説明

衣料用液体洗浄剤組成物

【課題】洗濯を繰り返しても繊維製品が黄ばむのを防止する液体洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A) ノニオン界面活性剤、
(B) 長鎖脂肪族アルキルアミン、及び
(C) γ−オリザノール、タンニン酸、オウゴンエキス、スギナエキス、ホップエキス、マツエキス、レモンエキス、ローズマリーエキス、アスパラサスリネアリスエキス、ウーロン茶エキス、オトギリソウエキス、ボタンエキス、ユーカリエキス及びセージエキスからなる群から選ばれる1種以上の植物抽出物
を含む液体洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣料等の繊維製品に好適な液体洗浄剤組成物に関する。詳しくは、洗濯を繰り返しても繊維製品が黄ばみにくい液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活の中で衣料等繊維製品を使用し洗濯することを繰り返すうち、衣料等に「黄ばみ」が発生する。黄ばみの発生は、繊維製品に残存してしまう皮脂が劣化したり、水道水中の鉄が繊維製品に吸着したり、繊維製品に残存してしまう蛍光増白剤が紫外線により分解したりすることなど様々な要因によると考えられている。
他方、衣料用液体洗浄剤組成物は一般的に、アニオン界面活性剤又はノニオン界面活性剤を主成分とし、これにアルコールやキレート剤、香料を組み合わせたものがこれまでに知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−282099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、洗濯を繰り返しても繊維製品が黄ばむのを防止する液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らが鋭意検討した結果、ノニオン界面活性剤及び長鎖3級アルキルアミンに加え、特定の植物抽出物を併用することにより、上記目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、(A) ノニオン界面活性剤、
(B) 長鎖脂肪族アルキルアミン、及び
(C) γ−オリザノール、タンニン酸、オウゴンエキス、スギナエキス、ホップエキス、マツエキス、レモンエキス、ローズマリーエキス、アスパラサスリネアリスエキス、ウーロン茶エキス、オトギリソウエキス、ボタンエキス、ユーカリエキス及びセージエキスからなる群から選ばれる1種以上の植物抽出物
を含む液体洗浄剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、洗濯を繰り返しても繊維製品が黄ばむのを効果的に防止することができる。本発明によればまた、柔軟性付与、帯電防止性付与、皮脂臭抑制ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(A)ノニオン界面活性剤
ノニオン界面活性剤(A)は、液体洗浄剤組成物の主に洗浄機能を担う成分であり、1種を単独で用いても2種以上を併用しても良い。
本発明で用いるノニオン界面活性剤(A)としては特に限定されないが、例えば、下記式(I)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好適に用いられる。
R1−Y−(EO)s(PO)t−R2 (I)
式(I)中、R1は炭素数8〜22、好ましくは10〜18の炭化水素基である。炭化水素基としてアルキル基又はアルケニル基が好ましく、これらは直鎖であっても分岐鎖であっても良い。炭化水素基の原料としては、例えば、1級もしくは2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
【0008】
R1が分岐している場合、その分岐率が25質量%以上、好ましくは40質量%以上であり、好ましくは80質量%以下であるのが好ましい。この分岐アルキル又はアルケニル基の内、中間鎖分岐率が40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上であるのがより好ましい。分岐率がこのような範囲にあると、油に対する洗浄力が向上するので好ましい。中間鎖分岐率が高い方が、油に対する洗浄力は高くなるので更に好ましい。
ここで、「分岐率」及び「中間鎖分岐率」について、式(I)で表される(A)成分の原料となる1級高級アルコールを例に説明する。高級アルコールとしては、例えば、以下の(1)から(2)式で表される分岐高級アルコールと式(3)で表される直鎖高級アルコールとの混合物である。
【0009】
【化1】

【0010】
式(1)〜(3)において、R21, R23, R31 は、炭素数1以上の直鎖アルキル基であり、R32、R22は炭素数2以上のアルキルであり、pは1であり、qは2〜3であり、rは、1以上の整数であり、各式における炭素数の合計は式(I)におけるR1の炭素数に等しい。
「分岐率」は、上記式(1)〜(3)で表される化合物における炭化水素部分の全質量に対する、上記式(1)〜(2)で表される化合物における分岐アルキル基の質量の割合を表す。
「中間鎖分岐率」は、上記式(1)〜(2)で表される化合物における炭化水素部分の全質量に対する、上記式(2)で表される化合物の質量の割合を表す。
【0011】
分岐率及び中間鎖分岐率は、GC/MSを用い、下記条件で測定することができる。
<GC/MSの測定条件>
カラム:Ultra Alloy PY−1
温度:オーブン;昇温速度 10℃/分 50→310℃
注入口;310℃
検出器;310℃
キャリアガス:He
例としてサソール社のSafol23を用いて分岐率及び中間鎖分岐率を測定した結果を表1に示す。




【0012】
【表1】

【0013】
R2は、水素原子又は炭素数1〜6、好ましくは水素原子や1〜3の直鎖又は分岐したアルキル基もしくはアルケニル基であり、中でも水素原子がより好ましい。
−Y−は連結基であって、−O−、−COO−、−CONH−が好ましく、−O−がより好ましい。
EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドである。s及びtはそれぞれEO及びPOの平均付加モル数を表す。sは3〜20、好ましくは5〜18であり、より好ましくは5〜15の数である。tは0〜6、好ましくは0〜3である。
EOの平均付加モル数sを20以下にすることにより、HLB値が高くなりすぎて皮脂洗浄が不利になることによる洗浄機能の低下を抑制することができ、EOの平均付加モル数sを3以上にし、POの平均付加モル数tを6以下にすることにより、組成物の高温下での保存安定性の低下を抑制することができる。
【0014】
EO又はPOの付加モル数分布は、ノニオン界面活性剤(A)製造時の反応方法によって変動する。例えば、EO又はPOの付加モル数分布は、一般的な水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ触媒を用いて酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水基原料に付加させた際には、比較的広い分布となり、特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水基原料に付加させた際には、比較的狭い分布となる傾向にある。
【0015】
上記式(I)で表されるノニオン界面活性剤(A)の具体例としては、
(i)例えば、三菱化学(株)製:商品名Diadol(C13(炭素数13を示す。以下、同様に「Cn」(nは整数)と示す場合、炭素数がnであることを示す。))、
Sasol製:商品名Safol23(C12/C13混合物)等のオキソ法により得られた合成アルコールに対して、12モル相当の酸化エチレンを付加したもの
(ii)P&G(株)製:商品名CO−1214(C12/C14混合物)、エコグリーン オレオケミカルズ製:商品名Ecorol(C12/C14混合物)等の天然アルコールに対して、12モル相当の酸化エチレンを付加したもの、更に新日本理化(株)製:商品名Conol(C12)等の天然アルコールに対して、9モル相当の酸化エチレンを付加したもの、
(iii)ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコール1モルに対して、7モルあるいは10モル相当の酸化エチレンを付加したもの(例えば、BASF社製:商品名Lutensol TO7、Lutensol TO10)、
(iv)ラウリン酸メチルエステルに対して、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの、
(v)ヘキサノールをガーベット反応に供して得られるC12アルコール1モルに対して、10モル相当の酸化エチレンを付加したもの(例えば、CONDEA製:商品名ISOFOL12−10EO)、
(vi)C12〜14の第2級アルコールに対して、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(例えば、日本触媒(株)製:商品名ソフタノール150)、
(vii)ラウリン酸メチルに対して、アルコキシル化触媒を用いて15モル相当の酸化エチレンと3モル相当の酸化プロピレンとを付加したもの等
が挙げられる。
【0016】
他の好適なノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(EO付加モル数1〜20)ソルビタン脂肪酸(C10〜22)エステル、ポリオキシエチレン(EO付加モル数1〜20)ソルビット脂肪酸(C10〜22)エステル、ポリオキシエチレン(EO付加モル数1〜20)グリコール脂肪酸(C10〜22)エステル、グリセリン脂肪酸(C10〜22)エステル、アルキル(C10〜22)グリコシド等が挙げられる。
本発明において、ノニオン界面活性剤(A)の配合量(2種以上を併用する場合は合計量を意味するものとする。なお、後記する他の成分についても同様である。)は、洗浄剤組成物中10〜50質量%が好ましく、10〜40質量%が色物繊維製品の色調変化防止の点から特に好ましい。ノニオン界面活性剤(A)の配合量を10質量%以上とすることにより洗浄力が向上し、50質量%以下にすることにより組成物の粘度が増加しすぎることを防ぎ、取り扱い易くなる。
【0017】
(B)長鎖脂肪族アルキルアミン
本発明の洗浄剤組成物に含まれる長鎖脂肪族アルキルアミンのアルキル部分は、直鎖であっても分岐鎖であっても良く、飽和であっても不飽和であっても良く、さらには置換基を有しても良く、連結基を鎖中に有するものであっても良い炭素数7〜28(ここでの炭素数には、置換基及び連結基中の炭素数は含まない)の炭化水素基を1〜3個含む3級アミン及び/又はその塩を含む。特に、炭素数7〜25の炭化水素基を1〜3個、好ましくは1〜2個含む3級アミン及び/又はその塩を含む。
ここで、「置換基」としては、ヒドロキシ基、アミノ基等が具体的に挙げられる。また、「連結基」としては、アミド基、エステル基、エーテル基等が具体的に挙げられる。
長鎖脂肪族アルキルアミンは、塩の形態であってもよい。アミン塩としては、酸で中和した酸塩等が挙げられる。中和に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸、ポリアクリル酸、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても2種以上を併用しても良い。
長鎖脂肪族アルキルアミンとしては、特に、下記式(II)で表される3級アミン及び/又はその塩が好適である。
【0018】
【化2】

【0019】
上記式(II)中、R3は炭素数7〜28の炭化水素基であり、直鎖であっても分岐鎖であっても良く、飽和であっても不飽和であっても良く、さらには置換基を含むものであっても良い。また、R3はアミド基、エステル基又はエーテル基等の連結基をその鎖中に有するものであっても良く、連結基としてはアミド基、エステル基が好ましく用いられる。なお、R3が置換基又は連結基を含む場合、置換基及び連結基中の炭素数はR3の炭素数に含まれない。
中でも、−R3としては「−R6−W」(但し、R6は炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜3の直鎖または分岐したアルキレン基である。−Wは、−NHCO−R7又は−OOC−R8であり、R7は炭素数7〜23、好ましくは7〜21、より好ましくは9〜19の炭化水素基であり、R8は炭素数11〜23、好ましくは12〜20の炭化水素基であり、R7およびR8は直鎖であっても分岐鎖であっても良く、飽和であっても不飽和であっても良い。)が好ましく用いられる。R7およびR8は直鎖であるのが好ましい。R7およびR8は飽和であるのが好ましい。
R4は炭素数1〜25の炭化水素基である。R4は直鎖であっても分岐鎖であっても良く、飽和であっても不飽和であっても良く、さらには置換基を含むものであっても良い。また、R4はアミド基、エステル基又はエーテル基等の連結基をその鎖中に有するものであっても良い。中でも、炭素数1〜4の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数1〜4の直鎖または分岐したヒドロキシアルキル基が好ましく用いられる。
R5は炭素数1〜4の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数1〜4の直鎖または分岐したヒドロキシアルキル基、EO付加モル数1〜3のポリオキシエチレン基のうちいずれかの基であり、炭素数1〜4の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数1〜4の直鎖または分岐したヒドロキシアルキル基が好ましく用いられる。
上記式(II)の中でも、下記式(III)で表される3級アミン及び/又はその塩がさらに好適である。
【0020】
【化3】

【0021】
式(III)中、R10及びR11は、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖または分岐したアルキル基、又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐したヒドロキシアルキル基である。
R12は炭素数1〜4の直鎖または分岐したアルキレン基である。
Z−は、下記式(IV)又は(V)で表される基である。
【0022】
【化4】

【0023】
式(IV)中、R13の炭素数は7〜23、好ましくは7〜21の炭化水素基であり、上記式(V)中、R14の炭素数は11〜23、好ましくは12〜20の炭化水素基であり、R13およびR14は直鎖であっても分岐鎖であっても良く、飽和であっても不飽和であっても良い。
(B)の好適な具体例としては、カプリル酸アミドプロピルジメチルアミン、カプリン酸アミドプロピルジメチルアミン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミン、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミン、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミン、ベヘニン酸アミドプロピルジメチルアミン、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミンなどの長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミン又はその塩;パルミテートエステルプロピルジメチルアミン、ステアレートエステルプロピルジメチルアミン等の脂肪族エステルアルキル3級アミン又はその塩;パルミチン酸アミドプロピルジエタノールアミン、ステアリン酸アミドプロピルジエタノールアミン等が挙げられる。
中でも、カプリル酸アミドプロピルジメチルアミン、カプリン酸アミドプロピルジメチルアミン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミン、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミン、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミン、ベヘニン酸アミドプロピルジメチルアミン、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミン又はその塩が特に好ましい。
【0024】
なお、上記例中の「長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミン」は、例えば、脂肪酸あるいは脂肪酸低級アルキルエステル、動・植物性油脂等の脂肪酸誘導体と、ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンとを縮合反応させ、その後、未反応のジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンを減圧又は窒素ブローにて留去することにより得られる。
他方、「脂肪族エステルアルキル3級アミン」は、例えば、脂肪酸あるいは脂肪酸低級アルキルエステル、動・植物性油脂等の脂肪酸誘導体と、ジアルキルアミノアルコールとを縮合させるエステル化反応により得られる。
ここで、脂肪酸又は脂肪酸誘導体としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、とうもろこし油脂肪酸、牛脂脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸等の植物油又は動物油脂肪酸等、又は、これらのメチルエステル、エチルエステル、グリセライド等が具体的に挙げられ、中でも、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等が特に好ましい。
これら脂肪酸又は脂肪酸誘導体は、1種を単独で用いても2種以上を併用しても良い。
【0025】
「ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミン」としては、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン等が具体的に挙げられ、中でも、ジメチルアミノプロピルアミンが特に好ましい。
「ジアルキルアミノアルコール」としては、例えばジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノアルコール等が挙げられる。ジエチルアミノアルコールとしては、ジエチルアミノエタノールが好ましい。これらの中でも、ジメチルアミノエタノールが特に好ましい。
なお、長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミンを製造する際のジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンの使用量は、脂肪酸又はその誘導体に対し、0.9〜2.0倍モルが好ましく、1.0〜1.5倍モルが特に好ましい。
反応温度は、通常100〜220℃であり、好ましくは150〜200℃である。反応温度が100℃未満では反応が遅くなりすぎ、220℃超では得られる3級アミンの着色が顕著となる恐れがあり、好ましくない。
【0026】
脂肪族エステルアルキル3級アミンを製造する際のエステル化反応におけるジアルキルアミノアルコールの使用量は、脂肪酸又はその誘導体に対して、0.1〜5.0倍モルが好ましく、0.3〜3.0倍モルがより好ましく、0.9〜2.0倍モルがさらに好ましく、1.0〜1.5倍モルが特に好ましい。
反応温度は、通常100〜220℃であり、好ましくは120〜180℃である。この範囲においては、適度な反応速度を保ち、かつ、得られる3級アミンの過度の着色を防ぐことができる。
長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミン、脂肪族エステルアルキル3級アミンの上記以外の製造条件は同様であり、反応時の圧力は常圧でも減圧でも良く、反応時に窒素等の不活性ガスを吹き込むことにより導入することも可能である。
また、脂肪酸を用いる場合は、硫酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒、脂肪酸誘導体を用いる場合は、ナトリウムメチラート、苛性カリ、苛性ソーダ等のアルカリ触媒を用いることで、低い反応温度で短時間により効率良く反応を進行させることができる。
また、得られる3級アミンが、融点が高い長鎖アミンの場合には、ハンドリング性を向上させるため、反応後、フレーク状又はペレット状に成形することが好ましく、又は、エタノール等の有機溶媒に溶解し液状にすることが好ましい。
【0027】
(B)のその他の好適な具体例としては、ラウリルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、椰子アルキルジメチルアミン、パルミチルジメチルアミン、牛脂アルキルジメチルアミン、硬化牛脂アルキルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、ステアリルジエタノールアミン、ポリオキシエチレン硬化牛脂アルキルアミン(ライオンアクゾ(株)製 商品名:ETHOMEEN HT/14等)、又はこれらの塩が挙げられる。
(B)は、1種を単独で用いても2種以上を併用しても良い。
本発明において、(B)の配合量は、洗浄剤組成物中0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。成分(B)の配合量を0.1質量%以上とすることにより良好な黄ばみ防止効果が得られる。他方、成分(B)の配合量を10質量%以下とすることにより組成物の安定性が向上するとともに、経済的にも有利となる。
【0028】
(C)植物抽出物
植物抽出物は、後述する特定の植物から、抽出溶媒として、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、0.5〜3%の尿素を含有するエタノール溶液、0.5〜3%の尿素を含有する1,3-ブチレングリコール溶液及びこれらの混合物からなる群から選ばれる親水性有機溶媒、水、又は親水性溶媒と水との混合物を用いて抽出することにより得られる。
γ-オリザノールは、イネOryza sativa Linne(Gramineae)の種皮から、n−ヘキサンを抽出溶媒として抽出したり、二酸化炭素を用いた臨界抽出法などにより得られる。主としてトリテルペンアルコールのフェルラ酸エステルからなる。本品を乾燥したものは、定量するとき、フェルラ酸シクロアルテニルとして95.0%以上を含む。強熱残分としては0.5%以下
γ-オリザノールの市販品の具体例としては、オリザ油化(株)のオリザガンマーV、オリザガンマーミルキー等が挙げられる。
タンニン酸は、五倍子、没食子から得られる。エーテル、エタノールの混液で抽出し、さらに浸出液から水で抽出したものである。タンニン酸の市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)のレクソードP等が挙げられる。
【0029】
オウゴンエキスは、コガネバナScutellaria baicalensis Georgi(Labiatae)の周皮を除いた根から得られる。好ましい抽出溶媒は、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール又はこれらの混液である。オウゴンエキスの市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)のオウゴンエキスパウダー、オウゴンリキッドB、オウゴンリキッドSE、丸善製薬(株)のオウゴン抽出液-J、オウゴン抽出液-BG-JC、オウゴン抽出液SQ、香栄興業(株)のオウゴン抽出液BG-50等が挙げられる。
スギナエキスは、スギナEquisetum arvense Linne(Equisetaceae)の全草から得られる。好ましい抽出溶媒は、水、エタノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール又はこれらの混液、もしくは1%尿素含有エタノール溶液、1%尿素含有1,3-ブチレングリコール溶液である。スギナエキスの市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)のファルコレックススギナB、ファルコレックスBX46、ファルコレックスBX50、丸善製薬(株)のスギナ抽出液、スギナ抽出液BG、スギナ抽出液LA、香栄興業(株)のすぎな抽出液、混合植物抽出液(1)、混合植物抽出液(11)、混合植物抽出液(13)、混合植物抽出液(15)、混合植物抽出液(21)、混合植物抽出液(22)等が挙げられる。
【0030】
ホップエキスは、ホップHumulus lupulus Linne(Moraceae)の雌花穂から得られる。好ましい抽出溶媒は、水、エタノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール又はこれらの混液である。ホップエキスの市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)のホップリキッド、ファルコレックスBX46、ファルコレックスBX52、丸善製薬(株)のホップ抽出液、ホップ抽出液BG-JN、香栄興業(株)のホップ抽出液、ホップ抽出液HS等が挙げられる。
マツエキスは、セイヨウアカマツPinus sylvestris Linne(Pinaceae)の球果から得られる。好ましい抽出溶媒は、水、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン又はこれらの混液もしくは1%尿素含有エタノール溶液、1%尿素含有1,3-ブチレングリコール溶液である。マツエキスの市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)の、ファルコレックスマツB、ファルコレックスBX32、ファルコレックスBX46、香栄興業(株)の混合植物抽出液(2)等が挙げられる。
レモンエキスは、レモンCitrus limon Burmann fil(Rutaceae)の果実(生)又は果汁から得られる。好ましい抽出溶媒は、水、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン又はこれらの混液である。レモンエキスの市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)のレモンエキストラリキッド、ファルコレックスBX46、ファルコレックスBX47、ファルコレックスBX52、丸善製薬(株)のレモン抽出液BG-J、香栄興業(株)のレモンエキス、混合植物抽出液(5)等が挙げられる。
【0031】
ローズマリーエキスは、マンネンロウRosmarinus officinalis Linne(Labiatae)の葉又は葉及び花から得られる。好ましい抽出溶媒は、水、エタノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールもしくはこれらの混液又は1%尿素含有エタノール溶液若しくは1%尿素含有1,3-ブチレングリコール溶液である。ローズマリーエキスの市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)のファルコレックスローズマリーB、ファルコレックスローズマリーE、ファルコレックスBX46、ファルコレックスBX32、丸善製薬(株)のローズマリー抽出液-J、ローズマリー抽出液BG-J、ローズマリー抽出液LA、ローズマリー抽出液SQ、香栄興業(株)のオーガニックローズマリーエキスBG-50、まんねんろう抽出液、まんねんろう抽出液HS、ローズマリー抽出液S、混合植物抽出液(2)、混合植物抽出液(13)等が挙げられる。
アスパラサスリネアリスエキスは、アスパラサスリネアリスAspalathus linearis (N.L.Burm.) R.Dahlgren(Leguminosae)の全草から得られる。好ましい抽出溶媒は、1,3-ブチレングリコールである。アスパラサスリネアリスエキスの市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)のファルコレックスルイボスB(N)等が挙げられる。
ウーロン茶エキスは、チャノキThea sinensis Linne (Theaceae)の葉から得られる。好ましい抽出溶媒は、エタノールである。ウーロン茶エキスの市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)のファルコレックスウーロンE、丸善製薬(株)のウーロン茶抽出液、ウーロン茶抽出液BG等が挙げられる。
【0032】
オトギリソウエキスは、セイヨウオトギリソウHypericum perforatum Linne又はオトギリソウHypericum erectum Thunberg(Guttiferae)の地上部から得られる。好ましい抽出溶媒は、水、エタノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジエチレングリコール又はこれらの混液である。オトギリソウエキスの市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)のファルコレックスオトギリソウB、ファルコレックスオトギリソウE、ファルコレックスBX43、ファルコレックスBX44、ファルコレックスBX52、丸善製薬(株)のオトギリソウ抽出液-J、オトギリソウ抽出液-BG、香栄興業(株)のオトギリソウ抽出液、混合植物抽出液(3)、混合植物抽出液(6)、混合植物抽出液(21)、混合植物抽出液(22)等が挙げられる。
ボタンエキスは、ボタンPaeonia suffruticosa Andrews(Paeonia moutan Sims)(Paeoniaceae)の根皮から得られる。好ましい抽出溶媒は、エタノールである。強熱残分としては0.5w/v%以下を示すエキスである。ボタンエキスの市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)のファルコレックスボタンピB、ファルコレックスボタンピE、ファルコレックスHGL、ファルコレックスPSP、フィトデセンシタイザーABBA、フィトブレンドTIPS、丸善製薬(株)のボタンピ抽出液、香栄興業(株)のボタンピ抽出液等が挙げられる。
【0033】
ユーカリエキスは、ユーカリEucalyptus globules Labillardiere又はその他近縁植物(Myrtaceae)の葉から得られる。好ましい抽出溶媒は、水、エタノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール又はこれらの混液である。ユーカリエキスの市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)のファルコレックスユーカリB、ファルコレックスユーカリE、丸善製薬(株)のユーカリ抽出液、ユーカリ抽出液BG、香栄興業(株)のユーカリ抽出液、ユーカリ抽出液S等が挙げられる。
セージエキスは、セージSalvia officinalis Linne(Labiatae)の花、葉又は全草から得られる。好ましい抽出溶媒は、水、エタノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール又はこれらの混液もしくは1%尿素含有エタノール溶液、1%尿素含有1,3-ブチレングリコール溶液である。セージエキスの市販品の具体例としては、一丸ファルコス(株)のファルコレックスセージB、ファルコレックスセージE、ファルコレックスBX47、ファルコレックスBX52、香栄興業(株)のオーガニックセージエキスBG-50、サルビア抽出液、サルビア抽出液HS、混合植物抽出液(5)、混合植物抽出液(11)、混合植物抽出液(13)、混合植物抽出液(21)、混合植物抽出液(22)等が挙げられる。
【0034】
(C)としては、γ−オリザノール又はタンニン酸が好ましい。
(C)は、組成物中に、好ましくは0.001〜1重量%配合される。
【0035】
本発明の植物抽出物剤添加後の洗浄剤組成物では、黄ばみ防止効果を良好に保つ点と組成物を長期保存した際における良好な安定性を保つ点からpH4以上が好ましく。黄ばみ防止効果を良好に保つ点から8以下とすることが好ましい。
pHを8以下に調整するには、pH調整剤を適宜配合すれば良い。pH調整剤としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて随意であるが、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等が配合安定性の面から好ましい。
本発明の植物抽出物を加えた液体洗浄剤組成物は、その調製方法が特に制限されるものではなく、通常の液体洗浄剤組成物と同様、常法に準じて成分(A)〜(C)、上記任意成分、更に適宜水を配合し、これらを混合することによって調製することができる。
また、本発明の植物抽出物を加えた液体洗浄剤組成物は、樹脂製等の容器に充填して使用に供することができる。前記液体洗浄剤組成物の使用方法は特に限定されず、手による洗浄でも洗濯機による洗浄でもよい。例えば、通常の洗濯機による洗浄の場合、洗濯機内に被洗物を投入した後、洗濯機槽内に水を充満させ、さらに適当な濃度になるように本発明の組成物を添加し、溶解させて洗濯液を得、これによって被洗物を洗浄することができる。
【0036】
<任意成分>
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて他の任意成分を含んでいてもよい。
【0037】
本発明の洗浄剤組成物はポリエーテル変性シリコーンを含有することができる。具体的には、東レ・ダウコーニング(株)製のCF1188HV、SH3748、SH3749、SH3772M、SH3775M、SF8410、SH8700、BY22−008、BY22−012、SILWET L−7001、SILWET L−7002、SILWET L−7602、SILWET L−7604、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2120、SILWET FZ−2161、SILWET FZ−2162、SILWET FZ−2164、SILWET FZ−2171、ABN SILWET FZ−F1−009−01、ABN SILWET FZ−F1−009−02、ABN SILWET FZ−F1−009−03、ABN SILWET FZ−F1−009−05、ABN SILWET FZ−F1−009−09、ABN SILWET FZ−F1−009−11、ABN SILWET FZ−F1−009−13、ABN SILWET FZ−F1−009−54、ABN SILWET FZ−22−22、信越化学工業(株)製のX−20−8010B、KF352A、KF6008、KF615A、KF6012、KF6016、KF6017、GE東芝シリコーン(株)製のTSF4450、TSF4452、TSF4445(以上、商品名)等のポリエーテル変性シリコーンがあげられる。組成物の全量を基準として、ポリエーテル変性シリコーンを例えば0.01〜10質量%含むことができる。
【0038】
ポリアクリル酸;ポリマレイン酸;カルボキシメチルセルロース;ポリエチレングリコール;マレイン酸とオレフィンとの共重合体、例えば無水マレイン酸−ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−イソブチレン共重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体などの再汚染防止剤又は分散剤を、組成物の全量を基準として例えば0.1〜10質量%含有することができる。
ローム・アンド・ハウス社製ケーソンCG(商品名)等の防腐剤を、組成物の全量を基準として例えば0.001〜1質量%含むことができる。
【0039】
本発明の液体洗浄剤組成物には、(A)のノニオン界面活性剤以外の、下記の界面活性剤も含有することができる:アニオン界面活性剤(アルキルカルボン酸塩,アルキルスルホン酸塩,アルキル硫酸エステル塩,アルキルリン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アルキルアミン塩,アルキル四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤:カルボン酸型両性界面活性剤(アミノ型,ベタイン型),硫酸エステル型両性界面活性剤,スルホン酸型両性界面活性剤,リン酸エステル型両性界面活性剤、その他の界面活性剤(天然界面活性剤,タンパク質加水分解物の誘導体,高分子界面活性剤,チタン・ケイ素を含む界面活性剤,フッ化炭素系界面活性剤)など。
【0040】
配合可能な他の成分としては、例えば、洗浄性能向上や配合安定性向上等を目的として、酵素(プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等)、安定化剤(安息香酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、多価アルコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレン(プロピレン)グリコールフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールフェニルエーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールフェニルエーテル等)、増粘剤(長鎖脂肪酸アルキルアミド等)、風合い向上剤、pH調整剤、防腐剤、ハイドロトロープ剤、蛍光剤、移染防止剤、パール剤、酸化防止剤、ソイルリリース剤等を配合することができる。
【0041】
その他、商品の付加価値向上等を目的として、着色剤や着香剤、乳濁化剤等を配合することもできる。着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青1号、青色205号、ターコイズP−G
R(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料が使用でき、好ましい配合量としては、組成物の全量を基準として0.00005〜0.0005質量%程度である。
着香剤は、例えば特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A、B、C、Dが使用でき、好ましい配合量は、組成物の全量を基準として0.1〜1質量%である。
乳濁化剤は、ポリスチレンエマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルジョンが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルジョン(サイデン化学社製(商品名)サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等が使用でき、好ましい配合量は、組成物の全量を基準として0.01〜0.5質量%である。
【実施例】
【0042】
[液体洗浄剤組成物の調製]
実施例及び比較例の液体洗浄剤組成物を調製するのに用いた成分を以下に示す。
成分(A)として、
(a-1):CnH2n+1O(EO)15H(n=12/13混合物(質量比55/45))、合成品。
(a-2):C13H27O(EO)7H(C鎖長:分岐型)、BASF社製(商品名)Lutensol TO7
を使用した。
なお、(a-1)の製造方法は以下の通りである。
Sasol製(商品名)Safol23アルコール(分岐率50%)224.4g、30質量%NaOH水溶液2.0gを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。
次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを攪拌しながら、酸化エチレン(ガス状)763.6gをアルコール液中に徐々に加えた。このとき、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら加えた。
酸化エチレンの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応の酸化エチレンを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、(a-1)を得た。
【0043】
成分(B)としては、
(b-1):CnH2n+1CONH(CH2)3N(CH3)2(n=15/17混合物(質量比3/7))、東邦化学(株)製(商品名)カチナールMPAS−R
(b-2):C16H33N(CH3)2、ライオンアクゾ(株)製(商品名)アーミンDM16D。
(b-3):C11H23CONH(CH2)3N(CH3)2、合成品。
を使用した。
なお、(b-3)の製造方法は以下の通りである。
1リットルの四つ口フラスコに、ラウリン酸261gを仕込み、80℃で窒素置換を2回行った。170℃に昇温し、副生する水を留去させながら、ジメチルアミノプロピルアミン173gを2時間で滴下した。
滴下終了後、170〜180℃に保持し、7時間熟成した。酸価から算出したラウリン酸の転化率は98%であった。熟成後、減圧して未反応アミンと水を除去し、(b-3)を得た。
【0044】
成分(C)としては、
(c-1):オリザ油化株式会社製、オリザガンマーV(オリザノールとして100%含有)
(c-2):一丸ファルコス株式会社製、レクソードP(タンニン酸として100%配合)
(c-3):一丸ファルコス株式会社製、オウゴンリキッドSE(オウゴンエキスとして1.69%含有)
(c-4):一丸ファルコス株式会社製、ファルコレックススギナB(スギナエキスとして1.0%含有)
(c-5):一丸ファルコス株式会社製、ホップリキッド(ホップエキスとして1.5%含有)
(c-6):一丸ファルコス株式会社製、ファルコレックスマツB(セイヨウアカマツ球果エキス又はマツエキスとして0.64%含有)
(c-7):一丸ファルコス株式会社製、レモンエキストラリキッド(レモンエキス又はレモン果実エキスとして0.65%含有)
(c-8):一丸ファルコス株式会社製、ファルコレックスローズマリーB(ローズマリーエキスとして0.6%含有)
(c-9):一丸ファルコス株式会社製、ファルコレックスルイボスB(N) (ルイボスエキスとして0.5%含有)
(c-10):一丸ファルコス株式会社製、ファルコレックスウーロンE(ウーロン茶エキスとして2.56%含有)
(c-11):一丸ファルコス株式会社製、ファルコレックスオトギリソウE(オトギリソウエキスとして0.86%含有)
(c-12):一丸ファルコス株式会社製、ファルコレックスボタンピE(ボタンエキスとして1.1%含有)
(c-13):一丸ファルコス株式会社製、ファルコレックスユーカリE(ユーカリエキス又はユーカリ葉エキスとして0.59%含有)
(c-14):一丸ファルコス株式会社製、ファルコレックスセージE(セージエキス又はセージ葉エキスとして0.85%含有)
を使用した。
なお、表1及び表2中、成分(C)の配合量(質量%)はエキスとしての濃度を表している。
【0045】
表中「共通成分」に含まれる各成分の詳細は以下の通りである。
POE変性シリコーン:ポリエーテル変性シリコーン、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製(商品名)SH3775M。
オレフィン・マレイン酸共重合体ナトリウム塩:BASF社製(商品名)Sokalan CP9。
安息香酸ナトリウム:東亞合成製(商品名)安息香酸ナトリウム。
クエン酸3ナトリウム:マイルス社(米国)製(商品名)クエン酸ソーダ。
パラトルエンスルホン酸:協和発酵工業(株)製(商品名)PTS酸。
イソチアゾロン液:ローム・アンド・ハース社製(商品名)ケーソンCG(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/マグネシウム塩/水混合液)。
色素(アシッドレッド138):住友化学工業製(商品名)スミノールミーリングブリリアントレッドBS。
香料:特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
pH調整剤:硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等
【0046】
実施例及び比較例の液体洗浄剤組成物を、上に示した成分を用い、表1及び表2に示した組成で以下のようにして調製した。
(1)300mLビーカーに下記共通成分中のエタノールと(A)成分及び、POE変性シリコーンを入れマグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.)で十分に攪拌する。
(2)(1)に40℃にした共通成分中の水を入れたあと、予め、エタノールに溶解させた(B)成分を入れて十分に溶解させる。
(3)(2)にさらに残りの共通成分を入れて十分に攪拌し、微量の水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調製する。
(4)(C)成分を加えて十分に攪拌して、衣料用液体洗浄剤組成物とする。
このようにして得られた液体洗浄剤組成物の黄ばみ防止効果を以下のようにして評価した。結果を表1及び表2に示す。
【0047】
[黄ばみ防止効果の評価]
1.汚垢布作成
皮脂としてスクワレンを用いた。溶媒(トルエン)に溶解させたスクワレンを綿布(5cm×5cm)に0.5%o.w.fとなるように添加し、室温で放置し乾燥させた。
2.洗浄系での評価
上で作成した汚垢布1kgを東芝製、全自動洗濯機(AW-F80HVP)に入れ、各液体洗浄剤組成物を水道水30Lに40mlの割合で用い、弱水流で洗浄時間6分、脱水1分、その後ためすすぎ(2回繰り返し、各4分)、脱水1分を1工程とした洗濯操作を行った。用いた水道水は25℃になるよう調整を行った。
洗浄処理後、自然乾燥させて汚垢布を、100℃において24時間放置することにより、黄ばみを促進させた。
【0048】
3.黄ばみ度合い評価法
黄ばみ促進前後の汚垢布を用い、CIE L*a*b*表色系に従い、JIS Z 8729に準じてb値を測定した。b値の測定には日本電色工業株式会社のSpectro Color Meter SE2000を用いた。なお、b値はL*a*b*(エルスターエースタービースター)表色系に属するパラメーターで、プラスの方向になるほど黄みが強くなり、マイナスの方向になるほど青みが強くなる。黄ばみ促進前後の汚垢布のb値の差をとり、以下の基準で評価した。○以上であれば黄ばみ抑制効果があったものとする。
<評価基準>
◎◎:Δ1未満(黄ばみは認められなかった)
◎: Δ1以上Δ2未満
(劣化前衣料よりわずかに黄ばみの変化が認められたが、実質的に問題がない)
○: Δ2以上Δ4未満
(劣化前衣料よりやや黄ばみの変化が認められたが、実質的に問題がない)
×: Δ4以上(劣化前衣料より著しく黄ばみの変化が認められた)






















【0049】
【表2】



【0050】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A) ノニオン界面活性剤、
(B) 長鎖脂肪族アルキルアミン、及び
(C) γ−オリザノール、タンニン酸、オウゴンエキス、スギナエキス、ホップエキス、マツエキス、レモンエキス、ローズマリーエキス、アスパラサスリネアリスエキス、ウーロン茶エキス、オトギリソウエキス、ボタンエキス、ユーカリエキス及びセージエキスからなる群から選ばれる1種以上の植物抽出物
を含む液体洗浄剤組成物。
【請求項2】
植物抽出物が、γ−オリザノール又はタンニン酸である請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
植物抽出物が、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、0.5〜3%の尿素を含有するエタノール溶液、0.5〜3%の尿素を含有する1,3-ブチレングリコール溶液及びこれらの混合物からなる群から選ばれる親水性有機溶媒、水、又は前記親水性溶媒と水との混合物を用いて抽出することにより得られる植物抽出物である請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
植物抽出物を、組成物の全量を基準として0.001〜1質量%含む請求項1〜3のいずれか1項記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項5】
(A)が、下記式(I)で表されるノニオン界面活性剤である請求項1〜4のいずれか1項記載の液体洗浄剤組成物。
R1−Y−(EO)s(PO)t−R2 (I)
(式(I)中、R1は炭素数8〜22の炭化水素基である。−Y−は連結基である。EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドを表し、s及びtはそれぞれEO及びPOの平均付加モル数を表す。sは3〜20の数、tは0〜6の数である。R2は水素原子又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐したアルキル基もしくはアルケニル基である。)
【請求項6】
(B)が、下記式(II)で表される長鎖脂肪族アルキルアミンである請求項1〜5のいずれか1項記載の液体洗浄剤組成物。
【化1】

(式(II)中、R3は炭素数7〜28の炭化水素基であり、R4は炭素数1〜25の炭化水素基であり、R5は炭素数1〜4の直鎖または分岐したアルキル基、炭素数1〜4の直鎖または分岐したヒドロキシアルキル基、EO付加モル数1〜3のポリオキシエチレン基のうちいずれかの基である。)

【公開番号】特開2009−114408(P2009−114408A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291992(P2007−291992)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】