説明

衝撃吸収と取り外しが可能な機能を持つトランクルームを搭載する車両構造

【課題】 車両内外に展開されるエアバックのために、展開前の収納のスペースが必要であり、展開のためにエネルギーと時間がかかるという問題。トランクルーム内に荷物がある場合、展開することが困難で、衝撃吸収の機能が発揮でにくく、エアバックを搭載するために車両重量が増加する問題。衝突する対象が異なる場合にその条件に対応した吸収特性に調整できない問題。衝撃吸収部材、バンパーなどの搭載位置が車両によって異なり、吸収できる衝突角度、条件に制限がある問題。車両が衝突した後、フレーム修正では、再び衝突した際にエネルギーの吸収量が下がり、安全性が低下する問題。修理の時間的、費用的コストがかかる問題。
【解決手段】 トランクルーム本体と蓋との拘束を強く、密封を高めることによりトランクルーム自体に衝撃吸収機能を持たせ、トランクルームを車両本体から取り外すことができるようにする。これにより、上記の問題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衝撃吸収と取り外しが可能な機能を持つトランクルームを搭載する車両構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両構造にはエアバックを展開することによって衝撃の際のエネルギーを吸収しようとするものがある。(例えば、[実用新案文献1][特許文献1])
【特許文献1】出願番号:特許出願平6−49673
【実用新案文献1】
出願番号:実用新案出願平6−1586
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上に述べた車両構造では、車両保護や歩行者保護のための車両内外に展開されるエアバックのために、展開前の収納のスペースが必要であるという問題。
【0004】
エアバック展開のためだけにエネルギーと時間がかかるという問題。
【0005】
トランクルーム内に荷物がある場合、エアバックをトランクルーム内で展開することが困難で、衝撃吸収の機能が発揮でにくい問題。
【0006】
エアバックを搭載するために車両重量が増加する問題。
【0007】
衝突する対象が、人の場合と、車両などの場合と条件が異なる場合にその条件に対応した吸収特性に調整できない問題。
【0008】
衝撃吸収部材の搭載位置が車両によって異なるため、衝撃吸収部材が吸収できる衝突角度、衝突する条件に制限がある問題。
【0009】
車両が衝突した後、従来の車両のフレームのゆがみ等を修正する方法では、再び衝突した際にエネルギーの吸収量が下がり、安全性が低下する問題。
【0010】
衝突後の修理の時間的コスト、費用的コストがかかる問題。
【0011】
従来の衝突エネルギーを吸収する衝撃吸収部材、バンパーなどは、搭載位置が車両によって異なるため、衝撃吸収機能を発揮できる衝突角度に制限がある問題。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、トランクルームとその蓋の拘束と機密性を高めることでトランクルームに衝撃吸収機能を持たせる。
【0013】
そして、本発明は、トランクルーム内の流体の圧力を衝突前、衝突中のトランクルームが変形している時に調整する。
【0014】
そして、本発明は、トランクルーム本体を車両本体から取り外し可能にする。
【発明の効果】
【0015】
上述したように、本発明のトランクルームはトランクルーム本体とその蓋の拘束と機密性を高めることで、エアバックを展開した状態と同等の状態を事前に設定することができるので、エアバックが不要になり、展開前の収納のスペースが必要でなくなる。
【0016】
また、エアバック展開のためだけ費やされたエネルギーと時間が必要でなくなる。
【0017】
トランクルーム内に荷物がある場合でも、トランクルーム内の内圧を調整することにより衝撃吸収としての機能を発揮できる。
【0018】
エアバックを使用することなくエネルギーを吸収できるため、従来構造より軽量にすることができる。
【0019】
衝突前、衝突中にトランクルーム内の圧力を調整することで、衝突対象が歩行者の場合はトランクルーム内の圧力を低くし歩行者保護に重点をおいた衝撃吸収特性、また、トラックなどの大型の衝突対象の場合は、内圧を高めることによりエネルギー吸収性を高め、車両に乗車している乗員保護に重点を置くなど、さまざまな、衝突条件に対して対応することが可能になる。
【0020】
トランクルームを取り外し可能にして、衝突後、新しいトランクルームに換えることにより、再び衝突した際にエネルギーの吸収量が下がる事がなく、安全性が低下することを防ぐ。
【0021】
さらに、トランクルーム全体が衝撃を吸収するので、衝撃吸収部材よりエネルギー吸収特性を発揮するための、衝突角度の制限が少なくなる。
【0022】
トランクルーム全体でエネルギー吸収することにより、エネルギー吸収特性を高め、車両本体へのダメージを防ぐ。
【発明の実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。図においては、1は車両本体で、2はトランクルームの蓋、3はトランクルーム本体である。2のトランクルームの蓋を閉じた際に、3のトランクルーム本体との拘束と気密性を高め、衝突の前、衝突の最中にトランクルーム内の圧力を調整する。3のトランクルーム本体は、1の車両本体から取り外すことができる。
【0024】
以上のように、本実施形態によれば、
トランクルーム本体とその蓋の拘束と機密性を高めることで、エアバックを展開した状態と同等の状態を事前に設定することができるので、エアバックが不要になり、展開前の収納のスペースが必要でなくなる。
【0025】
また、エアバック展開のためだけ費やされたエネルギーと時間が必要でなくなる。
【0026】
トランクルーム内に荷物がある場合でも、トランクルーム内の内圧を調整することにより衝撃吸収としての機能を発揮できる。
【0027】
エアバックを使用することなくエネルギーを吸収できるため、従来構造より軽量にすることができる。
【0028】
衝突前、衝突中にトランクルーム内の圧力を調整することで、衝突対象が歩行者の場合はトランクルーム内の圧力を低くし歩行者保護に重点をおいた衝撃吸収特性、また、トラックなどの大型の衝突対象の場合は、内圧を高めることによりエネルギー吸収性を高め、車両に乗車している乗員保護に重点を置くなど、さまざまな、衝突条件に対して対応することが可能になる。
【0029】
トランクルームを取り外し可能にして、衝突後、新しいトランクルームに換えることにより、フレーム修正を必要とせず、再び衝突した際にエネルギーの吸収量が下がる事がなく、安全性を高めることができる。
【0030】
トランクルーム全体が衝撃を吸収するので、衝撃吸収部材バンパーなどよりエネルギー吸収特性を発揮するための、衝突角度の制限が少なくなる。
【0031】
トランクルーム全体が衝撃を吸収することにより、車両本体へのダメージを防ぐ。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】 本発明の実施解体を示すトランクルームの立体図
【符号の説明】
【0033】
1 車両本体
2 トランクルームの蓋
3 トランクルーム本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランクルーム本体とトランクルームの蓋の接合面の拘束を強く、気密性を高くし、トランクルーム内の流体が衝突時にトランクルームの変形により圧縮され、流体の圧力が上昇し、トランクルームの変形抵抗が増加することによりエネルギー吸収ができる車両構造。
【請求項2】
トランクルームを車両本体から取り外すことができるようにして、トランクルームが衝撃を吸収した後、トランクルームのみを交換することにより修理時間の短縮と、それに伴う人件費を削減することができる車両構造。
【請求項3】
トランクルーム自体がエネルギー吸収をすることによって、車両本体のダメージを少なくし、衝突後、トランクルームのみを交換することで衝突前の状態と同程度の安全性を持たせる車両構造。
【請求項4】
トランクルーム内の内圧を衝突前、衝突している間に調整することにより、衝突する対象、条件によってエネルギー吸収特性を変化させることを可能にした車両構造。
【請求項5】
トランクルーム全体が衝撃吸収体として機能することにより、エネルギー吸収特性を発揮するための、衝突角度の制限が少なくした車両構造。

【図1】
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【公開番号】特開2009−190713(P2009−190713A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63319(P2008−63319)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(508076565)
【Fターム(参考)】