説明

表示入力装置

【課題】階層毎に選択肢が表示される場合に所望の選択肢に辿り着くための操作手順を減少することができる表示入力装置を提供する。
【解決手段】表示入力装置1は、複数の選択肢画像を有する階層S1、S2、S3…を有し、各階層S1、S2、S3…の座標が隣り合う階層の座標と対応付けられた表示画像情報260を記憶するマイクロコンピュータ20上の記憶部と、操作内容を検出して検出信号を出力する操作部としてのタッチセンサ12と、表示画像を表示する表示部14と、記憶部に記憶された表示画像情報260のうち表示部14に表示される表示画像の領域を示す表示領域A1を、タッチセンサ12が出力した検出信号に基づいて階層上において座標移動させ、又は同一座標において隣り合う階層へ移動させ、移動させた結果としての当該表示領域に基づいて表示部14に表示する表示画像を生成する表示画像生成部26とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、利用者の意思決定が入力されなくても表示中の選択肢に属する下位の階層の選択肢を表示する表示入力装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この表示入力装置は、表示装置と、表示装置上に配置されて利用者の指等の接触位置を検出する接触位置検出手段と、ツリー構造を有する複数の選択肢のうちある上位階層の選択肢が表示されている場合に接触位置に対応する上位階層の選択肢に属する下位階層の選択肢を表示する表示制御手段と、利用者の指等が接触位置検出手段の前方の空間に接近したことを検出するセンサとを有し、表示制御手段は、センサによって指等が表示装置に表示された上位階層の選択肢に近接したことが検出された場合、当該選択肢の下位階層の選択肢を表示装置に表示する。
【0004】
この表示入力装置によれば、利用者による意思決定が入力されなくても下位の階層を表示するため、意思決定を入力する前に下位の階層の内容を確認して、所望の下位階層の選択肢を含む上位階層を決定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−19643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に示す表示入力装置は、決定した上位階層に属する下位階層の選択肢を表示中に、当該選択肢以外の選択肢に辿り付くためには、再び上位階層を一覧する表示形態に戻り、該当する上位階層の選択肢を選択する必要があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、階層毎に選択肢が表示される場合に所望の選択肢に辿り着くための操作手順を減少することができる表示入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、複数の選択肢画像を有する階層を複数有し、各階層の座標が隣り合う階層の座標と対応付けられた表示画像情報を記憶する記憶部と、操作内容を検出して少なくとも第1の検出信号及び第2の検出信号を出力する操作部と、表示画像を表示する表示部と、前記記憶部に記憶された前記表示画像情報のうち前記表示部に表示される表示画像の領域を示す表示領域を、前記操作部が出力した前記第1の検出信号に基づいて階層上において座標移動させ、又は前記第2の検出信号に基づいて同一座標において隣り合う階層へ移動させ、移動させた結果としての当該表示領域に基づいて前記表示部に表示する表示画像を生成する表示画像生成部とを有する表示入力装置を提供する。
【0009】
上記表示入力装置の操作部は、操作内容を検出して第3の検出信号を出力し、上記表示入力装置は、前記操作部が出力した第3の検出信号に基づいて、前記表示部に表示された表示画像に含まれる選択肢画像に関連付けられた制御信号を出力する制御部をさらに有させてもよい。
【0010】
上記表示入力装置の操作部は、操作内容を検出して第4の検出信号を出力し、上記表示画像生成部は、前記操作部が出力する第4の検出信号に基づいて前記表示領域を拡大又は縮小してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、階層毎に選択肢が表示される場合に所望の選択肢に辿り着くための操作手順を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施の形態に係る表示入力装置が搭載された車両内の構成の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、実施の形態に係る表示入力装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、実施の形態に係る表示画像情報の構成の一例を示す概略図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、実施の形態におけるタッチセンサ部に対する代表的な操作例を示す概略図である。
【図5A】図5Aは、表示画面に表示される表示画像と、表示画像情報と、表示領域と、判定部が判定した操作内容との関係から表示入力装置の動作の一例を説明するための概略図である。
【図5B】図5Bは、表示画面に表示される表示画像と、表示画像情報と、表示領域と、判定部が判定した操作内容との関係から表示入力装置の動作の一例を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(表示入力装置の構成)
図1は、実施の形態に係る表示入力装置が搭載された車両内の構成の一例を示す概略図である。
【0014】
この表示入力装置1は、車両6に搭載されたシート位置調整装置、空調装置、ナビゲーション装置、オーディオ装置、視界確保装置及び運転支援装置等の電子機器の操作、並びに文字等の入力を行うことができるものである。
【0015】
表示入力装置1の表示部14aは、例えば、図1に示すように、運転席と助手席の間であり、垂直方向に設けられたセンターコンソール60に配置されている。また、表示部14aに対応したタッチセンサ部12aは、シフトレバー64付近に配置されている。
【0016】
また、表示入力装置1の表示部14bは、メータパネル62等のサブモニタとして配置され、表示部14bに対応したタッチセンサ部12bは、ステアリングホイール63上に配置される。
【0017】
図2は、実施の形態に係る表示入力装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
この表示入力装置1は、画像や文字等を表示する表示部14a、14b(以下、表示部14として記載する。)と、表示部14a、14bにそれぞれ対応し、なされた操作に基づく検出信号を出力する検出部としてのタッチセンサ部12a、12b(以下、タッチセンサ部12として記載する。)と、タッチセンサ部12から出力された検出信号に基づいてなされた操作を判定する判定部24と、判定部24により行われた画像の配置を変更する操作の判定に基づいて、マイクロコンピュータ20上の記憶部に記憶された表示画像情報260に基づいて複数の画像の少なくとも1つの画像の配置を変更して表示部14に表示させる表示画像を生成する表示画像生成部26と、制御情報320に基づいて、表示画像に割り付けられた機能を実行する制御部32と、を備えて概略構成されている。
【0019】
(タッチセンサ部12の構成)
タッチセンサ部12は、例えば、操作者の体の一部(例えば、指)でカバー120の検出面121に触れた場合、触れた検出面121上の位置を検出するタッチセンサである。操作者は、例えば、検出面121に操作を行うことにより、接続された電子機器の操作及び入力を行うことが可能となる。タッチセンサ部12としては、例えば、周知の抵抗膜方式、赤外線方式、SAW方式、静電容量方式等のタッチパネルを用いることが可能である。
【0020】
本実施の形態に係るタッチセンサ部12は、例えば、検出面121に指が近づくことによる、第1の電極122及び第2の電極123と指との距離に反比例した電流の変化を検出信号として出力する静電容量方式のタッチセンサである。
【0021】
このタッチセンサ部12は、例えば、図2に示すように、カバー120と、第1の電極122及び第2の電極123と、を備えて概略構成されている。
【0022】
カバー120は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)又はガラスを用いて、板状に形成される。
【0023】
第1の電極122及び第2の電極123は、例えば、ITO(スズドープ酸化インジウム:Indium Tin Oxide)を用いて、カバー120に形成される。
【0024】
第1の電極122及び第2の電極123は、例えば、図2に示すように、紙面の縦方向及び横方向に沿って並んでいる。本実施の形態では、図2の紙面の横方向をx軸、縦方向をy軸とし、タッチセンサ部12の左上を原点としている。
【0025】
x軸方向には、例えば、m個の第2の電極123が等間隔で並んでいる。このmは、例えば、正の整数である。この第2の電極123は、例えば、タッチ検出部125と接続され、タッチ検出部125は、クロック信号に応じて順番に第2の電極123に接続して静電容量を読み出す。
【0026】
y軸方向には、例えば、n個の第1の電極122が等間隔で並んでいる。このnは、例えば、正の整数である。この第1の電極122は、例えば、駆動部124と接続され、駆動部124は、クロック信号生成部36が生成するクロック信号に応じて順番に電圧を供給する。この電圧は、例えば、図2に示すように、車両6の電源より供給、あるいは、表示入力装置1の動作に必要な電圧に調整されて供給される。
【0027】
y軸に平行に並べられた第2の電極123は、例えば、x軸に平行に並べられた第1の電極122よりも検出面121に近い層に形成されている。また、第1の電極122は、例えば、第2の電極123と電気的に絶縁されている。
【0028】
ここで、x軸の座標は、xに下付きの数字(1〜m)を付して、左から右に向かってx〜xと示すものとする。また、y軸の座標は、yに下付きの数字(1〜n)を付して、上から下に向かってy〜yと示すものとする。
【0029】
具体的には、駆動部124は、例えば、第1の電極122のy〜yの順番で電圧を供給する。また、タッチ検出部125は、例えば、第2の電極123のx〜xの順番に静電容量を読み出すように構成されている。
【0030】
タッチ検出部125は、例えば、読み出した各第2の電極123の静電容量の値(静電容量値)に基づいて、座標値(xの静電容量値、yの静電容量値、t)を生成し、検出信号としてセンサコントローラ34に出力するように構成されている。なお、時間tは、例えば、クロック信号が出力された時刻を示している。
【0031】
(表示部14の構成)
表示部14は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)型等の周知の液晶ディスプレイである。この表示部14は、例えば、マイクロコンピュータ20の表示コントローラ22に接続され、表示コントローラ22から出力される表示信号に基づいて表示画面140に画像を表示させる。
【0032】
(マイクロコンピュータ20の構成)
マイクロコンピュータ20は、例えば、プログラムに従って、取得したデータに演算、加工等を行うCPU、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等から構成される。このROMには、例えば、CPUが動作するためのプログラム等が格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果等を格納する記憶領域として用いられる。
【0033】
マイクロコンピュータ20は、例えば、図2に示すように、表示コントローラ22と、判定部24と、表示画像生成部26と、制御部32と、センサコントローラ34と、クロック信号生成部36と、を備えて概略構成されている。
【0034】
表示コントローラ22は、例えば、表示画像生成部26から出力された表示画像情報260に基づいて表示信号を生成し、表示信号に基づいた画像を表示部14に表示させるように構成されている。
【0035】
判定部24は、例えば、タッチセンサ部12のタッチ検出部125から取得した検出信号に基づいた座標値から、指が接触、又は近づいた座標を算出する。この座標の算出方法は、例えば、加重平均を用いた方法等の周知の方法が用いられる。そして、判定部24は、算出した少なくとも1つの座標の時間変化から、ドラッグ操作、ピンチアウト操作、ピンチイン操作、タッチ操作、タップ操作及び長押操作等の操作を判定する。
【0036】
表示画像生成部26は、例えば、判定部24が判定した操作に基づいて表示部14に表示させる表示画像を生成するように構成されている。表示画像生成部26は、例えば、表示部14に表示させる表示画像の情報である表示画像情報260を生成して表示コントローラ22に出力する。なお、表示画像情報260は、例えば、表示画面140の全域に表示される背景画像の情報を含む。
【0037】
制御部32は、判定部24が判定した操作と、表示部14に表示された表示画像に割り付けられた機能を定義する制御情報320とに基づいて、車両6に搭載されたシート位置調整装置、空調装置、ナビゲーション装置、オーディオ装置、視界確保装置及び運転支援装置等の電子機器を制御する。また、制御部32は、例えば、マイクロコンピュータ20の各部を制御する。
【0038】
センサコントローラ34は、例えば、タッチセンサ部12を制御する。具体的には、供給する電圧の制御、供給時間の制御、静電容量の読み出しのタイミングの制御等を行うように構成されている。
【0039】
クロック信号生成部36は、例えば、表示入力装置1の動作に必要なクロック信号を生成し、各部に供給している。
【0040】
メモリ38は、例えば、半導体メモリである。このメモリ38には、接続機器情報380が格納されている。この接続機器情報380は、表示入力装置1が接続される電子機器の情報である。この電子機器の情報とは、例えば、表示画面140に表示させる画像の情報、当該画像に割り付けられた機能の情報等である。なお、メモリ38は、例えば、マイクロコンピュータ20のROM等のメモリを用いて構成されても良い。また、長押操作により表示させる機能一覧が、電子機器に依存せず共通である場合は、機能一覧に関する共通の情報が格納される。
【0041】
通信部40は、例えば、接続された電子機器と通信可能となるように構成されている。接続機器情報380は、例えば、この通信部40を介してメモリ38に格納される。この通信部40は、例えば、有線又は無線により、電子機器と接続されている。
【0042】
図3は、実施の形態に係る表示画像情報の構成の一例を示す概略図である。
【0043】
表示画像情報260は、複数の階層S1、S2、S3…から構成される。階層S1は、選択肢s11、s12、s13、s14、s15を有している。また、階層S2は、選択肢s21、s22、s23…を有しており、階層S3は、選択肢s31、s32、s33…を有している。
【0044】
各階層S1、S2、S3…はツリー構造のように相互に関連しており、例えば、階層S2において、階層S1の選択肢s11に対応する領域に選択肢s21、s22、s23、s24、s25、s26がs11に属するように配置されている。また、階層S3において、階層S2の選択s21に対応する領域にs31、s32が配置されている。
【0045】
また、各階層S1、S2、S3…の同一の領域に配置された選択肢のうち、最も値の大きな階層に配置された選択肢には、制御情報320が割り当てられている。例えば、階層S2において、階層S1の選択肢s11に対応する領域に選択肢s21、s22、s23、s24、s25、s26が配置されているが、階層S3において、階層S2の選択肢s21に対応する領域に選択肢s31、s32がさらに配置されており、これより高い階層がない場合であるので、選択肢s31及びs32にそれぞれシートを「+」方向及び「−」方向にスライドさせる制御情報320が割り当てられている。
【0046】
各階層S1、S2、S3…のうち、表示領域A1の部分が表示画面140に表示される。表示領域A1は、後述するドラッグ操作により移動可能であり、ピンチイン、ピンチアウト操作によってサイズが可変である。また、表示領域A1のサイズの下限及び上限を超えてピンチイン、ピンチアウトすることによって表示領域A1は、各階層S1、S2、S3…の間を移動する。詳しくは後述する動作の項目において説明する。
【0047】
図4(a)〜(c)は、実施の形態におけるタッチセンサ部に対する代表的な操作例を示す概略図である。
【0048】
図4(a)に示す動作は、ドラッグと呼ばれる操作であり、例えば、利用者の手H1の任意の指を検出面121に接触させたまま移動させる操作を示す。
【0049】
また、図4(b)に示す動作は、ピンチアウトと呼ばれる操作であり、利用者の手H1の任意の2本の指を検出面121に接触させたまま互いに遠ざかる方向に移動させる操作を示す。
【0050】
また、図4(c)に示す動作は、ピンチインと呼ばれる操作であり、利用者の手H1の任意の2本の指を検出面121に接触させたまま互いに近づく方向に移動させる操作を示す。
【0051】
その他、図示しないがタッチ操作、タップ操作及び長押操作等を用いることもできる。
【0052】
タッチ操作とは、例えば、指で検出面121に接触する操作を示す。タップ操作は、タッチ操作よりも短い時間で検出面121に接触する操作、言い換えれば、検出面121を叩くような操作を示す。また、タップ操作は、予め定められた時間内に複数回繰り返すことで、回数に応じた異なる機能を実行させることができる。例えば、1回のタップ操作は、マウスで行うクリックに相当する。また、例えば、連続する2回のタップ操作(ダブルタップ操作)は、マウスで行うダブルクリックに相当する。
【0053】
長押操作とは、検出面121上を、予め定められた時間よりも長く接触し続ける操作である。この長押操作の判定は、例えば、マイクロコンピュータ20又はメモリ38に記憶された操作時間に関するしきい値と、長押操作が継続する時間と、を比較することにより行われる。判定部24は、例えば、操作がアイコン上になされ、かつ、操作が継続する時間がしきい値を超えるとき、長押操作がなされていると判定する。
【0054】
(動作)
まず、車両6の電源から電圧Vが投入されると、マイクロコンピュータ20、タッチセンサ部12、表示部14等の各部に電力が供給される。
【0055】
次に、マイクロコンピュータ20の表示画像生成部26は、初期設定として表示領域A1が表示画像情報260の階層S1の全体となるように表示画像情報260を出力する。
【0056】
次に、表示コントローラ22は、表示画像生成部26から出力された表示画像情報260に基づいて表示信号を生成し、表示信号に基づいた画像を表示部14に表示させる。
【0057】
また、センサコントローラ34は、タッチセンサ部12に供給する電圧の制御、供給時間の制御、静電容量の読み出しのタイミングの制御等を行う。
【0058】
判定部24は、タッチセンサ部12のタッチ検出部125から取得した検出信号に基づいた座標値から、指が接触、又は近づいた座標を算出し、ドラッグ操作、ピンチアウト操作、ピンチイン操作、タッチ操作、タップ操作及び長押操作等の操作を判定する。
【0059】
次に、表示画像生成部26は、判定部24が判定した操作に基づいて表示部14に表示させる表示画像を生成する。その具体的な動作の一例を以下に示す。
【0060】
図5A及び図5Bは、表示画面140に表示される表示画像A2と、表示画像情報260と、表示領域A1と、判定部24が判定した操作内容との関係から表示入力装置1の動作の一例を説明するための概略図である。
【0061】
図5A(a)は、初期設定として表示画面140に表示される表示画像A2である。この場合、マイクロコンピュータ20の表示画像生成部26は、表示領域A1が表示画像情報260の階層S1の全体となるように表示画像情報260を出力している。
【0062】
この表示画像A2が表示されている状態において、タッチセンサ部12に対して図4(a)に説明したドラッグ操作であって検出面121に対して右下に移動するものがなされると、判定部24は、タッチセンサ部12のタッチ検出部125から取得した検出信号に基づいて右下に移動するドラッグ操作であると判定する。
【0063】
次に、表示画像生成部26は、判定部24が判定したドラッグ操作に基づいて表示部14に表示させる表示画像情報として、図5A(b)に示すように、表示領域A1が表示画像情報260の階層S1の左上に移動した状態に対応する表示画像情報260を出力する。この結果、「シート」を示す選択肢s11が中央に位置する表示画像A2が表示画面140に表示される。
【0064】
次に、図5A(b)に示す表示画像A2が表示されている状態において、タッチセンサ部12に対して図4(b)に説明したピンチアウト操作がなされると、判定部24は、タッチセンサ部12のタッチ検出部125から取得した検出信号に基づいてピンチアウト操作であると判定する。
【0065】
次に、表示画像生成部26は、判定部24が判定したピンチアウト操作に基づいて表示部14に表示させる表示画像情報として、図5A(c)に示すように、表示領域A1が図5A(b)のものに比べて縮小された状態に対応する表示画像情報260を出力する。この結果、「シート」を示す選択肢s11が中央に位置し、図5A(b)のものに比べて拡大された表示画像A2が表示画面140に表示される。
【0066】
次に、図5A(c)に示す表示画像A2が表示されている状態において、タッチセンサ部12に対してさらにピンチアウト操作がなされると、判定部24は、タッチセンサ部12のタッチ検出部125から取得した検出信号に基づいてピンチアウト操作であると判定する。
【0067】
次に、表示画像生成部26は、判定部24が判定したピンチアウト操作に基づいて表示部14に表示させる表示画像情報として、A1をさらに縮小しようとするが、A1のサイズが下限値に達すると、図5B(a)に示すように、表示領域A1が階層S2に移動した状態に対応する表示画像情報260を出力する。この結果、「シート」に関連する「スライド」「リクライニング」「バーチカル」「ランバーサポート」「サイドサポート」「シートメモリ」等の選択肢s21〜s26が表示された表示画像A2が表示画面140に表示される。
【0068】
次に、図5B(a)に示す表示画像A2が表示されている状態において、タッチセンサ部12に対してドラッグ操作であって検出面121に対して左に移動するものがなされると、判定部24は、タッチセンサ部12のタッチ検出部125から取得した検出信号に基づいてドラッグ操作であると判定する。
【0069】
次に、表示画像生成部26は、判定部24が判定したドラッグ操作に基づいて表示部14に表示させる表示画像情報として、図5B(b)に示すように、表示領域A1が階層S2上を右に移動した状態に対応する表示画像情報260を出力する。この結果、階層S1の「エアコン」に関連する階層S2の「温度」「風量」「吹出し口」「シートヒータ」「A/C」「AUTO」等の選択肢s27〜s212が表示された表示画像A2が表示画面140に表示される。
【0070】
次に、図5B(b)に示す表示画像A2が表示されている状態において、タッチセンサ部12に対してピンチイン操作がなされると、判定部24は、タッチセンサ部12のタッチ検出部125から取得した検出信号に基づいてピンチイン操作であると判定する。
【0071】
次に、表示画像生成部26は、判定部24が判定したピンチイン操作に基づいて表示部14に表示させる表示画像情報として、A1を拡大しようとするが、A1のサイズが上限値に達すると、図5B(c)に示すように、表示領域A1が階層S1に移動した状態に対応する表示画像情報260を出力する。この結果、階層S2の「温度」「風量」「吹出し口」「シートヒータ」「A/C」「AUTO」等の選択肢s27〜s212に関連する階層S1の「エアコン」の選択肢s12が表示された表示画像A2が表示画面140に表示される。
【0072】
また、制御部32は、次の階層が存在しない選択肢が表示された状態において、判定部24がさらにピンチアウト操作がされたと判定した場合、その選択肢に割り付けられた機能を定義する制御情報320とに基づいて、車両6に搭載されたシート位置調整装置、空調装置、ナビゲーション装置、オーディオ装置、視界確保装置及び運転支援装置等の電子機器を制御する。また、制御部32は、例えば、マイクロコンピュータ20の各部を制御する。例えば、階層S2の「スライド」を示す選択肢s11に対応する階層S3の「+」、「−」を示す選択肢s31、s32が表示された状態においてピンチアウトがなされると、制御部32は、シート位置調整装置に対しシートを「+」方向、「−」方向にスライドするよう指示する。
【0073】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によると、表示画像情報260の階層S1の選択肢(例えば、s11)に対応した下位の階層S2の選択肢(例えば、s21〜s26)が対応した領域に配置され、タッチセンサ部12に対する操作に応じて表示領域A1が階層S1、S2間を移動するよう構成し、また、各階層上を自由に移動可能としたため、上位階層で選択した選択肢と異なる選択肢に属する下位の選択肢を探す場合に上位階層に一旦戻ることなく辿り着くことができる。つまり、階層毎に選択肢が表示される場合に所望の選択肢に辿り着くための操作手順を減少することができる。
【0074】
また、階層S2において、カテゴリ分けが曖昧な「シートヒータ」等を示す選択肢を上位階層の選択肢である「シート」と「エアコン」との境界付近の領域対応する位置に配置することで利用者が所望の選択肢に辿り着くのに要する操作手順を減少することができる。
【0075】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは調整しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、判定部24が判定する操作は、ドラッグ操作、ピンチアウト操作、ピンチイン操作等に限らずタッチセンサ部12に入力可能な操作であればその種類を問わない。また、実施の形態において説明した判定部24の判定と、表示領域A1の移動、拡大・縮小等との対応付けは一例であり、その対応付けは任意に変更可能である。また、タッチセンサ部12に代えて、十字キーや決定ボタン等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…表示入力装置、6…車両、12…タッチセンサ部、14…表示部、20…マイクロコンピュータ、22…表示コントローラ、24…判定部、26…表示画像生成部、32…制御部、34…センサコントローラ、36…クロック信号生成部、38…メモリ、40…通信部、60…センターコンソール、62…メータパネル、63…ステアリングホイール、64…シフトレバー、120…カバー、121…検出面、122…第1の電極、123…第2の電極、124…駆動部、125…タッチ検出部、140…表示画面、260…表示画像情報、320…制御情報、380…接続機器情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の選択肢画像を有する階層を複数有し、各階層の座標が隣り合う階層の座標と対応付けられた表示画像情報を記憶する記憶部と、
操作内容を検出して少なくとも第1の検出信号及び第2の検出信号を出力する操作部と、
表示画像を表示する表示部と、
前記記憶部に記憶された前記表示画像情報のうち前記表示部に表示される表示画像の領域を示す表示領域を、前記操作部が出力した前記第1の検出信号に基づいて階層上において座標移動させ、又は前記第2の検出信号に基づいて同一座標において隣り合う階層へ移動させ、移動させた結果としての当該表示領域に基づいて前記表示部に表示する表示画像を生成する表示画像生成部とを有する表示入力装置。
【請求項2】
前記操作部は、操作内容を検出して第3の検出信号を出力し、
前記操作部が出力した前記第3の検出信号に基づいて、前記表示部に表示された表示画像に含まれる選択肢画像に関連付けられた制御信号を出力する制御部をさらに有する請求項1に記載の表示入力装置。
【請求項3】
前記操作部は、操作内容を検出して第4の検出信号を出力し、
前記表示画像生成部は、前記操作部が出力する前記第4の検出信号に基づいて前記表示領域を拡大又は縮小する請求項1に記載の表示入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2012−256147(P2012−256147A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128029(P2011−128029)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】