血管用除外カテーテル
流体制御装置(10)が体内導管内に配置されるようになっており、流体制御装置は、体内導管内の体液の流れを制御する。スリーブ(60)が、体液の流れを容易にする流路を構成する第1の表面及び流路から密閉された除外チャンバを構成する第2の表面を有する分離壁を備えている。種々の拡張器(46,48)が、密封体を流体制御装置の挿入を容易にするロープロフィール状態と流路及び除外チャンバ(67)を構成するハイプロフィール状態との間で移動させる特性を有する。拡張器(46,48)は、骨格構造のもの、膨らまし可能なもの又は多孔性のものであるのがよい。かかる流体制御装置と関連した方法は、拡張組立体を拡張させて壁を挿入可能なロープロフィール状態から壁が流路及び除外キャビティを構成するハイプロフィール状態に移動させる段階を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、体内導管内の流れを少なくとも部分的に止める装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
体内導管は一般に、体内の或る1つの場所から体内の別の場所への流体の流れを可能にする。これら流体導管の代表例は、心臓と体内の器官との間での血液の流れをもたらす血管系を構成する動脈及び静脈である。特定の処置において血管に接近することが必要な場合、流体の流れは、接近穴を通して導管から流れ出ることが予想可能である。この結果、流体、例えば血液が失われるだけでなく、流体が全体的な手術環境に侵入する。冠動脈バイパス移植(CABG)術において、このような一つの処置では、伏在静脈を下肢から摘出し、その静脈を上行静脈に連結することが望ましい。
【0003】
従来、外科医は、導管又は血管を通る血液の流れを止めるために閉塞カテーテルを用いていた。このカテーテルは、膨らまされると、血管内の血液の流れを完全に止める球形バルーンを備えるものであった。特に、血管の場合、これは望ましくない。というのは、血液の中断することのない流れが身体の組織を維持するうえで必要だからである。
完全閉塞を避けるため、血液を手術部位の上流側で完全に除き、手術部位の下流側に導入する別の処置が開発された。“オン・ポンプ:on-pump (体外循環心停止下)”冠動脈バイパス移植(OPCABG)術と通称されているこの処置では、連続した妨げられない心拍動がある。それにもかかわらず、この処置では、有用な近位吻合部を形成するために大動脈切除術からの血液の流れの管理が必要である。この理由は、多くのCAPD処置が依然として“オフ・ポンプ:off-pump(心拍動下)”で実行されるからである。
【0004】
現在、大動脈切除術から血液の流れの管理を達成するための外科医の主要なツールは、部分閉塞クランプ(Partial Occluding Clamp )である。これら“オフ・ポンプ:off-pump”処置では、部分閉塞クランプは、導管又は血管に外部から係合し、それにより血管の僅かな部分を目下の流体の流れから隔離するために用いられる場合が多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
部分閉塞クランプは使用法が比較的簡単であるが、多くの人により外傷性が非常に高いと考えられている。その使用法は、局所的結果と全身的な結果の両方において、二次的合併症、例えばプラークの破壊及びその結果としての一時的虚血性発作又は大脳血管事故を引き起こすことが報告されている。部分閉塞クランプは又、そのジョーを大動脈に取り付けるだけでなくそのクランプハンドルを手術野内に配置した状態で処置領域の大部分を費やす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術のこれら欠点は、導管を通る流体の流れを維持すると共にこの流体の流れから導管の一部を遮蔽又は除外(exclude )できる拡張組立体を備えたカテーテルに関する本発明によって解決される。重要なこととして、このカテーテルは、非侵襲性であり、外科的環境において広いスペースを必要としないよう管腔内的に挿入される。カテーテルの拡張組立体は、導管内の流体の流れを維持すると共にこの流体の流れから導管の一部を隔離する除外キャビティを作ることができる。
【0007】
本発明の一つの観点では、流体制御装置が、体内導管中の体液の流れを制御するために体内導管内に配置されるようになっている。この装置は、第1の表面と、第1の表面と反対側の第2の表面とを備えた分離壁を有する。壁の第1の表面は、体内導管内の体液の流れを容易にする流路を構成し、壁の第2の表面は、流路及び体内導管を通る流体の流れから遮断された除外チャンバを構成する。
【0008】
本発明の別の観点では、カテーテルが、体内導管内に配置されるようになっており、このカテーテルは、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトを有する。拡張管が、シャフトの遠位端部のところに設けられており、この拡張組立体は、ハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる第1の拡張器を有する。第2の拡張器が、拡張組立体に含まれており、この第2の拡張器は、全体として第1の拡張器とは別個独立にハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる。スリーブが、第1の拡張器及び第2の拡張器によってハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で運搬される。
【0009】
本発明の別の観点では、カテーテルが、体内導管内に配置されるようになっている。このカテーテルは、シャフトと、シャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体とを有する。拡張組立体は、体内導管内への拡張組立体の挿入を容易にするロープロフィール状態及び体内導管内での拡張組立体の動作を容易にするハイプロフィール状態を有する。シャフトは、外側部材と入れ子式の関係をなして設けられた内側部材を有する。拡張器が、外側部材によって支持された第1の端部及び内側部材によって支持された第2の端部を備える。これら第1の端部と第2の端部は、拡張器がハイプロフィール状態にあるとき、全体として互いに近接した関係をなし、第1の端部と第2の端部は、拡張器がロープロフィール状態にあるとき、全体として互いに間隔を置いた関係をなす。
本発明の別の特徴では、拡張組立体は、ハイプロフィール状態に動くよう膨らまし可能なバルーンを有する。この状態では、バルーンの第1の部分は、体内導管内の流体の流れを容易にする流体流路を構成する。
【0010】
本発明は、別の観点では、血管を通る血液の流れを止めないで血管の所定の領域に沿う血液の流れを制限する血管内方法を提供する。この方法は、ハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる壁を備えた拡張組立体を有するカテーテルを用意する段階を有する。拡張組立体をロープロフィール状態で手術部位まで血管内へ挿入する。手術部位では、拡張組立体を拡張して壁をハイプロフィール状態に動かす段階とを有し、壁はハイプロフィール状態において、血管の所定の領域と協働して血管内の血液の流れから隔離された除外キャビティを構成する。
本発明の上記特徴及び利点並びに他の特徴及び利点を本発明の好ましい実施形態及び添付の図面を参照して更に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
除外カテーテル(エクスクルージョン・カテーテル:exclusion catheter)装置が、図1に示されており、この除外カテーテル装置は、全体が符号10で指示されている。この特定の装置10は、体内導管のセグメントを除外すると共に導管の残部を通る流れを容易にするようになっている。装置10は、ハンドピース22及び軸線方向に可動のサム又は指動スライダ24を備えたハンドル組立体20を有している。サムスライダ24は、管組立体31の細長い内側部材26に結合されている。好ましい実施形態では、内側の細長い部材26は、中空コア又はルーメン27を備えた管から成る。変形例として、内側の細長い部材26は、中実コアを有していてもよく、かくして、例えばワイヤから成るものであってよい。
【0012】
ハンドル組立体20は、管組立体31に結合され、管組立体31は、この実施形態では、ハンドル組立体20の遠位部分35に結合された第1の近位外側管33を有している。内側の細長い部材26は、近位外側管33内に設けられていて、外側管33の遠位先端部37から遠位側へ外方に延びている。第2の浮動外側管39が、近位外側管33の遠位側に設けられていて、内側部材26により摺動自在に支持されている。第3の遠位外側管42が、浮動外側管39の遠位側に設けられていて、内側の細長い部材26の遠位部分44に固定されている。
管組立体31は、第1の近位拡張器46及び第2遠位拡張器48を有し、これら拡張器は、図1及び図2に示すようなロープロフィール状態と図3に示すようなハイプロフィール状態との間で動くことができる。拡張器46,48は各々、ハイプロフィール状態において拡張器46,48を通る流体の流れを容易にするために透過性の形態を備えている。好ましい実施形態では、各拡張器46,48は、図4に示すような菱形又は十字パターンに形作られたワイヤのメッシュで構成されるのがよい編組管から成る。図3に細部が最もよく示されているように、近位拡張器46は、近位外側管33に固定された第1の拡張器近位端部51及び浮動外側管39の近位部分に固定された第1の拡張器遠位端部53を有している。
【0013】
遠位拡張器48は、浮動外側管39の遠位部分に固定された第2の拡張器近位端部55及び遠位外側管42に固定された第2の拡張器遠位端部57を有している。各拡張器46,48の端部は、ロープロフィール状態と関連のある互いに間隔をおいた関係と、ハイプロフィール状態と関連のある互いに近接した関係との間での移行を容易にするために互いに対して動くよう構成されている。拡張器46,48の各々の端部相互間の距離はその拡張器のプロフィール状態を決定することが推定される。
スリーブ60が、近位拡張器46及び遠位拡張器48に結合されている。スリーブ60は、浮動管39及び拡張器46,48の隣り合う部分を包囲している。好ましい実施形態では、スリーブ60は、ヒートシール法により拡張器46,48に結合された薄肉エラストマー材料で構成されている。流体がスリーブ60を通過する際、結果的に生じる流体圧力がスリーブ60の壁を拡張させる。スリーブ60の凹んだ又は窪んだ側部66が、スリーブ60をハイプロフィール状態に拡張させたとき、隔離された除外チャンバ又は凹部67を形成するようになっている。変形実施形態では、スリーブ60に凹部67を設けなくてもよく、かくしてスリーブ60は、軸線方向に一様の筒体で構成される。
【0014】
図1及び図2の実施形態において、ロープロフィール状態を実現するためには、サムスライダ24をハンドピース22に沿って遠位方向に動かすのがよく、それにより内側の細長い部材26が遠位側に伸長する。したがって、遠位外側管42は、浮動外側管39から間隔を置いて設けられ、この浮動外側管は、近位外側管33から間隔を置いて設けられている。これらギャップが外側管42,39,33相互間に形成されているので、第1の拡張器近位端部51と第1の拡張器遠位端部53との間及び第2の拡張器近位端部55と第2の拡張器遠位端部57との間には間隔を置いた関係が容易に確立される。
拡張器46,48のロープロフィール状態により、体内導管を通る装置10の滑らかな導入及び抜去が可能になり、それにより患者への外傷が最小限に抑えられる。さらに、拡張器46,48及びスリーブ60を抗トロンビン剤及び(又は)親水性被膜で被覆して体内導管からの潜在的なトロンボゲン形成反応を無くすのがよい。
【0015】
拡張器46,48のハイプロフィール状態を実現するため、サムスライダ24をハンドピース22に沿って近位側へ動かし、それにより内側の細長い部材26が近位側へ動くようにする。遠位外側管42は、内側の細長い部材26に固定されているので、これ又近位側に動き、第2の拡張器遠位端部57を運搬する。近位側に差し向けられた力も又、浮動管39を近位外側管33に向かって近位側に動かすことができる。その結果、第1の拡張器遠位端部53及び第1の拡張器近位端部51は、互いに近づく。これと同様に、第2の拡張器遠位端部57と第2の拡張器近位端部55も又、互いに近づく。拡張器46,48の最大拡張状態は、遠位外側管42が近位側に差し向けられて浮動管39に当接したとき及び浮動管が近位側へ差し向けられて近位外側管33に当接したときに達成できる。この形態では、拡張器46,48の遠位端部53,57を図3に示すようにそれぞれ対応関係にある近位端部51,55のすぐ隣に動かされている。拡張器46,48の各々を好ましい拡張直径に解除自在に係止するインクリメンタル係止機構(図示せず)をサムスライダ24に設けるのがよい。
【0016】
図5は、本発明と関連のある2つの追加の特徴を示している。第1の特徴として、細長い部材26は、ガイドワイヤ61上でこれに沿うカテーテル装置10の挿入を容易にするために軸線方向ルーメン27を備えるのがよいことが注目されよう。第2の特徴として、図5は、カテーテル装置10を拡張器46,48によって達成できる最大直径よりも小さな導管内に使用できることを示している。
図5では、これら拡張器46,48は、体内導管部分68に当たり、スリーブ60をこの体内導管部分68に接触させるよう拡張していることが注目されよう。この望ましい結果は、たとえ拡張器46,48が図4を参照して説明したようにこれらの最大直径まで拡張していなくても達成されている。
拡張器48がその最大直径よりも小さな直径を有する場合、これは、カテーテル装置10の軸線に沿って増大した幅を有することになろう。この幅の増大は、浮動外側管39の遠位端部と遠位外側管42の近位端部との間の離隔距離の増大と関連している。これと同様に、拡張器46がその最大直径よりも小さな直径を有する場合、これは、カテーテル装置10の軸線に沿って幅が増大しており、近位外側管33の遠位端部と浮動外側管39の近位端部との間の離隔距離が増大している。
【0017】
図6及び図7では、カテーテル装置10は、体内導管64内に示されている。しかしながら、この場合、導管64は、より現実的には、直径が一定しているというよりも変化している。これは、拡張器46の近くの直径D1及び拡張器48の近くの大きな直径D2によって具体的に示されている。スリーブ60を通る流れを最大にしようとする場合、カテーテル装置10は、導管64が可変直径を有していても、スリーブ60を内壁62に接触させることができる。
【0018】
作用を説明すると、細長い部材26を近位側に動かし、それにより上述したような拡張器46,48の拡張方法を開始させる。拡張器46,48のうち一方だけが、内壁62に接触するまで拡張すると思われる。これにより、浮動外側管39が固定され、したがって、細長い部材26のそれ以上の近位側への運動により、他方の拡張器の直径が拡張するようになる。図6では、細長い部材26を遠位外側管42及び浮動外側管39と一緒に近位側へ動かす。これにより、近位外側管33と浮動外側管39との間の間隔が狭くなり、したがって拡張器46の直径が増大する。拡張器46が内壁62の直径D1に達すると、浮動外側管39の運動が停止する。細長い部材26の近位側への運動の続行により、遠位外側管42が浮動外側管39に密接し、それにより拡張器48の直径が増大する。拡張器48の直径は、これがその場所で内壁62と関連した直径D2に達するまで増大することになる。
【0019】
図7を参照すると、スリーブ60は、体内導管64の直径の変化にもかかわらず、内壁62に接触させられることは注目されよう。特に、この非常に望ましい特徴は、拡張器46,48が互いに別個独立の個々の直径を備えることができるので達成されている。
また、拡張器46,48の両方の完全拡張は、第1の拡張器46により第1の隣接した体壁に加えられた力が第2の拡張器48により第2の隣接の体壁に加えられた力に等しい場合に達成されることは理解されよう。したがって、拡張器に隣接した導管部分の直径が一様でない任意の体内導管内では、装置10の自動調整特性により、各拡張器46,48は、拡張して同一の力でそれぞれ対応関係にある隣接部分に接触できる。
上述したように、凹んだスリーブ部分66は、拡張器46,48の間で隔離された体内導管部分68から半径方向に間隔を置いて位置している。透過性拡張器46,48により、流体はスリーブ60を通って流れることができ、その結果生じる流体圧力により、スリーブ60が拡張して体内導管64の内壁62に接触する。かくして、スリーブ60は、特定の体内導管部分68を隔離した状態で、体内導管60を通る流れを容易にする。その結果、隔離された除外チャンバ67は、凹んだスリーブ部分66及び隔離された体内導管部分68により構成される。
【0020】
これにより、導管の隔離部分68が除外されたままの状態で、選択された手術部位のそばを流れる流体の流れが最適化される。かくして、薬剤、例えば治療薬及び流体、例えば刺激原を隔離された導管部分68への漏入の恐れなく、露出された導管部分に投与でき又はこれから吸引することができる。組織生検も又、側方アクセス凹部66により達成できる。導管部分68の吻合又は再建も又、体液が導管64の残部を通って流れ続けている間に実施できる。特に、体内導管部分68は、例えば穿刺により外部から接近できる。出血は最小限に抑えられる。というのは、隔離されたチャンバ64内に入っている血液の量が失われるに過ぎないからである。スリーブ60は、流れている流体を体内導管62中へ差し向け、かくして、スリーブ60の流れチャネルと隔離されたチャンバ67との間の流体連通を阻止する。
【0021】
本発明の別の実施形態が、図8及び図9に示されており、図中、上述した構造的要素と類似した構造的要素は、同一符号の後に小文字“b”を付けて指示されている。かくして、図8及び図9の実施形態では、変形例としてのスリーブ60bが設けられている。細長い部材26bは、この実施形態では、近位外側管33b及び近位外側管33b内に入れ子状になった遠位外側管42bを有している。骨格構造70が、複数の曲げ可能な部材、例えばワイヤ72によって形成されており、各ワイヤは、2つの端部を有し、一方の端部は外側近位管33bに固定され、他方の端部は、遠位外側管42bに固定されている。この構成では、遠位外側管42bを近位外側管33bに対し動かして骨格構造70にロープロフィール状態とハイプロフィール状態の両方を与えることができる。
例えば、遠位外側管42bを近位外側管33bの遠位側に動かすと、ワイヤ72の端部は、間隔は広くなる。これにより、ワイヤ72は、ロープロフィール状態において細長い部材26bに密接する。しかしながら、遠位外側管42bを、近位外側管33bに対し近位側へ動かすと、ワイヤ72の端部は、間隔が密度になる。これにより、ワイヤ72は全体として半径方向に動いて図8及び図9に示すようなハイプロフィール状態になる。
【0022】
スリーブ60bを形成するためカバー74が、骨格構造70を覆って設けられている。このカバー74は代表的には、拡張可能な又はエラストマー材料で作られると共に少なくとも一部が骨格構造70を覆うように管状形態を備えている。カバー74は、中央部分又はくびれ部83のところにカラー又はベルト85を備え、このベルト85は、くびれ部83をハイプロフィール状態では縮径状態に維持する。その結果、カバー74とベルト85の組合せにより、スリーブ60bには砂時計の形状(鼓形)が与えられる。カバー74は、ベルト85の各側において、ワイヤ72と共に比較的大きな直径まで自由に拡張することができる。しかしながら、ベルト85は、くびれ部83の中央部分のところでは、この拡張を減少した直径に制限する。
かくして、ベルト85は、スリーブ60bに凹部67bを与え、この凹部67bはこの場合、拡張器46b,48b相互間に円周方向に形成される。スリーブ60bは、図9に示すように作動的に配置されると、体内導管部分68bを隔離し、この体内導管部分68bは、体内導管64bの丸360゜部分又は円形部分から成っている。この隔離された導管部分67bにもかかわらず、スリーブ60bは、体内導管64b内の流体の流れを続行させることができる。かくして、外科医は、導管64bの残部を通る流体の流れを妨害しないで、完全円形導管部分68bの任意の部分を外部から除去し又は穿刺することができる。
【0023】
場合によっては、隔離された体内導管部分68に対して手術を施す必要は無いが、体内導管部分68を主体内導管64中の流れから隔離することが必要である。このような場合、図10に示すような実施形態が適している場合がある。図10では、上述した構造要素と類似した構造要素は、同一符号の後に小文字“c”を付けて指示されている。かくして、スリーブ60cは、この実施形態では、凹部の無い軸線方向に一様な筒体で構成されている。この場合、円筒形スリーブ60cは、例えば枝管93を含む体内導管部分91を完全に隔離する。この枝管93を主導管94c中の流れから単に隔離しようとする場合、例えば図9の実施形態において、符号67bに指示する凹部は不要である。
【0024】
上述の説明から、拡張器46,48は、種々の構造のものであってよいことは明らかであろう。図11〜図15の実施形態では、上述した構造要素と類似した構造要素は、同一符号の後に小文字“d”を付けて指示されている。
【0025】
図11〜図13においては、血管除外カテーテル装置10dは、これ又拡張スリーブ113として役立つ単一の膨らまし可能な拡張器又はバルーン112を有している。この拡張スリーブ113は、ハンドル組立体20dから延びるカテーテルシャフト114に結合されている。シャフト114は、外側管116を有し、この外側管は、この場合比較的大径の貫通ルーメン118を構成している。貫通ルーメン118は、標準型のガイドワイヤを受け入れるような寸法形状のものであり、この標準型ガイドワイヤを用いると、カテーテル装置10dを配置したり、拡張スリーブ112を手術部位に差し向けることができる。
【0026】
ハンドル組立体20dは、貫通ルーメン118への接近を制御するストップコック119を有している。膨らましポート123を介して接近できる膨らましルーメン122を備えた内側管121が、外側管116の近位部分に結合されている。好ましい実施形態では、内側管121は、貫通ルーメン118に沿って途中までしか延びておらず、拡張スリーブ112に近接して貫通ルーメン118内で終端している。かくして、膨らましルーメン122から出る膨らましガスが、貫通ルーメン118を通って拡張スリーブ112内へ差し向けられる。
このように、膨らましルーメン123からのガスは、バルーン又は拡張スリーブ112をハイプロフィール状態に膨らませる。この状態では、スリーブは、円周方向に膨らんでいるが、図13に矢印124で示す軸方向流路を構成する。
【0027】
バルーン112を構成する好ましい方法が、図16,図17、図18A及び図18Bに示されている。この方法によれば、各々例えばシーム127,128,129に沿って互いに密封され又は接合された熱可塑性材料の2つの層125,126でバルーン112を形成する。また、層125,126を複数の層接合連結箇所130のところでスポット溶接するのがよい。この構成では、バルーン112は、層125,126相互間に形成され、シーム127〜129によって境界付けられる。カテーテルシャフト114をシーム127,128相互間に挿入してこれに封着するのがよい。これにより、カテーテルシャフト114、特に膨らましルーメン122を層125,126相互間でバルーン112の内部に接近させることができる。この構成では、図18Bに示すように、層125,126をそれ自体の上に巻き戻して丸め、シーム127をシーム129に取り付けることにより、バルーン112をスリーブ113の円筒形の形態に形成するのがよい。この実施形態では、凹部66dを設けることが望ましい場合、図18Aに示すように一部138を除去し、密封体139を139のところに形成して層125,126の4つの縁部を接合することにより凹部を形成できる。
【0028】
図18Bに示すように、カテーテルシャフト114は、多数のルーメン、即ち貫通ルーメン118及び膨らましルーメン122を備えるのがよい。この構成では、膨らましルーメン122への接近のために少なくとも1つの削ぎ部131をシャフト114に切断形成するのがよい。作用を説明すると、膨らましガスは、膨らましルーメン122から削ぎ部131を通り、層125,126相互間でバルーン112に流入することになる。
【0029】
さらに図14及び図15を参照すると、拡張スリーブ113は、体内導管146の特定の領域144を除外し又は隔離して隔離されたチャンバ148を形成する一方で、最大流体流れを容易にすることは注目されよう。側方凹部66dは、流体投与又は治療用投与、組織生検、吻合処置のため又は体液が導管中を流れ続けている間に損傷を修復するために体内導管の一部への接近を容易にする。先の実施形態の場合と同様、装置10dを経皮的又は直接的接近により手術部位に導入することができる。
【0030】
図19及び図20に示す変形実施形態では、上述した構造要素と類似した構造要素は、同一符号の後に小文字“e”を付けて指示されている。かくして、この実施形態は、管組立体31e、バルーン112e、外側管116e及び膨らましルーメン122eを有している。しかしながら、この場合、追加の管151,153が、管116内に設けられている。これら追加の管151,153は、流体投与のための別のルーメン155,157をそれぞれ提供する。また、拡張スリーブ113eは、図16〜図18の実施形態に示す連結箇所130ではなく、横方向連結線159により外側バルーン層に接合された内側バルーン層を有している。
【0031】
図21及び図22に示す別の実施形態では、上述した構造要素と類似した構造要素は、同一符号の後に小文字“f”を付けて指示されている。かくして、この実施形態は、管組立体31f、バルーン112f及び連結線159fを有している。しかしながら、この場合、拡張スリーブ112fを凹部67(図5)を設けずに形成することができ、かくしてこの拡張スリーブは、軸方向に一様な筒体から成ったものであってもよい。
さらに、バルーン112fの外側層126fは、その内側層125fよりも小さな厚さを備えるのがよい。層の厚さのこの差は、膨らまし時に薄い方の領域に向かうバルーン112fの拡張を容易にする。かくして、外側層127fを拡張させると内側層129fは、外側層と一緒に一様に引っ張られる。
【0032】
上記実施形態の具体的な開示により、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変更例及び改造例を想到できることは明らかであろう。この理由で、図示の実施形態は、例示として記載されているに過ぎず、本発明を限定するものと解釈されてはならい。
本発明及びその種々の実施形態を説明するために本明細書において用いられている用語は、これらの一般に定義された意味において理解されるだけでなく、本明細書における特定の定義により、これら用語によって表された単一の種(species )の包括的な構造、材料又は作用を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の拡張組立体を備えたカテーテルの軸方向断面図である。
【図2】図1と類似した軸方向断面図であり、拡張組立体をロープロフィール状態で示す図である。
【図3】拡張組立体をハイプロフィール状態で且つ体内導管内に配置した状態で示す軸方向断面図である。
【図4】図3の拡張組立体の4−4線における端面図である。
【図5】図3と類似した軸方向断面図であり、ハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間での拡張組立体の運動状態を示す図である。
【図6】図5と類似した軸方向断面図であり、可変直径を持つ体内導管内で拡張器により指示されたスリーブを示す図である。
【図7】図6と類似した軸方向断面図であり、本発明に従って流路及び除外キャビティの形成の仕方を示す図である。
【図8】除外キャビティが環状円周方向形態を有する追加の実施形態の軸方向断面図である。
【図9】体内導管内に位置した図8の実施形態を示す斜視図である。
【図10】主要な導管を閉塞させないで補助導管を閉塞するための拡張組立体の使用法を示す軸方向断面図である。
【図11】本発明の別の実施形態の側面図である。
【図12】図11の12−12線における半径方向の断面図である。
【図13】膨らまし可能な拡張器をハイプロフィール状態で示す図11の実施形態の斜視図である。
【図14】体内導管内に設けられた図13に示す拡張器の斜視図である。
【図15】図14と類似した斜視図であり、図11の拡張組立体を示す図である。
【図16】膨らまし可能な拡張器を形成するための2枚のシート状材料の配置状態を示す図である。
【図17】バルーンのシームを形成するためのヒートシールの形成法を示す図である。
【図18A】側方凹部を構成するよう密封線を形成する段階を示す図である。
【図18B】バルーンの図18Aの18B−18B線における半径方向の断面図である。
【図19】周方向連結線を含む本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図20】図19の20−20線における半径方向の断面図である。
【図21】直交した連結線を含む本発明の別の実施形態を示す図である。
【図22】図21の22−22線における半径方向の断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、体内導管内の流れを少なくとも部分的に止める装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
体内導管は一般に、体内の或る1つの場所から体内の別の場所への流体の流れを可能にする。これら流体導管の代表例は、心臓と体内の器官との間での血液の流れをもたらす血管系を構成する動脈及び静脈である。特定の処置において血管に接近することが必要な場合、流体の流れは、接近穴を通して導管から流れ出ることが予想可能である。この結果、流体、例えば血液が失われるだけでなく、流体が全体的な手術環境に侵入する。冠動脈バイパス移植(CABG)術において、このような一つの処置では、伏在静脈を下肢から摘出し、その静脈を上行静脈に連結することが望ましい。
【0003】
従来、外科医は、導管又は血管を通る血液の流れを止めるために閉塞カテーテルを用いていた。このカテーテルは、膨らまされると、血管内の血液の流れを完全に止める球形バルーンを備えるものであった。特に、血管の場合、これは望ましくない。というのは、血液の中断することのない流れが身体の組織を維持するうえで必要だからである。
完全閉塞を避けるため、血液を手術部位の上流側で完全に除き、手術部位の下流側に導入する別の処置が開発された。“オン・ポンプ:on-pump (体外循環心停止下)”冠動脈バイパス移植(OPCABG)術と通称されているこの処置では、連続した妨げられない心拍動がある。それにもかかわらず、この処置では、有用な近位吻合部を形成するために大動脈切除術からの血液の流れの管理が必要である。この理由は、多くのCAPD処置が依然として“オフ・ポンプ:off-pump(心拍動下)”で実行されるからである。
【0004】
現在、大動脈切除術から血液の流れの管理を達成するための外科医の主要なツールは、部分閉塞クランプ(Partial Occluding Clamp )である。これら“オフ・ポンプ:off-pump”処置では、部分閉塞クランプは、導管又は血管に外部から係合し、それにより血管の僅かな部分を目下の流体の流れから隔離するために用いられる場合が多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
部分閉塞クランプは使用法が比較的簡単であるが、多くの人により外傷性が非常に高いと考えられている。その使用法は、局所的結果と全身的な結果の両方において、二次的合併症、例えばプラークの破壊及びその結果としての一時的虚血性発作又は大脳血管事故を引き起こすことが報告されている。部分閉塞クランプは又、そのジョーを大動脈に取り付けるだけでなくそのクランプハンドルを手術野内に配置した状態で処置領域の大部分を費やす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術のこれら欠点は、導管を通る流体の流れを維持すると共にこの流体の流れから導管の一部を遮蔽又は除外(exclude )できる拡張組立体を備えたカテーテルに関する本発明によって解決される。重要なこととして、このカテーテルは、非侵襲性であり、外科的環境において広いスペースを必要としないよう管腔内的に挿入される。カテーテルの拡張組立体は、導管内の流体の流れを維持すると共にこの流体の流れから導管の一部を隔離する除外キャビティを作ることができる。
【0007】
本発明の一つの観点では、流体制御装置が、体内導管中の体液の流れを制御するために体内導管内に配置されるようになっている。この装置は、第1の表面と、第1の表面と反対側の第2の表面とを備えた分離壁を有する。壁の第1の表面は、体内導管内の体液の流れを容易にする流路を構成し、壁の第2の表面は、流路及び体内導管を通る流体の流れから遮断された除外チャンバを構成する。
【0008】
本発明の別の観点では、カテーテルが、体内導管内に配置されるようになっており、このカテーテルは、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトを有する。拡張管が、シャフトの遠位端部のところに設けられており、この拡張組立体は、ハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる第1の拡張器を有する。第2の拡張器が、拡張組立体に含まれており、この第2の拡張器は、全体として第1の拡張器とは別個独立にハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる。スリーブが、第1の拡張器及び第2の拡張器によってハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で運搬される。
【0009】
本発明の別の観点では、カテーテルが、体内導管内に配置されるようになっている。このカテーテルは、シャフトと、シャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体とを有する。拡張組立体は、体内導管内への拡張組立体の挿入を容易にするロープロフィール状態及び体内導管内での拡張組立体の動作を容易にするハイプロフィール状態を有する。シャフトは、外側部材と入れ子式の関係をなして設けられた内側部材を有する。拡張器が、外側部材によって支持された第1の端部及び内側部材によって支持された第2の端部を備える。これら第1の端部と第2の端部は、拡張器がハイプロフィール状態にあるとき、全体として互いに近接した関係をなし、第1の端部と第2の端部は、拡張器がロープロフィール状態にあるとき、全体として互いに間隔を置いた関係をなす。
本発明の別の特徴では、拡張組立体は、ハイプロフィール状態に動くよう膨らまし可能なバルーンを有する。この状態では、バルーンの第1の部分は、体内導管内の流体の流れを容易にする流体流路を構成する。
【0010】
本発明は、別の観点では、血管を通る血液の流れを止めないで血管の所定の領域に沿う血液の流れを制限する血管内方法を提供する。この方法は、ハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる壁を備えた拡張組立体を有するカテーテルを用意する段階を有する。拡張組立体をロープロフィール状態で手術部位まで血管内へ挿入する。手術部位では、拡張組立体を拡張して壁をハイプロフィール状態に動かす段階とを有し、壁はハイプロフィール状態において、血管の所定の領域と協働して血管内の血液の流れから隔離された除外キャビティを構成する。
本発明の上記特徴及び利点並びに他の特徴及び利点を本発明の好ましい実施形態及び添付の図面を参照して更に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
除外カテーテル(エクスクルージョン・カテーテル:exclusion catheter)装置が、図1に示されており、この除外カテーテル装置は、全体が符号10で指示されている。この特定の装置10は、体内導管のセグメントを除外すると共に導管の残部を通る流れを容易にするようになっている。装置10は、ハンドピース22及び軸線方向に可動のサム又は指動スライダ24を備えたハンドル組立体20を有している。サムスライダ24は、管組立体31の細長い内側部材26に結合されている。好ましい実施形態では、内側の細長い部材26は、中空コア又はルーメン27を備えた管から成る。変形例として、内側の細長い部材26は、中実コアを有していてもよく、かくして、例えばワイヤから成るものであってよい。
【0012】
ハンドル組立体20は、管組立体31に結合され、管組立体31は、この実施形態では、ハンドル組立体20の遠位部分35に結合された第1の近位外側管33を有している。内側の細長い部材26は、近位外側管33内に設けられていて、外側管33の遠位先端部37から遠位側へ外方に延びている。第2の浮動外側管39が、近位外側管33の遠位側に設けられていて、内側部材26により摺動自在に支持されている。第3の遠位外側管42が、浮動外側管39の遠位側に設けられていて、内側の細長い部材26の遠位部分44に固定されている。
管組立体31は、第1の近位拡張器46及び第2遠位拡張器48を有し、これら拡張器は、図1及び図2に示すようなロープロフィール状態と図3に示すようなハイプロフィール状態との間で動くことができる。拡張器46,48は各々、ハイプロフィール状態において拡張器46,48を通る流体の流れを容易にするために透過性の形態を備えている。好ましい実施形態では、各拡張器46,48は、図4に示すような菱形又は十字パターンに形作られたワイヤのメッシュで構成されるのがよい編組管から成る。図3に細部が最もよく示されているように、近位拡張器46は、近位外側管33に固定された第1の拡張器近位端部51及び浮動外側管39の近位部分に固定された第1の拡張器遠位端部53を有している。
【0013】
遠位拡張器48は、浮動外側管39の遠位部分に固定された第2の拡張器近位端部55及び遠位外側管42に固定された第2の拡張器遠位端部57を有している。各拡張器46,48の端部は、ロープロフィール状態と関連のある互いに間隔をおいた関係と、ハイプロフィール状態と関連のある互いに近接した関係との間での移行を容易にするために互いに対して動くよう構成されている。拡張器46,48の各々の端部相互間の距離はその拡張器のプロフィール状態を決定することが推定される。
スリーブ60が、近位拡張器46及び遠位拡張器48に結合されている。スリーブ60は、浮動管39及び拡張器46,48の隣り合う部分を包囲している。好ましい実施形態では、スリーブ60は、ヒートシール法により拡張器46,48に結合された薄肉エラストマー材料で構成されている。流体がスリーブ60を通過する際、結果的に生じる流体圧力がスリーブ60の壁を拡張させる。スリーブ60の凹んだ又は窪んだ側部66が、スリーブ60をハイプロフィール状態に拡張させたとき、隔離された除外チャンバ又は凹部67を形成するようになっている。変形実施形態では、スリーブ60に凹部67を設けなくてもよく、かくしてスリーブ60は、軸線方向に一様の筒体で構成される。
【0014】
図1及び図2の実施形態において、ロープロフィール状態を実現するためには、サムスライダ24をハンドピース22に沿って遠位方向に動かすのがよく、それにより内側の細長い部材26が遠位側に伸長する。したがって、遠位外側管42は、浮動外側管39から間隔を置いて設けられ、この浮動外側管は、近位外側管33から間隔を置いて設けられている。これらギャップが外側管42,39,33相互間に形成されているので、第1の拡張器近位端部51と第1の拡張器遠位端部53との間及び第2の拡張器近位端部55と第2の拡張器遠位端部57との間には間隔を置いた関係が容易に確立される。
拡張器46,48のロープロフィール状態により、体内導管を通る装置10の滑らかな導入及び抜去が可能になり、それにより患者への外傷が最小限に抑えられる。さらに、拡張器46,48及びスリーブ60を抗トロンビン剤及び(又は)親水性被膜で被覆して体内導管からの潜在的なトロンボゲン形成反応を無くすのがよい。
【0015】
拡張器46,48のハイプロフィール状態を実現するため、サムスライダ24をハンドピース22に沿って近位側へ動かし、それにより内側の細長い部材26が近位側へ動くようにする。遠位外側管42は、内側の細長い部材26に固定されているので、これ又近位側に動き、第2の拡張器遠位端部57を運搬する。近位側に差し向けられた力も又、浮動管39を近位外側管33に向かって近位側に動かすことができる。その結果、第1の拡張器遠位端部53及び第1の拡張器近位端部51は、互いに近づく。これと同様に、第2の拡張器遠位端部57と第2の拡張器近位端部55も又、互いに近づく。拡張器46,48の最大拡張状態は、遠位外側管42が近位側に差し向けられて浮動管39に当接したとき及び浮動管が近位側へ差し向けられて近位外側管33に当接したときに達成できる。この形態では、拡張器46,48の遠位端部53,57を図3に示すようにそれぞれ対応関係にある近位端部51,55のすぐ隣に動かされている。拡張器46,48の各々を好ましい拡張直径に解除自在に係止するインクリメンタル係止機構(図示せず)をサムスライダ24に設けるのがよい。
【0016】
図5は、本発明と関連のある2つの追加の特徴を示している。第1の特徴として、細長い部材26は、ガイドワイヤ61上でこれに沿うカテーテル装置10の挿入を容易にするために軸線方向ルーメン27を備えるのがよいことが注目されよう。第2の特徴として、図5は、カテーテル装置10を拡張器46,48によって達成できる最大直径よりも小さな導管内に使用できることを示している。
図5では、これら拡張器46,48は、体内導管部分68に当たり、スリーブ60をこの体内導管部分68に接触させるよう拡張していることが注目されよう。この望ましい結果は、たとえ拡張器46,48が図4を参照して説明したようにこれらの最大直径まで拡張していなくても達成されている。
拡張器48がその最大直径よりも小さな直径を有する場合、これは、カテーテル装置10の軸線に沿って増大した幅を有することになろう。この幅の増大は、浮動外側管39の遠位端部と遠位外側管42の近位端部との間の離隔距離の増大と関連している。これと同様に、拡張器46がその最大直径よりも小さな直径を有する場合、これは、カテーテル装置10の軸線に沿って幅が増大しており、近位外側管33の遠位端部と浮動外側管39の近位端部との間の離隔距離が増大している。
【0017】
図6及び図7では、カテーテル装置10は、体内導管64内に示されている。しかしながら、この場合、導管64は、より現実的には、直径が一定しているというよりも変化している。これは、拡張器46の近くの直径D1及び拡張器48の近くの大きな直径D2によって具体的に示されている。スリーブ60を通る流れを最大にしようとする場合、カテーテル装置10は、導管64が可変直径を有していても、スリーブ60を内壁62に接触させることができる。
【0018】
作用を説明すると、細長い部材26を近位側に動かし、それにより上述したような拡張器46,48の拡張方法を開始させる。拡張器46,48のうち一方だけが、内壁62に接触するまで拡張すると思われる。これにより、浮動外側管39が固定され、したがって、細長い部材26のそれ以上の近位側への運動により、他方の拡張器の直径が拡張するようになる。図6では、細長い部材26を遠位外側管42及び浮動外側管39と一緒に近位側へ動かす。これにより、近位外側管33と浮動外側管39との間の間隔が狭くなり、したがって拡張器46の直径が増大する。拡張器46が内壁62の直径D1に達すると、浮動外側管39の運動が停止する。細長い部材26の近位側への運動の続行により、遠位外側管42が浮動外側管39に密接し、それにより拡張器48の直径が増大する。拡張器48の直径は、これがその場所で内壁62と関連した直径D2に達するまで増大することになる。
【0019】
図7を参照すると、スリーブ60は、体内導管64の直径の変化にもかかわらず、内壁62に接触させられることは注目されよう。特に、この非常に望ましい特徴は、拡張器46,48が互いに別個独立の個々の直径を備えることができるので達成されている。
また、拡張器46,48の両方の完全拡張は、第1の拡張器46により第1の隣接した体壁に加えられた力が第2の拡張器48により第2の隣接の体壁に加えられた力に等しい場合に達成されることは理解されよう。したがって、拡張器に隣接した導管部分の直径が一様でない任意の体内導管内では、装置10の自動調整特性により、各拡張器46,48は、拡張して同一の力でそれぞれ対応関係にある隣接部分に接触できる。
上述したように、凹んだスリーブ部分66は、拡張器46,48の間で隔離された体内導管部分68から半径方向に間隔を置いて位置している。透過性拡張器46,48により、流体はスリーブ60を通って流れることができ、その結果生じる流体圧力により、スリーブ60が拡張して体内導管64の内壁62に接触する。かくして、スリーブ60は、特定の体内導管部分68を隔離した状態で、体内導管60を通る流れを容易にする。その結果、隔離された除外チャンバ67は、凹んだスリーブ部分66及び隔離された体内導管部分68により構成される。
【0020】
これにより、導管の隔離部分68が除外されたままの状態で、選択された手術部位のそばを流れる流体の流れが最適化される。かくして、薬剤、例えば治療薬及び流体、例えば刺激原を隔離された導管部分68への漏入の恐れなく、露出された導管部分に投与でき又はこれから吸引することができる。組織生検も又、側方アクセス凹部66により達成できる。導管部分68の吻合又は再建も又、体液が導管64の残部を通って流れ続けている間に実施できる。特に、体内導管部分68は、例えば穿刺により外部から接近できる。出血は最小限に抑えられる。というのは、隔離されたチャンバ64内に入っている血液の量が失われるに過ぎないからである。スリーブ60は、流れている流体を体内導管62中へ差し向け、かくして、スリーブ60の流れチャネルと隔離されたチャンバ67との間の流体連通を阻止する。
【0021】
本発明の別の実施形態が、図8及び図9に示されており、図中、上述した構造的要素と類似した構造的要素は、同一符号の後に小文字“b”を付けて指示されている。かくして、図8及び図9の実施形態では、変形例としてのスリーブ60bが設けられている。細長い部材26bは、この実施形態では、近位外側管33b及び近位外側管33b内に入れ子状になった遠位外側管42bを有している。骨格構造70が、複数の曲げ可能な部材、例えばワイヤ72によって形成されており、各ワイヤは、2つの端部を有し、一方の端部は外側近位管33bに固定され、他方の端部は、遠位外側管42bに固定されている。この構成では、遠位外側管42bを近位外側管33bに対し動かして骨格構造70にロープロフィール状態とハイプロフィール状態の両方を与えることができる。
例えば、遠位外側管42bを近位外側管33bの遠位側に動かすと、ワイヤ72の端部は、間隔は広くなる。これにより、ワイヤ72は、ロープロフィール状態において細長い部材26bに密接する。しかしながら、遠位外側管42bを、近位外側管33bに対し近位側へ動かすと、ワイヤ72の端部は、間隔が密度になる。これにより、ワイヤ72は全体として半径方向に動いて図8及び図9に示すようなハイプロフィール状態になる。
【0022】
スリーブ60bを形成するためカバー74が、骨格構造70を覆って設けられている。このカバー74は代表的には、拡張可能な又はエラストマー材料で作られると共に少なくとも一部が骨格構造70を覆うように管状形態を備えている。カバー74は、中央部分又はくびれ部83のところにカラー又はベルト85を備え、このベルト85は、くびれ部83をハイプロフィール状態では縮径状態に維持する。その結果、カバー74とベルト85の組合せにより、スリーブ60bには砂時計の形状(鼓形)が与えられる。カバー74は、ベルト85の各側において、ワイヤ72と共に比較的大きな直径まで自由に拡張することができる。しかしながら、ベルト85は、くびれ部83の中央部分のところでは、この拡張を減少した直径に制限する。
かくして、ベルト85は、スリーブ60bに凹部67bを与え、この凹部67bはこの場合、拡張器46b,48b相互間に円周方向に形成される。スリーブ60bは、図9に示すように作動的に配置されると、体内導管部分68bを隔離し、この体内導管部分68bは、体内導管64bの丸360゜部分又は円形部分から成っている。この隔離された導管部分67bにもかかわらず、スリーブ60bは、体内導管64b内の流体の流れを続行させることができる。かくして、外科医は、導管64bの残部を通る流体の流れを妨害しないで、完全円形導管部分68bの任意の部分を外部から除去し又は穿刺することができる。
【0023】
場合によっては、隔離された体内導管部分68に対して手術を施す必要は無いが、体内導管部分68を主体内導管64中の流れから隔離することが必要である。このような場合、図10に示すような実施形態が適している場合がある。図10では、上述した構造要素と類似した構造要素は、同一符号の後に小文字“c”を付けて指示されている。かくして、スリーブ60cは、この実施形態では、凹部の無い軸線方向に一様な筒体で構成されている。この場合、円筒形スリーブ60cは、例えば枝管93を含む体内導管部分91を完全に隔離する。この枝管93を主導管94c中の流れから単に隔離しようとする場合、例えば図9の実施形態において、符号67bに指示する凹部は不要である。
【0024】
上述の説明から、拡張器46,48は、種々の構造のものであってよいことは明らかであろう。図11〜図15の実施形態では、上述した構造要素と類似した構造要素は、同一符号の後に小文字“d”を付けて指示されている。
【0025】
図11〜図13においては、血管除外カテーテル装置10dは、これ又拡張スリーブ113として役立つ単一の膨らまし可能な拡張器又はバルーン112を有している。この拡張スリーブ113は、ハンドル組立体20dから延びるカテーテルシャフト114に結合されている。シャフト114は、外側管116を有し、この外側管は、この場合比較的大径の貫通ルーメン118を構成している。貫通ルーメン118は、標準型のガイドワイヤを受け入れるような寸法形状のものであり、この標準型ガイドワイヤを用いると、カテーテル装置10dを配置したり、拡張スリーブ112を手術部位に差し向けることができる。
【0026】
ハンドル組立体20dは、貫通ルーメン118への接近を制御するストップコック119を有している。膨らましポート123を介して接近できる膨らましルーメン122を備えた内側管121が、外側管116の近位部分に結合されている。好ましい実施形態では、内側管121は、貫通ルーメン118に沿って途中までしか延びておらず、拡張スリーブ112に近接して貫通ルーメン118内で終端している。かくして、膨らましルーメン122から出る膨らましガスが、貫通ルーメン118を通って拡張スリーブ112内へ差し向けられる。
このように、膨らましルーメン123からのガスは、バルーン又は拡張スリーブ112をハイプロフィール状態に膨らませる。この状態では、スリーブは、円周方向に膨らんでいるが、図13に矢印124で示す軸方向流路を構成する。
【0027】
バルーン112を構成する好ましい方法が、図16,図17、図18A及び図18Bに示されている。この方法によれば、各々例えばシーム127,128,129に沿って互いに密封され又は接合された熱可塑性材料の2つの層125,126でバルーン112を形成する。また、層125,126を複数の層接合連結箇所130のところでスポット溶接するのがよい。この構成では、バルーン112は、層125,126相互間に形成され、シーム127〜129によって境界付けられる。カテーテルシャフト114をシーム127,128相互間に挿入してこれに封着するのがよい。これにより、カテーテルシャフト114、特に膨らましルーメン122を層125,126相互間でバルーン112の内部に接近させることができる。この構成では、図18Bに示すように、層125,126をそれ自体の上に巻き戻して丸め、シーム127をシーム129に取り付けることにより、バルーン112をスリーブ113の円筒形の形態に形成するのがよい。この実施形態では、凹部66dを設けることが望ましい場合、図18Aに示すように一部138を除去し、密封体139を139のところに形成して層125,126の4つの縁部を接合することにより凹部を形成できる。
【0028】
図18Bに示すように、カテーテルシャフト114は、多数のルーメン、即ち貫通ルーメン118及び膨らましルーメン122を備えるのがよい。この構成では、膨らましルーメン122への接近のために少なくとも1つの削ぎ部131をシャフト114に切断形成するのがよい。作用を説明すると、膨らましガスは、膨らましルーメン122から削ぎ部131を通り、層125,126相互間でバルーン112に流入することになる。
【0029】
さらに図14及び図15を参照すると、拡張スリーブ113は、体内導管146の特定の領域144を除外し又は隔離して隔離されたチャンバ148を形成する一方で、最大流体流れを容易にすることは注目されよう。側方凹部66dは、流体投与又は治療用投与、組織生検、吻合処置のため又は体液が導管中を流れ続けている間に損傷を修復するために体内導管の一部への接近を容易にする。先の実施形態の場合と同様、装置10dを経皮的又は直接的接近により手術部位に導入することができる。
【0030】
図19及び図20に示す変形実施形態では、上述した構造要素と類似した構造要素は、同一符号の後に小文字“e”を付けて指示されている。かくして、この実施形態は、管組立体31e、バルーン112e、外側管116e及び膨らましルーメン122eを有している。しかしながら、この場合、追加の管151,153が、管116内に設けられている。これら追加の管151,153は、流体投与のための別のルーメン155,157をそれぞれ提供する。また、拡張スリーブ113eは、図16〜図18の実施形態に示す連結箇所130ではなく、横方向連結線159により外側バルーン層に接合された内側バルーン層を有している。
【0031】
図21及び図22に示す別の実施形態では、上述した構造要素と類似した構造要素は、同一符号の後に小文字“f”を付けて指示されている。かくして、この実施形態は、管組立体31f、バルーン112f及び連結線159fを有している。しかしながら、この場合、拡張スリーブ112fを凹部67(図5)を設けずに形成することができ、かくしてこの拡張スリーブは、軸方向に一様な筒体から成ったものであってもよい。
さらに、バルーン112fの外側層126fは、その内側層125fよりも小さな厚さを備えるのがよい。層の厚さのこの差は、膨らまし時に薄い方の領域に向かうバルーン112fの拡張を容易にする。かくして、外側層127fを拡張させると内側層129fは、外側層と一緒に一様に引っ張られる。
【0032】
上記実施形態の具体的な開示により、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変更例及び改造例を想到できることは明らかであろう。この理由で、図示の実施形態は、例示として記載されているに過ぎず、本発明を限定するものと解釈されてはならい。
本発明及びその種々の実施形態を説明するために本明細書において用いられている用語は、これらの一般に定義された意味において理解されるだけでなく、本明細書における特定の定義により、これら用語によって表された単一の種(species )の包括的な構造、材料又は作用を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の拡張組立体を備えたカテーテルの軸方向断面図である。
【図2】図1と類似した軸方向断面図であり、拡張組立体をロープロフィール状態で示す図である。
【図3】拡張組立体をハイプロフィール状態で且つ体内導管内に配置した状態で示す軸方向断面図である。
【図4】図3の拡張組立体の4−4線における端面図である。
【図5】図3と類似した軸方向断面図であり、ハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間での拡張組立体の運動状態を示す図である。
【図6】図5と類似した軸方向断面図であり、可変直径を持つ体内導管内で拡張器により指示されたスリーブを示す図である。
【図7】図6と類似した軸方向断面図であり、本発明に従って流路及び除外キャビティの形成の仕方を示す図である。
【図8】除外キャビティが環状円周方向形態を有する追加の実施形態の軸方向断面図である。
【図9】体内導管内に位置した図8の実施形態を示す斜視図である。
【図10】主要な導管を閉塞させないで補助導管を閉塞するための拡張組立体の使用法を示す軸方向断面図である。
【図11】本発明の別の実施形態の側面図である。
【図12】図11の12−12線における半径方向の断面図である。
【図13】膨らまし可能な拡張器をハイプロフィール状態で示す図11の実施形態の斜視図である。
【図14】体内導管内に設けられた図13に示す拡張器の斜視図である。
【図15】図14と類似した斜視図であり、図11の拡張組立体を示す図である。
【図16】膨らまし可能な拡張器を形成するための2枚のシート状材料の配置状態を示す図である。
【図17】バルーンのシームを形成するためのヒートシールの形成法を示す図である。
【図18A】側方凹部を構成するよう密封線を形成する段階を示す図である。
【図18B】バルーンの図18Aの18B−18B線における半径方向の断面図である。
【図19】周方向連結線を含む本発明の別の実施形態の斜視図である。
【図20】図19の20−20線における半径方向の断面図である。
【図21】直交した連結線を含む本発明の別の実施形態を示す図である。
【図22】図21の22−22線における半径方向の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内導管中の体液の流れを制御するために体内導管内に配置されるようになった流体制御装置であって、
第1の表面と、第1の表面と反対側の第2の表面とを備えた分離壁を有し、
前記壁の第1の表面は、体内導管内の体液の流れを容易にする流路を構成し、
前記壁の第2の表面は、流路及び体内導管を通る流体の流れから遮断された除外チャンバを構成していることを特徴とする流体制御装置。
【請求項2】
前記壁の第1の表面と前記流路を構成する特性を備えたスリーブを更に有していることを特徴とする請求項1記載の流体制御アドバイス。
【請求項3】
スリーブを、体内導管内への前記流体制御装置の挿入を容易にするロープロフィール状態と体内導管を通る流体の流れを容易にするハイプロフィール状態との間で移動させるための特性を備えた少なくとも1つの拡張器を更に有していることを特徴とする請求項2記載の流体制御装置。
【請求項4】
除外チャンバは、スリーブの外部に前記壁の第2の表面によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の流体制御装置。
【請求項5】
拡張器は、膨らまし可能であることを特徴とする請求項3記載の流体制御装置。
【請求項6】
拡張器は、骨格構造から成ることを特徴とする請求項3記載の流体制御装置。
【請求項7】
骨格構造は、ワイヤで形成されていることを特徴とする請求項6記載の流体制御装置。
【請求項8】
除外チャンバは、環状の形態をしていることを特徴とする請求項6記載の流体制御装置。
【請求項9】
拡張器は、くびれ部を有し、前記壁は、拡張器のくびれ部の周りに設けられたベルトを有していることを特徴とする請求項8記載の流体制御装置。
【請求項10】
除外チャンバは、拡張器の周方向に設けられていることを特徴とする請求項8記載の流体制御装置。
【請求項11】
体内導管内に配置されるようになったカテーテルであって、
細長い形態を有し、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトと、
シャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体と、
拡張組立体に含まれていて、ハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる第1の拡張器と、
拡張組立体に含まれていて、全体として第1の拡張器とは別個独立にハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる第2の拡張器と、
第1の拡張器及び第2の拡張器によってハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で運搬されるスリーブと、
を有していることを特徴とするカテーテル。
【請求項12】
スリーブは部分的に、除外キャビティを構成していることを特徴とする請求項11記載のカテーテル。
【請求項13】
第1の拡張器及び第2の拡張器は、体内導管内及び拡張組立体を通る流体の流れを容易にするよう全体として多孔性であることを特徴とする請求項11記載のカテーテル。
【請求項14】
第1の拡張器及び第2の拡張器は、除外キャビティを除き、体内導管内及び拡張組立体中を通る流体の流れを容易にするよう全体として多孔性であることを特徴とする請求項12記載のカテーテル。
【請求項15】
体内導管内に配置されるようになったカテーテルであって、
細長い形態を有し、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトと、
シャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体とを有し、前記拡張組立体は、体内導管内への拡張組立体の挿入を容易にするロープロフィール状態及び体内導管内での拡張組立体の動作を容易にするハイプロフィール状態を有し、
前記カテーテルは、
シャフト内に設けられた外側部材と、
シャフト内に設けられていて、外側部材と入れ子関係をなした内側部材と、
拡張組立体に含まれていて、外側部材によって支持された第1の端部及び内側部材によって支持された第2の端部を備える拡張器とを更に有し、
第1の端部と第2の端部は、拡張器がハイプロフィール状態にあるとき、全体として互いに近接した関係をなし、
第1の端部と第2の端部は、拡張器がロープロフィール状態にあるとき、全体として互いに間隔を置いた関係をなすことを特徴とするカテーテル。
【請求項16】
拡張器は、第1の拡張器であり、前記カテーテルは、シャフト内に設けられていて、内側部材の外方に且つ外側部材の近位側に設けられた近位側部材と、外側部材によって支持された第1の端部及び近位側部材によって支持された第2の端部を備える第2の拡張器とを更に有し、近位側部材に対する内側部材の近位側への運動により、第1の拡張器は、ハイプロフィール状態になるよう動き、第2の拡張器は、第1の拡張器とは別個独立にハイプロフィール状態になるよう動くことを特徴とする請求項15記載のカテーテル。
【請求項17】
外側部材は、第2の拡張器に対する第1の拡張器の別個独立の運動を容易にするようシャフトの内側部材上で浮動することを特徴とする請求項16記載のカテーテル。
【請求項18】
第1の拡張器及び第2の拡張器は、体内導管内を流れる流体に対し全体として多孔性であることを特徴とする請求項17記載のカテーテル。
【請求項19】
体内導管内に配置されるようになったカテーテルであって、
細長い形態を有し、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトと、
全体としてカテーテルシャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体とを有し、
前記拡張組立体は、体内導管内への拡張組立体の挿入を容易にするロープロフィール状態及び体内導管内での拡張組立体の動作を容易にするハイプロフィール状態を有し、
前記カテーテルは、拡張組立体に含まれるバルーンを更に有し、バルーンは、これが動いてハイプロフィール状態になるよう膨らまし可能であり、
ハイプロフィール状態にあるバルーンの第1の部分は、体内導管中の流体の流れを容易にする流体流路を構成していることを特徴とするカテーテル。
【請求項20】
バルーンは、全体として円筒形の形態をしていて、全体として流体流路の周方向に延びていることを特徴とする請求項19記載のカテーテル。
【請求項21】
ハイプロフィール状態にあるバルーンの第2の部分は、流体流路の外部に除外キャビティを構成し、それにより除外キャビティを通る流体の流れを阻止するようになっていることを特徴とする請求項20記載のカテーテル。
【請求項22】
シャフトは、バルーンを貫通して延びる貫通ルーメン及びバルーン内で終端した膨らましルーメンを有していることを特徴とする請求項19記載のカテーテル。
【請求項23】
バルーンは、第1のシートと、膨らましキャビティを形成するよう第1のシートに封着された第2のシートとを有し、第1のシート及び第2のシートは、円筒形の形態をしたバルーンを構成するようそれ自体の上に曲げ戻されていることを特徴とする請求項20記載のカテーテル。
【請求項24】
血管を通る血液の流れを止めないで血管の所定の領域に沿う血液の流れを制限する血管内方法であって、
ハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる壁を備えた拡張組立体を有するカテーテルを用意する段階と、
拡張組立体をロープロフィール状態で手術部位まで血管内へ挿入する段階と、
拡張組立体を拡張して壁をハイプロフィール状態に動かす段階とを有し、
壁はハイプロフィール状態において、血管の所定の領域と協働して血管内の血液の流れから隔離された除外キャビティを構成することを特徴とする血管内方法。
【請求項25】
カテーテルを用意する段階は、第1の側部及び第2の側部を備えた壁を用意する段階と、壁を拡張組立体内に位置していて、壁の第1の側部が除外キャビティを構成し、壁の第2の側部が除外キャビティから密封された血液流路を構成する場所に配置する段階とを含むことを特徴とする請求項24記載の血管内方法。
【請求項26】
カテーテルを用意する段階は、ハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる骨組み構造を備えた拡張組立体を形成する段階と、スリーブを骨組み構造に取り付けてスリーブをハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動かす段階とを含むことを特徴とする請求項25記載の血管内方法。
【請求項27】
拡張段階は、拡張組立体を膨らまして壁をハイプロフィール状態に動かす段階を含むことを特徴とする請求項25記載の血管内方法。
【請求項28】
カテーテルを用意する段階は、バルーンを備えた拡張組立体を用意する段階を含み、拡張段階は、バルーンを膨らませて壁をハイプロフィール状態に動かす段階を含むことを特徴とする請求項27記載の血管内方法。
【請求項29】
膨らまし可能な拡張組立体を製作する方法であって、
第1のシート材料片を用意する工程と、
第2のシート材料片を少なくとも1つの周囲シームに沿って第1のシート材料片に封着して膨らましキャビティを形成する工程と、
第1のシート材料片及び第2のシート材料片をそれ自体の上に曲げ戻して膨らましキャビティに全体として円筒形の形態を与える工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項30】
封着工程は、第1の周囲シーム及び第1の周囲シームから間隔を置いて位置する第2の周囲シームを形成する工程を含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
第1の周囲シームを第2の周囲シームに取り付けて膨らましキャビティを円筒形の形態に維持する工程を更に有していることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項32】
形成工程は、第1の周囲シームを第2の周囲シームと全体として平行な関係に形成する工程を含むことを特徴とする請求項30記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内導管中の体液の流れを制御するために体内導管内に配置されるようになった流体制御装置であって、
第1の表面、及び、該第1の表面の反対側にある第2の表面を備えた分離壁を有し、
前記壁の第1の表面は、体内導管内の体液の流れを容易にする流路を構成し、
前記壁の第2の表面は、流路及び体内導管を通る流体の流れから遮断された除外チャンバを構成する、
ことを特徴とする流体制御装置。
【請求項2】
前記壁の第1の表面と前記流路を構成する特性を備えたスリーブを更に有していることを特徴とする請求項1記載の流体制御装置。
【請求項3】
体内導管内への前記流体制御装置の挿入を容易にするロープロフィール状態と、体内導管を通る流体の流れを容易にするハイプロフィール状態との間で、スリーブを移動させるための特性を備えた少なくとも1つの拡張器を更に有していることを特徴とする請求項2記載の流体制御装置。
【請求項4】
前記除外チャンバは、スリーブの外部に前記壁の第2の表面によって構成されることを特徴とする請求項1記載の流体制御装置。
【請求項5】
前記拡張器は、膨らまし可能であることを特徴とする請求項3記載の流体制御装置。
【請求項6】
前記拡張器は、骨格構造から成ることを特徴とする請求項3記載の流体制御装置。
【請求項7】
前記骨格構造は、ワイヤで形成されることを特徴とする請求項6記載の流体制御装置。
【請求項8】
前記除外チャンバは、環状の形態をしていることを特徴とする請求項6記載の流体制御装置。
【請求項9】
前記拡張器は、くびれ部を有し、前記壁は、前記拡張器のくびれ部の周りに設けられたベルトを有していることを特徴とする請求項8記載の流体制御装置。
【請求項10】
前記除外チャンバは、前記拡張器の周方向に設けられていることを特徴とする請求項8記載の流体制御装置。
【請求項11】
体内導管内に配置されるようになったカテーテルであって、
細長い形態を有し、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトと、
前記シャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体と、
前記拡張組立体に含まれていて、ハイプロフィール状態と、ロープロフィール状態との間で動くことができる第1の拡張器と、
前記拡張組立体に含まれていて、全体として前記第1の拡張器とは別個独立に、ハイプロフィール状態と、ロープロフィール状態との間で動くことができる第2の拡張器と、
前記第1の拡張器及び前記第2の拡張器によって、ハイプロフィール状態と、ロープロフィール状態との間で運搬されるスリーブとを有する、
ことを特徴とするカテーテル。
【請求項12】
前記スリーブは、部分的に、除外キャビティを構成することを特徴とする請求項11記載のカテーテル。
【請求項13】
前記第1の拡張器及び前記第2の拡張器は、体内導管内及び拡張組立体を通る流体の流れを容易にするように、全体として多孔性であることを特徴とする請求項11記載のカテーテル。
【請求項14】
前記第1の拡張器及び前記第2の拡張器は、除外キャビティを除き、体内導管内及び拡張組立体中を通る流体の流れを容易にするように、全体として多孔性であることを特徴とする請求項12記載のカテーテル。
【請求項15】
体内導管内に配置されるようになったカテーテルであって、
細長い形態を有し、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトと、
前記シャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体とを有し、
前記拡張組立体は、体内導管内への拡張組立体の挿入を容易にするロープロフィール状態、及び、体内導管内での拡張組立体の動作を容易にするハイプロフィール状態を有し、
前記カテーテルは、
前記シャフト内に設けられた外側部材と、
前記シャフト内に設けられていて、前記外側部材と入れ子関係をなしている内側部材と、
前記拡張組立体に含まれていて、前記外側部材によって支持された第1の端部及び内側部材によって支持された第2の端部を備える拡張器とを更に有し、
前記第1の端部と前記第2の端部は、前記拡張器がハイプロフィール状態にあるとき、全体として互いに近接した関係をなし、
前記第1の端部と前記第2の端部は、前記拡張器がロープロフィール状態にあるとき、全体として互いに間隔を置いた関係をなすように構成される、
ことを特徴とするカテーテル。
【請求項16】
前記拡張器は、第1の拡張器であり、
前記カテーテルは、
前記シャフト内に設けられていて、内側部材の外方に且つ外側部材の近位側に設けられた近位側部材と、
外側部材によって支持された第1の端部及び近位側部材によって支持された第2の端部を備える第2の拡張器とを更に有し、
前記近位側部材に対する前記内側部材の近位側への運動により、前記第1の拡張器は、ハイプロフィール状態になるよう動き、前記第2の拡張器は、前記第1の拡張器とは別個独立にハイプロフィール状態になるよう動くように構成される、
ことを特徴とする請求項15記載のカテーテル。
【請求項17】
前記外側部材は、前記第2の拡張器に対する前記第1の拡張器の別個独立の運動を容易にするように、前記シャフトの前記内側部材の上で浮動することを特徴とする請求項16記載のカテーテル。
【請求項18】
前記第1の拡張器及び前記第2の拡張器は、体内導管内を流れる流体に対して、全体として多孔性であることを特徴とする請求項17記載のカテーテル。
【請求項19】
体内導管内に配置されるようになったカテーテルであって、
細長い形態を有し、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトと、
全体としてカテーテルのシャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体とを有し、
前記拡張組立体は、体内導管内への拡張組立体の挿入を容易にするロープロフィール状態、及び、体内導管内での拡張組立体の動作を容易にするハイプロフィール状態を有し、
前記カテーテルは、前記拡張組立体に含まれるバルーンを更に有し、
前記バルーンは、これが動いてハイプロフィール状態になるよう膨らまし可能であり、
ハイプロフィール状態にある前記バルーンの第1の部分は、体内導管中の流体の流れを容易にする流体流路を構成している、
ことを特徴とするカテーテル。
【請求項20】
前記バルーンは、全体として円筒形の形態をしていて、全体として流体流路の周方向に延びることを特徴とする請求項19記載のカテーテル。
【請求項21】
ハイプロフィール状態にある前記バルーンの第2の部分は、流体流路の外部に除外キャビティを構成し、それによって、除外キャビティを通る流体の流れを阻止するようになっていることを特徴とする請求項20記載のカテーテル。
【請求項22】
前記シャフトは、前記バルーンを貫通して延びる貫通ルーメン、及び、前記バルーン内で終端している膨らましルーメンを有していることを特徴とする請求項19記載のカテーテル。
【請求項23】
前記バルーンは、第1のシートと、膨らましキャビティを形成するように第1のシートに封着された第2のシートとを有し、前記第1のシート及び前記第2のシートは、円筒形の形態をしたバルーンを構成するように、それ自体の上に曲げ戻されていることを特徴とする請求項20記載のカテーテル。
【請求項24】
膨らまし可能な拡張組立体を製作する方法であって、
第1のシート材料片を用意する工程と、
少なくとも1つの周囲シームに沿って、前記第1のシート材料片に第2のシート材料片を封着して膨らましキャビティを形成する工程と、
前記第1のシート材料片及び前記第2のシート材料片を、それ自体の上に曲げ戻して、膨らましキャビティに全体として円筒形の形態を与える工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
前記第2のシート材料片を封着して膨らましキャビティを形成する工程は、第1の周囲シーム、及び、第1の周囲シームから間隔を置いて位置する第2の周囲シームを形成する工程を含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記第1の周囲シームを前記第2の周囲シームに取り付けて膨らましキャビティを円筒形の形態に維持する工程を更に含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記第2の周囲シームを形成する工程は、前記第1の周囲シームを前記第2の周囲シームと全体として平行な関係に形成する工程を含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項1】
体内導管中の体液の流れを制御するために体内導管内に配置されるようになった流体制御装置であって、
第1の表面と、第1の表面と反対側の第2の表面とを備えた分離壁を有し、
前記壁の第1の表面は、体内導管内の体液の流れを容易にする流路を構成し、
前記壁の第2の表面は、流路及び体内導管を通る流体の流れから遮断された除外チャンバを構成していることを特徴とする流体制御装置。
【請求項2】
前記壁の第1の表面と前記流路を構成する特性を備えたスリーブを更に有していることを特徴とする請求項1記載の流体制御アドバイス。
【請求項3】
スリーブを、体内導管内への前記流体制御装置の挿入を容易にするロープロフィール状態と体内導管を通る流体の流れを容易にするハイプロフィール状態との間で移動させるための特性を備えた少なくとも1つの拡張器を更に有していることを特徴とする請求項2記載の流体制御装置。
【請求項4】
除外チャンバは、スリーブの外部に前記壁の第2の表面によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の流体制御装置。
【請求項5】
拡張器は、膨らまし可能であることを特徴とする請求項3記載の流体制御装置。
【請求項6】
拡張器は、骨格構造から成ることを特徴とする請求項3記載の流体制御装置。
【請求項7】
骨格構造は、ワイヤで形成されていることを特徴とする請求項6記載の流体制御装置。
【請求項8】
除外チャンバは、環状の形態をしていることを特徴とする請求項6記載の流体制御装置。
【請求項9】
拡張器は、くびれ部を有し、前記壁は、拡張器のくびれ部の周りに設けられたベルトを有していることを特徴とする請求項8記載の流体制御装置。
【請求項10】
除外チャンバは、拡張器の周方向に設けられていることを特徴とする請求項8記載の流体制御装置。
【請求項11】
体内導管内に配置されるようになったカテーテルであって、
細長い形態を有し、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトと、
シャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体と、
拡張組立体に含まれていて、ハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる第1の拡張器と、
拡張組立体に含まれていて、全体として第1の拡張器とは別個独立にハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる第2の拡張器と、
第1の拡張器及び第2の拡張器によってハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で運搬されるスリーブと、
を有していることを特徴とするカテーテル。
【請求項12】
スリーブは部分的に、除外キャビティを構成していることを特徴とする請求項11記載のカテーテル。
【請求項13】
第1の拡張器及び第2の拡張器は、体内導管内及び拡張組立体を通る流体の流れを容易にするよう全体として多孔性であることを特徴とする請求項11記載のカテーテル。
【請求項14】
第1の拡張器及び第2の拡張器は、除外キャビティを除き、体内導管内及び拡張組立体中を通る流体の流れを容易にするよう全体として多孔性であることを特徴とする請求項12記載のカテーテル。
【請求項15】
体内導管内に配置されるようになったカテーテルであって、
細長い形態を有し、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトと、
シャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体とを有し、前記拡張組立体は、体内導管内への拡張組立体の挿入を容易にするロープロフィール状態及び体内導管内での拡張組立体の動作を容易にするハイプロフィール状態を有し、
前記カテーテルは、
シャフト内に設けられた外側部材と、
シャフト内に設けられていて、外側部材と入れ子関係をなした内側部材と、
拡張組立体に含まれていて、外側部材によって支持された第1の端部及び内側部材によって支持された第2の端部を備える拡張器とを更に有し、
第1の端部と第2の端部は、拡張器がハイプロフィール状態にあるとき、全体として互いに近接した関係をなし、
第1の端部と第2の端部は、拡張器がロープロフィール状態にあるとき、全体として互いに間隔を置いた関係をなすことを特徴とするカテーテル。
【請求項16】
拡張器は、第1の拡張器であり、前記カテーテルは、シャフト内に設けられていて、内側部材の外方に且つ外側部材の近位側に設けられた近位側部材と、外側部材によって支持された第1の端部及び近位側部材によって支持された第2の端部を備える第2の拡張器とを更に有し、近位側部材に対する内側部材の近位側への運動により、第1の拡張器は、ハイプロフィール状態になるよう動き、第2の拡張器は、第1の拡張器とは別個独立にハイプロフィール状態になるよう動くことを特徴とする請求項15記載のカテーテル。
【請求項17】
外側部材は、第2の拡張器に対する第1の拡張器の別個独立の運動を容易にするようシャフトの内側部材上で浮動することを特徴とする請求項16記載のカテーテル。
【請求項18】
第1の拡張器及び第2の拡張器は、体内導管内を流れる流体に対し全体として多孔性であることを特徴とする請求項17記載のカテーテル。
【請求項19】
体内導管内に配置されるようになったカテーテルであって、
細長い形態を有し、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトと、
全体としてカテーテルシャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体とを有し、
前記拡張組立体は、体内導管内への拡張組立体の挿入を容易にするロープロフィール状態及び体内導管内での拡張組立体の動作を容易にするハイプロフィール状態を有し、
前記カテーテルは、拡張組立体に含まれるバルーンを更に有し、バルーンは、これが動いてハイプロフィール状態になるよう膨らまし可能であり、
ハイプロフィール状態にあるバルーンの第1の部分は、体内導管中の流体の流れを容易にする流体流路を構成していることを特徴とするカテーテル。
【請求項20】
バルーンは、全体として円筒形の形態をしていて、全体として流体流路の周方向に延びていることを特徴とする請求項19記載のカテーテル。
【請求項21】
ハイプロフィール状態にあるバルーンの第2の部分は、流体流路の外部に除外キャビティを構成し、それにより除外キャビティを通る流体の流れを阻止するようになっていることを特徴とする請求項20記載のカテーテル。
【請求項22】
シャフトは、バルーンを貫通して延びる貫通ルーメン及びバルーン内で終端した膨らましルーメンを有していることを特徴とする請求項19記載のカテーテル。
【請求項23】
バルーンは、第1のシートと、膨らましキャビティを形成するよう第1のシートに封着された第2のシートとを有し、第1のシート及び第2のシートは、円筒形の形態をしたバルーンを構成するようそれ自体の上に曲げ戻されていることを特徴とする請求項20記載のカテーテル。
【請求項24】
血管を通る血液の流れを止めないで血管の所定の領域に沿う血液の流れを制限する血管内方法であって、
ハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる壁を備えた拡張組立体を有するカテーテルを用意する段階と、
拡張組立体をロープロフィール状態で手術部位まで血管内へ挿入する段階と、
拡張組立体を拡張して壁をハイプロフィール状態に動かす段階とを有し、
壁はハイプロフィール状態において、血管の所定の領域と協働して血管内の血液の流れから隔離された除外キャビティを構成することを特徴とする血管内方法。
【請求項25】
カテーテルを用意する段階は、第1の側部及び第2の側部を備えた壁を用意する段階と、壁を拡張組立体内に位置していて、壁の第1の側部が除外キャビティを構成し、壁の第2の側部が除外キャビティから密封された血液流路を構成する場所に配置する段階とを含むことを特徴とする請求項24記載の血管内方法。
【請求項26】
カテーテルを用意する段階は、ハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動くことができる骨組み構造を備えた拡張組立体を形成する段階と、スリーブを骨組み構造に取り付けてスリーブをハイプロフィール状態とロープロフィール状態との間で動かす段階とを含むことを特徴とする請求項25記載の血管内方法。
【請求項27】
拡張段階は、拡張組立体を膨らまして壁をハイプロフィール状態に動かす段階を含むことを特徴とする請求項25記載の血管内方法。
【請求項28】
カテーテルを用意する段階は、バルーンを備えた拡張組立体を用意する段階を含み、拡張段階は、バルーンを膨らませて壁をハイプロフィール状態に動かす段階を含むことを特徴とする請求項27記載の血管内方法。
【請求項29】
膨らまし可能な拡張組立体を製作する方法であって、
第1のシート材料片を用意する工程と、
第2のシート材料片を少なくとも1つの周囲シームに沿って第1のシート材料片に封着して膨らましキャビティを形成する工程と、
第1のシート材料片及び第2のシート材料片をそれ自体の上に曲げ戻して膨らましキャビティに全体として円筒形の形態を与える工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項30】
封着工程は、第1の周囲シーム及び第1の周囲シームから間隔を置いて位置する第2の周囲シームを形成する工程を含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
第1の周囲シームを第2の周囲シームに取り付けて膨らましキャビティを円筒形の形態に維持する工程を更に有していることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項32】
形成工程は、第1の周囲シームを第2の周囲シームと全体として平行な関係に形成する工程を含むことを特徴とする請求項30記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内導管中の体液の流れを制御するために体内導管内に配置されるようになった流体制御装置であって、
第1の表面、及び、該第1の表面の反対側にある第2の表面を備えた分離壁を有し、
前記壁の第1の表面は、体内導管内の体液の流れを容易にする流路を構成し、
前記壁の第2の表面は、流路及び体内導管を通る流体の流れから遮断された除外チャンバを構成する、
ことを特徴とする流体制御装置。
【請求項2】
前記壁の第1の表面と前記流路を構成する特性を備えたスリーブを更に有していることを特徴とする請求項1記載の流体制御装置。
【請求項3】
体内導管内への前記流体制御装置の挿入を容易にするロープロフィール状態と、体内導管を通る流体の流れを容易にするハイプロフィール状態との間で、スリーブを移動させるための特性を備えた少なくとも1つの拡張器を更に有していることを特徴とする請求項2記載の流体制御装置。
【請求項4】
前記除外チャンバは、スリーブの外部に前記壁の第2の表面によって構成されることを特徴とする請求項1記載の流体制御装置。
【請求項5】
前記拡張器は、膨らまし可能であることを特徴とする請求項3記載の流体制御装置。
【請求項6】
前記拡張器は、骨格構造から成ることを特徴とする請求項3記載の流体制御装置。
【請求項7】
前記骨格構造は、ワイヤで形成されることを特徴とする請求項6記載の流体制御装置。
【請求項8】
前記除外チャンバは、環状の形態をしていることを特徴とする請求項6記載の流体制御装置。
【請求項9】
前記拡張器は、くびれ部を有し、前記壁は、前記拡張器のくびれ部の周りに設けられたベルトを有していることを特徴とする請求項8記載の流体制御装置。
【請求項10】
前記除外チャンバは、前記拡張器の周方向に設けられていることを特徴とする請求項8記載の流体制御装置。
【請求項11】
体内導管内に配置されるようになったカテーテルであって、
細長い形態を有し、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトと、
前記シャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体と、
前記拡張組立体に含まれていて、ハイプロフィール状態と、ロープロフィール状態との間で動くことができる第1の拡張器と、
前記拡張組立体に含まれていて、全体として前記第1の拡張器とは別個独立に、ハイプロフィール状態と、ロープロフィール状態との間で動くことができる第2の拡張器と、
前記第1の拡張器及び前記第2の拡張器によって、ハイプロフィール状態と、ロープロフィール状態との間で運搬されるスリーブとを有する、
ことを特徴とするカテーテル。
【請求項12】
前記スリーブは、部分的に、除外キャビティを構成することを特徴とする請求項11記載のカテーテル。
【請求項13】
前記第1の拡張器及び前記第2の拡張器は、体内導管内及び拡張組立体を通る流体の流れを容易にするように、全体として多孔性であることを特徴とする請求項11記載のカテーテル。
【請求項14】
前記第1の拡張器及び前記第2の拡張器は、除外キャビティを除き、体内導管内及び拡張組立体中を通る流体の流れを容易にするように、全体として多孔性であることを特徴とする請求項12記載のカテーテル。
【請求項15】
体内導管内に配置されるようになったカテーテルであって、
細長い形態を有し、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトと、
前記シャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体とを有し、
前記拡張組立体は、体内導管内への拡張組立体の挿入を容易にするロープロフィール状態、及び、体内導管内での拡張組立体の動作を容易にするハイプロフィール状態を有し、
前記カテーテルは、
前記シャフト内に設けられた外側部材と、
前記シャフト内に設けられていて、前記外側部材と入れ子関係をなしている内側部材と、
前記拡張組立体に含まれていて、前記外側部材によって支持された第1の端部及び内側部材によって支持された第2の端部を備える拡張器とを更に有し、
前記第1の端部と前記第2の端部は、前記拡張器がハイプロフィール状態にあるとき、全体として互いに近接した関係をなし、
前記第1の端部と前記第2の端部は、前記拡張器がロープロフィール状態にあるとき、全体として互いに間隔を置いた関係をなすように構成される、
ことを特徴とするカテーテル。
【請求項16】
前記拡張器は、第1の拡張器であり、
前記カテーテルは、
前記シャフト内に設けられていて、内側部材の外方に且つ外側部材の近位側に設けられた近位側部材と、
外側部材によって支持された第1の端部及び近位側部材によって支持された第2の端部を備える第2の拡張器とを更に有し、
前記近位側部材に対する前記内側部材の近位側への運動により、前記第1の拡張器は、ハイプロフィール状態になるよう動き、前記第2の拡張器は、前記第1の拡張器とは別個独立にハイプロフィール状態になるよう動くように構成される、
ことを特徴とする請求項15記載のカテーテル。
【請求項17】
前記外側部材は、前記第2の拡張器に対する前記第1の拡張器の別個独立の運動を容易にするように、前記シャフトの前記内側部材の上で浮動することを特徴とする請求項16記載のカテーテル。
【請求項18】
前記第1の拡張器及び前記第2の拡張器は、体内導管内を流れる流体に対して、全体として多孔性であることを特徴とする請求項17記載のカテーテル。
【請求項19】
体内導管内に配置されるようになったカテーテルであって、
細長い形態を有し、軸線に沿って近位端部と遠位端部との間に延びるシャフトと、
全体としてカテーテルのシャフトの遠位端部のところに設けられた拡張組立体とを有し、
前記拡張組立体は、体内導管内への拡張組立体の挿入を容易にするロープロフィール状態、及び、体内導管内での拡張組立体の動作を容易にするハイプロフィール状態を有し、
前記カテーテルは、前記拡張組立体に含まれるバルーンを更に有し、
前記バルーンは、これが動いてハイプロフィール状態になるよう膨らまし可能であり、
ハイプロフィール状態にある前記バルーンの第1の部分は、体内導管中の流体の流れを容易にする流体流路を構成している、
ことを特徴とするカテーテル。
【請求項20】
前記バルーンは、全体として円筒形の形態をしていて、全体として流体流路の周方向に延びることを特徴とする請求項19記載のカテーテル。
【請求項21】
ハイプロフィール状態にある前記バルーンの第2の部分は、流体流路の外部に除外キャビティを構成し、それによって、除外キャビティを通る流体の流れを阻止するようになっていることを特徴とする請求項20記載のカテーテル。
【請求項22】
前記シャフトは、前記バルーンを貫通して延びる貫通ルーメン、及び、前記バルーン内で終端している膨らましルーメンを有していることを特徴とする請求項19記載のカテーテル。
【請求項23】
前記バルーンは、第1のシートと、膨らましキャビティを形成するように第1のシートに封着された第2のシートとを有し、前記第1のシート及び前記第2のシートは、円筒形の形態をしたバルーンを構成するように、それ自体の上に曲げ戻されていることを特徴とする請求項20記載のカテーテル。
【請求項24】
膨らまし可能な拡張組立体を製作する方法であって、
第1のシート材料片を用意する工程と、
少なくとも1つの周囲シームに沿って、前記第1のシート材料片に第2のシート材料片を封着して膨らましキャビティを形成する工程と、
前記第1のシート材料片及び前記第2のシート材料片を、それ自体の上に曲げ戻して、膨らましキャビティに全体として円筒形の形態を与える工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
前記第2のシート材料片を封着して膨らましキャビティを形成する工程は、第1の周囲シーム、及び、第1の周囲シームから間隔を置いて位置する第2の周囲シームを形成する工程を含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記第1の周囲シームを前記第2の周囲シームに取り付けて膨らましキャビティを円筒形の形態に維持する工程を更に含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記第2の周囲シームを形成する工程は、前記第1の周囲シームを前記第2の周囲シームと全体として平行な関係に形成する工程を含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
【図1】
【図3】
【図4】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図13】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図3】
【図4】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図13】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2006−512100(P2006−512100A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−567486(P2003−567486)
【出願日】平成14年9月10日(2002.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2002/028830
【国際公開番号】WO2003/068306
【国際公開日】平成15年8月21日(2003.8.21)
【出願人】(503000978)アプライド メディカル リソーシーズ コーポレイション (70)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年9月10日(2002.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2002/028830
【国際公開番号】WO2003/068306
【国際公開日】平成15年8月21日(2003.8.21)
【出願人】(503000978)アプライド メディカル リソーシーズ コーポレイション (70)
【Fターム(参考)】
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