説明

血管新生のための迅速invivoモデル

血管新生の動物モデルについて記載する。新生血管は増殖因子を含む増殖マトリックスによって支持される。新生血管は、これらの血管を形成する細胞内で選択的に発現される蛍光タンパク質で標識される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願の参照
本出願は、米国特許法35 U.S.C. § 119(e)にしたがって、米国特許出願第60/848,001号(2006年9月27日受理)および米国特許出願第60/851,601号(2006年10月12日受理)に基づく優先権を主張し、これらを参照として、本明細書に組み入れる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究に基づく発明に対する権利の主張
本研究はNational Institutes of Health、American Cancer SocietyおよびNational Cancer Instituteからの助成金によって支援を受けた。アメリカ合衆国政府は本発明について一定の権利を有する。
【0003】
技術分野
本発明は、生理学的現象を研究するため、ならびにこれらをモジュレートするように設計された薬物およびプロトコルの有効性を判定するためのモデル系に関する。特に、本発明は、血管新生を評価するため、およびその成長に対する各種薬物の影響を評価するために使用することができる動物モデルに関する。
【背景技術】
【0004】
血管新生、血流、血管内の腫瘍細胞輸送、および血管外遊出は、腫瘍成長、進行、および転移の重要なステップであり、したがって広範な薬物探索計画の標的である。抗血管新生物質の発見および評価は、これまで、絨毛尿膜アッセイ、サル虹彩新血管形成モデル、ディスク(disc)血管新生アッセイ、および血管成長を評価するための角膜を使用する各種のモデルなどのin vivo方法に頼ってきた。これらのモデルは、血管成長およびその抑制の機構を理解するために重要な役割を果たしてきた。
【0005】
ヒト腫瘍血管新生の画像化のための新規トランスジェニックヌードマウスが、本研究室で開発された。幹細胞マーカーであるネスチンは新生血管内で発現されるが、このトランスジェニックマウス中で、ネスチンの調節エレメントが緑色蛍光タンパク質を駆動し(ND GFP)、新生血管がそのGFP発現によって可視化されることが可能になる。赤色蛍光タンパク質(RFP)を発現する多くのヒトおよびげっ歯類癌細胞系をこのND-GFPヌードマウス中に埋め込み、広範囲に増殖させた。ND-GFPは増殖中の内皮細胞内で高度に発現された。増殖中の腫瘍内の新生血管を二色蛍光画像化によって可視化した(Amoh, Y.ら、Cancer Res. (2005) 65:5352 5357)。B16F10-RFPマウスメラノーマを移植したND-GFPマウス中での新たな腫瘍血管新生および腫瘍増殖を、ドキソルビシンが抑制することが示された(Amoh, Y.ら(同上) 2337-2343)。
【0006】
その上、RFPを発現するMIA PaCa-2ヒト膵癌を同所移植したND-GFPトランスジェニックヌードマウス中の原発腫瘍血管新生を、二色画像化によって可視化した。ゲムシタビンがこの腫瘍内の平均新生血管密度を有意に減少させ、また腫瘍体積も減少させた。これらの結果から、ゲムシタビンが膵癌中の血管新生および腫瘍成長の抑制剤であることが初めて証明された(Amoh, Y.ら、J. Surg. Res. (2006) 132:164-169)。別の研究において、ND-GFPトランスジェニックヌードマウス中のXPA-1-RFPヒト膵癌の肝転移癌の血管新生を、二色蛍光画像化によって可視化した。ND-GFPは、増殖中の肝転移癌内の増殖内皮細胞および新生血管で高度に発現された。肝転移癌中の新生血管の密度は、ND-GFP発現によって容易に定量された。ゲムシタビンは肝転移癌中の平均新生血管密度を有意に減少させた(Amoh, Y.ら、Anticancer Res. (印刷中))。
【0007】
新血管形成を観察するのに有用な、ネスチン由来の制御系の制御下で蛍光タンパク質が発現される、トランスジェニック動物についての説明が、PCT公開公報WO 2005/042715号(2005年5月12日公開)にも記載されている。これを参照として本明細書中に組み入れる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は上記の血管新生検出系の改良を提供する。この方法では、ネスチン由来の制御配列の制御下で蛍光タンパク質を産生するトランスジェニック動物の皮下に埋め込まれた、薬物送達マトリックス中に、新血管形成を促進する適切な増殖因子を供給することによって、腫瘍の移植とは無関係に、血管新生を測定することができる。その後、増殖マトリックス挿入物中の新たな血管の存在を、蛍光顕微鏡法によって直接観察することができる。増殖因子を欠如している対照マトリックスを同一の動物に埋め込んで、新血管形成に及ぼす各種の薬物およびプロトコルの影響を観察することもできる。
【0009】
本発明は、宿主動物が免疫抑制状態にある必要がないので、血管新生の腫瘍モデルに比較して有利である。(蛍光タンパク質自体以外は)異種生体物質を導入する必要がないので、免疫正常被験体を使用することができる。マトリックスの適正な選択によって、免疫応答を誘発しないマトリックスを利用することができる。
【0010】
こうして、一態様において、本発明はトランスジェニック動物中の新血管形成を観察するための方法であって、
この動物の皮下組織に埋め込まれた増殖マトリックス内の、蛍光標識された細胞によって形成される蛍光標識された新生血管の存在、不在またはその量を、蛍光顕微鏡法によって直接観察するステップを含み、
この蛍光は前記細胞内で産生された蛍光タンパク質から発生するものである、
上記方法に関する。
【0011】
一実施形態において、この蛍光タンパク質の発現は、ネスチン制御エレメントによって制御される。新血管形成の量は、新生血管の長さを測定することによって、定量することができる。典型的には、増殖因子を含む増殖マトリックスを利用し、同時に比較のため、同一の動物に埋め込まれた対照薬物送達用マトリックスを利用する。
【0012】
別の態様において、本発明は、血管新生のためのトランスジェニック動物モデルに関し、この動物モデルは、新生血管形成性細胞内で蛍光タンパク質を発現するように改変され、さらに皮下組織に埋め込まれた1以上のマトリックスを含み、そのマトリックスの少なくとも1つが血管新生を促進する少なくとも1種の増殖因子を含む。一実施形態において、蛍光タンパク質の発現はネスチン由来の制御エレメントの制御下にある。
【0013】
別の態様において、本発明は血管新生をモジュレートする薬物またはプロトコルを同定するための方法であって、上記の動物モデルにその薬物を投与またはそのプロトコルを適用するステップ、その薬物またはプロトコルの不在に比較した、その存在下における血管新生の存在、不在、または量に対するその薬物またはプロトコルの効果を観察し、それによって血管新生をモジュレートする薬物またはプロトコルを同定するステップを含む方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】全プロセスの1例を図式的に示す。この図の最初の部分に示すように、Gelfoam(登録商標)を、ネスチンの第2イントロンエンハンサーの制御下に、緑色蛍光タンパク質のヌクレオチド配列を含有するように改変されたマウス(ND-GFPトランスジェニックマウス)の、脇腹内の皮下組織に移植する。この移植の7日後、既存の血管と融合したGelfoam(登録商標)を含有する皮弁を作製する。皮弁内のGelfoam(登録商標)を蛍光顕微鏡法によって直接測定する。
【図2】各種条件下で観察した血管新生の比較を示す。図2aは、Gelfoam(登録商標)が塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を含有する場合の、埋め込まれたGelfoam(登録商標)中の血管新生を示す。図2bは、bFGFを含有しない対照Gelfoam(登録商標)中の血管新生の欠如を示す。図2cは、bFGFを含有するGelfoam(登録商標)中の血管新生に対するドキソルビシンの影響を示す。図2dは、bFGFを含有せず、かつドキソルビシンで処置した対照中の血管新生の欠如を示す、別の対照である。
【図3】凍結させた血管形成Gelfoam(登録商標)の組織化学用切片中の蛍光と、内皮細胞マーカーCD31との相関関係を示す。図3aは蛍光によって決定した血管の分布を示し、図3bはCD31の分布を示す。
【図4】各種成分を含有するGelfoam(登録商標)の埋め込みと、そのマウスへのドキソルビシンの投与又は非投与の後7日目の平均新生血管の長さmm/mm2の比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、新血管系の形成に対するあらゆる薬物またはプロトコルの影響を測定するための便宜的で効果的なモデルを提供する。本明細書に記載するモデルは、腫瘍形成および増殖を伴う血管新生に依存するよりもむしろ、人工マトリックス内で血管新生を明瞭に誘発するので、薬物またはプロトコルが血管新生に対して特異的に及ぼす影響を判定することができ、そして有効なプロトコルおよび薬物を同定することができる。このモデルは免疫抑制されているものがよいが、必ずしもそうでなくてもよい。その1つが、新生血管の形成に関与する内皮細胞中で蛍光タンパク質を産生する、トランスジェニック動物である。これらの細胞中の発現は、蛍光タンパク質をコードするヌクレオチド配列を、組織選択的プロモーターまたは別の組織選択的制御配列の制御下に置くことによって、達成することができる。本発明で特に有用なのは、ネスチン由来の制御配列であるが、内皮、またはその他の血管形成性細胞のその他の制御配列も、使用することができる。これによって、そのトランスジェニック動物は、適切な血管形成性細胞内で蛍光タンパク質を選択的に産生するようになる。しかし、その特異性は完全なものである必要はない。なぜならば新生血管は、バックグラウンド「ノイズ」をもたらさない、中立の(neutral)マトリックス中に増殖していくからである。
【0016】
動物モデルは、この目的のために有用な任意の種でよいが、典型的には哺乳動物であり、例えばラットもしくはマウスなどのげっ歯類、ウサギ、霊長類、またはその他の好適な被験体などである。
【0017】
新血管系は、Gelfoam(登録商標)(Upjohn)などの合成マトリックスに侵入するようになる。本明細書ではGelfoam(登録商標)で説明しているが、MatrigelTM(BD Biosciences)などのその他のマトリックスを使用することもできる。マトリックスは新血管形成を支持するために十分に多孔質であればよく、またこれが皮下組織内で限局的に増殖因子を供給することができるだけの保持力があればよい。本発明では多様なマトリックスが有用である。マトリックスは、新血管系のための足場として、そして血管新生を促進することが知られている増殖因子の供給源としての両方の役割を持つ。典型的には、動物モデルには増殖因子を含有するマトリックスと、こうした増殖因子を欠如している対照マトリックスの両方を埋め込む。対照マトリックス中では、典型的には、新血管系はあるとしても、わずかしか観察されない。埋め込まれるマトリックスのブロックのサイズは、動物モデルの性質によって決められる。例えばマウスについては、典型的には、一辺が2〜6 mmのシートを使用する。大きい動物については、より大きいシートを利用する。シートの厚さは1〜3 mm程度である。シートは皮弁の中に納まるような寸法にすべきである。
【0018】
好適な増殖因子として、以下が含まれる: アンジオゲニン、アンジオポエチン1、Del-1、線維芽細胞増殖因子(酸性(aFGF)および塩基性(bFGF))、ホリスタチン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、肝細胞増殖因子(HPGF)もしくは散乱因子(SF)、インターロイキン8、レプチン、胎盤増殖因子、血小板由来内皮増殖因子(PDEGF)、血小板由来増殖因子BB(PDGF-BB)、プレイオトロピン(PTN)、プロリフェリン、トランスフォーミング増殖因子-α(TGF-α)もしくはβ(TGF-β)、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、血管内皮増殖因子(VEGF)、ならびにプログラニュリン。いくつかの実施形態では、特に酸性もしくは塩基性FGF、VEGF、およびPDEGFを使用する。
【0019】
内皮細胞の標識については、十分な輝度を持つ任意の蛍光タンパク質を使用することができる。本明細書では緑色蛍光タンパク質について説明しているが、赤色、黄色および青色などの他の色の蛍光を使用することもできる。必要ならば、蛍光タンパク質を、宿主に適合性になるように、改変してもよい。
【0020】
典型的な実験中、動物の一方の脇腹に、増殖因子で処理した増殖マトリックスの小片を、そして他方の脇腹に、増殖因子を欠如しているマトリックスの別の一片を、皮下に埋め込む。好適な時間の後、典型的には数日後、しかし典型的な実施形態では4時間後から2週間後まで適宜選択して、マトリックスを含有する皮弁を露出させて、蛍光顕微鏡を使用して評価する。新血管系は蛍光として直接目に見える。
【0021】
薬物またはプロトコルの効果は、その後、そのプロトコルを適用した動物中で観察される血管新生を、同様に構築し、この処理を欠落させた動物との比較として、比較することによって、評価することができる。このようにして、薬物投与またはプロトコル適用のどんな好適な方法によっても評価することができる。
【0022】
従来の血管新生モデルの多くは腫瘍モデルであり、これはその腫瘍の宿主が重篤に免疫抑制されるか、またはその腫瘍の同系である必要がある。この合成増殖マトリックスは免疫応答を誘発せず、また蛍光タンパク質はこうした応答を誘発しないか、または免疫透過性(immunotransparent)になるように改変することができるので、本発明のモデルを使用するために、上記の制約は必要とされない。これによって、より実際的な結果とより好都合な分析が可能になる。以下の実施例ではヌードマウスを使用するが、本アッセイでは免疫抑制動物を使用することが必須ではない。
【0023】
「合成マトリックス」とは、モノマーもしくはその他の要素からde novo合成したマトリックス、または生体系から単離されたマトリックスのいずれかを意味するが、ただし腫瘍ではないものである。例えば、代表例のGelfoamはブタゼラチンに由来するものである。
【0024】
以下の実施例は、説明のために提供するが、本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0025】
血管新生に対するドキソルビシンの効果
内皮細胞中で緑色蛍光タンパク質(GFP)を産生するトランスジェニックC57/B6ヌードマウスを使用した。これらのトランスジェニックマウス(6〜8週齢)をトリブロモエタノールで麻酔した。Gelfoam(登録商標)(Pharmacia & Upjohn company, Kalamazoo, MI)ブロック(5 x 5 mm)を、RPMI 1640培地(Cellgro, Herndon, VA)75μl中の塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)(Chemicon, Temecula, CA)300 ngで処理するか、又は処理しないかのいずれかとした。トランスジェニックマウスの両脇腹の皮下組織に、これらのGelfoam(登録商標)ブロックのうち、一方の脇腹には処理したブロックを、他方には非処理ブロックを、移植した。Gelfoam(登録商標)の移植後0、1、および2日目に、マウスの1グループにはドキソルビシン5μg/gのip注射を毎日、そして別のグループには0.9%NaCl溶液(ベヒクル対照)を注射した。7日目に麻酔下で皮弁を作製した。in vivo蛍光顕微鏡画像化によって皮弁内の蛍光新生血管の長さを測定することによって、血管新生を定量した。
【0026】
水銀ランプと50-W出力を備えたLeica蛍光ステレオ顕微鏡モデルLZ12を使用した。D425/60バンドパスフィルターおよび470 DCXRダイクロイックミラーを介して、GFPの選択励起を生成させた。放出された蛍光を、Hamamatsu C5810 3チップ冷却カラーCCDカメラ(Hamamatsu Photonics, Bridgewater, NJ)のロングパスフィルター(GG475; Chroma Technology, Brattleboro, VT)によって収集した。IMAGE PRO PLUS 3.1ソフトウェア(Media Cybernetics, Silver Spring, MD)を使用して、画像をコントラストおよび明度について処理し、分析した。1024 x 724ピクセルの高解像度画像をIBM PC上で直接、または高解像度Sony VCR(モデル SLVR1000; Sony, Tokyo)のビデオ出力によって連続的に、捕捉した。
【0027】
血管形成したGelfoam(登録商標)の凍結切片中の蛍光新血管系とCD31の同時局在化を、抗ラットイムノグロブリン西洋ワサビペルオキシダーゼ検出キット(BD Pharmingen, San Diego, CA)により、製造業者の指示にしたがって、検出した。一次抗体は抗CD31 mAb(1:50; Chemicon, Temecula, CA)とした。抗原の染色には、発色基質の3,3'-ジアミノベンジジン染色を使用した。
【0028】
実験データを平均±SDで表す。両側スチューデントt検定を使用して、統計的分析を実施した。
【0029】
図2に結果の比較を示す。図2a〜2dの横棒は長さ500μmを表している。図2aに示すように、対照(0.9%NaCl)溶液を与えたマウスのbFGF含有Gelfoam(登録商標)パッチでは、新血管系の大きな複合体が形成される。これらのマウス中でも、bFGFを含有しないGelfoam(登録商標)では、有意な新血管系は観察されなかった(図2b)。図2cに示すように、ドキソルビシンを投与したマウスでは、bFGF処理したフォーム中での新血管系が著しく減少し、bFGFを含有しないフォーム中では血管新生が観察できなかった。
【0030】
図4は、図2に示した結果のグラフによる表現である。新生血管の長さの平均(mm/mm2)は、対照として塩化ナトリウムを投与したマウス中のbFGFを含有するGelfoam(登録商標)パッチではほぼ6であり、これらのマウスでは、この処理をしなかったGelfoam(登録商標)中でもいくらかの血管新生が存在することがわかった。ドキソルビシンを投与したマウスでは、bFGFで処理したGelfoam(登録商標)中で、血管新生の程度が、塩化ナトリウムで処置したマウス中の非処理Gelfoam(登録商標)中よりも低下した。
【0031】
図3は、蛍光血管と内皮細胞マーカーであるCD31の発現との間の相関性を示している。図3では、横棒は100μmを表している。bFGFで処理したGelfoam(登録商標)から7日目に、凍結切片を作製した。図3aは、蛍光によって判定した新しい血管の分布を示し、図3bは、CD31の分布を示している。血管の分布はCD31の分布と実質的に同一である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新生血管形成性細胞内で蛍光タンパク質を発現するように改変された動物を含むモデルであって、その皮下組織に埋め込まれた1種以上の増殖マトリックスユニットをさらに含む、血管新生のためのトランスジェニック動物モデル。
【請求項2】
蛍光タンパク質が、ネスチン由来の制御配列の制御下にあるコードヌクレオチド配列から産生される、請求項1に記載の動物モデル。
【請求項3】
少なくとも1種の増殖マトリックスユニットが血管新生のための増殖因子を含有する、請求項1に記載の動物モデル。
【請求項4】
増殖因子で処理しない少なくとも1種の増殖マトリックスユニットをさらに含む、請求項3に記載の動物モデル。
【請求項5】
増殖因子がVEGFまたはbFGFである、請求項3に記載の動物モデル。
【請求項6】
増殖マトリックスユニットが皮弁内に含まれている、請求項1に記載の動物モデル。
【請求項7】
増殖マトリックスユニットがコラーゲンゲルである、請求項1に記載の動物モデル。
【請求項8】
血管新生をモジュレートする薬物またはプロトコルを同定するための方法であって、請求項3に記載の動物モデルに該薬物を投与またはプロトコルを適用するステップ、該薬物投与またはプロトコル適用をしなかった対照動物モデル内の血管新生の程度と比較するステップを含む方法。
【請求項9】
トランスジェニック動物中の新血管形成を観察するための方法であって、該動物の皮下組織に埋め込まれた増殖マトリックス内の、蛍光標識された細胞によって形成される蛍光標識された新生血管の存在、不在またはその量を、蛍光顕微鏡法によって直接観察するステップを含み、前記蛍光が前記細胞内で発現された蛍光タンパク質から発生するものであり、そして前記増殖マトリックスが血管新生のための増殖因子を含む、上記方法。
【請求項10】
新血管形成を、新生血管の長さを測定することによって定量する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
蛍光タンパク質の産生がネスチン由来の制御エレメントによって制御される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
増殖マトリックスがコラーゲンゲルである、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
増殖因子を含む増殖マトリックス内の新生血管の量を、増殖因子を含有しない対照増殖マトリックス内で観察される新生血管の量と比較するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
観察ステップを蛍光顕微鏡法によって行う、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
増殖マトリックスが皮弁内に含まれている、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−504761(P2010−504761A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530604(P2009−530604)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/079753
【国際公開番号】WO2008/039932
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(502326772)アンチキャンサー インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】