説明

衛星状態情報を衛星測位システムに使用するための方法および装置

【課題】衛星位置決めシステムの位置の計算に関する相互相関の影響を除去する。
【解決手段】相互相関結果を用いることを回避する、またはそのような結果を検出する試みにおいて衛星の健全に関する情報を使用する。この方法は、視野内のSPS衛星からSPS信号を受信し、健全な衛星であると示された第1SPS衛星に対応して、第1測定値が、移動SPS受信器の位置を解くために使用される測定値のセットから除去されるか否かを決定する。この決定は第1測定値がSPS信号から派生したものかどうかを試験する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は同一発明者Leonid Sheynblatにより仮出願の出願日の利益に関連し、この結果仮出願の出願日の利益を請求する。仮出願は権利がある。2000年8月25日に出願されたシリアル番号60/228,258、衛星状態情報を衛星測位システムに使用するための方法および装置
この発明は、衛星航法システム(GPS)受信器のような一般に衛星測位システム(SPS)の分野に関し、特にSPS信号の処理に関する。
【0002】
衛星航法システム受信器は通常非常に多数のGPS(NAVSTAR)衛星から同時に送信された信号の到着時刻を計算することによりそれらの位置を決定する。これらの衛星は、メッセージの一部として衛星測位データ並びにクロックタイミングに関するデータ、いわゆる「天文暦」データを送信する。GPS信号を探索し、取得するプロセス、すなわち多数の衛星のための天文暦データを読み、このデータから受信器の位置を計算することは、時間がかかり、しばしば数分を必要とする。多くの場合、この非常に長い処理時間は受け入れることができず、小型携帯アプリケーションにおけるバッテリ寿命を大幅に制限する。
【0003】
GPS受信システムは2つの主要な役割を有する。第1は、種々のGPS衛星に対する擬似距離の計算であり、第2はこれらの擬似距離と衛星タイミングと天文暦データとを用いて受信器の位置を計算することである。擬似距離は単にローカルクロックにより測定された衛星信号の到着時刻である。この擬似距離の定義は時々符号位相とも呼ばれる。衛星天文暦とタイミングデータが取得され、追跡されると、衛星天文暦とタイミングデータがGPS信号から抽出される。上述したように、この情報を収集することは通常相対的に長い時間がかかり(18秒乃至数分)、低い誤差率を得るために良好に受信された信号レベルで成し遂げなければ成らない。
【0004】
殆どのGPS受信器は擬似距離を計算するために相関法を利用する。これらの相関法は、しばしばハードウエア相関器を用いてリアルタイムで実行される。GPS信号は擬似乱数シーケンスと呼ばれる高い率の繰り返し信号を含む。民間のアプリケーションに利用可能なコードは、粗い/取得(C/A)符号と呼ばれ、バイナリ位相反転レート、すなわち1.203MHzの「チッピング(chipping)」レートおよび1ミリ秒の符号期間のための1023チップの反復期間を有する。コードシーケンスは、ゴールド符号として知られるファミリーに属し、各GPS衛星は固有のゴールド符号を有した信号を放送する。
【0005】
所定のGPS衛星から受信した信号の場合、ベースバンドへのダウンコンバージョンプロセスに続いて、相関受信器は受信した信号と、ローカルメモリ内に含まれる適当なゴールド符号の記憶された複製と乗算し、信号の存在の表示を得るために、その積を積分または低域濾波する。このプロセスは「相関」演算と称される。受信した信号に関連してこの記憶された複製の相対タイミングをシーケンシャルに調節し、相関出力を観察することにより、受信器は受信した信号とローカルクロックとの間の時間遅延を決定することができる。そのような出力の存在の初期決定は、「取得」と称される。取得が生じると、プロセスは「トラッキング」フェーズに入り、ローカルリファレンスのタイミングは高い相関出力を維持するために小出しに調節される。トラッキングフェーズ期間の相関出力は、擬似乱数符号が除去された、すなわち一般的な専門用語で「デスプレッド」されたGPS信号として見ることができる。この信号はGPS波形に重ねられた毎秒50ビットのバイナリ位相シフトキーイング(BPSK)されたデータ信号に比例した帯域を有する狭帯域である。
【0006】
特に受信した信号が弱い場合、相関取得プロセスは非常に時間がかかる。取得時間を改良するために、殆どのGPS受信器は、相関ピークを並列に探索することのできる非常に多数の相関器を利用する。
【0007】
衛星信号は視野方向であり、金属または他の材料により阻止可能であるので、一般的なGPS受信機器は一般にオープンスペースでGPS信号を受信するように設計される。改良されたGPS受信器は屋内で、すなわち弱いマルチパス信号が存在する場合または純粋な反射である信号の場合にGPS衛星信号を追跡可能にする信号感度を供給する。しかしながら、そのような弱いGPS信号を取得する能力は一般的に他の問題を引き起こす。例えば、強い信号と弱い信号を同時に追跡することは受信器に、真の信号ではない相互相関された信号を連続追跡させる可能性がある。弱い真のピークを発見する代わりに、より強い相互相関されたピークを取得することがある。弱い衛星信号を追跡することは、それが直接信号であることを保証しない。この弱い信号は反射信号かもしれないし、直接信号と間接信号の組合せかもしれない。組み合わされた信号はマルチパス信号と呼ばれる。反射信号のパスは一般に直接信号のパスよりも長い。パス長の差によって、反射信号の到着時刻測定が一般に遅れまたは対応する符号位相測定が正のバイアスを含む。一般にバイアスの大きさは反射パスと直接パスとの間の相対遅延に比例する。直接信号成分の可能性のある欠落は(狭帯域相関器またはストローブ相関器のような)既存のマルチパス緩和技術を時代遅れにさせる。
【0008】
GPS航法メッセージはGPS衛星からGPS受信器に送信される情報である。それは、GPS信号に変調される毎秒50ビットのデータストリームの形態である。
【0009】
データメッセージは1500ビット長であるデータフレームに含まれる。データフレームは5つのサブフレームを有し、各サブフレームはGPSシステム時間を含む。各サブフレームは10ワードから構成され、各ワードは30ビットから構成される。サブフレーム1乃至3は30秒毎に反復される。4番目と5番目のサブフレームに順に25頁のデータが現われる。30秒毎に1頁の割合である。従って25頁の各頁は750秒毎に反復する。
【0010】
サブフレーム4および5はGPS衛星の2種類の健全に関するデータまたは状態データを含む。(a)クロック/天文暦に関連した暦データを含む32頁の各々は、それぞれの頁が暦データを有するが、衛星に関する8ビットの衛星健全状態ワードを供給する、および(b)サブフレーム4と5の25番目の頁は合同して最大32の衛星のための6ビット健全状態データを含む。さらなる衛星健全データはサブフレーム1に与えられる。サブフレーム1は天文暦データセットの一部である。
【0011】
一般に、GPS受信器は衛星のステータス(例えば「健全」)に関する情報を受信し、不健全な衛星を取得せず、追跡せず、一方健全な衛星からGPS信号を取得し追跡することによりGPS信号を処理するであろう。あるいはスタンドアロンGPS受信器は、健全衛星および不健全衛星を取得して追跡するが、不健全衛星の信号からの天文暦メッセージからの健全ステータスデータを読んだ後で位置計算において不健全な信号を使用することを避けるように設計することができる。相互相関結果を用いることを回避するまたはそのような結果を検出する試みにおいて衛星の健全に関する情報を使用することは従来技術において試みられたことはなかった。さらに、衛星健全ステータスに直接アクセスしないGPS受信器に衛星健全ステータスが利用可能になることを保証する試みはいままでなかった。(直接アクセスはSPS衛星からまたはSPS衛星から以前にダウンロードされたデータからである)。
【発明の概要】
【0012】
衛星位置システム(SPS)信号を処理するための方法が現在提供される。この方法は、視野内のSPS衛星からのSPS衛星を受信し、健全な衛星であると表示された第1SPS衛星に対応する、第1測定値が、SPS受信器の位置について解くために使用される測定値セットから除去されるかどうかを決定することを含む。この決定は、第1SPS衛星からの信号および第2SPS衛星からの信号から生じる相互相関のための第1測定値を試験することを含む。一実施形態において、第1SPS衛星からの信号は不健全な第2SPS衛星からの信号よりも弱いかもしれない。
【0013】
ここに使用される「視野内」は、SPS基準受信器、SPS基準受信器のネットワーク、移動SPS受信器、セルラー方式無線システムのセルまたはセルのグループを考慮したSPS衛星を意味するように広く定義される。しかしながら、これらは単に例として提供される。それゆえ、SPS衛星は、信号が事実上何らかのSPS受信器により受信可能であるならば、「視野内」にあると考えられることに注意する必要がある。
【0014】
実行可能なコンピュータプログラム命令を含むコンピュータ読み出し可能媒体も開示される。プログラム命令がデータ処理システムにより実行されると、コンピュータ媒体はデータ処理システムに衛星位置決めシステム(SPS)信号を処理するための方法を実行させる。視野内の衛星が不健全であるかどうかに関係なく、すべての視野内のSPS衛星からSPS信号を取得しようと試みること、および視野内のSPS衛星のどれが不健全であるかを示す健全さに関するデータを受信することを含む。この方法は、視野内のSPS衛星が不健全であるかどうかに関係なく試験が行われるすべての視野内のSPS衛星に対して、2つの異なるSPS衛星間の相互相関に対してSPS信号を取得することから得られた測定値を試験することを含む。
【0015】
結合したSPS受信器と通信システムも開示される。一実施形態において、衛星位置システム(SPS)基準受信器は複数の視野内SPS衛星からSPS信号を受信するように構成される。サーバーはSPS基準受信器と通信するように構成される。SPS基準受信器に接続された送信器はSPS信号を送信する。一実施形態において、サーバーは視野内のSPS衛星の信号を分析し、相互相関条件を調べる。すなわち健全なSPS衛星の信号が不健全なSPS衛星信号により影響され、次に不健全なSPS衛星の信号(信号群)と、相互相関された衛星のSPS信号(信号群)が試験され、位置が視野内のSPS衛星から計算される前に、除去すべきか、修正すべきか、あるいは使用すべきかが決定される。次に送信器は随意的にその位置を送信する。
【0016】
開示された装置の他の実施形態は第2の受信器に接続された移動SPS受信器を含む。移動SPS受信器は第2受信器上の送信器からSPS信号を受信し、視野内のSPS衛星を分析して相互相関条件を調べる。すなわち、健全なSPS衛星の信号が不健全なSPS衛星の信号により影響され、移動SPS受信器により視野内のSPS衛星から位置が計算される前に不健全なSPS衛星の信号と、相互相関されたSPS衛星の信号が除去されるかまたは修正される。一実施形態において、送信器と第2受信器はセルラ方式無線システムと互換性がある。
【0017】
他の実施形態において、実行可能なコンピュータプログラム命令を含むコンピュータ読み出し可能媒体は受信器に接続される移動衛星位置システム(SPS)受信器に支援データを供給するための方法を実行する。この方法は、受信器と通信するセルサイトまたはセルサイトのグループを決定することを含む。健全データは、複数の視野内のSPS衛星の各々に対して決定され、健全データは受信器に送信される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】図1Aは位置計算を改良するために衛星位置システム(SPS)ステータスデータを使用するための方法を示す。
【図1B】図1Bは位置計算を改良するために衛星位置システム(SPS)ステータスデータを使用するための方法を示す。
【図2】図2は種々の「視野内」衛星位置システム(SPS)衛星を示す。
【図3】図3は各セルがセルサイトによりサービスされ、各セルがセルラ交換局に接続された複数のセルを有するセルラ通信システムを示す。
【図4】図4はセルラサービスエリアおよび/またはセルラサイトに対して所定時間におけるドップラー情報のセット間に相関を提供するセルラベース情報源の表示を示す。
【図5】図5はこの発明の一実施形態に従う基地局システムの実現を示す。
【図6】図6はこの発明の一実施形態に従う結合されたSPS受信器と通信システムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明は例により説明されるが、同一部に同符号を付した添付図面の図に制限されない。
【0020】
この発明の実施形態の以下の詳細な説明において、同一部に同符号を付した図面が参照され、この発明を実施可能な特定の実施形態を実例として示す。これらの実施形態は当業者がこの発明を実施可能なように十分に詳細に記載される。それゆえ、以下の詳細な説明は限定的意味に取られず、この発明の範囲は添付されたクレームによってのみ定義される。
【0021】
衛星ステータス情報をSPSシステムに使用するための方法および装置が開示される。一例示実施形態において、移動SPS受信器は視野内のSPS衛星からSPS信号を受信し、(ほとんどの場合)すべての視野内の衛星に対して擬似距離を決定する(または決定しようと試みる)。衛星のステータス(例えば衛星の健全さ)に関する情報も集められ、この情報は移動SPS受信器により受信されるSPS信号を処理するのに使用される。殆どの場合、移動SPS受信器はすべての衛星に対して(不健全な衛星に対しても)符号位相/擬似距離を決定するので、健全な衛星の弱いGPS信号と不健全な衛星の強いGPS信号との間の相互相関を決定することが可能である。そのような相互相関結果が確認されると、相互相関測定値を除去することまたはそれを修正しようと試みることは可能かもしれない。従って、一実施形態によれば、移動SPSは、不健全であると知られている符号位相/擬似距離測定値を決定する。
【0022】
衛星の健全さに関する情報は、この情報をサーバー(サーバー群)に送信するGPS基準受信器(受信器群)により監視可能である。(1997年4月15日に出願された同時係属米国特許出願シリアル番号第08/842,559、現在米国特許第6,208,290を参照せよ。これは、参照することによりここに組み込まれる)。そして、これらのサーバーはこの情報をすべての視野内の衛星に対して(a)(移動GPS受信器がモバイルの位置を計算するのではなく、ロケーションサーバーまたはネットワーク内の他のシステムがその位置を計算する場合)移動GPS受信器から受信した擬似距離測定値を処理するために局所的に使用させるか、または(b)移動GPS受信器により使用するために(例えば、移動GPS受信器に接続され、移動GPS受信器を収納する携帯電話を介して)移動GPS受信器に送信させることが可能である。この実施形態によれば、GPS基準受信器は一般に健全または不健全にかかわらず、視野にあるすべてのGPS衛星を獲得し、追跡する。これは、健全な衛星信号と不健全な衛星信号との間の(ロケーションサーバーによるまたは移動GPS受信器自身による)検出を可能にするであろう。
【0023】
この詳細な説明において使用される「視野内」は柔軟であるように意図される。従って、「視野内の衛星」または「視野内のSPS衛星」はワイドエリアリファレンスネットワーク(WARN)全体またはWARNのいずれか一部の視野内にあることを表示するために使用することができる。例えば、包括的なリストは、単一SPSリファレンス受信器の視野内にあること、複数のSPSリファレンス受信器群の視野内にあること、移動SPS受信器の視野内にあること、セルラ(ワイヤレス)無線ネットワークのセルまたはセルのいずれかのグループの視野内にあることを含む。種々の「視野内のSPS衛星」は図2に示される。図2を参照すると、ワイドエリアリファレンスネットワーク視野領域200が示され、衛星(SV)202、SV 204、SV 206、SV 208、SV 210、SV212、SV 214、SV 216、SV 218、SV 242、SV244、SV 246、SV 248、SV 252、SV 254、およびSV 256がWARNの視野内にある。これらの衛星の一部がリファレンス受信器視野領域240の視野内にあり、たとえばSV 242、SV 244、SV 246、およびSV 248である。これらの衛星の別の一部は第2リファレンス受信器視野領域260の視野内にあり、例えばSV 210、SV 212、SV 214、SV 216およびSV218である。これらの衛星の別の一部は第3リファレンス受信器視野領域270の視野内にあり、たとえばSV 208、SV 210、SV 252、SV 254、およびSV 256である。衛星の別の一部は移動SPS受信器視野領域250の視野内にあり、たとえばSV 252、SV 254、およびSV 256である。視野領域240、250、260または視野領域270に含まれる衛星の選択または視野領域のサイズによって制限されることを意味しない。視野領域は図示するためにのみ選択された。
【0024】
一実施形態において、WARN視野領域200の視野内にある「すべての」SPS衛星の健全ステータスが獲得される。衛星の健全情報の一部は、移動SPS受信器のロケーションの「視野内」にある衛星に基づいて移動SPS受信器に送信可能である。ここで使用される「すべての」SPS衛星は取得の特定の実現に依存する。例えばエレベーションマスク(elevation mask)を考慮したり、信号のインタフェースマスクに対する信号対雑音比を考慮したり、等々。従って、すべてが柔軟に構築される。GPS基準受信器(受信器群)は天文暦(または暦)情報における対応する情報より最新である衛星ステータス情報を集めることができ、そしてこの更新されたステータス情報は、この発明の種々の実施形態に従って使用するために、ロケーションサーバーおよび/または移動GPS受信器に送信可能である。一実施形態において、健全ステータス情報は衛星から直接受信することができる。他の実施形態において、ロケーションサーバー(サーバー群)はその情報および/またはGPS基準受信器(受信器群)から受信した測定値に基づいて更新されたステータス情報を導き出すことができる。更新されたステータス情報は、ロケーションリクエストに相関するステータスの質(QoS)の関数であり得る。所定レベルの質の場合、天文暦データおよび/または暦データで健全であるとマークされた衛星が所望レベルの精度を供給しないかもしれないことをロケーションサーバーは決定することができる。そのような場合、ロケーションサーバーはその健全ステータス情報を更新することができ、それをリモートSPS受信器(受信器群)に送信することができ、随意的にさらなる処理のためにそれを記憶することができる。この処理の一例は、ロケーションサーバーにおいて行なわれる位置計算において衛星が使用されるべきかどうかを決定するためにこの更新された健全ステータスの使用かもしれない。あるいは、健全ステータス情報の決定と更新は、移動SPS受信器により実行されるかもしれない。この更新されたステータス情報を供給するために使用されるかもしれないGPS基準受信器群のネットワークの一例は、参照することによりここに組み込まれる1998年4月28日出願の同時係属米国特許出願シリアル番号第09/067,407、現在米国特許第6,215,441に記載されている。
【0025】
米国特許6,208,290からの図1、5、6、および7Aは明瞭さのためにここに含まれており、それぞれ図3、4、5、および6に対応する。ここに示す図面を参照すると、図3は、移動SPS受信器が通信ネットワークから支援データを受信するかもしれないセルラサービスエリア内のいくつかのセルを示す。一実施形態において、通信ネットワークはロケーションサーバーを含む。このロケーションサーバーは図3の26により表すことが出来る。図4は通信ネットワークによって移動SPS受信器に送信される衛星健全ステータス情報(図示せず)も含むことができる。例えば、一方の視野領域において、SPS受信器は通信システムから一方の健全ステータス情報セットを受信することができ、他方の視野領域において、SPS受信器は通信システムから他方の衛星健全ステータス情報セットを受信することができる。図5に示す基地局は図2に示す基準受信器視野領域に相関することができ、セルラサービスエリア内のセルを含む通信システムをサポートすることができる。
【0026】
一実施形態において、図6は通信システムからの衛星健全ステータスを含む支援情報を受信するために、移動SPS受信器376を通信システムトランシーバ378と接続する携帯電話375を示す。一実施形態において、ロケーションサーバーはセルサイトまたはセルサイトのグループに基づいて、移動SPS受信器と通信中のセルサイトまたはセルサイトのグループを決定する。次に、視野内の衛星のグループがロケーションサーバーによって決定することができ、次に、そのような視野内のすべての衛星のための健全情報が携帯電話375に送信され、通信トランシーバー378により受信可能である。移動SPS受信器376は受信した支援データに基づいてそのロケーションを計算することができ、またはロケーションサーバーは移動SPS受信器のロケーションを決定することができる。
【0027】
いくつかの衛星のサブフレーム1、4および5に与えられた健全データは他のグループの衛星のサブフレーム4および/または5に示される健全データと異なることがある。なぜなら、後者は異なる時間に更新されるかもしれないからである。
【0028】
サブフレーム5の健全要約は暦アップロードの時間に更新されるだけである。さらに操作を続けると、健全要約は最後にアップロードされたときからの時間の長さによって古くなってしまう。
【0029】
この状況はGPS受信器が室内にあるとき、または他の信号が制限された環境にあるときより悪化する。衛星から直接衛星健全ステータスビットを受信できるようにするためには、さらに17dBの信号感度が必要になることがある。GPS受信器は、衛星健全ステータスビット(毎秒50ビット)を含む信号よりも17dB弱い信号に基づいて衛星までの擬似距離を測定することがある。衛星健全ステータスビットの受信も、一般に信号が制限された環境では不可能な18秒乃至数分の連続した衛星信号追跡を必要とすることがある。GPS電波探知に関連したいくつかの重要な性能上の点は古くなったまたは利用できない衛星健全情報に影響されることがある。1つの点はロケーションの決定に際して不健全な衛星信号(信号群)の使用に関連している。不健全な衛星信号(信号群)の使用は重大な位置エラーになることがあることは一般に知られている。
【0030】
健全要約が古くなってGPS方位のステータスを正確に反映できないなら、GPS受信器に対して最初に位置決定する時間(TTFF)が遅れることがある。これは、記憶された健全要約により「健全」であるとマークされた不健全な衛星の可能な取得に浪費された時間による。また、不健全とマークされる健全な衛星を取得する試みが成されないこともある。タイムリーかつ正しい衛星健全情報更新なしに延長された動作は効率的なTTFFを必要とするユーザの使命を危うくすることがある。高速TTFFは緊急サービスに重要であり、またバッテリスタンバイおよび通話時間に影響を与える。無線支援されたGPSモードにおいて、無線ネットワーク、そのような無線ネットワークと通信しているすべての移動GPS受信器のためにタイムリーで正しい衛星健全情報を供給することがある。
【0031】
衛星健全支援のための他の理由は、欠陥のある衛星測定に対する保護である。激しく妨害される信号環境において、GPS衛星信号が非常に高いダイナミックレンジで受信されることはかなり煩雑にある。およそ17dB以上だけ異なる信号強度を有するGPS信号を受信すると、GPS受信器は相対的に弱い真の信号の代わりに相互相関された信号を取得することがある。相互相関された測定値を検出したり、恐らく訂正または除去するために使用することがある1つの手続きは、参照することによりここに組み込まれる、1999年2月1日に出願された同時係属米国特許出願シリアル番号第09/241,334に記載されている。しかしながら、GPS受信器が相互相関された信号の存在を検出するためには、健全な衛星と不健全な衛星両方からのすべての信号を取得しなければならない。強い「不健全な」衛星信号が弱い「健全な」衛星信号と相互相関するなら問題が生じるであろう。「不健全な」信号の存在に気が付かないと、GPS受信器は相互相関条件を検出することができないことがある。すべての目に見える衛星の一部のみが健全ステータスに関係なく取得されるなら、別の問題が起こることがある。この一部の取得された衛星のいずれかが、弱い信号の性質を提示するなら、相互相関条件が察知されずにいることがあるということもあり得る。
【0032】
この発明の一実施形態において、ロケーションサーバー(CDMA携帯電話システムにおいて位置決定エンティティ(PDE)とも呼ばれおよびGSM(登録商標)携帯電話システムにおいてサービングモバイルロケーションセンタ(SMLC)とも呼ばれる)のための基準データを供給するGPS基準受信器は視野内にあるすべての衛星、健全な衛星および不健全な衛星を取得し追跡する。無線装置(例えば携帯電話または双方向ポケットベル)に一体形成または接続されるGPS技術(例えばGPS受信器)も視野内にあるすべての衛星、健全な衛星および不健全な衛星を取得し追跡する。無線支援GPS(WAG)モード(例えば、1997年4月15日に出願された同時係属米国特許出願番号第08/842,559に記載された例を参照せよ)において、ロケーションサーバー(サーバー群)はロケーションサーバー(サーバー群)によりサービスされる無線ネットワークと通信している携帯電話に「健全」ステータス情報を供給することがある。この健全ステータス情報は、ロケーションサーバーにより供給されるその他の支援情報を伴うことがある。一般に支援情報は、高度に制限された信号環境でGPS信号の高速な取得を可能にする。そのような性能の改良を達成するために、支援情報は、探索されるべき衛星、これらの信号の推定される到着時刻、および信号の期待周波数(ドップラー)を指定することがある。この支援情報は衛星信号の3次元探索を改良するために供給されることがある。位置計算および/または衛星信号の高速取得を援助するために、天文暦および/または暦のような他の種類の支援、おおよその位置および時間情報を供給することがある。衛星の信号が取得されると、擬似距離、ドップラーおよび他の衛星信号測定値が相互相関条件のために解析される。この解析を行なうために、視野内にあるすべての衛星、すなわち、健全な衛星と不健全な衛星に対して支援が供給され、測定がなされなければならない。この実施形態において、衛星健全条件を用いて相互相関条件の検出を支援し、相互相関されたおよび/または「不健全な」衛星が解析されて、位置計算に含めるべきかまたは訂正すべきかが決定される。他の実施形態において、支援情報が健全な衛星だけ(衛星健全は衛星リスト内の特定の衛星を含むことを意味する)に供給され、現在のかつ正当な衛星健全ステータス情報が移動GPS受信器に利用されない場合、携帯電話は健全な衛星(例えばリストに含まれる衛星)だけを取得しようと試みることがある。この場合、相対的に弱い健全な衛星と相互相関する潜在的に「強い」不健全な衛星の可能性のある存在は携帯電話に知られていないことがあり、それゆえ、試験されていないことがある。GPS受信器が最新かつ利用可能な(例えばメモリに記憶された)必要な情報を持つであろうことは保証できないため、(目に見える衛星および健全ステータスを含む)衛星星座に関連する情報は知られないことがある。検出されない相互相関された信号の使用は大きな位置エラーに通じることがあり、従ってロケーションサービスの品質に影響を与えることがある。
【0033】
以下の説明はこの発明の実例を提供する。このデータはビルの谷間で収集され、61.4メートルの水平位置エラーを生じた。衛星SV PRN#10(表1のライン2)は衛星SV PRN#17(表1のライン3)と相互相関として識別されたので、解決策から除去された。衛星SV PRN#10が解決策に使用されたなら、−37,903メートルの擬似距離測定値のエラーは50キロメートルを越える水平エラーを生じたであろう。
【0034】
この例はまた視野内にあるすべての衛星に対して支援情報を供給する必要があることを明らかにする。衛星SV PRN#17が不健全であると宣言され、無線ネットワークが4つのすべての衛星に対して支援を供給しなかったならば、GPS受信器は相互相関を検出することはできなかったであろう、そして衛星SV PRN#10を使用したであろう、それにより上述した50キロメートルを超える水平エラーを移動GPS受信器の位置推定に導入し、受け入れられない結果となる。
【表1】

【0035】
あるいは、健全情報は衛星から直接受信できる(できた)かも知れない。そしてこの健全情報はセルサイトの送信器から受信される健全情報としてここに記載した同じ態様で使用することがある。
【0036】
携帯電話基地局(「セルサイト」)の視野内のすべての衛星に対してこの情報をブロードキャストすることにより健全さに関する情報をセルサイトから送信可能である。あるいは、要求に応じて(オンデマンド)携帯電話に供給することもある。健全さに関する情報は携帯電話基地局から携帯電話に送信され、携帯電話は、携帯電話に接続されるGPS受信器に健全さに関する情報を供給する。その情報が必要に応じて送信される場合、ロケーションサーバーは携帯電話とセルラー方式の無線通信をしているセルサイトに基づいて適当な(例えば更新された健全)情報を決定することがあり、このセルサイト情報を用いておおよその位置を決定することがあり、このおおよその位置は、その位置の視野内にある衛星を決定するために使用され、次に、これらの衛星に対する更新された健全さに関する情報が(一例として)携帯電話に送信され、携帯電話は、次にGPS受信器においてSPS信号を処理するのに使用するためにこの情報を移動GPS受信器に供給する。SPS信号を処理することは携帯電話の位置決定を含む場合がある。他の場合に、ロケーションサーバーは更新された健全さに関する情報、または更新された健全さに関する情報を決定するために使用される情報を維持することがあり、それを用いて、移動GPS受信器の位置を決定するために移動GPS受信器から受信した擬似距離(例えば、符号位相を指定する相互相関測定値)を処理する。いずれの場合にも、ここに記載するように相互相関が検出できるように、既知の不健全なGPS衛星に対しても擬似距離、推定されるドップラーおよび他の測定値が決定される。例えばGPS受信器はセルサイトから更新された健全さに関する情報を受信することがあるが、依然として、送信された更新された健全さに関する情報において不健全であると示されたGPS衛星からGPS信号を取得する場合がある。その例において、GPS受信器がロケーション情報も計算することができる場合、GPS受信器は更新された健全さに関する情報を用いてどの衛星をその解決策に使用することができるかを決定することができる。1997年4月15日に出願した同時係属米国出願シリアル番号第08/842,559は携帯電話と無線通信していて、このセルサイトを識別することから派生するおおよそのロケーションに基づいて視野内にある衛星に対して衛星支援データを決定する方法を記載する。この方法はこの場合における衛星支援データが衛星健全(例えば衛星暦に基づいて)または(衛星健全に関する既存の衛星暦メッセージの情報よりも最新の)更新された衛星健全である場合にはこの発明に使用することができる。
【0037】
図1はこの発明の一実施形態に従う例を示す。この例において、ロケーションサーバーは支援データを移動GPS受信器に供給し、移動SPS受信器から測定値を受信し、これらの測定値は、移動GPS受信器の位置を解くために使用される。図1に示す方法は、ロケーションサーバーがセルサイトを介して移動装置に支援データを供給し、視野内のすべての健全および不健全な衛星を含む視野内のすべての衛星を取得しようと移動装置が試み、次に、移動装置が、衛星信号を取得したことにより得た相関測定値のすべてについて試験するあるシーケンスを仮定する。異なるシーケンスの動作もこの発明に従って採用できることは理解されるであろう。例えば、GPS受信器は支援データを受信する前に視野内にあるすべての衛星を取得するように試みることができる。GPS受信器が擬似距離データを決定し、このデータおよび相互相関をテストするのに必要な他のデータを相互相関を行なうことができるロケーションサーバーに送信した後で、相互相関のための試験をロケーションで行なうことができる。他の実施形態において、移動装置はそれぞれの位置計算を行うことができ、従って、図1の動作6、7、および8は結合された携帯電話/GPS受信器装置内の処理装置によって実行される。この場合、データがロケーションサーバーに送信される動作5は必要ない。さらに他の実施形態において、ロケーションサーバーは健全支援データをリクエストに応じて移動装置に供給するのではなく、ブロードキャストすることができる。この場合、ブロードキャストは選択されたセルサイトから実行することができ、そのセルサイトの視野内の衛星に基づいて必要な健全支援データを決定するセルサイト(セルサイト群)に位置するプロセッサ(プロセッサ群)を除いてロケーションサーバーは必要無い場合がある。このやり方はここに記載した必要に応じた供給にも適用可能である。
【0038】
衛星健全情報は、SPS衛星のSPS信号内の健全さに関するデータを受信し、復調し、復号することにより得ることができ、この発明の種々の実施形態に従って使用することができるけれども、GPS受信器とSPS信号を監視(例えばSPS信号の受信特性および測定特性)する処理システムを用いてSPS信号の測定した特性からSPS衛星が不健全である(この衛星または他の衛星からのSPS信号の復調され復号された健全さに関するデータがこの衛星が健全であることを示しているとしても)と決定する。逆もまた同様である。
【0039】
この議論において、この発明の実施形態は、SPSシステムの一例である、米国衛星航法システム(GPS)におけるアプリケーションを参照して記載した。しかしながら、これらの方法はRussian Glonass Systemのような他の衛星位置決めシステムにも等しく適用可能である。従ってここで使用される用語「GPS」はRussian Glonass Systemを含むそのような他の衛星位置決めシステムを含む。同様に、用語「GPS信号」は他の衛星位置決めシステムからの信号を含む。
【0040】
さらに、この発明の実施形態は、GPS衛星を参照して記載したが、この開示はpseudoliteを利用する位置決めシステムあるいは衛星とpseudoliteの組合せを利用する位置決めシステムにも等しく適用可能であることは理解されるであろう。Pseudolite
は一般にGPS時間に同期した、Lバンド(または他の周波数)キャリア信号で変調された(GPS信号に類似した)PN符号をブロードキャストするグラウンドベース送信器である。各送信器は遠隔受信器により識別可能なように固有のPN符号を割当てることができる。Pseudoliteは、トンネル、鉱山、ビルディング、ビルの谷間、あるいは他の閉鎖された領域のように、周回軌道衛星からのGPS信号が得られないかもしれない状況において有効である。ここで使用される用語「衛星」はpseudoliteまたはpseudoliteの均等物を含むように意図され、ここで使用される用語GPS信号はpseudoliteまたはpseudoliteの均等物からのGPSのような信号を含むように意図される。
【0041】
図面に関連して記載した方法は、機械実行可能な命令、例えばソフトウエアで具現化可能である。命令群は命令群でプログラムされた汎用プロセッサまたは特殊用途のプロセッサに記載した動作を実行させるために使用することができる。あるいはこの動作は、この動作を実行するための配線ロジックを含む特定のハードウエアコンポーネントまたはプログラムされたコンピュータコンポーネントおよびカスタムハードウエアコンポーネントの組合せにより実行可能かもしれない。この方法は、この方法を実行するようにコンピュータ(または他の電子装置)をプログラムするために使用可能な命令を記憶した機械読み出し可能な媒体を含むことがあるコンピュータプログラムプロダクトとして提供することができる。明細書の目的で、用語「機械読み出し可能媒体」は機械により実行するための一連の命令を記憶または符号化可能であり、機械にこの発明の方法論のいずれか1つを実行させる何らかの媒体を含むように解釈されなければならない。従って、用語「機械読み出し可能媒体」はこれに限定されるわけではないが、ソリッドステートメモリ、磁気および光学ディスク、および搬送波信号を含むように解釈されなければならない。行動を起こしたり、結果を生じさせたりするものとしてどのような形にせよ(例えばプログラム、手続き、プロセス、アプリケーション、モジュール、ロジック...)ソフトウエアとして話すことはこの技術では一般的である。そのような表現は単にコンピュータによるソフトウエアの実行が、コンピュータのプロセッサに行動を実行させまたは結果を生じせしめる手短な言い方である。
【0042】
従って、衛星ステータスデータを用いるための新規な方法および装置が記載される。この発明はここでは特定の実施形態を参照して記載したが、当業者は多くの変形例を容易に生じることができるであろう。従ってそのような変形例は以下のクレームにより定義されるこの発明の意図された範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程を具備する衛星位置システム(SPS)信号を処理するための方法:
視野内のSPS衛星から前記SPS信号を受信する;
健全であると示される第1SPS衛星に対応する第1測定値が移動SPS受信器の位置を解くために使用される測定値のセットから除去されるかどうかを決定する。
【請求項2】
前記決定する工程は、前記第1SPS衛星からの信号および第2SPS衛星からの信号から生じる相互相関に対して前記第1測定値を試験する工程から構成され、前記第1測定値は前記SPS信号から派生される、請求項1の方法。
【請求項3】
前記第1SPS衛星からの信号は、不健全な衛星であると示された前記第2SPS衛星からの信号よりも弱い、請求項2の方法。
【請求項4】
前記視野内のSPS衛星は視野内のSPS基準受信器、SPS基準受信器のネットワーク、移動SPS受信器、セルラー無線システムのセル、およびセルラー無線システムのセルのグループの少なくとも1つである、請求項1の方法。
【請求項5】
下記工程を具備する衛星位置決めシステム(SPS)信号を処理するための方法:
前記視野内のSPS衛星が不健全であるか否かに関係なく視野内のSPS衛星からSPS信号を獲得しようと試みる;
視野内のどのSPS衛星が不健全であるかを示す健全さに関するデータを受信する;
少なくとも2つの異なるSPS衛星間の相互相関に対して、すべての前記視野内のSPS衛星に対して前記SPS衛星を獲得することから得られる測定値を試験し、前記試験は視野内の衛星が不健全であるか否かに関係なく行われる。
【請求項6】
測定値のセットから、第1SPS衛星に対応する第1測定値を除去する工程をさらに具備し、前記除去の後、前記測定値のセットは、移動SPS受信器の位置を解くために使用され、前記第1測定値は前記試験により除去されるように決定される、請求項5の方法。
【請求項7】
前記第1SPS衛星は健全な衛星であると示された、請求項6の方法。
【請求項8】
健全な衛星であると示された第1SPS衛星に対応する第1測定値を解析して測定値のセットから前記第1測定値を除去するかまたは前記測定値のセットに使用するために前記第1測定値を訂正するかを決定する工程をさらに具備し、前記測定値のセットは移動SPS受信器の位置を解くために使用され、前記第1測定値は前記試験の結果として前記解析のために選択される、請求項5の方法。
【請求項9】
前記視野内のSPS衛星は視野内のSPS基準受信器、SPS基準受信器のネットワーク、移動SPS受信器、セルラー無線システムのセル、セルラー無線システムのセルのグループの少なくとも1つである、請求項5の方法。
【請求項10】
下記工程を具備する、受信器に接続される移動衛星位置決めシステム(SPS)受信器に支援データを供給するための方法:
前記受信器と通信しているセルサイトまたはセルサイトのグループを決定する;
複数の視野内のSPS衛星の各々の健全さに関するデータを決定する;
前記健全さに関するデータを前記受信器に送信させる。
【請求項11】
前記方法は、前記セルサイトに接続されるサーバーシステムにより実行される、請求項10の方法。
【請求項12】
前記視野内のSPS衛星は視野内のSPS基準受信器、SPS基準受信器のネットワーク、移動SPS受信器、セルラー無線システムのセル、セルラー無線システムのセルのグループの少なくとも1つである、請求項10の方法。
【請求項13】
送信器が前記移動SPS受信器に接続され、前記サーバーシステムは前記移動SPS受信器から擬似距離を受信し、前記移動SPS受信器の位置を決定する、請求項11の方法。
【請求項14】
前記サーバーシステムは前記健全さに関するデータを用いて前記視野内SPS衛星の一部を選択し、次に、前記一部に基づいて前記移動SPS受信器の位置を計算する、請求項11の方法。
【請求項15】
前記移動SPS受信器は前記健全さに関するデータを用いて前記移動SPS受信器の位置を計算する、請求項10の方法。
【請求項16】
前記移動SPS受信器は前記健全さに関するデータを用いて前記複数の視野内SPS衛星の一部を選択し、次に、前記一部に基づいて前記SPS受信器の位置を計算する、請求項10の方法。
【請求項17】
下記工程を具備し、データ処理システムにより実行されると、前記データ処理システムに、衛星位置決めシステム(SPS)信号を処理するための方法を実行させる、実行可能なコンピュータプログラム命令を含むコンピュータ読み出し可能媒体:
視野内SPS衛星から前記SPS信号を受信する;
健全な衛星であると示された第1SPS衛星に対応する第1測定値が、移動SPS受信器の位置を解くために使用される測定値のセットから除去されるかどうかを決定する。
【請求項18】
前記決定工程は、前記第1SPS衛星からの信号および第2SPS衛星からの信号から生じる相互相関に対して前記第1測定値を試験する工程から構成され、前記第1測定値は前記SPS信号から派生する、請求項17のコンピュータ読み出し記憶媒体。
【請求項19】
前記第1SPS衛星からの信号は、不健全衛星であると示された前記第2SPS衛星からの前記信号より弱い、請求項18のコンピュータ読み出し可能媒体。
【請求項20】
前記視野内SPS衛星は視野内のSPS基準受信器、SPS基準受信器のネットワーク、移動SPS受信器、セルラー無線システムのセル、およびセルラー無線システムのセルのグループの少なくとも1つである、請求項17のコンピュータ読み出し可能媒体。
【請求項21】
下記工程を具備し、データ処理システムにより実行されると、前記データ処理システムに、衛星位置決めシステム(SPS)信号を処理するための方法を実行させる、実行可能なコンピュータプログラム命令を含むコンピュータ読み出し可能媒体:
視野内SPS衛星が不健全であるかどうかに関係なく視野内SPS衛星からのSPS信号を獲得することを試みる;
視野内のどのSPS衛星が不健全であるかを示す健全さに関するデータを受信する;
2つの異なるSPS衛星間の相互相関に対し、すべての前記視野内のSPS衛星に対し前記SPS信号を獲得することから得る測定値を試験し、前記試験は視野内のSPS衛星が不健全であるか否かに関係なく実行される。
【請求項22】
測定値のセットから、健全であると示された第1SPS衛星に対応する第1測定値を除去する工程をさらに具備し、前記除去の後、前記測定値のセットは移動SPS受信器の位置を解くために使用され、前記第1の測定値は前記試験により除去されるように決定される、請求項21のコンピュータ読み出し可能媒体。
【請求項23】
健全な衛星であると示された第1SPS衛星に対応する第1測定値を解析し、測定値のセットから前記第1測定値を除去するかまたは前記測定値のセットに使用するために前記第1測定値を訂正するかを決定する工程をさら具備し、前記測定値のセットは移動SPS受信器の位置を解くために使用され、前記第1の測定値は前記試験の結果として前記解析のために選択される。
【請求項24】
前記視野内SPS衛星は視野内のSPS基準受信器、SPS基準受信器のネットワーク、移動SPS受信器、セルラー無線システムのセル、およびセルラー無線システムのセルのグループの少なくとも1つである、請求項21のコンピュータ読み出し可能媒体。
【請求項25】
下記工程を具備し、データ処理システムにより実行されると、前記データ処理システムに、受信器に接続される移動衛星位置決めシステム(SPS)受信器に支援データを供給するための方法を実行させる実行可能なコンピュータプログラム命令を含むコンピュータ読み出し可能媒体:
前記受信器と通信しているセルサイトまたはセルサイトのグループを決定する;
複数の視野内のSPS衛星の各々に対して健全さに関するデータを決定する;
前記健全さに関するデータを前記受信器に送信させる。
【請求項26】
前記方法は前記セルサイトに接続されるサーバーシステムにより実行される、請求項25のコンピュータ読み出し可能媒体。
【請求項27】
前記視野内SPS衛星は視野内のSPS基準受信器、SPS基準受信器のネットワーク、移動SPS受信器、セルラー無線システムのセル、およびセルラー無線システムのセルのグループの少なくとも1つである、請求項25のコンピュータ読み出し可能媒体。
【請求項28】
送信器が前記移動SPS受信器に接続され、前記サーバーシステムは前記移動SPS受信器から擬似距離データを受信し前記移動SPS受信器の位置を決定する、請求項26のコンピュータ読み出し可能媒体。
【請求項29】
前記サーバーシステムは前記健全さに関するデータを用いて前記複数の視野内SPS衛星の一部を選択し、次に前記一部に基づいて前記移動SPS受信器の位置を計算する、請求項26のコンピュータ読み出し可能媒体。
【請求項30】
前記移動SPS受信器は前記健全さに関するデータを用いて前記移動SPS受信器の位置を計算する、請求項25のコンピュータ読み出し可能媒体。
【請求項31】
前記移動SPS受信器は前記健全さに関するデータを用いて前記複数の視野内SPS衛星の一部を選択し、前記一部に基づいて前記移動SPS受信器の位置を計算する、請求項25のコンピュータ読み出し可能媒体。
【請求項32】
複数の視野内SPS衛星からSPS信号を受信するように構成された衛星位置システム(SPS)基準受信器と;
前記SPS基準受信器と通信するように構成されたサーバーであって、衛星健全ステータスを更新するサーバーと;および
前記SPS基準受信器と接続され前記SPS信号に関連するデータを送信する送信器と;
から構成される装置。
【請求項33】
前記サーバーは、健全なSPS衛星の信号が、不健全なSPS衛星の信号により影響される相互相関条件に対して視野内のSPS衛星の信号を解析し、前記不健全なSPS衛星の信号および相互相関された衛星のSPS信号は前記視野内のSPS衛星からロケーションが計算される前に除去される、請求項32の装置。
【請求項34】
前記サーバーは、健全なSPS衛星の信号が不健全なSPS衛星の信号により影響される相互相関条件に対して前記視野内のSPS衛星の信号を解析し、不健全なSPS衛星の信号および前記相互相関された衛星のSPS信号が、前記視野内のSPS衛星からロケーションが計算される前に訂正される、請求項32の装置。
【請求項35】
前記サーバーは、健全なSPS衛星の信号が不健全なSPS衛星の信号により影響される相互相関条件に対して前記視野内のSPS衛星の信号を解析し、前記視野内のSPS衛星からロケーションが計算されるとき、不健全なSPS衛星の信号および相互相関された衛星のSPS信号が使用される、請求項32の装置。
【請求項36】
前記ロケーションは送信される、請求項32の装置。
【請求項37】
前記無線サーバーは無線ネットワークに接続される、請求項32の装置。
【請求項38】
前記ロケーションは前記無線ネットワークに接続された別のサーバーに供給される、請求項37の装置。
【請求項39】
移動SPS受信器をさらに具備し、前記移動SPS受信器は、健全なSPS衛星の信号が不健全なSPS衛星の信号により影響される相互相関条件に対して前記視野内のSPS衛星を解析し、前記不健全なSPS衛星の信号および前記相互相関されたSPS衛星の信号が、前記移動SPS受信器により前記視野内のSPS衛星からロケーションが計算される前に除去または訂正される、請求項32の装置。
【請求項40】
前記送信器はセルラー無線システムと互換性がある、請求項32の装置。
【請求項41】
前記視野内SPS衛星は視野内のSPS基準受信器、SPS基準受信器のネットワーク、移動SPS受信器、セルラー無線システムのセル、およびセルラー無線システムのセルのグループの少なくとも1つである、請求項32の装置。
【請求項42】
SPS信号を受信するための移動衛星位置システム(SPS)受信器と;
前記移動SPS受信器と接続される受信器と;を具備し、前記移動SPS受信器は送信器からの前記SPS信号を受信し、健全なSPS衛星の信号が、不健全なSPS衛星の信号により影響される相互相関条件に対して視野内のSPS衛星を解析し、前記不健全なSPS衛星の信号および前記相互相関されたSPS衛星の信号は、前記移動SPS受信器により前記視野内のSPS衛星からロケーションが計算される前に除去または訂正される、装置。
【請求項43】
下記を具備する、サーバーから衛星位置システム(SPS)信号を受信するための装置:
前記SPS信号を受信するための移動SPS受信器;および
前記移動SPS受信器と接続された受信器、前記サーバーは、健全なSPS衛星の信号が、不健全なSPS衛星の信号により影響される相互相関条件に対して視野内の衛星を解析し、前記不健全なSPS衛星の信号および前記相互相関されたSPS衛星の信号は、前記サーバーにより前記視野内のSPS衛星からロケーションが計算される前に除去または訂正される。
【請求項44】
前記受信器はセルラー無線システムと互換性がある、請求項42の装置。
【請求項45】
下記工程を具備する、衛星位置システム(SPS)信号を処理するための方法:
移動SPS受信器の視野内にあるSPS衛星からSPS信号を受信する;
健全な衛星であると示された第1SPS衛星に対応する第1測定値が、前記移動SPS受信器の位置を解くために使用される測定値のセットから除去されるかどうかを決定する。
【請求項46】
前記決定工程は、前記第1SPS衛星からの信号および第2SPS衛星からの信号から生じる相互相関に対して前記第1の測定値を試験し、前記第1の測定値は前記SPS信号から派生される、請求項45の方法。
【請求項47】
前記第1SPS衛星からの前記信号は、不健全な衛星であると示された前記第2SPS衛星からの前記信号よりも弱い、請求項46の方法。
【請求項48】
下記工程を具備する、衛星位置システム(SPS)信号を処理するための方法:
SPS衛星が不健全であるか否かに関係なく、移動SPS受信器の視野内にあるすべてのSPS衛星からSPS信号を獲得するように試みる;
前記移動SPS受信器の視野内にあるどのSPS衛星が不健全であるかを示す健全さに関するデータを受信する;
すべてのSPS衛星に対して、2つの異なるSPS衛星間の相互相関に対してSPS信号を獲得することから得られる測定値を試験し、前記試験は視野内にあるSPS衛星が不健全であるかどうかに関係なく実行される。
【請求項49】
測定値のセットから、健全な衛星であると示された第1SPS衛星に対応する第1測定値を除去する工程をさらに具備し、前記除去の後、前記測定値のセットは、前記移動SPS受信器の位置を解くために使用され、前記第1測定値は前記試験により除去されるように決定される、請求項48の方法。
【請求項50】
健全な衛星であると示された第1SPS衛星に対応して、第1測定値を解析し、前記第1測定値を測定値のセットから除去するかまたは前記測定値のセットに使用するために前記第1測定値を訂正するかを決定する工程をさらに具備し、前記測定値のセットは、前記移動SPS受信器の位置を解くために使用され、前記第1測定値は前記試験の結果として前記解析のために選択される、請求項48の方法。
【請求項51】
下記工程を具備する、セルラー無線システムに接続された移動衛星位置決めシステム(SPS)受信器に支援データを供給するための方法:
前記セルラー無線システムとセルラー無線通信しているセルサイトまたはセルサイトのグループを決定する;
前記セルサイトまたはセルサイトのグループを決定する工程に基づいて、前記移動SPS受信器の視野内にある複数のSPS衛星の各々に対して健全さに関するデータを決定する;
前記健全さに関するデータを前記セルラー無線システムに送信させる。
【請求項52】
前記方法はセルサイトに接続されるサーバーシステムにより実行される、請求項51の方法。
【請求項53】
前記サーバーは前記移動SPS受信器からの擬似距離データを受信し、前記移動SPS受信器の位置を決定する、請求項52の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−93362(P2012−93362A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−256163(P2011−256163)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【分割の表示】特願2002−523636(P2002−523636)の分割
【原出願日】平成13年8月24日(2001.8.24)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】