表示装置及び映像視聴システム
【課題】液晶層厚さが異なるサブ画素を含む構成でオーバードライブ処理を行っても、画像にむらが発生するのを防止して、画像品質の低下を抑制する。
【解決手段】第1液晶層厚さDrを持つ第1サブ画素と、第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さDbを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有する液晶パネルと、第1、第2サブ画素の第1、第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部212、214と、決定された第1、第2駆動輝度に向けて第1、第2サブ画素を駆動する駆動部220と、を備え、駆動輝度決定部212、214は、第1目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第1目標輝度と第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第1駆動輝度と第2駆動輝度とを決定する。
【解決手段】第1液晶層厚さDrを持つ第1サブ画素と、第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さDbを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有する液晶パネルと、第1、第2サブ画素の第1、第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部212、214と、決定された第1、第2駆動輝度に向けて第1、第2サブ画素を駆動する駆動部220と、を備え、駆動輝度決定部212、214は、第1目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第1目標輝度と第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第1駆動輝度と第2駆動輝度とを決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を表示する表示装置及び映像視聴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置に用いられる液晶パネルは、電極対により駆動される各色のサブ画素を含む画素を有する。入力される画像信号が規定する目標輝度に対応する電圧が電極対に印加されることで、各色のサブ画素の輝度(透過率)が制御される(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の表示装置では、液晶層の厚さが、各色のサブ画素ごとに異なるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−14978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サブ画素を駆動する際には、液晶の応答速度を高めるために、画像信号が規定する目標輝度より過大または過小な駆動輝度を設定し、その駆動輝度に対応する電圧を電極対に印加するオーバードライブ処理が汎用されている。液晶の応答速度は、液晶層の厚さの2乗に反比例することが知られている。したがって、上記特許文献1に記載の表示装置のように、液晶層の厚さが異なるサブ画素を含む構成では、各サブ画素に対して等しいレベルのオーバードライブ値でオーバードライブ処理を行うと、各サブ画素によって達成される輝度が異なる値となる。その結果、表示される画像に輝度むらや色むら等のむらが発生して、画像品質が低下する。
【0005】
本発明は、液晶層の厚さが異なるサブ画素を含む構成でオーバードライブ処理を行っても、画像にむらが発生するのを防止して、画像品質の低下を抑制することができる表示装置及び映像視聴システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る表示装置は、入力される画像信号に基づく画像を表示する表示装置であって、第1液晶層厚さを持つ第1サブ画素と、前記第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有する液晶パネルと、前記第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、前記第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部と、前記駆動輝度決定部により決定された前記第1駆動輝度に向けて前記第1サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部により決定された前記第2駆動輝度に向けて前記第2サブ画素を駆動する駆動部と、を備え、前記駆動輝度決定部は、前記第1目標輝度と前記第2目標輝度とが等しいときは、前記第1目標輝度と前記第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、前記第2目標輝度と前記第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、前記第1駆動輝度と前記第2駆動輝度とを決定することを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、表示装置は、入力される画像信号に基づく画像を表示する。液晶パネルは、第1液晶層厚さを持つ第1サブ画素と、前記第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有する。駆動決定部は、第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する。駆動部は、駆動輝度決定部により決定された第1駆動輝度に向けて第1サブ画素を駆動する。駆動部は、駆動輝度決定部により決定された第2駆動輝度に向けて第2サブ画素を駆動する。駆動輝度決定部は、第1目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第1目標輝度と第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第1駆動輝度と第2駆動輝度とを決定する。
【0008】
したがって、第1液晶層厚さより第2液晶層厚さの方が小さいが、第1目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第1目標輝度と第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第1駆動輝度と第2駆動輝度とを決定しているため、第1サブ画素と第2サブ画素とを、第1目標輝度または第1目標輝度と等しい第2目標輝度に同じように近づけることができる。その結果、画像にむらが発生するのを防止して、画像品質の低下を抑制することができる。
【0009】
上記構成において、前記第1サブ画素と前記第2サブ画素とは、互いに異なる色を表示することが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、第1サブ画素と第2サブ画素とは、互いに異なる色を表示する。第1サブ画素と第2サブ画素とを第1目標輝度または第1目標輝度と等しい第2目標輝度に同じように近づけることができるため、画像に色むらが発生するのを防止して、画像品質の低下を抑制することができる。
【0011】
上記構成において、前記画素は、前記第1サブ画素として赤色を表示する赤色サブ画素を含み、前記第2サブ画素として青色を表示する青色サブ画素を含み、かつ、前記第2液晶層厚さより大きい第3液晶層厚さを持ち緑色を表示する緑色サブ画素を含み、前記駆動輝度決定部は、前記緑色サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記緑色サブ画素に対して規定する第3目標輝度と異なる第3駆動輝度を決定し、前記駆動部は、さらに、前記駆動輝度決定部により決定された前記第3駆動輝度に向けて前記緑色サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部は、前記第3目標輝度と前記第2目標輝度とが等しいときは、前記第3目標輝度と前記第3駆動輝度との間の第3差分値に比べて、前記第2目標輝度と前記第2駆動輝度との間の前記第2差分値が小さくなるように、前記第3駆動輝度と前記第2駆動輝度とを決定することが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、画素は、第1サブ画素として赤色を表示する赤色サブ画素を含み、第2サブ画素として青色を表示する青色サブ画素を含み、かつ、第2液晶層厚さより大きい第3液晶層厚さを持ち緑色を表示する緑色サブ画素を含む。すなわち、青色サブ画素の第2液晶層厚さは、赤色サブ画素の第1液晶層厚さおよび緑色サブ画素の第3液晶層厚さより小さい。これは、白輝度の効率向上やコントラスト向上のためである。駆動輝度決定部は、緑色サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が緑色サブ画素に対して規定する第3目標輝度と異なる第3駆動輝度を決定する。駆動部は、さらに、駆動輝度決定部により決定された第3駆動輝度に向けて緑色サブ画素を駆動する。駆動輝度決定部は、第3目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第3目標輝度と第3駆動輝度との間の第3差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第3駆動輝度と第2駆動輝度とを決定する。
【0013】
したがって、第3液晶層厚さより第2液晶層厚さの方が小さいが、第3目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第3目標輝度と第3駆動輝度との間の第3差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第3駆動輝度と第2駆動輝度とを決定しているため、緑色サブ画素と青色サブ画素とを、第3目標輝度または第3目標輝度と等しい第2目標輝度に同じように近づけることができる。その結果、画像に色むらが発生するのを防止して、画像品質の低下を抑制することができる。
【0014】
上記構成において、前記第1サブ画素の前記第1液晶層厚さを表すデータが記憶されている記憶部をさらに備え、前記液晶パネルの表示面は、第1領域および前記第1領域と異なる第2領域を有し、前記画素は、前記液晶パネルの前記表示面の前記第1領域に配置される第1画素と、前記液晶パネルの前記表示面の前記第2領域に配置される第2画素とを含み、前記記憶部には、前記第1画素に含まれる前記第1サブ画素の前記第1液晶層厚さを表す第1データが前記第1領域と対応付けて記憶され、前記第2画素に含まれる前記第1サブ画素の前記第1液晶層厚さを表し前記第1データと異なる第2データが前記第2領域と対応付けて記憶され、前記駆動輝度決定部は、前記第1領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第1データに基づき、前記第1領域に配置されている前記第1サブ画素の前記第1駆動輝度を決定し、前記第2領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第2データに基づき、前記第2領域に配置されている前記第1サブ画素の前記第1駆動輝度を決定することが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、第1サブ画素の第1液晶層厚さを表すデータが記憶されている記憶部をさらに備える。液晶パネルの表示面は、第1領域および第1領域と異なる第2領域を有する。画素は、液晶パネルの表示面の第1領域に配置される第1画素と、液晶パネルの表示面の第2領域に配置される第2画素とを含む。記憶部には、第1画素に含まれる第1サブ画素の第1液晶層厚さを表す第1データが第1領域と対応付けて記憶され、第2画素に含まれる第1サブ画素の第1液晶層厚さを表し第1データと異なる第2データが第2領域と対応付けて記憶されている。駆動輝度決定部は、第1領域と対応付けて記憶部に記憶されている第1データに基づき、第1領域に配置されている第1サブ画素の第1駆動輝度を決定し、第2領域と対応付けて記憶部に記憶されている第2データに基づき、第2領域に配置されている第1サブ画素の第1駆動輝度を決定する。したがって、第1液晶層厚さを表すデータが、第1領域では第1データで第2領域では第2データと異なっている場合でも、第1領域に配置されている第1サブ画素の第1駆動輝度と第2領域に配置されている第1サブ画素の第1駆動輝度とを、それぞれ好適に決定することができる。
【0016】
上記構成において、前記画像信号は、現フレーム画像を表示するための現フレーム画像信号と、前記現フレーム画像の1つ前に表示される前フレーム画像を表示するための前フレーム画像信号と、を含み、前記液晶パネルは、前記前フレーム画像の後で前記現フレーム画像を表示することが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、画像信号は、現フレーム画像を表示するための現フレーム画像信号と、現フレーム画像の1つ前に表示される前フレーム画像を表示するための前フレーム画像信号と、を含む。液晶パネルは、前フレーム画像の後で現フレーム画像を表示する。したがって、前フレーム画像と現フレーム画像とを好適に表示することができる。
【0018】
上記構成において、前記駆動輝度決定部は、前記現フレーム画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する現目標輝度と前記前フレーム画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する前目標輝度との差をさらに用いて、前記第1駆動輝度を決定し、前記現フレーム画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する現目標輝度と前記前フレーム画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する前目標輝度との差をさらに用いて、前記第2駆動輝度を決定することが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、駆動輝度決定部は、現フレーム画像信号が第1サブ画素に対して規定する現目標輝度と前フレーム画像信号が第1サブ画素に対して規定する前目標輝度との差をさらに用いて、第1駆動輝度を決定する。駆動輝度決定部は、現フレーム画像信号が第2サブ画素に対して規定する現目標輝度と前フレーム画像信号が第2サブ画素に対して規定する前目標輝度との差をさらに用いて、第2駆動輝度を決定する。したがって、現目標輝度と前目標輝度との差に応じて、第1駆動輝度および第2駆動輝度を好適に決定することができる。
【0020】
上記構成において、前記画像信号は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像を表示するための左眼用フレーム画像信号と、右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像を表示するための右眼用フレーム画像信号と、を含み、前記液晶パネルは、前記左眼用フレーム画像と前記右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて、立体的に知覚される画像を表示することが好ましい。
【0021】
上記構成によれば、画像信号は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像を表示するための左眼用フレーム画像信号と、右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像を表示するための右眼用フレーム画像信号と、を含む。液晶パネルは、左眼用フレーム画像と右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて、立体的に知覚される画像を表示する。したがって、立体的に知覚される画像を好適に液晶パネルに表示することができる。
【0022】
本発明の他の局面に係る表示装置は、入力される画像信号に基づく画像を表示する表示装置であって、第1領域および前記第1領域と異なる第2領域を有する表示面と、所定の液晶層厚さを持つ第1サブ画素を含み、前記表示面の前記第1領域に配置される第1画素と、所定の液晶層厚さを持つ第2サブ画素を含み、前記表示面の前記第2領域に配置される第2画素と、を有する液晶パネルと、前記第1サブ画素の前記液晶層厚さを表す第1データが前記第1領域と対応付けて記憶され、前記第2サブ画素の前記液晶層厚さを表し前記第1データと異なる第2データが前記第2領域と対応付けて記憶されている記憶部と、前記第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、前記第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部と、前記駆動輝度決定部により決定された前記第1駆動輝度に向けて前記第1サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部により決定された前記第2駆動輝度に向けて前記第2サブ画素を駆動する駆動部と、を備え、前記駆動輝度決定部は、前記第1領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第1データと前記第1目標輝度とに基づき、前記第1サブ画素の前記第1駆動輝度を決定し、前記第2領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第2データと前記第2目標輝度とに基づき、前記第2サブ画素の前記第2駆動輝度を決定することを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、液晶パネルは、第1領域および第1領域と異なる第2領域を有する表示面と、所定の液晶層厚さを持つ第1サブ画素を含み、前記表示面の前記第1領域に配置される第1画素と、所定の液晶層厚さを持つ第2サブ画素を含み、前記表示面の前記第2領域に配置される第2画素と、を有する。記憶部には、第1サブ画素の液晶層厚さを表す第1データが第1領域と対応付けて記憶され、第2サブ画素の液晶層厚さを表し第1データと異なる第2データが第2領域と対応付けて記憶されている。駆動輝度決定部は、第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する。駆動部は、駆動輝度決定部により決定された第1駆動輝度に向けて第1サブ画素を駆動し、駆動輝度決定部により決定された第2駆動輝度に向けて第2サブ画素を駆動する。駆動輝度決定部は、第1領域と対応付けて記憶部に記憶されている第1データと第1目標輝度とに基づき、第1サブ画素の第1駆動輝度を決定する。駆動輝度決定部は、第2領域と対応付けて記憶部に記憶されている第2データと第2目標輝度とに基づき、第2サブ画素の第2駆動輝度を決定する。したがって、第1領域に配置された第1画素に含まれる第1サブ画素の液晶層厚さを表す第1データと、第2領域に配置された第2画素に含まれる第2サブ画素の液晶層厚さを表す第2データとが異なっているが、第1領域に配置されている第1サブ画素の第1駆動輝度と第2領域に配置されている第2サブ画素の第2駆動輝度とを、それぞれ好適に決定することができる。
【0024】
本発明の他の局面に係る映像視聴システムは、入力される画像信号に基づき、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを表示し、立体的に知覚される画像を提供する表示装置と、前記左眼用フレーム画像が視聴されるように前記左眼へ到達する光量を調整する左眼フィルタと、前記右眼用フレーム画像が視聴されるように前記右眼へ到達する光量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置と、を備え、前記表示装置は、第1液晶層厚さを持つ第1サブ画素と、前記第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有し、前記左眼用フレーム画像と前記右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、前記第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、前記第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部と、前記駆動輝度決定部により決定された前記第1駆動輝度に向けて前記第1サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部により決定された前記第2駆動輝度に向けて前記第2サブ画素を駆動する駆動部と、を備え、前記駆動輝度決定部は、前記第1目標輝度と前記第2目標輝度とが等しいときは、前記第1目標輝度と前記第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、前記第2目標輝度と前記第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、前記第1駆動輝度と前記第2駆動輝度とを決定することを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、表示装置は、入力された画像信号に基づき、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを表示する。眼鏡装置の左眼フィルタは、左眼用フレーム画像が視聴されるように左眼へ到達する光量を調整する。眼鏡装置の右眼フィルタは、右眼用フレーム画像が視聴されるように右眼へ到達する光量を調整する。液晶パネルは、左眼用フレーム画像と右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて表示する。したがって、視聴者は、表示装置が提供する画像を立体的に知覚することができる。
【0026】
液晶パネルは、第1液晶層厚さを持つ第1サブ画素と、前記第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有する。駆動輝度決定部は、第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する。駆動部は、駆動輝度決定部により決定された第1駆動輝度に向けて第1サブ画素を駆動する。駆動部は、駆動輝度決定部により決定された第2駆動輝度に向けて第2サブ画素を駆動する。駆動輝度決定部は、第1目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第1目標輝度と第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第1駆動輝度と第2駆動輝度とを決定する。
【0027】
したがって、第1液晶層厚さより第2液晶層厚さの方が小さいが、第1目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第1目標輝度と第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第1駆動輝度と第2駆動輝度とを決定しているため、第1サブ画素と第2サブ画素とを、第1目標輝度または第1目標輝度と等しい第2目標輝度に同じように近づけることができる。その結果、画像にむらが発生するのを防止して、画像品質の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0028】
上述の如く、本発明に係る表示装置及び映像視聴システムは、第1サブ画素と第2サブ画素とを好適に駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1実施形態に係る映像視聴システム及び表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1に示される映像視聴システムを概略的に示す模式図である。
【図3】液晶パネルの一部を概略的に示す模式図である。
【図4】各色のサブ画素の構成を概略的に示す模式図で、図4(a)は赤色サブ画素を示し、図4(b)は緑色サブ画素を示し、図4(c)は青色サブ画素を示す。
【図5】色フィルタの配列を概略的に示す模式図である。
【図6】第1実施形態に従う表示装置の映像信号処理部の機能構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】X番目のLフレーム画像の左眼期間における映像信号を示した映像信号処理部のブロック図である。
【図8】X番目のRフレーム画像の右眼期間における映像信号を示した映像信号処理部のブロック図である。
【図9】オーバードライブ処理に基づく画素の輝度の変化を表す概略的なタイムチャートである。
【図10】第2実施形態に従う表示装置の映像信号処理部の機能構成を概略的に示すブロック図である。
【図11】第2実施形態に従う液晶パネルの一部を概略的に示す模式図である。
【図12】上記各実施形態と異なる構成のオーバードライブ値決定部を備えた映像信号処理部の機能構成を概略的に示すブロック図である。
【図13】他の駆動方式におけるサブ画素の構成を概略的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態に係る表示装置及び映像視聴システムが図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同様の構成要素に対して同様の符号が付されている。また、説明の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、単に本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とするものであり、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0031】
<第1実施形態>
(映像視聴システムの構成)
図1は、第1実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。図2は、図1に示される映像視聴システムを概略的に示す模式図である。図1及び図2を参照しつつ、映像視聴システムの概略的な構成が説明される。
【0032】
映像視聴システム100は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像(以下、Lフレーム画像と称される)と、右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像(以下、Rフレーム画像と称される)とを含むフレーム画像を表示する表示装置200と、表示装置200が表示するLフレーム画像及びRフレーム画像の視聴を補助する眼鏡装置300とを備える。眼鏡装置300は、視聴者が左眼でLフレーム画像を視聴し、右眼でRフレーム画像を視聴するように、表示装置200によるLフレーム画像及びRフレーム画像の表示に同期した立体視補助動作を行う。この結果、視聴者は、眼鏡装置300を通じて、表示装置200が表示するフレーム画像(Lフレーム画像及びRフレーム画像)を立体的に知覚する(視聴者は、Lフレーム画像及びRフレーム画像中で表現されたオブジェクトを、Lフレーム画像及びRフレーム画像が映し出される表示面に対して、飛び出たように或いは引っ込んだように知覚する)。
【0033】
視力矯正用の眼鏡と同様の形状をなす眼鏡装置300は、視聴者の左眼前に配設される左眼シャッタ311と、視聴者の右眼前に配設される右眼シャッタ312とを含む光学シャッタ部310を備える。左眼シャッタ311は、表示装置200がLフレーム画像を表示しているときに開き、表示装置200がRフレーム画像を表示しているときに閉じる。右眼シャッタ312は、表示装置200がLフレーム画像を表示しているときに閉じ、表示装置200がRフレーム画像を表示しているときに開く。表示装置200がLフレーム画像を表示しているときに、Lフレーム画像から視聴者の左眼へ透過する光路が開かれる一方で、Lフレーム画像から視聴者の右眼へ透過する光路が閉じられるので、視聴者は左眼のみでLフレーム画像を視聴する。同様に、表示装置200がRフレーム画像を表示しているときに、Rフレーム画像から視聴者の右眼へ透過する光路が開かれる一方で、Rフレーム画像から視聴者の左眼へ透過する光路が閉じられるので、視聴者は右眼のみでRフレーム画像を視聴する。本実施形態において、左眼シャッタ311は、左眼フィルタとして例示される。また、右眼シャッタ312は、右眼フィルタとして例示される。左眼フィルタ及び右眼フィルタとして、表示装置200が表示する映像から視聴者の左眼へ到達する光の量(以下、左眼光量と称される)及び視聴者の右眼へ到達する光の量(以下、右眼光量と称される)を調整可能に形成された他の光学素子が用いられてもよい。例えば、左眼フィルタ及び右眼フィルタとして、視聴者の左眼及び右眼へ透過する光を偏光する偏光素子(例えば、液晶フィルタ)や光量を調整可能な他の光学素子が好適に用いられる。左眼フィルタは、Lフレーム画像の表示に同期して、左眼光量を増大させる一方で、Rフレーム画像の表示に同期して、左眼光量を低減させるように制御される。同様に、右眼フィルタは、Rフレーム画像の表示に同期して、右眼光量を増大させる一方で、Lフレーム画像の表示に同期して、右眼光量を低減させるように制御される。
【0034】
表示装置200は、映像信号処理部210、液晶駆動部220、表示部230、第1制御部250、第2制御部240を備える。
【0035】
映像信号処理部210には、基本となる垂直同期周波数を有する映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される。映像信号処理部210は、入力された左眼用映像信号(以下、L信号と称される)と右眼用映像信号(以下、R信号と称される)とを、基本となる垂直同期周波数のK倍(Kは自然数)の周波数で、交互に出力する。本実施形態では、入力された60Hzの映像信号が、120HzのL信号及びR信号に変換される。変換を通じて得られたL信号及びR信号は、液晶駆動部220へ出力される。加えて、映像信号処理部210は、L信号及びR信号の出力に同期して、第1制御部250に制御信号を出力する。
【0036】
表示部230は、バックライト232を備える。第1制御部250は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、表示部230のバックライト232を制御する。映像信号処理部210は、L信号及びR信号の出力に同期して、第2制御部240を制御するための制御信号を出力する。第2制御部240は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、光学シャッタ部310を制御する。第1制御部250及び/又は第2制御部240へ出力される制御信号は、映像信号処理部210による変換後のL信号及び/又はR信号自体であってもよい。代替的に、L信号及び/又はR信号の120Hzの垂直同期信号であってもよい。
【0037】
以下の説明において、L信号に含まれる一の垂直同期信号と、該一の垂直同期信号に続いて入力される後の垂直同期信号との間の映像情報を含む映像信号は、Lフレーム画像信号と称される。また、R信号に含まれる一の垂直同期信号と、該一の垂直同期信号に続いて入力される後の垂直同期信号との間の映像情報を含む映像信号は、以下の説明において、Rフレーム画像信号と称される。Lフレーム画像信号は、Lフレーム画像を表現するために用いられる。同様に、Rフレーム画像信号は、Rフレーム画像を表現するために用いられる。本実施形態において、Lフレーム画像信号及び/又はRフレーム画像信号は、フレーム画像信号として例示される。
【0038】
表示部230は、上述のバックライト232に加えて、液晶を用いてLフレーム画像とRフレーム画像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネル231を備える。液晶パネル231は、幅方向(主走査方向)および上下方向(副走査方向)にマトリックス状に整列された画素P(図3)を備える。バックライト232は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、液晶パネル231に向けて光を出射する。液晶駆動部220は、主走査方向及び副走査方向にフレーム画像信号(Lフレーム画像信号又はRフレーム画像信号)を走査し、液晶パネル231の画素に対応する液晶を駆動する。図2に示されるように、液晶パネル231の幅方向は、フレーム画像信号の主走査方向として例示される。液晶パネル231の上下方向は、フレーム画像信号の副走査方向として例示される。液晶駆動部220は、Lフレーム画像信号とRフレーム画像信号とを交互に走査する。この結果、液晶パネル231にLフレーム画像及びRフレーム画像が時間的に交互に表示される。
【0039】
映像信号処理部210は、1つのLフレーム画像に対応して、L画像信号を生成して液晶駆動部220へ出力する。同様に、映像信号処理部210は、1つのRフレーム画像に対応して、R画像信号を生成して液晶駆動部220へ出力する。
【0040】
液晶駆動部220は、L,R画像信号に含まれる垂直同期信号及び水平同期信号にしたがって、L,R画像信号を、液晶パネル231が表示可能な形式に変換する。液晶駆動部220は、液晶パネル231上のフレーム画像の表示ごとに変換されたフレーム画像信号を用いて、液晶パネル231の走査動作を実行する。
【0041】
上述の液晶駆動部220による液晶の駆動によって、液晶パネル231は、入力されたL,R画像信号に応じて、背面から入射する光を変調する。この結果、液晶パネル231は、左眼で視聴されるように作成されたLフレーム画像と、右眼で視聴されるように作成されたRフレーム画像とを交互に表示する。液晶パネル231には、例えば、IPS(In Plane Switching)方式や、VA(Vertical Alignment)方式やTN(Twisted Nematic)方式といった様々な駆動方式が好適に適用される。この実施形態では、例えばVA方式が適用される。
【0042】
バックライト232は、液晶パネル231の背面から液晶パネル231の表示面に向けて光を照射する。本実施形態において、バックライト232として、面発光するように二次元配列された複数の発光ダイオード(LED)(図示せず)が用いられている。代替的に、バックライト232として、面発光するように配列された複数の蛍光管が用いられてもよい。バックライト232として用いられる発光ダイオードや蛍光管は、液晶パネル231の縁部に配設され、面発光を生じさせてもよい(エッジタイプ)。
【0043】
第1制御部250は、映像信号処理部210から出力された120Hzの制御信号を基準に発光制御信号を出力する。バックライト232は、発光制御信号に基づき明滅可能である。
【0044】
第2制御部240は、眼鏡装置300の光学シャッタ部310を、Lフレーム画像及びRフレーム画像の表示周期に合わせて制御する。第2制御部240は、左眼シャッタ311を制御するための左眼用のフィルタ制御部241(以下、Lフィルタ制御部241と称される)と、右眼シャッタ312を制御するための右眼用のフィルタ制御部242(以下、Rフィルタ制御部242と称される)とを備える。液晶パネル231がLフレーム画像及びRフレーム画像を、例えば、120Hzで交互に表示するとき、Lフィルタ制御部241は、左眼シャッタ311が60Hzの周期で左眼光量を調整する(増減させる)ように眼鏡装置300を制御する。同様に、Rフィルタ制御部242は、右眼シャッタ312が60Hzの周期で右眼光量を調整する(増減させる)ように眼鏡装置300を制御する。
【0045】
図2に示される如く、本実施形態において、表示装置200は、Lフレーム画像の表示に同期する第1同期信号を送信する第1送信部243と、Rフレーム画像の表示に同期する第2同期信号を送信する第2送信部244とを備える。また、眼鏡装置300は、左眼シャッタ311と右眼シャッタ312との間に配設される受信部320を備える。受信部320は、第1同期信号及び第2同期信号を受信する。第1同期信号の波形は、好ましくは、第2同期信号の波形と異なる。受信部320は、受信された同期信号の波形に基づき、第1同期信号と第2同期信号とを識別する。かくして、眼鏡装置300は、第1同期信号に基づき、左眼シャッタ311を動作させる。また、眼鏡装置300は、第2同期信号に基づき、右眼シャッタ312を動作させる。表示装置200と眼鏡装置300との間の同期信号の無線通信並びに眼鏡装置300による同期信号(第1同期信号及び第2同期信号)の内部処理に対して、既知の他の通信技術並びに既知の他の信号処理技術が用いられてもよい。代替的に、表示装置200と眼鏡装置300との間の同期信号(第1同期信号及び第2同期信号)の通信が、有線式に行われてもよい。また、左眼用映像の表示に同期する第1同期信号を送信する第1送信部243と、右眼用映像の表示に同期する第2同期信号を送信する第2送信部244とを共通化して1つの送信部としてもよい。この場合、左眼用映像の表示及び右眼用映像の表示は、共通化された同期信号の立ち上がりに交互に同期されてもよい。
【0046】
Lフィルタ制御部241及びRフィルタ制御部242は、映像信号処理部210からの制御信号を基準とし、左眼シャッタ311による左眼光量の増減周期の位相及び右眼シャッタ312による右眼光量の増減周期の位相を決定する。Lフィルタ制御部241及びRフィルタ制御部242は、決定された位相に従い、第1同期信号及び第2同期信号を出力する。左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312それぞれは、第1同期信号及び第2同期信号に基づき、Lフレーム画像の表示及びRフレーム画像の表示に同期して、左眼光量及び右眼光量を増減させる。
【0047】
第2制御部240は、液晶パネル231の応答特性並びに表示されるLフレーム画像とRフレーム画像との間のクロストーク(相互干渉)を考慮して、左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312それぞれが左眼光量及び右眼光量を増大させている期間(以下、光量増大期間と称される)の長さと、光量増大期間のタイミング(位相)を決定する。Lフィルタ制御部241は、左眼光量に対する光量増大期間の長さ及びタイミングを制御する。Rフィルタ制御部242は、右眼光量に対する光量増大期間の長さ及びタイミングを制御する。
【0048】
映像信号処理部210の120Hzの制御信号に基づき動作する第1制御部250は、左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312による光量調整の動作に同期してバックライト232を発光させる発光制御信号を出力する。バックライト232は、発光制御信号に基づき、明滅することができる。尚、本実施形態において、バックライト232は、第1制御部250の制御下で、常時点灯している。したがって、視聴者がフレーム画像を視聴することができる視聴期間のタイミング及び長さは、眼鏡装置300の光学シャッタ部310の動作によって定められる。
【0049】
代替的に、第1制御部250は、第2制御部240によって調整される光量増大期間中の一部の期間或いは光量増大期間と略一致する期間において、バックライト232を点灯させ、他の期間においてバックライト232を消灯させてもよい。このような第1制御部250によるバックライト232の明滅制御下において、視聴者がフレーム画像を視聴することができる視聴期間のタイミング及び長さは、バックライト232の明滅動作によって定められる。
【0050】
(サブ画素の構成)
図3は、液晶パネル231の一部を概略的に示す模式図である。図4は、各色のサブ画素の構成を概略的に示す模式図である。図4(a)は赤色サブ画素を示し、図4(b)は緑色サブ画素を示し、図4(c)は青色サブ画素を示す。図5は、色フィルタの配列を概略的に示す模式図である。図1、図3乃至図5を用いて、第1実施形態におけるサブ画素の構成が概略的に説明される。
【0051】
図3に示されるように、液晶パネル231は、主走査方向に延びる複数のゲート線と、副走査方向に延びる複数のデータ線と、を含む。図3には、副走査方向に整列したゲート線L1乃至L16及び主走査方向に整列したデータ線M1乃至M32が示されている。各ゲート線L1乃至L16と各データ線M1乃至M32との交点には、画素P及び画素Pに対応するサブ画素Pr,Pg,Pb(図4)がそれぞれ割り当てられる。各ゲート線L1乃至L16と各データ線M1乃至M32とに印加される電圧に応じて、サブ画素の駆動量が定められる。液晶駆動部220は、映像信号処理部210から入力されるフレーム画像信号(Lフレーム画像信号及びRフレーム画像信号)に基づいて、ゲート線L1,L2,・・・上の画素(サブ画素)を順次駆動する走査動作を行う。つまり、液晶駆動部220は、ゲート線L1,L2,・・・上の画素に順次書き込みを行う。
【0052】
図4に示されるように、各サブ画素は、それぞれ液晶を挟む電極対及び色フィルタを備える。すなわち、図4(a)に示されるように、赤色を表示する赤色サブ画素Prは、液晶LCを挟む電極対Er1,Er2及び赤色フィルタFrを備える。距離Drは、赤色サブ画素Prの電極対Er1,Er2に挟まれた液晶層の厚さである。図4(b)に示されるように、緑色を表示する緑色サブ画素Pgは、液晶LCを挟む電極対Eg1,Eg2及び緑色フィルタFgを備える。距離Dgは、緑色サブ画素Pgの電極対Eg1,Eg2に挟まれた液晶層の厚さである。図4(c)に示されるように、青色を表示する青色サブ画素Pbは、液晶LCを挟む電極対Eb1,Eb2及び青色フィルタFbを備える。距離Dbは、青色サブ画素Pbの電極対Eb1,Eb2に挟まれた液晶層の厚さである。この実施形態では、液晶層厚さDr,Dg,Dbの大小関係は、
Dr=Dg>Db
となっている。これは、白輝度の効率向上やコントラスト向上のためである。本実施形態では、赤色サブ画素Prが第1サブ画素に対応し、液晶層厚さDrが第1液晶層厚さに対応する。また、青色サブ画素Pbが第2サブ画素に対応し、液晶層厚さDbが第2液晶層厚さに対応する。また、緑色サブ画素Pgが第3サブ画素に対応し、液晶層厚さDgが第3液晶層厚さに対応する。
【0053】
図5に示されるように、各画素Pは、それぞれ、赤色フィルタFr、緑色フィルタFg、及び青色フィルタFbを含む。つまり、各画素Pは、それぞれ、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg、及び青色サブ画素Pbを含む。なお、図5では、色フィルタは、同一色が縦方向に整列されたストライプ状に配列されている。代替的に、色フィルタは、同一色が斜め方向に整列されたモザイク状に配列されてもよく、その他の配列でもよい。
【0054】
(映像信号処理部)
図6は、本実施形態に従う表示装置200の映像信号処理部210の機能構成を概略的に示すブロック図である。図1及び図6を用いて、映像信号処理部210が説明される。
【0055】
映像信号処理部210は、ギャップ情報保持部211、オーバードライブ値決定部212、遅延部213、出力部214を備える。
【0056】
ギャップ情報保持部211は、赤色用ROM211r、緑色用ROM211g、青色用ROM211bを備え、各色のサブ画素が持つ液晶層厚さに関する情報を保持する。オーバードライブ値決定部212は、オーバードライブ値テーブル261r、261g、261b、セレクタ262r、262g、262b、及び抽出部263r、263g、263bを備え、各サブ画素のオーバードライブ値を決定する。遅延部213は、入力された映像信号を遅延させて出力する。出力部214は、加算部214r、214g、214bを備え、各サブ画素の駆動輝度を表す画像信号を生成して液晶駆動部220に出力する。
【0057】
ギャップ情報保持部211の赤色用ROM211rは、赤色サブ画素Prの液晶層厚さDrを記憶している。緑色用ROM211gは、緑色サブ画素Pgの液晶層厚さDgを記憶している。青色用ROM211bは、青色サブ画素Pbの液晶層厚さDbを記憶している。ギャップ情報保持部211の各ROM211r、211g、211bは、本実施形態では、液晶パネル231の製造時の各液晶層厚さの設計値を液晶層厚さDr,Dg,Dbとして記憶している。上述のように、この実施形態では、液晶層厚さDr,Dg,Dbの設計値は、Dr=Dg>Dbとなっている。
【0058】
オーバードライブ値決定部212のオーバードライブ値テーブル261r、261g、261bは、現フレーム画像信号の目標輝度と前フレーム画像信号の目標輝度との輝度差と、オーバードライブ値とを対応付けたテーブルである。オーバードライブ値テーブル261r、261g、261bとして、それぞれ、種々の液晶層厚さDr,Dg,Db用に複数のテーブルが予め準備されている。
【0059】
オーバードライブ値決定部212のセレクタ262r、262g、262bは、それぞれ、赤色用ROM211r、緑色用ROM211g、青色用ROM211bに記憶されている液晶層厚さDr,Dg,Dbに基づき、予め準備された複数のテーブルから、対応するオーバードライブ値テーブル261r、261g、261bを選択する。上述のように、この実施形態では、
Dr=Dg>Db
となっている。そこで、セレクタ262r、262g、262bにより選択されたオーバードライブ値テーブル261r、261g、261bでは、同一の輝度差に対応付けられたオーバードライブ値は、オーバードライブ値テーブル261r、261gに比べて、オーバードライブ値テーブル261bの方が小さいレベルのオーバードライブ値を備えている。
【0060】
抽出部263r、263g、263bは、入力された映像信号と遅延部213により遅延された映像信号とに基づき、オーバードライブ値テーブル261r、261g、261bから、オーバードライブ値を抽出する。つまり、抽出部263r、263g、263bは、入力された現フレーム画像信号の目標輝度と、遅延部213により遅延された前フレーム画像信号の目標輝度との輝度差を算出し、その輝度差に対応付けられたオーバードライブ値をオーバードライブ値テーブル261r、261g、261bから抽出する。
【0061】
出力部214の加算部214r、214g、214bは、それぞれ、入力された現フレーム画像信号の目標輝度と、抽出部263r、263g、263bにより抽出されたオーバードライブ値とを加算して駆動輝度を決定し、決定した駆動輝度を表す画像信号を液晶駆動部220に出力する。本実施形態において、オーバードライブ値決定部212及び出力部214が駆動輝度決定部に対応し、液晶駆動部220が駆動部に対応する。
【0062】
(オーバードライブ処理)
図7は、X番目のLフレーム画像の左眼期間における映像信号、オーバードライブ値および目標輝度等を示す映像信号処理部210のブロック図である。図8は、X番目のRフレーム画像の右眼期間における映像信号、オーバードライブ値および目標輝度等を示す映像信号処理部210のブロック図である。図9は、オーバードライブ処理に基づくサブ画素の輝度の変化を表す概略的なタイムチャートである。図1、図7乃至図9を用いて、オーバードライブ処理に基づくサブ画素の輝度変化が説明される。
【0063】
図9のセクション(A)には、(X−1)番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間、X番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間、X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間及び(X+1)番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間が示されている。
【0064】
図9のセクション(B)には、走査動作が示される。各右眼期間の走査期間において、液晶駆動部220は、映像信号処理部210から入力されるRフレーム画像信号に基づいて、走査動作を実行する。また、各左眼期間の走査期間において、液晶駆動部220は、映像信号処理部210から入力されるLフレーム画像信号に基づいて、走査動作を実行する。図3に関連して説明された如く、液晶駆動部220は、ゲート線L1,L2,・・・上の画素(サブ画素)に順次書き込みを行う。
【0065】
図9のセクション(C)は、光学シャッタ部310の開閉動作を示す。左眼シャッタ311は、走査動作の完了後、且つ、右眼期間が開始される前までの期間において開く。また、右眼シャッタ312は、走査動作の完了後、且つ、左眼期間が開始される前までの期間において開く。
【0066】
図9のセクション(D)は、ゲート線L1とデータ線Mとの交点に位置する画素に含まれる赤色サブ画素Pr及び緑色サブ画素Pgの輝度の変化を表す。図9のセクション(E)は、ゲート線L1とデータ線Mとの交点に位置する画素に含まれる青色サブ画素Pbの輝度の変化を表す。
【0067】
まず、図1、図7、図9を用いて、X番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間におけるサブ画素の輝度変化が説明される。図7に示されるように、X番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間では、入力映像信号として、赤色Lフレーム画像信号SLr(x)、緑色Lフレーム画像信号SLg(x)、青色Lフレーム画像信号SLb(x)が、それぞれ、出力部214の加算部214r、214g、214b、及びオーバードライブ値決定部212の抽出部263r、263g、263bに入力される。また、遅延部213で遅延された、直前の(X−1)番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間に入力された赤色Rフレーム画像信号SRr(x−1)、緑色Rフレーム画像信号SRg(x−1)、青色Rフレーム画像信号SRb(x−1)が、それぞれ、オーバードライブ値決定部212の抽出部263r、263g、263bに入力される。
【0068】
直前の(X−1)番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間に入力された赤色Rフレーム画像信号SRr(x−1)、緑色Rフレーム画像信号SRg(x−1)、青色Rフレーム画像信号SRb(x−1)は、それぞれ、図9のセクション(D)、(E)に示されるように、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbに対して、「100」の目標輝度LAr、LAg、LAbを規定していたものとする。したがって、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbは、セクション(D)、(E)に示されるように、「100」の輝度から変動を開始する。
【0069】
また、X番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間に入力された赤色Lフレーム画像信号SLr(x)、緑色Lフレーム画像信号SLg(x)、青色Lフレーム画像信号SLb(x)は、それぞれ、図9のセクション(D)、(E)に示されるように、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbに対して、「20」の目標輝度LAr、LAg、LAbを規定しているものとする。
【0070】
このとき、(X−1)番目のRフレーム画像(前フレーム画像)に対するX番目のLフレーム画像(現フレーム画像)の目標輝度LAの差は、
20−100=−80
で、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbのいずれも同一値になっている。
【0071】
抽出部263r、263gは、セレクタ262r、262gにより選択されたオーバードライブ値テーブル261r、261gにおいて、目標輝度差「−80」と対応付けられているオーバードライブ値ODr、ODgとして例えば「−15」を抽出する。その結果、出力部214の加算部214r、214gによる加算結果は、
20−15=5
となり、「5」の駆動輝度LDr、LDgを設定する画像信号が、液晶駆動部220に出力される。
【0072】
抽出部263bは、セレクタ262bにより選択されたオーバードライブ値テーブル261bにおいて、目標輝度差「−80」と対応付けられているオーバードライブ値ODbとして例えば「−10」を抽出する。その結果、出力部214の加算部214bによる加算結果は、
20−10=10
となり、「10」の駆動輝度LDbを設定する画像信号が、液晶駆動部220に出力される。
【0073】
このように、青色サブ画素Pbに対する駆動輝度LDbは、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pgに対する駆動輝度LDr、LDgよりも、目標輝度LAに近い値に設定されている。しかし、各サブ画素Pr,Pg,Pbを駆動する電極対に挟まれた液晶層の厚さDr,Dg,Dbは、上述のように、この実施形態では、Dr=Dg>Dbとなっている。このため、青色サブ画素Pbの応答速度は、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pgの応答速度よりも、高くなっている。その結果、左眼期間の終端において、各サブ画素Pr,Pg,Pbは、「25」の同じ輝度を達成している。つまり、液晶層厚さDr,Dg,Dbの違いに応じたレベルのオーバードライブ値を、各サブ画素Pr,Pg,Pbに対して決定しているため、走査期間において同一の輝度値を達成している。
【0074】
なお、この達成輝度「25」は、目標輝度「20」に一致していない。すなわち、X番目のLフレーム画像(現フレーム画像)ではクロストークが残っている。しかし、(達成輝度/目標輝度)は等しいため、各サブ画素Pr,Pg,Pbのクロストークが色の違いとして表れることはない。
【0075】
次に、図1、図8、図9を用いて、X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間におけるサブ画素の輝度変化が説明される。図8に示されるように、X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間では、入力映像信号として、赤色Rフレーム画像信号SRr(x)、緑色Rフレーム画像信号SRg(x)、青色Rフレーム画像信号SRb(x)が、それぞれ、出力部214の加算部214r、214g、214b、及びオーバードライブ値決定部212の抽出部263r、263g、263bに入力される。また、遅延部213で遅延された、直前のX番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間に入力された赤色Lフレーム画像信号SLr(x)、緑色Lフレーム画像信号SLg(x)、青色Lフレーム画像信号SLb(x)が、それぞれ、オーバードライブ値決定部212の抽出部263r、263g、263bに入力される。
【0076】
X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間に入力された赤色Rフレーム画像信号SRr(x)、緑色Rフレーム画像信号SRg(x)、青色Rフレーム画像信号SRb(x)は、それぞれ、図9のセクション(D)、(E)に示されるように、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbに対して、「60」の目標輝度LAr、LAg、LAbを規定しているものとする。
【0077】
このとき、X番目のLフレーム画像(前フレーム画像)に対するX番目のRフレーム画像(現フレーム画像)の目標輝度LAの差は、
60−20=+40
で、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbのいずれも同一値になっている。
【0078】
抽出部263r、263gは、セレクタ262r、262gにより選択されたオーバードライブ値テーブル261r、261gにおいて、目標輝度差「+40」と対応付けられているオーバードライブ値ODr、ODgとして例えば「+10」を抽出する。その結果、出力部214の加算部214r、214gによる加算結果は、
60+10=70
となり、「70」の駆動輝度LDr、LDgを設定する画像信号が、液晶駆動部220に出力される。
【0079】
抽出部263bは、セレクタ262bにより選択されたオーバードライブ値テーブル261bにおいて、目標輝度差「+40」と対応付けられているオーバードライブ値ODbとして例えば「+5」を抽出する。その結果、出力部214の加算部214bによる加算結果は、
60+5=65
となり、「65」の駆動輝度LDbを設定する画像信号が、液晶駆動部220に出力される。
【0080】
このように、直前の左眼期間と同様に、現在の右眼期間でも、青色サブ画素Pbに対する駆動輝度LDbは、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pgに対する駆動輝度LDr、LDgよりも、目標輝度LAに近い値に設定されている。しかし、各サブ画素を駆動する電極対に挟まれた液晶層の厚さDr,Dg,Dbは、上述のように、この実施形態では、Dr=Dg>Dbとなっている。このため、青色サブ画素Pbの応答速度は、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pgの応答速度よりも、高くなっている。その結果、右眼期間の終端において、各サブ画素Pr,Pg,Pbは、「60」の同じ輝度を達成している。つまり、液晶層厚さDr,Dg,Dbの違いに応じたレベルのオーバードライブ値を、各サブ画素Pr,Pg,Pbに対して生成しているため、走査期間において、同一の輝度値を達成している。
【0081】
図9のセクション(D)、(E)に示されるように、右眼シャッタ312が開き始めた時点では、達成輝度は目標輝度「60」に比べて多少低くなっているが、右眼期間の終端における達成輝度は目標輝度「60」に一致している。したがって、X番目のRフレーム画像では、クロストークがほぼ解消されている。
【0082】
なお、図9では、説明の簡単化のため、例えばX番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間では、各サブ画素Pr,Pg,Pbにおいて、前フレームの目標輝度(100)と現フレームの目標輝度(20)とを同一値としている。そして、前フレームの目標輝度(100)と現フレームの目標輝度(20)との輝度差(−80)に基づき、サブ画素Pr,Pgでは駆動輝度(5)が決定され、サブ画素Pbでは駆動輝度(10)が決定されている。同様に、X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間では、各サブ画素Pr,Pg,Pbにおいて、前フレームの目標輝度(20)と現フレームの目標輝度(60)とを同一値としている。そして、前フレームの目標輝度(20)と現フレームの目標輝度(60)との輝度差(+40)に基づき、サブ画素Pr,Pgでは駆動輝度(70)が決定され、サブ画素Pbでは駆動輝度(65)が決定されている。
【0083】
このように、前フレームにおける、サブ画素Pr,Pgの目標輝度とサブ画素Pbの目標輝度とが等しく、かつ、現フレームにおける、サブ画素Pr,Pgの目標輝度(第1目標輝度)とサブ画素Pbの目標輝度(第2目標輝度)とが等しい場合に、サブ画素Pr,Pgの現フレームの目標輝度(第1目標輝度)と駆動輝度(第1駆動輝度)との第1差分値(つまりオーバードライブ値)に比べて、サブ画素Pbの現フレームの目標輝度(第2目標輝度)と駆動輝度(第2駆動輝度)との第2差分値(つまりオーバードライブ値)が小さくなるように、サブ画素Pr,Pgの駆動輝度(第1駆動輝度)とサブ画素Pbの駆動輝度(第2駆動輝度)とが、それぞれ決定されている。
【0084】
以上説明されたように、第1実施形態では、図9に示されるように、目標輝度LAより過小又は過大な輝度が駆動輝度LDに設定されてオーバードライブ処理が行われているため、各サブ画素Pr,Pg,Pbの輝度をより早く目標輝度LAに近づけることができる。したがって、液晶パネル231のクロストークを低減することができる。
【0085】
また、第1実施形態では、液晶層厚さDr,Dg,DbがDr=Dg>Dbとなっており、目標輝度が等しいとき、青色サブ画素Pbに対するオーバードライブ値は、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pgに対するオーバードライブ値よりも、絶対値が小さい値となっている。つまり、第1実施形態では、液晶層厚さDr,Dg,Dbの違いに応じたレベルのオーバードライブ値を、各サブ画素Pr,Pg,Pbに対して決定している。したがって、各サブ画素Pr,Pg,Pbで(達成輝度/目標輝度)が等しい輝度値を達成することができる。その結果、走査期間の終端においてクロストークが残っていたとしても、各サブ画素Pr,Pg,Pbのクロストークが色の違いとして表れることがないという利点がある。
【0086】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、赤色サブ画素Prの液晶LCを駆動する電極対Er1,Er2に挟まれた液晶層の厚さDr、緑色サブ画素Pgの液晶LCを駆動する電極対Eg1,Eg2に挟まれた液晶層の厚さDg、青色サブ画素Pbの液晶LCを駆動する電極対Eb1,Eb2に挟まれた液晶層の厚さDbの大小関係が、Dr=Dg>Dbとなっていた。つまり、上記第1実施形態では、設計値として規定された液晶層の厚さDr,Dg,Dbが、上記の大小関係を有している場合について説明された。
【0087】
これに対して、第2実施形態では、設計値としての液晶層の厚さDr,Dg,Dbが、製造ばらつき等に起因して、液晶パネル231におけるサブ画素の配列位置によって異なるデータを有している場合について説明される。
【0088】
図10は、第2実施形態に従う表示装置200の映像信号処理部210Aの機能構成を概略的に示すブロック図である。図11は、第2実施形態に従う液晶パネル231の一部を概略的に示す模式図である。第2実施形態の表示装置200は、映像信号処理部210に代えて、映像信号処理部210Aを備える。第2実施形態では、第1実施形態と同様の要素に対して、同様の符号が割り当てられている。以下において説明されない要素に対し、第1実施形態に係る説明が好適に援用される。図1、図10及び図11を用いて、第2実施形態におけるオーバードライブ値の決定が説明される。
【0089】
第2実施形態では、図11に示されるように、液晶パネル231は、仮想的に複数の分割領域に分割されている。図11には、分割領域A1乃至A8が示されている。例えば分割領域A1は、ゲート線L1乃至L8及びデータ線M1乃至M8の交点に対応する領域であり、分割領域A2は、ゲート線L1乃至L8及びデータ線M9乃至M16の交点に対応する領域であり、以下同様に、8本のゲート線及び8本のデータ線の交点に対応する領域ごとに、分割領域A3乃至A8が設けられている。このように、第2実施形態では、図11に示されるように、液晶パネル231は、8本のゲート線及び8本のデータ線の交点に対応する領域ごとに仮想的に分割されている。なお、第2実施形態では、8本のゲート線及び8本のデータ線の交点に対応する領域ごとに分割されているが、分割領域の大きさはこれに限られない。代替的に、16本のゲート線及び8本のデータ線の交点に対応する領域ごとに分割するなど、任意の本数のゲート線及びデータ線の交点に対応する領域ごとに分割してもよい。
【0090】
第2実施形態では、ギャップ情報保持部211は、赤色用ROM271r、緑色用ROM271g、青色用ROM271bを備える。赤色用ROM271rは、分割領域A1,A2,・・・ごとに、液晶層厚さDrを表すデータとして、データDr1,Dr2,・・・を記憶している。緑色用ROM271gは、分割領域A1,A2,・・・ごとに、液晶層厚さDgを表すデータとして、データDg1,Dg2,・・・を記憶している。青色用ROM271bは、分割領域A1,A2,・・・ごとに、液晶層厚さDbを表すデータとして、データDb1,Db2,・・・を記憶している。この実施形態では、例えば、液晶パネル231の製造工程において、計測器を用いてインラインで全てのサブ画素における液晶層厚さを計測し、計測値を分割領域ごとに平均した平均値をデータDr1,Dg1,Db1,・・・として、赤色用ROM271r、緑色用ROM271g、青色用ROM271bに、それぞれ記憶させている。
【0091】
代替的に、液晶パネル231の製造工程において、計測器を用いてインラインで、予め分割領域ごとに設定された所定数のサンプルポイントのサブ画素における液晶層厚さを計測し、計測値を分割領域ごとに平均した平均値を液晶層厚さDr,Dg,Dbを表すデータとして、各ROM271r、271g、271bに記憶させるようにしてもよい。さらに代替的に、液晶パネル231の製造後に、液晶層厚さを推定するようにしてもよい。すなわち、温度や階調(輝度)などの条件を一定として分割領域ごとにサンプルポイントのサブ画素の応答速度を測定し、その測定結果から液晶層厚さを推定し、その推定値の平均値を分割領域ごとの液晶層厚さDr,Dg,Dbを表すデータとして、各ROM271r、271g、271bに記憶させるようにしてもよい。本実施形態では、例えば、分割領域A1の赤色サブ画素Prの液晶層厚さDrを表すデータDr1が第1データに対応し、分割領域A2の赤色サブ画素Prの液晶層厚さDrを表すデータDr2が第2データに対応する。
【0092】
赤色用ROM271rは、入力された映像信号の例えば垂直同期信号及び水平同期信号に基づき、映像信号の画素に対応する分割領域の液晶層厚さDrを表すデータDr1,Dr2,・・・をセレクタ262rに出力する。セレクタ262rは、赤色用ROM271rからの液晶層厚さDrを表すデータDr1,Dr2,・・・に対応するオーバードライブ値テーブル261rを選択し、抽出部263rに出力する。緑色用ROM271gは、入力された映像信号の例えば垂直同期信号及び水平同期信号に基づき、映像信号の画素に対応する分割領域の液晶層厚さDgを表すデータDg1,Dg2,・・・をセレクタ262gに出力する。セレクタ262gは、緑色用ROM271gからの液晶層厚さDgを表すデータDr1,Dr2,・・・に対応するオーバードライブ値テーブル261gを選択し、抽出部263gに出力する。青色用ROM271bは、入力された映像信号の例えば垂直同期信号及び水平同期信号に基づき、映像信号の画素に対応する分割領域の液晶層厚さDbを表すデータDb1,Drb,・・・をセレクタ262bに出力する。セレクタ262bは、青色用ROM271bからの液晶層厚さDbを表すデータDb1,Db2,・・・に対応するオーバードライブ値テーブル261bを選択し、抽出部263bに出力する。以降は、上記第1実施形態と同様に動作が行われる。本実施形態において、ギャップ情報保持部211が記憶部に対応し、オーバードライブ値決定部212及び出力部214が駆動輝度決定部に対応し、液晶駆動部220が駆動部に対応する。
【0093】
以上説明されたように、第2実施形態では、製造ばらつき等に起因する液晶層厚さDr,Dg,Dbを表すデータに応じたオーバードライブ値を、分割領域ごとに、各サブ画素Pr,Pg,Pbに対して決定している。したがって、走査期間の終端においてクロストークが残っていたとしても、各サブ画素Pr,Pg,Pbのクロストークを同一量とすることができる。これによって、第1実施形態と同様に、クロストークが色の違いとして表れることがないという利点がある。
【0094】
なお、第2実施形態では、液晶層厚さDr,Dg,Dbの設計値が、第1実施形態と同様に、例えばDr=Dg>Dbとなっていてもよい。代替的に、第2実施形態では、液晶層厚さDr,Dg,Dbの設計値は、Dr=Dg=Dbとなっているが、製造ばらつき等に起因して、各分割領域における液晶層厚さDr,Dg,Dbを表すデータが異なっていてもよい。
【0095】
<その他>
図12は、上記各実施形態と異なる構成のオーバードライブ値決定部を備えた映像信号処理部の機能構成を概略的に示すブロック図である。図12では、第1実施形態と同様の要素に対して、同様の符号が割り当てられている。以下において説明されない要素に対し、第1実施形態に係る説明が好適に援用される。
【0096】
図12に示されるオーバードライブ値決定部212Aは、図6に示されるセレクタに代えて関数演算部264r、264g、264bを備える。また、オーバードライブ値決定部212Aは、図6と異なり、それぞれ1個のオーバードライブ値テーブル261r、261g、261bを備える。
【0097】
関数演算部264r、264g、264bは、ギャップ情報保持部211の赤色用ROM211r、緑色用ROM211g、青色用ROM211bから入力される液晶層厚さDr,Dg,Dbに基づき、オーバードライブ値テーブル261r、261g、261bが持っているオーバードライブ値に所定の関数演算を行ってオーバードライブ値を変換する。関数演算部264r、264g、264bは、変換されたオーバードライブ値を持つオーバードライブ値テーブル261r、261g、261bを抽出部263r、263g、263bに出力する。以降は、上記第1実施形態と同様に動作が行われる。
【0098】
図12に示される形態でも上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。図12には、図6に示される上記第1実施形態において、オーバードライブ値決定部212に代えてオーバードライブ値決定部212Aを備えた形態が示されている。代替的に、図10に示される上記第2実施形態において、オーバードライブ値決定部212に代えてオーバードライブ値決定部212Aを備えてもよい。
【0099】
図13は、IPS方式におけるサブ画素の構成を概略的に示す模式図である。上記各実施形態では、図4に示されるように、液晶パネル231の駆動方式としてVA方式が適用された例が説明されたが、これに限られない。代替的に、図13に示されるIPS方式が適用された液晶パネルでもよい。
【0100】
図13に示されるサブ画素SPは、ガラス基板400,402を備える。ガラス基板400上に電極対410,412が配設され、電極対410,412を覆うように配向膜404が形成されている。ガラス基板402の一方の面に配向膜406が形成され、他方の面に偏光板408が設けられている。ガラス基板400,402により液晶LCが挟まれている。電極対410,412に電圧が印加されて電界Efが形成され、液晶LCが駆動される。
【0101】
このIPS方式では、液晶層厚さDは、図13に示されるように、配向膜404と配向膜406で挟まれる液晶層の厚さである。図13に示されるIPS方式の液晶パネルに対しても、上記各実施形態が好適に適用される。
【0102】
また、上記各実施形態では、左眼用映像信号及び右眼用映像信号が入力され、立体的に知覚される映像を表示する表示装置200としているが、これに限られない。本発明は、通常の映像信号が入力され、平面的に知覚される映像を表示する通常の表示装置に適用することができる。この表示装置は、図1に示される表示装置200において、第2制御部240を省略し、映像信号処理部210には、左眼用映像信号及び右眼用映像信号に代えて、通常の映像信号が入力されるように構成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、オーバードライブ処理を好適に行うことにより、画像品質の低下を抑制することが可能な表示装置及び映像視聴システムとして好適である。
【符号の説明】
【0104】
100・・・・・・・・・・・・・・・・・・・映像視聴システム
200・・・・・・・・・・・・・・・・・・・表示装置
210、210A、210B・・・・・・・・・映像信号処理部
211・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ギャップ情報保持部
211r、271r・・・・・・・・・・・・・赤色用ROM
211g、271g・・・・・・・・・・・・・緑色用ROM
211b、271b・・・・・・・・・・・・・青色用ROM
212、212A・・・・・・・・・・・・・・オーバードライブ値決定部
214・・・・・・・・・・・・・・・・・・・出力部
214r、214g、214b・・・・・・・・加算部
261r、261g、261b・・・・・・・・オーバードライブ値テーブル
262r、262g、262b・・・・・・・・セレクタ
263r、263g、263b・・・・・・・・抽出部
220・・・・・・・・・・・・・・・・・・・液晶駆動部
231・・・・・・・・・・・・・・・・・・・液晶パネル
300・・・・・・・・・・・・・・・・・・・眼鏡装置
311・・・・・・・・・・・・・・・・・・・左眼シャッタ
312・・・・・・・・・・・・・・・・・・・右眼シャッタ
D、Dr、Dg、Db・・・・・・・・・・・・液晶層厚さ
P・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・画素
Pr、Pg、Pb・・・・・・・・・・・・・・サブ画素
SLr(x),SLg(x),SLb(x)・・Lフレーム画像信号
SRr(x),SRg(x),SRb(x)・・Rフレーム画像信号
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を表示する表示装置及び映像視聴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置に用いられる液晶パネルは、電極対により駆動される各色のサブ画素を含む画素を有する。入力される画像信号が規定する目標輝度に対応する電圧が電極対に印加されることで、各色のサブ画素の輝度(透過率)が制御される(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の表示装置では、液晶層の厚さが、各色のサブ画素ごとに異なるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−14978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サブ画素を駆動する際には、液晶の応答速度を高めるために、画像信号が規定する目標輝度より過大または過小な駆動輝度を設定し、その駆動輝度に対応する電圧を電極対に印加するオーバードライブ処理が汎用されている。液晶の応答速度は、液晶層の厚さの2乗に反比例することが知られている。したがって、上記特許文献1に記載の表示装置のように、液晶層の厚さが異なるサブ画素を含む構成では、各サブ画素に対して等しいレベルのオーバードライブ値でオーバードライブ処理を行うと、各サブ画素によって達成される輝度が異なる値となる。その結果、表示される画像に輝度むらや色むら等のむらが発生して、画像品質が低下する。
【0005】
本発明は、液晶層の厚さが異なるサブ画素を含む構成でオーバードライブ処理を行っても、画像にむらが発生するのを防止して、画像品質の低下を抑制することができる表示装置及び映像視聴システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る表示装置は、入力される画像信号に基づく画像を表示する表示装置であって、第1液晶層厚さを持つ第1サブ画素と、前記第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有する液晶パネルと、前記第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、前記第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部と、前記駆動輝度決定部により決定された前記第1駆動輝度に向けて前記第1サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部により決定された前記第2駆動輝度に向けて前記第2サブ画素を駆動する駆動部と、を備え、前記駆動輝度決定部は、前記第1目標輝度と前記第2目標輝度とが等しいときは、前記第1目標輝度と前記第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、前記第2目標輝度と前記第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、前記第1駆動輝度と前記第2駆動輝度とを決定することを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、表示装置は、入力される画像信号に基づく画像を表示する。液晶パネルは、第1液晶層厚さを持つ第1サブ画素と、前記第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有する。駆動決定部は、第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する。駆動部は、駆動輝度決定部により決定された第1駆動輝度に向けて第1サブ画素を駆動する。駆動部は、駆動輝度決定部により決定された第2駆動輝度に向けて第2サブ画素を駆動する。駆動輝度決定部は、第1目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第1目標輝度と第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第1駆動輝度と第2駆動輝度とを決定する。
【0008】
したがって、第1液晶層厚さより第2液晶層厚さの方が小さいが、第1目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第1目標輝度と第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第1駆動輝度と第2駆動輝度とを決定しているため、第1サブ画素と第2サブ画素とを、第1目標輝度または第1目標輝度と等しい第2目標輝度に同じように近づけることができる。その結果、画像にむらが発生するのを防止して、画像品質の低下を抑制することができる。
【0009】
上記構成において、前記第1サブ画素と前記第2サブ画素とは、互いに異なる色を表示することが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、第1サブ画素と第2サブ画素とは、互いに異なる色を表示する。第1サブ画素と第2サブ画素とを第1目標輝度または第1目標輝度と等しい第2目標輝度に同じように近づけることができるため、画像に色むらが発生するのを防止して、画像品質の低下を抑制することができる。
【0011】
上記構成において、前記画素は、前記第1サブ画素として赤色を表示する赤色サブ画素を含み、前記第2サブ画素として青色を表示する青色サブ画素を含み、かつ、前記第2液晶層厚さより大きい第3液晶層厚さを持ち緑色を表示する緑色サブ画素を含み、前記駆動輝度決定部は、前記緑色サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記緑色サブ画素に対して規定する第3目標輝度と異なる第3駆動輝度を決定し、前記駆動部は、さらに、前記駆動輝度決定部により決定された前記第3駆動輝度に向けて前記緑色サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部は、前記第3目標輝度と前記第2目標輝度とが等しいときは、前記第3目標輝度と前記第3駆動輝度との間の第3差分値に比べて、前記第2目標輝度と前記第2駆動輝度との間の前記第2差分値が小さくなるように、前記第3駆動輝度と前記第2駆動輝度とを決定することが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、画素は、第1サブ画素として赤色を表示する赤色サブ画素を含み、第2サブ画素として青色を表示する青色サブ画素を含み、かつ、第2液晶層厚さより大きい第3液晶層厚さを持ち緑色を表示する緑色サブ画素を含む。すなわち、青色サブ画素の第2液晶層厚さは、赤色サブ画素の第1液晶層厚さおよび緑色サブ画素の第3液晶層厚さより小さい。これは、白輝度の効率向上やコントラスト向上のためである。駆動輝度決定部は、緑色サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が緑色サブ画素に対して規定する第3目標輝度と異なる第3駆動輝度を決定する。駆動部は、さらに、駆動輝度決定部により決定された第3駆動輝度に向けて緑色サブ画素を駆動する。駆動輝度決定部は、第3目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第3目標輝度と第3駆動輝度との間の第3差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第3駆動輝度と第2駆動輝度とを決定する。
【0013】
したがって、第3液晶層厚さより第2液晶層厚さの方が小さいが、第3目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第3目標輝度と第3駆動輝度との間の第3差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第3駆動輝度と第2駆動輝度とを決定しているため、緑色サブ画素と青色サブ画素とを、第3目標輝度または第3目標輝度と等しい第2目標輝度に同じように近づけることができる。その結果、画像に色むらが発生するのを防止して、画像品質の低下を抑制することができる。
【0014】
上記構成において、前記第1サブ画素の前記第1液晶層厚さを表すデータが記憶されている記憶部をさらに備え、前記液晶パネルの表示面は、第1領域および前記第1領域と異なる第2領域を有し、前記画素は、前記液晶パネルの前記表示面の前記第1領域に配置される第1画素と、前記液晶パネルの前記表示面の前記第2領域に配置される第2画素とを含み、前記記憶部には、前記第1画素に含まれる前記第1サブ画素の前記第1液晶層厚さを表す第1データが前記第1領域と対応付けて記憶され、前記第2画素に含まれる前記第1サブ画素の前記第1液晶層厚さを表し前記第1データと異なる第2データが前記第2領域と対応付けて記憶され、前記駆動輝度決定部は、前記第1領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第1データに基づき、前記第1領域に配置されている前記第1サブ画素の前記第1駆動輝度を決定し、前記第2領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第2データに基づき、前記第2領域に配置されている前記第1サブ画素の前記第1駆動輝度を決定することが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、第1サブ画素の第1液晶層厚さを表すデータが記憶されている記憶部をさらに備える。液晶パネルの表示面は、第1領域および第1領域と異なる第2領域を有する。画素は、液晶パネルの表示面の第1領域に配置される第1画素と、液晶パネルの表示面の第2領域に配置される第2画素とを含む。記憶部には、第1画素に含まれる第1サブ画素の第1液晶層厚さを表す第1データが第1領域と対応付けて記憶され、第2画素に含まれる第1サブ画素の第1液晶層厚さを表し第1データと異なる第2データが第2領域と対応付けて記憶されている。駆動輝度決定部は、第1領域と対応付けて記憶部に記憶されている第1データに基づき、第1領域に配置されている第1サブ画素の第1駆動輝度を決定し、第2領域と対応付けて記憶部に記憶されている第2データに基づき、第2領域に配置されている第1サブ画素の第1駆動輝度を決定する。したがって、第1液晶層厚さを表すデータが、第1領域では第1データで第2領域では第2データと異なっている場合でも、第1領域に配置されている第1サブ画素の第1駆動輝度と第2領域に配置されている第1サブ画素の第1駆動輝度とを、それぞれ好適に決定することができる。
【0016】
上記構成において、前記画像信号は、現フレーム画像を表示するための現フレーム画像信号と、前記現フレーム画像の1つ前に表示される前フレーム画像を表示するための前フレーム画像信号と、を含み、前記液晶パネルは、前記前フレーム画像の後で前記現フレーム画像を表示することが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、画像信号は、現フレーム画像を表示するための現フレーム画像信号と、現フレーム画像の1つ前に表示される前フレーム画像を表示するための前フレーム画像信号と、を含む。液晶パネルは、前フレーム画像の後で現フレーム画像を表示する。したがって、前フレーム画像と現フレーム画像とを好適に表示することができる。
【0018】
上記構成において、前記駆動輝度決定部は、前記現フレーム画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する現目標輝度と前記前フレーム画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する前目標輝度との差をさらに用いて、前記第1駆動輝度を決定し、前記現フレーム画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する現目標輝度と前記前フレーム画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する前目標輝度との差をさらに用いて、前記第2駆動輝度を決定することが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、駆動輝度決定部は、現フレーム画像信号が第1サブ画素に対して規定する現目標輝度と前フレーム画像信号が第1サブ画素に対して規定する前目標輝度との差をさらに用いて、第1駆動輝度を決定する。駆動輝度決定部は、現フレーム画像信号が第2サブ画素に対して規定する現目標輝度と前フレーム画像信号が第2サブ画素に対して規定する前目標輝度との差をさらに用いて、第2駆動輝度を決定する。したがって、現目標輝度と前目標輝度との差に応じて、第1駆動輝度および第2駆動輝度を好適に決定することができる。
【0020】
上記構成において、前記画像信号は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像を表示するための左眼用フレーム画像信号と、右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像を表示するための右眼用フレーム画像信号と、を含み、前記液晶パネルは、前記左眼用フレーム画像と前記右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて、立体的に知覚される画像を表示することが好ましい。
【0021】
上記構成によれば、画像信号は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像を表示するための左眼用フレーム画像信号と、右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像を表示するための右眼用フレーム画像信号と、を含む。液晶パネルは、左眼用フレーム画像と右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて、立体的に知覚される画像を表示する。したがって、立体的に知覚される画像を好適に液晶パネルに表示することができる。
【0022】
本発明の他の局面に係る表示装置は、入力される画像信号に基づく画像を表示する表示装置であって、第1領域および前記第1領域と異なる第2領域を有する表示面と、所定の液晶層厚さを持つ第1サブ画素を含み、前記表示面の前記第1領域に配置される第1画素と、所定の液晶層厚さを持つ第2サブ画素を含み、前記表示面の前記第2領域に配置される第2画素と、を有する液晶パネルと、前記第1サブ画素の前記液晶層厚さを表す第1データが前記第1領域と対応付けて記憶され、前記第2サブ画素の前記液晶層厚さを表し前記第1データと異なる第2データが前記第2領域と対応付けて記憶されている記憶部と、前記第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、前記第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部と、前記駆動輝度決定部により決定された前記第1駆動輝度に向けて前記第1サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部により決定された前記第2駆動輝度に向けて前記第2サブ画素を駆動する駆動部と、を備え、前記駆動輝度決定部は、前記第1領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第1データと前記第1目標輝度とに基づき、前記第1サブ画素の前記第1駆動輝度を決定し、前記第2領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第2データと前記第2目標輝度とに基づき、前記第2サブ画素の前記第2駆動輝度を決定することを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、液晶パネルは、第1領域および第1領域と異なる第2領域を有する表示面と、所定の液晶層厚さを持つ第1サブ画素を含み、前記表示面の前記第1領域に配置される第1画素と、所定の液晶層厚さを持つ第2サブ画素を含み、前記表示面の前記第2領域に配置される第2画素と、を有する。記憶部には、第1サブ画素の液晶層厚さを表す第1データが第1領域と対応付けて記憶され、第2サブ画素の液晶層厚さを表し第1データと異なる第2データが第2領域と対応付けて記憶されている。駆動輝度決定部は、第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する。駆動部は、駆動輝度決定部により決定された第1駆動輝度に向けて第1サブ画素を駆動し、駆動輝度決定部により決定された第2駆動輝度に向けて第2サブ画素を駆動する。駆動輝度決定部は、第1領域と対応付けて記憶部に記憶されている第1データと第1目標輝度とに基づき、第1サブ画素の第1駆動輝度を決定する。駆動輝度決定部は、第2領域と対応付けて記憶部に記憶されている第2データと第2目標輝度とに基づき、第2サブ画素の第2駆動輝度を決定する。したがって、第1領域に配置された第1画素に含まれる第1サブ画素の液晶層厚さを表す第1データと、第2領域に配置された第2画素に含まれる第2サブ画素の液晶層厚さを表す第2データとが異なっているが、第1領域に配置されている第1サブ画素の第1駆動輝度と第2領域に配置されている第2サブ画素の第2駆動輝度とを、それぞれ好適に決定することができる。
【0024】
本発明の他の局面に係る映像視聴システムは、入力される画像信号に基づき、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを表示し、立体的に知覚される画像を提供する表示装置と、前記左眼用フレーム画像が視聴されるように前記左眼へ到達する光量を調整する左眼フィルタと、前記右眼用フレーム画像が視聴されるように前記右眼へ到達する光量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置と、を備え、前記表示装置は、第1液晶層厚さを持つ第1サブ画素と、前記第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有し、前記左眼用フレーム画像と前記右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、前記第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、前記第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部と、前記駆動輝度決定部により決定された前記第1駆動輝度に向けて前記第1サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部により決定された前記第2駆動輝度に向けて前記第2サブ画素を駆動する駆動部と、を備え、前記駆動輝度決定部は、前記第1目標輝度と前記第2目標輝度とが等しいときは、前記第1目標輝度と前記第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、前記第2目標輝度と前記第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、前記第1駆動輝度と前記第2駆動輝度とを決定することを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、表示装置は、入力された画像信号に基づき、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを表示する。眼鏡装置の左眼フィルタは、左眼用フレーム画像が視聴されるように左眼へ到達する光量を調整する。眼鏡装置の右眼フィルタは、右眼用フレーム画像が視聴されるように右眼へ到達する光量を調整する。液晶パネルは、左眼用フレーム画像と右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて表示する。したがって、視聴者は、表示装置が提供する画像を立体的に知覚することができる。
【0026】
液晶パネルは、第1液晶層厚さを持つ第1サブ画素と、前記第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有する。駆動輝度決定部は、第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく画像信号が第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する。駆動部は、駆動輝度決定部により決定された第1駆動輝度に向けて第1サブ画素を駆動する。駆動部は、駆動輝度決定部により決定された第2駆動輝度に向けて第2サブ画素を駆動する。駆動輝度決定部は、第1目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第1目標輝度と第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第1駆動輝度と第2駆動輝度とを決定する。
【0027】
したがって、第1液晶層厚さより第2液晶層厚さの方が小さいが、第1目標輝度と第2目標輝度とが等しいときは、第1目標輝度と第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、第2目標輝度と第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、第1駆動輝度と第2駆動輝度とを決定しているため、第1サブ画素と第2サブ画素とを、第1目標輝度または第1目標輝度と等しい第2目標輝度に同じように近づけることができる。その結果、画像にむらが発生するのを防止して、画像品質の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0028】
上述の如く、本発明に係る表示装置及び映像視聴システムは、第1サブ画素と第2サブ画素とを好適に駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1実施形態に係る映像視聴システム及び表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1に示される映像視聴システムを概略的に示す模式図である。
【図3】液晶パネルの一部を概略的に示す模式図である。
【図4】各色のサブ画素の構成を概略的に示す模式図で、図4(a)は赤色サブ画素を示し、図4(b)は緑色サブ画素を示し、図4(c)は青色サブ画素を示す。
【図5】色フィルタの配列を概略的に示す模式図である。
【図6】第1実施形態に従う表示装置の映像信号処理部の機能構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】X番目のLフレーム画像の左眼期間における映像信号を示した映像信号処理部のブロック図である。
【図8】X番目のRフレーム画像の右眼期間における映像信号を示した映像信号処理部のブロック図である。
【図9】オーバードライブ処理に基づく画素の輝度の変化を表す概略的なタイムチャートである。
【図10】第2実施形態に従う表示装置の映像信号処理部の機能構成を概略的に示すブロック図である。
【図11】第2実施形態に従う液晶パネルの一部を概略的に示す模式図である。
【図12】上記各実施形態と異なる構成のオーバードライブ値決定部を備えた映像信号処理部の機能構成を概略的に示すブロック図である。
【図13】他の駆動方式におけるサブ画素の構成を概略的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態に係る表示装置及び映像視聴システムが図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同様の構成要素に対して同様の符号が付されている。また、説明の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、単に本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とするものであり、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0031】
<第1実施形態>
(映像視聴システムの構成)
図1は、第1実施形態に係る映像視聴システムの構成を概略的に示すブロック図である。図2は、図1に示される映像視聴システムを概略的に示す模式図である。図1及び図2を参照しつつ、映像視聴システムの概略的な構成が説明される。
【0032】
映像視聴システム100は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像(以下、Lフレーム画像と称される)と、右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像(以下、Rフレーム画像と称される)とを含むフレーム画像を表示する表示装置200と、表示装置200が表示するLフレーム画像及びRフレーム画像の視聴を補助する眼鏡装置300とを備える。眼鏡装置300は、視聴者が左眼でLフレーム画像を視聴し、右眼でRフレーム画像を視聴するように、表示装置200によるLフレーム画像及びRフレーム画像の表示に同期した立体視補助動作を行う。この結果、視聴者は、眼鏡装置300を通じて、表示装置200が表示するフレーム画像(Lフレーム画像及びRフレーム画像)を立体的に知覚する(視聴者は、Lフレーム画像及びRフレーム画像中で表現されたオブジェクトを、Lフレーム画像及びRフレーム画像が映し出される表示面に対して、飛び出たように或いは引っ込んだように知覚する)。
【0033】
視力矯正用の眼鏡と同様の形状をなす眼鏡装置300は、視聴者の左眼前に配設される左眼シャッタ311と、視聴者の右眼前に配設される右眼シャッタ312とを含む光学シャッタ部310を備える。左眼シャッタ311は、表示装置200がLフレーム画像を表示しているときに開き、表示装置200がRフレーム画像を表示しているときに閉じる。右眼シャッタ312は、表示装置200がLフレーム画像を表示しているときに閉じ、表示装置200がRフレーム画像を表示しているときに開く。表示装置200がLフレーム画像を表示しているときに、Lフレーム画像から視聴者の左眼へ透過する光路が開かれる一方で、Lフレーム画像から視聴者の右眼へ透過する光路が閉じられるので、視聴者は左眼のみでLフレーム画像を視聴する。同様に、表示装置200がRフレーム画像を表示しているときに、Rフレーム画像から視聴者の右眼へ透過する光路が開かれる一方で、Rフレーム画像から視聴者の左眼へ透過する光路が閉じられるので、視聴者は右眼のみでRフレーム画像を視聴する。本実施形態において、左眼シャッタ311は、左眼フィルタとして例示される。また、右眼シャッタ312は、右眼フィルタとして例示される。左眼フィルタ及び右眼フィルタとして、表示装置200が表示する映像から視聴者の左眼へ到達する光の量(以下、左眼光量と称される)及び視聴者の右眼へ到達する光の量(以下、右眼光量と称される)を調整可能に形成された他の光学素子が用いられてもよい。例えば、左眼フィルタ及び右眼フィルタとして、視聴者の左眼及び右眼へ透過する光を偏光する偏光素子(例えば、液晶フィルタ)や光量を調整可能な他の光学素子が好適に用いられる。左眼フィルタは、Lフレーム画像の表示に同期して、左眼光量を増大させる一方で、Rフレーム画像の表示に同期して、左眼光量を低減させるように制御される。同様に、右眼フィルタは、Rフレーム画像の表示に同期して、右眼光量を増大させる一方で、Lフレーム画像の表示に同期して、右眼光量を低減させるように制御される。
【0034】
表示装置200は、映像信号処理部210、液晶駆動部220、表示部230、第1制御部250、第2制御部240を備える。
【0035】
映像信号処理部210には、基本となる垂直同期周波数を有する映像信号(左眼用映像信号及び右眼用映像信号)が入力される。映像信号処理部210は、入力された左眼用映像信号(以下、L信号と称される)と右眼用映像信号(以下、R信号と称される)とを、基本となる垂直同期周波数のK倍(Kは自然数)の周波数で、交互に出力する。本実施形態では、入力された60Hzの映像信号が、120HzのL信号及びR信号に変換される。変換を通じて得られたL信号及びR信号は、液晶駆動部220へ出力される。加えて、映像信号処理部210は、L信号及びR信号の出力に同期して、第1制御部250に制御信号を出力する。
【0036】
表示部230は、バックライト232を備える。第1制御部250は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、表示部230のバックライト232を制御する。映像信号処理部210は、L信号及びR信号の出力に同期して、第2制御部240を制御するための制御信号を出力する。第2制御部240は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、光学シャッタ部310を制御する。第1制御部250及び/又は第2制御部240へ出力される制御信号は、映像信号処理部210による変換後のL信号及び/又はR信号自体であってもよい。代替的に、L信号及び/又はR信号の120Hzの垂直同期信号であってもよい。
【0037】
以下の説明において、L信号に含まれる一の垂直同期信号と、該一の垂直同期信号に続いて入力される後の垂直同期信号との間の映像情報を含む映像信号は、Lフレーム画像信号と称される。また、R信号に含まれる一の垂直同期信号と、該一の垂直同期信号に続いて入力される後の垂直同期信号との間の映像情報を含む映像信号は、以下の説明において、Rフレーム画像信号と称される。Lフレーム画像信号は、Lフレーム画像を表現するために用いられる。同様に、Rフレーム画像信号は、Rフレーム画像を表現するために用いられる。本実施形態において、Lフレーム画像信号及び/又はRフレーム画像信号は、フレーム画像信号として例示される。
【0038】
表示部230は、上述のバックライト232に加えて、液晶を用いてLフレーム画像とRフレーム画像とを時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネル231を備える。液晶パネル231は、幅方向(主走査方向)および上下方向(副走査方向)にマトリックス状に整列された画素P(図3)を備える。バックライト232は、映像信号処理部210からの制御信号に基づき、液晶パネル231に向けて光を出射する。液晶駆動部220は、主走査方向及び副走査方向にフレーム画像信号(Lフレーム画像信号又はRフレーム画像信号)を走査し、液晶パネル231の画素に対応する液晶を駆動する。図2に示されるように、液晶パネル231の幅方向は、フレーム画像信号の主走査方向として例示される。液晶パネル231の上下方向は、フレーム画像信号の副走査方向として例示される。液晶駆動部220は、Lフレーム画像信号とRフレーム画像信号とを交互に走査する。この結果、液晶パネル231にLフレーム画像及びRフレーム画像が時間的に交互に表示される。
【0039】
映像信号処理部210は、1つのLフレーム画像に対応して、L画像信号を生成して液晶駆動部220へ出力する。同様に、映像信号処理部210は、1つのRフレーム画像に対応して、R画像信号を生成して液晶駆動部220へ出力する。
【0040】
液晶駆動部220は、L,R画像信号に含まれる垂直同期信号及び水平同期信号にしたがって、L,R画像信号を、液晶パネル231が表示可能な形式に変換する。液晶駆動部220は、液晶パネル231上のフレーム画像の表示ごとに変換されたフレーム画像信号を用いて、液晶パネル231の走査動作を実行する。
【0041】
上述の液晶駆動部220による液晶の駆動によって、液晶パネル231は、入力されたL,R画像信号に応じて、背面から入射する光を変調する。この結果、液晶パネル231は、左眼で視聴されるように作成されたLフレーム画像と、右眼で視聴されるように作成されたRフレーム画像とを交互に表示する。液晶パネル231には、例えば、IPS(In Plane Switching)方式や、VA(Vertical Alignment)方式やTN(Twisted Nematic)方式といった様々な駆動方式が好適に適用される。この実施形態では、例えばVA方式が適用される。
【0042】
バックライト232は、液晶パネル231の背面から液晶パネル231の表示面に向けて光を照射する。本実施形態において、バックライト232として、面発光するように二次元配列された複数の発光ダイオード(LED)(図示せず)が用いられている。代替的に、バックライト232として、面発光するように配列された複数の蛍光管が用いられてもよい。バックライト232として用いられる発光ダイオードや蛍光管は、液晶パネル231の縁部に配設され、面発光を生じさせてもよい(エッジタイプ)。
【0043】
第1制御部250は、映像信号処理部210から出力された120Hzの制御信号を基準に発光制御信号を出力する。バックライト232は、発光制御信号に基づき明滅可能である。
【0044】
第2制御部240は、眼鏡装置300の光学シャッタ部310を、Lフレーム画像及びRフレーム画像の表示周期に合わせて制御する。第2制御部240は、左眼シャッタ311を制御するための左眼用のフィルタ制御部241(以下、Lフィルタ制御部241と称される)と、右眼シャッタ312を制御するための右眼用のフィルタ制御部242(以下、Rフィルタ制御部242と称される)とを備える。液晶パネル231がLフレーム画像及びRフレーム画像を、例えば、120Hzで交互に表示するとき、Lフィルタ制御部241は、左眼シャッタ311が60Hzの周期で左眼光量を調整する(増減させる)ように眼鏡装置300を制御する。同様に、Rフィルタ制御部242は、右眼シャッタ312が60Hzの周期で右眼光量を調整する(増減させる)ように眼鏡装置300を制御する。
【0045】
図2に示される如く、本実施形態において、表示装置200は、Lフレーム画像の表示に同期する第1同期信号を送信する第1送信部243と、Rフレーム画像の表示に同期する第2同期信号を送信する第2送信部244とを備える。また、眼鏡装置300は、左眼シャッタ311と右眼シャッタ312との間に配設される受信部320を備える。受信部320は、第1同期信号及び第2同期信号を受信する。第1同期信号の波形は、好ましくは、第2同期信号の波形と異なる。受信部320は、受信された同期信号の波形に基づき、第1同期信号と第2同期信号とを識別する。かくして、眼鏡装置300は、第1同期信号に基づき、左眼シャッタ311を動作させる。また、眼鏡装置300は、第2同期信号に基づき、右眼シャッタ312を動作させる。表示装置200と眼鏡装置300との間の同期信号の無線通信並びに眼鏡装置300による同期信号(第1同期信号及び第2同期信号)の内部処理に対して、既知の他の通信技術並びに既知の他の信号処理技術が用いられてもよい。代替的に、表示装置200と眼鏡装置300との間の同期信号(第1同期信号及び第2同期信号)の通信が、有線式に行われてもよい。また、左眼用映像の表示に同期する第1同期信号を送信する第1送信部243と、右眼用映像の表示に同期する第2同期信号を送信する第2送信部244とを共通化して1つの送信部としてもよい。この場合、左眼用映像の表示及び右眼用映像の表示は、共通化された同期信号の立ち上がりに交互に同期されてもよい。
【0046】
Lフィルタ制御部241及びRフィルタ制御部242は、映像信号処理部210からの制御信号を基準とし、左眼シャッタ311による左眼光量の増減周期の位相及び右眼シャッタ312による右眼光量の増減周期の位相を決定する。Lフィルタ制御部241及びRフィルタ制御部242は、決定された位相に従い、第1同期信号及び第2同期信号を出力する。左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312それぞれは、第1同期信号及び第2同期信号に基づき、Lフレーム画像の表示及びRフレーム画像の表示に同期して、左眼光量及び右眼光量を増減させる。
【0047】
第2制御部240は、液晶パネル231の応答特性並びに表示されるLフレーム画像とRフレーム画像との間のクロストーク(相互干渉)を考慮して、左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312それぞれが左眼光量及び右眼光量を増大させている期間(以下、光量増大期間と称される)の長さと、光量増大期間のタイミング(位相)を決定する。Lフィルタ制御部241は、左眼光量に対する光量増大期間の長さ及びタイミングを制御する。Rフィルタ制御部242は、右眼光量に対する光量増大期間の長さ及びタイミングを制御する。
【0048】
映像信号処理部210の120Hzの制御信号に基づき動作する第1制御部250は、左眼シャッタ311及び右眼シャッタ312による光量調整の動作に同期してバックライト232を発光させる発光制御信号を出力する。バックライト232は、発光制御信号に基づき、明滅することができる。尚、本実施形態において、バックライト232は、第1制御部250の制御下で、常時点灯している。したがって、視聴者がフレーム画像を視聴することができる視聴期間のタイミング及び長さは、眼鏡装置300の光学シャッタ部310の動作によって定められる。
【0049】
代替的に、第1制御部250は、第2制御部240によって調整される光量増大期間中の一部の期間或いは光量増大期間と略一致する期間において、バックライト232を点灯させ、他の期間においてバックライト232を消灯させてもよい。このような第1制御部250によるバックライト232の明滅制御下において、視聴者がフレーム画像を視聴することができる視聴期間のタイミング及び長さは、バックライト232の明滅動作によって定められる。
【0050】
(サブ画素の構成)
図3は、液晶パネル231の一部を概略的に示す模式図である。図4は、各色のサブ画素の構成を概略的に示す模式図である。図4(a)は赤色サブ画素を示し、図4(b)は緑色サブ画素を示し、図4(c)は青色サブ画素を示す。図5は、色フィルタの配列を概略的に示す模式図である。図1、図3乃至図5を用いて、第1実施形態におけるサブ画素の構成が概略的に説明される。
【0051】
図3に示されるように、液晶パネル231は、主走査方向に延びる複数のゲート線と、副走査方向に延びる複数のデータ線と、を含む。図3には、副走査方向に整列したゲート線L1乃至L16及び主走査方向に整列したデータ線M1乃至M32が示されている。各ゲート線L1乃至L16と各データ線M1乃至M32との交点には、画素P及び画素Pに対応するサブ画素Pr,Pg,Pb(図4)がそれぞれ割り当てられる。各ゲート線L1乃至L16と各データ線M1乃至M32とに印加される電圧に応じて、サブ画素の駆動量が定められる。液晶駆動部220は、映像信号処理部210から入力されるフレーム画像信号(Lフレーム画像信号及びRフレーム画像信号)に基づいて、ゲート線L1,L2,・・・上の画素(サブ画素)を順次駆動する走査動作を行う。つまり、液晶駆動部220は、ゲート線L1,L2,・・・上の画素に順次書き込みを行う。
【0052】
図4に示されるように、各サブ画素は、それぞれ液晶を挟む電極対及び色フィルタを備える。すなわち、図4(a)に示されるように、赤色を表示する赤色サブ画素Prは、液晶LCを挟む電極対Er1,Er2及び赤色フィルタFrを備える。距離Drは、赤色サブ画素Prの電極対Er1,Er2に挟まれた液晶層の厚さである。図4(b)に示されるように、緑色を表示する緑色サブ画素Pgは、液晶LCを挟む電極対Eg1,Eg2及び緑色フィルタFgを備える。距離Dgは、緑色サブ画素Pgの電極対Eg1,Eg2に挟まれた液晶層の厚さである。図4(c)に示されるように、青色を表示する青色サブ画素Pbは、液晶LCを挟む電極対Eb1,Eb2及び青色フィルタFbを備える。距離Dbは、青色サブ画素Pbの電極対Eb1,Eb2に挟まれた液晶層の厚さである。この実施形態では、液晶層厚さDr,Dg,Dbの大小関係は、
Dr=Dg>Db
となっている。これは、白輝度の効率向上やコントラスト向上のためである。本実施形態では、赤色サブ画素Prが第1サブ画素に対応し、液晶層厚さDrが第1液晶層厚さに対応する。また、青色サブ画素Pbが第2サブ画素に対応し、液晶層厚さDbが第2液晶層厚さに対応する。また、緑色サブ画素Pgが第3サブ画素に対応し、液晶層厚さDgが第3液晶層厚さに対応する。
【0053】
図5に示されるように、各画素Pは、それぞれ、赤色フィルタFr、緑色フィルタFg、及び青色フィルタFbを含む。つまり、各画素Pは、それぞれ、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg、及び青色サブ画素Pbを含む。なお、図5では、色フィルタは、同一色が縦方向に整列されたストライプ状に配列されている。代替的に、色フィルタは、同一色が斜め方向に整列されたモザイク状に配列されてもよく、その他の配列でもよい。
【0054】
(映像信号処理部)
図6は、本実施形態に従う表示装置200の映像信号処理部210の機能構成を概略的に示すブロック図である。図1及び図6を用いて、映像信号処理部210が説明される。
【0055】
映像信号処理部210は、ギャップ情報保持部211、オーバードライブ値決定部212、遅延部213、出力部214を備える。
【0056】
ギャップ情報保持部211は、赤色用ROM211r、緑色用ROM211g、青色用ROM211bを備え、各色のサブ画素が持つ液晶層厚さに関する情報を保持する。オーバードライブ値決定部212は、オーバードライブ値テーブル261r、261g、261b、セレクタ262r、262g、262b、及び抽出部263r、263g、263bを備え、各サブ画素のオーバードライブ値を決定する。遅延部213は、入力された映像信号を遅延させて出力する。出力部214は、加算部214r、214g、214bを備え、各サブ画素の駆動輝度を表す画像信号を生成して液晶駆動部220に出力する。
【0057】
ギャップ情報保持部211の赤色用ROM211rは、赤色サブ画素Prの液晶層厚さDrを記憶している。緑色用ROM211gは、緑色サブ画素Pgの液晶層厚さDgを記憶している。青色用ROM211bは、青色サブ画素Pbの液晶層厚さDbを記憶している。ギャップ情報保持部211の各ROM211r、211g、211bは、本実施形態では、液晶パネル231の製造時の各液晶層厚さの設計値を液晶層厚さDr,Dg,Dbとして記憶している。上述のように、この実施形態では、液晶層厚さDr,Dg,Dbの設計値は、Dr=Dg>Dbとなっている。
【0058】
オーバードライブ値決定部212のオーバードライブ値テーブル261r、261g、261bは、現フレーム画像信号の目標輝度と前フレーム画像信号の目標輝度との輝度差と、オーバードライブ値とを対応付けたテーブルである。オーバードライブ値テーブル261r、261g、261bとして、それぞれ、種々の液晶層厚さDr,Dg,Db用に複数のテーブルが予め準備されている。
【0059】
オーバードライブ値決定部212のセレクタ262r、262g、262bは、それぞれ、赤色用ROM211r、緑色用ROM211g、青色用ROM211bに記憶されている液晶層厚さDr,Dg,Dbに基づき、予め準備された複数のテーブルから、対応するオーバードライブ値テーブル261r、261g、261bを選択する。上述のように、この実施形態では、
Dr=Dg>Db
となっている。そこで、セレクタ262r、262g、262bにより選択されたオーバードライブ値テーブル261r、261g、261bでは、同一の輝度差に対応付けられたオーバードライブ値は、オーバードライブ値テーブル261r、261gに比べて、オーバードライブ値テーブル261bの方が小さいレベルのオーバードライブ値を備えている。
【0060】
抽出部263r、263g、263bは、入力された映像信号と遅延部213により遅延された映像信号とに基づき、オーバードライブ値テーブル261r、261g、261bから、オーバードライブ値を抽出する。つまり、抽出部263r、263g、263bは、入力された現フレーム画像信号の目標輝度と、遅延部213により遅延された前フレーム画像信号の目標輝度との輝度差を算出し、その輝度差に対応付けられたオーバードライブ値をオーバードライブ値テーブル261r、261g、261bから抽出する。
【0061】
出力部214の加算部214r、214g、214bは、それぞれ、入力された現フレーム画像信号の目標輝度と、抽出部263r、263g、263bにより抽出されたオーバードライブ値とを加算して駆動輝度を決定し、決定した駆動輝度を表す画像信号を液晶駆動部220に出力する。本実施形態において、オーバードライブ値決定部212及び出力部214が駆動輝度決定部に対応し、液晶駆動部220が駆動部に対応する。
【0062】
(オーバードライブ処理)
図7は、X番目のLフレーム画像の左眼期間における映像信号、オーバードライブ値および目標輝度等を示す映像信号処理部210のブロック図である。図8は、X番目のRフレーム画像の右眼期間における映像信号、オーバードライブ値および目標輝度等を示す映像信号処理部210のブロック図である。図9は、オーバードライブ処理に基づくサブ画素の輝度の変化を表す概略的なタイムチャートである。図1、図7乃至図9を用いて、オーバードライブ処理に基づくサブ画素の輝度変化が説明される。
【0063】
図9のセクション(A)には、(X−1)番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間、X番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間、X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間及び(X+1)番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間が示されている。
【0064】
図9のセクション(B)には、走査動作が示される。各右眼期間の走査期間において、液晶駆動部220は、映像信号処理部210から入力されるRフレーム画像信号に基づいて、走査動作を実行する。また、各左眼期間の走査期間において、液晶駆動部220は、映像信号処理部210から入力されるLフレーム画像信号に基づいて、走査動作を実行する。図3に関連して説明された如く、液晶駆動部220は、ゲート線L1,L2,・・・上の画素(サブ画素)に順次書き込みを行う。
【0065】
図9のセクション(C)は、光学シャッタ部310の開閉動作を示す。左眼シャッタ311は、走査動作の完了後、且つ、右眼期間が開始される前までの期間において開く。また、右眼シャッタ312は、走査動作の完了後、且つ、左眼期間が開始される前までの期間において開く。
【0066】
図9のセクション(D)は、ゲート線L1とデータ線Mとの交点に位置する画素に含まれる赤色サブ画素Pr及び緑色サブ画素Pgの輝度の変化を表す。図9のセクション(E)は、ゲート線L1とデータ線Mとの交点に位置する画素に含まれる青色サブ画素Pbの輝度の変化を表す。
【0067】
まず、図1、図7、図9を用いて、X番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間におけるサブ画素の輝度変化が説明される。図7に示されるように、X番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間では、入力映像信号として、赤色Lフレーム画像信号SLr(x)、緑色Lフレーム画像信号SLg(x)、青色Lフレーム画像信号SLb(x)が、それぞれ、出力部214の加算部214r、214g、214b、及びオーバードライブ値決定部212の抽出部263r、263g、263bに入力される。また、遅延部213で遅延された、直前の(X−1)番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間に入力された赤色Rフレーム画像信号SRr(x−1)、緑色Rフレーム画像信号SRg(x−1)、青色Rフレーム画像信号SRb(x−1)が、それぞれ、オーバードライブ値決定部212の抽出部263r、263g、263bに入力される。
【0068】
直前の(X−1)番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間に入力された赤色Rフレーム画像信号SRr(x−1)、緑色Rフレーム画像信号SRg(x−1)、青色Rフレーム画像信号SRb(x−1)は、それぞれ、図9のセクション(D)、(E)に示されるように、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbに対して、「100」の目標輝度LAr、LAg、LAbを規定していたものとする。したがって、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbは、セクション(D)、(E)に示されるように、「100」の輝度から変動を開始する。
【0069】
また、X番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間に入力された赤色Lフレーム画像信号SLr(x)、緑色Lフレーム画像信号SLg(x)、青色Lフレーム画像信号SLb(x)は、それぞれ、図9のセクション(D)、(E)に示されるように、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbに対して、「20」の目標輝度LAr、LAg、LAbを規定しているものとする。
【0070】
このとき、(X−1)番目のRフレーム画像(前フレーム画像)に対するX番目のLフレーム画像(現フレーム画像)の目標輝度LAの差は、
20−100=−80
で、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbのいずれも同一値になっている。
【0071】
抽出部263r、263gは、セレクタ262r、262gにより選択されたオーバードライブ値テーブル261r、261gにおいて、目標輝度差「−80」と対応付けられているオーバードライブ値ODr、ODgとして例えば「−15」を抽出する。その結果、出力部214の加算部214r、214gによる加算結果は、
20−15=5
となり、「5」の駆動輝度LDr、LDgを設定する画像信号が、液晶駆動部220に出力される。
【0072】
抽出部263bは、セレクタ262bにより選択されたオーバードライブ値テーブル261bにおいて、目標輝度差「−80」と対応付けられているオーバードライブ値ODbとして例えば「−10」を抽出する。その結果、出力部214の加算部214bによる加算結果は、
20−10=10
となり、「10」の駆動輝度LDbを設定する画像信号が、液晶駆動部220に出力される。
【0073】
このように、青色サブ画素Pbに対する駆動輝度LDbは、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pgに対する駆動輝度LDr、LDgよりも、目標輝度LAに近い値に設定されている。しかし、各サブ画素Pr,Pg,Pbを駆動する電極対に挟まれた液晶層の厚さDr,Dg,Dbは、上述のように、この実施形態では、Dr=Dg>Dbとなっている。このため、青色サブ画素Pbの応答速度は、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pgの応答速度よりも、高くなっている。その結果、左眼期間の終端において、各サブ画素Pr,Pg,Pbは、「25」の同じ輝度を達成している。つまり、液晶層厚さDr,Dg,Dbの違いに応じたレベルのオーバードライブ値を、各サブ画素Pr,Pg,Pbに対して決定しているため、走査期間において同一の輝度値を達成している。
【0074】
なお、この達成輝度「25」は、目標輝度「20」に一致していない。すなわち、X番目のLフレーム画像(現フレーム画像)ではクロストークが残っている。しかし、(達成輝度/目標輝度)は等しいため、各サブ画素Pr,Pg,Pbのクロストークが色の違いとして表れることはない。
【0075】
次に、図1、図8、図9を用いて、X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間におけるサブ画素の輝度変化が説明される。図8に示されるように、X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間では、入力映像信号として、赤色Rフレーム画像信号SRr(x)、緑色Rフレーム画像信号SRg(x)、青色Rフレーム画像信号SRb(x)が、それぞれ、出力部214の加算部214r、214g、214b、及びオーバードライブ値決定部212の抽出部263r、263g、263bに入力される。また、遅延部213で遅延された、直前のX番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間に入力された赤色Lフレーム画像信号SLr(x)、緑色Lフレーム画像信号SLg(x)、青色Lフレーム画像信号SLb(x)が、それぞれ、オーバードライブ値決定部212の抽出部263r、263g、263bに入力される。
【0076】
X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間に入力された赤色Rフレーム画像信号SRr(x)、緑色Rフレーム画像信号SRg(x)、青色Rフレーム画像信号SRb(x)は、それぞれ、図9のセクション(D)、(E)に示されるように、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbに対して、「60」の目標輝度LAr、LAg、LAbを規定しているものとする。
【0077】
このとき、X番目のLフレーム画像(前フレーム画像)に対するX番目のRフレーム画像(現フレーム画像)の目標輝度LAの差は、
60−20=+40
で、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pg及び青色サブ画素Pbのいずれも同一値になっている。
【0078】
抽出部263r、263gは、セレクタ262r、262gにより選択されたオーバードライブ値テーブル261r、261gにおいて、目標輝度差「+40」と対応付けられているオーバードライブ値ODr、ODgとして例えば「+10」を抽出する。その結果、出力部214の加算部214r、214gによる加算結果は、
60+10=70
となり、「70」の駆動輝度LDr、LDgを設定する画像信号が、液晶駆動部220に出力される。
【0079】
抽出部263bは、セレクタ262bにより選択されたオーバードライブ値テーブル261bにおいて、目標輝度差「+40」と対応付けられているオーバードライブ値ODbとして例えば「+5」を抽出する。その結果、出力部214の加算部214bによる加算結果は、
60+5=65
となり、「65」の駆動輝度LDbを設定する画像信号が、液晶駆動部220に出力される。
【0080】
このように、直前の左眼期間と同様に、現在の右眼期間でも、青色サブ画素Pbに対する駆動輝度LDbは、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pgに対する駆動輝度LDr、LDgよりも、目標輝度LAに近い値に設定されている。しかし、各サブ画素を駆動する電極対に挟まれた液晶層の厚さDr,Dg,Dbは、上述のように、この実施形態では、Dr=Dg>Dbとなっている。このため、青色サブ画素Pbの応答速度は、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pgの応答速度よりも、高くなっている。その結果、右眼期間の終端において、各サブ画素Pr,Pg,Pbは、「60」の同じ輝度を達成している。つまり、液晶層厚さDr,Dg,Dbの違いに応じたレベルのオーバードライブ値を、各サブ画素Pr,Pg,Pbに対して生成しているため、走査期間において、同一の輝度値を達成している。
【0081】
図9のセクション(D)、(E)に示されるように、右眼シャッタ312が開き始めた時点では、達成輝度は目標輝度「60」に比べて多少低くなっているが、右眼期間の終端における達成輝度は目標輝度「60」に一致している。したがって、X番目のRフレーム画像では、クロストークがほぼ解消されている。
【0082】
なお、図9では、説明の簡単化のため、例えばX番目のLフレーム画像の表示のための左眼期間では、各サブ画素Pr,Pg,Pbにおいて、前フレームの目標輝度(100)と現フレームの目標輝度(20)とを同一値としている。そして、前フレームの目標輝度(100)と現フレームの目標輝度(20)との輝度差(−80)に基づき、サブ画素Pr,Pgでは駆動輝度(5)が決定され、サブ画素Pbでは駆動輝度(10)が決定されている。同様に、X番目のRフレーム画像の表示のための右眼期間では、各サブ画素Pr,Pg,Pbにおいて、前フレームの目標輝度(20)と現フレームの目標輝度(60)とを同一値としている。そして、前フレームの目標輝度(20)と現フレームの目標輝度(60)との輝度差(+40)に基づき、サブ画素Pr,Pgでは駆動輝度(70)が決定され、サブ画素Pbでは駆動輝度(65)が決定されている。
【0083】
このように、前フレームにおける、サブ画素Pr,Pgの目標輝度とサブ画素Pbの目標輝度とが等しく、かつ、現フレームにおける、サブ画素Pr,Pgの目標輝度(第1目標輝度)とサブ画素Pbの目標輝度(第2目標輝度)とが等しい場合に、サブ画素Pr,Pgの現フレームの目標輝度(第1目標輝度)と駆動輝度(第1駆動輝度)との第1差分値(つまりオーバードライブ値)に比べて、サブ画素Pbの現フレームの目標輝度(第2目標輝度)と駆動輝度(第2駆動輝度)との第2差分値(つまりオーバードライブ値)が小さくなるように、サブ画素Pr,Pgの駆動輝度(第1駆動輝度)とサブ画素Pbの駆動輝度(第2駆動輝度)とが、それぞれ決定されている。
【0084】
以上説明されたように、第1実施形態では、図9に示されるように、目標輝度LAより過小又は過大な輝度が駆動輝度LDに設定されてオーバードライブ処理が行われているため、各サブ画素Pr,Pg,Pbの輝度をより早く目標輝度LAに近づけることができる。したがって、液晶パネル231のクロストークを低減することができる。
【0085】
また、第1実施形態では、液晶層厚さDr,Dg,DbがDr=Dg>Dbとなっており、目標輝度が等しいとき、青色サブ画素Pbに対するオーバードライブ値は、赤色サブ画素Pr、緑色サブ画素Pgに対するオーバードライブ値よりも、絶対値が小さい値となっている。つまり、第1実施形態では、液晶層厚さDr,Dg,Dbの違いに応じたレベルのオーバードライブ値を、各サブ画素Pr,Pg,Pbに対して決定している。したがって、各サブ画素Pr,Pg,Pbで(達成輝度/目標輝度)が等しい輝度値を達成することができる。その結果、走査期間の終端においてクロストークが残っていたとしても、各サブ画素Pr,Pg,Pbのクロストークが色の違いとして表れることがないという利点がある。
【0086】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、赤色サブ画素Prの液晶LCを駆動する電極対Er1,Er2に挟まれた液晶層の厚さDr、緑色サブ画素Pgの液晶LCを駆動する電極対Eg1,Eg2に挟まれた液晶層の厚さDg、青色サブ画素Pbの液晶LCを駆動する電極対Eb1,Eb2に挟まれた液晶層の厚さDbの大小関係が、Dr=Dg>Dbとなっていた。つまり、上記第1実施形態では、設計値として規定された液晶層の厚さDr,Dg,Dbが、上記の大小関係を有している場合について説明された。
【0087】
これに対して、第2実施形態では、設計値としての液晶層の厚さDr,Dg,Dbが、製造ばらつき等に起因して、液晶パネル231におけるサブ画素の配列位置によって異なるデータを有している場合について説明される。
【0088】
図10は、第2実施形態に従う表示装置200の映像信号処理部210Aの機能構成を概略的に示すブロック図である。図11は、第2実施形態に従う液晶パネル231の一部を概略的に示す模式図である。第2実施形態の表示装置200は、映像信号処理部210に代えて、映像信号処理部210Aを備える。第2実施形態では、第1実施形態と同様の要素に対して、同様の符号が割り当てられている。以下において説明されない要素に対し、第1実施形態に係る説明が好適に援用される。図1、図10及び図11を用いて、第2実施形態におけるオーバードライブ値の決定が説明される。
【0089】
第2実施形態では、図11に示されるように、液晶パネル231は、仮想的に複数の分割領域に分割されている。図11には、分割領域A1乃至A8が示されている。例えば分割領域A1は、ゲート線L1乃至L8及びデータ線M1乃至M8の交点に対応する領域であり、分割領域A2は、ゲート線L1乃至L8及びデータ線M9乃至M16の交点に対応する領域であり、以下同様に、8本のゲート線及び8本のデータ線の交点に対応する領域ごとに、分割領域A3乃至A8が設けられている。このように、第2実施形態では、図11に示されるように、液晶パネル231は、8本のゲート線及び8本のデータ線の交点に対応する領域ごとに仮想的に分割されている。なお、第2実施形態では、8本のゲート線及び8本のデータ線の交点に対応する領域ごとに分割されているが、分割領域の大きさはこれに限られない。代替的に、16本のゲート線及び8本のデータ線の交点に対応する領域ごとに分割するなど、任意の本数のゲート線及びデータ線の交点に対応する領域ごとに分割してもよい。
【0090】
第2実施形態では、ギャップ情報保持部211は、赤色用ROM271r、緑色用ROM271g、青色用ROM271bを備える。赤色用ROM271rは、分割領域A1,A2,・・・ごとに、液晶層厚さDrを表すデータとして、データDr1,Dr2,・・・を記憶している。緑色用ROM271gは、分割領域A1,A2,・・・ごとに、液晶層厚さDgを表すデータとして、データDg1,Dg2,・・・を記憶している。青色用ROM271bは、分割領域A1,A2,・・・ごとに、液晶層厚さDbを表すデータとして、データDb1,Db2,・・・を記憶している。この実施形態では、例えば、液晶パネル231の製造工程において、計測器を用いてインラインで全てのサブ画素における液晶層厚さを計測し、計測値を分割領域ごとに平均した平均値をデータDr1,Dg1,Db1,・・・として、赤色用ROM271r、緑色用ROM271g、青色用ROM271bに、それぞれ記憶させている。
【0091】
代替的に、液晶パネル231の製造工程において、計測器を用いてインラインで、予め分割領域ごとに設定された所定数のサンプルポイントのサブ画素における液晶層厚さを計測し、計測値を分割領域ごとに平均した平均値を液晶層厚さDr,Dg,Dbを表すデータとして、各ROM271r、271g、271bに記憶させるようにしてもよい。さらに代替的に、液晶パネル231の製造後に、液晶層厚さを推定するようにしてもよい。すなわち、温度や階調(輝度)などの条件を一定として分割領域ごとにサンプルポイントのサブ画素の応答速度を測定し、その測定結果から液晶層厚さを推定し、その推定値の平均値を分割領域ごとの液晶層厚さDr,Dg,Dbを表すデータとして、各ROM271r、271g、271bに記憶させるようにしてもよい。本実施形態では、例えば、分割領域A1の赤色サブ画素Prの液晶層厚さDrを表すデータDr1が第1データに対応し、分割領域A2の赤色サブ画素Prの液晶層厚さDrを表すデータDr2が第2データに対応する。
【0092】
赤色用ROM271rは、入力された映像信号の例えば垂直同期信号及び水平同期信号に基づき、映像信号の画素に対応する分割領域の液晶層厚さDrを表すデータDr1,Dr2,・・・をセレクタ262rに出力する。セレクタ262rは、赤色用ROM271rからの液晶層厚さDrを表すデータDr1,Dr2,・・・に対応するオーバードライブ値テーブル261rを選択し、抽出部263rに出力する。緑色用ROM271gは、入力された映像信号の例えば垂直同期信号及び水平同期信号に基づき、映像信号の画素に対応する分割領域の液晶層厚さDgを表すデータDg1,Dg2,・・・をセレクタ262gに出力する。セレクタ262gは、緑色用ROM271gからの液晶層厚さDgを表すデータDr1,Dr2,・・・に対応するオーバードライブ値テーブル261gを選択し、抽出部263gに出力する。青色用ROM271bは、入力された映像信号の例えば垂直同期信号及び水平同期信号に基づき、映像信号の画素に対応する分割領域の液晶層厚さDbを表すデータDb1,Drb,・・・をセレクタ262bに出力する。セレクタ262bは、青色用ROM271bからの液晶層厚さDbを表すデータDb1,Db2,・・・に対応するオーバードライブ値テーブル261bを選択し、抽出部263bに出力する。以降は、上記第1実施形態と同様に動作が行われる。本実施形態において、ギャップ情報保持部211が記憶部に対応し、オーバードライブ値決定部212及び出力部214が駆動輝度決定部に対応し、液晶駆動部220が駆動部に対応する。
【0093】
以上説明されたように、第2実施形態では、製造ばらつき等に起因する液晶層厚さDr,Dg,Dbを表すデータに応じたオーバードライブ値を、分割領域ごとに、各サブ画素Pr,Pg,Pbに対して決定している。したがって、走査期間の終端においてクロストークが残っていたとしても、各サブ画素Pr,Pg,Pbのクロストークを同一量とすることができる。これによって、第1実施形態と同様に、クロストークが色の違いとして表れることがないという利点がある。
【0094】
なお、第2実施形態では、液晶層厚さDr,Dg,Dbの設計値が、第1実施形態と同様に、例えばDr=Dg>Dbとなっていてもよい。代替的に、第2実施形態では、液晶層厚さDr,Dg,Dbの設計値は、Dr=Dg=Dbとなっているが、製造ばらつき等に起因して、各分割領域における液晶層厚さDr,Dg,Dbを表すデータが異なっていてもよい。
【0095】
<その他>
図12は、上記各実施形態と異なる構成のオーバードライブ値決定部を備えた映像信号処理部の機能構成を概略的に示すブロック図である。図12では、第1実施形態と同様の要素に対して、同様の符号が割り当てられている。以下において説明されない要素に対し、第1実施形態に係る説明が好適に援用される。
【0096】
図12に示されるオーバードライブ値決定部212Aは、図6に示されるセレクタに代えて関数演算部264r、264g、264bを備える。また、オーバードライブ値決定部212Aは、図6と異なり、それぞれ1個のオーバードライブ値テーブル261r、261g、261bを備える。
【0097】
関数演算部264r、264g、264bは、ギャップ情報保持部211の赤色用ROM211r、緑色用ROM211g、青色用ROM211bから入力される液晶層厚さDr,Dg,Dbに基づき、オーバードライブ値テーブル261r、261g、261bが持っているオーバードライブ値に所定の関数演算を行ってオーバードライブ値を変換する。関数演算部264r、264g、264bは、変換されたオーバードライブ値を持つオーバードライブ値テーブル261r、261g、261bを抽出部263r、263g、263bに出力する。以降は、上記第1実施形態と同様に動作が行われる。
【0098】
図12に示される形態でも上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。図12には、図6に示される上記第1実施形態において、オーバードライブ値決定部212に代えてオーバードライブ値決定部212Aを備えた形態が示されている。代替的に、図10に示される上記第2実施形態において、オーバードライブ値決定部212に代えてオーバードライブ値決定部212Aを備えてもよい。
【0099】
図13は、IPS方式におけるサブ画素の構成を概略的に示す模式図である。上記各実施形態では、図4に示されるように、液晶パネル231の駆動方式としてVA方式が適用された例が説明されたが、これに限られない。代替的に、図13に示されるIPS方式が適用された液晶パネルでもよい。
【0100】
図13に示されるサブ画素SPは、ガラス基板400,402を備える。ガラス基板400上に電極対410,412が配設され、電極対410,412を覆うように配向膜404が形成されている。ガラス基板402の一方の面に配向膜406が形成され、他方の面に偏光板408が設けられている。ガラス基板400,402により液晶LCが挟まれている。電極対410,412に電圧が印加されて電界Efが形成され、液晶LCが駆動される。
【0101】
このIPS方式では、液晶層厚さDは、図13に示されるように、配向膜404と配向膜406で挟まれる液晶層の厚さである。図13に示されるIPS方式の液晶パネルに対しても、上記各実施形態が好適に適用される。
【0102】
また、上記各実施形態では、左眼用映像信号及び右眼用映像信号が入力され、立体的に知覚される映像を表示する表示装置200としているが、これに限られない。本発明は、通常の映像信号が入力され、平面的に知覚される映像を表示する通常の表示装置に適用することができる。この表示装置は、図1に示される表示装置200において、第2制御部240を省略し、映像信号処理部210には、左眼用映像信号及び右眼用映像信号に代えて、通常の映像信号が入力されるように構成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、オーバードライブ処理を好適に行うことにより、画像品質の低下を抑制することが可能な表示装置及び映像視聴システムとして好適である。
【符号の説明】
【0104】
100・・・・・・・・・・・・・・・・・・・映像視聴システム
200・・・・・・・・・・・・・・・・・・・表示装置
210、210A、210B・・・・・・・・・映像信号処理部
211・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ギャップ情報保持部
211r、271r・・・・・・・・・・・・・赤色用ROM
211g、271g・・・・・・・・・・・・・緑色用ROM
211b、271b・・・・・・・・・・・・・青色用ROM
212、212A・・・・・・・・・・・・・・オーバードライブ値決定部
214・・・・・・・・・・・・・・・・・・・出力部
214r、214g、214b・・・・・・・・加算部
261r、261g、261b・・・・・・・・オーバードライブ値テーブル
262r、262g、262b・・・・・・・・セレクタ
263r、263g、263b・・・・・・・・抽出部
220・・・・・・・・・・・・・・・・・・・液晶駆動部
231・・・・・・・・・・・・・・・・・・・液晶パネル
300・・・・・・・・・・・・・・・・・・・眼鏡装置
311・・・・・・・・・・・・・・・・・・・左眼シャッタ
312・・・・・・・・・・・・・・・・・・・右眼シャッタ
D、Dr、Dg、Db・・・・・・・・・・・・液晶層厚さ
P・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・画素
Pr、Pg、Pb・・・・・・・・・・・・・・サブ画素
SLr(x),SLg(x),SLb(x)・・Lフレーム画像信号
SRr(x),SRg(x),SRb(x)・・Rフレーム画像信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される画像信号に基づく画像を表示する表示装置であって、
第1液晶層厚さを持つ第1サブ画素と、前記第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有する液晶パネルと、
前記第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、前記第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部と、
前記駆動輝度決定部により決定された前記第1駆動輝度に向けて前記第1サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部により決定された前記第2駆動輝度に向けて前記第2サブ画素を駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動輝度決定部は、前記第1目標輝度と前記第2目標輝度とが等しいときは、前記第1目標輝度と前記第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、前記第2目標輝度と前記第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、前記第1駆動輝度と前記第2駆動輝度とを決定することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1サブ画素と前記第2サブ画素とは、互いに異なる色を表示することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記画素は、前記第1サブ画素として赤色を表示する赤色サブ画素を含み、前記第2サブ画素として青色を表示する青色サブ画素を含み、かつ、前記第2液晶層厚さより大きい第3液晶層厚さを持ち緑色を表示する緑色サブ画素を含み、
前記駆動輝度決定部は、前記緑色サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記緑色サブ画素に対して規定する第3目標輝度と異なる第3駆動輝度を決定し、
前記駆動部は、さらに、前記駆動輝度決定部により決定された前記第3駆動輝度に向けて前記緑色サブ画素を駆動し、
前記駆動輝度決定部は、前記第3目標輝度と前記第2目標輝度とが等しいときは、前記第3目標輝度と前記第3駆動輝度との間の第3差分値に比べて、前記第2目標輝度と前記第2駆動輝度との間の前記第2差分値が小さくなるように、前記第3駆動輝度と前記第2駆動輝度とを決定することを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1サブ画素の前記第1液晶層厚さを表すデータが記憶されている記憶部をさらに備え、
前記液晶パネルの表示面は、第1領域および前記第1領域と異なる第2領域を有し、
前記画素は、前記液晶パネルの前記表示面の前記第1領域に配置される第1画素と、前記液晶パネルの前記表示面の前記第2領域に配置される第2画素とを含み、
前記記憶部には、前記第1画素に含まれる前記第1サブ画素の前記第1液晶層厚さを表す第1データが前記第1領域と対応付けて記憶され、前記第2画素に含まれる前記第1サブ画素の前記第1液晶層厚さを表し前記第1データと異なる第2データが前記第2領域と対応付けて記憶され、
前記駆動輝度決定部は、前記第1領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第1データに基づき、前記第1領域に配置されている前記第1サブ画素の前記第1駆動輝度を決定し、前記第2領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第2データに基づき、前記第2領域に配置されている前記第1サブ画素の前記第1駆動輝度を決定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記画像信号は、現フレーム画像を表示するための現フレーム画像信号と、前記現フレーム画像の1つ前に表示される前フレーム画像を表示するための前フレーム画像信号と、を含み、
前記液晶パネルは、前記前フレーム画像の後で前記現フレーム画像を表示することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記駆動輝度決定部は、前記現フレーム画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する現目標輝度と前記前フレーム画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する前目標輝度との差をさらに用いて、前記第1駆動輝度を決定し、前記現フレーム画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する現目標輝度と前記前フレーム画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する前目標輝度との差をさらに用いて、前記第2駆動輝度を決定することを特徴とする請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記画像信号は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像を表示するための左眼用フレーム画像信号と、右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像を表示するための右眼用フレーム画像信号と、を含み、
前記液晶パネルは、前記左眼用フレーム画像と前記右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて、立体的に知覚される画像を表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
入力される画像信号に基づく画像を表示する表示装置であって、
第1領域および前記第1領域と異なる第2領域を有する表示面と、所定の液晶層厚さを持つ第1サブ画素を含み、前記表示面の前記第1領域に配置される第1画素と、所定の液晶層厚さを持つ第2サブ画素を含み、前記表示面の前記第2領域に配置される第2画素と、を有する液晶パネルと、
前記第1サブ画素の前記液晶層厚さを表す第1データが前記第1領域と対応付けて記憶され、前記第2サブ画素の前記液晶層厚さを表し前記第1データと異なる第2データが前記第2領域と対応付けて記憶されている記憶部と、
前記第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、前記第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部と、
前記駆動輝度決定部により決定された前記第1駆動輝度に向けて前記第1サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部により決定された前記第2駆動輝度に向けて前記第2サブ画素を駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動輝度決定部は、前記第1領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第1データと前記第1目標輝度とに基づき、前記第1サブ画素の前記第1駆動輝度を決定し、前記第2領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第2データと前記第2目標輝度とに基づき、前記第2サブ画素の前記第2駆動輝度を決定することを特徴とする表示装置。
【請求項9】
入力される画像信号に基づき、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを表示し、立体的に知覚される画像を提供する表示装置と、
前記左眼用フレーム画像が視聴されるように前記左眼へ到達する光量を調整する左眼フィルタと、前記右眼用フレーム画像が視聴されるように前記右眼へ到達する光量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置と、を備え、
前記表示装置は、
第1液晶層厚さを持つ第1サブ画素と、前記第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有し、前記左眼用フレーム画像と前記右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、
前記第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、前記第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部と、
前記駆動輝度決定部により決定された前記第1駆動輝度に向けて前記第1サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部により決定された前記第2駆動輝度に向けて前記第2サブ画素を駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動輝度決定部は、前記第1目標輝度と前記第2目標輝度とが等しいときは、前記第1目標輝度と前記第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、前記第2目標輝度と前記第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、前記第1駆動輝度と前記第2駆動輝度とを決定することを特徴とする映像視聴システム。
【請求項1】
入力される画像信号に基づく画像を表示する表示装置であって、
第1液晶層厚さを持つ第1サブ画素と、前記第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有する液晶パネルと、
前記第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、前記第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部と、
前記駆動輝度決定部により決定された前記第1駆動輝度に向けて前記第1サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部により決定された前記第2駆動輝度に向けて前記第2サブ画素を駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動輝度決定部は、前記第1目標輝度と前記第2目標輝度とが等しいときは、前記第1目標輝度と前記第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、前記第2目標輝度と前記第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、前記第1駆動輝度と前記第2駆動輝度とを決定することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1サブ画素と前記第2サブ画素とは、互いに異なる色を表示することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記画素は、前記第1サブ画素として赤色を表示する赤色サブ画素を含み、前記第2サブ画素として青色を表示する青色サブ画素を含み、かつ、前記第2液晶層厚さより大きい第3液晶層厚さを持ち緑色を表示する緑色サブ画素を含み、
前記駆動輝度決定部は、前記緑色サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記緑色サブ画素に対して規定する第3目標輝度と異なる第3駆動輝度を決定し、
前記駆動部は、さらに、前記駆動輝度決定部により決定された前記第3駆動輝度に向けて前記緑色サブ画素を駆動し、
前記駆動輝度決定部は、前記第3目標輝度と前記第2目標輝度とが等しいときは、前記第3目標輝度と前記第3駆動輝度との間の第3差分値に比べて、前記第2目標輝度と前記第2駆動輝度との間の前記第2差分値が小さくなるように、前記第3駆動輝度と前記第2駆動輝度とを決定することを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1サブ画素の前記第1液晶層厚さを表すデータが記憶されている記憶部をさらに備え、
前記液晶パネルの表示面は、第1領域および前記第1領域と異なる第2領域を有し、
前記画素は、前記液晶パネルの前記表示面の前記第1領域に配置される第1画素と、前記液晶パネルの前記表示面の前記第2領域に配置される第2画素とを含み、
前記記憶部には、前記第1画素に含まれる前記第1サブ画素の前記第1液晶層厚さを表す第1データが前記第1領域と対応付けて記憶され、前記第2画素に含まれる前記第1サブ画素の前記第1液晶層厚さを表し前記第1データと異なる第2データが前記第2領域と対応付けて記憶され、
前記駆動輝度決定部は、前記第1領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第1データに基づき、前記第1領域に配置されている前記第1サブ画素の前記第1駆動輝度を決定し、前記第2領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第2データに基づき、前記第2領域に配置されている前記第1サブ画素の前記第1駆動輝度を決定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記画像信号は、現フレーム画像を表示するための現フレーム画像信号と、前記現フレーム画像の1つ前に表示される前フレーム画像を表示するための前フレーム画像信号と、を含み、
前記液晶パネルは、前記前フレーム画像の後で前記現フレーム画像を表示することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記駆動輝度決定部は、前記現フレーム画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する現目標輝度と前記前フレーム画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する前目標輝度との差をさらに用いて、前記第1駆動輝度を決定し、前記現フレーム画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する現目標輝度と前記前フレーム画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する前目標輝度との差をさらに用いて、前記第2駆動輝度を決定することを特徴とする請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記画像信号は、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像を表示するための左眼用フレーム画像信号と、右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像を表示するための右眼用フレーム画像信号と、を含み、
前記液晶パネルは、前記左眼用フレーム画像と前記右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて、立体的に知覚される画像を表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
入力される画像信号に基づく画像を表示する表示装置であって、
第1領域および前記第1領域と異なる第2領域を有する表示面と、所定の液晶層厚さを持つ第1サブ画素を含み、前記表示面の前記第1領域に配置される第1画素と、所定の液晶層厚さを持つ第2サブ画素を含み、前記表示面の前記第2領域に配置される第2画素と、を有する液晶パネルと、
前記第1サブ画素の前記液晶層厚さを表す第1データが前記第1領域と対応付けて記憶され、前記第2サブ画素の前記液晶層厚さを表し前記第1データと異なる第2データが前記第2領域と対応付けて記憶されている記憶部と、
前記第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、前記第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部と、
前記駆動輝度決定部により決定された前記第1駆動輝度に向けて前記第1サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部により決定された前記第2駆動輝度に向けて前記第2サブ画素を駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動輝度決定部は、前記第1領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第1データと前記第1目標輝度とに基づき、前記第1サブ画素の前記第1駆動輝度を決定し、前記第2領域と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記第2データと前記第2目標輝度とに基づき、前記第2サブ画素の前記第2駆動輝度を決定することを特徴とする表示装置。
【請求項9】
入力される画像信号に基づき、左眼で視聴されるように作成された左眼用フレーム画像と右眼で視聴されるように作成された右眼用フレーム画像とを表示し、立体的に知覚される画像を提供する表示装置と、
前記左眼用フレーム画像が視聴されるように前記左眼へ到達する光量を調整する左眼フィルタと、前記右眼用フレーム画像が視聴されるように前記右眼へ到達する光量を調整する右眼フィルタと、を含む眼鏡装置と、を備え、
前記表示装置は、
第1液晶層厚さを持つ第1サブ画素と、前記第1液晶層厚さより小さい第2液晶層厚さを持つ第2サブ画素と、を含む画素を有し、前記左眼用フレーム画像と前記右眼用フレーム画像とを、時間的に交互に切り換えて表示する液晶パネルと、
前記第1サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第1サブ画素に対して規定する第1目標輝度と異なる第1駆動輝度を決定し、前記第2サブ画素をオーバードライブ処理するべく前記画像信号が前記第2サブ画素に対して規定する第2目標輝度と異なる第2駆動輝度を決定する駆動輝度決定部と、
前記駆動輝度決定部により決定された前記第1駆動輝度に向けて前記第1サブ画素を駆動し、前記駆動輝度決定部により決定された前記第2駆動輝度に向けて前記第2サブ画素を駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動輝度決定部は、前記第1目標輝度と前記第2目標輝度とが等しいときは、前記第1目標輝度と前記第1駆動輝度との間の第1差分値に比べて、前記第2目標輝度と前記第2駆動輝度との間の第2差分値が小さくなるように、前記第1駆動輝度と前記第2駆動輝度とを決定することを特徴とする映像視聴システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−189710(P2012−189710A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52038(P2011−52038)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]