説明

表示機能付きICカードの発行方法、表示機能付きICカードの表示方法、及び表示機能付きICカード

【課題】 非接触ICチップと表示制御用チップとを内蔵した表示機能付きICカードにおいて、全てのICカードアプリケーションで共用可能な表示制御用チップを用い、製造・管理コストを低減可能な表示機能付きICカードの発行方法、表示方法、及び表示機能付きICカードを提供する。
【解決手段】 価値情報24aの格納位置を表す格納位置データ24bを予め保持させた状態の非接触ICチップ2と、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御用チップ4と、表示部(ドライバ5及びディスプレイ6)とを基板に実装して、表示機能付きICカード1を製造する。その後の発行処理において、表示制御用チップ4は非接触ICチップ2から格納位置データ24bを読み込み、読み込んだ格納位置データ24bを表示制御用チップ4のメモリ領域に書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示機能を備えたICカードの発行方法や表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ICカード本体に表示機能を備えたものが開発されている。
一般的な表示機能付きICカードは、ホスト端末に備えられたカードリーダ・ライタと通信を行うためのアンテナ及び非接触ICチップと、非接触ICチップ内の残高情報等のデータを表示部に表示させるための表示制御用チップとが内蔵されている。表示制御用チップは非接触ICチップとICカード内のインターフェース(例えば、ISO7816規格に対応した接触インターフェース)を介して接続され、非接触ICチップから表示データや必要に応じて電源を取得している。
【0003】
また、残高情報等の各種ICカードアプリケーションで使用するデータは、通常、非接触ICチップ内のメモリの所定の格納位置に格納されている。しかし、この残高情報等の格納位置(アドレス、サイズ、構造、データ型等)は各ICカードアプリケーションで異なっており、データ読み出し側(ホスト端末)でアドレス、サイズ、構造、データ型等の格納位置データを予め認識しておく必要があった。これに関して特許文献1に、ICカード(非接触ICチップ)を内蔵した移動機におけるICカード内データのビューア機能について記載されている。特に、特許文献1の段落[0042]〜[0044]には移動機のビューアエンジンが、ICカード(非接触ICチップ)内の情報のアドレス、サイズ、構造、データ型等(上述の格納位置)が記述されたビューアスクリプトをサーバからダウンロードし、解釈実行することで、ICカード(非接触ICチップ)内の所定の格納位置から閲覧対象となるデータを読取り、表示させることが記載されている。
これを表示機能付きICカードに応用するならば、表示制御用チップが非接触ICチップの各ICカードアプリケーションに対応したデータ格納位置の情報(アドレス、サイズ、構造、データ型等)を持つ必要がある。
【0004】
ところで、近年はICカードの使用態様が増大しつつあり、交通系、金融系、商業系、その他の各種ICカードアプリケーションが開発されている。しかし各種ICカードアプリケーションでデータ格納位置を統一する規則はない。そのため現状では、アプリケーション毎にデータ格納位置が異なっている。したがって、搭載するICカードアプリケーション毎にそれぞれ異なるデータ格納位置の情報を表示制御用チップに持たせる必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−216081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、製造コスト、管理コストの観点からは、表示制御用チップを多様なアプリケーションで共用できることが好ましい。また、表示制御用チップはICカード内部の非接触ICチップの金銭等に関するデータ(電子マネー等の情報)を読み出すものであるため、いたずらに外部とのI/Fを持たせることは不適切である。そのためチップ実装後に表示制御用チップのプログラムやデータ等を外部からの作用で書き換えることは現実的に困難である。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、非接触ICチップと表示制御用チップとを内蔵した表示機能付きICカードにおいて、全てのICカードアプリケーションで共用可能な表示制御用チップを用い、製造・管理コストを低減可能な表示機能付きICカードの発行方法、表示方法、及び表示機能付きICカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するため第1の発明は、アンテナを介し、ホスト端末との間でICカードアプリケーションに対応した価値情報の書込み及び読出しを行う非接触ICチップと、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御プログラムが書き込まれ、前記非接触ICチップ内に格納された価値情報を表示対象として読み出し、表示部に表示させる表示制御用チップと、前記価値情報が表示される表示部と、を搭載した表示機能付きICカードの発行方法であって、前記非接触ICチップの特定の位置に前記価値情報の格納位置を表す格納位置データを書込む第1ステップと、前記表示制御用チップに書き込まれている表示制御プログラムが、前記非接触ICチップの前記特定の位置から前記格納位置データを読み込み、前記表示制御用チップのメモリ領域に書き込む第2ステップと、を含むことを特徴とする表示機能付きICカードの発行方法である。
【0009】
ここで、価値情報とは表示対象とするデータである。価値情報は表示機能付きICカードの用途により異なるが、例えば電子マネーの用途であれば残高情報、ポイント情報、電子チケット情報等、クレジットカードの用途であればクレジットカード情報等、交通系の用途であれば乗車券データ、残高データ等である。更に、使用履歴に関する履歴データも価値情報に含めてもよい。非接触ICチップ内における価値情報の格納位置は、表示機能付きICカードのICカードアプリケーション(用途)に応じて異なる。
また、上述の各種ICカードアプリケーションには、例えば、PASMO(登録商標)、Suica(登録商標)、Edy(登録商標)が含まれる。表示制御用チップは、これらの各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御プログラムが搭載されるものとする。
【0010】
第1の発明によれば、ICカードアプリケーションを搭載した非接触ICチップと、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御用チップと、表示部とを有する表示機能付きICカードにおいて、まず前記非接触ICチップの特定の位置に前記価値情報の格納位置を表す格納位置データを書込み、第2ステップにおいて前記表示制御用チップに書き込まれている表示制御プログラムが、前記非接触ICチップの前記特定の位置から前記格納位置データを読み込み、前記表示制御用チップのメモリ領域に書き込むことにより、表示機能付きICカードを発行する。
【0011】
従って、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御用チップを用いて、各種アプリケーションに対応した価値情報を非接触ICチップから読み出せるようになる。また、表示制御用チップに外部とのインターフェースを持たせなくても表示制御用チップ内に表示対象である価値情報の格納位置データを書き込むことができる。そのため、表示機能付きICカードを発行するための設備は現状の機器を使用でき、表示制御用チップの製造コスト・管理コストを低減できる。外部とのインターフェースを持たないため、表示制御用チップに対する外部からの不正な操作を防御でき、表示機能付きICカードの安全性を確保できる。
【0012】
また、第1の発明において、前記第2ステップは、前記表示制御用チップの初回起動時に行われ、前記第2ステップの終了後、前記表示制御用チップに書き込まれている表示制御プログラムが、前記非接触ICチップに書き込まれている前記格納位置データを消去する第3ステップを更に含むことが望ましい。
この場合、初回起動時に前記価値情報の格納位置データを非接触ICチップから表示制御用チップに移動させることができる。次回起動時以降は、既に表示制御用チップ内に格納位置データを保持しているため、これを参照して円滑に表示対象とする価値情報を非接触ICチップから取得して、表示部に表示させることが可能となる。また、非接触ICチップから前記格納位置データが消去された状態、すなわち従来の表示機能付きICカードと同様の状態で出荷することができる。そのため、ユーザが使用する際には、非接触ICチップのメモリ容量を妨げることなく、通常通りに動作させることが可能となる。
【0013】
第2の発明は、アンテナを介し、ホスト端末との間でICカードアプリケーションに対応した価値情報の書込み及び読出しを行う非接触ICチップと、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御プログラムが書き込まれ、前記非接触ICチップ内に格納された価値情報を表示対象として読み出し、表示部に表示させる表示制御用チップと、前記価値情報が表示される表示部と、を搭載した表示機能付きICカードの表示方法であって、前記価値情報の格納位置を表す格納位置データが特定の位置に予め書き込まれている前記非接触ICチップから、前記表示制御用チップに書き込まれている表示制御プログラムが前記格納位置データを読み込み、前記表示制御用チップのメモリ領域に書き込む書込ステップと、前記表示制御用チップが、前記格納位置データに基づいて前記非接触ICチップから前記価値情報を読み込み、前記表示部に表示する表示ステップと、を含むことを特徴とする表示機能付きICカードの表示方法である。
【0014】
第2の発明によれば、価値情報の格納位置を表す格納位置データを予め保持させた状態の前記非接触ICチップと、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御用チップと、前記表示部とを搭載した表示機能付きICカードにおいて、前記表示制御用チップに書き込まれている表示制御プログラムが前記非接触ICチップから前記格納位置データを読み込み、読み込んだ前記格納位置データを前記表示制御用チップのメモリ領域に書き込み、前記格納位置データに基づいて前記非接触ICチップから表示対象である前記価値情報を読み込み、前記表示部に表示する。
【0015】
従って、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御用チップを用いて、各種アプリケーションに対応した価値情報を非接触ICチップから読み出し、ICカードの表示部に表示できるようになる。また、表示制御用チップに外部とのインターフェースを持たせなくても表示制御用チップ内に表示対象である価値情報の格納位置データを書き込むことができる。そのため、表示機能付きICカードを発行するための設備は現状の機器を使用でき、表示制御用チップの製造コスト・管理コストを低減できる。外部とのインターフェースを持たないため、表示制御用チップに対する外部からの不正な操作を防御でき、表示機能付きICカードの安全性を確保できる。
【0016】
また、第2の発明において、前記書込ステップは、前記表示制御用チップの初回起動時に行われ、前記表示ステップの終了後、前記表示制御用チップに書き込まれている表示制御プログラムが、前記非接触ICチップに書き込まれている前記格納位置データを消去する消去ステップを更に含むことが望ましい。
この場合、初回起動時に前記価値情報の格納位置データを、非接触ICチップから表示制御用チップに移動させることができる。次回起動時以降は、既に表示制御用チップ内に格納位置データを保持しているため、これを参照して円滑に表示対象データ(価値情報)を非接触ICチップから取得して、表示部に表示させることが可能となる。また、非接触ICチップから前記格納位置データが消去された状態、すなわち従来の表示機能付きICカードと同様の状態で出荷することができる。そのため、ユーザが使用する際には、非接触ICチップのメモリ容量を妨げることなく、通常通りに動作させることが可能となる。
【0017】
また、第2の発明において、前記書込ステップは、前記表示制御用チップの起動の都度行われるようにしてもよい。
この場合は、表示制御用チップのメモリ容量を妨げることなく、表示動作の都度、非接触ICチップから前記格納位置データを取得して、取得した格納位置データに基づいて非接触ICチップから表示データ(価値情報)を読み出し、表示部に表示させることが可能となる。
【0018】
第3の発明は、アンテナを介し、ホスト端末との間でICカードアプリケーションに対応した価値情報の書込み及び読出しを行う非接触ICチップと、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御プログラムが書き込まれ、前記非接触ICチップ内に格納された価値情報を表示対象として読み出し、表示部に表示させる表示制御用チップと、前記価値情報が表示される表示部と、を搭載した表示機能付きICカードであって、前記非接触ICチップの特定の位置に前記価値情報の格納位置を表す格納位置データを書込む第1書込手段と、前記表示制御用チップに書き込まれている表示制御プログラムが、前記非接触ICチップの前記特定の位置から前記格納位置データを読み込み、前記表示制御用チップのメモリ領域に書き込む第2書込手段と、を備えることを特徴とする表示機能付きICカードである。
【0019】
第3の発明によれば、ICカードアプリケーションを搭載した非接触ICチップと、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御用チップと、表示部とを有する表示機能付きICカードにおいて、第1書込手段により前記非接触ICチップの特定の位置に前記価値情報の格納位置を表す格納位置データを書込み、第2書込手段により前記表示制御用チップが前記非接触ICチップの前記特定の位置から前記格納位置データを読み込んで前記表示制御用チップのメモリ領域に書き込む。
【0020】
従って、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御用チップを用いて、各種アプリケーションに対応した価値情報を非接触ICチップから読み出せるようになる。また、表示制御用チップに外部とのインターフェースを持たせなくても表示制御用チップ内に価値情報の格納位置データを書き込むことができる。そのため、表示機能付きICカードを発行するための設備は現状の機器を使用でき、表示制御用チップの製造コスト・管理コストを低減できる。外部とのインターフェースを持たないため、表示制御用チップに対する外部からの不正な操作を防御でき、表示機能付きICカードの安全性を確保できる。
【0021】
また、第3の発明において、前記第2書込手段は、前記表示制御用チップの初回起動時に前記格納位置データの読込み及び書込みを行い、前記第2書込手段による前記格納位置データの書込みが終了すると、前記非接触ICチップに書き込まれている前記格納位置データを消去する消去手段を更に備えることが望ましい。
これにより、初回起動時に前記価値情報の格納位置データを、非接触ICチップから表示制御用チップに移動させることができ、その後は、円滑に表示データ(価値情報)を非接触ICチップから取得して、表示部に表示させることが可能となる。また、非接触ICチップから前記格納位置データが消去された状態、すなわち従来の表示機能付きICカードと同様の状態で流通させることができる。そのため、ユーザが使用する際には、非接触ICチップのメモリ容量を妨げることなく、通常通りに動作させることが可能となる。
【0022】
また、第3の発明において、前記第2書込手段は、前記表示制御用チップの起動の都度前記格納位置データの読込み及び書込みを行うようにしてもよい。
この場合は、表示制御用チップのメモリ容量を妨げることなく、表示動作の都度、非接触ICチップから前記格納位置データを取得して、取得した格納位置データに基づいて非接触ICチップから表示対象データ(価値情報)を読み出し、表示部に表示させることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、非接触ICチップと表示制御用チップとを内蔵した表示機能付きICカードにおいて、全てのICカードアプリケーションで共用可能な表示制御用チップを用いることが可能となり、表示機能付きICカードの製造・管理コストを低減できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】表示機能付きICカード1の内部構成を示すブロック図
【図2】非接触ICチップ2の内部構成を示すブロック図
【図3】表示制御用チップ4の内部構成を示すブロック図
【図4】表示機能付ICカード1の製造から出荷までの流れの概略を説明するフローチャート
【図5】表示機能付ICカード1の発行処理の流れを説明するフローチャート
【図6】発行処理前後のデータの保持例を示す図
【図7】表示機能付ICカード1の表示処理の流れを説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明に係る表示機能付きICカード1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明に係る表示機能付きICカード1は、非接触ICチップ2、アンテナ3、表示制御用チップ4、ドライバ5、及びディスプレイ6を備える。また図示しないが、表示制御用チップ4、ドライバ5、ディスプレイ6に電源を供給するための電池が搭載されていてもよいし、ホスト端末(ICカードリーダライタ)等の外部装置から電源を取り込み、表示制御用チップ4、ドライバ5、及びディスプレイ6に供給するための配線等が施されていてもよい。また、図示しないがディスプレイ6への表示動作を開始するためのユーザインターフェースとしてスイッチが設けられていてもよい。
【0026】
また、非接触ICチップ2と表示制御用チップ4とは、例えば、ISO7816規格に対応した接触I/F(金属端子)を介して接続されており、表示制御用チップ4は非接触ICチップ2から所望のデータを読み込むことが可能となっている。
【0027】
図2に示すように、非接触ICチップ2は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)24、及びI/F25等を備えて構成される。
【0028】
CPU21は、ROM22またはEEPROM24に格納されるプログラムをRAM23上のワークメモリ領域に呼び出して実行する。ROM22は、読み出し専用のメモリであり、実行プログラムや暗号アルゴリズム等のプログラム、データ等を恒久的に保持する。RAM23は、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、CPU21が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
【0029】
EEPROM24は、データの書き換えが可能な不揮発性メモリであり、価値情報24a及び格納位置データ24bを保持する。
【0030】
価値情報24aとは、本実施の形態において表示対象となるデータである。価値情報24aは、表示機能付きICカード1の用途により異なるが、例えば電子マネーの用途であれば残高情報、ポイント情報、電子チケット情報等、クレジットカードの用途であればクレジットカード情報等、交通系の用途であれば乗車券データ、残高データ等である。更に、使用履歴、購入履歴等の履歴データも価値情報24aに含めてもよい。非接触ICチップ2内における価値情報24aの格納位置は、表示機能付きICカード1のアプリケーション(用途)に応じて異なる。上述のICカードアプリケーションは、例えば、PASMO(登録商標)、Suica(登録商標)、Edy(登録商標)等であり、非接触ICカード2のROM22またはEEPROM24に格納される。
【0031】
格納位置データ24bとは、価値情報24aの格納位置を特定するためのデータであり、アドレス、サイズ、構造、データ型等を含む。価値情報24aの格納位置は表示機能付きICカード1の用途(アプリケーション)に応じて異なるため、個々のアプリケーションで異なる内容のデータとなる。ただし、格納位置データ24bが格納される位置(アドレス、サイズ、構造、データ型等)はすべてのアプリケーションで同じ位置とし、表示制御用チップ4に予め登録されているものとする。
【0032】
また、格納位置データ24bは、後述する発行処理の前の段階では、図2に示すように非接触ICチップ2のメモリ(EEPROM24)内の特定の位置に格納されているが、発行処理の際に表示制御用チップ4側に読み込まれ、表示制御用チップ4のメモリ領域(例えばEEPROM44やRAM43)に書き込まれる。
【0033】
このように、非接触ICチップ2のICカードアプリケーションに利用されていないメモリ領域の特定位置に表示用データ(価値情報24a)の格納位置を示すデータ(格納位置データ24b)をカード発行時に一時的に書き込む場合には、表示制御プログラム44aが初回起動時に格納位置データ24bを表示制御用チップ4のメモリに記録するときに、非接触ICカード2から格納位置データ24bを削除した方が好ましい。
これは、出荷後は、一般に流通する従来の非接触ICチップ2のデータ構成と同じデータ構成とすることが望ましいからである。非接触ICチップ2内の格納位置データ24bを消去すれば、非接触ICチップ2のメモリ容量を従来品と同様に確保でき、また格納位置データ24bの外部からの盗用や不正な使用を防いで、セキュリティ上の危惧をなくすことができる。
ただし、非接触ICチップ2内の格納位置データ24bを消去せずに流通させることを妨げるものではない。
【0034】
I/F25は、非接触ICカード用のインターフェイスであり、例えばISO18092規格に基づくものである。非接触ICチップ2のCPU21は、I/F25及び図1のアンテナ3を介して、外部のホスト端末との間で情報を送受信する。アンテナ3は、基板内を周回してその両端が非接触ICチップ2に接続される。
【0035】
図3に示すように、非接触ICチップ2は、CPU41、ROM42、RAM43、EEPROM44、及びI/F45等を備えて構成される。
【0036】
CPU41は、ROM42またはEEPROM44に格納されるプログラムをRAM43上のワークメモリ領域に呼び出して実行する。ROM42は、読み出し専用のメモリでありプログラム、データ等を恒久的に保持する。RAM43は、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、CPU41が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
【0037】
EEPROM44は、データの書き換えが可能な不揮発性メモリであり、表示制御プログラム44aを保持する。
ただし、後述する発行処理後は、図6(b)に示すように、非接触ICチップ2側の格納位置データ24bが表示制御用チップ4のCPU41により読み込まれて、EEPROM44に格納される。
【0038】
表示制御プログラム44aは、非接触ICチップ2から表示対象である価値情報24aを読み込んで、ディスプレイ6に表示させるためのプログラムであり、表示制御用チップ4の起動時にCPU41により読み込まれて、実行される。
表示制御プログラム44aには、CPU41が、非接触ICチップ2から価値情報24aの格納位置を表す格納位置データ24bを読込み、読込んだ格納位置データ24bを表示制御用チップ4のメモリ領域(EEPROM44またはRAM43)に書込み、更に、CPU41が、読込んだ格納位置データ24bに基づいて非接触ICチップ2から価値情報24aを読込み、ディスプレイ6に表示する手順が含まれる。
【0039】
この表示制御プログラム44aは、表示機能付きICカード1の初回起動時(例えば、検査工程における動作確認時)、または表示動作の都度、実行される。
初回起動時に実行される場合、表示制御プログラム44aには、表示制御用チップ4が非接触ICチップ2から格納位置データ24bを読み込むと、読み込んだ格納位置データ24bを例えば不揮発性メモリ(EEPROM44)に書き込み、その後、非接触ICチップ2内の格納位置データ24bを消去するように記述されることが望ましい。
【0040】
或いは、格納位置データ24bの書込み先を揮発性メモリ(RAM43)としてもよい。この場合は、表示制御プログラム44aは、起動の都度、非接触ICチップ2から格納位置データ24bを取り込み、揮発性メモリ(RAM43)に格納するように記述される。ただし、RAM43に対して常時電源を供給可能な構成(例えば、表示機能付きICカード1に電池を搭載する)とすれば、RAM43に取り込んだ格納位置データ24bは消去されないため、非接触ICチップ2の格納位置データ24bを消去してしまってもよい。
【0041】
I/F45は、表示機能付きICカード1の内部で非接触チップ2と表示制御用チップ4とを接続するためのインターフェースであり、例えばISO7816規格に基づく接触通信用モジュール端子(Vcc:回路電圧、RST:リセット信号、CLK:クロック信号、RFU:将来利用、GND:グランド、Vpp:書込み供給電圧I/O:データ入出力信号、RFU:将来利用を含む)等を使用する。表示制御チップ4は、I/F45を介して非接触ICチップ2から表示データ(表示対象とする価値情報24aを含む)を読み込む。または、電源を取得するようにしてもよい。ただし、I/F45は外部に露出するものではなく、図示しない外装フィルムにより被覆されるものとする。
【0042】
ドライバ5及びディスプレイ6(表示部)は、表示制御用チップ4から出力される表示データ(例えば、価値情報24a)を表示する。
ディスプレイ6には、例えば液晶ディスプレイや電子ペーパを採用でき、文字や画像等の表示データが表示される。特に、電子ペーパは、電力の供給が絶えても表示状態が維持され、かつ薄く可撓性に優れるため好適である。電子ペーパは、電子粉流体の場合は、黒文字と白地の2色表示となり、コレステリック液晶の場合は、緑文字と黒字の2色表示またはカラー表示を行える。また、電子ペーパの電力消費は表示書き換え時のみ行われ、書き換えられた表示画面は電力消費なしで保持でき、また、ディスプレイの視認性も確保できる。
ドライバ5は、ディスプレイ6を駆動するための駆動回路である。
本明細書では、ディスプレイ6及びドライバ5を含めて表示部と表現する。
【0043】
次に、図4〜図7を参照して動作を説明する。
図4は本発明に係る表示機能付きICカード1の製造及び発行の全体の流れを説明するフローチャート、図5は発行処理の流れを説明するフローチャート、図6は発行処理前後の表示機能付きICカード1内のデータの保持例を示す図である。
【0044】
まず、図4を参照して、本発明に係る表示機能付きICカード1の発行の流れを説明する。
まず、非接触ICチップ2、アンテナ3、表示制御用チップ4、ドライバ5、及びディスプレイ6等の各部がICカードの基板上に実装され、必要な配線が施される(ステップS1)。この工程は、従来の表示機能付きICカードの製造工程と同様である。
【0045】
ただし、非接触ICチップ2のEEPROM24の所定の格納位置には、価値情報24aの格納位置を特定するための格納位置データ24bが書き込まれている。また、表示制御用チップ4のEEPROM44またはROM42には、表示制御プログラム44aが書き込まれている。表示制御プログラム44aには、少なくとも初回起動時には、非接触ICチップ2の所定位置に格納されている格納位置データ24bを読み込み、表示制御チップ4の所定のメモリ領域に書き込むことが記述されている。
【0046】
基板への各部の実装や配線が施されると、基板の表裏が外装フィルムで被覆され、また外装フィルムと基板の各層間は、エポキシ系またはウレタン系等の液状の樹脂が充填され、接着・硬化されて、表示機能付きICカード1の発行前状態となる。
【0047】
ステップS1が終了すると、発行処理が開始される(ステップS2)。
発行処理は、表示制御用チップ4への電源投入をトリガとして開始される。例えば出荷前の動作確認時に行われる。発行処理において、電源を供給するために、例えば、電池(不図示)のスイッチボタン(不図示)を押下したり、ICカードリーダライタ(不図示)にかざして、非接触ICチップ2側から電源を供給してもよい。
【0048】
図5に発行処理の流れを示す。
また、発行処理実行前の段階での、データの保持例を図6(a)に示す。
図6(a)に示すように、発行処理前は、非接触ICチップ2内に格納位置データ24bが格納されている。
【0049】
発行処理において表示制御チップ4のCPU41は、EEPROM44またはROM42から表示制御プログラム44aを読み出し、処理を開始する。
表示制御用チップ4のCPU41は、非接触ICチップ2から格納位置データ24bを読み込む。格納位置データ24bの格納位置は、表示制御チップ4の表示制御プログラム44a、ROM42、またはEEPROM44に予め登録されている(ステップS21)。
【0050】
次に、表示制御用チップ4のCPU41は、読み込んだ格納位置データ24bを表示制御用チップ4のメモリ領域に書き込む。格納位置データ24bを書き込むメモリ領域としては、例えば、EEPROM44、RAM42等が挙げられるが、図5の流れではEEPROM44とする(ステップS22)。
その後、表示制御用チップ4のCPU41は、非接触ICチップ2に対して、格納位置データ24bの消去コマンドを送り、非接触ICチップ2内の格納位置データ24bを消去する(ステップS23)。
【0051】
発行処理が終了すると、図6(b)に示すように、表示制御用チップ4内に格納位置データ24bが格納(移動)され、非接触ICチップ2から消去される。
【0052】
以上のように、図5の発行処理(図4のステップS2)が終了すると、引き続き表示検査が行われる(ステップS3)。
表示検査では、表示制御用チップ4のCPU41は、非接触ICチップ2に対して価値情報24aを読み出すためのデータ読み出しコマンドを生成し、送信する。データ読み出しコマンドには、EEPROM44に書き込んだ格納位置データ24bに定義されるアドレス、サイズ、構造、データ型等の読み出し位置を特定する情報が記述される。データ読み出しコマンドに従って、非接触ICチップ2側で価値情報24aが読み出され、レスポンスが返送される。表示制御用チップ4は取得したレスポンスから表示データを生成し、ドライバ5へ送出し、ディスプレイ6に表示させる。このとき、価値情報24aがディスプレイ6に表示されれば、検査合格となる。表示検査の段階(ステップS3)では、通常は、表示機能付きICカード1は未使用であるため、例えば「残高0円」のような表示内容となる。
検査合格の場合は、他の検査工程を経た後、出荷の段階へ移行する(ステップS4)。
【0053】
出荷後は、ユーザに使用されることとなる。ユーザが非接触ICチップ2に書き込まれた価値情報24aをディスプレイ6に表示させる場合は、例えば、スイッチ等を押下して表示制御用チップ4に電源を供給する。すると、表示制御用Iチップ4のCPU41は、表示制御用チップ4のEEPROM44に書き込まれている格納位置データ24bを読み出し、この格納位置データ24bに基づくデータ読み出しコマンドを生成し、非接触ICチップ2へ送信する。データ読み出しコマンドに従って、非接触ICチップ2側で価値情報24aが読み出され、レスポンス(価値情報24aを含む)が返送される。表示制御用チップ4は取得したレスポンス(価値情報24aを含む)から表示データを生成し、ディスプレイ6に表示させる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態において、表示対象である価値情報24aの格納位置を表す格納位置データ24bを予め保持させた状態の非接触ICチップ2と、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御用チップ4と、表示部(ドライバ5及びディスプレイ6)とを基板に実装して、表示機能付きICカード1を製造する。その後の発行処理において、表示制御用チップ4は非接触ICチップ2から格納位置データ24bを読み込み、読み込んだ格納位置データ24bを表示制御用チップ4のメモリ領域に書き込む。
【0055】
この発行処理を行うことにより、表示機能付きICカード1は、各種ICカードアプリケーションに対応した格納位置データ24bを表示制御用チップ4側に保持させることができる。そのため、実装時に各アプリケーションで共用の表示制御用チップ4を用いても、発行後は各種アプリケーションに対応した価値情報24aを非接触ICチップ2から読み出せるようになる。また、表示制御用チップ4に外部とのインターフェースを持たせなくても表示制御用チップ4内に価値情報24aの格納位置データ24bを書き込むことができる。そのため、表示機能付きICカード1を発行するための設備は現状の機器を使用でき、表示制御用チップ4の製造コスト・管理コストを低減できる。表示制御用チップ4に外部とのインターフェースを持たせる必要もないため、外部からの不正な操作を防御でき、表示機能付きICカード1の安全性を確保できる。
【0056】
また、表示制御用チップ4による非接触ICチップ2からの格納位置データ24bの読込みと書込みは、表示制御用チップ4の初回起動時に行われ、書込み終了後、表示制御用チップ4が、非接触ICチップ2に書き込まれている格納位置データ24bを消去するようにしてもよい。
この場合、初回起動時に価値情報24aの格納位置データ24bを、非接触ICチップ2から表示制御用チップ4に移動させることができる。次回起動時以降は、既に表示制御用チップ4内に格納位置データ24bを保持しているため、これを参照して円滑に表示対象データ(価値情報24a)を非接触ICチップ2から取得して、ディスプレイ6に表示させることが可能となる。また、非接触ICチップ2から格納位置データ24bが消去された状態、すなわち従来の表示機能付きICカードと同様の状態で出荷することができる。そのため、ユーザが使用する際には、非接触ICチップ2のメモリ容量を妨げることなく、通常通りに動作させることが可能となる。
【0057】
また、出荷後は、表示制御用チップ4に書き込まれた格納位置データ24bに基づいて非接触ICチップ2から価値情報24aを読み出し、ディスプレイ6へ表示することが可能となる。
【0058】
各種ICカードアプリケーションによって表示用データ(価値情報)のアドレス(格納位置)は異なっており、表示制御用チップ4が表示用データを取得するためには、従来はICカードアプリケーション毎に表示制御用チップ4の表示制御プログラム44aを変更しなければならなかった。このため、表示機能付きICカード1及び表示制御プログラム44aの管理作業が増大していた。しかし、本発明によれば、カード発行時にICカードアプリケーションの種類によらず、非接触ICチップ2のメモリの特定位置に表示用データ(価値情報)のアドレス(格納位置)を記録しておけばよいため、表示制御プログラム44aをICカードアプリケーション毎に変更しなくても表示用データのアドレスを取得できるようになる。
【0059】
[第2の実施の形態]
次に、図7を参照して、第2の実施の形態の表示機能付きICカード1について説明する。
第2の実施の形態では、図6(a)に示す状態で表示機能付きICカード1を出荷する例について説明する。
すなわち、表示機能付きICカード1は、非接触ICチップ2のEEPROM24に格納位置データ24bを格納し、表示制御用チップ4には格納位置データ24bを持たない状態で出荷されてもよい。
【0060】
この場合、図7に示すように、表示制御用チップ4のCPU41は、電源が供給される都度(すなわち起動の都度)、非接触ICチップ2から格納位置データ24bを読み込み(ステップS31)、読み込んだ格納位置データ24bを表示制御用チップ4の揮発性メモリ(RAM43)に格納する(ステップS32)。また、読み込んだ格納位置データ24bに基づくデータ読み出しコマンドを生成し、非接触ICチップ2へ送信する。データ読み出しコマンドに従って、非接触ICチップ2のCPU21は価値情報24aを読み出し、レスポンス(価値情報24aを含む)を返送する。表示制御用チップ4は取得したレスポンス(価値情報24aを含む)から表示データを生成し、ディスプレイ6に表示させる(ステップS33)。
【0061】
第2の実施の形態の表示機能付きICカード1によれば、表示機能が起動される都度、非接触ICカード2における価値情報24aの格納位置データ24bを取得する。このため、表示制御用チップ4側で格納位置データ24bを保持する必要がないためメモリ容量を妨げることない。非接触ICチップ2から格納位置データ24bを取得して、取得した格納位置データ24bに基づいて非接触ICチップ2から表示対象データ(価値情報24a)を読み出し、ディスプレイ6に表示させることが可能となる。起動の都度、このような表示制御処理を行うようにすれば、製造工程において特別な発行処理を行わなくても、各種アプリケーションで共用可能な表示制御用チップ4を搭載できる。例えば、第2の実施の形態の表示機能付きICカード1をある程度使用した後に表示制御用チップ4のみが破損した場合でも、本実施の形態の手順で表示制御処理を行っていれば、表示制御用チップ4のみを交換すればよく、非接触ICチップ2内の価値情報24aは元のままであるので、使用することも可能であるので好適である。
【0062】
以上、第1及び第2の実施の形態に係る表示機能付きICカード1の発行方法または表示方法によれば、全てのICカードアプリケーションで共用可能な表示制御用チップ4を用いて表示機能付きICカード1を製造(発行)できるため、製造・管理コストを低減できる。また、表示制御用チップ4に格納位置データ24bを保持させるためのインターフェースや特別な設備を設ける必要がないため、セキュリティも確保できる。
【0063】
なお、上述の実施の形態では、1つの基板内に、アンテナ3、非接触ICチップ2、表示制御用チップ4、ドライバ5、ディスプレイ6等を実装する例を示したが、上述の各部を複数の基板に分けて実装し、各基板を積層した構造の表示機能付きICカードにも適用できる。また、図4に示す製造から出荷までの流れは一例であり、製造の段階で発行処理を組み込んでもよい。例えば、チップ等を実装後、外装フィルムを被覆する前の段階等で上述の発行処理を行うようにしてもよい。
その他、当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0064】
1・・・・・・表示機能付きICカード
2・・・・・・非接触ICチップ
3・・・・・・アンテナ
4・・・・・・表示制御用チップ
5・・・・・・ドライバ
6・・・・・・ディスプレイ
24a・・・・価値情報
24b・・・・格納位置データ
44a・・・・表示制御プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを介し、ホスト端末との間でICカードアプリケーションに対応した価値情報の書込み及び読出しを行う非接触ICチップと、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御プログラムが書き込まれ、前記非接触ICチップ内に格納された価値情報を表示対象として読み出し、表示部に表示させる表示制御用チップと、前記価値情報が表示される表示部と、を搭載した表示機能付きICカードの発行方法であって、
前記非接触ICチップの特定の位置に前記価値情報の格納位置を表す格納位置データを書込む第1ステップと、
前記表示制御用チップに書き込まれている表示制御プログラムが、前記非接触ICチップの前記特定の位置から前記格納位置データを読み込み、前記表示制御用チップのメモリ領域に書き込む第2ステップと、
を含むことを特徴とする表示機能付きICカードの発行方法。
【請求項2】
前記第2ステップは、前記表示制御用チップの初回起動時に行われ、
前記第2ステップの終了後、前記表示制御用チップに書き込まれている表示制御プログラムが、前記非接触ICチップに書き込まれている前記格納位置データを消去する第3ステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の表示機能付きICカードの発行方法。
【請求項3】
アンテナを介し、ホスト端末との間でICカードアプリケーションに対応した価値情報の書込み及び読出しを行う非接触ICチップと、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御プログラムが書き込まれ、前記非接触ICチップ内に格納された価値情報を表示対象として読み出し、表示部に表示させる表示制御用チップと、前記価値情報が表示される表示部と、を搭載した表示機能付きICカードの表示方法であって、
前記価値情報の格納位置を表す格納位置データが特定の位置に予め書き込まれている前記非接触ICチップから、前記表示制御用チップに書き込まれている表示制御プログラムが前記格納位置データを読み込み、前記表示制御用チップのメモリ領域に書き込む書込ステップと、
前記表示制御用チップが、前記格納位置データに基づいて前記非接触ICチップから前記価値情報を読み込み、前記表示部に表示する表示ステップと、
を含むことを特徴とする表示機能付きICカードの表示方法。
【請求項4】
前記書込ステップは、前記表示制御用チップの初回起動時に行われ、
前記表示ステップの終了後、前記表示制御用チップに書き込まれている表示制御プログラムが、前記非接触ICチップに書き込まれている前記格納位置データを消去する消去ステップを更に含むことを特徴とする請求項3に記載の表示機能付きICカードの表示方法。
【請求項5】
前記書込ステップは、前記表示制御用チップの起動の都度行われることを特徴とする請求項3に記載の表示機能付ICカードの表示方法。
【請求項6】
アンテナを介し、ホスト端末との間でICカードアプリケーションに対応した価値情報の書込み及び読出しを行う非接触ICチップと、各種ICカードアプリケーションで共用される表示制御プログラムが書き込まれ、前記非接触ICチップ内に格納された価値情報を表示対象として読み出し、表示部に表示させる表示制御用チップと、前記価値情報が表示される表示部と、を搭載した表示機能付きICカードであって、
前記非接触ICチップの特定の位置に前記価値情報の格納位置を表す格納位置データを書込む第1書込手段と、
前記表示制御用チップに書き込まれている表示制御プログラムが、前記非接触ICチップの前記特定の位置から前記格納位置データを読み込み、前記表示制御用チップのメモリ領域に書き込む第2書込手段と、
を備えることを特徴とする表示機能付きICカード。
【請求項7】
前記第2書込手段は、前記表示制御用チップの初回起動時に前記格納位置データの読込み及び書込みを行い、
前記第2書込手段による前記格納位置データの書込みが終了すると、前記非接触ICチップに書き込まれている前記格納位置データを消去する消去手段を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の表示機能付きICカード。
【請求項8】
前記第2書込手段は、前記表示制御用チップの起動の都度前記格納位置データの読込み及び書込みを行うことを特徴とする請求項6に記載の表示機能付きICカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−73921(P2012−73921A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219622(P2010−219622)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】