説明

表示機器、及び、画面遷移方法

【課題】操作性を向上した表示機器、及び、画面遷移方法を提供する。
【解決手段】階層化された複数の画面の各画面、或いは、順番に表示される複数の画面の各画面を表示し、指のタッチ操作に応じて画面を遷移して表示する表示機器において、前記タッチ操作時の指の本数を検出し、検出した指の本数に予め対応付けられている画面に遷移することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ操作で画面を遷移させる表示機器、及び、この表示機器の画面遷移方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示パネルと、表示パネルの上に重ねて配設されたタッチパネルと、を備えタッチ操作によって画面を遷移させることができる表示機器が知られている。近年では、タッチパネルの中でも、複数の点に同時にタッチ操作を行うことができるマルチタッチスクリーンを配設したマルチメディアステーション(Multi Media Station)等の設置型表示機器、或いは、スマートフォン、パーソナルナビゲーション、電子書籍等の携帯型表示機器が広く普及しつつある(例えば、特許文献1参照)。この種の表示機器は、前の画面に戻る、次の画面に進む、画面を上下左右にスクロールさせる等の画面遷移をタッチパネルに触れたペンや指をタッチパネル表面でスライドさせる、或いは、払うように移動させるタッチ操作で行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−271774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の表示機器では、画面が階層化されており、タッチ操作に応じて、表示する順番に従って画面が遷移される。そのため、タッチ操作では、表示する順番で前後の画面にしか画面を遷移させることができなかった。これにより、機能階層のトップ画面(ルートディレクトリ)に遷移させるためには、何度もタッチ操作を繰り返す必要があった。また、システムトップの画面への遷移はタッチ操作ではなく、タッチパネルの周囲に設けられた操作ボタンを操作して遷移させる構成であり、操作性が悪かった。
本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、操作性を向上した表示機器、及び、画面遷移方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、階層化された複数の画面の各画面、或いは、順番に表示される複数の画面の各画面を表示し、指のタッチ操作に応じて画面を遷移して表示する表示機器において、前記タッチ操作時の指の本数を検出し、検出した指の本数に予め対応付けられている画面に遷移することを特徴とする。
【0006】
この構成において、前記タッチ操作時の指の本数に応じて、前記画面の遷移時に表示する遷移画面に与える視覚効果を変える構成としても良い。また、前記タッチ操作時の指の本数に応じて、遷移する画面の階層の数を変える構成としても良い。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明は、階層化された複数の画面の各画面、或いは、順番に表示される複数の画面の各画面を指のタッチ操作に応じて遷移して表示し、前記タッチ操作時の指の本数を検出し、検出した指の本数に予め対応付けられている画面に遷移することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、階層化された複数の画面の各画面、或いは、順番に表示される複数の画面の各画面を表示し、指のタッチ操作に応じて画面を遷移して表示する表示機器において、前記タッチ操作時の指の本数を検出し、検出した指の本数に予め対応付けられている画面に遷移するため、一度のタッチ操作で遷移できる画面のバリエーションが増え、表示機器の操作性が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る表示機器の構成を示すブロック図である。
【図2】表示機器の画面の構成を模式的に示す図である。
【図3】表示機器のシステムトップ画面への入力操作を行っている図である。
【図4】表示機器の動作を示すフローチャートである。
【図5】画面を遷移させる入力操作について説明するための図である。
【図6】画面の遷移時に表示される遷移画面について説明するための図である。
【図7】別の実施形態の画面の遷移時に表示される遷移画面について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、本発明は、画像、或いは、映像を表示するとともに、画面の表面に触れることで入力操作を行うことができる表示機器であれば任意の機器に適用することができる。
図1は、本発明を適用した実施形態に係る表示機器1の機能的構成を示すブロック図である。図1に示すように、表示機器1は、表示部10と、制御部20と、記憶部30と、を備える。
【0011】
表示部10は、表示パネル11と、タッチパネル12と、を備える。表示パネル11は、液晶ディスプレイ或いは有機ELディスプレイから構成される。表示パネル11には、制御部20の制御の下、画像や映像が表示される。タッチパネル12は、表示パネル11の上に重ねて配設される。ユーザーは、表示パネル11に表示された操作ボタン、或いは、表示機器1が有する機能に応じたアイコンに対応する位置を指先などでタッチ操作することで、表示機器1への各種入力操作を行うことができる。
【0012】
また、タッチパネル12は、タッチパネル12表面の複数の点に同時に触れて入力操作を行うことができるマルチタッチスクリーンである。タッチパネル12のタッチ位置を検出する方式としては、抵抗膜方式、静電容量方式、電磁誘導方式、超音波表面弾性波方式等の様々な方式が一般的に知られている。本実施形態に係る表示機器1において、これらのタッチパネル12のタッチ位置を検出する方式のうち、どの方式を用いる構成であっても良い。また、タッチパネル12は、マルチタッチスクリーンであるため、ユーザーは、タッチ操作する指をタッチパネル12表面でスライドさせる、或いは、払うように移動させる操作(フリック操作)を行うことで、前の画面に戻る、次の画面に進む、画面を上下左右にスクロールさせる等の画面を遷移させる入力操作を行うことができる。表示機器1は、タッチパネル12の他に、図示は省略したが、表示パネル11の周囲に設けられた複数の操作端子を備える構成としても良い。この操作端子を用いて行う入力操作としては、例えば、表示機器1の電源オン/オフ等がある。
【0013】
制御部20は、表示機器1の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される基本制御プログラムをコンピューターに読み取り可能な形態で不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。
【0014】
制御部20は、画面遷移部21と、操作検出部22と、を備える。画面遷移部21は、表示パネル11に表示する画像の画像信号を生成して表示部10に出力する。表示パネル11に表示する画像は、ユーザーによって、タッチパネル12を介して行われる入力操作に応じた画像であり、ユーザーによるタッチパネル12への入力操作は、操作検出部22で検出される。操作検出部22は、ユーザーによるタッチパネル12への入力操作を検出して、検出した結果を画面遷移部21に入力し、画面遷移部21は、操作検出部22によって検出されたユーザーによるタッチパネル12への入力操作に基づいて、表示パネル11の画面を遷移させる。
【0015】
記憶部30は、表示機器1に内蔵されたフラッシュメモリー、或いは、表示機器1に挿入される挿抜可能なSD(Secure Digital)メモリーカード等のリムーバブルメディアである。記憶部30には、制御部20のCPUに実行されるプログラムに係るデータ及び、制御部20の制御の下、表示機器1で再生可能なオーディオ(楽曲)ファイル、ビデオ(動画像)ファイル、ピクチャ(静止画像)ファイル等が書き換え可能に記憶されている。
【0016】
表示機器1は、例えばスマートフォンやポータブルナビゲーション機器といった、多種多様な機能を有する表示機器である。表示機器1が有するこれらの多種多様な機能は、カテゴリー別に分類され、画面は、図2に示すように階層化されている。システムトップのメニュー画面には、図3に示すように、選択可能な機能を示すアイコンiが複数表示される。ユーザーは、表示される複数のアイコンiから実行する機能を選択し、選択する機能のアイコンiの位置でタッチ操作することで、図2に示した階層化された画面をシステムトップから、階層1(機能階層トップ)、階層2、階層3・・・と、画面を階層の下側に遷移させる。画面は、階層化されると共に、順番に従って表示するように構成される。
【0017】
次に、タッチパネル12を用いて画面を遷移させる入力操作を行う方法について説明する。
階層化された画面を階層の下側の画面に遷移するときは、図3に示すように、表示パネル11に表示されたシステムトップのメニュー画面の中の複数のアイコンiのうち所望する機能を示すアイコンに相当する位置でタッチパネル12を軽くたたくように(タップする)タッチ操作を行う。これによって、タッチ操作が行われた位置に応じたメニューの1階層下の画面に遷移する。例えば、図3に示したように、システムトップの画面に表示されたアイコンを選択すると、そのアイコンに応じた機能の機能階層トップの画面に画面が遷移する。
【0018】
表示パネル11に表示されている画面を同じ階層内の表示される順番で前の画面に戻す場合には、図4(A)に示すように、タッチパネル12に1本の指でタッチ操作を行い、このタッチ操作時の指をタッチパネル12の表面で右側にスライドさせる、或いは、払うように移動させる。また、表示パネル11に表示されている画面を同じ階層内の表示される順番で次の画面に進める場合には、図4(B)に示すように、タッチパネル12に1本の指でタッチ操作を行い、このタッチ操作時の指をタッチパネル12の表面で左側側にスライドさせる、或いは、払うように移動させる。
【0019】
例えば、システムトップの画面において、選択可能なメニューを示すアイコンの数が1画面に表示できるアイコンの数を超えている場合には、選択可能なメニューを示す複数のアイコンが複数画面に亘って表示される。このようなときに、システムトップのメニュー画面において、タッチパネル12にタッチ操作する1本の指を画面表面で右、或いは、左にスライドさせる、或いは、払うように移動させる。これによって、表示パネル11に表示されるメニュー画面を次、或いは、前の画面に遷移させて、選択可能な機能のアイコンを閲覧することができる。また、例えばピクチャファイルのように階層化された画面の最下層に位置するファイルを閲覧するときには、メニュー画面を階層化された画面の最下層まで遷移させ、その後、図4(A),(B)に示すように、タッチパネル12にタッチ操作する1本の指を画面表面で左、或いは、右にスライドさせる、或いは、払うように移動させる。これによって、表示パネル11の画面を次、或いは、前のピクチャファイルに基づく画面に遷移させることができる。
【0020】
階層化された画面を1階層上の画面に遷移させるには、図4(C)に示したように、タッチパネル12に2本の指でタッチ操作を行い、このタッチ操作時の2本の指をタッチパネル12の表面で右側にスライドさせる、或いは、払うように移動させる。これによって、画面が、階層化された画面の1階層上の画面に遷移する。
【0021】
また、例えば図2に示した階層5から階層5が属する機能階層のトップの画面、つまり階層1の画面に遷移させる場合等、階層化された画面の下層側から、階層1の画面に遷移させるには、図4(D)に示したように、タッチパネル12に3本の指でタッチ操作を行い、このタッチ操作時の指を画面表面で右側にスライドさせる、或いは、払うように移動させる。これによって、カテゴリー別に階層化された画面が機能階層のトップである階層1の画面に遷移する。
さらに、階層化された画面の下層側の画面から、システムトップのメニュー画面に画面を遷移させるには、図4(E)に示したように、タッチパネル12に4本の指でタッチ操作を行い、このタッチ操作時の指をタッチパネル12の表面で右側にスライドさせる、或いは、払うように移動させる。これによって、画面が、システムトップのメニュー画面に遷移する。
【0022】
このように、タッチパネル12へのタッチ操作時の指の本数には、予め遷移する画面の数が対応付けられている。タッチ操作時の指の本数に応じて遷移させる画面の数、或いは、画面の階層の数はユーザーによって任意に設定可能な構成であっても良い。
これらの構成によれば、複数本の指でタッチパネル12へのタッチ操作を行い、このタッチ操作時の指を画面表面で移動させる入力操作を行うことで、タッチ操作時の指の本数に予め対応付けられた画面、例えば階層化された画面のトップの画面、或いは、システムトップのメニュー画面等に簡単に戻ることができる。これによって、タッチパネル12へのタッチ操作だけで容易に画面を所望の画面に遷移させる入力操作を行うことが可能となる。また、この画面遷移方法を用いることによって、タッチ操作時の指の本数に予め対応付けられた画面に遷移させることができるため、一度の入力操作で遷移させることができる画面のバリエーションが増え、表示機器1の操作性が向上する。
【0023】
次に、タッチパネル12へのタッチ操作で画面を遷移させる入力操作をおこなったときの表示機器1の動作について図5のフローチャートを用いて説明する。
図5に示したように、制御部20の操作検出部22がタッチパネル12へのタッチ操作を検出すると(ステップS1)、操作検出部22は、タッチパネル12へのタッチ操作時の指の本数を検出する(ステップS2)。操作検出部22は、検出した結果を画面遷移部21に入力する。画面遷移部21は、操作検出部22からの入力結果に基づいて、タッチパネル12へのタッチ操作時の指の本数が何本かを判断し、画面を、タッチ操作時の指の本数に予め対応付けられた画面に遷移させる。
【0024】
タッチパネル12へのタッチ操作による画面遷移の入力操作が1本の指で行われたことを検出すると(ステップS3:Yes)、画面遷移部21は、表示パネル11の画面を上述のように同一階層内の次、或いは、前の画面に遷移させる(ステップS4)。
タッチパネル12へのタッチ操作による画面遷移の入力操作が2本の指で行われたことを検出すると(ステップS5:Yes)、画面遷移部21は、表示パネル11の画面を上述のように1階層上の画面に遷移させる(ステップS6)。
【0025】
タッチパネル12へのタッチ操作による画面遷移の入力操作が3本の指で行われたことを検出すると(ステップS7:Yes)、画面遷移部21は、表示パネル11の画面を上述のようにカテゴリー別に階層化された画面の機能階層トップである階層1の画面に遷移させる(ステップS8)。
タッチパネル12へのタッチ操作による画面遷移の入力操作が4本の指で行われたことを検出すると(ステップS9:Yes)、画面遷移部21は、表示パネル11の画面を上述のようにシステムトップのメニュー画面に遷移させる(ステップS10)。
【0026】
画面遷移時の画面には、図6に示すように、ユーザーが視覚的にどのような操作が行われているかを認識できる視覚効果を与える構成としても良い。
図6(A)は、タッチパネル12へのタッチ操作時の指の本数が1本であり、このタッチ操作時の1本の指を、画面上で右側にスライドさせる、或いは、払うように移動させて、表示パネル11の画面を同一階層内の表示される順番が前の画面に戻す入力操作を行った場合を示す図である。図6(A)に示すように、画面遷移時の画面には、タッチパネル12の表面をタッチ操作しながら移動する指の動きに応じて、表示中の画面が右側にずれながら画面内から消えていき(スライドアウト)、これに伴って同一階層の表示する順番が前の画面が表示パネル11に画面左側から画面内にずれ込んでくるように表示される(スライドイン)。
一方、図示は省略したが、表示パネル11に表示されている画面を同一階層内の表示する順番が次の画面に進める入力操作を行った場合には、画面を前の画面に戻す場合とは逆に、タッチパネル12の表面をタッチ操作しながら移動する指の動きに応じて、表示中の画面が画面左側にずれるようにスライドアウトしこれに伴って同一階層の次の画面が表示パネル11に画面右側からスライドインする。このように、タッチ操作によって画面を遷移させる入力操作を行う指の動きに対応して画面を左右にスライドアウト・スライドインさせることで、画面を同一階層内で表示する順番に従って遷移させる操作を行っていることをユーザーが視覚的に認識することができる。
【0027】
また、図6(B)は、タッチパネル12へのタッチ操作時の指の本数が2本であり、このタッチ操作時の2本の指を、画面上で右側にスライドさせる、或いは、払うように移動させて、表示パネル11に表示されている画面を1階層上の画面に遷移させる入力操作を行った場合、画面遷移時の画面を示す図である。図6(B)に示すように、タッチパネル12でタッチ操作しながら移動する指の動きに応じて、1階層上の画面が表示中の画面の上に被さってくるように画面左側からスライドインする。つまり、表示中の画面はそのままで、1階層上の画面が指の動きに合わせて画面左側から現れてくる。このように、画面を遷移させる入力操作を行う指の動きに対応させて、1階層上の画面を表示中の画面に被さってくるように表示することで、画面を1階層上の画面に遷移させる操作を行っていることをユーザーが視覚的に認識することができる。
【0028】
図7は、別の実施形態の画面遷移時に画面に与える視覚効果を示す図である。この別の実施形態では、タッチパネル12へのユーザーのタッチ操作に応じて画面を別の階層の画面へ遷移させる場合に、図7に示すように、遷移する画面の階層の数に応じて画面に奥行深さをもたせる視覚効果を与える。
この別の実施形態の具体例を以下に説明する。図7(A)は、タッチパネル12へのタッチ操作時の指の本数が3本であり、このタッチ操作時の3本の指を、画面上で右側にスライドさせる、或いは、払うように移動させて、表示パネル11に表示されている階層5の画面を機能階層のトップ画面である階層1の画面に遷移させる入力操作を行った場合の画面遷移時の画面を示す図である。図7(A)に示すように、タッチパネル12へのタッチ操作が3本の指で行われたことを検出すると、画面遷移部21は、表示中の階層5の画面が、視覚的に画面奥側に押し込まれたように表示する。画面遷移部21は、続いて、画面奥側に押し込まれたように表示した階層5の上に、タッチ操作をしながら移動する3本の指の動きに合わせて機能階層のトップ画面が被さってくるように、階層1の画面を画面左側からスライドインさせて表示する。
【0029】
この別の実施形態において、表示中の画面を画面遷移時にどれだけ奥側に押し込んだように表示するかを、遷移する画面の階層の数に対応づける構成であっても良い。図7(B)は、階層5の画面からシステムトップの画面に遷移させる入力操作を行った時の画面遷移時の画面を示す図である。図7(B)に示すように、タッチパネル12へのタッチ操作時の指の本数が4本であることを検出すると、画面遷移部21は、表示中の画面が視覚的に画面奥側に押し込まれたように表示する。このとき、画面遷移部21は、システムトップの画面から、階層5の差に応じて、どれだけ表示中の画面を奥側に押し込むかを調整する。例えば、階層5の画面からシステムトップの画面に遷移させる場合、遷移させる画面の階層の数、つまり階層5の画面からシステムトップの画面の間の遷移する階層の数に対応づけて階層5の画面を画面奥側に押し込んだように表示する。図7(B)で示した階層5の画面からシステムトップの画面に遷移する画面の階層の数は、図7(A)で示した階層5の画面から機能階層のトップ画面に遷移する画面の階層の数よりも多いため、図7(B)に示す階層5の画面は、図7(A)で示す階層5の画面より遠くに押し込まれたように表示される。
【0030】
この構成によれば、タッチ操作時の指の本数に対応付けて遷移する画面の階層の数を変えることができると共に、遷移させる画面の階層の数に対応づけて画面遷移時の画面の奥行深さを変えて表示する。これによって、ユーザーは、入力操作間違いを行ったこと、或いは、機器が誤作動差していることを視覚的に認識することができ、必要に応じて所望の動作を機器が行うように、入力操作をし直すことができる。
【0031】
以上説明したように、本発明を適用した実施形態に係る表示機器1によれば、階層化された複数の画面の各画面、或いは、順番に表示される複数の画面の各画面を表示し、指のタッチ操作に応じて画面を遷移して表示する表示機器1において、タッチ操作時の指の本数を検出し、検出した指の本数に予め対応付けられている画面に遷移する。これにより、タッチ操作を行う指の本数を変えるだけで、一度の入力操作で遷移させることができる画面のバリエーションが増え、表示機器1の操作性が向上する。
【0032】
表示機器1は、また、タッチ操作時の指の本数に応じて、画面の遷移時に表示する遷移画面に与える視覚効果を変える。これにより、ユーザーが入力操作を間違って行った場合、或いは、静電気等の影響により操作検出部が誤作動をした場合に、どのような操作が行われているかをユーザーが視覚的に認識することができる。そのため、ユーザーは、入力操作間違いを行ったこと、或いは、機器が誤作動差していることを視覚的に認識することができ、所望の動作を機器が行うように、入力操作を適宜にし直すことができ、表示機器1の操作性が向上する。
【0033】
表示機器1は、また、タッチ操作時の指の本数に応じて、遷移する画面の階層の数を変える。そのため、タッチ操作を何度も繰り返す、或いは、タッチパネル12の周囲に設けられた操作ボタンを操作することなく、画面をタッチ操作時の指の本数に予め対応付けられた画面に遷移させることができる。よって、一度の入力操作で遷移させることができる画面のバリエーションが増え、一度のタッチ操作で、機能階層のトップ画面、或いは、システムトップの画面に遷移することができ、表示機器1の操作性が向上する。また、操作性が向上したことによって、例えば、車載機に本発明を適用した表示機器1を用いた場合に、ユーザーは、運転中に前方方向から目を離すことなく、ブラインドタッチによるタッチ操作で、所望の画面に遷移させることができるようになる。
【0034】
以上の説明において、タッチパネル12へのタッチ操作時の指の本数が、2本の場合は、1階層上の画面へ、3本の場合は、機能階層のトップ画面へ、4本の場合は、システムトップの画面へ、画面を遷移させる場合を例に説明したが、表示機器1は、これに限らず、例えば、電子書籍に本発明を適用した表示機器1を用いた場合に、タッチ操作によってページを捲る入力操作を行う場合に、タッチ操作時の指の本数に応じて、一度に捲るページ数を変えるように設定することも可能である。この場合、タッチ操作時の指の本数に予め対応付けられたページ数の画面を遷移させるときに、遷移時の画面に遷移させるページ数が捲れていく視覚効果を与える構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 表示機器
10 表示部
11 表示パネル
12 タッチパネル
21 画面遷移部(画面遷移手段)
22 操作検出部(操作検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層化された複数の画面の各画面、或いは、順番に表示される複数の画面の各画面を表示し、指のタッチ操作に応じて画面を遷移して表示する表示機器において、
前記タッチ操作時の指の本数を検出し、検出した指の本数に予め対応付けられている画面に遷移することを特徴とする表示機器。
【請求項2】
前記タッチ操作時の指の本数に応じて、前記画面の遷移時に表示する遷移画面に与える視覚効果を変えることを特徴とする請求項1に記載の表示機器。
【請求項3】
前記タッチ操作時の指の本数に応じて、遷移する画面の階層の数を変えることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示機器。
【請求項4】
階層化された複数の画面の各画面、或いは、順番に表示される複数の画面の各画面を指のタッチ操作に応じて遷移して表示し、前記タッチ操作時の指の本数を検出し、検出した指の本数に予め対応付けられている画面に遷移することを特徴とする画面遷移方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−16123(P2013−16123A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150178(P2011−150178)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】