Masimo(登録商標)Corporation製のさまざまな非侵襲監視装置から市場で入手可能なものなどのディスプレイ210aに出力することができる。
【0071】
さらに、制御208aおよび/またはディスプレイ210aは、警告設定、エミッタ設定、検出器設定等など、監視装置200aの設定を操作する使用者のための機能を提供することができる。監視装置200aは、フレーム、メニュー、タッチスクリーン、および任意の種類のボタンなど任意のさまざまなユーザーインターフェース設計を用いることができる。
【0072】
図2Bは監視装置200Bの他の例を示す。描かれた実施形態において、監視装置200Bはケーブル212を経由してモニタ209bに接続された指クリップセンサ201bを含む。示された実施形態において、モニタ209bは、ディスプレイ210b、制御ボタン208b、および電源ボタンを含む。さらに、モニタ209bは、前記センサ201bからの信号データを受け取り、信号データを処理して監視される患者の1つ以上の生理パラメータを示す1つ以上の測定値を決定し、測定値、測定値の傾向、測定値の寄与を表示することのできる電気処理、信号処理、およびデータ記憶装置を有利に含むことができる。
【0073】
センサ201bとモニタ209bを接続するケーブル212は、1つ以上のワイヤ、光ファイバ、可撓性回路等を用いて実施することができる。いくつかの実施形態において、ケーブル212は、センサ201bからモニタ209bへ伝送されるデータのクロストークを最小化または低減するために、ねじった対の導体を用いることができる。さまざまな長さのケーブル212を用いて、センサ201bとモニタ209bの間の分離を可能にすることができる。ケーブル212は、センサ201bとモニタ209bを互いに接続し分離することができるようにケーブル212のいずれの端部にもコネクタ(雄または雌)を固定することができる。代わりに、センサ201bとモニタ209bは、赤外リンク、無線周波数チャンネル、または任意の他の無線通信プロトコルおよびチャンネルなどの無線通信リンクによって互いに結合することができる。
【0074】
モニタ209bは患者に取り付けることができる。例えば、モニタ209bは、患者のベルト、腕、脚等への取り付けを容易にするベルトクリップまたはストラップを含むことができる(例えば、図2C参照)。また、モニタ209bは、ケーブル212とセンサ201bをモニタ209bに取り付けることを可能にする固定具、溝、磁石、LEMOスナップクリック・コネクタ、または他の接続機構を含むことができる。
【0075】
また、モニタ209bは、スピーカー、電源ボタン、取り外し可能な記憶またはメモリ(例えばフラッシュ・カード・スロット)、AC電源ポート、および1つ以上のネットワークインターフェース、ユニバーサル・シリアル・バス・インターフェースまたはイーサネット(登録商標)ポートなどの他の部品を含むことができる。例えば、モニタ209bはグルコースの測定を例えばmg/dLで示すことのできるディスプレイ210bを含むことができる。また、他の検体およびディスプレイの形はモニタ209b上に表示することができる。
【0076】
さらに、単一モニタ209bを備える単一センサ201bが図示されるが、センサと装置の対の異なる組み合わせを実施することができる。例えば、複数の異なる種類の患者または測定部位または患者の指のために複数のセンサを提供することができる。
【0077】
図2Cは、データ収集システム100を収容することのできる監視装置200cのさらに他の例を示す。監視装置200Bのように、監視装置200Cは、ケーブル212によってモニタ209cに接続された指クリップセンサ201cを含む。ケーブル212は図2Bに関して上に説明した特徴の全てを有することができる。モニタ209cは上に説明したモニタ200Bの特徴の全てを含むことができる。例えば、モニタ209cはボタン208とディスプレイ210cを含む。また、示したモニタ209cはモニタ209cを患者の手足に取り付けることを可能にするストラップ214cを含む。
【0078】
図2Dはデータ収集システム100を収容することのできる監視装置200Dのさらに他の例を示す。監視装置200Bおよび200Cのように、監視装置200Dは、ケーブル212によってモニタ209dに接続された指クリップセンサ201dを含む。ケーブル212は図2Bに関して上に説明した特徴の全てを有することができる。図2Bおよび2Cに関して上に説明した特徴のいくつかまたは全てを有することに加えて、監視装置200Dは、自由選択的なユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート216およびイーサネット(登録商標)ポート218を含む。USBポート216およびイーサネット(登録商標)ポート218を用いて、例えば、ケーブルを経由してモニタ209dとコンピュータ(図示されない)の間の情報を伝送することができる。コンピュータに記憶されたソフトウェアは、使用者が、例えば、生理データおよび傾向、調節設定およびダウンロードファームウェア更新をモニタ209b上に見る機能を提供し、さまざまな他の機能を実行することができる。上に説明した他の監視装置200A、200B、200Cと一緒にUSBポート216およびイーサネット(登録商標)ポート218を含むことができる。
【0079】
図3A〜3Cはセンサ301aのさらに詳細な例を示す。図示したセンサ301aは上に説明したセンサ100および200の特徴の全てを含むことができる。
【0080】
図3Aを参照すれば、描かれた実施形態におけるセンサ301aは、患者の指を受け入れるためのエンクロージャ302aを含む洗濯バサミ形状のクリップセンサである。エンクロージャ302aは、下部部分または検出器シェル306aと回転可能に接続された上部部分またはエミッタシェル304aによって形成される。エミッタシェル304aは、旋回点303aの周りで互いに閉じることができるように検出器シェル306aにバイアスさせることができ、それによってエミッタシェル304aと検出器シェル306aの間に指組織を挟むことができる。
【0081】
一実施形態において、旋回点303aは、組織部位に用いられた時にエミッタシェル304aと検出器306aの間の関係を調節して部分を効率的に水平にすることのできるピボットを有利に含む。他の実施形態において、センサ301aは、指クリップの力を指に沿って配分するスプリングなど、上に組み込まれた米国特許公開第2006/0211924号に説明された指クリップの特徴のいくつかまたは全てを含む。この特徴を説明するパラグラフ[0096]〜[0105]は、特に参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
エミッタシェル304aは、センサ301aのさまざまなエミッタ部品を配置し収容することができる。それは反射性材料(例えば、白いシリコーンまたはプラスチック)から作ることができ、および/またはヒートシンクとして働くことの可能な金属製または金属化プラスチック(例えば、カーボンおよびアルミニウムを含んで)とすることができる。また、エミッタシェル304aは、センサ301aに入る環境の光を低減するために、1つ以上のフラップ307aの上などのさまざまな領域に、例えば、黒色または灰色に着色した材料など、吸収性不透明材料を含むことができる。
【0083】
検出器シェル306aはセンサ301aの1つ以上の検出器部分を配置し収容することができる。検出器シェル306aは白いシリコーンまたはプラスチックなどの反射性材料から作ることができる。述べたように、それらの材料は組織および測定部位中に光を戻すことによって、検出器での使用可能な信号を増加させることができる(図1を参照)。また、検出器シェル306aは、センサ301aに入る周囲の光を低減するために、下部領域308aなどのさまざまな領域で吸収性の不透明な材料を含むことができる。
【0084】
図3Bおよび3Cを参照すれば、センサ301b中に指台310が示される。指台310は、一般にヒトの指などの組織を受け取るように全体的に湾曲した表面形状を含む。指台310は1つ以上の隆起またはチャンネル314を含む。隆起314の各々は一般に患者の指を指台に引き付けまたは握るのを容易にすることのできる凸形状を有する。隆起314は、いくつかの実施形態において、センサ301aの内部での測定部位の緩やかな動きまたは振動に起因するノイズを低減することによって、分光分析の精度を高めることができる。いくつかの実施形態において、隆起314はさらにSNRを高めるために反射性または不透明な材料から作ることができる。他の実施において、例えば、全体的に平坦な、凹状の、または凸状の指台310など、他の表面形状を用いることができる。
【0085】
また、指台310は組織厚さ調節器または突起305の実施形態を含むことができる。突起305は測定部位の体組織に接触することのできる測定部位接触領域370(図3C参照)を含む。突起305は指台310から取り外しまたは一体化することができる。また、交換可能な異なる形状の突起305を提供することができ、これは異なる指の形状、特徴、不透明度、サイズ等に対応することができる。
【0086】
詳細に図3Cを参照すれば、突起305の接触領域370は開口部または窓320、321、322、および323を含むことができる。測定部位からの光が窓320、321、322、323を通過するとき、光は1つ以上の光検出器に到達することができる(図3E参照)。一実施形態において、窓320、321、322、323は、光が突起305を経由して光検出器に入射できるように、特定の検出器配置レイアウトを再現する。測定部位からの光を光検出器に通過させるように、突起305中に任意の数の窓320、321、322、323を使用することができる。
【0087】
また、窓320、321、322、323は、埋め込まれたワイヤの格子または伝導性ガラスコーティングなどの遮蔽を含むことができ、環境の光からのノイズまたは他の電磁気ノイズを減少させる。窓320、321、322、323は、プラスチックまたはガラスなどの材料から作ることができる。いくつかの実施形態において、窓320、321、322、323は、インジウムスズ酸化物(ITO)を被覆したガラスなど伝導性ガラスから作ることができる。伝導性ガラスはその遮蔽が透明であり、したがってワイヤの埋め込み格子を備える窓に対して大きな開口部を可能にするので、有用である。さらに、いくつかの実施形態において、伝導性ガラスはその遮蔽に開口部を必要とせず(それが透明であるので)、これはその遮蔽性能を高める。例えば、伝導性ガラスを用いるいくつかの実施形態は遮蔽格子を備える非伝導性ガラスよりも約40%〜約50%大きな信号を得ることができる。さらに、いくつかの実施形態に置いて、伝導性ガラスは、遮蔽格子を備える非伝導性ガラスよりも多方向からのノイズを遮蔽するのに有用である。
【0088】
図3Bに戻って、センサ301aは金属ケージ、箱、金属シート、孔明き金属シート、非金属材料上の金属層等などの遮蔽315aを含むこともできる。遮蔽315aは描かれた実施形態においてノイズを低減するために突起305の下部または内部に埋め込まれて提供される。遮蔽315aは銅などの伝導性材料から作ることができる。遮蔽315aは、1つ以上の開口部または窓(図示されない)を含むことができる。窓は、ガラスまたはプラスチックから作ることができ、それによって突起305の外部表面上の窓320、321、322、323(図3C参照)を通過した光は、下部に収容または提供することのできる1つ以上の光検出器(図3E参照)を通過することができる。
【0089】
一実施形態において、光検出器は突起305(図3E参照)の内部または直接下部に配置することができる。その場合、エミッタから検出器への平均光路長は縮小することができ、血液検体測定の精度を高めることができる。例えば、一実施形態において、高さ約1mm〜約3mmで約10mm2〜約60mm2の凸状バンプは、他の形状に対して信号強度を約1桁高めることが見出された。無論、他の実施形態において、他の寸法およびサイズを用いることができる。望ましい特性に応じて、突起305の長さ、幅、および高さを選択することができる。それらの決定をするために、突起305は測定部位の血液の流れおよび開口部320、321、322、323を通過する光放射の平均路長に影響を与えることを考慮することができる。また、突起のサイズと形状を決定するには患者の快適さを勘案することができる。
【0090】
一実施形態において、突起305は、柔らかいプラスチックまたはゴムを含んで、測定部位にいくらか適応することのできる柔軟な材料を含むことができる。柔軟な材料は、測定部位の接触領域370を測定部位に適応させることによって、患者の快適さおよび接触を改善することができる。さらに、柔軟な材料は環境光などのノイズを最小化または低減することができる。代わりに、突起305は硬質プラスチックまたは金属などの硬質材料から作ることができる。
【0091】
硬質材料は測定部位を接触領域370に順応させることによって血液検体の測定精度を高めることができる。接触領域370は精度の向上またはノイズ低減のために理想的な形状とすることができる。突起305の材料の選択は、測定部位で大きく血液流を変えない材料を配慮することを含む。突起305および接触領域370はさまざまな特性を有する材料の組み合わせを含むことができる。
【0092】
接触領域370は測定部位のための接触表面として働く。例えば、いくつかの実施形態において、接触領域370は患者の指と接触する形状とすることができる。したがって、接触領域370は異なるサイズの指のためのサイズおよび形状とすることができる。接触領域370は、反射の目的ならびに患者の快適さのために異なる材料から作ることができる。例えば、接触領域370はプラスチック、ゲル、発砲体等などのさまざまな硬度およびテクスチャを有する材料から作ることができる。
【0093】
図5に関して、続く数式および解析は、これらの変数の選択がいかにして、測定部位に適用された光放射の透過度と強度を変えることができるかの洞察を提供する。これらの例は本開示の範囲を制限するものではない。
【0094】
図5を参照すれば、さまざまな光の波長で、突起305の実施形態のSNRに対する効果を示すプロット500が示される。上述のように、突起305は組織への適応を助けることができ、その平均路長を効果的に縮小する。いくつかの実施形態において、この突起305による効果はSNRを高める顕著な影響を有する。
【0095】
Beer Lambertの法則によれば、光の透過度(I)は次のように表わすことができる。I=I0*e−m*b*c
式中、I0は透過される光の初期エネルギーであり、mは光が移動する路長であり、(b*c)成分は光の特定の波長での光の総吸収である。例えば、約1600nm〜約1700nmの光について、総吸収成分は一般に約0.7mm−1である。約12mmの典型的な指の厚さ、および組織分散による平均路長を20mmと仮定すれば、I=I0*e(−20*0.7)である。
【0096】
突起305が凸状バンプである一実施形態において、指の厚さはいくつかの指について(12mmから)10mmへ縮小することができ、有効光平均路は20mmから約16.6mmに縮小される(ボックス510を参照)。この結果は新しい透過度I=I0*e(−16.6*0.7)を与える。さまざまな波長での典型的な指の湾曲(20mmの平均路長を有する)は図5のプロット500に示される。プロット500は突起305の透過度に対する潜在的な効果を示す。図示したように、IとI1を比較すれば、強度利得e(−16.6*0.7)/e(−20*0.7)が得られ、これは約1600nm〜約1700nmの光について約10倍の増加である。それらの増加はセンサの運転できるSNRに影響を与えることができる。前の利得は少なくとも部分的に高い総吸収値(水、プロテイン等)、例えば約0.7mm−1を有する約1600nm〜約1700nmの範囲に起因する。また、プロット500は可視/近赤外範囲(約600nm〜約1300nm)における改善を示す。
【0097】
SNRの増加に対する突起305の寄与は、現在入手可能な装置が主として患者の快適さのために測定部位に適応することが努力されたので、従来は少なくとも部分的に当業者には認識されなかった。さらに、可視および赤外範囲の光について、言い換えれば、多くの従来装置の波長で、指における光成分の総吸収は一般に約0.1mm−1ではるかに低い。したがって、同じ厚さの変化は、例えばe(−16.6*0.7)/e(−20*0.7)だけ強度を高め、これは約1.5倍の増加になる。現在入手可能な装置において、それらの影響は、患者の快適さなど、他の課題の克服を保証するには十分大きくない。しかし、本明細書に開示されるさまざまな突起305の設計は患者の快適さを保持しながらSNRを高めることができる。
【0098】
再び図3A〜3Cに戻って、例示的ヒートシンク350aが示される。ヒートシンク350aはセンサ301aの外部表面に取り付け、または突起することができ、それによってさまざまなセンサ部品の過剰熱の放散能力を高める。いくつかの実施形態において、センサ301aの外部表面上にあることによって、ヒートシンク350aは空気に露出することができ、それによってより多くの効果的な冷却を促進する。一実施形態において、1つ以上のエミッタ(図1参照)は十分な熱を発生し、ヒートシンクを含むことによってセンサ301aは安全に冷却されて維持される。ヒートシンク350aは、例えば、アルミニウム、鋼、銅、カーボン、その組み合わせ等など、熱の放散を助ける1つ以上の材料を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、エミッタシェル304aは容易に且つ比較的安価に望ましい形状および形態に成形可能な熱伝導性材料を含むことができる。
【0099】
いくつかの実施形態において、ヒートシンク350aは金属化プラスチックを含む。金属化プラスチックは例えばアルミニウムおよびカーボンを含むことができる。材料は熱伝導性および放散性を向上させることができ、これはヒートシンクの市場性を高めることができる。いくつかの実施形態において、ヒートシンク350aを作るために選択された材料はロードアイランドのワ―ウィック、CoolPoly(登録商標),Incから市場で入手可能なCoolPoly(登録商標)D5506などの熱伝導性液晶ポリマーを含むことができる。それらの材料は、例えば、電気的遮蔽を助けるように、その非伝導性および誘電特性のために選択することができる。一実施形態において、センサ301aが1日未満の短い使用間隔で活性であるとき、ヒートシンク350aは改善された熱伝導特性を提供する。一実施形態において、ヒートシンク350aは、例えば、約3分から約4分の間隔で改善された熱伝導性を有利に提供することができるが、ヒートシンク350aはより短いまたは長い間隔で有効に働くように選択することができる。
【0100】
さらに、ヒートシンク350aは美的ならびに機能的な目的のために異なる形状および構成を有することができる。一実施形態において、ヒートシンクは、例えば表面積を最大化することによって、熱放散を最大化するように構成される。一実施形態において、ヒートシンク350aは全体的に湾曲した表面に成形され、1つ以上のフィンと、波状起伏と、溝またはチャンネルを含む。示した例示的ヒートシンク350aはフィン351a(図3A参照)を含む。
【0101】
センサ301bおよびヒートシンク350bの代替の形状は図3Dに示される。センサ301bはセンサ301aの特徴のいくつかまたは全てを含むことができる。例えば、センサ301bは、旋回軸303aの周りに回転可能に接続されたエミッタシェル304bと検出器シェル306bによって形成されたエンクロージャ302bを含む。また、エミッタシェル304bは1つ以上のフラップ307b上に吸収性不透明材料を含むことができ、検出器シェル306aは下部領域308bなどのさまざまな領域に吸収性不透明材料を含むことができる。
【0102】
しかし、この実施形態において、センサ301bの形状は異なる。詳細には、ヒートシンク350bは櫛状突起351bを含む。櫛状突起351bはヒートシンク350aのフィン351aと同じように空気に露出され、それによってセンサ301bの効率的な冷却を促進する。
【0103】
図3Eはセンサ301bの検出器シェル306bのより詳細な例を示す。検出器シェル306bに関して説明した特徴はセンサ301aの検出器シェル306aで用いることができる。
【0104】
示したように、検出器シェル306bは検出器316を含む。検出器316は互いに予め定めた間隔340または空間構成をもたらす互いの中の空間関係を有することができる。この空間構成は検出器316と上で論じたエミッタの中の路長の変化を意図的に作り出す。
【0105】
描かれた実施形態において、検出器シェル316は2次元格子パターンに配置された複数(例えば、2、3、4等)のフォトダイオードアレイを保持することができる。また、複数のフォトダイオードアレイはライトパイプ(例えば、測定部位102を迂回する光)を検出するのに用いることができる。検出器シェル316において、個々のフォトダイオードアレイを分離する壁を提供して、明らかな四半分からの光信号の混合を防止または低減することができる。さらに、検出器シェル316は、捕捉されたエネルギー光の伝導を最大化しまたは増加させるために、ガラス、プラスチック等などの透明な材料の窓で被覆することができる。また、さまざまな実施形態において、使用される透明材料は部分的に透明または半透明とすることができ、またはさもなければそれを通過する光放射のいくらかまたは全てを通過させることができる。述べたように、この窓は埋め込まれたワイヤ格子、または伝導性層またはコーティングの形でいくつかの遮蔽を含むことができる。
【0106】
さらに図3Eで示したように、検出器316は格子の空間構成を有することができる。しかし、検出器316は路長を変化させる他の構成に配置することができる。例えば、検出器316は直線アレイ、ロガリズムアレイ、2次元アレイ等に配置することができる。さらに、いくつかの実施形態において、任意の数の検出器316を用いることができる。
【0107】
図3Fはセンサ301fの他の実施形態を示す。センサ301fは上に説明した図3Aの特徴のいくつかまたは全てを含むことができる。例えば、センサ301fは、旋回点303fの周りに下部部分または検出器シェル306fと回転可能に接続された上部部分またはエミッタシェル304fによって形成されたエンクロージャ302fを含む。また、エミッタシェル304fは、センサ301fに入る環境光を低減するために、1つ以上のフラップ307f上などのさまざまな領域に吸収性不透明材料を含むことができる。また、検出器シェル306fは下部領域308fなどのさまざまな領域に吸収性不透明材料を含むことができる。また、センサ301fはヒートシンク350fを含むことができ、これはフィン351fを含む。
【0108】
これらの特徴に加えて、センサ301fは可撓性回路カバー360を含み、これはプラスチックまたは他の適切な材料から作ることができる。可撓性回路カバー360は被覆することができ、それによってエミッタシェル304fから検出器シェル306fへ伸びる可撓性回路を保護する。それらの可撓性回路の例は、上に組み込まれた米国特許公開第2006/0211924号(図46および本明細書に特に参照により組み込まれている関連説明を参照されたい)に示される。可撓性回路カバー360は下の図17により詳細に示される。
【0109】
図4A〜4Cは突起405の例示的配置を示し、これは上で説明した突起305の一実施形態である。一実施形態において、突起405は測定部位接触領域470を含むことができる。測定部位接触領域470は、指などの測定部位の体組織を平坦または比較的平坦な表面に成形する表面を含むことができる。
【0110】
突起405は患者の指などの測定部位に適した寸法を有することができる。図示したように、突起405は長さ400、幅410、および高さ430を有することができる。長さ400は、約9〜約11ミリメートル、例えば約10ミリメートルとすることができる。幅410は、約7〜約9ミリメートル、例えば約8ミリメートルとすることができる。高さ430は、約0.5〜約3ミリメートル、例えば約2ミリメートルとすることができる。一実施形態において、寸法400、410、430は、測定部位接触領域470が約80平方ミリメートルの面積を含むように選択することができるが、成人、青年期、幼児、または他の配慮のために、異なるサイズの組織により大きなまたはより小さな面積を用いることができる。
【0111】
また、測定部位接触領域470は測定部位を異なる形状に適合させる異なる形状の表面を含むことができる。例えば、測定部位接触領域470は全体的に湾曲することができ、および/または測定部位に対して凸状とすることができる。測定部位接触領域470は、突起405および/または測定部位の間の空気を低減または最小化する他の形状とすることができる。さらに、測定部位接触領域470の表面パターンは、例えば握りのさまざまなレベルを提供するために平滑から凹凸状に変化することができる。
【0112】
図4Aおよび4Cにおいて、開口部または窓420、421、422、423は、例えば、全体的に四角、円形、三角形、またはその組み合わせを含んで、さまざまな形状とサイズを含むことができる。窓420、421、422、423は不均一な形状とサイズにすることができる。図示したように、窓420、421、422、423は格子状配置中に均一な間隔を有することができる。窓420、421、422、423の配置は、他の配置またはパターンが可能である。例えば、窓420、421、422、423は三角形、円形、または直線状配置に配置することができる。いくつかの実施形態において、窓420、421、422、423は、図3の指台310に対して異なる高さに配置することができる。また、窓420、421、422、423は、複数の検出器の構成を模倣または概略模倣することができ、または収容することさえできる。
【0113】
図6A〜6Dは上で説明した組織成形器105として、または上で説明した突起305、405の代わりに用いることのできる突起605の他の実施形態を示す。描かれた突起605は、部分的な円筒608と延長部610を有する部分的に円筒状のレンズである。いくつかの実施形態において、部分的な円筒608は半円筒とすることができるが、円筒の半分よりも小さなまたは大きな部分を用いることができる。いくつかの実施形態において、部分的に円筒状の突起605は光をより小さな領域に合焦し、測定部位によって減衰した光をより小さな検出器を用いて検出することができる。
【0114】
図6Aは部分的に円筒状の突起605の透視図を示す。図6Bは部分的に円筒状の突起605の前部立面図を示す。図6Cは部分的に円筒状の突起605の側面図を示す。図6Dは部分的に円筒状の突起605の平面図を示す。
【0115】
いくつかの実施形態において、上で説明した任意のセンサ中のフォトダイオードの上に部分的に円筒状の突起605を配置することは、上で説明下任意のセンサに複数の利点を加える。一実施形態において、部分的に円筒状の突起605は組織中に侵入し、上で説明した突起と同様に、組織中を移動する光の路長を縮小する。
【0116】
また、部分的に円筒状の突起605は大面積から光を集め、より小さな面積に光を合焦する。結果として、いくつかの実施形態において、フォトダイオードの面積あたりの信号強度を高めることができる。したがって、いくつかの実施形態において、部分的に円筒状の突起605は、少ないフォトダイオードの面積を用いて同じ信号強度を得ることができるので、低コストのセンサを促進する。少ないフォトダイオードの面積はより小さなフォトダイオードまたはより少ないフォトダイオードを用いることによって実現することができる(例えば、図14参照)。より少ないまたはより小さなフォトダイオードが使われるならば、より少ないまたは小さなフォトダイオードは暗電流をより少なくすることができるので、部分的に円筒状の突起605はセンサのSNRの向上を促進することができる。
【0117】
部分的に円筒状の突起605の寸法は、例えば、センサと一緒に用いられるフォトダイオードの数に基づいて変化することができる。図6Cを参照すれば、いくつかの実施形態において、部分的に円筒状の突起605の全体的な高さ(寸法「a」)は約1〜約3mmである。この範囲の高さは部分的に円筒状の突起605を指または他の組織のパッド中に侵入することを可能にし、組織を通る光の距離を縮小する。しかし、部分的に円筒状の突起605の他の高さもこの目的を達成することができる。例えば、部分的に円筒状の突起605の選択された高さは、患者が成人か小人であるかによる測定部位のサイズに基づいて選択することができる。一実施形態において、突起605の高さは、組織中の血管の閉塞を低減または防止しながら、できるだけ組織厚さを縮小するように選択される。
【0118】
図6Dを参照すれば、複数の円筒状突起605の幅(寸法「b」)は約3〜約5mmとすることができる。一実施形態において、幅は約4mmである。一実施形態において、この範囲の幅は組織中へ部分的に円筒状の突起605を良好に侵入させ、光の路長を縮小する。しかし、部分的に円筒状の突起605の他の幅もこの目的を達成することができる。例えば、部分的に円筒状の突起605の幅は、患者が成人であるか小人であるか等による測定部位のサイズに基づいて変化することができる。さらに、突起605の長さは約10mm、または約8mm〜約12mmまたは8mmよりも短く、または12mmよりも長くすることができる。
【0119】
いくつかの実施形態において、部分的に円筒状の突起605の焦点長さ(f)は、f=R/(n−1)で表わすことができ、式中、Rは部分的に円筒状の突起605の湾曲の半径であり、nは使用される材料の屈折率である。いくつかの実施形態において、湾曲の半径は約1.5〜約2mmとすることができる。他の実施形態において、部分的に円筒状の突起605は、屈折率が1300nmで約1.5であるnBK7ガラスなどの材料を含むことができ、これは約3mm〜約4mmの焦点長さを提供することができる。
【0120】
nSF11ガラス(例えば、1300nmでn=1.75)などのより高い屈折率の材料を有する部分的に円筒状の突起605は、より短い焦点長さおよびより小さなフォトダイオードチップを提供することができるが、空気と一致しない屈折率のためにより高い反射を招く。例えば、約1.4〜約1.9の範囲の屈折率を有する多くの種類のガラスまたはプラスチックを用いることができる。突起605の光合焦特性を向上させ最適化するために、突起605の材料の屈折率を選択することができる。プラスチック製の部分的に円筒状の突起605は大量に最も安価な選択肢を提供するが、1500nmより高い波長でいくらかの望ましくない光吸収ピークを有することがある。部分的に円筒状の突起605用に他の焦点長さおよび異なる屈折率を有する材料を用いることができる。
【0121】
部分的に円筒状の突起605の下部に所与の距離でフォトダイオードを配置することによって、フォトダイオードの活性領域内のレンズに垂直に移動する光のいくらかまたは全ての捕捉を促進することができる(図14参照)。異なるサイズの部分的に円筒状の突起605は異なるサイズのフォトダイオードを用いることができる。いくつかの実施形態において、部分的に円筒状の突起605の高さを増加するために部分的円筒608の底部に加えられた延長部610が用いられる。一実施形態において、加えられた高さは、フォトダイオードが、部分的に円筒状の突起605の焦点長さとなる、あるいはほぼ焦点長さとなるような高さである。一実施形態において、加えられた高さは測定部位をより薄くする。一実施形態において、加えられた高さはセンサを通して配分される光の偏向を助ける。これは、センサの周りに配分された光が検出器に向かって導かれずに加えられた高さの側壁を通るからである。また、延長部610は突起605が検出器に提供される光の量を増加または最大化するのをさらに促進することができる。いくつかの実施形態において、延長部610は省略することができる。
【0122】
図6Eは図3Fの他のセンサ301fの他の図を示し、これは部分的に円筒状の突起605bの一実施形態を含む。図3Bおよび3Cに示したセンサ301Aのように、センサ301fは指台310fを含む。指台310fは、一般にヒトの指などの組織を受け取るように全体的に湾曲した表面形状を含む。また、指台310fは図3Bおよび3Cに関して上で説明した隆起またはチャンネルを含む。
【0123】
また、図示した指台310fの例は突起605bを含み、これは上で説明した突起605の特徴を含む。さらに、突起605bは各端部に面取り縁部607を含み、指が滑り横断するためにより快適な表面を提供する(図14Dも参照されたい)。他の実施形態において、突起605bは、代わりに隆起314に隣接した単一の面取り縁部607を含むことができる。他の実施形態において、1つまたは両方の面取り縁部607を丸めることができる。
【0124】
また、突起605bは測定部位の体組織に接触することのできる測定部位接触領域670を含む。突起605bは指台310fから取り外しまたは一体化することができる。また、交換可能な異なる形状の突起605bを提供することができ、異なる指の形状、特徴、不透明さ、サイズ等に対応することができる。
【0125】
図7Aおよび7Bは、遮蔽のための伝導性ガラスまたは伝導性コートされたガラスの例示的配置を含むセンサ701のブロック図を示す。いくつかの実施形態において、遮蔽は高められたSNRを有利に提供することができる。センサ701の特徴は上に説明した任意のセンサ101、201、301で実施することができる。また、図示されないが、いくつかの実施形態において、図6の部分的に円筒状の突起605はセンサ701と一緒に用いることができる。
【0126】
例えば、特に図7Aを参照すれば、センサ701aはエミッタ筺体704aおよび検出器筺体706を含む。エミッタ筺体704aはLED104を含む。検出器筺体706aは組織台710aと、開口部または窓703aと、伝導性ガラス730aと、およびサブマウント707a上に提供される検出器106用の1つ以上のフォトダイオードを含む。
【0127】
運転中に、指102は組織台710a上に置くことができ、LED104から光放射を発することができる。次いで、光が指102の組織を通過しまたは反射すると減衰させることができる。次いで、減衰した光は組織台710a中の開口部703を通過することができる。受け取った光に基づいて、検出器106は、例えば、フロント・エンド・インターフェース108に検出器信号107を提供することができる(図1参照)。
【0128】
描かれた実施形態において、伝導性ガラス730が開口部703中に提供される。したがって、伝導性ガラス730は指からの光を検出器106に通すだけでなく、検出器106をノイズから遮蔽することも補う。伝導性ガラス730は層の積み重ねまたは組を含むことができる。図7Aにおいて、指102に隣接したガラス層731および遮蔽790aに電気的に結合した伝導性層733を有する伝導性ガラス730aが示される。
【0129】
一実施形態において、伝導性ガラス730aは、インジウムスズ酸化物(ITO)の薄膜などの伝導性の透明または部分的に透明な材料でコーティングすることができる。遮蔽エンクロージャ790aの遮蔽効果を補うために、伝導性ガラス730aは遮蔽エンクロージャ790aと電気的に結合することができる。伝導性ガラス730aは直接接触に基づいて、またはワイヤまたは他の部品などの他の接続装置によって、遮蔽704aと電気的に接続することができる。
【0130】
検出器106を包含してノイズを低減または防止するために遮蔽エンクロージャ790aを提供することができる。例えば、遮蔽エンクロージャ790aは銅などの伝導性材料から金属ケージの形に作ることができる。遮蔽またはエンクロージャは、電気的ノイズを低減するだけでなく、環境の光ノイズを低減するために、不透明材料を含むことができる。
【0131】
図7Bを参照すれば、例示的センサ701bの他のブロック図が示される。センサ701bの組織台710bは、突起705bを含み、これは凸状バンプの形である。突起705bは上で説明した突起または組織成形材料の特徴の全てを含むことができる。例えば、突起705bは指102と接触する接触領域370を含み、1つ以上の開口部703bを含むことができる。伝導性ガラス730bの1つ以上の部品を開口部703中に提供することができる。例えば、一実施形態において、開口部703の各々は伝導性ガラス730bの分離した窓を含むことができる。一実施形態に置いて、単一の伝導性ガラス片730bを開口部703bのいくつかまたは全てに用いることができる。この特別な実施形態において、伝導性ガラス730bは伝導性ガラス730aよりも小さい。
【0132】
また、遮蔽エンクロージャ790aの特徴の全てを有することのできる遮蔽エンクロージャ790bが提供される。遮蔽エンクロージャ790bは遮蔽エンクロージャ790aよりも小さいが、遮蔽エンクロージャ790用にさまざまなサイズを選択することができる。
【0133】
図8A〜8Dは、センサ701a、701bに関して上で説明した伝導性ガラスの透視図、側面図、底部立面図を示す。図8Aの透視図および図8Bの側面図に示したように、伝導性ガラス730は上で説明したガラス層731上のコーティングとして上で説明した導電性材料733を含み、積み重ねを形成する。導電性材料733がインジウムスズ酸化物を含む一実施形態において、導電性材料733の表面抵抗は、平方インチ当たり30オーム〜平方インチ当たり500オーム、または平方インチあたり約30、200、または500オームとすることができる。当業者であれば本開示から理解するように、30オーム未満または500オーム以上の他の抵抗も用いることができる。他の透明な導電性材料を材料733として用いることができる。
【0134】
伝導性材料733はガラス層731の上に広がって示されるが、伝導性材料733はガラス層731の選択された部分にパターン形成または提供されることができる。さらに、伝導性材料733は光の望ましい透過、望ましい遮蔽効果、および他の配慮に応じて均一な、または変化する厚さを有することができる。
【0135】
図8Cにおいて、導電性材料733がガラス層731、835の間の中間層として提供される一実施形態を示すために、伝導性ガラス830aの側面図が示される。ガラスと導電性材料733との一体化のさまざまな組み合わせが可能である。例えば、導電性材料733は層の積み重ね内の一層とすることができる。この層の積み重ねは1層以上のガラス731、835ならびに1つ以上の伝導性材料733を含むことができる。積み重ねは望ましい特性を達成するために他の材料の層を含むことができる。
【0136】
図8Dにおいて、伝導性ガラス830bがガラス層839の一部を占拠または被覆する伝導性材料837を含むことのできる一実施形態を示すために、底部透視図が示される。この実施形態は、例えば検出器106用に図3Cに示したものなどの個々の遮蔽された窓を作るのに有用である。伝導性材料837は、光が検出器106へ通過し、1つ以上のストリップ841が図7の遮蔽704に結合することを可能にするために、領域838を含むようにパターン形成することができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、伝導性材料用の他の構成およびパターンは、例えば、周辺縁部をライニングする伝導性コーティング、格子または他のパターンを含むパターンで施された伝導性コーティング、斑点状伝導性コーティング、いずれかの方向または斜めに線状に施されたコーティング、中央からまたは周辺から変化する厚さ、または他の適切なパターンまたは遮蔽特性と透明性の配慮をバランスさせたコーティングなどで用いることができる。
【0138】
図9は、図7および8に関して上で論じたものに類似した部品を有する例示的センサによって得られた比較結果を示す例示的グラフ900を描く。グラフ900は上で説明したセンサに用いられた異なる種類の窓について、変動する波長の光の透過パーセントの結果を示す。
【0139】
グラフ900上の線915は平ガラスから作られた窓の例示的光透過を示す。示したように、変動する波長の光の光透過パーセントは平ガラスから作られた窓については約90%である。グラフ900上の線920は、窓が平方インチ当たり500オームの表面抵抗のITOコーティングを有するガラスから作られた実施形態について、例示的光透過を示す。グラフ900上の線925は、平方インチ当たり200オームの表面抵抗を備えるITO酸化物のコーティングを含むガラスから作られた一実施形態についての例示的光透過を示す。グラフ900上の線930は、平方インチ当たり30オームの表面抵抗を備えるITO酸化物のコーティングを含むガラスから作られた一実施形態についての例示的光透過を示す。
【0140】
現在入手可能な埋め込み配線を備える窓についての光透過パーセントは約70%の光透過を有する。この低い光透過パーセントは、現在入手可能な配線を備える窓に用いられた配線の不透明さに起因し得る。したがって、本明細書に説明されるガラスコーティングのいくつかの実施形態は、例えば、望ましい光透過、測定に用いられる光の波長、望ましい遮蔽効果、および他の規準に応じて、異なる表面抵抗を備えるITOコーティングを用いることができる。
【0141】
図10A〜10Bは上で説明したセンサの例示的実施の比較ノイズフロアを示す。ノイズは環境光からの光学的ノイズと、例えば周囲の電子装置からの電磁ノイズを含むことができる。図10Aにおいて、グラフ1000は、上で説明したセンサの1つが4個の検出器106に対する分離した窓を含む一実施形態について、異なるノイズ周波数での可能なノイズフロアを示す。1つ以上の窓はノイズ遮蔽として埋め込まれた配線の格子を含んだ。記号1030〜1033はこの実施形態についてのノイズフロア性能を示す。分かるように、ノイズフロア性能は開口部の各々について、ノイズの周波数に基づいて変化することができる。
【0142】
図10Bにおいて、グラフ1050は、センサが4つの検出器106用に分離した開口部およびITOコーティングを含む1つ以上の窓を含んだ一実施形態について、ノイズ1070の周波数でのノイズフロアを描く。この実施形態において、使用されたITOの表面抵抗は平方インチあたり約500オームである。記号1080〜1083はこの実施形態についてのノイズフロア性能を示す。分かるように、この実施形態のノイズフロア性能は開口部の各々について変動が少なく、図10Aの実施形態に比べてより低いノイズフロアを提供することができる。
【0143】
図11は上で説明したエミッタの光源の組みを構成するための例示的構造を示す。示したように、エミッタ1104はドライバ1111、サーミスタ1120、赤および/または赤外光を発するための1組の上部発光LED1102、近赤外を発するための1組の側部発光LED、およびサブマウント1106を含むことができる。
【0144】
温度変動の補償のためにサーミスタ1120を提供することができる。例えば、サーミスタ1120は加熱によるLED1102と1104の波長重心およびエネルギーのドリフトを可能にするために提供することができる。さらに、他のサーミスタ(図示されない)を用いて、例えば、測定部位の温度を測定することができる。それらの温度は、温度依存性のある水吸収の変化による波長ドリフトを修正する助けになり、それによってグルコースなどの血液検体を検出するのに有用なより正確なデータを提供する。
【0145】
ドライバ1105は、エミッタ1104に電流のパルスを提供することができる。一実施形態において、ドライバ1105は、例えば、プロセッサ(例えばプロセッサ110)からの制御信号に基づいて交流でエミッタ1104を漸進的に駆動する。例えば、ドライバ1105は、可視光〜約1300nmの光について1ミリワット、約1600nm〜約1700nmの光について約40mW〜約100mWの一連のパルスでエミッタ1104を駆動することができる。しかし、広範囲の駆動エネルギーおよび駆動方法を用いることができる。ドライバ1105はセンサの他の部品と同期することができ、エミッタ1104から発する光放射のパルスのタイミング中のいかなるジッタも最小化し減少することができる。いくつかの実施形態において、ドライバ1105はエミッタ1104を駆動して約百万分の10部未満変化するパターンで光照射を発することが可能であるが、他の変化量を用いることもできる。
【0146】
いくつかの実施形態において、サブマウント1106は、その光放射が全体的に測定部位に向かって伝わるように、上部発光LED1102および側部発光LED1104を整列するための支持構造を提供する。また、いくつかの実施形態において、サブマウント1106は熱放散のために窒化アルミニウム(AlN)または酸化ベリリウム(BEO)から作られるが、サブマウント1106に適した他の材料または材料の組み合わせを用いることができる。
【0147】
図12は、検出器サブマウント1200上に格子パターンに配置された、測定部位からの異なる四半分での光を捕捉するフォトダイオード検出器を有する検出器サブマウント1200を示す。1つの検出器サブマウント1200は上で説明したセンサの各窓の下に配置することができ、または複数の窓を単一の検出器サブマウント1200の上に配置することができる。また、検出器サブマウント1200は、図6に関して上で説明した部分的に円筒状の突起605と一緒に用いることができる。
【0148】
検出器は、測定部位の異なる四半分の光を捕捉するためにサブマウント上に格子パターンに配置されたフォトダイオード検出器1〜4を含む。また、述べたように、いくつかの実施形態において、直線列、または斜め列などの他のパターンのフォトダイオードを用いることができる。
【0149】
図13は例示的複数流プロセス1300を示す。複数流プロセス1300はデータ収集システム100および/または上で説明した任意のセンサによって実施することができる。図示したように、信号プロセッサ1310からの制御信号はドライバ1305を制御する。これに応答して、エミッタ1304はそのエミッタ(例えばLED)から測定部位または複数の部位1302にパルス列1303を発生する。上で説明したように、いくつかの実施形態において、パルス列1303は百万分の10部以下の変動を有するように制御される。無論、望ましい検体に応じてパルス列1303の許容される変動は大きく(または小さく)することができる。
【0150】
パルス列1300に応答して、検出器1306中の検出器1〜n(nは整数)は測定部位1302からの光放射を捕捉し、それぞれの出力信号の流れを提供する。検出器1〜nの1つからの各信号は、エミッタ1304中のエミッタ1〜nの組からの光パルスに対応するそれぞれの時間スロットを有する流れであると考えることができる。n個のエミッタおよびn個の検出器が図示されているが、エミッタおよび検出器の数はいくつかの実施において同じである必要はない。
【0151】
フロント・エンド・インターフェース1308は検出器1〜nからのこれらの複数の流れを受け取り、1つ以上の信号または複合信号を信号プロセッサ1310に戻すことができる。したがって、検出器1〜nからの流れは、エミッタ1304から発する光パルスに対応する測定された光強度を含むことができる。
【0152】
次いで、信号プロセッサ1310は、これらの複数の信号流れに基づいてグルコースおよび他の検体の量を測定するためにさまざまな計算を行うことができる。ここで、信号プロセッサ1310がどのようにしてグルコースなどの検体を測定できるかの説明を助けるために、これらの実施形態に用いられた分光学の手引きを提供する。
【0153】
分光学はBeer−Lambertの法則を前提とする。この法則によれば、材料の特性、例えば測定部位に存在するグルコースのパーセントは材料を通る光の吸収から決定論的に計算することができる。詳細には、材料を通る光の透過と基体の濃度の間、および透過と光が移動する路長の間には対数関係がある。述べたように、この関係はBeer−Lambertの法則として知られる。
【0154】
Beer−Lambertの法則は通常、以下のように書かれる。
【0155】
吸収A=m*b*c
【0156】
ただし、mは波長依存性モル吸収係数(通常M−1cm−1で表わされる)であり、
【0157】
bは平均路長であり、
【0158】
cは検体濃度(例えば望ましいパラメータ)である。
【0159】
分光学において、機器は吸収(A)を透過(T)に関係付けることによって検体濃度(c)を得ることを試みる。透過は、以下のように定義される比例値である。
【0160】
T=I/I0
【0161】
ただし、Iは測定部位から機器によって測定された光の強度であり、
【0162】
I0はエミッタからの初期の光強度である。
【0163】
吸収(A)は、透過(T)と、以下の式で等式化することができる。
【0164】
A=−logT
【0165】
したがって、上式は以下のように置換される。
【0166】
A=−log(I/I0)
【0167】
したがって、この関係から、分光学は比例に基づく−log(I/I0)の計算および検体濃度について解くことに依存する。
【0168】
典型的に、計算を簡略化するために、分光学は、路長(b)を固定の既知の定数に維持するために、同じ位置にある検出器を用いるであろう。さらに、分光学は、光源に配置されたフォトダイオードなどの透過エネルギー(I0)を明確に知るためにさまざまな機構を用いるであろう。この構成は、検出器が単一の位置にあるので、単一チャンネルまたは単一流のセンサとして見ることができる。
【0169】
しかし、このスキームはグルコースなどの検体の測定においていくつかの困難に出会う。これは、グルコースに関する波長での水による光の吸収の高い重なり合い、ならびに部品の高い自己ノイズなどの他の要因によるものである。
【0170】
本開示の実施形態はグルコースなどの検体の測定を部分的に可能にする異なる手法を用いることができる。いくつかの実施形態は、パルス状測定を確認しまたは実証するためにパルス状ではないバルク測定を用いることができる。さらに、非パルス状測定およびパルス状測定の両方とも、十分なSNRを得るために、中でも上で説明した複数流運転を用いることができる。詳細には、複数のエミッタを有する単一光源は空間構成を有する複数の検出器に光を伝達するのに用いることができる。
【0171】
複数のエミッタを有する単一の光源は使用される所定範囲の光波長を可能にする。例えば、可視、赤外、および近赤外波長を用いることができる。また、異なる波長で変動する光の強度を用いることもできる。
【0172】
第2に、空間的構成における複数の検出器の使用によって、センサが正しく配置されていることをバルク測定で確認または実証することを可能にする。これは、空間構成の複数の配置が、例えば、センサが配置された場所を示すトポロジー情報を提供できるからである。現在入手可能なセンサはそれらの情報を提供しない。例えば、バルク測定が予め定めた値の範囲であるならば、これは、グルコースなどの検体のパルス状測定を行うためにセンサが正しく配置されていることを示すことができる。バルク測定がある範囲外または予期しない値であるならば、これは、センサは調節すべきであることを示し、またはパルス状測定が、補償のために、異なる較正カーブの使用または較正カーブの調節など異なる処理を行えることを示すことができる。これらの特徴は実施形態にノイズキャンセルおよびノイズ低減を達成させ、これは現在入手可能な技術によって達成される数倍の大きさになり得る。
【0173】
複数流測定の手法の態様を示すのを助けるために以下の例示的導出が提供される。透過度(T)は、以下のように表わすことができる。
【0174】
T=e−m*b*c
【0175】
光強度に関しては、この式は、以下のように書き換えることもできる。
【0176】
I/I0=e−m*b*c
【0177】
または、検出器で測定された光(I)は、以下のように表わすことができる。
【0178】
I=I0*e−m*b*c
【0179】
述べたように、本開示において、複数の検出器(1〜n)を用いることができ、これはI1・・・Inの測定値の流れになる。これらの検出器の各々が、光源からその自分の路長b1・・・bnを有すると仮定すれば、測定された光の強度は、以下のように表わすことができる。
【0180】
In=I0*e−m*bn*c
【0181】
任意の2つの異なる検出器で測定された光の強度は互いに基準とすることができる。例えば、
【0182】
I1/In=(I0*e−m*b1*c)/(I0*e−mbnc)
【0183】
分かるように、I0の項を消去し、指数代数学に基づいて、式は、以下のように書き換えることができる。
【0184】
I1/In=e−m(b1−bn)c
【0185】
この式から、検体濃度(c)は、ここでバルク信号I1・・・Inおよびそれぞれの平均路長b1およびbnを知ることから導くことができる。また、この方式はI0の消去を可能にし、したがって、エミッタ1304によって発生したノイズを消去または低減することができる。さらに、方式が平均路長の差を用いるので、平均路長の変化と患者ごとのトポロジー的な変動を計算することが容易である。さらに、このバルク測定の方式は複数の波長に展延することができる。この柔軟性および他の特徴によって本開示の実施形態はグルコースなどの血液検体の測定を可能にする。
【0186】
例えば、述べたように、非パルス状のバルク測定はパルス状測定と組み合わせてグルコースなどの検体をより正確に測定することができる。詳細には、非パルス状のバルク測定は、測定部位1302の組織で行われるパルス状測定において、グルコース、プロテイン等の量を確認または実証するのに用いることができる。パルス状測定は血液中に存在するグルコース、ヘモグロビン等の量を測定するのに用いることができる。したがって、これらの異なる測定を組み合わせて、血液グルコースなどの検体を決定することができる。
【0187】
図14Aは、図6の部分的に円筒状の突起605(または代わりに突起605b)の下に配置された検出器サブマウント1400aの実施形態を示す。検出器サブマウント1400aは2列1408aの検出器1410aを含む。部分的に円筒状の突起605は、突起605が光をより小さな領域に合焦するレンズとして働くことができるので、センサ中に使用される検出器の数および/またはサイズの縮小化を促進することができる。
【0188】
例示すれば、部分的に円筒状の突起605を含まないいくつかのセンサにおいて、4列で各4つの検出器を含む16個の検出器を使用することができる。複数の列の検出器を用いて、中でもグルコースまたはヘモグロビンなどのいくつかの検体を測定することができる。また、複数の列の検出器はライトパイプ(例えば、測定部位を迂回する光)を検出するのに用いることができる。しかし、センサ中により多くの検出器を用いるのはコスト、複雑さ、およびノイズをセンサに付加することになる。
【0189】
しかし、部分的に円筒状の突起605をそれらのセンサに適用することは、突起605の合焦特性(図14B参照)により、実質的に同じ量の光を受け取りながら、使用される検出器の数または検出器の列を低減することができる。これは図14に示した例示的場合であり、4つの代わりに2列1408aの検出器1410aが使用される。いくつかの実施形態において、より少ないおよび/またはより小さなフォトダイオードのため、得られるセンサはコスト効率が良く、複雑さがなく、改善されたSNRを有利に有する。
【0190】
他の実施形態において、部分的に円筒状の突起605を使用することは、検出器列の数を4個の検出器で1列または3列に低減することを可能にする。また、各列中の検出器の数も低減することができる。代わりに、列の数は低減することができなくても検出器のサイズを縮小することができる。また、多くの他の検出器列およびサイズの構成を提供することができる。
【0191】
図14Bは部分的に円筒状の突起605(または代わりに突起605b)の前部立面図を描き、エミッタ(図示されない)からの光が突起605によって検出器上にどのようにして合焦することができるかを示す。突起605は、その上に配設された1つ以上の検出器を有する検出器サブマウント1400b上に置かれる。サブマウント1400bは任意の数の検出器1410の列を含むことができるが、1列だけが示される。
【0192】
光線1420で表わされる光は、エミッタから突起605上に発する。これらの光線1420は体組織(図示されない)によって減衰することができる。光線1420が突起605に入るとき、突起605は光線を光線1422に屈折させるレンズとして働く。この屈折はいくつかの実施形態において突起605の部分的に円筒状の形状によって起きる。屈折は光線1422を1つ以上の検出器1410b上に合焦または実質的に合焦させる。光はより小さな領域に合焦するので、突起を含むセンサは、他のセンサと比べて、同じ光量を捕捉するのにより少ない検出器を含むことができる。
【0193】
図14Cは検出器サブマウント1400cの他の実施形態を示し、突起605b(または代わりに突起605)の下に配設することができる。検出器のサブマウント1400cは単一列1408cの検出器1410cを含む。検出器は導体1412cに電気的に接続され、これは金、銀、銅、または任意の他の適切な伝導性材料とすることができる。
【0194】
検出器のサブマウント1400cは、図14Dに示された検出器サブアセンブリ1450中の突起605bの下に配置されて示される。また、検出器サブアセンブリ1450の上から下に見た図も図14Eに示される。検出器サブアセンブリ1450において、円筒状筺体1430がサブマウント1400c上に配設される。円筒状筺体1430は、透明なカバー1432を含み、その上に突起605bが配設される。したがって、図14Dに示すように、検出器1410cと突起605bの間に間隙1434が存在する。間隙1434の高さは検出器1410cに当たる光の量を増加または最大化するように選択することができる。
【0195】
円筒状筺体1430は、金属、プラスチック、または他の適切な材料から作ることができる。透明なカバー1432は材料の中でもガラスまたはプラスチックから作ることができる。円筒状筺体1430は、製造コストを低減するために、検出器1410cと同時に、または実質的に同時にサブマウント1400cに取り付けることができる。さまざまな実施形態において、筺体1430用に円筒状以外の形状を選択することができる。
【0196】
いくつかの実施形態において、円筒状筺体1430(および透明カバー1432)はサブマウント1400cと気密または実質的に気密または密封シールを形成する。結果として、円筒状筺体1430は腐食を招き得る流体および蒸気から検出器1410と導体1412cを保護することができる。いくつかの実施形態において、円筒状筺体1430は、検出器1410cおよび導体1412cをしばしば導体と検出器の間のハンダ接合に加えられる現在入手可能な樹脂エポキシよりも有利に効率的に保護することができる。
【0197】
円筒状筺体1430が少なくとも部分的に金属から作られる実施形態において、円筒状筺体1430は検出器1410cに対してノイズ遮蔽を提供することができる。例えば、円筒状筺体1430はサブマウント1400c上の接地接続またはグランドプレーンにハンダ付けすることができ、これは円筒状筺体1430のノイズ低減を可能にする。他の実施形態において、透明カバー1432は、伝導性ガラスまたはプラスチックなどの伝導性材料または伝導性層を含むことができる。透明カバー1432は上で説明したノイズ遮蔽790の任意の特徴を含むことができる。
【0198】
突起605bは、図6Eに関して上で説明した面取り縁部607を含む。これらの面取り縁部607は、患者が指をセンサ301fに挿入するとき、指を突起605b上でより快適に滑らせることを可能にする。
【0199】
図14Fは、検出器シェル306fの一部を示し、これは基板1400c上に検出器1410cを含む。基板1400cは、遮蔽エンクロージャ1490によって囲まれ、これは上で説明した遮蔽エンクロージャ790a、790bの特徴を含むことができる(図17も参照)。遮蔽エンクロージャ1490は金属から作ることができる。遮蔽エンクロージャ1490は検出器1410cの上に窓1492aを含み、これは検出器1410cの上に光を透過させる。
【0200】
ノイズ遮蔽1403は遮蔽エンクロージャ1490の上に配設される。いくつかの実施形態において、ノイズ遮蔽1403は窓1492aに対応する窓1492aを含む。窓1492a、1492bの各々はガラス、プラスチックを含むことができ、またはガラスまたはプラスチックのない開口部とすることができる。いくつかの実施形態において、窓1492a、1492bは互いに異なるサイズまたは形状を有するように選択することができる。
【0201】
ノイズ遮蔽1403は、上で説明した伝導性ガラスの任意の特徴を含むことができる。描かれた実施形態において、ノイズ遮蔽1403は検出器シェル306fの長さの約3/4展延する。他の実施形態において、ノイズ遮蔽1403はより小さく、またはより大きくすることができる。ノイズ遮蔽1403は、例えば、検出器1410c、サブマウント1400c、またはその一部だけを被覆すことができる。また、ノイズ遮蔽1403は測定部位をセンサ301f内に配置するための停止1413を含む。いくつかの実施形態において、ノイズ遮蔽1403はライトパイプによるノイズを低減することができる。
【0202】
サーミスタ1470も図示される。サーミスタ1470はサブマウント1400cに取り付けられ、ノイズ遮蔽1403の上に突出する。上で説明したように、サーミスタ1470を用いて測定部位の温度を測定することができる。それらの温度は、温度依存性のある水の吸収の変化による波長ドリフトを修正するのに役立ち、それによってグルコースなどの血液検体の検出に有用なより正確なデータを提供する。
【0203】
描かれた実施形態において、検出器1410は円筒状筺体1430に収容されない。代替の実施形態において、円筒状筺体1430は検出器1410cを収容し、ノイズ遮蔽1403の下に配設される。他の実施形態において、円筒状筺体1430は検出器1410cを収容しノイズ遮蔽1403は使用されない。円筒状筺体1403とノイズ遮蔽1403の両方とも使用される場合、いずれか一方、または両方ともノイズ遮蔽特徴を有することができる。
【0204】
図14Gはその上に配設された指台310fと一緒に、図14Fの検出器シェル306fを示す。図14Hは、指台310f中に配設された突起605bと一緒に、図14Gの検出器シェル306fを示す。
【0205】
図14Iはセンサ301fの断面図を示す。突起605bなどのセンサ301fの特徴の全ては図示されない。示した特徴はエミッタと検出器シェル304f、306f、フラップ307f、ヒートシンク350fおよびフィン351f、指台310f、およびノイズ遮蔽1403を含む。
【0206】
これらの特徴に加えて、エミッタシェル304f中のエミッタ1404が描かれる。エミッタ1404はサブマウント1401上に配設され、これは回路基板1419に接続される。また、エミッタ1404は円筒状筺体1480内に収容される。円筒状筺体1480は上で説明した円筒状筺体1430の特徴の全てを含むことができる。例えば、円筒状筺体1480は金属から作ることができ、サブマウント1401の接地プレーンに接続してノイズ遮蔽を提供することができ、透明カバー1482を含むことができる。
【0207】
また、円筒状筺体1480は腐食を招き得る流体および蒸気からエミッタ1404を保護することができる。さらに、円筒状筺体1480はエミッタ1404と測定部位(図示されない)の間の間隙を提供することができ、これはエミッタ1404からの光を測定部位に到達する前に均一化または平均化することができる。
【0208】
フィン351fを含むのに加えて、ヒートシンク350fはフィン351fから下方に展延してサブマウント1401に接触する隆起352fを含む。隆起352fは、例えば熱ペースト等でサブマウント1401に接続することができる。隆起352fはエミッタ1404から熱を吸い込み、フィン351fを経由して熱を散逸させることができる。
【0209】
図15Aおよび15Bは、上で説明したものの代替のヒートシンク特徴を含むセンサ部分1500A、1500Bの実施形態を示す。これらの特徴は上に説明した任意のセンサに組み込むことができる。例えば、上の任意のセンサは上で説明したセンサのヒートシンク特徴の代わりに、またはそれに加えて、以下に説明するヒートシンク特徴を用いるように修正することができる。
【0210】
図示したセンサ部分1500A、1500BはLEDエミッタ1504を含むが、図示を容易にするために、検出器は省略されている。示したセンサ部分1500A、1500Bは例えば、上で説明した任意のエミッタシェルに含むことができる。
【0211】
センサ部分1500A、1500BのLED1504は、基板またはサブマウント1502に接続される。サブマウント1502は上で説明した任意のサブマウントの代わりに用いることができる。サブマウント1502は任意のさまざまな材料から作られたセラミック、ガラス等などの非導電性材料とすることができる。ケーブル1512はサブマウント1502に取り付けられ、LED1504と伝達するためにより線等などの電気配線1514を含む。ケーブル1512は上で説明したケーブル212に相当することができる。
【0212】
図示されないが、ケーブル1512は検出器への電気接続を含むこともできる。明瞭さのためにケーブル1512の一部分のみが示される。ケーブル1512を描いた実施形態は、外部ジャケット1510および外部ジャケット1510内に配設された伝導性遮蔽1506を含む。伝導性遮蔽1506は、織った銅またはアルミニウムなどの金属から作られる接地遮蔽等とすることができる。伝導性遮蔽1506または伝導性遮蔽の一部分はサブマウント1502に電気的に接続することができ、ワイヤ1514に結合するRFを低減することによって、センサ1500A、1500Bに発生する信号中のノイズを低減することができる。代替の実施形態において、ケーブル1512は伝導性遮蔽をもたない。例えば、ケーブル1512は対のより線ケーブル等とすることができ、より線の1本はヒートシンクとして用いられる。
【0213】
詳細に図15Aを参照すれば、いくつかの実施形態において、伝導性遮蔽1506は、LED1504および/またはサブマウント1502からの熱エネルギーを吸収することによって、LED1504のヒートシンクとして働くことができる。また、自由選択のサブマウント1502と伝達する熱絶縁体1520は伝導性遮蔽1506に向かって熱を導くのを助けることができる。熱絶縁体1520はプラスチックまたは他の適切な材料から作ることができる。いくつかの実施形態において、ケーブル1512中の伝導性遮蔽1506をヒートシンクとして使用することによって、センサのコストを低減することができる。
【0214】
図15Bを参照すれば、伝導性遮蔽1506は、サブマウント1502およびサブマウント1502と自由選択的な絶縁体1520の間に挟まれたヒートシンク層1530の両方に取り付けることができる。互いに、ヒートシンク層1530およびケーブル1512中の伝導性遮蔽1506はLEDおよび/またはサブマウント1502からの熱エネルギーの少なくとも一部を吸収することができる。
【0215】
図15Cおよび15Dは図15Aに関して上で説明したセンサ部分1500Aのヒートシンクの特徴を含むセンサ部分1500Cの実施形態を示す。センサ部分1500Cは、自由選択的な絶縁体1520が示されないことを除いて、センサ部分1500Aの特徴を含む。図15Dはエミッタ1504を示すセンサ部分1500Cの側部断面図である。
【0216】
ケーブル1512は外部ジャケット1510と伝導性遮蔽1506を含む。伝導性遮蔽1506はサブマウント1502にハンダ付けされ、ハンダ接合1561が示される。いくつかの実施形態において、より大きなハンダ接合1561はエミッタ1594から熱をより迅速に取り除くのを助けることができる。サブマウント1502と回路基板1519の間のさまざまな接続1563が示される。さらに、回路基板1519を通って突き出た、図14Iの円筒状筺体に相当する円筒状筺体1580が示される。エミッタ1504は円筒状筺体1580中に収容される。
【0217】
図15Eおよび15Fは、図15Bに関して上で説明したセンサ部分1500Bのヒートシンク特徴を含むセンサ部分1500Eの実施形態を示す。センサ部分1500Eはヒートシンク層1530を含む。ヒートシンク層1530は銅プレート等などの金属プレートとすることができる。自由選択的な絶縁体1520は示されない。図15Fはエミッタ1504を示すセンサ部分1500Eの側部断面図である。
【0218】
描かれた実施形態において、ケーブル1512の伝導性遮蔽1506はサブマウント1502の代わりにヒートシンク層1530にハンダ付けされる。ハンダ接合1565が示される。いくつかの実施形態において、より大きなハンダ接合1565はエミッタ1504から熱をより迅速に取り除くのを助けることができる。サブマウント1502と回路基板1519の間のさまざまな接続1563が示される。さらに、回路基板1519を通って突き出た、図14Iの円筒状筺体に相当する円筒状筺体1580が示される。エミッタ1504は円筒状筺体1580中に収容される。
【0219】
図15Gおよび15Hは、図1〜15Fに関して上で説明した任意のセンサと一緒に用いることのできるコネクタ特徴の実施形態を示す。図15Gを参照すれば、回路基板1519は、ドーターボード1587に接続された雄コネクタ1577に嵌合する雌コネクタ1575を含む。ドーターボード1587はケーブル1512の電気配線1514への接続を含む。図15Hに、接続された基板1519、1587が示される。上で説明した円筒状筺体1580を受け取ることのできる孔1573も示される。
【0220】
いくつかの実施形態において、回路基板1519に接続するためのドーターボード1587を使用することによって、回路基板1519への接続をより容易にすることができる。さらに、分離した基板を用いることは、回路基板1519にハンダ付けされた全ての接続を有する単一回路基板1519よりも製造が容易である。
【0221】
図16Aおよび16Bは、廃棄可能な光センサ1600の実施形態を示す。一実施形態において、突起、遮蔽、およびまたはヒートシンク特徴などの上で説明した任意の特徴は、図示した廃棄可能なセンサ1600に組み込むことができる。例えば、センサ1600は、図1に関して上で説明したシステム100中のセンサ101として用いることができる。さらに、突起、遮蔽、およびまたはヒートシンク特徴などの上で説明した任意の特徴は、本明細書に図示されない他の廃棄可能なセンサ設計に実施することができる。
【0222】
センサ1600は指を置くための成人/小児センサ1610、および足指、足または手を置くための廃棄可能な幼児/新生児センサ1602を含む。各センサ1600は、可撓性結合部1630によって電気的および機械的に相互接続されたテープ端部1610と反対側のコネクタ端部1620を有する。テープ端部1610はエミッタと検出器を組織部に取り付ける。また、図示されないが、テープ端部1610は、上で説明した突起、遮蔽、および/またはヒートシンク特徴を含むことができる。エミッタは組織部位を照明し、検出器は、組織部位内のパルス状の動脈血液流による吸収など、組織吸収の後の光に応答してセンサ信号を発生する。
【0223】
センサ信号は可撓性結合部1630によってコネクタ端部1620に伝達される。コネクタ端部1620は、図2A〜2Dに関して上に示した任意のケーブルまたはモニタなどのモニタ(図示されない)にセンサ信号を伝達するケーブル(図示されない)と嵌合することができる。代わりに、コネクタ端部1620はモニタと直接嵌合することができる。
【0224】
図17は上で説明したセンサ301fのいくつかの部品の展開図を示す。ヒートシンク1751およびケーブル1781はエミッタシェル1704に取り付けられる。エミッタシェルはフラップ筺体1707に取り付けられる。フラップ筺体1707は、エミッタサブマウント1702に取り付けられた円筒状筺体1480/1580(図示されない)を受容する受容器1709を含み、これは回路基板1719に取り付けられる。
【0225】
スプリング1787は、エミッタと検出器シェル1704、1706を互いに保持するピン1783、1785によって検出器シェル1706に取り付けられる。遮蔽エンクロージャ1790用の支持を提供する支持構造1791は検出器シェル1706に取り付けられる。ノイズ遮蔽1713は遮蔽エンクロージャ1790に取り付けられる。検出器サブマウント1700は遮蔽エンクロージャ1790の内部に配設される。指台1710はノイズ遮蔽1703に取り付けられる。部分的に円筒状の突起1705は指台1710に配設される。さらに、可撓性回路カバー1706はピン1783、1785に取り付けられる。また、図示されないが、回路基板1719をサブマウント1700と接続する可撓性回路(またはサブマウント1700が接続される回路基板)を提供することができる。
【0226】
本明細書に用いられる条件言語、中でも、「できる(can)」、「できるであろう(could)」、「かもしれない(might)」、「できる(may)」、「例えば(e.g.)」などは、特記されない限り、または用いられた文脈内で理解される限り、一般に、ある実施形態が、ある特徴、要素、および/または状態を含み、他の実施形態は含まないことを意図する。したがって、それらの条件言語は、一般に、特徴、要素、および/または状態がいずれにしても1つ以上の実施形態に必要であることを意味せず、または、著者の意見または注意があってもなくても、1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素、および/または状態が含まれるか、または任意の特定の実施形態で実行されるかを決定する論理を必然的に含むものではない。
【0227】
開示された本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例示によってのみ提示され、本明細書に開示された本発明の範囲を制限するものではない。実際に、本明細書で説明した新規な方法およびシステムは、さまざまな形態で実施することができ、さらに、本明細書に開示した本発明の精神から逸脱することなく、本明細書に説明した方法およびシステムの形態における省略、置き換え、および変更を行うことができる。請求項およびその等価は、本明細書に開示された本発明のいくつかの範囲および精神内にそれらの形態または修正を包含する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療患者の1つ以上の生理パラメータを測定するための非侵襲生理センサであって、
光源と、
医療患者の体組織によって減衰した後の前記光源からの光を検出し、前記検出した光に対応して、前記医療患者の1つ以上の生理パラメータを反映する生理信号を発生するように運転可能な光検出器と、
前記光源と前記光検出器の間に挿入されたバンプにおいて、前記バンプが組織接触表面から突起し、前記バンプが前記光源と光検出器の間の光路長を縮小するように、前記光源と前記光検出器の間の前記体組織の厚さを縮小するように構成されたバンプと、を含むセンサ。
【請求項2】
前記バンプが部分的に円筒状のレンズを含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記部分的に円筒状のレンズが約1mm〜3mmの高さを含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記部分的に円筒状のレンズが約3mm〜5mmの幅さを含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項5】
前記部分的に円筒状のレンズが約1.5mm〜2mmの湾曲の半径を含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項6】
前記部分的に円筒状のレンズが約1.4〜1.9の屈折率を含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項7】
屈折率の値が前記部分的に円筒状のレンズの光合焦特性の最適化を容易にすることを特徴とする請求項6に記載のセンサ。
【請求項8】
前記部分的に円筒状のレンズが約3mm〜4mmの焦点長さを含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項9】
前記部分的に円筒状のレンズが前記体組織中の血管の閉塞を実質的に防止するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項10】
前記バンプが不透明な材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項11】
前記バンプの下に収容された遮蔽をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項12】
前記遮蔽が金属材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項13】
前記組織接触表面から突起する1つ以上の隆起をさらに含み、前記1つ以上の隆起が測定部位の滑りを低減するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項14】
前記1つ以上の隆起がシリコーン材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項15】
医療患者の1つ以上の生理パラメータを測定するための非侵襲生理センサであって、
光源と、
医療患者の体組織によって減衰した後に前記光源からの光を検出し、前記検出した光に対応する生理信号を発生するように運転可能な1つ以上の光検出器と、
前記光源と前記光検出器の間に挿入された部分的に円筒状のレンズと、を含むセンサ。
【請求項16】
前記部分的に円筒状のレンズが組織接触表面から突起することを特徴とする請求項15に記載のセンサ。
【請求項17】
前記部分的に円筒状のレンズが医療患者の体組織の厚さを低減することを特徴とする請求項15に記載のセンサ。
【請求項18】
前記部分的に円筒状のレンズが、前記医療患者の血管を実質的に閉塞させることなく医療患者の体組織の厚さを低減することを特徴とする請求項15に記載のセンサ。
【請求項19】
前記部分的に円筒状のレンズが、前記光源と1つ以上の光検出器の間の光路長を縮小することを特徴とする請求項15に記載のセンサ。
【請求項20】
前記部分的に円筒状のレンズが、前記部分的に円筒状のレンズなしでセンサに用いられるよりも少ない列の1つ以上の光検出器を用いることを容易にし、実質的に同じ量の光を受け取ることを特徴とする請求項15に記載のセンサ。
【請求項21】
前記部分的に円筒状のレンズが、前記部分的に円筒状のレンズなしでセンサに用いられるよりも小さな光検出器を用いることを容易にし、実質的に同じ量の光を受け取ることを特徴とする請求項15に記載のセンサ。
【請求項22】
監視される患者に存在する血液検体に対応する信号を出力することのできる生理センサであって、
医療患者の体組織上に光照射を発するように構成された光源を含むセンサ筺体と、
前記センサに付属するヒートシンクにおいて、前記ヒートシンクが光源からの熱エネルギーを受け取り、熱エネルギーを前記センサ筺体の外部へ放出するように運転可能なヒートシンクと、
前記医療患者の前記体組織によって減衰した後に前記光源からの前記光照射を検出し、前記検出した光照射に対応して、前記医療患者の1つ以上の生理パラメータを反映する信号を出力するように構成された複数の光検出器と、を含むセンサ。
【請求項23】
前記ヒートシンクが、前記センサが前記患者に適用されるとき少なくとも部分的に空気に露出することを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項24】
前記ヒートシンクが、医療ケーブルの伝導性遮蔽を含み、前記伝導性遮蔽が基板と電気的に伝達し、前記基板が前記光源と電気的に伝達することを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項25】
前記基板に接続された絶縁体をさらに含むことを特徴とする請求項24に記載のセンサ。
【請求項26】
前記基板および前記伝導性遮蔽と電気的に伝達するヒートシンク層をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項27】
前記基板および前記ヒートシンク層に接続された絶縁体をさらに含むことを特徴とする請求項26に記載のセンサ。
【請求項28】
前記ヒートシンクが1つ以上のフィンを含むことを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項29】
前記ヒートシンクが櫛を含むことを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項30】
前記ヒートシンクが金属化プラスチックを含むことを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項31】
前記ヒートシンクがカーボンおよびアルミニウム材料を含むことを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項32】
体組織によって減衰した光を検出することのできる非侵襲光医療センサのヒートシンクであって、
電気装置の熱生成部と、
前記熱生成部と熱的に伝達するケーブルにおいて、前記ケーブルが前記熱生成部から熱を引き抜くように構成された導体を含むケーブルと、を含むヒートシンク。
【請求項33】
前記導体が遮蔽を含むことを特徴とする請求項32に記載のヒートシンク。
【請求項34】
前記遮蔽の一部が前記熱生成部に熱的に結合することを特徴とする請求項32に記載のヒートシンク。
【請求項35】
前記導体が対によられた線のワイヤを含むことを特徴とする請求項32に記載のヒートシンク。
【請求項36】
前記熱生成部および前記導体と熱的に伝達するヒートシンク層をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載のヒートシンク。
【請求項37】
前記熱生成部が光センサのエミッタを含むことを特徴とする請求項32に記載のヒートシンク。
【請求項38】
前記導体が前記エミッタのサブマウントにハンダ付けされることを特徴とする請求項37に記載のヒートシンク。
【請求項39】
光感受性検出器からのノイズ干渉を遮蔽するように構成された伝導性遮蔽であって、
実質的に透明な材料と、
前記実質的に透明な材料の少なくとも一部に配設された伝導性材料と、を含み、
前記伝導性遮蔽が、光源と光検出器の間に配置されて、前記光源からの少なくともいくらかの光が前記伝導性遮蔽を通過して前記光検出器に当たるように構成される遮蔽。
【請求項40】
前記伝導性材料が接地導体と電気的に伝達するように構成されることを特徴とする請求項39に記載の伝導性遮蔽。
【請求項41】
前記伝導性材料が前記検出器から前記接地導体へ向かってノイズを導くことを特徴とする請求項40に記載の伝導性遮蔽。
【請求項42】
前記実質的に透明な材料がプラスチックを含むことを特徴とする請求項39に記載の伝導性遮蔽。
【請求項43】
前記実質的に透明な材料がガラスを含むことを特徴とする請求項39に記載の伝導性検出器遮蔽。
【請求項44】
前記伝導性材料の表面抵抗が平方インチあたり約30オーム〜平方インチあたり約500オームであることを特徴とする請求項39に記載の伝導性検出器遮蔽。
【請求項45】
前記伝導性材料がインジウムスズ酸化物を含むことを特徴とする請求項39に記載の伝導性検出器遮蔽。
【請求項46】
前記伝導性材料が実質的に透明な材料上のコーティングであり、前記コーティングが、均一な厚さで配分される、変化する厚さに配分される、前記透明な部分の周辺縁部の上に配分される、斑点パターンに配分される、格子に配分される、及び線状に配分される、からなる群から選択されて、実質的に透明な材料の上に配分されることを特徴とする請求項39に記載の伝導性検出器遮蔽。
【請求項47】
患者の体組織によって減衰した光を検出するように構成された光医療センサであって、
光放射を発するように構成されたエミッタと、
検出器と、
前記検出器によって受け取られたノイズを低減するように構成された実質的に透明な導電性材料と、実質的に透明な導電性材料中の窓と、を含み、前記窓が前記光放射の少なくとも一部を前記検出器に通すように構成されたノイズ遮蔽と、を含むセンサ。
【請求項48】
前記窓がガラスを含むことを特徴とする請求項47に記載のセンサ。
【請求項49】
前記窓が開口部を含むことを特徴とする請求項47に記載のセンサ。
【請求項50】
遮蔽エンクロージャをさらに含み、前記遮蔽エンクロージャが前記検出器を少なくとも部分的に包含するように構成されることを特徴とする請求項47に記載のセンサ。
【請求項51】
前記遮蔽エンクロージャが前記検出器の上に配置された第2の窓を含むことを特徴とする請求項50に記載のセンサ。
【請求項52】
前記遮蔽エンクロージャが金属を含むことを特徴とする請求項50に記載のセンサ。
【請求項53】
前記ノイズ遮蔽が前記遮蔽エンクロージャによって支持されることを特徴とする請求項50に記載のセンサ。
【請求項1】
医療患者の1つ以上の生理パラメータを測定するための非侵襲生理センサであって、
光源と、
医療患者の体組織によって減衰した後の前記光源からの光を検出し、前記検出した光に対応して、前記医療患者の1つ以上の生理パラメータを反映する生理信号を発生するように運転可能な光検出器と、
前記光源と前記光検出器の間に挿入されたバンプにおいて、前記バンプが組織接触表面から突起し、前記バンプが前記光源と光検出器の間の光路長を縮小するように、前記光源と前記光検出器の間の前記体組織の厚さを縮小するように構成されたバンプと、を含むセンサ。
【請求項2】
前記バンプが部分的に円筒状のレンズを含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記部分的に円筒状のレンズが約1mm〜3mmの高さを含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記部分的に円筒状のレンズが約3mm〜5mmの幅さを含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項5】
前記部分的に円筒状のレンズが約1.5mm〜2mmの湾曲の半径を含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項6】
前記部分的に円筒状のレンズが約1.4〜1.9の屈折率を含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項7】
屈折率の値が前記部分的に円筒状のレンズの光合焦特性の最適化を容易にすることを特徴とする請求項6に記載のセンサ。
【請求項8】
前記部分的に円筒状のレンズが約3mm〜4mmの焦点長さを含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項9】
前記部分的に円筒状のレンズが前記体組織中の血管の閉塞を実質的に防止するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項10】
前記バンプが不透明な材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項11】
前記バンプの下に収容された遮蔽をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項12】
前記遮蔽が金属材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項13】
前記組織接触表面から突起する1つ以上の隆起をさらに含み、前記1つ以上の隆起が測定部位の滑りを低減するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項14】
前記1つ以上の隆起がシリコーン材料を含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項15】
医療患者の1つ以上の生理パラメータを測定するための非侵襲生理センサであって、
光源と、
医療患者の体組織によって減衰した後に前記光源からの光を検出し、前記検出した光に対応する生理信号を発生するように運転可能な1つ以上の光検出器と、
前記光源と前記光検出器の間に挿入された部分的に円筒状のレンズと、を含むセンサ。
【請求項16】
前記部分的に円筒状のレンズが組織接触表面から突起することを特徴とする請求項15に記載のセンサ。
【請求項17】
前記部分的に円筒状のレンズが医療患者の体組織の厚さを低減することを特徴とする請求項15に記載のセンサ。
【請求項18】
前記部分的に円筒状のレンズが、前記医療患者の血管を実質的に閉塞させることなく医療患者の体組織の厚さを低減することを特徴とする請求項15に記載のセンサ。
【請求項19】
前記部分的に円筒状のレンズが、前記光源と1つ以上の光検出器の間の光路長を縮小することを特徴とする請求項15に記載のセンサ。
【請求項20】
前記部分的に円筒状のレンズが、前記部分的に円筒状のレンズなしでセンサに用いられるよりも少ない列の1つ以上の光検出器を用いることを容易にし、実質的に同じ量の光を受け取ることを特徴とする請求項15に記載のセンサ。
【請求項21】
前記部分的に円筒状のレンズが、前記部分的に円筒状のレンズなしでセンサに用いられるよりも小さな光検出器を用いることを容易にし、実質的に同じ量の光を受け取ることを特徴とする請求項15に記載のセンサ。
【請求項22】
監視される患者に存在する血液検体に対応する信号を出力することのできる生理センサであって、
医療患者の体組織上に光照射を発するように構成された光源を含むセンサ筺体と、
前記センサに付属するヒートシンクにおいて、前記ヒートシンクが光源からの熱エネルギーを受け取り、熱エネルギーを前記センサ筺体の外部へ放出するように運転可能なヒートシンクと、
前記医療患者の前記体組織によって減衰した後に前記光源からの前記光照射を検出し、前記検出した光照射に対応して、前記医療患者の1つ以上の生理パラメータを反映する信号を出力するように構成された複数の光検出器と、を含むセンサ。
【請求項23】
前記ヒートシンクが、前記センサが前記患者に適用されるとき少なくとも部分的に空気に露出することを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項24】
前記ヒートシンクが、医療ケーブルの伝導性遮蔽を含み、前記伝導性遮蔽が基板と電気的に伝達し、前記基板が前記光源と電気的に伝達することを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項25】
前記基板に接続された絶縁体をさらに含むことを特徴とする請求項24に記載のセンサ。
【請求項26】
前記基板および前記伝導性遮蔽と電気的に伝達するヒートシンク層をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項27】
前記基板および前記ヒートシンク層に接続された絶縁体をさらに含むことを特徴とする請求項26に記載のセンサ。
【請求項28】
前記ヒートシンクが1つ以上のフィンを含むことを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項29】
前記ヒートシンクが櫛を含むことを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項30】
前記ヒートシンクが金属化プラスチックを含むことを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項31】
前記ヒートシンクがカーボンおよびアルミニウム材料を含むことを特徴とする請求項22に記載のセンサ。
【請求項32】
体組織によって減衰した光を検出することのできる非侵襲光医療センサのヒートシンクであって、
電気装置の熱生成部と、
前記熱生成部と熱的に伝達するケーブルにおいて、前記ケーブルが前記熱生成部から熱を引き抜くように構成された導体を含むケーブルと、を含むヒートシンク。
【請求項33】
前記導体が遮蔽を含むことを特徴とする請求項32に記載のヒートシンク。
【請求項34】
前記遮蔽の一部が前記熱生成部に熱的に結合することを特徴とする請求項32に記載のヒートシンク。
【請求項35】
前記導体が対によられた線のワイヤを含むことを特徴とする請求項32に記載のヒートシンク。
【請求項36】
前記熱生成部および前記導体と熱的に伝達するヒートシンク層をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載のヒートシンク。
【請求項37】
前記熱生成部が光センサのエミッタを含むことを特徴とする請求項32に記載のヒートシンク。
【請求項38】
前記導体が前記エミッタのサブマウントにハンダ付けされることを特徴とする請求項37に記載のヒートシンク。
【請求項39】
光感受性検出器からのノイズ干渉を遮蔽するように構成された伝導性遮蔽であって、
実質的に透明な材料と、
前記実質的に透明な材料の少なくとも一部に配設された伝導性材料と、を含み、
前記伝導性遮蔽が、光源と光検出器の間に配置されて、前記光源からの少なくともいくらかの光が前記伝導性遮蔽を通過して前記光検出器に当たるように構成される遮蔽。
【請求項40】
前記伝導性材料が接地導体と電気的に伝達するように構成されることを特徴とする請求項39に記載の伝導性遮蔽。
【請求項41】
前記伝導性材料が前記検出器から前記接地導体へ向かってノイズを導くことを特徴とする請求項40に記載の伝導性遮蔽。
【請求項42】
前記実質的に透明な材料がプラスチックを含むことを特徴とする請求項39に記載の伝導性遮蔽。
【請求項43】
前記実質的に透明な材料がガラスを含むことを特徴とする請求項39に記載の伝導性検出器遮蔽。
【請求項44】
前記伝導性材料の表面抵抗が平方インチあたり約30オーム〜平方インチあたり約500オームであることを特徴とする請求項39に記載の伝導性検出器遮蔽。
【請求項45】
前記伝導性材料がインジウムスズ酸化物を含むことを特徴とする請求項39に記載の伝導性検出器遮蔽。
【請求項46】
前記伝導性材料が実質的に透明な材料上のコーティングであり、前記コーティングが、均一な厚さで配分される、変化する厚さに配分される、前記透明な部分の周辺縁部の上に配分される、斑点パターンに配分される、格子に配分される、及び線状に配分される、からなる群から選択されて、実質的に透明な材料の上に配分されることを特徴とする請求項39に記載の伝導性検出器遮蔽。
【請求項47】
患者の体組織によって減衰した光を検出するように構成された光医療センサであって、
光放射を発するように構成されたエミッタと、
検出器と、
前記検出器によって受け取られたノイズを低減するように構成された実質的に透明な導電性材料と、実質的に透明な導電性材料中の窓と、を含み、前記窓が前記光放射の少なくとも一部を前記検出器に通すように構成されたノイズ遮蔽と、を含むセンサ。
【請求項48】
前記窓がガラスを含むことを特徴とする請求項47に記載のセンサ。
【請求項49】
前記窓が開口部を含むことを特徴とする請求項47に記載のセンサ。
【請求項50】
遮蔽エンクロージャをさらに含み、前記遮蔽エンクロージャが前記検出器を少なくとも部分的に包含するように構成されることを特徴とする請求項47に記載のセンサ。
【請求項51】
前記遮蔽エンクロージャが前記検出器の上に配置された第2の窓を含むことを特徴とする請求項50に記載のセンサ。
【請求項52】
前記遮蔽エンクロージャが金属を含むことを特徴とする請求項50に記載のセンサ。
【請求項53】
前記ノイズ遮蔽が前記遮蔽エンクロージャによって支持されることを特徴とする請求項50に記載のセンサ。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図14F】
【図14G】
【図14H】
【図14I】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図15G】
【図15H】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図14F】
【図14G】
【図14H】
【図14I】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図15G】
【図15H】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【公表番号】特表2011−526819(P2011−526819A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516895(P2011−516895)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/049638
【国際公開番号】WO2010/003134
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(506253872)マシモ・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】MASIMO LABORATORIES, INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/049638
【国際公開番号】WO2010/003134
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(506253872)マシモ・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】MASIMO LABORATORIES, INC.
【Fターム(参考)】
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