説明

表示値読取装置

【課題】指針の変位により表示される測定量の読取りを低コストで実現する表示値読取装置およびそれを備える遠隔監視システムを提供する。
【解決手段】電極部2は、読取対象の表示器20の表面に配置され、測定部4と接続される。そして、電極部2は、指針12の回転に応じて、指針12と対向する面積が変化するような形状を有する。そのため、電極部2と指針12との間の静電容量は、指針12の回転に応じて変化する。さらに、測定部4は、電極部2および表示器20の外枠10と接続され、電極部2と表示器20の指針12との間の静電容量を測定する。そして、測定部4は、測定した静電容量の値を演算部6へ出力する。演算部6は、測定部4から受けた静電容量に基づいて表示値を演算し、外部へ出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は表示値読取装置およびそれを備える遠隔監視システムに関し、特に指針の変位により測定値を表示する表示器において、その表示値を読取る表示値読取装置およびそれを備える遠隔監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、発電所や変電所などのプラントには、多くの計測装置が設置されている。プラントを安定して稼動させるためには、それらの計測装置から得られる測定値を定期的に監視する必要がある。
【0003】
従来は、当該プラントの保守員が定期的に巡回し、各計測装置の表示値を確認していたが、効率化の要求や情報技術の進歩などに応じて、各計測装置を遠隔で、かつ、集中して監視するような遠隔監視システムの導入が進んでいる。
【0004】
このような遠隔監視システムの導入にあたり、各計測装置から得られる測定値を監視場所へ伝送する必要がある。そのため、既存の計測装置からの測定値を電気信号として取出す改造が必要となる。
【0005】
計測装置の中には、計測対象の物理量に応じた電気信号を出力するようなセンサや発振器を含むものがある。そのような計測装置では、既に内部に電気信号が生成されているので、大規模な改造を行なわず、測定値に応じた電気信号を取出すことができる。
【0006】
一方、たとえば、温度計や圧力計などでは、計測対象の温度や圧力を直接取出し、その機械的変位を指針に伝達することで、測定値を表示する計測装置も存在する。一例として、温度に応じたアルコールや水銀の膨張を利用した隔測温度計、一方面に圧力を与えて隔膜の変位を利用したダイヤフラム式圧力計などが挙げられる。
【0007】
このような機械的変位を利用した計測装置は、外部からの電力供給を必要としないので、堅牢でかつ安価であり、広く普及している。しかしながら、上述の遠隔監視システムを導入するにあたり、測定値に応じた電気信号を取出すためには、センサを追加するなどの大幅な改造が必要となる。さらに、センサの追加に伴う改造を行なうためには、プラントの運転を休止しなければならないことも多く、非常にコストおよび時間を要するといった問題がある。
【0008】
そこで、このような計測装置の指針の変位を光学的に読取り、測定値に応じた電気信号を生成する方法が考案されている。
【0009】
たとえば、特許文献1には、計測装置を撮影する監視用カメラと、監視用カメラで撮影された画像データから表示値を読取る画像処理手段と、読取られた表示値を監視場所へ転送する転送手段とからなる監視システムが開示されている。
【特許文献1】特開2003−242587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述のような指針の変位を光学的に読取る方法では、監視対象の計測装置に対応する台数の監視用カメラが必要となる。また、1台の監視用カメラで複数の計測装置を撮影するように配置しても、多くのプラントでは、計測装置が分散して設置されていることが多い。そのため、監視用カメラの台数を大幅に抑制することはできなかった。
【0011】
さらに、監視用カメラで撮影された画像データから表示値を読取る画像処理手段は、パソコンなどで実現されるため、このパソコン自体を保守する必要も生じる。
【0012】
そのため、システムの構成が複雑化し、保守性も良くないという問題があった。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、指針の変位により表示される測定量の読取りを低コストで実現する表示値読取装置およびそれを備える遠隔監視システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明によれば、指針の変位により測定量を表示し、かつ、指針が導電性を有する表示器において、その表示値を読取る表示値読取装置である。そして、表示値読取装置は、指針と絶縁され、かつ、指針の変位に応じて指針との間の静電容量が変化するように配置される電極部と、指針と電極部との間の静電容量を測定する測定部と、測定部において測定された静電容量に基づいて表示値を演算し、外部へ出力する演算部とを備える。
【0014】
好ましくは、電極部は、指針の変位面に対して略平行に配置され、かつ、指針の変位に応じて指針と対向する面積が変化するような形状を有する。
【0015】
好ましくは、電極部は、指針の変位に応じて指針との距離が変化するように、指針の変位面に対して所定の角度をもって配置される。
【0016】
好ましくは、電極部は、光透過性を有する導電性フィルムからなる。
また、この発明によれば、上述した表示値読取装置と、表示値読取装置において演算された表示値を転送する転送手段と、転送手段において転送された表示値を表示する表示部とを備える、遠隔監視システムである。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、指針の変位に応じて指針との間の静電容量が変化するように電極部を配置することで、指針と電極部との間の静電容量に基づいて、表示値を読取る。そのため、既存の計測装置に対する改造を必要とせず、かつ、表示器に対しても電極部を配置するだけでよい。よって、指針の変位により表示される測定量の読取りを低コストで実現する表示値読取装置およびそれを備える遠隔監視システムを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0019】
[実施の形態1]
実施の形態1においては、測定対象の機械的変位を受け、指針の回転変位によりその測定量を表示する表示器に適用する場合について説明する。
【0020】
図1は、実施の形態1に従う表示値読取装置1の概略構成図である。
図1(a)は、全体ブロック図である。
【0021】
図1(b)は、Ib−Ib断面図である。
図1(a)を参照して、表示値読取装置1は、指針の変位により測定量を表示する表示器20に対して、その表示値を読取る。
【0022】
表示値読取装置1は、電極部2と、測定部4と、演算部6とからなる。
電極部2は、読取対象の表示器20の表面に配置され、測定部4と接続される。そして、電極部2は、たとえば、導電性フィルムや網状の金属導体などで構成される。さらに、保守員が表示器20を直接監視する場合において、作業を妨げないように、電極部2は、光透過性を有する、すなわち透明または半透明の導電性フィルムが好ましい。
【0023】
測定部4は、電極部2および表示器20の外枠10と接続され、電極部2と表示器20の指針12との間の静電容量を測定する。そして、測定部4は、測定した静電容量の値を演算部6へ出力する。
【0024】
演算部6は、測定部4から受けた静電容量に基づいて表示値を演算し、外部へ出力する。実施の形態1においては、演算部6は、記録部8へ表示値を出力する。
【0025】
記録部8は、読取対象の表示器20に近接して配置され、演算部6から受けた表示値のデータを所定の間隔毎に記録媒体9へ格納する。そして、保守員は、その記録媒体9を定期的に回収し、プラントの異常の有無やその兆候の有無について診断を行なう。
【0026】
また、記録媒体9は、記録部8との着脱が可能であり、格納したデータを自由に持ち運ぶことができる。なお、記録媒体9は、たとえば、フラッシュメモリカード、SDメモリカード、ICメモリカードなどの半導体メモリや、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)−ROM/RAM/R/RW)などからなる。
【0027】
図1(b)を参照して、読取対象の表示器20は、指針12と、回転軸14と、指示板18と、外枠10と、表示窓16とからなる。
【0028】
回転軸14は、図示しない測定対象の機械的変位を受けて回転する。そして、回転軸14は、指針12と連結され、自己の回転により指針12を回転させる。
【0029】
指針12は、表示値を読取り易くするため、回転軸14の回転にかかる変位量を拡大する。
【0030】
指示板18は、測定対象の物理量と指針12の回転にかかる変位量とを対応付けるように目盛りが印される。
【0031】
外枠10は、指針12、回転軸14および指示板18を格納し、外部からの影響を遮へいする。そして、外枠10は、表示窓16および指示板18を固定する。
【0032】
表示窓16は、ガラスやアクリルなどの光透過性のある材質からなり、視認性を確保しつつ、外部からの影響を遮へいする。
【0033】
また、上述したように、電極部2は、指針12の変位面に対して略水平となるように、表示窓16に密着して配置される。その結果、電極部2と指針12との間には、表示窓16と空間とが介在しているので、絶縁が維持される。よって、指針12が電極として作用するため、電極部2と指針12との間に静電容量が存在する。
【0034】
さらに、回転軸14、指針12および外枠10は、金属材料からなり、いずれも導電性を有する。そのため、指針12は、回転軸14を介して外枠10と電気的に接続される。よって、外枠10と接続された測定部4から見ると、外枠10および回転軸14を介して、指針12までの電路が形成される。
【0035】
したがって、測定部4は、電極部2と指針12との間の静電容量を測定できる。
なお、上述の説明においては、外枠10および回転軸14を介して、測定部4と指針12とを電気的に接続する場合について説明したが、外枠10または回転軸14が非導電性の物質からなる場合には、リード線などを用いて、回転軸14または測定部4と指針12とを直接接続する構成としてもよい。
【0036】
ところで、静電容量Cは、透磁率をε、対向する電極間の面積をS、電極間の間隔をdとすると、C=εS/dで表される。すなわち、静電容量Cは、電極間の面積Sに比例し、電極間の間隔dに反比例する。
【0037】
電極部2と指針12との間の静電容量について見ると、対向する電極間の面積Sは、指針12の変位面の面内方向において、電極部2と指針12とが重なる、すなわち対向する面積と考えることができる。また、電極間の間隔dは、電極部2と指針12の変位面との距離と考えることができる。なお、電極部2は、指針12の変位面に対して略水平となるように配置されるので、電極間の間隔dは、ほぼ一定となる。
【0038】
再度、図1(a)を参照して、電極部2は、指針12の回転に応じて、指針12と対向する面積が変化するような形状を有する。すなわち、電極部2と指針12との間の静電容量は、指針12の回転に応じて変化する。さらに、後述する演算における処理を簡素化するため、電極部2は、指針12の示す表示値と静電容量とが略比例するような形状が好ましい。
【0039】
図2は、測定部4の概略構成図の一例である。
図2を参照して、測定部4は、交流電圧を印加した場合に流れる電流値を検出し、その検出した電流値を交流電圧値および交流周波数により除算することで、静電容量を測定する。そして、測定部4は、交流印加部30と、変流部32と、検波部34と、制御部36とからなる。
【0040】
交流印加部30は、制御部36からの指令を受けて、所定の周波数かつ所定の電圧値からなる交流電圧を接続端子の両端へ印加する。
【0041】
変流部32は、回路に流れる交流電流を取出し、検波部34へ出力する。
検波部34は、変流部32から受けた交流電流を検波し、その電流値を制御部36へ出力する。
【0042】
制御部36は、検波部34から受けた電流値を交流印加部30へ与えた周波数指令および電圧値指令で除算し、外部へ出力する。
【0043】
なお、測定部4は、静電容量を測定できればよいので、上述の構成に限られず、ブリッジ回路を用いる方法や充放電時間の計測による方法などで構成してもよい。
【0044】
再度、図1(a)を参照して、実施の形態1に従う電極部2は、指針12の示す値に応じて、指針12と対向する面積が一定の割合で減少するように形成される。
【0045】
図3は、指針12の変位量と測定部4で測定される静電容量との関係の一例を示す図である。
【0046】
図3を参照して、上述のように電極部2は、指針12と対向する面積が一定の割合で減少するように形成されるので、電極部2と指針12との間の静電容量は、指針12の変位量に対して一定の割合で減少する。すなわち、指針12の変位量は、測定部4で測定される静電容量についての一次関数となる。
【0047】
そこで、演算部6は、測定部4から静電容量を受けて、指針12の変位量、すなわち表示器20の表示値を演算する。
【0048】
たとえば、指針12が0〜100[%]の間で変位し、0[%]における静電容量をC、100[%]における静電容量をC100とすると、測定部4で測定された静電容量をCとした場合の指針12の変位量Xは、X=100×(C−C)/(C100−C)[%]と演算できる。
【0049】
なお、上述の説明では、電極部2は、測定部4で測定される静電容量が指針12の変位量に比例するように形成される場合について説明したが、特にこの構成に限られない。たとえば、指針12の変位量と静電容量との関係を予め測定しておき、測定部4で測定された静電容量をその関係に当てはめることで、指針12の変位量を算出することもできる。
【0050】
(遠隔監視システム)
図4は、実施の形態1に従う遠隔監視システム100の概略構成図である。
【0051】
図4を参照して、遠隔監視システム100は、プラント側に配置された表示値読取装置1から出力される表示器20の表示値を監視場所へ転送し、監視場所にいる保守員に対して表示する。そのため、保守員は、表示器20の表示値を確認するためにプラントに赴く必要が無くなり、保守業務の効率化を実現できる。
【0052】
そして、遠隔監視システム100は、上述の表示値読取装置1と、送信部40と、受信部42と、表示部44とからなる。
【0053】
送信部40は、表示値読取装置1から出力される表示値で変調された無線信号を生成し、送出する。
【0054】
受信部42は、送信部40から送信された無線信号を受け、出力された表示値に復調して表示部44へ出力する。
【0055】
表示部44は、受信部42から受けた表示値を表示する。また、表示部44は、送信された表示値が予め設定されたしきい値を超過したか否かを判断し、超過した場合には、その旨を通知するような構成としてもよい。
【0056】
実施の形態1においては、送信部40および受信部42が転送手段を実現する。
なお、上述の説明では、1つの表示値読取装置1と、表示部44とからなる遠隔監視システムについて例示したが、1つの表示部44に対して複数の表示値読取装置1から出力される表示値を表示する構成としてもよい。
【0057】
また、上述の説明では、無線信号を介して表示値を転送する構成について説明したが、ケーブルや光ファイバによる有線通信を用いてもよい。
【0058】
この発明の実施の形態1によれば、表示器の表示窓上に電極部を配置し、その電極部および表示器の外枠を測定部の両端と接続するだけで、表示値を読取ることができる。そのため、表示器以外の既存の計測装置に対する改造は必要なく、かつ、表示器に対する改造範囲も少なくて済む。また、本質的には、静電容量を測定することで、表示値を読取るので、パソコンなどを用いた複雑な処理を必要としない。よって、指針の変位により表示される測定量の読取りを低コストで実現する表示値読取装置およびそれを備える遠隔監視システムを実現できる。
【0059】
また、この発明の実施の形態1によれば、電極部は、指針の示す値に応じて、指針と対向する面積が一定の割合で減少するように形成される。そのため、測定部で測定される静電容量は、指針の変位量に比例する。よって、測定された静電容量に基づく表示値の演算処理が単純化されるため、演算部の構成を簡素化できる。
【0060】
[実施の形態2]
実施の形態1においては、指針の変位量に応じて、指針と対向する面積が変化するように形成された電極部を用いる場合について説明した。
【0061】
一方、実施の形態2においては、指針の変位量に応じて、指針との距離が変化するように電極部を配置する場合について説明する。
【0062】
実施の形態2に従う表示値読取装置は、図1に示す実施の形態1に従う表示値読取装置1において、電極部の形状および配置を変更したものであり、他の部分は同一である。
【0063】
図5は、実施の形態2にかかる読取対象の表示器50を示す図である。
図5(a)は、表示器50の正面図である。
【0064】
図5(b)は、Vb−Vb断面図である。
図5(a)を参照して、読取対象の表示器50は、測定対象の機械的変位を受け、指針13の上下方向の変位によりその測定量を表示する。
【0065】
図5(b)を参照して、表示器50は、指針13と、指示板19と、表示窓17と、外枠11とからなる。
【0066】
指針13は、図示しない測定対象の機械的変位を受けて、上下方向に可動する。
指示板19は、測定対象の物理量と指針13の上下方向の変位量とを対応付けるように目盛りが印される。
【0067】
外枠11は、指針13および指示板19を格納し、外部からの影響を遮へいする。そして、外枠11は、表示窓17および指示板19を固定する。
【0068】
表示窓17は、ガラスやアクリルなどの光透過性のある材質からなり、視認性を確保しつつ、外部からの影響を遮へいする。
【0069】
再度、図5(a)を参照して、電極部3は、指針13と対向する面積が指針13の変位量によらず略一定となるように形成される。
【0070】
図5(b)を参照して、電極部3は、くさび形状を有するスペーサ5を介して表示窓17上に配置される。そのため、電極部3は、指針13の変位面に対して所定の角度をもって配置される。また、スペーサ5は、非導電性の材料からなる。
【0071】
よって、電極部3と指針13との距離は、指針13の変位量に応じて変化し、電極部3と指針13との間に存在する静電容量も指針13の変位量に応じて変化する。さらに、電極部3は、指針13の変位面に対して一定の角度を維持するので、電極部3と指針13との距離は指針13の変位量に比例する。すなわち、測定部4で測定される静電容量を指針13の変位量に比例させることができる。
【0072】
なお、指針13が上側に変位すると、電極部3と指針13との間に存在する静電容量は減少するので、その変化を妨げないように、スペーサ5は、低い誘電率の材料からなることが望ましい。すなわち、電極部3と指針13との間に誘電率の高い物質が介挿されると、実質的に電極間隔が減少し、静電容量の変化量が小さくなるためである。
【0073】
さらに、指針13および外枠11は、金属材料からなり、いずれも導電性を有する。そのため、指針13は、外枠11と電気的に接続され、外枠11を介して外部との電路が形成される。よって、実施の形態1と同様に、測定部4は、電極部3と指針13との間の静電容量を測定できる。
【0074】
以下の部分は、実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
なお、上述の説明では、指針13と対向する面積が指針13の変位量によらず略一定となるような長方形の電極部3について説明したが、指針13との距離に加えて、指針13と対向する面積がさらに変化するように、台形の電極部を用いてもよい。
【0075】
この発明の実施の形態2によれば、指針と対向する面積を変化させるように電極部を形成する必要がない。また、電極部を指針の変位面に対して所定の角度をもつように配置するだけで、電極部と指針との距離を指針の変位量に比例させることができる。よって、静電容量と指針の変位量との比例関係を容易に実現できる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】実施の形態1に従う表示値読取装置の概略構成図である。
【図2】測定部の概略構成図の一例である。
【図3】指針の変位量と測定部で測定される静電容量との関係の一例を示す図である。
【図4】実施の形態1に従う遠隔監視システムの概略構成図である。
【図5】実施の形態2にかかる読取対象の表示器を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 表示値読取装置、2,3 電極部、4 測定部、5 スペーサ、6 演算部、8 記録部、9 記録媒体、10,11 外枠、12,13 指針、14 回転軸、16,17 表示窓、18,19 指示板、20,50 表示器、30 交流印加部、32 変流部、34 検波部、36 制御部、40 送信部、42 受信部、44 表示部、100 遠隔監視システム、C 静電容量、d 電極間の間隔、S 電極間の面積、X 変位量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指針の変位により測定量を表示し、かつ、前記指針が導電性を有する表示器において、その表示値を読取る表示値読取装置であって、
前記指針と絶縁され、かつ、前記指針の変位に応じて前記指針との間の静電容量が変化するように配置される電極部と、
前記指針と前記電極部との間の静電容量を測定する測定部と、
前記測定部において測定された静電容量に基づいて前記表示値を演算し、外部へ出力する演算部とを備える、表示値読取装置。
【請求項2】
前記電極部は、前記指針の変位面に対して略平行に配置され、かつ、前記指針の変位に応じて前記指針と対向する面積が変化するような形状を有する、請求項1に記載の表示値読取装置。
【請求項3】
前記電極部は、前記指針の変位に応じて前記指針との距離が変化するように、前記指針の変位面に対して所定の角度をもって配置される、請求項1に記載の表示値読取装置。
【請求項4】
前記電極部は、光透過性を有する導電性フィルムからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示値読取装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示値読取装置と、
前記表示値読取装置において演算された前記表示値を転送する転送手段と、
前記転送手段において転送された前記表示値を表示する表示部とを備える、遠隔監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−225446(P2007−225446A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47166(P2006−47166)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【Fターム(参考)】