説明

表示装置、表示方法およびプログラム

【課題】タッチパネル操作時、表示されているアイコンに誤って触れて誤入力する事態の発生を防ぐ。
【解決手段】タッチパネル機能を具備した表示部110が接触を検知している接触体の動きに応じて、制御部120が、表示部110が表示しているアイコンの表示位置を、現在表示している位置とは異なる位置へ移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する表示装置、表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance,Personal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)等の携帯端末装置(表示装置)の多くは、タッチパネル機能を具備しており、画面にタッチするだけという簡単な操作で便利な機能を起動し利用することができる。これにより、利用者にとっては、ボタンキーの操作よりも直感的操作が行えるようになっている。
【0003】
また、タッチパネル上の指の移動方向を予測し、予測された移動方向に表示されている情報を大きく表示させる技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−21094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した技術においては、指で触れるだけの簡単な操作であるがゆえに、利用者が意図しないアイコンに触れてしまう等の誤操作(誤入力)が生じてしまうおそれがある。
【0006】
タッチパネルにおける一般的なスクロール操作においては、画面を指でなぞることによって画面スクロールを実現している。
【0007】
画面下部にワンタッチで起動するメニュー(アイコン)が表示されている場合、縦スクロールを行うために指を上から下方向へ移動させると、誤ってアイコンに触れてしまう場合がある。その場合は、利用者が意図しない機能が起動してしまう。
【0008】
また、他の方向のスクロールにおいても、利用者の指の移動方向にメニュー等のアイコンが配置されている場合、スクロール操作の延長で誤ってアイコンに触れてしまうおそれがある。この場合も、利用者が意図しない機能が起動してしまう。
【0009】
上述したようなワンタッチメニューの誤操作防止方法として、アイコン上で接触していた指が離れたことを検知して操作確定とする方法(アイコンに触れ、操作に問題なければ離す、問題あればアイコンと違う領域まで指をずらしてから離すという方法で誤操作をキャンセルする方法)があるが、スクロール操作では指の移動距離が長いことや、何回も反復操作をすることで、勢い余って誤った操作をしてもキャンセル動作をする余裕はない。
【0010】
本発明の目的は、上述した課題を解決する表示装置、表示方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の表示装置は、
タッチパネル機能を具備し、情報を表示する表示部と、
前記表示部が接触を検知している接触体の動きに応じて、前記表示部が表示しているアイコンの表示位置を、現在表示している位置とは異なる位置へ移動させる制御部とを有する。
【0012】
また、本発明の表示方法は、
タッチパネル機能を具備したディスプレイに情報を表示する表示方法であって、
前記ディスプレイが接触体の接触を検知する処理と、
前記接触を検知している接触体の動きを検出する処理と、
前記検出された動きに応じて、前記ディスプレイが表示しているアイコンの表示位置を、現在表示している位置とは異なる位置へ移動させる処理とを行う。
【0013】
また、本発明のプログラムは、
タッチパネル機能を具備したディスプレイに情報を表示する装置に実行させるためのプログラムであって、
前記ディスプレイが接触体の接触を検知する手順と、
前記接触を検知している接触体の動きを検出する手順と、
前記検出された動きに応じて、前記ディスプレイが表示しているアイコンの表示位置を、現在表示している位置とは異なる位置へ移動させる手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明においては、タッチパネルに対する誤入力を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の表示装置の実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示した表示装置における表示方法の第1の例を説明するためのフローチャートである。
【図3】指の移動方向にアイコンが表示されている場合の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図4】ステップS3の処理によって移動したアイコンを表示する表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図5】指の移動方向にアイコンが表示されている場合の表示部の表示画面の他の例を示す図である。
【図6】ステップS3の処理によって移動したアイコンを表示する表示部の表示画面の他の例を示す図である。
【図7】図1に示した表示装置における表示方法の第2の例を説明するためのフローチャートである。
【図8】指が境界を跨いで移動したときの様子の一例を示す図である。
【図9】ステップS13の処理によって移動したアイコンを表示する表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図10】再設定された境界の一例を示す図である。
【図11】図1に示した表示装置における表示方法の第3の例を説明するためのフローチャートである。
【図12】指の接触を検知した位置が領域内から領域外へ移動したときの様子の一例を示す図である。
【図13】ステップS24の処理によって移動したアイコンを表示する表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図14】図1に示した表示装置における表示方法の第4の例を説明するためのフローチャートである。
【図15】指の接触を検知した位置が範囲外から範囲内へ移動したときの様子の一例を示す図である。
【図16】ステップS34の処理によって移動したアイコンを表示する表示部の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の表示装置の実施の一形態を示す図である。
【0018】
本形態における表示装置100には図1に示すように、表示部110と、制御部120とが設けられている。なお、この表示装置100は、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance,Personal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)等の携帯端末装置、PC(Personal Computer)やカーナビ等であってタッチパネル機能を有する装置である。
【0019】
表示部110は、タッチパネル機能を具備し、情報を表示するディスプレイである。
【0020】
制御部120は、表示部110が接触を検知している指等の接触体の動きを検出し、検出した動きに応じて、表示部110が表示しているアイコンの表示位置を、現在表示している位置とは異なる位置へ移動させる。このアイコンとは、所定の機能を起動させるために表示されているものであり、一般的に利用されているアイコンと同様、表示部110に表示される簡単な絵や図からなる小さなメニュー画像である。表示部110がアイコンへの接触を検知した場合、制御部120によって当該アイコンに応じた機能が起動する。
【0021】
また、制御部120は、表示部110が接触を検知している接触体の動きの方向に応じて、表示部110が表示しているアイコンの表示位置を、その動きの方向とは異なる方向の位置へ移動させる。
【0022】
以下に、図1に示した表示装置100における表示方法について説明する。なお、以下の説明では、接触体が指である場合を例に挙げて説明する。
【0023】
図2は、図1に示した表示装置100における表示方法の第1の例を説明するためのフローチャートである。
【0024】
まず、表示部110への指の接触が検知され、表示部110に表示されている表示画面をスクロールするために指で表示部110がなぞられたことが制御部120によって認識されると(ステップS1)、指の移動方向にアイコンが表示されているかどうかが制御部120によって判別される(ステップS2)。
【0025】
図3は、指の移動方向にアイコンが表示されている場合の表示部110の表示画面の一例を示す図である。
【0026】
図3に示すように、表示部110の下側にアイコン130−1〜130−3が表示されている状態で、表示部110の上側から下側へ指が移動した場合、指の移動方向にアイコン130−1〜130−3が表示されていると制御部120によって判別される。なお、図3に示した例では、アイコン130−1〜130−3の数が3つである場合を例に挙げて示しているが、2つ以下であっても良いし、4つ以上であっても良い(以下の説明において同じ)。
【0027】
ここで、指の接触を検知している位置の特定は、一般的な方法を用いれば良く、例えば、表示部110上の座標情報に基づくものであっても良い(以下の説明において同じ)。
【0028】
指の移動方向にアイコン130−1〜130−3が表示されていると制御部120によって判別された場合、そのアイコン130−1〜130−3が、制御部120によって指の移動方向とは異なる方向の位置に移動させられる(ステップS3)。
【0029】
なお、スクロール中であるかどうかに関わらず、指の移動方向のみに基づいて、アイコンを移動させるものであっても良い。
【0030】
図4は、ステップS3の処理によって移動したアイコン130−1〜130−3を表示する表示部110の表示画面の一例を示す図である。
【0031】
図4に示すように、表示部110の下側に表示されていたアイコン130−1〜130−3が、指の移動方向とは異なる方向の位置である表示部110の左側へ移動する。なお、指の移動方向が表示部110の上側から下側への移動であるため、当該移動方向とは異なる方向の位置としては、表示部110の上側や右側であっても良い。
【0032】
図5は、指の移動方向にアイコン130−1〜130−3が表示されている場合の表示部110の表示画面の他の例を示す図である。
【0033】
図5に示すように、表示部110の右側にアイコン130−1〜130−3が表示されている状態で、表示部110の左側から右側へ指が移動した場合、指の移動方向にアイコン130−1〜130−3が表示されていると制御部120によって判別される。
【0034】
図6は、ステップS3の処理によって移動したアイコン130−1〜130−3を表示する表示部110の表示画面の他の例を示す図である。
【0035】
図6に示すように、表示部110の右側に表示されていたアイコン130−1〜130−3が、指の移動方向とは異なる方向の位置である表示部110の下側へ移動する。なお、指の移動方向が表示部110の左側から右側への移動であるため、当該移動方向とは異なる方向の位置としては、表示部110の上側や左側であっても良い。
【0036】
また、制御部120は、表示部110が接触を検知している位置が、表示部110上にあらかじめ設定された境界を跨いで移動した場合、表示部110が表示しているアイコンの表示位置を、移動後の接触の検知の位置に応じた位置へ移動させるものであっても良い。
【0037】
図7は、図1に示した表示装置100における表示方法の第2の例を説明するためのフローチャートである。
【0038】
まず、表示部110への指の接触が検知され、表示部110に表示されている表示画面をスクロールするために指で表示部110がなぞられたことが制御部120によって認識されると(ステップS11)、指の接触を検知した位置があらかじめ設定された境界を跨いで移動したかどうかが制御部120によって判別される(ステップS12)。
【0039】
図8は、指が境界を跨いで移動したときの様子の一例を示す図である。
【0040】
図8に示すように、表示部110の下側にアイコン130−1〜130−3が表示されている状態で、表示部110の上側から下側へ、破線で示した境界140を跨いで指が移動した場合、指の接触を検知した位置が境界140を跨いで移動したと制御部120によって判別される。なお、図8には、境界140を破線で示したが、境界140は実際には表示部110に表示されなくても良く、その位置を制御部120が座標情報等を用いて認識していれば良い。
【0041】
また、境界140の位置は、表示されているアイコン130−1〜130−3までの距離、指の移動速度と、操作を受けて判断し、アイコン130−1〜130−3を移動させるのに必要な処理時間とを加味して、ある程度のマージンを持って設定される。つまり、この境界140を跨いだ移動があった場合、指がアイコン130−1〜130−3へ近づく操作が行われていると判別できる位置である。
【0042】
指の接触を検知した位置が境界140を跨いで移動したと制御部120によって判別された場合、表示されているアイコン130−1〜130−3が、制御部120によって、移動後の接触の検知の位置に応じた位置に移動させられる(ステップS13)。
【0043】
図9は、ステップS13の処理によって移動したアイコン130−1〜130−3を表示する表示部110の表示画面の一例を示す図である。
【0044】
図9に示すように、表示部110の右側から左側へ引かれた境界140よりも移動後の接触の検知の位置が下側である場合、表示部110の下側に表示されていたアイコン130−1〜130−3が表示部110の左側へ移動する。なお、移動後の接触の検知の位置が境界140よりも下側であるため、アイコン130−1〜130−3の移動する位置としては、表示部110の上側や右側であっても良い。また、境界140が、表示部110の上側から下側へ引かれたものであっても良い。
【0045】
なお、ここで、表示部110の縦方向に引かれた境界140の位置が、表示部110の左側である場合、指の接触を検知した位置が表示部110の右側から左側へ境界140を跨いで移動した場合、上述した処理が行われる。また、表示部110の縦方向に引かれた境界140の位置が、表示部110の右側である場合、指の接触を検知した位置が表示部110の左側から右側へ境界140を跨いで移動した場合、上述した処理が行われる。また、表示部110の横方向に引かれた境界140の位置が、表示部110の上側である場合、指の接触を検知した位置が表示部110の下側から上側へ境界140を跨いで移動した場合、上述した処理が行われる。また、表示部110の横方向に引かれた境界140の位置が、表示部110の下側である場合、指の接触を検知した位置が表示部110の上側から下側へ境界140を跨いで移動した場合(図8および図9に示したもの)、上述した処理が行われる。
【0046】
アイコン130−1〜130−3が移動すると、それに伴い、境界140が制御部120によって再設定される(ステップS14)。
【0047】
図10は、再設定された境界140の一例を示す図である。
【0048】
図10に示すように、アイコン130−1〜130−3が図8に示した位置から図9に示した位置へ移動することにより、境界140が図8に示したアイコン130−1〜130−3の上側の位置から、図10に示したアイコン130−1〜130−3の右側の位置へ再設定される。境界140が再設定される位置は、上述したものと同様に、指がアイコン130−1〜130−3に近づく操作が行われていると判別できる位置である。
【0049】
また、制御部120は、表示部110が接触を検知している位置が、所定の領域の中から外へ移動した場合、表示部110が表示しているアイコンの表示位置を、移動後の接触の検知の位置に応じた位置へ移動させるものであっても良い。
【0050】
図11は、図1に示した表示装置100における表示方法の第3の例を説明するためのフローチャートである。
【0051】
まず、表示部110への指の接触が検知され、その検知の位置が、あらかじめ設定された領域内であるかどうかが制御部120によって判別される(ステップS21)。この領域については、後述する。
【0052】
接触を検知した位置が、所定の領域内であると制御部120によって判別された場合、表示部110に表示されている表示画面をスクロールするために指で表示部110がなぞられたことが制御部120によって認識されると(ステップS22)、指の接触を検知した位置が領域外へ移動したかどうかが制御部120によって判別される(ステップS23)。
【0053】
図12は、指の接触を検知した位置が領域内から領域外へ移動したときの様子の一例を示す図である。
【0054】
図12に示すように、表示部110の下側にアイコン130−1〜130−3が表示されている状態で、表示部110の上側から下側へ、破線で示した領域150の中から外へ指が移動した場合、指の接触を検知した位置が領域外へ移動したと制御部120によって判別される。なお、図12には、領域150を破線で示したが、領域150は実際には表示部110に表示されなくても良く、その位置を制御部120が座標情報等を用いて認識していれば良い。
【0055】
また、領域150の大きさや位置は、表示されているアイコン130−1〜130−3までの距離、指の移動速度と、操作を受けて判断し、アイコン130−1〜130−3を移動させるのに必要な処理時間とを加味して、ある程度のマージンを持って設定される。つまり、この領域150の中から領域150の外への移動があった場合、指がアイコン130−1〜130−3へ近づく操作が行われていると判別できるものである。また、領域150の形は、特に規定しない。
【0056】
指の接触を検知した位置が領域150の外へ移動したと制御部120によって判別された場合、表示されているアイコン130−1〜130−3が、制御部120によって、移動後の接触の検知の位置に応じた位置に移動させられる(ステップS24)。
【0057】
図13は、ステップS24の処理によって移動したアイコン130−1〜130−3を表示する表示部110の表示画面の一例を示す図である。
【0058】
図13に示すように、移動後の接触の検知の位置が、領域150の外であり、下側である場合、表示部110の下側に表示されていたアイコン130−1〜130−3が表示部110の左側へ移動する。なお、移動後の接触の検知の位置が領域150よりも下側であるため、アイコンの移動する位置としては、表示部110の上側や右側であっても良い。
【0059】
また、アイコン130−1〜130−3が表示部110の上側に表示された状態で、指の接触を検知した位置が領域150の上側の外へ移動した場合、上述した処理と同じ処理が行われる。また、アイコン130−1〜130−3が表示部110の右側に表示された状態で、指の接触を検知した位置が領域150の右側の外へ移動した場合、上述した処理と同じ処理が行われる。また、アイコン130−1〜130−3が表示部110の左側に表示された状態で、指の接触を検知した位置が領域150の左側の外へ移動した場合、上述した処理と同じ処理が行われる。
【0060】
また、制御部120は、表示部110が接触を検知している位置が、表示部110が表示しているアイコンの表示位置から所定の範囲外から範囲内へ移動した場合、表示部110が表示しているアイコンの表示位置を、移動後の接触の検知の位置に応じた位置へ移動させるものであっても良い。
【0061】
図14は、図1に示した表示装置100における表示方法の第4の例を説明するためのフローチャートである。
【0062】
まず、表示部110への指の接触が検知され、その検知の位置が、あらかじめ設定された範囲外であるかどうかが制御部120によって判別される(ステップS31)。この範囲については、後述する。
【0063】
接触を検知した位置が、所定の範囲外であると制御部120によって判別された場合、表示部110に表示されている表示画面をスクロールするために指で表示部110がなぞられたことが制御部120によって認識されると(ステップS32)、指の接触を検知した位置が範囲内へ移動したかどうかが制御部120によって判別される(ステップS33)。
【0064】
図15は、指の接触を検知した位置が範囲外から範囲内へ移動したときの様子の一例を示す図である。
【0065】
図15に示すように、表示部110の下側にアイコン130−1が表示されている状態で、破線で示した範囲160の外から中へ指が移動した場合、指の接触を検知した位置が範囲内へ移動したと制御部120によって判別される。なお、図15には、範囲160を破線で示したが、範囲160は実際には表示部110に表示されなくても良く、その位置を制御部120が座標情報等を用いて認識していれば良い。
【0066】
また、範囲160は、アイコン130−1を囲むように設定され、その大きさや位置は、表示されているアイコン130−1の大きさ、指の移動速度と、操作を受けて判断し、アイコン130−1を移動させるのに必要な処理時間とを加味して、ある程度のマージンを持って設定される。つまり、この範囲160の外から範囲160の中への移動があった場合、指がアイコン130−1へ近づく操作が行われていると判別できるものである。言い換えれば、範囲160の内側は、表示されるアイコン130−1に近い位置であることが言える。また、範囲160の形は、アイコン130−1の形状に合わせる必要はなく、特に規定しない。例えば、アイコン130−1の中心部から所定の半径を持つ円形であっても良いし、アイコン130−1のある1つの基準座標(例えば、左上の角)から所定の距離の範囲のものであっても良い。さらに単純にXY座標の絶対値が共に所定値以下であるような範囲のものであっても良い。
【0067】
なお、図15には、アイコン130−1が1つだけ表示されている場合を例に挙げて説明したが、図12等に示したように3つであっても良いし、その数は規定しない。
【0068】
指の接触を検知した位置が範囲160内へ移動したと制御部120によって判別された場合、表示されているアイコン130−1〜130−3が、制御部120によって、移動後の接触の検知の位置に応じた位置に移動させられる(ステップS34)。このとき、範囲160もアイコン130−1〜130−3とともに移動する。
【0069】
図16は、ステップS34の処理によって移動したアイコン130−1〜130−3を表示する表示部110の表示画面の一例を示す図である。
【0070】
図16に示すように、表示部110の下側にアイコン130−1が表示されている状態で、移動後の接触の検知の位置が、範囲160の内側である場合、表示部110の下側に表示されていたアイコン130−1および範囲160が表示部110の左側へ移動する。なお、アイコン130−1および範囲160の移動する位置としては、表示部110の上側や右側であっても良い。
【0071】
また、アイコン130−1が表示部110の上側、または右側、または左側に表示された状態で、指の接触を検知した位置が範囲160の内側へ移動した場合、上述した処理と同じ処理が行われる。
【0072】
また、上述した形態においては、境界140または領域150を超えて指で操作された場合や、範囲160の中へ指が入る(移動してくる)操作がされた場合に、指の移動方向と異なる表示部110の端へアイコンを移動させるものについて説明したが、表示部110の下側の端に配置されていないアイコンの場合は、指の移動方向と同じ方向へアイコンを移動させるものであっても良い。また、アイコンの移動については、表示部110の端まで移動させずに、所定の座標だけ移動させるものであっても良い。
【0073】
以上説明したように本発明によれば、利用者が意図しないアイコンを誤って触れてしまうことを避けることができ、利用者の誤操作を防止するUI(User Interface)を提供することができるという効果があり、より操作性の高い表示装置の提供が可能となる。
【0074】
上述した表示装置100に設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を表示装置100にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを表示装置100に読み込ませ、実行するものであっても良い。表示装置100にて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、表示装置100に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、表示装置100に設けられた制御部120にて読み込まれ、制御部120の制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、制御部120は、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0075】
100 表示装置
110 表示部
120 制御部
130−1〜130−3 アイコン
140 境界
150 領域
160 範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル機能を具備し、情報を表示する表示部と、
前記表示部が接触を検知している接触体の動きに応じて、前記表示部が表示しているアイコンの表示位置を、現在表示している位置とは異なる位置へ移動させる制御部とを有する表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記表示部が接触を検知している接触体の動きの方向に応じて、前記表示部が表示しているアイコンの表示位置を、前記方向とは異なる方向の位置へ移動させることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記表示部が接触を検知している位置が、前記表示部上にあらかじめ設定された境界を跨いで移動した場合、前記表示部が表示しているアイコンの表示位置を、該移動後の接触の検知の位置に応じた位置へ移動させることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記表示部が接触を検知している位置が、前記表示部上の所定の領域の中から外へ移動した場合、前記表示部が表示しているアイコンの表示位置を、該移動後の接触の検知の位置に応じた位置へ移動させることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の表示装置において、
前記制御部は、前記表示部が接触を検知している位置が、前記表示部が表示しているアイコンの表示位置から所定の範囲の外から中へ移動した場合、該表示部が表示しているアイコンの表示位置を、該移動後の接触の検知の位置に応じた位置へ移動させることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
タッチパネル機能を具備したディスプレイに情報を表示する表示方法であって、
前記ディスプレイが接触体の接触を検知する処理と、
前記接触を検知している接触体の動きを検出する処理と、
前記検出された動きに応じて、前記ディスプレイが表示しているアイコンの表示位置を、現在表示している位置とは異なる位置へ移動させる処理とを行う表示方法。
【請求項7】
タッチパネル機能を具備したディスプレイに情報を表示する装置に、
前記ディスプレイが接触体の接触を検知する手順と、
前記接触を検知している接触体の動きを検出する手順と、
前記検出された動きに応じて、前記ディスプレイが表示しているアイコンの表示位置を、現在表示している位置とは異なる位置へ移動させる手順とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−208637(P2012−208637A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72739(P2011−72739)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】