衛星型コンパクト電気音響変換
【課題】改良されたステレオ電気音響変換システムを提供する。
【解決手段】所定の高域周波数よりも高い可聴周波数範囲におけるスペクトル成分を有する音響エネルギを放射する高域周波数アセンブリ(12L、12R)を含み、このアセンブリは、そのエンクロージャ(11)の高さと幅との少なくとも一方よりも僅かに小さい直径の前面に隣接した円錐を有するラウドスピーカ・ドライバを前面が包囲するポート付きのエンクロージャを含む。ドライバは環状の延長部によって形成されたポット型の磁気構造を有しており、環状の延長部は延長部の端部とポットのボイス・コイルに隣接する部分との間にエア・スペースを有し周辺の磁束を削減する
【解決手段】所定の高域周波数よりも高い可聴周波数範囲におけるスペクトル成分を有する音響エネルギを放射する高域周波数アセンブリ(12L、12R)を含み、このアセンブリは、そのエンクロージャ(11)の高さと幅との少なくとも一方よりも僅かに小さい直径の前面に隣接した円錐を有するラウドスピーカ・ドライバを前面が包囲するポート付きのエンクロージャを含む。ドライバは環状の延長部によって形成されたポット型の磁気構造を有しており、環状の延長部は延長部の端部とポットのボイス・コイルに隣接する部分との間にエア・スペースを有し周辺の磁束を削減する
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くはサテライト(衛星)型電子音響変換に関し、更に詳しくは、米国特許第5092424号(本願で援用する)などで開示されている局所化(定位)不可能なバス・エンクロージャを用いてバス周波数範囲を再生し、非常に小さな衛星型エンクロージャを用いて、典型的には150から200Hzの範囲内のバス周波数の上限の周波数を超えて延長する高域周波数範囲を再生することによって、可聴周波数の実質的に全範囲を再生する新規な装置及び技術に関する。
【0002】
関連出願
この出願に対応する米国出願は、1995年5月18日に出願された米国特許出願第08/443625号の継続出願である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
背景として、1990年6月5日に付与された、「ステレオ電気音響変換」と称する米国特許第4932060号を参照する。この米国特許は、本願で援用する。
本発明の重要な目的は、改良されたステレオ電気音響変換システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、典型的には150から200Hzの範囲内の所定の高域周波数までのバス周波数範囲におけるスペクトル成分を有する音響エネルギを放射するバス・エンクロージャと、前記所定の高域周波数より上の可聴周波数範囲におけるスペクトル成分を放射する非常に小さなエンクロージャ内の少なくとも1つの高域周波数ドライバと、が提供される。ステレオ・システムでは、これらの高域周波数放射アセンブリが少なくとも左右にある。好ましくは、これらの高域周波数アセンブリが、少なくとも左右に、隣接しており共通の軸の回りを相対的な角度が変位可能な対として存在する。それぞれのアセンブリは、エンクロージャに隣接してそのフロント・パネル内にドライバを含み、このエンクロージャは、それ自体の幅及び/又は高さよりも僅かに小さな円錐(コーン)又はダイアフラムの直径を有する。ドライバのボイス・コイルの直径は、ダイアフラムの半径と比較可能又はそれよりも大きい。エンクロージャの断面積は、ほとんどのエンクロージャの長さに対するフロント・パネルの断面積に実質的に対応する。エンクロージャはポート付きである。ドライバは、典型的には、その力を発生させる間に生じた熱損失に対する機械的力発生の比率として表された少なくとも1.6Newton2/wattの効率βを有し、これは、この技術分野で知られており、「永久磁石変換」(Permanent Magnet Transducing)と題された米国特許第5216723号の第6欄(コラム)において完全に説明されている。高域周波数アセンブリは、無響環境においてドライバ軸上でドライバから1メートルの位置で従来的に測定された場合に、可聴歪みなしに所定の高域周波数よりも高い実質的にすべての可聴周波数範囲に亘って、少なくとも90、好ましくは99又は105dBの所定の最大音声レベルを提供するように構成され配置される。
【0005】
高域周波数アセンブリ又は衛星(サテライト)と局所化(位置認識:定位)不可能なバス・エンクロージャとが典型的な視聴室に配置されるときには、衛星上でだけ局所化が生じる。すなわち、視聴者は、隠されている可能性もありバス・エンクロージャの外壁に開口を有する任意のポートが妨害されていない局所化不可能なバス・エンクロージャによって放射される局所化不可能なバス・スペクトル成分を知覚するにもかかわらず、すべての音が衛星から来ているものとして知覚する。典型的には、各衛星と局所化不可能なバス・エンクロージャとの間の距離は、10メートルよりも小さい。
【0006】
本発明の別の特徴によれば、ドライバを増幅器に接続するエンクロージャの外部のそれよりも大きなゲージ・ワイヤにエンクロージャの内部のドライバからの小さなゲージ・ワイヤ・リードを相互接続するように、構成され配置された2端子コネクタが後部(rear)に存在する。
【0007】
本発明の更に別の特徴によれば、エンクロージャの後部は、ドライバとメイン・ポートへの入力との間の音響インピーダンスを形成し、典型的には800Hzのオーダーの所定の中間周波数よりも高いスペクトル成分の送信を抑制するように構成され配置される。
【0008】
本発明の多数の他の特徴、目的、及び効果は、以下の詳細な説明を添付した図面と共に読むことにより明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここで図面、特に図1を参照すると、本発明によるシステムの論理的な配置の図解が示されている。バス・エンクロージャ11は、それぞれ入力端子11LI、11RIにおいて左右のステレオ入力信号を受け取り、左右の高域(upper)周波数アセンブリ12L、12Rにそれぞれ接続された衛星出力端子11LS、11RSにおいて、所定の高域周波数よりも高いスペクトル成分を有する左右の高域周波数範囲信号を与える。
【0010】
図2を参照すると、下側のエンクロージャ12Bにピボット的に接続された上側のエンクロージャ12Aを備えた、本発明による高域周波数アセンブリの全体図が示されている。
【0011】
図3を参照すると、本発明によるドライバの実施例の、部分的に直径方向の断面図を含む立面図が示されている。ドライバは、円錐(コーン:cone)21、磁石22、中央極部分(ポールピース:pole piece)23、及びポット24を含む。中央極部分23とポット24のフランジ24Aとの間のエア・ギャップ26が、ボイス・コイル27を与える。ポット24は、磁束を実質的にエンクロージャの内部に制限するように機能するバスケット28に接続された端部分33を用いて形成されている。すなわち、ポット24は、環状延長部24Aを用いて形成された磁気構造であり、この延長部の端部とポットのボイス・コイル27に隣接する部分との間にはエア・スペースがあり、周辺の磁束を削減する。ボイス・コイルのリードアウトは、円錐21の底面には取り付けられず、端子に接続される。その端子の1つ30は図3に示されており、別の1つが直径方向の反対側にドライバ軸に実質的に平行に延長しており、いずれも円錐21には接触していない。ボイス・コイルのリードアウト円錐と接触させないことの効果は、円錐の表面にボイス・コイル・リードアウトが取り付けられた同じ円錐と比較して円錐の質量が減少し、それによって、ドライバの高周波応答の改善を助ける点にある。別の効果として、リードアウトが円錐に接着するときに生じる非対称な質量負荷が解消されることがある。
【0012】
図5Aは、従来のポットに対する磁束密度の大きさの等高線を示し、図5Bは、端部分33を有するポットに対する場合を示す。
サラウンド32とスパイダ31とは、円錐21とボイス・コイル27との、横方向の(ラテラルな)運動なしでの軸方向の運動を許容するデュアル・サスペンション・ポイントを与える。ドライバの移動アセンブリは、異なる軸方向位置にある2つの可撓性の部材であるサラウンド32とスパイダ31とを有する。この移動アセンブリは、ポット24、磁石22、及び中央極部分23から成る磁気構造から分離したバスケット28を有し図3において最もよく示されている剛体のサブアセンブリ上に設置されている。移動アセンブリを剛体のサブアセンブリ上に設置してサブコンビネーションを形成し、次にこのサブコンビネーションと磁気構造とを相互に接着してドライバを形成することが効果的である。スパイダ31は、対応して、比較的高い内径に対する外径の比率を有し、ただ2回の回転によって、ポート付きのエンクロージャにおけるボイス・コイル27の適切な変位が得られるのに十分なコンプライアンスを与える。磁石22は、ネオジム・鉄ホウ素(neodymium−iron boron)又は他の希土類に基づく磁気物質から作られる。
【0013】
バスケット28のホール34とボイス・コイル・ボビン35のホールとにおけるエア質量(マス)は、ダスト・キャップ36の下のエアの体積及び円錐21の下のエア37の体積と共振し、不所望な共振を与える。図6を参照すると、ダイアフラムとメイン・ポート・アウトレットとの間にインピーダンス要素をもたない高域周波数アセンブリの円錐出力とメイン・ポート出力との周波数応答に対する、これらの共振の影響が示されている。太い線は、近接する磁界におけるメイン・ポートの出力の周波数応答であり、細い線は、ラウドスピーカ円錐の比較的近傍の磁界出力である。約800Hzよりも下では、メイン・ポートはランプ要素(lumped element)デバイスとして機能して、およそ130Hzと400Hzとの間の所望の出力をシステムに提供する。約800Hzよりも上では、およそ1300Hzと2600Hzとの間では円錐の出力よりも大きなあるいはそれに匹敵する不所望の共振モードが存在する。メイン・ポートの導波モードに起因する2つの最も大きなピークがおよそ1000Hzからおよそ3000Hzの周波数帯で生じる部屋で用いられる場合のシステムの全体としての結果的な平均の周波数応答が、図7に示されている。
【0014】
図9を参照すると、中間ポートの形態での円錐とメイン・ポートとの間の音響インピーダンスが、図解されている。エンクロージャ43では、メインの体積は、密封されたバッフル47によってサブチャンバに分割された、出力ポート45とドライバ44との間のサブチャンバ41、42から成る。前方のサブチャンバ41は、ドライバ44とバッフル47との間である。後方のサブチャンバ42は、バッフル47と出力ポート45との間である。これらの2つのサブチャンバ41、42は、それ自身のランプ要素共振を、典型的にはランプ要素共振の少なくとも1オクターブ上に、及び、メイン・ポートの送信線共振周波数の少なくとも1オクターブ下となるように同調されたそれ以外の場合には密封されたバッフルにおける中間ポート46によって接続されている。この中間ポート同調周波数よりも低い周波数では、中間ポート46は有効に開いており、メイン・ポートは、音響質量として正常に動作する。この中間ポート同調周波数よりも高い周波数では、中間ポート46は有効に閉じており、メイン出力ポート45をドライバから密封して、ドライバの背後の有効体積がサブチャンバ41と同じになるようにする。この密封効果により、ドライバは、メイン出力ポート45の送信線共振の励起が回避される。中間ポート同調周波数は、好ましくは、システム共振よりも1オクターブ高く、中間ポート46が有効に閉じる周波数では、ドライバ・モータに与えられる機械的インピーダンスが有効体積ではなくドライバの移動質量によって制御され、ドライバの背後の有効体積がサブチャンバ41、42の体積の和から前面サブチャンバ41の体積だけに変化する際にシステムの効率は影響を受けないことを保証する。
【0015】
中間ポート同調周波数に近い高い信号レベルでは、メイン出力ポート45の送信線モードは、依然として、メイン出力ポート45の半波長周波数におけるスペクトル成分を有する中間ポート46におけるエアの乱流(turbulence)に起因するノイズによって励起される。中間ポート46とバッフル47とを半剛体(semi−rigid)の半呼吸可能な(多孔性の)物質で構成することによって、そのような励起を防止することができる。
【0016】
図10を参照すると、半剛体のフォーム中間ポート構成48を示す高域周波数アセンブリ・エンクロージャの断面図が示されている。この構造は、部分的に通過(貫通)可能であるがエア・フローに対して抵抗を与える内部バッフル47を形成する。結果として、前面サブチャンバ41と背面サブチャンバ42との間のエア・フローの一部は、中間ポート46をバイパスして、内部ポート46の内部の流速を減少させる。多孔性のバッフル47は、また、エネルギを消費する音響フィルタとしても機能する。この物質は可撓性と損失性(lossy)とを有するので、デバイスが音響圧力に応答して振動する際に、機械的な減衰を介していくらかのエネルギが消費される。この物質の流れ抵抗、音響抵抗などの性質が、開口を通過して流れる体積速度の一部(fraction)を制御する。物質が開き過ぎていると中間ポート46は有効ではなくなり、他方で、物質が閉じ過ぎていると中間ポートは乱れてしまう。この物質の好適な形態は、Foamex社からPyrellの商標で市販されている70pores/linearインチの、2lb/cu.ftの密度のポリエステル・ポリウレタン・フォーム(foam)である。他の多孔性の物質も受け入れられる特性を与える。この構造は、挿入が簡単で、予めカットされた、適合する断片のフォーム物質であり、これはまた、所望の音響減衰及び等温特性を与える。
【0017】
図解された部分48は、中間ポート46及びバッフル47として機能し、網状のフォームから作られた等温物質を用いて音響減衰を与える。このフォームは、音響的な詰め物によって典型的に与えられる音響抵抗及び等温特性と、中間ポート46の多孔性、可撓性及び機械的損失性特性を有する物質と、バッフル47とを組み合わせる。更に、形状と寸法とは、前記エンクロージャ内に適切に置かれた際に平坦な前面がポート壁部と同一平面となり内部バッフル47を形成するようになっている。フォームの僅かに大きすぎる寸法と適度な可撓性とによって、バッフル47の連続的な周縁部の周囲に、所望の音響的な密封が提供される。フォームの中間に沿って切断された長方形の部分と、それに対して配置されるエンクロージャの平坦な表面とによって、中間ポート46が形成される。この部分の残りの表面は、ほとんどの後部サブチャンバ42を満たすように輪郭を付され(contoured)、メイン出力ポート45の前方とドライバの後方との所望の体積を低い周波数でのエア・フローを許容するようにされる。等温サイクルを容易にする特性を選択することによって、物質の大部分(bulk)は、典型的には、有効音響体積を増加させる。
【0018】
図8を参照すると、図10の構造を付加した高域周波数ドライバの部屋における平均の周波数応答が示されており、1000Hzと3000Hzとの間の不所望の共振の不存在を示している。
【0019】
小さなエンクロージャ・サイズを用いて所望の音放射特性の取得を容易にする本発明の別の特徴は、エンクロージャの外部から一方又は両方のドライバへの接続を行うフィード・スルー・コネクタである。それぞれの高域周波数アセンブリをバス・エンクロージャに相互接続する外部ケーブルは、好適には、エンクロージャ内のドライバと比較して低いインピーダンスを有する。例示の実施例においては、それぞれの端部にモールド・オンされたキー型のプラグを有する20フィートの長さのケーブルが、コネクタを有する0.6725インチの直径の雌型プラグにおいて終端するのに用いられている18ゲージのワイヤとのこの相互接続に用いられ、0.045X0.045inch2のピンを0.156インチのピッチ上に接触させる。
【0020】
エンクロージャ内のドライバとフィード・スルー・コネクタとの間の接続は、はるかに小さく更に可撓性を有するケーブルを用いて行われるが、これは、長さがほんの数インチであり、この短いケーブルのインピーダンスがドライバに比べて意味をもたないからである。これらのワイヤは、便宜的に、分離可能なクリンプ型などの小型の標準的なコネクタにおいて終端し得る。このコネクタは、0.098インチのピッチ上の0.025X0.025inch2のコネクタのピンに接続する。エンクロージャにおけるフィード・スルー・コネクタは、異なるピッチによって分離される異なる断面積のピンを有する外部及び内部プラグの間に、エア・タイト(air tight)な接続を与える。本発明のこの特徴は、それぞれのフィード・スルーを、断面積が変化し曲げられる単一のアイテムとして形成し、それによって、第2のピンによってキャリアにおいてモールドされる際には、プラグの各端部において所望のピッチが得られる。これは、図11Aの全体図における断面と、図11Bの平面図と、図11Cの断面図において図11Bの部分C−Cとに示されている。
【0021】
図12を参照すると、リードアウト・ワイヤをボイス・コイルの端部に接続する効果的な配置の全体図が示されている。ボイス・コイル27は、形成体27Fと、クリンプ27Cにおいて終端するシングル・ストランドのボイス・コイル・ワイヤの巻線27Wとを含む。形成体27Fは、クリンプ27Cとリードアウト・ワイヤの束58の端部との両方がハンダ付けされている導電性のアンカー・パッド27Pを有している。図13は、巻線27Wの端部に取り付けられたクリンプ27Cの拡大図を示している。クリンプ27Cは、典型的には、真ちゅうのプレフォーム上にメッキされた銅の上にメッキされた錫であり、ボイス・コイルの巻線ワイヤ27Wは、典型的には、シングル・ストランドの#30のAWG又はそれよりも小さい。図13は、インチでの典型的な寸法を示している。
【0022】
図14A、図14B、及び図14Cを参照すると、陽極処理された(アノード化)されたアルミニウム・ワイヤと、絶縁された銅ワイヤと、絶縁された銅クラッド・アルミニウム・ワイヤと、をそれぞれ示している。
【0023】
本発明のこの特徴は、多数の効果を有している。本発明は、1又は複数のボイス・コイル・ワイヤの迅速で反復可能な電気的及び機械的終端を可能にし、特に、そのような終端のためのスペースが本発明のドライバでのように極端に制限されている場合に有用である。ボイス・コイルへの電源の接続を形成する非常に小型のクリンプを用いることによって、細いゲージの磁石ワイヤ又はアルミニウム・ワイヤのシングル・ストランドは、ガス・タイト(gas−tight)な態様で捕捉し得る。クリンプによって、ワイヤの絶縁を取り去ることなく、また、ワイヤ端部に予め錫を付加することなく、よい電気的接続が確立される。クリンプによって、腐食性の副作用なしにはハンダ付けが困難なアルミニウム・ワイヤの反復可能な電気的終端が可能になる。クリンプ自体は、ハンダによって、パッド又は基板に確実に固定され得る。
【0024】
本発明のこの特徴によって、ワイヤの切断が減少し、腐食性の科学物質なしで接続が確立され、よいガス・タイトな接続が可能になり、他方で、リードアウト・ワイヤの耐用年数を強化する態様でのリードアウト・ワイヤの取り付けが可能になる。
【0025】
本発明によるエンクロージャは、好ましくは、250ccよりも小さな体積と、約5.0cmよりも好ましくは小さな外側円錐の直径を有するドライバとを有し、可聴歪みなしで、1メートルの位置で、105dB程度の音声圧力(音圧)レベルの出力レベルでの高域周波数よりも高い範囲での可聴スペクトル成分を与える。ドライバは、そのような小さな円錐(コーン)の割には比較的大きなピーク・ピーク運動(典型的には、3.5mmのピーク・ピーク撓み)を許容するサスペンション・システムを有し、その運動は、この撓み(エクスカーション:excursion)に対してボイス・コイルに印加された信号振幅の本質的に一次関数(線形)である。高域周波数アセンブリは、円錐の撓みをこの範囲内に保つポート質量共振によって特徴付けられる。モータの強さは、このように小型のドライバにとって、異常に大きい。特徴は、不所望の寄生的な共振を抑制する構造と、磁界を受像管などとの干渉を回避するように制限する小さな付加的な構造とを含む。エンクロージャは、ドライバへの細いリードと増幅器へのより太いリードとの間の接続を確立する新規なパス・スルー型のコネクタを含む。
【0026】
これ以外の実施例も、本願の特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による衛星型電気音響変換システムの論理的な配置を図解するブロック図である。
【図2】本発明による高域周波数アセンブリの全体図である。
【図3】本発明によるドライバの直径方向の断面図である。
【図4】本発明によるエンクロージャの、部分的に断面を示した、全体図である。
【図5】図5A及び図5Bでは、図5Aに示した従来型のポット磁石構造の場合と比較して、本発明によるドライバの場合の周辺磁束の特性の改善を図5Bにおいて図解している。
【図6】ドライバとメイン・ポート・アウトレットとの間の付加的な質量コンプライアンスを有さない、本発明による高域周波数アセンブリの周波数応答を示す。
【図7】ドライバとメイン・ポート・アウトレットとの間の付加された質量コンプライアンスを有さない、本発明による高域周波数アセンブリのルームにおける平均の周波数応答を示す。
【図8】ドライバとメイン・ポート・アウトレットとの間の付加された質量コンプライアンスを有する、本発明による高域周波数アセンブリのルームにおける改善された平均の周波数応答を示す。
【図9】ドライバとポート・アウトレットとの間の付加的な質量コンプライアンスを表す、メイン・ポートと中間ポートを有する内部分割バッフルとを有するエンクロージャの図解的な表現である。
【図10】本発明による高域周波数アセンブリのエンクロージャの図解的な断面図であり、半剛体フォームのサブポートの特徴を示す。
【図11】図11A、図11B、及び図11Cは、それぞれ、ドライバと外部ケーブルとを接続するためのフィード・スルー型プラグの、全体図、平面図、及び断面図である。
【図12】リードアウトとボイス・コイル端部との間の接続を、アンカー・パッドにハンダ付けされたクリンプを用いて確立する効果的な方法の全体図である。
【図13】取り付けられたクリンプを有するボイス・コイル・ワイヤ端部の断片図である。
【図14】図14A、図14B、及び図14Cは、それぞれ、種々の導体の端部の態様である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くはサテライト(衛星)型電子音響変換に関し、更に詳しくは、米国特許第5092424号(本願で援用する)などで開示されている局所化(定位)不可能なバス・エンクロージャを用いてバス周波数範囲を再生し、非常に小さな衛星型エンクロージャを用いて、典型的には150から200Hzの範囲内のバス周波数の上限の周波数を超えて延長する高域周波数範囲を再生することによって、可聴周波数の実質的に全範囲を再生する新規な装置及び技術に関する。
【0002】
関連出願
この出願に対応する米国出願は、1995年5月18日に出願された米国特許出願第08/443625号の継続出願である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
背景として、1990年6月5日に付与された、「ステレオ電気音響変換」と称する米国特許第4932060号を参照する。この米国特許は、本願で援用する。
本発明の重要な目的は、改良されたステレオ電気音響変換システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、典型的には150から200Hzの範囲内の所定の高域周波数までのバス周波数範囲におけるスペクトル成分を有する音響エネルギを放射するバス・エンクロージャと、前記所定の高域周波数より上の可聴周波数範囲におけるスペクトル成分を放射する非常に小さなエンクロージャ内の少なくとも1つの高域周波数ドライバと、が提供される。ステレオ・システムでは、これらの高域周波数放射アセンブリが少なくとも左右にある。好ましくは、これらの高域周波数アセンブリが、少なくとも左右に、隣接しており共通の軸の回りを相対的な角度が変位可能な対として存在する。それぞれのアセンブリは、エンクロージャに隣接してそのフロント・パネル内にドライバを含み、このエンクロージャは、それ自体の幅及び/又は高さよりも僅かに小さな円錐(コーン)又はダイアフラムの直径を有する。ドライバのボイス・コイルの直径は、ダイアフラムの半径と比較可能又はそれよりも大きい。エンクロージャの断面積は、ほとんどのエンクロージャの長さに対するフロント・パネルの断面積に実質的に対応する。エンクロージャはポート付きである。ドライバは、典型的には、その力を発生させる間に生じた熱損失に対する機械的力発生の比率として表された少なくとも1.6Newton2/wattの効率βを有し、これは、この技術分野で知られており、「永久磁石変換」(Permanent Magnet Transducing)と題された米国特許第5216723号の第6欄(コラム)において完全に説明されている。高域周波数アセンブリは、無響環境においてドライバ軸上でドライバから1メートルの位置で従来的に測定された場合に、可聴歪みなしに所定の高域周波数よりも高い実質的にすべての可聴周波数範囲に亘って、少なくとも90、好ましくは99又は105dBの所定の最大音声レベルを提供するように構成され配置される。
【0005】
高域周波数アセンブリ又は衛星(サテライト)と局所化(位置認識:定位)不可能なバス・エンクロージャとが典型的な視聴室に配置されるときには、衛星上でだけ局所化が生じる。すなわち、視聴者は、隠されている可能性もありバス・エンクロージャの外壁に開口を有する任意のポートが妨害されていない局所化不可能なバス・エンクロージャによって放射される局所化不可能なバス・スペクトル成分を知覚するにもかかわらず、すべての音が衛星から来ているものとして知覚する。典型的には、各衛星と局所化不可能なバス・エンクロージャとの間の距離は、10メートルよりも小さい。
【0006】
本発明の別の特徴によれば、ドライバを増幅器に接続するエンクロージャの外部のそれよりも大きなゲージ・ワイヤにエンクロージャの内部のドライバからの小さなゲージ・ワイヤ・リードを相互接続するように、構成され配置された2端子コネクタが後部(rear)に存在する。
【0007】
本発明の更に別の特徴によれば、エンクロージャの後部は、ドライバとメイン・ポートへの入力との間の音響インピーダンスを形成し、典型的には800Hzのオーダーの所定の中間周波数よりも高いスペクトル成分の送信を抑制するように構成され配置される。
【0008】
本発明の多数の他の特徴、目的、及び効果は、以下の詳細な説明を添付した図面と共に読むことにより明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここで図面、特に図1を参照すると、本発明によるシステムの論理的な配置の図解が示されている。バス・エンクロージャ11は、それぞれ入力端子11LI、11RIにおいて左右のステレオ入力信号を受け取り、左右の高域(upper)周波数アセンブリ12L、12Rにそれぞれ接続された衛星出力端子11LS、11RSにおいて、所定の高域周波数よりも高いスペクトル成分を有する左右の高域周波数範囲信号を与える。
【0010】
図2を参照すると、下側のエンクロージャ12Bにピボット的に接続された上側のエンクロージャ12Aを備えた、本発明による高域周波数アセンブリの全体図が示されている。
【0011】
図3を参照すると、本発明によるドライバの実施例の、部分的に直径方向の断面図を含む立面図が示されている。ドライバは、円錐(コーン:cone)21、磁石22、中央極部分(ポールピース:pole piece)23、及びポット24を含む。中央極部分23とポット24のフランジ24Aとの間のエア・ギャップ26が、ボイス・コイル27を与える。ポット24は、磁束を実質的にエンクロージャの内部に制限するように機能するバスケット28に接続された端部分33を用いて形成されている。すなわち、ポット24は、環状延長部24Aを用いて形成された磁気構造であり、この延長部の端部とポットのボイス・コイル27に隣接する部分との間にはエア・スペースがあり、周辺の磁束を削減する。ボイス・コイルのリードアウトは、円錐21の底面には取り付けられず、端子に接続される。その端子の1つ30は図3に示されており、別の1つが直径方向の反対側にドライバ軸に実質的に平行に延長しており、いずれも円錐21には接触していない。ボイス・コイルのリードアウト円錐と接触させないことの効果は、円錐の表面にボイス・コイル・リードアウトが取り付けられた同じ円錐と比較して円錐の質量が減少し、それによって、ドライバの高周波応答の改善を助ける点にある。別の効果として、リードアウトが円錐に接着するときに生じる非対称な質量負荷が解消されることがある。
【0012】
図5Aは、従来のポットに対する磁束密度の大きさの等高線を示し、図5Bは、端部分33を有するポットに対する場合を示す。
サラウンド32とスパイダ31とは、円錐21とボイス・コイル27との、横方向の(ラテラルな)運動なしでの軸方向の運動を許容するデュアル・サスペンション・ポイントを与える。ドライバの移動アセンブリは、異なる軸方向位置にある2つの可撓性の部材であるサラウンド32とスパイダ31とを有する。この移動アセンブリは、ポット24、磁石22、及び中央極部分23から成る磁気構造から分離したバスケット28を有し図3において最もよく示されている剛体のサブアセンブリ上に設置されている。移動アセンブリを剛体のサブアセンブリ上に設置してサブコンビネーションを形成し、次にこのサブコンビネーションと磁気構造とを相互に接着してドライバを形成することが効果的である。スパイダ31は、対応して、比較的高い内径に対する外径の比率を有し、ただ2回の回転によって、ポート付きのエンクロージャにおけるボイス・コイル27の適切な変位が得られるのに十分なコンプライアンスを与える。磁石22は、ネオジム・鉄ホウ素(neodymium−iron boron)又は他の希土類に基づく磁気物質から作られる。
【0013】
バスケット28のホール34とボイス・コイル・ボビン35のホールとにおけるエア質量(マス)は、ダスト・キャップ36の下のエアの体積及び円錐21の下のエア37の体積と共振し、不所望な共振を与える。図6を参照すると、ダイアフラムとメイン・ポート・アウトレットとの間にインピーダンス要素をもたない高域周波数アセンブリの円錐出力とメイン・ポート出力との周波数応答に対する、これらの共振の影響が示されている。太い線は、近接する磁界におけるメイン・ポートの出力の周波数応答であり、細い線は、ラウドスピーカ円錐の比較的近傍の磁界出力である。約800Hzよりも下では、メイン・ポートはランプ要素(lumped element)デバイスとして機能して、およそ130Hzと400Hzとの間の所望の出力をシステムに提供する。約800Hzよりも上では、およそ1300Hzと2600Hzとの間では円錐の出力よりも大きなあるいはそれに匹敵する不所望の共振モードが存在する。メイン・ポートの導波モードに起因する2つの最も大きなピークがおよそ1000Hzからおよそ3000Hzの周波数帯で生じる部屋で用いられる場合のシステムの全体としての結果的な平均の周波数応答が、図7に示されている。
【0014】
図9を参照すると、中間ポートの形態での円錐とメイン・ポートとの間の音響インピーダンスが、図解されている。エンクロージャ43では、メインの体積は、密封されたバッフル47によってサブチャンバに分割された、出力ポート45とドライバ44との間のサブチャンバ41、42から成る。前方のサブチャンバ41は、ドライバ44とバッフル47との間である。後方のサブチャンバ42は、バッフル47と出力ポート45との間である。これらの2つのサブチャンバ41、42は、それ自身のランプ要素共振を、典型的にはランプ要素共振の少なくとも1オクターブ上に、及び、メイン・ポートの送信線共振周波数の少なくとも1オクターブ下となるように同調されたそれ以外の場合には密封されたバッフルにおける中間ポート46によって接続されている。この中間ポート同調周波数よりも低い周波数では、中間ポート46は有効に開いており、メイン・ポートは、音響質量として正常に動作する。この中間ポート同調周波数よりも高い周波数では、中間ポート46は有効に閉じており、メイン出力ポート45をドライバから密封して、ドライバの背後の有効体積がサブチャンバ41と同じになるようにする。この密封効果により、ドライバは、メイン出力ポート45の送信線共振の励起が回避される。中間ポート同調周波数は、好ましくは、システム共振よりも1オクターブ高く、中間ポート46が有効に閉じる周波数では、ドライバ・モータに与えられる機械的インピーダンスが有効体積ではなくドライバの移動質量によって制御され、ドライバの背後の有効体積がサブチャンバ41、42の体積の和から前面サブチャンバ41の体積だけに変化する際にシステムの効率は影響を受けないことを保証する。
【0015】
中間ポート同調周波数に近い高い信号レベルでは、メイン出力ポート45の送信線モードは、依然として、メイン出力ポート45の半波長周波数におけるスペクトル成分を有する中間ポート46におけるエアの乱流(turbulence)に起因するノイズによって励起される。中間ポート46とバッフル47とを半剛体(semi−rigid)の半呼吸可能な(多孔性の)物質で構成することによって、そのような励起を防止することができる。
【0016】
図10を参照すると、半剛体のフォーム中間ポート構成48を示す高域周波数アセンブリ・エンクロージャの断面図が示されている。この構造は、部分的に通過(貫通)可能であるがエア・フローに対して抵抗を与える内部バッフル47を形成する。結果として、前面サブチャンバ41と背面サブチャンバ42との間のエア・フローの一部は、中間ポート46をバイパスして、内部ポート46の内部の流速を減少させる。多孔性のバッフル47は、また、エネルギを消費する音響フィルタとしても機能する。この物質は可撓性と損失性(lossy)とを有するので、デバイスが音響圧力に応答して振動する際に、機械的な減衰を介していくらかのエネルギが消費される。この物質の流れ抵抗、音響抵抗などの性質が、開口を通過して流れる体積速度の一部(fraction)を制御する。物質が開き過ぎていると中間ポート46は有効ではなくなり、他方で、物質が閉じ過ぎていると中間ポートは乱れてしまう。この物質の好適な形態は、Foamex社からPyrellの商標で市販されている70pores/linearインチの、2lb/cu.ftの密度のポリエステル・ポリウレタン・フォーム(foam)である。他の多孔性の物質も受け入れられる特性を与える。この構造は、挿入が簡単で、予めカットされた、適合する断片のフォーム物質であり、これはまた、所望の音響減衰及び等温特性を与える。
【0017】
図解された部分48は、中間ポート46及びバッフル47として機能し、網状のフォームから作られた等温物質を用いて音響減衰を与える。このフォームは、音響的な詰め物によって典型的に与えられる音響抵抗及び等温特性と、中間ポート46の多孔性、可撓性及び機械的損失性特性を有する物質と、バッフル47とを組み合わせる。更に、形状と寸法とは、前記エンクロージャ内に適切に置かれた際に平坦な前面がポート壁部と同一平面となり内部バッフル47を形成するようになっている。フォームの僅かに大きすぎる寸法と適度な可撓性とによって、バッフル47の連続的な周縁部の周囲に、所望の音響的な密封が提供される。フォームの中間に沿って切断された長方形の部分と、それに対して配置されるエンクロージャの平坦な表面とによって、中間ポート46が形成される。この部分の残りの表面は、ほとんどの後部サブチャンバ42を満たすように輪郭を付され(contoured)、メイン出力ポート45の前方とドライバの後方との所望の体積を低い周波数でのエア・フローを許容するようにされる。等温サイクルを容易にする特性を選択することによって、物質の大部分(bulk)は、典型的には、有効音響体積を増加させる。
【0018】
図8を参照すると、図10の構造を付加した高域周波数ドライバの部屋における平均の周波数応答が示されており、1000Hzと3000Hzとの間の不所望の共振の不存在を示している。
【0019】
小さなエンクロージャ・サイズを用いて所望の音放射特性の取得を容易にする本発明の別の特徴は、エンクロージャの外部から一方又は両方のドライバへの接続を行うフィード・スルー・コネクタである。それぞれの高域周波数アセンブリをバス・エンクロージャに相互接続する外部ケーブルは、好適には、エンクロージャ内のドライバと比較して低いインピーダンスを有する。例示の実施例においては、それぞれの端部にモールド・オンされたキー型のプラグを有する20フィートの長さのケーブルが、コネクタを有する0.6725インチの直径の雌型プラグにおいて終端するのに用いられている18ゲージのワイヤとのこの相互接続に用いられ、0.045X0.045inch2のピンを0.156インチのピッチ上に接触させる。
【0020】
エンクロージャ内のドライバとフィード・スルー・コネクタとの間の接続は、はるかに小さく更に可撓性を有するケーブルを用いて行われるが、これは、長さがほんの数インチであり、この短いケーブルのインピーダンスがドライバに比べて意味をもたないからである。これらのワイヤは、便宜的に、分離可能なクリンプ型などの小型の標準的なコネクタにおいて終端し得る。このコネクタは、0.098インチのピッチ上の0.025X0.025inch2のコネクタのピンに接続する。エンクロージャにおけるフィード・スルー・コネクタは、異なるピッチによって分離される異なる断面積のピンを有する外部及び内部プラグの間に、エア・タイト(air tight)な接続を与える。本発明のこの特徴は、それぞれのフィード・スルーを、断面積が変化し曲げられる単一のアイテムとして形成し、それによって、第2のピンによってキャリアにおいてモールドされる際には、プラグの各端部において所望のピッチが得られる。これは、図11Aの全体図における断面と、図11Bの平面図と、図11Cの断面図において図11Bの部分C−Cとに示されている。
【0021】
図12を参照すると、リードアウト・ワイヤをボイス・コイルの端部に接続する効果的な配置の全体図が示されている。ボイス・コイル27は、形成体27Fと、クリンプ27Cにおいて終端するシングル・ストランドのボイス・コイル・ワイヤの巻線27Wとを含む。形成体27Fは、クリンプ27Cとリードアウト・ワイヤの束58の端部との両方がハンダ付けされている導電性のアンカー・パッド27Pを有している。図13は、巻線27Wの端部に取り付けられたクリンプ27Cの拡大図を示している。クリンプ27Cは、典型的には、真ちゅうのプレフォーム上にメッキされた銅の上にメッキされた錫であり、ボイス・コイルの巻線ワイヤ27Wは、典型的には、シングル・ストランドの#30のAWG又はそれよりも小さい。図13は、インチでの典型的な寸法を示している。
【0022】
図14A、図14B、及び図14Cを参照すると、陽極処理された(アノード化)されたアルミニウム・ワイヤと、絶縁された銅ワイヤと、絶縁された銅クラッド・アルミニウム・ワイヤと、をそれぞれ示している。
【0023】
本発明のこの特徴は、多数の効果を有している。本発明は、1又は複数のボイス・コイル・ワイヤの迅速で反復可能な電気的及び機械的終端を可能にし、特に、そのような終端のためのスペースが本発明のドライバでのように極端に制限されている場合に有用である。ボイス・コイルへの電源の接続を形成する非常に小型のクリンプを用いることによって、細いゲージの磁石ワイヤ又はアルミニウム・ワイヤのシングル・ストランドは、ガス・タイト(gas−tight)な態様で捕捉し得る。クリンプによって、ワイヤの絶縁を取り去ることなく、また、ワイヤ端部に予め錫を付加することなく、よい電気的接続が確立される。クリンプによって、腐食性の副作用なしにはハンダ付けが困難なアルミニウム・ワイヤの反復可能な電気的終端が可能になる。クリンプ自体は、ハンダによって、パッド又は基板に確実に固定され得る。
【0024】
本発明のこの特徴によって、ワイヤの切断が減少し、腐食性の科学物質なしで接続が確立され、よいガス・タイトな接続が可能になり、他方で、リードアウト・ワイヤの耐用年数を強化する態様でのリードアウト・ワイヤの取り付けが可能になる。
【0025】
本発明によるエンクロージャは、好ましくは、250ccよりも小さな体積と、約5.0cmよりも好ましくは小さな外側円錐の直径を有するドライバとを有し、可聴歪みなしで、1メートルの位置で、105dB程度の音声圧力(音圧)レベルの出力レベルでの高域周波数よりも高い範囲での可聴スペクトル成分を与える。ドライバは、そのような小さな円錐(コーン)の割には比較的大きなピーク・ピーク運動(典型的には、3.5mmのピーク・ピーク撓み)を許容するサスペンション・システムを有し、その運動は、この撓み(エクスカーション:excursion)に対してボイス・コイルに印加された信号振幅の本質的に一次関数(線形)である。高域周波数アセンブリは、円錐の撓みをこの範囲内に保つポート質量共振によって特徴付けられる。モータの強さは、このように小型のドライバにとって、異常に大きい。特徴は、不所望の寄生的な共振を抑制する構造と、磁界を受像管などとの干渉を回避するように制限する小さな付加的な構造とを含む。エンクロージャは、ドライバへの細いリードと増幅器へのより太いリードとの間の接続を確立する新規なパス・スルー型のコネクタを含む。
【0026】
これ以外の実施例も、本願の特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による衛星型電気音響変換システムの論理的な配置を図解するブロック図である。
【図2】本発明による高域周波数アセンブリの全体図である。
【図3】本発明によるドライバの直径方向の断面図である。
【図4】本発明によるエンクロージャの、部分的に断面を示した、全体図である。
【図5】図5A及び図5Bでは、図5Aに示した従来型のポット磁石構造の場合と比較して、本発明によるドライバの場合の周辺磁束の特性の改善を図5Bにおいて図解している。
【図6】ドライバとメイン・ポート・アウトレットとの間の付加的な質量コンプライアンスを有さない、本発明による高域周波数アセンブリの周波数応答を示す。
【図7】ドライバとメイン・ポート・アウトレットとの間の付加された質量コンプライアンスを有さない、本発明による高域周波数アセンブリのルームにおける平均の周波数応答を示す。
【図8】ドライバとメイン・ポート・アウトレットとの間の付加された質量コンプライアンスを有する、本発明による高域周波数アセンブリのルームにおける改善された平均の周波数応答を示す。
【図9】ドライバとポート・アウトレットとの間の付加的な質量コンプライアンスを表す、メイン・ポートと中間ポートを有する内部分割バッフルとを有するエンクロージャの図解的な表現である。
【図10】本発明による高域周波数アセンブリのエンクロージャの図解的な断面図であり、半剛体フォームのサブポートの特徴を示す。
【図11】図11A、図11B、及び図11Cは、それぞれ、ドライバと外部ケーブルとを接続するためのフィード・スルー型プラグの、全体図、平面図、及び断面図である。
【図12】リードアウトとボイス・コイル端部との間の接続を、アンカー・パッドにハンダ付けされたクリンプを用いて確立する効果的な方法の全体図である。
【図13】取り付けられたクリンプを有するボイス・コイル・ワイヤ端部の断片図である。
【図14】図14A、図14B、及び図14Cは、それぞれ、種々の導体の端部の態様である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラウドスピーカ・システムであって、
所定の高域周波数よりも高い可聴周波数範囲におけるスペクトル成分を有する音響エネルギを放射する高域周波数アセンブリを備えており、
前記高域周波数アセンブリは、所定の高さと幅との前面を有するポート付エンクロージャを含み、
前記エンクロージャは、前記所定の高さと幅との少なくとも一方よりも僅かに小さな直径のコーンを有し前記前面に隣接するラウドスピーカ・ドライバを包囲し、
前記ドライバは、前記コーンの直径の半分よりも大きな直径のボイス・コイルを有し、
前記ポート付エンクロージャは、音響質量によって特徴付けられるメイン・ポートと音響コンプライアンスによって特徴付けられる内部体積とを含み、前記ダイアフラムの最大の撓みを所定の限度内に保ち可聴歪みなしに前記所定の周波数よりも高い前記可聴周波数範囲内のスペクトル成分に対する所定の最大音圧レベルを提供する基本質量・コンプライアンス共振周波数を前記所定の高域周波数の近傍で確立する、ラウドスピーカ・システムにおいて、
前記ドライバは環状の延長部によって形成されたポット型の磁気構造を有しており、前記環状の延長部は前記延長部の端部と前記ポットの前記ボイス・コイルに隣接する部分との間にエア・スペースを有し周辺の磁束を削減する、ラウドスピーカ・システム。
【請求項2】
ラウドスピーカ・システムであって、
所定の高域周波数よりも高い可聴周波数範囲におけるスペクトル成分を有する音響エネルギを放射する高域周波数アセンブリを備えており、
前記高域周波数アセンブリは、所定の高さと幅との前面を有するポート付エンクロージャを含み、
前記エンクロージャは、前記所定の高さと幅との少なくとも一方よりも僅かに小さな直径のコーンを有し前記前面に隣接するラウドスピーカ・ドライバを包囲し、
前記ドライバは、前記コーンの直径の半分よりも大きな直径のボイス・コイルを有し、
前記ポート付エンクロージャは、音響質量によって特徴付けられるメイン・ポートと音響コンプライアンスによって特徴付けられる内部体積とを含み、前記ダイアフラムの最大の撓みを所定の限度内に保ち可聴歪みなしに前記所定の周波数よりも高い前記可聴周波数範囲内のスペクトル成分に対する所定の最大音圧レベルを提供する基本質量・コンプライアンス共振周波数を前記所定の高域周波数の近傍で確立する、ラウドスピーカ・システムにおいて、
前記ボイス・コイルは、
導電性パッドを有する形成体と、
クリンプにおいて終端された端部を有するボイス・コイル巻線と、を備えており、
前記クリンプは、前記アンカー・パッドにハンダ付けされている、ラウドスピーカ・システム。
【請求項3】
請求項2記載のラウドスピーカ・システムにおいて、前記パッドにハンダ付けされた端部を有するリードアウト・ワイヤを更に備える、ラウドスピーカ・システム。
【請求項4】
ラウドスピーカ・システムであって、
約200Hzの所定の高域周波数よりも高い可聴周波数範囲におけるスペクトル成分を有する音響エネルギを放射する高域周波数アセンブリを備えており、
前記高域周波数アセンブリは、所定の高さと幅との前面を有する約250ccよりも小さな体積のポート付エンクロージャを含み、
前記エンクロージャは、前記所定の高さと幅との少なくとも一方よりも僅かに小さく約5.0cmよりも小さな直径のコーンを有するドライバ軸を有し前記前面に隣接するラウドスピーカ・ドライバを包囲し、
前記ドライバは、前記コーンに取り付けられたボイス・コイルを有するモータを備え、
前記ポート付エンクロージャは、音響質量によって特徴付けられるメイン・ポートと音響コンプライアンスによって特徴付けられる内部体積とを含み、前記コーンの最大の撓みを所定の限度内に保ち可聴歪みなしに前記所定の高域周波数よりも高い実質的にすべての前記可聴周波数範囲に亘って前記ドライバ軸上のそこから実質的に1メートルの位置で少なくとも105dBの所定の最大音圧レベルを提供する基本質量・コンプライアンス共振周波数を前記所定の高域周波数の近傍で確立する、ラウドスピーカ・システムにおいて、
前記ボイス・コイルは、
導電性パッドを有する形成体と、
クリンプにおいて終端された端部を有するボイス・コイル巻線と、を備えており、
前記クリンプは、前記アンカー・パッドにハンダ付けされている、ラウドスピーカ・システム。
【請求項5】
請求項4記載のラウドスピーカ・システムにおいて、前記パッドにハンダ付けされた端部を有するリードアウト・ワイヤを更に備える、ラウドスピーカ・システム。
【請求項6】
ボイス・コイルとポット型磁気構造とを有するラウドスピーカ・システム・ドライバにおいて、
前記ポット型磁気構造は、環状の延長部によって形成されており、前記環状の延長部は、前記延長部の端部と前記ポット型磁気構造の前記ボイス・コイルに隣接する部分との間にエア・スペースを有し、周辺の磁束を削減する、ラウドスピーカ・システム・ドライバ。
【請求項7】
ラウドスピーカ・ボイス・コイルであって、
導電性のアンカー・パッドを有する形成体と、
クリンプに接続された端部を有する巻線と、を備えており、
前記クリンプは、前記アンカー・パッドにハンダ付けされている、ラウドスピーカ・ボイス・コイル。
【請求項8】
請求項7記載のラウドスピーカ・ボイス・コイルにおいて、
前記アンカー・パッドにハンダ付けされた端部を有するリードアウト・ワイヤを更に備えるラウドスピーカ・ボイス・コイル。
【請求項9】
ラウドスピーカ・ドライバ・コンポーネントであって、
磁気構造と、
前記磁気構造から分離した剛体のサブアセンブリと、
コーン及びボイス・コイルであって前記コーンから離間し前記ドライバの軸に沿って移動可能なリード線を有し、更に、前記ドライバ軸に沿って軸方向に離間した位置において前記剛体のサブアセンブリ上に取り付けられた第1及び第2の可撓性の部材を有し、前記磁気構造と統合して前記ドライバを形成する前に前記磁気構造から離間したサブコンビネーションを形成するコーン及びボイス・コイルを含む移動型アセンブリと、
を備えるラウドスピーカ・ドライバ・コンポーネント。
【請求項10】
請求項9記載のラウドスピーカ・ドライバ・コンポーネントにおいて、前記剛体のサブアセンブリはバスケットであり、
前記磁気構造は、ポットと、中央極部分と、永久磁石とを有し、前記移動型アセンブリは、コーンと、ボイス・コイルと、サラウンドと、スパイダとを有し、前記サラウンドが前記第1の可撓性部材であり、前記スパイダが前記第2の可撓性部材である、ラウドスピーカ・ドライバ・コンポーネント。
【請求項11】
ラウドスピーカ・システムであって、
所定の高域周波数よりも高い可聴周波数範囲におけるスペクトル成分を有する音響エネルギを放射する高域周波数アセンブリを備えており、
前記高域周波数アセンブリは、所定の高さと幅との前面を有するポート付エンクロージャを含み、
前記エンクロージャは、前記所定の高さと幅との少なくとも一方よりも僅かに小さな直径のコーンを有し前記前面に隣接するラウドスピーカ・ドライバを包囲し、
前記ドライバは、前記コーンの直径の半分よりも大きな直径のボイス・コイルを有し、
前記ポート付エンクロージャは、音響質量によって特徴付けられるメイン・ポートと音響コンプライアンスによって特徴付けられる内部体積とを含み、前記ダイアフラムの最大の撓みを所定の限度内に保ち可聴歪みなしに前記所定の周波数よりも高い前記可聴周波数範囲内のスペクトル成分に対する所定の最大音圧レベルを提供する基本質量・コンプライアンス共振周波数を前記所定の高域周波数の近傍で確立する、ラウドスピーカ・システムにおいて、
前記ラウドスピーカ・ドライバは、
磁気構造と、
前記磁気構造から分離した剛体のサブアセンブリと、
前記ドライバの軸に沿って移動可能であり、前記ドライバ軸に沿って軸方向に離間した位置において前記剛体のサブアセンブリ上に取り付けられた第1及び第2の可撓性の部材を有する移動型アセンブリと、
を備えるラウドスピーカ・システム。
【請求項12】
請求項11記載のラウドスピーカ・システムにおいて、
前記剛体のサブアセンブリはバスケットであり、
前記磁気構造は、ポットと、中央極部分と、永久磁石とを有し、前記移動型アセンブリは、コーンと、ボイス・コイルと、サラウンドと、スパイダとを有し、前記サラウンドが前記第1の可撓性部材であり、前記スパイダが前記第2の可撓性部材である、ラウドスピーカ・システム。
【請求項13】
ラウドスピーカ・ドライバにおいて、
磁気構造と、
前記磁気構造から分離した剛体のサブアセンブリと、
前記ドライバの軸に沿って移動可能であり、前記ドライバ軸に沿って軸方向に離間した位置において前記剛体のサブアセンブリ上に取り付けられた第1及び第2の可撓性の部材を有する移動型アセンブリと、を備え、
前記移動型アセンブリはコーンとボイス・コイルとを備えており、
前記ボイス・コイルは、前記コーンに取り付けられていないリードアウトを有する、ラウドスピーカ・ドライバ。
【請求項1】
ラウドスピーカ・システムであって、
所定の高域周波数よりも高い可聴周波数範囲におけるスペクトル成分を有する音響エネルギを放射する高域周波数アセンブリを備えており、
前記高域周波数アセンブリは、所定の高さと幅との前面を有するポート付エンクロージャを含み、
前記エンクロージャは、前記所定の高さと幅との少なくとも一方よりも僅かに小さな直径のコーンを有し前記前面に隣接するラウドスピーカ・ドライバを包囲し、
前記ドライバは、前記コーンの直径の半分よりも大きな直径のボイス・コイルを有し、
前記ポート付エンクロージャは、音響質量によって特徴付けられるメイン・ポートと音響コンプライアンスによって特徴付けられる内部体積とを含み、前記ダイアフラムの最大の撓みを所定の限度内に保ち可聴歪みなしに前記所定の周波数よりも高い前記可聴周波数範囲内のスペクトル成分に対する所定の最大音圧レベルを提供する基本質量・コンプライアンス共振周波数を前記所定の高域周波数の近傍で確立する、ラウドスピーカ・システムにおいて、
前記ドライバは環状の延長部によって形成されたポット型の磁気構造を有しており、前記環状の延長部は前記延長部の端部と前記ポットの前記ボイス・コイルに隣接する部分との間にエア・スペースを有し周辺の磁束を削減する、ラウドスピーカ・システム。
【請求項2】
ラウドスピーカ・システムであって、
所定の高域周波数よりも高い可聴周波数範囲におけるスペクトル成分を有する音響エネルギを放射する高域周波数アセンブリを備えており、
前記高域周波数アセンブリは、所定の高さと幅との前面を有するポート付エンクロージャを含み、
前記エンクロージャは、前記所定の高さと幅との少なくとも一方よりも僅かに小さな直径のコーンを有し前記前面に隣接するラウドスピーカ・ドライバを包囲し、
前記ドライバは、前記コーンの直径の半分よりも大きな直径のボイス・コイルを有し、
前記ポート付エンクロージャは、音響質量によって特徴付けられるメイン・ポートと音響コンプライアンスによって特徴付けられる内部体積とを含み、前記ダイアフラムの最大の撓みを所定の限度内に保ち可聴歪みなしに前記所定の周波数よりも高い前記可聴周波数範囲内のスペクトル成分に対する所定の最大音圧レベルを提供する基本質量・コンプライアンス共振周波数を前記所定の高域周波数の近傍で確立する、ラウドスピーカ・システムにおいて、
前記ボイス・コイルは、
導電性パッドを有する形成体と、
クリンプにおいて終端された端部を有するボイス・コイル巻線と、を備えており、
前記クリンプは、前記アンカー・パッドにハンダ付けされている、ラウドスピーカ・システム。
【請求項3】
請求項2記載のラウドスピーカ・システムにおいて、前記パッドにハンダ付けされた端部を有するリードアウト・ワイヤを更に備える、ラウドスピーカ・システム。
【請求項4】
ラウドスピーカ・システムであって、
約200Hzの所定の高域周波数よりも高い可聴周波数範囲におけるスペクトル成分を有する音響エネルギを放射する高域周波数アセンブリを備えており、
前記高域周波数アセンブリは、所定の高さと幅との前面を有する約250ccよりも小さな体積のポート付エンクロージャを含み、
前記エンクロージャは、前記所定の高さと幅との少なくとも一方よりも僅かに小さく約5.0cmよりも小さな直径のコーンを有するドライバ軸を有し前記前面に隣接するラウドスピーカ・ドライバを包囲し、
前記ドライバは、前記コーンに取り付けられたボイス・コイルを有するモータを備え、
前記ポート付エンクロージャは、音響質量によって特徴付けられるメイン・ポートと音響コンプライアンスによって特徴付けられる内部体積とを含み、前記コーンの最大の撓みを所定の限度内に保ち可聴歪みなしに前記所定の高域周波数よりも高い実質的にすべての前記可聴周波数範囲に亘って前記ドライバ軸上のそこから実質的に1メートルの位置で少なくとも105dBの所定の最大音圧レベルを提供する基本質量・コンプライアンス共振周波数を前記所定の高域周波数の近傍で確立する、ラウドスピーカ・システムにおいて、
前記ボイス・コイルは、
導電性パッドを有する形成体と、
クリンプにおいて終端された端部を有するボイス・コイル巻線と、を備えており、
前記クリンプは、前記アンカー・パッドにハンダ付けされている、ラウドスピーカ・システム。
【請求項5】
請求項4記載のラウドスピーカ・システムにおいて、前記パッドにハンダ付けされた端部を有するリードアウト・ワイヤを更に備える、ラウドスピーカ・システム。
【請求項6】
ボイス・コイルとポット型磁気構造とを有するラウドスピーカ・システム・ドライバにおいて、
前記ポット型磁気構造は、環状の延長部によって形成されており、前記環状の延長部は、前記延長部の端部と前記ポット型磁気構造の前記ボイス・コイルに隣接する部分との間にエア・スペースを有し、周辺の磁束を削減する、ラウドスピーカ・システム・ドライバ。
【請求項7】
ラウドスピーカ・ボイス・コイルであって、
導電性のアンカー・パッドを有する形成体と、
クリンプに接続された端部を有する巻線と、を備えており、
前記クリンプは、前記アンカー・パッドにハンダ付けされている、ラウドスピーカ・ボイス・コイル。
【請求項8】
請求項7記載のラウドスピーカ・ボイス・コイルにおいて、
前記アンカー・パッドにハンダ付けされた端部を有するリードアウト・ワイヤを更に備えるラウドスピーカ・ボイス・コイル。
【請求項9】
ラウドスピーカ・ドライバ・コンポーネントであって、
磁気構造と、
前記磁気構造から分離した剛体のサブアセンブリと、
コーン及びボイス・コイルであって前記コーンから離間し前記ドライバの軸に沿って移動可能なリード線を有し、更に、前記ドライバ軸に沿って軸方向に離間した位置において前記剛体のサブアセンブリ上に取り付けられた第1及び第2の可撓性の部材を有し、前記磁気構造と統合して前記ドライバを形成する前に前記磁気構造から離間したサブコンビネーションを形成するコーン及びボイス・コイルを含む移動型アセンブリと、
を備えるラウドスピーカ・ドライバ・コンポーネント。
【請求項10】
請求項9記載のラウドスピーカ・ドライバ・コンポーネントにおいて、前記剛体のサブアセンブリはバスケットであり、
前記磁気構造は、ポットと、中央極部分と、永久磁石とを有し、前記移動型アセンブリは、コーンと、ボイス・コイルと、サラウンドと、スパイダとを有し、前記サラウンドが前記第1の可撓性部材であり、前記スパイダが前記第2の可撓性部材である、ラウドスピーカ・ドライバ・コンポーネント。
【請求項11】
ラウドスピーカ・システムであって、
所定の高域周波数よりも高い可聴周波数範囲におけるスペクトル成分を有する音響エネルギを放射する高域周波数アセンブリを備えており、
前記高域周波数アセンブリは、所定の高さと幅との前面を有するポート付エンクロージャを含み、
前記エンクロージャは、前記所定の高さと幅との少なくとも一方よりも僅かに小さな直径のコーンを有し前記前面に隣接するラウドスピーカ・ドライバを包囲し、
前記ドライバは、前記コーンの直径の半分よりも大きな直径のボイス・コイルを有し、
前記ポート付エンクロージャは、音響質量によって特徴付けられるメイン・ポートと音響コンプライアンスによって特徴付けられる内部体積とを含み、前記ダイアフラムの最大の撓みを所定の限度内に保ち可聴歪みなしに前記所定の周波数よりも高い前記可聴周波数範囲内のスペクトル成分に対する所定の最大音圧レベルを提供する基本質量・コンプライアンス共振周波数を前記所定の高域周波数の近傍で確立する、ラウドスピーカ・システムにおいて、
前記ラウドスピーカ・ドライバは、
磁気構造と、
前記磁気構造から分離した剛体のサブアセンブリと、
前記ドライバの軸に沿って移動可能であり、前記ドライバ軸に沿って軸方向に離間した位置において前記剛体のサブアセンブリ上に取り付けられた第1及び第2の可撓性の部材を有する移動型アセンブリと、
を備えるラウドスピーカ・システム。
【請求項12】
請求項11記載のラウドスピーカ・システムにおいて、
前記剛体のサブアセンブリはバスケットであり、
前記磁気構造は、ポットと、中央極部分と、永久磁石とを有し、前記移動型アセンブリは、コーンと、ボイス・コイルと、サラウンドと、スパイダとを有し、前記サラウンドが前記第1の可撓性部材であり、前記スパイダが前記第2の可撓性部材である、ラウドスピーカ・システム。
【請求項13】
ラウドスピーカ・ドライバにおいて、
磁気構造と、
前記磁気構造から分離した剛体のサブアセンブリと、
前記ドライバの軸に沿って移動可能であり、前記ドライバ軸に沿って軸方向に離間した位置において前記剛体のサブアセンブリ上に取り付けられた第1及び第2の可撓性の部材を有する移動型アセンブリと、を備え、
前記移動型アセンブリはコーンとボイス・コイルとを備えており、
前記ボイス・コイルは、前記コーンに取り付けられていないリードアウトを有する、ラウドスピーカ・ドライバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−187040(P2006−187040A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−59806(P2006−59806)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【分割の表示】特願平8−124970の分割
【原出願日】平成8年5月20日(1996.5.20)
【出願人】(591009509)ボーズ・コーポレーション (121)
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【分割の表示】特願平8−124970の分割
【原出願日】平成8年5月20日(1996.5.20)
【出願人】(591009509)ボーズ・コーポレーション (121)
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
【Fターム(参考)】
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