説明

表示装置の応答速度算出システム、および応答速度算出方法

【課題】バックライトがパルス駆動の場合においても正確な応答速度を算出することができる表示装置の応答速度算出システム、および応答速度算出方法を提供する。
【解決手段】パルス駆動する第1の光源と、前記第1の光源の波長範囲と異なる波長範囲で発光する第2の光源と、前記第1の光源が発する光を透過し、入力画像信号に応じて透過量を変化させて画像を表示する表示部と、前記第2の光源が発する前記表示部を透過した光の光量を測定するために前記表示部の表示面側に取り付けられる測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記表示部の応答速度を算出する応答速度算出部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の応答速度算出システム、および、応答速度算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
透過型の表示パネルを有する表示装置において、表示パネルの正確な応答速度を測定することは、オーバードライブにおいて最適な強調レベルを求める場合、あるいは、表示装置の品質管理(例えば、表示パネルの劣化度合いの評価、等)の場合に重要である。
【0003】
例えば、液晶表示装置は、液晶層を挟む電極に電圧を印加し、液晶層の分子配向を変化させることで透過するバックライトの光量を変化させている。液晶分子を配向する速度(応答速度)は、駆動する電圧差(階調差)に応じて変化し、液晶はその性質上、白(フル階調)→黒(0階調)または黒→白の階調変化に対する応答速度が速く、中間階調から中間階調(Gray to Gray、以下「GTG」と称する)の階調変化に対する応答速度は遅い。液晶表示装置で動画を見る場合、応答速度が遅いと動画に残像感や違和感を覚える場合があり、また、目の疲労にもつながる。
【0004】
そこで、従来、応答速度が低下するGTGの変化時に、実際の階調変化量に対応する電界変化量(電圧)よりも大きな電界変化量(電圧)を液晶に一瞬与えることによって、GTGの応答速度を速くする技術(オーバードライブ技術)が採用されている。
【0005】
図11は、TFT(薄膜トランジスタ)方式の液晶表示パネル14に対し、応答性を高めたオーバードライブ駆動(以下「OD駆動」と称する)を行う回路構成を示すブロック図である。
【0006】
同図で、表示すべき画像データは画像データ入力部11からOD駆動制御部12に送出される。OD駆動制御部12は、1フレーム前の映像データと現在の映像データとの差分に対応する強調レベルを求め、該強調レベルにしたがって現在の映像データのレベル補正を行い、それを出力信号として表示ドライバ13に出力する。
【0007】
表示ドライバ13は、OD駆動制御部12から送られてきた画像データを用いて、液晶表示パネル14のゲート電極とソース電極とを駆動することで、液晶表示パネル14に画像を表示させる。
【0008】
オーバードライブは、一時的に高い電圧を与えることにより、液晶の応答を速くするものであるが、応答速度は、液晶の温度等の経時的な要因や液晶表示パネル14の劣化等の経年的な要因によって変化する。しかし、上記のオーバードライブは、時間的に前後する2つの映像データと、所定の強調レベルとから現在の映像データのレベル補正を行うのみであるため、温度変化や液晶表示パネル14の劣化等による応答速度の変化を現在の映像データのレベル補正に反映させることができず、表示品質の向上が望めないという問題がある。
【0009】
そこで、従来、温度センサによって液晶表示パネルの温度を測定し、この測定値を加味して、与える電圧の最適値を求める方法が採用されている。
【0010】
図12は、このようなオーバードライブを行う回路構成を示すブロック図である。
【0011】
同図で、表示すべきデータは画像データ入力部21からOD駆動制御部22に送出される。OD駆動制御部22には、表示対象の液晶表示パネル24に対して取り付けられた温度センサ25からの検出信号が入力される。OD駆動制御部22は、1フレーム前の映像データと現在の映像データとの差分と上記温度センサ25で検出する液晶表示パネル24の温度とから対応する強調レベルを求め、該強調レベルにしたがって現在の映像データのレベル補正を行い、それを出力信号として表示ドライバ23に出力する。
【0012】
表示ドライバ23は、OD駆動制御部22から送られてきた画像データを用いて、液晶表示パネル24のゲート電極とソース電極とを駆動することで、液晶表示パネル24で画像を表示させる。
【0013】
この方法では、液晶表示パネル24の温度変化による液晶の応答速度の変化を加味して現在の映像データのレベル補正を行うため、表示品質を一定程度向上させることができるが、液晶表示パネル24の劣化等の経年的な要因による応答速度の変化が反映されていないため、適切なオーバードライブ駆動を実現できない場合がある。このような場合、補正量(強調レベル)が最適値からずれることによって、階調のずれや尾引き現象等のような画質の低下を招くという不具合を生じる。
【0014】
そこで、液晶表示パネルの表示面に輝度センサを設けて液晶表示パネルを透過する光を検出して液晶の応答速度を直接検出し、この応答速度に基づいて、与える電圧の最適値(強調レベル)を求める方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0015】
図13は、このようなオーバードライブを行う回路構成を示すブロック図である。
【0016】
同図で、表示すべきデータは画像データ入力部31からOD駆動制御部32に送出される。応答速度算出部36には、輝度センサ35からの検出信号が入力される。液晶表示パネル34には、画像の表示領域以外の領域に応答速度測定領域が設けられており、この応答速度測定領域に対向するように測定部である輝度センサ35が設けられている。
【0017】
応答速度算出部36は、応答速度測定領域内の液晶に対して液晶駆動電圧(測定用電圧)が印加された時点から液晶の応答遅延によってセンサ出力(輝度センサ35の出力電圧)が徐々に増加し、センサ出力が所定の閾値を超えるまでの時間に基づいて、液晶の応答速度を算出する。
【0018】
OD駆動制御部32には、応答速度算出部36で算出された応答速度が入力される。OD駆動制御部32は、1フレーム前の映像データと現在の映像データとの差分と液晶の応答速度とに対応する強調レベルを求め、該強調レベルにしたがって現在の映像データのレベル補正を行い、それを出力信号として表示ドライバ33に出力する。
【0019】
表示ドライバ33は、OD駆動制御部32から送られてきた画像データを用いて、液晶表示パネル34のゲート電極とソース電極とを駆動することで、液晶表示パネル34で画像を表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開2007−279304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、輝度センサ35の測定値に基づいて液晶表示パネル34の応答速度を算出する上記方法には、液晶表示パネル34のバックライトがPWM調光する場合、輝度センサ35による実測値の変化が、液晶駆動によるものか、あるいはPWM調光によるものかの区別ができず、正確な応答速度を得ることができないという問題がある。
【0022】
この問題を、図14を用いて説明する。図14(a)に示すように、バックライト駆動では一般的に約49kHzで発振するパルスが用いられる。また、液晶表示パネルの中間階調における応答速度は、図14(b)の実線で示した20ms程度であり、液晶表示パネル表面からは図14(c)のようなパルスが透過することとなる。バックライトのPWM調光は、図14(d)に示すような150Hz程度の周波数で行われ、例えばデューティ50%ではバックライトの駆動パルスは図14(a’)のような形状となる。このPWM調光の結果、液晶表示パネル34を透過するパルスは、図14(c’)に示すような一部が欠落したものとなり、表示面に設けた輝度センサ35では正確な応答速度を得ることができない。
【0023】
この問題は、バックライトがPWM調光する場合に限らず、パルス駆動する場合には常に発生する。
【0024】
また、上記方法では、応答速度を算出するために、表示面に測定用のパターンを表示させることになるが、バックライトが可視光であるため、測定用パターンの表示が邪魔になり、ユーザーの視認性を阻害してしまうという問題がある。
【0025】
さらに、上記方法では、バックライトの輝度が変わる場合、入力画像信号に対応する輝度値(目標値)を再設定するか、または、バックライトの全ての輝度に応じて、入力画像信号に対応する輝度値(目標値)を予め設定しておかなければならず、応答速度測定の際の手間や液晶表示装置の設計・製造の工数が増えるという不都合が生じる。
【0026】
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、バックライトがパルス駆動する場合においても正確な応答速度を算出することができる表示装置の応答速度算出システム、および応答速度算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明による請求項1記載の表示装置の応答速度算出システムは、パルス駆動する第1の光源と、前記第1の光源の波長範囲と異なる波長範囲で発光する第2の光源と、前記第1の光源が発する光を透過し、入力画像信号に応じて透過量を変化させて画像を表示する表示部と、前記第2の光源が発する前記表示部を透過した光の光量を測定するために前記表示部の表示面側に取り付けられる測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記表示部の応答速度を算出する応答速度算出部と、を具備したことを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、第1の光源がパルス駆動する光源であっても、第1の光源が発する光の波長範囲と異なる波長範囲の光を発する第2の光源を第1の光源側に設置し、液晶層を透過した第2の光源が発する光を、表示面側に取り付けられた測定部によって検出し、この測定結果に基づいて表示部の応答速度を算出することにより、パルス駆動する第1の光源の光に干渉されずに、正確に液晶表示部の応答速度を算出することができる。
【0029】
本発明による請求項2記載の表示装置の応答速度算出システムは、パルス駆動する第1の光源と、前記第1の光源の発光期間に消灯し、前記第1の光源の消灯期間に発光するように、前記第1の光源と同期してパルス駆動する第2の光源と、前記第1の光源が発する光を透過し、入力画像信号に応じて透過量を変化させて画像を表示する表示部と、前記第1の光源と前記第2の光源が発する前記表示部を透過した光の光量を測定するために前記表示部の表示面側に取り付けられる測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記表示部の応答速度を算出する応答速度算出部と、を具備したことを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、第1の光源がパルス駆動する場合であっても、第1の光源の消灯期間に発光し、発光期間に消灯する第2の光源を第1の光源側に設け、表示部を透過した第1の光源が発する光と第2の光源が発する光の光量を前記表示部の表示面側に取り付けられる測定部によって測定し、この測定結果に基づいて応答速度を算出することにより、第1の光源のパルス駆動に干渉されずに、正確に応答速度を算出することが可能となる。
【0031】
本発明による請求項3記載の表示装置の応答速度算出システムは、上記請求項1または請求項2に記載の表示装置の応答速度算出システムにおいて、前記表示部は、実画像表示エリアと非実画像表示エリアとを有し、前記測定部は、前記非実画像表示エリアを透過した光量を測定するためにベゼル内に設けられたことを特徴とする。
【0032】
ここで、実画像表示エリアとは、ユーザーに伝達される情報(実画像)を表示するために予め設定される領域であり、縦3:横4、縦9:横16、縦4:横5、等のアスペクト比を有する。これに対し、非実画像表示エリアとは、何らの情報を表示しないか、または、ユーザーへの伝達が想定されていない情報を表示するために、実画像表示エリアの辺縁に予め設定される領域である。
【0033】
この構成によれば、ベゼル内に設けられた前記測定部が、前記非実画像表示エリアを透過した光量に基づいて応答速度を算出することにより、ユーザーの視認性を阻害せずに、応答速度を算出することが可能となる。
【0034】
本発明による請求項4記載の表示装置の応答速度算出システムは、上記請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の表示装置の応答速度算出システムにおいて、前記表示部にはテストパターンが表示され、前記測定部は、前記テストパターンを透過した光量を測定することを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、測定部がテストパターンを透過した光量を測定することにより、正確に応答速度を算出することが可能となる。
【0036】
本発明による請求項5記載の応答速度算出方法は、パルス駆動する第1の光源と、前記第1の光源の波長範囲と異なる波長範囲で発光する第2の光源と、前記第1の光源が発する光を透過し、入力画像信号に応じて透過量を変化させて画像を表示する表示部とを有する表示装置の前記表示部の応答速度を算出する方法であって、前記表示部の透過量を変化させ、前記第2の光源が発する前記表示部を透過した光の光量を測定し、前記測定結果に基づいて前記表示部の応答速度を算出することを特徴とする。
【0037】
本発明による請求項6記載の応答速度算出方法は、パルス駆動する第1の光源と、前記第1の光源の発光期間に消灯し、前記第1の光源の消灯期間に発光するように、前記第1の光源と同期してパルス駆動する第2の光源と、前記第1の光源が発する光を透過し、入力画像信号に応じて透過量を変化させて画像を表示する表示部とを有する表示装置の前記表示部の応答速度を算出する方法であって、前記表示部の透過量を変化させ、前記第1の光源と前記第2の光源が発する前記表示部を透過した光の光量を測定し、前記測定結果に基づいて前記表示部の応答速度を算出することを特徴とする。
【0038】
本発明による請求項7記載の表示装置の応答速度算出システムは、上記請求項1に記載の表示装置の応答速度算出システムにおいて、前記第1の光源の波長範囲と異なる波長範囲で発光する第2の光源は、不可視光であることを特徴とする。
【0039】
本発明による請求項8記載の応答速度算出方法は、上記請求項5に記載の応答速度算出方法において、前記第1の光源の波長範囲と異なる波長範囲で発光する第2の光源は、不可視光であることを特徴とする。
【0040】
本発明による請求項9記載の画像表示装置は、請求項1〜4または7のいずれかに記載の応答速度算出システムを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、第1の光源がパルス駆動する光源であっても、正確な応答速度を算出することが可能となる。
【0042】
また、第2の光源が発する光を不可視光(例えば、赤外線光)にすることにより、ユーザーの視認性を阻害せずに、応答速度を測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る表示装置の応答速度算出システムの機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る液晶表示装置の構成を示す概略図である。
【図3】実画像表示エリアの一部に応答速度測定のためのテストパターンを表示させた図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る液晶表示装置の回路構成を示すブロック図である。
【図5】応答速度の測定ポイントを示す図である。
【図6】本発明の実施形態1によって算出された応答速度を用いたオーバードライブ補正に係る液晶表示装置の回路構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態1によって算出された応答速度を用いたオーバードライブ補正の制御フローである。
【図8】本発明の実施形態2に係る液晶表示装置の構成を示す概略図である。
【図9】本発明の実施形態2におけるバックライト67と第2バックライト88の発光関係を示す図である。
【図10】本発明の実施形態2に係る液晶表示装置の回路構成を示すブロック図である。
【図11】従来の一般的なオーバードライブ駆動の液晶表示装置の回路構成を示すブロック図である。
【図12】従来の温度センサを使用したオーバードライブ駆動の液晶表示装置の回路構成を示すブロック図である。
【図13】従来の輝度センサを使用したオーバードライブ駆動の液晶表示装置の回路構成を示すブロック図である。
【図14】従来のバックライト駆動パルスと液晶表示パネルからの透過光の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0045】
図1は、本発明に係る表示装置の応答速度算出システム50の機能ブロック図である。応答速度算出システム50は、第1の光源57と、第2の光源58と、表示部54と、測定部55と、応答速度算出部56とを具備する。応答速度算出システム50の応答速度算出部56は、図1(A)に示すように、表示装置40に接続されたコンピュータ41に搭載される場合と、図1(B)に示すように、表示装置40に搭載される場合がある。
【0046】
ここで、請求項に記載されている要素と、後述する実施形態における要素との対応関係を示す。第1の光源57はバックライト67に、第2の光源58は、実施形態1においては赤外線光源68、実施形態2においては第2バックライト88に、表示部54は液晶表示部64に、測定部55は、実施形態1においては赤外線センサ65に、実施形態2においては輝度センサ85に、応答速度算出部56は、実施形態1においては応答速度算出部66に、実施形態2においては応答速度算出部86に、それぞれ該当する。
【0047】
(実施形態1)
実施形態1は、請求項1、請求項3ないし請求項5、請求項7、および請求項8に記載の発明に係る表示装置の応答速度算出システムを、カラーTFT液晶パネルを用いた液晶表示装置に適用した場合の実施形態である。
【0048】
図2は、本実施形態1に係る液晶表示装置の構成を示す概略図であり、図2(A)は、液晶表示部64と赤外線センサ65との間を空けて示した斜視図、図2(B)は側面図である。液晶表示装置60は、液晶表示部64とバックライト67と赤外線センサ65と赤外線光源68と図示しないベゼルを有するフロントカバー、および、これらを制御する回路等とから構成される。
【0049】
液晶表示部64は、ゲート電極とソース電極とにより制御される複数の画素をマトリクス状に配置した実画像表示エリア69と非実画像表示エリア100とを有する。実画像表示エリア69は、ユーザーに伝達される情報(実画像)を表示するために予め設定される領域であり、縦3:横4、縦9:横16、縦4:横5、等のアスペクト比を有する。これに対し、非実画像表示エリア100は、何らの情報を表示しないか、または、ユーザーへの伝達が想定されていない情報、とりわけ、応答速度測定のためのテストパターンTPを表示するために、実画像表示エリア69の辺縁に予め設定される領域である。
【0050】
バックライト67は、可視光を発する光源であり、PWM調光する光源である。赤外線光源68は、赤外線光を発するDC駆動する光源であり、バックライト67の波長範囲とは異なる波長範囲で発光する。赤外線光源68は、バックライト67の背面に設けられた採光穴に赤外線光を入射させることができる位置に設置される。本実施形態では、赤外線光源68は、液晶表示部64の表示面に向って右下側に設置される。
【0051】
赤外線センサ65は、液晶表示部64の表示面に向かって右下側の図示しないベゼル内に配設され、赤外線光源68が発する赤外線光を検出する。
【0052】
非実画像表示エリア100は、液晶表示装置60を構成する図示しないフロントカバーのベゼルによって、外観からは認識できないように赤外線センサ65とともにカバーされる。
【0053】
本実施形態では、液晶表示部64の応答速度を測定する際、液晶表示部64の非実画像表示エリア100の一部(非実画像表示エリア100に向って右側)には、応答速度測定のためのテストパターンTPが表示される。
【0054】
図4は、本実施形態1に係る液晶表示装置60の回路構成を示すブロック図である。
【0055】
同図で、表示すべきデータは画像データ入力部61から表示ドライバ63に送出される。液晶表示部64は、赤外線光源68が発する赤外線光およびバックライト67が発する可視光を透過する。赤外線センサ65は、液晶表示部64を透過した赤外線光源68が発する赤外線光およびバックライト67が発する可視光のうち、赤外線光源68が発する赤外線光のみを検出する。
【0056】
なお、バックライト67が発する赤外線成分の量は、赤外線光源68が発する赤外線光の検出にあたっては誤差レベルであると考えられるため、赤外線センサ65は、赤外線光源68が発する赤外線光のみを検出することができる。なお、誤差レベルを超える量の赤外線をバックライト67が放出する場合は、赤外線光源68の出力レベルを上げて、バックライト67が発する赤外線成分を誤差レベルにする方法や、赤外線光源68および赤外線センサ65の検出波長をバックライト67が発する赤外線波長からずらす方法等により、赤外線センサ65に、赤外線光源68が発する赤外線光のみを検出させることができる。
【0057】
応答速度算出部66には、赤外線センサ65からの検出信号が入力される。応答速度算出部66は、赤外線センサ65で検出する光量を用いて、液晶表示部64の液晶の応答速度を算出する。
【0058】
次に、応答速度算出部66における応答速度算出方法について説明する。
【0059】
赤外線センサ65の出力から液晶表示部64の応答速度を算出する方法には、コンパレータを使用する方法もあるが、本実施形態では、精度の高いADコンバータを使用する方法を採用する。
【0060】
図5は、応答速度の測定ポイントを示す図である。図5(A)は、オーバードライブがかかっていない場合またはオーバードライブ不足の場合の応答速度の測定ポイントを示す図であり、図5(B)は、オーバードライブ過剰の場合の応答速度の測定ポイントを示す図である。
【0061】
サンプリング間隔は、1ms程度で十分である。液晶の応答速度は一般に5〜30ms程度であるので、応答速度が約15usの赤外線センサと、応答速度がmax.66.6us程度のADコンバータとを使用することにより、液晶の応答速度を十分に細かくサンプリングすることができる。
【0062】
液晶表示部64に応答速度測定用のテストパターンTPが入力されると、階調の変化に伴って、ある時点から赤外線センサ65の出力値が変化し始め、応答速度以上の時間が経過すると、センサ出力値は安定する。その期間において、赤外線センサ65が出力する初期値PSと終了時の値PEの間隔を100%とし、出力値が初期値PSから±10%以上に達した時間(開始時測定ポイントP1)と出力値が終了時の値PEから±10%以内に達した時間(終了時測定ポイントP2)を求めることにより、応答速度を算出することができる。
なお、上記テストパターンTPは、液晶表示部64のうち少なくとも赤外線センサ65が測定する領域に含まれる全ての画素を、予め決められた2つ以上の階調値で交互に表示させたものである。また、階調差が小さく出力が小さい場合は、赤外線センサ65の出力側にアンプを追加して、ゲインを調整してもよい。
【0063】
本実施形態の実施によって算出された応答速度を、液晶表示装置60の品質管理(例えば、液晶パネルの劣化度合いの評価、等)に用いることができる。また、以下に述べるように、液晶表示装置60のオーバードライブ補正に用いることができる。
【0064】
次に、本実施形態によって算出された応答速度を用いたオーバードライブ補正について説明する。
【0065】
図6は、本実施形態1によって算出された応答速度を用いたオーバードライブ補正に係る液晶表示装置70の回路構成を示すブロック図である。なお、図6に記載する各ブロックが、図4記載の各ブロックと実質的に同一の場合は、該ブロックに同一の符号を付す。
【0066】
同図で、OD駆動制御部72は、応答速度算出部66で算出された応答速度と、1フレーム前の映像データと現在の映像データの差分に対応する強調レベルとに基づいて、該強調レベルの補正レベルを算出し、該補正レベルにしたがって現在の映像データのレベル補正を行い、それを出力信号として表示ドライバ63に出力する。表示ドライバ63は、OD駆動制御部72から送られてきた画像データを用いて、TFT液晶パネルで構成される液晶表示部64のゲート電極とソース電極とを駆動することで、液晶表示部64で画像を表示させる。
【0067】
次に、図7を参照して、本実施形態によって算出された応答速度を用いたオーバードライブ補正の制御フローについて説明する。なお、以下では、液晶表示部64は、0階調から255階調の範囲で駆動可能なものとして説明するが、本発明は、これに限定されるものではなく、駆動範囲は255階調以上であっても以下であってもよい。
【0068】
液晶の応答速度は、一般に、黒(0階調)→白(255階調)および白(255階調)→黒(0階調)が最も速い。そこで、最初に黒(0階調)→白(255階調)に要する応答速度V1および白(255階調)→黒(0階調)に要する応答速度V2を測定し、グレイ(中間階調)を含めた応答速度V3〜VnをV1、V2に近づけるように補正する。
【0069】
制御フローは以下のとおりである。黒(0階調)→白(255階調)の応答速度V1および白(255階調)→黒(0階調)の応答速度V2を測定する(ステップST1)。次に黒(0階調)→グレイ(中間階調)、グレイ(中間階調)→黒(0階調)、白(255階調)→グレイ(中間階調)、グレイ(中間階調)→白(255階調)、グレイ(中間階調)→グレイ(中間階調)の各階調間の応答速度V3〜Vnを測定する(ステップST2)。上記ステップST2で測定した応答速度V3〜Vnと、上記ステップST1の二つの応答速度V1、V2とを比較する(ステップST3)。V1、V2とV3〜Vnの応答速度の差分が所定値(±3ms程度)を超えるものがあれば、オーバードライブを調整し(ステップST4)、再度応答速度V3〜Vnを測定する(ステップST2)。ステップST3では、応答速度の差分が上記所定値を下回るまで上記ステップST4およびST2を繰り返す。ステップST3で所定値内にあれば補正を終了とする(ステップST5)。
【0070】
次に、ステップST4におけるオーバードライブの調整について、さらに詳しく説明する。ここでは、赤外線センサ75で検出した応答速度をフィードバックすることにより、V3〜VnとV1、V2のずれを小さくするようにオーバードライブ量を調整する。
【0071】
オーバードライブの強弱の調整は、応答速度V3〜Vnの終了時測定ポイントP2(図5参照)と応答速度V1、V2との比較から以下のように決定される。
【0072】
(A)終了時測定ポイントが90%から100%の点にあり(図5(A)のP2)、かつ、V3〜VnがV1、V2よりも長い場合には、オーバードライブを強くする。
(B)終了時測定ポイントが90%から100%の点にあり(図5(A)のP2)、かつ、V3〜VnがV1、V2よりも短い場合には、オーバードライブを弱くする。
(C)終了時測定ポイントが110%から100%の点にあり(図5(B)のP2)、かつ、V3〜VnがV1、V2よりも長い場合には、オーバードライブを弱くする。
(D)終了時測定ポイントが110%から100%の点にあり(図5(B)のP2)、かつ、V3〜VnがV1、V2よりも短い場合には、オーバードライブを弱くする。
【0073】
通常、応答速度は、到達すべき光量に対し10%から90%の光量に達するまでの時間を計測する。つまり、上記(A)(B)がそれに該当する。上記(C)(D)については、オーバードライブが過剰にかかり、図5(B)に示すようなオーバーシュートが発生している場合を想定している。オーバーシュートは画質の劣化を招くため、応答速度V3〜Vnと応答速度V1、V2との比較結果にかかわらず、常にオーバードライブを弱くするように調整する。
【0074】
以上に述べた如く、本実施形態によれば、DC駆動する赤外線光源が発する赤外線光に基づいて液晶の応答速度を測定するので、バックライトがPWM調光する場合であっても、該PWM調光に干渉されずに正確な応答速度を算出することができる。
【0075】
そして、本実施形態によって算出された応答速度を用いて、オーバードライブの強調レベルを補正したり、ディスプレイの品質管理をしたりすることができる。
【0076】
加えて、本実施形態では、応答速度測定のためのテストパターンTPを赤外線光によって表示するので、テストパターンTPを可視光によって表示する場合に比し、ユーザーの視認性を阻害せずに応答速度を測定することができる。
【0077】
さらに、本実施形態では、赤外線光源68の輝度を一定にする。このため、バックライト67の輝度が変化する場合であっても、入力画像信号と輝度値(目標値)の対応テーブルを一つ持てばよく、簡易迅速に応答速度を算出することができる。
【0078】
なお、本実施形態では、赤外線光源68は、バックライト67の背面側の、液晶表示部64の表示面に向って右下側に設置されるものとして説明したが、これに限らず、赤外線光源68は、液晶表示部64の表示面に向って左上側、右上側、左下側、中央等、バックライト67の背面側の任意の位置に設置することができる。
【0079】
また、本実施形態では、赤外線光源68は、バックライト67の背面側に設置されるものとして説明したが、これに限らず、バックライト67の内部に設置してもよい。
【0080】
また、本実施形態では、赤外線センサ65は、液晶表示部64の表示面に向って右下側のベゼル内部に配設されるものとして説明したが、これに限らず、赤外線センサ65は、液晶表示部64の表示面に向って左上側、右上側、左下側、中央等、液晶表示部64を透過した赤外線光源68が発する赤外線光を検出できる位置であれば、ベゼル内の任意の位置に設置することができる。
【0081】
また、本実施形態では、非実画像表示エリア100は、実画像表示エリア69の下端に設定されるものとして説明したが、これに限らず、非実画像表示エリア100は、実画像表示エリア69の上端、または左右いずれかの側端に設定されてもよい。該エリアは、カラーフィルタがあえて形成されず、モノクロの画像が表示されるようにしてもよい。カラーフィルタを形成しないことで、これに遮断された一部赤外線領域の透過光も検出することが可能となり、より高精度の応答速度測定が可能となる。
【0082】
また、本実施形態では、液晶表示部64の応答速度測定のためのテストパターンTPを、非実画像表示エリア100上に表示させるものとして説明したが、これに限らず、図3に示すように、実画像表示エリア69に、応答速度測定のためのテストパターンTPを表示させるようにしてもよい。
【0083】
この場合、赤外線センサ65は、ベゼル内部ではなく、実画像表示エリア69上に、実画像表示エリア69に対向するように設置されてもよい。赤外線センサ65は、液晶表示部64を透過した赤外線光源68が発する赤外線光を検出できる位置であれば、実画像表示エリア上の任意の位置に設置することができる。赤外線センサ65を、液晶表示装置60に接着させず、液晶表示装置60と距離を置いて設置してもよい。
【0084】
また、実画像表示エリア69にテストパターンTPを表示させる場合、赤外線センサ65を、液晶表示部64の応答速度を測定するときだけ、実画像表示エリア上の測定領域に移動させ、それ以外のときはベゼル内に退避させるスイングアーム式の検出機構としてもよい。
【0085】
また、実画像表示エリア69にテストパターンTPを表示させる場合、応答速度測定のためのテストパターンTPを表示させず、実画像の表示に基づいて応答速度を算出するようにしてもよい。
【0086】
また、本実施形態では、液晶表示部64の表示面側の任意の一箇所で応答速度を測定するようにしたが、テストパターンTPを液晶表示部64の表示面上の複数個所に表示させ、これに応じて複数の赤外線光源68と赤外線センサ65を設置することにより、複数個所の応答速度を測定するようにしてもよい。この測定結果を用いて、液晶表示部64全面における応答速度の均一性を保持するオーバードライブ補正が可能となる。
【0087】
また、本実施形態では、バックライト67がPWM調光することを前提としたが、PWM調光しなくても、パルス駆動する光源であればよい。
【0088】
(実施形態2)
実施形態2は、請求項2ないし請求項4、請求項6に記載の発明に係る表示装置の応答速度算出システムを、カラーTFT液晶パネルを用いた液晶表示装置に適用した場合の実施形態である。
【0089】
図8は、本発明の実施形態2に係る液晶表示装置の構成を示す概略図であり、図2(A)は、液晶表示部64と輝度センサ85との間を空けて示した斜視図、図2(B)は側面図である。液晶表示装置60は、液晶表示部64とバックライト67と第2のバックライト88と輝度センサ85と図示しないベゼルを有するフロントカバー、および、これらを制御する回路等とから構成される。
【0090】
以下、実施形態1と実質的に同一のものには同一の符号を付し、異なる部分を中心に説明する。
【0091】
図9は、バックライト67と第2バックライト88の発光関係を示す図である。バックライト67は、可視光を発する光源であり、図9(b)に示すようにPWM調光する光源である。第2バックライト88は、図9(c)に示すようにバックライト67の発光期間には消灯し、バックライト67の消灯期間には発光するように、バックライト67と同期してPWM調光する光源であり、バックライト67と同一の可視光を発する光源である。第2バックライト88は、バックライト67の背面に設けられた採光穴に可視光を入射させることができる位置に設置される。輝度センサ85は、液晶表示部64に向かって右下側のフロントカバーのベゼル内に配設され、バックライト67と第2バックライト88が発する可視光の合計の光量を検出する。
【0092】
なお、バックライト67と第2バックライト88は、輝度センサ85において同一の光量を検出するように調整される。
【0093】
図10は、本実施形態2に係る液晶表示装置80の回路構成を示すブロック図である。
【0094】
同図で、液晶表示部64は、第2バックライト88が発する可視光およびバックライト67が発する可視光を透過する。輝度センサ85は、液晶表示部64を透過したバックライト67および第2バックライト88が発する可視光の合計の光量(図9(d))を検出する。応答速度算出部86には、輝度センサ85からの検出信号が入力される。応答速度算出部86は、輝度センサ85で検出する液晶表示部64の所定階調の画素に対する光量を用いて、実施形態1に記載した方法と同一の方法により、液晶の応答速度を算出する。
【0095】
以上に述べた如く、本実施形態によれば、バックライト67と第2バックライト88の相互補完により常時点灯の状態にすることができるので、バックライト67がPWM調光する場合であっても、該PWM調光に干渉されずに正確な応答速度を算出することができる。そして、上記実施形態によって算出された応答速度を用いて、オーバードライブの強調レベルを正確に補正したり、液晶表示装置80の品質管理をしたりすることができる。
【0096】
なお、上述した各実施形態は、テストパターンTPを液晶表示部64の一部に表示させ、該テストパターンTPを輝度センサ85によって測定するものとしたが、テストパターンTPを液晶表示部64の全体に表示させ、該テストパターンTPを輝度センサ85によって測定するようにしてもよい。これにより、液晶表示部上の任意の領域の応答速度を算出することができ、応答速度のムラを補正することが可能となる。
【0097】
この場合、テストパターンTPを表示させずに、実画像に基づいて、液晶表示部上の任意の領域の応答速度を算出するようにしてもよい。
【0098】
なお、上述した各実施形態は、本発明をカラーTFT液晶パネルを用いた液晶表示装置に適用した場合について説明したものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、MEMSディスプレイ等の透過型の表示装置に同様に適用することができる。
【0099】
その他、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の表示装置の応答速度算出システムおよび応答速度算出方法は、パーソナルコンピュータで使用される表示装置やテレビ受信機などの電子機器への適用が可能である。
【0101】
(他の発明としての開示)
本件明細書に開示したシステムまたは方法の一部を、下記に述べるシステムまたは方法として把握することもできる。
【0102】
(1)請求項1記載の発明に関し、第1の光源をDC駆動し、かつ、可視光を発する光源とし、第2の光源を不可視光を発する光源とする発明として把握してもよい。これにより、ユーザーの視認性を阻害せずに応答速度を算出することができる。
【0103】
(2)また、請求項1記載の発明に関し、第1の光源および第2の光源を、DC駆動し、かつ、可視光を発する光源とし、第2の光源の輝度を一定とし、かつ、常に第1の光源の輝度よりも高く設定することを特徴とする発明として把握することもできる。これにより、入力画像信号に対応する輝度値(目標値)を第2の光源に基づいて設定することで、第1の光源の輝度が変化する場合であっても、第2の光源が発する光に基づいて応答速度を正確かつ迅速に算出することができる。
【符号の説明】
【0104】
11・・・・・画像データ入力部
12・・・・・OD駆動制御部
13・・・・・表示ドライバ
14・・・・・液晶表示パネル
21・・・・・画像データ入力部
22・・・・・OD駆動制御部
23・・・・・表示ドライバ
24・・・・・液晶表示パネル
25・・・・・温度センサ
31・・・・・画像データ入力部
32・・・・・OD駆動制御部
33・・・・・表示ドライバ
34・・・・・液晶表示パネル
35・・・・・輝度センサ
36・・・・・応答速度算出部
40・・・・・表示装置
41・・・・・コンピュータ
50・・・・・応答速度算出システム
54・・・・・表示部
55・・・・・測定部
56・・・・・応答速度算出部(算出部)
57・・・・・第1の光源
58・・・・・第2の光源
60・・・・・液晶表示装置
61・・・・・画像データ入力部
63・・・・・表示ドライバ
64・・・・・液晶表示部(表示部)
65・・・・・赤外線センサ(測定部)
66・・・・・応答速度算出部(算出部)
67・・・・・バックライト(第1の光源)
68・・・・・赤外線光源(第2の光源)
69・・・・・実画像表示エリア
72・・・・・OD駆動制御部
70・・・・・液晶表示装置
80・・・・・液晶表示装置
85・・・・・輝度センサ(測定部)
86・・・・・応答速度算出部
88・・・・・第2バックライト(第2の光源)
100・・・・非実画像表示エリア
TP・・・・・テストパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス駆動する第1の光源と、
前記第1の光源の波長範囲と異なる波長範囲で発光する第2の光源と、
前記第1の光源が発する光を透過し、入力画像信号に応じて透過量を変化させて画像を表示する表示部と、
前記第2の光源が発する前記表示部を透過した光の光量を測定するために前記表示部の表示面側に取り付けられる測定部と、
前記測定部による測定結果に基づいて前記表示部の応答速度を算出する応答速度算出部と、
を具備したことを特徴とする表示装置の応答速度算出システム。
【請求項2】
パルス駆動する第1の光源と、
前記第1の光源の発光期間に消灯し、前記第1の光源の消灯期間に発光するように、前記第1の光源と同期してパルス駆動する第2の光源と、
前記第1の光源が発する光を透過し、入力画像信号に応じて透過量を変化させて画像を表示する表示部と、
前記第1の光源と前記第2の光源が発する前記表示部を透過した光の光量を測定するために前記表示部の表示面側に取り付けられる測定部と、
前記測定部による測定結果に基づいて前記表示部の応答速度を算出する応答速度算出部と、
を具備したことを特徴とする表示装置の応答速度算出システム。
【請求項3】
前記表示部は、実画像表示エリアと非実画像表示エリアとを有し、
前記測定部は、前記非実画像表示エリアを透過した光量を測定するためにベゼル内に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の表示装置の応答速度算出システム。
【請求項4】
前記表示部にはテストパターンが表示され、前記測定部は、前記テストパターンを透過した光量を測定することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の表示装置の応答速度算出システム。
【請求項5】
パルス駆動する第1の光源と、
前記第1の光源の波長範囲と異なる波長範囲で発光する第2の光源と、
前記第1の光源が発する光を透過し、入力画像信号に応じて透過量を変化させて画像を表示する表示部と
を有する表示装置の前記表示部の応答速度を算出する方法であって、
前記表示部の透過量を変化させ、前記第2の光源が発する前記表示部を透過した光の光量を測定し、前記測定結果に基づいて前記表示部の応答速度を算出することを特徴とする応答速度算出方法。
【請求項6】
パルス駆動する第1の光源と、
前記第1の光源の発光期間に消灯し、前記第1の光源の消灯期間に発光するように、前記第1の光源と同期してパルス駆動する第2の光源と、
前記第1の光源が発する光を透過し、入力画像信号に応じて透過量を変化させて画像を表示する表示部と
を有する表示装置の前記表示部の応答速度を算出する方法であって、
前記表示部の透過量を変化させ、
前記第1の光源と前記第2の光源が発する前記表示部を透過した光の光量を測定し、
前記測定結果に基づいて前記表示部の応答速度を算出することを特徴とする応答速度算出方法。
【請求項7】
前記第1の光源の波長範囲と異なる波長範囲で発光する第2の光源は、不可視光であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置の応答速度算出システム。
【請求項8】
前記第1の光源の波長範囲と異なる波長範囲で発光する第2の光源は、不可視光であることを特徴とする請求項5に記載の応答速度算出方法。
【請求項9】
請求項1〜4または7のいずれかに記載の応答速度算出システムを具備する画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−208176(P2012−208176A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71833(P2011−71833)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(391010116)株式会社ナナオ (160)
【Fターム(参考)】