説明

表示器構造

【課題】拡散板を用いることなく、輝度の低下および輝度斑の少ない照明を行う表示器構造を提供する。
【解決手段】意匠または文字で表される表示部111が光を透過する素材で形成されている表示板110と、表示板110の背面側に設けられた基板140と、基板140上に設けられ、表示板110の背面側から表示部111の照明を行う光源150と、表示板110と基板140との間に設けられ光源150の周囲を囲む遮光壁120とを備えた表示器100の構造であって、表示板110に水平な方向において遮光壁120が囲む面積が、基板140から表示板110に向かうに従い次第に小さくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示器構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両のインストルメントパネルには、エアコンやオーディオ等の操作を行うために、多数のスイッチや計器が設けられている。このようなスイッチや計器では、スイッチや計器の機能を表現した意匠や文字が光を透過する素材で形成されており、夜間でも意匠や文字が識別可能なように背面側から照明が施される表示器を備えているのが一般的である。このような表示器においては、光源の真上とその周囲とでできるだけ輝度斑をなくすために、光源の周囲の遮光壁は、光源からの光ができるだけ広がるように、光源から表示部に向かって遮光壁により囲まれる面積が次第に広くなるように傾斜して設定される(特許文献1参照)。また、光源からの光を拡散板を用いて効率よく拡散させる表示器も提案されている(図3参照)。
【特許文献1】特開2005―70500公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような表示器では、光を拡散させているため、輝度の低下を招いてしまう、と言う問題点がある。
【0004】
本発明の課題は、拡散板を用いることなく、輝度の低下および輝度斑の少ない照明を行う表示器構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、意匠または文字で表される表示部が光を透過する素材で形成されている表示板と、前記表示板の背面側に設けられた基板と、前記基板上に設けられ、前記表示板の背面側から前記表示部の照明を行う光源と、前記表示板と前記基板との間に設けられ前記光源の周囲を囲む遮光壁と、を備えた表示器構造であって、前記表示板に水平な方向において前記遮光壁が囲む面積が、前記基板から前記表示板に向かうに従い次第に小さくなることを特徴としている。
【0006】
上記構成によれば、拡散板を用いることなく、輝度の低下および輝度斑の少ない照明を行うことができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表示器構造において、前記遮光壁に囲まれた前記基板に、光の反射率の高い塗料が塗布されていることを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、輝度の低下がさらに少ない照明を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
拡散板を用いることなく、輝度の低下および輝度斑の少ない照明を行う表示器構造を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
【0011】
図1に、本発明の実施形態の表示器構造の外観図を示す。
【0012】
表示器100は、表示板110、遮光壁120、側壁130、基板140、光源150を備えている。
【0013】
表示板110は、その略中央部に光を透過する素材で意匠または文字(図1では意匠)が設けられ、所定の内容を表示する。以下、意匠または文字が設けられた部分を表示部111と呼ぶ。
【0014】
遮光壁120は、表示板110と基板140との間に、表示部111の背面側と後述する光源150とを囲むように設置されている。この遮光壁120は、光源150の光を外に漏らさないようにするとともに、光源150の光を集めて表示部111の照明の輝度の低下を抑える役割を果たしている。
【0015】
側壁130は、表示板110と基板140の周囲を囲むように設けられている。
【0016】
基板140は、側壁130を挟んで表示板110と向き合うように設けられている。
【0017】
光源150は、表示板110の背面側から表示部111の照明を行うための光源で、表示部111の直下の基板140上に設けられている。ここでは、光源150は、発光ダイオード(LED)であるものとする。
【0018】
ここで、遮光壁120は、表示部111の背面側の周囲を面積S1の矩形STで取り囲み、光源150の周囲を面積S2(>S1)の矩形SBで取り囲んでいおり、遮光壁120は、表示板110に水平な方向において、遮光壁120が囲む面積が、基板140から表示板110に向かうに従い次第に小さくなるように傾斜する状態となっている。
【0019】
この遮光壁120の形状により、光源150の光が拡散することなく表示部111に集められるため、光源150による照明の輝度の低下を抑えることができる。
【0020】
また、光源150の反射光が遮光壁120により集められるため、表示部111において直接光と反射光の輝度差が少なくなり、拡散板を用いることなく輝度斑を抑えることができる。
【0021】
また矩形SBの内部は、白色に塗装され、光の反射率を高めている。これにより、表示部111における照明の輝度の低下をさらに抑えることができる。
【実施例1】
【0022】
図2に、本発明の実施例1の表示器構造の外観図を示す。
【0023】
本実施例では、前述した実施形態に対し、遮光壁121の形状が異なるだけで、他の部分は同一のため、遮光壁121についてのみ説明を行う。
【0024】
遮光壁121は、表示部111の周囲を表示部111の形状IC(面積S3)に沿って取り囲み、光源150の周囲を面積S2(>S3)の矩形SBで取り囲んでいる。このため、遮光壁121は、表示板110に水平な方向において、遮光壁121が囲む面積が、基板140から表示板110に向かうに従い次第に小さくなるように傾斜する状態となっている。なお、遮光壁121は、表示板110側の断面積形状が表示部111の形状を有し、基板140側の断面積形状が矩形SBの形状を有している。このため、遮光壁121の壁面は、図2に示すように、壁面121a〜121iの複数の平面を組み合わせて構成される。なお、この平面を曲面で構成しても良い。
【0025】
以上のように、本発明の実施形態のスイッチ構造では、拡散板を用いることなく、輝度の低下および輝度斑の少ない照明を行うことができる。
【0026】
以上、本発明の実施形態および実施例を図面により詳述したが、これらは本発明の例示にしか過ぎず、本発明はこれらの構成にのみ限定されるものではない。したがって本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれることはもちろんである。
【0027】
例えば、遮光壁120の形状は、表示部111の意匠に合わせて、光源150からの光ができるだけ集まるように、光源150から表示部111に向かって遮光壁により囲まれる面積が次第に狭くなるように傾斜して設定すれば、どのような形状であっても良い。
【0028】
また、光源150の数や大きさは、実施形態に示したものに限られるものではなく、任意の数や大きさを用いることが出来る。
【0029】
また、照明の光源150は発光ダイオード(LED)に限らず、どのような光源150を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態における表示器構造の概要図である。
【図2】本発明の実施例1における表示器構造の概要図である。
【図3】従来技術の表示器構造の概要図である。
【符号の説明】
【0031】
100 表示器
110 表示板
111 表示部
120、121 遮光壁
121a〜121i 壁面
130 側壁
140 基板
150 光源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
意匠または文字で表される表示部が光を透過する素材で形成されている表示板と、
前記表示板の背面側に設けられた基板と、
前記基板上に設けられ、前記表示板の背面側から前記表示部の照明を行う光源と、
前記表示板と前記基板との間に設けられ前記光源の周囲を囲む遮光壁と、
を備えた表示器構造であって、
前記表示板に水平な方向において前記遮光壁が囲む面積が、前記基板から前記表示板に向かうに従い次第に小さくなることを特徴とする表示器構造。
【請求項2】
前記遮光壁に囲まれた前記基板に、光の反射率の高い塗料が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の表示器構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−116876(P2008−116876A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302501(P2006−302501)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】