説明

衝撃吸収機能付センサおよび介護システム

【課題】保護対象者の状態を検出可能であり、保護対象者が受ける衝撃を吸収可能な衝撃吸収機能付センサを提供することを課題とする。
【解決手段】衝撃吸収機能付センサ1は、転倒または転落の際に保護対象者Mが受ける衝撃を吸収する高減衰層5と、高減衰層5の表側に配置され、エラストマーまたは伸縮性を有する布を含む柔軟なセンサ膜20と、センサ膜20の少なくとも一部を介して配置される複数の電極01X〜24X、01Y〜18Yと、複数の電極01X〜24X、01Y〜18Yの配置に対応して設定される複数の検出部A0101〜A2418と、を有し、検出部A0101〜A2418に対応する電気量を電極01X〜24X、01Y〜18Yから出力するセンサ本体2と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ベッドサイドの床面に敷設される衝撃吸収機能付センサ、および当該衝撃吸収機能付センサを用いた介護システムに関する。
【背景技術】
【0002】
病室のベッドサイドや、高齢者介護施設の宿泊室のベッドサイドには、衝撃吸収用のマットが敷設される場合がある。マットを配置すると、入院患者や高齢者などの保護対象者がベッドから転落、転倒した際に、衝撃を吸収することができる。このため、保護対象者が怪我するのを抑制することができる。
【0003】
特許文献1には、離床監視システムが開示されている。同文献記載の離床監視システムは、圧力センサとマットとカメラとを備えている。マットは、ベッドサイドの床面に敷設されている。圧力センサは、マットに内包されている。カメラは、ベッド周りが撮像可能に配置されている。
【0004】
ベッドから離れる際、患者はベッドサイドのマットを踏む。この踏力を圧力センサが検出する。カメラは、圧力センサに連動している。このため、圧力センサが踏力を検出すると、カメラが作動する。カメラの映像は、ナースステーションのモニタに伝送される。このため、カメラの映像から、看護師は、患者の状態(例えば、床に倒れている、ベッドサイドに立っているなど)を観察することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−288932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したように、本来、マットは、転落、転倒した際に、保護対象者が受ける衝撃を吸収するためのものである。マットに圧力センサを内包すると、圧力センサの硬さ、位置によっては、保護対象者が受ける衝撃が大きくなるおそれがある。すなわち、圧力センサが、マットの衝撃吸収機能を阻害するおそれがある。なお、特許文献1には、圧力センサの硬さ、位置に関する記載はない。
【0007】
本発明の衝撃吸収機能付センサおよび介護システムは、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、保護対象者の状態を検出可能であり、保護対象者が受ける衝撃を吸収可能な衝撃吸収機能付センサおよび介護システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明の衝撃吸収機能付センサは、転倒または転落の際に保護対象者が受ける衝撃を吸収する高減衰層と、該高減衰層の表側に配置され、エラストマーまたは伸縮性を有する布を含む柔軟なセンサ膜と、該センサ膜の少なくとも一部を介して配置される複数の電極と、複数の該電極の配置に対応して設定される複数の検出部と、を有し、該検出部に対応する電気量を該電極から出力するセンサ本体と、を備えることを特徴とする(請求項1に対応)。
【0009】
本発明の衝撃吸収機能付センサは、高減衰層を備えている。このため、保護対象者が受ける衝撃の少なくとも一部を吸収することができる。また、転倒または転落した保護対象者が、衝撃吸収機能付センサで跳ね返るのを抑制することができる。また、転倒または転落の際の衝撃から、保護対象者のみならず、センサ本体も保護することができる。
【0010】
また、本発明の衝撃吸収機能付センサは、高減衰層の表側(保護対象者に近い側)に、センサ本体を備えている。このため、高減衰層の裏側や内側にセンサ本体がある場合と比較して、転倒または転落の検出精度が高い。
【0011】
また、センサ本体のセンサ膜は、柔軟である。このため、転倒または転落の際に、高減衰層の表面形状の変形に追随して、センサ膜は変形しやすい。したがって、電極から出力される電気量が変化しやすい。この点においても、本発明の衝撃吸収機能付センサは、転倒または転落の検出精度が高い。
【0012】
また、センサ本体のセンサ膜が柔軟であるため、高減衰層の表側にセンサ本体が配置されているにもかかわらず、転倒または転落の際にセンサ膜が保護対象者に及ぼす影響が小さい。また、センサ本体は、複数の検出部を備えている。このため、複数の検出部の検出状態から、保護対象者の状態を検出することができる。
【0013】
このように、本発明の衝撃吸収機能付センサによると、高い検出精度と衝撃吸収機能とを両立することができる。
【0014】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、さらに、前記センサ本体の表面を覆い、転倒または転落の際に前記保護対象者が接触する布製のカバー層を備える構成とする方がよい(請求項2に対応)。本構成によると、センサ本体が外部に露出している場合と比較して、見栄えがよい。また、塵埃などからセンサ本体を保護することができる。
【0015】
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記センサ膜は、前記エラストマーまたは伸縮性を有する前記布製であり、複数の前記電極は、該センサ膜の表裏方向両側に配置され、前記検出部は、表側の該電極と裏側の該電極とが表裏方向から見て交差することにより形成される構成とする方がよい(請求項3に対応)。
【0016】
つまり、本構成は、静電容量型のセンサ本体を用いるものである。一般に、一対の電極間に誘電層が介装されてなる静電容量型センサの静電容量(キャパシタンス)は、次式(1)により求めることができる。
C=εεS/d・・・(1)
(C:静電容量、ε:真空中の誘電率、ε:誘電層の比誘電率、S:電極面積、d:電極間距離)
例えば、転倒または転落の衝撃によりセンサ膜(誘電層)が表裏方向に圧縮されると、上記式(1)より、センサ膜の厚さ、すなわち電極間距離dが小さくなる。このため、電極間の静電容量Cは大きくなる。本構成によると、当該静電容量の増加から、転倒または転落を検出することができる。
【0017】
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記高減衰層は、オイル成分が配合された熱可塑性エラストマー製である構成とする方がよい(請求項4に対応)。
【0018】
本構成によると、転倒または転落した保護対象者が、衝撃吸収機能付センサで跳ね返るのを抑制することができる。また、転倒または転落の衝撃から保護対象者、センサ本体を保護することができる。
【0019】
(5)上記課題を解決するため、本発明の介護システムは、床面に配置される上記(1)ないし(4)のいずれかの衝撃吸収機能付センサと、該衝撃吸収機能付センサに近接して配置されるベッドの縁部に配置され、保護対象者の体圧を検出する体圧センサと、を備えることを特徴とする(請求項5に対応)。本構成によると、床面の衝撃吸収機能付センサと、ベッドの体圧センサと、を併用することにより、精度よく、保護対象者の状態を判別することができる。
【0020】
(6)好ましくは、上記(5)の構成において、前記体圧センサは、前記衝撃吸収機能付センサである構成とする方がよい(請求項6に対応)。本構成によると、体圧センサの構造は、衝撃吸収機能付センサの構造と同様である。すなわち、体圧センサのセンサ本体は柔軟である。また、体圧センサは、高減衰層を備えている。このため、体圧センサをベッドに配置しても、保護対象者の寝心地が悪化しにくい。
【0021】
(7)好ましくは、上記(1)の構成において、前記センサ膜は、導電性フィラーを含み、該センサ膜の面方向に延在すると共に、互いに交差する座標系をX方向およびY方向として、複数の前記電極は、該X方向に対向して少なくとも一対、該Y方向に対向して少なくとも一対、各々配置され、前記検出部は、該X方向に対向する一対の該電極同士を結ぶX方向検出線と、該Y方向に対向する一対の該電極同士を結ぶY方向検出線と、が表裏方向から見て交差することにより形成される構成とする方がよい。
【0022】
つまり、本構成は、抵抗変化型(抵抗増加型、抵抗減少型)のセンサ本体を用いるものである。転倒または転落の衝撃によりセンサ膜が変形すると、導電性フィラーの連鎖状態が変化する。このため、X方向あるいはY方向に対向する一対の電極間の電気抵抗が変化する。本構成によると、当該電気抵抗の変化から、転倒または転落を検出することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、保護対象者の状態を検出可能であり、保護対象者が受ける衝撃を吸収可能な衝撃吸収機能付センサおよび介護システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第一実施形態の衝撃吸収機能付センサの斜視図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】センサ本体の上面図である。
【図4】図3のIV−IV方向断面図である。
【図5】同衝撃吸収機能付センサの透過上面図である。
【図6】第二実施形態の衝撃吸収機能付センサのセンサ本体の上面図である。
【図7】第三実施形態の介護システムの透過上面図である。
【図8】その他の実施形態の衝撃吸収機能付センサの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の衝撃吸収機能付センサおよび介護システムの実施の形態について説明する。
【0026】
<第一実施形態>
[衝撃吸収機能付センサの構成]
まず、本実施形態の衝撃吸収機能付センサの構成について説明する。図1に、本実施形態の衝撃吸収機能付センサの斜視図を示す。図1に示すように、衝撃吸収機能付センサ1は、ベッド90の横の床面91に敷設されている。図2に、図1のII−II断面図を示す。図2に示すように、本実施形態の衝撃吸収機能付センサ1は、センサ本体2と、演算部と、カバー層4と、高減衰層5と、を備えている。
【0027】
(カバー層4)
カバー層4は、柔軟な布製であって、長方形の袋状を呈している。カバー層4は、衝撃吸収機能付センサ1の最外層を形成している。後述するセンサ本体2、高減衰層5、演算部は、カバー層4の内部に収容されている。
【0028】
(高減衰層5)
高減衰層5は、カバー層4の内部に収容されている。高減衰層5は、シート状を呈している。高減衰層5は、スチレン系熱可塑性エラストマー((株)クラレ製「セプトン(登録商標)4077」)に、パラフィン系プロセスオイルを配合したゲルエラストマーからなる。スチレン系熱可塑性エラストマーは、本発明の熱可塑性エラストマーに含まれる。パラフィン系プロセスオイルは、本発明のオイル成分に含まれる。
【0029】
ゲルエラストマー全体の質量を100質量%とすると、スチレン系熱可塑性エラストマーの含有割合は10質量%、パラフィン系プロセスオイルの含有割合は90質量%である。ゲルエラストマーのちょう度は、62である。ちょう度は、JIS K2220に規定されている固形ちょう度試験に準じて測定された値である(1/4円錐使用)。ちょう度は、円錐の進入深さ(mm)を10倍した値で示される。
【0030】
(センサ本体2)
センサ本体2は、カバー層4の内部に収容されている。また、センサ本体2は、高減衰層5の上面に固定されている。図3に、センサ本体の上面図を示す。なお、裏側電極、裏側配線を細線で示す。また、検出部にハッチングを施して示す。図4に、図3のIV−IV方向断面図を示す。なお、センサ本体2の上下方向厚さを強調して示す。
【0031】
図3、図4に示すように、センサ本体2は、誘電層20と、表側電極01X〜24Xと、裏側電極01Y〜18Yと、検出部A0101〜A2418と、表側配線01x〜24xと、裏側配線01y〜18yと、表側絶縁被覆層21と、裏側絶縁被覆層22と、表側配線用コネクタ23と、裏側配線用コネクタ24と、を備えている。
【0032】
誘電層20は、本発明のセンサ膜に含まれる。表側電極01X〜24X、裏側電極01Y〜18Yは、本発明の電極に含まれる。検出部の符号「A○○△△」中、上二桁の「○○」は、表側電極01X〜24Xに対応している。下二桁の「△△」は、裏側電極01Y〜18Yに対応している。
【0033】
誘電層20は、ウレタンフォーム製であって、シート状を呈している。表側電極01X〜24Xは、誘電層20の上面に、合計24本配置されている。表側電極01X〜24Xは、各々、アクリルゴムと、導電性カーボンブラックと、を含んで形成されている。表側電極01X〜24Xは、各々、帯状を呈している。表側電極01X〜24Xは、各々、左右方向に延在している。表側電極01X〜24Xは、前後方向に、所定間隔ごとに離間して、互いに略平行になるように、配置されている。
【0034】
表側配線01x〜24xは、誘電層20の上面に、合計24本配置されている。表側配線01x〜24xは、各々、アクリルゴムと、銀粉と、を含んで形成されている。表側配線01x〜24xは、各々、線状を呈している。表側配線用コネクタ23は、誘電層20の左前隅に配置されている。表側配線01x〜24xは、各々、表側電極01X〜24Xと、表側配線用コネクタ23と、を接続している。
【0035】
表側絶縁被覆層21は、誘電層20の上方に配置されている。表側絶縁被覆層21は、アクリルゴムを含んで形成されている。表側絶縁被覆層21は、シート状を呈している。表側絶縁被覆層21は、誘電層20、表側電極01X〜24X、表側配線01x〜24xを、上方から覆っている。
【0036】
裏側電極01Y〜18Yは、誘電層20の下面に、合計18本配置されている。裏側電極01Y〜18Yは、各々、アクリルゴムと、導電性カーボンブラックと、を含んで形成されている。裏側電極01Y〜18Yは、各々、帯状を呈している。裏側電極01Y〜18Yは、各々、前後方向に延在している。裏側電極01Y〜18Yは、左右方向に、所定間隔ごとに離間して、互いに略平行になるように、配置されている。
【0037】
裏側配線01y〜18yは、誘電層20の下面に、合計18本配置されている。裏側配線01y〜18yは、各々、アクリルゴムと、銀粉と、を含んで形成されている。裏側配線01y〜18yは、各々、線状を呈している。裏側配線用コネクタ24は、誘電層20の左後隅に配置されている。裏側配線01y〜18yは、各々、裏側電極01Y〜18Yと、裏側配線用コネクタ24と、を接続している。
【0038】
裏側絶縁被覆層22は、誘電層20の下方に配置されている。裏側絶縁被覆層22は、アクリルゴムを含んで形成されている。裏側絶縁被覆層22は、シート状を呈している。裏側絶縁被覆層22は、誘電層20、裏側電極01Y〜18Y、裏側配線01y〜18yを、下方から覆っている。
【0039】
検出部A0101〜A2418は、図3にハッチングで示すように、表側電極01X〜24Xと、裏側電極01Y〜18Yと、が上下方向に交差する部分(重複する部分)に配置されている。検出部A0101〜A2418は、合計432個(=24個×18個)配置されている。検出部A0101〜A2418は、センサ本体2の略全面に亘って、略等間隔に配置されている。検出部A0101〜A2418は、各々、表側電極01X〜24Xの一部と、裏側電極01Y〜18Yの一部と、誘電層20の一部と、を備えている。
【0040】
(演算部3)
演算部3は、電源回路30と、CPU(Central Processing Unit)31と、RAM(Random Access Memory)32と、ROM(Read Only Memory)33と、を備えている。演算部3は、表側配線用コネクタ23、裏側配線用コネクタ24に、電気的に接続されている。
【0041】
電源回路30は、検出部A0101〜A2418に、順番に走査的に電圧を印加する。ROM33には、予め、保護対象者Mの足裏の面積に相当する検出部A0101〜A2418の個数(=保護対象者Mが着地した際に押圧可能な検出部A0101〜A2418の最大数)が、しきい値として格納されている。RAM32には、表側配線用コネクタ23、裏側配線用コネクタ24から入力される電気量(例えば電気抵抗)が、一時的に格納される。CPU31は、RAM32に格納された電気量を基に、保護対象者Mが自らの意思でベッド90から降りたのか、それとも保護対象者Mがベッド90から転落したのか、を判別する。判別の結果は、ナースステーション(図略)に伝送される。
【0042】
[衝撃吸収機能付センサの動き]
次に、衝撃吸収機能付センサ1の動きについて説明する。図5に、本実施形態の衝撃吸収機能付センサの透過上面図を示す。なお、検出部A0101〜A2418を点で示す。
【0043】
ベッド90から保護対象者Mが転落すると、多数の検出部A0101〜A2418に対応する部分(以下、適宜、「転落部分」と称す。)が沈み込む。この際、転落部分の誘電層20が圧縮される。このため、前出の式(1)に示すように、転落部分の電極間距離が短くなる。
【0044】
保護対象者M転落の衝撃は、柔軟なセンサ本体2を介して、高減衰層5に伝達される。保護対象者Mの運動エネルギは、高減衰層5の変形エネルギや熱エネルギや音エネルギなどに変換される。このため、転落の衝撃が緩和される。
【0045】
一方、演算部3は、あたかも走査するように、表側電極01X〜24Xと、裏側電極01Y〜18Yと、に順番に電圧を印加している。すなわち、表側電極01X〜24Xと、裏側電極01Y〜18Yと、の交差部分である、全432個の検出部A0101〜A2418に、順番に電圧を印加している。
【0046】
演算部3は、保護対象者Mの転落により変形した検出部A0101〜A2418の個数を算出する。ここで、保護対象者Mがベッド90から衝撃吸収機能付センサ1に転落した場合は、図5にハッチングで示すように、多数の検出部A0101〜A2418が変形する。これに対して、保護対象者Mの足裏が衝撃吸収機能付センサ1に着地した場合は、図5にハッチングで示すように、最大で8個の検出部A0101〜A2418が変形する。このため、8個超過(=9個以上)の検出部A0101〜A2418が変形した場合、演算部3は、保護対象者Mが転落したと判断する。演算部3は、判断結果をナースステーションに伝送する。保護対象者Mが転落した場合は、ナースステーションのモニタに警告が表示される。
【0047】
[作用効果]
次に、本実施形態の衝撃吸収機能付センサ1の作用効果について説明する。本実施形態の衝撃吸収機能付センサ1は、高減衰層5を備えている。このため、保護対象者Mが転落する際の衝撃を緩和することができる。また、保護対象者Mが衝撃吸収機能付センサ1に跳ね返って床面91に放り出されるのを抑制することができる。また、衝撃からセンサ本体2を保護することができる。
【0048】
また、本実施形態の衝撃吸収機能付センサ1は、高減衰層5の上側(保護対象者Mに近い側)に、センサ本体2を備えている。このため、高減衰層5の下側や内側にセンサ本体2がある場合と比較して、転落の検出精度が高い。
【0049】
また、センサ本体2は柔軟である。すなわち、誘電層20、表側電極01X〜24X、裏側電極01Y〜18Y、表側配線01x〜24x、裏側配線01y〜18y、表側絶縁被覆層21、裏側絶縁被覆層22は柔軟である。このため、転落の際に、高減衰層5の上面形状の変形に追随して、センサ本体2は変形しやすい。したがって、表側電極01X〜24X、裏側電極01Y〜18Yから出力される電気量が変化しやすい。この点においても、本実施形態の衝撃吸収機能付センサ1は、転落の検出精度が高い。
【0050】
また、センサ本体2が柔軟であるため、高減衰層5の上側にセンサ本体2が配置されているにもかかわらず、転落の際にセンサ本体2が保護対象者Mに及ぼす影響が小さい。また、センサ本体2は、全432個の検出部A0101〜A2418を備えている。このため、検出部A0101〜A2418の検出状態から、保護対象者Mが転落したか、それとも足裏着地したかを、確実に判別することができる。
【0051】
また、本実施形態の衝撃吸収機能付センサ1は、布製のカバー層4を備えている。このため、センサ本体2が外部に露出している場合と比較して、見栄えがよい。また、塵埃などからセンサ本体2を保護することができる。また、本実施形態の衝撃吸収機能付センサ1は、静電容量型のセンサ本体2を備えている。このため、静電容量の増加から、保護対象者Mの転落を検出することができる。
【0052】
また、本実施形態の衝撃吸収機能付センサ1によると、高減衰層5は、スチレン系熱可塑性エラストマー((株)クラレ製「セプトン(登録商標)4077」)に、パラフィン系プロセスオイルを配合したゲルエラストマー製である。このため、保護対象者Mの跳ね返りを抑制することができる。また、転落の衝撃から保護対象者M、センサ本体2を保護することができる。
【0053】
<第二実施形態>
本実施形態の衝撃吸収機能付センサと第一実施形態の衝撃吸収機能付センサとの相違点は、静電容量型のセンサ本体の代わりに抵抗増加型のセンサ本体が用いられている点である。ここでは、主に相違点について説明する。
【0054】
図6に、本実施形態の衝撃吸収機能付センサのセンサ本体の上面図を示す。なお、図3と対応する部位については同じ符号で示す。また、配線を省略して示す。図6に示すように、センサ本体6は、センサ膜60と、基層61と、コネクタ62と、左側電極01XL〜24XLと、右側電極01XR〜24XRと、前側電極01Yf〜18Yfと、後側電極01Yr〜18Yrと、検出部A0101〜A2418と、を備えている。左側電極01XL〜24XL、右側電極01XR〜24XR、前側電極01Yf〜18Yf、後側電極01Yr〜18Yrは、本発明の電極に含まれる。
【0055】
基層61は、エラストマー製であって、シート状を呈している。基層61は、弾性変形可能である。センサ膜60は、基層61の上面に配置されている。センサ膜60は、導電性フィラーが配合されたエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)製であって、シート状を呈している。センサ膜60における導電性フィラーの含有割合は、センサ膜60の体積を100vol%とした場合の約45vol%である。保護対象者が接触していない状態(無荷重状態)において、センサ膜60は、高い導電性を有する。一方、荷重が加わりセンサ膜60が変形すると、導電性フィラー同士の接触状態が変化する。これにより、三次元的な導電パスが崩壊し、センサ膜60の電気抵抗は増加する。つまり、センサ膜60の電気抵抗は、弾性変形量が増加するのに従って増加する。コネクタ62は、正方形板状を呈している。コネクタ62は、基層61の上面の左後隅に配置されている。
【0056】
左側電極01XL〜24XLは、センサ膜60の左辺に、所定間隔ずつ離間して並んでいる。右側電極01XR〜24XRは、センサ膜60の右辺に、所定間隔ずつ離間して並んでいる。左側電極01XL〜24XLと右側電極01XR〜24XRとは、図6に一点鎖線で示すように、各々、左右方向に対向している。
【0057】
前側電極01Yf〜18Yfは、センサ膜60の前辺に、所定間隔ずつ離間して並んでいる。後側電極01Yr〜18Yrは、センサ膜60の後辺に、所定間隔ずつ離間して並んでいる。前側電極01Yf〜18Yfと後側電極01Yr〜18Yrとは、図6に一点鎖線で示すように、各々、前後方向に対向している。検出部A0101〜A2418は、これら一点鎖線の交点に設定されている。
【0058】
左側電極01XL〜24XL、右側電極01XR〜24XR、前側電極01Yf〜18Yf、後側電極01Yr〜18Yrと、コネクタ62とは、各々、配線により接続されている。
【0059】
左右方向に対向する24個の電極対(例えば、左側電極01XLと右側電極01XR)には、走査的に電圧が印加される。同様に、前後方向に対向する18個の電極対(例えば、前側電極01Yfと後側電極01Yr)には、走査的に電圧が印加される。
【0060】
衝撃吸収機能付センサ1に保護対象者が転落すると、転落部分が沈み込む。このため、転落部分のセンサ膜60が変形する。したがって、転落部分の電気抵抗が増加する。当該電気抵抗の増加から、転落部分に保護対象者が転落したことが検出できる。
【0061】
本実施形態の衝撃吸収機能付センサ1は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態の衝撃吸収機能付センサと同様の作用効果を有する。また、本実施形態の衝撃吸収機能付センサ1によると、センサ膜60の電気抵抗の変化から保護対象者の転落を検出することができる。
【0062】
また、本実施形態の衝撃吸収機能付センサ1の左側電極01XL〜24XL、右側電極01XR〜24XR、前側電極01Yf〜18Yf、後側電極01Yr〜18Yr、配線(図略)は、エラストマーを含んでいる。このため、伸縮性が高い。したがって、センサ膜60の変形を規制しにくい。また、保護対象者に及ぼす影響が小さい。
【0063】
<第三実施形態>
本実施形態の介護システムは、第一実施形態の衝撃吸収機能付センサと、当該衝撃吸収機能付センサと同様の構成を有する体圧センサと、を備えている。ここでは、主に相違点について説明する。
【0064】
図7に、本実施形態の介護システムの透過上面図を示す。なお、図5と対応する部位については、同じ符号で示す。図7に示すように、本実施形態の介護システム7は、衝撃吸収機能付センサ1と、体圧センサ70と、を備えている。体圧センサ70は、ベッド90の縁部900に敷設されている。上方から見て、体圧センサ70と衝撃吸収機能付センサ1とは、左右方向に並んで配置されている。体圧センサ70の構造は、衝撃吸収機能付センサ1の構造と同様である。体圧センサ70には、全面的に、検出部B0101〜B2405(符号中の数字の付け方は、検出部A0101〜A2418と同様)が配置されている。演算部は、検出部B0101〜B2405の個数を算出する。
【0065】
保護対象者Mがベッド90の縁部900に寝ている場合は、体全体により、全120個のうち約80個の検出部B0101〜B2405が変形する。一方、床面91の衝撃吸収機能付センサ1の検出部A0101〜A2418は変形しない。
【0066】
これに対して、保護対象者Mがベッド90の縁部900に腰掛けた場合は、臀部により、約22個の検出部B0101〜B2405が変形する。並びに、足裏により、約8個の検出部A0101〜A2418が変形する。
【0067】
このため、ベッド用しきい値(例えば検出部数30個)以上の検出部B0101〜B2405が変形した場合であって、検出部A0101〜A2418が変形しない場合、制御部は、保護対象者Mが縁部900に寝ていると判別する。
【0068】
また、ベッド用しきい値未満の検出部B0101〜B2405が変形した場合であって、床用しきい値(例えば検出部数10個)未満の検出部A0101〜A2418が変形した場合、制御部は、保護対象者Mが縁部900に腰掛けていると判別する。
【0069】
また、時刻T1においては、ベッド用しきい値以上の検出部B0101〜B2405が変形し、かつ検出部A0101〜A2418が変形しない状態にあり、時刻T2(例えば時刻T1の1秒後)においては、検出部B0101〜B2405が変形せず、かつ床用しきい値以上の検出部A0101〜A2418が変形した状態にある場合、制御部は、縁部900に寝ていた保護対象者Mが、床面91に転落したと判別する。
【0070】
本実施形態の介護システム7の衝撃吸収機能付センサ1、体圧センサ70は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態の衝撃吸収機能付センサと同様の作用効果を有する。また、本実施形態の介護システム7によると、衝撃吸収機能付センサ1と体圧センサ70とを併用することにより、精度よく、保護対象者Mの状態(伏臥、横臥、仰臥、腰掛け、転落、徘徊など)を判別することができる。
【0071】
また、体圧センサ70の構造は、衝撃吸収機能付センサ1の構造と同様である。すなわち、体圧センサ70のセンサ本体は柔軟である。また、体圧センサは、高減衰層を備えている。このため、体圧センサ70をベッド90のマットレスの上に積層させても、保護対象者Mの寝心地が悪化しにくい。
【0072】
<その他>
以上、本発明の衝撃吸収機能付センサおよび介護システムの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0073】
図8に、その他の実施形態の衝撃吸収機能付センサの斜視図を示す。なお、図1と対応する部位については同じ符号で示す。図8に示すように、合計三つの衝撃吸収機能付センサ1a〜1cを、ベッド90の横に配置してもよい。こうすると、保護対象者Mの体格やベッド90の大きさに応じて、衝撃吸収機能付センサ1a〜1cの配置数を増減することができる。また、ベッド90に車椅子を横付けする際、邪魔な衝撃吸収機能付センサ1a〜1cだけを取り除くことができる。勿論、衝撃吸収機能付センサ1a〜1cの配置数は、三つ以外であってもよい。
【0074】
また、上記実施形態においては、図3に示すように、演算部3をセンサ本体2つまりベッド90の近くに配置したが、例えばナースステーションなど、ベッド90から離れた所に配置してもよい。
【0075】
また、第一、第二実施形態においては、保護対象者Mの足裏の面積に相当する検出部A0101〜A2418の個数(=8個)を、転落と足裏着地とを判別するためのしきい値とした。しかしながら、図5に細線ハッチングで示すように、着地位置の8個の検出部A0101〜A2418に追随して着地位置周囲の28個の検出部A0101〜A2418が変形することを考慮して、検出部A0101〜A2418数36個をしきい値としてもよい。
【0076】
また、第一、第二実施形態においては、保護対象者Mの足裏の面積に相当する検出部A0101〜A2418の個数を、転落と足裏着地とを判別するためのしきい値とした。しかしながら、荷重が入力される検出部A0101〜A2418の分布(転落の方が足裏着地よりも分布が広い)をしきい値としてもよい。また、単一の検出部A0101〜A2418に入力される荷重値(転落の方が足裏着地よりも検出部A0101〜A2418一つあたりの荷重値が小さい)をしきい値としてもよい。また、荷重が入力される検出部A0101〜A2418の分布の時系列的変化(例えば、転落後に意識を失う場合や足裏着地後に歩行する場合を考慮すると、転落の方が足裏着地よりも分布の時系列的変化が小さい。)をしきい値としてもよい。
【0077】
また、これらのパラメータから、保護対象者Mの徘徊を検出してもよい。一例として、荷重が入力される検出部A0101〜A2418の分布の時系列的変化を見れば、保護対象者Mがベッド90から離れるのに従って、分布もベッド90から離れ、やがては荷重の入力が無くなる(=保護対象者Mが衝撃吸収機能付センサ1から降りる)ので、保護対象者Mの徘徊を検出することができる。
【0078】
また、これらのパラメータから、保護対象者Mの起立と腰掛けとを判別してもよい。一例として、検出部A0101〜A2418の入力される荷重の合計値と、保護対象者Mの体重と、を比較すれば、保護対象者Mがベッド90の横で起立しているのか、それともベッド90に腰掛けているのかを判別することができる。
【0079】
また、電極、配線の配置方法は特に限定しない。好ましくは印刷法、さらに好ましくはスクリーン印刷法により配置する方がよい。その理由は、電極、配線を密に配置しやすいからである。例えば、スクリーン印刷法の場合、電極、配線の配置に対応したパターン印刷孔を有するスクリーンマスクを使用することで、簡単に、精度よく、電極、配線を配置することができる。
【0080】
また、第一実施形態、第三実施形態の誘電層20、第二実施形態のセンサ膜60に用いるエラストマーの種類は、特に限定しない。誘電層20の場合、静電容量を大きくするという観点から、比誘電率が大きいエラストマーを用いることが望ましい。エラストマーとしては、例えば、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のソリッドゴムやこれらの発泡体、およびウレタンフォーム等が好適である。また、センサ膜60の場合、導電性フィラーとの相溶性等を考慮して、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム等が好適である。また、センサ膜60の電気抵抗は変形量が増加するのに従って増加したが、変形量が増加するのに従って電気抵抗が減少するセンサ膜を使用してもよい。また、センサ膜60の電気抵抗の挙動については、エラストマーの種類、導電性フィラーの種類および配合量等により、調整することができる。
【0081】
また、第一実施形態、第三実施形態の誘電層20に、伸縮性を有する布を用いてもよい。布の材料としては、天然繊維、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース系繊維、ポリウレタン等が挙げられる。布は、織布、不織布、編物のいずれでもよい。誘電層20に布を用いる場合、衝撃が加わると、布を構成する繊維間の隙間が潰されて、布の厚さは小さくなる。このため、誘電層20の厚さが小さくなる。したがって、電極間距離が小さくなる。その結果、静電容量が大きくなり、転倒あるいは転落が検出される。誘電層20に布を用いると、伸縮柔軟性に優れた薄いセンサ本体2を、比較的低コストに作製することができる。また、布を構成する繊維間には隙間がある。このため、小さな荷重で押圧された場合でも、隙間が潰れることにより、布の厚さは変化しやすい。したがって、高い検出感度を有し、応答性に優れる。
【0082】
また、上記実施形態においては、高減衰層5を、スチレン系熱可塑性エラストマー((株)クラレ製「セプトン(登録商標)4077」)に、パラフィン系プロセスオイルを配合したゲルエラストマー製とした。ここで、オイル成分が配合された熱可塑性エラストマーとしては、全体質量を100質量%とした場合に、オイル成分が70質量%以上含有されているものが望ましい。熱可塑性エラストマーとしては、A−B−Aの三部構造を有するものが望ましい。ここで、Aは剛直性ポリマー(ポリスチレン、官能基ポリマー等)、Bはエラストマー性ポリマー(ポリブチレン、ポリエチレン、ポリ(エチレン/プロピレン)、ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)、水素化ポリ(イソプレン、ブタジエン、イソプレン−ブタジエン)、ポリ(エチレン/ブチレン+エチレン/プロピレン))である。なかでも、超高分子のポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)−ポリスチレン構造をもつものが好適である。また、オイル成分としては、パラフィン性白ミネラルオイル、パラフィン、イソパラフィン、ナフテンオイル、ポリブチレン、ポリプロピレン、ポリテルペン、ポリ−β−ピネン、水素化ポリブタン、ポリブタン(ポリブタンポリマーの一端にエポキシド基を有する)等が挙げられる。また、高減衰層5として、低反発ウレタンを用いてもよい。
【0083】
また、第一実施形態、第三実施形態の表側電極01X〜24X、裏側電極01Y〜18Y、表側配線01x〜24x、裏側配線01y〜18y、第二実施形態の左側電極01XL〜24XL、右側電極01XR〜24XR、前側電極01Yf〜18Yf、後側電極01Yr〜18Yr、配線(図略)は、エラストマーを含んでいる。しかしながら、これらの電極、配線を、金属材料で形成してもよい。また、電極の形状、大きさ、配置数、配置場所については、特に限定しない。また、検出部A0101〜A2418、検出部B0101〜B2405の形状、大きさ、配置数、配置場所についても、特に限定しない。電極の形状、大きさ、配置数、配置場所を変えることにより、検出部A0101〜A2418、検出部B0101〜B2405の形状、大きさ、配置数、配置場所を変えることができる。
【0084】
また、第三実施形態においては、体圧センサ70の構造を、第一実施形態の衝撃吸収機能付センサ1の構造と一致させたが、第二実施形態の衝撃吸収機能付センサ1の構造と一致させてもよい。また、体圧センサ70として、一般的な静電容量型センサ、抵抗増加型センサ、抵抗減少型センサを用いてもよい。また、体圧センサ70は、保護対象者Mの寝心地を考慮すると、柔軟な方が好ましい。
【0085】
また、上記実施形態においては、保護対象者Mの転落を検出するために本発明の衝撃吸収機能付センサを用いたが、保護対象者Mの転倒を検出するために用いてもよい。特に、本発明の衝撃吸収機能付センサは、例えば寝たきりの人、骨粗鬆症の人、老人など、保護対象者の体が弱っている場合に好適である。その理由は、転倒あるいは転落の衝撃が、高減衰層により吸収されるからである。また、保護対象者が衝撃吸収機能付センサに跳ね返って床面などに放り出されるおそれが小さいからである。また、センサ本体自体が柔軟であるため、保護対象者に及ぼす影響が小さいからである。
【符号の説明】
【0086】
1:衝撃吸収機能付センサ、1a〜1c:衝撃吸収機能付センサ、2:センサ本体、3:演算部、4:カバー層、5:高減衰層、6:センサ本体、7:介護システム。
20:誘電層(センサ膜)、21:表側絶縁被覆層、22:裏側絶縁被覆層、23:表側配線用コネクタ、24:裏側配線用コネクタ、30:電源回路、60:センサ膜、61:基層、62:コネクタ、70:体圧センサ、90:ベッド、91:床面。
900:縁部。
01X〜24X:表側電極(電極)、01Y〜18Y:裏側電極(電極)、01XL〜24XL:左側電極(電極)、01XR〜24XR:右側電極(電極)、01Yf〜18Yf:前側電極(電極)、01Yr〜18Yr:後側電極(電極)、01x〜24x:表側配線、01y〜18y:裏側配線、A0101〜A2418:検出部、B0101〜B2405:検出部、M:保護対象者。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転倒または転落の際に保護対象者が受ける衝撃を吸収する高減衰層と、
該高減衰層の表側に配置され、エラストマーまたは伸縮性を有する布を含む柔軟なセンサ膜と、該センサ膜の少なくとも一部を介して配置される複数の電極と、複数の該電極の配置に対応して設定される複数の検出部と、を有し、該検出部に対応する電気量を該電極から出力するセンサ本体と、
を備える衝撃吸収機能付センサ。
【請求項2】
さらに、前記センサ本体の表面を覆い、転倒または転落の際に前記保護対象者が接触する布製のカバー層を備える請求項1に記載の衝撃吸収機能付センサ。
【請求項3】
前記センサ膜は、前記エラストマーまたは伸縮性を有する前記布製であり、
複数の前記電極は、該センサ膜の表裏方向両側に配置され、
前記検出部は、表側の該電極と裏側の該電極とが表裏方向から見て交差することにより形成される請求項1または請求項2に記載の衝撃吸収機能付センサ。
【請求項4】
前記高減衰層は、オイル成分が配合された熱可塑性エラストマー製である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の衝撃吸収機能付センサ。
【請求項5】
床面に配置される請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の衝撃吸収機能付センサと、
該衝撃吸収機能付センサに近接して配置されるベッドの縁部に配置され、保護対象者の体圧を検出する体圧センサと、
を備える介護システム。
【請求項6】
前記体圧センサは、前記衝撃吸収機能付センサである請求項5に記載の介護システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−183144(P2011−183144A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254980(P2010−254980)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】