説明

血液浄化処理装置の生食置換返血法及び該装置

【課題】効率のよい、安全かつ確実で、より安価な汎用性の高い生食置換返血法及びその装置を提供すること。
【解決手段】血液浄化処理装置とその方法は、血液を採取する動脈側用穿刺針5が先端に取り付けられた動脈側血液回路2と、患者に血液を戻す静脈側用穿刺針6が先端に取り付けられた静脈側血液回路3とから主に成り、これら動脈側血液回路2及び静脈側血液回路3の各基端をダイアライザーに接続して使用される。動脈側血液回路2には血液ポンプ4を取り付けるための軟質樹脂から成るポンプチューブと動脈側用穿刺針5との間に補液ライン10の分岐部9があり、該分岐部9から補液ライン10を介して生食置換返血法に使用するソフトバッグ生食11が接続されている。該バッグには返血装置12が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液浄化処理装置の生食置換返血法に関するものであり、更に詳しくは、人工透析のような血液の体外循環による血液浄化において、血液浄化後に血液浄化・濾過器及び血液回路内に残留した血液を患者の体内に戻す返血方法及び生食置換量の制御手段を具えた血液浄化処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、血液浄化処理装置は、図8に示されるとおり患者から血液を採取する動脈側用穿刺針5が先端に取り付けられた動脈側血液回路2と、患者に血液を戻す静脈側用穿刺針6が先端に取り付けられた静脈側血液回路3とから主に成り、これら動脈側血液回路2及び静脈側血液回路3の各基端をダイアライザーなどの血液浄化・濾過器1に接続して使用される。
【0003】
かかる血液浄化器・濾過器の一種であるダイアライザー1は、血液を浄化するための血液浄化膜を内在し、該血液浄化膜を介して血液が流れる血液流路及び透析液が流れる透析液流路が形成されており、血液流路の血液導入口13に動脈側血液回路2の基端が、血液流路の血液導出口14に静脈側血液回路3の基端が接続される。
【0004】
また、ダイアライザー1の透析液流路における透析液導入口15及び透析液導出口16には、透析液をダイアライザー1に供給し、血液浄化後の透析液を排出するための透析装置本体における透析液導入ライン及び透析液排出ラインがそれぞれ接続されている。尚、透析装置本体には、透析液導入ラインに透析液を供給する透析液供給源、及び除水ポンプなど各種構成要素が配設されている。
【0005】
動脈側血液回路2には、その途中においてしごき型の血液ポンプ4を取り付けるための軟質樹脂から成る可撓性チューブ(ポンプチューブ7)が接続されるとともに、静脈側血液回路3には、その途中において血液中の気泡を除去するエアートラップチャンバー8が接続されている。これにより、血液ポンプ4の動作で動脈側用穿刺針5から採取された血液は、ダイアライザー1に至り、血液浄化膜を介して透析液と接触せしめられ、老廃物が透析液側に流されるとともに、浄化後の血液はエアートラップチャンバー8にて除泡されながら静脈側血液回路3を通過して静脈側用穿刺針6から患者の体内に戻されて一連の透析治療が行われる。
【0006】
このような透析治療が終了した後、血液浄化処理装置の血液浄化・濾過器及び血液回路の血液流路内には血液が残留しているので、かかる血液を患者に戻す作業が必要である(以下、該作業を「返血」という)。この返血方法は生食置換返血法とエアー置換返血法の二つに大別され、更に両方法とも血液ポンプ4を使用する方法と自然落差を利用する方法がある。しかしエアー置換返血法では患者への空気誤入の危険性を常に伴うので、安全性の観点から生食置換返血法を用いて、エアー置換返血法は行ってはならないとされている。
【0007】
自然落差を利用する生食置換返血法では補液ライン10からソフトバッグ生食11の生理食塩液を動脈側血液回路2の補液ライン分岐部9からポンプチューブへ送り、(1)気泡・凝血塊を血液ポンプ側に移す。次に(2)血液ポンプ4を止め、補液ライン分岐部9から動脈側用穿刺針5方向に自然落差圧でソフトバッグ生食11の生理食塩液を送り、血液を生理食塩液で置換する。このとき患者の動脈側血液回路の回路内圧が高いことにより自然落差で置換できない場合にはソフトバッグ生食11を手で握り圧力をかけて置換する。(3)その後、血液ポンプ4からポンプチューブ7を外し、自然落差圧によりソフトバッグ生食11の生理食塩液で血液浄化・濾過器及び静脈血液回路内の残留血液を置換する。自然落差圧を利用した本返血方法は電力を使用しないため、ポンプの故障時や停電時に有効である。しかし、患者の静脈側血液回路の回路内圧の高低によっては血液を生理食塩液に置換できたりできなかったりする。又、生理食塩液の流入する速度が異なるために置換完了の時間にバラツキが生じることや生食置換量(速度)を定量的に制御できないことが透析等の血液浄化を効率よく管理できない。そのため現時点では、返血時に血液ポンプ4を使用する生食置換返血法を各学会が指導している。(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)
【0008】
血液ポンプ4を使用する生食置換返血法は、前記自然落差を利用する方法の(1)と(2)を同様に行なう。その後、血液ポンプ4を使用してソフトバッグ生食11の生理食塩液で血液浄化・濾過器及び静脈側血液回路内の残留血液を置換する。この血液ポンプ4を使用する生食置換返血法も自然落差を利用する方法と同様に前記(2)で患者の動脈側血液回路の回路内圧が高いことにより自然落差で置換できない場合にはソフトバッグ生食11を手で握り圧力をかけて置換することが必要で、患者毎に応じた処置をとることになり、効率のよい血液浄化処理装置の生食置換返血法とは言えず、医療従事者の患者監視の低減は充分ではなく、医療従事者の精神的負担が残っている。また本返血方法は、血液ポンプ4を使用するので、ポンプ故障時や停電等には採用できない。
【0009】
また従来技術で血液浄化処理装置の生食置換返血法として、補液ライン10にもポンプを用いる方法が提案されている。それら方法では透析機器に動脈側血液回路2に送血手段としての血液ポンプ4、そして補液ライン10にも生理食塩液の送液手段としてのポンプが必要となるが、現在医療現場で普及している透析機器には補液ライン10用のポンプが装備されているものは少ない。また透析機器は決して安価なものではないので、該機器の買換が容易には進まない。従って、現時点では補液ライン10にポンプを用いる生食置換返血法は安易に採用できる状況にはなく、汎用性が低い(例えば、特許文献1及び2参照)。
【特許文献1】特開2004−49494号公報
【特許文献2】特開2004−49496号公報
【非特許文献1】社団法人日本透析医会発行「透析医療事故防止のための標準的透析操作マニュアル」8〜18頁
【非特許文献2】株式会社メディカ発行「ナースのための透析機器攻略マニュアル」102〜106頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、血液浄化処理装置の生食置換返血法において、動脈側血液回路では自然落差圧を利用することにより、患者の血液回路の回路内圧の高低によっては、返血が容易にできないことや、返血ができても生理食塩液の流入する速度が異なり置換速度を定量的に制御できない。その結果、置換(返血)完了の時間にバラツキが生じることで血液浄化処理の返血作業を効率よく管理できないことになり、医療従事者の患者の監視が増えるという精神的負担となっている。また動脈側血液回路の生食置換返血法において、血液ポンプ4を使用するときでも患者毎に応じた処置をとることになり、効率のよい血液浄化処理装置の生食置換返血法とは言えない。また補液ライン10にポンプを用いる生食置換返血法は、透析装置自体が高価であるために安易に採用できる状況にはない。これらの点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、効率のよい、安全かつ確実で、より安価の汎用性の高い生食置換返血法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は以下の血液浄化後に血液浄化・濾過器及び血液回路内に残留した血液を生食で置換する返血方法及び生食置換量の制御手段を具えた血液浄化処理装置であり、それらにて課題を解決する。
請求項1に記載の発明は、血液浄化処理装置の生食置換返血法に、懸垂部及び該部に対抗した側にゴム栓を具えるソフトバッグ生食を使用して行なう場合、ソフトバッグ生食に外部から負荷をかけて該バッグ生食内の容積の減少量を制御することを特徴とする血液浄化処理装置の生食置換返血法。
請求項2に記載の発明は、ソフトバッグ生食内の容積の減少量をほぼ一定若しくは漸次増加のいずれかに制御することを特徴とする請求項1記載の血液浄化処理装置の生食置換返血法。
請求項3に記載の発明は、動脈側血液回路に懸垂部及び該部に対抗した側にゴム栓を具えるソフトバッグ生食が接続した血液浄化処理装置において、前記ソフトバッグ生食に生食置換量を制御する手段を有することを特徴とする血液浄化処理装置。
請求項4に記載の発明は、ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、圧縮ガス導入口を有する密閉容器からなり、該密閉容器にソフトバッグ生食を入れ、該容器に圧縮ガスを導入して、ソフトバッグ生食内の容積の減少量を制御することを特徴とする請求項3記載の血液浄化処理装置。
請求項5に記載の発明は、ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、ソフトバッグ生食の周囲を圧迫する場合の圧迫するものが2枚の平板であることを特徴とする請求項3記載の血液浄化処理装置。
請求項6に記載の発明は、ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、ソフトバッグ生食の懸垂部側からゴム栓側へロールで順次挟み込み、ソフトバッグ生食内の容積の減少量を制御することを特徴とする請求項3記載の血液浄化処理装置。
請求項7に記載の発明は、ソフトバッグ生食の懸垂部側からゴム栓側へロールで順次挟み込む場合のロールが一対であることを特徴とする請求項6記載の血液浄化処理装置。
請求項8に記載の発明は、ソフトバッグ生食の懸垂部側からゴム栓側へロールで順次挟み込む場合のロールの本数は、ソフトバッグの一方の側では1本以上で、他方の側では2本以上であることを特徴とする請求項6記載の血液浄化処理装置。
請求項9に記載の発明は、ソフトバッグ生食の懸垂部側からゴム栓側へロールで順次挟み込む場合のロールは、ソフトバッグを平板に設置し、該板と1本のロールでソフトバッグを順次挟み込むことを特徴とする請求項6記載の血液浄化処理装置。
請求項10に記載の発明は、ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、ソフトバッグの懸垂部側からゴム栓側へロールで巻き取り、ソフトバッグ生食内の容積の減少量を制御することを特徴とする請求項3記載の血液浄化処理装置。
請求項11に記載の発明は、ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段に用いる駆動力が電気的手段若しくは非電気的手段である請求項4乃至10のいずれかに記載の血液浄化処理装置。
【0012】
請求項1及び2の発明によれば、血液浄化処理装置の生食置換返血法により血液浄化処理装置の生食置換量を制御することができ、このことにより効率のよい、安全で確実な生食置換返血法を提供できる。また請求項3乃至10の発明の血液浄化処理装置は、動脈側循環路に懸垂部及び該部に対抗したゴム栓側からなるソフトバッグ生食が接続した血液浄化処理装置において、前記ソフトバッグ生食に生食置換量を制御する制御手段を有しているので、特に補液ライン用ポンプを備えた透析機器を用いる必要がなく、より安全かつ確実で、安価な汎用性の高い生食置換返血法を提供できる。
請求項4の発明の血液浄化装置は、ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、圧縮ガスを利用するものであり、圧縮ガスは窒素や二酸化炭素等の不燃ガスを用いることで、更に安全かつ確実で、より安価の汎用性の高い生食置換返血法及びその装置を提供できる。
請求項5の発明の血液浄化装置は、ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、2枚の平板でソフトバッグを圧縮することによるものであり、制御手段の主要な部分は2枚の平板と該平板を移動させる駆動装置のみとなることで、より安価の汎用性の高い生食置換返血法及びその装置を提供することにある。
更に請求項6乃至8の発明の血液浄化処理装置は、ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、ソフトバッグ生食の懸垂部側からゴム栓側へロールで順次挟み込むことによることで、例えば500mlのソフトバッグ生食や1300mlのソフトバッグ生食のような、ソフトバッグ自体の大小に影響されなくなり、よりコンパクトな返血装置を提供できるものであり、請求項7に発明の血液浄化処理装置は、ソフトバッグ生食の懸垂部側からゴム栓側へロールで順次挟み込む場合のロールが、ソフトバッグの各両側のロールが1本であることで、更にコンパクトな血液浄化処理装置を提供できる。請求項8に記載の発明は、ソフトバッグ生食の懸垂部側からゴム栓側へロールで順次挟み込む場合の両ロールの本数は、ソフトバッグの一方では1本以上で、他方では2本以上であることで、ソフトバッグ生食を挟みこみ部分が多くなることにより、ソフトバッグ生食を順次挟み込むことがより確実に行うことができ、血液浄化処理装置の生食置換量の制御が更に安定した生食置換返血法を提供することができる。
請求項9の発明の血液浄化処理装置は、ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、平板に固定したソフトバッグ生食を1本のローラーで、該ソフトバッグ生食の懸垂部側からゴム栓側へロールで順次挟み込むことによるものであり、制御手段の主要な部分は1枚の平板とロールを移動させる駆動装置のみとなることで、より安価の汎用性の高い生食置換返血法及びその装置を提供できる。
請求項10の発明の血液浄化処理装置は、ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、ソフトバッグの懸垂部側からゴム栓側へロールで巻き取ることよるもので、例えば500mlのソフトバッグ生食や1300mlのソフトバッグ生食のような、ソフトバッグ自体の大小による影響は少なくなり、コンパクトな返血装置を提供できる。
請求項11の発明の血液浄化処理装置は、その駆動力を電気的手段又は非電気的手段のいずれかを選択できる。例えば、電気的手段として、施設のコンセントの差込口からの電源や内蔵電池等によるコンプレッサーやモータを利用できる。非電気的手段としてはばね・ぜんまい等の機械的なものやガスボンベを利用でき、停電時等の場合にも血液浄化処理装置の生食置換量を制御することができる。これらの駆動力から、本発明は、血液浄化処理装置の生食置換返血法使用する場所の状況を考慮したものを選択し、効率のよい、安全かつ確実で、より安価な汎用性の高い生食置換返血法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の血液浄化処理装置の生食置換返血法について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明の生食置換返血装置を備えた血液浄化処理装置の概略図である。図1で示すように、血液浄化処理装置の概略は患者から血液を採取する動脈側用穿刺針5が先端に取り付けられた動脈側血液回路2と、患者に血液を戻す静脈側用穿刺針6が先端に取り付けられた静脈側血液回路3とから主に成り、これら動脈側血液回路2及び静脈側血液回路3の各基端をダイアライザー1などの血液浄化・濾過器に接続して使用される。動脈側血液回路2には血液ポンプ4を取り付けるための軟質樹脂から成るポンプチューブ7と動脈側用穿刺針5との間に補液ライン10の分岐部9があり、該分岐部9から補液ライン10を介して生食置換返血法に使用するソフトバッグ生食11が接続されている。該バッグには返血装置12が備えられている。図2はソフトバッグ生食11の概略図であり、同図に示されるように、上部に懸垂部21、該懸垂部と対抗する位置にゴム栓部22が形成されている。
【0014】
一連の透析治療の終了後に、ソフトバッグ生食に外部から負荷をかけて該バッグ生食内の容積の減少量を制御しつつ、補液ライン10を介して動脈側血液回路2の分岐部9から血液ポンプ方向へソフトバッグ生食11の生理食塩液を送り、気泡・凝血塊を血液ポンプ側へ移動させる。次に同様にソフトバッグ生食内の容積の減少量を制御しつつ、血液ポンプ4を止め、補液ライン10を介して分岐部9から動脈側用穿刺針5方向にソフトバッグ生食11の生理食塩液を送り、血液を生理食塩液で置換する。本発明の血液浄化処理装置の生食置換返血法では、ソフトバッグ生食には返血装置12で圧力や挟み込み等により一定負荷がかけられて生食置換返血量は定量的に制御されるので、このとき患者の動脈側血液回路2の回路内圧が高い場合であっても、該回路内圧に負けることなく返血作業が行なえる。その結果、患者の動脈側血液回路の回路内圧の高低に係らず、どの患者に対しても、安全で確実な血液浄化処理装置の生食置換返血法を提供できる。尚、従来の血液浄化処理装置の生食置換返血法では、患者の動脈側血液回路の回路内圧が高い場合には、補液ライン10を介して分岐部9から動脈側用穿刺針5方向への生食置換返血が行なえず、医療従事者がソフトバッグ生食を手で握り圧力をかける等の処置が必要になることがある。
【0015】
その後、ソフトバッグ生食に外部から負荷をかけて該バッグ生食内の容積の減少量を制御しつつ、補液ライン10を介して動脈側血液回路2の分岐部9からダイアライザー1、静脈側用穿刺針6方向へソフトバッグ生食11の生理食塩液を送り、ダイアライザー1及び静脈側血液回路3内の残留血液をソフトバッグ生食11の生理食塩液で置換する。このときも本発明の血液浄化処理装置の生食置換返血法では、ソフトバッグ生食には返血装置12で圧力や挟み込み等により一定負荷がかけられて生食置換返血量は定量的に制御されるので、各患者の静脈側血液回路の回路内圧に係らずに、どの患者に対しても、効率よく、安全で確実な血液浄化処理装置の生食置換返血を行なうことができる。尚、本発明の生食置換返血法では、ダイアライザー1及び静脈側血液回路内の残留血液を置換するときに、血液ポンプ4を使用する必要がないので、停電や故障により血液ポンプ4が使用できないときでも返血作業を行なうことができ、またソフトバッグ生食内の生食がなくなったとき、血液ポンプ4を使用する方法では、血液ポンプ4を停止するかまたは送液量を0にしないと、血液ポンプ4は回転をしつづけることにより危険(例えば、回路内圧が過度の陰圧となり動脈側血液回路2の破損や動脈側用穿刺針5からの血液の流入)が発生する可能性があるが、本発明の生食置換返血方法では、ソフトバッグ生食内の生食がなくなったとき、その時点で送液が中断され、言い換えれば血液ポンプ4を停止するかまたは送液量を0にした状態のようになり、前記のような危険は発生しない。
【0016】
図3に示す本発明の返血装置は、ソフトバッグ生食11を密閉容器31に入れ、該容器に圧縮ガスを導入するものである。圧縮ガスは窒素や二酸化炭素等の不燃ガスを高圧ボンベやコンプレッサーにて供給し、そのときフィルタ・レギュレータ33で圧力の調整をすることで、返血装置の生食置換量を制御する。
図4に示す本発明の返血装置は、ソフトバッグ生食11を平板41で挟むものであり、平板41の移動速度を調整することで生食置換量を制御するものである。該平板41には高い剛性が必要であり、アルミニューム、鉄やステンレス等の合金により、またはアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の比較的剛性の高い樹脂により準備できる。これら平板を移動させる駆動力には、ばね、ぜんまいや各種モータ(リニアモータが望ましい)等を用いればよい。
図5に示す本発明の返血装置は、ソフトバッグ生食11の懸垂部からゴム栓側へ2本以上のロール61で順次挟み込むものであり、該挟み込みのロール61が一対、すなわちソフトバッグの各両側のロールはそれぞれ各1本が対(合計2本)であるもの(図5a及びa´)、ソフトバッグの一方の側では1本以上で、他方の側では2本以上(図5b及びb´ではロール3本、図5c及びc´ではロール4本)である。これらロールには、高い剛性が必要であり、アルミニューム、鉄やステンレス等の合金や、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の比較的剛性の高い樹脂で準備できる。ロール回転の駆動力や制御等は、トルクの高いモータ(無断変速モータが望ましい)やリニアモータ等の各種モータ、ばねやぜんまいで行い、必要に応じてギアボックスや電圧調整器のスライダック等で回転速度を調整して、返血装置の生食置換量を制御すればよい。
図6に示す本発明の返血装置は、平板71に設置したソフトバッグ生食11を1本のロール72で挟み込むものであり、平板71やロール72の材料は、前記図4や図5の平板やロールと同じものを使用すればよい。またロールを移動させる駆動力には、ばね、ぜんまいやモータ(リニアモータが望ましい)を用い、必要に応じてギアボックスや電圧調整器のスライダックを用いて、回転速度を制御して、返血装置の生食置換量を制御すればよい。
図7に示す本発明の返血装置は、ソフトバッグ生食11を、該バッグの懸垂部21からゴム栓側22に巻き取り具81に巻き取るものであり、巻き取るときにソフトバッグが逃げないで巻き取り具81にスムーズに巻き取れるように、ソフトバッグの巻き取る方向にソフトバッグ方向修正板82を設けている。該修正板82は、ソフトバッグ生食の巻取りの際、該バッグが巻き取り側(修正板82の方向)に移動・変形するのを前記修正板82が抑える。巻き取り具81には、ソフトバッグ生食11を該バッグの懸垂部21の穴部分で巻き取り具81に固定するためのソフトバッグ懸垂部係止部83を形成している。図7において、ソフトバッグ懸垂部係止部83は直線状の突起であるが、ソフトバッグ生食11を巻き取り具81に固定できる形状であれば、フック状やその他の形状であってもよい。本返血装置の巻き取り具81の回転部の材料及び回転の駆動力や制御等は、前記5のロールと同様に、ロールと同じ材料を用いて回転部を準備し、ロール回転の駆動力と同じもので駆動させて、必要に応じてギアボックスやスライダックを用いて回転速度を制御して、返血装置の生食置換量を制御すればよい。
【0017】
また本発明の生食置換返血法では、ソフトバッグ生食11に外部から負荷をかけて該バッグ容積の減少量をほぼ一定、若しくは漸次増加のいずれかに制御することができるので、患者及び医療従事者の双方により安全、確実で効率のよい返血方法を選択することができる。ここで、ソフトバッグ生食に外部から負荷をかけて該バッグ生食内の容積の減少量を制御する制御手段に用いられる駆動として、電気的手段や非電気的手段のいずれかが用いられ、例えば、電気的手段には、施設のコンセントの差込口からの電源、内臓電池によるモータ類やコンプレッサーを用いることができる。また非電気的手段としては、ガスボンベ又は、ばね・ぜんまい等の機械的なものを用いることができる。
【0018】
以下に本発明の返血装置の実施例を記載する。それら実施例に使用するソフトバッグ生食11にはカーミパック生理食塩液L 1300ml(川澄化学工業株式会社製)の生理食塩液の残量が約300mlとしたものを用い、ダイアライザーにはフィルトライザーB1(東レ株式会社製)を、血液回路には人工腎臓用血液回路 H−702−THL(ハナコメディカル株式会社製)を、動脈側及び静脈側用穿刺針にはセーフレットカニューラ NSL−16(W6)T(ニプロ株式会社製)を使用し、図9に示されている血液浄化装置と同様な接続を行なった。その後、ダイアライザー1、動脈側血液回路2及び静脈側血液回路3を血液代用の牛乳(那須山麓牛乳)で満たした。
【0019】
本発明の返血作業では、各返血装置に接続したソフトバッグ生食に150mmHg相当の負荷が掛けた状態で生食置換量を、動脈側血液回路の返血作業では、各返血装置による生食置換量を50ml/分、静脈側血液回路の返血作業では、各返血装置による生食置換量100ml/分となるように調整し、その後血液回路内圧として10又は150mmHg相当のいずれかの負荷が掛かるように動脈側容器及び静脈側容器の水柱の高さ(約13.6cm又は約203cmのいずれか)を調整して返血作業の各実施を行った。
【実施例1】
【0020】
図3は、圧縮ガスを使用して生食置換量を制御する返血装置を示す部分断面図である。図3の返血装置は、ソフトバッグ生食11を入れて密閉する密閉容器31、該容器31に圧縮ガスを導入するコンプレッサー及びソフトバッグ生食11に掛かる圧縮ガスの圧力を調整するフィルタ・レギュレータ33からなる。該返血装置では、密閉容器31はアクリル樹脂製で内法15cm×12cm×3のものを準備し、該容器31の開閉部及びソフトバッグ生食のゴム栓22が突き出る部分にパッキンとして厚さ1mmのシリコーン樹脂を使用した。圧縮ガスを導入するコンプレッサーにはCFD07B-8.5(アネスト岩田株式会社製)を、フィルタ・レギュレータ33にはEFR−10−D(太陽鉄工株式会社製)を使用し、前述のとおり、返血装置に接続したソフトバッグ生食に150mmHg相当の負荷が掛かるようにし、該返血装置による該バッグからの生食置換量を動脈側血液回路の返血作業では50mml/分、静脈側血液回路の返血作業では100mml/分となるようにフィルタ・レギュレータ33で圧力を調整して、返血作業を実施した。
該返血装置による返血作業の結果を、動脈側血液回路の結果を表1に、静脈側血液回路の結果を表2に記載する。
【実施例2】
【0021】
図4は、二つ平板41を使用して生食置換量を制御する返血装置を示す側面図である。図4の返血装置12は、ソフトバッグ生食11を挟む二つの平板41と、それら平板41を移動してソフトバッグ生食を圧迫するモータからなる。該返血装置では二つの平板には15cm×15cm×1cmのアクリル樹脂製を用い、モータにはORIENTAL INDUCTION MOTOR OIK3GN−B(オリエンタルモーター製、ギアヘッドORIENTAL MOTOR OGN180K)を使用し、実施例1と同様に、該返血装置による生食置換量を動脈側血液回路の返血作業では50mml/分、静脈側血液回路の返血作業では100mml/分となるように電圧調整器 スライダック V−130−3(山菱電気製)でモータの回転速度を介して二つの平板の移動速度を調整し、返血作業を実施した。
該返血装置による返血作業の結果を、動脈側血液回路の結果を表1に、静脈側血液回路の結果を表2に記載する。
【実施例3】
【0022】
図5のb及びb´は、ソフトバッグの各両側のそれぞれ各1本、合計2本のロール61を使用して生食置換量を制御する返血装置を示す概略側面図である。図5の返血装置12は、ソフトバッグ生食11を挟む3本のロール61と、該ロールを回転させるモータからなる。該返血装置では、3本のロールは同じサイズで、鉄製の直径2cm、長さ18cmのものを準備し、ソフトバッグ生食のバッグをロールでしっかりと挟めるように各ロールには、1mm厚のシリコーンシートを装着した。モータにはORIENTAL INDUCTION MOTOR OIK3GN−B(オリエンタルモーター株式会社製)を使用し、同社のギアヘッドORIENTAL MOTOR OGN180Kにて2番目のロール(ソフトバッグ生食の片側にロールが1本ある方のロール)に回転を伝動させて、実施例1と同様に、該返血装置による生食置換量を動脈側血液回路の返血作業では50mml/分、静脈側血液回路の返血作業では100mml/分となるように電圧調整器 スライダック V−130−3(山菱電気製)でモータの回転速度を介してロールの回転速度を調整し、返血作業を実施した。
該返血装置による返血作業の結果を、動脈側血液回路の結果を表1に、静脈側血液回路の結果を表2に記載する。
【実施例4】
【0023】
図6は、平板71と一つのロール72を使用して生食置換量を制御する返血装置を示す概略側面図である。図6の返血装置12は、ソフトバッグ生食11を固定する平板71と、該平板上のソフトバッグ生食11を挟むロール72及び該ロールを移動させるモータからなる。該返血装置では、平板には、アルミニューム製の15cm×12cm×0.5cmを用い、ロールは前記実施例3と同じロールを使用し、実施例3と同様に1mm厚のシリコーンシートを装着した。モータ等には実施例2と同じORIENTAL INDUCTION MOTOR OIK3GN−B(オリエンタルモーター製、ギアヘッドORIENTAL MOTOR OGN180K)を使用し、電圧調整器 スライダック V−130−3(山菱電気製)でモータの回転速度を介してロールの移動速度を調整し、返血作業を実施した。
該返血装置による返血作業の結果を、動脈側血液回路の結果を表1に、静脈側血液回路の結果を表2に記載する。
【実施例5】
【0024】
図7は、巻き取り具81を使用して生食置換量を制御する返血装置を示す概略側面図である。図7の返血装置12は、ソフトバッグ生食11を巻き取る巻き取り具81と、巻き取り時にソフトバッグが逃げないようにする方向修正板82と、そして巻き取り具81を回転させるモータからなる。該返血装置では、巻き取り具81はアルミニューム製の直径1cm長さ18cmの円筒状で中央にソフトバッグ生食11の懸垂部21の穴部分を引っ掛けるソフトバッグ懸垂部係止部83を設けたものを準備した。方向修正板82にはアルミニューム製の15cm×10cm×1cmのものを、モータ等には実施例2と同じORIENTAL INDUCTION MOTOR OIK3GN−B(オリエンタルモーター製、ギアヘッドORIENTAL MOTOR OGN180K)を使用し、実施例1と同様に、返血装置による生食置換量を動脈側血液回路の返血作業では50mml/分、静脈側血液回路の返血作業では100mml/分となるように電圧調整器 スライダック V−130−3(山菱電気製)でモータの回転速度を介して巻き取り具81の巻き取り速度を調整し、返血作業を実施した。
該返血装置による返血作業の結果を、動脈側血液回路の結果を表1に、静脈側血液回路の結果を表2に記載する。
〔従来例〕
【0025】
本発明の返血装置の対比例として、従来法の生食置換による返決作業を実施した。該対比例では、血液回路内圧として10又は150mmHg相当のいずれかの負荷が掛かるようにした状態で、動脈側血液回路の返血作業は、ソフトバッグ生食を床から1.5mの高さに設置して、自然落差圧を利用して行い、静脈側血液回路の返血作業は、血液ポンプの送液量を100mml/分に設定して行った。該対比例の結果を、動脈側血液回路の返血結果を表1に、静脈側血液回路の返血結果を表2にまとめた。
【0026】
【表1】

【0027】
【表2】

【0028】
本発明の返血装置による返血作業や従来例による返血作業の結果から、従来例では動脈側血液回路の回路内圧が高い場合では、自然落差を利用しても返血作業ができずに、ソフトバッグ生食を医療従事者が手で握り圧力をかけることが必要であるが、本発明の返血装置を用いた血液浄化処理装置は動脈側血液回路の回路内圧の高低に係らず動脈側血液回路2の生食置換返血が良好に行うことができた。また本発明の返血装置による静脈側血液回路3の生食置換返血は、該回路の回路内圧の高低に係らず、従来例よりも短時間かつほぼ一定(ばらつきが少ない)時間範囲内で終了することができた。これら結果が示すように、本発明は効率のよい、安全かつ確実で、より安価の汎用性の高い生食置換返血法及びその装置を提供することができる。
【0029】
上記の実施例では、返血装置の駆動力は電気的手段によるものを利用したが、本発明による返血装置の駆動力はそれらの電気的手段に限定されることなく、非電気的手段を利用できる。例えば、図3の返血装置は電気的手段としてはコンプレッサーを、非電気的手段としてはガスボンベを使用できる。本発明を実施する場所の状況を考慮して、適切な駆動力を選択すればよい。ガスボンベは停電時に使用でき、またより静かに装置を使用できる利点があるがコンプレッサーより費用が若干高くなる。また例えば、図4、5、6及び7の返血装置は電気的手段としてはモータを、非電気的手段としてはばね・ぜんまい等の機械的なものがある。これらも本発明を実施する場所の状況を考慮して、適切な駆動力を選択すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の返血方法に係る血液浄化処理装置の概略図である。
【図2】ソフトバッグ生食の概略正面図である。
【図3】本発明の圧縮ガスを使用する返血装置の部分断面図である。
【図4】本発明の平板による挟みの返血装置の側面図である。
【図5】本発明のロールによる挟みの返血装置の概略側面図である。
【図6】本発明の平板とロールによる挟みの返血装置の概略側面図である。
【図7】本発明の巻き取り返血装置の概略側面図である。cは図7の巻き取り具81の拡大図、dはcの斜視図である。
【図8】従来の返血方法に係る血液浄化の概略図
【図9】本発明及び従来法の血液浄化処理装置の生食置換による返血処理の試験の概略図である。
【符号の説明】
【0031】
1 ダイアライザー(血液浄化・濾過器)
2 動脈側血液回路
3 静脈側血液回路
4 血液ポンプ
5 動脈側用穿刺針
6 静脈側用穿刺針
7 ポンプチューブ
8 静脈側エアートラップチャンバー
9 補液ライン分岐部
10 補液ライン
11 ソフトバッグ生食
12 返血装置
13 血液導入口
14 血液導出口
15 透析液導入口
16 透析液導出口
18 動脈側容器
19 静脈側容器
21 懸垂部
22 ゴム栓
31 密閉容器
32 ガス導入口
33 フィルタ・レギュレータ(フィルタ付き圧力調整機)
41 平板
51 バルーン
52 平板
61 ロール
71 平板
72 ロール
81 巻き取り具
82 ソフトバッグ方向修正板
83 ソフトバッグ懸垂部係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液浄化処理装置の生食置換返血法に、懸垂部及び該部に対抗した側にゴム栓を具えるソフトバッグ生食を使用して行なう場合、ソフトバッグ生食に外部から負荷をかけて該バッグ生食内の容積の減少量を制御することを特徴とする血液浄化処理装置の生食置換返血法。
【請求項2】
ソフトバッグ生食内の容積の減少量をほぼ一定若しくは漸次増加のいずれかに制御することを特徴とする請求項1記載の血液浄化処理装置の生食置換返血法。
【請求項3】
動脈側血液回路に懸垂部及び該部に対抗した側にゴム栓を具えるソフトバッグ生食が接続した血液浄化処理装置において、前記ソフトバッグ生食に生食置換量を制御する手段を有することを特徴とする血液浄化処理装置。
【請求項4】
ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、圧縮ガス導入口を有する密閉容器からなり、該密閉容器にソフトバッグ生食を入れ、該容器に圧縮ガスを導入して、ソフトバッグ生食内の容積の減少量を制御することを特徴とする請求項3記載の血液浄化処理装置。
【請求項5】
ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、ソフトバッグ生食の周囲を圧迫する場合の圧迫するものが2枚の平板であることを特徴とする請求項3記載の血液浄化処理装置。
【請求項6】
ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、ソフトバッグ生食の懸垂部側からゴム栓側へロールで順次挟み込み、ソフトバッグ生食内の容積の減少量を制御することを特徴とする請求項3記載の血液浄化処理装置。
【請求項7】
ソフトバッグ生食の懸垂部側からゴム栓側へロールで順次挟み込む場合のロールが一対であることを特徴とする請求項6記載の血液浄化処理装置。
【請求項8】
ソフトバッグ生食の懸垂部側からゴム栓側へロールで順次挟み込む場合のロールの本数は、ソフトバッグの一方の側では1本以上で、他方の側では2本以上であることを特徴とする請求項6記載の血液浄化処理装置。
【請求項9】
ソフトバッグ生食の懸垂部側からゴム栓側へロールで順次挟み込む場合のロールは、ソフトバッグを平板に設置し、該板と1本のロールでソフトバッグを順次挟み込むことを特徴とする請求項6記載の血液浄化処理装置。
【請求項10】
ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段が、ソフトバッグの懸垂部側からゴム栓側へロールで巻き取り、ソフトバッグ生食内の容積の減少量を制御することを特徴とする請求項3記載の血液浄化処理装置。
【請求項11】
ソフトバッグ生食を備えた血液浄化処理装置の生食置換量の制御手段に用いる駆動力が電気的手段若しくは非電気的手段である請求項4乃至10のいずれかに記載の血液浄化処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−90058(P2007−90058A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−234676(P2006−234676)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(506417197)
【Fターム(参考)】