説明

表示装置および表示方法

【課題】表示された情報の見易さおよび外観意匠性を格段に向上させることができる表示装置および表示方法の提供。
【解決手段】時計の表示パネル30には、時表示510、十分桁表示521、および一分桁表示522などの数字などが異なる位置に分散してレイアウトされ、その時刻表示として、現在時刻で特定される特定情報が第1態様(黒色)で表示され、例えば一分桁表示における特定情報について時系列で前後となる前後情報が第2態様(ダークグレー)で表示されている。また、その他の情報は第3態様(ライトグレー)で表示されている。これにより、計時情報の把握が容易となり、また、表示パネル30の表示領域全体を表示に有効利用することが可能となるので、外観意匠性を大きく向上させることができる。すなわち、表示機能を備えた装飾品としての時計を提供することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示パネルが周方向に沿って設けられたリング状の時計が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1における表示パネルの表示状態は、時を示す数字と分を示す数字とがコロンを挟んで表示されるものとなっている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−171412号公報(図15)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のような表示パネルの表示状態は、従来の一般的なデジタル表示式の時計と同様であるため、リング形状とされて装飾性が高い時計としてはデザイン性に乏しい。すなわち、表示パネルがリング外周に沿って大きく設けられているものの、その表示パネルの一部のみに時刻が表示されているため、その一部に表示された時刻表示のデザイン性を高めたとしても、表示パネル全体からの装飾性は得られない。これでは、リング形状を活かした表示方法とは言えない。
そのうえ、このような時計では、表示パネルの表示領域がリング周方向に沿って広いこと、また、着用時にリングが腕の周りを回転し易いことから、表示パネルに時刻が表示された部分を見失い易いという問題がある。
なお、表示された情報の見易さ向上および外観性向上は、時計を含む表示装置全般における課題である。特に、時計は趣味性が高いことから、リング形状のものに限らず、例えば矩形状の表示パネルが外装ケース正面などに設けられたものについても、見易さおよび外観性向上の余地があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、表示された情報の見易さおよび外観意匠性を格段に向上させることができる時計などの表示装置および表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表示装置は、計時する計時部と、前記計時部で計時した計時情報を表示する表示パネルとを備え、前記表示パネルは、前記計時情報に含まれる時系列の複数の情報がそれぞれ当該表示パネル上に分散して表示されるように構成され、前記複数の情報から順次特定される特定情報は、所定の第1態様で表示され、前記複数の情報のうち前記特定情報について時系列で前後となる前後情報の少なくとも一方は、前記第1態様とは異なる第2態様で表示されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の表示方法は、時系列の複数の情報が分散して表示される表示装置における表示方法であって、前記複数の情報から順次特定される特定情報を、所定の第1態様で表示し、前記複数の情報のうち前記特定情報について時系列で前後となる前後情報の少なくとも一方を、前記第1態様とは異なる第2態様で表示することを特徴とする。
【0008】
これらの発明によれば、例えば現在時刻の時や分など、時系列の情報から順次特定される特定情報の表示態様とは異なる態様で、その特定情報の前または後の情報が表示される。例えば、現在時が8時であって特定情報が「8」の場合、「7」または「9」が、「8」の表示に係る第1態様とは異なる第2態様で表示される。すなわち、時系列の複数の情報表示(例えば、1,2,3,4、・・・12)がそれぞれ表示領域の異なる位置に分散しているところ、前または後の情報がその態様に基づいて特定情報と区別し得る態様で表示されることで、その前または後の情報表示を見ることにより、特定情報の表示を見なくても、その特定情報の予測がつくようになる。このように、計時情報の把握が容易となるので、見易く使い易い表示装置および表示方法を実現することが可能となる。
【0009】
これに加えて、表示領域に計時情報を表示する数字などが分散してレイアウトされ、つまり表示領域全体を表示に有効利用することが可能となるので、外観意匠性を大きく向上させることが可能になる。
すなわち、本発明によれば、複数の情報が表示領域に分散して表示される構成であっても、表示された情報を見つけ易く、かつ、見易さと外観意匠性とを格段に向上させることが可能となるから、表示機能を備えた装飾品としての表示装置を提供することが可能となる。
【0010】
ここで、時系列の計時情報の種類としては、時分秒などの時刻や、年月日および曜などの暦、などがあり、このうち、時だけ、分だけなど、一部の計時情報についてだけ、特定情報および前後情報を表示することも可能である。
また、例えば分など複数桁の情報については、例えば一の位の数字についてのみ、特定情報として第1の態様で表示し、かつその前後となる情報を第2の態様で表示することも可能である。
なお、時系列とされた各情報表示のレイアウトに関しては、これらの各情報表示が規則的に配置されていても、不規則に(ランダムに)配置されていてもよい。
【0011】
本発明の表示装置では、前記複数の情報のうち前記特定情報にも前記前後情報にも該当しない情報は、前記第1、第2態様とは異なる第3態様で表示されていることが好ましい。
【0012】
この発明によれば、特定情報および前後情報に加えて、それ以外の情報も表示されるので、デザイン要素が増えて表示パネル全体から装飾性を得ることが可能となる。つまり、表示パネル全体が1つの装飾画面となるため、外観意匠性をより向上させることができる。
【0013】
本発明の表示装置では、前記表示パネルは、電気泳動ディスプレイとされていることが好ましい。
【0014】
この発明によれば、微細な電気泳動粒子を利用する電気泳動ディスプレイが採用されて高精細な表示が可能となり、第1態様と第2態様とを明確に判別し得る態様で表示することが可能となるため、計時情報の見易さをより向上させることができる。
また、電気泳動ディスプレイは、一対の基板間に電圧を印加して電気泳動粒子を移動させることで表示面における表示・非表示の切換えを行うものであって、電圧印加しない際には電気泳動粒子がその位置に留まり、その粒子による表示状態が保持される。なお、この表示状態を長時間保持する場合には、電圧を印加して粒子を適正な位置に戻す所謂リフレッシュ処理を適宜な時間間隔で実施しても良いが、基本的に、電気泳動ディスプレイは表示を切り換えない際の保持性が高いことから、省電力化を図ることができる。
【0015】
電気泳動ディスプレイの駆動方式は、ドットマトリックス方式でも、セグメント方式でもよい。本発明では、計時情報をそれぞれ示す各数字等が表示パネルに分散して配置されるから、従来の7個や13個のセグメントにより一つの数字を表す所謂7セグ表示などに捉われない自由な画像表現が可能となる。
なお、セグメント方式を採用する場合、計時情報をそれぞれ示す各数字の形状に電極(基板に形成する電極)を形成することができる。
また、計時情報を示す数字の書体やサイズ、向き(上下向き、表裏反転等)などは自由にデザインすることができる。複数の数字間において、書体やサイズが異なっていてもよい。また、例えば1時を示す「1」の数字を複数設けるなど、同じ時系列に属する同じ数字を複数ずつ設けることもでき、その場合の同じ数字同士の書体、サイズ等のデザインも自由にできる。
【0016】
本発明の表示装置では、前記第1態様と前記第2態様との相違は、前記表示パネルに表示される表示色のコントラストの相違、または前記表示パネルに表示される表示色の色彩の相違によることが好ましい。
【0017】
この発明によれば、第1、第2の態様の相違がコントラストの相違、または色彩の相違とされることにより、第1、第2態様を容易に実現でき、また、統一感ある表示とすることができる。
ここで、表示パネルとして電気泳動ディスプレイが採用されている場合、電気泳動ディスプレイでは、電気泳動粒子が一方の基板側に移動した際と他方の基板側に移動した際とにおけるコントラストを高くできるので、第1、第2態様を大きいコントラスト差で表現することが可能という利点がある。これにより、表示をより一層見易くすることができる。
また、電気泳動ディスプレイにおいて、色彩の相違により第1、第2態様を表現する場合は、例えば、白・青のように色彩が異なり、かつ極性が異なる二つの粒子を使用し、これら粒子の電気泳動層における位置に応じた表示色の相違を利用すればよい。
【0018】
なお、電気泳動ディスプレイは、電気泳動層を介在させた一対の基板を有するパネルが複数積層されて構成されていてもよく、この場合、各パネルそれぞれにおける粒子の色、電気泳動層の溶液の色などによって、コントラストや色彩が表現される。
【0019】
また、前記第3態様についても、第1、第2態様の相違と同様の相違により、表現されていてよい。これら第1、第2、第3態様をそれぞれ、例えば、黒、ダークグレー、ライトグレーなどのコントラスト階調として表現することができる。
【0020】
本発明の表示装置では、前記前後情報の他方は、前記第1、第2態様とは異なる態様で表示されていることが好ましい。
【0021】
この発明によれば、前後情報の表示態様が第2態様とその他の態様とに区別されることにより、前後情報それぞれの表示態様に基づいて、その前後情報が特定情報の前の情報なのか後の情報なのかを瞬時に判別することが可能となり、使い勝手が向上する。
【0022】
本発明の表示装置では、略環状のケースを備え、前記表示パネルは、前記ケースの周方向に沿って湾曲した状態で当該ケースに設けられていることが好ましい。
【0023】
この発明によれば、ケースの周方向に沿って表示パネルを広く設けることが可能となるので、大画面の表示装置を実現でき、また、ケースの環の中に腕などが挿通されるブレスレットタイプの表示装置を提供できる。
ここで、大画面とされ略環状のケースの周方向に沿って設けられた表示パネルの全面を情報表示に使用可能となる。つまり、略環状のケースを備え全体形状も略環状に形成されることを活かし、その大画面の表示パネルにおいて外観意匠性をより向上させることができる。このように表示パネルにその全面から装飾性を発揮させることが可能であって、この表示パネルにおける外観意匠を、表示パネル自体の意匠性に留まらず、略環状のケースを備えて略環状に形成される表示装置全体の意匠に及ばせることができる。
なお、略環状のケースは、連続した輪の形状でなくてもよく、例えばC字状などでもよい。また、略環状のケース形状には、円形、楕円形、多角形状などが含まれる。
【0024】
前記の電気泳動ディスプレイは、可撓性基板の採用により表示パネルに可撓性を持たせることができるので、本発明の構成として好適である。
【0025】
また、このような略環状のケースを備える表示装置では、表示の正面位置が必ずしも決められているわけではなく、計時情報に係る数字等を表示パネルに自由にレイアウト可能となるが、前述のように、第1、第2態様で特定情報および前後情報が表示されることから、表示された情報を見つけ易くできる。さらに、ケースが腕の周りを回っても、表示された情報を見失うことがない。すなわち、情報の視認性を高くすることができる。
【0026】
本発明の表示装置では、前記表示パネルの異なる位置には、時系列的に同じ情報を示す表示が複数配置されていることが好ましい。
【0027】
この発明によれば、特定情報および前後情報それぞれが、表示パネルの複数箇所に表示されるので、複数方向から視認される湾曲した表示パネルにおける視認性を向上させることができる。
【0028】
本発明の第2の表示装置は、種類が異なる複数の情報を分散して表示する表示パネルを備え、前記複数の情報はそれぞれ、当該情報の種類に応じた表示態様で表示されていることを特徴とする。
また、本発明の第2の表示方法は、種類が異なる複数の情報が分散して表示される表示装置における表示方法であって、前記複数の情報それぞれを、当該情報の種類に応じた表示態様で表示することを特徴とする。
【0029】
これらの発明によれば、表示態様に基づいて情報の種類を容易に判別できるため、見易く使い易い表示装置を実現できる。
加えて、各情報が分散してレイアウトされ、つまり表示領域全体を表示に有効利用することが可能となるので、表示装置の外観意匠性を大きく向上させることが可能になる。
すなわち、本発明によれば、見易さと外観意匠性とを両立し、かつ、これら見易さと外観意匠性とを格段に向上させることが可能となるから、表示機能を備えた装飾品としての表示装置を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、表示された情報の見易さおよび外観意匠性を格段に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、第2実施形態以降の説明に関し、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
【0032】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態を図1〜図10を参照して説明する。
[1.全体構成]
図1は、本実施形態の表示装置としての電子時計1の斜視図である。この時計1は、円環状のケース2の外周面に沿って表示パネル30が設けられ、その環の中に腕などを通して装着するブレスレットタイプのウォッチとされている。
【0033】
図2は、時計1の横断面図であり、図3は、図2のIII−III線断面図である。なお、図2では断面を示すハッチの図示は省略した。
時計1は、リング状(環状)のケース2と、電気泳動ディスプレイである表示パネル30を有する表示モジュール3とを備えている。ケース2は、図3に示すように、リング厚み方向両端それぞれからケース2の径方向外側に突出する凸部21,21を有して全体がボビン形状とされ、凸部21,21の間に表示モジュール3が組み込まれている。
また、ケース2は、表示モジュール3を覆うカバーガラス22と、当該ケース2内周側に配置される裏蓋23とを有する。裏蓋23は凸部21にネジ24で固定されている。
【0034】
[2.表示モジュールの構成]
表示モジュール3は、表示パネル30と、この表示パネル30を駆動するとともに計時部を備える駆動回路部40とを有して構成されている。
図4は、表示モジュール3における表示パネル30および回路基板42の平面図であり、図5は、表示パネル30の断面図である。なお、図5では、分かり易くするために、電気泳動ディスプレイを平面的(湾曲していない状態)に表した。
図4に示すように、回路基板42と、表示パネル30とは個別に製造され、異方性導電膜(ACF;Anisotropic Condactive Film)などによる配線部材412で接続されている。
【0035】
[3.駆動回路部の構成]
回路基板42は、ポリイミドやポリエステルなどの可撓性を有する樹脂から形成されたフレキシブル基板である。回路基板42上には、可撓性を有するリチウムポリマー電池などから構成されて各部に電力を供給する電源429と、時計1全体を制御する制御用コントローラ425と、ドライバICから構成されて表示パネル30の表示制御を実行する表示駆動回路素子426と、タッチセンサ427と、計時部を構成する水晶発振回路素子428とがそれぞれ実装されている。なお、各タッチセンサ427用の操作ボタン43がそれぞれケース2に設けられている。
また、表示駆動回路素子426と配線部材412とは、詳しい図示を省略するが、互いに接続されている。
【0036】
[4.表示パネルの構成]
表示パネル30は、ケース2の外周面略全体に亘り帯状に設けられ、図5に示すように、表示基板31と、透明基板32と、表示基板31および透明基板32の間に設けられた電気泳動層33とを含んで構成されている。表示パネル30に表示される計時情報は、表側に配置される透明基板32を通して視認される。これらの透明基板32および表示基板31はポリイミドやポリエステル等の可撓性を有する樹脂から形成されている。
このような表示パネル30は、図2に示すように、略360°の円形状に湾曲されその両端が互いに継ぎ合わせられている。図2中、34は、この継ぎ目を隠す外装部材である。
【0037】
表示基板31の表面(透明基板32との対向面)には、セグメント電極310が設けられるとともに、長手方向の両端部に、透明基板32側の電極に導通される電極321,322がそれぞれ設けられている。
セグメント電極310の表面には、接着剤(接着層)ADが設けられることにより、複数のマイクロカプセル330が接着されている。これらのマイクロカプセル330は、電気泳動層33を構成する。
【0038】
表示基板31の裏面には、表示基板31表面に形成されたセグメント電極310、および電極321,322を配線部材412(図4)を介して回路基板42に導通する配線312が形成されている。各配線312と各電極との間は、表示基板31を厚み方向に貫通するビア314によって接続されている。
【0039】
一方、透明基板32の裏面(表示基板31との対向面)には、ITO(Indium Tin Oxide)などによる透明な共通電極320が設けられている。この共通電極320は、透明基板32の裏面略全体に亘って設けられ、各セグメント電極310との間でそれぞれ電圧が印加される各セグメント電極310共通の電極とされている。この共通電極320と、電極321,322それぞれとの間には、導通部材321A,322Aが介装されている。
【0040】
なお、透明基板32の表面側に設けられた耐湿シート32A、および表示基板31の裏面側に設けられた耐湿シート31Aにより、透明基板32、マイクロカプセル330、および表示基板31等は密封されている。
【0041】
[5.電気泳動による表示]
図6は、表示パネル30における電気泳動層33を示す模式図である。電気泳動層33は、多数のマイクロカプセル330が密集して配置されることによって形成され、各マイクロカプセル330には、多数の帯電粒子が分散した電気泳動粒子分散液331がそれぞれ封入されている。電気泳動粒子分散液331では、黒色の電気泳動粒子(以下、黒粒子という)331Aと、白色の電気泳動粒子(以下、白粒子という)331Bとが分散され、二色の粉体流体方式の電気泳動層が構成されている。これら黒粒子331Aおよび白粒子331Bは、互いに異なる極性に帯電しており、本実施形態では、黒粒子331Aがプラス(正)に帯電し、白粒子331Bがマイナス(負)に帯電している。
【0042】
すなわち、セグメント電極310がローレベル電位(L電位)であり、共通電極320がハイレベル電位(H電位)の場合、その電位差によって共通電極320からセグメント電極310に向かう電界が発生し、正に帯電した黒粒子331Aがセグメント電極310側に移動するとともに、負に帯電した白粒子331Bが共通電極320側に移動する。
【0043】
この白色表示の場合とは逆に、セグメント電極310をハイレベル電位(H電位)とし、共通電極320をローレベル電位(L電位)に切り替えた場合、電界の向きが逆転し、表示パネル30における表示は黒色となる。図7の例では、各数字や文字を構成するセグメントがそれぞれ、黒色で表示されている。
【0044】
また、黒粒子331A、白粒子331Bの移動量を電圧の印加時間や印加電圧などに応じて調整することにより、黒と白との間の色階調の中間色表示も可能となっている。
なお、電界印加が停止されると、黒粒子331A,白粒子331Bの移動も止まり、そのままの表示色が保持される。
【0045】
本実施形態において、セグメント電極310に表現可能な色階調は、黒色、ダークグレー、ライトグレー、および白色の少なくとも4つとなっており、これら黒色、ダークグレー、ライトグレー、および白色のコントラストの相違により、表示態様が異なる4階調の表示が可能となっている。
【0046】
[6.表示パネルの各セグメント電極]
図7は、表示パネル30の平面図である。このように表示パネル30の略全体に亘り、数字や文字等が分散するようにレイアウトされている。これらの数字や文字1つ1つに対応して、それら数字や文字の形状に形成されたセグメント電極310がそれぞれ設けられている。これらのセグメント電極310は、複数種類の表示要素に分けられるが、その種類の区別が必要ない場合、これらをセグメント電極310と総称する。
図7の表示状態は、殆どすべてのセグメント電極310に対応する領域を表示パネル30上に黒色で表示した状態となっている。
【0047】
また、表示パネル30の長手方向一端部には、数字1個あたり7つのセグメントを使用した7セグ表示部35が配置されている。この7セグ表示部35における数字1つあたり7個のセグメントおよびコロンはそれぞれ、セグメント電極310により構成されている。
【0048】
なお、表示パネル30は、表示パネル30全体の矩形領域からすべてのセグメント電極310および7セグ表示部35を除いた領域である背景表示部の表示を行うため、図示しない2つの駆動電極を有する。
【0049】
[7.表示パネルにおける各表示要素]
図8および図9に、表示パネル30に設けられている各セグメント電極310による表示をその種類毎に分けて示す。なお、図7と同様、図8、図9においても、各セグメント電極310に対応する表示パネル30の領域は黒色で表示されている。
図8(A)は「時」を表示する12個の時表示510を示し、各時表示510は、表示パネル30の一方の長辺側に沿って配置されている。
また、図8(B)は「分」の十の位を表示する6個の十分桁表示521を示し、各十分桁表示521は、時表示510が配置されている側と反対側の表示パネル30の長辺に沿って配置されている。
そして、図8(C)は「分」の一の位を表示する10個の一分桁表示522を示し、各一分桁表示522は、時表示510と十分桁表示521との間となる表示パネル30の幅方向略中央に配置されている。
なお、表示パネル30には、時表示510、十分桁表示521、および一分桁表示522とが互いに重なり合う部分がある。
【0050】
図9(A)は、パネルのヒビ割れを画像で表現するヒビ表示531と、目を描画するスリープ表示532と、電池残量低下表示533とをそれぞれ示す。
なお、ヒビ表示531は、毎正時などに実行されるアニメーション表示動作の開始時に表示される装飾表示であり、スリープ表示532は通常モードよりも省電力で動作する省電力モード時に表示される。
図9(B)は、ワールドタイム機能におけるタイムコードをフォネティックコードで示すタイムコード表示541と、サマータイム時に星状のマークを表示するサマータイム表示542とをそれぞれ示す。
【0051】
[8.時刻情報の表示態様]
図10は、時計1の通常モードを示し、この通常モードでは、現在時刻が表示パネル30に表示されている。
図10で表示されている現在時刻は8時27分であり、「8」に係る時表示510と、「2」に係る十分桁表示521と、「7」に係る一分桁表示522とがそれぞれ、第1態様としての黒色で表示されている。図10に、第1態様の表示をD1で示す。
なお、本実施形態の通常モードでは、7セグ表示部35においても、現在時刻が表示されている。
【0052】
ここで、本実施形態では、複数の一分桁表示522から現在時刻に応じて特定された「7」に係る一分桁表示522が第1態様として黒色で表示され、その特定された情報の時系列で前後となる前後情報としての「6」および「8」に係る一分桁表示522が第2態様としてダークグレー色(濃灰色)で表示されている。この第2態様の表示を図10中、D2で示す。
また、本実施形態では、黒色やダークグレー色で表示された表示以外の各時表示510、各十分桁表示521、および各一分桁表示522はそれぞれ、第3態様としてのライトグレー色(薄灰色)で表示されている。この第3態様の表示を図10中、D3で示す。
【0053】
そして、第1態様(黒色)でも、第2態様(ダークグレー)でも、第3態様(グレー)でも表示されない各セグメント電極310に対応する領域、および背景表示電極(図示せず)の領域は、白色で表示され、表示パネル30における背景表示を構成している。
時間経過に応じて、各時表示510、各十分桁表示521、および各一分桁表示522のそれぞれから特定情報として黒色で表示する情報が順次選択され、これに伴い、前後情報としてダークグレーで表示される情報も変わる。すなわち、時刻が表示される位置が時間経過によって表示パネル30上の異なる位置に移り変わるので、この時間の変化について、時計1の使用者を楽しませることができる。
【0054】
[9.各種モードによる表示]
時計1には、操作ボタン43の操作で切り替わる複数種類のモードがあり、例えば、モード切替により、表示パネル30における表示を白黒反転させることも可能である。
この白黒反転を実行するには、駆動回路部40により、共通電極320への印加電位とセグメント電極310への印加電位との極性を逆にする。
図10の表示を白黒反転させると、黒色表示とされていた第1態様は白色表示となり、背景表示は白色から黒色に反転する。この際、ダークグレーの表示とされていた第2態様はライトグレーに、第3態様はライトグレーからダークグレーに、それぞれ切り替わる。
また、毎正時などに実行されるアニメーションモードでは、例えば、ヒビ表示531が表示された後、ヒビ表示531とヒビ表示531とに挟まれた所定領域において、各セグメント電極310に対応する数字や文字などが表示パネル30の長手方向の一端側から他端側へと流れるように繰り返し表示状態・非表示状態となる動きを持った表示状態となる。
その他のモードとして、時刻修正モードや、電源投入時に表示パネル30の全画面を白黒に切り替えるフラッシュモードなどがある。
【0055】
[10.セグメントの導通]
本実施形態におけるセグメント電極310の導通に関して簡単に説明する。
本実施形態では、表示パネル30に表示される数字等が2つ以上、あるいは3つ以上、互いに重なり合っているが、これらの数字や文字に係るセグメント電極310は重なる部分と重ならない部分とに分割され、重なる部分と重ならない部分とがそれぞれ別々のビア314(図5)を通じて個別に配線されている。
なお、表示パネル30において、或る数字等と別の数字等とが1箇所だけでなく複数箇所で重なり合う部分があるが、この互いに重なり合う複数の箇所は、或る数字等または別の数字等が表示される際に、同時に同じ態様で表示される部分であるから、これらの互いに重なる複数箇所に係るセグメント電極310の各部は、別々のビア314を介しつつも、表示基板31の裏側で共通の配線312に導通されている。そして、この配線312、および配線部材412を介して、表示駆動回路素子426の同じ端子に接続されている。
なお、配線に際しては、表示基板31の裏面(透明基板32とは反対側の面)に配線用のフレキシブル基板を積層することなどが有効である。
【0056】
また、数字等同士の重なり合いによって、或る数字等が他の数字等と重ならない非重複部分を複数持つ場合があるが、これらの非重複部分も同時に同じ態様で表示される部分であるから、各非重複部分は、共通の配線312(図5)を通じて表示駆動回路素子426の同じ端子に接続されている。
つまり、同時に同じ態様で表示(同調動作)させる各電極については、端子を共通化することにより、表示パネル30全体で必要とされる端子数を表示駆動回路素子426の出力端子数以下に収めている。
【0057】
[11.本実施形態による効果]
以上の本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)時計1の表示パネル30における時刻表示として、現在時刻で特定される特定情報が第1態様(黒色)で表示され、この特定情報について時系列で前後となる前後情報(本実施形態では一分桁表示)が第2態様(ダークグレー)で表示されている。このように前後の情報がその態様に基づいて特定情報と区別し得る態様で表示されることで、その前または後の情報表示を見るだけで特定情報の予測がつくようになり、計時情報の把握が容易となる。これにより、見易く使い易いリング状の時計1が実現する。
【0058】
(2)加えて、表示パネル30の表示領域に時表示510、十分桁表示521、および一分桁表示522などの数字などが分散してレイアウトされ、つまり表示パネル30の表示領域全体を表示に有効利用することが可能となるので、外観意匠性を大きく向上させることができる。
すなわち、見易さと外観意匠性とを両立し、表示機能を備えた装飾品としての時計1を提供することが可能となる。
【0059】
(3)現在時刻を示す特定情報および、その前後の情報に加えて、その他の情報も第3態様(ライトグレー)で表示されるので、デザイン要素が増え、表示パネル30全体において装飾性を発揮させることが可能となる。つまり、表示パネル30全体が1つの装飾画面となるため、外観意匠性をより向上させることができる。
ここで、その他の情報に係る第3態様(ライトグレー)と背景表示の表示態様(白)とのコントラストは、第1態様(黒)および第2態様(ダークグレー)と背景表示(白)との間のコントラストよりも低いため、第1、第2態様による時刻表示の視認性とデザイン性とを両立できる。
【0060】
(4)さらに、表示パネル30は電気泳動ディスプレイとされていることから、高精細な表示が可能であり、第1態様と第2態様とを明確に判別し得る態様で表示することが可能となるため、計時情報の見易さをより向上させることができる。
また、電気泳動ディスプレイは表示の保持性が高いことから、省電力化を図ることができる。
【0061】
(5)表示パネル30における白と黒とのコントラストが高いことから、第1、第2、第3の態様、および背景表示の態様をそれぞれ、黒、ダークグレー、ライトグレー、白の4つの階調のコントラストの相違で明確に区別して表現することが可能となる。
【0062】
(6)可撓性を有する表示パネル30の採用により、表示パネル30が周方向に360°設けられた環状の時計1を実現でき、このように表示パネル30が環状に配置されることで、表示パネル30全体が装飾性を持つようになる。
【0063】
(7)略環状のケース2を備える時計1では、表示の正面位置が必ずしも決められているわけではなく、数字や文字等を表示パネル30上に自由にレイアウト可能であるが、前述のように、コントラストの異なる態様で各情報が表示されることから、表示パネル30が大画面かつ湾曲していても表示情報が見つけ易い。また、ケース2が腕の周りを回っても、現在時刻の視認性を高くすることができる。
【0064】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る時計について説明する。本実施形態の時計も、第1実施形態の時計1と同様に、環状のケースの外周部に沿って表示パネルが設けられて構成されており、表示パネルに表示される内容以外は、前記実施形態の時計と同様である。
図11は、本実施形態の時計の表示パネル60を平面的に示す。第1実施形態では、現在時刻で特定される特定情報にもその前後情報にも該当しないその他情報が第3態様で表示されていたが(図10のD3)、本実施形態では、これらその他情報は、白色で表示されて背景表示を構成している。
【0065】
図11では、現在時刻が8時27分であり、時表示510および十分桁表示521は、第1実施形態と同様に表示されている。
一方、一分桁表示522については、第1態様(黒)で表示される特定情報「7」に対して時系列で前となる情報「6」はライトグレーで表示され、特定情報に対して時系列で後となる情報「8」はダークグレー(第2態様に相当)で表示されている。すなわち、前情報である「6」の表示態様と後情報である「8」の表示態様とが異なっている。
【0066】
本実施形態によれば、第1実施形態で述べた(1)、(2)、および(4)〜(7)と略同様の効果を奏するほか、次の効果を奏する。
(8)前後情報の一方の表示態様(ダークグレー)と他方の表示態様(ライトグレー)との相違に基づき、その前後情報が特定情報「7」の前の情報「6」なのか後の情報「8」なのかを瞬時に判別することが可能となり、使い勝手が向上する。
【0067】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係る時計について説明する。本実施形態の時計も、第1、第2実施形態の時計1と同様に、環状のケースの外周部に沿って表示パネルが設けられて構成されており、表示パネルに表示される内容以外は、第1、第2実施形態の時計と同様である。
【0068】
図12は、本実施形態の時計の表示パネル70を平面的に示す。本実施形態では、時表示510が第1態様(黒)、十分桁521が第2態様(ダークグレー)、一分桁522が第3態様(ミディアムグレー)、背景表示はライトグレーで表示されている。図12に、第1態様はD1で、第2態様はD2で、第3態様はD3で、背景表示はD4でそれぞれ示す。
すなわち、表示パネル70には、時、分、その他の情報を示す表示が分散してレイアウトされているところ、このように各種の情報が種類毎に異なる態様(D1〜D3)で表示されていることにより、その表示態様に基づいて情報を容易に識別することが可能となる。
本実施形態によれば、前述した効果と略同様の効果を奏し、時計の見易さおよび外観意匠性を大きく向上させることができる。
【0069】
〔第4実施形態〕
次に、本実施形態の第4実施形態に係る時計を図13を参照して説明する。
図13は、本実施形態の時計8の外観平面図である。時計8は、前記各実施形態の時計とは異なりリング状ではなく、略矩形状の平面的な電気泳動表示パネル80を備えている。
表示パネル80の略中央には、表示パネル80裏側の駆動輪列により駆動される分針85が設けられ、時計8では、分に関してはこの分針85によるアナログ表示が行われる。
【0070】
一方、表示パネル80は、表示パネル80の表示領域の略全体に分散して配置された「1」〜「12」の数字の形状の各セグメント電極310を有し、これらのセグメント電極310により、第1実施形態における一分桁と同様にして、時が表示される(時表示510)。
すなわち、現在時刻で特定された特定情報としての「時」は、図13では「4」であり、この「4」の数字が第1態様D1(黒色)で表示されるとともに、その「4」の前後情報となる「3」および「5」の各数字が第2態様D2(ダークグレー)で表示され、その他の数字は、第3態様D3(ライトグレー)で表示されている。
以上の本実施形態によれば、第1実施形態による(1)〜(5)と略同様の効果を奏する。
【0071】
〔第5実施形態〕
次に、本実施形態の第5実施形態に係る時計を図14を参照して説明する。
図14は、本実施形態の時計9の外観平面図である。時計9は、第4実施形態と同様に平面的な電気泳動表示パネル90を備えるが、この表示パネル90は、前記各実施形態におけるセグメント駆動方式の表示パネルとは異なり、表示画像の各画素(ドット)にトランジスタが設けられたドットマトリックス駆動方式(アクティブ方式)とされている。
【0072】
本実施形態の表示パネル90は、各ドットの表示状態を白/黒に切り替えることにより、多様な画像表現を行うことが可能であり、各種の表示モードがあるが、図14に示した表示モードでは、表示パネル90の左上に、毎分表示が更新される分表示部95が配置され、時は、表示パネル90の異なる位置に分散配置された複数の数字により、第1実施形態や第4実施形態と同様の方法で表示される(時表示510)。図14では、現在時「4」と、その前後の時である「3」および「5」とを含む複数の数字が表示されている。
ここで、ドットマトリックス駆動方式では、黒で表示されるドットと、白で表示されるドットとの集合における黒白の面積比に応じて、第1〜第3態様などの複数の階調色が表現可能となっている。
以上の本実施形態によっても、第1実施形態による(1)〜(5)と略同様の効果を奏する。
【0073】
〔本発明の変形例〕
以上、本発明の実施態様について具体的に示したが、前記各実施形態に限らず、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変形が可能である。
【0074】
第1、第2実施形態では、一分桁表示522についてのみ、特定情報を第1態様で表示し、かつ前後情報を第1態様とは異なる態様で表示していたが、これに限らず、十分桁表示521や時表示510についてもそれぞれ、特定情報および前後情報を異なる態様で表示してもよい。
また、表示パネルに月や日が表示される場合は、これら月や日についてそれぞれ特定情報および前後情報を異なる態様で表示してもよい。
【0075】
前記の第1〜第4実施形態における表示方式は、セグメント駆動方式であったが、これに限らず、ドットマトリックス駆動方式でもよい。セグメント電極310の形状により表示の形状が決まるセグメント駆動方式と異なり、ドットマトリックス駆動方式では、時刻を表示する数字の向きや大きさ、数字の配列等をモードに応じて切り替えることが可能となる。つまり、図10に示したように表示パネル30の長手方向を表示の上下向きとする以外に、表示パネル30の幅方向を表示の上下向きとしたり、表示パネル30の長手方向に対して斜め方向を表示の上下向きとするように表示の向きを切り替えることなどが可能となる。ドットマトリックス駆動方式では、より多くの表示モードでより多様な表示を行うことが可能となる。
【0076】
また、前記各実施形態の表示パネル30には、時表示、十分桁表示、および一分桁表示毎において、時系列的に同じ情報を示す数字は1つずつ設けられていたが、これに限らず、時系列的に同じ情報を示す数字が表示パネルの異なる位置に複数ずつ設けられていてもよい。例えば、1時を示す「1」の数字が複数設けられていてもよい。それらの数字の向き、サイズ、書体、同時に表示される数等は、任意に構成することができる。
すなわち、特定情報および前後情報それぞれが表示パネルの複数箇所に表示されるので、各情報を表示パネルの複数方向から視認可能となり、視認性を向上させることができる。
【0077】
前記実施形態では、黒粒子331Aおよび白粒子331Bによる白黒二粒子系の電気泳動が行われていたが、これに限らず、青白等の一粒子系の電気泳動を行っても良く、また、白黒以外の組み合わせでも構わない。
そして、前記各実施形態では、時表示510、十分桁表示521、および一分桁表示522が表示パネル30の長手方向に沿って規則的に配置されていたが、これら時表示510、十分桁表示521、および一分桁表示522の配置はこれに限られず、ランダムに配置されていてもよい。
【0078】
ここで、本発明の表示装置は、時計機能を有する各種電子機器に広く適用でき、このような機器としては、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)や、携帯電話、メモリカード、ディジタルカメラ、ビデオカメラ、プリンタ、パーソナルコンピュータなどを例示できる。
なお、本発明は、序列を有して順次表示される情報を表示するものであったり、種類が異なる複数の情報を表示するものであれば、計時情報以外の情報を表示する表示装置にも適用可能であり、つまり時計機能を有していない表示装置にも適用可能である。
【0079】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1実施形態における時計の外観斜視図。
【図2】前記実施形態の時計の横断面図。
【図3】図2のIII−III線断面図。
【図4】前記実施形態の表示パネルおよび回路基板の平面図。
【図5】前記実施形態の表示パネルの断面図。
【図6】表示パネルの電気泳動層を示す模式図。
【図7】前記実施形態の表示パネルの平面図。
【図8】前記実施形態の表示パネルにおける時表示、十分桁表示、および一分桁表示を示す図。
【図9】前記実施形態の表示パネルにおける装飾表示等を示す図。
【図10】前記実施形態の表示パネルにおける時刻表示を示す図。
【図11】本発明の第2実施形態の表示パネルにおける時刻表示を示す図。
【図12】本発明の第3実施形態の表示パネルにおける時刻表示を示す図。
【図13】本発明の第4実施形態の時計を示す図。
【図14】本発明の第5実施形態の時計を示す図。
【符号の説明】
【0081】
1,8,9・・・時計(表示装置)、2・・・ケース、30,60,70,80,90・・・表示パネル(電気泳動ディスプレイ)、331A・・・黒粒子、331B・・・白粒子、510・・・時表示、521・・・十分桁表示、522・・・一分桁表示、D1・・・第1態様、D2・・・第2態様、D3・・・第3態様。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時する計時部と、
前記計時部で計時した計時情報を表示する表示パネルとを備え、
前記表示パネルは、前記計時情報に含まれる時系列の複数の情報がそれぞれ当該表示パネル上に分散して表示されるように構成され、
前記複数の情報から順次特定される特定情報は、所定の第1態様で表示され、
前記複数の情報のうち前記特定情報について時系列で前後となる前後情報の少なくとも一方は、前記第1態様とは異なる第2態様で表示されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記複数の情報のうち前記特定情報にも前記前後情報にも該当しない情報は、前記第1、第2態様とは異なる第3態様で表示されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示装置において、
前記表示パネルは、電気泳動ディスプレイとされている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の表示装置において、
前記第1態様と前記第2態様との相違は、前記表示パネルに表示される表示色のコントラストの相違、または前記表示パネルに表示される表示色の色彩の相違による
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の表示装置において、
前記前後情報の他方は、前記第1、第2態様とは異なる態様で表示されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1または2に記載の表示装置において、
略環状のケースを備え、
前記表示パネルは、前記ケースの周方向に沿って湾曲した状態で当該ケースに設けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の表示装置において、
前記表示パネルの異なる位置には、時系列的に同じ情報を示す表示が複数配置されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
種類が異なる複数の情報を分散して表示する表示パネルを備え、
前記複数の情報はそれぞれ、当該情報の種類に応じた表示態様で表示されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
時系列の複数の情報が分散して表示される表示装置における表示方法であって、
前記複数の情報から順次特定される特定情報を、所定の第1態様で表示し、
前記複数の情報のうち前記特定情報について時系列で前後となる前後情報の少なくとも一方を、前記第1態様とは異なる第2態様で表示する
ことを特徴とする表示方法。
【請求項10】
種類が異なる複数の情報が分散して表示される表示装置における表示方法であって、
前記複数の情報それぞれを、当該情報の種類に応じた表示態様で表示する
ことを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−139163(P2008−139163A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−325857(P2006−325857)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】