衛星受信用コンバータ装置および衛星受信用アンテナ
【課題】設計、生産、および販売等における負荷を低減することが可能な衛星受信用コンバータ装置を提供する。
【解決手段】2つの衛星からそれぞれ送信されパラボラ反射鏡に反射した電波を受信する衛星受信用コンバータ装置100Aは、上記パラボラ反射鏡に対向し、相互に隣り合った状態で所定の位置にそれぞれ配置された第1および第2受信用コンバータC10A,C10Bと、第1および第2受信用コンバータC10A,C10Bを上記所定の位置に支持する支持手段とを備える。上記支持手段は、第1および第2受信用コンバータC10A,C10Bの間に位置する内側クランプ部材9と、第1受信用コンバータC10Aを挟んで内側クランプ部材9の反対側に配置された第1外側クランプ部材5Aとを含む。第1受信用コンバータC10Aは、内側クランプ部材9および第1外側クランプ部材5Aに挟持され、上記所定の位置に支持される。
【解決手段】2つの衛星からそれぞれ送信されパラボラ反射鏡に反射した電波を受信する衛星受信用コンバータ装置100Aは、上記パラボラ反射鏡に対向し、相互に隣り合った状態で所定の位置にそれぞれ配置された第1および第2受信用コンバータC10A,C10Bと、第1および第2受信用コンバータC10A,C10Bを上記所定の位置に支持する支持手段とを備える。上記支持手段は、第1および第2受信用コンバータC10A,C10Bの間に位置する内側クランプ部材9と、第1受信用コンバータC10Aを挟んで内側クランプ部材9の反対側に配置された第1外側クランプ部材5Aとを含む。第1受信用コンバータC10Aは、内側クランプ部材9および第1外側クランプ部材5Aに挟持され、上記所定の位置に支持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星受信用コンバータ装置および衛星受信用アンテナに関し、特に、隣接する2つの衛星からそれぞれ送信されパラボラ反射鏡に反射した電波を受信する衛星受信用コンバータ装置、およびその衛星受信用コンバータ装置を備えた衛星受信用アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
特開平6−69722号公報(特許文献1)は、2つの人工衛星(以下、衛星という)から送信された電波を受信するための衛星受信用アンテナを開示している。当該衛星受信用アンテナは、いわゆるデュアルビームアンテナ(マルチビームアンテナともいう)である。
【0003】
図22〜図25を参照して、デュアルビームアンテナに備えられる一般的な衛星受信用コンバータ装置10Aについて説明する。衛星受信用コンバータ装置10Aは、いわゆるデュアルビームコンバータである。
【0004】
図22は、衛星受信用コンバータ装置10Aを示す平面図である。図23は、図22中における矢印XXIII方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置10Aを示す側面図である。図24は、図22中における矢印XXIV方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置10Aを示す正面図である。図25は、図23中におけるXXV−XXV線に関する矢視断面図である。
【0005】
図22および図23を参照して、衛星受信用コンバータ装置10Aは、ホーン部11、円筒部16、およびキャビネット13を備える。ホーン部11は、図22および図23の紙面右側に配置されるパラボラ反射鏡(図示せず)に対向している。
【0006】
図24を参照して、ホーン部11は、中心位置が間隔L10Aを空けて隣り合う円形状の受信部12Aおよび受信部12Bを有している。図23および図25を参照して、円筒部16は、上部クランプ部材15と下部クランプ部材19とに挟持されている。上部クランプ部材15の一端に延設された締結部15Aと下部クランプ部材19の一端に延設された締結部19Aとは、ビス17Aによって締結されている。上部クランプ部材15の他端に延設された締結部15Bと下部クランプ部材19の他端に延設された締結部19Bとは、ビス17Bによって締結されている。
【0007】
ビス17A,17Bの締結によって、円筒部16は、上部クランプ部材15の内周面15Rと下部クランプ部材19の内周面19Rとに挟持されている。図25に示すように、円筒部16の内部には、受信部12Aに対応する導波管12KAと、受信部12Bに対応する導波管12KBとが設けられている。
【0008】
図23および図24に示すように、下部クランプ部材19は、側面視略L字状の取付具21に支持されている。取付具21は、ビス22A,22Bによってアンテナアーム20に固定されている。キャビネット13の下方に露出する同軸ケーブル30は、キャビネット13の内部に設けられたコンバータ(図示せず)にコネクター接続されている。
【0009】
図26を参照して、衛星受信用コンバータ装置10Aにおいては、ビス17A,17Bの締結を緩めることによって、受信部12A(導波管12KA)および受信部12B(導波管12KB)を矢印AR10A方向(およびその反対方向)に回転させることができる。当該回転によって、受信位置(衛星受信用コンバータ装置10Aの設置位置)毎のスキュー角(偏波角)は最適な値に調節されることができる。
【0010】
衛星受信用コンバータ装置10Aを使用して、2つの衛星からたとえばCS(Communications Satellite)放送用の12GHz帯の電波を受信する。大半の地域では直径が45cmのパラボラ反射鏡が用いられる。この場合、受信部12Aおよび受信部12Bの間隔L10A(図24参照)は、約25mmに設定される。一方、電波の電力が弱い地域(たとえば北海道、沖縄、または離島など)では、直径が60cmのパラボラ反射鏡が用いられる。この場合、受信部12Aおよび受信部12Bの間隔L10A(図24参照)は、約35mmに設定される。
【0011】
間隔L10Aが25mmの衛星受信用コンバータ装置と間隔L10Aが35mmの衛星受信用コンバータ装置とを比較すると、前者(間隔L10Aが25mm)の生産数量は圧倒的に多く、後者(間隔L10Aが35mm)の生産数量は非常に少ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平6−69722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
図24および図25を参照して、受信部12Aおよび受信部12Bの間隔L10Aに合わせて、導波管12KAと導波管12KBとの間隔、円筒部16の大きさ、キャビネット13に内蔵されたコンバータを載置するシャーシ、およびコンバータの回路パターン等が設計される。衛星受信用コンバータ装置10Aにおいては、間隔L10Aが調節(増減)可能には設計されていない。間隔L10Aに応じて(使用地域に応じて)、多種の衛星受信用コンバータ装置10Aが準備される必要がある。
【0014】
多種の衛星受信用コンバータ装置が準備されるためには、設計上および生産上において多くの労力およびコストが必要となる。販売店としても、使用地域に合わせた多種の衛星受信用コンバータ装置を在庫に抱える必要がある。使用者としても、引越後には衛星受信用コンバータ装置を買い換える必要がある。衛星受信用コンバータ装置10Aによれば、設計、生産、および販売等のために多くの負担を必要としている。
【0015】
本発明は、上記の実情に鑑みて為されたものであって、設計、生産、および販売等における負荷を低減することが可能な衛星受信用コンバータ装置、およびその衛星受信用コンバータ装置を備えた衛星受信用アンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に基づく衛星受信用コンバータ装置は、2つの衛星からそれぞれ送信されパラボラ反射鏡に反射した電波を受信する衛星受信用コンバータ装置であって、上記パラボラ反射鏡に対向し、相互に隣り合った状態で所定の位置にそれぞれ配置された第1受信用コンバータおよび第2受信用コンバータと、上記第1受信用コンバータおよび上記第2受信用コンバータを上記所定の位置に支持する支持手段と、を備え、上記支持手段は、上記第1受信用コンバータおよび上記第2受信用コンバータの間に位置する内側クランプ部材と、上記第1受信用コンバータを挟んで上記内側クランプ部材の反対側に配置された第1外側クランプ部材と、を含み、上記第1受信用コンバータは、上記内側クランプ部材および上記第1外側クランプ部材に挟持されることによって、上記所定の位置に支持されている。
【0017】
好ましくは、上記支持手段は、上記第2受信用コンバータを挟んで上記内側クランプ部材の反対側に配置された第2外側クランプ部材をさらに含み、上記第2受信用コンバータは、上記内側クランプ部材および上記第2外側クランプ部材に挟持されることによって、上記所定の位置に支持されている。
【0018】
好ましくは、上記支持手段は、上記内側クランプ部材および上記第1受信用コンバータの間に設けられる第1スペーサー部材をさらに含む。好ましくは、上記第1スペーサー部材は、略三日月形状である。
【0019】
好ましくは、上記第1受信用コンバータは、上記パラボラ反射鏡と対向するフィードホーン部と、上記フィードホーン部から上記パラボラ反射鏡とは反対側に向かって延在し、上記内側クランプ部材および上記第1スペーサー部材に挟持される円筒部と、を有する。
【0020】
好ましくは、上記支持手段は、上記内側クランプ部材および上記第2受信用コンバータの間に設けられる第2スペーサー部材をさらに含む。
【0021】
好ましくは、上記第1スペーサー部材および上記第2スペーサー部材は同一形状である。
【0022】
好ましくは、上記支持手段は、上記内側クランプ部材を揺動可能に支持する基台をさらに含み、上記内側クランプ部材および上記基台の一方には、嵌合部が突設され、上記内側クランプ部材および上記基台の他方には、上記嵌合部に嵌合する被嵌合部が設けられ、上記嵌合部および上記被嵌合部が相互に嵌合している位置を中心として上記内側クランプ部材が揺動することによって、上記第1受信用コンバータおよび上記第2受信用コンバータの偏波角が調節される。
【0023】
好ましくは、上記支持手段によって、上記第1受信用コンバータおよび上記第2受信用コンバータは上記パラボラ反射鏡の中心位置を向くようにそれぞれ支持されている。
【0024】
本発明に基づく衛星受信用アンテナは、本発明に基づく上記の衛星受信用コンバータ装置と、上記パラボラ反射鏡と、を備える。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、設計、生産、および販売等における負荷を低減することが可能な衛星受信用コンバータ装置、およびその衛星受信用コンバータ装置を備えた衛星受信用アンテナを提供することを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】比較例における衛星受信用コンバータ装置を示す平面図である。
【図2】図1中における矢印II方向からの矢視図であり、比較例における衛星受信用コンバータ装置を示す側面図である。
【図3】図1中における矢印III方向からの矢視図であり、比較例における衛星受信用コンバータ装置を示す正面図である。
【図4】比較例における衛星受信用コンバータ装置を分解して示す正面図である。
【図5】比較例における衛星受信用コンバータ装置の偏波角を変更した様子を示す正面図である。
【図6】比較例における衛星受信用コンバータ装置の変形例を分解して示す正面図である。
【図7】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を備えた衛星受信用アンテナを示す側面図である。
【図8】図7中における矢印VIII方向からの矢視図であり、実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を備えた衛星受信用アンテナを示す上面図である。
【図9】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を示す斜視図である。
【図10】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を示す平面図である。
【図11】図10中における矢印XI方向からの矢視図であり、実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を示す側面図である。
【図12】図10中における矢印XII方向からの矢視図であり、実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を示す正面図である。
【図13】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を分解して示す斜視図である。
【図14】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を分解して示す正面図である。
【図15】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置に用いられる基台および内側クランプ部材の背面側下方を示す分解斜視図である。
【図16】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置に用いられる基台および内側クランプ部材の正面側下方を示す分解斜視図である。
【図17】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置の変形例を示す正面図である。
【図18】実施の形態2における衛星受信用コンバータ装置を示す正面図である。
【図19】実施の形態2における衛星受信用コンバータ装置を分解して示す斜視図である。
【図20】実施の形態2における衛星受信用コンバータ装置を分解して示す正面図である。
【図21】実施の形態1,2における衛星受信用コンバータ装置の変形例を示す正面図である。
【図22】一般的な衛星受信用コンバータ装置を示す平面図である。
【図23】図22中における矢印XXIII方向からの矢視図であり、一般的な衛星受信用コンバータ装置を示す側面図である。
【図24】図22中における矢印XXIV方向からの矢視図であり、一般的な衛星受信用コンバータ装置を示す正面図である。
【図25】図23中におけるXXV−XXV線に関する矢視断面図である。
【図26】一般的な衛星受信用コンバータ装置の偏波角を変更した様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[比較例]
本発明に基づいた各実施の形態について説明する前に、図1〜図5を参照して、本発明の比較例における衛星受信用コンバータ装置10Bについて説明する。衛星受信用コンバータ装置10Bは、いわゆるデュアルビームコンバータである。
【0028】
図1は、衛星受信用コンバータ装置10Bを示す平面図である。図2は、図1中における矢印II方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置10Bを示す側面図である。図3は、図1中における矢印III方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置10Bを示す正面図である。図4は、衛星受信用コンバータ装置10Bを分解して示す正面図である。
【0029】
図1および図2を参照して、衛星受信用コンバータ装置10Bは、第1受信用コンバータCAおよび第2受信用コンバータCBを備える。各受信用コンバータCA,CBとしては、一般的に市販されているユニバーサルコンバータが使用され得る。各受信用コンバータCA,CBは同様に構成され、フィードホーン部11A,11B、円筒部16A,16B、およびキャビネット13A,13Bをそれぞれ備える。フィードホーン部11A,11Bは、図1および図2紙面右側に配置されるパラボラ反射鏡(図示せず)に対向している。
【0030】
図3を参照して、フィードホーン部11A,11Bは、中心位置が間隔L10Bを空けて隣り合う円形状の受信部12A,12Bをそれぞれ有している。図1〜図3を参照して、円筒部16A,16Bは、上部クランプ部材15と下部クランプ部材19とにそれぞれ挟持されている。上部クランプ部材15の一端に延設された締結部15Aと下部クランプ部材19の一端に延設された締結部19Aとは、ビス17Aによって締結されている。上部クランプ部材15の他端に延設された締結部15Bと下部クランプ部材19の他端に延設された締結部19Bとは、ビス17Bによって締結されている。
【0031】
図4を参照して、ビス17A,17Bの締結によって、円筒部16A,16B(図1参照)は、上部クランプ部材15の内周面15RA,15RBと下部クランプ部材19の内周面19RA,19RBとにそれぞれ挟持されている。円筒部16A,16Bの内部には、受信部12Aに対応する導波管(図示せず)と、受信部12Bに対応する他の導波管(図示せず)とがそれぞれ設けられている。
【0032】
図3に示すように、下部クランプ部材19には、正面視円弧状の長穴19M,19Nが同心状に貫設されている。下部クランプ部材19は、長穴19M,19Nにそれぞれ挿入されたビス18M,18Nによって、側面視略L字状の取付具21に締結されている(図2参照)。取付具21は、ビス22A,22Bによってアンテナアーム20に固定されている。キャビネット13A,13Bの下方に露出する同軸ケーブル30は、キャビネット13A,13Bの内部にそれぞれ設けられたコンバータ(図示せず)にコネクター接続されている。
【0033】
図5を参照して、衛星受信用コンバータ装置10Bにおいては、ビス18M,18Nの締結を緩めることによって、受信部12A,12Bを矢印AR10B方向(およびその反対方向)に回転させることができる。当該回転によって、受信位置(衛星受信用コンバータ装置10Bの設置位置)毎のスキュー角(偏波角)は最適な値に調節されることができる。
【0034】
衛星受信用コンバータ装置10Bにおいては、上部クランプ部材15および下部クランプ部材19が、各受信用コンバータCA,CBを着脱可能に支持している。各受信用コンバータCA,CBは、その一方または双方が故障した場合であっても容易に交換されることができる。
【0035】
しかしながら、衛星受信用コンバータ装置10Bは、冒頭に説明した衛星受信用コンバータ装置10A(図22〜図26参照)と同様に、異なる使用地域向けとしては別のものが設計される必要がある。具体的には、図6を参照して、たとえば衛星受信用コンバータ装置10Cのように、異なる使用地域向けとしては、上部クランプ部材15および下部クランプ部材19の少なくとも2つの部材が、新規に設計および生産される必要がある。
【0036】
この場合、たとえば、受信部12Aおよび受信部12Bの間隔を広げるために、上部クランプ部材15には中間部15Cが設けられ、これに対応して下部クランプ部材19には中間部19Cが設けられる。中間部15Cおよび中間部19Cを締結するために、ビス17Cが設けられる。
【0037】
衛星受信用コンバータ装置10B,10Cにおいては、各受信用コンバータCA,CBは着脱可能である。しかしながら、使用地域に応じて上部クランプ部材15および下部クランプ部材19の少なくとも2つの部材が、複数種類準備される必要がある。
【0038】
[実施の形態]
本発明に基づいた各実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0039】
[実施の形態1]
(衛星受信用アンテナ1000)
図7〜図16を参照して、本実施の形態における衛星受信用アンテナ1000および衛星受信用コンバータ装置100Aについて説明する。図7は、衛星受信用コンバータ装置100Aを備えた衛星受信用アンテナ1000を示す側面図である。図8は、図7中における矢印VIII線方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置100Aを備えた衛星受信用アンテナ1000を示す上面図である。
【0040】
図7を参照して、衛星受信用アンテナ1000は、隣接する2つの衛星41,42の各々から送信される電波を受信する。2つの衛星41,42は静止軌道上に位置している。2つの衛星41,42の経度差はたとえば4度である。衛星受信用アンテナ1000は、衛星受信用コンバータ装置100A、同軸ケーブル30、アンテナアーム20、およびパラボラ反射鏡50、およびアンテナポール51を備える。
【0041】
アンテナポール51は、パラボラ反射鏡50の背面側に取り付けられる。パラボラ反射鏡50の下端には、所定の角度でアンテナアーム20が取り付けられる。衛星受信用コンバータ装置100Aは、アンテナアーム20の先端に固定される。
【0042】
図8を参照して、衛星受信用コンバータ装置100Aは第1受信用コンバータC10Aおよび第2受信用コンバータC10Bを含む。衛星41(図7参照)から送信された電波は、パラボラ反射鏡50に反射して焦点53Aに収束する。第1受信用コンバータC10Aは、フィードホーン部1A(詳細は後述する)が焦点53Aに位置するように、アンテナアーム20等によって支持されている。
【0043】
第1受信用コンバータC10Aは、衛星41から送信されパラボラ反射鏡50に反射した電波を受信する。第1受信用コンバータC10Aは、当該電波の増幅および周波数変換を行なう。第1受信用コンバータC10Aからの信号は、同軸ケーブル30(図7参照)を通して受信装置(図示せず)に送られる。
【0044】
第1受信用コンバータC10Aの受信効率を上げるために、フィードホーン部1Aの中心軸C1は、パラボラ反射鏡50の中心位置52を向いているとよい。この場合、フィードホーン部1Aの中心軸C1と中心位置52における法線Cとの間には傾斜角度R1が設けられる。
【0045】
一方、衛星42(図7参照)から送信された電波は、パラボラ反射鏡50に反射して焦点53Bに収束する。第2受信用コンバータC10Bは、フィードホーン部1B(詳細は後述する)が焦点53Bに位置するように、アンテナアーム20等によって支持されている。
【0046】
第2受信用コンバータC10Bは、衛星42から送信されパラボラ反射鏡50に反射した電波を受信する。第2受信用コンバータC10Bは、当該電波の増幅および周波数変換を行なう。第2受信用コンバータC10Bからの信号は、同軸ケーブル30(図7参照)を通して受信装置(図示せず)に送られる。
【0047】
第2受信用コンバータC10Bの受信効率を上げるために、フィードホーン部1Bの中心軸C2は、パラボラ反射鏡50の中心位置52を向いているとよい。この場合、フィードホーン部1Bの中心軸C2と中心位置52における法線Cとの間には傾斜角度R2が設けられる。
【0048】
(衛星受信用コンバータ装置100A)
図9〜図16を参照して、衛星受信用コンバータ装置100Aについて詳細に説明する。図9は、衛星受信用コンバータ装置100Aを示す斜視図である。図10は、衛星受信用コンバータ装置100Aを示す平面図である。図11は、図10中における矢印XI方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置100Aを示す側面図である。図12は、図10中における矢印XII方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置100Aを示す正面図である。図13は、衛星受信用コンバータ装置100Aを分解して示す斜視図である。図14は、衛星受信用コンバータ装置100Aを分解して示す正面図である。
【0049】
図9を参照して、上述のとおり、衛星受信用コンバータ装置100Aは、第1受信用コンバータC10Aおよび第2受信用コンバータC10Bを含む。各受信用コンバータC10A,C10Bとしては、一般的に市販されているユニバーサルコンバータが使用され得る。
【0050】
図10および図11を参照して、各受信用コンバータC10A,C10Bは略同様に構成され、フィードホーン部1A,1B、円筒部6A,6B、およびキャビネット3A,3Bをそれぞれ備える。フィードホーン部1A,1Bは、上述のとおりパラボラ反射鏡50(図7および図8参照)に対向している。
【0051】
図12を参照して、フィードホーン部1A,1Bは、中心位置が間隔L100Aを空けて隣り合う円形状の受信部2A,2Bをそれぞれ有している。図13および図14を参照して、第1受信用コンバータC10Aおよび第2受信用コンバータC10Bの間には、内側クランプ部材9が設けられる。内側クランプ部材9は、半円弧状に形成された内周面9RA,9RBを有している。内周面9RAおよび内周面9RBの間には、間隔L9A(図12参照)が設けられている。
【0052】
第1受信用コンバータC10Aを挟んで内側クランプ部材9の反対側には、第1外側クランプ部材5Aが設けられる。第1外側クランプ部材5Aには、半円弧状に形成された内周面5RAが設けられる。第1受信用コンバータC10Aの円筒部6Aは、内側クランプ部材9の内周面9RAと第1外側クランプ部材5Aの内周面5RAとに挟持されている。
【0053】
内側クランプ部材9の一端に延設された締結部9A1と第1外側クランプ部材5Aの一端に延設された締結部5A1とは、ビス7A1によって締結されている。内側クランプ部材9の他端に延設された締結部9A2と第1外側クランプ部材5Aの他端に延設された締結部5A2とは、ビス7A2によって締結されている。
【0054】
第2受信用コンバータC10Bを挟んで内側クランプ部材9の反対側には、第2外側クランプ部材5Bが設けられる。第2外側クランプ部材5Bには、半円弧状に形成された内周面5RBが設けられる。第2受信用コンバータC10Bの円筒部6Bは、内側クランプ部材9の内周面9RBと第2外側クランプ部材5Bの内周面5RBとに挟持されている。
【0055】
内側クランプ部材9の一端に延設された締結部9B1と第2外側クランプ部材5Bの一端に延設された締結部5B1とは、ビス7B1によって締結されている。内側クランプ部材9の他端に延設された締結部9B2と第2外側クランプ部材5Bの他端に延設された締結部5B2とは、ビス7B2によって締結されている。
【0056】
円筒部6A,6Bの内部には、受信部2Aに対応する導波管(図示せず)と、受信部2Bに対応する他の導波管(図示せず)とがそれぞれ設けられている。図10、図11、および図13に示すように、第1受信用コンバータC10Aおよび第2受信用コンバータC10Bの間には、内側クランプ部材9と隣接して基台4が設けられる。以下、図14、図15および図16を参照して、内側クランプ部材9および基台4について詳細に説明する。
【0057】
(内側クランプ部材9および基台4)
図15は、内側クランプ部材9および基台4の背面側下方を示す分解斜視図である。図16は、内側クランプ部材9および基台4の正面側下方を示す分解斜視図である。
【0058】
図15および図16に示すように、基台4は、半円弧状に形成された内周面4RAおよび内周面4RB(図16参照)を有している。内周面4RA,4RBの内径は、内側クランプ部材9に設けられた内周面9RA,9RBの内径に等しい。内周面4RA,4RBは、内周面9RA,9RBと共に円筒部6A,6B(図13参照)をそれぞれ挟持する。
【0059】
基台4の下方には、側面視略L字状(図11参照)の取付具21が一体的に設けられている。取付具21は、長穴21A,21Bにそれぞれ挿入されたビス22A,22Bによって、アンテナアーム20(図12参照)に固定されている。
【0060】
図14および図15に示すように、内側クランプ部材9には、正面視円弧状の長穴9M,9Nが同心状に貫設されている。長穴9Mと長穴9Nとの間には、被嵌合部として、凹部9C(図15参照)が設けられている。基台4には、長穴9Mに対応するネジ孔4Mと長穴9Nに対応するネジ孔4Nとがそれぞれ設けられている。図15および図16に示すように、ネジ孔4Mとネジ孔4Nとの間には、嵌合部として、凹部9Cに対応する凸部4Cが設けられている。
【0061】
内側クランプ部材9および基台4が衛星受信用コンバータ装置100Aとして組み立てられた状態においては、凸部4Cは凹部9Cに嵌め込まれている。アンテナアーム20に固定された基台4は、凸部4Cと凹部9Cとが相互に嵌合している位置を中心として内側クランプ部材9を揺動可能に支持する。
【0062】
内側クランプ部材9は、長穴9Mに挿入されネジ孔4Mに螺合されたビス8Mと、長穴9Nに挿入されネジ孔4Nに螺合されたビス8Nとによって、基台4に対して所定の角度で固定される。当該固定をもって、アンテナアーム20、取付具21、基台4、内側クランプ部材9、第1外側クランプ部材5A、および第2外側クランプ部材5Bによって、第1受信用コンバータC10Aおよび第2受信用コンバータC10Bを支持する支持手段が構成される。
【0063】
図11を再び参照して、キャビネット3A,3Bの下方に露出する同軸ケーブル30は、キャビネット3A,3Bの内部にそれぞれ設けられたコンバータ(図示せず)にコネクター接続されている。
【0064】
(作用・効果)
図12を再び参照して、衛星受信用コンバータ装置100Aにおいては、ビス8M,8Nの締結を緩めることによって、受信部2A,2Bを矢印AR100方向(およびその反対方向)に回転させることができる。当該回転によって、受信位置(衛星受信用コンバータ装置100Aの設置位置)毎のスキュー角(偏波角)は最適な値に調節されることができる。
【0065】
衛星受信用コンバータ装置100Aにおいては、内側クランプ部材9および各外側クランプ部材5A,5Bが、各受信用コンバータC10A,C10Bをそれぞれ着脱可能に支持している。各受信用コンバータC10A,C10Bは、その一方または双方が故障した場合であっても、容易に交換されることができる。
【0066】
衛星受信用コンバータ装置100Aは、異なる使用地域向けとしては別のものが準備される。図17を参照して、たとえば衛星受信用コンバータ装置100Bのように、内側クランプ部材9のみが新規に設計および生産される。内側クランプ部材9においては、受信部2Aおよび受信部2Bの間隔L100Bを得るために、内周面9RAおよび内周面9RBの間に間隔L9Bが設けられている。間隔L9Bは、衛星受信用コンバータ装置100Aにおける間隔L9A(図12参照)よりも広い。
【0067】
衛星受信用コンバータ装置100Aから衛星受信用コンバータ装置100Bに変更される場合のように、本実施の形態における衛星受信用コンバータ装置100Aが異なる使用地域向けとして準備される場合には、内側クランプ部材9のみが新規に設計および生産されればよい。
【0068】
各外側クランプ部材5A,5Bは、各受信用コンバータC10A,C10Bが隣り合う方向(図12および図17紙面左右方向)に沿って各受信用コンバータC10A,C10Bを外側から挟持している。衛星受信用コンバータ装置100Aが上記のように設計変更されて衛星受信用コンバータ装置100Bが設計される際であっても、各外側クランプ部材5A,5Bは新規に設計および生産される必要はない。
【0069】
各外側クランプ部材5A,5Bは、衛星受信用コンバータ装置100Aおよび衛星受信用コンバータ装置100Bにおいて共通して使用されることができる。上述の比較例における衛星受信用コンバータ装置10B(図3参照)が異なる使用地域向けとして準備される場合、2つの部材(上部クランプ部材15および下部クランプ部材19)が新たに設計および生産される必要がある(図6参照)。衛星受信用コンバータ装置100A(図12参照)が異なる使用地域向けとして準備される場合、1つの部材(内側クランプ部材9)のみが新たに設計および生産されればよい(図17参照)。
【0070】
衛星受信用コンバータ装置100Aによれば、設計上および生産上において必要な労力およびコストが、上述の比較例における衛星受信用コンバータ装置10Bおよび冒頭に説明した衛星受信用コンバータ装置10Aに比べて低減されている。衛星受信用コンバータ装置100Aによれば、販売店としても使用地域に合わせた内側クランプ部材9のみを準備すればよく、多くの種類の衛星受信用コンバータ装置を在庫に抱える必要はない。使用者としても引越後には内側クランプ部材9のみを買い換えればよく、衛星受信用コンバータ装置の全体を買い換える必要はない。
【0071】
したがって以上説明したように、衛星受信用コンバータ装置100Aおよびこれを備えた衛星受信用アンテナ1000によれば、設計、生産、および販売等における負荷を低減することが可能となる。
【0072】
[実施の形態2]
図18〜図20を参照して、本実施の形態における衛星受信用アンテナおよび衛星受信用コンバータ装置100Cについて説明する。ここでは、上述の実施の形態1との相違点について説明する。図18は、衛星受信用コンバータ装置100Cを示す正面図である。図19は、衛星受信用コンバータ装置100Cを分解して示す斜視図である。図20は、衛星受信用コンバータ装置100Cを分解して示す正面図である。
【0073】
上述の実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置100Aが異なる使用地域向けの衛星受信用コンバータ装置100Bとして準備される場合には、内側クランプ部材9が新規に設計および生産される。図18を参照して、これに対して、本実施の形態における衛星受信用コンバータ装置100Cにおいては、支持手段として、第1スペーサー部材SAおよび第2スペーサー部材SBが別途設けられる。換言すると、衛星受信用コンバータ装置100Cは、各スペーサー部材SA,SBを備える点を除いて、衛星受信用コンバータ装置100Aと同様に構成される。
【0074】
図19および図20に示すように、各スペーサー部材SA,SBは、円筒部6A,6Bの形状に対応して、たとえば三日月状に形成される。第1スペーサー部材SAは、内側クランプ部材9および第1受信用コンバータC10Aの間に設けられる。第1スペーサー部材SAは、円筒部6Aに対応するように円弧状に形成された内周面SRA1(図20参照)と、内側クランプ部材9の内周面9RAに対応するように円弧状に形成された外周面SRA2とを有している。
【0075】
第1スペーサー部材SAの一端に延設された締結部SA1は、第1外側クランプ部材5Aの締結部5A1と内側クランプ部材9の締結部9A1とによって挟持される。ビス7A1によって、締結部5A1,SA1,9A1が締結される。第1スペーサー部材SAの他端に延設された締結部SA2は、第1外側クランプ部材5Aの締結部5A2と内側クランプ部材9の締結部9A2とによって挟持される。ビス7A2によって、締結部5A2,SA2,9A2が締結される。
【0076】
同様に、第2スペーサー部材SBは、内側クランプ部材9および第2受信用コンバータC10Bの間に設けられる。第2スペーサー部材SBは、円筒部6Bに対応するように円弧状に形成された内周面SRB1(図20参照)と、内側クランプ部材9の内周面9RBに対応するように円弧状に形成された外周面SRB2とを有している。
【0077】
第2スペーサー部材SBの一端に延設された締結部SB1は、第2外側クランプ部材5Bの締結部5B1と内側クランプ部材9の締結部9B1とによって挟持される。ビス7B1によって、締結部5B1,SB1,9B1が締結される。第2スペーサー部材SBの他端に延設された締結部SB2は、第2外側クランプ部材5Bの締結部5B2と内側クランプ部材9の締結部9B2とによって挟持される。ビス7B2によって、締結部5B2,SB2,9B2が締結される。
【0078】
(作用・効果)
図18を再び参照して、衛星受信用コンバータ装置100Cにおいては、受信部2Aおよび受信部2Bの間隔L100Cを得るために、各スペーサー部材SA,SBが別途設けられる。上述の実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置100A(図12参照)が衛星受信用コンバータ装置100B(図17参照)に設計変更される場合とは異なり、内側クランプ部材9は新規に設計および生産される必要がない。
【0079】
各スペーサー部材SA,SBの有無を除いて、衛星受信用コンバータ装置100Aおよび衛星受信用コンバータ装置100Cの各構成部品は共通して使用されることができる。衛星受信用コンバータ装置100Cが異なる使用地域向けとして設計される場合、各スペーサー部材SA,SBの数量を増減するとよい。異なる厚さ(図18における厚さLSA,LSB)の各スペーサー部材SA,SBが別途準備されてもよい。
【0080】
図21に示す衛星受信用コンバータ装置100Dのように、所望の間隔L100Dを得るために、第1スペーサー部材SAのみが設けられていてもよい。衛星受信用コンバータ装置100Dとしては、第1外側クランプ部材5Aのみが第1受信用コンバータC10Aの外側に着脱可能に設けられていればよい。第2外側クランプ部材5Bとしては、必ずしも第2受信用コンバータC10Bの外側に着脱可能に設けられていなくてもよい。
【0081】
また、衛星受信用コンバータ装置100Dにおいては、第1スペーサー部材SAは必要に応じて設けられていればよい。衛星受信用コンバータ装置100Dにおいては、第1スペーサー部材SAを設ける代わりに、上述の実施の形態1で図17を参照して説明した間隔L9Bを有する内側クランプ部材9が設けられてもよい。
【0082】
図20を再び参照して、各スペーサー部材SA,SBは同一形状であるとよい。この場合、衛星受信用コンバータ装置100Cが異なる使用地域向けとして準備されるためには、一種類のスペーサー部材(たとえば第1スペーサー部材SA)が新たに設計および生産されればよい。
【0083】
衛星受信用コンバータ装置100Cによれば、設計上および生産上において必要な労力およびコストが、上述の比較例における衛星受信用コンバータ装置10Bおよび冒頭に説明した衛星受信用コンバータ装置10Aに比べて低減されている。衛星受信用コンバータ装置100Cによれば、販売店としても使用地域に合わせた第1スペーサー部材SA(または必要に応じて第2スペーサー部材SB)のみを準備すればよく、多くの種類の衛星受信用コンバータ装置を在庫に準備する必要はない。使用者としても引越後には第1スペーサー部材SA(または必要に応じて第2スペーサー部材SB)のみを買い換えればよく、衛星受信用コンバータ装置の全体を買い換える必要はない。
【0084】
したがって以上説明したように、衛星受信用コンバータ装置100Cおよびこれを備えた衛星受信用アンテナによれば、設計、生産、および販売等における負荷を著しく低減することが可能となる。
【0085】
以上、本発明に基づいた各実施の形態について説明したが、今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。したがって、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0086】
1A,1B,11A,11B フィードホーン部、2A,2B,12A,12B 受信部、3A,3B,13,13A,13B キャビネット、4 基台、4C 凸部、4M,4N ネジ孔、4RA,4RB,5RA,5RB,9RA,9RB,15R,15RA,15RB,19R,19RA,19RB,SRA1,SRB1 内周面、5A 第1外側クランプ部材、5A1,5A2,5B1,5B2,9A1,9A2,9B1,9B2,15A,15B,19A,19B,SA1,SA2,SB1,SB2 締結部、5B 第2外側クランプ部材、6A,6B,16,16A,16B 円筒部、7A1,7A2,7B1,7B2,8M,8N,17A,17B,17C,18M,18N,22A,22B ビス、9 内側クランプ部材、9C 凹部、9M,9N,19M,19N,21A,21B 長穴、10A,10B,10C,100A,100B,100C,100D 衛星受信用コンバータ装置、11 ホーン部、12KA,12KB 導波管、15 上部クランプ部材、15C,19C 中間部、19 下部クランプ部材、20 アンテナアーム、21 取付具、30 同軸ケーブル、41,42 衛星、50 パラボラ反射鏡、51 アンテナポール、52 中心位置、53A,53B 焦点、1000 衛星受信用アンテナ、AR10B,AR10A,AR100,II,III,VIII,XI,XII,XXIII,XXIV 矢印、C 法線、C1,C2 中心軸、C10A,CA 第1受信用コンバータ、C10B,CB 第2受信用コンバータ、L9A,L9B,L9D,L10A,L10B,L100A,L100C,L100D 間隔、LSA,LSB 厚さ、R1,R2 角度、SA 第1スペーサー部材、SB 第2スペーサー部材、SRA2,SRB2 外周面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星受信用コンバータ装置および衛星受信用アンテナに関し、特に、隣接する2つの衛星からそれぞれ送信されパラボラ反射鏡に反射した電波を受信する衛星受信用コンバータ装置、およびその衛星受信用コンバータ装置を備えた衛星受信用アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
特開平6−69722号公報(特許文献1)は、2つの人工衛星(以下、衛星という)から送信された電波を受信するための衛星受信用アンテナを開示している。当該衛星受信用アンテナは、いわゆるデュアルビームアンテナ(マルチビームアンテナともいう)である。
【0003】
図22〜図25を参照して、デュアルビームアンテナに備えられる一般的な衛星受信用コンバータ装置10Aについて説明する。衛星受信用コンバータ装置10Aは、いわゆるデュアルビームコンバータである。
【0004】
図22は、衛星受信用コンバータ装置10Aを示す平面図である。図23は、図22中における矢印XXIII方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置10Aを示す側面図である。図24は、図22中における矢印XXIV方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置10Aを示す正面図である。図25は、図23中におけるXXV−XXV線に関する矢視断面図である。
【0005】
図22および図23を参照して、衛星受信用コンバータ装置10Aは、ホーン部11、円筒部16、およびキャビネット13を備える。ホーン部11は、図22および図23の紙面右側に配置されるパラボラ反射鏡(図示せず)に対向している。
【0006】
図24を参照して、ホーン部11は、中心位置が間隔L10Aを空けて隣り合う円形状の受信部12Aおよび受信部12Bを有している。図23および図25を参照して、円筒部16は、上部クランプ部材15と下部クランプ部材19とに挟持されている。上部クランプ部材15の一端に延設された締結部15Aと下部クランプ部材19の一端に延設された締結部19Aとは、ビス17Aによって締結されている。上部クランプ部材15の他端に延設された締結部15Bと下部クランプ部材19の他端に延設された締結部19Bとは、ビス17Bによって締結されている。
【0007】
ビス17A,17Bの締結によって、円筒部16は、上部クランプ部材15の内周面15Rと下部クランプ部材19の内周面19Rとに挟持されている。図25に示すように、円筒部16の内部には、受信部12Aに対応する導波管12KAと、受信部12Bに対応する導波管12KBとが設けられている。
【0008】
図23および図24に示すように、下部クランプ部材19は、側面視略L字状の取付具21に支持されている。取付具21は、ビス22A,22Bによってアンテナアーム20に固定されている。キャビネット13の下方に露出する同軸ケーブル30は、キャビネット13の内部に設けられたコンバータ(図示せず)にコネクター接続されている。
【0009】
図26を参照して、衛星受信用コンバータ装置10Aにおいては、ビス17A,17Bの締結を緩めることによって、受信部12A(導波管12KA)および受信部12B(導波管12KB)を矢印AR10A方向(およびその反対方向)に回転させることができる。当該回転によって、受信位置(衛星受信用コンバータ装置10Aの設置位置)毎のスキュー角(偏波角)は最適な値に調節されることができる。
【0010】
衛星受信用コンバータ装置10Aを使用して、2つの衛星からたとえばCS(Communications Satellite)放送用の12GHz帯の電波を受信する。大半の地域では直径が45cmのパラボラ反射鏡が用いられる。この場合、受信部12Aおよび受信部12Bの間隔L10A(図24参照)は、約25mmに設定される。一方、電波の電力が弱い地域(たとえば北海道、沖縄、または離島など)では、直径が60cmのパラボラ反射鏡が用いられる。この場合、受信部12Aおよび受信部12Bの間隔L10A(図24参照)は、約35mmに設定される。
【0011】
間隔L10Aが25mmの衛星受信用コンバータ装置と間隔L10Aが35mmの衛星受信用コンバータ装置とを比較すると、前者(間隔L10Aが25mm)の生産数量は圧倒的に多く、後者(間隔L10Aが35mm)の生産数量は非常に少ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平6−69722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
図24および図25を参照して、受信部12Aおよび受信部12Bの間隔L10Aに合わせて、導波管12KAと導波管12KBとの間隔、円筒部16の大きさ、キャビネット13に内蔵されたコンバータを載置するシャーシ、およびコンバータの回路パターン等が設計される。衛星受信用コンバータ装置10Aにおいては、間隔L10Aが調節(増減)可能には設計されていない。間隔L10Aに応じて(使用地域に応じて)、多種の衛星受信用コンバータ装置10Aが準備される必要がある。
【0014】
多種の衛星受信用コンバータ装置が準備されるためには、設計上および生産上において多くの労力およびコストが必要となる。販売店としても、使用地域に合わせた多種の衛星受信用コンバータ装置を在庫に抱える必要がある。使用者としても、引越後には衛星受信用コンバータ装置を買い換える必要がある。衛星受信用コンバータ装置10Aによれば、設計、生産、および販売等のために多くの負担を必要としている。
【0015】
本発明は、上記の実情に鑑みて為されたものであって、設計、生産、および販売等における負荷を低減することが可能な衛星受信用コンバータ装置、およびその衛星受信用コンバータ装置を備えた衛星受信用アンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に基づく衛星受信用コンバータ装置は、2つの衛星からそれぞれ送信されパラボラ反射鏡に反射した電波を受信する衛星受信用コンバータ装置であって、上記パラボラ反射鏡に対向し、相互に隣り合った状態で所定の位置にそれぞれ配置された第1受信用コンバータおよび第2受信用コンバータと、上記第1受信用コンバータおよび上記第2受信用コンバータを上記所定の位置に支持する支持手段と、を備え、上記支持手段は、上記第1受信用コンバータおよび上記第2受信用コンバータの間に位置する内側クランプ部材と、上記第1受信用コンバータを挟んで上記内側クランプ部材の反対側に配置された第1外側クランプ部材と、を含み、上記第1受信用コンバータは、上記内側クランプ部材および上記第1外側クランプ部材に挟持されることによって、上記所定の位置に支持されている。
【0017】
好ましくは、上記支持手段は、上記第2受信用コンバータを挟んで上記内側クランプ部材の反対側に配置された第2外側クランプ部材をさらに含み、上記第2受信用コンバータは、上記内側クランプ部材および上記第2外側クランプ部材に挟持されることによって、上記所定の位置に支持されている。
【0018】
好ましくは、上記支持手段は、上記内側クランプ部材および上記第1受信用コンバータの間に設けられる第1スペーサー部材をさらに含む。好ましくは、上記第1スペーサー部材は、略三日月形状である。
【0019】
好ましくは、上記第1受信用コンバータは、上記パラボラ反射鏡と対向するフィードホーン部と、上記フィードホーン部から上記パラボラ反射鏡とは反対側に向かって延在し、上記内側クランプ部材および上記第1スペーサー部材に挟持される円筒部と、を有する。
【0020】
好ましくは、上記支持手段は、上記内側クランプ部材および上記第2受信用コンバータの間に設けられる第2スペーサー部材をさらに含む。
【0021】
好ましくは、上記第1スペーサー部材および上記第2スペーサー部材は同一形状である。
【0022】
好ましくは、上記支持手段は、上記内側クランプ部材を揺動可能に支持する基台をさらに含み、上記内側クランプ部材および上記基台の一方には、嵌合部が突設され、上記内側クランプ部材および上記基台の他方には、上記嵌合部に嵌合する被嵌合部が設けられ、上記嵌合部および上記被嵌合部が相互に嵌合している位置を中心として上記内側クランプ部材が揺動することによって、上記第1受信用コンバータおよび上記第2受信用コンバータの偏波角が調節される。
【0023】
好ましくは、上記支持手段によって、上記第1受信用コンバータおよび上記第2受信用コンバータは上記パラボラ反射鏡の中心位置を向くようにそれぞれ支持されている。
【0024】
本発明に基づく衛星受信用アンテナは、本発明に基づく上記の衛星受信用コンバータ装置と、上記パラボラ反射鏡と、を備える。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、設計、生産、および販売等における負荷を低減することが可能な衛星受信用コンバータ装置、およびその衛星受信用コンバータ装置を備えた衛星受信用アンテナを提供することを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】比較例における衛星受信用コンバータ装置を示す平面図である。
【図2】図1中における矢印II方向からの矢視図であり、比較例における衛星受信用コンバータ装置を示す側面図である。
【図3】図1中における矢印III方向からの矢視図であり、比較例における衛星受信用コンバータ装置を示す正面図である。
【図4】比較例における衛星受信用コンバータ装置を分解して示す正面図である。
【図5】比較例における衛星受信用コンバータ装置の偏波角を変更した様子を示す正面図である。
【図6】比較例における衛星受信用コンバータ装置の変形例を分解して示す正面図である。
【図7】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を備えた衛星受信用アンテナを示す側面図である。
【図8】図7中における矢印VIII方向からの矢視図であり、実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を備えた衛星受信用アンテナを示す上面図である。
【図9】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を示す斜視図である。
【図10】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を示す平面図である。
【図11】図10中における矢印XI方向からの矢視図であり、実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を示す側面図である。
【図12】図10中における矢印XII方向からの矢視図であり、実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を示す正面図である。
【図13】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を分解して示す斜視図である。
【図14】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置を分解して示す正面図である。
【図15】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置に用いられる基台および内側クランプ部材の背面側下方を示す分解斜視図である。
【図16】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置に用いられる基台および内側クランプ部材の正面側下方を示す分解斜視図である。
【図17】実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置の変形例を示す正面図である。
【図18】実施の形態2における衛星受信用コンバータ装置を示す正面図である。
【図19】実施の形態2における衛星受信用コンバータ装置を分解して示す斜視図である。
【図20】実施の形態2における衛星受信用コンバータ装置を分解して示す正面図である。
【図21】実施の形態1,2における衛星受信用コンバータ装置の変形例を示す正面図である。
【図22】一般的な衛星受信用コンバータ装置を示す平面図である。
【図23】図22中における矢印XXIII方向からの矢視図であり、一般的な衛星受信用コンバータ装置を示す側面図である。
【図24】図22中における矢印XXIV方向からの矢視図であり、一般的な衛星受信用コンバータ装置を示す正面図である。
【図25】図23中におけるXXV−XXV線に関する矢視断面図である。
【図26】一般的な衛星受信用コンバータ装置の偏波角を変更した様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[比較例]
本発明に基づいた各実施の形態について説明する前に、図1〜図5を参照して、本発明の比較例における衛星受信用コンバータ装置10Bについて説明する。衛星受信用コンバータ装置10Bは、いわゆるデュアルビームコンバータである。
【0028】
図1は、衛星受信用コンバータ装置10Bを示す平面図である。図2は、図1中における矢印II方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置10Bを示す側面図である。図3は、図1中における矢印III方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置10Bを示す正面図である。図4は、衛星受信用コンバータ装置10Bを分解して示す正面図である。
【0029】
図1および図2を参照して、衛星受信用コンバータ装置10Bは、第1受信用コンバータCAおよび第2受信用コンバータCBを備える。各受信用コンバータCA,CBとしては、一般的に市販されているユニバーサルコンバータが使用され得る。各受信用コンバータCA,CBは同様に構成され、フィードホーン部11A,11B、円筒部16A,16B、およびキャビネット13A,13Bをそれぞれ備える。フィードホーン部11A,11Bは、図1および図2紙面右側に配置されるパラボラ反射鏡(図示せず)に対向している。
【0030】
図3を参照して、フィードホーン部11A,11Bは、中心位置が間隔L10Bを空けて隣り合う円形状の受信部12A,12Bをそれぞれ有している。図1〜図3を参照して、円筒部16A,16Bは、上部クランプ部材15と下部クランプ部材19とにそれぞれ挟持されている。上部クランプ部材15の一端に延設された締結部15Aと下部クランプ部材19の一端に延設された締結部19Aとは、ビス17Aによって締結されている。上部クランプ部材15の他端に延設された締結部15Bと下部クランプ部材19の他端に延設された締結部19Bとは、ビス17Bによって締結されている。
【0031】
図4を参照して、ビス17A,17Bの締結によって、円筒部16A,16B(図1参照)は、上部クランプ部材15の内周面15RA,15RBと下部クランプ部材19の内周面19RA,19RBとにそれぞれ挟持されている。円筒部16A,16Bの内部には、受信部12Aに対応する導波管(図示せず)と、受信部12Bに対応する他の導波管(図示せず)とがそれぞれ設けられている。
【0032】
図3に示すように、下部クランプ部材19には、正面視円弧状の長穴19M,19Nが同心状に貫設されている。下部クランプ部材19は、長穴19M,19Nにそれぞれ挿入されたビス18M,18Nによって、側面視略L字状の取付具21に締結されている(図2参照)。取付具21は、ビス22A,22Bによってアンテナアーム20に固定されている。キャビネット13A,13Bの下方に露出する同軸ケーブル30は、キャビネット13A,13Bの内部にそれぞれ設けられたコンバータ(図示せず)にコネクター接続されている。
【0033】
図5を参照して、衛星受信用コンバータ装置10Bにおいては、ビス18M,18Nの締結を緩めることによって、受信部12A,12Bを矢印AR10B方向(およびその反対方向)に回転させることができる。当該回転によって、受信位置(衛星受信用コンバータ装置10Bの設置位置)毎のスキュー角(偏波角)は最適な値に調節されることができる。
【0034】
衛星受信用コンバータ装置10Bにおいては、上部クランプ部材15および下部クランプ部材19が、各受信用コンバータCA,CBを着脱可能に支持している。各受信用コンバータCA,CBは、その一方または双方が故障した場合であっても容易に交換されることができる。
【0035】
しかしながら、衛星受信用コンバータ装置10Bは、冒頭に説明した衛星受信用コンバータ装置10A(図22〜図26参照)と同様に、異なる使用地域向けとしては別のものが設計される必要がある。具体的には、図6を参照して、たとえば衛星受信用コンバータ装置10Cのように、異なる使用地域向けとしては、上部クランプ部材15および下部クランプ部材19の少なくとも2つの部材が、新規に設計および生産される必要がある。
【0036】
この場合、たとえば、受信部12Aおよび受信部12Bの間隔を広げるために、上部クランプ部材15には中間部15Cが設けられ、これに対応して下部クランプ部材19には中間部19Cが設けられる。中間部15Cおよび中間部19Cを締結するために、ビス17Cが設けられる。
【0037】
衛星受信用コンバータ装置10B,10Cにおいては、各受信用コンバータCA,CBは着脱可能である。しかしながら、使用地域に応じて上部クランプ部材15および下部クランプ部材19の少なくとも2つの部材が、複数種類準備される必要がある。
【0038】
[実施の形態]
本発明に基づいた各実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0039】
[実施の形態1]
(衛星受信用アンテナ1000)
図7〜図16を参照して、本実施の形態における衛星受信用アンテナ1000および衛星受信用コンバータ装置100Aについて説明する。図7は、衛星受信用コンバータ装置100Aを備えた衛星受信用アンテナ1000を示す側面図である。図8は、図7中における矢印VIII線方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置100Aを備えた衛星受信用アンテナ1000を示す上面図である。
【0040】
図7を参照して、衛星受信用アンテナ1000は、隣接する2つの衛星41,42の各々から送信される電波を受信する。2つの衛星41,42は静止軌道上に位置している。2つの衛星41,42の経度差はたとえば4度である。衛星受信用アンテナ1000は、衛星受信用コンバータ装置100A、同軸ケーブル30、アンテナアーム20、およびパラボラ反射鏡50、およびアンテナポール51を備える。
【0041】
アンテナポール51は、パラボラ反射鏡50の背面側に取り付けられる。パラボラ反射鏡50の下端には、所定の角度でアンテナアーム20が取り付けられる。衛星受信用コンバータ装置100Aは、アンテナアーム20の先端に固定される。
【0042】
図8を参照して、衛星受信用コンバータ装置100Aは第1受信用コンバータC10Aおよび第2受信用コンバータC10Bを含む。衛星41(図7参照)から送信された電波は、パラボラ反射鏡50に反射して焦点53Aに収束する。第1受信用コンバータC10Aは、フィードホーン部1A(詳細は後述する)が焦点53Aに位置するように、アンテナアーム20等によって支持されている。
【0043】
第1受信用コンバータC10Aは、衛星41から送信されパラボラ反射鏡50に反射した電波を受信する。第1受信用コンバータC10Aは、当該電波の増幅および周波数変換を行なう。第1受信用コンバータC10Aからの信号は、同軸ケーブル30(図7参照)を通して受信装置(図示せず)に送られる。
【0044】
第1受信用コンバータC10Aの受信効率を上げるために、フィードホーン部1Aの中心軸C1は、パラボラ反射鏡50の中心位置52を向いているとよい。この場合、フィードホーン部1Aの中心軸C1と中心位置52における法線Cとの間には傾斜角度R1が設けられる。
【0045】
一方、衛星42(図7参照)から送信された電波は、パラボラ反射鏡50に反射して焦点53Bに収束する。第2受信用コンバータC10Bは、フィードホーン部1B(詳細は後述する)が焦点53Bに位置するように、アンテナアーム20等によって支持されている。
【0046】
第2受信用コンバータC10Bは、衛星42から送信されパラボラ反射鏡50に反射した電波を受信する。第2受信用コンバータC10Bは、当該電波の増幅および周波数変換を行なう。第2受信用コンバータC10Bからの信号は、同軸ケーブル30(図7参照)を通して受信装置(図示せず)に送られる。
【0047】
第2受信用コンバータC10Bの受信効率を上げるために、フィードホーン部1Bの中心軸C2は、パラボラ反射鏡50の中心位置52を向いているとよい。この場合、フィードホーン部1Bの中心軸C2と中心位置52における法線Cとの間には傾斜角度R2が設けられる。
【0048】
(衛星受信用コンバータ装置100A)
図9〜図16を参照して、衛星受信用コンバータ装置100Aについて詳細に説明する。図9は、衛星受信用コンバータ装置100Aを示す斜視図である。図10は、衛星受信用コンバータ装置100Aを示す平面図である。図11は、図10中における矢印XI方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置100Aを示す側面図である。図12は、図10中における矢印XII方向からの矢視図であり、衛星受信用コンバータ装置100Aを示す正面図である。図13は、衛星受信用コンバータ装置100Aを分解して示す斜視図である。図14は、衛星受信用コンバータ装置100Aを分解して示す正面図である。
【0049】
図9を参照して、上述のとおり、衛星受信用コンバータ装置100Aは、第1受信用コンバータC10Aおよび第2受信用コンバータC10Bを含む。各受信用コンバータC10A,C10Bとしては、一般的に市販されているユニバーサルコンバータが使用され得る。
【0050】
図10および図11を参照して、各受信用コンバータC10A,C10Bは略同様に構成され、フィードホーン部1A,1B、円筒部6A,6B、およびキャビネット3A,3Bをそれぞれ備える。フィードホーン部1A,1Bは、上述のとおりパラボラ反射鏡50(図7および図8参照)に対向している。
【0051】
図12を参照して、フィードホーン部1A,1Bは、中心位置が間隔L100Aを空けて隣り合う円形状の受信部2A,2Bをそれぞれ有している。図13および図14を参照して、第1受信用コンバータC10Aおよび第2受信用コンバータC10Bの間には、内側クランプ部材9が設けられる。内側クランプ部材9は、半円弧状に形成された内周面9RA,9RBを有している。内周面9RAおよび内周面9RBの間には、間隔L9A(図12参照)が設けられている。
【0052】
第1受信用コンバータC10Aを挟んで内側クランプ部材9の反対側には、第1外側クランプ部材5Aが設けられる。第1外側クランプ部材5Aには、半円弧状に形成された内周面5RAが設けられる。第1受信用コンバータC10Aの円筒部6Aは、内側クランプ部材9の内周面9RAと第1外側クランプ部材5Aの内周面5RAとに挟持されている。
【0053】
内側クランプ部材9の一端に延設された締結部9A1と第1外側クランプ部材5Aの一端に延設された締結部5A1とは、ビス7A1によって締結されている。内側クランプ部材9の他端に延設された締結部9A2と第1外側クランプ部材5Aの他端に延設された締結部5A2とは、ビス7A2によって締結されている。
【0054】
第2受信用コンバータC10Bを挟んで内側クランプ部材9の反対側には、第2外側クランプ部材5Bが設けられる。第2外側クランプ部材5Bには、半円弧状に形成された内周面5RBが設けられる。第2受信用コンバータC10Bの円筒部6Bは、内側クランプ部材9の内周面9RBと第2外側クランプ部材5Bの内周面5RBとに挟持されている。
【0055】
内側クランプ部材9の一端に延設された締結部9B1と第2外側クランプ部材5Bの一端に延設された締結部5B1とは、ビス7B1によって締結されている。内側クランプ部材9の他端に延設された締結部9B2と第2外側クランプ部材5Bの他端に延設された締結部5B2とは、ビス7B2によって締結されている。
【0056】
円筒部6A,6Bの内部には、受信部2Aに対応する導波管(図示せず)と、受信部2Bに対応する他の導波管(図示せず)とがそれぞれ設けられている。図10、図11、および図13に示すように、第1受信用コンバータC10Aおよび第2受信用コンバータC10Bの間には、内側クランプ部材9と隣接して基台4が設けられる。以下、図14、図15および図16を参照して、内側クランプ部材9および基台4について詳細に説明する。
【0057】
(内側クランプ部材9および基台4)
図15は、内側クランプ部材9および基台4の背面側下方を示す分解斜視図である。図16は、内側クランプ部材9および基台4の正面側下方を示す分解斜視図である。
【0058】
図15および図16に示すように、基台4は、半円弧状に形成された内周面4RAおよび内周面4RB(図16参照)を有している。内周面4RA,4RBの内径は、内側クランプ部材9に設けられた内周面9RA,9RBの内径に等しい。内周面4RA,4RBは、内周面9RA,9RBと共に円筒部6A,6B(図13参照)をそれぞれ挟持する。
【0059】
基台4の下方には、側面視略L字状(図11参照)の取付具21が一体的に設けられている。取付具21は、長穴21A,21Bにそれぞれ挿入されたビス22A,22Bによって、アンテナアーム20(図12参照)に固定されている。
【0060】
図14および図15に示すように、内側クランプ部材9には、正面視円弧状の長穴9M,9Nが同心状に貫設されている。長穴9Mと長穴9Nとの間には、被嵌合部として、凹部9C(図15参照)が設けられている。基台4には、長穴9Mに対応するネジ孔4Mと長穴9Nに対応するネジ孔4Nとがそれぞれ設けられている。図15および図16に示すように、ネジ孔4Mとネジ孔4Nとの間には、嵌合部として、凹部9Cに対応する凸部4Cが設けられている。
【0061】
内側クランプ部材9および基台4が衛星受信用コンバータ装置100Aとして組み立てられた状態においては、凸部4Cは凹部9Cに嵌め込まれている。アンテナアーム20に固定された基台4は、凸部4Cと凹部9Cとが相互に嵌合している位置を中心として内側クランプ部材9を揺動可能に支持する。
【0062】
内側クランプ部材9は、長穴9Mに挿入されネジ孔4Mに螺合されたビス8Mと、長穴9Nに挿入されネジ孔4Nに螺合されたビス8Nとによって、基台4に対して所定の角度で固定される。当該固定をもって、アンテナアーム20、取付具21、基台4、内側クランプ部材9、第1外側クランプ部材5A、および第2外側クランプ部材5Bによって、第1受信用コンバータC10Aおよび第2受信用コンバータC10Bを支持する支持手段が構成される。
【0063】
図11を再び参照して、キャビネット3A,3Bの下方に露出する同軸ケーブル30は、キャビネット3A,3Bの内部にそれぞれ設けられたコンバータ(図示せず)にコネクター接続されている。
【0064】
(作用・効果)
図12を再び参照して、衛星受信用コンバータ装置100Aにおいては、ビス8M,8Nの締結を緩めることによって、受信部2A,2Bを矢印AR100方向(およびその反対方向)に回転させることができる。当該回転によって、受信位置(衛星受信用コンバータ装置100Aの設置位置)毎のスキュー角(偏波角)は最適な値に調節されることができる。
【0065】
衛星受信用コンバータ装置100Aにおいては、内側クランプ部材9および各外側クランプ部材5A,5Bが、各受信用コンバータC10A,C10Bをそれぞれ着脱可能に支持している。各受信用コンバータC10A,C10Bは、その一方または双方が故障した場合であっても、容易に交換されることができる。
【0066】
衛星受信用コンバータ装置100Aは、異なる使用地域向けとしては別のものが準備される。図17を参照して、たとえば衛星受信用コンバータ装置100Bのように、内側クランプ部材9のみが新規に設計および生産される。内側クランプ部材9においては、受信部2Aおよび受信部2Bの間隔L100Bを得るために、内周面9RAおよび内周面9RBの間に間隔L9Bが設けられている。間隔L9Bは、衛星受信用コンバータ装置100Aにおける間隔L9A(図12参照)よりも広い。
【0067】
衛星受信用コンバータ装置100Aから衛星受信用コンバータ装置100Bに変更される場合のように、本実施の形態における衛星受信用コンバータ装置100Aが異なる使用地域向けとして準備される場合には、内側クランプ部材9のみが新規に設計および生産されればよい。
【0068】
各外側クランプ部材5A,5Bは、各受信用コンバータC10A,C10Bが隣り合う方向(図12および図17紙面左右方向)に沿って各受信用コンバータC10A,C10Bを外側から挟持している。衛星受信用コンバータ装置100Aが上記のように設計変更されて衛星受信用コンバータ装置100Bが設計される際であっても、各外側クランプ部材5A,5Bは新規に設計および生産される必要はない。
【0069】
各外側クランプ部材5A,5Bは、衛星受信用コンバータ装置100Aおよび衛星受信用コンバータ装置100Bにおいて共通して使用されることができる。上述の比較例における衛星受信用コンバータ装置10B(図3参照)が異なる使用地域向けとして準備される場合、2つの部材(上部クランプ部材15および下部クランプ部材19)が新たに設計および生産される必要がある(図6参照)。衛星受信用コンバータ装置100A(図12参照)が異なる使用地域向けとして準備される場合、1つの部材(内側クランプ部材9)のみが新たに設計および生産されればよい(図17参照)。
【0070】
衛星受信用コンバータ装置100Aによれば、設計上および生産上において必要な労力およびコストが、上述の比較例における衛星受信用コンバータ装置10Bおよび冒頭に説明した衛星受信用コンバータ装置10Aに比べて低減されている。衛星受信用コンバータ装置100Aによれば、販売店としても使用地域に合わせた内側クランプ部材9のみを準備すればよく、多くの種類の衛星受信用コンバータ装置を在庫に抱える必要はない。使用者としても引越後には内側クランプ部材9のみを買い換えればよく、衛星受信用コンバータ装置の全体を買い換える必要はない。
【0071】
したがって以上説明したように、衛星受信用コンバータ装置100Aおよびこれを備えた衛星受信用アンテナ1000によれば、設計、生産、および販売等における負荷を低減することが可能となる。
【0072】
[実施の形態2]
図18〜図20を参照して、本実施の形態における衛星受信用アンテナおよび衛星受信用コンバータ装置100Cについて説明する。ここでは、上述の実施の形態1との相違点について説明する。図18は、衛星受信用コンバータ装置100Cを示す正面図である。図19は、衛星受信用コンバータ装置100Cを分解して示す斜視図である。図20は、衛星受信用コンバータ装置100Cを分解して示す正面図である。
【0073】
上述の実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置100Aが異なる使用地域向けの衛星受信用コンバータ装置100Bとして準備される場合には、内側クランプ部材9が新規に設計および生産される。図18を参照して、これに対して、本実施の形態における衛星受信用コンバータ装置100Cにおいては、支持手段として、第1スペーサー部材SAおよび第2スペーサー部材SBが別途設けられる。換言すると、衛星受信用コンバータ装置100Cは、各スペーサー部材SA,SBを備える点を除いて、衛星受信用コンバータ装置100Aと同様に構成される。
【0074】
図19および図20に示すように、各スペーサー部材SA,SBは、円筒部6A,6Bの形状に対応して、たとえば三日月状に形成される。第1スペーサー部材SAは、内側クランプ部材9および第1受信用コンバータC10Aの間に設けられる。第1スペーサー部材SAは、円筒部6Aに対応するように円弧状に形成された内周面SRA1(図20参照)と、内側クランプ部材9の内周面9RAに対応するように円弧状に形成された外周面SRA2とを有している。
【0075】
第1スペーサー部材SAの一端に延設された締結部SA1は、第1外側クランプ部材5Aの締結部5A1と内側クランプ部材9の締結部9A1とによって挟持される。ビス7A1によって、締結部5A1,SA1,9A1が締結される。第1スペーサー部材SAの他端に延設された締結部SA2は、第1外側クランプ部材5Aの締結部5A2と内側クランプ部材9の締結部9A2とによって挟持される。ビス7A2によって、締結部5A2,SA2,9A2が締結される。
【0076】
同様に、第2スペーサー部材SBは、内側クランプ部材9および第2受信用コンバータC10Bの間に設けられる。第2スペーサー部材SBは、円筒部6Bに対応するように円弧状に形成された内周面SRB1(図20参照)と、内側クランプ部材9の内周面9RBに対応するように円弧状に形成された外周面SRB2とを有している。
【0077】
第2スペーサー部材SBの一端に延設された締結部SB1は、第2外側クランプ部材5Bの締結部5B1と内側クランプ部材9の締結部9B1とによって挟持される。ビス7B1によって、締結部5B1,SB1,9B1が締結される。第2スペーサー部材SBの他端に延設された締結部SB2は、第2外側クランプ部材5Bの締結部5B2と内側クランプ部材9の締結部9B2とによって挟持される。ビス7B2によって、締結部5B2,SB2,9B2が締結される。
【0078】
(作用・効果)
図18を再び参照して、衛星受信用コンバータ装置100Cにおいては、受信部2Aおよび受信部2Bの間隔L100Cを得るために、各スペーサー部材SA,SBが別途設けられる。上述の実施の形態1における衛星受信用コンバータ装置100A(図12参照)が衛星受信用コンバータ装置100B(図17参照)に設計変更される場合とは異なり、内側クランプ部材9は新規に設計および生産される必要がない。
【0079】
各スペーサー部材SA,SBの有無を除いて、衛星受信用コンバータ装置100Aおよび衛星受信用コンバータ装置100Cの各構成部品は共通して使用されることができる。衛星受信用コンバータ装置100Cが異なる使用地域向けとして設計される場合、各スペーサー部材SA,SBの数量を増減するとよい。異なる厚さ(図18における厚さLSA,LSB)の各スペーサー部材SA,SBが別途準備されてもよい。
【0080】
図21に示す衛星受信用コンバータ装置100Dのように、所望の間隔L100Dを得るために、第1スペーサー部材SAのみが設けられていてもよい。衛星受信用コンバータ装置100Dとしては、第1外側クランプ部材5Aのみが第1受信用コンバータC10Aの外側に着脱可能に設けられていればよい。第2外側クランプ部材5Bとしては、必ずしも第2受信用コンバータC10Bの外側に着脱可能に設けられていなくてもよい。
【0081】
また、衛星受信用コンバータ装置100Dにおいては、第1スペーサー部材SAは必要に応じて設けられていればよい。衛星受信用コンバータ装置100Dにおいては、第1スペーサー部材SAを設ける代わりに、上述の実施の形態1で図17を参照して説明した間隔L9Bを有する内側クランプ部材9が設けられてもよい。
【0082】
図20を再び参照して、各スペーサー部材SA,SBは同一形状であるとよい。この場合、衛星受信用コンバータ装置100Cが異なる使用地域向けとして準備されるためには、一種類のスペーサー部材(たとえば第1スペーサー部材SA)が新たに設計および生産されればよい。
【0083】
衛星受信用コンバータ装置100Cによれば、設計上および生産上において必要な労力およびコストが、上述の比較例における衛星受信用コンバータ装置10Bおよび冒頭に説明した衛星受信用コンバータ装置10Aに比べて低減されている。衛星受信用コンバータ装置100Cによれば、販売店としても使用地域に合わせた第1スペーサー部材SA(または必要に応じて第2スペーサー部材SB)のみを準備すればよく、多くの種類の衛星受信用コンバータ装置を在庫に準備する必要はない。使用者としても引越後には第1スペーサー部材SA(または必要に応じて第2スペーサー部材SB)のみを買い換えればよく、衛星受信用コンバータ装置の全体を買い換える必要はない。
【0084】
したがって以上説明したように、衛星受信用コンバータ装置100Cおよびこれを備えた衛星受信用アンテナによれば、設計、生産、および販売等における負荷を著しく低減することが可能となる。
【0085】
以上、本発明に基づいた各実施の形態について説明したが、今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。したがって、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0086】
1A,1B,11A,11B フィードホーン部、2A,2B,12A,12B 受信部、3A,3B,13,13A,13B キャビネット、4 基台、4C 凸部、4M,4N ネジ孔、4RA,4RB,5RA,5RB,9RA,9RB,15R,15RA,15RB,19R,19RA,19RB,SRA1,SRB1 内周面、5A 第1外側クランプ部材、5A1,5A2,5B1,5B2,9A1,9A2,9B1,9B2,15A,15B,19A,19B,SA1,SA2,SB1,SB2 締結部、5B 第2外側クランプ部材、6A,6B,16,16A,16B 円筒部、7A1,7A2,7B1,7B2,8M,8N,17A,17B,17C,18M,18N,22A,22B ビス、9 内側クランプ部材、9C 凹部、9M,9N,19M,19N,21A,21B 長穴、10A,10B,10C,100A,100B,100C,100D 衛星受信用コンバータ装置、11 ホーン部、12KA,12KB 導波管、15 上部クランプ部材、15C,19C 中間部、19 下部クランプ部材、20 アンテナアーム、21 取付具、30 同軸ケーブル、41,42 衛星、50 パラボラ反射鏡、51 アンテナポール、52 中心位置、53A,53B 焦点、1000 衛星受信用アンテナ、AR10B,AR10A,AR100,II,III,VIII,XI,XII,XXIII,XXIV 矢印、C 法線、C1,C2 中心軸、C10A,CA 第1受信用コンバータ、C10B,CB 第2受信用コンバータ、L9A,L9B,L9D,L10A,L10B,L100A,L100C,L100D 間隔、LSA,LSB 厚さ、R1,R2 角度、SA 第1スペーサー部材、SB 第2スペーサー部材、SRA2,SRB2 外周面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの衛星からそれぞれ送信されパラボラ反射鏡に反射した電波を受信する衛星受信用コンバータ装置であって、
前記パラボラ反射鏡に対向し、相互に隣り合った状態で所定の位置にそれぞれ配置された第1受信用コンバータおよび第2受信用コンバータと、
前記第1受信用コンバータおよび前記第2受信用コンバータを前記所定の位置に支持する支持手段と、を備え、
前記支持手段は、
前記第1受信用コンバータおよび前記第2受信用コンバータの間に位置する内側クランプ部材と、
前記第1受信用コンバータを挟んで前記内側クランプ部材の反対側に配置された第1外側クランプ部材と、を含み、
前記第1受信用コンバータは、前記内側クランプ部材および前記第1外側クランプ部材に挟持されることによって、前記所定の位置に支持されている、
衛星受信用コンバータ装置。
【請求項2】
前記支持手段は、前記第2受信用コンバータを挟んで前記内側クランプ部材の反対側に配置された第2外側クランプ部材をさらに含み、
前記第2受信用コンバータは、前記内側クランプ部材および前記第2外側クランプ部材に挟持されることによって、前記所定の位置に支持されている、
請求項1に記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項3】
前記支持手段は、前記内側クランプ部材および前記第1受信用コンバータの間に設けられる第1スペーサー部材をさらに含む、
請求項1または2に記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項4】
前記第1スペーサー部材は、略三日月形状である、
請求項3に記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項5】
前記第1受信用コンバータは、
前記パラボラ反射鏡と対向するフィードホーン部と、
前記フィードホーン部から前記パラボラ反射鏡とは反対側に向かって延在し、前記内側クランプ部材および前記第1スペーサー部材に挟持される円筒部と、を有する、
請求項3または4に記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項6】
前記支持手段は、前記内側クランプ部材および前記第2受信用コンバータの間に設けられる第2スペーサー部材をさらに含む、
請求項3から5のいずれかに記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項7】
前記第1スペーサー部材および前記第2スペーサー部材は同一形状である、
請求項6に記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項8】
前記支持手段は、
前記内側クランプ部材を揺動可能に支持する基台をさらに含み、
前記内側クランプ部材および前記基台の一方には、嵌合部が突設され、
前記内側クランプ部材および前記基台の他方には、前記嵌合部に嵌合する被嵌合部が設けられ、
前記嵌合部および前記被嵌合部が相互に嵌合している位置を中心として前記内側クランプ部材が揺動することによって、前記第1受信用コンバータおよび前記第2受信用コンバータの偏波角が調節される、
請求項1から7のいずれかに記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項9】
前記支持手段によって、前記第1受信用コンバータおよび前記第2受信用コンバータは前記パラボラ反射鏡の中心位置を向くようにそれぞれ支持されている、
請求項1から8のいずれかに記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の前記衛星受信用コンバータ装置と、
前記パラボラ反射鏡と、を備えた、
衛星受信用アンテナ。
【請求項1】
2つの衛星からそれぞれ送信されパラボラ反射鏡に反射した電波を受信する衛星受信用コンバータ装置であって、
前記パラボラ反射鏡に対向し、相互に隣り合った状態で所定の位置にそれぞれ配置された第1受信用コンバータおよび第2受信用コンバータと、
前記第1受信用コンバータおよび前記第2受信用コンバータを前記所定の位置に支持する支持手段と、を備え、
前記支持手段は、
前記第1受信用コンバータおよび前記第2受信用コンバータの間に位置する内側クランプ部材と、
前記第1受信用コンバータを挟んで前記内側クランプ部材の反対側に配置された第1外側クランプ部材と、を含み、
前記第1受信用コンバータは、前記内側クランプ部材および前記第1外側クランプ部材に挟持されることによって、前記所定の位置に支持されている、
衛星受信用コンバータ装置。
【請求項2】
前記支持手段は、前記第2受信用コンバータを挟んで前記内側クランプ部材の反対側に配置された第2外側クランプ部材をさらに含み、
前記第2受信用コンバータは、前記内側クランプ部材および前記第2外側クランプ部材に挟持されることによって、前記所定の位置に支持されている、
請求項1に記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項3】
前記支持手段は、前記内側クランプ部材および前記第1受信用コンバータの間に設けられる第1スペーサー部材をさらに含む、
請求項1または2に記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項4】
前記第1スペーサー部材は、略三日月形状である、
請求項3に記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項5】
前記第1受信用コンバータは、
前記パラボラ反射鏡と対向するフィードホーン部と、
前記フィードホーン部から前記パラボラ反射鏡とは反対側に向かって延在し、前記内側クランプ部材および前記第1スペーサー部材に挟持される円筒部と、を有する、
請求項3または4に記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項6】
前記支持手段は、前記内側クランプ部材および前記第2受信用コンバータの間に設けられる第2スペーサー部材をさらに含む、
請求項3から5のいずれかに記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項7】
前記第1スペーサー部材および前記第2スペーサー部材は同一形状である、
請求項6に記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項8】
前記支持手段は、
前記内側クランプ部材を揺動可能に支持する基台をさらに含み、
前記内側クランプ部材および前記基台の一方には、嵌合部が突設され、
前記内側クランプ部材および前記基台の他方には、前記嵌合部に嵌合する被嵌合部が設けられ、
前記嵌合部および前記被嵌合部が相互に嵌合している位置を中心として前記内側クランプ部材が揺動することによって、前記第1受信用コンバータおよび前記第2受信用コンバータの偏波角が調節される、
請求項1から7のいずれかに記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項9】
前記支持手段によって、前記第1受信用コンバータおよび前記第2受信用コンバータは前記パラボラ反射鏡の中心位置を向くようにそれぞれ支持されている、
請求項1から8のいずれかに記載の衛星受信用コンバータ装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の前記衛星受信用コンバータ装置と、
前記パラボラ反射鏡と、を備えた、
衛星受信用アンテナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2012−90221(P2012−90221A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237298(P2010−237298)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]