説明

血液透析装置の作動方法及び血液透析装置

【課題】簡単な装置構成で、透析液回路側から血液回路側への透析液の供給と、透析器の膜を通じた血液回路側から透析液回路側への液体の排出を行う。
【解決手段】血液透析装置1は、内部を第1の室50と第2の室51に隔て変位可能な隔壁52を有する定量容器40と、第1の室50の透析液を透析器10に供給するための膨縮自在な第1の回路41と、透析器10の透析液を第2の室51に排出するための膨縮自在な第2の回路52と、第1の回路41の開閉を行う開閉弁62と、第2の回路42の開閉を行う開閉弁70を有する。透析液が満たされた第1の室50の側に隔壁52を変位させ、第1の室50の透析液を第1の回路41を通じて透析器10に供給し透析器10の透析液を第2の回路42を通じて第2の室51に排出する際に、開閉弁62により第1の回路41を開放し、開閉弁70により第2の回路42を閉鎖し、開閉弁70により第2の回路42を開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液の透析を行う血液透析装置の作動方法、及び血液透析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液透析装置は、透析器の膜の一次側に血液を通過させる血液回路と、前記透析器の膜の二次側に透析液を通過させる透析液回路を有し、透析器において膜を通じて血液の透析を行っている。例えば透析液回路には、内部に二つの室を形成し変位可能な隔壁を有する定量容器が接続されている(特許文献1参照)。この血液透析装置の透析処理では、血液回路において透析器の膜の一次側に血液を流した状態で、透析液回路において定量容器の隔壁を移動させ第1の室から透析器の膜の二次側に透析液が供給され、その透析器の二次側から定量容器の第2の室に透析液が戻される。この種の血液透析装置は、透析器への透析液の供給量と透析器からの透析液の排出量を簡単な構成の回路を用いて厳格に制御する際に有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−146506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような血液透析装置を用いた透析処理において、透析液回路の透析液の一部を血液回路側に供給し、その分と同等の量の液体を透析器の膜を通じて血液回路側から透析液回路側に流すことが考えられている。こうすることにより、膜を通る液体の流速が増大し、例えば血液中のより径の大きな不要物質が膜を通過し透析液に取り込まれて、血液に対する透析能力を向上することができる。しかしながら、この場合、透析液回路と血液回路を接続する回路や、透析液回路の透析液を血液回路側に送るポンプ、回路を開閉する装置等が必要になる。このため、血液透析装置の構成が煩雑になり、血液透析装置が大型化し、コストも高くなる。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、簡単な装置構成で、透析液回路側から血液回路側への透析液の供給と、透析器の膜を通じた血液回路側から透析液回路側への液体の排出を行うことができる血液透析装置の作動方法、及び血液透析装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明は、透析器の膜の一次側に血液を流し、前記透析器の膜の二次側に透析液を流して、前記膜を通じて血液の透析を行う血液透析装置の作動方法であって、前記血液透析装置は、内部を第1の室と第2の室に隔て変位可能な隔壁を有する容器と、前記容器の第1の室の透析液を前記透析器に供給するための膨縮自在な第1の回路と、前記透析器の透析液を前記容器の第2の室に排出するための膨縮自在な第2の回路と、前記第1の回路の開閉を行う第1の開閉装置と、前記第2の回路の開閉を行う第2の開閉装置と、を有しており、透析液が満たされた前記容器の第1の室の側に前記隔壁を変位させ、前記第1の室の透析液を前記第1の回路を通じて前記透析器に供給し前記透析器の透析液を前記第2の回路を通じて前記第2の室に排出する際に、前記第1の開閉装置により前記第1の回路を開放し、前記第2の開閉装置により前記第2の回路を閉鎖し、続いて前記第2の開閉装置により前記第2の回路を開放する制御装置が作動するものである。
【0007】
本発明によれば、容器の隔壁を移動させ透析液を容器から透析器に供給し当該透析器から容器に排出する際に、第1の回路を開放し、一時的に第2の回路を閉鎖するので、透析器の膜の二次側の圧力が上がり、第1の回路の透析液の一部が膜の二次側から一次側に供給される。このとき、隔壁が移動して、少なくとも第2の回路における第2の開閉装置と容器の間の区間は陰圧になるので、膨縮自在な第2の回路の当該区間が収縮する。次に第2の回路を開放することにより、圧力が開放され、第2の回路の上記区間の収縮が元に戻り、その時の吸引力により、透析器の膜の二次側の圧力が下がり、透析器の膜の一次側の液体の一部が二次側に流入する。よって、本発明によれば、新たな装置や部材を取り付けることなく簡単な装置構成で、透析液回路側から血液回路側への透析液の供給と、透析器の膜を通じた血液回路側から透析液回路側への液体の排出を行うことができる。
【0008】
上記血液透析装置の作動方法において、前記透析液を前記透析器に供給する際に、前記第1の回路に設けられたポンプにより、透析液を前記透析器側に圧送するようにしてもよい。かかる場合、第1の回路側のポンプにより透析液を透析器に圧送するので、第2の回路における第2の開閉装置と容器の間の区間の陰圧を適切に生成できる。
【0009】
別の観点による本発明は、透析器の膜の一次側に血液を流し、前記透析器の膜の二次側に透析液を流して、前記膜を通じて血液の透析を行う血液透析装置の作動方法であって、 前記血液透析装置は、内部を第1の室と第2の室に隔て変位可能な隔壁を有する容器と、前記容器の第1の室の透析液を前記透析器に供給するための膨縮自在な第1の回路と、前記透析器の透析液を前記容器の第2の室に排出するための膨縮自在な第2の回路と、前記第1の回路の開閉を行う第1の開閉装置と、前記第2の回路の開閉を行う第2の開閉装置と、を有しており、透析液が満たされた前記容器の第1の室の側に前記隔壁を変位させ、前記第1の室の透析液を前記第1の回路を通じて前記透析器に供給し前記透析器の透析液を前記第2の回路を通じて前記第2の室に排出する際に、前記第2の開閉装置により前記第2の回路を開放し、前記第1の開閉装置により前記第1の回路を閉鎖し、続いて前記第1の開閉装置により前記第1の回路を開放する制御装置が作動するものである。
【0010】
本発明によれば、容器の隔壁を移動させ透析液を容器から透析器に供給し当該透析器から容器に排出する際に、第2の回路を開放し、一時的に第1の回路を閉鎖するので、透析器の膜の二次側の圧力が下がり、透析器の膜の一次側の液体の一部が二次側に流入する。このとき、隔壁が移動して、少なくとも第1の回路における第1の開閉装置と容器の間の区間は陽圧になるので、膨縮自在な第1の回路の当該区間が膨張する。次に第1の回路を開放することにより、圧力が開放され、第1の回路の上記区間の膨張が元に戻り、その時の圧力により、透析器の膜の二次側の圧力が上がり、第1の回路の透析液の一部が膜の二次側から一次側に供給される。よって、本発明によれば、新たな装置や部材を取り付けることなく簡単な装置構成で、透析液回路側から血液回路側への透析液の供給と、透析器の膜を通じた血液回路側から透析液回路側への液体の排出を行うことができる。
【0011】
前記血液透析装置の作動方法において、前記透析液を前記透析器に供給する際に、前記第2の回路に設けられたポンプにより、透析液を容器側に圧送するようにしてもよい。かかる場合、第2の回路側のポンプにより透析液を容器に圧送するので、第1の回路における第1の開閉装置と容器の間の区間の陽圧を適切に生成できる。
【0012】
前記血液透析装置は、前記第1の回路と前記第2の回路を接続するバイパス回路と、前記バイパス回路の開閉を行うバイパス開閉装置と、をさらに有し、前記第1の回路と前記第2の回路には、前記バイパス回路との分岐部より前記容器側と前記透析器側にそれぞれ開閉装置が設けられ、前記第1の開閉装置は、前記第1の回路の前記分岐部より前記透析器側に設けられた開閉装置であり、前記第2の開閉装置は、前記第2の回路の前記分岐部より前記透析器側に設けられた開閉装置であってもよい。かかる場合、容器の第1の室から流出した透析液をパイパス回路を介して第2の室に戻すことができ、例えば透析液自体に不具合がある場合などに透析液を透析器に供給せずに第2の室に戻すことができる。また、第1の開閉装置、第2の開閉装置として、透析器側に近い開閉装置が用いられるため、第2の回路における第2の開閉装置と容器の間の区間や、第1の回路における第1の開閉装置と容器の間の区間が長くなる。よって、第1の回路や第2の回路の膨縮による圧力変化が十分に確保でき、上述の透析液回路側から血液回路側への透析液の供給と、透析器の膜を通じた血液回路側から透析液回路側への液体の排出が適正に行われる。
【0013】
別の観点による本発明は、透析器の膜の一次側に血液を流し、前記透析器の膜の二次側に透析液を流して、前記膜を通じて血液の透析を行う血液透析装置であって、内部を第1の室と第2の室に隔て変位可能な隔壁を有する容器と、前記容器の第1の室の透析液を前記透析器に供給するための膨縮自在な第1の回路と、前記透析器の透析液を前記容器の第2の室に排出するための膨縮自在な第2の回路と、前記第1の回路の開閉を行う第1の開閉装置と、前記第2の回路の開閉を行う第2の開閉装置と、透析液が満たされた前記容器の第1の室の側に前記隔壁を変位させ、前記第1の室の透析液を前記第1の回路を通じて前記透析器に供給し前記透析器の透析液を前記第2の回路を通じて前記第2の室に排出する際に、前記第1の開閉装置により前記第1の回路を開放し、前記第2の開閉装置により前記第2の回路を閉鎖し、続いて前記第2の開閉装置により前記第2の回路を開放する制御装置と、を有する。
【0014】
本発明によれば、容器の隔壁を移動させ透析液を容器から透析器に供給し当該透析器から容器に排出する際に、第1の回路を開放し、一時的に第2の回路を閉鎖するので、透析器の膜の二次側の圧力が上がり、第1の回路の透析液の一部が膜の二次側から一次側に供給される。このとき、隔壁が移動して、少なくとも第2の回路における第2の開閉装置と容器の間の区間は陰圧になるので、膨縮自在な第2の回路の当該区間が収縮する。次に第2の回路を開放することにより、圧力が開放され、第2の回路の上記区間の収縮が元に戻り、その時の吸引力により、透析器の膜の二次側の圧力が下がり、透析器の膜の一次側の液体の一部が二次側に流入する。よって、本発明によれば、新たな装置や部材を取り付けることなく簡単な装置構成で、透析液回路側から血液回路側への透析液の供給と、透析器の膜を通じた血液回路側から透析液回路側への液体の排出を行うことができる。
【0015】
前記血液透析装置において、前記第1の回路には、透析液を前記透析器側に圧送するポンプが設けられていてもよい。
【0016】
別の観点による本発明は、透析器の膜の一次側に血液を流し、前記透析器の膜の二次側に透析液を流して、前記膜を通じて血液の透析を行う血液透析装置であって、内部を第1の室と第2の室に隔て変位可能な隔壁を有する容器と、前記容器の第1の室の透析液を前記透析器に供給するための膨縮自在な第1の回路と、前記透析器の透析液を前記容器の第2の室に排出するための膨縮自在な第2の回路と、前記第1の回路の開閉を行う第1の開閉装置と、前記第2の回路の開閉を行う第2の開閉装置と、透析液が満たされた前記容器の第1の室の側に前記隔壁を変位させ、前記第1の室の透析液を前記第1の回路を通じて前記透析器に供給し前記透析器の透析液を前記第2の回路を通じて前記第2の室に排出する際に、前記第2の開閉装置により前記第2の回路を開放し、前記第1の開閉装置により前記第1の回路を閉鎖し、続いて前記第1の開閉装置により前記第1の回路を開放する制御装置と、を有する。
【0017】
本発明によれば、容器の隔壁を移動させ透析液を容器から透析器に供給し当該透析器から容器に排出する際に、第2の回路を開放し、一時的に第1の回路を閉鎖するので、透析器の膜の二次側の圧力が下がり、透析器の膜の一次側の液体の一部が二次側に流入する。このとき、隔壁が移動して、少なくとも第1の回路における第1の開閉装置と容器の間の区間は陽圧になるので、膨縮自在な第1の回路の当該区間が膨張する。次に第1の回路を開放することにより、圧力が開放され、第1の回路の上記区間の膨張が元に戻り、その時の圧力により、透析器の膜の二次側の圧力が上がり、第1の回路の透析液の一部が膜の二次側から一次側に供給される。よって、本発明によれば、新たな装置や部材を取り付けることなく簡単な装置構成で、透析液回路側から血液回路側への透析液の供給と、透析器の膜を通じた血液回路側から透析液回路側への液体の排出を行うことができる。
【0018】
前記血液透析装置において、前記第2の回路には、透析液を容器側に圧送するポンプが設けられていてもよい。
【0019】
上記血液透析装置は、前記第1の回路と前記第2の回路を接続するバイパス回路と、前記バイパス回路の開閉を行うバイパス開閉装置と、をさらに有し、前記第1の回路と前記第2の回路には、前記バイパス回路との分岐部より前記容器側と前記透析器側にそれぞれ開閉装置が設けられ、前記第1の開閉装置は、前記第1の回路の前記分岐部より前記透析器側に設けられた開閉装置であり、前記第2の開閉装置は、前記第2の回路の前記分岐部より前記透析器側に設けられた開閉装置であってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、簡単な装置構成で、透析液回路側から血液回路側への透析液の供給と、透析器の膜を通じた血液回路側から透析液回路側への液体の排出を行うことができるので、透析処理能力を向上しつつ、装置の複雑化や大型化を防止し、コストの上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】血液透析装置の構成の概略を示す模式図である。
【図2】透析処理時の開閉弁の開閉タイミングを示す説明図である。
【図3】第1の工程の血液透析装置の状態を示す説明図である。
【図4】第2の工程の開始時の血液透析装置の状態を示す説明図である。
【図5】第2の工程の透析液循環時の血液透析装置の状態を示す説明図である。
【図6】他の第2の工程の開始時の血液透析装置の状態を示す説明図である。
【図7】他の第2の工程を有する透析処理時の開閉弁の開閉タイミングを示す説明図 である。
【図8】他の第2の工程の透析液循環時の血液透析装置の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る血液透析装置1の構成の概略を示す説明図である。
【0023】
血液透析装置1は、図1に示すように例えば透析器10に対し血液を循環させる血液回路11と、透析器10に対する透析液の供給と排出を行う透析液回路12を有している。
【0024】
透析器10は、例えば中空糸の膜20を内蔵した中空糸モジュールであり、膜20の一次側10aを通る血液の不要物質を膜20を通じて二次側10bの透析液に取り込んで血液を透析することができる。
【0025】
血液回路11は、例えば患者に穿刺される針部30から透析器10の一次側10aの入口端10cに接続された採血回路31と、透析器10の一次側10aの出口端10dから他の針部32に接続された返血回路33を有している。例えば採血回路31には、ポンプ34が設けられている。
【0026】
透析液回路12は、例えば定量容器40と、第1の回路41と、第2の回路42と、第3の回路43と、第4の回路44を有している。第1の回路41〜第4の回路44は、例えば膨縮性のあるチューブにより構成されている。チューブ材質としては、例えばシリコンチューブが挙げられる。
【0027】
定量容器40は、例えば一定容積の内部を第1の室50と第2の室51に隔てる変位可能な隔壁52を有している。隔壁52は、例えばゴム製のダイアフラムなどにより構成されている。定量容器40は、各室50、51の内圧の変動により隔壁52が変位して各室50、51の容積が変動し、一方の室の容積が大きくなるとその分他方の室の容積が小さくなる。よって、隔壁52が移動して第1の室50から透析器10側に透析液が流出すると、その分量の透析液が透析器10側から第2の室51に流入する。
【0028】
第1の回路41は、第1の室50の透析液を透析器10に供給するためのものであり、第1の室50から透析器10の膜20の二次側10bの入口端10eに通じている。第1の回路41には、透析器10への流路を開閉可能な開閉弁60と、第1の回路41の透析液を透析器10側に圧送するポンプ61と、透析器10への流路を開閉可能な第1の開閉装置としての開閉弁62が設けられている。開閉弁60、ポンプ61及び開閉弁62は、第1の室50側から透析器10側に向けてこの順で設けられている。
【0029】
第2の回路42は、透析器10の透析液を第2の室51に排出するためのものであり、透析器10の二次側10bの出口端10fから第2の室51に通じている。第2の回路42には、第2の室51への流路を開閉する第2の開閉装置としての開閉弁70と、開閉弁71が透析器10側から第2の室51側に向けてこの順で設けられている。
【0030】
第1の回路41と第2の回路42は、バイパス回路80によって接続されている。バイパス回路80は、第1の回路41のポンプ61と開閉弁62との間と、第2の回路42の開閉弁70と開閉弁71との間に接続されている。バイパス回路80には、バイパス開閉弁81が設けられている。このバイパス回路80により、定量容器40の第1の室50から流出した透析液を透析器10に供給せずに第2の室51に戻すことができる。これによって、例えば透析液自体や透析液の供給に異常が生じた場合等に、透析器10への透析液の供給を停止することができる。
【0031】
第3の回路43は、定量容器40の第1の室50に透析液を供給するためのものであり、例えば透析液供給源90から第1の室50に通じている。第3の回路43には、例えばポンプ91と、第1の室50への流路を開閉する開閉弁92が設けられている。
【0032】
第4の回路44は、第2の室51の透析液を装置1の外部に排出するためのものであり、第2の室51から装置1の外部に通じている。第4の回路44には、開閉弁100が設けられている。
【0033】
血液透析装置1の動作は、制御装置120により実行されている。制御装置120は、例えばコンピュータであり、メモリに記憶されたプログラムを実行することによって、ポンプ34、61、91、開閉弁60、62、70、71、81、92、100などの動作を制御して、後述する血液透析装置1の作動方法を実行できる。
【0034】
次に、以上のように構成された血液透析装置1の作動方法を、透析処理のプロセスと共に説明する。図2は、かかる透析処理の各工程における開閉弁60、71、92、100、70の開閉動作を示す説明図である。
【0035】
先ず、血液回路11側では、ポンプ34が作動し、患者の血液が採血回路31を通じて透析器10に供給される。血液は、透析器10の一次側10aを通過し、返血回路33を通じて患者に戻される。
【0036】
透析液回路12側では、先ず定量容器40の第1の室50への新しい透析液の補充と、第2の室51から外部への透析液の排出が行われる(図2に示す第1の工程S1)。具体的には、図3に示すように開閉弁60、71が閉鎖され、開閉弁92、100が開放され、第3の回路43を通じて透析液供給源90から第1の室50に透析液が供給される。なお、このとき、開閉弁70は開放されている。また、不具合により透析器10への透析液の供給を停止する場合など特別な場合を除き、開閉弁62は開放され、バイパス開閉弁81は閉鎖されている。
【0037】
こうして、第1の室50内が新しい透析液で満たされ、定量容器40の隔壁52が第2の室51側に移動する。また、隔壁52が第2の室51側に移動するとともに、予め第2の室51に貯留されていた透析液が、第4の回路44を通じて装置1の外部に排出される。
【0038】
次に、第1の室50から透析器10への透析液の供給と、透析器10から第2の室51への透析液の排出が行われる(図2に示す第2の工程S2)。図4に示すように先ず、開閉弁92、100が閉鎖され、開閉弁60、71が開放され、ポンプ61が作動する。このとき、一次的に開閉弁70が閉鎖される。例えばポンプ61の作動により第1の室50側から透析器10側への圧力が付加され、定量容器40の隔壁52が第1の室50側に移動し、第1の回路41の透析液が透析器10側に圧送される。透析器10側に移動した透析液は、開閉弁70が閉じているので、行き場を失い透析器10の二次側10bの圧力が上昇し、一部が膜20を通じて一次側10aに流出する。また、このとき、隔壁52が移動して、少なくとも第2の回路42の開閉弁70と第2の室51との間の区間42aは陰圧になり、チューブが収縮して、管路容積が小さくなる。
【0039】
直後に図5に示すように開閉弁70が開放され、第2の回路42に透析液が流される。このとき、第2の回路42の開閉弁70と第2の室51との間の収縮していた区間42aのチューブが元に戻り、この際生じる吸引力により、透析器10の二次側10bの圧力が下がり、膜20の一次側10aの血液の不要物質を含む液体が二次側10b側に流入する。この際、二次側10bから一次側10aに流出した透析液とほぼ同量の液体が一次側10aから二次側10bに排出される。これにより、膜20を通る液体の流速が通常よりも高くなるため、例えば血液中のより径の大きな不要物質が膜20を通過し透析液に取り込まれて、透析能力が高くなる。なお、開閉弁70が閉鎖されている時間は、不要物質を含む液体の目標排出量や第2の回路42の区間42aの長さ等に応じて適宜設定される。
【0040】
開閉弁70が開放された後は、引き続きポンプ61により隔壁52が第1の室50側に移動し、第1の室50の透析液が第2の回路42を通じて透析器10の二次側10bに供給される。また、二次側10bを通過した透析液は、第2の回路42を通じて第2の室51に戻される。この透析液の循環時には、一次側10aの血液中の不要物質が膜20を通過して二次側10bの透析液に取り込まれる。隔壁52の移動により、第1の室50の容積が減少した分、第2の室51の容積が増大するので、第1の室50から供給された透析液の量と、第2の室51に排出された透析液の量が同じになる。また、透析器10において取り込んで増えた不要物質分の透析液は、例えば第2の回路42に接続された図示しない分岐路から外部に排出される。
【0041】
その後、再び図3に示すように開閉弁60、71が閉鎖され、開閉弁92、100が開放され、上述のように透析液供給源90から第1の室50に透析液が供給され、第2の室51の透析液が外部に排出される(第1の工程S1)。その後、図4及び図5に示したように第1の室50から透析器10への透析液の供給と透析器10から第2の室51への透析液の排出が行われる(第2の工程S2)。この開始時に開閉弁70が一時的に閉じられ、透析器10の膜20を通じた二次側10bから一次側10aへの透析液の供給と一次側10aから二次側10bへの液体の排出が行われる。
【0042】
こうして、第1の工程S1と第2の工程S2が交互に繰り返され、患者の透析処理が行われる。なお、第2の工程S2において、開始時に開閉弁70を閉じる工程は毎回行う必要がなく、その回数は適宜設定される。
【0043】
以上の実施の形態によれば、定量容器40の隔壁52を移動させ透析液を第1の室50から透析器10に供給し透析器10から第2の室51に排出する際に、第1の回路41を開放し、一時的に第2の回路42を閉鎖するので、透析器10の膜20の二次側10bの圧力が上がり、第1の回路41の透析液の一部が膜20の二次側10bから一次側10aに供給される。このとき、隔壁52が移動して、少なくとも第2の回路42の開閉弁70と定量容器40の間の区間42aは陰圧になるので、膨縮自在な第2の回路42の区間42aが収縮する。なお、このとき、第1の回路41のポンプ61と第1の室50との間の区間も陰圧になり収縮している可能性もあるが、これはいずれであってもよい。次に第2の回路42を開放することにより、圧力が開放され、第2の回路42の区間42aの収縮が元に戻り、その時の吸引力により、透析器10の膜20の二次側10bの圧力が下がり、透析器10の膜20の一次側10aの液体の一部が二次側10bに流入する。よって、本実施の形態によれば、新たな装置や部材を取り付けることなく簡単な装置構成で、透析液回路12側から血液回路11側への透析液の供給と、透析器10の膜20を通じた血液回路11側から透析液回路12側への液体の排出を行うことができる。これにより、透析処理能力を向上しつつ、装置の複雑化や大型化を防止し、コストの上昇を抑えることができる。
【0044】
上記実施の形態では、透析液を透析器10に供給する第2の工程S2の際に、第1の回路41に設けられたポンプ61により、透析液を透析器10側に圧送するようにしている。このように第1の回路41側のポンプ61により透析液が圧送されるので、第2の回路42の開閉弁70と第2の室51の間の区間42aに陰圧が適切に生成される。
【0045】
また、上記実施の形態では、透析液回路12にバイパス回路80、バイパス開閉弁81が設けられ、第1の回路41と第2の回路42に、バイパス回路80との分岐部より透析器10側に開閉弁70、62が設けられているので、透析液に不具合があった場合などに第1の室50から流出された透析液を透析器10に供給せずに第2の室51に戻すことができる。また、第2の工程S2の開始時に、透析液回路12側から血液回路11側への透析液の供給と、透析器10の膜20を通じた血液回路11側から透析液回路12側への液体の排出を行う際に、透析器10側に近い開閉弁70が一時的に閉じられるので、閉鎖される第2の回路42の開閉弁70と第2の室51との間の区間42aが長くなる。よって、第2の回路42の区間42aの膨縮による圧力変化が十分に確保でき、上述の透析液回路12側から血液回路11側への透析液の供給と、透析器10の膜20通じた血液回路11側から透析液回路12側への液体の排出が適正に行われる。
【0046】
以上の実施の形態では、第2の工程S2の開始時に、第2の回路42側の開閉弁70を一時的に閉鎖していたが、第1の回路41の開閉弁62を一時的に閉鎖してもよい。かかる場合、例えば図6に示すように第2の回路42側にポンプ61を設けるのが好ましい。ポンプ61は、例えば開閉弁70と開閉弁71との間に設けられる。なお、本実施の形態における血液透析装置1の他の構成は、上記実施の形態と同様であるので、同じ符号を用いて説明を省略する。図7には、この実施の形態における透析処理の各工程における開閉弁60、71、92、100、62の開閉動作を示す説明図である。
【0047】
第2の工程S2の開始時には、図6に示すように開閉弁62が閉鎖され、開閉弁60、70、71が開放された状態で、ポンプ61が作動する。ポンプ61の作動により透析器10側から第2の室51側への圧力が付加され、定量容器40の隔壁52が第1の室50側に移動し、第2の回路42の透析液が第2の室51側に圧送される。このとき、開閉弁62が閉じているので、透析器10の二次側10bの圧力が下がり、膜20の一次側10aの血液の不要物質を含む液体が二次側10b側に流入する。これにより、膜20を通る液体の流速が通常よりも高くなるため、例えば血液中のより径の大きな不要物質が膜20を通過し透析液に取り込まれて、透析能力が高くなる。また、このとき、隔壁52が移動して、少なくとも第1の回路41の開閉弁62と第1の室50との間の区間41aが陽圧になり、チューブが膨張して、管路容積が大きくなる。なお、ポンプ61の出口側の第2の回路42のポンプ61と第2の室51との間の区間も陽圧になり膨張している可能性もあるが、これはいずれであってもよい。
【0048】
直後に図7に示すように開閉弁62が開放され、第1の回路41に透析液が流される。このとき、膨張していた区間41aのチューブが元に戻り、この際生じる圧力により、透析器10の二次側10bの圧力が上がり、透析液の一部が膜20を通じて一次側10aに流出する。この際、一次側10aから二次側10bに流入した液体とほぼ同量の透析液が二次側10bから一次側10aに流出する。
【0049】
開閉弁62が開放された後は、上記実施の形態と同様に第1の室50から透析器10への透析液の供給と、透析器10から第2の室51への透析液の排出が行われる。
【0050】
かかる実施の形態においても、新たな装置や部材を取り付けることなく簡単な装置構成で、透析液回路12側から血液回路11側への透析液の供給と、透析器10の膜20を通じた血液回路11側から透析液回路12側への液体の排出を行うことができる。これにより、透析処理能力を向上しつつ、装置の複雑化や大型化を防止し、コストの上昇を抑えることができる。
【0051】
また、透析液を透析器10に供給する第2の工程S2の際に、第2の回路42に設けられたポンプ61により、透析液を定量容器40側に圧送するようにしている。このように第2の回路42側のポンプ61により透析液が圧送されるので、第1の回路41の開閉弁62と第1の室50の間の区間41aに陽圧が適切に生成される。
【0052】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0053】
例えば以上の実施の形態では、第2の工程S2の開始時に第2の回路42の開閉弁70又は第1の回路41の開閉弁62を一時的に閉鎖していたが、それに代えて第2の開閉装置として第2の回路42の開閉弁71、第1の開閉装置として第1の回路41の開閉弁60をそれぞれ閉鎖してもよい。また、以上の実施の形態は、第1の回路41、第2の回路42にそれぞれ二つの開閉弁が設けられている例であったが、その数が二つ以外の場合にも本発明は適用できる。また、開閉弁に限られず他の開閉装置であってもよい。
【0054】
また、以上の実施の形態では、ポンプ61により透析液を圧送していたが、他の手段で透析液を圧送する場合にも本発明は適用できる。例えば定量容器40の隔壁52を他の駆動源により駆動させたり、隔壁52に第1の室50側への付勢力を持たせて第1の室50が透析液で充填された後自動的に隔壁52が第1の室50側に移動するようにしてもよい。
【0055】
また、以上の実施の形態では、定量容器40が一つであったが、二つある場合にも本発明は適用できる。かかる場合、各定量容器40は、それぞれの第1の回路41と第2の回路42によって透析器10に対して並列的に接続されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、簡単な装置構成で、透析液回路側から血液回路側への透析液の供給と、透析器の膜を通じた血液回路側から透析液回路側への液体の排出を行う際に有用である。
【符号の説明】
【0057】
1 血液透析装置
10 透析器
10a 一次側
10b 二次側
20 膜
11 血液回路
12 透析液回路
40 定量容器
41 第1の回路
42 第2の回路
43 第3の回路
44 第4の回路
50 第1の室
51 第2の室
52 隔壁
60、62、70、71、92、100 開閉弁
34、61、91 ポンプ
80 バイパス回路
81 パイパス開閉弁
120 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透析器の膜の一次側に血液を流し、前記透析器の膜の二次側に透析液を流して、前記膜を通じて血液の透析を行う血液透析装置の作動方法であって、
前記血液透析装置は、
内部を第1の室と第2の室に隔て変位可能な隔壁を有する容器と、
前記容器の第1の室の透析液を前記透析器に供給するための膨縮自在な第1の回路と、
前記透析器の透析液を前記容器の第2の室に排出するための膨縮自在な第2の回路と、
前記第1の回路の開閉を行う第1の開閉装置と、
前記第2の回路の開閉を行う第2の開閉装置と、を有しており、
透析液が満たされた前記容器の第1の室の側に前記隔壁を変位させ、前記第1の室の透析液を前記第1の回路を通じて前記透析器に供給し前記透析器の透析液を前記第2の回路を通じて前記第2の室に排出する際に、前記第1の開閉装置により前記第1の回路を開放し、前記第2の開閉装置により前記第2の回路を閉鎖し、続いて前記第2の開閉装置により前記第2の回路を開放する制御装置が作動する、血液透析装置の作動方法。
【請求項2】
前記透析液を前記透析器に供給する際に、前記第1の回路に設けられたポンプにより、透析液を前記透析器側に圧送する、請求項1に記載の血液透析装置の作動方法。
【請求項3】
透析器の膜の一次側に血液を流し、前記透析器の膜の二次側に透析液を流して、前記膜を通じて血液の透析を行う血液透析装置の作動方法であって、
前記血液透析装置は、
内部を第1の室と第2の室に隔て変位可能な隔壁を有する容器と、
前記容器の第1の室の透析液を前記透析器に供給するための膨縮自在な第1の回路と、
前記透析器の透析液を前記容器の第2の室に排出するための膨縮自在な第2の回路と、
前記第1の回路の開閉を行う第1の開閉装置と、
前記第2の回路の開閉を行う第2の開閉装置と、を有しており、
透析液が満たされた前記容器の第1の室の側に前記隔壁を変位させ、前記第1の室の透析液を前記第1の回路を通じて前記透析器に供給し前記透析器の透析液を前記第2の回路を通じて前記第2の室に排出する際に、前記第2の開閉装置により前記第2の回路を開放し、前記第1の開閉装置により前記第1の回路を閉鎖し、続いて前記第1の開閉装置により前記第1の回路を開放する制御装置が作動する、血液透析装置の作動方法。
【請求項4】
前記透析液を前記透析器に供給する際に、前記第2の回路に設けられたポンプにより、透析液を容器側に圧送する、請求項3に記載の血液透析装置の作動方法。
【請求項5】
前記血液透析装置は、
前記第1の回路と前記第2の回路を接続するバイパス回路と、
前記バイパス回路の開閉を行うバイパス開閉装置と、をさらに有し、
前記第1の回路と前記第2の回路には、前記バイパス回路との分岐部より前記容器側と前記透析器側にそれぞれ開閉装置が設けられ、
前記第1の開閉装置は、前記第1の回路の前記分岐部より前記透析器側に設けられた開閉装置であり、
前記第2の開閉装置は、前記第2の回路の前記分岐部より前記透析器側に設けられた開閉装置である、請求項1〜4のいずれかに記載の血液透析装置の作動方法。
【請求項6】
透析器の膜の一次側に血液を流し、前記透析器の膜の二次側に透析液を流して、前記膜を通じて血液の透析を行う血液透析装置であって、
内部を第1の室と第2の室に隔て変位可能な隔壁を有する容器と、
前記容器の第1の室の透析液を前記透析器に供給するための膨縮自在な第1の回路と、
前記透析器の透析液を前記容器の第2の室に排出するための膨縮自在な第2の回路と、
前記第1の回路の開閉を行う第1の開閉装置と、
前記第2の回路の開閉を行う第2の開閉装置と、
透析液が満たされた前記容器の第1の室の側に前記隔壁を変位させ、前記第1の室の透析液を前記第1の回路を通じて前記透析器に供給し前記透析器の透析液を前記第2の回路を通じて前記第2の室に排出する際に、前記第1の開閉装置により前記第1の回路を開放し、前記第2の開閉装置により前記第2の回路を閉鎖し、続いて前記第2の開閉装置により前記第2の回路を開放する制御装置と、を有する、血液透析装置。
【請求項7】
前記第1の回路には、透析液を前記透析器側に圧送するポンプが設けられている、請求項6に記載の血液透析装置。
【請求項8】
透析器の膜の一次側に血液を流し、前記透析器の膜の二次側に透析液を流して、前記膜を通じて血液の透析を行う血液透析装置であって、
内部を第1の室と第2の室に隔て変位可能な隔壁を有する容器と、
前記容器の第1の室の透析液を前記透析器に供給するための膨縮自在な第1の回路と、
前記透析器の透析液を前記容器の第2の室に排出するための膨縮自在な第2の回路と、
前記第1の回路の開閉を行う第1の開閉装置と、
前記第2の回路の開閉を行う第2の開閉装置と、
透析液が満たされた前記容器の第1の室の側に前記隔壁を変位させ、前記第1の室の透析液を前記第1の回路を通じて前記透析器に供給し前記透析器の透析液を前記第2の回路を通じて前記第2の室に排出する際に、前記第2の開閉装置により前記第2の回路を開放し、前記第1の開閉装置により前記第1の回路を閉鎖し、続いて前記第1の開閉装置により前記第1の回路を開放する制御装置と、を有する、血液透析装置。
【請求項9】
前記第2の回路には、透析液を容器側に圧送するポンプが設けられている、請求項8に記載の血液透析装置。
【請求項10】
前記第1の回路と前記第2の回路を接続するバイパス回路と、
前記バイパス回路の開閉を行うバイパス開閉装置と、をさらに有し、
前記第1の回路と前記第2の回路には、前記バイパス回路との分岐部より前記容器側と前記透析器側にそれぞれ開閉装置が設けられ、
前記第1の開閉装置は、前記第1の回路の前記分岐部より前記透析器側に設けられた開閉装置であり、
前記第2の開閉装置は、前記第2の回路の前記分岐部より前記透析器側に設けられた開閉装置である、請求項6〜9のいずれかに記載の血液透析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−200312(P2011−200312A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68462(P2010−68462)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000116806)旭化成クラレメディカル株式会社 (133)
【出願人】(000138037)株式会社メテク (11)
【Fターム(参考)】