説明

衛生設備に用いられる組込み部材

本発明は、衛生設備に用いられる組込み部材(1)であって、複数の壁を備えて形成された組込みハウジング(2)が設けられており、該組込みハウジング(2)が、衛生設備に用いられる水管路内に挿入可能であり、互いに隣り合った少なくとも2つのハウジング壁(6,7)を有しており、該ハウジング壁(6,7)が、相互間に壁内室(8)を取り囲んでいる形式のものに関する。本発明による組込み部材(1)に対して、当該組込み部材(1)が、逆流防止器として形成されており、組込みハウジング(2)が、ハウジング壁(7)を有しており、該ハウジング壁(7)が、フレキシブルなかつ/または弾性的な材料から製作されていて、チューブ状に形成されており、弾性的なハウジング壁(7)が、圧力補償のために、逆流防止器(1)の閉鎖時にかつ流出側での流体体積の閉鎖時に少なくとも1つの壁内室(8)の圧縮下で、隣り合ったハウジング壁(6)に向かって運動可能であるかまたは少なくとも1つの壁内室(8)の拡張下で、隣り合ったハウジング壁(6)から間隔を置くように移動可能であるかまたは隣り合ったハウジング壁(6)から離れる方向に運動可能であることが特徴的である。本発明による逆流防止器はその多面的なかつ機能確実な運転形式によって優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生設備に用いられる組込み部材であって、複数の壁を備えて形成された組込みハウジングが設けられており、該組込みハウジングが、衛生設備に用いられる水管路内に挿入可能であり、互いに隣り合った少なくとも2つのハウジング壁を有しており、該ハウジング壁が、相互間に壁内室を取り囲んでいる形式のものに関する。
【0002】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3644272号明細書に基づき、冒頭で述べた形式の、衛生設備に用いられる組込み部材がすでに公知である。この公知の組込み部材は、衛生設備に用いられる据付け管路のための騒音減衰装置として設けられている。この騒音減衰装置として働く公知の組込み部材は、水の通流時に生ぜしめられる圧力振動および/または音響的な振動に抵抗するようになっている。このためには、公知の騒音減衰装置が円筒状のブシュを有している。このブシュは二重の壁を備えて弾性的な材料から製作されている。ブシュの、円筒長手方向に方向付けられたブシュ開口は液体の通流のために働く。ブシュの両ハウジング壁は相互間に環状の壁内室を仕切っている。この壁内室は環状のシールエレメントによってシールされている。公知の騒音減衰装置は、管路区分の、内法の横断面で拡張された端面端部側の収容中空部に、管路内でのブシュの位置決めおよび保持のためにも規定されたシールエレメントがブシュのさらなる押込みを制限するまで押し込むことができる。公知の組込み部材は球形に製作することができ、容易に組み付けることができる。しかし、その機能は騒音減衰装置に制限されている。
【0003】
比較可能な騒音減衰装置は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3300500号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2657504号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2521837号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第2064002号明細書に基づいても公知である。
【0004】
逆流防止器、噴流調整器または通流量調整器として働く組込み部材もすでに提供されている。たとえば逆流防止器として形成された組込み部材でも、望ましくない騒音形成が生ぜしめられ得る。この騒音形成は水管路を介して、次いで建物全体において煩わしく感じられる。逆流防止器として形成された組込み部材には、付加的に、閉鎖位置でこのような逆流防止器の流出側に場合によって形成された過圧が逆流防止器に損傷の影響を与え得るという問題が存在する。
【0005】
したがって、本発明の課題は、冒頭で述べた形式の、衛生設備に用いられる組込み部材を改良して、組込み部材がその多面的なかつ機能確実な運転形式によって優れているようにすることである。
【0006】
この課題の本発明による解決手段は、冒頭で述べた形式の、衛生設備に用いられる組込み部材において、当該組込み部材が、逆流防止器として形成されており、組込みハウジングが、ハウジング壁を有しており、該ハウジング壁が、フレキシブルなかつ/または弾性的な材料から製作されていて、チューブ状に形成されており、弾性的なハウジング壁が、圧力補償のために、逆流防止器の閉鎖時にかつ流出側での流体体積の閉鎖時に少なくとも1つの壁内室の圧縮下で、隣り合ったハウジング壁に向かって運動可能であるかまたは少なくとも1つの壁内室の拡張下で、隣り合ったハウジング壁から間隔を置くように移動可能であるかまたは隣り合ったハウジング壁から離れる方向に運動可能であることにある。
【0007】
本発明による組込み部材は逆流防止器として形成されている。この逆流防止器は、複数の壁を備えた組込みハウジングを有している。この組込みハウジングは、互いに隣り合った少なくとも2つのハウジング壁を有している。これらのハウジング壁は相互間に壁内室を取り囲んでいる。この壁内室は、比較的形状安定性の内壁と、この内壁に対してフレキシブルなかつ/または弾性的な材料から成るハウジング外壁との間に取り囲まれる。この場合、フレキシブルなかつ/または弾性的なハウジング外壁は、圧力補償のために、逆流防止器の閉鎖時にかつ流出側での流体体積の閉鎖時に少なくとも1つの壁内室の圧縮下で、隣り合ったハウジング壁に向かって運動可能であるかまたは少なくとも1つの壁内室の拡張下で、隣り合ったハウジング壁から間隔を置くように移動可能であるかまたは隣り合ったハウジング壁から離れる方向に運動可能である。
【0008】
つまり、サーモスタット混合器の分野でのこのような逆流防止器の使用は、冷水側または温水側の遮断時に、閉鎖された逆止弁と、同じく閉鎖された弁座との間に閉じ込められた水が、供給管路の最も弱い部分ひいてはしばしば逆流防止器に損傷を生ぜしめるシステム圧が形成されるまで、外的な影響によって著しく加熱されるという問題をしばしば招く。最終的には、このことは、供給管路の摩耗または同じく望ましくないクロスフローを生ぜしめ得る。逆流防止器として形成された本発明による組込み部材では、いま、ハウジング外壁が、圧力補償のために、逆流防止器の閉鎖時にかつ流出側での流体体積の閉鎖時に、隣り合ったハウジング壁に向かって運動可能であり、これによって、圧力補償容積として提供された壁内室が圧縮されるかまたはハウジング外壁が、少なくとも1つの壁内室の拡張下で、隣り合ったハウジング壁から間隔を置くように移動させられるようになっており、これによって、壁内室が、流出側で閉鎖された流体体積の少なくとも一部を自体収容することができる。壁内室の圧力補償容積は壁内室もしくは逆流防止器の寸法によって可変である。この場合、本発明による組込み部材は、ハウジング外壁の損傷および相応の機能損失を恐れる必要なしに、繰返し圧力補償を行うことができる。したがって、逆流防止器として形成された本発明による組込み部材は、過圧に対して有効に防護されているだけでなく、むしろ、特に壁内室が、流出側で閉鎖された流体体積によって圧縮可能である場合に、壁内室が同時に騒音遮断または遮音のために働くことができる。互いに隣り合ったハウジング壁の間に取り囲まれた壁内室は、騒音伝達に抗して機能確実にかつ有効に作用しかつ圧力衝撃を減少させることを可能にする。
【0009】
弾性的なハウジング壁が、該弾性的なハウジング壁を外側で負荷しかつ壁内室を圧縮する流体体積または壁内室の拡張下で少なくとも1つの通流通路または少なくとも1つの通流開口を通って壁内室内に流入する流体体積によって運動可能であると特に有利である。
【0010】
この場合、少なくとも1つの壁内室が、空気またはこれに類する遮音性の媒体で充填可能であると特に有利である。
【0011】
弾性的なハウジング壁が、少なくともその流入側の端面端部に環状隆起部またはシール隆起部を有していると有利である。この環状隆起部またはシール隆起部は、ゴムリング状の固定手段および/またはシールリングとして働くことができる。
【0012】
したがって、本発明による有利な提案によれば、ハウジング外壁の少なくとも1つの環状隆起部が、組込みハウジングと水管路との間を液体密にシールするようになっている。
【0013】
付加的にまたは代わりに、ハウジング外壁の少なくとの1つの環状隆起部が、隣り合ったハウジング壁の溝内にゴムリング状に保持されていると有利であり得る。この場合、環状隆起部がチューブ状のハウジング外壁を、このハウジング外壁に対して隣り合ったハウジング壁に確実にかつ不動に保持していてもよい。
【0014】
本発明による有利な構成では、チューブ状のハウジング外壁の流出側の端面端領域が、組込みハウジングの少なくとも1つのハウジング段部に接触している。
【0015】
圧力補償のために、少なくとも1つの壁内室の完全な容積を使用することができるようにするためには、少なくとも1つの壁内室が、少なくとも1つの補償通路を介して当該組込み部材の流入側に接続されていると有利である。
【0016】
閉鎖された逆流防止器に場合によって生ぜしめられる過圧がハウジング外壁を迅速にかつ付加的な遅れなしに、隣り合ったハウジング壁に向かって運動させることができ、かつ押し付けることができるように、当該組込み部材が、当該組込み部材の流出側に接続された少なくとも1つの圧力補償通路または流入通路を有しており、該流入通路が、ハウジング外壁と水管路との間に開口していると有利である。
【0017】
本発明による有利なかつ特に永続的な構成では、チューブ状のハウジング外壁が、エラストマ、特にシリコーンから製作されている。
【0018】
本発明の別の特徴は、特許請求の範囲ならびに図面の簡単な説明に関連した本発明のよる実施例の以下の説明から明らかである。個々の特徴は、それぞれ自体でまたは複数の組合せで本発明による1つの構成を実現することができる。
【0019】
図1〜図4には、衛生設備に用いられる組込み部材1が種々異なる構成で示してある。この組込み部材1は組込みハウジング2を有している。この組込みハウジング2は、衛生設備に用いられる水管路内に挿入可能であり、そのハウジング直径で水管路の内法の収容横断面に適合されている。
【0020】
図1〜図4から明確となるように、衛生設備に用いられる組込み部材1は、ここでは、逆流防止器として形成されている。この逆流防止器1は弁体3を有している。この弁体3は組込みハウジング2内に移動可能に案内されている。弁体3は、通流方向Pf1で流入した流体の圧力によって、図1もしくは図3に示した閉鎖位置から、戻しばね4のばね力に抗して、図2もしくは図4に示した開放位置に運動させられる。通流方向Pf1と逆方向の逆流時には、弁体3が弁座5に対して押し付けられ、これによって、逆流防止器1を越える、通流方向Pf1と逆方向の逆流が有効に防止される。
【0021】
逆流防止器1に場合によって損傷を与える過圧を減少させるためには、組込みハウジング2が複数の壁を備えて形成されている。この組込みハウジング2は、互いに隣り合った少なくとも2つのハウジング壁6,7を有している。これらのハウジング壁6,7は壁内室8を取り囲んでいる。この場合、組込みハウジング2はハウジング外壁7を有している。このハウジング外壁7はフレキシブルなかつ/または弾性的な材料、有利にはシリコーンから製作されていて、チューブ状に形成されている。
【0022】
このチューブ状のハウジング外壁7はその端面端部に環状隆起部9,10を有している。この場合、流入側の環状隆起部9は、図1および図2に示した組込み部材1の組込みハウジング2に固定されており、これによって、環状隆起部9が組込みハウジング2と水管路との間を液体密にシールするようになっている。
【0023】
図1〜図4に認めることができるように、環状隆起部9,10は、隣り合ったハウジング壁6のそれぞれ1つの溝11,12内にゴムリング状に保持されている。この場合、チューブ状のハウジング外壁7の流出側の端面端領域は、組込みハウジング2の少なくとも1つのフランジ状のハウジング段部14に接触している。
【0024】
図1および図2から知ることができるように、フレキシブルなハウジング外壁7は、圧力補償のために、逆流防止器1の閉鎖時にかつ流出側での流体体積の閉鎖時に壁内室8の圧縮下で、隣り合ったハウジング壁6に向かって運動可能である。これに対して、図3および図4に示した組込み部材1の有利な構成では、流出側で閉鎖された流体体積が通流開口20または通流通路を通って壁内室8内に流入することができ、これによって、この壁内室8が拡張し、流体体積が弾性的なハウジング外壁7を、隣り合ったハウジング壁6から間隔を置くように運動させる。図3および図4に示した逆流防止器1では、シリコーン被覆体として形成されたハウジング壁7が組込みハウジング2のハウジング内壁6に密に接触していて、図3および図4に示した優先位置を通常の運転中に常に維持している。弾性的なハウジング壁7が、水管路(図示せず)の、隣り合った壁に接触し、したがって、緩衝容積を解放するまで、大きな背圧でしか弾性的なハウジング壁7は拡張されない。前述した両構成では、壁内室8の全容積が圧力補償容積として提供されており、これにより、場合によって損傷を与える過圧を有効に減少させることができる。
【0025】
図1に示した組込みハウジング2を、衛生設備に用いられる水管路内に挿入した後、壁内室8が規則的にさらに空気で充填されているようになる。この場合、特に図1および図2に示した組付け部材1の、空気で充填された壁内室8は騒音遮断部および遮音部として作用する。この騒音遮断部および遮音部は、逆流防止器1の通流時に生ぜしめられるかまたは別の場所で示される妨害騒音を水管路に伝達しないように作用する。
【0026】
図1〜図4に示した逆流防止器1はその多面的なかつ機能確実な運転形式によって優れている。図2に示した逆流防止器1の実施例は補償通路16を有している。この補償通路16は壁内室8を組込み部材の流入側に接続する。したがって、逆流防止器1が閉鎖されていて、ハウジング外壁7に過圧が作用している場合に、壁内室8を迅速に縮小することができる。
【0027】
図1および図2に示した組込み部材1において、特に空気で充填された壁内室8の騒音遮断作用および遮音作用を逆流防止器1の繰返しの圧力補償後にも確保したい場合には、壁内室8が、図1に示したように、十分に液体密にかつ空気密に閉鎖されていると有利であり得る。したがって、図2に示した実施例と異なり、図1に示した逆流防止器1は補償通路16を有していない。
【0028】
逆流防止器1が閉鎖されていて、流体体積が流出側で閉鎖されている場合に、流出側に場合によって形成された過圧を迅速に減少させることができるように、図1および図2に示した逆流防止器1の実施例は、組込み部材の流出側に接続された少なくとも1つの圧力補償通路または流入通路15を有している。この圧力補償通路または流入通路15はハウジング外壁と水管路との間に開口している。圧力補償通路および流入通路15は、ここでは、スリットによって形成される。このスリットは、組込みハウジング2の、隣り合ったハウジング段部14に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】半部で示した逆流防止器をその弁体の閉鎖位置で示す図である。
【図2】図1と比較可能な、同じく半部で示した逆流防止器をその弁体の開放位置で示す図である。
【図3】半部で示した逆流防止器をその弁体の閉鎖位置で示す図であり、この場合、図3に示した逆流防止器がハウジング外壁を有しており、このハウジング外壁が、流出側で閉鎖された流体体積によって拡張可能である。
【図4】図3と比較可能な、同じく半部で示した逆流防止器をその弁体の開放位置で示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1 組込み部材、 2 組込みハウジング、 3 弁体、 4 戻しばね、 5 弁座、 6,7 ハウジング壁、 8 壁内室、 9,10 環状隆起部、 11,12 溝、 14 ハウジング段部、 15 流入通路、 16 補償通路、 20 通流開口、 Pf1 通流方向



【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生設備に用いられる組込み部材(1)であって、複数の壁を備えて形成された組込みハウジング(2)が設けられており、該組込みハウジング(2)が、衛生設備に用いられる水管路内に挿入可能であり、互いに隣り合った少なくとも2つのハウジング壁(6,7)を有しており、該ハウジング壁(6,7)が、相互間に壁内室(8)を取り囲んでいる形式のものにおいて、当該組込み部材(1)が、逆流防止器として形成されており、組込みハウジング(2)が、ハウジング壁(7)を有しており、該ハウジング壁(7)が、フレキシブルなかつ/または弾性的な材料から製作されていて、チューブ状に形成されており、弾性的なハウジング壁(7)が、圧力補償のために、逆流防止器(1)の閉鎖時にかつ流出側での流体体積の閉鎖時に少なくとも1つの壁内室(8)の圧縮下で、隣り合ったハウジング壁(6)に向かって運動可能であるかまたは少なくとも1つの壁内室(8)の拡張下で、隣り合ったハウジング壁(6)から間隔を置くように移動可能であるかまたは隣り合ったハウジング壁(6)から離れる方向に運動可能であることを特徴とする、衛生設備に用いられる組込み部材。
【請求項2】
弾性的なハウジング壁(7)が、該弾性的なハウジング壁(7)を外側で負荷しかつ壁内室(8)を圧縮する流体体積または壁内室(8)の拡張下で少なくとも1つの通流通路または少なくとも1つの通流開口(20)を通って壁内室(8)内に流入する流体体積によって運動可能である、請求項1記載の組込み部材。
【請求項3】
少なくとも1つの壁内室(8)が、空気またはこれに類する遮音性の媒体で充填可能である、請求項1または2記載の組込み部材。
【請求項4】
弾性的なハウジング壁(7)が、少なくともその流入側の端面端部に環状隆起部またはシール隆起部(9,10)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の組込み部材。
【請求項5】
ハウジング外壁の少なくとも1つの環状隆起部(9)が、組込みハウジング(2)と水管路との間を液体密にシールするようになっている、請求項1から4までのいずれか1項記載の組込み部材。
【請求項6】
ハウジング外壁(7)の少なくとの1つの環状隆起部(9,10)が、隣り合ったハウジング壁(6)の溝(11,12)内にゴムリング状に保持されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の組込み部材。
【請求項7】
チューブ状のハウジング外壁(7)の流出側の端面端領域が、組込みハウジングの少なくとも1つのハウジング段部(14)に接触している、請求項1から6までのいずれか1項記載の組込み部材。
【請求項8】
少なくとも1つの壁内室(8)が、少なくとも1つの補償通路(16)を介して当該組込み部材(1)の流入側に接続されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の組込み部材。
【請求項9】
当該組込み部材(1)が、当該組込み部材(1)の流出側に接続された少なくとも1つの圧力補償通路または流入通路(15)を有しており、該流入通路(15)が、ハウジング外壁(7)と水管路との間に開口している、請求項1から8までのいずれか1項記載の組込み部材。
【請求項10】
チューブ状のハウジング外壁(7)が、エラストマ、特にシリコーンから製作されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の組込み部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生設備に用いられる組込み部材(1)であって、当該組込み部材(1)が、逆流防止器として形成されていて、複数の壁を備えて形成された組込みハウジング(2)を有しており、該組込みハウジング(2)が、衛生設備に用いられる水管路内に挿入可能であり、互いに隣り合った少なくとも2つのハウジング壁(6,7)を有しており、該ハウジング壁(6,7)が、相互間に壁内室(8)を取り囲んでおり、前記ハウジング壁(6,7)のうち、1つのハウジング壁(7)が、フレキシブルなかつ/または弾性的な材料から製作されていて、チューブ状に形成されており、弾性的なハウジング壁(7)が、圧力補償のために、逆流防止器(1)の閉鎖時にかつ流出側での流体体積の閉鎖時に少なくとも1つの壁内室(8)の圧縮下で、隣り合ったハウジング壁(6)に向かって運動可能であるかまたは少なくとも1つの壁内室(8)の拡張下で、隣り合ったハウジング壁(6)から間隔を置くように移動可能であるかまたは隣り合ったハウジング壁(6)から離れる方向に運動可能である形式のものにおいて、外側のハウジング壁(7)が、フレキシブルなかつ/または弾性的なハウジング壁として形成されており、弾性的なハウジング壁(7)が、該弾性的なハウジング壁(7)を外側で負荷しかつ壁内室(8)を圧縮する流体体積または壁内室(8)の拡張下で少なくとも1つの通流通路または少なくとも1つの通流開口(20)を通って壁内室(8)内に流入する流体体積によって運動可能であることを特徴とする、衛生設備に用いられる組込み部材。
【請求項2】
少なくとも1つの壁内室(8)が、空気またはこれに類する遮音性の媒体で充填可能である、請求項1記載の組込み部材。
【請求項3】
弾性的なハウジング壁(7)が、少なくともその流入側の端面端部に環状隆起部またはシール隆起部(9,10)を有している、請求項1または2記載の組込み部材。
【請求項4】
ハウジング外壁の少なくとも1つの環状隆起部(9)が、組込みハウジング(2)と水管路との間を液体密にシールするようになっている、請求項1から3までのいずれか1項記載の組込み部材。
【請求項5】
ハウジング外壁(7)の少なくとの1つの環状隆起部(9,10)が、隣り合ったハウジング壁(6)の溝(11,12)内にゴムリング状に保持されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の組込み部材。
【請求項6】
チューブ状のハウジング外壁(7)の流出側の端面端領域が、組込みハウジングの少なくとも1つのハウジング段部(14)に接触している、請求項1から5までのいずれか1項記載の組込み部材。
【請求項7】
少なくとも1つの壁内室(8)が、少なくとも1つの補償通路(16)を介して当該組込み部材(1)の流入側に接続されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の組込み部材。
【請求項8】
当該組込み部材(1)が、当該組込み部材(1)の流出側に接続された少なくとも1つの圧力補償通路または流入通路(15)を有しており、該流入通路(15)が、ハウジング外壁(7)と水管路との間に開口している、請求項1から7までのいずれか1項記載の組込み部材。
【請求項9】
チューブ状のハウジング外壁(7)が、エラストマ、特にシリコーンから製作されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の組込み部材。

【公表番号】特表2006−509131(P2006−509131A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558033(P2004−558033)
【出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013910
【国際公開番号】WO2004/053243
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(505123871)ネオパール ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (12)
【Fターム(参考)】