説明

表示制御回路、及び表示制御方法、並びに表示装置

【課題】低消費電力化を実現できる表示制御回路、及び表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る表示制御回路は、表示画像データ記憶装置217、比較器218、比較結果記憶装置220、比較結果記憶装置制御部219、表示画像データ記憶装置制御部216、データラッチ部221を備える。記憶装置読み出し表示モード時には、表示画像データ記憶装置217に対して表示画像データを読み出す第1動作と、データラッチ部221に保持されている1ライン前に表示した表示画像データを再度表示するように読み込む第2動作と、表示画像データ記憶装置制御部216に保持されている1読み出し前の表示画像データをデータラッチ部221に取り込む第3動作を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ等の画像表示装置を駆動する表示制御回路、及び表示装置の表示制御方法に関する。また、前記表示制御回路を搭載した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話をはじめとした液晶表示装置を具備したモバイル機器等において、バッテリー駆動による長時間動作を実現する技術が強く求められ、精力的な研究が行われている。特許文献1〜5においては、低消費電力化を実現する方法が提案されている。
【0003】
図10に、特許文献5に開示された表示装置の液晶ドライバのブロック図を示す。図10中の101は表示装置用駆動回路である液晶ドライバ、102は液晶パネルである。液晶パネル102は、データ線と薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を介して接続された画素電極と、共通電極との間に挟持された液晶画素が、複数の走査線と複数のデータ線の交点にマトリクス状に配列された、いわゆるアクティブマトリクス型の液晶パネルである。また、図10中の103は液晶パネル102の走査線を駆動するゲートドライバであり、104は液晶パネル102や他の外部装置を制御するMPUである。
【0004】
液晶ドライバ101は、システムインターフェース(IF)105、設定レジスタ106、外部表示インターフェース(IF)107、アドレスカウンタ108、タイミング生成部109、パーシャル用記憶装置110を具備する。また、液晶ドライバ101は、マルチプレクサ111、マスクスイッチ112、モードスイッチ113、交流化回路114、取り込みラッチ115、同期化ラッチ116、データ線駆動部(DAC)117も具備する。パーシャル用記憶装置110は、表示画像データを記憶する装置として機能する。
【0005】
次に、図10を用いつつ、MPU104、液晶ドライバ101、液晶パネル102の動作について説明する。MPU104は、液晶パネル102に画像を表示するための表示画像データ、動作モード等の各種コマンド、液晶パネル102の各駆動用パラメータを液晶ドライバ101に転送する。各駆動用パラメータには、パネルインターフェース制御や駆動電圧制御の他、低消費電力で使用されるパーシャル表示モード時の表示タイミング、パーシャル表示の領域設定や、パーシャル表示の領域以外の領域に表示するパターンの設定等がある。各駆動用パラメータは、システムインターフェース(IF)105より設定レジスタ106へ格納される。動作モード等の各種コマンドには、内部クロックの発振開始、液晶パネル102への電源供給のタイミングや、表示画像データ記憶装置110へデータを転送開始する等の他、パーシャル用記憶装置110内の表示データを表示するパーシャル表示有効コマンドがある。
【0006】
MPU104から転送される表示画像データ、各種コマンド、各駆動用パラメータは、表示装置が搭載されているシステムにおける外部からの操作、環境や状況によってあらかじめプログラミングされたシーケンスに従い、MPU104により実行される。
【0007】
液晶パネル102の表示領域の全領域に表示する通常表示モード時は、MPU104から通常表示用画像データを外部表示インターフェース(IF)107へ、液晶パネル102の表示タイミングに同期したタイミング信号と共に随時入力する。そして、モードスイッチ113で、外部表示インターフェース(IF)107からの表示画像データを選択する。また、交流化回路114にて、交流に対応した表示画像データへ変換し、取り込みラッチ115にて、表示1ライン分のデータをバッファリングする。さらに、同期化ラッチ116で、ゲートドライバ103の走査タイミングに同期させて、ソース線駆動部(DAC)117でデジタルデータからデータ線を駆動するアナログ電圧に変換する。これらのフローを経て液晶パネル102に表示画像データが表示される。モードスイッチ113は、MPU104からの制御により、設定レジスタ106内の通常表示モードかパーシャル表示モードかを設定するレジスタを通常表示モードへ設定することで制御を行う。
【0008】
次に、パーシャル表示モード時の動作について説明する。MPU104から表示画像データ更新時に、パーシャル表示画像データの更新コマンドをシステムインターフェース(IF)105へ入力し、アドレスカウンタ108のアドレス制御によって、一旦、パーシャル用記憶装置110に格納する。
【0009】
パーシャル用記憶装置110に格納されたパーシャル表示画像データは、設定レジスタ106に格納された出力タイミングとパーシャル表示領域設定により、タイミング生成部109で生成されたパーシャル表示タイミング(信号)118でパーシャル用記憶装置110から読み出される。それをマルチプレクサ111にてパーシャル表示領域のタイミングに合わせて、パーシャル表示画像データをマスクスイッチ112に転送する。
【0010】
マスクスイッチ112から出力された表示画像データは、モードスイッチ113で選択され、以後は通常表示モード時と同様に、交流化回路114、取り込みラッチ115、同期化ラッチ116、ソース線駆動部(DAC)117で処理を行い、液晶パネル102に表示画像データを表示させる。
【0011】
図11は、一般的な液晶ドライバ概略構成図(特許文献6)であり、液晶ドライバの一般的なレイアウト構成について示すものである。図11の液晶ドライバは、一般的に長方形の平面形状を特徴としており、データラッチ部やソース線駆動部を含む液晶駆動出力部1003、液晶ドライバを制御する回路や表示メモリを含む制御回路部1004が配置される。
【0012】
液晶駆動出力部1003は、液晶ドライバの形状やソース出力端子Y1〜Y384に合わせて、長辺方向に1出力毎駆動回路が配置されるため、制御回路部1004から液晶駆動出力部1003までの制御配線や表示画像データ転送バス配線は長辺方向に沿って配線される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2000−284756号公報
【特許文献2】特開2002−149122号公報
【特許文献3】特開2003−186445号公報
【特許文献4】特開2006−126353号公報
【特許文献5】特開2007−310047号公報 第1図、第6−9頁
【特許文献6】特開2005−107239 第2図 第6−7頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記特許文献5においては、パーシャル用記憶装置からの表示画像データの読み出し時やデータ転送動作時に多くの電流を消費するという問題があった。これは、上述したように液晶ドライバの形状が長方形形状ゆえ、パーシャル用記憶装置からデータラッチ部までの表示画像データ転送のためのバス配線長が長くなり、転送する表示画像データがハイからロウ、またはロウからハイへ変化する毎に、バス配線容量の充放電電流が多く生じてしまうことに起因する。また、パーシャル用記憶装置に格納された表示画像データの更新有無や表示画像データの内容に関わらず、常に決まったタイミングで読み出し動作やデータ転送動作を続けるため、無駄な電流を消費してしまうことに起因する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る表示制御回路は、表示パネルに接続され、表示画像データ記憶装置を有する表示制御回路であって、前記表示画像データ記憶装置から読み出されたライン方向、カラム方向の隣接間表示画像データを比較する比較器と、前記比較器にて比較された結果を格納する比較結果記憶装置と、前記比較結果記憶装置に対してアクセス制御を行う比較結果記憶装置制御部と、前記比較結果記憶装置から読み出した比較結果に従って、前記表示画像データ記憶装置のアクセス制御を行う表示画像データ記憶装置制御部と、前記比較結果に従って表示する表示画像データを選択して、1ライン分の表示画像データを保持するデータラッチ部とを備える。前記表示パネルに対して、任意の画像を表示させる通常表示モードと、前記表示画像データ記憶装置に格納された画像を表示させる記憶装置読み出し表示モードとが切り替え可能になっており、前記記憶装置読み出し表示モードは、前記表示画像データ記憶装置制御部から前記表示画像データ記憶装置に対して表示画像データを読み出す第1動作と、前記データラッチ部に保持されている1ライン前に表示した表示画像データを再度表示するように読みだす第2動作と、前記表示画像データ記憶装置制御部に保持されている1読み出し前の表示画像データを前記データラッチ部に取り込む第3動作を具備する。
【0016】
本発明に係る表示制御回路によれば、記憶装置読み出し表示モードに、上記第1動作〜第3動作のパターンを設けているので、表示画像データ記憶装置に対して読み出しを行う際に生じる電流や、読み出した表示画像データをデータラッチ部へ転送する際に生じる電流を削減することができる。その結果、低消費電流化を実現することができる。また、記憶装置読み出し表示モードに、上記第1動作〜第3動作のパターンを設けているので、表示画像データ記憶装置制御部からデータラッチ部までの表示画像データ転送バスのハイからロウ、またはロウからハイへの変化が抑えられる。その結果、表示制御回路のEMIノイズを低減することができる。
【0017】
本発明に係る表示装置の表示制御方法は、表示パネルに対して、任意の画像を表示させる通常表示モードと、表示画像データ記憶装置に格納された画像を表示させる記憶装置読み出し表示モードとが切り替え可能な表示装置の表示制御方法であって、前記記憶装置読み出し表示モードにおいては、表示する表示画像データと、当該表示画像データの1ライン前、1カラム前の表示画像データとを比較器にて比較し、その比較結果を比較結果記憶装置に格納し、前記比較結果記憶装置から読み出されたライン方向の比較結果が一致していれば、データラッチ部に保持されている1ライン前に表示した表示画像データを再度表示するように、前記表示パネルに出力し、前記ライン方向の比較結果が不一致でカラム方向の比較結果が一致であれば、前記表示画像データ記憶装置制御部に保持されている1読み出し前の表示画像データを前記データラッチ部に取り込んで、前記表示パネルに出力し、上記いずれにも該当しない場合には、前記表示画像データ記憶装置に対して表示画像データを読み出して、前記表示パネルに出力するものである。
【0018】
本発明に係る表示装置は、上記態様の表示制御回路を搭載したものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、低消費電力化を実現できる表示制御回路、及び表示制御方法、並びに表示装置を提供することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係る表示装置の液晶ドライバのブロック構成、及び外部装置との接続関係を示す図である。
【図2】本実施形態に係る表示画像データ記憶装置の読み出し単位毎のアドレス構成図である。
【図3A】本実施形態に係る読み出し単位毎のライン方向の比較構成図である。
【図3B】本実施形態に係るライン方向比較結果記憶装置のアドレス構成の説明図である。
【図4A】本実施形態に係る読み出し単位毎のカラム方向の比較構成図である。
【図4B】本実施形態に係るカラム方向比較結果記憶装置のアドレス構成の説明図である。
【図5】本実施形態に係るデータラッチ部の構成、及びその接続関係を示す図である。
【図6】本実施形態に係る表示モード移行時のタイミングチャートである。
【図7】本実施形態に係る表示画像データ記憶装置更新時のタイミングチャートである。
【図8】本実施形態に係る比較結果ライトモード時のタイミングチャートである。
【図9】本実施形態に係る比較結果リードモード時のタイミングチャートである。
【図10】特許文献5に開示された表示装置の液晶ドライバのブロック構成、及び外部装置との接続関係を示す図である。
【図11】特許文献6に開示された液晶ドライバ概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。また、以降の図における各部材のサイズや比率は、説明の便宜上のものであり、実際のものとは異なる。
【0022】
図1は、本実施形態に係る表示装置の液晶ドライバのブロック構成、及び外部装置の接続関係を示す図である。本実施形態に係る表示装置は、図1に示すように、表示制御回路である液晶ドライバ201、アクティブマトリクス型の表示パネルとして機能する液晶パネル202、液晶パネル202の走査線を駆動するゲートドライバ203、液晶ドライバ201や他の外部装置を制御するMPU204を具備する。
【0023】
MPU204は、外部装置を制御する信号類を液晶ドライバ201に出力する。MPU204からの制御のための信号類は、液晶ドライバ201に入力される。液晶ドライバ201は、液晶パネル202のソース線を駆動するための信号を液晶パネル202に出力し、液晶パネル202の走査線制御信号をゲートドライバ203に出力する。走査線制御信号が入力されたゲートドライバ203は、液晶パネル202の走査線を駆動するための信号を液晶パネル202に出力する。
【0024】
液晶ドライバ201は、MPUインターフェース211、レジスタ制御部212、アドレス制御部213、外部表示インターフェース214、表示タイミング制御部215を具備する。また、液晶ドライバ201は、表示画像データ記憶装置制御部216、表示画像データ記憶装置217、比較器218、比較結果記憶装置制御部219、比較結果記憶装置220、データラッチ部221、ソース線駆動部(DAC)226も備える。液晶ドライバ201において、任意の画像を表示させる通常表示モードと、表示画像データ記憶装置に格納された画像を表示させる記憶装置読み出し表示モードが切り替え可能になっている。
【0025】
MPUインターフェース211には、MPU204から出力される信号類が入力される。具体的には、表示モードコマンド、各種パラメータ等のレジスタ設定情報、表示画像データ記憶装置217のアクセス命令、格納する表示画像データ等である。表示モード情報やレジスタ設定情報が、MPUインターフェース211からレジスタ制御部212に出力される。一方、表示画像データ記憶装置217へのアクセス命令、及び格納する表示画像データは、MPUインターフェース211からアドレス制御部213に出力される。
【0026】
レジスタ制御部212は、MPUインターフェース211から出力される表示モード情報やレジスタ設定情報を入力とする構成になっている。また、レジスタ制御部212は、表示タイミング制御部215に対して表示モード情報やレジスタ設定情報を出力し、アドレス制御部213に対してアドレス領域用レジスタ設定情報を出力する構成になっている。
【0027】
アドレス制御部213は、MPUインターフェース211から出力される表示画像データ記憶装置217のアクセス命令や、格納する表示画像データを入力とする構成になっている。また、アドレス制御部213は、レジスタ制御部212から出力されるアドレス領域用レジスタ設定情報を入力とする構成になっている。アドレス制御部213は、アドレスを生成後、表示画像データ記憶装置制御部216に対して表示画像データ記憶装置217のアクセス命令やアドレス情報、格納する表示画像データを出力する構成になっている。
【0028】
外部表示インターフェース214は、MPU204から出力される通常表示を行うための表示画像データと水平垂直同期信号を入力とし、データラッチ部221に対して通常表示用画像データ231を出力する構成になっている。また、外部表示インターフェース214は、表示タイミング制御部215に対して水平垂直同期信号を出力する構成になっている。なお、本明細書において、MPU204より外部表示インターフェース214を介して表示するモードを「通常表示モード」と称す。また、表示画像データ記憶装置217から表示画像データを読み出して表示するモードを「記憶装置読み出し表示モード」と称す。
【0029】
表示タイミング制御部215は、レジスタ制御部212から出力される表示モード情報やレジスタ設定情報を入力とし、外部表示インターフェース214から出力される水平垂直同期信号を入力とする構成になっている。また、表示タイミング制御部215は、液晶パネル202の走査線を駆動するゲートドライバ203に対して制御信号を出力する構成になっている。さらに、表示タイミング制御部215は、表示画像データ記憶装置217に格納されている表示画像データを表示するために、表示画像データ記憶装置制御部216と比較結果記憶装置制御部219に対して、読み出し命令やアドレス情報を出力する構成になっている。そして、表示タイミング制御部215は、データラッチ部221に対して通常表示モードで使用する通常表示用画像データ231か、または記憶装置読み出し表示モードで使用する記憶装置読み出し表示用画像データ232かを切り替える表示モード信号233、表示画像データの転送タイミングに合わせた取込ラッチ信号群235、表示タイミングに応じた同期化ラッチ信号236を出力する構成になっている。
【0030】
表示画像データ記憶装置制御部216への入力は、以下のとおりである。すなわち、アドレス制御部213から出力された表示画像データ記憶装置217のアクセス命令やアドレス情報、格納する表示画像データ、表示タイミング制御部215から出力される表示画像データ記憶装置217の読み出し命令やアドレス情報である。さらに、比較結果記憶装置制御部219より出力される読み出し用ライン方向比較結果信号群323、読み出し用カラム方向比較結果信号群324と表示画像データ記憶装置217の読み出しデータである。
【0031】
表示画像データ記憶装置制御部216は、表示画像データ記憶装置217に表示画像データリード信号311やアドレス信号312を出力する構成になっている。また、表示画像データ記憶装置制御部216は、表示画像データ記憶装置217から読み出した表示画像データをデータラッチ部221と比較器218に出力し、表示画像データ記憶装置217への書き込みデータを出力する構成になっている。
【0032】
比較器218は、表示画像データ記憶装置制御部216から出力された表示画像データを入力とする構成になっている。また、比較器218は、ライン方向、カラム方向の表示画像データ比較を行い、ライン方向の比較結果信号、カラム方向の比較結果信号を比較結果記憶装置制御部219に出力する構成になっている。
【0033】
比較結果記憶装置220は、ライン方向比較結果記憶装置255とカラム方向比較結果記憶装置265を備え、ライン方向の比較結果、カラム方向の比較結果の記憶を行う役割を担う。
【0034】
ライン方向比較結果記憶装置255は、比較結果ライト信号321、比較結果リード信号322、書き込み用ライン方向比較結果信号群315を入力とする構成になっている。また、ライン方向比較結果記憶装置255は、比較結果ライト信号321に従って、書き込み用ライン方向比較結果信号群315を格納し、比較結果リード信号322に従って、格納されているライン方向比較結果信号群を出力する構成になっている。
【0035】
カラム方向比較結果記憶装置265は、比較結果ライト信号321、比較結果リード信号322、書き込み用カラム方向比較結果信号群316を入力とする構成になっている。また、カラム方向比較結果記憶装置265は、比較結果ライト信号321に従って、書き込み用カラム方向比較結果信号群316を格納し、比較結果リード信号322に従って、格納されているカラム方向比較結果信号群を出力する構成になっている。
【0036】
比較結果記憶装置制御部219は、比較器218から出力されるライン方向の比較結果信号、カラム方向の比較結果信号を入力とし、表示タイミング制御部215から出力される比較結果記憶装置220のアクセス命令やアドレス情報を入力とする構成になっている。また、比較結果記憶装置制御部219は、書き込み用ライン方向比較結果信号群315、書き込み用カラム方向比較結果信号群316を比較結果記憶装置220へ書き込むように構成されている。さらに、比較結果記憶装置220から読み出された比較結果を取り込み、読み出し用ライン方向比較結果信号群323を表示画像データ記憶装置制御部216とデータラッチ部221へ出力し、読み出し用カラム方向比較結果信号群324を表示画像データ記憶装置制御部216へ出力する構成になっている。
【0037】
データラッチ部221は、モード切替用セレクタ群222、比較結果用セレクタ群223、取込ラッチ群224、同期化ラッチ群225を具備する。データラッチ部221は、表示タイミング制御部215から出力される各種制御信号、外部表示インターフェース214から出力される通常表示用画像データ231、表示画像データ記憶装置制御部216から出力される記憶装置読み出し表示用画像データ232、比較結果記憶装置制御部219より出力される読み出し用ライン方向比較結果信号群323を入力とする構成になっている。また、データラッチ部221は、表示画像データを1ライン分取り込んで表示タイミングと同期させ、ソース線駆動部(DAC)226へ表示画像データを出力する構成になっている。
【0038】
モード切替用セレクタ群222は、通常表示用画像データ231、記憶装置読み出し表示用画像データ232、表示モード信号233を入力とする構成になっている。また、モード切替用セレクタ群222は、表示モード信号233により、通常表示用画像データ231か記憶装置読み出し表示用画像データ232を選択し、選択された表示画像データを出力する構成になっている。
【0039】
比較結果用セレクタ群223は、読み出し用ライン方向比較結果信号群323とモード切替用セレクタ群222から出力される表示画像データと取込ラッチ群224にラッチされている取込ラッチ済表示画像データ238を入力とする構成になっている。また、比較結果用セレクタ群223は、読み出し用ライン方向比較結果信号群323により、モード切替用セレクタ群222から出力される表示画像データか、取込ラッチ済表示画像データ238かを選択し、選択された表示画像データを出力する構成になっている。
【0040】
取込ラッチ群224は、比較結果用セレクタ群223から出力される表示画像データと取込ラッチ信号群235を入力とする構成になっている。また、取込ラッチ群224は、比較結果用セレクタ群223から出力される表示画像データを取込ラッチ信号群235でラッチし、取込ラッチ済表示画像データ238を出力する構成となっている。
【0041】
同期化ラッチ群225は、取込ラッチ群224から出力される取込ラッチ済表示画像データ238と同期化ラッチ信号236を入力とする構成になっている。そして、同期化ラッチ群225は、取込ラッチ済表示画像データ238を同期化ラッチ信号236でラッチし、ラッチされた表示画像データを出力する構成となっている。
【0042】
ソース線駆動部(DAC)226は、データラッチ部221より出力された表示画像データを入力とする構成になっている。そして、ソース線駆動部(DAC)226は、デジタルデータからアナログデータへ変換し、液晶パネル202のソース線を駆動するためのアナログ電圧を液晶パネル202に出力する構成になっている。
【0043】
通常表示モード時には、画像表示データをMPU204から外部表示インターフェース214に、液晶パネル202の表示タイミングに同期したタイミング信号とともに随時入力する。そして、モード切替用セレクタ群222で、外部表示インターフェース214からの表示データを選択する。次いで、比較結果用セレクタ群223を介して取り込みラッチ群224にて、比較結果用セレクタ群223から出力される表示画像データを取込ラッチ信号群235でラッチする。続いて、同期化ラッチ群225で、ゲートドライバ203の走査タイミングに同期させて、ソース線駆動部(DAC)226でデジタルデータからアナログ電圧に変換し、液晶パネル202に表示データを表示させる。
【0044】
次に、表示画像データ記憶装置に格納された画像を表示させる記憶装置読み出し表示モードについて詳述する。図2に、本実施形態に係る表示画像データ記憶装置217の読み出し単位毎のアドレス構成図を示す。表示画像データ記憶装置217は、mラインのライン方向アドレス(L1〜Lm)とnカラムのカラム方向アドレス(C1〜Cn)により表示画像データを読み出す構成になっている(m、nは1以上の整数)。
【0045】
1読み出し単位の表示画像データ242は、kビットからなる(kは、1以上の整数)。ただし、kは、1ビット≦k≦1ライン分のビット数である。
表示画像データ記憶装置217のサイズは、式(1)で表せる。
〈数1〉 表示画像データ記憶装置217のサイズ=k×m×nビット ・・・式(1)
【0046】
図3Aに、本実施形態に係る読み出し単位毎のライン方向比較構成の説明図を示す。表示画像データ記憶装置217は、図2に示すように、L1〜LmのラインとC1〜Cnのカラムで構成されている。図3Aには、アドレス(C2、L1)のビット構成251、アドレス(C2、L2)のビット構成252、ライン方向の各ビット比較結果253、ライン方向の全ビット比較結果254が図示されている。
【0047】
ライン方向の全ビット比較結果254は、ライン方向の各ビット比較結果253がすべて一致であれば、比較結果はハイ(一致)と認識し、1ビットでも不一致があれば比較結果はロウ(不一致)となる。
【0048】
図3Bに、ライン方向比較結果記憶装置255のアドレス構成の説明図を示す。ライン方向比較結果記憶装置255は、Lm_1(表示画像データ記憶装置217のラインアドレスLmとL1の比較結果を格納するアドレス)〜Lm−1_m(表示画像データ記憶装置217のラインアドレスLm−1とLmの比較結果を格納するアドレス)のmラインとC1〜Cnのnカラムで構成される。
【0049】
ライン方向比較結果記憶単位256は、ライン方向の全ビット比較結果254が格納される。ライン方向比較結果記憶装置255のサイズは、1×m×nビットとなり、表示画像データ記憶装置217のサイズに対して、下記式(2)で表わされる(式(1)参照)。
〈数2〉 ライン方向比較結果記憶装置255のサイズ
=1/k×(表示画像データ記憶装置217のサイズ) ・・・式(2)
【0050】
図4Aに、本実施形態に係る読み出し単位毎のカラム方向比較構成の説明図を示す。表示画像データ記憶装置217は、L1〜LmのラインとC1〜Cnのカラムで構成されている。図4Aには、アドレス(C2、L2)のビット構成261、アドレス(C3、L2)のビット構成262、カラム方向の各ビット比較結果263、カラム方向の全ビット比較結果264が図示されている。
【0051】
カラム方向の全ビット比較結果264は、カラム方向の各ビット比較結果263がすべて一致であれば、比較結果はハイ(一致)と認識し、1ビットでも不一致があれば比較結果はロウ(不一致)となる。
【0052】
図4Bに、カラム方向比較結果記憶装置266のアドレス構成の説明図を示す。カラム方向比較結果記憶装置266は、L1〜LmのmラインとC1_2(表示画像データ記憶装置217のカラムアドレスC1とC2の比較結果を格納するアドレス)〜Cn−1_n(表示画像データ記憶装置217のカラムアドレスCn−1とCnの比較結果を格納するアドレス)のn−1カラムで構成される。
【0053】
カラム方向比較結果記憶単位266は、カラム方向の全ビット比較結果264が格納される。カラム方向比較結果記憶装置265のサイズは、1×m×(n−1)ビットとなり、表示画像データ記憶装置217のサイズに対して、下記式(3)で表わされる(式(1)参照)。
〈数3〉
カラム方向比較結果記憶装置266のサイズ
=(1/k)×((n−1)/n)×(表示画像データ記憶装置217のサイズ)
・・・式(3)
【0054】
図5は、本実施形態に係るデータラッチ部221の構成、及びその接続関係を説明するための図である。表示画像データ記憶装置制御部216が、表示画像データ記憶装置217に対して表示画像データの読み出しを行った場合、読み出された表示画像データは、記憶装置読み出し表示用画像データラッチ信号239によってラッチ動作を行う。このため、データラッチ部221に出力される記憶装置読み出し表示用画像データ232は、常に1読み出し前の表示画像データが保持される構成になっている。記憶装置読み出し表示用画像データ232のバス幅は、図2の1読み出し単位の表示画像データ242のビット幅と同じになるため、kビットのバス幅で構成される。
【0055】
データラッチ部221内のモード切替用セレクタ群222は、通常表示用画像データ231、記憶装置読み出し表示用画像データ232、表示モード信号233を入力とする構成になっている。モード切替用セレクタ群222は、表示モード信号233により、通常表示用画像データ231か記憶装置読み出し表示用画像データ232のいずれかを選択し、選択された表示用画像データを出力する構成になっている。
【0056】
データラッチ部221内の比較結果用セレクタ群223は、読み出し用ライン方向比較結果信号群323、モード切替用セレクタ群222から出力される表示画像データ、取込ラッチ群224にラッチされている取込ラッチ済表示画像データ238を入力とする構成になっている。比較結果用セレクタ群223は、読み出し用ライン方向比較結果信号群323により、モード切替用セレクタ群222から出力される表示画像データか取込ラッチ済表示画像データ238のいずれかを選択し、選択された表示画像データを出力する構成になっている。
【0057】
データラッチ部221内の取込ラッチ群224は、比較結果用セレクタ群223から出力される表示画像データと取込ラッチ信号群235を入力とする構成になっている。取込ラッチ群224においては、比較結果用セレクタ群223から出力される表示画像データを取込ラッチ信号群235でラッチする。そして、取込ラッチ群224から、取込ラッチ済表示画像データ238が出力される。ラッチされた取込ラッチ済表示画像データ238は、次のラインの動作開始まで保持されているため、取込ラッチ群224には、常に1ライン前の表示画像データが保持される。
【0058】
データラッチ部221内の同期化ラッチ群225は、取込ラッチ群224から出力される取込ラッチ済表示画像データ238と同期化ラッチ信号236を入力とする構成になっている。同期化ラッチ群225において、取込ラッチ済表示画像データ238を液晶パネル表示タイミングに従って同期化ラッチ信号236でラッチする。そして、同期化ラッチ群225から、ラッチされた表示画像データがソース線駆動部(DAC)226に出力される。
【0059】
データラッチ部ユニット単位237は、表示画像データ記憶装置217から読み出されるビット幅と同じになるため、kビットで構成される。データラッチ部221のデータラッチ部ユニット単位237は、図2で示すカラムアドレスの個数分必要となるため、n個設けられている。
【0060】
次に、表示画像データ記憶装置217に対して表示画像データの更新を行う際の動作を、図1を参照しつつ説明する。
【0061】
MPU204は、表示画像データ記憶装置217に格納される表示画像データを更新するために、液晶ドライバ201に表示画像データ記憶装置217の更新命令と、更新表示画像データの転送を行う。
【0062】
表示画像データ記憶装置制御部216は、MPUインターフェース211とアドレス制御部213を介して、MPU204から表示画像データ記憶装置217に対する更新命令、アドレス情報、更新表示画像データを受信する。そして、表示画像データ記憶装置制御部216は、表示画像データを表示画像データ記憶装置217に書き込む。
【0063】
図6は、本実施形態に係る表示モード移行時のタイミングチャートであり、通常表示モード10から記憶装置読み出し表示モード20へ移行した時の記憶装置制御モードの動作を説明する。同図中のコマンド301は、MPU204からの表示モードコマンドであり、表示モード信号233は、通常表示モード10、または記憶装置読み出し表示モード20を示す信号である。また、垂直同期フラグ304は、各フレームの先頭フラグであり、記憶装置制御モード305は、表示画像データ記憶装置制御部216と比較結果記憶装置制御部219の制御モードを示す。
【0064】
通常表示モード10から記憶装置読み出し表示モード20へ移行する場合には、記憶装置読み出し表示モード20へのモード移行コマンドが、MPU204から液晶ドライバ201に発行される。MPUインターフェース211が記憶装置読み出し表示モード20へのモード移行コマンドを受信した後、レジスタ制御部212に表示モード情報が格納される。そして、レジスタ制御部212から、表示タイミング制御部215に表示モード情報が出力される。表示タイミング制御部215に表示モード情報が入力された場合、表示モード信号303は垂直同期フラグ304に同期する。そして、図6中のT11のタイミングで記憶装置読み出し表示モード20と認識する。同時にT11のタイミングから始まるフレーム動作の最初の1フレーム期間を比較結果ライトモード271と認識し、2フレーム以降を比較結果リードモード272と認識する。
【0065】
図7は、本実施形態に係る表示画像データ記憶装置更新時のタイミングチャートであり、記憶装置読み出し表示モード20中に表示画像データ記憶装置217の表示画像データが更新された時の記憶装置制御モードの動作を説明する。同図中の表示画像データ記憶装置更新状態302は、表示画像データ記憶装置217の更新状態を表している。
【0066】
図7において、記憶装置読み出し表示モード20中にMPU204より表示画像データ記憶装置217に対して表示画像データの更新命令が発行された場合は、T16のタイミングで表示画像データ記憶装置217に対する更新が開始され、T17のタイミングで更新が完了する。更新が完了した後にT18から始まるフレーム動作の最初の1フレーム期間を比較結果ライトモード271と認識し、2フレーム目以降を比較結果リードモード272と認識する。
【0067】
図8は、本実施形態に係る比較結果ライトモード時のタイミングチャートであり、図6及び図7の比較結果ライトモード271時の動作を説明する。図8においては、比較結果ライトモード271における3ライン目のタイミング例を示すが、他のラインの動作も同様となる。
【0068】
比較結果ライトモード271は、通常表示モードから記憶装置読み出し表示モードへ移行した場合、または表示画像データ記憶装置217に対して表示画像データが更新された場合に、比較結果記憶装置220への比較結果の更新を行うモードである。また、比較結果ライトモード271は、取込ラッチ群224に保持されている取込ラッチ済表示画像データ238の更新を行い、液晶パネルに表示するモードである。
【0069】
図8中、T21は、1ライン分の動作期間を表し、T22は、表示画像データ記憶装置217に対するアクセス期間を表す。また、T23は、比較結果記憶装置220に対するアクセス期間を表す。
【0070】
表示画像データリード信号311は、表示画像データ記憶装置217に対するリードクロックであり、アドレス信号312は、表示画像データ記憶装置217のアドレスである。また、取込ラッチタイミング314は、データラッチ部221内の取込ラッチ群224でラッチされるタイミングである。また、書き込み用ライン方向比較結果信号群315は、表示画像データリード信号311にて読み出された表示画像データを、比較器218にてライン方向の全ビット比較処理を行い、比較結果記憶装置制御部219にて比較結果記憶装置220に格納するために生成された比較結果群である。
【0071】
さらに、書き込み用カラム方向比較結果信号群316は、表示画像データリード信号311にて読み出された表示画像データを比較器218にてカラム方向の全ビット比較処理を行い、比較結果記憶装置制御部219にて比較結果記憶装置220に格納するために生成された比較結果群である。また、比較結果ライト信号321は、比較結果記憶装置220に対するライトクロックを表している。
【0072】
比較結果ライトモード271は、T22において表示画像データ記憶装置制御部216が表示すべきライン(3ライン目)の1ライン前(2ライン目)の表示画像データを読み出す期間であるT24と表示すべきライン(3ライン目)の表示画像データを読み出す期間であるT25を交互に繰り返す。
【0073】
表示すべきライン(3ライン目)のアドレスにて読み出された表示画像データは、図5の記憶装置読み出し表示用画像データ232へ一旦ラッチされる。そして、取込ラッチタイミング314に従って取込ラッチ群224にラッチされ、同期化ラッチ群225で表示タイミングに合わせてソース線駆動部(DAC)226へ出力する。次いで、D/A変換後にアナログ電圧を出力することで、液晶パネル202への表示動作を行う。
【0074】
同時に、比較器218は、T22において読み出された表示画像データを用いて1ライン前、1カラム前との表示画像データ比較動作を行う。
【0075】
その後、比較結果記憶装置制御部219は、比較器218にて比較された結果をT23まで保持し、比較結果ライト信号321のタイミングにより比較結果記憶装置220に比較結果を書き込む。
【0076】
図9は、本実施形態に係る比較結果リードモード時のタイミングチャートであり、図6及び図7の比較結果リードモード272時の動作を説明する。図9においては、比較結果リードモード272における3ライン目のタイミング例を示すが、他のラインの動作も同様となる。
【0077】
図9中のT31は、1ライン分の動作期間を表し、T32は、表示画像データ記憶装置217に対するアクセス期間を表す。また、T33は比較結果記憶装置220に対するアクセス期間を表す。
【0078】
比較結果リード信号322は、比較結果記憶装置220に対するリードクロックであり、読み出し用ライン方向比較結果信号群323は、比較結果リード信号322にて読み出されたライン方向比較結果群を比較結果記憶装置制御部219で取り込んだ信号群である。また、読み出し用カラム方向比較結果信号群324は、比較結果リード信号322にて読み出されたカラム方向比較結果群を比較結果記憶装置制御部219で取り込んだ信号群である。
【0079】
比較結果リードモード272は、T33において比較結果記憶装置制御部219が比較結果リード信号322を用いて比較結果記憶装置220から比較結果を読み出し、読み出し用ライン方向比較結果信号群323と読み出し用カラム方向比較結果信号群324を出力する。
【0080】
T32は、T33で読み出し用ライン方向比較結果信号群323と読み出し用カラム方向比較結果信号群324の比較結果に基づいて、T34〜T38の動作を行う。
【0081】
T34においては、比較結果記憶装置220から読み出されたライン方向比較結果は一致を示し、カラム方向比較結果は不一致を示している。このため、表示画像データ記憶装置217から読み出すべき表示画像データは、1ライン前の表示画像データと同じ表示画像データとなる。従って、表示画像データ記憶装置制御部216は、表示画像データ記憶装置217からの読み出しを停止する。図5に示す取込ラッチ群224は、読み出し用ライン方向比較結果信号群323を用いて、1ライン前の表示画像データを保持している取込ラッチ済表示画像データ238を比較結果用セレクタ群223で選択し、取込ラッチタイミング314に従ってラッチ動作を行う。換言すると、T34においては、データラッチ部221に保持されている1ライン前に表示した表示画像データを再度表示する「第2動作2」を行う。
【0082】
T35においては、比較結果記憶装置220から読み出されたライン方向比較結果は不一致を示し、カラム方向比較結果は不一致を示している。このため、表示画像データ記憶装置制御部216は、表示画像データ記憶装置217から表示画像データを読み出し、記憶装置読み出し表示用画像データ232の更新を行う。図5に示す取込ラッチ群224は、読み出し用ライン方向比較結果信号群323を用いて、記憶装置読み出し表示用画像データ232を比較結果用セレクタ群223で選択し、取込ラッチタイミング314に従ってラッチ動作を行う。換言すると、T35においては、表示画像データ記憶装置制御部216から表示画像データ記憶装置217に対して表示画像データを読み出す「第1動作1」を行う。
【0083】
T36においては、比較結果記憶装置220から読み出されたライン方向比較結果は不一致を示し、カラム方向比較結果は一致を示している。このため、表示画像データ記憶装置217から読み出すべき表示画像データは、T35で読み出している1カラム前の表示画像データと同じ表示画像データとなる。従って、表示画像データ記憶装置制御部216は、表示画像データ記憶装置217からの読み出しを停止する。図5に示す取込ラッチ群224は、読み出し用ライン方向比較結果信号群323を用いて、T35で読み出している1読み出し前の表示画像データを保持している記憶装置読み出し表示用画像データ232を比較結果用セレクタ群223で選択し、取込ラッチタイミング314に従ってラッチ動作を行う。換言すると、T36においては、表示画像データ記憶装置制御部216に保持されている1読み出し前の表示画像データをデータラッチ部221に取り込む「第3動作3」を行う。
【0084】
T37においては、比較結果記憶装置220から読み出されたライン方向比較結果は一致を示し、カラム方向比較結果は不一致を示している。このため、T34と同様の動作を行う。
【0085】
T38においては、比較結果記憶装置220から読み出されたライン方向比較結果は不一致を示し、カラム方向比較結果は一致を示している。このため、表示画像データ記憶装置217から読み出すべき表示画像データとしては、1カラム前の表示画像データと同じ表示画像データであるが、1カラム前のT37では表示画像データ記憶装置217からの読み出し動作を停止している。従って、表示画像データ記憶装置217から表示画像データを再度、読み出す必要がある。このため、表示画像データ記憶装置制御部216は、表示画像データ記憶装置217から表示画像データを読み出し、記憶装置読み出し表示用画像データ232の更新を行う。図5に示す取込ラッチ群224は、読み出し用ライン方向比較結果信号群323を用いて、記憶装置読み出し表示用画像データ232を比較結果用セレクタ群223で選択し、取込ラッチタイミング314に従ってラッチ動作を行う。換言すると、T38においては、表示画像データ記憶装置制御部216から表示画像データ記憶装置217に対して表示画像データを読み出す「第1動作1」を行う。
【0086】
表示画像データ記憶装置を有する液晶表示制御回路においては、表示画像データ記憶装置に対して読み出しを行う際に生じる電流や読み出した表示画像データをデータラッチ部へ転送する際に生じる電流が大きく、低消費電力化をする上で削減が強く求められていた。とりわけ、液晶ドライバの形状は、通常、長方形形状であるため、表示画像データ記憶装置からデータラッチ部までの表示画像データ転送のためのバス配線長が長くなり、転送する表示画像データがハイからロウ、またはロウからハイへ変化する毎に、バス配線容量の充放電電流が多く生じてしまう。
【0087】
本実施形態によれば、記憶装置読み出し表示モードに、上記第1動作1〜第3動作3のパターンを設けているので、表示画像データ記憶装置からデータラッチ部までの表示画像データ転送動作を少なくすることができる。これにより、表示画像データ記憶装置に対して読み出しを行う際に生じる電流や、読み出した表示画像データをデータラッチ部へ転送する際に生じる電流を削減できる。その結果、低消費電流化を実現することができる。
【0088】
より具体的には、ライン方向の比較結果が一致した場合には、データラッチ部に保持されている1ライン前に表示した表示画像データを再度表示する第2動作2を行う。このため、表示画像データ記憶装置217に対する読み出し動作である第1動作1を停止できる。その結果、消費電力を削減することができる。
【0089】
また、ライン方向の比較結果が不一致でカラム方向の比較結果が一致の場合であって、かつ、1カラム前に読み出した表示画像データが表示画像データ記憶装置制御部216に保持されている場合には、表示画像データ記憶装置制御部216に保持されている1読み出し前の表示画像データをデータラッチ部221に取り込む第3動作3を行う。このため、表示画像データ記憶装置217に対する読み出し動作である第1動作1を停止できる。その結果、消費電力を削減することができる。
【0090】
しかも、第2動作2においては、表示画像データ記憶装置制御部216からデータラッチ部221までの表示画像データ転送バスのハイからロウ、またはロウからハイへの変化が抑えられる。その結果、表示制御回路のEMIノイズを低減することができる。
【0091】
さらに、表示画像データ記憶装置に格納された表示画像データの読み出し動作や転送動作を所定の条件を満たした場合に限定しているので、電流消費を低減させることができる。
【0092】
なお、本実施形態における表示制御回路の回路構成は、一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。また、本実施形態においては、表示制御回路を液晶表示装置に適用する例について述べたが、EL表示装置やプラズマディスプレイ装置等の表示装置にも適用可能である。表示制御回路の消費電力を軽減し、省電力化を図ることができるので、表示装置を備えた携帯電話などの小型通信機器などの分野において特に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 第1動作
2 第2動作
3 第3動作
10 通常表示モード
20 記憶装置読み出し表示モード
201 液晶ドライバ
202 液晶パネル
203 ゲートドライバ
204 MPU
211 MPUインターフェース
212 レジスタ制御部
213 アドレス制御部
214 外部表示インターフェース
215 表示タイミング制御部
216 表示画像データ記憶装置制御部
217 表示画像データ記憶装置
218 比較器
219 比較結果記憶装置制御部
220 比較結果記憶装置
221 データラッチ部
222 モード切替用セレクタ群
223 比較結果用セレクタ群
224 取込ラッチ群
225 同期化ラッチ群
226 ソース線駆動部(DAC)
231 通常表示用画像データ
232 記憶装置読み出し表示用画像データ
233 表示モード信号
235 取込ラッチ信号群
236 同期化ラッチ信号
237 データラッチ部ユニット単位
238 取込ラッチ済表示画像データ
239 記憶装置読み出し表示用画像データラッチ信号
242 1読み出し単位の表示画像データ
251 表示画像データ記憶装置(C2、L1)アドレスのビット構成
252 表示画像データ記憶装置(C2、L2)アドレスのビット構成
253 ライン方向の各ビット比較結果
254 ライン方向の全ビット比較結果
255 ライン方向比較結果記憶装置
256 ライン方向比較結果記憶単位
261 表示画像データ記憶装置(C2、L2)アドレスのビット構成
262 表示画像データ記憶装置(C3、L2)アドレスのビット構成
263 カラム方向の各ビット比較結果
264 カラム方向の全ビット比較結果
265 カラム方向比較結果記憶装置
266 カラム方向比較結果記憶単位
271 比較結果ライトモード
272 比較結果リードモード
301 コマンド
302 表示画像データ記憶装置更新状態
304 垂直同期フラグ
305 記憶装置制御モード
311 表示画像データリード信号
312 アドレス信号
314 取込ラッチタイミング
315 書き込み用ライン方向比較結果信号群
316 書き込み用カラム方向比較結果信号群
321 比較結果ライト信号
322 比較結果リード信号
323 読み出し用ライン方向比較結果信号群
324 読み出し用カラム方向比較結果信号群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルに接続され、表示画像データ記憶装置を有する表示制御回路であって、
前記表示画像データ記憶装置から読み出されたライン方向、カラム方向の隣接間表示画像データを比較する比較器と、
前記比較器にて比較された結果を格納する比較結果記憶装置と、
前記比較結果記憶装置に対してアクセス制御を行う比較結果記憶装置制御部と、
前記比較結果記憶装置から読み出した比較結果に従って、前記表示画像データ記憶装置のアクセス制御を行う表示画像データ記憶装置制御部と、
前記比較結果に従って表示する表示画像データを選択して、1ライン分の表示画像データを保持するデータラッチ部とを備え、
前記表示パネルに対して、任意の画像を表示させる通常表示モードと、前記表示画像データ記憶装置に格納された画像を表示させる記憶装置読み出し表示モードとが切り替え可能になっており、
前記記憶装置読み出し表示モードは、
前記表示画像データ記憶装置制御部から前記表示画像データ記憶装置に対して表示画像データを読み出す第1動作と、
前記データラッチ部に保持されている1ライン前に表示した表示画像データを再度表示するよう読み出す第2動作と、
前記表示画像データ記憶装置制御部に保持されている1読み出し前の表示画像データを前記データラッチ部に取り込む第3動作を行う構成を具備する表示制御回路。
【請求項2】
前記第2動作は、前記比較結果記憶装置制御部にて前記比較結果記憶装置から読み出された前記ライン方向の比較結果が一致した場合の動作であり、
前記第3動作は、前記ライン方向の比較結果が不一致でカラム方向の比較結果が一致の場合であって、かつ、前記1カラム前に読み出した表示画像データが前記表示画像データ記憶装置制御部に保持されている場合の動作であることを特徴とする請求項1に記載の表示制御回路。
【請求項3】
前記データラッチ部は、
前記通常表示モードか前記記憶装置読み出し表示モードかに応じて、表示する表示画像データを選択して出力するモード切替用セレクタ群と、
前記比較結果記憶制御部から出力される前記ライン方向の比較結果に従って表示する表示画像データを選択して出力する比較結果用セレクタ群と、
前記比較結果用セレクタ群から出力される表示画像データを取り込みラッチタイミングに従って1ライン分保持して出力する取込ラッチ群と、
前記取込ラッチ群から出力される表示画像データを表示タイミングに同期して表示画像データを出力する同期化ラッチ群とを具備し、
前記第2動作においては、前記比較結果用セレクタ群は、前記取込ラッチ群に保持されている1ライン前に表示した表示画像データを選択し、前記同期化ラッチ群に出力して表示するように構成され、
前記第3動作においては、前記モード切替用セレクタ群から出力される表示画像データを選択し、前記取込ラッチ群に取り込み、かつ前記同期化ラッチ群に出力して表示するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御回路。
【請求項4】
前記比較結果記憶装置は、
ライン方向の隣接間表示画像データの比較結果を格納するライン方向比較結果記憶装置と、
カラム方向の隣接間表示画像データの比較結果を格納するカラム方向比較結果記憶装置とを具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示制御回路。
【請求項5】
表示パネルに対して、任意の画像を表示させる通常表示モードと、表示画像データ記憶装置に格納された画像を表示させる記憶装置読み出し表示モードとが切り替え可能な表示装置の表示制御方法であって、
前記記憶装置読み出し表示モードにおいては、表示する表示画像データと、当該表示画像データの1ライン前、1カラム前の表示画像データとを比較器にて比較し、
その比較結果を比較結果記憶装置に格納し、
前記比較結果記憶装置から読み出されたライン方向の比較結果が一致していれば、データラッチ部に保持されている1ライン前に表示した表示画像データを再度表示するように、前記表示パネルに出力し、
前記ライン方向の比較結果が不一致でカラム方向の比較結果が一致であれば、前記表示画像データ記憶装置制御部に保持されている1読み出し前の表示画像データを前記データラッチ部に取り込んで、前記表示パネルに出力し、
上記いずれにも該当しない場合には、前記表示画像データ記憶装置に対して表示画像データを読み出して、前記表示パネルに出力する表示装置の表示制御方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載された表示制御回路を搭載した表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−209601(P2011−209601A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78906(P2010−78906)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】