説明

衝撃吸収椎間補綴板

椎間補綴板は、上部プレートおよび下部プレートと、プレートの間に配置される上部湾曲表面および下部湾曲表面を有するコアとを含む。プレートおよび/またはコアのうちの少なくとも一つは、椎骨によって加えられる衝撃または他の力を吸収するための弾力のある材料を含む。弾力のあるサポート部材は、プレートまたはコアの二つの部分を接続するために、弾力のある材料内に配置され得る。そのようなサポート部材は、バネ、シリンダ、ワイヤ、または他の弾力のある構造であり得る。弾力のある材料は、膜のような周囲を囲む保持構造を介して、コアまたはプレート内に保持される。補綴板の一つ以上のコンポーネントに配置される弾力のある材料は、衝撃吸収を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療デバイスおよび方法に関する。さらに詳細には、本発明は、椎間補綴板に関する。
【背景技術】
【0002】
背中の痛みは、世界中の人々の健康および生産性に対して膨大な損害をもたらす。米国整形外科学会によると、米国人の約80%は、人生のある時点に背中の痛みを経験する。2000年だけで、米国において、約2600万人が、背中の痛みにより病院を訪れた。一日で、米国の労働人口の5%が、背中の痛みによって体を不自由にされている。
【0003】
背中の痛みに関する一般的な原因の一つは、一つ以上の椎間板の損傷、劣化および/または機能不全である。椎間板は、脊柱(脊椎)を形成する33個の椎骨のそれぞれの間に位置される軟組織構造である。実際、椎間板は、椎骨が互いに運動することを可能にする。脊柱および椎間板は、頭および胴を支える中央軸を形成し、背中の運動を可能にし、椎間板の付近において椎骨を通過する脊髄を保護するという点において、解剖学的に必須の構造である。
【0004】
椎間板は、多くの場合に、摩損、断裂、または急性の怪我により損傷する。例えば、椎間板が、突出(ヘルニア)、断裂、または劣化し得るなどである。突出している椎間板は、脊髄または脊髄から出ている神経に向けて押され得、「小根」痛(神経根の衝突によってもたらされた一つ以上の末端における痛み)をもたらす。劣化または椎間板に対する他の損傷は、二つの椎骨の間の自然空間が減少したということを意味する「椎間板の高さ」の損失をもたらし得る。減少した椎間板の高さは、椎間板が突出すること、小関節面の負荷が増加すること、二つの椎骨が不自然な方法、および/または椎骨および/または神経根の特定の部分上の増加した圧力で擦り合わされることをもたらし、その結果、痛みをもたらす。概して、椎間板への慢性および急性の損傷は、背中関連の痛みおよび運動能力の喪失の一般的な原因である。
【0005】
一つ以上の損傷した椎間板が、患者に痛みと不快感とをもたらす場合には、多くの場合に手術が必要とされる。伝統的に、椎間板を処置する手術手順は、椎間板に隣接する二つの椎骨の融合を用いた、または用いない、椎間板除去(椎間板の部分的または完全な除去)を含む。二つの椎骨の融合は、二つの椎骨と移植材料とが共に成長するように、二つの椎骨の間に骨移植材料を挿入することによって達成される。椎骨と移植材料とが恒久的に融合されている間に、椎骨と移植材料とを適切に保持するサポート構造として作用するように、ピン、ロッド、ネジ、ケージなどが、多くの場合に、椎骨の間に挿入される。融合は、多くの場合に背中の痛みを処置するが、融合は、患者の運動能力を減少させる。なぜならば、融合されたエリアにおいて、背中は曲げたり、ねじったりし得ないからである。さらに、融合は、隣接するレベルの脊椎において圧力を増加させ、これらの椎間板の劣化を潜在的に加速させる。
【0006】
融合を用いることなく椎間板関連の痛みを処置する試みにおいて、代替的なアプローチが開発され、該アプローチにおいて、運動可能でインプラント可能な人工椎間板(または「板補綴」)が、二つの椎骨の間に挿入される。多数の様々な椎間板補綴が、現在開発されている。例えば、本発明の発明者は、以前に参照により援用されている米国特許出願第10/855,817号および米国特許出願第10/855,253号に記述した板補綴を開発した。板補綴の他の例は、(DePuy Spine, Inc.によって提供される)the LINK(登録商標) SB Charite discと、(LDR Medical(www.ldrmedical.fr)によって提供される)Mobidisk(登録商標)と、(Meditronic Sofamor Danek, Inc.によって提供される)the Bryan Cervical Discと、(Synthes Stratec, Inc.からの)the ProDisc(登録商標)またはProDisc−C(登録商標)と、(Cervitech, Inc.によって提供される)the PCM discとである。既存の板補綴は、伝統的な処置方法を上回る利点を提供するが、改良が継続中である。
【0007】
一つのタイプの椎間板補綴は、上部および下部の補綴プレートまたはシェルを概ね含み、該補綴プレートまたはシェルは、隣接する椎骨本体とプレートの間の低摩擦のコアとに向かって、接触して位置する。例えば、椎間板補綴の一つのデザインが、図1および図2において示され、以前に参照により援用されている米国特許出願第10/855,253号(代理人整理番号第022231−000310US号)において記述されている。一部のデザインにおいて、コアは、上部または下部の凸状に湾曲した表面を有し、プレートは、対応する凹状に湾曲した凹所を有する。該凹所は、コアの湾曲表面と共同する。これは、必要とされる脊椎の移動を可能にするように、プレートがコア上をスライドすることを可能にする。コアがプレートの間を滑り落ちることを防止するために、一部のタイプの移動限定構造が提供される。一般的に、プレートは一つ以上の金属で作られ、コアはポリマ物質で作られる。
【0008】
椎間板補綴に関する多数の改良がすでに行なわれている。例えば、コアの摩損および断裂を減少させるために、部分的または完全に金属のコアを有するディスクが、以前に参照により援用されている米国特許出願第10/903913号(代理人整理番号第022031−001400US号)において記述されている。さらなる改良が、継続して求められている。例えば、現在利用可能な椎間補綴は、椎間補綴が装着されている椎骨から補綴に加えられる力を吸収することを助ける緩衝作用または衝撃吸収を提供しない。
【0009】
従って、改良された椎間板補綴に対するニーズが存在する。理想的には、そのような改良された補綴は、椎骨によって補綴に加えられる力の衝撃吸収を提供する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一局面において、椎間板補綴は、上部湾曲表面および下部湾曲表面を有するコアと、コアの周りに配置された上部プレートおよび下部プレートとを備えている。次に、各プレートは、椎骨と係合する外側表面と、コアの湾曲表面の一つの上をスライドするように形成されている内側表面とを備えている。さらに、上部プレートおよび下部プレートのうちの少なくとも一つは、外側表面と内側表面との間に配置された少なくとも一つの弾力のある材料を含む。一部の実施形態において、上部および下部のプレートのそれぞれは、外側表面と内側表面との間に配置された少なくとも一つの弾力のある材料を含む。限定するわけではないが、ポリマ、ヒドロゲルなどのような任意の適切な弾力のある材料が使用され得る。様々な実施形態において、弾力のある材料は、液体、半個体、ゲル、固体の材料または複数の層の固体の材料であり得る。
【0011】
一部の実施形態において、弾力のある材料は、内側表面と外側表面との間の一つ以上の層に配置される。そのような実施形態は、外側表面および内側表面の間と、弾力のある材料の周囲に配置される少なくとも一つの保持部材を、必要に応じて含み得ることにより、外側表面と内側表面との間に弾力のある材料を保持する。例えば、保持部材は、非浸透性の膜、メッシュなどのような膜を含み得る。一部の実施形態において、膜はポリマを含み得る。任意に、補綴は、少なくとも一つの弾力のあるサポート部材をさらに含み得、それは材料の層内に配置され、各プレートの内側表面と外側表面とに装着される。例えば、そのような弾力のあるサポート部材は、複数のバネ、シリンダ、ワイヤなどを含み得る。一実施形態において、バネのそれぞれは、外側表面から伸長する第1のシリンダと、内側表面から伸長する第2のシリンダとによって囲まれており、第1のシリンダと第2のシリンダのうちの一つは、他のシリンダの内径内に収まるような大きさに作られた外径を有することにより、小さい方のシリンダが、バネの移動によって大きい方のシリンダから出入りすることを可能にする。代替的な実施形態は、外側表面から伸長する第1のシリンダと、内側表面から伸長して、少なくとも部分的に第1のシリンダの中に伸長する第2のシリンダとであって、該第1のシリンダと該第2のシリンダとは、互いにスライドできるように移動可能である第1シリンダと第2のシリンダとを含み、そして第1のシリンダと第2のシリンダとの分離を防止するように、互いの移動を限定する、第1のシリンダおよび第2のシリンダに対するロック機構とを含む。
【0012】
椎間板補綴の様々な実施形態は、より多いまたはより少ない、いずれかの衝撃吸収を提供するために、多数の様々な設計の変化を有し得る。例えば、一実施形態は、別の実施形態の端板よりも厚いか、または高さの高い端板を有することにより、端板内でより弾力のある材料を可能にし得る。弾力のある材料の密度はまた、異なるレベルの衝撃吸収を与えるように選択され得る。同様に、バネまたはシリンダのような弾力のあるサポート部材の剛性は、異なるレベルの衝撃吸収を与えるように選択され得る。従って、様々な変数のうちの任意のものが、板補綴に所望の衝撃吸収量を与えるように調整され得る。そのような変化は、例えば、より剛性の高い補綴が所望され得る腰椎と比較して、頸椎における使用のための異なる板補綴を行なう際に有用であり得る。
【0013】
一部の実施形態において、少なくとも一つのプレートの外側表面は、保持リングを含み、プレートの内側表面は、保持リング内に収容される。そのような実施形態において、外側表面は加熱され得、内側表面は保持リング内に配置され得、外側表面は冷却されて、収縮し得、その結果、保持リング内に内側表面を保持する。そのような補綴を作る方法は、以下でさらに記述される。
【0014】
一部の実施形態において、コアは、ポリマ、セラミック、金属またはそれらの一部の組み合わせで作られ得る。例えば、金属は、コバルトクロムモリブデン、チタン、ステンレス鋼などを含み得る。一部の実施形態において、弾力のある材料は、コアの上部湾曲表面および下部湾曲表面の間にさらに配置される。任意に、補綴は、弾力のある材料内に配置され、上部湾曲表面および下部湾曲表面に装着される少なくとも一つの弾力のあるサポート部材をさらに含み得る。上記のように、バネ、シリンダ、ワイヤなどのような、任意の適切な弾力のあるサポート構造が使用され得る。
【0015】
多数の適切な材料のうちの任意のものが、プレートの外側表面および内側表面を構成するために使用され得る。該適切な材料は、セラミック材料、またはコバルトクロムモリブデン、チタンおよびステンレス鋼からなるグループから選択された一つ以上の金属などである。一部の実施形態において、プレートの外側表面は、金属のような一つの材料で作られ、プレートの内側表面は、異なる金属またはセラミック材料のような異なる材料で作られる。一部の実施形態において、コアと、外側表面および内側表面とは、同じ材料を含み得る。一部の実施形態において、補綴は、上部プレートと、下部プレートと、コアとのうちの少なくとも一つの上に保持構造をさらに含むことにより、コアの上でのプレートのスライド移動の間に、プレートのうちの少なくとも一つの湾曲表面に対してコアを保持する。例えば、拘束構造は、周縁の拘束構造を含み得る。一般的な実施形態において、拘束構造内でのコアの移動は拘束を受けない。
【0016】
任意に、上部プレートおよび下部プレートの外側表面は、椎骨への外側表面の付着を高める少なくとも一つの表面特徴を有し得る。例えば、表面特徴は、外側表面に沿って配置される複数の鋸歯、プラズマ溶射されたチタンの表面コーティング、酸化アルミニウムブラスト処理によって形成された複数のくぼみ、外側表面のそれぞれの上に配置される一つ以上のフィンなどを含み得る。
【0017】
本発明の別の局面において、椎間板補綴は、コアと、コア付近に配置される上部プレートおよび下部プレートとを含む。コアは、上部湾曲表面および下部湾曲表面と、上部湾曲表面および下部湾曲表面の間に配置された少なくとも一つの弾力のある材料とを含む。各プレートは、椎骨と係合する外側表面と、コアの湾曲表面のうちの一つの上をスライドするように形成された内側湾曲表面とを含む。上記のように、弾力のある材料は、限定するわけではないが、ポリマまたはヒドロゲルのような任意の適切な材料を含み得る。概して、コアとプレートとは、上記の材料または特徴のうちの任意のものを含み得る。一部の実施形態において、プレートのうちの一つまたは両方はまた、コア内に含まれる弾力のある材料または異なる弾力のある材料を含み得る。コアとプレートのうちの任意のものまたは全ては、コアおよび/またはプレートの別々の部分を接続する弾力のあるサポート構造をさらに含み、弾力のあるサポート構造は、弾力のある材料を囲んでいる膜、および/または弾力のある材料内に配置される。
【0018】
本発明の別の局面において、椎間板補綴の端板を作る方法は、端板の外側表面を形成することであって、外側表面は、椎骨と係合するように適合されていることと、端板の内側湾曲表面を形成することであって、内側湾曲表面は、板補綴のコアの湾曲表面上をスライドするように適合されていることと、外側表面と内側表面との間に配置される少なくとも一つの弾力のあるサポート部材によって、外側表面と内側表面とを接続することと、弾力のあるサポート部材を囲むように、外側表面と内側表面との間に弾力のある材料を配置することとを含む。一実施形態において、例えば、外側表面と内側表面とを接続することは、これらの二つの表面の間に複数のバネを装着することを包含する。内側表面と外側表面との間に弾力のある材料を配置することは、ポリマ、ヒドロゲル、またはその他任意の適切な弾力のある材料を注入することを含み得る。一部の実施形態において、弾力のある材料は、内側の端板と外側の端板との間に形成される空洞に注入され得る。別の実施形態において、弾力のある材料は、内側の端板と外側の端板との間に配置される保持構造の中に注入され得る。代替的に、表面の間に材料を配置することは、表面の間に固体の材料の一つ以上の層を置くことを含み得る。任意に、方法は、弾力のある材料の周囲で、内側表面および外側表面と少なくとも一つの保持構造を結合することにより、内側表面と外側表面との間に弾力のある材料を保持することをさらに含み得る。
【0019】
本発明の別の局面において、椎間板補綴の端板を作る方法は、端板の外側表面を形成することであって、外側表面は、椎骨と係合するように適合されていることと、端板の内側湾曲表面を形成することであって、内側湾曲表面は、板補綴のコアの湾曲表面上をスライドするように適合されていることと、内側表面に外側表面を結合することにより外側表面と内側表面との間に弾力のある材料を配置することと、外側表面と内側表面との間に弾力のある材料を捕らえることとを含む。
【0020】
本発明の別の局面において、椎間板補綴の端板を作る方法は、端板の外側表面を形成することであって、外側表面は、椎骨と係合するように適合され、内側に面する保持リングを含むことと、端板の内側湾曲表面を形成することであって、内側湾曲表面は、板補綴のコアの湾曲表面上をスライドするように適合されていることと、外側表面内に弾力のある材料を配置することと、外側表面の保持リング内に内側表面を配置することにより、二つの表面の間に弾力のある材料を含むことと、外側表面の少なくとも一部分を収縮させることにより、保持リング内に内側表面を保持することとを含む。一部の実施形態において、外側表面を収縮させることは、外側表面を冷却することを可能にすることを包含し、前記方法は、保持リング内に内側湾曲表面を配置する前に、外側表面を過熱することをさらに包含する。
【0021】
これらおよび他の局面および実施形態は、図面を参照に以下でさらに詳細に記述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の様々な実施形態は、一般に、中央のコアの周りに配置される上部プレートと下部プレートとを有する椎間板補綴のために提供される。プレートのうちの少なくとも一つおよび/またはコアは、弾性のある材料を含み、そのことは、プレートおよび/またはコアが、椎骨によって椎間板に加えられる力を吸収することを可能にする。そのような補綴の様々な実施形態が、図に示され、かつ、以下でさらに詳細に記述されるが、本発明の一般的な原理は、すなわち、補綴における力を吸収する材料を含み、多数の他の椎間板補綴のうちの任意のものに適用され得る。該多数の他の椎間板補綴は、限定するわけではないが、(DePuy Spine, Inc.によって提供される)the LINK(登録商標) SB Charite discと、(LDR Medical(www.ldrmedical.fr)によって提供される)Mobidisk(登録商標)と、(Medtronic Sofamor Danek, Inc.によって提供される)the Bryan Cervical Discと、(Synthes Stratec, Inc.からの)the ProDisc(登録商標)またはProDisc−C(登録商標)と、(Cervitech, Inc.によって提供される)the PCM discとなどである。
【0023】
従って、図1〜図2は、米国特許出願第10/855,253号(代理人整理番号第022031−000310US号)において、本発明の譲受人によって以前に記述された補綴板10を示し、以前に参照により援用されている。二つの隣接する脊椎(図示されていない)の間の椎間挿入のための板10は、上部プレート12と、下部プレート14と、プレートの間に配置されるコア16とを適切に含む。上部プレート12は、外側表面18と、内側表面24とを含み、任意の適切な金属、合金、あるいは金属または合金の組み合わせ、例えば、限定するわけではないが、コバルトクロムモリブデン、チタン(例えば、チタングレード5)、ステンレス鋼などから構成され得る。一実施形態において、一般的に腰椎において使用されるように、上部プレート12は、コバルトクロムモリブデンで構成され、外側表面18は、酸化アルミニウムブラスト処理で処置されて、チタンプラズマ溶射がそれに続く。別の実施形態において、一般的に頸椎において使用されるように、上部プレート12は、チタンで構成され、内側表面24は、窒化チタンでコーティングされ、外側表面18は、酸化アルミニウムブラスト処理で処置される。代替的な頸椎での実施形態は、内側表面24上にコーティングを含まない。他の頸椎板および腰椎板の実施形態において、その他任意の適切な金属または金属の組み合わせが使用され得る。一部の実施形態において、内側表面24と外側表面18とを形成するために、二つの材料を結合することは有用であり得る。例えば、上部プレート12は、MRI適合性の材料、例えばチタンで作られ得るが、内側表面24に対しては、より硬い材料、例えばコバルトクロムモリブデンを含み得る。別の実施形態において、上部プレート12は金属を含み得、内側表面24はセラミック材料を含み得る。材料の全ての組み合わせは、本発明の範囲内で意図されている。任意の適切な技術が、材料を結合するために使用され得る。該技術は、スナップフィッティング、スリップフィッティング、ラミネート加工、しまりばめ、接着剤の使用、溶接などである。材料およびコーティングのその他任意の適切な組み合わせが、本発明の様々な実施形態において使用され得る。
【0024】
一部の実施形態において、外側表面18は平坦である。多くの場合、一つ以上の表面特徴および/または材料を含むことにより、外側表面18は、椎骨への補綴10の付着を向上させる。例えば、外側表面18は、椎骨への上部プレート12の接着を高める鋸歯20または他の表面特徴を有するように、機械加工され得る。示されている実施形態において、鋸歯20は、相互に直交する方向に伸長しているが、他の形状もまた有用である。さらに、外側表面18は、酸化アルミニウム微粒子などでブラスト処理することによって形成された粗いマイクロフィニッシュを提供され得る。一部の実施形態において、外側表面はまた、椎骨への外側表面18の付着をさらに向上させるように、チタンプラズマ溶射され得る。
【0025】
外側表面18はまた、直立している垂直のフィン22を担持し得、該フィンは、前後方向に伸長している。フィン22は、直交するホール23によって貫かれている。代替的な実施形態において、フィン22は、横−横方向、後横−前横方向などのように、前後軸から離れるように回転させられ得る。一部の実施形態において、フィン22は、90度ではない角度で表面18から伸長し得る。さらに、複数のフィン22が、表面18に装着され得、および/または様々な実施形態において、その他任意の適切な構成を有し得る。他の実施形態において、フィン22、一部の実施形態、例えば、頸部挿入のための板10において、フィン22および42が、全て省かれ得る。
【0026】
内部の球状に湾曲した凹状の表面24は、図示されているように、(右から左に)中央軸の位置に形成され、円形の凹所26を有する。湾曲表面24の外側の縁において、上部プレート12は、周縁の拘束構造を担持し、該拘束構造は、内側に向けられたリブまたはフランジ28を含む一体リング構造26を備えている。フランジ28は、環状のウェブ32によってプレートの主要部に接合されているU字形状の部材30の一部を形成する。フランジ28は、内側にテーパーがついている(tapering)形状を有し、上部34と下部36とをそれぞれ定義し、該上部34と該下部36とは、上部プレート12が、図1に見られる位置にあるときには、水平方向に対してわずかに傾いている。U字形状の部材30の突出38は、図示されているように、内側にテーパーがついている垂直方向の寸法を有する。
【0027】
下部プレート14は、周縁の拘束構造26がないことを除いて、上部プレート12と同様である。従って、下部プレート14は、上部プレート12の外側表面18のように、平坦であり、鋸歯状にされ、かつ、マイクロフィニッシュされた外側表面40を有する。下部プレート14は、任意に、上部プレートのフィン22と同様のフィン42を担持する。下部プレート14の内側表面44は、上部プレート12の内側表面24の曲率半径に適合する曲率半径で、凹状に、球状に湾曲されている。また、この表面は、窒化チタンまたは他の仕上げ剤を備え得る。
【0028】
内側湾曲表面44の外側の縁において、下部プレート14は、傾いたレッジ形態46を備えている。あるいは、下部プレート14は、上部プレート12上の周縁の拘束構造26と同様の周縁の拘束構造を含み得る。
【0029】
板10のコア16は、任意の適切なポリマから作られ得る。あるいは、コア16は、一つ以上の金属、合金、あるいは金属または合金の組み合わせで、部分的または全体的に作られ得る。部分的または全体的に金属のコアを用いる板10に関するさらなる詳細に関して、以前に参照により援用された米国特許出願第10/903913(代理人整理番号第022031−001400US号)に対して、参照が行なわれ得る。例えば、コア16の全部または一部を形成するために使用される金属は、限定するものではないが、コバルトクロムモリブデン、チタン(例えばチタングレード5)、ステンレス鋼などを含み得る。一部の実施形態において、コア16は、上部プレート12および下部プレート14と同じ材料で作られ得、該材料は、板10の金属の表面の酸化に抵抗することを助け得る。代替的な実施形態において、コア16は、プレート12および14とは異なる材料で作られ得る。示されている実施形態において、コア16は、上部の球状に湾曲した凸状の表面48と下部の球状に湾曲した凸状の表面50とが同一である。一部の実施形態において、コア16全体が金属であるが、他の実施形態において、湾曲表面48および50が、金属でコーティングされ得るか、またはラミネート加工され得るか、そうでなければ一つ以上の金属の表面が、コア16に装着され得る。一部の実施形態において、コア16は、ポリマまたはセラミックで作られて、金属の湾曲表面48および50に装着される。あるいは、コア16は、中空の金属構造であり得る。これらの表面の曲率半径は、上部プレート12の内側表面24および下部プレート14の内側表面44の曲率半径に適合する。従って、湾曲表面は相補的である。
【0030】
コア16は、コアを横方向に二分する中央の赤道面52に関して対称である。(他の実施形態において、コア16は、非対称であり得るが、)赤道面上に、環状の凹所または溝54があり、これらは、コアの周縁付近で伸長している。溝54は、上部リブまたはリップ56と下部リブまたはリップ56との間に定義されている。プレート12および14とコア16とが、組み立てられ、図1の方向に見られるときには、フランジ28は、赤道面上にあり、溝54と一列に整列する。リップ56の外径58は、好ましくは、フランジ28の内側の縁によって定義される直径60よりもほんのわずかに大きい。一部の実施形態において、コア16は、しまりばめによって上部プレート12に、移動可能なように取り付けられる。金属のコア16と金属のプレート12とのそのようなしまりばめを形成するために、任意の適切な技術が使用され得る。例えば、プレート12が、伸長するように加熱され得ることにより、コア16は伸長した状態のプレート12の中に入れられ得る。プレート12が冷えて、収縮したときに、しまりばめが作成される。別の実施形態において、上部プレート12は、コア16の周囲に形成され得る。あるいは、コア16と上部プレート12とは、相補的なスレッドを含み得、該スレッドは、コア16が、上部プレート12にねじ込まれることを可能にし、次に、該上部プレート12において、コアは、自由に移動し得る。
【0031】
代替的な実施形態(示されていない)において、リップ56の外径58は、フランジ28の内側の縁によって定義される直径60よりもほんのわずかに小さくなり得る。そのような実施形態において、コア16とプレート12および14とは、しまりばめによって結合されていないが、その代わりに脊柱自体によって加えられる力によって結合されて、それにより球関節と類似の動きをする。
【0032】
板10の中央軸(湾曲された表面の曲率中心を通る軸)は、参照番号62で示されている。図1に示されているように、板10は、軸62を含む中央の前後平面に関して対称であり得る。一部の実施形態において、軸62は、後方、すなわち板の前方の極限よりも後方の極限の近くに配置される。
【0033】
使用において、板10は、損傷した椎間板の場所にある隣接する脊椎の間に外科的にインプラントされる。隣接する椎骨は、強制的に互いに分離されることにより、挿入に必要な空間を提供する。板10は、必ずしもそうではないが、一般的には、前外方または前方のアプローチから板空間に向けて進められて、後方に、すなわち前方から後方に挿入される。板は、プレート12のフィン22およびプレート14のフィン42を受容するように対向する椎骨の表面に切り込まれたスロットに、プレート12のフィン22およびプレート14のフィン42を入れた状態で、椎骨の間の場所に挿入される。挿入の間および/または後に、椎骨と、小関節面と、隣接する靭帯と、軟組織とは、共に移動することを可能にされていることにより、板を正しい位置に維持する。プレート12のマイクロフィニッシュされた鋸歯状の表面18と、プレート14のマイクロフィニッシュされた鋸歯状の表面40とは、対向する椎骨に向かい合って位置している。鋸歯20とフィン22および42とは、初期の安定性および固定性を板10に提供する。時間の経過と共に、表面のチタンコーティングによって強化されて、骨組織が鋸歯状の表面全体に成長するにつれて、プレートと椎骨との間の強固な接続が達成される。骨組織の成長はまた、フィン22および40の周辺で起こり、その中の直交するホール23を通過して、達成された接続をさらに強化する。
【0034】
組み立てられた板10において、プレートおよびコアの相補的で共同的な球状の表面は、プレートが、中央軸62の周りを回転することを含み、かなり大きい範囲の角度およびあらゆる方向またはあらゆる自由度で、コア上をスライドすることまたは関節でつなぐことを可能にする。図1および図4は、プレート12および14とコア16と共に、軸62で互いに垂直に整列されている板10を示す。図2は、板10の前方への最大限の屈曲が起こっている状態を図示している。この位置において、上部リブ56は、U字形状の部材30の中空38に入り、リブ56の下面は、フランジ28の上面34と接触するように移動し、該フランジは、溝54内に移動し、円形のエリア69に見られるように、フランジの下面36は、レッジ形態46の上面と接触するように移動する。様々な表面の間の接触部は、さらなる前方への屈曲を防止する。デザインはまた、フランジ28の内側の先端が、溝54の基部に接触して、それにより、コアとプレートとの間のさらなる相対的な移動を制限することを可能にする。脊柱の伸長の間および/または横方向への最大限の屈曲の場合のような、コア上でのプレート12および14の後方への最大限の屈曲の場合において、同様な構成が達成される。
【0035】
フランジ28と、リブ56の間に定義される溝54とは、プレートからのコアの分離を防止する。言い換えると、保持形態の共同は、コアが、板10の屈曲の間のあらゆるときに、プレートの間に保持されることを確実にする。
【0036】
代替的な実施形態において、連続的な環状のフランジ28は、周縁で間隔の空けられている多数のフランジ区分を備えている保持形態によって置換され得る。そのような実施形態は、図示された実施形態のように、単一の連続的な溝54を含み得る。あるいは、コアの周縁付近で間隔を空けられている対応する数の溝状の凹所が使用され得、各フランジ区分は、凹所のうちの一つに対向する。別の実施形態において、連続的なフランジまたは複数のフランジの区分は、上部プレート12によって担持されている内側に向けられたペグまたはピンによって置換され得る。この実施形態は、単一の連続的な溝54または周囲で間隔を空けられた一連の凹所を含み得、各ピンまたはペグが凹所に対向している。
【0037】
さらに別の実施形態において、保持形態は、上部プレートの代わりに、下部プレート14によって担持され得る。すなわち、プレートは反対にされる。一部の実施形態において、上部(または下部)プレートは、内側の湾曲面の縁において、内側に面する溝または周縁で間隔を空けられた溝区分で形成され、コアの外側の周縁は、外側に面するフランジまたは周囲で間隔を空けられた溝区分で形成される。
【0038】
ここで図3を参照すると、図1および図2に示されている板と似ているが、衝撃吸収能力を含んでいる椎間補綴板110の一実施形態が示されている(図3の板110は、サイズを合わせて描かれていないことを強調しておく)。板110の多くの特徴は、図1〜図2に示され、上記されているものと類似であるので、ここでは記述されない。図3に示されている実施形態において、補綴板110は、二つのプレート130および132を含み、各プレートは、椎骨と係合し、フィン122を含む外側表面118およびフィン142を含む外側表面140と、コア116の対応する湾曲表面上をスライドする内側表面124および144とを有する。さらに、(どのように、板110が椎骨の間に配置されるかに従って、「下部」プレート132よりも実際に高くまたは低くなり得る)「上部」プレート130は、弾力のあるサポート部材114を有する弾力のある材料112の層を含み、該サポート部材が、弾力のある材料112全体にわたって配置されており、外側表面118を含むプレート130の一部分を、内側表面124を含むプレートの一部分に接続している。保持構造120は、プレート130の外側表面部分118と内側表面部分124との間に弾力のある部材を保持するように、弾力のある部材を囲んでいる。
【0039】
様々な実施形態において、上部プレート130、下部プレート132、コア116、またはそれらの任意の組み合わせは、層または他の構成内に配置される一つ以上の弾力のある材料112を含み得る。例えば、弾力のある材料112は、ポリマ、ヒドロゲルまたは他の同様な弾力のある物質であり得る。材料112は、液体、ゲル、または固体の形態であり得る。液体の形態であるときに、弾力のある材料112は、時には、一つ以上のプレート130および132および/またはコア116内の位置に挿入され得る。固体の形態であるときには、弾力のある固体の材料112の一つ以上の層は、一つ以上のプレート130および132および/またはコア116内の位置に置かれ得る。弾力のあるサポート構造114はまた、任意の適切な材料、例えばステンレス鋼、NitinolTMなどで作られ得、任意の適切な構成、例えば、限定するわけではないが、(図3のような)バネ、ワイヤ、シリンダ、ジョイント、またはバンドを有し得る。任意の数のサポート構造114が使用され得る。弾力のある材料112とサポート構造114との両方は、プレート130が、椎骨によってプレート130に加えられる衝撃または他の力を吸収することを可能にする。保持構造120は弾力のある材料112を囲み、様々な実施形態において、該保持構造は、膜、メッシュなどであり得、これは、弾力のある材料112を保持する一方で、衝撃の吸収もまた可能にすることのできる任意の適切な材料で作られ得る。
【0040】
ここで図4を参照すると、椎間補綴板210の代替的な実施形態は、二つのプレート230および232を含み、各プレートは、椎骨と係合し、フィン222を含む外側表面218およびフィン242を含む外側表面240と、コア216の対応する湾曲表面上をスライドする内側湾曲表面224および244とを有する。さらに、「上部」プレート230と、下部プレート232と、コア216とのそれぞれは、弾力のある材料212の層を含む。プレート230および232は、複数の弾力のあるサポート部材214をさらに含んでおり、これらは、弾力のある材料212全体に配置され、外側表面218を含むプレート230と外側表面240を含むプレート232とのそれぞれの部分を、内側表面224を含むプレート230と内側表面244を含むプレート232とのそれぞれの部分と接続している。保持構造220は、弾力のある保持材料212の各層を囲むことによって、プレート230および232またはコア216内に弾力のある材料212を保持する。
【0041】
示されている実施形態において、弾力のあるサポート部材214は、シリンダであり、一部の実施形態において、該シリンダは、それぞれバネを囲み得る。コア216は、弾力のある材料212を有する材料二つの湾曲表面236を含み、弾力のある材料212は二つの湾曲表面236の間に配置され、保持構造220によって保持されている。代替的な実施形態において、コア216は、弾力のあるサポート構造も含み得る。一部の実施形態において、弾力のある材料212は、保持構造220を介して、プレート230および232とコア216との中の位置に注入され得る。
【0042】
ここで図5を参照すると、椎間板のプレート330の一実施形態は、外側の部分316を含み、該外側の部分は、外側表面318と、フィン322と、内側に面している保持リング340と、内側湾曲表面の部分324と、外側の部分316と内側湾曲表面部分324との間に配置された弾力のある材料312とを有する。プレート330は、外側の部分316内に弾力のある材料312を配置し、保持リング340内に内側湾曲部分324を配置し、保持リング340内に内側の部分324を保持するために外側部分316を収縮させることによって構成されている。例えば、外側の部分316は、膨張させるために加熱され得、その結果、内側の部分が、保持リング340を通してフィットすることを可能にし、次に、外側の部分316は冷却されて、その結果、収縮して、保持リング340内に内側の部分324を固定する。こうして、弾力のある材料312は、外側の部分316と内側の部分324との間に保持される。さらに、内側湾曲部分324は、弾力のある材料312の弾力性に従って、外側の部分316内を上下に自由に移動し、それにより、衝撃吸収能力を提供する。同時に、保持リング340は、内側湾曲表面が、外側部分316から分離することを防止する。代替的な実施形態において、内側湾曲部分324は、収縮するために冷却され得、次に、外側の部分316内に配置され得、その結果、外側の部分316の加熱を必要としない。
【0043】
ここで図6を参照すると、椎間板のプレート430の代替的な実施形態は、外側の部分416を含み、該外側の部分は、外側表面418と、フィン422と、内側に面している保持リング440と、内側湾曲表面の部分424と、外側の部分416と内側湾曲表面部分424との間に配置された弾力のある材料412とを有する。この実施形態において、外側の部分416は、複数の弾力のあるサポート部材414を介して、内側の部分424と結合される。図6にバネとして示されているが、代替的な実施形態において、弾力のあるサポート部材414は、上記で詳細に記述されたように、シリンダ、シリンダによって囲まれたバネ、Nitinolワイヤなどを備え得る。弾力のあるサポート部材を除いて、プレート430は、図5のプレート330とほぼ同じ方法で構成されている。使用されている弾力のある材料412の密度および量、使用されている弾力のあるサポート部材414の数および剛性、および/またはプレート430の高さは、プレート430の様々な実施形態において、所望の衝撃吸収の程度を選択するために全て変更され得る。
【0044】
上記は、本発明の完全かつ正確な記述であるが、多数の改変、追加などのうちの任意のものが、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な実施形態に対して行われ得る。従って、上記の記述は、本発明の範囲を限定するものとして考えられるべきでなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲において記述される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従った、補綴プレートとコアとが垂直に整列されている椎間板補綴の前部断面図である。
【図2】図2は、コア全上でのスライド移動の後の図1の補綴板の側面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従った、衝撃吸収端板を有する椎間板補綴の前部断面図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施形態に従った、衝撃吸収端板を有する椎間板補綴の前部断面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に従った、椎間板補綴の端板の断面図である。
【図6】図6は、本発明の別の実施形態に従った、椎間板補綴の端板の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部湾曲表面と下部湾曲表面とを有するコアと、
該コアの周りに配置された上部プレートおよび下部プレートと
を備えている椎間板補綴であって、各プレートは、
椎骨に係合する外側表面と、
該コアの湾曲表面のうちの一つの上をスライドするような形状を有している内側表面と
を備え、
該上部プレートおよび下部プレートのうちの少なくとも一つは、該外側表面と該内側表面との間に配置された少なくとも一つの弾力のある材料をさらに備えている、椎間板補綴。
【請求項2】
前記上部プレートおよび下部プレートのそれぞれは、前記外側表面と前記内側表面との間に配置された前記少なくとも一つの弾力のある材料を含む、請求項1に記載の板補綴。
【請求項3】
前記少なくとも一つの弾力のある材料は、ポリマを含む、請求項1に記載の板補綴。
【請求項4】
前記少なくとも一つの弾力のある材料は、ヒドロゲルを含む、請求項1に記載の板補綴。
【請求項5】
前記少なくとも一つの弾力のある材料は、前記内側表面と前記外側表面との間の一つ以上の層に配置されている、請求項1に記載の板補綴。
【請求項6】
前記外側表面と前記内側表面との間に前記弾力のある材料を保持するために、該外側表面と該内側表面との間で、該弾力のある材料の周りに配置されている少なくとも一つの弾力のある保持部材をさらに備えている、請求項5に記載の板補綴。
【請求項7】
前記保持部材は、膜を含む、請求項6に記載の板補綴。
【請求項8】
前記膜は、浸透性の膜と、非浸透性の膜と、メッシュとからなるグループから選択される、請求項7に記載の板補綴。
【請求項9】
前記膜は、ポリマを含む請求項7に記載の板補綴。
【請求項10】
前記材料の層の中に配置され、前記各プレートの前記内側表面と前記外側表面との間に装着されている少なくとも一つの弾力のあるサポート部材をさらに備えている、請求項5に記載の板補綴。
【請求項11】
前記少なくとも一つの弾力のあるサポート部材は、複数のバネをさらに備えている、請求項10に記載の板補綴。
【請求項12】
前記複数のバネのそれぞれは、前記外側表面から延びている第1のシリンダと、前記内側表面から延びている第2のシリンダとによって囲まれており、該第1のシリンダおよび該第2のシリンダのうちの一方は、他方のシリンダの内径内に収まるような大きさで作られた外径を有することにより、小さい方のシリンダが、該バネの移動を伴って大きい方のシリンダに出入りすることを可能にしている、請求項11に記載の板補綴。
【請求項13】
前記外側表面から延びている第1のシリンダと、
前記内側表面から延びており、少なくとも部分的に該第1のシリンダの中に延びている第2のシリンダであって、該第1のシリンダと該第2のシリンダとは、互いに相対的にスライドするように移動可能である、第2のシリンダと、
該第1のシリンダと該第2のシリンダとの上のロック機構であって、互いに対する相対的な移動を制限することにより、それらが分離することを防止するロック機構と
をさらに備えている、請求項1に記載の板補綴。
【請求項14】
少なくとも一つのプレートの前記外側表面は、保持リングを含んでおり、該プレートの前記内側表面は、該保持リング内に収められている、請求項1に記載の板補綴。
【請求項15】
前記コアは、ポリマと、セラミックと、金属とからなるグループから選択される材料を含む、請求項1に記載の板補綴。
【請求項16】
前記金属は、コバルトクロムモリブデンと、チタンと、ステンレス鋼とからなるグループから選択される、請求項15に記載の板補綴。
【請求項17】
前記少なくとも一つの弾力のある材料は、前記コアの前記上側湾曲表面と前記下側湾曲表面との間にさらに配置されている、請求項1に記載の板補綴。
【請求項18】
前記弾力のある材料内に配置され、前記上側湾曲表面および前記下側湾曲表面に装着されている少なくとも一つの弾力のあるサポート部材をさらに備えている、請求項17に記載の板補綴。
【請求項19】
前記少なくとも一つの弾力のあるサポート部材は、複数のバネを備えている、請求項18に記載の板補綴。
【請求項20】
前記プレートの前記外側表面と前記内側表面とは、コバルトクロムモリブデンと、チタンと、ステンレス鋼とからなるグループから選択された少なくとも一つの金属を含む、請求項1に記載の板補綴。
【請求項21】
前記コアと、前記外側表面および前記内側表面とは、同じ金属を含む、請求項1に記載の板補綴。
【請求項22】
前記コア上での前記プレートのスライド移動の間に、該プレートのうちの少なくとも一つの湾曲表面に該コアを保持するために、前記上部プレートと、前記下部プレート、および該コアのうちの少なくとも一つの上に、拘束構造をさらに備えている、請求項1に記載の板補綴。
【請求項23】
前記拘束構造は、周縁の拘束構造を備えている、請求項22に記載の板補綴。
【請求項24】
前記拘束構造内の前記コアの移動は、拘束されていない、請求項23に記載の板補綴。
【請求項25】
前記上部プレートおよび前記下部プレートの前記外側表面は、前記椎骨への該外側表面の付着を高めるための少なくとも一つの表面特徴を有する、請求項1に記載の板補綴。
【請求項26】
前記少なくとも一つの表面特徴は、前記外側表面に沿って配置されている複数の鋸歯を含む、請求項25に記載の板補綴。
【請求項27】
前記少なくとも一つの表面特徴は、プラズマ溶射されたチタンの表面コーティングを含む、請求項25に記載の板補綴。
【請求項28】
前記少なくとも一つの表面特徴は、酸化アルミニウムブラスト処理によって形成された複数のくぼみを含む、請求項25に記載の板補綴。
【請求項29】
前記少なくとも一つの表面特徴は、前記外側表面のそれぞれの上に配置される少なくとも一つのフィンを含む、請求項25に記載の板補綴。
【請求項30】
上部湾曲表面および下部湾曲表面と、
該上部湾曲表面と該下部湾曲表面との間に配置されている少なくとも一つの弾力のある材料と
を備えている、コアと、
該コアの周りに配置された上部プレートおよび下部プレートであって、各プレートは、
椎骨に係合する外側表面と、
該コアの該湾曲表面のうちの一つの上をスライドするように形成されている内側の湾曲表面と
を備えている、上部プレートおよび下部プレートと
を備えている、板補綴。
【請求項31】
前記少なくとも一つの弾力のある材料は、ポリマを含む、請求項30に記載の板補綴。
【請求項32】
前記少なくとも一つの弾力のある材料は、ヒドロゲルを含む、請求項30に記載の板補綴。
【請求項33】
前記弾力のある材料内に配置され、前記上部湾曲表面および前記下部湾曲表面に装着されている少なくとも一つの弾力のあるサポート部材をさらに備えている、請求項30に記載の板補綴。
【請求項34】
前記少なくとも一つの弾力のあるサポート部材は、複数のバネを備えている、請求項33に記載の板補綴。
【請求項35】
前記コアの前記上部湾曲表面および前記下部湾曲表面は、ポリマと、セラミックと、金属とからなるグループから選択される材料を含む、請求項30に記載の板補綴。
【請求項36】
前記金属は、コバルトクロムモリブデンと、チタンと、ステンレス鋼とからなるグループから選択される、請求項35に記載の板補綴。
【請求項37】
前記弾力のある材料は、前記上部プレートおよび前記下部プレートのうちの少なくとも一つの前記外側表面および前記内側表面の間に、さらに配置されている、請求項30に記載の板補綴。
【請求項38】
前記弾力のある材料は、各プレートの前記外側表面と前記内側表面との間に配置される、請求項37に記載の板補綴。
【請求項39】
前記弾力のある材料内に配置され、各プレートの前記内側表面と前記外側表面との間に装着されている少なくとも一つの弾力のあるサポート部材をさらに備えている、請求項38に記載の板補綴。
【請求項40】
前記少なくとも一つの弾力のあるサポート部材は、複数のバネを備えている、請求項39に記載の板補綴。
【請求項41】
前記プレートの前記外側表面と前記内側表面とは、コバルトクロムモリブデンと、チタンと、ステンレス鋼とからなるグループから選択された少なくとも一つの金属を含む、請求項1に記載の板補綴。
【請求項42】
前記コアと、前記外側表面および前記内側表面とは、同じ金属を含む、請求項1に記載の板補綴。
【請求項43】
椎間板補綴の端板を作る方法であって、該方法は、
端板の外側表面を形成することであって、該外側表面は、椎骨に係合するように適合されている、ことと、
端板の内側湾曲表面を形成することであって、該内側湾曲表面は、該板補綴のコアの湾曲表面上をスライドするように適合されている、ことと、
該外側表面および該内側表面を、該二つの表面の間に配置される少なくとも一つの弾力のあるサポート部材に接続することと、
弾力のある材料を外側表面と内側表面との間に該弾力のあるサポート部材を囲むように配置することと
を包含する、方法。
【請求項44】
前記外側表面と前記内側表面とを接続することは、該二つの表面の間に複数のバネを装着することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記外側表面と前記内側表面との間に前記弾力のある材料を配置することは、該表面の間に該材料を注入することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記注入された材料は、ポリマを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記弾力のある材料は、前記内側の端板と外側の端板との間に形成される空洞に注入される、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記弾力のある材料は、前記内側の端板と前記外側の端板との間に配置された保持構造の中に注入される、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記外側表面と前記内側表面との間に、前記弾力のある材料を配置することは、該表面の間に固体の材料の一つ以上の層を配置することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
前記内側表面と前記外側表面との間に、前記弾力のある材料を保持するために、該弾力のある材料の周りにおいて、少なくとも一つの保持構造を該内側表面と該外側表面とに結合することをさらに包含する、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
椎間板補綴の端板を作る方法であって、該方法は、
端板の外側表面を形成することであって、該外側表面は、椎骨に係合するように適合されている、ことと、
端板の内側の湾曲表面を形成することであって、該内側の湾曲表面は、該板補綴のコアの湾曲表面上をスライドするように適合されている、ことと、
該外側表面と該内側表面との間に弾力のある材料を配置することと、
該外側表面に該内側表面に結合することによって、該外側表面と該内側表面との間に該弾力のある材料を捕らえることと、
を包含する、方法。
【請求項52】
椎間板補綴の端板を作る方法であって、該方法は、
端板の外側表面を形成することであって、外側表面は、椎骨に係合するように適合されており、該外側表面は、内側に面する保持リングを含んでいることと、
端板の内側湾曲表面を形成することであって、内側湾曲表面は、該板補綴のコアの湾曲表面上をスライドするように適合されている、ことと、
外側表面内に弾力のある材料を配置することと、
該二つの表面の間に該弾力のある材料を含むように、該外側表面の保持リング内に該内側表面を配置することと、
該保持リング内に内側表面を保持するために、該外側表面の少なくとも一部分を収縮させることと
を包含する、方法。
【請求項53】
前記外側表面を収縮させることは、該外側表面を冷却することを可能にすることを含み、前記方法は、前記内側湾曲表面を前記保持リング内に配置する前に、該外側表面を加熱することをさらに包含する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記外側表面と前記内側表面とを一つ以上の弾力のあるサポート部材に結合することをさらに包含する、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記弾力のあるサポート部材は、バネを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記弾力のあるサポート部材は、一方のシリンダが他方のシリンダの中を移動するような大きさにされている二つのシリンダを含む、請求項54に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−529592(P2008−529592A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554126(P2007−554126)
【出願日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/002263
【国際公開番号】WO2006/083599
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(505284817)スパイナルモーション, インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】