説明

表示装置および電子機器

【課題】冷却効率の向上を図る上で、基板にかかる負荷が増大することを抑制する。
【解決手段】電子機器は、筐体と、前記筐体に収納された回路基板装置38と、前記回路基板装置に冷却風を送るファンと、前記回路基板を挟んだ状態で前記筐体内に配置され、前記冷却風を案内する一対の壁部71及び72とを備え、第1通風路91aを形成した第1壁部71と、第2通風路91bを形成した第2壁部72とが、回路基板装置38を挟んで相互に重ねて配置されている。したがって、第1壁部71と第2壁部72との間で、回路基板装置38に剪断力が作用するのが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷却ファンを備えた表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置や電子機器は、基板に搭載された冷却対象部品を冷却する冷却ファンを備えることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−120386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の表示装置や電子機器は、冷却ファンによる冷却効率の向上を図る上で、基板にかかる負荷が増大することを抑制することが要望されている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、冷却効率の向上を図る上で、基板にかかる負荷が増大することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る表示装置は、排気口が設けられた筐体と、第1面および前記第1面の裏面である第2面が設けられた基板と、前記第1面を含んだ第1部と、前記第2面を含み前記基板における前記第1部の反対側に位置した第2部と、を有し、前記筐体に収容された回路基板装置と、吐出口が設けられ前記排気口から離間して前記筐体に収容され、前記回路基板装置の前記第1部側と前記第2部側とに前記吐出口から冷却風を送るファンと、前記筐体の内面と前記第1部との間に設けられて前記第1部に当接し、前記吐出口から前記回路基板装置の第1部側を通って前記排気口へ至る第1通風路を構成した第1壁部と、前記筐体の内面と前記第2部との間に設けられて前記第2部に当接し且つ前記回路基板装置を挟んで前記第1壁部に重ねて配置され、前記吐出口から前記回路基板装置の前記第2部側を通って前記排気口へ至る第2通風路を構成した第2壁部と、
を備えた。
【0007】
実施形態に係る電子機器は、筐体と、前記筐体に収納された回路基板装置と、前記回路基板装置に冷却風を送るファンと、前記回路基板を挟んだ状態で前記筐体内に配置され、前記冷却風を案内する一対の壁部と、を備えた。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る電子機器の斜視図。
【図2】図1中に示された電子機器の下壁を示す平面図。
【図3】図1中に示された電子機器の下壁および周壁を示す斜視図。
【図4】図1中に示された電子機器の内部を示す平面図。
【図5】図1中に示された電子機器の内部を示す斜視図。
【図6】図1中に示された電子機器の下壁の内側を示す斜視図。
【図7】図1中に示された電子機器の上壁の内側を示す斜視図。
【図8】図1中に示された電子機器の内部を示す平面図。
【図9】図8中に示された電子機器のF9−F9線に沿う概略断面図。
【図10】図8中に示された電子機器のF10−F10線に沿う断面図。
【図11】図8中に示された電子機器のF11−F11線に沿う断面図。
【図12】図8中に示された電子機器のF12−F12線に沿う断面図。
【図13】図8中に示された電子機器の内部を模式的に示す断面図。
【図14】図13中に示された電子機器の内部を模式的に示すF14−F14線に沿う断面図。
【図15】図8中に示された電子機器のダクト構造を模式的に示す断面図。
【図16】図8中に示された電子機器のダクト構造を模式的に示す断面図。
【図17】第1の実施形態の第1の変形例に係るダクト構造を示す断面図。
【図18】第1の実施形態の第2の変形例に係るに係るダクト構造を示す断面図。
【図19−1】第1の実施形態の第3の変形例に係るダクト構造を示す断面図。
【図19−2】第1の実施形態の第3の変形例に係るダクト構造を示す分解断面図。
【図20】第1の実施形態の第4の変形例に係るダクト構造を示す断面図。
【図21】第1の実施形態の第5の変形例に係るファンを示す断面図。
【図22】第1の実施形態の第6の変形例に係る電子機器の内部を示す平面図。
【図23】第1の実施形態の第7の変形例に係る電子機器の下壁の内側を示す斜視図。
【図24】図23中の領域Aを概略的に示す平面図。
【図25】第1の実施形態の第8の変形例に係る電子機器の内部を示す平面図。
【図26】第1の実施形態の第9の変形例に係るダクト構造を示す断面図。
【図27】第1の実施形態の第10の変形例に係るダクト構造を示す断面図。
【図28】第2の実施形態に係る表示装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下にいくつかの実施形態をノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、ノートPC)およびテレビに適用した図面に基づいて説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1乃至図21は、第1の実施形態に係る電子機器1を開示している。電子機器1は、例えばノートPCである。なお本発明が適用可能な電子機器は、上記に限定されるものではない。本発明は、例えばテレビのような表示装置や、録画再生装置、PDA(Personal digital Assistant)、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
【0011】
図1に示すように、電子機器1は、本体ユニット2と、表示ユニット3と、ヒンジ4とを備えている。本体ユニット2は、メインボードを搭載した電子機器本体である。本体ユニット2は、筐体5を備えている。筐体5は、上壁6、下壁7、および周壁8を有し、扁平な箱状に形成されている。
【0012】
下壁7は、電子機器1を机上に置いた時に、その机上面に向かい合う。下壁7は、机上面に対して略平行になる。上壁6は、下壁7との間に空間を空けて、下壁7と略平行(すなわち略水平)に広がる。上壁6には、キーボード9が取り付けられている。周壁8は、下壁7に対して起立し、下壁7の周縁部と上壁6の周縁部との間を繋いでいる。
【0013】
筐体5は、ベース11と、カバー12とを有する。ベース11は、下壁7と、周壁8の一部とを含む。カバー12は、上壁6と、周壁8の一部とを含む。カバー12がベース11に組み合わされることで、筐体5が形成されている。
【0014】
筐体5は、表示ユニット3が回動可能に連結された後端部13(第1端部)と、この後端部13とは反対側に位置した前端部14(第2端部)とを有する。周壁8は、前壁8a、後壁8b、左側壁8c、および右側壁8dを有する。前壁8aは、前端部14において筐体5の幅方向(左右方向)に延びている。後壁8bは、後端部13において筐体5の幅方向に延びている。左側壁8cおよび右側壁8dは、それぞれ筐体5の奥行方向(前後方向)に延びて、前壁8aの端部と後壁8bの端部とを繋いでいる。
【0015】
表示ユニット3は、ヒンジ4によって、本体ユニット2の後端部13に回動可能(開閉可能)に連結されている。表示ユニット3は、本体ユニット2を上方から覆うように倒された閉じ位置と、本体ユニット2に対して起こされた開き位置との間で回動可能である。
【0016】
図1に示すように、表示ユニット3は、表示筐体15と、この表示筐体15に収容された表示パネル16とを備えている。表示パネル16の表示画面16aは、表示筐体15の前壁に設けられた開口部15aを通じて外部に露出可能になっている。
【0017】
図1に示すように、上壁6は、キーボード9が取り付けられるキーボード載置部17と、パームレスト18とを有する。パームレスト18は、キーボード載置部17よりも手前側、つまりキーボード載置部17と前壁8aとの間に設けられている。図10に示すように、キーボード載置部17は、パームレスト18に対して筐体5の内側に窪んでいる。これにより、キーボード載置部17に取り付けられたキーボード9の上面は、パームレスト18の上面と略同じか少し高くに位置する。
【0018】
図2に示すように、筐体5の下壁7には、複数の脚部19が設けられている。この脚部19が机上面に接することで、筐体5の下壁7は、机上面から離れた位置で支持される。図2および図3に示すように、筐体5は、第1吸気孔21、第2吸気孔22(図3参照)、第3吸気孔23、および第4吸気口36を備えている。第1吸気孔21、第2吸気孔22、第3吸気孔23、および第4吸気口36は、互いに離れるとともに、例えば筐体5の左前端部に集中して設けられている。図6に示すように、第1吸気孔21は、筐体5の下壁7に設けられた円形対向部7d内に複数設けられている。円形対向部7dは、冷却ファン24と対向する部分である。この円形対向部7dには、横断部7eが形成されている、横断部7eの内面には冷却ファン24のハーネスが取り付けられ、横断部7eは、そのハーネスを覆う。
【0019】
図2に示すように、第1吸気孔21、第3吸気孔23、および第4吸気口36は、下壁7に設けられている。第1吸気孔21は、後述する冷却ファン24の下方に位置し、冷却ファン24に向かい合っている。第3吸気孔23は、冷却ファン24の下方を外れ、第1吸気孔21と前壁8aとの間に開口している。第4吸気口36は、冷却ファン24の下方に配置され、第1吸気口21と左側壁8cとの間に開口している。
【0020】
図3に示すように、第2吸気孔22は、左側壁8cに設けられている。第2吸気孔22は、例えば各種コネクタ25を露出させるための開口部である。第2吸気孔22は、コネクタ25と筐体5との間の隙間を通じて筐体5内に外気を流入させる。
【0021】
図3に示すように、筐体5は、第1排気口26および第2排気口27を備えている。第1排気口26は、筐体5の後端部13において左側壁8cに設けられ、例えばキーボード9の側方から後側にかけて位置している。第1排気口26は、後述するヒートシンク28に側方から向かい合う。第2排気口27は、筐体5の後端部13において下壁7に設けられ、ヒートシンク28に下方から向かい合う。第2排気口27は、前後方向に沿って複数設けられており、これらの第2排気口27間には、凹部37が前後方向に沿って複数形成されている。凹部37は、下壁7を貫通していない。凹部37の平面視での大きさは、略第2排気口27と同じである。この凹部37近傍のベース11には、カバー12を係止する爪部が設けられており、この凹部37が爪部近傍のベース11の剛性を高くしている。また図2に示すように、下壁7は、ドッキングコネクタ29を外部に露出させる開口部30(図2参照)が設けられている。
【0022】
図4に示すように、筐体5は、基板である回路基板31、ODD32(Optical Disk Drive)、記憶装置33、ヒートシンク28、ヒートパイプ34、放熱板35、および冷却ファン24を収容している。回路基板31は、例えばメインボードである。
【0023】
回路基板31は、第1面31a(図10参照)と、この第1面31aとは反対側に位置した第2面31b(図10参照)とを有する。第1面31aは、例えば下面である。第2面31bは、例えば上面である。なおこれに代えて、第1面31aが上面であり、第2面31bが下面であってもよい。
【0024】
図4,図8に示すように、回路基板31の第1面31aは、CPU41(Central Processing Unit)、PCH42(Platform Controller Hub)、電源回路部品43、メモリスロットコネクタ44、LCDコネクタ45、I/Oコネクタ46、第1電源コイル、および第2電源コイル等の電子部品を実装している。
【0025】
回路基板31は、実装されたCPU41やPCH42等の上記各電子部品とによって、回路基板装置38を構成しており、筐体5に収容されている。この回路基板装置38は、回路基板31の第1面31aを含んだ第1部38aと、回路基板31の第2面31bを含み基板31における第1部38aの反対側に位置した第2部38b(図10参照)と、を有している。ここで、筐体5の内面の上内面は、上壁6の内面6aを含み、筐体5の内面の下内面は、下壁7の内面7aを含んでおり、回路基板装置38は、内面6aと内面7aとの間に配置されている。
【0026】
CPU41は、第1発熱体の一例であり、回路基板31のなかで最も発熱する部品である。PCH42は、第2発熱体の一例であり、例えば自然放熱でよい部品である。電源回路部品43は、第3発熱体の一例であり、回路基板31のなかで比較的発熱量が大きな部品である。
【0027】
図10に示すように、回路基板31の第2面31bは、電源回路部品49を実装している。電源回路部品49は、発熱体の一例である。なお、回路基板31に実装される発熱体は、上記に限られない。
【0028】
ここで、図4に示すように、筐体5の前端部14から後端部13に向かう方向を第1方向D1と定義する。また、第1方向D1に略直交し、右側壁8dから左側壁8cに向かう方向を第2方向D2と定義する。後述の冷却ファン24の吐出口24cは、第1方向D1に開口している。
【0029】
また、本明細書では、電子機器1の正規の姿勢(図1の姿勢)を基準に上下左右を定義している。そのため、図2、図4、図5、図7など、電子機器1を逆さまにした図を用いた説明では、上下および左右の表現が図中とは逆になっている。
【0030】
図10に示すように、回路基板31は、キーボード載置部17の下方に配置されている。図4に示すように、回路基板31は、冷却ファン24とヒートシンク28との間に位置した第1部分31cと、冷却ファン24とヒートシンク28との間を外れた第2部分31dとを有する。
【0031】
第1部分31cは、冷却ファン24の吐出口24cの開口方向(第1方向D1)において冷却ファン24が向かい合う。つまり第1部分31cは、冷却ファン24から吐出された冷却風に直接に晒される部分である。また第1部分31cは、第2方向D2においてヒートシンク28に向かい合う。一方、第2部分31dは、冷却ファン24の吐出口24cの開口方向において冷却ファン24に向かい合わない。
【0032】
CPU41および電源回路部品43は、回路基板31の第1部分31cに実装され、ヒートシンク28と冷却ファン24との間に位置している。PCH42は、回路基板31の第2部分31dに実装され、ヒートシンク28と冷却ファン24との間から外れている。
【0033】
図4および図12に示すヒートシンク28は、放熱部の一例であり、例えば複数のフィンを含んだフィンユニットである。ヒートシンク28は、筐体5の後端部13に配置され、筐体5の第1排気口26に面している。ヒートシンク28は、キーボード載置部17の下方に位置する。ヒートシンク28は、フィンとフィンとの間の隙間を第1排気口26に向けている。ヒートシンク28には、ヒートパイプ34と第2のヒートパイプ39とが接続されている。ヒートシンク28は、第1排気口26に臨んだ位置で筐体5に収容されており、後述する第1通風路(第1通風路)91aおよび第2通風路(第2通風路)91bを構成している。なお、第1通風路91aおよび第2通風路91bには、電子部品が配置されている。
【0034】
図8に示すように、CPU41は、放熱板35およびヒートパイプ34を介してヒートシンク28に接続されている。ヒートパイプ34は、熱輸送部材の一例である。ヒートパイプ34は、CPU41からヒートシンク28まで延びている。ヒートパイプ34は、CPU41をヒートシンク28に熱接続しており、CPU41の熱をヒートシンク28に移動させる。つまり、ヒートパイプ34は、電子部品とヒートシンク28とを接続している。
【0035】
放熱板35は、例えば板金部材である。放熱板35は、CPU41に向かい合う第1部分35aを有して、第1部分35aが、CPU41に熱接続されている。放熱板35は、電源回路部品43には例えば熱接続されていない。
【0036】
図4に示すように、ODD32は、回路基板31とは反対側となる筐体5の右部に収容されている。記憶装置33の一例は、HDD(Hard Disk Drive)である。記憶装置33は、筐体5の前端部14に配置され、冷却ファン24の隣に位置している。記憶装置33は、ケース51と、このケース51に収容された磁気ディスク(図示しない)とを有する。ケース51の側面51a(端面)は、平面状に広がるとともに、冷却ファン24に側方から向かい合う。このケース51の側面51aは、筐体5の左側壁8cとは反対側から冷却ファン24に向かい合う立ち壁を形成している。
【0037】
図8に示すように、ファンである冷却ファン24は、ヒートシンク28から離れて、例えば筐体5の左側の前端部14に配置されている。図10に示すように、冷却ファン24は、パームレスト18の下方に配置されている。つまり冷却ファン24は、筐体5内の厚さが比較的小さなキーボード載置部17の下方を外れて、筐体5内の厚さが比較的大きなパームレスト18の下方に配置されている。図10に示すように、冷却ファン24と筐体5の下壁7との間、および冷却ファン24と筐体5の上壁6との間には、それぞれ隙間が設けられている。図11に示すように、冷却ファン24の後端部24eの上部に対面する筐体5の上壁6には、後端部24eに上下方向で重なった対向部6cが設けられており、この対向部6cは、後述する第1部屋61と第2部屋62との間の隙間を小さくしている。
【0038】
冷却ファン24は、遠心式ファンであり、ファンケース53と、このファンケース53内で回転駆動される羽根車54とを有している。ファンケース53は、第1吸込口24a、第2吸込口24b、および吐出口24cを備えている。
【0039】
図10に示すように、ファンケース53は、下壁7に向かい合う下面53a、この下面53aとは反対側に位置して上壁6に向かい合う上面53b、および回路基板31に向かい合う周面53cを有する。第1吸込口24aは、ファンケース53の下面53aに設けられ、下壁7の第1吸気孔21に向かい合っている。第2吸込口24bは、ファンケース53の上面53bに設けられ、第1吸込口24aとは反対側に向いて開口している。第2吸込口24bは、パームレスト18との間に隙間を空けて、パームレスト18に面している。上面53bには、端部に向かうに従い厚さが薄くなる筐体5の形状に合わせて段差部53dが形成されている。このように、ファンケース53は、筐体5の内面に対向した一対の対向面として下面53aと上面53bとを有するとともに、一対の対向面(下面53a、上面53b)間に設けられた側面である周面53cを有している。
【0040】
図10に示すように、吐出口24cは、上述のように第1方向D1に開口し、回路基板31のCPU41に向いている。吐出口24cの厚さは、回路基板31の厚さよりも大きい。回路基板31は、吐出口24cの厚さ方向で上面53b側に寄って配置されて、吐出口24cに向かい合っている。
【0041】
つまり吐出口24cは、回路基板31の上下に亘って開口している。吐出口24cは、回路基板31に対して第1面31a側に位置した第1部分24caと、回路基板31に対して第2面31b側に位置した第2部分24cbとを有する。
【0042】
冷却ファン24は、第1吸込口24aおよび第2吸込口24bから筐体5内の空気を吸い込み、その空気を吐出口24cからCPU41に向けて吐出する。このとき冷却ファン24は、回路基板31の上下両側にそれぞれ空気を吐出する。
【0043】
一方、図12に示すように、ヒートシンク28の厚さは、回路基板31の厚さよりも大きい。回路基板31は、ヒートシンク28の厚さ方向でヒートシンク28の上端部に寄って配置されて、ヒートシンク28と向かい合っている。
【0044】
つまりヒートシンク28は、回路基板31の上下に露出している。ヒートシンク28は、回路基板31に対して第1面31a側に位置した第1部分28aと、回路基板31に対して第2面31b側に位置した第2部分28bとを有する。第1部分28aは、回路基板31の第1面31a側に流れた空気に晒される。第2部分28bは、回路基板31の第2面31b側に流れた空気に晒される。
【0045】
図8および図10に示すように、冷却ファン24の吐出口24cに面した回路基板31の端部は、部品非実装領域56を有する。部品非実装領域56は、例えば5mmの幅を有し、回路基板31の縁に沿って吐出口24cの幅方向に延びている。部品非実装領域56は、例えばリフロー工程など回路基板に部品を実装する工程で、実装装置のレールに載せられる代である。この部品非実装領域56は、部品が実装されておらず、冷却ファン24から吐出される空気の流れを阻害しにくい。
【0046】
図8に示すように、電子機器1は、筐体5内で、第1部屋61(第1領域)、第2部屋62(第2領域)、および第3部屋63(第3領域)を仕切る遮風部64を備えている。第1部屋61は、冷却ファン24に外気(フレッシュエアー)を吸わせるための吸気室である。第2部屋62は、発熱量が比較的大きな部品が集中して実装され、冷却ファン24からヒートシンク28に向かって冷却風が集中的に流されるダクトである。第3部屋63には、例えば発熱量が比較的小さな部品が収容されている。なお「部屋」とは、筐体5内の領域(部分)のことを指し、必ずしも他の部屋(他の領域)から完全に遮断されている必要はない。
【0047】
図6乃至図8に示すように、本実施形態では、遮風部64は、第1壁部71と、第2壁部72と、第3壁部73と、第4壁部74と、を含んでいる。第1壁部71と、第2壁部72と、第3壁部73と、第4壁部74とは、ガイド壁に相当する。第1壁部71、第2壁部72、第3壁部73、第4壁部74は、導風部材に相当する。
【0048】
第1壁部71は、筐体5の内面の上内面を構成する下壁の内面7aと、回路基板装置38の第1部38aとの間に設けられている。第1壁部71は、第1部38aに当接している。第1壁部71は、冷却ファン24の吐出口24cから回路基板装置38の第1部38a側を通って第1排気口(排気孔)26および第2排気口27へ至る第1通風路91aを構成している。
【0049】
第1壁部71は、冷却ファン24の吐出口24cの右部近傍からメモリスロットコネクタ44とCPU41との間を経由してヒートシンク28の後部近傍に至る第1部71aと、冷却ファン24の吐出口24cの左部近傍からヒートシンク28の前部近傍に至る第2部71bとを含む。第1壁部71の第1部71aの一部は、冷却ファン24の吐出口24cに離間して吐出口24cに対向する位置に配置されている。
【0050】
図9に示すように、第1壁部71は、第1部材71cと第2部材71dとを有している。第1部材71cは、筐体5の内面である下壁7の内面7aに例えば溶着などによって設けられている。第1部材71cは、下壁7の内面7aに固定されている。第1壁部71は、断面L字状に形成された部分を含む。第1壁部材のL字状の部分は、下壁7の内面7aに固定された第1壁71kとこの第1壁71kの縁部に凸設された第2壁71jとを有する。この第1壁部71は、例えば、樹脂製である。別の言い方をすると、第1壁部71は、例えば、プラスチック製である。第1部材71cは、縦壁として機能し、筐体5の剛性を高めている。第1部材71cは、筐体5の下壁7とは別部材である。なお、図9では、電子部品は図示が省略されている。
【0051】
第2部材71dは、第1部材に例えば両面テープなどによって取り付けられている。この第2部材71dは、回路基板装置38に当接している。第2部材71dは、その先端部が回路基板31に実装された電子部品に当接している。第2部材71dの先端部が当接する電子部品は複数あり、それらの電子部品は比較的に高さの低い部品であり、それらの高さが所定の範囲の高さに揃えられている。第2部材71dは、剛性が第1部材71cよりも低い。第2部材71cは、例えば、スポンジやゴムなどの弾性部材によって構成されている。また、第2部材71dは、第1部材71cの側面である第1側面71eに取り付けられている。詳細には、第1部材71cは、側面として、第1通風路91aを構成する第1側面71eおよび第1側面71eの裏面である第2側面71fを有しており、第2部材71dは、第1側面71eに取り付けられている。第1壁部71は、回路基板装置38の第1部38aに当接して第1部38aに沿って延在した第1当接面71gを、第2部材71dの先端部に有している。第2部材71bは、筐体5の内面から離間している。
【0052】
第1壁部71aの一部と筐体5の内面である下壁7の内面7aとの間には、筐体5の内部において第1通風路91aの内外を連通した連通口92が設けられている。詳細には、第1壁部71aの第1部71aにおけるメモリスロットコネクタ44との対向部分の一部は、第2部材71dが設けられておらず、これにより、第1部材71cと下壁7の内面7aとの間に連通口92が設けられている。この連通口92は、第2部屋62と第3部屋63とを連通している。
【0053】
第2壁部72は、筐体5の内面である上壁6の内面6aと回路基板装置38の第2部38bとの間に設けられている。第2壁部72は、回路基板装置38の第2部38bに当接し且つ回路基板装置38を挟んで第1壁部71に重ねて配置されている。第2壁部72は、冷却ファン24の吐出口24cから回路基板装置38の第2部38b側を通って第1排気口26および第2排気口27へ至る第2通風路91bを構成している。ここで、第2通風路91bと第1通風路91aは、通風路91を構成している。
【0054】
第2壁部72は、冷却ファン24の吐出口24cの右部近傍から第1壁部71の第1部71aに沿って延在してヒートシンク28の後部近傍に至る第1部72aと、冷却ファン24の吐出口24cの左部近傍から第1壁部71の第2部71bに沿って延在してヒートシンク28の前部近傍に至る第2部72bとを含む。第2壁部72の第1部72aの一部は、冷却ファン24の吐出口24cに離間して吐出口24cに対向する位置に配置されている。第2壁部72は、筐体5の上内面である上壁6の内面6aに例えば両面テープなどによって設けられている。第2壁部72は、スポンジやゴムなどの弾性部材によって構成されている。この第2壁部72の高さは、第1壁部71の高さよりも低くなっている。第2壁部72は、回路基板装置38の第2部38bに当接して第2部38bに沿って延在した第2当接面72cを有している。ここで、第1壁部71の第1当接面71gの延在方向と直交する方向(図9での左右方向)の第1当接面71gの第1幅W1と第2当接面72cの延在方向と直交する方向(図9での左右方向)の第2当接面72cの第2幅W2とは、略同じである。
【0055】
図7に示すように、筐体5の内面である上壁6の内面6aには、第1凸部65が立設されている。第1凸部65は、例えば、回路基板31を支持するボスなどである。そして、第2壁部72には、第1凸部65に沿って屈曲(湾曲)した屈曲部72dが設けられている。第1凸部65は、屈曲部72dの外側(第2通風路91b外)に位置している。なお、第1凸部65は、屈曲部72dの内側(第2通風路91b内)に位置していてもよい。なお、第1の凸部65は、下壁7の内面7aに立設されていてもよい。この場合、第1壁部71に、第1凸部65に沿って屈曲(湾曲)した屈曲部が設けられていてよい。
【0056】
図6に示すように、筐体5の内面である下壁7の内面7aには、第2凸部66が立設されている。第2凸部66は、第1通風路91aを構成しており、遮風部64に含まれている。第2凸部66は、例えば、回路基板31を支持するボスなどである。この第2凸部66に沿った形状に第1壁部71における第1部71aの第1部材71cの縁部が形成されている。なお、第2凸部66は、上壁6の内面6aに立設されて、第2通風路91bを構成してもよい。
【0057】
図5や図10に示すように、第3壁部73は、冷却ファン24のファンケース53と筐体5の内面との間に設けられている。第3壁部73は、ファンケース53の一対の対向面の一方である下面53aと筐体5の内面である下壁7の内面7aとの間に設けられた第1部73aと、ファンケース53の一対の対向面の他方である上面53bと筐体5の内面である上壁6の内面6aとの間に設けられた第2部73bと、を有している。第1部73aおよび第2部73bは、スポンジやゴムなどの弾性部材によって構成されている。第1部73aおよび第2部73bは、ファンケース53に、例えば両面テープなどによって取り付けられている。
【0058】
図12に示すように、第4壁部74は、ヒートシンク28と筐体5の内面との間に設けられている。第4壁部74は、ヒートシンク28の下面と下壁7の内面7aとの間に設けられた第1部74aと、ヒートシンク28の上面と上壁6の内面6aとの間に設けられた第2部74bと、を有している。第1部74aおよび第2部74bは、スポンジやゴムなどの弾性部材によって構成されている。第1部74aおよび第2部74bは、ヒートシンク28に、例えば両面テープなどによって取り付けられている。
【0059】
第1乃至第4壁部71,72,73,74は、非導電性部材(絶縁体)の一例である。なお、図8では、説明の便宜上、遮風部64を形成する部品にハッチングを施している。
【0060】
第1部屋61の遮風構造について説明する。
図8に示すように、冷却ファン24の下面53aには、第3壁部73の第1部73aが取り付けられている。第1部73aは、冷却ファン24の吐出口24cに沿って、吐出口24cの幅方向(第2方向D2)に延びている。つまり第1部73aは、第1吸込口24aと吐出口24cとの間に設けられ、筐体5内の空間を仕切っている。また、第1部73aは、冷却ファン24の右端部に沿って、第1方向D1に延びている。第1部73aは、冷却ファン24の第1吸込口24aに対して、筐体5の左側壁8cとは反対側に位置している。つまり、第1部73aと筐体5の左側壁8cとの間に、冷却ファン24の第1吸込口24aが位置する。このように第1部73aは、略L字状に延在している。
【0061】
図10に示すように、第3壁部73の第2部73bは、冷却ファン24の上面53bにおいて、第1部73aと略面対称で形成されている。即ち、第1部73aと第2部73bとは、ファンケース53を介して上下で重ねて配置されている。第2部73bは、冷却ファン24の吐出口24cに沿って、吐出口24cの幅方向に延びている。また、第2部73bは、第2吸込口24bと吐出口24cとの間に設けられ、筐体5内の空間を仕切っている。第2部73bは、冷却ファン24の右端部に沿って、第1方向D1に延びている。この第2部73bは、冷却ファン24の上面53bと、筐体5の上壁6の内面(パームレスト18の内面)との間に設けられている。このように第2部73bは、略L字状に延在している。そして、第3壁部73は、ファンケース53と、筐体5の内面との間の隙間で圧縮され、この隙間を気密に塞いでいる。
【0062】
これにより、図14に模式的に示すように、筐体5のコーナー部には、第3壁部73、筐体5の左側壁8c、および筐体5の前壁8aによって囲まれた第1部屋61が形成されている。つまり、第3壁部73は、筐体5内を、第1部屋61としての部分と、第2部屋62としての部分に仕切っている。
【0063】
なお本実施形態では、第3壁部73は、冷却ファン24の表面上に設けられ、冷却ファン24を外れた領域には設けられていない。つまり、第3壁部73は、筐体5内で第1部屋61を完全に仕切っているわけではなく、部分的に仕切っている。
【0064】
なお、第3壁部73は、冷却ファン24を外れた領域まで延長され、筐体5内で第1部屋61を完全に仕切ってもよい。なお本実施形態では、記憶装置33のケース51の側面51aが、第1部屋61の一部の壁面を補助的に形成している。
【0065】
図8および図10に示すように、第1部屋61は、筐体5の第1吸気孔21、第2吸気孔22、第3吸気孔23、および冷却ファン24の第1吸込口24a、第2吸込口24bが露出している。第1部屋61には、回路基板31に実装された発熱体が存在しない。第1部屋61は、第1吸気孔21、第2吸気孔22、および第3吸気孔23を通じて筐体5の外部に連通し、外気(フレッシュエアー)が流入可能である。このため、第1部屋61の空気は、他の部屋の空気に比べて温度が低い。
【0066】
次に、第2部屋62(ダクト部)の遮風構造について説明する。
図8に示すように、第2部屋62は、第1壁部71や第2壁部72などによって第1および第3の部屋61,63と区画されている。第2の部屋62には、CPU41等の発熱体が配置されている。第1壁部71は、筐体5の下壁7などと協働して、冷却ファン24からヒートシンク28に向かって冷却風が流れるダクト構造の通風路91のうち第1通風路91aを形成する。第2壁部72は、筐体5の上壁6などと協働して、冷却ファン24からヒートシンク28に向かって冷却風が流れるダクト構造の通風路91のうち第2通風路91b(図10参照)を形成する。第1通風路91aは、回路基板31の第1面31a上(つまり回路基板31と筐体5の下壁7との間)に形成され、略L字状をしている。第2通風路91bは、回路基板31の第2面31b上(つまり回路基板31と筐体5の上壁6との間)に形成され、第1通風路91aと同じ略L字状をしている。これらの第1通風路91aおよび第2通風路91bは、回路基板31に対して略面対称に形成されている。第1壁部71は、筐体5の内面と回路基板装置38との間で圧縮され、筐体5の内面と回路基板装置38との間の隙間を気密に塞いでいる。これにより、冷却ファン24から送られた冷却風が、第1壁部71等によって案内されて、ヒートシンク28へ到達する。
【0067】
図8に示すように、CPU41、電源回路部品、ヒートパイプ34、および放熱板35は、第1通風路91a内に位置している。
【0068】
冷却ファン24の吐出口24cの第1部分24caから吐出された空気は、第1通風路91aを流れて、ヒートシンク28の第1部分28aに達する。冷却ファン24の吐出口24cの第2部分24cbから吐出された空気は、第2通風路91bを流れて、ヒートシンク28の第2部分28bに達する。なお、回路基板31の第2面31bと筐体5の上壁6との間の隙間は、第1面31aと筐体5の下壁7との間の隙間よりも小さい。このようにして、第1通風路91aおよび第2通風路91bを流れる冷却風によって、CPU41等の電子部品やヒートパイプ34、ヒートシンク28が冷却される。
【0069】
また、この際、連通口92から第3部屋63に冷却風の一部が流入し、第3部屋のメモリ81などが冷却される。なお、メモリ81を保持しているメモリスロットコネクタ44は、筐体5の内面から離間して配置されており、メモリスロットコネクタ44の熱が、筐体5に伝わるのが抑制されている。第3部屋63は、筐体5の下壁7に設けられた通気孔を通じて外部に連通している。図4に示すように、第3部屋63には、PCH42、メモリ81、ODD32、および記憶装置33が露出している。PCH42やメモリ81は、放熱用部材が取り付けられておらず、自然放熱される。
【0070】
回路基板31の第1部分31cは、第2部屋62に露出している。回路基板31の第2部分31dは、第3部屋63に露出している。なお、本実施形態に係る各部品は、筐体5内で第3部屋63を完全に仕切っているわけではなく、部分的に仕切っている。なお、第3部屋63は、筐体5内で完全に仕切られていてもよい。
【0071】
次に、電子機器1の作用について、本実施形態の構造を模式的に示した図13乃至図15を参照して説明する。
【0072】
図13および図14に示すように、筐体5内は、第1部屋61と第2部屋62とに分かれている。第1部屋61と第2部屋62との間には、空気の行き来を遮断する構造(第3壁部73)が設けられている。冷却ファン24の第1吸込口24aおよび第2吸込口24bは、第1部屋61に露出している。冷却ファン24の吐出口24cは、第2部屋62に露出している。つまり、筐体5内のコーナー部に、冷却ファン24の吸込口24a,24bを閉じ込める部分密封域が設けられている。
【0073】
冷却ファン24は、第1部屋61にて筐体5の外部から空気を吸い込み、第1部屋61から第2部屋62に空気が吐出される。冷却ファン24の吸込口は、第2部屋62および第3部屋63には露出していない。このため、冷却ファン24は、CPU41やPCH42、電源回路部品43、その他発熱体によって暖められた第2部屋62および第3部屋63の空気を吸うことが少ない、またはほとんど無い。
【0074】
冷却ファン24は、第1部屋61を通じて筐体5の外部の低温の空気を吸いこみ、その低温の空気をCPU41などに向けて第2部屋62に吐出する。なお、本実施形態では、筐体5の下壁7および周壁8に吸気孔が設けられたが、筐体5の吸気孔は、上壁6、下壁7、周壁8のいずれか少なくとも一つに設けられていればよい。
【0075】
図15および図16等に示すように、筐体5内には、回路基板31に実装された基板部品によって、冷却ファン24からヒートシンク28に向けて冷却風を導く通風路91(第1通風路91a、第2通風路91b)が形成されている。具体的には、第1壁部71によって、通風路91の両側の壁面が形成されている。つまり、第1壁部71と、回路基板装置38と、筐体5の下壁7および上壁6(またはキーボード9)によって囲まれた空間が通風路91を成している。
【0076】
このため、冷却ファン24から吐出された冷却風は、図15中の矢印に沿うように、回路基板装置38上を通って冷却ファン24からヒートシンク28に向かう。つまり、冷却ファン24から吐出された冷却風は、筐体5内で広く広がることなく、CPU41やヒートシンク28等に対して確実に、集中的に流れ、これらCPU41やヒートシンク28等を効率的に冷却する。
【0077】
このような構成によれば、冷却効率を向上させることができる。
例えば吸気構造の一例として、冷却ファンの下面の吸込口が筐体の下壁の吸気孔に向かい合うとともに、冷却ファンの上面の吸込口が筐体内に開口している構造を考える。この場合、冷却ファンの下面の吸込口は、低温の外気を取り込み可能であるが、上面の吸込口は、暖められた筐体5内の空気を吸うことになる。そのため、この冷却ファン24から吐出される空気は、ある程度の温度を有し、この空気に晒されるヒートシンク28などを効率的に冷却できるとは言えない。
【0078】
一方、本実施形態の構造では、冷却ファン24の吸込口24a,24bと吐出口24cとの間に、筐体5内の空間を少なくとも部分的に仕切る遮風部64が設けられている。このため、吐出口24cから吐出されてCPU41やヒートシンク28で暖められた空気が、再度、吸込口24a,24bから吸われにくくなっている。このため、CPU41やヒートシンク28に対して比較的低温の空気を送ることができ、放熱効率の向上を図ることができる。
【0079】
本実施形態では、筐体5の吸気孔21,22,23、および冷却ファン24の吸込口24a,24bが露出した第1部屋61と、筐体5の排気口26,27、CPU41、ヒートシンク28、ヒートパイプ34、および冷却ファン24の吐出口24cが露出した第2部屋62とを筐体5内で少なくとも部分的に仕切る遮風部64が設けられている。このため、冷却ファン24の吸込口24a,24bには、CPU41やヒートシンク28、ヒートパイプ34で暖められた空気が還流しにくい。
【0080】
特に、本実施形態では、周囲の外気を筐体5内に取り込む第1部屋61が設けられ、この第1部屋61に冷却ファン24の上面53aの第1吸込口24aおよび下面53bの第2吸込口24bが共に露出している。一方で、CPU41などの発熱体は、第1部屋61から仕切られた第2部屋62に収容されている。この構造によれば、冷却ファン24の下面53bの第1吸込口24aに加えて、冷却ファン24の上面53aの第2吸込口24bも、筐体5内の暖められた空気ではなく、低温の外気を吸うことができる。
【0081】
このため、CPU41やヒートシンク28に向けてより低温の空気を送ることができ、放熱効率のさらなる向上を図ることができる。換言すれば、冷却ファンの種類に関係なく、筐体5内に組み込まれた冷却ファン24が、なるべく100%外部から吸気し、筐体5の内部に100%排気(送風)する構造が設けられている。
【0082】
冷却ファン24は、筐体5に収容される部品のなかで、比較的高さ(厚さ)がある部品である。冷却ファン24がパームレスト18の下方に配置されていると、キーボード載置部17の下方に比べて筐体5の厚さに余裕があるパームレスト18の下方を利用して、冷却ファン24を収容することができるので、筐体5の薄型化を図ることができる。
【0083】
ここで再び、例えば吸気構造の一例として、冷却ファンの下面の吸込口が筐体の下壁の吸気孔に向かい合うとともに、上面の吸込口が筐体内に開口している構造を考える。この場合、何かの原因で筐体の下壁の吸気孔が塞がれてしまうと、冷却ファンの下面の吸込口も筐体内の暖められた空気を吸うことになる。このため、冷却効率が低下する可能性がある。
【0084】
一方で、本実施形態では、筐体5には、吸気用の第1部屋61が設けられ、この第1部屋61は、第1吸気孔21に加えて、第2吸気孔22を有する。このような構造では、仮に第1吸気孔21が塞がれたとしても、第2吸気孔22を通じて第1部屋61が外部に通じている。そして、冷却ファン24の吸込口24a,24bは、第1部屋61に開口しているため、第1部屋61から低温の外気を吸い込むことができる。このため、筐体5の一部の吸気孔が塞がれたとしても、冷却効率が低下しにくい。
【0085】
特に、第1吸気孔21が筐体5の下壁7に設けられ、第2吸気孔22が筐体5の周壁8に設けられていると、これら2つの吸気孔21,22が両方同時に塞がれる可能性は小さく、第1部屋61が外部に連通しやすくなっている。
【0086】
自然放熱で間に合う第2発熱体(例えばPCH42)を更に備え、遮風部64が第2発熱体を含む第3部屋63を、筐体5内で第1部屋61および第2部屋62から少なくとも部分的に仕切ると、冷却ファン24の冷却風を第2部屋62に集中できるとともに、第3部屋63で暖められた空気が冷却ファン24によって吸われにくい。このため、機器全体として冷却効率を向上させることができる。
【0087】
ここで、本実施形態では、図8に示すように、CPU41が、第2部屋62において、L字状の第1通風路91a中の外周部に位置されている。そこで、このCPU41に風速が速い冷却風が届くように、冷却ファン24の羽根車54を吐出口24c側から見たときに、第1通風路91aの外周部から内周部に回転する方向(図8中の矢印Xの方向)に回転させている。これにより、CPU41に対する冷却効果が大きくなる。
【0088】
また、本実施形態では、図8に示すように、ヒートパイプ34が、CPU41からヒートシンク28に向かう途中部分で冷却ファン24に近づく形状に湾曲して、ヒートシンク28の冷却ファン24側の端部に接続されている。これにより、ヒートパイプ34に効率的に冷却風を当てることができる。なお、ヒートパイプ34は、CPU41からヒートシンク28に向かって次第に冷却ファン24から遠ざかる形状に形成してもよい。この形状の一例を図8に示す。この場合には、ヒートシンク28に風量の大きい冷却風を送ることができる。
【0089】
ここで、本実施形態では、第1壁部71と第2壁部72とが、回路基板装置38を挟んだ状態で筐体5内に配置され、冷却風を案内する一対の壁部に相当する。また、第1の壁部71は、回路基板装置38に当接した弾性部しての第2部71bと、筐体5の内面に取り付けられ第2部71bを支持した支持部としての第1部71aを有し、第2部71bの弾性変形を伴って筐体5の内面と回路基板装置38とに挟まれた状態で設けられ、冷却風を案内する壁部に相当する。
【0090】
また、上述した回路基板装置38は、別の言い方をすると、基板、回路基板、回路板、部品の載った配線板、収納部品、モジュールである。また、第1部材71cは、別の言い方をすると、支持部材、壁、リブ、突出部、突部、凸部、保持部、導風部材の一部である。また、通風路9(第1通風路91a、第2通風路92a)は、導風路、領域、第1領域、基板と筐体5の内壁と導風部材(第1壁部71や第2壁部72、第3壁部73、第4壁部74)とで囲まれた部分、冷却ファン24と排気口26,27との間の部分である。また、導風部材(第1壁部71や第2壁部72、第3壁部73、第4壁部74)は、壁、リブ、突出部、凸部、保持部、導風部材の一部、柔軟性や弾性を有する変形可能な部材や材料である。また導風部材における第2部材71dは、第1部材71cより低剛性の材料である。また、上述した上下左右は、第1、第2、第3および第4と言い換えることができる。また、上下は、一方と他方とに言い換えることができる。また、左右は、一方と他方とに言い換えることができる。
【0091】
以上説明した本実施形態では、第1通風路91aを形成した第1壁部71と、第2通風路91bを形成した第2壁部72とが、回路基板装置38を挟んで相互に重ねて配置されている。したがって、第1壁部71と第2壁部72との間で、回路基板装置38に剪断力が作用するのが抑制される。よって、本実施形態によれば、冷却ファン24による冷却効率の向上を図る上で、回路基板31にかかる負荷が増大することを抑制することができる。ここで、第1壁部71と、第2通風路91bを形成した第2壁部72とが、相互に重ねて配置されずにずれて配置された場合には、回路基板装置38に剪断力が作用してしまう。
【0092】
以上説明した本実施形態では、壁部としての第1壁部71が、筐体5の内面に設けられた第1部材71cおよび第1部材71cに取り付けられて回路基板装置38に当接し剛性が第1部材71cよりも低い第2部材71dを有して、筐体5の内面と回路基板装置38との間に設けられている。したがって、回路基板装置38へかかる負荷を第2部材71dで抑制しつつ、第2部材71dを第2部材71cで強固に支持して、冷却風による第2部材71dの倒れなどを抑制することができる。よって、本実施形態によれば、冷却ファン24による冷却効率の向上を図る上で、回路基板31にかかる負荷が増大することを抑制することができる。
【0093】
以下に、本実施形態の変形例を説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0094】
第1の変形例を図17を参照して説明する。第1の変形例では、第1壁部71の第1当接面71gの延在方向と直交する方向(図17での左右方向)の第1当接面71gの第1幅W1と、第2壁部材72の第2当接面72cの延在方向と直交する方向(図17での左右方向)の第2当接面72cの第2幅W2とは、一方が他方よりも幅が広い。本実施形態では、第1当接面71gの第1幅W1の方が、第2当接面72cの第2幅W2よりも広くなっている。このようにすることで、第2壁部72と第1壁部71との形状誤差が発生しても、その誤差を吸収して、第2壁部72と第1壁部71とを重ねて配置することができる。
【0095】
また、第1壁部71の第2部71bの第1部材71cが、記憶装置33の支持壁となって、記憶装置33を支持している。第1部材71cは、記憶装置33の位置決め壁となって、記憶装置33を位置決めしている。記憶装置33は、第1部材71cが支持および位置決めする部品やモジュールの一例である。
【0096】
また、第1の変形例では、板状部材としての第1インシュレータ86と、板状部材としての第2インシュレータ87と、が設けられている。第1インシュレータ86と第2インシュレータ87とは、絶縁性を有した平板状部材である。第1インシュレータ86と第2インシュレータ87は、遮熱性および遮音性も有している。第1インシュレータ86は、第1壁部71の第1部71aと第2部71bとの間で、下壁7の内面7aに両面テープなどによって貼り付けられている。第2インシュレータ87は、第2壁部72の第1部72aと第2部72bとの間で、上壁6の内面6aに両面テープなどによって貼り付けられている。
【0097】
また、第1の変形例では、第1壁部71の第1部材71cが、ねじ93によって、下壁7の内面7aに固定されている。詳しくは、第1部材71cの第1壁71kが、ねじ93によって、下壁7の内面7aに固定されている。即ち、第1部材71cは、下壁7にねじ止めされている。このように、ねじ93によって第1部材71cを下壁7に固定することで、第1部材71cを下壁7に強固に固定することができる。なお、図17の例では、例えば、第1部材71cをねじ93によって下壁7に固定した後に、第2部材71dを第1部材71cに両面テープ等で取り付けることで、第1部材71cを容易に下壁7に固定することができる。
【0098】
次に、第2の変形例を図18を参照して説明する。第2の変形例では、第1壁部71の第2部材71dと下壁7の内面7aとの間に第1インシュレータ86が配置されている。つまり、板状部材である第1のインシュレータ86が、筐体5の内面と第2部材71dとの間に位置して筐体5の内面に取り付けられている。また、第2壁部72と上壁6の内面6aとの間に、第2インシュレータ87が配置されている。つまり、第2壁部72は、第2インシュレータ87を介して筐体5に取り付けられている。
【0099】
次に、第3の変形例を図19−1および図19−2を参照して説明する。第3の変形例では、第1壁部71に第1インシュレータ86が予め取り付けられて壁ユニット88を構成している。第1インシュレータ86は、第1部材71cに例えば両面テープなどで取り付けられている。第1インシュレータ86は、筐体5に例えば両面テープなどで取り付けられている。したがって、第3の変形例では、壁ユニット88は、第1壁部71および第1部材71cに取り付けられた板状部材としての第1インシュレータ86を有し、第1インシュレータ86が筐体5の内面に取り付けられている。
【0100】
また、第2壁部72に第2インシュレータ87が予め取り付けられて壁ユニット89を構成している。第2インシュレータ87は、第2壁部72に例えば両面テープなどで取り付けられている。第2インシュレータ87は、筐体5に例えば両面テープなどで取り付けられている。したがって、第3の変形例では、壁ユニット89は、第2壁部72に取り付けられた板状部材としての第2インシュレータ87を有し、第2インシュレータ87が筐体5の内面に取り付けられている。
【0101】
このような構成によれば、容易に第1壁部71および第2壁部72を筐体5に取り付けることができる。
【0102】
また、第1壁部71の第1部材71cには、第2部材71dが挿入された挿入部71hが設けられている。挿入部71hは、溝形状に形成されている。これにより、第1部材71cに、第2部材71dを容易に取り付けることができるとともに、第1部材71cによって、第2部材71dをより強固に支持することができる。
【0103】
次に、第4の変形例を図20を参照して説明する。第4の変形例では、第4壁部74の第1部74aと第2部74bが、ヒートシンク28から回路基板31側へ張り出した張出部74c,74dを有している。張出部74c,74dは張り出し方向に行くほど厚さが薄くなるように先細りの湾曲形状に形成されている。これにより、冷却風に対する第4壁部74による抵抗を減らして、ヒートシンク28へ、より速い冷却風を効率良く案内することがきる。
【0104】
次に、第5の変形例を図21を参照して説明する。第5の変形例では、冷却ファン24のファンケース53が筐体5の前壁8aに沿って湾曲しているとともに、羽根車54も前壁8aの湾曲に沿って湾曲している。詳細には、ファンケース53は、周壁53cに、前壁8aに沿って湾曲した湾曲部53eを有している。羽根車54は、矩形状の基部54aとこの基部から周壁53cに向かって延出した延出部54bを有しており、延出部54bがその先端に向かうほど厚みが薄くなるように、前壁8aの湾曲に沿って湾曲している。
【0105】
このような構成によれば、延出部54bを、前壁8aの湾曲に沿って湾曲させて延出させたので、この延出部54bの分だけ、羽根車54による風量を大きくすることができる。
【0106】
次に、第6の変形例を図22を参照して説明する。第6の変形例では、第1壁部71と第2壁部72(図22では図示せず)とにおけるL字状の通風路91の角部に位置する部分に、湾曲部71mが形成されている。このようにすることで、通風路91を流れる冷却風に対する抵抗を減らすことができる。
【0107】
次に、第7の変形例を図23および図24を参照して説明する。図23に示すように、第7の変形例では、第1壁部71の第1部71aにおいて、複数の第1部材71cが相互に分離して設けられている。別の言い方をすると、第1部71aは、分割されて設けられている。第1部材71cは、第1壁部71におけるコーナー部(別の言い方をすると、角部、屈曲部)に部分的に設けられている。また、第1部材71cは、第1壁部71の延在方向の端部に設けられている。各第1部材71c間は、第2部材71dによって連結されている。各第1部材71c間は、第2部材71dによって閉塞されている。図24に示すように、ある第1部材71cは、下壁7の内面7aに沿った延在方向が屈曲しており、その内周側、詳しくは第2壁71jの内周側に第2部材71dが配置されている。なお、第1部材71cは、その内周側詳しくは、第2壁71jの内周側に第2部材71dが配置されていてもよい。また、ここでは、図9に示したL字状の部分を有する第1部71aに当該変形例を適用した例を示したが、これに限るものではなく、図18に示した立壁形状の第1部71aや図19−1に示した凹状の挿入部71hを有した第1部71aに本変形例を適用してもよい。即ち、第1部材71cは、第2部材71dの幅方向の片側のみにあってもよいし、両側にあってもよい。
【0108】
このように、複数の第1部材71cが相互に分離して設けられており、第1壁部71におけるコーナー部に設けられているので、第1壁部71を軽量化しつつ、第2部材71dを良好に支持することができる。
【0109】
次に、第8の変形例を図25を参照して説明する。図25は、電子機器1の内部における図24で示した部分に相当する。本変形例では、第1壁部71は、基本的には第7の変形例と同じであるが、ある第1部71aが、第3凸部(以後、この第3凸部に符号71aを付与する)によって構成されている点が第7の変形例に対して異なる。第1部としての第3凸部71aは、下壁7の内面7aに突設されている。第3凸部71aは、例えば筐体5内の回路基板31等の部品を支持するボスである。このように、本変形例では、第1部が、第3凸部71aによって代用されている。第2部材71dは、第3凸部71aの外周に沿って湾曲している。つまり、第3凸部71aは、第2部材71dのコーナー部の内周側に位置している。別の言い方をすると、第3凸部71aは、第2部材71dの内角に位置されている。また、凸部は、別の言い方をすると、突起部や突出部である。
【0110】
このように、第3凸部71aが、第2部材71dのコーナー部の内周側に位置しているので、第2部材71dを第3凸部71aに掛け回しながら、第2部材71dを第3凸部71aに接着などによって取り付けることができる。よって、第2部材71dの取り付けを容易に行うことができる。なお、この場合、第2部材71dは、第3凸部71aに引っ掛かった状態となって位置決めされるので、第3凸部71aと第2部材71dとを接着しなくてもよい。
【0111】
次に、第9の変形例を図26を参照して説明する。本変形例では、記憶装置(例えばHDD)33のケース33が第1壁部71の第2部72bの第1部材として機能している。即ち、記憶装置33のケース33aの側面3bが、第2部72bの第2部材71dを支持している。第2部材71dは、例えば、両面テープなどでケース33aの側面3bに取り付けられている。記憶装置33は、比較的に背の高い背高の部品の一例である。記憶装置33、モジュールの一例である。つまり、第2部71dは、専用の第1部71cだけでなく、他の部品に取り付けられていても良い。即ち、他の部品が第1部71cを兼ねる兼用部として機能し、第1部71cが他の部品で代用される。兼用部は、第1機能と第2部材71dを支持する第2機能とを兼ね備えるものである。第1機能は、記憶装置33のケース33aにおいては、記憶装置33の記憶部を収容して保護する機能である。
【0112】
このように、兼用部としての記憶装置33のケース33に第2部材71dが取り付けられているので、ダクト構造を比較的に簡素な構成として安価なものとすることができる。なお、兼用部としては、記憶装置33に限るものではなく、例えば、ファンケース53やODD32のケースなどであってもよい。
【0113】
次に、第10の変形例を図27を参照して説明する。本変形例では、第1壁部71における第1部材71cが、筐体5の内面である下壁7の内面7aに一体成形されている。第1部材71cは、例えば、下壁7の内面7aから突出されたリブ(凸部、突部)である。筐体5および第1部材71cは、樹脂一体成形品である。このように、第1部材71cが、下壁7の内面7aに一体成形されているので、筐体5の剛性がより高くなる。また、第1部材71cを、下壁7の内面7aに取り付ける作業が不要であるので、作業者の負荷を低減することができる。
【0114】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る表示装置111について、図28を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0115】
図28に示すように、表示装置111は、筐体5と、筐体5に収容された表示パネル16とを有する。表示装置111の一例は、テレビである。筐体5の内部には、上記第1の実施形態または上記第2の実施形態と同様の構造が設けられている。
【0116】
このような構成の表示装置111によれば、上記第1の実施形態と同様に、冷却効率を向上させることができる。
【0117】
以上説明したとおり、第1および第2の実施形態によれば、冷却ファンによる冷却効率の向上を図る上で、基板にかかる負荷が増大することを抑制することができる。
【0118】
以上、本発明の第1および第2の実施形態に係る電子機器1および表示装置111について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0119】
例えば、筐体5内では、第3部屋63が仕切られている必要は必ずしもなく、第1部屋61と第2部屋62とが仕切られていればよい。通風路91は必ずしも形成されている必要はない。第1部屋61、第2部屋62、および第3部屋63を仕切る部材は、壁部ではなく、筐体5の一部(例えばリブなど)でもよい。第1吸込口24aは、必ずしも下壁7の吸気孔21に向かい合っていなくてもよい。また、第1壁部71および第2壁部72を冷却ファン24の側方まで延出させてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1…電子機器
5…筐体
6a…上壁の内面
7a…下壁の内面
24…冷却ファン
24c…吐出口
26,27…排気口
28…ヒートシンク
31…回路基板
31a…第1面
31b…第2面
34…ヒートパイプ
38…回路基板装置
38a…第1部
38b…第2部
53…ファンケース
65…第1凸部
66…第2凸部
71…第1壁部
71c…第1部材
71d…第2部材
71g…第1当接面
72…第2壁部
72c…第2当接面
72d…屈曲部
73…第3壁部
74…第4壁部
86…第1インシュレータ
87…第2インシュレータ
88,89…壁ユニット
91a…第1通風路
91b…第2通風路
92…連通口
111…表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気口が設けられた筐体と、
第1面および前記第1面の裏面である第2面が設けられた基板と、前記第1面を含んだ第1部と、前記第2面を含み前記基板における前記第1部の反対側に位置した第2部と、を有し、前記筐体に収容された回路基板装置と、
吐出口が設けられ前記排気口から離間して前記筐体に収容され、前記回路基板装置の前記第1部側と前記第2部側とに前記吐出口から冷却風を送るファンと、
前記筐体の内面と前記第1部との間に設けられて前記第1部に当接し、前記吐出口から前記回路基板装置の第1部側を通って前記排気口へ至る第1通風路を構成した第1壁部と、
前記筐体の内面と前記第2部との間に設けられて前記第2部に当接し且つ前記回路基板装置を挟んで前記第1壁部に重ねて配置され、前記吐出口から前記回路基板装置の前記第2部側を通って前記排気口へ至る第2通風路を構成した第2壁部と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記筐体の内面は、上内面と下内面とを有し、
前記回路基板装置は、前記上内面と前記下内面との間に配置され、
前記第1壁部は、前記筐体の下内面に設けられ、
前記第2壁部は、前記筐体の上内面に設けられた請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記吐出口に対向する位置に前記第1壁部および第2壁部が配置された請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記筐体の内面に立設された第1凸部と、
前記第1壁部と前記第2壁部との少なくとも一方に設けられ、前記第1凸部に沿って屈曲した屈曲部と、
を有する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記筐体の内面に立設され、前記第1通風路と前記第2通風路との少なくとも一方を構成した第2凸部を備えた請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1壁部は、前記第1部に当接して前記第1部に沿って延在した第1当接面を有し、
前記第2壁部は、前記第2部に当接して前記第2部に沿って延在した第2当接面を有し、
前記第1当接面の延在方向と直交する方向の前記第1当接面の第1幅と前記第2当接面の延在方向と直交する方向の前記第2当接面の第2幅とは、略同じである請求項1ないし5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1壁部は、前記第1部に当接して前記第1部に沿って延在した第1当接面を有し、
前記第2壁部は、前記第2部に当接して前記第2部に沿って延在した第2当接面を有し、
前記第1当接面の延在方向と直交する方向の前記第1当接面の第1幅と前記第2当接面の延在方向と直交する方向の前記第2当接面の第2幅とは、一方が他方よりも幅が広い請求項1ないし5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記筐体の内面に対向した一対の対向面および前記一対の対向面間に設けられた側面を有して前記ファンに設けられ、前記側面に前記吐出口が設けられたファンケースと、
前記対向面と前記筐体の内面との間に設けられた第3壁部と、
を備えた請求項1ないし7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1通風路と前記第2通風路との少なくとも一方に位置し、前記基板に実装された電子部品と、
前記排気口に臨んだ位置で前記筐体に収容され、前記第1通風路および前記第2通風路を構成したヒートシンクと、
前記電子部品と前記ヒートシンクとを接続したヒートパイプと、
前記ヒートシンクと前記筐体の内面との間に設けられた第4壁部と、
を備えた請求項1ないし8のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1部および前記第2部の少なくとも一方は、電子部品を含む請求項1ないし9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
筐体と、
前記筐体に収納された回路基板装置と、
前記回路基板装置に冷却風を送るファンと、
前記回路基板装置を挟んだ状態で前記筐体内に配置され、前記冷却風を案内する一対の壁部と、
を備えた電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19−1】
image rotate

【図19−2】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate


【公開番号】特開2012−190065(P2012−190065A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50516(P2011−50516)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】