説明

表示入力装置及び表示方法

【課題】使用者が両手で保持した状態で両手での入力操作を可能とし、視認し易い画像の表示を可能にする表示入力装置及び表示方法を提供する。
【解決手段】画像表示パネル1の両面に正面側タッチパネル2及び背面側タッチパネル3が配置してあり、画像表示パネル1の両面からの入力が可能である。不可視領域検出部5が、表示入力装置を保持する使用者の手(指)によって視認し辛い不可視領域を検出し、画像処理部10が、不可視領域に表示されている画像を、視認可能な領域に移動させて表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示パネルを備え、画像表示パネル上のいずれかの位置を指定する入力を受け付ける表示入力装置及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
透過型液晶パネルなどの画像表示パネルを用いた表示入力装置が、PDAなどの携帯端末に広く利用されている(例えば特許文献1,2)。特許文献1,2に開示された装置では、画像表示パネルの背面側からの入力が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−216087号公報
【特許文献2】特開2007−164767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような表示入力装置で情報の入力を行なう場合、使用者は両手で表示入力装置を保持した状態で、表示入力装置の背面側に位置する指で入力の操作を行なうことができる。このような装置では、使用者は指で装置を挟持して使用するので、表示画像において、装置の正面側に位置する指によって隠され、使用者が視認できない領域が発生するという問題がある。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、使用者が両手で保持した状態で両手での入力操作を行なう場合であっても、使用者の手によって視認できない領域の発生を防止することが可能な表示入力装置及び表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示入力装置は、一面側から他面側へ光が透過する画像表示パネルと、該画像表示パネルの両面夫々に設けられ、該両面夫々に対する入力操作を受け付ける受付部と、前記画像表示パネルのいずれかの面の側に存在する物体が、該いずれかの面を被覆又は接触する領域を検出する領域検出部と、該領域検出部が検出した領域に基づいて、前記画像表示パネルに表示させる画像の表示位置を調整する画像調整部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、画像表示パネルの両面からの入力が可能である。表示入力装置は、一面側(背面側)にある物体が他面側(正面側)から見えるように透光性の構造になっており、使用者は、背面側の操作状態を正面側から視認しながら行なうことが可能である。表示入力装置は、画像表示パネルのいずれかの面の近傍に存在する物体によって、画像表示パネルのいずれかの面が被覆又は接触される領域を検出する。例えば、画像表示パネルを保持する使用者の手などの陰となり表示画像が視認し辛い領域、画像表示パネルの背面で使用者の手などと重なる領域などが検出される。表示入力装置は、このような領域があった場合に、この領域の表示位置を調整し、例えば、視認可能な領域、又は使用者の手と重ならない領域に表示させる。これにより、使用者の手(指)によって視認できない領域の発生を防止でき、表示画像によって背面側の操作を視認できないという状況の発生を防止できる。
【0008】
本発明に係る表示入力装置は、前記画像表示パネルは、予め分割された複数の分割領域毎に画像表示が可能であり、前記画像調整部は、前記領域検出部が検出した領域を含む分割領域の表示位置を調整するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、画像表示パネルは複数の分割領域に分割されており、分割領域毎に表示制御される。そして、表示画像において、画像表示パネルを保持する使用者の手などの陰となり視認できない領域があった場合、又は、画像表示パネルの背面側において、画像表示パネルを保持する使用者の手などと重なる領域があった場合、このような領域を含む分割領域毎に、表示位置が調整される。よって、上述したような領域を含まない分割領域に表示される画像の表示位置は変更されないので、画像の表示位置の不要な変更が抑制され、処理負担が軽減される。
【0010】
本発明に係る表示入力装置は、前記領域検出部は、前記受付部が受け付けた前記一面又は他面に対する入力操作に基づいて、前記物体が前記一面又は他面と接触する領域を検出するようにしてあることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、表示入力装置は、使用者が画像表示パネルの正面側に接触した領域を、画像表示パネルを保持する使用者の手などの陰となり表示画像が視認し辛い領域として検出する。また、表示入力装置は、使用者が画像表示パネルの背面側に接触した領域を、画像表示パネルの背面で使用者の手などと重なる領域として検出する。これにより、タッチパネルの機能によって、画像表示パネルの正面の表示画像が視認し辛い領域、及び画像表示パネルの背面の使用者の手と重なる領域を検出できるので、これらの領域を検出するための構成を新たに設ける必要がなく、コストも増大しない。
【0012】
本発明に係る表示入力装置は、前記画像調整部は、前記領域検出部が検出した1又は複数の領域に表示される画像を、該領域と、該領域以外の所定領域とに交互的に表示させるようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、画像表示パネルを保持する使用者の手などの陰となり表示画像が視認し辛い領域が発生した場合、このような領域に表示される画像が、元の領域と、元の領域以外の、使用者が視認可能な領域とに交互に表示される。また、画像表示パネルの背面で使用者の手などと重なる領域が発生した場合、このような領域に表示される画像が、元の領域と、元の領域以外の、使用者の手と重ならない領域とに交互に表示される。よって、使用者は表示画像又は背面側の操作状態を確実に視認できると共に、元の画像も視認できる。
【0014】
本発明に係る表示方法は、一面側から他面側へ光が透過する画像表示パネルを備える表示入力装置での表示方法であって、前記画像表示パネルの両面夫々に対する入力操作を受け付けるステップと、前記画像表示パネルのいずれかの面の側に存在する物体が、該いずれかの面を被覆又は接触する領域を検出するステップと、検出された領域に基づいて、前記画像表示パネルに表示させる画像の表示位置を調整するステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、画像表示パネルの両面からの入力が可能な表示入力装置において、画像表示パネルを保持する使用者の手などの陰となり視認できない画像の表示位置を調整し、使用者の手によって視認できない領域の発生を防止する。また、画像表示パネルの背面側において、画像表示パネルを保持する使用者の手などと重なる領域の表示画像の表示位置を調整し、使用者の手などによる背面側の操作状態を確実に視認可能とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、使用者は、表示入力装置を両手で保持した状態で、表示入力装置の正面及び背面に対する入力操作を行なうことができるので、入力操作の自由度が増し、表示入力装置の利便性が向上する。また、表示画像において、画像表示パネルを保持する使用者の手によって遮られ、視認できない領域の発生を防止できるので、表示入力装置の利便性がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1の表示入力装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】表示入力装置の使用態様を示す模式図である。
【図3】実施形態1の表示入力装置による表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】画像の表示位置の調整処理を説明するための説明図である。
【図5】実施形態2の表示入力装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】実施形態2の表示入力装置による表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】画像の表示位置の調整処理を説明するための説明図である。
【図8】画像の表示位置の調整処理を説明するための説明図である。
【図9】画像の表示位置の調整処理を説明するための説明図である。
【図10】実施形態4の表示入力装置による表示処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明をその実施形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1は実施形態1の表示入力装置の内部構成を示すブロック図、図2は表示入力装置の使用態様を示す模式図である。本発明の表示入力装置は、例えば、携帯型のコンピュータ、携帯型のゲーム機又は携帯電話機である。本実施形態1の表示入力装置は、画像表示パネル1と、正面側タッチパネル2と、背面側タッチパネル3と、主制御部4と、不可視領域検出部5と、画像処理部10と、画像メモリ20とを備えている。画像処理部10は、制御部11と、表示制御部12と、画像調整部13とを有している。画像調整部13は、メモリ制御部13a及びバッファメモリ13bを含む。
【0020】
画像表示パネル1は、液晶パネル又はEL(エレクトロルミネセンス)パネルなどである。画像表示パネル1は、背面側から正面側へ光が透過可能な構造となっており、背面側に存在する外部の物体を正面側から画像表示パネル1を通して視認可能である。なお、画像表示パネル1が表示した画像が正常に視認できる面の側を正面側とし、逆の側を背面側とする。画像表示パネル1は、表示した画像が背面側からも視認できる構成であってもよく、画像が背面側からは視認できない構成であってもよい。画像が背面側からも視認できる構成の場合は、背面側からは左右が反転した画像が視認されることとなる。
【0021】
画像表示パネル1の正面には、使用者によるタッチ操作(入力操作)を受け付ける正面側タッチパネル(受付部)2が設けられ、画像表示パネル1の背面には、使用者によるタッチ操作を受け付ける背面側タッチパネル(受付部)3が設けられている。正面側タッチパネル2及び背面側タッチパネル3は、透光性の構造となっている。従って、画像表示パネル1、正面側タッチパネル2及び背面側タッチパネル3は全体として、背面側に存在する外部の物体を正面側から視認可能となっている。
【0022】
図2に示すように、表示入力装置の外観は、画像表示パネル1の周縁部を枠状の筐体が支持した構成となっている。見掛け上、正面視で表示入力装置の大部分は画像表示パネル1が占める。上述したように、画像表示パネル1の正面側に正面側タッチパネル2が配置されている。正面側タッチパネル2は使用者が接触できるように表面が露出している。また、画像表示パネル1の背面側に背面側タッチパネル3が配置されている。背面側タッチパネル3は使用者が接触できるように表面が露出している。表示入力装置の背面の外観は、図2に示した正面と同様の外観となっている。
【0023】
使用者は、両手で表示入力装置を支持(保持)した状態で両手で入力操作を行なう。表示入力装置を支持している手の一部(図2においては親指以外の4指)が、表示入力装置の背面側に存在しており、使用者は、画像表示パネル1、正面側タッチパネル2及び背面側タッチパネル3を通して視認できる。なお、表示入力装置の筐体と重なる手の部分は、筐体で隠れてしまうので表示入力装置の正面側からは視認できない。使用者は、画像表示パネル1に表示された画像を正面側タッチパネル2を通して視認し、指で正面側タッチパネル2に接触することにより、画像表示パネル1上の表示画像に基づくソフトキーに対して入力操作を行なう。また使用者は、画像を視認した上で、画像表示パネル1、正面側タッチパネル2及び背面側タッチパネル3を通して視認される指を用いて背面側タッチパネル3に接触することによっても入力操作を行なうことができる。なお使用者は、指だけでなく、所定のペンを用いて入力操作を行なってもよく、片手で表示入力装置を支持し、もう片方の手で入力操作を行なってもよい。
【0024】
正面側タッチパネル2及び背面側タッチパネル3には、使用者による入力操作を受け付けるための処理を行なう処理回路(図示せず)が付属している。正面側タッチパネル2及び背面側タッチパネル3は、使用者の操作により、指又はペンなどで接触された箇所(位置)を抵抗膜方式又は静電容量方式などの方法により検出する。正面側タッチパネル2及び背面側タッチパネル3は、主制御部4に接続されており、検出した位置を示すデータを主制御部4へ出力する。
【0025】
主制御部4は、演算を実行する演算部、並びに演算に必要なデータ及びプログラムを記憶するメモリなどを有するデバイスであり、表示入力装置全体の動作を制御する。主制御部4は、正面側タッチパネル2及び背面側タッチパネル3から取得したデータに基づいて、使用者が入力操作(接触)した箇所(位置)を特定し、特定した箇所に基づいて、実行すべき処理を特定する。そして、主制御部4は、特定した処理に応じて、表示入力装置が備える各部の動作を制御する。
【0026】
具体的には、表示入力装置において、正面側タッチパネル2上の位置及び背面側タッチパネル3上の位置と、画像表示パネル1上の位置とを対応付けたデータが予め記憶部(図示せず)に記憶されている。主制御部4は、正面側タッチパネル2又は背面側タッチパネル3から入力されたデータが示す、正面側タッチパネル2又は背面側タッチパネル3で入力を受け付けた位置に対応する画像表示パネル1上の位置を、記憶しているデータに基づいて特定する。また、主制御部4は、特定した画像表示パネル1上の位置と、画像表示パネル1上の表示画像に基づく各ソフトキーの表示位置とに基づいて、いずれのソフトキーが操作されたかを判定する。そして、主制御部4は、操作されたソフトキーに対応する処理を実行する。これにより、使用者が入力操作することによって指定した各種処理を表示入力装置に実行させることができる。
【0027】
ところで、正面側タッチパネル2及び背面側タッチパネル3は、入力操作を行なうために使用者が接触(タッチ)した位置だけでなく、表示入力装置を保持するために使用者の手(指)が接触している位置も検出する。本実施形態1の主制御部4は、上述したように、使用者が入力操作(接触)した箇所に基づいて、接触箇所に対応するソフトキーに基づく処理を行なう。一方、主制御部4は、正面側タッチパネル2に対して使用者が接触した箇所(位置)が、ソフトキーの表示位置ではない場合、即ち、入力操作を行なうためではなく、表示入力装置を保持するために使用者の手が正面側タッチパネル2に接触していた場合、特定した位置(接触位置)を示すデータを不可視領域検出部5へ出力する。
【0028】
不可視領域検出部(領域検出部)5は、主制御部4から取得したデータに基づいて、表示画面において、使用者が表示入力装置を保持する手の陰となって使用者が見辛くなっている領域(以下、不可視領域という)を検出する。不可視領域検出部5は、検出した領域を示す情報を画像処理部10へ出力する。不可視領域を示す情報は、例えば、画像表示パネル1の左上角を原点、水平右方向(横方向)をx軸方向、鉛直下方向(縦方向)をy軸方向とした場合に、矩形の不可視領域の左上角及び右下角をそれぞれ座標(x1,y1)及び座標(x2,y2)で表した情報である。
【0029】
なお、正面側タッチパネル2に対する使用者の接触位置のそれぞれについて、対応するソフトキーがあるか否かの判断は、主制御部4の代わりに不可視領域検出部5によって行なってもよい。この場合、不可視領域検出部5は、正面側タッチパネル2が出力したデータ(使用者の接触位置を示すデータ)の全てを、正面側タッチパネル2又は主制御部4を介して取得する。そして、不可視領域検出部5は、対応するソフトキーがない接触位置を特定し、特定した接触位置に基づいて不可視領域を検出する。
【0030】
画像処理部10には、半導体メモリ又はハードディスクなどの画像メモリ20が接続されている。画像処理部10の表示制御部12は、画像メモリ20から表示すべき画像データを取得し、表示用の画像情報及び制御信号を画像表示パネル1へ出力して、画像表示パネル1での表示動作を制御する。また、画像処理部10の画像調整部13は、不可視領域検出部5から取得した情報に基づいて、画像表示パネル1に表示される画像の表示位置を調整する処理を行なう。画像調整部13は、表示すべき画像データを一旦バッファメモリ13bに格納し、その読出しアドレスを制御することにより、画像の表示位置を調整する処理を行なう。
【0031】
バッファメモリ13bへの画像データの書込み及びバッファメモリ13bからの画像データの読出しは、メモリ制御部13aにて制御される。なお、読出しアドレスを制御することによって画像の表示位置の調整処理を行なうようにしたが、バッファメモリ13bへの画像データの書込みアドレスを制御して画像の表示位置の調整処理を行なってもよい。制御部11は、演算を実行する演算部、並びに演算に必要なデータ及びプログラムを記憶するメモリなどからなるデバイスであり、画像の表示位置を調整する処理を行なうべきか否かを判断し、表示位置をどのように調整すべきかを決定する。
【0032】
本実施形態1では、表示入力装置全体の動作を制御する主制御部4と、画像処理部10の制御部11とが別途に設けられているが、画像処理部10の制御部11が、主制御部4による処理を行ない、表示入力装置全体の動作を制御するように構成してもよい。
【0033】
次に、本実施形態1の表示入力装置による画像の表示処理について説明する。図3は実施形態1の表示入力装置による表示処理の手順を示すフローチャートである。画像表示パネル1に画像を表示中の表示入力装置において、主制御部4は、正面側タッチパネル2からの入力を待っており(S1)、正面側タッチパネル2からの入力があったか否かを判断する(S2)。入力がない場合(S2:NO)、動作がS1に戻って、主制御部4は入力待ちとなる。
【0034】
正面側タッチパネル2からの入力があった場合(S2:YES)、主制御部4は、入力されたデータに基づいて、正面側タッチパネル2に対して使用者が入力操作(接触)した箇所を特定し、不可視領域検出部5は、特定された箇所に基づいて、使用者の手の陰となり、視認が困難な領域(不可視領域)を検出する(S3)。なお、不可視領域検出部5は、正面側タッチパネル2に対する使用者の接触位置のうちで、ソフトキーの表示位置に一致しない接触位置、即ち、入力操作のためではなく、表示入力装置を保持するために使用者の手が接触していた位置に基づいて不可視領域を検出する。
【0035】
画像処理部10の制御部11は、不可視領域検出部5によって不可視領域が検出されたか否かを判断し(S4)、不可視領域が検出されていない場合(S4:NO)、即ち、不可視領域がない場合、何も行なわずに処理を終了する。この場合、表示中の画像は、そのまま表示される。不可視領域が検出された場合(S4:YES)、即ち、不可視領域があった場合、画像処理部10の制御部11は、画像調整部13を制御して画像の表示位置の調整処理を行なわせ、不可視領域の表示位置を変更する(S5)。
【0036】
図4は画像の表示位置の調整処理を説明するための説明図である。なお、表示入力装置は、画像表示パネル1の正面側から背面側が視認可能であるが、図4では、背面側の状態の図示を省略する。図4の上側には、ある時点での表示入力装置の使用態様を示しており、使用者の左手親指が表示中のオブジェクト31を覆う位置で、右手親指が表示中のオブジェクト32を覆う位置でそれぞれ正面側タッチパネル2に接触している状態を示している。図4の上側に示した状態の場合、表示画像中のオブジェクト31,32が見辛くなり、不可視領域検出部5は、不可視領域として、オブジェクト31,32を含む領域を検出する。図4に示した例では、不可視領域検出部5は、画像表示パネル1における表示領域の下半分の領域を、不可視領域R1として検出する。なお厳密には、不可視領域検出部5は、使用者の手(指)と正面側タッチパネル2との接触領域を含む領域を不可視領域とする。
【0037】
そして、画像処理部10の制御部11は、画像調整部13によって、不可視領域R1に表示されている画像を、使用者の手(指)の陰にならない箇所、図4に示した例では、画像表示パネル1における表示領域の上半分の領域R2に表示させる。その結果、図4の下側に示したように、使用者の手の陰になって視認し辛い領域R1に表示されていた画像が、視認可能な領域R2に移動されるので、使用者は、適切な表示画像を確実に視認できる。
【0038】
本実施形態1では、不可視領域R1が表示領域の下半分の領域であったので、不可視領域R1の表示画像を、表示領域の上半分の領域R2に移動させたが、不可視領域が表示領域の上半分の領域であった場合には、不可視領域の表示画像を、表示領域の下半分の領域に移動させればよい。表示入力装置を保持する使用者のそれぞれの手は正面側タッチパネル2に対して1箇所(親指の接触箇所)で接触していることが多いので、上述したように、表示面の縦方向に表示位置をずらすことによって、不可視領域R1の表示画像を視認可能な領域に表示させることができる。なお、不可視領域R1の表示画像の移動先としては、使用者の手の陰になっていない領域であればよく、表示面の縦方向にずらす構成に限らない。例えば、不可視領域の横方向に視認可能な領域があれば、横方向にずらしてもよい。
【0039】
表示入力装置は、正面側タッチパネル2からの入力がある都度、詳細には、正面側タッチパネル2に対して入力操作ではない使用者による接触がある都度、ステップS3〜S5の処理を繰り返す。よって、表示入力装置を保持する使用者の手が邪魔になり、表示画像において視認し辛い箇所が発生する都度、その箇所に表示されていた画像を、視認可能な領域に表示させることができ、より見易い画像を提供することができる。
【0040】
上述したように、本実施形態1の表示入力装置では、画像表示パネル1の両面(正面側及び背面側)からの入力が可能であり、表示入力装置の利便性が向上する。
また、本実施形態1の表示入力装置では、使用者の手が邪魔で視認し辛い領域の表示画像を視認し易い領域に移動させて表示することにより、入力操作に影響を与えることなく、視認し易い表示画像を表示できる。
【0041】
(実施形態2)
図5は実施形態2の表示入力装置の内部構成を示すブロック図である。本実施形態2の表示入力装置は、上述した実施形態1の不可視領域検出部5の代わりに、背面被覆領域検出部6を備える。表示入力装置のその他の構成は実施形態1と同様であり、対応する部材には同一符号を付してその説明を省略する。
【0042】
本実施形態2の主制御部4は、背面側タッチパネル3に対して使用者が接触した箇所(位置)が、ソフトキーの表示位置ではない場合、即ち、入力操作を行なうためではなく、表示入力装置を保持するために使用者の手が背面側タッチパネル3に接触していた場合、特定した位置(接触位置)を示すデータを背面被覆領域検出部6へ出力する。
【0043】
背面被覆領域検出部(領域検出部)6は、主制御部4から取得したデータに基づいて、表示画像の背面側において、表示入力装置を保持する使用者の手(指)によって覆われている領域、即ち、背面側タッチパネル3に対して使用者の手が接触している領域(背面被覆領域)を検出する。背面被覆領域検出部6は、検出した領域を示す情報を画像処理部10へ出力する。
【0044】
なお、背面側タッチパネル3に対する使用者の接触位置のそれぞれについて、対応するソフトキーがあるか否かの判断は、主制御部4の代わりに背面被覆領域検出部6によって行なってもよい。この場合、背面被覆領域検出部6は、背面側タッチパネル3が出力したデータ(使用者の接触位置を示すデータ)の全てを、背面側タッチパネル3又は主制御部4を介して取得する。そして、背面被覆領域検出部6は、対応するソフトキーがない接触位置を特定し、特定した接触位置に基づいて背面被覆領域を検出する。
画像処理部10の画像調整部13は、背面被覆領域検出部6から取得した情報に基づいて、画像表示パネル1に表示される画像の表示位置を調整する処理を行なう。画像調整部13による画像の表示位置の調整処理は、実施形態1で説明した処理と同様の処理である。
【0045】
次に、本実施形態2の表示入力装置による画像の表示処理について説明する。図6は実施形態2の表示入力装置による表示処理の手順を示すフローチャートである。画像表示パネル1に画像を表示中の表示入力装置において、主制御部4は、背面側タッチパネル3からの入力を待っており(S11)、背面側タッチパネル3からの入力があったか否かを判断する(S12)。入力がない場合(S12:NO)、動作がS11に戻って、主制御部4は入力待ちとなる。
【0046】
背面側タッチパネル3からの入力があった場合(S12:YES)、主制御部4は、入力されたデータに基づいて、背面側タッチパネル3に対して使用者が接触した箇所を特定し、背面被覆領域検出部6は、特定された箇所に基づいて、表示画面の背面側において使用者の手の陰となっている背面被覆領域を検出する(S13)。なお、背面被覆領域検出部6は、背面側タッチパネル3に対する使用者の接触位置のうちで、ソフトキーの表示位置に一致しない接触位置、即ち、入力操作のためではなく、表示入力装置を保持するために使用者の手が接触していた位置に基づいて背面被覆領域を検出する。
【0047】
画像処理部10の制御部11は、背面被覆領域検出部6によって背面被覆領域が検出されたか否かを判断し(S14)、背面被覆領域が検出されていない場合(S14:NO)、即ち、背面被覆領域がない場合、何も行なわずに処理を終了する。この場合、表示中の画像は、そのまま表示される。背面被覆領域が検出された場合(S14:YES)、即ち、背面被覆領域があった場合、画像処理部10の制御部11は、画像調整部13を制御して画像の表示位置の調整処理を行なわせ、背面被覆領域の表示位置を変更する(S15)。
【0048】
図7は画像の表示位置の調整処理を説明するための説明図である。図7の上側には、ある時点での表示入力装置の使用態様を示しており、上側の図では省略しているが、表示中のオブジェクト31は、ソフトキーA,Bと重なる位置に、表示中のオブジェクト32は、ソフトキーC,Dと重なる位置にそれぞれ表示されている。
【0049】
ソフトキーを表示させるためのキー表示用データは、画像表示パネル1に表示される画像データとは別に用意されており、例えば画像メモリ20に予め記憶されている。そして、画像処理部10は、主制御部4からの指示に従って、画像表示パネル1に表示すべきキー表示用データと、画像データとを画像メモリ20から取得し、例えば画像データをキー表示用データの上側に重ね合せて画像表示パネル1に表示させる。従って、本実施形態2では、ソフトキーA〜Dの上にオブジェクト31,32が表示され、ソフトキーA〜Dが視認できない状況が発生する。
【0050】
図7の上側に示した状態の場合、使用者はソフトキーA〜Dを操作しようとするが、表示画像中のオブジェクト31,32によってソフトキーA〜Dが見辛くなっている。そこで、背面被覆領域検出部6は、使用者が背面側タッチパネル3に接触した箇所のうちで、ソフトキーA〜D以外の箇所を含む領域を、背面被覆領域として検出する。図7に示した例では、背面被覆領域検出部6は、オブジェクト31,32を含む領域、即ち、画像表示パネル1における表示領域の下半分の領域を背面被覆領域R3として検出する。
【0051】
そして、画像処理部10の制御部11は、画像調整部13によって、背面被覆領域R3に表示されている画像を、使用者の手(指)が背面側タッチパネル3と接触していない箇所、図7に示した例では、画像表示パネル1における表示領域の上半分の領域R4に表示させる。その結果、図7の下側に示したように、ソフトキーA〜Dに重なる位置の領域R3に表示されていた画像(オブジェクト31,32)が、ソフトキーA〜Dに重ならない位置に移動されるので、使用者は、ソフトキーA〜D及び自身の手(指)を確実に視認でき、操作性が向上する。
【0052】
本実施形態2では、背面被覆領域R3が表示領域の下半分の領域であったので、背面被覆領域R3の表示画像を、表示領域の上半分の領域R4に移動させたが、背面被覆領域が表示領域の上半分の領域であった場合には、背面被覆領域の表示画像を、表示領域の下半分の領域に移動させればよい。表示入力装置を保持する使用者の2つの手(各手の指)は背面側タッチパネル3に対して横方向に並んで接触していることが多いので、上述したように、表示面の縦方向に表示位置をずらすことによって、背面被覆領域R3の表示画像を、使用者の接触箇所(ソフトキーの表示位置の近傍)と重ならない位置に表示させることができる。なお、背面被覆領域R3の表示画像の移動先としては、使用者の接触箇所と重ならない位置であればよく、表示面の縦方向にずらす構成に限らない。例えば、背面被覆領域の横方向に、使用者の接触箇所と重ならない領域があれば、横方向にずらしてもよい。
【0053】
表示入力装置は、背面側タッチパネル3からの入力がある都度、詳細には、背面側タッチパネル3に対して入力操作ではない使用者による接触がある都度、ステップS13〜S15の処理を繰り返す。よって、表示画像によって背面側での操作状態が視認し辛い状況の発生を防止し、より操作性の高い表示入力装置を提供できる。
【0054】
(実施形態3)
本実施形態3の表示入力装置は、上述した実施形態1の表示入力装置と同様の構成によって実現可能であり、表示入力装置が備える各部についての説明を省略する。また、本実施形態3の表示入力装置は、図3に示した表示処理と同様の処理を行なうので、表示処理の詳細についても説明を省略する。
本実施形態3の表示入力装置は、図3に示した表示処理において、ステップS5の処理、具体的には、画像の表示位置の調整処理が実施形態1とは相異するので、この処理についてのみ説明する。
【0055】
本実施形態3の画像表示パネル1は、表示領域が複数の領域(分割領域)に分割されており、分割領域毎に画像表示が可能である。具体的には、画像処理部10が画像調整部13を制御し、バッファメモリ13bに格納されている画像データの読出しアドレスを制御することにより、分割領域単位で、画像の表示位置を調整する処理を行なう。
【0056】
図8は画像の表示位置の調整処理を説明するための説明図である。図8の上側には、ある時点での表示入力装置の使用態様を示しており、図4の上側に示した図と同様の状態を示している。
本実施形態3では、画像表示パネル1が、図8の上側に示した例のように、領域R11,R12,R13,R21,R22,R23の複数(図8では6つ)の領域に分割されて処理される。
【0057】
図8の上側に示した状態の場合、本実施形態3の不可視領域検出部5は、不可視領域として、オブジェクト31を含む分割領域R11と、オブジェクト32を含む分割領域R13とを検出する。
本実施形態3の画像処理部10の制御部11は、画像調整部13によって、不可視領域として検出された分割領域R11及びR13に表示されている画像を、使用者の手(指)の陰にならない箇所、図8に示した例では、分割領域R21及びR23に表示させる。その結果、図8の下側に示したように、使用者の手の陰になって視認し辛い領域R11,R13に表示されていた画像が、視認可能な領域R21,R23に移動されるので、使用者は、適切な表示画像を確実に視認できる。なお、不可視領域ではない分割領域R12の表示画像はそのまま分割領域R12に表示される。
【0058】
本実施形態3では、分割領域R11,R13が不可視領域として検出されたので、分割領域R11,R13の表示画像を、それぞれの上に位置する分割領域R21,R23に移動させたが、このような構成に限らない。例えば、分割領域R21〜R23のいずれかが不可視領域として検出された場合、不可視領域の表示画像を、それぞれ下に位置する分割領域R11〜R13に移動させればよい。また例えば、不可視領域の横方向に視認可能な領域があれば、不可視領域の表示画像を横方向にずらしてもよく、分割領域R11が不可視領域であった場合に、分割領域R11の表示画像を分割領域R12にずらしてもよい。不可視領域の表示画像の移動先としては、使用者の手の陰になっていない領域であればよく、使用者の左右の手と正面側タッチパネル2との複数の接触位置に応じて適宜決定すればよい。
【0059】
本実施形態3では、不可視領域の表示画像を、視認可能な領域に移動させることにより、入力操作に影響を与えることなく、視認し易い表示画像を表示できる。また、表示領域を予め分割した分割領域毎に表示位置の移動が可能であるので、視認し辛くない領域の表示画像を移動させないことにより、不要な移動処理(画像の表示位置の調整処理)を削減できる。よって、不可視領域の移動先の領域に本来表示されるべき画像が、不可視領域の表示画像を移動させることによって欠落する(表示されない)という状況の発生を抑制できる。
【0060】
本実施形態3は、実施形態1の変形例として説明したが、実施形態2にも同様に適用できる。即ち、実施形態2の表示入力装置において、画像表示パネル1が、複数の分割領域毎に画像表示が可能であり、画像処理部10が画像調整部13を制御し、分割領域単位で、画像の表示位置を調整する処理を行なう。図9は画像の表示位置の調整処理を説明するための説明図であり、図9の上側には、図7の上側に示した図と同様の状態を示す。図9の上側に示した状態の場合、使用者の左手が背面側タッチパネル3と接触する領域を含む分割領域R11と、使用者の右手が背面側タッチパネル3と接触する領域を含む分割領域R13とが背面被覆領域として検出される。そして、分割領域R11の表示画像が分割領域R21に移動され、分割領域R13の表示画像が分割領域R23に移動される。なお、分割領域R12の表示画像はそのまま分割領域R12に表示される。
【0061】
(実施形態4)
本実施形態4の表示入力装置は、上述した実施形態1の表示入力装置と同様の構成によって実現可能であり、表示入力装置が備える各部についての説明を省略する。なお、本実施形態4の画像処理部10の制御部11は、タイマを有する。また、本実施形態4の表示入力装置は、図3に示した表示処理と同様の処理を行なうので、表示処理の詳細についても説明を省略する。
本実施形態4の表示入力装置は、図3に示した表示処理において、ステップS5の処理、具体的には、画像の表示位置の調整処理が実施形態1とは相異するので、この処理についてのみ説明する。
【0062】
本実施形態4の表示入力装置は、不可視領域が検出された場合、不可視領域の表示画像を、この不可視領域と、視認可能な領域とに交互に表示させる。即ち、本実施形態4の表示入力装置は、上述の実施形態1と同様に、不可視領域の表示画像を視認可能な領域に移動させると共に、所定時間経過後には、元の不可視領域に表示させ、これを繰り返す。
【0063】
図10は実施形態4の表示入力装置による表示処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態4の表示入力装置は、図3に示したステップS1〜S5と同様の処理をステップS21〜S25で実行する。
【0064】
ステップS25の処理によって、図4の上側に示した表示状態から図4の下側に示した表示状態に変更される。画像処理部10の制御部11は、不可視領域の表示位置を変更した場合、タイマによって所定時間の計時を開始しており、所定時間が経過したか否かを判断する(S26)。なお、所定時間は、切り替えた表示画像を十分確認できる程度の時間であればよく、例えば数秒程度でよい。また所定時間は予め決められて制御部11のメモリに格納されている。
【0065】
所定時間が経過していない場合(S26:NO)、制御部11は、所定時間が経過するまで待機し、所定時間が経過した場合(S26:YES)、ステップS25で移動させた不可視領域の表示画像を元の表示位置に戻して表示する(S27)。即ち、図4の下側に示した表示状態から図4の上側に示した表示状態に戻される。そして、制御部11は、タイマによって所定時間の計時を再度開始し、所定時間が経過したか否かを判断する(S28)。所定時間が経過していない場合(S28:NO)、制御部11は、所定時間が経過するまで待機し、所定時間が経過した場合(S28:YES)、ステップS25の処理に戻り、不可視領域の表示画像を視認可能な領域に再度移動させる(S25)。
【0066】
表示入力装置は、画像表示パネル1の表示画像が切り替わるまで、ステップS25〜S28の処理を繰り返す。これにより、図4の上側に示した表示状態と、図4の下側に示した表示状態とが所定時間間隔で交互に切り替えられる。よって、本実施形態4の表示入力装置では、視認し辛い領域の表示画像を視認し易く表示できると共に、元の画像をそのまま表示できる。
【0067】
なお、図4の上側に示した表示状態から図4の下側に示した表示状態に切り替える際の時間と、図4の下側に示した表示状態から図4の上側に示した表示状態に切り替える際の時間とは、同一でなくてもよい。例えば、図4の下側に示した表示状態、即ち、不可視領域の表示画像を視認可能な領域に表示している状態の継続時間を、図4の上側に示した表示状態の継続時間よりも長くしてもよい。この場合、不可視領域の表示画像を視認できる時間が、視認できない時間よりも長いので、不可視領域の表示画像を十分確認できる。
【0068】
本実施形態4は、実施形態1の変形例として説明したが、実施形態2,3にも同様に適用できる。即ち、実施形態2の表示入力装置において、背面被覆領域R3が検出された場合、背面被覆領域R3の表示画像を、この背面被覆領域R3と、ソフトキーの表示位置に重ならない位置の領域R4とに交互に表示させる。これにより、図7の上側に示した表示状態と、図7の下側に示した表示状態とを交互に切り替えることができる。
【0069】
また、実施形態3の表示入力装置において、不可視領域R11,R13が検出された場合、不可視領域R11,R13の表示画像を、この不可視領域R11,R13と、視認可能な領域R21,R23とに交互に表示させる。これにより、図8の上側に示した表示状態と、図8の下側に示した表示状態とを交互に切り替えることができる。また同様に、実施形態3の変形例として示した表示入力装置において、背面被覆領域R11,R13が検出された場合、背面被覆領域R11,R13の表示画像を、この背面被覆領域R11,R13と、使用者の接触箇所と重ならない位置の領域R21,R23とに交互に表示させる。これにより、図9の上側に示した表示状態と、図9の下側に示した表示状態とを交互に切り替えることができる。
【0070】
上述した実施形態1,3,4では、画像表示パネル1の正面側に生じる不可視領域に表示される画像の表示位置を変更する構成を示し、実施形態2では、画像表示パネル1の背面側に生じる背面被覆領域に表示される画像の表示位置を変更する構成を示した。本発明の表示入力装置は、これらの構成を組み合わせた装置に適用できる。具体的には、画像表示パネル1の正面側に不可視領域が発生した場合、不可視領域の表示画像を適切な位置に移動させると共に、画像表示パネル1の背面側に背面被覆領域が発生した場合、背面被覆領域の表示画像を適切な位置に移動させる。
【0071】
上述した実施形態1〜4では、画像表示パネル1の正面側に不可視領域が発生した場合、又は画像表示パネル1の背面側に背面被覆領域が発生した場合に、それぞれ適切な位置に表示画像を移動させる構成であった。しかし、このような構成に限定されない。例えば、表示画像において使用者にとって不要な画像が表示されている領域があり、使用者がその領域に手(指)を接触させて表示入力装置を保持している状況が考えられる。また、ソフトキーが固定位置に表示されており、使用者が各ソフトキーの表示位置を確認せずに操作できる状況が考えられる。これらの状況の場合、不可視領域又は背面被覆領域の表示画像を必ずしも移動させる必要はない。そこで、画像の表示位置の調整処理を行なうか否かを使用者によって選択可能に構成してもよい。
【0072】
上述した実施形態1〜4では、使用者の手が正面側タッチパネル2又は背面側タッチパネル3と接触する領域を含む矩形の領域を、不可視領域又は背面被覆領域とし、不可視領域又は背面被覆領域単位で表示位置を移動させていた。しかし、このような構成に限定されない。例えば、画像データが、画像中のオブジェクト単位で表示制御可能である場合、オブジェクトを含む領域(例えば、領域R1,R3,R11,R13)単位ではなく、オブジェクト単位で表示位置を移動させてもよい。この場合、表示位置を移動させる画像を最小限とすることができると共に、移動させる領域が小さいので、移動先の領域の確保が容易となる。
【0073】
上述した実施形態1〜4では、画像表示パネル1の表裏に正面側タッチパネル2及び背面側タッチパネル3を重ねて配置した構成を示したが、表示入力装置は、他の構成で受付部を実現してもよい。例えば、表示入力装置は、受付部として光学式タッチパネルを備えた形態であってもよい。また例えば、表示入力装置は、画像表示パネル1に光センサを内蔵しておき、画像表示パネル1の正面及び背面に対する入力操作を光センサにより検出する形態であってもよい。この場合、使用者の手が正面側タッチパネル2又は背面側タッチパネル3に接触している箇所だけでなく、接触してないが、使用者の手又は用紙などによって表示領域に陰が生じている領域の検出も可能となる。このような領域の表示画像の表示位置を移動させることにより、より見易い画像及びソフトキーの表示が可能となる。
【0074】
本発明の表示入力装置の例として、携帯型のコンピュータ、携帯型のゲーム機及び携帯電話機を挙げたが、表示入力装置はその他の装置であってもよい。例えば、表示入力装置は、コピー機に設けられた取り外し可能な操作パネルであってもよい。
【0075】
以上、本発明の好適な実施形態についてそれぞれ具体的に説明したが、各構成及び動作などは適宜変更可能であって、上述の実施形態に限定されることはない。
【符号の説明】
【0076】
1 画像表示パネル
2 正面側タッチパネル(受付部)
3 背面側タッチパネル(受付部)
4 主制御部
5 不可視領域検出部(領域検出部)
6 背面被覆領域検出部(領域検出部)
10 画像処理部
13 画像調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面側から他面側へ光が透過する画像表示パネルと、
該画像表示パネルの両面夫々に設けられ、該両面夫々に対する入力操作を受け付ける受付部と、
前記画像表示パネルのいずれかの面の側に存在する物体が、該いずれかの面を被覆又は接触する領域を検出する領域検出部と、
該領域検出部が検出した領域に基づいて、前記画像表示パネルに表示させる画像の表示位置を調整する画像調整部と
を備えることを特徴とする表示入力装置。
【請求項2】
前記画像表示パネルは、予め分割された複数の分割領域毎に画像表示が可能であり、
前記画像調整部は、前記領域検出部が検出した領域を含む分割領域の表示位置を調整するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の表示入力装置。
【請求項3】
前記領域検出部は、前記受付部が受け付けた前記一面又は他面に対する入力操作に基づいて、前記物体が前記一面又は他面と接触する領域を検出するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示入力装置。
【請求項4】
前記画像調整部は、前記領域検出部が検出した1又は複数の領域に表示される画像を、該領域と、該領域以外の所定領域とに交互的に表示させるようにしてあることを特徴とする請求項1から3までのいずれかひとつに記載の表示入力装置。
【請求項5】
一面側から他面側へ光が透過する画像表示パネルを備える表示入力装置での表示方法であって、
前記画像表示パネルの両面夫々に対する入力操作を受け付けるステップと、
前記画像表示パネルのいずれかの面の側に存在する物体が、該いずれかの面を被覆又は接触する領域を検出するステップと、
検出された領域に基づいて、前記画像表示パネルに表示させる画像の表示位置を調整するステップと
を含むことを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−80273(P2013−80273A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218483(P2011−218483)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】