説明

表示装置、表示方法、並びにプログラム

【課題】適切なABL(Automatic Brightness Limiter)ができるようにする。
【解決手段】複数の自発光デバイスから構成される表示部と、複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎に電力を供給する複数の電力供給部を備える。または、表示部を複数の領域に分割し、領域毎に電力を供給する複数の電力供給部を備える。複数の電力供給部の個数に対応し、APL(Average Picture Level)を算出するAPL算出部と、APL算出部により算出されたAPL量に応じてABLを実行するABL部が設けられる。本技術は、自発光デバイスを用いたパネルに適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、表示装置、表示方法、並びにプログラムに関する。詳しくは、映像などを表示するパネルや電源の保護を適切に行うことが可能となる表示装置、表示方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LEDディスプレイなどの自発光表示デバイスを用いた自発光型表示ディスプレイでは、一般に、表示する映像の明るさの変動によって、ディスプレイの消費電力の変動が起こる。これは、明るい映像を表示するときには、より強く、あるいは、より多くの回数だけ発光させる必要があるために、表示部に流れる電流の量が多くなるからである。逆に、暗い映像を表示するときには、より弱く、あるいは、より少ない回数だけ発光させるために、表示部に流れる電流の量が少なくなるからである。
【0003】
自発光型表示ディスプレイにおいて、省電力化を図る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1においては、映像信号の一画面を複数のブロックに分割して各ブロック内の映像信号の輝度の平均値を求めることで、画面内の局所コントラストを求め、この局所コントラストと予め与えられた基準値をもとに、電流制限量を求めることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−215424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ディスプレイの大型化、細密化が進んでいる。ディスプレイの大型化、細密化に伴い、消費電力が増える傾向にあり、さらなる消費電力の低減が求められ、より細かな電力の制御が望まれている。特許文献1においては、上記したように電流制限量を求めているが、1系統の電源を制御することで行うため、その1系統の電源への負荷が集中してしまう可能性がある。
【0006】
自発光型表示ディスプレイは、上記したように、電源に対する電力負荷は表示絵柄に依存するため、その電力負荷の変動が激しくなる。そのような電力負荷の変動からパネルや電源を保護するために、ABL(Automatic Brightness Limiter)によりパネル全体への輝度リミットが行われている。しかしながら、1系統の電源への負荷が集中してしまうと、このようなパネルや電源の保護が適切に行えない状況が発生する可能性がある。そこで、さらなるパネルや電源を保護する仕組みを設けることが望まれている。
【0007】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、消費電力を抑え、パネルや電源を保護する制御を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の一側面の第1の表示装置は、複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎に電力を供給する複数の電力供給部とを備える。
【0009】
前記表示部を複数の領域に分割し、前記領域毎にさらに前記電力供給部を備えるようにすることができる。
【0010】
前記複数の電力供給部の個数に対応し、APL(Average Picture Level)を算出するAPL算出部と、前記APL算出部により算出されたAPL量に応じてABL(Automatic Brightness Limiter)を実行するABL部とをさらに備えるようにすることができる。
【0011】
本技術の一側面の第1の表示方法は、複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部に電力を供給する電源を備える表示装置の表示方法において、前記電源が、前記複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎に備えられ、各電源からの電力の供給を制御するステップを含む。
【0012】
本技術の一側面の第1のプログラムは、複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部に電力を供給する電源を備える表示装置に、前記電源が、前記複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎に備えられ、各電源からの電力の供給を制御するステップを含む処理を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムである。
【0013】
本技術の一側面の第1の表示装置、表示方法、プログラムにおいては、複数の自発光デバイスから構成される表示部の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎に電源が備えられる。
【0014】
本技術の一側面の第2の表示装置は、複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部を複数の領域に分割し、前記領域毎に電力を供給する複数の電力供給部とを備える。
【0015】
前記複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎にさらに前記電力供給部を備えるようにすることができる。
【0016】
前記複数の電力供給部の個数に対応し、APL(Average Picture Level)を算出するAPL算出部と、前記APL算出部により算出されたAPL量に応じてABL(Automatic Brightness Limiter)を実行するABL部とをさらに備えるようにすることができる。
【0017】
本技術の一側面の第2の表示方法は、複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部に電力を供給する電源を備える表示装置の表示方法において、前記電源が、前記表示部を複数の領域に分割し、前記領域毎に備えられ、各電源からの電力の供給を制御するステップを含む。
【0018】
本技術の一側面の第2のプログラムは、複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部に電力を供給する電源を備える表示装置に、前記電源が、前記表示部を複数の領域に分割し、前記領域毎に備えられ、各電源からの電力の供給を制御するステップを含む処理を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムである。
【0019】
本技術の一側面の第2の表示装置、表示方法、プログラムにおいては、複数の自発光デバイスから構成される表示部が複数の領域に分割され、領域毎に電源が備えられる。
【発明の効果】
【0020】
本技術の一側面によれば、例えば、自発光デバイスを用いたディスプレイにおける消費電力を抑え、パネルや電源を保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】自発光ディスプレイについて説明するための図である。
【図2】自発光ディスプレイについて説明するための図である。
【図3】ABLを実行する部分と電源について説明するための図である。
【図4】第1の実施の形態における電源の配置を示す図である。
【図5】第1の実施の形態におけるABLを実行する部分の構成例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態における電源の配置を示す図である。
【図7】第2の実施の形態におけるABLを実行する部分の構成例を示す図である。
【図8】第3の実施の形態における電源の配置を示す図である。
【図9】第3の実施の形態におけるABLを実行する部分の構成例を示す図である。
【図10】第4の実施の形態における電源の配置を示す図である。
【図11】第4の実施の形態におけるABLを実行する部分の構成例を示す図である。
【図12】第5の実施の形態における電源の配置を示す図である。
【図13】第5の実施の形態におけるABLを実行する部分の構成例を示す図である。
【図14】記録媒体について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
以下に説明する本技術は、自発光デバイスで構成される自発光型ディスプレイに適用できる。また自発光型ディスプレイとしては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、プラズマディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、有機ELディスプレイなどがある。ここでは、有機ELデバイスを用いたパネル(以下、ELパネルと称する)を例に挙げて説明する。まず、ELパネルの基本となる構成と動作について説明する。
【0024】
[自発光型ディスプレイの構成について]
図1は、基本となるELパネルの構成例を示すブロック図である。図1のELパネル100は、N×M個の画素(画素回路)101−(1,1)乃至101−(N,M)が行列状に配置されている画素アレイ部102と、これを駆動する駆動部である水平セレクタ(HSEL)103、ライトスキャナ(WSCN)104、および電源スキャナ(DSCN)105とにより構成されている。なお、説明を簡単にするため、以下では、N,Mは、所定の偶数であるとして説明するが、これに限定されるものではない。
【0025】
また、ELパネル100は、M本の走査線WSL10−1乃至10−M、M本の電源線DSL10−1乃至10−M、およびN本の映像信号線DTL10−1乃至10−Nも有する。なお、以下において、走査線WSL10−1乃至10−M、映像信号線DTL10−1乃至10−N、画素101−(1,1)乃至101−(N,M)、または電源線DSL10−1乃至10−Mのそれぞれを特に区別する必要がない場合、単に、走査線WSL10、映像信号線DTL10、画素101、または電源線DSL10と称する。
【0026】
画素101−(1,1)乃至101−(N,M)のうちの第1行目の画素101−(1,1)乃至101−(N,1)は、走査線WSL10−1でライトスキャナ104と、電源線DSL10−1で電源スキャナ105とそれぞれ接続されている。また、画素101−(1,1)乃至101−(N,M)のうちの第M行目の画素101−(1,M)乃至101−(N,M)は、走査線WSL10−Mでライトスキャナ104と、電源線DSL10−Mで電源スキャナ105とそれぞれ接続されている。画素101−(1,1)乃至101−(N,M)の行方向に並ぶその他の画素101についても同様である。
【0027】
また、画素101−(1,1)乃至101−(N,M)のうちの第1列目の画素101−(1,1)乃至101−(1,M)は、映像信号線DTL10−1で水平セレクタ103と接続されている。画素101−(1,1)乃至101−(N,M)のうちの第N列目の画素101−(N,1)乃至101−(N,M)は、映像信号線DTL10−Nで水平セレクタ103と接続されている。画素101−(1,1)乃至101−(N,M)の列方向に並ぶその他の画素101についても同様である。
【0028】
ライトスキャナ104は、走査線WSL10−1乃至10−Mに水平周期(1H)で順次制御信号を供給して画素101を行単位で線順次走査する。電源スキャナ105は、線順次走査に合わせて電源線DSL10−1乃至10−Mに第1電位(後述するVcc)または第2電位(後述するVss)の電源電圧を供給する。水平セレクタ103は、線順次走査に合わせて各水平期間内(1H)で映像信号となる信号電位Vsigと基準電位Vofsとを切換えて列状の映像信号線DTL10−1乃至10−Mに供給する。
【0029】
図1のように構成されるELパネル100に、ソースドライバおよびゲートドライバからなるドライバIC(Integrated Circuit)が付加されることによりパネルモジュールが構成され、さらに、パネルモジュールに、電源回路、画像LSI(Large Scale Integration)などを付加したものが表示装置となる。ELパネル100を含む表示装置は、例えば、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、テレビジョン受像機、プリンタ等の表示部として使用することができる。
【0030】
図2は、図1に示したELパネル100に含まれるN×M個の画素101のうちの1つの画素101(画素101aとする)を拡大することにより、画素101aの詳細な構成を示したブロック図である。なお、図2において画素101aと接続されている走査線WSL10、映像信号線DTL10、および電源線DSL10は、図1から明らかなように、画素101−(n,m)(n=1,2,・・・,N,m=1,2,・・・,M)に対して、走査線WSL10−(n,m)、映像信号線DTL10−(n,m)、および電源線DSL10−(n,m)となる。
【0031】
図2に示す画素101aは、サンプリング用トランジスタ21、駆動用トランジスタ22、保持容量23、および有機EL素子である発光素子24を含む。ここで、サンプリング用トランジスタ21は、Nチャネル型トランジスタであり、駆動用トランジスタ22はPチャネル型トランジスタである。サンプリング用トランジスタ21のゲートは走査線WSL10に接続し、サンプリング用トランジスタ21のドレインが映像信号線DTL10に接続し、ソースが駆動用トランジスタ22のゲートgに接続している。
【0032】
駆動用トランジスタ22のソースsは電源線DSL10と接続され、ドレインdは発光素子24のアノードと接続されている。保持容量23は、駆動用トランジスタ22のソースsとゲートgの間に接続されている。また、発光素子24のカソードは、接地されている。
【0033】
有機ELデバイスは、電流発光素子であるため、発光素子24に流れる電流値をコントロールすることで、発色の階調を得ることができる。図2の画素101aでは、駆動用トランジスタ22のゲート印加電圧を変化させることで、発光素子24に流れる電流値をコントロールしている。
【0034】
このように、画素101aにおいて、発色の階調を変化させるには、駆動用トランジスタ22のゲート印加電圧を変化させることで行われる。ELパネル100に含まれるN×M個の画素101a毎にゲート印加電圧を変化させることで、ELパネル100に表示される画像の発色の階調が制御される。よって、自発光デバイスを用いたパネルにおいては、そのパネルに表示させる絵柄に、電源に対する電力負荷が依存する。よって絵柄の変動に依存し、電力負荷の変動が激しくなることが想定される。そのような変動による影響から、パネルや電源を保護するために、パネル全体に対してABLにより輝度リミットが行われる。
【0035】
ABLは、Automatic Brightness Limiterの略であり、映像信号の輝度信号を制御する機能である。ABLは、例えば、図3に示すように、映像信号を入力し、その映像信号に対するリミット処理を実行した信号を、パネルに出力するように構成される。すなわち、図示されていないアンテナなど受信され、復号などの処理がされた映像信号がABL201とAPL202に入力される。
【0036】
APLは、Average Picture Levelの略であり、平均画像レベルを表す。APL202にて、映像信号に基づく1画面の平均画像レベルが算出され、そのレベルの値に応じて、ABL201にて、映像信号に対して輝度信号のリミット処理が実行される。リミット処理が施された映像信号がパネル203に供給され、映像信号に基づく映像(画像)がパネル203上に表示される。このパネル203は、上記したELパネル100で構成することができる。
【0037】
電源204は、パネル203に対して電力を供給する。このパネル203に供給される電力は、上記したように、パネル203に表示される絵柄に応じて変動があるが、ABL201において映像信号にリミットが掛けられることにより、パネル203や電源204は保護される。
【0038】
この場合、パネル203に対して電力を供給する電源204は、図3に示したように全画面の画素に対して1系統であるので、全画面でのAPL計測結果が用いられてABLが掛けられる。よって、この1系統の電源204に負荷が集中する傾向がある。パネル203が大画面化したり、細密化したりすると、1系統の電源204に負荷が集中する傾向がより強くなり、パネル203や電源204の保護が適切に行えない可能性がある。そこで、以下に説明するように、複数の電源系統を設けることで、さらなる消費電力の低減を可能とし、より細かな電力の制御が行えるようにする。
【0039】
[第1の実施の形態について]
図4は、第1の実施の形態について説明するための図である。パネル301の表示領域と同じ領域を、領域302とする。パネル301には、3つの電源が接続され、それぞれの電源から、所定の画素に対して電力が供給されるように構成されている。R用電源311は、領域302内の全てのR画素に対して電力を供給し、G用電源312は、領域302内の全てのG画素に対して電力を供給し、B用電源313は、領域302内の全てのB画素に対して電力を供給する構成とされている。
【0040】
ここでは、R、G、Bはそれぞれ赤 (Red)、緑 (Green)、青 (Blue) の3つの原色を表し、これらの3原色を混ぜて幅広い色を再現する加法混色を用いて画像を表示する場合を例に挙げて説明する。しかしながら、本技術が、3原色の場合に限定されることを示す記載ではない。本技術は、複数の色で画像を表示するときに用いることができる。
【0041】
図4に示したように、パネル301を構成するR画素、G画素、B画素のそれぞれに対して独立に電源を設ける(3系統の電源を設ける)ことで、R画素、G画素、B画素に一括して電力を供給する1系統の電源を設けるよりも、1つの電源に負荷が集中してしまうことを防ぎ、負荷を分散させることが可能となる。
【0042】
第1の実施の形態においては、このように、複数の自発光デバイスから構成され、画像や映像を表示するパネル301上の複数の自発光デバイスの色毎に電力を供給する複数の電源が備えられている。
【0043】
このように複数の電源を設けた場合、映像信号の輝度信号を制御する機能であるABLと、ABLが制御を行うための平均画像レベル(APL)を算出するためのシステムは、図5に示したようなシステムとなる。図5に示したシステムは、ABL331とAPL算出部332から構成されている。ABL331は、上記した場合と同じく、入力される映像信号の輝度信号を制御する機能を有する。具体的には、入力された映像信号に対して、APL算出部332から供給される平均画像レベル値からパネル輝度(電流量)に応じたABL量を決定し、補正を掛ける。
【0044】
ABL331は、R補正部341、G補正部342、およびB補正部343を含む構成とされる。R補正部341は、入力された信号のうちのR(赤)に係わる信号(以下、R信号と記述する)に補正を掛ける。G補正部342は、入力された信号のうちのG(緑)に係わる信号(以下、G信号と記述する)に補正を掛ける。B補正部343は、入力された信号のうちのB(青)に係わる信号(以下、B信号と記述する)に補正を掛ける。
【0045】
APL算出部332は、平均画像レベルを算出する。APL算出部332は、RGBレベル全画面平均算出部351、Rレベル全画面平均算出部352、Gレベル全画面平均算出部353、Bレベル全画面平均算出部354、選択回路355、および選択回路356を含む構成とされている。
【0046】
RGBレベル全画面平均算出部351は、領域302内の全てのR画素、G画素、B画素のレベル(以下、RGBレベルと記述する)の平均値を算出する。Rレベル全画面平均算出部352は、領域302内の全てのR画素のレベル(以下、Rレベルと記述する)の平均値を算出する。Gレベル全画面平均算出部353は、領域302内の全てのG画素のレベル(以下、Gレベルと記述する)の平均値を算出する。Bレベル全画面平均算出部354は、領域302内の全てのB画素のレベル(以下、Bレベルと記述する)の平均値を算出する。
【0047】
このように、R画素、G画素、B画素の3系統の電源を設けた場合、それぞれの画素におけるレベルの平均値を算出する、Rレベル全画面平均算出部352、Gレベル全画面平均算出部353、およびBレベル全画面平均算出部354が設けられる。また、R画素、G画素、B画素のそれぞれにおけるレベルの平均値を算出するRGBレベル全画面平均算出部351が設けられる。
【0048】
Rレベル全画面平均算出部352において算出されたRレベルの全画面における平均値、Gレベル全画面平均算出部353において算出されたGレベルの全画面における平均値、およびBレベル全画面平均算出部354において算出されたBレベルの全画面における平均値は、選択回路355に供給される。選択回路355においては、入力された平均値のうち、最大値の平均値が選択され、その平均値が、選択回路356に出力される。
【0049】
選択回路356には、RGBレベル全画面平均算出部351において算出された全画面におけるRGBレベルの平均値も入力される。選択回路356は、RGBレベル全画面平均算出部351からの平均値と、選択回路355からの平均値の内、大きい値の平均値を、APL量として、ABL331に出力する。ABL331は、供給されたAPL量から、パネル輝度(電流量)に応じたABL量を決定し、R補正部341、G補正部342、およびB補正部343の各部にて入力された信号に対して補正を掛ける。
【0050】
このように、電源を複数設けた場合、その設けられている電源の数とAPLの算出条件を連動させることで、1箇所の電源に負荷を集中させずに、かつABLの動作を適切に実現することが可能となる。
【0051】
第1の実施の形態の場合、R用電源311、G用電源312、B用電源313という3系統の電源を設け、それらの各電源に掛かる負荷を、間接的に測定するRレベル全画面平均算出部352、Gレベル全画面平均算出部353、Bレベル全画面平均算出部354を設けた。
【0052】
このような構成とすることで、電力の負荷を、色毎に計測することができるため、より細かく行う電力の制御を行うことが可能となる。また、電源を分散することにより電源の保護を行うことができ、さらに各電源の負荷を計測し、適切なABLを掛けることが可能となるため、より適切な電源やパネルの保護を行うことが可能となる。
【0053】
[第2の実施の形態について]
図6は、第2の実施の形態について説明するための図である。パネル401の表示領域と同一の領域を、領域402とする。パネル401には、2つの電源が接続され、それぞれの電源から、所定の画素に対して電力が供給されるように構成されている。R用電源411は、領域402内の全てのR画素に対して電力を供給し、GB用電源412は、領域402内の全てのG画素とB画素に対して電力を供給する構成とされている。
【0054】
図6に示したように、パネル401を構成するR画素に対する電源と、G画素とB画素に対する電源の2系統の電源を設けることで、R画素、G画素、B画素に一括して電力を供給する1系統の電源を設けるよりも、1つの電源に負荷が集中してしまうことを防ぎ、負荷を分散させることが可能となる。
【0055】
第2の実施の形態においては、このように、複数の自発光デバイスから構成され、画像や映像を表示するパネル401上の複数の自発光デバイスの色の組み合わせ毎に電力を供給する複数の電源が備えられている。
【0056】
このように2系統の電源を設けた場合、映像信号の輝度信号を制御する機能であるABLと、ABLが制御を行うための平均画像レベル(APL)を算出するためのシステムは、図7に示したようなシステムとなる。基本的な構成は、第1の実施の形態の場合と同じであるので、適宜説明を省略する。
【0057】
図7に示したシステムは、ABL431とAPL算出部432から構成されている。ABL431は、入力された映像信号に対して、APL算出部432から供給されるレベルの平均値からパネル輝度(電流量)に応じたABL量を決定し、補正を掛ける。ABL431は、R補正部441、G補正部442、およびB補正部443を含む構成とされる。R補正部441は、入力されたR信号に補正を掛け、G補正部442は、入力されたG信号に補正を掛け、B補正部443は、入力されたB信号に補正を掛ける。
【0058】
APL算出部432は、平均画像レベルを算出する。APL算出部432は、RGBレベル全画面平均算出部451、Rレベル全画面平均算出部452、GBレベル全画面平均算出部453、選択回路454、および選択回路455を含む構成とされている。
【0059】
RGBレベル全画面平均算出部451は、領域402内の全てのR画素、G画素、B画素のレベルの平均値を算出する。Rレベル全画面平均算出部452は、領域402内の全てのR画素のレベルの平均値を算出する。GBレベル全画面平均算出部453は、領域402内の全てのG画素とB画素のレベルの平均値を算出する。
【0060】
このように、R画素用の電源と、G画素とB画素用の電源の2系統の電源を設けた場合、R画素のレベルの平均値を算出するRレベル全画面平均算出部452、G画素とB画素のレベルの平均値を算出するGBレベル全画面平均算出部453が設けられる。また、R画素、G画素、B画素のそれぞれにおけるレベルの平均値を算出するRGBレベル全画面平均算出部451が設けられる。
【0061】
Rレベル全画面平均算出部452において算出されたRレベルの全画面における平均値、GBレベル全画面平均算出部453において算出されたGレベルとBレベルの全画面における平均値は、選択回路454に供給される。選択回路454においては、入力された平均値のうち、最大値の平均値が選択され、その平均値が、選択回路455に出力される。
【0062】
選択回路455には、RGBレベル全画面平均算出部451において算出された全画面におけるレベルの平均値も入力される。選択回路455は、RGBレベル全画面平均算出部451からの平均値と、選択回路455からの平均値の内、大きい値の平均値を、APL量として、ABL431に出力する。ABL431は、供給されたAPL量から、パネル輝度(電流量)に応じたABL量を決定し、R補正部441、G補正部442、およびB補正部444の各部にて入力された信号に対して補正を掛ける。
【0063】
このように、電源を複数設けた場合、その設けられている電源の数とAPLの算出条件を連動させることで、1箇所の電源に負荷を集中させずに、かつABLの動作を実現することが可能となる。
【0064】
第2の実施の形態の場合、R用電源411とGB用電源412の2系統の電源を設け、それらの各電源に掛かる負荷を、間接的に測定するRレベル全画面平均算出部452とGBレベル全画面平均算出部453を設けた。
【0065】
このような構成とすることで、電力の負荷を、色の組み合わせ毎に計測することができるため、より細かく行う電力の制御を行うことが可能となる。また、電源を分散することにより電源の保護を行うことができ、さらに各電源の負荷を計測し、適切なABLを掛けることが可能となるため、より適切な電源やパネルの保護を行うことが可能となる。
【0066】
[第3の実施の形態について]
図8は、第3の実施の形態について説明するための図である。パネル501の表示領域の左側半分の領域を領域502とし、右側半分の領域を領域503とする。パネル501には、2つの電源が接続され、それぞれの電源から、所定の画素に対して電力が供給されるように構成されている。左画面用電源511は、領域502内の全てのR画素、G画素、およびB画素に対して電力を供給し、右画面用電源512は、領域503内の全ての、R画素、G画素、およびB画素に対して電力を供給する構成とされている。
【0067】
図8に示したように、パネル501の左側に位置する画素に対する電源と、右側に位置する画素に対する電源の2系統の電源を設けることで、パネル全体の画素に一括して電力を供給する1系統の電源を設けるよりも、1つの電源に負荷が集中してしまうことを防ぎ、負荷を分散させることが可能となる。
【0068】
第3の実施の形態においては、このように、複数の自発光デバイスから構成され、画像や映像を表示するパネル501を複数の領域に分割し、それらの領域毎内の自発光デバイス毎に電力を供給する複数の電源が備えられている。
【0069】
このように2系統の電源を設けた場合、映像信号の輝度信号を制御する機能であるABLと、ABLが制御を行うための平均画像レベル(APL)を算出するためのシステムは、図9に示したようなシステムとなる。基本的な構成は、第1または第2の実施の形態の場合と同じであるので、適宜説明を省略する。
【0070】
図9に示したシステムは、ABL531とAPL算出部532から構成されている。ABL531は、入力された映像信号に対して、APL算出部532から供給されるレベルの平均値からパネル輝度(電流量)に応じたABL量を決定し、補正を掛ける。ABL531は、R補正部541、G補正部542、およびB補正部543を含む構成とされる。R補正部541は、入力されたR信号に補正を掛け、G補正部542は、入力されたG信号に補正を掛け、B補正部543は、入力されたB信号に補正を掛ける。
【0071】
APL算出部532は、平均画像レベルを算出する。APL算出部532は、RGBレベル全画面平均算出部551、RGBレベル左画面平均算出部552、RGBレベル右画面平均算出部553、選択回路554、および選択回路555を含む構成とされている。
【0072】
RGBレベル全画面平均算出部551は、領域502内の全てのR画素、G画素、B画素のレベルの平均値を算出する。RGBレベル右画面平均算出部552は、パネル501の左側の領域502内の全てのR画素、G画素、B画素のレベルの平均値を算出する。RGBレベル右画面平均算出部553は、パネル501の右側の領域503内の全てのR画素、G画素、B画素のレベルの平均値を算出する。
【0073】
パネル501の左側の領域502内の画素であるのか、右側の領域503内の画素であるのかを判断するために、APL算出部532には、映像信号と共に、入力されている画素(レベル)が位置する位置情報も入力される。この位置情報に基づき、RGBレベル左画面平均算出部552とRGBレベル右画面平均算出部553は、自己が処理すべき画素であるか否かを判断し、処理すべき画素であると判断したときだけ処理する(加算する)。
【0074】
RGBレベル左画面平均算出部552とRGBレベル右画面平均算出部553の前段にスイッチを設け、そのスイッチが、位置情報に基づき切り換えられることで、RGBレベル左画面平均算出部552とRGBレベル右画面平均算出部553に、それぞれの部で処理される画素(レベル)が供給されるようにしても良い。
【0075】
このように、左画面用の電源と、右画面用の電源の2系統の電源を設けた場合、左画面内の画素レベルの平均値を算出するRGBレベル左画面平均算出部552と、右画面内の画素レベルの平均値を算出するRGBレベル右画面平均算出部553が設けられる。また、全画面の画素のレベルの平均値を算出するRGBレベル全画面平均算出部551が設けられる。
【0076】
RGBレベル左画面平均算出部552において算出されたRレベル、Gレベル、Bレベルの左画面における平均値と、RGBレベル右画面平均算出部553において算出されたRレベル、Gレベル、Bレベルの右画面における平均値は、選択回路554に供給される。選択回路554においては、入力された平均値のうち、大きい値の平均値が選択され、選択回路555に出力される。
【0077】
選択回路555には、RGBレベル全画面平均算出部551において算出された全画面におけるレベルの平均値も入力される。選択回路555は、RGBレベル全画面平均算出部551からの平均値と、選択回路554からの平均値の内、大きい値の平均値を、APL量として、ABL531に出力する。ABL531は、供給されたAPL量から、パネル輝度(電流量)に応じたABL量を決定し、R補正部541、G補正部542、およびB補正部543の各部にて入力された信号に対して補正を掛ける。
【0078】
このように、電源を複数設けた場合、その設けられている電源の数とAPLの算出条件を連動させることで、1箇所の電源に負荷を集中させずに、かつABLの動作を実現することが可能となる。
【0079】
第3の実施の形態の場合、左画面用電源511と右画面用電源512の2系統の電源を設け、それらの各電源に掛かる負荷を、間接的に測定するRGBレベル左画面平均算出部552とRGBレベル右画面平均算出部553を設けた。
【0080】
このような構成とすることで、電力の負荷を、領域毎に計測することができるため、より細かく行う電力の制御を行うことが可能となる。また、電源を分散することにより電源の保護を行うことができ、さらに各電源の負荷を計測し、適切なABLを掛けることが可能となるため、より適切な電源やパネルの保護を行うことが可能となる。
【0081】
[第4の実施の形態について]
図10は、第4の実施の形態について説明するための図である。パネル601の表示領域の上側半分の領域を領域602とし、下側半分の領域を領域603とする。パネル601には、2つの電源が接続され、それぞれの電源から、所定の画素に対して電力が供給されるように構成されている。上画面用電源611は、領域602内の全てのR画素、G画素、およびB画素に対して電力を供給し、下画面用電源612は、領域603内の全ての、R画素、G画素、およびB画素に対して電力を供給する構成とされている。
【0082】
図10に示したように、パネル601の上側に位置する画素に対する電源と、下側に位置する画素に対する電源の2系統の電源を設けることで、パネル全体の画素に一括して電力を供給する1系統の電源を設けるよりも、1つの電源に負荷が集中してしまうことを防ぎ、負荷を分散させることが可能となる。
【0083】
第4の実施の形態においては、このように、複数の自発光デバイスから構成され、画像や映像を表示するパネル601を複数の領域に分割し、それらの領域毎内の自発光デバイス毎に電力を供給する複数の電源が備えられている。
【0084】
このように2系統の電源を設けた場合、映像信号の輝度信号を制御する機能であるABLと、ABLが制御を行うための平均画像レベル(APL)を算出するためのシステムは、図9に示したようなシステムとなる。基本的な構成は、第1乃至第3の実施の形態の場合と同じであるので、適宜説明を省略する。
【0085】
図11に示したシステムは、ABL631とAPL算出部632から構成されている。ABL631は、入力された映像信号に対して、APL算出部632から供給されるレベルの平均値からパネル輝度(電流量)に応じたABL量を決定し、補正を掛ける。ABL631は、R補正部641、G補正部642、およびB補正部643を含む構成とされる。R補正部641は、入力されたR信号に補正を掛け、G補正部642は、入力されたG信号に補正を掛け、B補正部643は、入力されたB信号に補正を掛ける。
【0086】
APL算出部632は、平均画像レベルを算出する。APL算出部632は、RGBレベル全画面平均算出部651、RGBレベル上画面平均算出部652、RGBレベル下画面平均算出部653、選択回路654、および選択回路655を含む構成とされている。
【0087】
RGBレベル全画面平均算出部651は、領域602内の全てのR画素、G画素、B画素のレベルの平均値を算出する。RGBレベル上画面平均算出部652は、パネル601の上側の領域602内の全てのR画素、G画素、B画素のレベルの平均値を算出する。RGBレベル下画面平均算出部653は、パネル601の下側の領域603内の全てのR画素、G画素、B画素のレベルの平均値を算出する。
【0088】
パネル601の上側の領域602内の画素であるのか、下側の領域603内の画素であるのかを判断するために、APL算出部632には、映像信号と共に、入力されている画素(レベル)が位置する位置情報も入力される。この位置情報に基づき、RGBレベル上画面平均算出部652とRGBレベル下画面平均算出部653は、自己が処理すべき画素であるか否かを判断し、処理すべき画素であると判断したときだけ処理する(加算する)。
【0089】
この第4の実施の形態の場合も、第3の実施の形態と同じく、RGBレベル上画面平均算出部652とRGBレベル下画面平均算出部653の前段にスイッチを設ける構成とすることができる。そして、そのスイッチが、位置情報に基づき切り換えられることで、RGBレベル上画面平均算出部652とRGBレベル下画面平均算出部653に、それぞれの部で処理される画素が供給されるようにしても良い。
【0090】
このように、上画面用の電源と、下画面用の電源の2系統の電源を設けた場合、上画面内の画素レベルの平均値を算出するRGBレベル上画面平均算出部652と、下画面内の画素レベルの平均値を算出するRGBレベル下画面平均算出部653が設けられる。また、全画面の画素のレベルの平均値を算出するRGBレベル全画面平均算出部651が設けられる。
【0091】
RGBレベル上画面平均算出部652において算出されたRレベル、Gレベル、Bレベルの上画面における平均値と、RGBレベル下画面平均算出部653において算出されたRレベル、Gレベル、Bレベルの下画面における平均値は、選択回路654に供給される。選択回路654においては、入力された平均値のうち、大きい値の平均値が選択され、選択回路655に出力される。
【0092】
選択回路655には、RGBレベル全画面平均算出部651において算出された全画面におけるレベルの平均値も入力される。選択回路655は、RGBレベル全画面平均算出部651からの平均値と、選択回路654からの平均値の内、大きい値の平均値を、APL量として、ABL631に出力する。ABL631は、供給されたAPL量から、パネル輝度(電流量)に応じたABL量を決定し、R補正部641、G補正部642、およびB補正部643の各部にて入力された信号に対して補正を掛ける。
【0093】
このように、電源を複数設けた場合、その設けられている電源の数とAPLの算出条件を連動させることで、1箇所の電源に負荷を集中させずに、かつABLの動作を実現することが可能となる。
【0094】
第4の実施の形態の場合、上画面用電源611と下画面用電源612の2系統の電源を設け、それらの各電源に掛かる負荷を、間接的に測定するRGBレベル上画面平均算出部652とRGBレベル下画面平均算出部653を設けた。
【0095】
このような構成とすることで、電力の負荷を、色の組み合わせ毎に計測することができるため、より細かく行う電力の制御を行うことが可能となる。また、電源を分散することにより電源の保護を行うことができ、さらに各電源の負荷を計測し、適切なABLを掛けることが可能となるため、より適切な電源やパネルの保護を行うことが可能となる。
【0096】
[第5の実施の形態について]
図12は、第5の実施の形態について説明するための図である。パネル701の表示領域と同じ大きさの領域を領域702とし、パネル701の左側半分の領域を領域703とし、パネル701の右側半分の領域を領域704とする。パネル701には、3つの電源が接続され、それぞれの電源から、所定の画素に対して電力が供給されるように構成されている。R全画面用電源711は、領域702内の全てのR画素に対して電力を供給し、GB左画面用電源712は、領域703内の全てのG画素とB画素に対して電力を供給し、GB右画面用電源713は、領域704内の全てのG画素とB画素に対して電力を供給する構成とされている。
【0097】
図12に示したように、パネル701を構成するR画素、左側に位置するG画素とB画素、および右側に位置するG画素とB画素のそれぞれに対して独立に電源を設ける(3系統の電源を設ける)ことで、1画面のR画素、G画素、B画素の全てに一括して電力を供給する1系統の電源を設けるよりも、1つの電源に負荷が集中してしまうことを防ぎ、負荷を分散させることが可能となる。
【0098】
第5の実施の形態においては、このように、複数の自発光デバイスから構成され、画像や映像を表示するパネル701を複数の領域に分割し、それらの領域毎内の自発光デバイス毎に電力を供給する複数の電源が備えられている。さらに、第5の実施の形態においては、パネル701の色の組み合わせ毎にも電源が設けられている。
【0099】
このように複数の電源を設けた場合、映像信号の輝度信号を制御する機能であるABLと、ABLが制御を行うための平均画像レベル(APL)を算出するためのシステムは、図13に示したようなシステムとなる。図13に示したシステムは、ABL731とAPL算出部732から構成されている。ABL731は、入力された映像信号に対して、APL算出部732から供給される平均画像レベル値からパネル輝度(電流量)に応じたABL量を決定し、補正を掛ける。
【0100】
ABL731は、R補正部741、G補正部742、およびB補正部743を含む構成とされる。R補正部741は、入力された信号のうちのR信号に補正を掛け、G補正部742は、入力された信号のうちのG信号に補正を掛け、B補正部743は、入力された信号のうちのB信号に補正を掛ける。
【0101】
APL算出部732は、平均画像レベルを算出する。APL算出部732は、RGBレベル全画面平均算出部751、Rレベル全画面平均算出部752、GBレベル左画面平均算出部753、GBレベル右画面平均算出部754、選択回路755、および選択回路756を含む構成とされている。
【0102】
RGBレベル全画面平均算出部751は、領域702内の全てのR画素、G画素、B画素のレベルの平均値を算出する。Rレベル全画面平均算出部752は、領域702内の全てのRレベルの平均値を算出する。GBレベル左画面平均算出部753は、領域703内のGレベルとGレベルの平均値を算出する。GBレベル右画面平均算出部754は、領域704内のGレベルとBレベルの平均値を算出する。
【0103】
このように、パネル701内の全R画素に対する電源、パネル701内の左側に位置するG画素とB画素に対する電源、およびパネル701内の右側に位置するG画素とB画素に対する電源の3系統の電源を設けた場合、それぞれの画素におけるレベルの平均値を算出する、Rレベル全画面平均算出部752、GBレベル左画面平均算出部753、およびGBレベル右画面平均算出部754が設けられる。また、R画素、G画素、B画素のレベルの平均値を算出するRGBレベル全画面平均算出部751が設けられる。
【0104】
Rレベル全画面平均算出部752において算出されたRレベルの全画面における平均値、GBレベル左画面平均算出部753において算出されたGレベルとBレベルの左画面における平均値、およびGBレベル右画面平均算出部754において算出されたGレベルとBレベルの右画面における平均値は、選択回路755に供給される。選択回路755においては、入力された平均値のうち、最大値の平均値が選択され、その平均値が、選択回路756に出力される。
【0105】
選択回路756には、RGBレベル全画面平均算出部751において算出された全画面におけるレベルの平均値も入力される。選択回路756は、RGBレベル全画面平均算出部751からの平均値と、選択回路755からの平均値の内、大きい値の平均値を、APL量として、ABL731に出力する。ABL731は、供給されたAPL量から、パネル輝度(電流量)に応じたABL量を決定し、R補正部741、G補正部742、およびB補正部743の各部にて入力された信号に対して補正を掛ける。
【0106】
このように、電源を複数設けた場合、その設けられている電源の数とAPLの算出条件を連動させることで、1箇所の電源に負荷を集中させずに、かつABLの動作を実現することが可能となる。
【0107】
第5の実施の形態の場合、R全画面用電源711、GB左画面用電源712、GB右画面用電源713という3系統の電源を設け、それらの各電源に掛かる負荷を、間接的に測定するRレベル全画面平均算出部752、GBレベル左画面平均算出部753、GBレベル右画面平均算出部754を設けた。
【0108】
このような構成とすることで、電力の負荷を、色の組み合わせ毎と領域毎に計測することができるため、より細かく行う電力の制御を行うことが可能となる。また、電源を分散することにより電源の保護を行うことができ、さらに各電源の負荷を計測し、適切なABLを掛けることが可能となるため、より適切な電源やパネルの保護を行うことが可能となる。
【0109】
このように、本実施の形態においては、パネルを構成する画素(自発光デバイス)に電力を供給する電源を複数設けることで、1つの電源に負荷が集中するようなことを防ぐことが可能となる。また、複数の電源を設けるだけでなく、その複数の電源のそれぞれに対応し、各電源に係る負荷を間接的に計測する機能(APLを算出する機能)を設けることで、複数の電源を設けたときのABL動作を適切に行うことが可能となる。
【0110】
上述した実施の形態においては、電源を2または3個設ける場合を例に挙げて説明したが、3個以上の電源を設けるようにしても、勿論良い。また、3個以上の電源を設けるようにした場合、その個数に対応してAPLを算出する機能も設けられる。
【0111】
また上述した実施の形態においては、パネルを上下方向に分割した場合や、左右方向に分割した場合を例に挙げて説明したが、それ以外のパネルの分割に対しても本技術を適用できる。例えば、上部分、中央部分、下部分の3つに分割したり、さらに細かな分割を行ったりしたりしたときに対しても、本技術は適用できる。そのような場合、その分割に合わせて電源が設けられ、APLを算出する機能も設けられる。
【0112】
また上述した実施の形態においては、パネルを分割する際、上下方向や左右方向に分割する例を挙げて説明したが、ドライバ毎に分割するようにしてもよい。ドライバ毎に分割するようにした場合、1つのドライバに対して1つの電源が接続されるようにしてもよいが、複数のドライバに対して1つの電下が接続されるように構成することも可能である。
【0113】
[記録媒体について]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0114】
図14は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。バス1004には、さらに、入出力インタフェース1005が接続されている。入出力インタフェース1005には、入力部1006、出力部1007、記憶部1008、通信部1009、およびドライブ1010が接続されている。
【0115】
入力部1006は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部1007は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部1008は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部1009は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ1010は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011を駆動する。
【0116】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0117】
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0118】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0119】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0120】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0121】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0122】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0123】
(1)
複数の自発光デバイスから構成される表示部と、
前記複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎に電力を供給する複数の電力供給部と
を備える表示装置。
【0124】
(2)
前記表示部を複数の領域に分割し、前記領域毎にさらに前記電力供給部を備える
前記(1)に記載の表示装置。
【0125】
(3)
前記複数の電力供給部の個数に対応し、APL(Average Picture Level)を算出するAPL算出部と、
前記APL算出部により算出されたAPL量に応じてABL(Automatic Brightness Limiter)を実行するABL部と
をさらに備える前記(1)または前記(2)に記載の表示装置。
【0126】
(4)
複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部に電力を供給する電源を備える表示装置の表示方法において、
前記電源が、前記複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎に備えられ、各電源からの電力の供給を制御する
ステップを含む表示方法。
【0127】
(5)
複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部に電力を供給する電源を備える表示装置に、
前記電源が、前記複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎に備えられ、各電源からの電力の供給を制御する
ステップを含む処理を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【0128】
(6)
複数の自発光デバイスから構成される表示部と、
前記表示部を複数の領域に分割し、前記領域毎に電力を供給する複数の電力供給部と
を備える表示装置。
【0129】
(7)
前記複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎にさらに前記電力供給部を備える
前記(6)に記載の表示装置。
【0130】
(8)
前記複数の電力供給部の個数に対応し、APL(Average Picture Level)を算出するAPL算出部と、
前記APL算出部により算出されたAPL量に応じてABL(Automatic Brightness Limiter)を実行するABL部と
をさらに備える前記(7)または前記(8)に記載の表示装置。
【0131】
(9)
複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部に電力を供給する電源を備える表示装置の表示方法において、
前記電源が、前記表示部を複数の領域に分割し、前記領域毎に備えられ、各電源からの電力の供給を制御する
ステップを含む表示方法。
【0132】
(10)
複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部に電力を供給する電源を備える表示装置に、
前記電源が、前記表示部を複数の領域に分割し、前記領域毎に備えられ、各電源からの電力の供給を制御する
ステップを含む処理を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【符号の説明】
【0133】
301 パネル, 311 R用電源, 312 G用電源, 331 ABL, 332 APL算出部, 341 R補正部, 342 G補正部, 343 B補正部, 351 RGBレベル全画面平均算出部, 352 Rレベル全画面平均算出部, 353 Gレベル全画面平均算出部, 354 Bレベル全画面平均算出部 355 選択回路, 356 選択回路, 401 パネル, 411 R用電源, 412 GB用電源, 431 ABL, 432 APL算出部, 441 R補正部, 442 G補正部, 443 B補正部, 451 RGBレベル全画面平均算出部, 452 Rレベル全画面平均算出部, 453 GBレベル全画面平均算出部, 454 選択回路, 455 選択回路, 501 パネル, 511 左画面用電源, 512 右画面用電源, 531 ABL, 532 APL算出部, 541 R補正部, 542 G補正部, 543 B補正部, 551 RGBレベル全画面平均算出部, 552 RGBレベル左画面平均算出部, 553 RGBレベル右画面平均算出部, 554 選択回路, 555 選択回路, 601 パネル, 611 上画面用電源, 612 下画面用電源, 631 ABL, 632 APL算出部, 641 R補正部, 642 G補正部, 643 B補正部, 651 RGBレベル全画面平均算出部, 652 RGBレベル上画面平均算出部, 653 RGBレベル下画面平均算出部, 654 選択回路, 655 選択回路, 701 パネル, 711 R全画面用電源, 712 GB左画面用電源, 713 GB右画面用電源, 731 ABL, 732 APL算出部, 741 R補正部, 742 G補正部, 743 B補正部, 751 RGBレベル全画面平均算出部, 752 Rレベル全画面平均算出部, 753 GBレベル左画面平均算出部, 754 GBレベル右画面平均算出部 755 選択回路, 756 選択回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自発光デバイスから構成される表示部と、
前記複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎に電力を供給する複数の電力供給部と
を備える表示装置。
【請求項2】
前記表示部を複数の領域に分割し、前記領域毎にさらに前記電力供給部を備える
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の電力供給部の個数に対応し、APL(Average Picture Level)を算出するAPL算出部と、
前記APL算出部により算出されたAPL量に応じてABL(Automatic Brightness Limiter)を実行するABL部と
をさらに備える請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部に電力を供給する電源を備える表示装置の表示方法において、
前記電源が、前記複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎に備えられ、各電源からの電力の供給を制御する
ステップを含む表示方法。
【請求項5】
複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部に電力を供給する電源を備える表示装置に、
前記電源が、前記複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎に備えられ、各電源からの電力の供給を制御する
ステップを含む処理を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【請求項6】
複数の自発光デバイスから構成される表示部と、
前記表示部を複数の領域に分割し、前記領域毎に電力を供給する複数の電力供給部と
を備える表示装置。
【請求項7】
前記複数の自発光デバイスの色毎に、または色の組み合わせ毎にさらに前記電力供給部を備える
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数の電力供給部の個数に対応し、APL(Average Picture Level)を算出するAPL算出部と、
前記APL算出部により算出されたAPL量に応じてABL(Automatic Brightness Limiter)を実行するABL部と
をさらに備える請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部に電力を供給する電源を備える表示装置の表示方法において、
前記電源が、前記表示部を複数の領域に分割し、前記領域毎に備えられ、各電源からの電力の供給を制御する
ステップを含む表示方法。
【請求項10】
複数の自発光デバイスから構成される表示部と、前記表示部に電力を供給する電源を備える表示装置に、
前記電源が、前記表示部を複数の領域に分割し、前記領域毎に備えられ、各電源からの電力の供給を制御する
ステップを含む処理を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−242486(P2012−242486A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110364(P2011−110364)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】